JPH1091760A - 3次元地形出力方法、3次元地形出力装置及び記録媒体 - Google Patents

3次元地形出力方法、3次元地形出力装置及び記録媒体

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JPH1091760A
JPH1091760A JP24384496A JP24384496A JPH1091760A JP H1091760 A JPH1091760 A JP H1091760A JP 24384496 A JP24384496 A JP 24384496A JP 24384496 A JP24384496 A JP 24384496A JP H1091760 A JPH1091760 A JP H1091760A
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JP
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terrain
land
value
sea
elevation value
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JP24384496A
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English (en)
Inventor
Shinichi Murata
伸一 村田
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来は、断崖部分があっても、標高値を1つ
しか使用しないため、当該断崖部分をなだらかな斜面と
しか出力できず、自然な景観からかけ離れた3次元地形
になっていた。 【解決手段】 海岸線を表す折れ線の各頂点それぞれに
ついて陸側と海側との2つの標高値を決定し、当該2つ
の標高値を用いて陸側の地形と海側の地形を出力する。
これにより、従来に比して海岸線部分の段差、すなわち
断崖部分をより自然に近い状態で表現できるようにな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3次元地形出力方
法、3次元地形出力装置及び記録媒体に関する。例え
ば、コンピュータグラフィックスなどを用いて3次元地
形図を生成する場合に適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータグラフィックスの応
用により3次元地形図を生成する技術の研究が盛んに行
われている。また、コンピュータグラフィックスは、フ
ライトシミュレーション装置のように、ユーザからの操
作指令により変更された変更後の視点位置や視線方向に
応じた3次元地形を実時間で更新する処理を3次元地形
の表示と並行して行い、表示し直すのにも用いられてい
る。なお、かかる技術が掲載された文献として、「文献
名:DIGITAL TERRAIN MODELLING、著者名:R.WEIBEL an
d M.HELLER、出版社:Longman Scientific and Techni
cal」を挙げることができる。
【0003】従来、このような3次元地形図を表示させ
るためには、1つの原データとして、グリッドベースの
地形データ(標高データ)が使用されている。
【0004】この地形データは、図2(A)に示すよう
に、東西、南北を各辺とする長方形または正方形の表示
可能領域を、東西および南北方向について一定ピッチで
等分することによりできる長方形または正方形形状の複
数の領域(以下ではメッシュ2と呼ぶ)の各格子点1
(以下ではグリッド点1と呼ぶ)上の標高(海抜)を、
図2(B)に示すように数値で表したデータ3のことで
ある。
【0005】従来、この地形データを基に3次元地形を
表示する場合には、長方形または正方形の領域のメッシ
ュを、図3に示すように、2つの三角形(このようなコ
ンピュータグラフィックスの描画単位の平面をポリゴン
4と呼ぶ)に分けて表示することが行われている。これ
らのポリゴンは、それぞれの頂点間の標高差に応じた3
次元の傾きを有する平面を表しているため、これらのポ
リゴンを個々全て表示することにより、土地の傾きや山
の尾根などの地形を再現している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしならが、原デー
タとして上記グリッドの標高値のみを使用して3次元地
形を再現した場合、地形的な特徴をもった地点が上記グ
リッド点に一致しない場合には、その地形的な特徴を3
次元地形図として現実通りに生成し再現することができ
ない場合があった。このような地形的な特徴を有するも
のとして、例えば、海岸線が挙げられる。
【0007】そこで、従来は、原データとして上記グリ
ッド点に加えて、海岸線を折れ線で表現したデータを使
うことが考えられ、その海岸線の折れ線の標高値を一意
的に海抜ゼロとして扱っていた。しかし、海岸線には平
野部から海に繋がる場合や、丘陵や山から直接海に繋が
る場合があり、特に後者の場合には断崖絶壁となるの
で、従来の方法では現実から掛け離れてた海岸線の景観
となっていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(A)かかる課題を解決するため、第1の発明において
は、メッシュを構成するグリッド点の標高値と、海岸線
を表す折れ線の地形データとに基づいて3次元地形デー
タを生成し、当該3次元地形データによって得られた3
次元地形を表示又は印刷出力する3次元地形出力装置に
おいて、次のようにしたことを特徴とする。
【0009】すなわち、海岸線を表す折れ線の各頂点に
ついて、(1) 陸側の標高値と海側の標高値とをそれぞれ
決定する手段と、(2) 各頂点について得た2つの標高値
によって海岸線の陸側の地形と海側の地形とを出力する
手段とを備えることを特徴とする。
【0010】以上のように、第1の発明によれば、海岸
線を表す折れ線の各頂点それぞれについて陸側と海側と
の2つの標高値を決定し、当該2つの標高値を用いて陸
側の地形と海側の地形を出力するので、従来のように1
つの標高値を用いる場合では表現できなかった海岸線の
断崖部分を表現できるようになる。
【0011】(B)また、かかる課題を解決するため、
第2の発明においては、メッシュを構成するグリッド点
の標高値と、海岸線を表す折れ線の地形データとに基づ
いて3次元地形データを生成し、当該3次元地形データ
によって得られた3次元地形を表示又は印刷出力する3
次元地形出力装置において、次のようにしたことを特徴
とする。
【0012】すなわち、(1) 海岸線を表す折れ線の各頂
点について、陸側の標高値に海側の標高値を代入して、
その陸側の地形の傾斜の勾配を算出する手段と、(2) 勾
