JPH1095853A - ポリシランの製造法およびポリシラン - Google Patents

ポリシランの製造法およびポリシラン

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JPH1095853A
JPH1095853A JP9253052A JP25305297A JPH1095853A JP H1095853 A JPH1095853 A JP H1095853A JP 9253052 A JP9253052 A JP 9253052A JP 25305297 A JP25305297 A JP 25305297A JP H1095853 A JPH1095853 A JP H1095853A
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polysilane
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phosphine
dmpe
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JP9253052A
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T Schwabe Stuart
ティー. シュワブ スチュアート
P Paul Passer
ピー. ポール パーサ
Ryoichi Nishida
亮一 西田
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/60Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule in which all the silicon atoms are connected by linkages other than oxygen atoms

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Abstract

(57)【要約】 【課題】分散度が1に近いポリシラン、1,000よりかな
り大きい所望の分子量のポリシランの製造方法を提供す
る。 【解決手段】式RXSiH(4-X)(式中、Rは、置換又は
非置換のアルキル、アリール又はアルキルアリール基を
示し、Xは、1又は2を示す。)で表されるシランモノマ
ーを、嫌気性で無水の条件下で、ポリシランを形成する
のに十分な温度と時間、ホスフィンにより安定化された
周期表で4〜7族である前半の遷移金属のポリハイドライ
ドを含む触媒の存在下に重合させることを特徴とするポ
リシランの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリシランの製造
方法及び得られる新規なポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリシランが、セラミックの先駆物質か
らオプトエレクトロニクスデバイスにわたる広範囲の用
途に有用であることは知られている。
【0003】現在、“キッピング法”として公知のポリ
シランを製造する技術は、ハロシランとアルカリ金属と
の化学量論的な反応に基づいている。該方法は、再現性
に極めて劣っているという欠点があり、バッチ操作であ
り、副産物として大量の塩を生成するので、大規模な生
産には適していない。
【0004】さらに、キッピング法は、アルカリ金属、
特に、危険なナトリウム金属を利用するため、工業的に
用いることは困難であり、さらに多くの置換基がナトリ
ウムと反応するので置換されたシランモノマーを用いる
ことも困難である。実際、いくつかの公知文献は、ポリ
フェニルシランのフェニル基への置換基の導入は、極め
て過酷な反応条件を要求し、このことがSi−Si結合
をこわす結果となり得ることを開示している。
【0005】ポリシランの製造のための触媒法が、いく
つかの論文及び米国特許No. 4,965,386において報告さ
れているが、用いられている触媒法は、その範囲が制限
されているか又はポリシランの経済的製造として十分に
有効ではない。例えば、ポリ(フェニルシラン)を製造
するためにチタン触媒を用いる場合には、シクロヘキサ
(フェニルシラン)が収量10%で得られるに過ぎない。
ジルコニウム及びハフニウム触媒も、分散度(polydisp
ersity)が約2であるシクロヘキサ(フェニルシラン)
と直鎖状のポリ(フェニルシラン)の混合物を生成す
る。このような不充分な結果に加えて、ハフニウム及び
ジルコニウム金属は、非常に高価である。ポリシランを
