JPH11101365A - サーモセンシング弁およびサーモセンシング弁を使用した油圧ファン駆動装置 - Google Patents

サーモセンシング弁およびサーモセンシング弁を使用した油圧ファン駆動装置

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JPH11101365A
JPH11101365A JP27995597A JP27995597A JPH11101365A JP H11101365 A JPH11101365 A JP H11101365A JP 27995597 A JP27995597 A JP 27995597A JP 27995597 A JP27995597 A JP 27995597A JP H11101365 A JPH11101365 A JP H11101365A
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valve
hydraulic
piston
thermo
oil passage
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JP27995597A
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English (en)
Inventor
Atsushi Furumoto
篤 古本
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Sanwa Seiki Ltd
Original Assignee
Sanwa Seiki Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン始動時のかかり難さを確実に防止す
る。 【解決手段】 ファンを駆動する油圧モータと、タンク
から吸入した作動油を圧送することによって前記油圧モ
ータを駆動する油圧ポンプと、油圧ポンプの吐出圧力を
ラジエータの冷却水温度に対応して制御するサーモセン
シング弁とを備えている油圧ファン駆動装置において、
サーモセンシング弁30はワックス68の冷却水温度に
対する感応による体積の増減によってピストン64が伸
縮するように構成されているサーモセンサ60と、弁体
50がピストン64の進退に連携されているバルブ40
とを備え、ピストン64を戻すリターンスプリング57
がバルブ40のボデー41に反力をとるように構成され
ている。 【効果】 サーモセンシング弁のピストンはリターンス
プリングで戻され油圧ファン駆動装置は適正に制御さ
れ、エンジンが始動し難くなるのを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ファン駆動装
置に関し、特に、サーモセンシング弁の改良に係り、例
えば、自動車等の車両に搭載される油圧ファン駆動装置
に利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両に搭載される油圧ファン
駆動装置として、ファンを駆動する油圧モータと、この
油圧モータをタンクから吸入した作動油を圧送すること
によって駆動する油圧ポンプと、前記油圧ポンプの吐出
側油路と吸入側油路とに前記油圧モータを迂回するよう
に接続されたバイパス油路と、このバイパス油路に介設
されたリリーフ弁とを備えているものがある。
【0003】この油圧ファン駆動装置においては、エン
ジン始動時等のラジエータの水温が低い時期に油圧ファ
ンによって冷却されると、エンジンが始動し難くなるの
を防止するために、ラジエータの水温を検出することに
より、ラジエータの水温が低い時期には油圧ファンの回
転数を低くする工夫が図られている。
【0004】すなわち、従来のこの種の油圧ファン駆動
装置においては、ラジエータの水温の低温時におけるエ
ンジンの始動性の低下を防止するために、水温によって
作動するリリーフ弁(以下、サーモセンシング弁とい
う。)が介設されている。サーモセンシング弁はラジエ
ータの水温をサーモワックスによって検出し、低温時に
はバルブの制御圧力を低圧側に切り換えるように構成さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した油圧