配が予め決めておいた勾配の基準値よりも大きい場合、
その頂点について陸側の標高値を周囲の標高値から補間
により求めてその海岸線についての陸側の地形出力に使
用し、勾配が基準値よりも小さい場合、陸側の標高値を
用いず海側の標高値のみを用いて地形を描画する手段と
を備えたことを特徴とする。
【0013】以上のように、第2の発明によれば、海岸
線を表す折れ線の各頂点について陸側の傾斜勾配を求
め、その傾斜勾配が予め決めた勾配値よりも急である場
合には、その頂点の海側と陸側の標高値を別々に決定
し、勾配値よりも小さい場合には、海側の標高値だけを
用いるようにするので、全ての頂点について陸側の標高
値を求める場合に比して処理の高速化が図れる。また、
勾配の急な部分には、第1の発明と同様、2つの標高値
を用いるので、その分現実に近い表現が可能になる。
【0014】(C)さらに、かかる課題を解決するた
め、第3の発明においては、メッシュを構成するグリッ
ド点の標高値と、海岸線を表す折れ線の地形データとに
基づいて3次元地形データを生成し、当該3次元地形デ
ータによって得られた3次元地形を表示又は印刷出力す
る3次元地形出力装置において、次のようにしたことを
特徴とする。
【0015】すなわち、(1) 視点位置からの距離により
地形を近距離、中距離、遠距離に分割する手段と、(2)
海岸線を表す折れ線の各頂点について、陸側の標高値と
海側の標高値とをそれぞれ決定する手段と、(3) 陸側の
標高値と海側の標高値との差が予め決められた標高差の
基準値よりも大きい場合には陸側の標高値を近距離の地
形に対して使用し、小さい場合には陸側の標高値を近距
離の地形に対して使用しないことを決定する手段と、
(4) 海岸線を表す折れ線の各頂点について、陸側の標高
値に海側の標高値を代入して、その陸側の地形の傾斜の
勾配を算出する手段と、(5) 勾配が予め決めておいた勾
配の基準値よりも大きい場合にはその海岸線の頂点にお
ける陸側の標高値を中距離の地形に対して使用し、小さ
い場合にはその海岸線の頂点における陸側の標高値を中
距離の地形に対して使用しないことを決定する手段と、
(6) 遠距離の地形に対しては陸側の標高値を使用しない
ことにする手段とを備えるようにする。
【0016】以上のように、第3の発明によれば、近景
は大きく表現され細かい地形の変化も認識できる点を考
慮し、中景は近景よりは地形の変化の認識が低下する点
を考慮し、遠景は小さく表現され細かい地形の変化が認
識できない点を考慮して描画できるので、視覚特性に違
和感のない地形を短時間で出力することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(A)第1の実施形態 以下、本発明に係る3次元地形出力装置の第1の実施形
態を、図面を参照しながら説明する。
【0018】この第1の実施形態に係る3次元地形出力
装置の特徴は、グリッドベースの地形データ(標高デー
タ)と海岸線を表す折れ線データとを用いて3次元地形
を表示し出力する際、海岸線を表す折れ線の各頂点につ
いて2つの標高値(海側標高値と山側標高値)を用意
し、その標高差に応じて海岸線部分を描画するポリゴン
を切り替えるようにした点である。
【0019】すなわち、この3次元地形出力装置は、各
頂点について求めた陸側標高値と海抜ゼロの海側標高値
との差分を予め決めておいた標高差と比較し、差分が基
準値よりも大きい場合には、その頂点について、陸側標
高値と海側標高値の2つの標高値を使って陸と海のポリ
ゴンを描画すると共にその間のギャップを断崖絶壁を表
すポリゴンで描画し、差分が基準値よりも小さい場合に
は、その頂点について、海側の標高値のみを便って陸と
海のポリゴンを描画するようにした点を特徴とする。以
下、この点について、図面を参照しながら詳述する。
【0020】(A−1)第1の実施形態に係る3次元地
形出力装置の構成 この第1の実施形態に係る3次元地形出力装置は、実際
上、キーボードやマウス等の入力装置、ディスプレイや
プリンタ等の出力装置、ハードディスク等の補助記憶装
置等を周辺装置として備えるコンピュータグラフィック
ス用のワークステーションやパーソナルコンピュータで
なる。
【0021】図4は、かかる情報処理装置としてのワー
クステーションのハードウェア構成をブロック図として
表したものであり、図に示すように、中央処理ユニット
(CPU)4及びメモリ5からなるワークステーション
本体6と、入力装置としてのマウス1及びキーボード2
と、出力装置としてのCRTディスプレイ3と、後述す
る所定データを記憶している外部記憶装置7とから構成
されている。
【0022】このうち、CPU4は、上述したような海
岸線部分についての特殊な処理を実際に実行する部分で
あり、このソフトウェア処理は図1のようになる。
【0023】まず、CPU4は、ステップSP1におい
て、予め用意されているグリッド点とその標高(海抜)
及び、海岸線を表す地平面上の折れ線の頂点列とからな
る原データを入力する。これを、原データ入力処理とい
う。
【0024】次に、CPU4は、ステップSP2の処理
に移り、原データから地平面をポリゴンに分割する。こ
れを、ポリゴン分割処理という。
【0025】このようにポリゴンへの分割が終了する
と、CPU4は、ステップSP3において、海岸線の各
頂点に対してその標高を決定する処理を実行する。これ
を、海岸線標高差処理という。
【0026】そして、その処理結果を基に、CPU4
は、ステップSP4において、陸と海のポリゴン及び断
崖絶壁のポリゴンを描画し、処理を終了する。これを、
描画処理という。
【0027】以上が、CPU4による海岸線再現処理の
処理手順である。この処理を実行すると、前述したよう
に現実に近い形の3次元地形が得られる。なお、図1中
で破線で示した海岸線標高差処理、すなわちステップS
P3の内部処理の詳細については後述する。
【0028】さて、各処理を詳述する前に、この実施形
態において予め用意されている固定データについて説明
する。固定データ(例えば、外部記憶装置7に格納され
ている)としては、3次元地形表示しようとする対象領
域のグリッド点とその標高値(海抜)および海岸線を表
す地表面上の折れ線の頂点列とがあり、更に、陸や海及
び断崖絶壁をカラー表示するために用いられる色情報や
光の反射係数、テクスチャマッピングに用いられるテク
スチャパターンなどがある。
【0029】(A−2)第1の実施形態の動作 以上の構成において、第1の実施形態に係る3次元地形
出力装置による具体的な3次元地形作成動作を、図1で
説明した各処理ごとに説明する。
【0030】(A−2−1)原データ入力処理 まず、ステップSP1の原データ入力処理において、C
PU4は、外部記憶装置7に格納されているグリッド点
とその標高値および海岸線の折れ線の頂点列及び色情報
