JPH11105120A - 熱可塑性樹脂シート被覆ボード及びその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂シート被覆ボード及びその製造方法

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JPH11105120A
JPH11105120A JP29028897A JP29028897A JPH11105120A JP H11105120 A JPH11105120 A JP H11105120A JP 29028897 A JP29028897 A JP 29028897A JP 29028897 A JP29028897 A JP 29028897A JP H11105120 A JPH11105120 A JP H11105120A
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JP
Japan
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board
resin sheet
thermoplastic resin
coated
core
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JP29028897A
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Inventor
Yoshihiro Hase
善博 長谷
Takayoshi Imai
隆嘉 今井
Eiichiro Uno
英一郎 宇野
Yoshihiko Ogawa
嘉彦 小川
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被覆層の表面の耐熱性が優れ、反りが小さく、
しかも、被覆層の表面に生じた焼け焦げ跡や擦り傷跡な
どの修復が可能な熱可塑性樹脂シート被覆ボードを提供
する。 【解決手段】芯材ボードと熱可塑性樹脂シートとが上記
芯材ボードの上面および端面において継ぎ目なく連続的
に一体化されている熱可塑性樹脂シート被覆ボードであ
って、上記熱可塑性樹脂シートとして、熱変形温度が1
00℃以上、0〜100℃での平均熱膨張係数が1.0
×10-6/℃以上かつ1.0×10-3/℃以下、厚さが
0.5mm以上の熱可塑性樹脂シートを使用して成る熱
可塑性樹脂シート被覆ボード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂シー
ト被覆ボード及びその製造方法に関するものであり、詳
しくは、耐熱性が優れ、反りが小さく、しかも、被覆ボ
ードの上面と端面に生じた焼け焦げ跡や擦り傷跡などの
修復が可能な熱可塑性樹脂シート被覆ボード及びその製
造方法に関するものである。以下、上面と端面を合わせ
て表面ということがある。
【0002】
【従来の技術】テーブル、カウンター等の天板などに使
用される樹脂化粧板としては、芯材ボードの表面に真空
成形法により軟質塩化ビニルシートを被覆接着した被覆
ボードが知られている。しかしながら、軟質塩化ビニル
シートを被覆接着した被覆ボードは、被覆層の耐熱性が
乏しいため、表面に焼け焦げ跡や擦り傷跡などが生じ易
く、生じた場合、その修復が困難である。
【0003】上記の問題は、熱変形温度が100℃以上
の耐熱性に優れる熱可塑性樹脂シートを使用することに
より解決することが可能であるが、修復性向上の観点か
ら、熱可塑性樹脂シートの厚さは0.5mm以上である
ことが望ましい。
【0004】ところで、上記の様な熱可塑性樹脂は、通
常、平均熱膨張係数が1.0×10-6/℃以上と一般的
に芯材ボードに使用される材料の平均熱膨張係数に比べ
大きいため、上記の様な高温の熱変形温度を採用した成
形と同時に樹脂シートと芯材ボードを接着する真空成形
法においては、被覆ボードに樹脂シートと芯材ボードの
収縮力の差による大きな反りが生ずるという問題があ
る。斯かる問題は、熱可塑性樹脂シートが厚い程、顕著