ファン駆動装置においては、サーモセンシング弁のリタ
ーン遅れによってエンジンがかかり難くなるという問題
点がある。
【0006】本発明の目的は、エンジン始動時のかかり
難さを確実に防止することができる油圧ファン駆動装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る油圧ファン
駆動装置は、ファンを駆動する油圧モータと、タンクか
ら吸入した作動油を圧送することによって前記油圧モー
タを駆動する油圧ポンプと、前記油圧ポンプの吐出圧力
をラジエータの冷却水温度に対応して制御するサーモセ
ンシング弁とを備えている油圧ファン駆動装置におい
て、前記サーモセンシング弁はワックスの温度に対する
感応による体積の増減によってピストンが伸縮するよう
に構成されているサーモセンサと、弁体が前記ピストン
の進退に連携されているバルブとを備えており、前記ピ
ストンを戻すリターンスプリングが前記バルブのボデー
に反力をとるように構成されていることを特徴とする。
【0008】前記した手段において、サーモセンシング
弁のピストンはリターンスプリングによって確実に戻さ
れるため、油圧ファン駆動装置を適正に制御することが
でき、その結果、エンジンがかかり難くなるのを防止す
ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態である
油圧ファン駆動装置に使用されたサーモセンシング弁を
示す縦断面図である。図2はその切り換え状態を示す縦
断面図である。図3は本発明の一実施例である油圧ファ
ン駆動装置を示す回路図である。図4はサーモセンシン
グ弁の作用を説明するための各線図である。
【0010】本実施形態において、本発明に係る油圧フ
ァン駆動装置は、自動車等に搭載される油圧ファン駆動
装置として構成されている。図3において、この油圧フ
ァン駆動装置10は作動油(図示せず)が貯留されたタ
ンク11を備えており、タンク11には自動車等のエン
ジン12によって駆動される油圧ポンプ13の吸入側油
路14が接続されている。油圧ポンプ13の吐出側油路
15にはファン16を回転駆動するように構成された油
圧モータ17の入口ポートが接続されており、ファン1
6は自動車のラジエータ(図示せず)を冷却するように
構成されている。油圧モータ17の出口ポートに接続さ
れた出口側油路18はタンク11に接続されている。
【0011】油圧モータ17の出口側油路18にはオイ
ルクーラ19およびフイルタ20が、油圧モータ17側
から順に介設されており、オイルクーラ19およびフイ
ルタ20には圧力が設定値以上になったときに開弁する
オイルクーラ用逆止弁21およびフイルタ用逆止弁22
が、いずれも油圧モータ17側からタンク11の方向へ
の流通だけを許容するようにそれぞれ並列に接続されて
いる。また、油圧ポンプ13の吐出側油路15と油圧モ
ータ17の出口側油路18との間には油圧モータ用逆止
弁23が、出口側油路18側から吐出側油路15側の方
向への流通だけを許容するように油圧モータ17に並列
に接続されている。さらに、油圧モータ17の出口側油
路18におけるオイルクーラ19の上流側には流量制御
弁24が直列に介設されており、流量制御弁24のパイ
ロット路25は油圧ポンプ13の吐出側油路15に接続
されている。
【0012】ここで、油圧モータ用逆止弁23と流量制
御弁24の作用を説明する。油圧モータ17が減速また
は停止するとき、吐出側油路15の圧力が出口側油路1
8の圧力よりも低くなる。このとき、流量制御弁24が
切り換わることにより出口側油路18が絞られる。そし
て、出口側油路18の作動油の一部は油圧モータ用逆止
弁23を介して油圧ポンプ13の吐出側油路15へ戻さ
れる。このようにして慣性による衝撃が防止されるた
め、油圧モータ17は保護される。
【0013】油圧ポンプ13の吐出側油路15と吸入側
油路14とには、油圧モータ17を迂回したバイパス油
路26の両端がそれぞれ接続されており、バイパス油路
26にはリリーフ弁27が介設されている。リリーフ弁
27の常時閉じ側のパイロット路28Aと油圧モータ1
7の出口側油路18とには制御油路29の両端がそれぞ
