JPH11101131A - 軸端冷媒流通型ガスタービン - Google Patents

軸端冷媒流通型ガスタービン

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JPH11101131A
JPH11101131A JP26323397A JP26323397A JPH11101131A JP H11101131 A JPH11101131 A JP H11101131A JP 26323397 A JP26323397 A JP 26323397A JP 26323397 A JP26323397 A JP 26323397A JP H11101131 A JPH11101131 A JP H11101131A
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seal
rotor
gas turbine
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学 松本
Shinya Marushima
信也 圓島
Takashi Ikeguchi
隆 池口
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、動翼用の冷媒供給に好適なロータ軸
端シールを有する軸端冷媒導入型ガスタービンを提供す
る。 【解決手段】ロータの軸端からシールを介して動翼冷却
用の冷媒を供給するようにした軸端冷媒導入型ガスター
ビンにおいて、前記シールの冷媒流路側入口と大気開放
側出口の中間位置に回収流路を形成し、シールから漏洩
する冷媒の一部を回収してガスタービン構成部材の冷
却、例えば静翼の冷却やダイヤフラム内側のシールガス
として活用する。 【効果】ガスタービンの効率向上を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒を用いて動翼
を冷却するガスタービンに係り、特に該冷媒を軸端から
供給又は回収するように構成されたガスタービンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンでは、燃焼ガスの温度(タ
ービン入り口温度)を高温にしてタービンの効率を高め
るために、作動ガスの通路(以下、ガスパスと略記す
る)を形成している翼や、内外壁のエンドウォール及び
シュラウド等が冷却されている。また、静翼を支持して
いるダイヤフラムの内側とロータ間の隙間を高温の燃焼
ガスが迂回してロータが過熱するのを防止するために、
同部にロータ許容温度以下の温度のシールガスが供給さ
れている。
【0003】これらの冷媒やシールガスとしては、通
常、圧縮機から抽気した燃焼用空気が用いられている。
【0004】最近は、翼の冷却技術が向上してきたため
に、燃焼ガスの温度を1500℃レベルに高めるほか、
例えば日本国特許公開公報平8−14064号等に示されてい
るように、翼を冷却した後の空気をガスパス中に放出す
ることに起因する損失を低減するために、冷却した後の
空気を回収して燃焼器に戻すガスタービンや、文献95-Y
OKOHAMA-IGTC-143:“H”Gas Turbine Combined Cycles
Power GenerationSystem for the Future 等に示され
ているように、ガスタービンの排熱を利用して生成した
蒸気の一部を用いて翼を冷却し、冷却後の冷媒を蒸気タ
ービンの作動媒体として回収する方式のいわゆるクロー
ズド冷却式ガスタービンとして開発途上にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】クローズド冷却式ガス
タービンのタービンロータを構成するには、ロータの内
部に動翼を冷却するための冷媒を供給する供給流路と、
動翼を冷却した後の冷媒を回収する回収流路を形成する
必要がある。翼を冷却することによって冷媒の温度は2
00〜250度上昇するため、この温度差に起因してロ
ータ構成部材に発生する熱応力を極力低減する観点か
ら、ロータへの冷媒の供給口又は回収口を軸端に配置す
るのが有利である。
【0006】しかし、(圧縮機により圧縮された空気を
冷却媒体として利用する)クローズド空気冷却式ガスタ
ービンで翼冷却に必要な冷媒を供給し燃焼器に回収する
には、回収圧力を少なくとも圧縮機の吐出圧力以上に高
める必要があり、このため供給前に圧縮機からの空気を
ブースト圧縮機で加圧するが、翼内部に形成する複雑な
