JPH1090815A - 画像記憶媒体内の記憶画像を表す写真信号の生成方法 - Google Patents

画像記憶媒体内の記憶画像を表す写真信号の生成方法

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JPH1090815A
JPH1090815A JP9228365A JP22836597A JPH1090815A JP H1090815 A JPH1090815 A JP H1090815A JP 9228365 A JP9228365 A JP 9228365A JP 22836597 A JP22836597 A JP 22836597A JP H1090815 A JPH1090815 A JP H1090815A
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photographic
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記憶蛍光体に記憶されている潜像を読み取
り、潜像が表す写真信号を生成する方法を提供する。 【解決手段】 単調非一様強度分布を有する赤外線ビー
ム122と、光に応答して画像信号を生成する画素から
なるセンサ・アレイ110を設ける。潜像の一部分であ
るオブジェクト領域108の画像をセンサ・アレイ11
0上に形成し、センサ・アレイの各画素に対応するフィ
クセルをオブジェクト領域108内に画定する。潜像1
03は、ビーム122によって形成されるほぼオブジェ
クト領域108にセンタリングされた誘導スポット11
4によって、誘導されて走査される。各フィクセルの写
真信号は、誘導スポット114に反応してフィクセルか
ら放出される光の累積によって表される。オブジェクト
領域108と誘導スポット114の位置が記憶蛍光体1
02の第1の軸Yに沿って移動されて、記憶画像のスラ
イスが走査される。また、第1の軸に直交する第2の軸
Xに沿って、連続するスライスが走査される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真に関し、詳細
には、写真フィルムではなく半導体に記憶された潜像を
読み取るスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】従来型の写真は、銀ベースの感光エマル
ジョンを被覆された可撓性バッキングで構成された写真
フィルムに基づくものである。本開示では、そのような
写真フィルムを従来型の写真フィルムと呼ぶ。従来型の
写真フィルムに基づく写真は、過去数年にわたって非常
に進歩しているが、いくつかの問題を有する。第1に、
従来型の写真フィルム・ベースの写真は環境面で問題が
ある。従来型の写真フィルムは、銀などの有毒薬品を必
要とし、かつ現像液を使用する必要があり、現像液を環
境面で受け入れられる方法で処分することにはますます
費用がかかるようになっている。
【0003】第2に、従来型の写真フィルムは再使用す
ることができない。大部分のカメラ・ユーザは、実際に
維持される各写真ごとに数枚の写真を撮る。このため、
多数のネガが無駄になる。この慣習のために、未使用ネ
ガのコストがかさむだけでなく、前述の処分問題が悪化
する。
【0004】第3に、従来型の未露光写真フィルムは、
有限の貯蔵寿命を有する。このため、冷凍貯蔵、また有
効期間の過ぎたフィルムの交換、あるいはその両方が必
要になることによって、写真のコストが増大する。
【0005】第4に、従来型の写真フィルムのダイナミ
ック・レンジは、多くの応用例では不適切である。白黒
フィルムでも、グレースケールは2.5ないし3程度に
過ぎない。カラー・フィルムはさらに制限される。多く
の応用例では、記録しなければならない強度の範囲はこ
のダイナミック・レンジを大幅に上回る。そのような場
合、写真の少なくともある部分を過度に露光し、あるい
は露光を不足にしなければならない。
【0006】最後に、写真におけるアーチファクト( ar
tifact )の補正は従来型のフィルム・ベースのシステム
では困難である。ネガの限られた領域の色を変更するこ
とはほぼ不可能である。したがって、フラッシュ・カメ
ラで撮ったポートレートの「赤い目( red eye ) 」など
のアーチファクトは、特殊なカメラ構成を使用し、ある
いはプリントを修整することによって処理しなければな
らない。後者の手法では、平均的なカメラ・ユーザが通
常有さない能力が必要である。
【0007】これらの欠点のために、低コストのコンピ
ューティング・システムがますます使用されると共に、
CCDカメラなどの半導体撮像システムに関心がもたれ
ている。そのようなカメラは、フラッシュ・メモリや磁
気ディスクなどコンピュータ読取り可能な媒体上に画像
を記憶する。画像は、コンピュータ読取り可能なので、
従来型のパーソナル・コンピュータなどのコンピュータ
上で実行されるソフトウェアの助けで変更することがで
きる。さらに、このようなシステムは、有毒薬品を使用
しなくても写真を生成し保管することができるという点
で従来型の写真フィルム・ベースのシステムよりも環境
面で優れている。さらに、記憶媒体は再使用可能であ
る。最後に、半導体システムのあるものは従来の写真フ
ィルムよりもダイナミック・レンジがはるかに広い。
【0008】残念なことに、従来型の写真フィルムで得
られる解像度に等しい解像度を有する半導体カメラは、
平均的なカメラ・ユーザが使用するには高価すぎる。こ
のようなカメラは現在、従来型の写真フィルムを使用す
る廉価なカメラのコストの約100倍の価格で販売され
ている。低コストの半導体カメラが市販されているが、
このようなカメラは従来型のフィルム・ベースのカメラ
よりも解像度が劣っている。半導体カメラには、各写真
を次の写真を撮る前に圧縮しておくのに必要な処理時間
のために各写真を連続的にかつ迅速に撮ることができな
いという欠点がある。さらに、現在市販されている半導
体カメラは、既存の写真フィルム・ベースのカメラ・シ
ステム向けに設計されたレンズと共に使用することがで
きない。最後に、コンピュータに関する知識のないユー
ザが、ディジタル画像を従来型の写真プリントに変換さ
せることは困難である。
【0009】したがって、従来型の写真フィルムの代わ
りとして新しい画像記憶媒体を開発することに関心が抱
かれている。理想的な代替画像記憶媒体は、従来型の写
真フィルムの代わりに従来型のカメラで使用できるフィ
ルムである。何年も前から記憶蛍光体( storage phosph
or )が知られている。可撓性バッキングに薄い記憶蛍光
体層を被覆することによって潜在的に有用な代替画像記
憶媒体を作製することができる。記憶蛍光体は、1つが
電子トラップを形成する、2つの不純物でドープされ
る。記憶蛍光体の表面上に最初の画像を形成する光は、
記憶蛍光体内の電子を接地状態から伝導帯へ上昇させ
る。入射光によって伝導帯へ上昇された電子は、近くの
電子トラップにトラップされる。トラップされた電子の
密度分布は、最初の画像を形成した光の光強度分布を反
映する。適当な記憶蛍光体では、トラップされた電子
は、数日間にわたって電子によってトラップされたまま
になる。
【0010】記憶蛍光体に記憶された潜像は、最初の画
像を形成した光よりも長い波長を有する放射で記憶蛍光
体を照明することによって読み取られる。たとえば、赤
外線を使用して、可視光で形成された潜像を読み取るこ
とができる。赤外線は、トラップされた電子を電子トラ
ップから伝導帯へ上昇させ、そのため電子は最初の状態
に戻り、可視光を生成する。生成される光の強度は、記
憶蛍光体内のトラップされている電子の密度分布に比例
し、したがって最初の画像の光強度分布に比例する。
【0011】記憶蛍光体から潜像を読み取ると、潜像が
ブリーチ ( bleach ) し、すなわち部分的に消去され
る。ブリーチングの程度は、赤外線照明の強度および継
続時間に依存する。潜像を読み取ると潜像がブリーチ
し、読み取られない潜像は経時的に劣化するので、記憶
蛍光体ベースの写真フィルムは、短期画像記憶機能しか
有さない。記憶蛍光体に記憶されている潜像は、表示し
かつ長期的に記憶できるように他の媒体へ転写しなけれ
ばならない。
【0012】記憶蛍光体に記憶されている潜像が長期的
に記憶できるように他の記憶媒体へ転写された後、高強
度の赤外線に長時間にわたって露光させると潜像は完全
に消去される。このため、記憶蛍光体は、再び可視光に
露光させるときには新しい潜像を記録する準備が完了し
ている。したがって、記憶蛍光体を使用するフィルムに
基づく写真システムは下記の利点を有する。この写真シ
ステムは、潜像が記憶された後の化学処理を必要としな
い。この写真システムは、再使用可能な記憶媒体を使用
する。最後に、この写真システムは、未露光状態での貯
蔵寿命が従来型の未露光写真フィルムの貯蔵寿命よりも
長い記憶媒体を使用する。しかし、記憶蛍光体ベースの
写真フィルムから与えられる利点を利用するには、潜像
を迅速にかつ簡単にかつ低コストで他の媒体に転写する