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、被覆層の表面の
耐熱性が優れ、反りが小さく、しかも、被覆層の表面に
生じた焼け焦げ跡や擦り傷跡などの修復が可能な熱可塑
性樹脂シート被覆ボード及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記実情に鑑
みなされたものであり、すなわち、本発明の第1の要旨
は、芯材ボードと熱可塑性樹脂シートとが上記芯材ボー
ドの上面および端面において継ぎ目なく連続的に一体化
されている熱可塑性樹脂シート被覆ボードであって、上
記熱可塑性樹脂シートとして、熱変形温度が100℃以
上、0〜100℃での平均熱膨張係数が1.0×10-6
/℃以上かつ1.0×10-3/℃以下、厚さが0.5m
m以上の熱可塑性樹脂シートを使用して成ることを特徴
とする熱可塑性樹脂シート被覆ボードに存する。
【0007】そして、本発明の第2の要旨は、芯材ボー
ドの上面および端面に加熱された熱可塑性樹脂シートを
曲面接着真空プレス成形法により被覆接着する熱可塑性
樹脂シート被覆ボードの製造方法において、上記熱可塑
性樹脂シートとして、熱変形温度が100℃以上、0〜
100℃での平均熱膨張係数が1.0×10-6/℃以上
かつ1.0×10-3/℃以下、厚さが0.5mm以上の
熱可塑性樹脂シートを使用し、熱変形温度以上の成形温
度に熱可塑性樹脂シートを加熱する際、上記芯材ボード
の上面部分に接着されるシート部分であって、当該部分
の周縁曲線から内側方向に略等距離縮小され且つ上記の
上面の面積に対する50%以上の範囲を90℃未満に保
持することを特徴とする熱可塑性樹脂シート被覆ボード
の製造方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明の熱可塑性樹脂シート被覆ボードについて
説明する。本発明の熱可塑性樹脂シート被覆ボードは、
芯材ボードと熱可塑性樹脂シートとが上記芯材ボードの
上面および端面において継ぎ目なく連続的に一体化され
て成る。
【0009】上記の芯材ボードとしては、例えば、木質
単板、積層合板、インシュレーションボード、中密度繊
維板(MDF)、ハードボード、パーティクルボード、
ウェファボード、OSB(オリエンテッド・ストランド
・ボード)、木毛セメント板、木片セメント板、石膏ボ
ード又は石膏パーティクルボードが挙げられる。上記の
芯材ボードは、通常、上面が平面であり、端面自体の曲
面および上面と端面との間に形成されている曲面から成
る三次元曲面を有する。
【0010】上記の芯材ボードの上面の平面形状として
は、特に制限されず、例えば、正方形、長方形、三角
形、星形、多角形、円形、楕円形、卵形、繭形などが挙
げられる。また、上記の芯材ボードの厚さは、通常5〜
50mmである。厚さが5mm未満および厚さが50m
mを超える芯材ボードは、熱可塑性樹脂シート被覆ボー
ド(以下、単に被覆ボードと略記する)にして使用する
ことが少ない。
【0011】上記の芯材ボードの端面自体の曲面の最小
曲率半径(Rmin−C)は、通常1000mm以下、
好ましくは500mm以下である。また、上面と端面と
の間に形成されている曲面の最小曲率半径(Rmin−
E)は、通常100mm以下、好ましくは30mm以下
である。なお、Rmin−Cは、外R(外側に凸の曲
率)及び内R(内側に凹の曲率)の何れでもよい。
【0012】前記の樹脂シートの熱変形温度は、100
℃以上、好ましくは115℃以上、0〜100℃での平
均熱膨張係数は、1.0×10-6/℃以上かつ1.0×
10-3/℃以下、好ましくは1.0×10-6/℃以上か
つ1.0×10-4/℃以下である。上記の熱変形温度が
100℃未満である場合は、被覆ボードの表面の耐熱性
が不十分である。また、樹脂シートの平均熱膨張係数が
1.0×10-6/℃未満の場合、成形して得られる被覆
ボードの反りの問題は少ない。また、0〜100℃での
平均熱膨張係数が1.0×10-3/℃を超える場合は、
温度変化による反りが出易く、実用的でない。
【0013】上記の樹脂シートの主樹脂成分として、熱
可塑性樹脂が使用される。斯かる熱可塑性樹脂として
