JPH1096717A - ガス種判別装置及びその方法 - Google Patents

ガス種判別装置及びその方法

Info

Publication number
JPH1096717A
JPH1096717A JP25115496A JP25115496A JPH1096717A JP H1096717 A JPH1096717 A JP H1096717A JP 25115496 A JP25115496 A JP 25115496A JP 25115496 A JP25115496 A JP 25115496A JP H1096717 A JPH1096717 A JP H1096717A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
type
component
sample
contained
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25115496A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Fujise
剛一 藤瀬
Yuji Okui
裕二 奥井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP25115496A priority Critical patent/JPH1096717A/ja
Publication of JPH1096717A publication Critical patent/JPH1096717A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】漏洩ガスの濃度が低い場合、素早く対処出来な
い。 【解決手段】ガスクロマトグラムの、所定の保持時間に
おける強度のピークの有無又は前記ピークにおける強度
の大きさにより、前記所定の保持時間に対応する種類の
成分ガスが試料ガス中に含まれるかどうかを判定する成
分ガス種判定手段1と、成分ガス種判定手段1により得
られる結果を利用して前記試料ガスの種類を判定する試
料ガス種判定手段2、4とを備えたことを特徴とするガ
ス種判別装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスクロマトグラ
フを用いてガスの種類を判別する際のガス種判別装置及
びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年のガス機器の普及に伴い、確実なガ
ス漏れ対策は不可欠である。そのため、安全対策とし
て、漏洩ガスの種類を判別する方法には、携帯型のガス
識別型検出器(接触燃焼式)やガスクロマトグラフを用
いたガス種判別方法が一般に用いられている。
【0003】ところで、携帯型のガス識別型検出器(接
触燃焼式)においては、その識別下限値が1000ppm
(CH4の爆発下限値の2%)と高濃度であるため、漏
洩等のガス濃度が低い場合は、ガス種が判別できず、こ
の様な場合はセンターまで試料ガスを持ち帰り、ガスク
ロ分析を行いガス種の判別を行っている。
【0004】すなわち、従来のガスクロマトグラフを用
いたガス種判別方法では、各作業者が対象ガスをガスク
ロマトグラフのセンタまで運び、分離、分析し、又、標
準ガスを用いて濃度を計測し、それにより対象ガス中の
各成分ガスの成分比率を計測し、更に、分析結果である
ガスクロマトグラムを用いて各作業者が対象ガスの種類
を判断することによりガス種を判定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の方
法では、漏洩したガス濃度が低濃度の場合は、ガス漏れ
時に即時の対応ができないという安全対策上の問題点が
あった。
【0006】本発明は上記課題を解決するものであり、
各種ガス中に含まれる各成分ガスの濃度を具体的数値と
して正確に測定する必要のない極めて簡単なアルゴリズ
ムを用いることにより、標準ガスが不要な、簡便で、ガ
ス濃度が低い場合にも精度が高い、ガス種判別装置及び
その方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明にかかる請求項1記載のガス種判別装置
は、ガスクロマトグラフの、所定の保持時間における強
度のピークの有無又は前記ピークにおける強度の大きさ
により、前記所定の保持時間に対応する種類の成分ガス
が試料ガス中に含まれるかどうかを判定する成分ガス種
判定手段と、前記成分ガス種判定手段により得られる結
果を利用して前記試料ガスの種類を判定する試料ガス種
判定手段とを備えたことを特徴とするガス種判別装置で
ある。
【0008】又、請求項2記載のガス種判別装置は、所
