JPH1096600A - 耐熱衝撃性を有する耐食性熱交換器 - Google Patents

耐熱衝撃性を有する耐食性熱交換器

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JPH1096600A
JPH1096600A JP27167496A JP27167496A JPH1096600A JP H1096600 A JPH1096600 A JP H1096600A JP 27167496 A JP27167496 A JP 27167496A JP 27167496 A JP27167496 A JP 27167496A JP H1096600 A JPH1096600 A JP H1096600A
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JP
Japan
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heat exchanger
sulfuric acid
heat
corrosive fluid
dilution
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JP27167496A
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Kazuhiro Watanabe
一弘 渡辺
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Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱衝撃性に優れた熱交換器及び腐食性流体希
釈装置を提供する。 【解決手段】フェノール樹脂含浸グラファイトブロック
105と、グラスライニング202を有するヘッダー本
体201を含み、前記ブロック105の端面と前記ヘッ
ダー本体201の間にこれらと別体のグラファイトライ
ナー203を有する熱交換器、及びこれを用いた硫酸希
釈装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱衝撃性を有す
る耐食性熱交換器に関し、より詳細には腐食性流体の加
熱・冷却に用いる熱交換器(特に、キュービック型熱交
換器)に関する。
【0002】
【従来の技術】腐食性液体を取扱う工程で、加熱・冷却
に使用される熱交換器の種類は、材質面でかなりの制限
をうける。代表的な熱交換器としては、多管式熱交換器
があげられ、その材質としては、チタン、ガラス、PT
FE(ポリテトラフルオロエチレン)等が用いられる
が、実際には、コスト面、熱伝導性の面で問題があっ
て、それほど普及していないのが、現状である。コスト
面、性能面から、比較的よく使われるのは、カーボン製
のプレート式熱交換器(キュービック型熱交換器)であ
る。
【0003】図5〜8に、グラファイト製のキュービッ
ク型熱交換器の一例を示す。図5は、略立方体のキュー
ビック型熱交換器の一面の図を示す。図6は、図5のV
−V’線断面をフランジ101b側から見た部分断面図
(但し、上下逆)であり、図7は、図5のV−V’線断
面をフランジ102b側から見た部分断面図である。図
8は、図7の一点鎖線で囲まれた領域における部分拡大
図である。
【0004】フランジ101a及び102bには、それ
ぞれ硫酸供給管(図示せず)及び冷却水供給管(図示せ
ず)が接合する。硫酸はフランジ101aの開口部より
流入し伝熱管103を通過し、フェノール樹脂等の含浸
剤を含浸させた含浸グラファイトブロック105の端面
側でUターンしてフランジ101bの開口部より流出す
る。同様に冷却水もまたフランジ102bより流入し、
伝熱管104を通過して含浸グラファイトブロック10
5の端面側でUターンして102aより流出する。この
ようにこの熱交換器は、クロスフロー型の熱交換器であ
り、伝熱管103を流れる硫酸の硫酸流方向と伝熱管1