は、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリアミド系樹脂、ABS樹脂が挙げられ、これら
の樹脂は2種以上をブレンドして使用することも出来
る。上記の樹脂の中で、得られる被覆ボードをテーブル
やカウンター等の天板に使用する場合の熱可塑性樹脂と
しては、実用的観点からポリエステル系樹脂またはポリ
カーボネート樹脂を主成分とする樹脂組成物が好適に使
用される。
【0014】上記の樹脂シートには、充填材を含有させ
るのが好ましい。充填材を含有することにより、樹脂シ
ートに遮蔽効果を与え、さらに、充填材の素材、形状お
よび色相により、被覆ボードに化粧効果を与えることが
出来る。
【0015】上記の充填材としては、無機または有機の
粒状、フレーク状または繊維状充填材が挙げられる。上
記の充填材の最大寸法は、通常100μm以下、好まし
くは50μm以下、より好ましくは20μm以下であ
る。また、その色相は、希望する化粧効果の観点から適
宜選択することが出来る。
【0016】上記の無機充填材としては、例えば、硫酸
バリウム、硫酸ストロンチウム、酸化ジルコニウム、ケ
イ酸ジルコニウム、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、タルク、クレ
ー、炭酸ガス、雲母、ガラス、珪灰石、その他、各種金
属、各種金属の酸化物、水酸化物などの粒子が挙げら
れ、中でも、硫酸バリウムは、樹脂シートに重量感、セ
ラミック感を与えるため、被覆ボードの商品価値を向上
させることが出来、好適に使用される。斯かる充填材は
2種以上をブレンドして使用することが出来る。樹脂シ
ートには、必要により、さらに、公知の耐熱安定剤、耐
光安定剤、耐衝撃性改良剤、難燃剤、着色剤、シートの
接着性改良剤などを添加することが出来る。
【0017】上記の熱可塑性樹脂、充填材および各種添
加剤を配合した樹脂シート素材の好ましい一例として
は、ポリエチレンテレフタレート1〜25重量%、ポリ
ブチレンテレフタレート5〜30重量%、ポリカーボネ
ート10〜40重量%、無機質充填材20〜80重量
%、耐衝撃性改良剤0〜15重量%、耐光安定剤0.0
1〜10重量%(これらの合計は100重量%)の熱可
塑性樹脂組成物(A)を挙げることが出来る。
【0018】また、樹脂シートは、例えば、単層シー
ト、積層シートであってもよい。また、上記の樹脂シー
トの厚さは、0.5mm以上とされる。厚さが0.5m
m未満の場合は、被覆ボードの表面の擦り傷跡などを修
復するときの研磨の余地が少ない。なお、厚さの上限
は、特に制限されないが、実用性の観点から、通常5m
m、好ましくは3mmである。
【0019】本発明の熱可塑性樹脂シート被覆ボード
は、後述の製造方法で製造することが出来、その好まし
い態様においては、長さ1m当たりの反りが1.5mm
以下である。反りの大きさは、測定対象の表面上の距離
1mの両端点を結ぶ直線の中点からその直下の表面まで
の距離で表す。そして、被覆ボードの上記の反りの好ま
しい範囲は0.8mm以下である。なお、測定対象の両
端間の距離が1m未満の場合は、その両端を結ぶ直線の
中点からその直下の表面までの距離を測定し、両端間の
距離1mに比例換算して算定して求める。
【0020】そして、被覆層に使用した樹脂シートが前
述の熱可塑性樹脂組成物(A)の様に無機粒子が充填さ
れている樹脂シートである場合、上記の被覆ボードは、
さらに、セラミック感と重量感があり、しかも、表面の
焼け焦げ跡や擦り傷跡の修復性に優れており、高級テー
ブル、カウンターの天板などに適した被覆ボードであ
る。
【0021】なお、上記の修復性とは、例えば、被覆ボ
ードの表面にたばこの火部を接触して焼け焦げ跡が生じ
た場合、または、表面に擦り傷が生じた場合、例えば、
当該部分を近隣の表面と共に、最初は粗いサンドペーパ
ーにより、次いで仕上げとして細かいサンドペーパーに
よって研磨することにより、焼け焦げ跡は実質的に目立
たない程度に修復することが出来ることをいう。
【0022】次に、図1に基づき、本発明に係る熱可塑
性樹脂シート被覆ボードの製造方法について説明する。