定の保持時間は複数個あることを特徴とする請求項1記
載のガス種判別装置である。
【0009】又、請求項3記載のガス種判別装置は、試
料ガス種判定手段は、成分ガス種判定手段により前記試
料ガス中に含まれると判定された前記成分ガスの種類
と、予め求められている各種ガスの成分ガスの種類とを
比較することを特徴とする請求項1記載のガス種判別装
置である。
【0010】又、請求項4記載のガス種判別装置は、試
料ガス種判定手段は、成分ガス種判定手段により前記試
料ガス中に含まれると判定された前記成分ガスの種類及
び前記強度の大きさと、予め求められている各種ガスの
成分ガスの種類及び強度の大きさとを比較することを特
徴とする請求項1記載のガス種判別装置である。
【0011】又、請求項5記載のガス種判別装置は、成
分ガスの種類は、前記強度が最大となる前記成分ガスの
種類であることを特徴とする請求項3又は4記載いずれ
かのガス種判別装置である。
【0012】又、請求項6記載のガス種判別装置は、成
分ガス種判定手段は、前記ピークにおける強度の大きさ
が所定の強度以下の場合、前記所定の保持時間に対応す
る種類の成分ガスは試料ガス中に含まれないと判定する
ことを特徴とする請求項1ないし5記載いずれかのガス
種判別装置である。
【0013】又、請求項7記載のガス種判別方法は、各
種ガスの成分ガスの種類及び組成比率を記憶させる記憶
工程と、試料ガスの成分ガスの種類及び組成比率の大き
さを計測する計測工程と、前記記憶工程により記憶させ
た内容と前記計測工程により得れる結果とを比較する比
較工程と、前記比較工程の結果を利用して試料ガスの種
類を判定する判定工程とを備えたことを特徴とするガス
種判別方法である。
【0014】又、請求項8記載のガス種判別方法は、比
較工程は、前記各種ガスの前記成分ガスの種類と前記試
料ガスの前記成分ガスの種類とを比較することを特徴と
する請求項7記載のガス種判別方法である。
【0015】又、請求項9記載のガス種判別方法は、成
分ガスの種類は、前記組成比率が最大である前記成分ガ
スの種類であることを特徴とする請求項8記載のガス種
判別方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
【0017】なお、表1は本発明の第1の実施形態に係
る、各種ガス中に含まれる成分ガスの種類を示す表、表
2は本発明の第1、2及び3の実施形態に係る、所定の
保持時間に対応する成分ガスの種類を示す表、表3は本
発明の第2及び3の実施形態に係る、各種ガス中に含ま
れる成分ガスの種類及びその組成比率を示す表、表4は
本発明の第3の実施形態に係る、ガスクロマトグラム1
により、試料ガス中に含まれると判断された成分ガスの
種類及び最大量成分ガスの種類を示す表である。 (実施の形態1)以下、本発明の第1の実施の形態であ
るガス種判別装置の構成について説明する。図1は、本
実施の形態であるガス種判別装置の構成に関する概略構
成図である。図2は、本実施の形態にかかるガスクロマ
トグラムの概略構成図である。図1に示すように1はガ
スクロマトグラム、2は比較手段、3は記憶手段、4は
判定手段である。図2に示すように5はFID検出器、
6はカラム恒温層、7はキャピラリーカラム、8及び9
は圧力調整弁、10は試料ガス導入部、11はキャリア
ガス導入部、12は試料ガス注入部、13は試料ガス排
出部、14は吸引ポンプである。
【0018】図1を用いて、本発明の第1の実施の形態
であるガス種判別装置の構成について説明する。ガスク
ロマトグラム1及び記憶手段3は、両者の成分ガス種に
関するデータを比較するための比較手段2に接続されて
いる。比較手段2はガス種を判定する判定手段4に接続
されている。
【0019】図2を用いて、ガスクロマトグラム1の構
成を説明する。キャリアガス導入部11は、圧力調整弁
8を介して試料ガス導入部10に接続されており、試料
ガス注入部12、試料ガス排出部13及び吸引ポンプ1
4を有する試料ガス導入部10は、カラム恒温層6内部
に設けられたキャピラリーカラム7に接続されている。
更に、キャピラリーカラム7はFID検出器5に接続さ
れている。又、キャリアガス導入部11と圧力調整弁8
との間において、配管は分岐しており、その分岐配管は
圧力調整弁9を介して、キャピラリーカラム7とFID
検出器5との間において接続されている。この分岐配管
にはメークアップガスが流される。
【0020】以上のように構成された本実施の形態に係
るガス種判別装置の動作について説明する。予め記憶手
段3に各種ガス中に含まれる成分ガスの種類に関するデ
ータを入力しておく。表1に本実施の形態において記憶
手段3に入力した各種ガスに含まれる成分ガスの種類を