冷却流路や、旋回流を伴うロータ内部の供給,回収流路
で多大な圧力損失が発生する。またクローズド蒸気冷却
式ガスタービンでは、蒸気タービンの作動蒸気を兼用し
て翼の冷却に用いているために蒸気を高純度に維持する
必要があるが、このためには、流路を流れる蒸気の圧力
を燃焼ガスの圧力より高くして、ガスパスからの燃焼ガ
スが冷媒流路に漏れ込むのを防止する必要がある。した
がって、いずれの場合の高い供給圧力等が要求される。
【0007】一方、ガスタービンに使用される静止部と
軸端における回転部間のシールは、一般的にラビリンス
シールやハニカムシール等の非接触シールが使用される
ため、軸端の冷媒経路からは相当量の冷媒がリークする
のは避けられず、空気冷却式ガスタービンでは圧縮動力
を費やして生成した冷媒を浪費する分のタービンの効率
が低下し、蒸気冷却式ではさらに純水の消費量が増加す
る分、運用費がかかる。
【0008】本発明は、上記の軸端リークの問題を解決
して、効率の良い軸端冷媒導入型ガスタービンを提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、空気を圧縮す
る圧縮機と、該圧縮機から吐出される圧縮空気と燃料と
を燃焼させる燃焼器と、燃焼器からの排ガスにより駆動
されるタービンと、を備えたガスタービンにおいて、外
周側に内部に冷媒流路を備えた動翼を備え、内部に前記
冷媒流路に連絡する冷媒流通路を有するロータと、前記
ロータ内の前記冷媒流通路を流れる冷媒の前記冷媒流通
路外への漏洩を抑制するシールと、前記ロータ内の冷媒
流通路から前記シールを介して漏洩した冷媒をガスター
ビンの高温部に導く経路とを備えたことを特徴とする。
【0010】シールから漏洩する冷媒の一部を回収し、
ガスタービンの構造部材の冷却媒体として利用できる。
【0011】このように、漏洩ガスを回収して他の部材
に供給するようにすることにより、シールとシールで区
切られた領域のうち他の部材へ冷媒を導く経路の回収口
を配置する中間領域の圧力が低下し、中間領域より漏洩
冷媒の下流側のシールを介しての漏洩流量が減少するた
め、漏洩した冷媒を有効に活用できる。
【0012】また、空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機
から吐出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器
と、燃焼器からの排ガスにより駆動されるタービンとを
備えたガスタービンにおいて、外周側に内部に冷媒流路
を備えた動翼を備え、内部に前記冷媒流路に連絡する冷
媒流通路を有するロータと、前記ロータ内の前記冷媒流
通路から前記冷媒流通路外への冷媒の漏洩を抑制する第
1のシールと、第1のシールを介して漏洩した冷媒が供
給される中間室と、前記中間室の冷媒が該中間室外へ漏
洩することを抑制する第2のシールと、該中間室内の冷
媒をガスタービンの高温部に導く経路とを備えたことを
特徴とする。
【0013】例えば、シールを複数のシールで構成し、
そのうち、少なくとも1個のシールを冷媒が流れる中心
孔が形成された内側に、残りのシールを軸の外側に配置
し、冷媒の漏洩経路に沿ってシリーズに配置し、前記内
側のシールと前記外側のシールの間にリーク経路から漏
れるガスの一部を抽出し回収するための回収経路を形成
し、回収経路から回収した漏洩ガスを、配管等によって
ガスタービン構成部材の高温部等の冷却の必要な場所に
冷媒として供給する。
【0014】漏洩した冷媒を供給するガスタービン高温
部は、冷媒を回収しない状態での中間室の圧力より低い
ところを選定するのが、動力低減等を図るためには好ま
しい。
【0015】シールすべてが軸の外側に配置されている
場合は、中間領域にある第1のシールからの漏洩冷媒が
流れ込む前記中間室の圧力が低下し、それより漏洩蒸気
が中間室から下流側への漏れを抑制する第2のシールの
漏洩量は低下するが、前記第1のシールのリーク流量は
増加する。
【0016】前記第1のシールを第2のシールより中心
孔側(ロータの軸心側)に配置することにより、シール
面積が小さくてすみ、間隙の流路断面積が縮小するため
に、漏洩ガスを有効に回収できるほか、リークからのリ
ーク流量を低減できる。
【0017】さらに、軸欄から冷媒を供給することによ
り、ロータには大きなスラスト荷重が発生するようにな
るが、軸の内が亜と外側にシールを配置して中間質を形
成し、圧力低下によって軸端面に作用するスラスト荷重