04を流れる冷却水の冷却水流方向が直交して熱交換が
行われる。
【0005】伝熱管部は、含浸グラファイトブロック1
05の側面に硫酸及び冷却水が流れる丸穴をドリルで平
行に開けた構造になっている。即ち、略立方体の含浸グ
ラファイトブロック105は、当該ブロック105の略
平行な2つの端面の一方から他方に貫通する複数の貫通
孔(第1流体通路群)を有すると共に、前記第1流体通
路群の貫通孔の形成方向と直交する方向に略平行になる
ように設けた複数の貫通孔(第2流体通路群)を有す
る。後者(第2流体通路群)の複数の貫通孔もまた前者
(第1流体通路群)の複数の貫通孔と同様に含浸グラフ
ァイトブロック105の略平行な2つの端面の一方から
他方に貫通する。なお、前者の貫通孔と後者の貫通孔
は、連通していない。
【0006】そして、ヘッダー106と106’は、タ
イロッド108及びナット等の固定用部材で締め付けら
れてブロック105の略平行な1対の両端面に固定され
ている。同様に、ヘッダー107と107’は、タイロ
ッド108’及びナット等の固定用部材で締め付けられ
てブロック105の略平行な1対の両端面に固定されて
いる。
【0007】硫酸が流入・流出する側のヘッダー106
は、鋳鉄又はスチール製カウンタープレートにグラファ
イトライニングされたものを用いる。ヘッダー部本体1
09の前駆部材(グラファイトライニング前のもの)と
ノズル部110の前駆部材(グラファイトライニング前
のもの)をそれぞれ一体成形して、ヘッダー部本体10
9の前駆部材の開口にノズル部110の管状の前駆部材
を組付けた後に、前記部材の接合面をカーボンセメント
で接着すると共に前記2つの部材をカーボンセメントで
被覆する。このようにしてグラファイトライニングす
る。なお、接着用のカーボンセメントは、黒鉛粉末と液
状合成樹脂を混合したものに使用時に所定の硬化剤を配
合して用いるものであり、例えば黒鉛粉末とフェノール
樹脂(バインダー)を含有するペースト状のものがあ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コスト
面、性能面から、比較的よく使われる上記キュービック
型熱交換器の場合においても、前記ヘッダー本体部10
9と前記ノズル部110の接合面の局所的な耐食性の低
下による亀裂の発生で鋳鉄やスチール等の腐食が進行
し、熱交換器の寿命を縮めることがある、という問題が
ある。その理由は、構造的に、前記ヘッダー部109と
前記ノズル部110の接合面が非常に弱く、サーマルク
ラック等が発生しやすくなるため、と考えられる。前記
亀裂にカーボンセメントを塗布して修復を試みても、十
分に修復することができない。特に、熱的反応を伴う腐
食性流体の混合プロセスが連続的に行われる場合、その
問題はより一層大きくなる。
【0009】例えば、硫酸を所定濃度に連続混合して、
その後発生する稀釈熱を熱交換器により連続的に冷却す
る装置、即ち、硫酸と希釈水の混合手段、希釈硫酸の冷
却手段(熱交換器)及び希釈硫酸を加圧する加圧手段を
有する硫酸稀釈装置で、硫酸希釈の際に発生する稀釈熱
を前述のようなグラファイト製キュービック型熱交換器
で冷却する場合がある。
【0010】この場合、硫酸の稀釈熱による急激な昇温
(例えば160℃程度)により生じるポンプの脈動や、
冷却時気化したガスが凝縮することにより生じるハンマ
リングを防止するために、熱交換器よりも下流側に設け
た前記加圧手段である背圧弁により希釈硫酸を加圧して
気化防止を行っている。このような条件下で使用される
熱交換器は、耐熱性のみでなく、耐食性及び耐震性も併
せて要求される。特に、硫酸の稀釈を所定の時間をあけ
て繰り返して断続的に行う場合は、希釈の終了時に水で
洗浄して硫酸を置換するので、熱交換器は高温(例えば
160℃程度)から常温までの温度変化を繰り返して受
けることになる。
【0011】上記熱的反応を伴う腐食性流体の混合プロ
セスにて使用される熱交換器においても前述のような破
損を防止するための試みがされてきたが、未だ充分な改