図1は、本発明の製造方法において使用される曲面接着
真空プレスの一例の説明図である。
【0023】上記の曲面接着真空プレス(1)は、上面
に真空吸引孔を有する下部吸引テーブル(2)とその上
方において油圧プレス(4)により上下動が可能な外箱
(5)、複数の内部ヒーター(6)及びシリコンゴムメ
ンブレン(7)から成る上部加圧室(3)から構成され
ている。
【0024】シリコンゴムメンブレン(7)で形成され
た閉鎖空間の内部の空気充填量は適宜調節可能である。
内部ヒーター(6)はシリコンゴムメンブレン(7)を
加熱し、加熱されたシリコンゴムメンブレン(7)は更
に下方に載置されている樹脂シート(9)の表面に熱を
伝達して樹脂シート(9)を加熱することが出来る。
【0025】そして、下部吸引テーブル(2)上に芯材
ボード(8)が載置され、芯材ボード(8)上に樹脂シ
ート(9)が載置される。その際、芯材ボード(8)の
表面および/または樹脂シート(9)の裏面に接着剤を
塗布しておく。接着剤としては、例えば、ゴム系、ウレ
タン系、エポキシ系、ポリエステル系、アクリル系など
の接着剤が挙げられる。接着剤の塗布量は、通常30〜
200g/m2とされ、その塗布方法は、通常、スプレ
ー塗布法が採用される。
【0026】前記の曲面接着真空プレス(1)は、例え
ば、以下の通り操作される。先ず、上部加圧室(3)を
下降させ、加熱されたシリコンゴムメンブレン(7)を
樹脂シート(9)に接触させ、樹脂シート(9)を成形
温度に加熱して軟化させる。成形温度は、使用する樹脂
シート(9)の熱変形温度以上であり、具体的な温度
は、使用する熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜決定され
る。例えば、前述した熱可塑性樹脂組成物(A)のシー
トの場合の成形温度は、通常140〜160℃である。
【0027】本発明においては、樹脂シート(9)を加
熱して軟化させる際、芯材ボード(8)の上面部分に接
着される樹脂シート部分であって、当該部分の周縁曲線
から内側方向に略等距離縮小され且つ上記の上面の面積
に対する50%以上、好ましくは70%以上、より好ま
しくは90%以上の範囲(以下、中心範囲と略記する)
を90℃未満、好ましくは80℃未満に保持することが
重要である。斯かる条件を満足しない加熱処理では、反
りが小さい熱可塑性樹脂シート被覆ボードは得られな
い。
【0028】図1に示す曲面接着真空プレス(1)の場
合、上記の中心範囲は、当該中心範囲に載置された断熱
遮蔽板(10)により90℃未満に保持される。この場
合、断熱遮蔽板(10)の形状としては、上記の中心範
囲の形状に正確に一致させる必要はなく、当該中心範囲
を内包する滑らかな曲線および/または直線から成る形
状とすることが可能であり、且つ、その方法が実用的で
ある。上記の断熱遮蔽板(10)としては、断熱性が高
く、且つ、樹脂シート(9)表面に凹凸模様などの欠損
を発生させない様な発泡樹脂が使用され、発泡ウレタン
ボードが好適である。
【0029】次いで、上記の加熱後、シリコンゴムメン
ブレン(7)を下部吸引テーブル(2)側に吸引し、さ
らに、上部加圧室を高圧にする。
【0030】その結果、シリコンゴムメンブレン(7)
は加熱された樹脂シート(9)の芯材ボード(8)の形
状に沿う様に成形せしめ、同時に樹脂シート(9)と芯
材ボード(8)は、予め塗布された接着剤により接着さ
れる。図2は、図1に示す曲面接着真空プレスにおけ
る、芯材ボード(8)の上面および端面に樹脂シート
(9)が継ぎ目無く連続的に一体化された状態の説明図
であり、上部加圧室(3)の図示は省略してある。
【0031】上記の様に前記の中心範囲の加熱温度を9
0℃未満に保持した状態で成形して得られた被覆ボード
は、反りが小さく、耐熱性があり、端面自体の曲面およ
び上面の周縁のエッジ部曲面が滑らかな曲面状を呈し、
しかも、全体として一体感がある。
【0032】上記の被覆ボードの反りが小さい理由は、
次の様に推察される。すなわち、被覆接着される樹脂シ
ート(9)を加熱して軟化させる際、上記の中心範囲を