や光の反射係数、テクスチャパターン等のデータを読み
出し、これをメモリ5に書き込む。
【0031】(A−2−2)ポリゴン分割処理 このデータの書き込みが終わると、ステップSP2のポ
リゴン分割処理に進む。ここで、CPU4は、図5
(A)に示すように、メモリ5に書き込んだグリッド点
12と海岸線の折れ線11とから、グリッド点を頂点と
するメッシュと海岸線の折れ線との交点14を求める。
以下では、海岸線の折れ線の頂点13と、メッシュと海
岸線の折れ線との交点14とを合わせて海岸線頂点と呼
ぶ。
【0032】次に、海岸線頂点を含む1つのメッシュの
それぞれについて、図5(B)に示したように、メッシ
ュ内の海岸線によって複数の領域に分けられた各多角形
を、図中の破線で示したようにグリッドを頂点とした三
角形に分割する。この分割により得られたそれぞれの三
角形を、このステップSP2で求めるポリゴンとする。
また、海岸線頂点を含まないメッシュにおいては、従来
と同様の方法によりどちらかの対角線を使って2つの三
角形に分割し、それらを求めるポリゴンとする。
【0033】なお、以下では海岸線頂点を含むメッシュ
を海岸線メッシュと呼び、海岸線頂点を頂点とするポリ
ゴンを海岸線ポリゴンと呼ぶ。
【0034】(A−2−3)海岸線標高差処理 このように、ポリゴンへの分割が終了すると、次はステ
ップSP3に係る海岸線標高差処理に移る。因みに、こ
のステップSP3は、図1で破線で囲んだ部分の処理が
全ての海岸線頂点に対して処理済みであるか否かを判定
するステップSP31、海岸線頂点の陸側の標高値を計
算する陸側標高値計算処理としてのステップSP32、
陸側の標高値と海側の標高値(海抜ゼロ)との差につい
て予め決めてある標高差との大小関係を判定するステッ
プSP33、海岸線頂点において陸側標高値を使用する
ことを指定するステップSP34、海岸線頂点において
陸側標高値を使用しないことを指定するステップSP3
5からなる。
【0035】以下、処理手順に沿って図を使って説明す
る。
【0036】まず、以下の処理では全ての海岸線頂点に
対してそれぞれ処理するため、ステップSP31におい
て、全ての海岸線頂点に対して処理が済んだか否かを判
定する。ここで、処理が済んでいることが確認される
と、肯定結果を得てステップSP4に移り前述のように
描画処理に移行する。これに対して、処理が済んでいな
い場合は、否定結果を得てステップSP32に進み、処
理が済んでいない海岸線頂点について陸側標高値計算処
理を実行する。
【0037】ステップSP32の陸側標高値計算処理で
は、その都度対象とされている海岸線頂点について陸側
の標高値が求められる。海側の標高値は海抜ゼロとする
のが妥当なので計算する必要はない。陸側の標高値の計
算方法は、その海岸線頂点を含む海岸線メッシュ(四角
形)の4つの頂点(つまり、グリッド点)の標高値から
幾何学的な線形補間で求める。
【0038】しかし、メッシュの4つのグリッド点は、
それぞれの標高値により3次元的に見た時に、メッシュ
は1つの平面になるとは限らない。例えば、図6(A)
及び(B)に示すように、メッシュを対角線で2つの三
角形に分割するにしても、その際の対角線の向きにより
異なる標高値が得られてしまう。すなわち、図6(A)
及び(B)の場合、黒丸で示した海岸線頂点から幾何学
的な線形補間によって標高値を求めても白丸で示すよう
に2通りの値が得られることになる。
【0039】なお、この第1の実施形態においては、こ
れら2通りの値のうち数値的に小さい方を陸側の標高値
に決定する。なぜならば、海岸線頂点の陸側の標高を決
定しようとしているので、海抜ゼロに近い値が妥当と考
えられるからである。
【0040】このように、陸側標高値の計算処理が終了
すると、CPU4は、次のステップSP33の標高差判
定処理に進み、前述の陸地標高値計算処理で決定した海
岸線頂点の陸側の標高値と、海抜ゼロの海側の標高値と
の差を、予め決めてある標高差の基準値と比較する。こ
の比較結果により、陸側標高値と海側標高値との差が標
高差の基準値より大きい場合にはステップSP34に進
み、小さい場合にはステップSP35に進む。
【0041】さて、ステップSP34に進んだ場合、C
PU4は、その都度処理対象としている海岸線頂点に対
し、海側標高値と陸側標高値とを共に使用することを記
録して、ステップSP31に戻る。
【0042】一方、ステップSP35に進んだ場合、C
PU4は、その都度処理対象としている海岸線頂点に対
し、海側標高値のみを使用し陸側標高値を使用しないこ
とを記録し、ステップSP31に戻る。
【0043】以上がステップSP3に示す海岸線標高差
処理の内容であるが、その処理の目的について、垂直面
を2次元で示した図7を使用することにより説明する。
海岸線頂点における陸側標高値と海側標高値との差は、
海岸線での断崖絶壁の高さと見ることができる。
【0044】例えば、図7(A)の場合、陸側標高値と
海側標高値との差が標高差の基準値よりも大きいので高
い断崖絶壁であることが分かる。一方、図7(B)の場
合、陸側標高値と海側標高値との差が標高差の基準値よ
りも小さいので低い断崖絶壁であることが分かる。低い
断崖絶壁は3次元地形図として省略しても景観に与える
影響は少ない。
【0045】従って、図7(B)では陸側の標高値を使
わずになだらかな海岸線を表示すれば良い。また、図7
(A)では断崖絶壁を3次元地形図として表現するた
め、海岸線の陸側のポリゴンでは陸側標高値を使い、海
岸線の海側のポリゴンでは海側標高値を使う。そして、
この陸側と海側の標高値の差による断崖絶壁を表現する
ため、その差によって発生するギャップを塞ぐように新
たなポリゴンを次の描画処理で描画する。
【0046】(A−2−4)描画処理 さて、ステップSP4で与えられる描画処理に移ると、
CPU4は、まず、前記ポリゴン分割処理(ステップS
P2)で得られた各ポリゴンについて描画を行う。ポリ
ゴンの描画では、ポリゴンの3つの頂点の3次元座標と
色情報や光の反射係数、及び、テクスチャマッピングの
パターンを使って隠面処理やシェーディング処理等が行
われる。これらの隠面処理やシェーディング処理等は、
従来からの方法をそのまま適用するので説明は省略す
る。
【0047】ただし、海岸線頂点を頂点とする陸を表す
ポリゴンの場合、その頂点として陸側標高値を使うこと
が前記海岸線標高差処理(ステップSP3)で記録され
ているときは、先に陸側標高値として求めた3次元座標
を使い、陸側標高値を使わないことが前記海岸線標高差
処理(ステップSP3)で記録されているときは、海側
標高値と同じ標高値を用いた3次元座標を使う。
【0048】また、海岸線頂点を頂点とする海を表すポ
リゴンの場合には、海側標高値を用いた3次元座標を使
用する。
【0049】なお、上記描画では、ポリゴンは海を表す
場合と陸を表す場合とにおいて使用する色情報や光の反