善案が提示されていない。このプロセスでは、熱交換部
(熱交換ブロック)と液体注入部(ヘッダ)をそれぞれ
一体成形した後、グラファイト(カーボンセメント)で
接着加工を施したグラファイト製熱交換器を使用してい
るが、接着加工面において、急激な温度差と頻繁な昇温
サイクルのため、上記接合方法では、グラファイトライ
ニングの剥離やサーマルクラックが生じやすいという問
題点を解決できない。
【0012】本願発明の目的は、上記従来技術の問題点
の少なくとも一を解決し、耐熱衝撃性に優れる熱交換器
及び腐食性流体希釈装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、次の熱
交換器及び腐食性流体希釈装置により上記目的を達成す
ることができる。即ち、流体通路を有する熱交換ブロッ
クと、前記熱交換ブロックを挟持して前記熱交換ブロッ
クの端面に流体通路を形成する側壁プレートを含む熱交
換器であって、前記側壁プレートの腐食性流体入口を含
む側壁プレートの内面の腐食性流体との接液部をグラス
ライニング材とする熱交換器(請求項1)、及び、希釈
時に発熱する腐食性流体を希釈する装置であって、希釈
により発熱した腐食性流体を冷却する熱交換器として上
記熱交換器を有する腐食性流体希釈装置(請求項4)で
ある。
【0014】本願発明の上記熱交換器が次の構成要件を
具備する場合は、それぞれ好ましい。前記熱交換ブロッ
クの端面と前記側壁プレートの間に、前記熱交換ブロッ
ク及び前記側壁プレートとは別体であって腐食性流体の
流れを仕切る仕切板を有すること(請求項2)。前記仕
切板は、一体成形体であること(請求項3)。
【0015】本願発明の上記腐食性流体希釈装置は、好
ましくは、硫酸を希釈する装置にする(請求項5)。
【0016】
【発明の実施の形態】本願発明の熱交換器は、熱交換ブ
ロックと側壁プレートを具備する。熱交換ブロックは、
腐食性流体が通過する流体通路を有するものである。熱
交換ブロックは、一般に、熱交換しようとする腐食性流
体に対して耐食性を有する材料で形成し、腐食性流体が
硫酸、塩酸等の酸性流体の場合はグラファイト(黒鉛)
製のものにする。例えば、フェノール樹脂等の含浸剤を
含浸させた含浸グラファイトにすることができる。ま
た、ポリテトラフルオルエチレン等のフッ素樹脂製、あ
るいはタンタル等の金属製にすることができる。
【0017】側壁プレートは、熱交換ブロックを挟持し
て熱交換ブロックの端面に流体通路を形成するものであ
る。側壁プレートは、熱交換ブロック以外のものであ
り、腐食性流体との接液部を有する。側壁プレートにお
ける腐食性流体との接液部の少なくとも一部をグラスラ
イニング材とすることができる。即ち、側壁プレートの
前記接液部に対応するように、側壁プレートの前駆基材
にグラスライニング材を設けて側壁プレートにする。側
壁プレートの前駆基材(グラスライニング前のもの)
は、ピンホールのないグラスライニング可能な材料にす
る。かかる材料としては、例えば炭素鋼がある。
【0018】グラスライニング材は、熱交換しようとす
る腐食性流体に対して耐食性を有すると共に、側壁プレ
ートの前駆基材に接合可能な材料を選択して用いる。グ
ラスライニング材の厚みは、グラスライニング材を設け
られる基材が腐食性流体によって腐食しない程度以上の
厚みであって、グラスライニング材にサーマルクラック
が生じにくい程度以下の厚みにする。
【0019】グラスライニング材としては、好ましく
は、SiO2:B23:Al23:R2O:ROの重量比
が65〜75:4〜10:1〜5:10〜20:10の
ものを用いる。かかる組成のものは、市販されている
(例えば、商品名ENAMEL3009)。上記組成の
グラスライニング材は、熱交換器における硫酸等の腐食
性流体の入口温度が160℃の場合において、温度差が
160℃以下の範囲で耐熱衝撃性を有する。
【0020】本願発明の熱交換器は、熱交換ブロックの
端面と側壁プレートの間に、熱交換ブロック及び側壁プ
レートとは別体であって腐食性流体の流れを仕切る仕切
