JPH11101770A - バイオセンサおよびそれを用いた基質の定量法 - Google Patents
バイオセンサおよびそれを用いた基質の定量法Info
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- JPH11101770A JPH11101770A JP9263483A JP26348397A JPH11101770A JP H11101770 A JPH11101770 A JP H11101770A JP 9263483 A JP9263483 A JP 9263483A JP 26348397 A JP26348397 A JP 26348397A JP H11101770 A JPH11101770 A JP H11101770A
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Abstract
かつ簡便に基質を定量できるバイオセンサを提供する。 【課題手段】 本発明のバイオセンサは、基板上に形成
された作用極と対極からなる電極系、および少なくとも
酸化還元酵素と電子伝達体を含有する反応層を具備し、
前記対極が少なくとも1種の還元型レドックス化合物を
含有する。また、このバイオセンサの対極と作用極間の
還元電流値を測定して基質を定量する。
Description
どの試料中に含まれる基質を、高精度で迅速かつ簡便に
定量するバイオセンサとこれを用いた基質の定量法に関
する。
の定量法について説明する。電気化学的にグルコースを
定量する方法としては、グルコースオキシダーゼと酸素
電極または過酸化水素電極とを組み合わせた方式が一般
に知られている(例えば、鈴木周一編「バイオセンサ
−」講談社)。グルコースオキシダーゼは、反応系の酸
素を電子伝達体として基質であるβ−D−グルコースを
D−グルコノ−δ−ラクトンに選択的に酸化する。この
反応にともない、酸素は過酸化水素に還元される。この
ときの酸素消費量を酸素電極によって測定するか、また
は過酸化水素の生成量を白金電極等を用いた過酸化水素
電極によって測定することによりグルコースを定量する
ことができる。しかし、上記の方法では、測定対象によ
っては溶存酸素濃度の影響を大きく受け、また酸素のな
い条件下では測定自体が不可能となる。
フェリシアン化カリウム、フェロセン誘導体、キノン誘
導体等の金属錯体や有機化合物を電子伝達体として用い
るタイプのグルコースセンサが開発されている。このタ
イプのバイオセンサでは、所望の量のグルコースオキシ
ダーゼと電子伝達体を安定な状態で電極上に担持させる
ことが可能となり、電極系と反応層を乾燥状態に近い状
態で一体化することができる。特開平3−202764
号公報には、このタイプのバイオセンサが開示されてい
る。このバイオセンサは、絶縁性基板上にスクリーン印
刷などの方法によって作用極および対極からなる電極系
を形成し、この電極系上に酸化還元酵素と電子伝達体を
含有する反応層を形成したもので、この絶縁性基板にカ
バーおよびスペーサが組み合わされる。
にして試料中の基質を定量することができる。まず、反
応層に試料液を供給して反応層を溶解し、試料液中の基
質と反応層中の酵素を反応させる。この酵素反応に伴
い、反応層中の電子伝達体が還元される。酵素反応終了
後、この還元された電子伝達体を電気化学的に酸化し、
このとき得られる酸化電流値を測定することによって試
料中の基質を定量する。このようなバイオセンサは、種
々の特定成分をそれに対応する酸化還元酵素を用いるこ
とによって定量することができる。また、このようなバ
イオセンサは、使い捨て型であり、測定器に挿入された
センサチップに検体試料を導入するだけで容易に基質の
濃度を測定できることから、近年多くの注目を集めてい
る。
の基質は、一連の酵素反応の結果生じた電子伝達体の還
元体を作用極上で酸化して得られる酸化電流値から定量
することができる。しかし、試料中には、電子伝達体の
還元体を作用極上で酸化するとき、同時に酸化されて酸
化電流を生じる易酸化性物質、例えばアスコルビン酸や
尿素などが含まれる場合がある。試料中にこれらの易酸
化性物質が含まれていると、測定結果に正の誤差を与え
ることがある。
電極式で測定する場合、作用極上での酸化反応に対応し
て、対極上で還元される酸化体の存在が必要である。し
かし、基質濃度が高い場合は、酵素反応の結果電子伝達
体の大部分が還元体になっているため、対極上で還元さ
れる酸化体が不足する。その結果、対極での還元反応が
律速過程になり、得られる酸化電流値に悪影響を及ぼ
す。本発明は、上記のような不都合をなくし、試料中の
基質濃度を高精度で定量することができるバイオセンサ
を提供することを目的とする。また、このバイオセンサ