射係数、及び、テクスチャマッピングのパターンをそれ
ぞれに適したものを使用する。
【0050】次に、海岸線に関して、海岸線頂点を折れ
線に沿って以下の処理をする。つまり、各海岸線頂点に
対し、前記海岸線標高差処理(ステップSP3)で陸側
標高値を使用すると記録されていた場合には、断崖絶壁
を表現するための新たなポリゴンを描画する処理を実行
する。
【0051】ここで、新たなポリゴンの例として、図8
(A)及び(B)に示した。図8(A)と図8(B)の
違いは、現在対象としている海岸線頂点に隣接する次の
海岸線頂点が、海岸線標高差処理(ステップSP3)に
おいて陸側標高値を使用すると記録されていたか、それ
とも使用しないと記録されていたかの違いである。
【0052】どちらにしても陸を表すポリゴンと海を表
すポリゴンとの間にできるギャップを塞ぐように断崖絶
壁を表すポリゴンを描画する。なお、この断崖絶壁を表
すポリゴンの描画では、使用する色情報や光の反射係
数、及び、テクスチャマッピングのパターンを断崖絶壁
用のものを使用する。
【0053】(A−3)第1の実施形態の効果 以上のように、第1の実施形態によれば、海岸線を表す
折れ線の各頂点について2つの標高値を求め、その差分
の基準値に対する大小によっていずれの標高値を用いる
かを切り替えるようにしたことにより、3次元地形図に
おける海岸線を現実に近い自然な状態で表現することが
できる。特に、丘陵や山からすぐに海になる海岸線に見
られる断崖絶壁を表現することが可能になる。また、平
野から海に繋がる海岸線の場合には、従来同様、断崖絶
壁が現れないなめらかな海岸線の3次元地形図を得るこ
とができる。
【0054】すなわち、より現実に近い自然な3次元地
形図を出力できる3次元地形出力装置及び3次元地形出
力方法を得ることができる。
【0055】(B)第2の実施形態 以下、本発明に係る3次元地形出力装置の第2の実施形
態を、図面を参照しながら説明する。
【0056】この第2の実施形態に係る3次元地形出力
装置と第1の実施形態との違いは、グリッドベースの地
形データ(標高データ)と海岸線を表す折れ線データと
を用いて3次元地形を表示し出力させる際、まず、海岸
線の折れ線の各頂点の標高値を海抜ゼロと仮にした場合
の陸地の傾斜勾配を計算し、その計算結果と予め決めて
おいた勾配値との違いにより、第1の実施形態の場合と
同様に、2つの標高値を使用してポリゴンを描画するの
か、それとも1つの標高値だけを使用してポリゴンを描
画するのかを決定する点である。
【0057】すなわち、計算して得た勾配値が予め決め
ておいた勾配値よりも傾斜が急である場合には、その海
岸線頂点について陸側の標高値を求めると共に、その海
側の標高値を海抜ゼロとし、その頂点ではこの陸側標高
値と海側標高値の2つの標高値を使って陸と海のポリゴ
ンを描画する。このとき、海側と陸側とのギャップは断
崖絶壁を表すポリゴンで描画する。
【0058】一方、計算して得た勾配値が予め決めてお
いた勾配値よりも傾斜が緩やかである場合には、その海
岸線頂点については海側の標高値のみを使って陸と海の
ポリゴンを描画する。以下、この点について、図面を参
照しながら詳述する。
【0059】(B−1)第2の実施形態の構成 ここで、3次元地形出力装置としてのワークステーショ
ンのハードウェア構成については、図4に示した第1の
実施形態の場合と同様であるので、ここではその処理手
順についてのみ説明する。因みに、固定データについて
も第1の実施形態の場合と同じである。
【0060】図9が、第2の実施形態に係る処理手順を
示した図面である。
【0061】この実施形態の場合も、CPU4は、ステ
ップSP11において、予め用意されているグリッド点
とその標高(海抜)、及び、海岸線を表す地平面上の折
れ線の頂点列とからなる原データを入力する原データ入
力処理を実行する。
【0062】そして、次に、ステップSP12におい
て、原データから地平面をポリゴンに分割するポリゴン
分割処理を実行する。
【0063】ポリゴンへの分割が終了すると、次は、ス
テップSP13において、海岸線の各頂点に対してその
標高を決定するための海岸線勾配処理が実行される。そ
して最後に、ステップSP14において、陸と海のポリ
ゴン及び断崖絶壁のポリゴンを描画する描画処理が行わ
れる。
【0064】このように、一連の処理手順の多くは、第
1の実施形態の場合と同様である。異なるのは、ステッ
プSP14で示された海岸線勾配処理202の処理内容
である。
【0065】(B−2)第2の実施形態の動作 以上の構成において、第2の実施形態に係る3次元地形
出力装置による具体的な3次元地形作成動作を、図9で
説明した各処理ごとに説明する。
【0066】(B−2−1)原データ入力処理 ステップSP11における原データ入力処理の処理内容
は、第1の実施形態のステップSP1に示す原データ入
力処理と同じである。すなわち、CPU4により、外部
記憶装置7に格納されているグリッド点とその標高値お
よび海岸線の折れ線の頂点列及び色情報や光の反射係
数、テクスチャパターン等のデータが読み出され、メモ
リ5に書き込まれる。
【0067】(B−2−2)ポリゴン分割処理 ステップSP12に示すポリゴン分割処理の場合も、そ
の処理内容は、第1の実施形態のステップSP2に示す
ポリゴン分割処理と同じである。すなわち、メモリ5に
書き込んだグリッド点12と海岸線の折れ線11とか
ら、グリッド点を頂点とするメッシュと海岸線の折れ線
との交点14が求められ、これら海岸線頂点を含むメッ
シュについては、メッシュ内の海岸線によって複数の領
域に分けられた各多角形の三角形ポリゴンへの分解がな
される。また、海岸線頂点を含まないメッシュについて
も同様である。
【0068】(B−2−3)海岸線勾配処理 次に、本実施形態に特有な処理内容であるステップSP
13の海岸線勾配処理について説明する。この海岸線勾
配処理は、図9において破線で囲んだ部分の処理が順に
行われる。すなわち、海岸線勾配処理は、海岸線ポリゴ
ンで陸を表現するポリゴン(以下では、海岸線陸ポリゴ
ンと呼ぶ)に対し、ポリゴンの3次元勾配を算出する勾
配計算処理としてのステップSP131と、全ての海岸
線陸ポリゴンに対して処理済みであるか否かを判定する
ステップSP132と、海岸線陸ポリゴンの勾配と予め
決めてある勾配値との大小関係を判定するステップSP
133と、海岸線頂点の陸側の標高値を計算し便用する
ことを指定する陸側標高値計算処理としてのステップS
P134と、海岸線頂点において陸側標高値を使用しな
いことを指定するステップSP135とからなる。
【0069】以下、処理手順に沿って図を便って説明す
る。
【0070】まず、CPU4は、ステップSP131の
勾配計算処理において、全ての海岸線陸ポリゴンに対し
て3次元勾配を計算する。このとき、海岸線陸ポリゴン