示す。但し、このとき所定値以下の組成比率の成分ガス
は試料ガス中に含まれないものとして入力する。
【0021】
【表1】
【0022】次に、ガスクロマトグラム1により、試料
ガスの、各所定の保持時間における強度を測定する。図
3はガスクロマトグラム1により得られた結果の概略を
示すクロマトグラムである。本実施の形態では図3
(a)、図3(b)、図3(c)に示すような都市ガ
ス、LPG、発酵ガスの3種類のガスについて測定を行
った。
【0023】図2を用いて、ガスクロマトグラム1にお
ける動作を説明する。試料ガスは試料ガス導入部10か
らカラム恒温層6内に設けられたキャピラリーカラム7
に、キャリアガス導入部11から注入されるキャリアガ
スH2とともに送られる。試料ガス導入部10は、試料
ガスを注入する試料ガス注入部12と、試料ガスを吸引
ポンプ14により排出する試料ガス排出部13とを有し
ており、試料ガス導入部10とキャリアガス導入部11
との間には圧力調整弁8が設けられている。これらによ
り、カラム恒温層6内のキャピラリーカラム7に導入さ
れるガス量を5ml/minに保持している。このキャ
ピラリーカラム7内で吸着された各成分ガスは、各種類
毎にそれぞれ対応する保持時間経過後に脱着され、FI
D検出器5により検出され、各種類毎にその強度が測定
される。この強度はその成分ガスの濃度に比例する。但
し、本実施の形態においては濃度を計測する必要はな
い。
【0024】次に、比較手段2により、ガスクロマトグ
ラム1により得られた結果と、予め記憶手段3に入力さ
れた表2に示したような所定の各保持時間に対応する成
分ガスの種類とを用いて、試料ガス中に含まれる成分ガ
スの種類を判断することができる。
【0025】
【表2】
【0026】試料ガス中に含まれると判断された成分ガ
スの種類は表1と同様になる。このとき、各保持時間に
おける強度はその保持時間に対応する種類の各成分ガス
の濃度に比例するから、強度が所定値より低い場合はそ
の成分ガスは試料ガス中に含まれていないと判断する。
この判断による結果と先の記憶手段3に入力した各種ガ
スに含まれる成分ガスの種類に関するデータとを比較
し、その結果により判定手段4は、試料ガス中に含まれ
る成分ガスの種類と同一種類の成分ガスを含むガス種
を、予め記憶手段3に入力されたデータから選択するこ
とにより、ガス種を判定し表示することができる。
【0027】以上のように、本実施の形態によれば、ガ
スクロマトグラムにより得られる試料ガス中に含まれる
成分ガスの種類と、予め記憶手段に入力しておいた各種
ガスの成分ガスの種類とを比較することにより、極めて
簡単なアルゴリズムを用いたガス種判別が可能であり、
即時にガス種判別が可能であるから従来の安全対策上及
び各作業者の労力上の課題は解決される。又、極めて簡
単なアルゴリズムを用いており、ガス中の各成分ガスの
濃度を測定する必要がないため、ガス濃度が低い場合で
も高精度にガス種の判定を行うことができる。 (実施の形態2)以下、本発明の第2の実施の形態であ
るガス種判別装置の構成について説明する。本実施の形
態にかかるガス種判別装置及びガスクロマトグラム1の
構成は実施の形態1と同様である。
【0028】実施の形態1と同様に構成された本実施の
形態に係るガス種判別装置について説明する。予め記憶
手段3に各種ガス中に含まれる成分ガスの種類及びその
成分比率に関するデータを入力しておく。表3に本実施
の形態において記憶手段3に入力した各種ガス中に含ま
れる成分ガスの種類及びその成分比率を示す。
【0029】
【表3】
【0030】次に、ガスクロマトグラム1により、試料
ガスの、各所定の保持時間における強度を測定する。図
3はガスクロマトグラム1により得られた結果の概略を
示すクロマトグラムである。本実施の形態では図3
(a)、図3(b)、図3(c)に示すような都市ガ
ス、LPG、発酵ガスの3種類のガスについて測定を行
った。
【0031】図2を用いて、ガスクロマトグラム1にお
ける動作を説明する。試料ガスは試料ガス導入部10か
らカラム恒温層6内に設けられたキャピラリーカラム7
に、キャリアガス導入部11から注入されるキャリアガ
スとともに送られる。試料ガス導入部10は、試料ガス
を注入する試料ガス注入部12と、試料ガスを吸引ポン
プ14により排出する試料ガス排出部13とを有してお
り、試料ガス導入部10とキャリアガス導入部11との
間には圧力調整弁8が設けられている。これらにより、
カラム恒温層6内のキャピラリーカラム7に導入される
ガス量を5ml/minに保持している。このキャピラ
リーカラム7内で吸着された各成分ガスは、各種類毎に
それぞれ対応する保持時間経過後に脱着され、FID検
出器5により検出され、各種類毎にその強度が測定され