方法が必要である。
【0013】1949年にUrbachに譲渡された米国特許
第2482813号は、記憶蛍光体に基づく写真システ
ムについて説明している。Urbachは、記憶蛍光体の潜像
を接触印刷によって従来型の写真フィルムに転写するこ
とによって長期的に画像を記憶する方法を開示してい
る。記憶蛍光体は、従来型の写真フィルムに接触するよ
うに配置され、赤外線を照射される。従来型の写真フィ
ルムは、赤外線照明に応答して記憶蛍光体から放出され
る可視光のパターンの画像を記録する。この技法は有効
であるが、最初の画像を従来型の写真フィルム上に直接
記録することも容易なので、記憶蛍光体を媒介として使
用しても利点は得られない。さらに、Urbachの方法では
依然として、貯蔵寿命が有限であり有毒薬品を使用して
現像を行う必要がある従来型の写真フィルムを使用する
必要がある。
【0014】Lindmayer の米国特許第5065023号
は、記憶蛍光体ベースのカラー写真システムについて説
明している。カラー・フィルムの等価物を生成するため
に、Lindmayer によって開示されたシステムは、各層と
して配設された3つの記憶蛍光体を使用することが好ま
しい。各記憶蛍光体は2つのドーパントを有し、第1の
ドーパントは、3つの記憶蛍光体においてそれぞれ異な
り、記憶蛍光体の色感度、すなわち電子を記憶蛍光体の
伝導帯へ上昇させる光の色を決定する。第2のドーパン
トは、すべての3つの記憶蛍光体に関して同じであり、
電子トラップのエネルギー準位を決定する。第2のドー
パントは、潜像を読み取るために使用される光の波長を
決定する。
【0015】3つの記憶蛍光体層を赤外線で照明する
と、各記憶蛍光体はそれぞれの異なる色の光を放出す
る。各記憶蛍光体から放出される光の強度は、記憶蛍光
体が感応する波長範囲の最初の画像の光強度に依存す
る。この波長範囲は第1のドーパントによって決定され
る。通常、記憶蛍光体の放出スペクトルは、吸収スペク
トルと比べてより長い波長の方へシフトされる。しか
し、この結果得られる色のゆがみは、較正データとドー
パントのスペクトル感度の知識を使用して補正すること
ができる。
【0016】Lindmayer は、イメージ増倍管およびCC
Dカメラを使用して、記憶蛍光体に赤外線を照射し記憶
蛍光体から放出される結果的に得られる可視光を記録す
ることによって潜像を長期記憶媒体へ転写することを開
示している。この結果得られるビデオ信号は、コンピュ
ータ処理を受け、この結果得られる画像データをコンピ
ュータに記憶し、CRT上に表示し、あるいはカラー・
プリンタを使用して印刷することができる。画像データ
は、長期的に記憶できるように磁気ディスクまたは光デ
ィスク上に記憶することもできる。画像データは、「赤
い目」などのエラーを補正するように選択的に修正する
こともできる。
【0017】しかし、Lindmayer のシステムは、CCD
カメラを使用することによって、従来型の半導体カメラ
の最も顕著な制約を受け、すなわち解像度とコストの兼
ね合いをとらなければならない。さらに、Lindmayer の
システムは、イメージ増倍管上に記憶蛍光体の領域全体
の画像を形成する。この場合、レンズがイメージ増倍管
上に形成する潜像の画像の強度を最大にするにはレンズ
の開口数を大きくしなければならないので、大型で複雑
で高価なレンズが必要である。
【0018】前述の既知の記憶蛍光体ベースの写真シス
テムのうちで、長期的な記憶のために記憶蛍光体に記憶
されている潜像を迅速にかつ簡単にかつ低コストで読み
取る方法を与えるものはない。
【0019】本発明者は、記憶蛍光体ベースのフィルム
に記憶されている潜像を読み取る初期実験で使用するこ
とができる、フライングスポット・スキャナに基づく読
取り装置を考案した。この読取り装置では、潜像が記憶
されている記憶蛍光体を機械的x−yステージ上に取り
付け、潜像の表面上に赤外レーザ光線を合焦させ、直径
約10μmの誘導スポットを形成した。1フィクセルの
寸法に等しいステップ単位で機械的x−yステージを操
作し潜像内の誘導スポットの位置を変化させることによ
って、記憶蛍光体に記憶されている潜像を1度に1フィ
クセルずつ読み取った。下記で詳しく論じるように、フ
ィクセルとは潜像の1画素である。潜像の領域全体がラ
スタ・パターンとして走査されるまでこのプロセスを繰
り返した。赤外線に応答して潜像から放出される可視光
をレンズによって収集し、高利得光電子増倍管上で合焦
させた。光電子増倍管によって潜像の各フィクセルごと
に生成される写真信号をコンピュータに記憶した。コン
ピュータは、写真信号に色補正を施すようにもプログラ
ムした。次いで、この写真信号をコンピュータのカラー
・モニタを使用して表示し、あるいは適当な高解像度カ
ラー・プリンタを使用して印刷することができた。この
写真信号は、コンピュータのハード・ディスク上に記憶
し、あるいはコンピュータの外部に長期的に記憶するた
めにフロッピー・ディスクやCD−ROMやフラッシュ
・メモリなどの記憶媒体へ転送することができた。
【0020】赤外線に応答して潜像から放出される可視
光の強度は非常に低く、光電子増倍管は適当な信号雑音
比を得るために約200msの積分時間を必要とした。
このため走査速度は約5フィクセル/sに低下した。3
5mm写真フィルムに匹敵する空間解像度を与えるには
600万個よりも多くの画素を読み取らなければならい
ので、各潜像を記録するのに約70時間かかった。これ
は、商品としては低速すぎた。さらに、誘導スポットに
応答して可視光を放出する潜像の面積が誘導スポット自
体の面積よりも大きかったので、この構成の空間解像度
は予想されたよりも低かった。可視光放出面積は、赤外
線の記憶蛍光体散乱粒子のために誘導スポットの面積よ
りも大きかった。
【0021】したがって、記憶蛍光体に記憶されている
潜像を読み取る改良された装置が必要である。この装置
は、従来型の写真フィルムの空間解像度に匹敵する解像
度で、2分未満で潜像を走査すべきであり、直径の大き
な高速レンズの使用を必要とすべきではない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
【課題を解決するための手段】本発明は、画像記憶媒体
に記憶されている記憶画像を表す写真信号を生成する方
法を提供する。この方法では、センサ・アレイおよび誘
導ビームが使用される。センサ・アレイは、画素の長方
形アレイを含む。各画素は、光に応答して画像信号を生
成する。誘導ビームは、単調非一様強度分布を有する。
センサ・アレイ上に記憶画像のオブジェクト領域の画像
が形成され、センサ・アレイの各画素に対応するフィク
セルがオブジェクト領域内に画定される。オブジェクト
領域は、記憶画像の領域の小さな一部であり、記憶画像
に対する位置を有する。記憶画像は、誘導ビームを使用
して記憶画像上に誘導スポットを形成することによって
誘導される。誘導スポットは、オブジェクト領域にほぼ
センタリングされる。記憶画像は、オブジェクト領域お
よび誘導スポットを用いて走査される。これによって、
記憶画像内にフィクセルが画定され、各フィクセルごと
の写真信号が生成される。各フィクセルごとの写真信号
は、誘導スポットに応答してフィクセルから放出される
光の累積を表す。記憶画像を走査する際、オブジェクト
領域および誘導スポットの位置が第1の軸に沿って記憶
画像に対して連続的に変更され、記憶画像のスライス
( slice )が走査される。
【0023】記憶画像の連続スライスは、第1の軸にほ
ぼ直交する第2の軸に沿って走査される。記憶画像内の
オブジェクト領域の各位置で、センサ・アレイが、オブ
ジェクト領域内の各フィクセルから放出された光に応答
して画像信号を生成するように制御される。最後に、記
憶画像内の各フィクセルごとに、センサ・アレイによっ
て生成されたすべての画像信号が累積され、そのフィク
セルの写真信号が生成される。画像信号は、記憶画像内
のオブジェクト領域の各位置にありオブジェクト領域の
内側にあるフィクセルから放出される光に応答してセン
サ・アレイによって生成される。
【0024】誘導スポットは、強度と、ピーク強度と、
半径w0とを有し、強度は、ピーク強度のe-2である。
半径w0は、オブジェクト領域の幅の約3分の1でよ
い。
【0025】記憶画像のスライスを走査するためにオブ
ジェクト領域および誘導スポットの位置を変更する際、
スライスは、オブジェクト領域の幅に等しい幅を有す
る。記憶画像の連続スライスを走査する際、各スライス
は、スライスの幅の少なくとも半分のスライス重なり量
だけ重ね合わせることができる。スライス重なり量は、
スライスの幅の4分の3であることが好ましい。
【0026】誘導ビームは、単一のガウス強度分布を有
することができ、誘導スポットは好ましくは、オブジェ
クト領域の外側で強度がほぼ零である。
【0027】センサ・アレイは、時間遅れ積分(TD
I)モードで動作することが好ましい。この場合、セン
サ・アレイの画素は行と列の二次元アレイとして構成さ