を用いて、高精度で迅速かつ簡便に基質を定量する方法
を提供する。
サは、絶縁性基板、前記基板上に形成された作用極と対
極からなる電極系、および前記電極系上に形成された少
なくとも酸化還元酵素および電子伝達体を含有する反応
層を具備し、前記対極が少なくとも1種の還元型レドッ
クス化合物を含有することを特徴とする。また、本発明
による基質の定量法は、上記のバイオセンサを用い、そ
の反応層に試料を添加して基質と酵素を反応させる工
程、前記工程で還元されなかった電子伝達体を還元する
電位を作用極に印加する工程、および前記作用極と対極
間に流れる電流値を測定する工程を有する。
記のように、まず反応層に試料を添加して基質と酵素と
を反応させる。この酵素反応にともない、反応層中の電
子伝達体が基質濃度に対応して還元される。次に、酵素
反応によって還元されず、反応系中に残存する電子伝達
体を還元する電位を作用極に印加し、その還元電流を測
定することによって基質濃度を求めるものである。反応
層中の電子伝達体の量を一定にしておけば、前記の還元
電流は、試料中の基質濃度に対応する。従って、あらか
じめ既知量の基質を含む標準液の還元電流値を測定して
検量線を作成しておけば、この検量線にもとづいて試料
中の基質濃度を求めることができる。
定量するので、試料中に易酸化性物質が混入していても
これらの影響を受けることがない。また、対極には、還
元型レドックス化合物が含まれているから、試料中の基
質濃度が低く、電子伝達体の還元体が少なくても、作用
極で還元電流を測定する際対極が律速過程となることは
ない。対極に含ませるレドックス化合物は、少なくとも
反応層中に含まれる電子伝達体の量よりも多くするのが
よい。このようなレドックス化合物としては、フェロセ
ン、ビニルフェロセンなどのフェロセン誘導体、金属錯
体およびヒドロキノン等が好適に用いられる。
素や電子伝達体などが接触しないように、あるいは電極
系表面へタンパク質が吸着しないように、電極系表面を
親水性高分子層で被覆することが好ましい。このような
層を形成する親水性高分子としては、カルボキシメチル
セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ
ール、ゼラチンおよびその誘導体、アクリル酸およびそ
の塩、メタアクリル酸およびその塩、スターチおよびそ
の誘導体、無水マレイン酸およびその塩、そして、ヒド
ロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒド
ロキシエチルセルロース、およびカルボキシメチルエチ
ルセルロース等のセルロース誘導体を用いることがき
る。反応層に含ませる電子伝達体としては、フェリシア
ン化カリウム、p−ベンゾキノン、フェナジンメトサル
フェート、メチレンブルーおよびフェロセン誘導体等を
用いることができる。
オキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸オキ
シダーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、フルクトースデヒド
ロゲナーゼ、ウリカーゼ、コレステロールオキシダー
ゼ、コレステロールオキシダーゼおよびコレステロール
エステラーゼなどを用いることができる。また、上記酵
素を複数組み合わせたもの、例えばグルコースオキシダ
ーゼとインベルターゼ、グルコースオキシダーゼとイン
ベルターゼとムタロターゼ、またはフルクトースデヒド
ロゲナーゼとインベルターゼなどを用いることができ
る。さらに、試料溶液の供給を円滑にするために、反応
層上にレシチン層を形成してもよい。
り詳細に説明する。図1は、二電極式のグルコ−スセン
サの反応層を除いた分解斜視図を示す。ポリエチレンテ
レフタレ−トからなる絶縁性の基板1上に、スクリ−ン
印刷により銀ペーストを印刷し、リ−ド2、3を形成し
ている。ついで、樹脂バインダーを含む導電性カーボン
ペーストを基板1上に印刷して作用極4を形成してい
る。この作用極4は、リ−ド2と接触している。さら
に、この基板1上に、絶縁性ペ−ストを印刷して絶縁層
6を形成している。絶縁層6は、作用極4の外周部を覆
っており、これにより作用極4の露出部分の面積を一定
に保っている。そして、樹脂バインダ−とレドックス化
合物を含む導電性カ−ボンペ−ストをリ−ド3と接触す
るように印刷してリング状の対極5を形成している。
バー9およびスペーサー10を図1中の一点鎖線で示す
ような位置関係をもって接着し、バイオセンサを作製す
る。スペーサー10には、基板とカバーとの間に試料液
供給路を形成するためのスリット13が設けてある。1
2は、その試料液供給路の開口部に相当する。図2は、
本発明によるバイオセンサのスペーサー、カバーを除い