の頂点の内で海岸線頂点であるものについては、その標
高値は海の標高値、つまり海抜ゼロを便用する。
【0071】計算方法は、図10に示すように、3次元
幾何計算により海岸線陸ポリゴンの法線ベクトルと地平
面の垂直ベクトルとのなす角度を求めることによって得
られる。
【0072】次のステップSP132では、全ての海岸
線陸ポリゴンに対して以降の処理が済んだかが判定さ
れ、処理が済んでいればステップSP14に進む。一
方、処理が済んでいなければ、処理が済んでいない海岸
線陸ポリゴンについてステップSP133の判定処理を
行う。
【0073】ステップSP133では、今対象としてい
る海岸線陸ポリゴンの勾配と、予め決めてある勾配の基
準値との比較が行われる。比較した結果、海岸線陸ポリ
ゴンの勾配が大きい場合にはステップSP134に進
み、小さい場合にはステップSP135に進む。
【0074】ここで、ステップSP134に示す陸側標
高値計算処理では、今対象としている海岸線陸ポリゴン
の頂点のうち海岸線頂点にあるものについて陸側の標高
値が計算され、その海岸線頂点に対して陸側標高値とそ
の陸側標高値を使用することが記録される。ここで、陸
側標高値の計算方法は、第1の実施形態で説明したステ
ップSP32の処理内容と同じである。
【0075】一方、ステップSP135に進んだ場合に
は、今対象としている海岸線陸ポリゴンの頂点のうち海
岸線頂点であるものについて、陸側標高値を便用しない
ことのみを記録する。
【0076】以上説明した海岸線勾配処理の処理の目的
を、垂直面を2次元で示した図11を使うことにより説
明する。図11(A)は、海岸線陸ポリゴンの勾配が、
勾配の基準値よりも大きい場合であり、このような地形
の海岸線は断崖絶壁をなすと考えられるので、海岸線頂
点の陸側標高値を求め、海岸線の陸側のポリゴンでは陸
側標高値を使い、海岸線の海側のポリゴンでは海側標高
値を使い、陸側標高値と海側標高値の間を塞ぐ断崖絶壁
のポリゴンを用いる。
【0077】また、図11(B)は、海岸線陸ポリゴン
の勾配が、勾配の基準値よりも小さい場合であり、この
ような地形の海岸線は緩やかな海に繋がると考えられる
ので、海岸線頂点の陸側標高値は便わずに海岸線を表示
すれば良い。
【0078】(B−2−4)描画処理 以上の処理が終了し、ステップSP14の描画処理に移
ると、CPU4は、第1の実施形態の場合と同様、ま
ず、ポリゴン分割処理で得られた各ポリゴンについて描
画を行う。このとき、勾配の緩急により、陸側標高値を
使うことが記録されているポリゴンについては先に求め
ておいた陸側標高値を使い、陸側標高値を使わないこと
が記録されているポリゴンについては海側標高値を用い
る。
【0079】次に、海岸線に関し、各海岸線頂点のうち
陸側標高値を使用すると記録されていた場合には、断崖
絶壁を表現するための新たなポリゴンを描画する。
【0080】(B−3)第2の実施形態の効果 以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形
態の場合と同様に、3次元地形図において海岸線を現実
に近い自然な状態で表現できる。特に、丘陵や山からす
ぐに海になるような海岸線の断崖絶壁を表現することが
可能になる。
【0081】なお、海岸線陸ポリゴンに占める陸地部分
が多く、その海岸線頂点が内陸側のグリッド点から離れ
ている場合には、陸地と海との勾配が小さくなるので、
海岸線頂点についての陸地標高値を第1の実施形態の基
準値と比べれば大きい場合でも、海岸線陸ポリゴンの勾
配が小さいとされるおそれがある。従って、第2の実施
形態では第1の実施形態よりも断崖絶壁として表現され
る箇所が少なくなり、第1の実施形態よりは簡略化され
た海岸線を表現することになるが、その代わり、断崖絶
壁の箇所が減る分だけ描画処理を短時間で行えるという
効果を有する。
【0082】この結果、より現実に近い自然な3次元地
形図を比較的短時間で出力できる3次元地形出力装置及
び3次元地形出力方法を得ることができる。
【0083】(C)第3の実施形態 以下、本発明に係る3次元地形出力装置の第3の実施形
態を、図面を参照しながら説明する。
【0084】この第3の実施形態に係る3次元地形出力
装置の特徴は、グリッドベースの地形データ(標高デー
タ)と海岸線を表す折れ線データを用い、操作者の指定
した視点位置や視線方向によって3次元地形を表示出力
させる場合において、近い距離の海岸線については第1
の実施形態で用いた海岸線標高差処理を用い、中間の距
離の海岸線には第2の実施形態で用いた海岸線勾配処理
を用い、遠い距離の海岸線には従来から用いられている
方法を用いて海岸線の地形を描画するようにする点であ
る。以下、この点について、図面を参照しながら詳述す
る。
【0085】(C−1)第3の実施形態の構成 この第3の実施形態に係る3次元地形出力装置のハード
ウェア構成についても、図4に示した第1及び第2の実
施形態に係るワークステーションの構成と同様であるの
で、ここではその処理手順についてのみ説明する。因み
に、固定データについても第1及び第2の実施形態の場
合と同じである。
【0086】図12に、第3の実施形態に係る処理手順
を示す。
【0087】この実施形態の場合も、CPU4が、一連
の処理を実行する。まず、ステップSP21において、
予め用意されているグリッド点と、その標高(海抜)、
及び、海岸線を表す地表面上の折れ線の頂点列からなる
原データを入力する。すなわち、原データ入力処理を実
行する。
【0088】次に、ステップSP22のポリゴン分割処
理により、原データから地平面をポリゴンに分割する。
【0089】ここまでは、第1及び第2の実施形態にも
共通の処理であるが、次のステップSP23に移ると、
海岸線の各頂点に対して視点からの距離が近距離の場合
の標高を決定するための海岸線標高差処理を実行する。
この処理は、第1の実施形態の処理に対応する処理であ
る。
【0090】続いて、次のステップSP24では、海岸
線の各頂点に対して視点からの距離が中距離の場合の標
高を決定するための海岸線勾配処理を実行する。この処
理は、第2の実施形態の処理に対応する処理である。
【0091】各ポリゴンについて、上述の処理が終了す
ると、ステップSP25において、操作者が指定する視
点位置や視線方向を入力するための視点視線入力処理を
実行する。
【0092】そして、次のステップSP26において、
各ポリゴンを視点からの距離に応じて近距離、中距離、
遠距離に分類する視点距離判別処理を実行する。
【0093】かかる後、近距離と判別されたポリゴンに
ついては、ステップSP27で、近距離のポリゴンを描
画する近距離描画処理を実行し、ステップSP28及び
ステップSP29の処理をスルーする。
【0094】これに対し、中距離と判別されたポリゴン
