JPH109877A - 車速検出システム及びそれを用いたナビゲーション装置 - Google Patents

車速検出システム及びそれを用いたナビゲーション装置

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JPH109877A
JPH109877A JP17985396A JP17985396A JPH109877A JP H109877 A JPH109877 A JP H109877A JP 17985396 A JP17985396 A JP 17985396A JP 17985396 A JP17985396 A JP 17985396A JP H109877 A JPH109877 A JP H109877A
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JP
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vehicle
acceleration sensor
vehicle speed
output
curve
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JP17985396A
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English (en)
Inventor
Hidenobu Umeda
秀信 梅田
Keisuke Uno
圭輔 宇野
Akira Sasaki
昌 佐々木
Katsuomi Nagahama
克臣 長濱
Yoshiyuki Morita
善之 森田
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自立航法併用型カーナビにおける独自の車速
検出システムを、加速度センサを用いて高精度に構成で
きるようにする。 【解決手段】 最大感度軸を車体の前後方向に一致させ
て自動車に取り付けた加速度センサ1と、自動車がカー
ブ走行していることを検出するカーブ走行検出手段3
と、加速度センサ1の出力を積分演算して車速を求める
とともに、カーブ走行検出手段3により自動車がカーブ
走行していると判断されたときには遠心力の影響による
加速度センサ1の出力誤差成分を補償する演算を行う演
算手段5とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に搭載され
てその走行速度を検出する車速検出システム及びそれを
用いたナビゲーション装置に関し、特に、カーナビゲー
ション装置においてGPSに併用する自立航法用の車速
検出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】よく知られているように、最近のカーナ
ビゲーション装置では、GPSを補完して測位精度を高
めるために、自立航法を併用するものが多くなってき
た。これは自立航法併用型カーナビと呼ばれる製品であ
り、急速に普及し、一般の自動車に装備されるようにな
ってきた。この自立航法では、自動車の車速信号から走
行距離を求めるとともに、ジャイロにより走行方向を検
出して、自車の位置を演算する。
【0003】最近、安価な振動圧電型ジャイロが開発さ
れたため、自立航法併用型カーナビの価格が下がり、自
立航法を併用しないカーナビ(これはGPS方式カーナ
ビと呼ばれて区別されている)との価格差が縮まりつつ
ある。特に、自動車メーカーが純正で設定しているカー
ナビは、自立航法併用型になりつつある。
【0004】しかし、カーナビが付いていない自動車に
後付けで自立航法併用型カーナビを装備する場合には、
自動車にGPSアンテナを取り付ける工事に加えて、自
動車の計器系統から車速信号を取り出す工事と、走行方
向を検出するためのジャイロを取り付ける工事が必要
で、これが面倒だという難点がある。この点では単純な
GPS方式が有利なので、自立航法併用型の普及の障害
になっている。
【0005】さまざまな電子制御を採り入れた最近の自
動車においては、その計器系統には、スピードメーター
ケーブルの回転数に比例した周波数の車速パルスを発生
する車速センサが含まれている。周知のように、この車
速パルスは厳密には車輪の回転速度を示す車輪速である
が、この明細書においては車輪速か絶対車速かはあまり
意味がないので、特に区別しない。また周知のように、