が軽減するために、軸受損失低減を図ることができる。
【0018】また、空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機
から吐出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器
と、燃焼器からの排ガスにより駆動されるタービンとを
備えたガスタービンにおいて、外周側に内部に冷媒流路
を備えた動翼を備え、内部に前記冷媒通路に連絡する冷
媒流通路を有するロータと、前記ロータ内の冷媒流通路
の端部からの前記冷媒流通路外への冷媒の漏洩を抑制す
るシールと、前記シールを介して漏洩した前記冷媒流通
路の冷媒が導かれ、前記冷媒流通路を流れる冷媒の圧力
より低く、大気圧より高い圧力となる中間室と、前記中
間室の冷媒をガスタービンの高温部に冷媒として導く経
路とを備えることを特徴とする。
【0019】漏洩した冷却媒体を導く導き先は、導き先
の供給圧力がシール出口の圧力(大気圧力)よりも高い
範囲で出口圧力に近いと、より効果が大きい。
【0020】また、前記ガスタービンにおいて、前記ガ
スタービンの高温部は、前記ロータの外周側に位置する
静翼、タービンを流れる燃焼ガスの流路を構成する壁
(エンドロールやシュラウド等)、静翼を支持するダイ
ヤフラム(シールガスとしても使用できる)、タービン
を流れた燃焼ガスが導かれる排気ダクトの何れかである
ことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図1を用いて本発明の1実
施例を詳しく説明する。
【0022】図1は、クローズド空気冷却型4段ガスタ
ービンの上半部の断面構造を示しており、当該ガスター
ビンは主に空気を圧縮する圧縮機2,圧縮空気により燃
料が燃焼する燃焼器3,燃焼排ガスにより駆動するター
ビン100を主要構成品としており、具体的には、図1
に示すように、ケーシング1と、その内部に配置された
圧縮機2,燃焼器3,タービン部の静翼41と動翼45
を交互に配置して形成されたガスパス4,タービンロー
タ5,軸受6、及び排気ダクト7等を備えている。1〜
3段の静翼41と動翼45は、ガスパス4を流れる燃焼
ガスの熱負荷に耐えるように、冷却流路46を形成して
翼の内部から冷却されている。
【0023】タービンロータ5は、外周部に動翼45が
植設された4個のディスク51が、スペーサ52を介し
て重なっており、その端部には、軸53が連結してい
る。各ディスクの中心から外周側へ間隔を置いて構成さ
れるいわゆるハブ部で各ディスク,スペーサは密着接合
されている。又、ハブ部でディスタントピース54を介
して圧縮機2のロータと一体に締結されている。タービ
ンロータ5は軸53で、軸受6によって回転支持されて
いる。
【0024】軸53の軸端53aには、供給配管81か
らシール82を介してロータの内部に冷媒を導入する軸
端供給口8が形成されており、導入された冷媒は、矢印
99aで示したように、軸中心孔53b、ディスク及びス
ペーサのハブに形成された供給流路55a,スリット5
6a,ディスク間のキャビティ等を経て、初段動翼45
aの内部に形成された冷却流路46に供給され、冷却後
はスリット56b,回収流路57等を経て圧縮機2の吐
出空気を分流し、燃焼室31に回収される。2段動翼4
5bについても類似した経路で供給,回収されるが、冷
却流路を備えた最も下流側の動翼である3段動翼45c
については、タービンロータディスクの熱応力緩和,圧
縮機ロータ高段側ディスクの冷却,起動時のロータ暖気
等を目的として、圧縮機2から抽気した空気をディスタ
ントピース54の中心側の流路、ロータ5の中心側を経
て当該翼に供給し、翼冷却後はガスパス4中に放出する
ように構成されている。
【0025】一方、静翼41はガスパスの外側の供給配
管91から供給された冷媒によって翼内部から冷却さ
れ、冷却後は、初段静翼がガスパスの内側から直接燃焼
室31に、2段と3段の静翼がガスパスの外側の回収配
管92を経て燃焼室31に回収される。
【0026】またガスパス4の外側壁は、静翼と一体に
成形されたチップエンドウォール42とシュラウド11
によって仕切られ、内側はハブエンドウォール43によ
って仕切られているが、これらによりガスパス4の壁が
構成されてこれらの部材も翼と同様に高温の燃焼ガスに
曝されるために、外側と内側のチェンバ12,13側か
らの対流冷却と、エンドウォールに吹き出し孔44を穿
けて冷媒を吹き出させるフイルム冷却によって冷却され