得るために用いられる他の有機金属触媒も、同様に適当
でない。さらに、これら触媒は、高分子量のポリフェニ
ルシランを生成せず、均一に近い分散度を有するポリシ
ランを製造することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以下に開示
するように、触媒と反応条件によって決まる、分散度が
1に近いポリシラン、1,000よりかなり大きい所望の分
子量のポリシランの製造を可能にする。
【0007】
【課題を解決するための手段】要約するならば、本発明
は、式RXSiH(4-X)(式中、Rは、置換又は非置換の
アルキル、アリール又はアルキルアリール基を示し、X
は、1又は2を示す。)で表されるシランモノマーを、酸
素不存在下に無水の条件下で、ポリシランを生成するの
に十分な温度と時間、ホスフィンにより安定化された周
期表で4〜7族である前半の遷移金属のポリハイドライド
を含む触媒の存在下に重合させるポリシランの製造方法
を提供する。
【0008】本発明は、以下に詳述し、特許請求の範囲
に記載するように、上記方法により得られる直鎖状で分
岐していないポリシランをも包含する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明方法を実施するに際し、あ
る種の触媒を重合過程において用いることが必須であ
る。これらは、新たなIUPAC表示法の元素周期表に
おいて、4〜7族である前半の遷移金属のホスフィンに
より安定化されているポリハイドライドである。具体的
な金属としては、チタン、タンタル、ニオブ、レニウ
ム、モリブデン又は示された族の他の前半の遷移金属を
用いることができる。
【0010】ハイドライドが、ホスフィンにより、好ま
しくは1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン(d
mpe)又は1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エ
タン(dppe)等により安定化されていることも重要
である。他の多座ホスフィン、二座ホスフィン(例え
ば、1,2−ビス(ジエチルホスフィノ)エタン)又は
一座のホスフィン(例えば、トリメチルホスフィン、ジ
メチルホスフィン等)を用いることができるが、dmp
eがより好ましい。
【0011】ポリシラン類を形成するシラン類の全ての
重合方法におけると同様に、反応は、厳密な嫌気性且つ
無水の条件下で行われる。
【0012】重合それ自体は、60psig(4.14×105Pa)以
上のようにわずかな加圧下における還流条件下、又は、
反応を300 ℃までの温度、好ましくは200 ℃の温度のオ
ートクレーブ中で数時間、例えば48時間行うという強制
条件下のいずれかで行うことができる。
【0013】重合は、溶媒中で又は溶媒を用いて行うこ
とができる。適した溶媒としては、ペンタン、ヘプタ
ン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等が含まれるが、これらに限定
されない。
【0014】重合させるべきシランモノマーは、式RX
SiH(4-X)(式中、Rは、好ましくは置換又は非置換
のアルキル、アリール又はアルキルアリール基、例えば
フェニル及び置換フェニル基を示し、Xは、1又は2を
示す。)で表されるものである。シランモノマーとして
は、フェニルシランを用いるのが好ましい。
【0015】本発明において得られるポリマーは、分散
度2未満であって、1に近く、分子量が1,000amuより大
きい。本発明方法によれば、ポリシランの分子量は、使
用する特定の触媒によって調整することができ、キッピ
ング法で生じる様な望ましくない副生成物は全く生じな
い。
【0016】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳し
く説明する。下記の実施例は、本発明を説明するための
ものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0017】
【実施例】
実施例1 TaH5(dmpe)2の調製 Schrock,J. Organomet. Chem., 1976, 122, pp. 209−
225に記載された方法を応用して、TaMe5(dmpe)の水素化
によりTaH5(dmpe)2を調製した。TaMe5(dmpe)3gを、THF1
5mLに溶解させ、その後高圧ステンレス鋼オートクレー
ブ(“ボンベ”)に移し、−50℃まで冷却した。該溶液
中に水素ガスをバブリングし、1,2−ビス(ジメチル
ホスフィノ)エタン(dmpe)1.5mLをエーテル溶液とし