車速センサの出力は、車速をメーターに表示するのに利
用されるだけではなく、エンジン制御やトランスミッシ
ョン制御あるいはABS制御等の重要な制御入力として
利用されている。
【0006】自動車メーカーが、開発設計の段階で自立
航法併用型カーナビの搭載を決めるのであれば、車速セ
ンサの出力をカーナビの制御系に取り込むシステム設計
は実に簡単なことである。しかし、一般の自動車では、
後から生じた用途のために車速センサの出力を簡便に利
用できるような電気回路の仕組みにはなっていない。反
対に、電子制御システムの誤動作を防ぐために、電気系
統および電子制御系統は厳重に防護されてシールドされ
ており、正しい知識のある整備技術者ならばともかく、
そうでない人が勝手に改造していじるのは問題が多い。
【0007】このような事情から、サードパーティー製
の自立航法併用型カーナビをエンドユーザの自動車に後
付けすることは簡単ではない。ある自立航法併用型カー
ナビの製品における車速信号入力規格と、それを取り付
けようとする自動車の車速センサの出力規格のインタフ
ェースの適合性も考えなければならず、問題はさらに複
雑化する。つまり、個々のカーナビ製品と個々の自動車
の組み合せについて、規格の適合・不適合の問題がでて
くる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、自立航法併用
型カーナビを自動車に後付けする場合に、その自動車に
備わっている車速センサを利用するのではなく、カーナ
ビ用の独自の車速検出機能を新設・付加することが考え
られる。その一例が特開平5−10774号公報に開示
されている。これは、安価な加速度センサを自動車に取
り付け、その出力を積分することで車速を検出する仕組
みになっている(車速信号を積分して走行距離を求める
のは前述のカーナビと同じである)。
【0009】しかし、自動車に取り付けた加速度センサ
で走行加速度を検出し、それを単純に積分しただけで
は、きわめて測定誤差が大きいという問題がある。すな
わち、自動車は直進走行するだけではなく、しばしばカ
ーブ走行する。自動車がカーブ走行すると、その曲率と
速度に比例した遠心力が作用する。その遠心力はカーブ
の外側に向いた加速度であるが、この遠心力の加速度が
車速検出用の加速度センサの出力に誤差を生じさせる。
この誤差は無視できるほど小さくはなく、これを積分し
て車速を求め、さらに積分して走行距離を求め、ジャイ
ロにより検出した走行方向と組み合わせて、自車の位置
を演算する自立航法システムにおいて、測位誤差を大き
く低下させる原因になる。
【0010】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、自動車の車速パルスなどの既設の装置からの信号を
用いることなく、自立航法併用型カーナビにおける独自
の車速検出システムを、加速度センサを用いて高精度に
構成でき、高精度なナビゲーション装置を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る車速検出システムでは、最大感度
軸を車体の前後方向に一致させて自動車に取り付けた加
速度センサと、前記自動車がカーブ走行していることを
検出するカーブ走行検出手段と、前記加速度センサの出
力を積分演算して車速を求めるとともに、前記カーブ走
行検出手段により前記自動車がカーブ走行していると判
断されたときには遠心力の影響による前記加速度センサ
の出力誤差成分を補償する演算を行う演算手段とを備え
て構成した(請求項1)。
【0012】好ましくは、前記遠心力の影響による前記
加速度センサの出力誤差の現れ方を示す補償係数を任意
に可変設定して前記演算手段に与える補償係数設定手段
を備えて構成することである(請求項2)。そして、前
記補償係数設定手段としては、具体的には、実施の形態
で説明したように、ディジタルスイッチを用いたり、ポ
テンショメータを用いることができる。つまり、補償係
数は、本発明ではカーブ走行時に遠心力による誤差加速
度βが発生しないヨーレート中心(後輪の車軸付近)か
ら実際の加速度センサの取付位置までの距離に応じたデ
ータである。
【0013】また、前記カーブ走行検出手段は、カーブ
走行により発生する遠心力の大きさに対応した遠心力情
報を生成し、前記演算手段は、前記遠心力情報を反映し
て前記補償の演算を行うようにしてもよい(請求項
3)。この構成において、より具体的には、実施の形態