れ接続されており、制御油路29には後記するように構
成された水温用サーモセンシング弁30が介設されてい
る。また、リリーフ弁27の常時閉じ側のパイロット路
28Aには、バイパス油路26に接続されたパイロット
弁31が接続されている。
【0014】油圧ポンプ13の吐出側油路15の途中と
タンク11との間は、油圧ポンプ13の吐出側油路15
と吸入側油路14とを結ぶバイパス油路(以下、第1バ
イパス油路という。)26とは別に、油圧モータ17を
迂回するバイパス油路(以下、第2バイパス油路とい
う。)32で接続されており、第2バイパス油路32に
は油温用サーモセンシング弁(以下、油温弁という。)
33が介設されている。油温弁33は常時開であり、2
ポート・2位置・スプリングオフセット・機械式油温弁
として構成されている。油温弁33における開位置(ロ
ーディング位置)の弁路34は、油圧ポンプ13の吐出
側油路15側からタンク11側への流通を許容するよう
に構成されている。油温弁33はタンク11の温度が設
定値を越えたことを油温用サーモセンサ35によって感
知されたときに、閉じ側に切り換えられるようになって
おり、油圧ポンプ13から吐出される作動油を油圧モー
タ17に送給させるようになっている。
【0015】ちなみに、油温用サーモセンサ35は次に
述べる水温用サーモセンシング弁のワックス式サーモセ
ンサと同様に、カップの内部に所定の温度で感応して溶
融するサーモワックス(図示せず)が封入されており、
所定の温度で溶融したワックスの体積膨張によってピス
トンが伸長作動されるように構成されている。この油温
用サーモセンサ35のピストンの伸長作動によって油温
弁33は閉じ側に切り換えられることになる。
【0016】本実施形態に係る水温用サーモセンシング
弁(以下、サーモセンシング弁という。)30は、ラジ
エータの冷却水温度に感応して作動するように構成され
ており、図1および図2に示されているように、バルブ
スプリングの設定値を切り換え可能な直接作動形リリー
フ弁として構成され、バルブとしての圧力制御弁(以
下、バルブという。)40と、ワックス式サーモセンサ
(以下、センサという。)60とを備えている。バルブ
40のボデー41は一端が開口し他端が閉塞した略円筒
形状に形成されており、筒中空部によって弁室42が構
成されている。ボデー41の開口端部の雌ねじ43には
プラグ44が螺入されており、プラグ44には制御油路
29を経由して吐出側油路15に接続された入口ポート
45が、弁室42に連通するように開設されている。ボ
デー41の閉塞側端部には出口側油路18に接続された
出口ポート46が、弁室42に連通するように開設され
ている。
【0017】弁室42内において、プラグ44には円筒
形状の弁筒47が同軸上に突設されており、弁筒47の
筒中空部によって形成された弁路48は入口ポート45
に連通されている。弁筒47の入口ポート45と反対側
の開口端部には弁座49が形成されている。弁座49に
は円柱と円錐とが一体化された弁体としてのポペット5
0の円錐面が離着座自在に配設されており、ポペット5
0の円柱外周には略円筒形状に形成されたスプリングシ
ート(以下、ポペット側シートという。)51が嵌合さ
れている。ポペット側シート51の外周におけるプラグ
44側の端部にはシート部52が円形リング形状に径方
向外向きに突設されており、シート部52にはバルブス
プリング53の一端が係止されている。
【0018】弁室42の出口ポート46側の端部には多
段円盤形状に形成されたスプリングシート(以下、セン
サ側シートという。)54が配設されており、センサ側
シート54は後記するセンサのピストンに連結されてい
る。センサ側シート54の径方向の中間部にはバルブス
プリング用シート部55が円形リング形の段差形状に形
成されており、バルブスプリング用シート部55にはバ
ルブスプリング53のセンサ側端部が係止されている。
センサ側シート54における外周部にはリターンスプリ
ング用シート部56が円形リング形の段差形状に形成さ
れており、リターンスプリング用シート部56にはリタ
ーンスプリング57の作用側端が係止されている。リタ
ーンスプリング57はバルブスプリング53の外側で同
心円に配されており、反力側端はプラグ44の端面に係