板を有することができる。この仕切板は、好ましくは一
体成形体にする。仕切版の材料は、前記熱交換ブロック
の材料と同様のものにすることができ、例えば前記含浸
グラファイト製のものにすることができる。また、この
仕切板における腐食性流体との接液部の一部ないし全部
をグラスライニング材とすることができる。
【0021】本願発明の熱交換器で使用することのでき
る腐食性流体としては、硫酸、塩酸、硝酸等の酸性流
体、水酸化ナトリウム等のアルカリ性流体、ジクロルベ
ンゼンなどの有機流体等がある。但し、フッ酸のような
グラスライニング材が耐食性を有さない腐食性流体は除
かれる。
【0022】
【実施例】
[実施例1]図1〜2に本願発明の一実施例の略立方体
形状のキュービック型熱交換器を示す。このキュービッ
ク型熱交換器は、一部を除いて、図5〜8に示された前
記従来のキュービック型熱交換器とほぼ同様のものであ
り、同じ部材は番号が共通である。
【0023】図1は、従来の略立方体のキュービック型
熱交換器の図7に相当する図である。図2は、図5のV
線に沿った断面に対応する、本願発明の一実施例の前記
キュービック型熱交換器の断面の概略を示す図であり、
図1のキュービック型熱交換器をより簡略化して示す拡
大断面図である。
【0024】即ち、図2は、腐食性流体である希釈硫酸
の流れの概略を示すべく、熱交換器の断面の形状につい
て示す図面であり、図1の伝熱管104、タイロッド1
08等を省略すると共に、ヘッダー本体201、グラス
ライニング202、グラファイトライナー203及びテ
フロンヤーン204をヘッダー201Aとして示してい
る。
【0025】希釈硫酸は、ヘッダー本体201の流入口
201aから流入し、希釈硫酸の流れを規制する整流板
(仕切板)であるグラファイトライナー203により整
流され、複数の伝熱管103に流入する。伝熱管103
の希釈硫酸流は、ヘッダー106’とフェノール樹脂等
の含浸剤を含浸させた含浸グラファイトブロック105
の端面により形成された流体通路106aを通過して複
数の伝熱管103’に流入し、ヘッダー本体201の流
入口201bから流出する。
【0026】ヘッダー本体の接液部には、グラスライニ
ング加工が施してある。即ち、本願発明の熱交換器にお
けるヘッダー本体201の表面にグラスライニング20
2を設けて、グラスライニング202の露出表面を希釈
硫酸との接液部にしている。このグラスライニング部が
実質的な耐圧部であるので、ここを、サーマルショック
に対して耐え得る構造にしている。
【0027】グラスライニングの厚みは、好ましくは
0.6〜2.5mmの範囲、より好ましくは0.6〜
1.4mmの範囲としている。0.6mm未満では、耐
食性が次第に低下する傾向があり、2.5mmを越える
とサーマルクラックが生じる可能性があるからである。
【0028】ブロック105とヘッダー本体201との
間には、上述のように希釈硫酸の案内路を形成する役割
をもつグラファイトライナー203を挿入している。グ
ラファイトライナー203は、ヘッダー本体201の流
入口201aと流出口201bに対応する2つの貫通孔
を有し、一体成形で作られている。ヘッダー本体201
に固定する際には、グラファイトライナー203がガタ
つかないようにクッション材として、グラファイトライ
ナー203にはテフロンヤーン204が設けてある。グ
ラファイトライナー203は、ヘッダー201とブロッ
ク105の端面の間にガタつきなく圧接されて固定され
ているが、接着されていない。この構造にすることで、
接着部がなくなり、サーマルクラックを防ぐことができ
る。
【0029】また、ブロック105とヘッダー本体20
1との間等には、必要に応じて、フッ素樹脂等のシール
材を設けることができる。
【0030】上記キュービック型熱交換器の主要機材
は、一体成形したグラファイト製ブロック、一体成形し
たグラファイトライナー、及びガラスライニング加工を
施したヘッダーで構成されており、サーマルショックに
よるクラックの発生原因となるカーボンセメント等を用
