JPH1096174A - セルロース系繊維の改質方法および組成物 - Google Patents

セルロース系繊維の改質方法および組成物

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JPH1096174A
JPH1096174A JP25072696A JP25072696A JPH1096174A JP H1096174 A JPH1096174 A JP H1096174A JP 25072696 A JP25072696 A JP 25072696A JP 25072696 A JP25072696 A JP 25072696A JP H1096174 A JPH1096174 A JP H1096174A
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JP
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cellulase
biosurfactant
lipopeptide
culture solution
cellulosic fiber
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JP25072696A
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English (en)
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Kazuyuki Masuoka
一之 桝岡
Toru Obata
徹 小畑
Yoshinori Fukuda
美紀 福田
Noboru Taharu
襄 田治
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NAGASE SEIKAGAKU KOGYO KK
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NAGASE SEIKAGAKU KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロース系繊維の改質におけるセルラーゼ
の添加量の削減および加工時間の短縮。 【解決手段】 微生物の培養液あるいはバイオサーファ
クタントの存在下でセルロース系繊維とセルラーゼを反
応させる方法、および微生物の培養液とセルラーゼとを
含有する組成物、バイオサーファクタントとセルラーゼ
とを含有する組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース系繊維
の改質の方法および組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロース系繊維をセルラーゼを含有す
る水溶液で処理することにより、セルロース系繊維の風
合い、色合いなどの諸性質を改善できることは広く知ら
れている。特公平7−13352号は、セルロース織物
をセルラーゼ含有水溶液で処理し、「ストーンウォッシ
ュ」と同等の効果を得る方法を開示している。この処理
は、減量加工、またはバイオウォッシュと呼ばれるが、
この処理に用いられるセルラーゼは高価であり、またそ
の加工時間も長い。上記特許はセルラーゼ含有水溶液に
電解質、界面活性剤などを含有させて処理効率を高める
ことを意図しているが、依然その処理コストは高く、ま
た化学的に合成した界面活性剤を使用するために、環境
に対する問題が懸念されている。
【0003】近年、微生物由来の界面活性剤であるバイ
オサーファクタントが、その強力な効果と、生産の容易
性、ならびに環境に対する安全性という観点から注目を
浴びている。 バイオサーファクタントは、乳化、相分
離、湿潤、可溶化、腐食防止、粘性低下などの多様な機
能を有し、農業、建設業、食品業、および化粧品、クリ
ーニングなど種々の分野で利用されている。
【0004】しかし、これらのバイオサーファクタント
をセルロース系繊維の改質において使用する試みは未だ
行われていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、セル
ロース系繊維の改質において、セルラーゼの酵素反応を
促進することにより、添加するセルラーゼ量の削減およ
び加工時間の短縮を達成するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、セルロース系
繊維の改質方法であって、微生物の培養液の存在下、セ
ルロース系繊維とセルラーゼとを反応させる工程を含む
方法を提供する。
【0007】一つの実施態様においては、上記微生物の
培養液にバイオサーファクタントが含まれている。
【0008】好適な実施態様においては、上記バイオサ
ーファクタントはリポペプタイドである。
【0009】さらに、本発明は、セルロース系繊維の改
質方法であって、単離されたバイオサーファクタントの
存在下、セルロース系繊維とセルラーゼとを反応させる
工程を含む方法を提供する。
【0010】好適な実施態様においては、上記バイオサ
ーファクタントはリポペプタイドである。
【0011】本発明はまた、セルロース系繊維の改質方
法であって、単離されたリポペプタイドとセルロース系
繊維を反応させる工程を含む方法を提供する。
【0012】また、本発明は、セルロース系繊維の改質
のための、微生物の培養液とセルラーゼの培養液とを含
有する組成物を提供する。
【0013】一つの実施態様においては、上記微生物の
培養液にバイオサーファクタントが含まれている。