れ、この場合、列は第1の軸に平行である。すべての画
像信号を累積してフィクセルの写真信号を生成する際、
フィクセルがオブジェクト領域の内側に存在する記憶画
像の各スライスを走査するときに、センサ・アレイの1
つの列内の画素によって生成されたすべての画像信号が
累積され、そのフィクセルの累積画像信号が生成され
る。累積される画像信号は、フィクセルがオブジェクト
領域の内側にあるこのオブジェクト領域の連続位置でフ
ィクセルから放出された光に応答して生成された画像信
号だけである。また、フィクセルに関して生成された累
積画像信号はさらに累積され、そのフィクセルの写真信
号が生成される。
【0028】代替的に、すべての画像信号を累積してフ
ィクセルの写真信号を生成する際、フィクセルがオブジ
ェクト領域内にある記憶画像の各スライスを走査すると
きに、センサ・アレイによって生成されたすべての画像
信号が累積され、そのフィクセルの写真信号が生成され
る。累積される画像信号は、フィクセルがオブジェクト
領域の内側にあるこのオブジェクト領域および誘導スポ
ットの連続位置でフィクセルから放出された光に応答し
て生成された画像信号だけである。
【0029】この方法は、記憶蛍光体に記憶されている
潜像を表す写真信号を生成することができ、この場合、
誘導ビームは赤外線ビームでよい。
【0030】この方法は、画像記憶媒体に記憶されてい
る記憶画像を表す写真信号を生成する装置も提供する。
この装置は、センサ・アレイと、画像形成手段と、誘導
手段と、写真信号生成手段とを備える。センサ・アレイ
は、光に応答して画像信号を生成する画素の、長方形ア
レイである場合を含む。画像形成手段は、記憶画像のオ
ブジェクト領域の画像をセンサ・アレイ上に形成し、セ
ンサ・アレイ内の各画素に対応するフィクセルをオブジ
ェクト領域内に画定する。オブジェクト領域は、記憶画
像の小さな一部であり、記憶画像に対する位置を有す
る。誘導手段は、単調非一様強度分布を有する誘導ビー
ムを用いて記憶画像を誘導し、ほぼオブジェクト領域に
センタリングされた誘導スポットを形成する。写真信号
生成手段は、記憶画像を走査して記憶画像内にフィクセ
ルを画定し、各フィクセルごとの写真信号を生成する。
写真信号は、誘導ビームに応答してフィクセルから放出
される光の強度を表す。
【0031】写真信号生成手段は、位置チェンジャと、
コントローラと、画像信号アキュムレータとを含む。位
置チェンジャは、第1の軸に沿って記憶画像に対してオ
ブジェクト領域および誘導スポットの位置を連続的に変
更し記憶画像のスライスを走査し、第1の軸にほぼ直交
する第2の軸に沿って記憶画像の連続スライスを走査す
る。コントローラは、記憶画像内のオブジェクト領域の
各位置で動作し、オブジェクト領域内の各フィクセルか
ら放出された光に応答して画像信号を生成するようにセ
ンサ・アレイを制御する。画像信号アキュムレータは、
記憶画像内の各画素ごとに動作し、フィクセルから放出
された光に応答してセンサ・アレイによって生成された
すべての画像信号を累積しそのフィクセルの写真信号を
生成する。フィクセルに関して累積される画像信号は、
フィクセルがオブジェクト領域の内側にある記憶画像内
のこのオブジェクト領域の各位置にあるフィクセルに関
してセンサ・アレイによって生成された画像信号であ
る。
【0032】誘導ビームは、強度と、ピーク強度と、半
径w0とを有し、強度は、ピーク強度のe-2である。半
径w0は、オブジェクト領域の幅の約3分の1でよい。
【0033】各スライスは、オブジェクト領域の幅に等
しい幅を有し、位置チェンジャは、スライスの幅の少な
くとも半分のスライス重なり量だけ重なり合ったスライ
スにおいて記憶画像を走査することができる。前述のよ
うに、好ましいスライス重なり量は、スライスの幅の4
分の3である。
【0034】誘導ビームは、単一のガウス強度分布を有
することができる。誘導スポットはオブジェクト領域の
外側で強度がほぼ零であることが好ましい。
【0035】センサ・アレイは、時間遅れ積分(TD
I)センサ・アレイを含むことができ、この場合、セン
サ・アレイの画素は行と列の二次元アレイとして構成さ
れ、列は第1の軸に平行であり、アキュムレータは、列
アキュムレータとスライス単位アキュムレータとを含
む。列アキュムレータは、位置チェンジャが、フィクセ
ルがオブジェクト領域の内側に存在する記憶画像の各ス
ライスを走査するときに動作し、センサ・アレイの1つ
の列内の画素によって生成されたすべての画像信号を累
積し、そのフィクセルの累積画像信号を生成する。列ア
キュムレータは、フィクセルがオブジェクト領域の内側
にあるこのオブジェクト領域および誘導スポットの連続
位置でフィクセルから放出された光に応答して生成され
た画像信号を累積するに過ぎない。スライス単位アキュ
ムレータは、列アキュムレータによってフィクセルに関
して生成された累積画像信号を累積し、そのフィクセル
の写真信号を生成する。
【0036】画像プロセッサは、フィクセルがオブジェ
クトの内側にある記憶画像の各スライスを位置チェンジ
ャが走査するときに動作し、フィクセルから放出された
光に応答してセンサ・アレイによって生成されたすべて
の画像信号を累積し、そのフィクセルの写真信号を生成
する累積要素を含むことができる。この累積要素は、フ
ィクセルがオブジェクト領域の内側にあるこのオブジェ
クト領域および誘導スポットの連続位置で、センサ・ア
レイによって生成された画像信号を累積するに過ぎな
い。
【0037】この装置は、記憶蛍光体に記憶されている
潜像を表す写真信号を生成することができ、この場合、
誘導要素は赤外線源を含むことができる。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明によるスキャナは、低コス
トで直径の小さなレンズと比較的少数の画素を含むCC
D要素とを使用して、記憶蛍光体に記憶されている潜像
を読み取る。このスキャナは、従来型の写真フィルムの
空間解像度に匹敵する空間解像度で約90秒で潜像を読
み取る。
【0039】本発明によるスキャナ100のブロック図
を図1に示す。スキャナ100では、潜像103が記憶
されている記憶蛍光体102が機械的x−yステージ1
04に取り付けられる。レンズ106は、潜像の小さな
二次元部分の拡大画像112をセンサ・アレイ110上
に形成する。それによる画像112がセンサ・アレイを
カバーする、潜像の小さな二次元部分をオブジェクト領
域108と呼ぶ。赤外線源120は、赤外線ビーム12
2を用いて記憶蛍光体を照明し、ビーム122は、オブ
ジェクト領域の中央に誘導スポット114を形成する。
機械的x−yステージを操作して潜像を移動させること
によって、潜像内のオブジェクト領域および誘導スポッ
トの位置が変化する。
【0040】センサ・アレイ110は、感光要素(図示
せず)の二次元アレイである。各感光要素は、リード(
READ )コマンド信号の連続エッジ間の時間中にその感光
要素に当たる光束の積分を表す電気画像信号を生成す
る。各感光要素は、それに当たる光の強度の空間変動を
区別できないので、感光要素の寸法は、センサ・アレイ
の空間解像度を決定する。したがって、センサ・アレイ
は、それぞれ、1つの感光要素に対応する、写真要素の
二次元アレイで構成されていると言うことができる。セ
ンサ・アレイの写真要素を画素と呼ぶ。
【0041】これに対して、従来型の写真フィルムの空
間解像度に対応する空間解像度では、記憶蛍光体102
および潜像103は、光強度の空間変動を区別できな
い、写真要素の欠けているものとみなすことができる。
しかし、オブジェクト領域108の拡大画像112をセ
ンサ・アレイ110上に形成すると、オブジェクト領域
内に写真要素が有効に画定される。オブジェクト領域の
各写真要素から放出された光がセンサ・アレイの1つの
画素に当たり、この画素が光強度の空間変動を区別でき
ないので、オブジェクト領域の各写真要素の光の強度の
空間変動は区別することはできない。潜像内に画定され
た写真要素とセンサ・アレイの写真要素を区別するため
に、オブジェクト領域内の写真要素をフィクセルと呼
ぶ。
【0042】x−yステージ104がオブジェクト領域
108および誘導スポット114に対して記憶蛍光体1
02を移動させ、潜像103の領域全体をy方向には1
フィクセルの高さに等しいステップ単位で、x方向には
1フィクセルの幅の倍数に等しいステップ単位で走査す
るので、潜像を走査すると、潜像の領域全体にわたって
フィクセルが画定される。フィクセルの幅および高さは
それぞれ、x方向およびy方向でのフィクセルの寸法で
ある。それぞれ、オブジェクト領域の幅に等しい幅を有
する、重なり合った一連のスライスにおいて潜像を走査
する方法について、下記で図2ないし図7を参照して詳
しく説明する。
【0043】センサ・アレイによって生成される画像信
号が輝度情報だけでなくクロミナンス情報を表すことが
できるように従来型の消費者ビデオ・カメラで使用され
ているカラー・フィルタと同様なストライプ型カラー・