ている。
【0027】また、エンドウォール42,43やシュラ
ウド11、及び内側から静翼を支持しているダイヤフラ
ム14等は、熱変形を吸収するために周方向に分割され
ており、更に、ダイヤフラムとロータとの間隙部には非
接触シール15が設置されているが、これらの分割面や
シール面の僅かな間隙をガスパス中の燃焼ガスが迂回し
て流れて周囲を加熱しないようにするため、矢印99
b,99c等で示すように、冷媒流路からガスパス側に
前記流路壁を構成する部材の間隙を通して冷媒をシール
ガスとして放出している。
【0028】これらの冷媒やシールガスとしては、全て
圧縮機からの抽気空気が供給されるのではなく、本実施
例では、4段静翼に対して、前述したロータ軸端供給口
8の内側シール82aと外側シール82bの中間位置に
形成したチェンバ83と、4段静翼外側のチェンバ12
dを、回収流路84及び回収配管85で接続し、シール
からリークする空気の一部を抽出して導入するようにな
っている。
【0029】シール部は、供給流通路から外へ向かって
複数のシリーズのシールが形成され、シールとシールと
の間には一方のシールから漏れた冷媒が充満しているチ
ェンバ(中間室)が構成されている。冷媒の圧力は、供
給流路の圧力、供給系路側の第1のシールから漏れた冷
媒が貯まる中間室の圧力、その中間室の冷媒が第2のシ
ールを経て漏洩する他の中間質或いは外気に至るまで、
順次圧力は低くなる。シールは多数シリーズに形成され
ていてもよい。
【0030】この供給流れは、チェンバ12dの圧力が
シール中間位置の圧力よりも低い条件で生起され、接続
することによってチェンバ83の圧力が低下するため
に、出口が大気に開放された外側シール82bのリーク
流量が減少し、経路99dに沿って減少した分の冷媒が
チェンバ12dに供給される。供給流量が4段の冷却及
びシールガスとして必要な流量を満たすならば、ガスタ
ービンの効率に大きく影響する冷媒の消費量を節約する
ことができ、効率向上に寄与できる。
【0031】動翼等に冷却媒体を供給する場合は、ロー
タの軸端に冷媒の供給口又は、冷媒の供給口及び回収口
を備える場合、係る部分での冷媒を外部に漏洩させない
ためのシールが重要である。
【0032】例えば、燃焼温度が高温燃焼型のガスター
ビンにおいては、冷媒流量も多く、漏れも多いため、漏
洩冷媒を利用できる効果は大きい。例えば、燃焼温度が
1500度級のガスタービンに適応する。
【0033】また、圧縮機での圧縮比が高い高圧縮型の
ガスタービンにおいても、冷媒圧力が高く、漏れも多い
ため、漏洩冷媒を利用できる効果は大きい。例えば、圧
縮比20〜30程度のガスタービンに適応する。
【0034】軸端に冷媒の供給口を備えている構成のロ
ータを有するガスタービンに適応することが好ましい。
【0035】圧力の高い状態の冷媒がシール部付近に存
在するため、シールからの漏洩量がより多く、漏洩冷媒
を利用する効果が大きい。
【0036】ひとつの例として、ガスパスの平均直径が
2.2m のガスタービンを構成し、圧力比25,吐出流
量600kg/sの圧縮空気によって生成された約150
0℃の燃焼ガスをガスパスに流すと、ロータが回転する
ことによって約280MWの動力が出力されるが、この
際、タービンの冷却に必要な空気は圧縮機吐出流量の約
25%に及び、この内の10%がエンドウォールやシュ
ラウドの冷却及びシールガスとしてガスパス中に放出さ
れる。4段の冷却及びシールガス用としては、約0.3
% の空気を約3.0ataの圧力でチェンバ12aに供給
する必要があり、この空気の消費を削減すれば0.1%
のタービン効率向上につながる。
【0037】図2は、シールとしてラビリンスシールを
用いて、内側シール82aのシール径を260mm、外側
シール82bのシール径を540mmで、シール片数を1
2、シール間隙を1.0mm とし、軸端の供給圧力を、ロ
ータ内部流路等の圧力損失を考慮して40ata とした場
合のシールからのリーク量の計算値を示している。
【0038】Aは、回収しないで両シールの間隙をシリ
ーズに流れてリークした場合のリーク流量を示してい
る。これに対してチェンバ83をチェンバ12dに接続
することにより、Bに示すように、内側シール82aの
リーク流量は僅かに増加する程度であるが、外側シール
82bのリーク流量はCに示すように大幅に減少してお
り、両者の差分のリーク量ΔGが回収量で、チェンバ1
2dに供給される。
【0039】リーク量ΔGは圧縮機吐出空気流量の0.