止されている。すなわち、リターンスプリング57はボ
デー41に反力をとってセンサ側シート54を介してセ
ンサのピストンをリターンさせる方向に付勢するように
なっている。
【0019】センサ側シート54のポペット側端面には
二段円柱形状の頭部58が形成されている。ボデー41
の閉塞壁には雌ねじ孔59がポペット50の軸線延長線
上に開設されている。
【0020】他方、センサ60は略円柱形状に形成され
たホルダ61を備えており、ホルダ61の一端部に形成
された雄ねじ部62がボデー41の閉塞壁に開設された
雌ねじ孔59に螺入されてバルブ40に固着されてい
る。雌ねじ孔59の基端部内周と雄ねじ部62の基端部
外周との間にはシールリング63が挟設されている。ホ
ルダ61におけるポペット50の軸線延長線上には、丸
棒形状に形成されたピストン64が摺動自在に支承され
ており、ピストン64の一端部は弁室42に挿入されて
いる。ピストン64の弁室挿入端部にはバルブ40のセ
ンサ側シート54が同心円に配されて一体移動するよう
に連結されている。ピストン64の他端部には円錐形状
部65が形成されており、円錐形状部65から中間部に
掛けての外周には、ゴムまたは樹脂等の弾性を有する材
料によって袋形状に形成されたカバー66が被せられて
いる。
【0021】ホルダ61のバルブ40と反対側の端部に
は略有底円筒形状に形成されたカップ67が、カバー6
6の外方を包囲するように配されてかしめ着けられてお
り、カバー66は鍔部がホルダ61に共締めされてい
る。カップ67の内部にはワックス68がカバー66の
外側に封入されている。ワックス67は予め設定された
温度未満においては固相であり、設定された温度以上に
おいて液相となって体積が増加するように調合されてい
る。そして、センサ60はエンジンを冷却するラジエー
タ(図示せず)の冷却水温度を検出するように配置され
ている。
【0022】次に、油圧ファン駆動装置の作用を図3に
より説明する。エンジン12によって油圧ポンプ13が
駆動されると、油圧ポンプ13はタンク11から作動油
を吸入して圧縮し、吐出側油路15を通じて油圧モータ
17に送給する。油圧モータ17は油圧ポンプ13から
の作動油によってファン16を回転駆動する。油圧モー
タ17で仕事をした作動油は出口側油路18に介設され
た流量制御弁24、オイルクーラ19およびフイルタ2
0を経由してタンク11に戻される。
【0023】油圧ポンプ13から吐出された作動油が油
圧モータ17に送給される過程で、リリーフ弁27の開
き側パイロット路28Bに作用する油圧が設定値を越え
ると、リリーフ弁27がアンローディング位置に切り替
わる。このため、油圧ポンプ13の吐出側油路15の作
動油は第1バイパス油路26を経由することにより、油
圧モータ17を迂回して油圧ポンプ13の吸入側油路1
4に戻される。
【0024】ところで、油温がマイナス30℃のような
極低温時に油圧ポンプ13が駆動されると、その始動初
期にはリリーフ弁27の応答遅れや高粘度による流路抵
抗の増大によって系内の圧力がサージ的に異常に高圧に
なることがある。
【0025】本実施形態において、油温がマイナス30
℃のような極低温時には油温用サーモセンサ35によっ
て油温弁33は開の状態に維持されるため、油圧ポンプ
13の吐出側油路15側の作動油は全て、第2バイパス
油路32および油温弁33を経由してタンク11に還流
される。この還流により、異常高圧が油圧モータ17や
流量制御弁24、オイルクーラ19、フイルタ20等の
系内の油圧機器に作用するのを防止することができるた
め、それによって派生する弊害を未然に防止することが
できる。
【0026】しかも、作動油は油圧ポンプ13の吐出側
油路15、第2バイパス油路32、油温弁33、タンク
11および油圧ポンプ13の吸入側油路14を還流する
ことにより、急速に加熱されるため、作動油の温度は速
やかに上昇する。
【0027】タンク11の油温が設定値(例えば、マイ
ナス10℃)を越えると、油温用サーモセンサ35によ
って油温弁33は閉じ側に切り換えられるため、油圧ポ
ンプ13の吐出側油路15の作動油は第2バイパス油路
32を流れることができなくなり、油圧モータ17に送