いた接着加工面がない。即ち、上記キュービック型熱交
換器は、接液部がグラファイト及びグラスライニングで
構成された熱交換器であり、熱交換器の材料に用いるグ
ラファイトは一体成形したものを用い、組付する際、接
着加工は必要としない構造としている。この熱交換器
は、硫酸を所定濃度に連続混合してその後発生する稀釈
熱を冷却するための熱交換器としても用いることができ
る。
【0031】なお、含浸グラファイトブロック105や
グラファイトライナー203の材料として用いることの
できる、フェノール樹脂等の含浸剤を含浸させた含浸グ
ラファイトの製造方法の一例の概略は以下のとおりであ
る。カーボンと所定の添加剤と所定のバインダーを混合
しペースト状にしてさらに混合する。得られた混合物を
押し出し成形又は圧縮成形して所望の形状の成形体を得
る。得られた成形体を800〜1300℃で焼成して非
晶質カーボンにし、さらに3000℃で焼成して焼成体
を得る。得られた焼成体に樹脂を含浸させて含浸グラフ
ァイトを得る。
【0032】[実施例2]図3に本発明の熱交換器を用
いたシステムの一例である硫酸稀釈装置を示す。
【0033】この硫酸希釈装置は、硫酸移送管301に
よって供給される濃硫酸と、稀釈水供給管302によっ
て供給される希釈水を、ディスパージョンミキサー30
4で混合して希釈硫酸にして、ディスパージョンミキサ
ー304よりも下流側にある本願発明の冷却用熱交換器
305で前記希釈硫酸を冷却する装置である。なお、前
記冷却用熱交換器305の下流側に、液状維持可能な圧
力で希釈硫酸を加圧する背圧弁306を設けている。以
下、より詳細に説明する。
【0034】硫酸移送管301は、上流側から順に、濃
硫酸移送ポンプ307、電磁流量計309、自動ON−
OFF弁312、逆止弁313を有する。また、稀釈水
供給管302は、上流側から順に、稀釈水移送ポンプ3
08、電磁流量計309、自動ON−OFF弁312、
逆止弁313を有する。
【0035】定量ポンプである濃硫酸移送ポンプ307
又は稀釈水移送ポンプ308によりそれぞれ定量的に送
液された濃硫酸及び稀釈水はそれぞれ、当該移送管30
1又は302における電磁流量計309により流量が測
定される。測定された各々の流量は信号に変換された
後、当該移送管における流量指示調節計(FIC−1又
はFIC−2)310を経由しポンプのインバータ(I
NV)311にフィードバックされ前記各々のポンプの
回転数を制御することにより各々の送液量をコントロー
ルする。なお、流量制御の方法は、他に、流量計と流量
調節弁との組合せでも可能である。
【0036】濃硫酸側と稀釈水側の流量は、比率制御を
かけているので、濃硫酸と希釈水を混合して得られる希
釈硫酸は常に一定濃度になるようコントロールされてい
る。
【0037】流量を制御された各々の液は、それぞれの
管におけるPVC(ポリ塩化ビニル)製の自動ON−O
FF弁312、PTFE(ポリテトラフルオルエチレ
ン)製の逆止弁313を通り稀釈混合器であるディスパ
ージョンミキサー304へ入る。
【0038】このディスパージョンミキサーで濃硫酸と
稀釈水が分散・混合され、均一な稀釈硫酸となる。この
時稀釈熱が発生する。
【0039】稀釈熱は稀釈後の硫酸濃度によって異な
る。濃硫酸(98%)を70%に稀釈した場合、その温
度上昇は、約140℃以上にも達する。このままでは危
険で液(希釈硫酸)を使用することはできないので、実
際に使用する温度まで冷却する必要がある。
【0040】稀釈された液(希釈硫酸)は、本願発明の
冷却用熱交換器305により、間接的に冷却された後、
PVC製の背圧弁306を通り次工程へ送られる。この
背圧弁によって、稀釈液(希釈硫酸)により温度の高く
なった稀釈液が沸騰しないように装置内に一定の圧力を
かけている。圧力の大きさは、稀釈液が沸騰しない程度
にする。例えば、常圧を越えた圧力以上0.2MPa程
度にすることができる。
【0041】この装置によって、一定濃度で、かつ所定