る。この強度はその成分ガスの濃度に比例する。
【0032】次に、比較手段2により、ガスクロマトグ
ラム1により得られた結果と、予め記憶手段3に入力さ
れた表2に示したような所定の各保持時間に対応する成
分ガスの種類とを用いて、試料ガス中に含まれる成分ガ
スの種類及びその種類の成分ガスの濃度の大きさを判断
することができる。この判断による結果と先の記憶手段
3に入力した各種ガス中に含まれる成分ガスの種類及び
その成分比率に関するデータとを比較し、その結果によ
り判定手段4は、試料ガス中に含まれる成分ガスの種類
及びその濃度比率と同一種類、同一成分比率の成分ガス
を含むガス種を、予め記憶手段3に入力されたデータか
ら選択することにより、ガス種を判定し表示することが
できる。
【0033】以上のように、本実施の形態によれば、ガ
スクロマトグラムにより得られる試料ガス中に含まれる
成分ガスの種類及びその強度と、予め記憶手段に入力し
ておいた各種ガスの成分ガスの種類及びその成分比率と
を比較することにより、極めて簡単なアルゴリズムを用
いたガス種判別が可能であり、即時にガス種判別が可能
であるから従来の安全対策上及び各作業者の労力上の課
題は解決される。又、極めて簡単なアルゴリズムを用い
ており、各成分ガスの種類及びピーク強度を測定すれば
よく、具体的な数値として各成分ガスの濃度を測定する
必要がないため、ガス濃度が低い場合でも高精度にガス
種の判定を行うことができる。 (実施の形態3)以下、本発明の第3の実施の形態であ
るガス種判別装置の構成について説明する。本実施の形
態にかかるガス種判別装置及びガスクロマトグラム1の
構成は実施の形態1と同様である。
【0034】実施の形態1と同様に構成された本実施の
形態に係るガス種判別装置について説明する。予め記憶
手段3に各種ガス中に含まれる成分ガスの種類及びその
成分比率に関するデータを入力しておく。表3に本実施
の形態において記憶手段3に入力した各種ガス中に含ま
れる成分ガスの種類及びその成分比率を示す。次に、ガ
スクロマトグラム1により、試料ガスの、各所定の保持
時間における強度を測定する。図3はガスクロマトグラ
ム1により得られた結果の概略を示すクロマトグラムで
ある。本実施の形態では図3(a)、図3(b)、図3
(c)に示すような都市ガス、LPG、発酵ガスの3種
類のガスについて測定を行った。
【0035】図2を用いて、ガスクロマトグラム1にお
ける動作を説明する。試料ガスは試料ガス導入部10か
らカラム恒温層6内に設けられたキャピラリーカラム7
に、キャリアガス導入部11から注入されるキャリアガ
スとともに送られる。試料ガス導入部10は、試料ガス
を注入する試料ガス注入部12と、試料ガスを吸引ポン
プ14により排出する試料ガス排出部13とを有してお
り、試料ガス導入部10とキャリアガス導入部11との
間には圧力調整弁8が設けられている。これらにより、
カラム恒温層6内のキャピラリーカラム7に導入される
ガス量を5ml/minに保持している。このキャピラ
リーカラム7内で吸着された各成分ガスは、各種類毎に
それぞれ対応する保持時間経過後に脱着され、FID検
出器5により検出され、各種類毎にその強度が測定され
る。この強度はその成分ガスの濃度に比例する。
【0036】次に、比較手段2により、ガスクロマトグ
ラム1により得られた結果と、予め記憶手段3に入力さ
れた表2に示したような所定の各保持時間に対応する成
分ガスの種類とを用いて、試料ガス中に含まれる成分ガ
スの種類及び最大量成分ガスの種類を判断することがで
きる。試料ガス中に含まれると判断された成分ガスの種
類及び最大量成分ガスの種類は表4に示すようになる。
【0037】
【表4】
【0038】この判断による結果と先の記憶手段3に入
力した各種ガス中に含まれる成分ガスの種類及びその成
分比率に関するデータとを比較し、その結果により判定
手段4は、試料ガス中に含まれる成分ガスの種類及び最
大量成分ガスの種類と同一種類の成分ガス及び同一種類
の最大量成分ガスを含むガス種を、予め記憶手段3に入
力されたデータから選択することにより、ガス種を判定
し表示することができる。
【0039】本実施の形態におけるガス種の判定フロー
を図4に示す。本判定フローにおいては、第1ステップ
において、ピーク検出の有無を判断する。更に第2ステ
ップにおいて、各保持時間におけるピーク強度を比較し
メインピークが生じる保持時間により最大量成分ガス種
を判断、比較する。この最大量成分ガスが、C38又は
410の場合、試料ガスの種類はLPGであると判定
される。この最大量成分ガスが、CH4の場合、第3ス
テップとして、試料ガス中に含まれる成分ガスの種類を
比較することにより、試料ガスが都市ガスであるか発酵