【0014】好適な実施態様においては、上記バイオサ
ーファクタントはリポペプタイドである。
【0015】さらにまた、本発明は、セルロース系繊維
の改質のための、単離されたバイオサーファクタントと
セルラーゼとを含有する組成物を提供する。
【0016】好適な実施態様においては、上記バイオサ
ーファクタントはリポペプタイドである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、セルラーゼによるセル
ロース系繊維の改質に関する。本発明においてセルロー
ス系繊維とは、セルロースを含有する繊維(例えば、
麻、綿などの天然セルロース繊維、レーヨン、アセテー
ト、キュプラなどの再生セルロース繊維)、およびそれ
らの加工品をいう。
【0018】本発明に用い得るセルラーゼはセルロース
を分解する酵素をいい、エキソロビオヒドロラーゼ(EC
3.2.1.91(「CBH」))、エンドグルカナーゼ(EC3.2.1.4
(「EG」))、およびβ-グルコシダーゼ(EC3.2.1.21(「B
G」))を含む。本発明はこれらの酵素を単独で、あるい
は組み合わせて用い得る。本発明に使用し得るセルラー
ゼは、市販品として、あるいは以下に示すような微生物
を培養して得られる。以下にその例を示す:セルラーゼ
の市販品としては、セルラーゼAP(天野製薬)、セルロシ
ンAP、セルシオンAC(阪急バイオ)、セルラーゼオノズ
カ、パンセラーゼ(近畿ヤクルト)、ドリセラーゼ(協和
発酵)、メイセラーゼ(明治製菓)、セルクラスト、セル
ソフト、セルソフトプラスL、ノボザイム806(ノボノル
ディスク)、セルライザー、セルライザーNR、セルラ
ーゼXL-522(ナガセ生化学工業)、エンチロンCM40L(洛東
化成)などのセルラーゼ調製剤が使用され得る。
【0019】セルラーゼを生産し得る微生物としては、
Bacillus hydrolyticus, Cellulobacillus mucosus, Ce
llulobacillus myxogenes, Cellulomonas sp., Cellvib
riofulvus, Cellvibrio vulgas, Clostridium thermoce
llulaseum, Clostridium thermocellum, Clostoridium
sp., Corynebacterium sp., Pseudomonas fluoroescens
var. cellulosa, Xanthomonas sp., Bacillus sp., Th
ermoactinomyces sp., Actinomyces. sp., Streptomyce
s sp., Aspergillus aureus, Aspergillus flavipes, A
spergillus fumigatus, Aspergillus niger, Aspergill
us oryzae, Aspergillus rugulosus, Aspergillus soja
e, Aspergillus terreus, Aspergillussp., Neurospora
crassa, Penicillium notatum, Irpex lacteus, Humic
ola insolens, Fusarium sp.などが挙げられる。
【0020】本発明において、バイオサーファクタント
とは、微生物(例えば、細菌、酵母、カビ)に由来する、
同一分子内に親油性部分と親水性部分とを有する界面活
性剤の総称をいう。通常、親油性部分は脂肪酸中の炭化
水素鎖であり、そして親水性部分は極性基などの親水基
を有する部分であり、例えば、糖脂質の炭水化物部分、
中性脂質のエステルまたはアルコール部分、リン脂質の
一部分であるホスフェート、脂肪酸またはアミノ酸のカ
ルボキシル基などを含む。バイオサーファクタントは、
糖脂質、中性および極性脂質、リポペプタイド、多糖-
脂質複合体に大別される。多くの微生物が種々のバイオ
サーファクタントを産生することが知られており、これ
らがセルロース繊維の改質効果を増強させる主要な有効
成分である。バイオサーファクタントおよびそれを産生
する微生物の主な例を表1及び表2に示す。本発明で使
用するバイオサーファクタントがこられに限られないこ
とはいうまでもない。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】本発明においては微生物の培養液を用い得
るが、好ましくはバイオサーファクタントが含まれる微
生物の培養液、さらに好ましくはリポペプタイドが含ま
れる微生物の培養液を用いる。好適な微生物の例として
は、Pseudomonas属、Tiobacillus属、Serratia属、Gluc
onobacter属、Agrobacterium属、Cornyebacterium属、E
ndomycopsis属、Bacillus属、Mycobacterium属、Nocard
ia属、Streptomyces属、Candia属、Torulopsis属に属す
る微生物が挙げられる。具体的には、Pseudomonas rube
scens、Pseudomonas fluorescens、Tiobacillusthiooxi
dans、Serratia marcescens、Gluconobacter cerinus、
Agrobacterium tumefaciens、Cornyebacterium lepus、
Endomycopsis lipolytica、Bacillus subtilis、Bacill
us licheniformis、Nocardia asteroides、Candia petr