フィルタ(図示せず)をセンサ・アレイ110の前方に
配置することができる。ストライプ型カラー・フィルタ
を用いた場合、クロミナンス情報の空間解像度は、輝度
情報の空間解像度よりも小さくなる。潜像103から放
出された光を3つの光路に分割し、それぞれ、異なるカ
ラー・フィルタの後に配置された、3つの同じセンサ・
アレイ上に画像112を形成することによって、クロミ
ナンス情報を輝度情報と同じ空間解像度で生成すること
ができる。別法として、ビーム分割カラー・フィルタを
使用して、潜像から放出された光を3つの光路に分割す
ることができる。
【0044】センサ・アレイ110は、x−yステージ
104が記憶蛍光体をオブジェクト領域108および誘
導スポット114に対して移動させるたびに生成される
リードコマンド信号に応答してN個の画像信号のフレー
ムを生成する。この場合、Nはセンサ・アレイ内の画素
の数である。画像信号のフレーム内の各画像信号は、セ
ンサ・アレイの1つの画素によって生成され、所定の積
分時間中に潜像103のオブジェクト領域108内の1
つのフィクセルから画素に当たる光の積分強度を表す。
この積分時間は、アクティブリードコマンド信号エッジ
間の時間によって画定することができる。画像信号のフ
レームはアナログ・ディジタル変換器(ADC)126
へ送られ、アナログ・ディジタル変換器は画像信号を、
画像プロセッサ130で処理できるようにディジタル形
に変換する。別法として、センサ・アレイは、画像信号
のフレームをディジタル形で生成することができ、この
場合、アナログ・ディジタル変換器は必要とされない。
画像信号のフレームは、画像プロセッサ130の入出力
(I/O)ポート128へ送られる。下記の説明を簡略
化するために、センサ・アレイは、画像信号がセンサ・
アレイ自体内でディジタル形で発生するものであるか、
それともADCによってディジタル化されたアナログ信
号であるかにかかわらず、画像信号を画像プロセッサへ
送るものとする。
【0045】画像プロセッサ130は、バス136によ
って相互接続されたマイクロプロセッサ132とメモリ
142と大容量記憶装置134とを含む。画像プロセッ
サは、画像信号のフレームを処理し、記憶蛍光体102
に記憶されている潜像103を表す写真信号を生成す
る。写真信号は最初は、少なくとも部分的にメモリ14
2に記憶される。画像プロセッサは、潜像を表す写真信
号を、長期的に記憶するために大容量記憶装置134へ
転送することができる。大容量記憶装置は、ハード・デ
ィスクや、フロッピー・ディスクや、記録可能なCD−
ROMや、フラッシュ・メモリ・カードや、多数のディ
ジタル・データを記憶することができる他の媒体などの
記憶媒体(図示せず)上に写真信号を記憶することがで
きる。記憶媒体は、記憶媒体に記憶されている写真信号
で表された潜像を他のどこかに記憶またはコピーまたは
表示することができるように画像プロセッサから取り外
すことができる。
【0046】画像プロセッサ130は任意選択で、バス
136に接続されたグラフィックス・アダプタ138を
含むことができる。ビデオ・モニタ140を任意選択で
グラフィックス・アダプタに接続し、グラフィックス・
アダプタが写真信号から生成する信号に応答して潜像を
表示することができる。画像プロセッサは任意選択で、
バスに接続されたプリンタ・ポート144を含むことも
できる。プリンタ146を任意選択でプリンタ・ポート
に接続し、プリンタ・ポートを介して供給される写真信
号に応答して潜像のハード・コピーを印刷することがで
きる。
【0047】画像プロセッサ130は、写真信号で表さ
れたクロミナンス情報を、記憶蛍光体102のスペクト
ル感度と人間の目のスペクトル感度との間の差に関して
補正するためにバス136に接続されたハードウェア
(図示せず)を含むことができる。別法として、マイク
ロプロセッサ132は、色補正が必要な場合にそのよう
な補正を実行するようにプログラムすることができる。
【0048】画像プロセッサ130は、潜像を表す写真
信号を圧縮し大容量記憶装置134によって記憶できる
圧縮写真信号を生成するためにバス136に接続された
ハードウェア(図示せず)を含むことができる。大容量
記憶装置の必要なバイト数は、写真信号自体を記憶する
よりも、潜像を表す圧縮写真信号を記憶する方が少な
い。別法として、マイクロプロセッサ132は、写真信
号の圧縮を実行し圧縮写真信号を生成するようにプログ
ラムすることができる。しかし、マイクロプロセッサを
使用する圧縮には通常、追加圧縮ハードウェアを使用す
るよりも長い時間がかる。
【0049】最後に、画像プロセッサ130は、潜像を
表す写真信号を記憶またはコピーまたは表示、あるいは
それらの組合せのためにリモート位置へ送れるようにす
るためにバス136に接続されたハードウェア(図示せ
ず)を含むことができる。
【0050】次に、スキャナ100について詳しく説明
する。センサ・アレイ110は、潜像103内のフィク
セルの数よりも少ない画素を有する。たとえば、写真領
域寸法が36mm×24mmである従来型の35mm写
真フィルムの空間解像度に匹敵する空間解像度を与える
には約630万個(3072×2048)のフィクセル
が必要である。これに対して、スキャナ100の実際の
実施形態では、センサ・アレイ110は65336個
(256×256)の画素を有していた。このセンサ・
アレイは、潜像が、誘導スポット114と、画像がセン
サ・アレイ110上に形成されるオブジェクト領域10
8とによって走査されるので、潜像内のフィクセルの数
よりも少ない画素を有することができる。約65000
個の画素を有するセンサ・アレイ110は、潜像の領域
全体の画像をセンサ・アレイ上に同時に形成する場合に
同じ空間解像度を与えるために必要な約630万個の画
素を有するセンサ・アレイよりもずっと廉価である。
【0051】レンズ106は、オブジェクト領域108
の拡大画像112をセンサ・アレイ110上に形成す
る。レンズによって与えられる拡大は、センサ・アレイ
の画素の寸法と所望の空間解像度の比によって決定され
る。たとえば、従来型の35mm写真フィルムの写真領
域の寸法に等しい寸法を有する潜像103を記憶する記
憶蛍光体では、従来型の写真フィルムの空間解像度に匹
敵する空間解像度を与えるのに必要とされるフィクセル
は約11.7μm×11.7μm(36000/307
2)よりも小さい。スキャナ100の実際の実施形態で
は、256×256画素センサ・アレイ110の画素の
寸法は約54μm×54μmであった。必要な空間解像
度を与えるために、10μm×10μmのフィクセル寸
法を選択し、オブジェクトの直線寸法がセンサ・アレイ
上に形成される画像112内で約5.4倍に拡大される
ように記憶蛍光体102、レンズ106、センサ・アレ
イ110を構成した。
【0052】記憶蛍光体102に記憶されている潜像1
03は、走査することによって少なくとも部分的に消去
されるので、潜像を走査することは、従来型の写真画像
などの永久画像を走査することとは異なる。従来型の写
真画像に応答してセンサ・アレイによって生成される画
像信号の信号雑音比は、単にセンサ・アレイの積分時間
を延長することによって(走査時間が長くなることを犠
牲にして)増大させることができる。しかし、潜像は完
全に消去される前に有限量の光しか放出しないので、潜
像を走査する際に積分時間を延長しても、画像信号の信
号雑音比は必ずしも増大するとは限らない。
【0053】潜像103のオブジェクト領域108に応
答して生成される画像信号の信号雑音比を最大にするに
は、オブジェクト領域から放出されるできるだけ多くの
光をセンサ・アレイ110へ送らなければならない。セ
ンサ・アレイ110へ送られるオブジェクト領域から放
出される光の部分は、レンズ106の開口数に依存す
る。所与の開口数の場合のレンズ106の寸法、要素
数、コストは、オブジェクト領域の寸法に依存する。前
述の256画素×256画素センサ・アレイ110と倍
率約5.4倍を用いる場合、潜像のオブジェクト領域は
約2.6mm2である。潜像全体の寸法および潜像全体
の分解可能な要素の数と比べてオブジェクト領域の寸法
が小さくかつオブジェクト領域内の分解可能な要素の数
が少ないので、廉価で直径の小さなレンズを使用すると
きでも、レンズ106は広い開口を有することができ
る。たとえば、前述の実際の実施形態では、焦点距離が
50mmであり開口数が約0.38であるレンズを使用
して優れた信号雑音比が得られた。
【0054】赤外線122に応答して潜像103のオブ
ジェクト領域108の各フィクセルから放出される光
は、フィクセルが受ける赤外誘導の積分強度に部分的に
比例する。各フィクセルが受ける赤外誘導の積分強度を
「誘導線量」と呼ぶ。したがって、潜像の正確な読取り
値を得るには、赤外線が、約1%よりも優れた一様性を
有する誘導線量でオブジェクト領域全体を誘導しなけれ
ばならない。オブジェクト領域は通常、正方形または長
方形であるので、オブジェクト領域全体にわたってこの
オーダーの誘導線量を与えることは特に困難である。約