給される状態になる。これにより、極低温時の駆動初期
に油圧モータ17に系内の異常高圧が作用するのを防止
しつつ、速やかに油圧モータ17によってファン16を
回転駆動させることができる。
【0028】次に、本実施形態に係るサーモセンシング
弁30の作用を図1、図2により説明する。サーモセン
シング弁30はセンサ60がラジエータの冷却水温度
(以下、冷却水温度という。)に感応して、バルブ40
のバルブスプリング53の弾発力を変化させることよ
り、バルブ40が制御する制御圧力を切り換えるように
構成されている。すなわち、冷却水温度(図4のTw参
照)が予め設定された温度(図4のT1 参照)未満であ
る時には、センサ60のワックス68は図1に示されて
いる固相状態であるため、ピストン64はセンサ60に
対して引き込まれた状態になり、バルブスプリング53
の弾発力は最小となっている。そして、冷却水温度が予
め設定された温度(図4のT2 参照)以上である時に
は、センサ60のワックス68は図2に示されている液
相状態であるため、ピストン64はセンサ60に対して
伸張した状態になり、バルブスプリング53の弾発力は
最大となっている。次に、冷却水温度とサーモセンシン
グ弁の制御圧力との関係を図4について具体的に説明す
る。
【0029】図4(a)は冷却水温度とサーモセンシン
グ弁の制御圧力との関係を示している。冷却水温度Tw
が所定値T1 (70℃)未満では、サーモセンシング弁
30の制御圧力Pは、最小圧力Pmin(22kgf/
cm2 )である。冷却水温度Twが所定値T1 以上にな
ると、冷却水温度Twの上昇に伴って制御圧力Pは比例
して上昇する。冷却水温度Twが所定値T2 (80℃)
以上では、サーモセンシング弁30の制御圧力Pは、最
大圧力Pmax(134kgf/cm2 )である。
【0030】図4(b)はサーモセンシング弁の制御圧
力と油圧ポンプの吐出圧力との関係を示している。サー
モセンシング弁30の最小圧力Pmin以上において、
油圧ポンプ13の吐出圧力pは最小圧力pmin(25
kgf/cm2 )から比例して上昇し、サーモセンシン
グ弁30の最大圧力Pmaxにおいて、最大圧力pma
x(150kgf/cm2 )になる。
【0031】図4(c)は冷却水温度と油圧モータの回
転速度との関係を示している。冷却水温度Twが所定値
1 (70℃)未満では、油圧モータ17の回転速度N
は、最低速度Nmin(1000rpm)である。冷却
水温度Twが所定値T1 以上になると、冷却水温度Tw
の上昇に伴って油圧モータの回転速度Nは比例して上昇
する。冷却水温度Twが所定値T2 (80℃)以上で
は、油圧モータ16の回転速度Nは、最大圧力Nmax
(3000rpm)である。
【0032】要するに、冷却水温度Twに感応してサー
モセンシング弁30の制御圧力Pが変更され(図4
(a))、この制御圧力Pに基づいて吐出側油路15に
供給される油圧ポンプ13の吐出油圧pが制御される
(図4(b))。そして、油圧モータ17は供給された
油圧ポンプ13からの吐出油圧pに応じた回転数Nでフ
ァン16を駆動する。すなわち、図4(c)に示されて
いる冷却水温度Twと油圧モータ17の回転速度Nとの
関係でファン16の駆動制御が行われる。
【0033】次に、本実施形態に係るサーモセンシング
弁による油圧ファン駆動装置の作動を説明する。
【0034】冷却水温度Twが所定値T1 (70℃)未
満である時には、図1に示されているように、センサ6
0のワックス68が固相状態になってピストン64が引
っ込んだ状態になるため、サーモセンシング弁30の制
御圧力Pは最小圧力Pmin(22kgf/cm2 )に
維持された状態になっている。この状態において、サー
モセンシング弁30のポペット50は弁座49にバルブ
スプリング53によって着座されているが、最小圧力P
min以上の圧力が出力ポート45に加わると、弁路4
8は圧力に対応した開度をもって開かれる。弁路48が
開かれると、油圧ポンプ13から吐出される作動油は第
1絞り弁29aを通過して制御油路29に吐出される。
【0035】制御油路29へ作動油が吐出されると、第
1絞り弁29aの前後に圧力差が生じ、この圧力差がリ
リーフ弁27の入口ポートおよび閉じ側パイロット路2