ガスであるかを判定する。本実施の形態においては、C
4以外の種類の成分ガスを含む場合は都市ガス、CH4
以外の種類の成分ガスを含まない場合は発酵ガスである
と判断できる。以上のように、本実施の形態によれば、
ガスクロマトグラム1により得られる試料ガス中に含ま
れる成分ガスの種類及び最大量成分ガスの種類と、予め
記憶手段に入力しておいた各種ガス中に含まれる成分ガ
スの種類及びその成分比率とを比較することにより、極
めて簡単なアルゴリズムを用いたガス種判別が可能であ
り、即時にガス種判別が可能であるから従来の安全対策
上及び各作業者の労力上の課題は解決される。又、極め
て簡単なアルゴリズムを用いており、各成分ガスの種類
及び最大量成分ガスの種類を測定すればよく、具体的な
数値として各成分ガスの濃度を測定する必要がないた
め、ガス濃度が低い場合でも高精度にガス種の判定を行
うことができる。
【0040】尚、本実施の形態においては、試料ガスを
都市ガス、LPG、発酵ガスの3種類に限ったが、これ
ら3種類に限らず、これらの混合ガスを試料ガスとし
て、混合されている各ガス種を判別してもよいし、他の
ガスの種類を判別してもよい。
【0041】又、表1及び4において各試料ガス中に各
成分ガスが含まれる場合丸印を、含まれない場合横棒を
表示している。
【0042】又、表4において試料ガス中に含まれると
判断された最大量成分ガスには二重丸印を表示してい
る。 (実施の形態4)以下、本発明の第4の実施の形態であ
るガス種判別方法を実施するための装置の構成について
説明する。本実施の形態にかかるガス種判別方法を実施
するための装置及びガスクロマトグラム1の構成は実施
の形態1と同様である。
【0043】実施の形態1と同様に構成された装置を用
いた、本実施の形態に係るガス種判別方法を、その方法
を実施するための装置の動作と共に説明する。予め記憶
手段3に各種ガス中に含まれる成分ガスの種類及びその
成分比率に関するデータを入力しておく。表3に本実施
の形態において記憶手段3に入力した各種ガス中に含ま
れる成分ガスの種類及びその成分比率を示す。次に、ガ
スクロマトグラム1により、試料ガスの、各所定の保持
時間における強度を測定する。図3はガスクロマトグラ
ム1により得られた結果の概略を示すクロマトグラムで
ある。本実施の形態では図3(a)、図3(b)、図3
(c)に示すような都市ガス、LPG、発酵ガスの3種
類のガスについて測定を行った。
【0044】図2を用いて、ガスクロマトグラム1にお
ける動作を説明する。試料ガスは試料ガス導入部10か
らカラム恒温層6内に設けられたキャピラリーカラム7
に、キャリアガス導入部11から注入されるキャリアガ
スとともに送られる。試料ガス導入部10は、試料ガス
を注入する試料ガス注入部12と、試料ガスを吸引ポン
プ14により排出する試料ガス排出部13とを有してお
り、試料ガス導入部10とキャリアガス導入部11との
間には圧力調整弁8が設けられている。これらにより、
カラム恒温層6内のキャピラリーカラム7に導入される
ガス量を5ml/minに保持している。このキャピラ
リーカラム7内で吸着された各成分ガスは、各種類毎に
それぞれ対応する保持時間経過後に脱着され、FID検
出器5により検出され、各種類毎にその強度が測定され
る。この強度はその成分ガスの濃度に比例する。
【0045】次に、比較手段2により、ガスクロマトグ
ラム1により得られた結果と、予め記憶手段3に入力さ
れた表2に示したような所定の各保持時間に対応する成
分ガスの種類とを用いて、試料ガス中に含まれる成分ガ
スの種類及び最大量成分ガスの種類を判断することがで
きる。試料ガス中に含まれると判断された成分ガスの種
類及び最大量成分ガスの種類は表4に示すようになる。
【0046】
【表4】この判断による結果と先の記憶手段3に入力し
た各種ガス中に含まれる成分ガスの種類及びその成分比
率に関するデータとを比較し、その結果により判定手段
4は、試料ガス中に含まれる成分ガスの種類及び最大量
成分ガスの種類と同一種類の成分ガス及び同一種類の最
大量成分ガスを含むガス種を、予め記憶手段3に入力さ
れたデータから選択することにより、ガス種を判定し表
示することができる。
【0047】本実施の形態におけるガス種の判定フロー
を図4に示す。本判定フローにおいては、第1ステップ
において、ピーク検出の有無を判断する。更に第2ステ
ップにおいて、各保持時間におけるピーク強度を比較し
メインピークが生じる保持時間により最大量成分ガス種
を判断、比較する。この最大量成分ガスが、C38又は
410の場合、試料ガスの種類はLPGであると判定
される。この最大量成分ガスが、CH4の場合、第3ス
テップとして、試料ガス中に含まれる成分ガスの種類を