1%よりも大きな誘導線量変動は、写真信号では輝度誤
差として現れ、再生線像では輝度バンディング ( lumin
ance banding )として現れる恐れがある。
【0055】写真信号の輝度誤差を防止するには、赤外
線122がオブジェクト領域全体を一様に誘導するだけ
でなく、赤外線の強度をオブジェクト領域のエッジにお
いて零に低下させるべきである。赤外線の強度がオブジ
ェクト領域108の外側で零に低下しなければならない
のは、オブジェクト領域の外側の漏れ領域内の線像を誘
導することによって、漏れ領域が、センサ・アレイ11
0では捕獲されない光を放出するからである。さらに、
漏れ領域を誘導すると、漏れ領域内の潜像がブリーチさ
れ、すなわち部分的に消去され、そのため、次のスライ
スが走査され漏れ領域がオブジェクト領域の内側に配置
されたときに漏れ領域内の潜像が放出する光が弱くな
る。
【0056】赤外線122がオブジェクト領域108全
体を一様に誘導しオブジェクト領域の外側を誘導しない
場合、それぞれ、幅がオブジェクト領域の幅に等しい、
一連の隣接スライスとして潜像を走査するようにx−y
ステージ104を操作することによって潜像103を走
査することができる。オブジェクト領域の幅は、x方向
のオブジェクト領域の寸法である。y方向での各スライ
スの走査の終わりに、x−yステージ104は、記憶蛍
光体102をx方向へスライスの幅全体に等しい距離だ
け移動させ、次いで次のスライスを走査する。
【0057】必要な誘導線量一様性でオブジェクト領域
108全体を誘導しオブジェクト領域の外側を誘導しな
い赤外線122を生成することは困難なので、本発明に
よるスキャナ100は、誘導スポット114に著しく非
一様な強度プロファイルを与える赤外線を使用する。オ
ブジェクト領域全体が必要な一様性の誘導線量を受ける
効果を得るために、潜像103はx方向へ、スライスの
幅の少なくとも半分の重なり量だけ重なり合ったスライ
スとして走査される。潜像をそのような重なり合ったス
ライスとして走査すると、潜像内の各フィクセルは少な
くとも2度読み取られる。少なくとも2つの連続スライ
スをそれぞれ走査すると、各フィクセルは1度だけ読み
取られる。
【0058】前述の走査プロセスは、潜像の各フィクセ
ルごとに複数の画像信号を生成する。各スライスを走査
する際、センサ・アレイ110は、フィクセルがオブジ
ェクト領域内にある間、潜像をy方向へ走査するあらゆ
るステップで1つの画像信号を生成する。さらに、フィ
クセルは、少なくとも2つの連続スライスが走査される
たびに読み取られる。次いで、画像プロセッサ130
は、潜像が走査されたときにフィクセルに関して生成さ
れたすべての画像信号を累積することによって潜像内の
各フィクセルごとに写真信号を生成する。写真信号は、
誘導スポット114によって与えられる誘導線量に応答
してフィクセルから放出される光の総量を表す。
【0059】スキャナ100の実際の実施形態では、セ
ンサ・アレイ110は256画素×256画素の二次元
アレイであり、連続スライス間のx方向のシフトはスラ
イスの幅の4分の1であった。連続スライスをスライス
の幅の4分の3の重なり量だけ重ね合わせたので、潜像
内の各フィクセルごとに写真信号を生成するために、各
フィクセルが4回走査され、1024(256×4)個
の画像信号が累積された。
【0060】潜像103を連続重なりスライスとして走
査し、各フィクセルごとにセンサ・アレイ110によっ
て生成されるすべての画像信号を生成すると、誘導スポ
ット114が非一様強度分布を有することができると共
に、誘導スポットの高強度部分をオブジェクト領域10
8よりもずっと小さくすることができる。誘導スポット
の高強度部分をオブジェクト領域よりもずっと小さくす
ると、オブジェクト領域の外側の誘導スポットの強度は
容易に、顕著な量のブリーチングが行われないレベルに
低下する。このため、センサ・アレイ110によって生
成される画像信号を累積すると、誘導スポットに応答し
て潜像103から放出されるすべての光を表す写真信号
が得られる。
【0061】スキャナ100の実際の実施形態では、誘
導スポット114は、図1に曲線148で示した単一ガ
ウス強度プロファイルを有した。この強度プロファイル
では、誘導スポットの3w0直径強度輪郭がオブジェク
ト領域108の内側にぴったり収まる。この場合、w0
は、誘導スポットの強度が誘導スポットの中心でのピー
ク強度のe-2(約7分の1)である場合の強度輪郭の半
径である。この強度プロファイルは、オブジェクト領域
の中心から±128フィクセルの位置に位置するオブジ
ェクト領域のエッジ150でほぼ零強度を与える。
【0062】前述の強度プロファイルを有する誘導スポ
ット114は、赤外線を生成する赤外線LEDまたは赤
外線フィルタ水晶ハロゲン・ランプと、赤外線をコリメ
ートし誘導スポットを形成する集光レンズとを赤外線源
120に含めることによって容易に与えることができ
る。前述の誘導強度プロファイルを用いて必要な誘導線
量一様性を達成するために、連続スライスはx方向へ、
スライスの幅の4分の1に等しいシフト量、すなわち前
述のようにオブジェクト領域の幅の4分の1だけシフト
される。
【0063】4つの連続スライスを走査する間、連続走
査間にシフト領域内のそれぞれの異なる位置に位置する
フィクセルを誘導する赤外線の大きく変化する強度を積
分するために使用される処理について、下記で図20を
参照して説明する。この処理では、約0.5%よりも優
れた誘導線量一様性が得られる。
【0064】赤外線源120でより高度な光学構成を使
用して、誘導スポットの中心152付近のより広い領域
でより一様な強度を有し、オブジェクト領域のエッジ1
50で零に近づく照明強度を有する誘導スポット114
を形成することができる。そのような誘導スポットを用
いる場合、連続スライスをx方向へスライスの幅の4分
の1よりも大きなシフト量だけシフトすることによっ
て、必要な誘導線量一様性を得ることができる。たとえ
ば、連続スライスは、x方向へスライスの幅の半分に等
しいシフト量だけシフトすることができる。連続スライ
ス間のシフトを増大させると、記憶蛍光体に記憶されて
いる潜像を読み取るのに必要な時間が短縮される。別法
として、より優れた誘導線量一様性が必要である場合に
は連続スライス間のシフト量を低減させることができる
が、この場合、潜像を読み取るのに必要な時間が長くな
る。
【0065】誘導スポット114は、ガウス強度プロフ
ァイルを有する必要はない。オブジェクト領域108の
エッジでほぼ零強度に低下し連続スライス間のシフト量
よりも幅の広い単調強度プロファイルを使用することが
できる。
【0066】次に、オブジェクト領域および誘導スポッ
トを用いて潜像を走査するようにx−yステージを操作
することについて、図1および図2ないし図7を参照し
て説明する。画像プロセッサ130は、センサ・アレイ
110から受け取った画像信号を処理するだけでなく、
x−yステージ104の動作と、x−yステージの動作
とセンサ・アレイ110から画像プロセッサへの画像信
号の供給との間の関係を制御する。画像プロセッサは、
リードコマンド信号を生成し、この信号を入出力ポート
128を介してセンサ・アレイ110へ供給し、ステッ
プ−Xコマンド信号、ステップ−Yコマンド信号、リセ
ット( RESET ) コマンド信号を生成し、これらの信号を
やはり入出力ポート128を介してx−yステージ10
4に供給する。画像プロセッサは、メモリ142内にレ
ジスタを維持し、このレジスタに、潜像内のオブジェク
ト領域の位置を示すオブジェクト位置データを記憶す
る。
【0067】図2ないし図7は、記憶蛍光体に記憶され
ている潜像103を走査する間x−yステージ104上
に取り付けられる記憶蛍光体102を示す。これらの図
のそれぞれには、潜像内のオブジェクト領域108およ
び誘導スポット114の位置も示されている。誘導スポ
ットはオブジェクト領域内でセンタリングされる。図は
すべて、w0強度輪郭(実線)と、オブジェクト領域の
内側にぴったり収まる3w0直径強度輪郭(破線)を示
す。図面を簡略化するために、w0強度輪郭と3w0直径
強度輪郭はそれぞれ、図2でのみ参照符号238および
240で示されている。
【0068】未読取り線像103を含む記憶蛍光体10
2がx−yステージ104に装填された後、画像プロセ
ッサ130は、x−yステージにリセットコマンド信号
を供給しx−yステージを開始位置にリセットする。こ
の開始位置は、オブジェクト領域108が潜像の左下隅
に位置決めされ、y方向では1フィクセルの高さだけ、
x方向では連続するスライス間の例えば64個のフィク
セルを有するシフト量だけ潜像と重なり合うように、潜
像を配置する。シフト量の結果として得られるシフト領
域は、図2では参照符号235で示されている。
【0069】x−yステージ104が開始位置に固定さ
れた後、赤外線源120がオンに切り換えられてオブジ
ェクト領域108が誘導され、画像プロセッサ130が
リードコマンド信号をセンサ・アレイ110に供給す