ophilum、Torulopsis petrophilum(これらはいずれもリ
ポペプタイドを産生することが知られている)などが挙
げられる。
【0024】本発明に用いる微生物の培養液は、上記の
ような微生物を当業者に周知の方法で培養することによ
り得られる。好ましくはバイオサーファクタント、より
好ましくはリポペプタイドを生産する条件下で培養し、
得られた培養液自体をセルラーゼと併用することにより
所望の効果が得られる。微生物の培養条件は、使用する
微生物に従って適宜決定されるが、液体培養と固体培養
の両方ともに用いられ得、炭素源としては可溶性澱粉
類、二糖類、単糖類などが、窒素源としてはカゼイン分
解物、大豆粉抽出物、肉エキスなどが好適に選択され得
る。微生物により異なるが、一般的には培養時間は5時
間〜72時間、培養温度は15℃〜60℃、pHは4.0〜9.0が好
ましく、さらに好ましくは培養時間は5時間〜24時間、
培養温度は37℃〜40℃、pHは6.5〜7.5である。
【0025】本発明では、単離されたバイオサーファク
タントも用いられ得る。本明細書中で使用される「単離
されたバイオサーファクタント」とは、バイオサーファ
クタントを生産する微生物の培養物から調製したバイオ
サーファクタント濃縮物およびバイオサーファクタント
単離物、ならびに公知の生物学的技術を用いて生産した
バイオサーファクタント、化学的な合成経路により生成
したバイオサーファクタントを包含する。
【0026】バイオサーファクタントの単離には、周知
の方法が用いられ得る。例えば、糖脂質は、Biotechnol
Lett vol 14. NO.4 305〜310頁(1992)に記載の方法に
より、極性および中性脂質は、Appl. Environ. Microbi
ol. (1981)41:117-123に記載の方法により、多糖-脂質
複合体は、Appl. Microbiol. biotechnol. (1988)29:1-
4に記載の方法により単離精製され得る。
【0027】本明細書において使用される「リポペプタ
イド」とは、バイオサーファクタントのうち親水性部分
としてアミノ酸またはペプチドを有するものの総称であ
り、ペプチド系バイオサーファクタントに位置づけられ
る。リポペプタイドは、セルロースの改質効果を増強さ
せる強力な効果を有することが確認された。
【0028】なお、本明細書中で使用される「単離され
たリポペプタイド」とは、リポペプタイドを生産する微
生物の培養物から調製したリポペプタイド濃縮物および
リポペプタイド単離物、ならびに公知の生物学的技術を
もちいて生産したリポペプタイド、化学的な合成経路に
より生成したリポペプタイドを包含する。このようなリ
ポペプタイドをセルラーゼと併用することにより所望の
効果が得られる。
【0029】リポペプタイド濃縮物は、リポペプタイド
を含有する微生物の培養液を遠心分離し、菌体の除去を
行った後、限外濾過膜(分画分子量6000ないし10000カッ
ト)にかけて濃縮することにより得られ得る。リポペプ
タイドの単離には、当業者に公知の方法が用いられ得
る。例えば、培養液にリン酸ソーダ、塩化カルシウムを
添加して凝集沈殿を生じさせ、遠心分離により沈殿物を
回収する。これにメタノールまたはイソプロピルアルコ
ール等の溶剤を添加してリポペプタイドを抽出した後、
溶剤をエボパレートして粗リポペプタイドを得る。ある
いは、培養液を遠心分離し、菌体を除去した後、その上
清を塩酸でpH2.0以下に調整し、一昼夜5℃で保存し酸
沈物を得る。この酸沈物を遠心分離し、さらに水、ある
いはメタノールまたはイソプロピルアルコールのような
溶剤でリポペプタイドを抽出し、凍結乾燥およびエボパ
レーションにより溶剤を除去して粗リポペプタイドの乾
燥物を得ることができる。更にAppl. Microbiol. Biote
chnol. (1991)36:5 13に記載の方法などにより精製され
得る。
【0030】セルラーゼはセルロースの加水分解を触媒
する。微生物の培養液の存在下でこの反応を行う場合、
微生物の培養液中の有効成分(例えば、リポペプタイド
のようなバイオサーファクタント)が繊維間内へのセル
ラーゼの浸透を容易にし、そのことにより酵素反応効率
を上昇させると考えられる。
【0031】この反応は、改質しようとする対象素材を
セルラーゼと微生物の培養液を含有する水溶液に浸漬す
ることにより行われる。好適な条件は、使用するセルラ
ーゼと対象素材に応じて適宜決定されるが(実施例を参
照のこと)、例えば酸性セルラーゼを使用する場合、pH
は5.0付近が好ましく、中性セルラーゼを使用する場合
はpH7.0付近が好ましい。
【0032】微生物の培養液とセルラーゼとを含有する
組成物は、微生物の培養液とセルラーゼを混合すること
により液体形態で得られ、微生物の培養液とセルラーゼ
の好適な重量比は1:10000〜10000:1、よ
り好適な重量比は1:1000〜100:1である。
【0033】単離されたリポペプタイドとセルラーゼと
を含有する組成物は、単離されたリポペプタイドとセル
ラーゼを混合することにより、固体形態または液体形態
で得られる。好適なリポペプタイドとセルラーゼの重量
比は1:10000〜10000:1、より好ましくは
1:1000〜100:1である。
【0034】
【実施例】
(実施例1)表3に示す培養条件で表3に示す微生物を培
養した。
【0035】
【表3】
【0036】得られた培養物を遠心分離して菌体を除去
した。まず、培養液中にセルラーゼ活性がないことをC
MC粘度低下活性測定法により確認した。pH4、5、5.