32% に相当し、4段の冷却及びシールガス用の冷媒
を補充できることが分かる。これによってタービン効率
が確実に約0.1% 改善される。
【0040】上述のように外側シール82bのリーク流
量が減少するのは、図3にシールリーク流路の入り口か
ら出口への圧力変化を示すように、チェンバ83の圧力
Paがチェンバ12dに接続することによってPbまで
低下したためであり、内側シール82aのリーク流量が
さほど変化しないのは、入り口圧力が高く、シール間隙
の流れが出口の圧力の影響を受けないチョーク流れに近
いためである。このことは、軸端供給口からのリーク量
を増加させることなく、リーク空気を回収できる点で、
有利に作用する。
【0041】また、シール出口から流出した冷媒は、排
気ダクト7の内側のスペースに放出されるが、放出流量
が従来に比べてかなり減少するため、スペースの騒音等
の環境が大幅に改善される利点が得られる。
【0042】更に、外側シールのみでリーク冷媒を回収
しない場合には、軸端に約71tonのスラスト荷重が作
用し、この荷重を支えるにはスラスト軸受の直径をかな
り大きくする必要がある。これに対して上述したガスタ
ービンの軸端では、チェンバ83の圧力が低下するため
にスラスト荷重は約27ton で、軸受荷重が大幅に軽減
されることがわかる。したがって本発明によれば、スラ
スト軸受の軸受直径を小さくできるばかりでなく、これ
によって軸受損失を大幅に低減することができる。
【0043】なお、シールレイアウト上の制約で内側シ
ールを設置できない場合は、外側に複数のシールをシリ
ーズに配置して、その中間から回収するか、もしくは一
個のシールにおいても、シールの中間部分を一部削除し
て抽気口を設け、回収することができる。この場合に
は、スラスト荷重を低減することができず、またリーク
冷媒の回収量も減少するが、機能的には同じで、本発明
が適用できることは言うまでもない。
【0044】更に、上述の実施例では、シールとしてラ
ビリンスシールを用いたが、本発明はシールの種類を限
定するものではなく、例えばハニカムシール等、他の種
類のシールを用いても同様の機能を得ることができる。
【0045】更に上述の実施例では、回収冷媒の利用先
として4段静翼及びダイヤフラム内側のシールガスとし
て用いたが、例えば3段静翼の冷却及び同段ダイヤフラ
ム内側のシールガスの冷媒補填や、排気ダクトに冷却流
路を形成してその冷媒に利用するなど、所要流量と圧力
に応じて適切に選択すれば、目的に応じて充分な効果が
得られる。
【0046】尚、図1の実施例ではタービンロータ5の
ディスク51間にスペーサ52を介して配置する構造を
示したがスペーサを介さずディスク同士が隣接する構造
であっても良い。
【0047】図1の実施例では、軸端から供給した動翼
用の冷媒をロータの前側から燃焼器に回収したが、図4
は、動翼用の冷媒を軸端から供給して、軸端から回収す
る場合の実施例を示している。この例は、前述の引用文
献にも示されているように、蒸気冷却ガスタービン等に
適している。
【0048】すなわち軸端の供給部は2重管構造をして
おり、動翼への冷媒の供給流路91以外に、動翼を冷却
した後の冷媒をロータ内部から回収する内側の回収流路
92が形成されている。この場合には新たにシール93
を設けて供給流路91と回収流路92間のシールを行う
必要があるが、供給流路と大気側とのシール構成は図1
の実施例の場合となんら変わりなく、供給配管94とシ
ール95,96を設置し、回収経路97を形成すること
によって、チェンバ98からリーク冷媒を回収すること
ができるため、本発明が適用できる。
【0049】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、従来放出していたロータ軸端シールからリークした
冷媒を有効に活用できるようになるため、より一層効率
の良いガスタービンを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すクローズド冷却型ガス