については、ステップSP27をスルーして次のステッ
プSP28に進み、中距離のポリゴンを描画する中距離
描画処理を実行する。
【0095】また、遠距離と判別されたポリゴンについ
ては、ステップSP27及びステップSP28をスルー
してステップSP29に進み、遠距離のポリゴンを描画
する遠距離描画処理を実行する。かかる処理からなる一
連の処理を実行することにより、視点からの距離に応じ
てポリゴン数を減らしながらも海岸線を現実に近く再現
する3次元地形を表示する。
【0096】(C−2)第3の実施形態の動作 以上の構成において、第3の実施形態に係る3次元地形
出力装置による具体的な3次元地形作成動作を、図12
で説明した各処理ごとに説明する。
【0097】(C−2−1)原データ入力処理 ステップSP21に示す原データ入力処理は、第1及び
第2の実施形態の原データ入力処理で実行されたのと同
じ内容である。すなわち、CPU4により、外部記憶装
置7に格納されているグリッド点と、その標高値および
海岸線の折れ線の頂点列及び色情報や光の反射係数、テ
クスチャパターン等のデータが読み出され、メモリ5に
書き込まれる。
【0098】(C−2−2)ポリゴン分割処理 ステップSP22に示すポリゴン分割処理も、その処理
内容は、第1及び第2の実施形態のポリゴン分割処理と
同じである。すなわち、メモリ5に書き込んだグリッド
点12と海岸線の折れ線11とから、グリッド点を頂点
とするメッシュと海岸線の折れ線との交点14が求めら
れ、これら海岸線頂点を含むメッシュについては、メッ
シュ内の海岸線によって複数の領域に分けられた各多角
形の三角形ポリゴンへの分解がなされる。また、海岸線
頂点を含まないメッシュについても同様である。
【0099】(C−2−3)海岸線標高差処理 ステップSP23に示す海岸線標高差処理は、第1の実
施形態で説明したステップSP3の処理とほぼ同じであ
る。すなわち、ステップSP3の場合と同様に、ステッ
プSP31、SP32及びSP33の処理が順番に実行
される。ただし、ステップSP3では、ステップSP3
3の判定結果に応じて、海岸線頂点に対して陸側標高値
を使用するか否かを記録していたが、この処理では、近
距離描画用の情報として記録する。
【0100】(C−2−4)海岸線勾配処理 ステップSP24に示す海岸線勾配処理は、第2の実施
形態で説明したステップSP13の処理とほぼ同じであ
る。すなわち、ステップSP13の場合と同様に、ステ
ップSP131、SP132、SP133の処理が順番
に実行される。ただし、ステップSP13では、ステッ
プSP133の判定結果に応じて、海岸線頂点に対して
陸側標高値を使用するか否かを記録していたが、この処
理では、中距離描画用の情報として記録する。
【0101】(C−2−5)視点祝線入力処理 ステップSP25の視点視線入力処理では、操作者がマ
ウス1やキーボード2を使って3次元地形表示させる視
点の位置や視線の方向を指定する情報を入力する。ここ
で指定された視点位置や視線方向は、ワークステーショ
ン本体6のメモリ5に記憶される。
【0102】(C−2−6)視点距離判別処理 ステップSP26の視点距離判別処理では、視点視線入
力処理としてメモリ5に記憶されている視点位置を基
に、ステップ22のポリゴン分割処理で得られている各
ポリゴンを、視点からの距離に応じて近距離、中距離、
遠距離に分類する。この際、視点位置と各ポリゴンとの
距離は、ポリゴンを含むメッシュの中心点(標高値は海
抜ゼロとする)と視点位置との3次元ユークリッド距離
として算出する。
【0103】次に、予め決めておいた近距離、中距離、
遠距離を分けるための距離値を使い分類する。この距離
値には、近距離と中距離とを分ける定数Constant Nea
r、中距離と遠距離とを分ける定数Constant Farの2つ
がある。当然、0<Constant Near<Constant Farの不
等号式が成り立つように定数は決めておく。
【0104】そして、各ポリゴンと視点位置との距離Di
stanceと上記定数とを比較し、Distance≦Constant Nea
rの場合にはそのポリゴンを近距離とし、Constant Near
<Distance≦Constant Farの場合にはそのポリゴンを中
距離とし、残りのConstant Far<Distanceの場合にはそ
のポリゴンを遠距離として分類する。
【0105】(C−2−7)近距離描画処理 ステップSP27の近距離描画処理では、視点距離判別
処理において近距離と分類されたポリゴンに対して、第
1の実施形態のステップSP4と同様の描画処理を行
う。すなわち、陸側標高値が基準値を超える部分には、
断崖絶壁を描画する。ただし、陸側標高値を使うか使わ
ないかの記録は、海岸線標高差処理(ステップSP2
3)で記録されている近距離描画用の情報を用いる。
【0106】(C−2−8)中距離描画処理 ステップSP28の中距離描画処理では、視点距離判別
処理において中距離と分類されたポリゴンに対して、第
2の実施形態のステップSP14と同様の描画処理を行
う。すなわち、海岸線陸ポリゴンの勾配が基準値より大
きいものについて、断崖絶壁を描画する。ただし、陸側
標高値を便うか便わないかの記録は、海岸線勾配処理
(ステップSP24)で記録されている中距離描画用の
情報を用いる。
【0107】(C−2−9)遠距離描画処理 ステップSP29の遠距離描画処理では、視点距離判別
処理において遠距離と分類されたポリゴンに対して、従
来から用いられている方法で描画処理を行う。すなわ
ち、断崖絶壁を一切用いない方法で、陸と海をなだらか
に繋ぐポリゴンを描画する。
【0108】なお、これらステップSP27、SP28
及びSP29におけるポリゴンの描画では、ポリゴンの
3つの頂点の3次元座標と色情報や光の反射係数、及
び、テクスチャマッピングのパターンを使って隠面処理
やシェーディング処理等を行う。これらの隠面処理やシ
ェーディング処理等は、従来からの方法をそのまま適用
するので説明は省略する。
【0109】ただし、海岸線頂点を頂点とする陸の表す
ポリゴンの場合、その頂点の標高値は海抜ゼロを使用す
る。なお、上述の描画処理では、ポリゴンは海を表す場
合と陸を表す場合とで使用する色情報や光の反射係数、
及び、テクスチャマッピングのパターンをそれぞれに適
したものを使用する。
【0110】(C−3)第3の実施形態の効果 以上のように、第3の実施形態によれば、視点位置に対
して近距離にある海岸線については細部まで断崖絶壁を
正確に表示し、視点位置に対して中距離にある海岸線に
ついては断崖絶壁をやや減らして表示し、視点位置に対
して遠距離にある海岸線については細かい地形の変化を
認識できないので断崖絶壁を全くなくして表示する。
【0111】これにより、全海岸線について一律に断崖
絶壁を描画する場合に比して、描画処理の短縮化を実現