90℃未満に保持するため、被覆ボードの上面に被覆接
着される樹脂シート(9)部分の中で不必要に高い温度
に加熱される面積が小さい。従って、熱収縮の大きい部
分が少ないため、被覆接着する樹脂シート(9)の熱変
形温度が高く、且つ、0〜100℃での平均熱膨張係数
が1.0×10-6/℃以上の場合でも、全体として大き
い収縮応力が働かない。
【0033】なお、上記の中心範囲を90℃未満に保持
する方法としては、図1に示した断熱遮蔽板(10)を
利用する方法の他に、上記の中心範囲以外の部分(芯材
ボードの端面部分、および、上面と端面との間の曲面に
相当する樹脂シート部分)を局部的に事前に加熱する方
法を採用することが出来る。この方法は、中心範囲以外
の部分に対応して配置されたヒーターにより、樹脂シー
トを加熱した後、図1に示す下部吸引テーブル(2)上
に載置された芯材ボード(8)の上に移送する方法であ
る。この場合、断熱遮蔽板(10)は省略することが出
来る。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0035】実施例1 厚さ30mm、幅600mm、長さ1800mmのパー
ティクルボードを裁断し、その四隅の角を曲率半径15
0mmの曲面になる様に切削し、さらに、ルーター(株
式会社マキタ社製「トリマ3701」)を使用してその
周縁エッジ部の断面曲線が曲率半径10mmの曲面にな
る様に切削加工して芯材ボードとした。
【0036】一方、ポリカーボネート30重量%、ポリ
ブチレンテレフタレート20重量%、ポリエチレンテレ
フタレート10重量%、平均粒径8μmの硫酸バリウム
35重量%、平均粒径0.3μmの硫酸亜鉛5重量%か
ら成る熱可塑性樹脂組成物を260〜270℃で溶融混
練後、255℃でTダイから溶融押し出しし、60℃の
金属製ロールニップ装置により冷却して幅1000m
m、厚さ1.5mmの熱可塑性樹脂シートを得た。
【0037】得られた熱可塑性樹脂シートは、無光沢白
色不透明の重量感溢れるシートであった。上記の熱可塑
性樹脂シートから、樹脂シートとして、幅900mm、
長さ2100mmの長方形のシートを切り出した。この
樹脂シートは、熱変形温度が120℃、0〜100℃で
の平均熱膨張係数が5×10-5/℃であり、耐熱性が優
れる。
【0038】樹脂シートの被覆接着には、前述した曲面
接着真空プレス(1)として、曲面接着真空プレス(株
式会社セイブ製製品「モデルTD」)を使用し、以下の
様にして上記の芯材ボード(8)の表面に上記の樹脂シ
ート(9)を被覆接着した。
【0039】先ず、上記の芯材ボード(8)及び樹脂シ
ート(9)の接着される面にクロロプレンゴム系接着剤
(株式会社コニシ製製品「コニシスーパーGスプレ
ー」)を接着剤の塗布量が150g/m2となる様にス
プレー塗布した後、接着剤中の溶剤を十分自然乾燥さ
せ、上記の曲面接着真空プレス(1)の下部吸引テーブ
ル(2)上に、樹脂シート(9)が芯材ボード(8)の
上側になる様に載置した。そして、その樹脂シート
(9)の上面の中央部に、幅550mm、長さ1750
mm、厚さ10mmの硬質発泡ウレタンシートから成る
断熱遮蔽板(10)を載置した。その結果、断熱遮蔽板
(10)の周りに樹脂シート(9)が175mm幅はみ
出していた。上面におけるはみ出し幅すなわち断熱遮蔽
板(10)の周縁と芯材ボードの周縁間の距離は25m
mであった。
【0040】そして、上記の上部加圧室(3)を下降さ
せてシリコンゴムメンブレン(7)を樹脂シート(9)
に接触させ、樹脂シート(9)の断熱遮蔽板(10)に
遮蔽されない周辺部を約140℃に加熱して軟化させ
た。シリコンゴムメンブレン(7)が樹脂シート(9)
に接触してから周辺部が140℃に加熱されるまでに要
した時間は20秒であった。この時、断熱遮蔽板(1
0)の周縁から20mm内側位置の樹脂シート(9)表
面の温度は約80℃であった。
【0041】次いで、下部吸引テーブル(2)を700
mmHgに真空吸引すると同時に、上部加圧室(3)を
4Kgf/cm2に加圧して、シリコンゴムメンブレン
(7)により断熱遮蔽板(10)のある部分は断熱遮蔽