で説明したように、カーブ走行検出手段としては、自動
車に取り付けたヨーレートセンサを用いたり、自動車に
取り付けられた方位検出用ジャイロの出力に基づいて前
記遠心力情報を求める構成を採れる。そして、遠心力情
報とは、実施の形態では、角速度である。
【0014】さらに、前記補償係数設定手段で設定する
補償係数が、自動車の絶対位置情報に基づく真の情報
と、前記加速度センサの出力に基づいて求めた計算情報
との差から誤差分を求め、その誤差分から前記補償係数
を求めるようにしてもよい(請求項4)。係る構成にす
ると、センサを任意の位置に設置しても、そのヨーレー
ト中心からの位置ずれ距離(実施の形態では、「L」)
を自動的に求め、それに応じた補償係数を設定できるの
で、センサの取付位置を高精度にする必要がなく、取付
処理が簡単に行える。また、経時変化があっても対応で
きる。
【0015】また、別の解決手段としては、最大感度軸
を車体の前後方向に一致させて自動車に取り付けた加速
度センサと、前記加速度センサの出力を積分演算して車
速を求める演算手段とを備え、かつ、前記加速度センサ
を、自動車の後輪の軸付近に設置するようにするとよい
(請求項5)。
【0016】そのようにすると、カーブ走行時の遠心力
が、自動車の移動方向、すなわち、センサの最大感度軸
と直交するため、その遠心力に基づく加速度が加速度セ
ンサ出力に影響を与えない。つまり、加速度センサの出
力は、自動車の走行に伴う純粋な加速度となり、上記し
た各発明のように補正処理を行わなくても精度の良い車
速の検出処理が行える。
【0017】また、本発明に係るナビゲーション装置で
は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車速検出シス
テムと、自動車の絶対位置情報を検出する絶対位置検出
手段(GPS)と、地図情報を持つ地図情報記憶手段
と、前記地図情報や車両の現在位置を表示する表示手段
と、前記車速検出システムと前記絶対位置検出手段から
の少なくとも一方の出力に基づいて、現在の自動車の位
置を求め、前記表示手段に表示する制御手段とを備えて
構成した(請求項6)。
【0018】すなわち、上記したように、車速検出シス
テムでは、車速パルスなど自動車に設置されている装置
類からの信号を用いることなく、独立した検出系で正確
に車速を求めることができる。その結果、精度の良い自
立航法が可能となり、GPSなどの絶対位置検出手段と
併用した場合にも、絶対位置情報が得られない間に行わ
れる車速検出システムに基づく自立航法による現在位置
表示も高精度のものとなる。つまり、独立した検出系で
もって、高精度なナビゲーション装置を構成することが
でき、簡単に後付けによる設置が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る車速検出シ
ステムの概略構成を示している。この車速検出システム
は、最大感度軸を車体の前後方向に一致させて自動車に
取り付けられた加速度センサ1と、この加速度センサ1
の出力の波形等価などの前処理を行う前処理回路2と、
自動車のカーブ走行に伴うヨーイングの角速度を検出す
るヨーレイトセンサ3と、自動車のカーブ走行時に発生
する遠心力の影響による加速度センサ1の出力誤差の現
れ方を示す補償係数を任意に可変設定するための補償係
数設定器4と、前処理回路2を経た加速度センサ1の出
力とヨーレートセンサ3の出力と補償係数設定器4の出
力を取り込んでディジタル化して演算処理するDSP
(ディジタル・シグナル・プロセッサ)5とを備えてい
る。
【0020】ここで、各部材の説明を行う前に、本発明
の原理について説明する。図2は、自動車のカーブ走行
時の遠心力と加速度センサ1の誤差の関係を示してい
る。図では、自動車6が一定速度で一定曲率のカーブを
走行しているものとする。そして、加速度センサ1が自
動車6のヨーイング中心Aに取り付けられている場合に
は、カーブ走行による遠心力F1は、加速度センサ1の
最大感度軸(車体の前後方向)に対して直交方向(真
横)に作用する。通常の加速度センサ1では、最大感度
軸と直交方向の感度は最小なので、加速度センサ1を自
動車6の重心位置Aに取り付けた場合は、カーブ走行時
に発生する遠心力の影響による加速度センサ1の出力誤
差の現れ方は最小となる。
【0021】また、図2に示すように、自動車6のヨー
イング中心Aより距離L1だけ前方の位置Bに加速度セ