る。リードコマンド信号は、センサ・アレイの積分時間
中リード状態のままであり、センサ・アレイの各画素
は、それが潜像から受け取った光に応答して画像信号を
生成する。積分時間の終わりに、リードコマンド信号の
状態が変化する。これによって、センサ・アレイは1つ
の画像信号フレームをADC126に供給する。ADC
は、画像プロセッサ130によって処理されるディジタ
ル形の対応する画像信号フレームを供給する。
【0070】画像プロセッサ130は次に、ステップ−
Yコマンド信号をx−yステージ104に供給する。ス
テップ−Yコマンド信号によって、x−yステージは、
図2に矢印227で示したように、潜像103をy方向
へ移動させる。x−yステージは、潜像を1フィクセル
の高さ、すなわちy方向のフィクセルの寸法に等しい距
離だけ移動させる。これによって、潜像内のオブジェク
ト領域108および誘導スポット114の位置が、矢印
229で示したように+y方向へ同じ距離だけ変化す
る。x−yステージが新しい位置に固定された後、画像
プロセッサは再び、リードコマンド信号をセンサ・アレ
イ110に供給し、それによってセンサ・アレイ110
は、他の画像信号フレームを生成して画像プロセッサ1
30に供給する。
【0071】画像プロセッサ130は、連続的なステッ
プ−Yコマンド信号およびリードコマンド信号を生成す
る。これらのコマンド信号に応答して、x−yステージ
104およびセンサ・アレイ110はそれぞれ、ステッ
ピングおよび画像信号生成を実行し、図2で斜線領域2
05で示された潜像の部分を読み取る。これは、x−y
ステージが潜像103を移動させ、それによってオブジ
ェクト領域108および誘導スポット114が潜像を横
切ってy方向へ延びる第1のスライス207を走査する
まで継続する。
【0072】前述のように、第1のスライス207およ
び後続のスライスの幅は、オブジェクト領域108の幅
に等しい。第1のスライスは、潜像103とx方向でス
ライスの幅の一部(1/n)だけ重なり合う。この部分
の最大値は2分の1であり、したがって少なくとも2つ
の連続スライスを走査する間に潜像内の各フィクセルが
読み取られる。したがって、部分1/n(n≧2)で、
nは通常、整数である。図2ないし図7に示した例で
は、nの値は4であり、スライスの幅の一部は、潜像の
64フィクセルに対応するスライスの幅の4分の1であ
る。また、前述のように、nの値は4とは異なり、たと
えばnは2でも、あるいは3でも、あるいは5でも、あ
るいは8でも、あるいは他の適当な値でもよい。
【0073】第1のスライス207の終わりに、画像プ
ロセッサ130はステップ−Xコマンド信号を生成す
る。ステップ−Xコマンド信号によって、x−yステー
ジ104は、記憶蛍光体102を−x方向へオブジェク
ト領域108の幅の1/nに等しいシフト量だけシフト
する。図3に矢印209で示した記憶蛍光体のこの移動
によって、潜像103内のオブジェクト領域および誘導
スポット114の位置が、矢印213で示したように、
+x方向へ同じシフト量だけ変化する。
【0074】ステップ−Xコマンド信号はまた、x−y
ステージ104がステップ−Yコマンド信号に応答して
移動する方向を−y方向から+y方向へ、又はその逆へ
切り換える。したがって、リセットコマンド信号の後の
最初のステップ−Xコマンド信号で、ステッピング方向
が矢印231で示すように−y方向から+y方向に変わ
る。代替的に、各ステップ−Xコマンド信号によって、
x−yステージを迅速に+y方向のスライスの始めに復
帰させることもできる。この場合、x−yステージは常
に、ステップ−Yコマンド信号に応答して−y方向へス
テッピングする。
【0075】次いで、画像プロセッサ130は、連続的
なリードコマンド信号およびステップ−Yコマンド信号
を生成し、オブジェクト領域108および誘導スポット
114に、図3に示した斜線領域215で示した潜像1
03の部分を読み取らせる。このプロセスは、オブジェ
クト領域および誘導スポットが、潜像を横切ってy方向
へ延びる第2のスライス217を走査するまで継続す
る。第2のスライスは、第1のスライスと部分的に、ス
ライスの幅の(1−1/n)の重なり量だけ重なり合
う。図に示した例では、第2のスライスは、スライスの
幅の4分の3に等しい重なり量だけ第1のスライスと重
なり合う。第2のスライスは、潜像とも部分的に、スラ
イスの幅の(1−2/n)だけ重なり合う。
【0076】画像プロセッサ130からの他のステップ
−Xコマンド信号はそれぞれ、x−yステージ104を
−x方向へシフト量だけシフトさせる。各ステップ−X
コマンド信号の後に、反復的なリードコマンド信号およ
びステップ−Yコマンド信号によって、x−yステージ
は、1フィクセルの高さに等しいステップ単位で−y方
向または+y方向へステッピングする。ステップの方向
は、偶数のステップ−Xコマンド信号を受け取ったか、
それとも奇数のステップ−Xコマンド信号を受け取った
かに依存する。ステップ−Xコマンド信号と、各ステッ
プ−Xコマンド信号の後に続く反復的なリードコマンド
信号およびステップ−Yコマンド信号によって、x−y
ステージは、潜像全体が走査され、部分的に重なり合っ
たスライスがy方向へ走査され、潜像を横切ってx方向
へ延びるまでシフトしステッピングする。
【0077】潜像103の第3のスライス219、第4
のスライス221、第5のスライス223、第6のスラ
イス225はそれぞれ、図4、図5、図6、図7に示さ
れている。ステップ−Xコマンド信号およびステップ−
Yコマンド信号によるx−yステージの運動方向はそれ
ぞれ、図では矢印209ならびに矢印227および23
1で示されている。連続するスライスは、部分的にスラ
イスの幅の(1−1/n)だけ互いに重なり合う。第3
のスライス219は、潜像と部分的に、スライスの幅の
(1−3/n)だけ重なり合う。第4のスライス221
およびその後のスライスは、潜像と完全に重なり合う。
【0078】図2ないし図7に示した例では、連続スラ
イスがスライスの幅の4分の3に等しい重なり量だけ互
いに重なり合うので、潜像103の各フィクセルが、4
つの連続スライスのそれぞれで1度ずつ計4回走査され
ることが分かる。たとえば、フィクセル211は、第
1、第2、第3、第4のスライスの走査時には読み取ら
れるが、第5および第6のスライスの走査時には読み取
られない。
【0079】図20は、連続スライス間でシフト領域2
35を横切って配設された64個のフィクセルを誘導す
る誘導スポット114の部分の積分強度が、潜像103
の最初の4つのスライス207、217、219、22
1の走査時にどのようにシフト領域内のフィクセルの位
置と共に変化するかを示す。図の例では、x−yステー
ジ104は、図2ないし図5に示した矢印209で示し
たように潜像103を−x方向へシフトする。x−yス
テージ104が潜像103をy方向へステッピングし、
それによってオブジェクト領域108および誘導スポッ
ト114が各フィクセルを通過すると、フィクセルは、
オブジェクト領域108に入るときにほぼ零から始まる
誘導強度を受ける。誘導強度は漸進的に増大して最大値
に達し、次いでフィクセルがオブジェクト領域から離れ
るにつれて漸進的に減少して零に達する。図20に示し
た誘導強度曲線は、オブジェクト領域の内側でフィクセ
ルが存在する256個のステップの各ステップで各フィ
クセルが受ける誘導強度を積分した結果である。シフト
領域内の各画素を誘導する積分強度は、図20に示した
ように、シフト領域内のx方向のフィクセルの位置と走
査中のスライスに応じて異なる。
【0080】第1回目に第1のスライス207を走査す
る際、シフト領域235内のフィクセル0ないし63は
オブジェクト領域108の内側にある。第1のスライス
を走査する際、誘導スポット114の右側エッジ部分に
よってフィクセル0ないし63が誘導され、積分誘導強
度は、シフト領域の左側エッジにあるフィクセル0で最
大であり、漸進的に減少し、シフト領域の右側エッジに
あるフィクセル63でほぼ零である。
【0081】第2回目に第2のスライス217を走査す
る際、シフト領域235内のフィクセル0ないし63は
オブジェクト領域108の内側にある。第2のスライス
217を走査する際、誘導スポット114の右側中央部
分によってフィクセルが誘導される。フィクセル0ない
し63の積分誘導強度は、第1のスライス207の走査
時よりも大きい。積分誘導強度は、シフト領域の左側エ
ッジにあるフィクセル0で最大であり、漸進的に減少し
フィクセル63で最小値に達する。第2のフィクセルの
走査時のフィクセル63の積分誘導強度は、第1のスラ
イス207の走査時のフィクセル0の積分誘導強度とほ
ぼ同じである。
【0082】第3回目に第3のスライス219を走査す
る際、シフト領域235内のフィクセル0ないし63は
オブジェクト領域108の内側にある。第3のスライス
を走査する際、誘導スポット114の左側中央部分によ
ってフィクセルが誘導される。フィクセルの積分誘導強