板(10)を介して、および、断熱遮蔽板(10)の周
縁より外側の部分は直接、樹脂シート(9)を芯材ボー
ド(8)に密着させ、芯材ボード(8)の周縁部におい
ては予め芯材ボード(8)の端面の曲面形状に成形する
と同時に、樹脂シート(9)と芯材ボード(8)を予め
塗布していた接着剤により接着させた。
【0042】下部吸引テーブル(2)の真空吸引および
上部加圧室(3)の加圧を開始して1分後に、上部加圧
室(3)を上昇させ、被覆ボードを得、自然冷却した。
得られた被覆ボードは、反りが殆どなく、その上面の四
隅の角および上面の周縁のエッジ部曲面が滑らかな曲面
状を呈し、全体として一体感があり、白色で光沢が無
く、セラミック感と重量感があり、高級テーブル、カウ
ンターの天板などに適した被覆ボードであった。
【0043】上記の被覆ボードの被覆表面にたばこの火
部を接触したところ、僅かに焼け焦げ跡が生じた。しか
しながら、その焼け焦げ跡部分を近隣部分と共に、粗い
サンドペーパー(#180)と細かいサンドペーパー
(#240)とで順次に研磨することにより、実質的に
目立たない程度に修復することが出来た。
【0044】また、上記の被覆ボードを25℃、70%
RHの条件下に2時間放置した後、次の様にしてその反
りの程度を測定した。すなわち、被覆ボードの上面の長
さ方向中心線上の一端から長さ1m、幅40mm、厚さ
1.0mmの直定規の端面を被覆ボードの上面に接触さ
せて垂直に立て、直定規の長さ方向の中間点における被
覆ボードの上面と直定規端面との隙間の距離を測定し
た。他端からも同様に測定した。その結果、上記の隙間
の距離の平均値は、長さ1m当たり0.5mmであっ
た。すなわち、被覆ボードの反りは、非常に小さかっ
た。
【0045】比較例1 実施例1において、芯材ボード(8)に樹脂シート
(9)を被覆接着のために曲面接着真空プレス(1)に
より加熱して軟化させる際、断熱遮蔽板(10)を使用
しないで樹脂シート(9)の全面を同等に130℃に加
熱した以外は、実施例1と全く同様にして被覆ボードを
製造した。得られた被覆ボードについて、実施例1の場
合と同様にして長さ方向の両端側からそれぞれ反りを測
定した。その結果、直定規の長さ方向の中間点における
被覆ボードの上面と直定規端面との隙間の距離の平均値
は、長さ1m当たり4mmであった。すなわち、被覆ボ
ードの反りは、非常に大きく、目視によっても反ってい
るのが明らかに判別できた。
【0046】比較例2 実施例1において、樹脂シート(9)として厚さ0.5
mmの軟質塩化ビニルシート(凸版印刷株式会社製製品
「TOP101PVCシート」)を使用し、芯材ボード
(8)に樹脂シート(9)を被覆接着のために曲面接着
真空プレス(1)により加熱して軟化させる際、断熱遮
蔽板(10)を使用しないで樹脂シート(9)の全面を
120℃に加熱した以外は、実施例1と全く同様にして
軟質塩化ビニルシートを被覆接着した被覆ボードを製造
した。
【0047】得られた被覆ボードについて、実施例1の
場合と同様にして長さ方向の両端側からそれぞれ反りを
測定した。その結果、直定規の長さ方向の中間点におけ
る被覆ボードの上面と直定規端面との隙間の距離の平均
値は、長さ1m当たり2.1mmであった。すなわち、
被覆ボードの反りは比較的小さかった。
【0048】しかしながら、上記の軟質塩化ビニルシー
トを被覆接着した被覆ボードは、耐熱性が劣るため、実
施例1と同様に被覆表面にたばこの火部を接触したとこ
ろ、耐熱性が不十分なため焼け焦げ跡が被覆層の底面ま
で容易に貫通し、焼け焦げ跡の修復が不可能であった。
【0049】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、耐熱性が
優れ、反りが小さく、しかも、被覆ボードの上面と端面
に生じた焼け焦げ跡や擦り傷跡などの修復が可能な熱可
塑性樹脂シート被覆ボード及びその製造方法が提供さ
れ、本発明の工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の製造方法において使用される曲
面接着真空プレスの一例の説明図である。