て加えた。ボンベを水素7,300psi(5.03×107Pa)により
加圧し、60℃にて18時間加熱した。褐色溶液と白色固体
の混合物を濾過し、濾液から溶媒を蒸発させた。褐色の
残渣をヘキサン30mLを用いて抽出し、活性炭を用いて処
理し、真空中で乾燥させて黄色の固体のTaH5(dmpe)2
得た。
【0018】実施例2 NbH5(dmpe)2の調製 NbCl5をベンゼンに懸濁させた。カリウム10当量及びdmp
e5当量をNbCl5の懸濁液に加えた。該混合物をステンレ
ス鋼ボンベに入れた。水素ガスを低温(−40℃)溶液中
にバブリングさせることにより、窒素雰囲気を交換し
た。ボンベを水素200atmで加圧し、115℃にて一晩攪拌
した。黒色溶液から溶媒を蒸発させ、ヘキサンを用いて
抽出した。溶媒を蒸発させ、黄色のNbH5(dmpe)2を得
た。
【0019】実施例3 TiH3(dmpe)の製造 TiCl4のエーテル溶液をPhCH2Brと−20℃にて反応させ
た。赤色の溶液を濾過し、溶媒を蒸発させ、ヘキサンを
用いて抽出し、赤色の固体のTi(CH2Ph)4を得た。
【0020】テトラベンジルチタンをdmpe2.5当量とと
もにベンゼンに溶解させ、混合物をボンベに移した。水
素ガスを低温(−40℃)溶液中にバブリングさせること
により窒素雰囲気を交換した。混合物を水素200atmによ
り加圧し、室温にて一晩攪拌した。溶液をボンベから取
り出した後、溶媒を蒸発させ、残渣をヘキサンを用いて
洗浄して黒色のTiH3(dmpe)を得た。
【0021】実施例4 ReH7(dmpe)の製造 THF100mLにReH7(PPh3)2 2.0g(25mmol)を溶解させた溶液
に、純粋なdmpe(0.6mL、3.6 mmol)を加えた。該混合
物を室温で4時間攪拌した。ヘキサン100mLを加えるこ
とにより、白色の固体が生成した。該固体をジエチルエ
ーテル30mLで洗浄し、真空中で乾燥させてReH7(dmpe)を
得た。
【0022】実施例5 MoH4(dmpe)2の製造 Crabtree and Hlatky, Inorg. Chem.,1982, 21, 1273-7
5により報告された方法により黄色の結晶性のMoH4(dmp
e)2を調製した。
【0023】THF60mLにジメチルフェニルホスフィン3.6
mL(25mmol)を溶解させた溶液に、固体のMoCl4(THF)2
(1.9g、5mmol)を加え、30分間還流させた。混合物を
室温まで冷却させ、LiEt3BH(超水素化物)のTHF溶液
(1M)65mlを加えた。赤色混合物を一晩攪拌した。過剰
な超水素化物を、エタノール10mlを注意深く加えること
により分解した。溶媒を蒸発させて、赤色の油状物を得
た。メタノール100mLを加えることにより金黄色の溶液
が得れらた。これに1,2−ビス(ジメチルホスフィ
ノ)エタン[dmpe](2mL、12.5mmol)を加えた。得られ
たMoH4(dmpe)2の黄色の沈殿物を10mLのメタノールを用
いて2回洗浄し、真空中で乾燥させた。
【0024】次いで、実施例1〜5に記載されたように
して得られた触媒をフェニルシランモノマー(PhSiH3
を様々な反応条件下、即ち、室温、還流、60psig(4.14
×105Pa)及び強制条件の下で重合させるのに用いた。そ
れぞれの触媒についての反応条件及び結果を以下に示
す。
【0025】実施例6 TaH5(dmpe)2を用いたフェニル
シランの重合 a.室温 TaH5(dmpe)2 15mgをPhSiH315mLに溶解させた。淡黄色の
溶液を室温にて18時間攪拌したが、ポリマーの生成は示
されなかった。
【0026】b.還流条件 TaH5(dmpe)2 15mgをPhSiH315mLに溶解させた。淡黄色の
溶液を18時間還流し、薄い褐色の溶液を得た。未反応の
PhSiH3を真空中で除去し、濃厚な褐色の油状物を得た。
適切な反応を7日間還流下に行った場合、同様の褐色の
油状物が得られた。
【0027】c.60psigにおける反応 一般に“ポップボトル”として公知のフィッシャーポー
ター(Fischer-Porter)ガラス圧力容器中で、60psigに
なるまで反応系を加熱すること以外は還流条件に記載さ
れたようにして反応を行った。得られたポリマーは、褐
色の油状物であった。
【0028】d.強制条件 TaH5(dmpe)2 30mgをステンレス鋼製のオートクレーブに
入れたPhSiH330mLに溶解させた。該反応混合物を200℃
にて48時間加熱した。緑色の固体の不純物を少量含む脆
い無色の固体が得られた。固体の混合物をTHF70mLに溶
解させ、ヘキサン250mLを加えると、緑色の固体が沈殿