度は、第2のスライス217の走査時とほぼ同じである
が、積分誘導強度は、フィクセル63で最大であり、漸
進的に減少しフィクセル0で最小値に達する。したがっ
て、シフト領域の右側にあるフィクセル32ないし63
は、第2のスライスの走査時にはシフト領域の左側にあ
るフィクセル0ないし31よりも低い積分誘導強度を有
したが、第3のスライスの走査時にはフィクセル0ない
し31よりも高い積分誘導強度を有する。
【0083】第4回目にそして最後に第4のスライス2
21を走査する際、シフト領域235内のフィクセル0
ないし63はオブジェクト領域108の内側にある。第
4のスライスを走査する際、誘導スポット114の左側
エッジ部分によってフィクセルが誘導される。フィクセ
ルの積分誘導強度は、第1のスライス207の走査時と
ほぼ同じであるが、積分誘導強度は、フィクセル63で
最大であり、漸進的に減少しフィクセル0で最小値に達
する。したがって、第3のスライスの走査時と同様に、
シフト領域の右側にあるフィクセル32ないし63は、
第1のスライスの走査時にはシフト領域の左側にあるフ
ィクセル0ないし31よりも低い積分誘導強度を有した
が、第4のスライスの走査時にはフィクセル0ないし3
1よりも高い積分誘導強度を有する。
【0084】図20には、シフト領域235の幅を横切
る誘導線量の変動も示されている。誘導線量は、4つの
連続スライス207、217、219、221を走査す
る間にシフト領域235内の各フィクセルが受ける積分
誘導強度を加算した結果である。図の例では、3w0
径強度輪郭がオブジェクト領域108の内側にぴったり
収まり、シフト領域の幅を横切る誘導線量の一様性は約
0.5%よりも優れている。さらに、オブジェクト領域
の外側の漏れ領域が受ける誘導線量は非常に低く、漏れ
領域内の潜像の最大ブリーチングは約0.7%よりも低
い。
【0085】オブジェクト領域108にセンタリングさ
れた誘導スポット114の前述の非一様強度プロファイ
ルの結果として、フィクセル211など、潜像103の
各フィクセルを誘導する赤外線の強度は、漸進的に増加
してピークに達し、各スライスの走査時に画素が誘導ス
ポットおよびオブジェクト領域を通過するにつれて漸進
的に減少し零に達する。センサ・アレイ110は、フィ
クセルがオブジェクト領域の内側にあるy方向のx−y
ステージ104の各ステップ位置でフィクセルに当たる
誘導スポットの強度に応答してフィクセルから放出され
る光の強度を表す画像信号を連続的に生成する。さら
に、x方向へスライスの幅の一部1/nに等しいシフト
量だけ互いにシフトされたスライス単位で潜像103を
走査する結果として、潜像内の各フィクセルの誘導強度
は、前述のようにn回だけ循環する。潜像の走査時に、
オブジェクト領域に対する潜像の位置が、フィクセルが
オブジェクト領域内に配置されるような位置であると
き、センサ・アレイが画像プロセッサに供給する各画像
信号フレームは、誘導スポット114に応答してフィク
セルから放出される光の強度を表す画像信号を含む。画
像プロセッサは、4つの連続スライスを走査する間に誘
導スポットから与えられる誘導線量に応答してフィクセ
ルから放出される総光出力を決定するために、フィクセ
ルから放出された光に応答してセンサ・アレイによって
生成されたすべての画像信号を累積する。
【0086】次に、画像プロセッサ130がどのよう
に、潜像の走査時に誘導スポット114に応答して潜像
103内の各フィクセルから放出された光全体を表す写
真信号を生成するかを示す例について、図8ないし図1
9を参照して説明する。説明を簡略化するために、図8
ないし図19は、簡略化されたセンサ・アレイ310に
よって走査される小さな潜像303を示す。この簡略化
センサ・アレイは、列pないしsと行0ないし3として
構成された4画素×4画素の二次元アレイで構成され
る。
【0087】図1に示したレンズ106と同様な光学シ
ステムは、簡略化センサ・アレイ310上に小さな潜像
303の拡大画像を形成する。これによって、潜像30
3内にオブジェクト領域308が画定される。このオブ
ジェクト領域は、列PないしSと行0ないし3として構
成された4画素×4画素の二次元アレイを有する。フィ
クセルには、潜像の列D行0、すなわち位置D0にある
フィクセル例311が含まれる。オブジェクト領域を用
いて潜像の領域全体を走査すると、潜像内にフィクセル
が画定される。この例では、このようなフィクセルは、
列AないしGと行0ないし9として構成された7フィク
セル×10フィクセルの二次元アレイとして構成され
る。図8ないし図19の図面を簡略化するために、光学
システムが省略され、センサ・アレイと同じ寸法を有す
るオブジェクト領域が示され、オブジェクト領域のフィ
クセルとセンサ・アレイの画素との間の対応が示されて
いる。
【0088】誘導スポット314はオブジェクト領域3
08にセンタリングされる。図はすべて、w0 強度輪郭
と、オブジェクト領域308の内側にぴったり収まる3
0直径強度輪郭を示す。しかし、図面を簡略化するた
めに、w0強度輪郭と3w0直径強度輪郭は、図8でのみ
参照符号で示されている。
【0089】図1に示したスキャナ100の実際の実施
形態では、センサ・アレイ110は、時間遅れ・積分
(TDI)モードで動作し、画像プロセッサ130によ
って実行される処理を低減させることが好ましい。写真
信号がどのように、センサ・アレイによって生成される
画像信号から導かれるかについての下記の詳細な説明
は、TDIモードで動作する簡略化センサ・アレイ31
0についても説明する。簡略化センサ・アレイは、TD
Iモードで動作する際、底部水平出力レジスタ368お
よび頂部水平出力レジスタ370を使用する。各水平出
力レジスタは、各画素列ごとに1つの信号記憶要素pな
いしsの直線アレイである。各記憶要素は、センサ・ア
レイのそれぞれの列内の画素によって生成された画像信
号を累積した結果として得られる累積画像信号を受け取
る。センサ・アレイは2方向に動作し、そのため、動作
方向を制御する制御信号(図示せず)の状態に応じて、
底部水平出力レジスタ368と頂部水平出力レジスタ3
70のどちらかが画像信号を受け取る。画像信号を受け
取る水平出力レジスタをアクティブ水平出力レジスタと
呼ぶ。
【0090】センサ・アレイ310はTDIモードで下
記のように動作する。センサ・アレイの各画素は、リー
ドコマンド信号に応答して、その画素に当たる光の強度
の積分を表す画像信号を生成する。次いで、センサ・ア
レイは、リードコマンド信号の立ち下がりで、画像信号
を、N個(Nは、センサ・アレイ内の画素の数である)
の画像信号のフレーム内の1つの画像信号として画像プ
ロセッサ130に供給するのではなく同じ列内の隣接す
る画素へ転送する。転送の方向は、アクティブ水平出力
レジスタへ向かう方向である。次いで、次のリードコマ
ンド信号サイクル中に、各画素は再び画像信号を生成
し、新たに生成された画像信号を、前のリードコマンド
信号サイクルの終わりに隣接する画素から受け取った画
像信号と共に累積する。しかし、アクティブ水平出力レ
ジスタから最も遠くの各列内の画素は、隣接する画素か
ら画素信号を受け取らないので、このような画素では画
像信号の累積は行われない。また、各リードコマンド信
号の立ち下がりでは、アクティブ水平出力レジスタに最
も近い各列内の画素に累積されている画像信号が、アク
ティブ水平出力レジスタのそれぞれの要素へ転送され
る。アクティブ水平出力レジスタへ転送される画像信号
は、リードコマンド信号のm回の連続サイクル中にセン
サ・アレイの列内のすべてのm個の画素によって生成さ
れた画像信号を累積したものである。この場合、mは、
センサ・アレイ内の画素の行の数である。
【0091】たとえば、底部水平出力レジスタ368が
アクティブ水平出力レジスタである場合、列p内の画素
p3、p2、p1からの画素信号はそれぞれ、リードコ
マンド信号の第4のサイクルの立ち下がりで画素p2、
p1、p0へ転送される。底部水平出力レジスタから最
も遠い画素p3では累積は行われない。画素p0からの
画素信号、すなわちリードコマンド信号の第1サイクル
ないし第4サイクル中に画素p3、p2、p1、p0に
よって生成された画像信号を累積した信号は、底部水平
出力レジスタの要素pへ転送される。頂部水平出力レジ
スタ370がアクティブ水平出力レジスタである場合、
画素p0、p1、p2からの画素信号はそれぞれ、リー
ドコマンド信号の第4のサイクルの立ち下がりで画素p
1、p2、p3へ転送される。頂部水平出力レジスタか
ら最も遠い画素p0では累積は行われない。画素p3か
らの画素信号、すなわちリードコマンド信号の第1サイ
クルないし第4サイクル中に画素p0、p1、p2、p
3によって生成された画像信号を累積した信号は、頂部
水平出力レジスタ370の要素pへ転送される。
【0092】センサ・アレイ310内の各列の画像信号
の画素間転送は、x−yステージが潜像303をy方向
へステッピングするのと同期的に、かつそれと同じ方向
へ行われる。これは、センサ・アレイの各列の画素に漸