た要部の縦断面図である。図1のようにして電極系を形
成した電気絶縁性の基板1上に、酵素類および電子伝達
体を含む反応層7が形成され、反応層7上にレシチン層
8が形成されている。
ロセンを用いて、図1のように基板1上に電極系を作製
した。この電極系上に、グルコースオキシダーゼ(EC
1.1.3.4、以下GODと略す。)とフェリシアン
化カリウムの混合水溶液を滴下し、乾燥して反応層7を
形成した。次に、反応層7上にレシチンのトルエン溶液
を滴下し、乾燥してレシチン層8を形成した。そして、
基板1とカバー9およびスペーサー10を図1中、一点
鎖線で示すような位置関係をもって接着してグルコ−ス
センサを作製した。
路の開口部12より供給した。試料液は、空気孔11部
分まで達し、電極系上の反応層7が溶解した。反応層7
が溶解すると、試料液中のグルコースは、GODによっ
てグルコノラクトンに酸化される。この酵素反応によっ
て、フェリシアン化イオンは、フェロシアン化イオンに
還元される。そして、試料液を供給してから一定時間後
に、対極5を基準にして作用極4に−1.0Vの電圧を
印加した。この電圧の印加により、作用極では還元され
ずに残存したフェリシアン化カリウムの還元反応が生じ
る。そして対極では、対極中に含まれるフェロセンの酸
化反応が生じ、フェロセンがフェリシニウムイオンにな
る。そして、電圧印加5秒後の電流値を測定した。
に伴って減少した。つまり、対極にフェロセンを含有さ
せたため、反応系に還元体が十分存在することになり、
得られた電流値は、作用極上でのフェリシアン化イオン
の還元反応に依存したことを示す。得られた電流応答値
の測定精度は高かった。
カルボキシメチルセルロース(以下、CMCと略す。)
水溶液を滴下し、乾燥してCMC層を形成した。このC
MC層上に、実施例1と同様にして、反応層、レシチン
層を形成した。そして、実施例1と同様にしてグルコ−
スセンサを作製し、グルコ−ス標準液対する応答を測定
したところ、実施例1と同様の応答特性が得られた。
ルビン酸を含むグルコ−ス水溶液を用いる他は、実施例
2と同様にして電流応答値を測定した。その結果、アス
コルビン酸を含まないグルコース標準水溶液を用いた実
施例2と同様の応答特性が得られた。
コルビン酸を含むグルコース標準水溶液を用い、対極を
基準にして作用極に0.5Vの電圧を印加し、5秒後の
電流値を測定して酸化電流値を測定した。その結果、標
準水溶液中のアスコルビン酸の量が増加するのに伴い、
電流応答値も増加した。
ルフェロセンを用いる以外は、実施例2と同様にして、
グルコースセンサを作製し、グルコース標準水溶液に対
する応答を測定したところ、実施例2と同様の応答特性
が得られた。
含まれる基質を高精度で迅速かつ簡便に定量することが
できる。
反応層を除いた分解斜視図である。
いた要部の縦断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 絶縁性基板、前記基板上に形成された作
用極と対極からなる電極系、および前記電極系上に形成
された少なくとも酸化還元酵素および電子伝達体を含有
する反応層を具備するバイオセンサであって、前記対極
が少なくとも1種の還元型レドックス化合物を含有する
ことを特徴とするバイオセンサ。 - 【請求項2】 前記レドックス化合物が、フェロセンま
たはその誘導体である請求項1記載のバイオセンサ。 - 【請求項3】 前記反応層が、さらに親水性高分子を含
有する請求項1記載のバイオセンサ。 - 【請求項4】 絶縁性基板上に形成された作用極と少な
くとも1種の還元型レドックス化合物を含有する対極か
らなる電極系、および前記電極系上に形成された少なく
とも酸化還元酵素および電子伝達体を含有する反応層を
具備するバイオセンサを用い、前記反応層に試料を添加
して基質と酵素を反応させる工程、前記工程で還元され
なかった電子伝達体を還元する電位を作用極に印加する
工程、および前記対極と作用極間の電流値を測定する工
程を有することを特徴とする基質の定量法。
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JP2010540934A (ja) * | 2007-09-24 | 2010-12-24 | バイエル・ヘルスケア・エルエルシー | 多領域/多電位試験センサ、方法およびシステム |
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1997
- 1997-09-29 JP JP26348397A patent/JP3245103B2/ja not_active Expired - Fee Related
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