温度に冷却された稀釈硫酸を連続的に生産する事が出来
る。
【0042】図3の装置の主要構成機器は、上述のよう
な送液部、稀釈混合部及び冷却部等である。
【0043】稀釈後の濃度を一定にする場合には、濃硫
酸及び稀釈水は共に一定量で供給する必要がある。その
ために、送液部においては脈動のない定量ポンプを使用
している。
【0044】稀釈混合部においては、図4のような高性
能な液々分散混合器であるディスパージョンミキサーを
使用している。そのため、濃硫酸等の硫酸と稀釈水との
混合を連続的に、より完全に行う事が出来る。
【0045】ディスパージョンミキサーは、駆動部の全
くないセラミックスあるいはフッ素樹脂製のスタティッ
クミキサー部401と、フッ素樹脂製のノズル402及
びディフューザー403を有して成るインジェクション
部404により構成されている。なお、スタティックミ
キサー部401は、管状のハウジング405と、その内
部に配されたねじり羽根状のエレメント406を有す
る。
【0046】冷却部においては、混合する際に発生する
稀釈熱を除去すために、本発明による冷却用熱交換器3
05が組み込まれている。冷却用熱交換器305で用い
る冷媒には、例えばチラー水又は井水等の冷却水を使用
することができる。冷却水は、冷却水供給管303の入
口303aから供給され、出口303bから排出され
る。
【0047】冷却水供給管の冷却水流量は、冷却水流量
計314により測定する。冷却用熱交換器で冷却された
稀釈硫酸の温度は温度センサー315により測定する。
稀釈硫酸の温度が所望の温度になるように、冷却水供給
管の冷却水流量の設定や調整を行う。25℃の井水を使
用した場合、160℃の稀釈硫酸を40〜50℃程度ま
で冷却する事が出来る。
【0048】上記硫酸稀釈装置に使用した場合における
本願実施例1の熱交換器の使用条件とその耐久性を表1
に示す。
【0049】
【表1】
【0050】本願実施例1の熱交換器を表1の使用条件
で上記硫酸稀釈装置に使用した場合、6カ月以上経過し
ても問題が発生しなかった。これに対して、図5〜8に
示された従来の熱交換器の場合には、通常は6カ月以内
に(早い場合は2〜3カ月以内に)亀裂が発生するので
修復する必要があった。
【0051】
【発明の効果】本願請求項1〜3の熱交換器は、流体通
路を有する熱交換ブロックと、前記熱交換ブロックを挟
持して前記熱交換ブロックの端面に流体通路を形成する
側壁プレートを含む熱交換器であって、前記側壁プレー
トの腐食性流体入口を含む側壁プレートの内面の腐食性
流体との接液部をグラスライニング材とするので、耐熱
性、耐食性、耐震性、耐熱衝撃性に優れ、サーマルクラ
ックを長期間発生せず寿命が長いという基本的効果を奏
することができ、硫酸等のように腐食性が強い腐食性流
体に対しても、もれ等による事故を防止することができ
る。
【0052】また、本願請求項1〜3の熱交換器は、希
釈により発熱した腐食性流体を冷却する熱交換器として
好適である。
【0053】本願請求項2の熱交換器は、前記熱交換ブ
ロックの端面と前記側壁プレートの間に、前記熱交換ブ
ロック及び前記側壁プレートとは別体であって腐食性流
体の流れを仕切る仕切板を有するので、上記基本的効果
がより一層顕著である。また、カーボンセメント等によ
る接着加工面をなくすことができる。
【0054】本願請求項3の熱交換器は、前記仕切板が
一体成形体であるので、上記基本的効果がより一層顕著
である。
【0055】本願請求項4〜5の腐食性流体希釈装置
は、希釈時に発熱する腐食性流体を希釈する装置であっ
て、希釈により発熱した腐食性流体を冷却する熱交換器
として上記いずれかの熱交換器を有するので、長期間故
障が発生せず寿命が長く、硫酸等の液に対しても、もれ
等による事故を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施例の略立方体形状のキュービ
ック型熱交換器の部分断面図である。
【図2】本願発明の一実施例のキュービック型熱交換器
の断面の概略を示す概略拡大断面図である。