することができる。また、距離が遠くなるに従って断崖
絶壁の表示を減らしても、距離が遠い景色は小さく見え
るので遠い断崖絶壁は認識できなくなるので、十分現実
に近い自然な海岸線を描画することができる。
【0112】すなわち、より現実に近い自然な3次元地
形図を出力できる3次元地形出力装置及び3次元地形出
力方法を得ることができる。
【0113】(D)他の実施形態 (D-1) なお、上述の実施形態においては、本発明に係る
3次元地形の描画処理をワークステーション等の情報処
理装置でソフトウェア上の処理として実現する場合につ
いて述べたが、本発明はこれに限らず、ハードウェア上
の処理として実現するようにしても良い。
【0114】(D-2) また、上述の実施形態においては、
本発明に係る3次元地形の描画処理を実現するソフトウ
ェアの格納先については特に言及しなかったが、ワーク
ステーション内のメモリに格納し、実行させれば良い。
なお、このソフトウェアは、CD−ROM等の光ディス
ク媒体や磁気ディスク媒体等に格納しておき、使用時に
本体のメモリに読み込むようにしても良い。
【0115】(D-3) また、上述の実施形態においては、
生成された3次元地形を画面上にのみ表示する場合につ
いて述べたが、本発明はこれに限らず、印刷手段を用い
て印刷する場合にも適用し得る。
【0116】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、海岸線
を表す折れ線の各頂点それぞれについて陸側と海側との
2つの標高値を決定し、当該2つの標高値を用いて陸側
の地形と海側の地形を出力するようにしたことにより、
従来に比して海岸線部分の段差、すなわち断崖部分をよ
り自然に近い状態で表現できる3次元地形出力方法及び
装置を実現できる。また、かかる機能を実現できるコン
ピュータプログラムを記憶した記録媒体を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る3次元地形出力方法の処
理手順を示すフローチャートである。
【図2】グリッド点とその標高データの説明に供する説
明図である。
【図3】ポリゴンを用いた3次元地形の出力概要図であ
る。
【図4】実施形態に共通のハードウェア構成を示すブロ
ック図である。
【図5】海岸線のポリゴン分割の例を説明する説明図で
ある。
【図6】海岸線頂点の標高値の算出方法を説明する説明
図である。
【図7】陸側標高値と海側標高値との標高差の説明に供
する説明図である。
【図8】断崖絶壁を表すポリゴンの説明図である。
【図9】第2の実施形態に係る3次元地形出力方法の処
理手順を示すフローチャートである。
【図10】ポリゴンの勾配を説明する説明図である。
【図11】勾配と陸側標高値及び海側標高値との関係を
示す説明図である。
【図12】第3の実施形態に係る3次元地形出力方法の
処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…マウス、2…キーボード、3…CRT、4…CP
U、5…メモリ、6…ワークステーション本体、7…外
部記憶装置。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メッシュを構成するグリッド点の標高値
    と、海岸線を表す折れ線の地形データとに基づいて3次
    元地形データを生成し、当該3次元地形データによって
    得られた3次元地形を表示又は印刷出力する3次元地形
    出力方法において、 上記海岸線を表す折れ線の各頂点について、陸側の標高
    値と海側の標高値とをそれぞれ決定し、各頂点について
    得た2つの標高値によって海岸線の陸側の地形と海側の
    地形とを出力することを特徴とする3次元地形出力方
    法。
  2. 【請求項2】 上記海岸線の陸側の標高値と海側の標高
    値とが異なる場合に、その間に断崖絶壁を描画すること
    を特徴とする請求項1に記載の3次元地形出力方法。
  3. 【請求項3】 陸側の標高値と海側の標高値との差が予
    め決められた標高差の基準値よりも大きい場合に上記断
    崖絶壁を描画し、上記差が基準値よりも小さい場合には
    陸側の標高値を用いず海側の標高値のみを用いて地形を
    描画することを特徴とする請求項2に記載の3次元地形
    出力方法。
  4. 【請求項4】 上記陸側の標高値としては、海岸線を表
    す折れ線の各頂点を含むメッシュのグリッド点の標高値
    から線形補間により算出したものを用い、その頂点の海
    側の標高値としては、海抜ゼロとすることを特徴とする
    請求項1に記載の3次元地形出力方法。
  5. 【請求項5】 メッシュを構成するグリッド点の標高値
    と、海岸線を表す折れ線の地形データとに基づいて3次
    元地形データを生成し、当該3次元地形データによって
    得られた3次元地形を表示又は印刷出力する3次元地形
    出力方法において、 上記海岸線を表す折れ線の各頂点について、陸側の標高
    値に海側の標高値を代入して、その陸側の地形の傾斜の
    勾配を算出する処理と、 上記勾配が予め決めておいた勾配の基準値よりも大きい
    場合、その頂点について陸側の標高値を周囲の標高値か
    ら補間により求めてその海岸線についての陸側の地形出
    力に使用し、上記勾配が基準値よりも小さい場合、陸側
    の標高値を用いず海側の標高値のみを用いて地形を描画
    する処理とを備えたことを特徴とする3次元地形出力方
    法。
  6. 【請求項6】 陸側の標高値を陸側の地形出力に用いる
    場合、上記海岸線の陸側の地形と海側の地形との間に断
    崖絶壁を描画することを特徴とする請求項5に記載の3
    次元地形出力方法。
  7. 【請求項7】 メッシュを構成するグリッド点の標高値
    と、海岸線を表す折れ線の地形データとに基づいて3次
    元地形データを生成し、当該3次元地形データによって
    得られた3次元地形を表示又は印刷出力する3次元地形
    出力方法において、 視点位置からの距離により地形を近距離、中距離、遠距
    離に分割する処理と、 上記海岸線を表す折れ線の各頂点について、陸側の標高
    値と海側の標高値とをそれぞれ決定する処理と、 陸側の標高値と海側の標高値との差が予め決められた標
    高差の基準値よりも大きい場合には陸側の標高値を近距
    離の地形に対して使用し、小さい場合には陸側の標高値
    を近距離の地形に対して使用しないことを決定する処理
    と、 上記海岸線を表す折れ線の各頂点について、陸側の標高
    値に海側の標高値を代入して、その陸側の地形の傾斜の
    勾配を算出する処理と、 上記勾配が予め決めておいた勾配の基準値よりも大きい