【図2】図2は、図1に示す曲面接着真空プレス(1)
における、芯材ボード(8)の上面および端面に樹脂シ
ート(9)が一体化された状態の説明図である(上部加
圧室(3)の図示は省略してある)。
【符号の説明】
1:曲面接着真空プレス 2:下部吸引テーブル 3:上部加圧室 4:油圧プレス 5:外箱 6:内部ヒーター 7:シリコンゴムメンブレン 8:芯材ボード 9:熱可塑性樹脂シート(樹脂シート) 10:断熱遮蔽板
フロントページの続き (72)発明者 小川 嘉彦 愛知県小牧市横内立野602−1 有限会社 ナゴヤフォーミング内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材ボードと熱可塑性樹脂シートとが上
    記芯材ボードの上面および端面において継ぎ目なく連続
    的に一体化されている熱可塑性樹脂シート被覆ボードで
    あって、上記熱可塑性樹脂シートとして、熱変形温度が
    100℃以上、0〜100℃での平均熱膨張係数が1.
    0×10-6/℃以上かつ1.0×10-3/℃以下、厚さ
    が0.5mm以上の熱可塑性樹脂シートを使用して成る
    ことを特徴とする熱可塑性樹脂シート被覆ボード。
  2. 【請求項2】 芯材ボードが、木質単板、積層合板、イ
    ンシュレーションボード、中密度繊維板(MDF)、ハ
    ードボード、パーティクルボード、ウェファボード、O
    SB、木毛セメント板、木片セメント板、石膏ボード又
    は石膏パーティクルボードであり、その厚さが5〜50
    mmである請求項1に記載の熱可塑性樹脂シート被覆ボ
    ード。
  3. 【請求項3】 芯材ボードの端面自体の最小曲率半径が
    1000mm以下である請求項1又は2に記載の熱可塑
    性樹脂シート被覆ボード。
  4. 【請求項4】 芯材ボードの上面と端面との間に形成さ
    れている曲面部の最小曲率半径が50mm以下である請
    求項1〜3の何れかに記載の熱可塑性樹脂シート被覆ボ
    ード。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂シートが、ポリエチレンテ
    レフタレート1〜25重量%、ポリブチレンテレフタレ
    ート5〜30重量%、ポリカーボネート10〜40重量
    %、無機質充填材20〜80重量%、耐衝撃性改良剤0
    〜15重量%、耐光安定剤0.01〜10重量%から成
    る熱可塑性樹脂組成物のシートである請求項1〜4の何
    れかに記載の熱可塑性樹脂シート被覆ボード。
  6. 【請求項6】 長さ1m当たりの反りが2mm以下であ
    る請求項1〜5の何れかに記載の熱可塑性樹脂シート被
    覆ボード。
  7. 【請求項7】 芯材ボードの上面および端面に加熱され
    た熱可塑性樹脂シートを曲面接着真空プレス成形法によ
    り被覆接着する熱可塑性樹脂シート被覆ボードの製造方
    法において、上記熱可塑性樹脂シートとして、熱変形温
    度が100℃以上、0〜100℃での平均熱膨張係数が
    1.0×10-6/℃以上かつ1.0×10-3/℃以下、
    厚さが0.5mm以上の熱可塑性樹脂シートを使用し、
    熱変形温度以上の成形温度に熱可塑性樹脂シートを加熱
    する際、上記芯材ボードの上面部分に接着されるシート
    部分であって、当該部分の周縁曲線から内側方向に略等
    距離縮小され且つ上記の上面の面積に対する50%以上
    の範囲を90℃未満に保持することを特徴とする熱可塑
    性樹脂シート被覆ボードの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016510368A (ja) * 2013-01-07 2016-04-07 ウッド−スキン ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ センプリフィカータ 覆いの製作方法

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