タービンの上半断面図。
【図2】軸端シールのリーク流量と回収流量の計算値の
関係図。
【図3】軸端シールの流れ方向圧力変化モデル図。
【図4】本発明の他の実施例による軸端供給口部の断面
構造図。
【符号の説明】 1…ケーシング、2…圧縮機、3…燃焼器、4…ガスパ
ス、5…タービンロータ、6…軸受、7…排気ダクト、
8…軸端供給口、11…シュラウド、12,83,98
…チェンバ、14…ダイヤフラム、15…非接触シー
ル、42,43…エンドウォール、53…軸、53a…
軸端、53b…軸中心孔、82a,95a…内側シール、
82b,95b…外側シール、84,97…回収流路、
85…回収配管、99…矢印。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐
    出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、燃焼
    器からの排ガスにより駆動されるタービンとを備えたガ
    スタービンにおいて、外周側に内部に冷媒流路を備えた
    動翼を備え、内部に前記冷媒流路に連絡する冷媒流通路
    を有するロータと、 前記ロータ内の前記冷媒流通路を流れる冷媒の前記冷媒
    流通路外への漏洩を抑制するシールと、 前記ロータ内の冷媒流通路から前記シールを介して漏洩
    した冷媒をガスタービンの高温部に導く経路とを備えた
    ことを特徴とするガスタービン。
  2. 【請求項2】空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐
    出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、燃焼
    器からの排ガスにより駆動されるタービンとを備えたガ
    スタービンにおいて、外周側に内部に冷媒流路を備えた
    動翼を備え、内部に前記冷媒流路に連絡する冷媒流通路
    を有するロータと、 前記ロータ内の前記冷媒流通路から前記冷媒流通路外へ
    の冷媒の漏洩を抑制する第1のシールと、 第1のシールを介して漏洩した冷媒が供給される中間室
    と、 前記中間室の冷媒が該中間室外へ漏洩することを抑制す
    る第2のシールと、 該中間室内の冷媒をガスタービンの高温部に導く経路と
    を備えたことを特徴とするガスタービン。
  3. 【請求項3】請求項2のガスタービンにおいて、 前記第1のシールは前記第2のシールよりロータの軸心
    側に配置されることを特徴とするガスタービン。
  4. 【請求項4】空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐
    出される圧縮空気と燃料とを燃焼させる燃焼器と、燃焼
    器からの排ガスにより駆動されるタービンとを備えたガ
    スタービンにおいて、外周側に内部に冷媒流路を備えた
    動翼を備え、内部に前記冷媒通路に連絡する冷媒流通路
    を有するロータと、 前記ロータ内の冷媒流通路の端部からの前記冷媒流通路
    外への冷媒の漏洩を抑制するシールと、 前記シールを介して漏洩した前記冷媒流通路の冷媒が導
    かれ、前記冷媒流通路を流れる冷媒の圧力より低く、大
    気圧より高い圧力となる中間室と、 前記中間室の冷媒をガスタービンの高温部に冷媒として
    導く経路とを備えることを特徴とするガスタービン。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のガスタービンにおいて、 前記ガスタービンの高温部は、前記ロータの外周側に位
    置する静翼、タービンを流れる燃焼ガスの流路を構成す
    る壁、静翼を支持するダイヤフラム、タービンを流れた
    燃焼ガスが導かれる排気ダクトの何れかであることを特
    徴とするガスタービン。
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