8A、開き側パイロット路28Bに作用するため、リリ
ーフ弁27は圧力差に対応した開度をもって開く。リリ
ーフ弁27が開くと、油圧ポンプ13から吐出側油路1
5に吐出される作動油の一部は、リリーフ弁27を経由
して油圧ポンプ13の吸入側油路14に戻されるため、
油圧モータ17へ供給される作動油の流量が減少し、吐
出側油路15の油圧が低下する。吐出側油路15の油圧
が低下すると、油圧モータ17の回転速度Nは減少して
1000rpmに制御される。その結果、ファン16の
送風力が抑制されるため、ラジエータによる冷却力が抑
制され、エンジンを始動させ易い状態に制御されること
になる。
【0036】冷却水温度Twが所定値T2 (80℃)以
上である時には、図2に示されているように、センサ6
0のワックス68が液相状態になってピストン64が伸
張した状態になるため、サーモセンシング弁30の制御
圧力Pは最大圧力Pmax(134kgf/cm2 )に
維持された状態になる。この状態において、サーモセン
シング弁30の弁路48は閉じた状態になるため、第1
絞り弁29aの前後に圧力差が生じない。その結果、リ
リーフ弁27は閉弁した状態になり、油圧ポンプ13か
ら吐出側油路15に吐出される作動油の全量が油圧モー
タ17へ供給されるため、吐出側油路15の油圧は最大
(150kgf/cm2 )になる。吐出側油路15の油
圧が高いと、油圧モータ17の回転速度Nは高くなって
3000rpmに制御される。その結果、ファン16の
送風力が増強されるため、ラジエータによる冷却力が増
強され、エンジンを効果的に冷却することができる。
【0037】なお、パイロット弁31は第1絞り弁29
aおよび第2絞り弁29bを経由して供給される吐出側
油路15の吐出圧力が所定値以上になった時に開弁する
ように構成されている。パイロット弁31は開弁するこ
とによって、吐出側油路15の作動油を第1絞り弁29
aおよび第2絞り弁29bを経由させて第1バイパス油
路26に迂回させて、吐出側油路15の過大な上昇を防
止する。
【0038】ところで、サーモセンシング弁30のワッ
クス68が液相から固相に戻っても、ワックス68の変
態だけではピストン64は短縮することができない。そ
こで、ピストン64を短縮させるための外力が必要にな
る。従来のこの種のサーモセンシング弁においては、こ
の外力はバルブスプリング53の弾発力に求められてい
る。
【0039】ここで、バルブスプリング53の弾発力は
サーモセンシング弁30の制御圧力を規定するものであ
るため、その大きさには制限がある。つまり、バルブス
プリング53の弾発力は大きく設定することができな
い。そのため、図4(a)に示されているように、冷却
水温度Twの下降時は上昇時に比べて遅れが発生してし
まう。すなわち、冷却水温度Twが所定値T2 に低下し
てワックス68の固相が進み始めても、バルブスプリン
グ53によるピストン64に対する押し戻し力が弱いた
め、ピストン64は図2に示された弁路48を閉じた状
態を維持し続けることになる。万一、サーモセンシング
弁30が弁路48を閉じた状態を維持し続けると、油圧
モータ17は冷却水温度Twの下降にかかわらず高速で
回転するため、エンジンがかかり難くなったり燃費が低
下したりする。
【0040】しかし、本実施形態においては、ピストン
64をリターンさせるためのリターンスプリング57
が、バルブスプリング53とは別にセンサ側シート54
に係止されているため、図4(a)に示されている所謂
ヒステリシスを解消ないし小さく抑制することができ
る。すなわち、リターンスプリング57はピストン64
に対して強い押し戻し力を常時付勢しているため、冷却
水温度Twが所定値T2 の低下に伴うワックス68の固
相の進行に追従して、ピストン64はセンサ60に対し
て確実に短縮して行くことになる。そして、サーモセン
シング弁30は冷却水温度TwがT1 に下降した時には
図1の状態に確実に戻される。したがって、エンジンの
始動時には油圧モータ17は1000rpmの低速回転
で運転されるため、エンジンはかかり易い状態になる。
【0041】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種
々変更可能であることはいうまでもない。