ンサ1を取り付けた場合は、カーブ走行による遠心力F
2は加速度センサ1の最大感度軸に直交しなくなり、最
大感度軸と平行な成分F2aと直交する成分F2bとの
合力と捉らえられる。この最大感度軸と平行な分力F2
aがあるので、ヨーイング中心Aに加速度センサ1を取
り付けた場合に比べ、前方位置Bに加速度センサ1を取
り付けた場合は、カーブ走行時に発生する遠心力の影響
による加速度センサ1の出力誤差の現れ方が大きくな
る。
【0022】さらにまた、図2に示すように、自動車6
のヨーイング中心Aより距離L2だけ後方の位置Cに加
速度センサ1を取り付けた場合にも、同様にカーブ走行
による遠心力F3は加速度センサ1の最大感度軸に直交
せず、最大感度軸と平行な成分F3aと直交する成分F
3bとの合力と捉らえられる。この最大感度軸と平行な
分力F3aがあるので、重心位置Aに加速度センサ1を
取り付けた場合に比べ、後方位置Cに加速度センサ1を
取り付けた場合は、カーブ走行時に発生する遠心力の影
響による加速度センサ1の出力誤差の現れ方が大きくな
る。
【0023】加速度センサ1を前方位置Bに取り付けた
場合と後方位置Cに取り付けた場合を比較する。まず、
前方位置Bの場合の分力F2aと、後方位置Cの場合の
分力F3aとは、加速度センサ1の最大感度軸上におい
て逆向きになる。したがって、この2つの場合では、カ
ーブ走行時に発生する遠心力の影響による加速度センサ
1の出力誤差の現れ方は逆極性になる。また、出力誤差
の絶対値に関しては、AB間の距離L1、AC間の距離
L2にそれぞれ比例した現れ方になる。
【0024】そこで、加速度センサの取付位置によっ
て、センサ出力がどのように変わるかの実験を行った。
実験方法は、加速度センサを、自動車の最前部,ダ
ッシュボードの上,後輪の車軸の上方,自動車の最後
部にそれぞれ取り付け、左旋回を行ったり、右旋回を行
い、その時のセンサ出力の時系列データを取得した。な
お、旋回は、等速度で同一の半径の円周上を連続して移
動するようにして行った。また、測定は、3つのデータ
しか同時に取り扱うことができないため、最初に〜
の位置にセンサをそれぞれ取り付けた場合の左旋回(図
3(A))と、右旋回(図4(A))を行い、次に、セ
ンサの取付位置を変えて,,の位置にセンサをそ
れぞれ取り付けて左旋回(図3(B))と、右旋回(図
4(B))を行った。
【0025】図から明らかなように、後輪の車軸上に設
置したは、左右の旋回時に加速度は発生しないが、そ
の他の設置位置では、加速度が発生しており、その発生
方向や発生した加速度の大きさは、設置位置により異な
っていることがわかる。従って、上記したことが正しい
ことが実証された。
【0026】ここで、上記距離と出力誤差の具体的な関
係について求めると、以下のようになる。すなわち、図
5に示すように自動車6上の任意の場所Bにセンサを置
いた場合に、各位置及び寸法等を下記のように定義す
る。
【0027】
【数1】 すると、センサの設置位置Bのヨーイング中心Aからの
ずれに基づいて発生する進行方向の加速度β(図2のF
2a,F3aに相当する)は、以下のようにして求めら
れる。
【0028】
【数2】 そして、真の進行方向の加速度をgとし、加速度センサ
1のセンサ出力(検出加速度)をGとすると、 G=g+β が成り立ち、これをgについて解くと、 g=G−β となり、このβに上記式(1)を代入すると、 g=G−ω・L …(2) が成り立つ。
【0029】従って、角速度ωと取付位置情報(センサ
の設置位置とヨーイング中心間の距離L)と、加速度セ
ンサの検出加速度に基づいて真の加速度が求められる。
【0030】以上詳細に説明したように、加速度センサ
1を取り付ける位置によって、カーブ走行時に発生する
遠心力の影響による加速度センサ1の出力誤差の現れ方
が変わる。そこで、実際に加速度センサ1をユーザの自
動車6に取り付けたならば、その取り付け位置に応じた
適切な補償係数(式(2)中のLに対応する値)を設定
器4にて設定する。
【0031】この補償係数設定器4としては、ディジタ
ルスイッチとかポテンショメータを用いる。例えば、4
桁のディジタルスイッチで補償係数設定器4を構成した
場合は、補償係数を16段階で可変設定できる。そし
て、係る場合に各スイッチを自動車の場所、あるいは、
ヨーレート中心からの離反距離に対応付けるようにする
と良い。また、ポテンショメータで補償係数設定器4を
構成した場合は、補償係数を連続的に微細に可変設定で