    場合にはその海岸線の頂点における陸側の標高値を中距
    離の地形に対して使用し、小さい場合にはその海岸線の
    頂点における陸側の標高値を中距離の地形に対して使用
    しないことを決定する処理と、 遠距離の地形に対しては陸側の標高値を使用しないこと
    にする処理とを備えたことを特徴とする3次元地形出力
    方法。
  8. 【請求項8】 メッシュを構成するグリッド点の標高値
    と、海岸線を表す折れ線の地形データとに基づいて3次
    元地形データを生成し、当該3次元地形データによって
    得られた3次元地形を表示又は印刷出力する3次元地形
    出力装置において、 上記海岸線を表す折れ線の各頂点について、陸側の標高
    値と海側の標高値とをそれぞれ決定する手段と、 各頂点について得た2つの標高値によって海岸線の陸側
    の地形と海側の地形とを出力する手段とを備えたことを
    特徴とする3次元地形出力装置。
  9. 【請求項9】 メッシュを構成するグリッド点の標高値
    と、海岸線を表す折れ線の地形データとに基づいて3次
    元地形データを生成し、当該3次元地形データによって
    得られた3次元地形を表示又は印刷出力する3次元地形
    出力装置において、 上記海岸線を表す折れ線の各頂点について、陸側の標高
    値が仮に海側の標高値と一致するものとして、その陸側
    の地形の傾斜の勾配を算出する手段と、 上記勾配が予め決めておいた勾配の基準値よりも大きい
    場合、その頂点について陸側の標高値を周囲の標高値か
    ら補間により求めてその海岸線についての陸側の地形出
    力に使用し、上記勾配が基準値よりも小さい場合、陸側
    の標高値を用いず海側の標高値のみを用いて地形を描画
    する手段とを備えたことを特徴とする3次元地形出力装
    置。
  10. 【請求項10】 上記海岸線の陸側の地形と海側の地形
    との間に断崖絶壁を描画することを特徴とする請求項8
    又は請求項9に記載の3次元地形出力装置。
  11. 【請求項11】 メッシュを構成するグリッド点の標高
    値と、海岸線を表す折れ線の地形データとに基づいて3
    次元地形データを生成し、当該3次元地形データによっ
    て得られた3次元地形を表示又は印刷出力する3次元地
    形出力装置において、 視点位置からの距離により地形を近距離、中距離、遠距
    離に分割する手段と、 上記海岸線を表す折れ線の各頂点について、陸側の標高
    値と海側の標高値とをそれぞれ決定する手段と、 陸側の標高値と海側の標高値との差が予め決められた標
    高差の基準値よりも大きい場合には陸側の標高値を近距
    離の地形に対して使用し、小さい場合には陸側の標高値
    を近距離の地形に対して使用しないことを決定する手段
    と、 上記海岸線を表す折れ線の各頂点について、陸側の標高
    値を仮に海側の標高値と一致させ、その場合における陸
    側の地形の傾斜の勾配を算出する手段と、 上記勾配が予め決めておいた勾配の基準値よりも大きい
    場合にはその海岸線の頂点における陸側の標高値を中距
    離の地形に対して使用し、小さい場合にはその海岸線の
    頂点における陸側の標高値を中距離の地形に対して使用
    しないことを決定する手段と、 遠距離の地形に対しては陸側の標高値を使用しないこと
    にする手段とを備えたことを特徴とする3次元地形出力
    装置。
  12. 【請求項12】 メッシュを構成するグリッド点の標高
    値と、海岸線を表す折れ線の地形データとに基づいて3
    次元地形データを生成する処理と、当該3次元地形デー
    タによって得られた3次元地形を表示又は印刷出力させ
    る処理とを含むコンピュータプログラムを記憶した記録
    媒体において、 上記コンピュータプログラムには、海岸線を表す折れ線
    の各頂点について、陸側の標高値と海側の標高値とをそ
    れぞれ決定し、各頂点について得た2つの標高値によっ
    て海岸線の陸側の地形と海側の地形とを出力する処理が
    含まれることを特徴とする記録媒体。
  13. 【請求項13】 メッシュを構成するグリッド点の標高
    値と、海岸線を表す折れ線の地形データとに基づいて3
    次元地形データを生成する処理と、当該3次元地形デー
    タによって得られた3次元地形を表示又は印刷出力させ
    る処理とを含むコンピュータプログラムを記憶した記録
    媒体において、 上記コンピュータプログラムには、海岸線を表す折れ線
    の各頂点について、陸側の標高値が仮に海側の標高値と
    一致するものとして、その陸側の地形の傾斜の勾配を算
    出する処理と、 上記勾配が予め決めておいた勾配の基準値よりも大きい
    場合、その頂点について陸側の標高値を周囲の標高値か
    ら補間により求めてその海岸線についての陸側の地形出
    力に使用し、上記勾配が基準値よりも小さい場合、陸側
    の標高値を用いず海側の標高値のみを用いて地形を描画
    する処理とが含まれることを特徴とする記録媒体。
  14. 【請求項14】 メッシュを構成するグリッド点の標高
    値と、海岸線を表す折れ線の地形データとに基づいて3
    次元地形データを生成する処理と、当該3次元地形デー
    タによって得られた3次元地形を表示又は印刷出力させ
    る処理とを含むコンピュータプログラムを記憶した記録
    媒体において、 視点位置からの距離により地形を近距離、中距離、遠距
    離に分割する処理と、 上記海岸線を表す折れ線の各頂点について、陸側の標高
    値と海側の標高値とをそれぞれ決定する処理と、 陸側の標高値と海側の標高値との差が予め決められた標
    高差の基準値よりも大きい場合には陸側の標高値を近距
    離の地形に対して使用し、小さい場合には陸側の標高値
    を近距離の地形に対して使用しないことを決定する処理
    と、 上記海岸線を表す折れ線の各頂点について、陸側の標高
    値を仮に海側の標高値と一致させ、その場合における陸
    側の地形の傾斜の勾配を算出する処理と、 上記勾配が予め決めておいた勾配の基準値よりも大きい
    場合にはその海岸線の頂点における陸側の標高値を中距
    離の地形に対して使用し、小さい場合にはその海岸線の
    頂点における陸側の標高値を中距離の地形に対して使用
    しないことを決定する処理と、 遠距離の地形に対しては陸側の標高値を使用しないこと
    にする処理とを含むことを特徴とする記録媒体。
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