比較することにより、試料ガスが都市ガスであるか発酵
ガスであるかを判定する。本実施の形態においては、C
4以外の種類の成分ガスを含む場合は都市ガス、CH4
以外の種類の成分ガスを含まない場合は発酵ガスである
と判断できる。
【0048】以上のように、本実施の形態によれば、ガ
スクロマトグラム1により得られる試料ガス中に含まれ
る成分ガスの種類及び最大量成分ガスの種類と、予め記
憶手段に入力しておいた各種ガス中に含まれる成分ガス
の種類及びその成分比率とを比較することにより、極め
て簡単なアルゴリズムを用いたガス種判別が可能であ
り、即時にガス種判別が可能であるから従来の安全対策
上及び各作業者の労力上の課題は解決される。又、極め
て簡単なアルゴリズムを用いており、各成分ガスの種類
及び最大量成分ガスの種類を測定すればよく、具体的な
数値として各成分ガスの濃度を測定する必要がないた
め、ガス濃度が低い場合でも高精度にガス種の判定を行
うことができる。
【0049】尚、本発明にかかる各実施の形態におい
て、試料ガスを都市ガス、LPG、発酵ガスの3種類に
限ったが、これら3種類に限らず、これらの混合ガスを
試料ガスとして、混合されている各ガス種を判別しても
よいし、他のガスの種類を判別してもよい。
【0050】又、本発明にかかる各実施の形態におい
て、ガスクロマトグラム1は成分ガス種判定手段の実施
の一例であり、比較手段2、記憶手段3及び判定手段4
は試料ガス種判定手段の実施の一例であるが、成分ガス
種判定手段及び試料ガス種判定手段はこれらに限らずと
もよく、要するに成分ガス種判定手段はガスクロマトグ
ラムを用いて成分ガスの種類を判定できるものであれば
よく、試料ガス種判定手段は成分ガスの種類に基づきガ
スの種類を判定できるものであればよい。
【0051】又、本発明にかかる実施の形態1、3及び
4において、表1及び4では各試料ガス中に各成分ガス
が含まれる場合丸印を、含まれない場合横棒を表示して
いる。
【0052】又、本発明にかかる実施の形態3及び4に
おいて、表4では試料ガス中に含まれると判断された最
大量成分ガスには二重丸印を表示している。
【0053】又、本発明にかかる実施の形態4におい
て、記憶工程は、予め記憶手段3に各種ガス中に含まれ
る成分ガスの種類及びその成分比率に関するデータを入
力しておくことに限らず、成分ガスの種類のみに関する
データを入力しておいてもよい。
【0054】又、本発明にかかる実施の形態4におい
て、比較工程は、比較手段2により、試料ガス中に含ま
れる成分ガスの種類及び最大量成分ガスの種類を判断す
ることに限らず、試料ガス中に含まれる成分ガスの種類
のみを判断することであってもよい。
【0055】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明によ
り、極めて簡単なアルゴリズムを用いることによる即時
のガス種判別が可能であるから、低濃度域でガス種の判
別ができないという、従来の安全対策上及び各作業者の
労力上の課題は解決される。又、極めて簡単なアルゴリ
ズムを用いており、各成分ガスの種類及びピーク強度を
測定すればよく、具体的な数値として各成分ガスの濃度
を測定する必要がないため、ガス濃度が低い場合でも高
精度にガス種の判定を行うことができ、簡便で高精度な
ガス種判別装置及びその方法が得られ、ガス漏れ検査時
等において迅速で精度の高いガス種判別が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1,2及び3の実施形態に係る、ガ
ス種判別装置の構成に関する概略構成図。
【図2】本発明の第1、2及び3の実施形態に係る、ガ
ス種判別装置における、ガスクロマトグラム1の概略構
成図。
【図3】本発明の第1、2及び3の実施形態に係る、ガ
スクロマトグラム1により得られた結果を示すクロマト
グラムであり、(a)試料ガスを都市ガスとした場合
(b)試料ガスを発酵ガスとした場合(c)試料ガスを
LPGとした場合
【図4】本発明の第3及び4の実施形態に係る、試料ガ
スの種類の判定フローを示すフロー図。
【符号の説明】
1 ガスクロマトグラム 2 比較手段 3 記憶手段 4 判定手段 5 FID検出器 6 カラム恒温層 7 キャピラリーカラム 8 圧力調整弁 9 圧力調整弁 10 試料ガス導入部 11 キャリアガス導入部 12 試料ガス注入部 13 試料ガス排出部 14 吸引ポンプ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスクロマトグラフの、所定の保持時間
    における強度のピークの有無又は前記ピークにおける強
    度の大きさにより、前記所定の保持時間に対応する種類
    の成分ガスが試料ガス中に含まれるかどうかを判定する