きる。
【0032】自動車6が普通にカーブ走行すると、自動
車6はヨーイングを起こす。そのヨーイングをヨーレー
トセンサ3が検出する。つまり、ヨーレートセンサ3
は、カーブ走行により発生する遠心力の大きさに対応し
た遠心力情報を生成する前記カーブ走行検出手段に相当
する。そして、このヨーレートセンサ3からは、例えば
式(2)中のωに対応する値が出力される。
【0033】また、DSP5は、基本的な演算機能とし
て、加速度センサ1の出力を積分演算して車速を求める
機能を持っている。またDSP5は、ヨーレートセンサ
3の出力を常時監視しており、その出力から自動車6が
カーブ走行していると判断したときは、そのカーブ走行
に伴う遠心力の影響による加速度センサ1の出力誤差成
分を補償する演算を行い、正しい車速を求める。つま
り、加速度センサ1からの情報に加えてヨーレートセン
サ3及び補償係数設定器4からの出力に基づいて、上記
した式(2)或いはそれに類する補償演算を行い、真の
加速度を求め、それに基づいて積分して車速を求めるよ
うになる。
【0034】ここで説明を本発明の前提に戻す。先に繰
り返し説明したように、本発明の車速検出システムは、
自立航法併用型カーナビを自動車に後付けする場合に、
自動車に備わっている車速センサを利用しないで済ませ
るための、カーナビの独自システムである。したがっ
て、このシステムの最終目標は車速を求めることではな
く、求めた車速をさらに積分して自動車の走行距離を算
出することである。図1におけるDSP5のことを、前
述のように車速を算出してカーナビのプロセッサ(図示
していない)に車速信号を提供する回路と捉らえても良
いが、これに限定されない。DSP5をカーナビのプロ
セッサの中心的要素と捉らえれば、このDSP5内で走
行距離を求めるシステムでも良い。その場合でも、加速
度を積分して速度を求めるプロセスを経ているので、本
明細書では本発明のシステムを「車速検出システム」と
表現している。
【0035】なお、図1の実施例において、ヨーレート
センサ3は次のように必須のものではない。自立航法併
用型カーナビでは、自動車の走行方向を検出するために
ジャイロが不可欠である。そのジャイロの出力を微分し
て変化率を監視すれば、自動車がカーブ走行しているこ
とを検出できるとともに、カーブ走行により発生する遠
心力の大きさに対応した遠心力情報を生成できる。この
仕組みで、前述のヨーレートセンサ3の機能を代替でき
る。
【0036】一方、図3,図4に示した実験から明らか
なように、加速度センサを後輪の車軸上に設置すると、
取付位置に基づく誤差がほとんどなくなる。そこで、加
速度センサ1を自動車に取り付ける際に、係る後輪の車
軸の上方及びまたはその付近に設置するようにする。す
ると、誤差がないか、無視できる程度となるので、上記
した取付位置に応じたカープ走行中の補正・補償が不要
となる。従って、センサの設置位置を所定の箇所にする
ことにより、図6に示すようにヨーレートセンサ3や、
補償係数設定器4を除いた単純な構成で、車速検出シス
テムを構築することができる。
【0037】図7,図8は、本発明の他の実施の形態を
示している。本実施の形態では、上記した図1に示した
システムを基本とし、位置ずれに基づく補償係数を自動
的に求め、設定できるようにしている。すなわち、補償
係数設定器4′は、自立航法併用型カーナビで必須の構
成となるGPSから得られる自動車の絶対位置情報を取
得し、それとセンサ出力から、補償係数を求めるように
なっている。そして、具体的な原理は、以下のようにな
っている。
【0038】すなわち、図8に示すように、A地点から
B地点(カーブを含む)まで移動したとき、A〜B間の
真の距離DはGPS等の絶対位置を求める絶対位置検出
手段からの出力信号に基づいて、その移動軌跡を追うこ
とにより求めることができる。
【0039】一方、A〜B間の距離は、加速度センサ1
で検出された加速度を二重積分することにより求めるこ
とができる。しかし、カーブ走行をしているので、単純
に二重積分しただけでは、上記したように、そのカーブ
走行時の誤差が含まれる。そして、係る誤差について検
討すると、カーブの始点をA′地点とし、カーブの終点
をB′地点とすると、A〜A′及びB〜B′の区間は直
線であるので、加速度センサ1で検出された加速度を積
算して求めた距離出力Da,Dbは、真の距離に極めて
近いものとなる。
【0040】従って、区間A′〜B′の真の距離Dc