した。該溶液を濾過し、濾液にヘキサン200mLを加える
と、白色固体の沈殿物が得られた。上記溶液を2回目の
濾過にかけ、濾液にヘキサン400mLを加えると、無色の
粘着性の固体が得られた。
【0029】実施例7 NbH5(dmpe)2を用いる重合 a.フェニルシラン10mLにNbH5(dmpe)220mgを加え、加
熱して、窒素雰囲気下で7日間還流させた。得られた褐
色の溶液を濾過し、未反応のシランを真空中で除去して
褐色の油状物を得た。
【0030】b.60psig条件 触媒量のNbH5(dmpe)2(20〜25mg)をフェニルシラン15mL
に加えた。溶液をアルゴンで満たされたグローブボック
スの中のガラス圧力反応容器(“ポップボトル”)に移
した。圧力を約60psig(約150℃)に保ち、攪拌しなが
ら4日間加熱した。反応が進行するに従って水素が生成
されると思われるので、蓄積した水素の一部を除去する
ために、60psigを超える過剰の圧力を定期的に放出させ
た。得られた褐色の溶液を濾過し、過剰なモノマーを真
空中で除去し、褐色の油状物を得た。
【0031】c.強制条件 触媒量のNbH5(dmpe)2(20〜25mg)をフェニルシラン15〜2
0mLに加えた。該溶液をアルゴンで満たされたグローブ
ボックス中のステンレス鋼圧力反応容器(“ボンベ”)
に移した。上記溶液を200℃にて3日間加熱し、その間圧
力を170psig(1.17×106Pa)まで高めた。得られた濃厚な
ペーストをトルエン75mLに溶解させた。ヘキサン300mL
を加えると、少量の褐色の固体が沈殿した。無色の上澄
み液を濾過し、さらにヘキサン300mLを添加すると、白
色固体が沈殿した。該固体をヘキサン50mLで洗浄した。
上澄み液を真空中で除去し、白色のゴム状の塊を得た。
【0032】実施例8 TiH3(dmpe)を用いる重合 a.還流条件 NbH5(dmpe)2についての上記と同様の手順を用いて、TiH
3(dmpe)の存在下で7日間モノマーを還流させた後にも、
重合の形跡は全く認められなかった。
【0033】b.60psig条件 NbH5(dmpe)2についての上記と同様の手順を用いて褐色
の油状物を得た。
【0034】c.強制条件 NbH5(dmpe)2についての上記と同様の手順を用いてゴム
状の塊を得た。
【0035】実施例9 ReH7(dmpe)を用いる重合 a.還流条件 フェニルシラン10mLにReH7(dmpe)20mgを加えた。窒素雰
囲気下において7日間還流を行ったが、重合の形跡は認
められなかった。
【0036】b.60psig条件 触媒量のReH7(dmpe)(20〜25mg)をフェニルシラン15mLに
加えた。該溶液をガラス圧力反応容器(“ポップボト
ル”)に注いだ。圧力を60psigに保ち、攪拌しながら4
日間加熱して、褐色溶液を得た。該溶液を濾過し、揮発
性の不純物を真空中で除去し、薄い褐色の油状物を得
た。
【0037】c.強制条件 触媒量のReH7(dmpe)(20〜25mg)をフェニルシラン20〜25
mLに加えた。該溶液をステンレス鋼製圧力反応器に注
ぎ、圧力を170psigまで高めて200℃にて3日間加熱し、
脆い固体を得た。該固体をトルエン75mLに溶解させた。
これにほぼ200mLのヘキサンを加えると、少量の褐色の
固体が沈殿した。無色の上澄み液を濾過し、さらにヘキ
サン400mLを加えるとオフホワイトの固体が沈殿した。
該固体をヘキサン100mLで洗浄し、真空中で乾燥させ
た。
【0038】実施例10 MoH4(dmpe)2を用いる重合 a.還流条件 フェニルシラン10mLにMoH4(dmpe)2 20mgを加えた。該混
合物を、窒素雰囲気下で7日間還流させた。重合の形跡
は認められなかった。
【0039】b.60psig条件 触媒量のMoH4(dmpe)2(20〜25mg)をフェニルシラン15mL
に加えた。該溶液をガラス圧力反応容器(“ポップボト
ル”)に注いだ。圧力を60psigに保ち、攪拌しながら4
日間加熱した。重合の形跡は認められなかった。
【0040】c.強制条件 触媒量のMoH4(dmpe)2(20〜25mg)をフェニルシラン20〜2
5mLに加えた。該溶液をステンレス鋼製圧力反応器に注
ぎ、圧力を170psigまで高めて200℃にて3日間加熱し、
脆い固体を得た。該固体を75mLのトルエンに溶解させ
た。ほぼ200mLのヘキサンを加えると、少量の褐色の固
体が沈殿した。無色の上澄み液を濾過し、さらにヘキサ
ン200mLを加えると黄色味を帯びた白色固体が沈殿し
た。これをヘキサン50mLで洗浄し、真空中で乾燥させ
た。
【0041】ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用い