    成分ガス種判定手段と、成分ガス種判定手段により得ら
    れる結果を利用して前記試料ガスの種類を判定する試料
    ガス種判定手段とを備えたことを特徴とするガス種判別
    装置。
  2. 【請求項2】 所定の保持時間は複数個あることを特徴
    とする請求項1記載のガス種判別装置。
  3. 【請求項3】 試料ガス種判定手段は、成分ガス種判定
    手段により前記試料ガス中に含まれると判定された前記
    成分ガスの種類と、予め求められている各種ガスの成分
    ガスの種類とを比較することを特徴とする請求項1記載
    のガス種判別装置。
  4. 【請求項4】 試料ガス種判定手段は、成分ガス種判定
    手段により前記試料ガス中に含まれると判定された前記
    成分ガスの種類及び前記強度の大きさと、予め求められ
    ている各種ガスの成分ガスの種類及び強度の大きさとを
    比較することを特徴とする請求項1記載のガス種判別装
    置。
  5. 【請求項5】 成分ガスの種類は、前記強度が最大とな
    る前記成分ガスの種類であることを特徴とする請求項3
    又は4記載いずれかのガス種判別装置。
  6. 【請求項6】 成分ガス種判定手段は、前記ピークにお
    ける強度の大きさが所定の強度以下の場合、前記所定の
    保持時間に対応する種類の成分ガスは試料ガス中に含ま
    れないと判定することを特徴とする請求項1ないし5記
    載いずれかのガス種判別装置。
  7. 【請求項7】 各種ガスの成分ガスの種類及び組成比率
    を記憶させる記憶工程と、試料ガスの成分ガスの種類及
    び組成比率の大きさを計測する計測工程と、前記記憶工
    程により記憶させた内容と前記計測工程により得れる結
    果とを比較する比較工程と、前記比較工程の結果を利用
    して試料ガスの種類を判定する判定工程とを備えたこと
    を特徴とするガス種判別方法。
  8. 【請求項8】 比較工程は、前記各種ガスの前記成分ガ
    スの種類と前記試料ガスの前記成分ガスの種類とを比較
    することを特徴とする請求項7記載のガス種判別方法。
  9. 【請求項9】 成分ガスの種類は、前記組成比率が最大
    である前記成分ガスの種類であることを特徴とする請求
    項8記載のガス種判別方法。
JP25115496A 1996-09-24 1996-09-24 ガス種判別装置及びその方法 Pending JPH1096717A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25115496A JPH1096717A (ja) 1996-09-24 1996-09-24 ガス種判別装置及びその方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25115496A JPH1096717A (ja) 1996-09-24 1996-09-24 ガス種判別装置及びその方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1096717A true JPH1096717A (ja) 1998-04-14

Family

ID=17218485

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25115496A Pending JPH1096717A (ja) 1996-09-24 1996-09-24 ガス種判別装置及びその方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1096717A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004053404A (ja) * 2002-07-19 2004-02-19 New Cosmos Electric Corp 都市ガス検知装置
JP2004325453A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Ethyl Corp 燃料添加物の検出及び定量のための分析法
JP2013217757A (ja) * 2012-04-09 2013-10-24 Figaro Eng Inc ガス検出装置とガス検出方法
JP2018169264A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 新コスモス電機株式会社 ガス種の識別方法