は、 Dc=D−Dca−Db …(3) により求められたものとほぼ同じとみなせる。
【0041】そして、区間A′〜B′の加速度センサの
出力に基づいて求めた距離出力Dexは、下記式のよう
になる。
【0042】
【数3】 従って、上記した式(3)と式(4)の差が、位置ずれ
に基づく誤差とみなせる。そこで、両式の差を求めると
以下のようになる。
【0043】
【数4】 従って、カープ走行しているときの真の距離と、加速度
センサに基づく距離との差から、回転による誤差加速度
βが求まる。そして、前述のように、 β=ω・L …(2) より、 L=β/ω …(6) となる。
【0044】したがって、補償係数設定器4′では、G
PSからの絶対値情報と、加速度センサからの情報を取
得し、上記した式(5)に基づいて誤差加速度βを求
め、さらに、その求めたβとヨーレートセンサ(ジャイ
ロセンサ)3の出力である回転時の角速度ωに基づいて
上記した式(6)により、運動量センサの取付け位置情
報Lを求める。そして、その求めた値Lに応じた補償係
数をDPS5に設定するようになる。
【0045】なお、係る補正処理は、例えばGPSが機
能していることを前提に、一定の時間毎に行いその都度
補償係数を求め、再設定してもよく、或いは、始動時な
ど所定の条件のもので行ってもよく、任意である。
【0046】図9は、本発明に係るナビゲーション装置
の実施の形態の一例の概略構成を示している。同図に示
すように、人工衛星からのGPS信号をアンテナ11で
受信し、その受信した信号をGPS受信部12に与える
ようにしている。GPS受信部12は、同時に受信した
複数の人工衛星からの受信信号に基づき、所定の演算処
理により現在位値の緯度と経度を算出し、制御部3に転
送するようになっている。なお、係る演算処理は公知の
ため具体的な説明を省略する。
【0047】制御部13には、自立航法するための上記
した各実施の形態で説明した車速検出システム14から
の検出信号も与えられる。そして、この制御部13は、
GPS受信部12からの入力がある場合にはそれを優先
し、緯度・経度の絶対位置に基づいて地図記憶部15に
アクセスし、対応する地図を読み出すとともに、その地
図上の存在位置にポインタなどの自車の現在位置を表示
するマークを重ね合わせて、表示部16に出力表示す
る。
【0048】一方、GPS受信信号12からの入力信号
がなくなると、車速検出システム14からの入力信号に
基づいて、前回の存在位置に対して移動距離・方向を加
算し現在位置を求め、そのようにして求めた現在位置を
上記と同様に表示部16に出力表示する。
【0049】なお、上記した各実施の形態で説明した車
速検出システムでは、加速度センサ1の出力に基づいて
DPS5にて速度を求めるようにしている。従って、制
御部13にて、その速度データを積分して移動距離を求
めるようにしても良いが、DPS5にて、係る移動距離
まで求めるとともに、ヨーレートセンサ3からの出力に
基づく角速度に基づいて、或いはジャイロセンサの出力
から、移動方向もDPS5で取得し、DPS5から制御
部13に対して移動方向と移動距離に関する情報を出力
するようにしても良い。さらには、DPS5と制御部1
3を一体化してももちろん良い。
【0050】また、図6に示した車速検出システムのよ
うにヨーレートセンサ3を設けないタイプの場合には、
相対位置を求めるためのジャイロセンサなどの方位を求
めるためのセンサを別途設ける必要があるのはもちろん
である。
【0051】なお、上記したアンテナ11としては、た
とえば指向性のない(弱い)直交ダイポールアンテナ,
ヘリカルアンテナ、平面アンテナ等が用いられる。ま
た、地図記憶部15としては、CD−ROMやICカー
ドなどを用いることができる。さらに表示部16として
は、液晶ディスプレイが小型になるのでよいが、CRT
ディスプレイでもよい。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、ごく安価な加速度セン
サを自動車に取り付け、その出力を積分演算して車速を
求めるとともに、自動車がカーブ走行したときには遠心
力による加速度センサの出力誤差成分を補償する演算を
行うので、相当に正確な車速を求めることができる。し
たがって、自立航法併用型カーナビを自動車に後付けす
る場合に、その自動車に備わっている車速センサを無理
に利用しなくても、カーナビ用の独自の車速検出機能を