て各ポリマーの分子量を測定した。種々のポリマーの平
均分子量(Mw)を、以下の表1にまとめた。
【0042】モノマー(フェニルシラン)の分子量は、
GPC測定により95amuであることがわかった。これは、実
際の分子量108amuよりも14%小さい。この差は、較正に
ポリスチレンスタンダードを用いたために生じた可能性
がある。もっと代表的で、機器のよりよい較正が得られ
るであろう信頼できるポリシランスタンダードは入手で
きない。このわずかな欠点にもかかわらず、GPCの結果
は、種々の触媒を用いたポリシランの生成を確認でき
る。
【0043】
【表1】
【0044】タンタル触媒を用いた場合、還流条件下で
得られたポリマーのGPC線から読み取られるMwは、232g
/molであり、これは、PhSiH3モノマーの“GPC”分子量9
5g/molに基づくと、Si単位を2〜3個含有するポリマーに
相当する。強制条件下で得られた固体は、分子量689g/m
olに相当するピーク最高値を示し、これはPhSiH3モノマ
ーの“GPC”分子量95g/molに基づくと、Si単位7個を含
有するポリマーに相当し、FTIRスペクトルデータから予
測される分子量とよく一致している。
【0045】タンタル触媒を用いて還流及び強制条件下
で得られた高分子生成物を核磁気共鳴(NMR)分光法を用
いて試験した。還流条件下で得られた物質の1H NMRと29
Si NMRのスペクトルは、比較的低分子量の生成物と一致
する。DEPT[“分極移動による無歪感度増大法(Distor
tionless Enhancement by Polarization Transfe
r)”]技術を用いて、実施例6で得られた物質が、お
およそ等量のSiHとSiH2基を含有することが確認でき
(図1)、これは、低分子量のポリマーであることと一
致する。SiH2基は、末端基としてのみ存在でき、該基が
存在することは、ポリマー生成物が直鎖状であって環状
でないことを示す。強制条件下で生成した物質の29Si D
EPT分析(図2)は、著しく低い割合でSiH2基を含有す
ることを示し、これは、より高分子量のポリマーである
ことと一致する。SiH2基の割合が減少しても、これらの
基は依然として存在し、ポリマーの直鎖領域の末端にの
み存在し得る。ポリマーが分岐又はある程度の環状領域
を含有している場合があり得るが、29Si DEPT分析は、
これらポリハイドライド触媒を用いて製造されたポリマ
ーは、主として直鎖状であることをはっきりと示してい
る。
【0046】最も顕著な結果は、強制条件下でNbH5(dmp
e)2を触媒として用いるときに得られた。3つの別個の
ポリシランの混合物が、この反応から得られた。ピーク
最高が、分子量975、2,500及び7,000amuのポリシランを
示す。平均分子量(Mw)は1,970であって、分散値(pol
ydispersity value)が1.8である。Mw値が1,970のポリ
シランは、PhSiH3モノマーの“GPC”分子量95amuに基づ
くと、モノマー単位約21個から成るポリマーに相当す
る。60psigの“ポップボトル”反応も、ポリマーの混合
物を生成する。ポリシランの最大分子量に関連するピー
クは、平均分子量1,165を示す。還流条件下で生成した
シランオリゴマーの平均分子量(Mw)は、290amuであ
り、同様の条件下でTaH5(dmpe)2を用いて得られたオリ
ゴマーの分子量と同程度である。
【0047】Mwが600amuである白色のゴム状物質が、T
iH3(dmpe)を用いたPhSiH3の強制条件反応から生成され
る。該物質は、1.37という低い分散値を有する。600amu
というMwは、PhSiH3モノマーの“GPC”分子量95amuに
基づくと、Si単位6個のオリゴマーを表す。
【0048】固体のポリシランが、MoH4(dmpe)2及びReH
7(dmpe)を触媒として用い、強制条件下にて重合反応を
行った場合に得られた。強制条件下でReH7(dmpe)によ
り触媒されるフェニルシランの重合により、Mw=1,028
amuで、分散値1.33のポリシランが生成した。Mwが1,02
8amuのポリシランは、PhSiH3モノマーの“GPC”分子量9
5amuに基づくと、Si単位11個を有するオリゴマーを表
す。強制条件下でMoH4(dmpe)2を触媒として用いた場合
には、さらに良い結果が得られた。得られたポリシラン
の平均分子量(Mw)は、Si単位が15個のポリマーを示
す1,460amuであって、分散値が1.43であることが確認さ
れた。
【0049】これらGPC分析は、遷移金属のポリハイド