5、6、6.5、7、7.5、および8の0.05Mクエン酸/リ
ン酸緩衝液中に3.5重量%になるようにCMセルロース
を加熱溶解した溶液を基質として用いた。200mlの基質
を40℃で30分間放置した後、得られた培養液およびその
濃縮物(10倍)を1ml添加し、3分間よく撹拌した後、
40℃で30分間および60分間保持し、それぞれの時間経過
後B型粘度計でその粘度を測定した。すべてのpH、反応
時間において粘度の低下は認められなかった。さらに、
ろ紙崩壊力検定法に従って、得られた培養液の希釈液中
にセルラーゼ検定用「東洋ろ紙No.51−A特」を1cm
×1cmに切断したろ紙を入れて40℃で振とうしたが、ろ
紙の崩壊は認められなかった。これらの培養液はセルラ
ーゼ活性を有さないことが確認された。
【0037】(実施例2)実施例1で得たセルロース分解
活性を有さない微生物の培養液を用いて、セルロース系
繊維改質におけるセルラーゼの添加量削減効果を比較す
る実験を行った。
【0038】セルラーゼとしてセルライザーNRを用い、
セルロース系繊維としてテンセル(TP1030)生地を用い
た。セルライザーNR(330unit/mlの液)を1.5ml/L、微生
物の培養液を1.5ml/Lとなるように添加した。コントロ
ールとしてセルライザーNR(330unit/mlの液)を3ml/Lと
なるように添加した。
【0039】減量加工に先立ち、糊抜き剤ビオテックス
TP-20(ナガセ生化学工業製)(5g/L)を用いて、15分間、
浴比1:15、90℃で糊抜きし、その後50℃で湯洗いを
3回繰り返して生地の調整を行った。さらに以下の条件
に従って減量加工をワッシャーで行った。
【0040】 処理温度:45℃ 処理時間:60分 浴比 1:10 pH: 5.0 本処理の終了後、染色をワッシャーで行い、染色された
生地で毛羽ランクを評価した。結果を表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】ここで、毛羽ランクは、テンセル会発行の
「フィブリル化評価スケール」を用い、1〜5級迄のラ
ンク付けを行った。5級は完全に毛羽が除去できた状態
を表している。
【0043】以上の結果から、微生物の培養液を添加す
ることにより、セルラーゼの添加量を1/2以下に削減
し得、かつ毛羽が良好に取り除かれる、より良質な加工
をし得ることが分かる。
【0044】(実施例3)実施例1の微生物の培養液を用
い、セルラーゼとしてセルライザーを使用して14オンス
ジーンズ生地を処理した。セルライザーの添加量は0.5g
/L、微生物の培養液添加量は0.5ml/Lであった。コント
ロールとしてセルライザーを1g/Lで用いた。培養液で
の処理に先だって14オンスジーンズ生地はビオテックス
TP-20で糊抜き処理を施した。減量加工にはワッシャー
を用い、以下の条件に従って減量加工を行った。
【0045】 処理温度:50℃ 処理時間:60分 浴比 :1:20 pH :5.0 減量加工後、10分間、90℃で酵素失活処理を行い、脱水
機にて脱水し、タンブラー乾燥にて乾燥させた。結果を
表5に示す。
【0046】
【表5】
【0047】以上の結果から、微生物の培養液を添加す
ることにより、セルラーゼ剤の使用量を従来の1/2に削
減し得、かつ風合いを向上させ得ることが分かる。
【0048】(実施例4)対象素材として綿ブロード、ビ
スコースレーヨン、ポリノジック、麻を用い、3種の濃
度のセルライザーと実施例1の(7)Bacillus lichenifor
mis(ATCC 39307)の培養液を用いて処理を行った。処理
条件は:温度;50℃、pH;5.0、時間;1時間である(但
し、麻の処理は30分で行った)。結果を表6に示す。
【0049】
【表6】
【0050】以上の結果から、同量のセルラーゼを添加
する場合、いずれの素材においても培養液の添加により
毛羽ランクは4級から5級に、減量率は約1.5倍〜約2
倍に上昇したことが分かる。従って、同等の改質効果を
得るための処理時間を培養液の添加によって大幅に短縮
し得ることは明らかである。またすべての実験におい
て、セルラーゼ添加量を半減させたても、培養液を添加
することによりセルラーゼの添加量を半減させない場合
と同等の効果を得られ得ることが確認された。