簡単かつ安価に新設・付加でき、それによって相当に高
精度で実用に耐える自立航法式の測位機能を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車速検出システムの実施の形態の
一例を示す概略構成図である。
【図2】図1に示すシステムの作用を説明するための概
念図である。
【図3】本発明を実証するための実験結果を示すグラフ
である。
【図4】本発明を実証するための実験結果を示すグラフ
である。
【図5】同上実施例システムの作用を説明するための概
念図である。
【図6】本発明に係る車速検出システムの実施の形態の
他の例を示す概略構成図である。
【図7】本発明に係る車速検出システムの実施の形態の
他の例を示す概略構成図である。
【図8】図7に示すシステムの作用を説明するための概
念図である。
【図9】本発明に係るナビゲーション装置の実施の形態
の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 加速度センサ 2 前処理回路 3 ヨーレートセンサ(カーブ走行検出手段) 4,4′ 補償係数設定器 5 DSP(演算手段) 6 自動車 12 GPS装置(絶対位置検出手段) 13 制御装置 14 車速検出システム 15 地図情報記憶部 16 表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長濱 克臣 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内 (72)発明者 森田 善之 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最大感度軸を車体の前後方向に一致させ
    て自動車に取り付けた加速度センサと、 前記自動車がカーブ走行していることを検出するカーブ
    走行検出手段と、 前記加速度センサの出力を積分演算して車速を求めると
    ともに、前記カーブ走行検出手段により前記自動車がカ
    ーブ走行していると判断されたときには遠心力の影響に
    よる前記加速度センサの出力誤差成分を補償する演算を
    行う演算手段とを備えたことを特徴とする車速検出シス
    テム。
  2. 【請求項2】 前記遠心力の影響による前記加速度セン
    サの出力誤差の現れ方を示す補償係数を任意に可変設定
    して前記演算手段に与える補償係数設定手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の車速検出システム。
  3. 【請求項3】 前記カーブ走行検出手段は、カーブ走行
    により発生する遠心力の大きさに対応した遠心力情報を
    生成し、 前記演算手段は、前記遠心力情報を反映して前記補償の
    演算を行うことを特徴とする請求項1に記載の車速検出
    システム。
  4. 【請求項4】 前記補償係数設定手段で設定する補償係
    数が、 自動車の絶対位置情報に基づく真の情報と、前記加速度
    センサの出力に基づいて求めた計算情報との差から誤差
    分を求め、その誤差分から前記補償係数を求めるように
    した請求項2に記載の車速検出システム。
  5. 【請求項5】 最大感度軸を車体の前後方向に一致させ
    て自動車に取り付けた加速度センサと、 前記加速度センサの出力を積分演算して車速を求める演
    算手段とを備え、 かつ、前記加速度センサを、自動車の後輪の軸付近に設
    置したことを特徴とする車速検出システム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車
    速検出システムと、 自動車の絶対位置情報を検出する絶対位置検出手段と、 地図情報を持つ地図情報記憶手段と、 前記地図情報や車両の現在位置を表示する表示手段と、 前記車速検出システムと前記絶対位置検出手段からの少
    なくとも一方の出力に基づいて、現在の自動車の位置を
    求め、前記表示手段に表示する制御手段とを備えたこと
    を特徴とするナビゲーション装置。
JP17985396A 1996-06-21 1996-06-21 車速検出システム及びそれを用いたナビゲーション装置 Withdrawn JPH109877A (ja)

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