ライドが、文献に記載された他の金属触媒から得られる
ものより実質的に高い分子量を有するポリシランを生成
させることを示す。29Si DEPT分析は、ポリマー生成物
が、完全ではなくても、主として直鎖であることを明示
している。ポリマーの直鎖性は、先に述べた他の触媒に
より得られる主として環状の生成物に勝る実質的な利点
を生成物に付与する。直鎖状のポリマーは、一般的に、
優れた皮膜形成能を示し、より容易に架橋でき、無限の
固体を形成する。正しく配列し配向すると、直鎖状のポ
リシランは、異方性の機械的及び/又は電気的性質を示
すであろう。例えば、配列した材料は、配向の軸に沿っ
て、より高い電気又は光子伝導率を示すであろう。これ
ら性質及び他の性質は、ポリハイドライドを用いる触媒
反応により製造された直鎖状のポリシランを、同等の多
環式のポリシランよりも好ましいものとする。DEPT分析
は、本ポリシランが直鎖状であって分岐していないこと
を示す。
【0050】好ましい実施形態との関連において本発明
を記載してきたが、本発明は、示された特定の形式の範
囲内に制限されるものではなく、添付の特許請求の範囲
に規定された発明の代替物、修正物及び等価物をも包含
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】タンタル触媒を用い、還流条件下で得られた高
分子生成物の29Si DEPTスペクトルである。
【図2】タンタル触媒を用い、強制条件下で得られた高
分子生成物の29Si DEPTスペクトルである。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式RXSiH(4-X)(式中、Rは、置換又
    は非置換のアルキル、アリール又はアルキルアリール基
    を示し、Xは、1又は2を示す。)で表されるシランモノ
    マーを、嫌気性で無水の条件下で、ポリシランを形成す
    るのに十分な温度と時間、ホスフィンにより安定化され
    た周期表で4〜7族である前半の遷移金属のポリハイドラ
    イドを含む触媒の存在下に重合させることを特徴とする
    ポリシランの製造方法。
  2. 【請求項2】 前半の遷移金属のポリハイドライドが、
    チタン、タンタル、ニオブ、レニウム又はモリブデンの
    ポリハイドライドである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ホスフィンが、一座、二座又は多座のホ
    スフィンである請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 ホスフィンが、1,2−ビス(ジメチル
    ホスフィノ)エタン又は1,2−ビス(ジフェニルホス
    フィノ)エタンである請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 反応を、還流条件下、わずかな加圧下又
    は強制条件下で行う請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 反応を、還流条件、わずかな加圧下又は
    強制条件下で行う請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 シランモノマーが、フェニルシランであ
    る請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 分子量が1,000より大きく、分散度が2
    未満である請求項1記載の方法の生成物であるポリシラ
    ン。
  9. 【請求項9】 前半の遷移金属のポリハイドライドが、
    チタン、タンタル、ニオブ、レニウム又はモリブデンの
    ポリハイドライドである請求項8記載のポリシラン。
  10. 【請求項10】 ホスフィンが、一座、二座又は多座の
    ホスフィンである請求項9記載のポリシラン。
  11. 【請求項11】 ホスフィンが、1,2−ビス(ジメチ
    ルホスフィノ)エタン又は1,2−ビス(ジフェニルホ
    スフィノ)エタンである請求項10記載のポリシラン。
  12. 【請求項12】 反応を、還流条件下、わずかな加圧下
    又は強制条件下で行う請求項8記載のポリシラン。
  13. 【請求項13】 反応を、還流条件下、わずかな加圧下
    又は強制条件下で行う請求項11記載のポリシラン。
  14. 【請求項14】 シランモノマーがフェニルシランであ
    る請求項8記載のポリシラン。
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