【図3】本願発明の一実施例の硫酸稀釈装置のフロー図
である。
【図4】本願発明の一実施例の硫酸稀釈装置で用いるこ
とのできるディスパージョンミキサーの断面図(希釈硫
酸の流れ方向の断面図)である。
【図5】従来の略立方体のキュービック型熱交換器の平
面図である。
【図6】図6は、図5のV−V’線断面をフランジ10
1b側から見た部分断面図(但し、上下逆)である。
【図7】図7は、図5のV−V’線断面をフランジ10
2b側から見た部分断面図である。
【図8】図8は、図7の一点鎖線で囲まれた領域におけ
る部分拡大図である。
【符号の説明】
101 接続フランジ 102 接続フランジ 103 伝熱管 104 伝熱管 105 含浸グラファイトブロック 106 ヘッダー 107 ヘッダー 108 タイロッド 109 ヘッダー本体部(グラファイトライニング) 110 ノズル部(グラファイトライニング) 201 ヘッダー本体 202 ガラスライニング 203 グラファイトライナー 204 テフロンヤーン 301 硫酸移送管 302 稀釈水供給管 303 冷却水配管 304 ディスパージョンミキサー 305 冷却用熱交換器 306 背圧弁 307 濃硫酸移送用ポンプ 308 稀釈水移送用ポンプ 309 電磁流量計 310 流量指示調整計 311 インバーター 312 自動ON−OFF弁 401 スタティックミキサー 402 ノズル 403 ディフューザー 404 インジェクション部 405 ハウジング 406 ねじり羽根状のエレメント

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体通路を有する熱交換ブロックと、前記
    熱交換ブロックを挟持して前記熱交換ブロックの端面に
    流体通路を形成する側壁プレートを含む熱交換器であっ
    て、前記側壁プレートの腐食性流体入口を含む側壁プレ
    ートの内面の腐食性流体との接液部をグラスライニング
    材とすることを特徴とする熱交換器。
  2. 【請求項2】前記熱交換ブロックの端面と前記側壁プレ
    ートの間に、前記熱交換ブロック及び前記側壁プレート
    とは別体であって腐食性流体の流れを仕切る仕切板を有
    することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 【請求項3】前記仕切板は一体成形体であることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の熱交換器。
  4. 【請求項4】希釈時に発熱する腐食性流体を希釈する装
    置であって、希釈により発熱した腐食性流体を冷却する
    熱交換器として請求項1〜3のいずれかの熱交換器を有
    することを特徴とする腐食性流体希釈装置。
  5. 【請求項5】前記腐食性流体が硫酸であることを特徴と
    する請求項4に記載の腐食性流体希釈装置。
JP27167496A 1996-09-20 1996-09-20 耐熱衝撃性を有する耐食性熱交換器 Pending JPH1096600A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010043803A (ja) * 2008-08-18 2010-02-25 Orion Mach Co Ltd 薬液用熱交換器
JP2012052717A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Noritz Corp 熱交換器およびヘッダ一体型側板
JP2013164247A (ja) * 2012-02-13 2013-08-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 耐食性被覆層、当該耐食性被覆層を有する伝熱管及び当該伝熱管を備えた熱交換器

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