JP2018169263A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 新コスモス電機株式会社 ガス種の識別方法及び識別装置並びにガス濃度の測定方法
KR102561820B1 (ko) * 2022-07-06 2023-08-03 대한민국 화학 물질 검출이 가능한 이동 로봇 및 화학 물질 유출 지점 추적 방법

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004053404A (ja) * 2002-07-19 2004-02-19 New Cosmos Electric Corp 都市ガス検知装置
JP2004325453A (ja) * 2003-04-25 2004-11-18 Ethyl Corp 燃料添加物の検出及び定量のための分析法
JP2013217757A (ja) * 2012-04-09 2013-10-24 Figaro Eng Inc ガス検出装置とガス検出方法
JP2018169264A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 新コスモス電機株式会社 ガス種の識別方法
JP2018169263A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 新コスモス電機株式会社 ガス種の識別方法及び識別装置並びにガス濃度の測定方法
KR102561820B1 (ko) * 2022-07-06 2023-08-03 대한민국 화학 물질 검출이 가능한 이동 로봇 및 화학 물질 유출 지점 추적 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5768896B2 (ja) ヘッドスペース試料導入装置
US8752412B2 (en) Sniffing leak detector
US20060099718A1 (en) System and method for extracting headspace vapor
JP4361936B2 (ja) サンプル容器内へと標準ガスを導入するための方法
JPH1096717A (ja) ガス種判別装置及びその方法
US3686930A (en) Method for measuring odor level in natural gas
US6653144B1 (en) Method and an apparatus for analyzing trace impurities in gases
US11047835B2 (en) Gas chromatograph
KR19980024502A (ko) 크로마토그래프용 데이터 처리장치
US4319479A (en) Method and an apparatus for detecting leakage of cooling water by measuring dissolved CO amount
US11467137B2 (en) Liquid chromatograph and analysis execution method
JP2682882B2 (ja) 可燃性ガスのガス種を識別する方法およびその装置
CN112384798B (zh) 用于调整样本气体浓度的方法以及气相色谱仪组件
JP2001503151A (ja) ガス分析装置
US20240011953A1 (en) Analysis of mobile phase supply from mobile phase container
US20240011949A1 (en) Analysis of mobile phase supply from mobile phase container
CN115038962B (zh) 通过气相色谱仪组件调整待分析气体混合物中样气浓度的方法及其色谱仪组件
RU213324U1 (ru) Газовый хроматограф
US5811666A (en) Apparatus and method for chromatographic analysis using pressure changes to identify the sample
EP4071468A1 (en) Sample introduction device
JP2508749B2 (ja) ガスクロマトグラフ
Cuddeback et al. Calibration of a gas sampling valve for gas chromatography
US3607074A (en) Seepage gasoline detection
JP2987959B2 (ja) 液体クロマトグラフ
JPH06102268A (ja) クロマトグラフ