【0051】(実施例5)Bcillus licheniformis(ATCC 3
9307)をN-Broth培地にて37℃で一晩通気撹拌培養し、得
られた培養液の上清を塩酸でpH2.0以下に調製し、5℃
で一晩放置し、沈殿物を得た。得られた沈殿物を培養液
の1/10量のメタノールで室温で抽出した。得られた抽
出液をエバポレートしてメタノールを除去し、乾燥物を
得た。HPLCによる解析(Applied and Environmennt Micr
obiology、Jan. 1994、31〜38頁に記載の方法で行った)
により、サーファクチンのHPLCパターンと比較して本品
がリポペプタイドであることを確認した。
【0052】このリポペプタイド単離物とセルライザー
NRを用いてテンセル100%(TP1030)の生地を処理した。
処理条件は:温度;45℃、pH;5.0、浴比;1:10、
時間;60分である。結果を表7に示す。
【0053】
【表7】
【0054】以上の結果から、リポペプタイド単離物が
セルロースの改質効果を増強しセルラーゼ添加量を削減
し得ると共に、リポペプタイドの単離物自体がセルロー
ス系繊維の改質効果を有することが分かる。
【0055】
【発明の効果】本発明により、セルロース系繊維の改質
において、セルラーゼの添加量の1/2以上の削減、加工
時間の短縮が可能になり、かつ新しい風合いを付与し得
る。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース系繊維の改質方法であって、
    微生物の培養液の存在下、セルロース系繊維とセルラー
    ゼとを反応させる工程を含む、方法。
  2. 【請求項2】 前記微生物の培養液にバイオサーファク
    タントが含まれている、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記バイオサーファクタントがリポペプ
    タイドである、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 セルロース系繊維の改質方法であって、
    単離されたバイオサーファクタントの存在下、セルロー
    ス系繊維とセルラーゼとを反応させる工程を含む、方
    法。
  5. 【請求項5】 セルロース系繊維の改質方法であって、
    前記バイオサーファクタントがリポペプタイドである、
    請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 セルロース系繊維の改質方法であって、
    単離されたリポペプタイドとセルロース系繊維を反応さ
    せる工程を含む、方法
  7. 【請求項7】 セルロース系繊維の改質のための、微生
    物の培養液とセルラーゼとを含有する、組成物。
  8. 【請求項8】 前記微生物の培養液にバイオサーファク
    タントが含まれている、請求項7に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記バイオサーファクタントがリポペプ
    タイドである、請求項8に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 セルロース系繊維の改質のための、単
    離されたバイオサーファクタントとセルラーゼとを含有
    する、組成物。
  11. 【請求項11】 前記バイオサーファクタントがリポペ
    プタイドである、請求項10に記載の組成物。
JP25072696A 1996-09-20 1996-09-20 セルロース系繊維の改質方法および組成物 Withdrawn JPH1096174A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004038016A1 (ja) * 2002-10-23 2004-05-06 Tohoku Techno Arch Co., Ltd プラスチックの分解法及びそれを利用した有用物質の製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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