【0042】例えば、サーモセンシング弁のバルブは、
圧力制御弁として構成するに限らず、方向制御弁や流量
制御弁として構成してもよい。その場合、サーモセンサ
のピストンは弁棒等を介して弁体に連携してもよい。
【0043】油温弁の切り換え操作は、サーモワックス
を使用した油温用サーモセンサによって実行するように
構成するに限らず、温度に感応する形状記憶合金やサー
モスタット等を使用した測温体によって実行するように
構成してもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エンジン始動時のかかり難さを確実に防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である油圧ファン駆動装置
に使用されたサーモセンシング弁を示す縦断面図であ
る。
【図2】その切り換え状態を示す縦断面図である。
【図3】本発明の一実施例である油圧ファン駆動装置を
示す回路図である。
【図4】サーモセンシング弁の作用を説明するための各
線図である。
【符号の説明】
10…油圧ファン駆動装置、11…タンク、12…エン
ジン、13…油圧ポンプ、14…吸入側油路、15…吐
出側油路、16…ファン、17…油圧モータ、18…出
口側油路、19…オイルクーラ、20…フイルタ、21
…オイルクーラ用逆止弁、22…フイルタ用逆止弁、2
3…油圧モータ用逆止弁、24…流量制御弁、25…流
量制御弁用パイロット路、26…第1バイパス油路、2
7…リリーフ弁、28A…閉じ側パイロット路、28B
…開き側パイロット路、29…制御油路、29a…第1
絞り弁、29b…第2絞り弁、30…サーモセンシング
弁、31…パイロット弁、32…第2バイパス油路、3
3…油温用サーモセンシング弁(油温弁)、34…弁
路、35…油温用サーモセンサ、40…圧力制御弁(バ
ルブ)、41…ボデー、42…弁室、43…雌ねじ、4
4…プラグ、45…入口ポート、46…出口ポート、4
7…弁筒、48…弁路、49…弁座、50…ポペット
(弁体)、51…スプリングシート(ポペット側シー
ト)、52…シート部、53…バルブスプリング、54
…スプリングシート(センサ側シート)、55…バルブ
スプリング用シート部、56…リターンスプリング用シ
ート部、57…リターンスプリング、58…頭部、59
…雌ねじ孔、60…ワックス式サーモセンサ(セン
サ)、61…ホルダ、62…雄ねじ部、63…シールリ
ング、64…ピストン、65…円錐形状部、66…カバ
ー、67…カップ、68…ワックス。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワックスの温度に対する感応による体積
    の増減によってピストンが伸縮するように構成されてい
    るサーモセンサと、弁体が前記ピストンの進退に連携さ
    れているバルブとを備えているサーモセンシング弁にお
    いて、 前記ピストンを戻すリターンスプリングが前記バルブの
    ボデーに反力をとるように構成されていることを特徴と
    するサーモセンシング弁。
  2. 【請求項2】 ファンを駆動する油圧モータと、タンク
    から吸入した作動油を圧送することによって前記油圧モ
    ータを駆動する油圧ポンプと、前記油圧ポンプの吐出圧
    力をラジエータの冷却水温度に対応して制御するサーモ
    センシング弁とを備えている油圧ファン駆動装置におい
    て、 前記サーモセンシング弁はワックスの温度に対する感応
    による体積の増減によってピストンが伸縮するように構
    成されているサーモセンサと、弁体が前記ピストンの進
    退に連携されているバルブとを備えており、前記ピスト
    ンを戻すリターンスプリングが前記バルブのボデーに反
    力をとるように構成されていることを特徴とする油圧フ
    ァン駆動装置。
JP27995597A 1997-09-26 1997-09-26 サーモセンシング弁およびサーモセンシング弁を使用した油圧ファン駆動装置 Pending JPH11101365A (ja)

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