進的に累積される画像信号が、潜像の同じフィクセルか
ら放出される光に応答して生成されることを意味する。
したがって、センサ・アレイは、TDIモードで操作さ
れると、潜像の各フィクセルから放出された光に応答し
てセンサ・アレイの各列内の画素によって生成された画
像信号をy方向に累積することによって自動的に累積画
像信号を生成する。このため、潜像内の各フィクセルか
ら放出された光に応答してセンサ・アレイ110によっ
て生成されたすべての画像信号を累積するには、重なり
合ったn個のスライスを走査する間にフィクセルから放
出された光に応答してセンサ・アレイ110によって生
成されたn個の累積画像信号を累積する処理を実行する
だけでよいので、画像プロセッサ130の動作は簡略化
される。
【0093】センサ・アレイ310は、リードコマンド
信号の立ち下がりに応答して、累積画像信号のラインを
アクティブ水平出力レジスタ368または370から画
像プロセッサ130に供給する。前述のように、各累積
画像信号は、潜像303のオブジェクト領域308の各
列P、Q、R、S内のすべての画素によって連続的に生
成された画像信号を累積した結果である。センサ・アレ
イは、潜像の位置がオブジェクト領域に対してステッピ
ングされたときに画像信号を生成する。図の例では、累
積画像信号の各ラインは、それぞれ、センサ・アレイ3
10の1つの列で生成された画像信号を累積することに
よって得られた、4つの累積画像信号で構成される。図
1に示したスキャナ100では、累積画像信号の各ライ
ンは、それぞれ、センサ・アレイ110の1つの列で生
成された画像信号を累積することによって得られた、2
56個の累積画像信号で構成される。
【0094】センサ・アレイ310によって生成された
累積画像信号は、ADC(図示せず)を介してアクティ
ブ水平出力レジスタ368または370から画像プロセ
ッサ130に供給される。ADCは累積画像信号をディ
ジタル形に変換する。
【0095】図8ないし図19は、画像プロセッサ13
0の一部も示す。この部分には写真メモリ356が含ま
れる。写真メモリの少なくとも一部は、図1に示したメ
モリ142の一部から与えられる。写真メモリ356
は、潜像の各フィクセルごとに1つのメモリ要素で構成
される。下記の説明を簡略化するために、潜像内のフィ
クセルの構成に対応する列aないしgと行0ないし9の
二次元7×10アレイとして構成された写真メモリのメ
モリ要素が示されている。単に説明を簡略化するため
に、二次元アレイとして構成された写真メモリのメモリ
要素が示されている。実際の実施形態では、潜像内のフ
ィクセルの数に対応する任意のメモリ要素の構成を使用
することができる。写真メモリ356の各メモリ要素内
のバイト数は、必要な輝度およびクロミナンス表現の精
度に依存する。たとえば、24ビット・カラー・システ
ムでは、メモリ要素当たり3バイトが必要である。
【0096】図1に示したスキャナ100の実際的な例
では、潜像が3072フィクセル×2048フィクセル
で構成され、写真メモリ356は、走査される各潜像ご
とに約630万個のメモリ要素を含む。このサイズの写
真メモリは、大容量記憶装置134によって最も経済的
に形成される。しかし、写真メモリの一部がメモリ14
2に存在する場合、画像プロセッサ130の動作速度が
増加する。メモリ142に最もうまく存在する写真メモ
リの部分は、演算を受ける写真メモリの部分、すなわち
現在走査中のスライス内のフィクセルに対応するメモリ
要素である。各スライスの幅が256フィクセルで長さ
が2048フィクセルである図1に示したスキャナ10
0では、メモリ142に存在する必要がある写真メモリ
356のメモリ要素の数は256×(2048+25
5)=589568個に過ぎない。各スライスが走査さ
れた後、下記で詳しく説明するように、メモリ142に
累積されている64×(2048+255)=1473
92個の写真信号が、潜像を表す写真信号の一部として
大容量記憶装置134に書き込まれる。
【0097】図8ないし図19に示した画像プロセッサ
130の他の部分はアキュムレータ358である。アキ
ュムレータは、累積画像信号のラインをセンサ・アレイ
310から受け取り、累積画像信号に対応する写真信号
を写真メモリ356から受け取り、累積画像信号をそれ
ぞれの写真信号に加え、それぞれの累積写真信号を生成
する。画像プロセッサ130は次いで、累積写真信号を
写真メモリに返し、累積写真信号が写真メモリに記憶さ
れる。図1に示したスキャナ100では、CPU132
は、メモリ142と共に動作しアキュムレータの機能を
実行するようにプログラムされる。しかし、特殊なハー
ドウェアまたはファームウェアを択一的に使用してアキ
ュムレータの機能を提供することができる。
【0098】簡略化センサ・アレイ310を使用して小
さな潜像303を走査するプロセスについて、図1、図
8ないし図19、図21を参照して詳しく説明する。具
体的には、潜像の4つの連続スライスを走査しながらフ
ィクセル311の写真信号を生成するために画像プロセ
ッサによって実行される処理について説明する。
【0099】図8は、潜像303の走査の途中でのオブ
ジェクト領域308および誘導スポット314の位置を
示す。3つの前のスライスはすでに走査されている。第
1のスライス307を走査すると、潜像の列Aのみのフ
ィクセルが読み取られ、第2のスライス317を走査す
ると、列AおよびBのフィクセルが読み取られ、第3の
スライス319を走査すると、列A、B、Cのフィクセ
ルが読み取られる。図8では、列A、B、C、D内のフ
ィクセルが読み取られる第4のスライス321を走査す
る第1ステップにおけるオブジェクト領域および誘導ス
ポットが示されている。
【0100】第4のスライス321を走査する第1のス
テップでは、センサ・アレイ310の画素p3ないしs
3のみが、潜像303のフィクセルから放出された光を
受け取るように位置合わせされる。画素p3ないしs3
は、それぞれ潜像のフィクセルA0ないしD0から放出
された光を受け取り、これらのフィクセルから放出され
た光の強度を表すそれぞれの画像信号を生成するように
位置合わせされる。
【0101】第1のステップの終わりに、画素p3ない
しs3に累積されている画像信号がそれぞれ、矢印38
0で示したように画素p2ないしs2へ転送される。
【0102】図21は、フィクセル311から放出され
た光に応答してセンサ・アレイの画素が画像信号を生成
する16個のステップの各ステップでフィクセル311
から放出された光に応答してセンサ・アレイ310の画
素によって生成された画像信号のレベル(破線)の例を
示す。画像信号を生成する画素も示されている。図21
は、潜像303の第4ないし第7のスライスの走査時に
フィクセル311から放出された光を受け取るセンサ・
アレイの画素の各列に画像信号が連続的に累積する際の
画像信号のレベル(実線)も示す。最後に、図21は、
第4ないし第7のスライスの走査時に真信号が累積する
際に写真メモリ356のメモリ要素d0に記憶される写
真信号のレベル(一点鎖線)を示す。
【0103】第4のスライスを走査する第1のステップ
で画素311が受ける赤外誘導のレベルが低いので、図
のように、第4のスライスを走査する第1のステップで
画素p3によって生成される画像信号は零に近い。画素
p3は隣接する画素から画像信号を受け取らないので、
第4のステップの終了時にフィクセル311に関する画
素p3に累積されている画像信号は、画像信号自体と同
じレベルを有する。前述のように、画素p3に累積され
ている画像信号は、第1のステップの終わりに画素p2
へ転送される。
【0104】第4のステップの終わりまでフィクセル3
11に関する写真信号は生成されず、したがって写真信
号は、第1のステップの終了時に値零を有する。
【0105】図9は、第4のスライスを走査する第2の
ステップを示す。このステップでは、矢印327で示し
たように、潜像303が、−y方向へ1フィクセルの高
さに対応する距離だけシフトされる。次に、センサ・ア
レイ310の画素p2ないしs2が、それぞれ潜像のフ
ィクセルA0ないしD0から放出された光を受け取るよ
うに位置合わせされる。画素p2ないしs2は、これら
のフィクセルから放出された光の強度を表すそれぞれの
画像信号を生成し、これらの画像信号を、それぞれ画素
p3ないしs3から受け取った画像信号と共に累積す
る。次に、センサ・アレイの画素p3ないしs3は、そ
れぞれ潜像のフィクセルA1ないしD1から放出された
光を受け取るように位置合わせされ、これらのフィクセ
ルから放出された光の強度を表す画像信号を生成する。
【0106】第2のステップの終わりに、画素p2ない
しs2に累積されている画像信号がそれぞれ、矢印38
2で示したように画素p1ないしs1へ転送され、画素
p3ないしs3に累積されている画像信号がそれぞれ、
矢印380で示したように画素p2ないしs2へ転送さ
れる。
【0107】図10は、第4のスライス321を走査す
る第3のステップを示す。このステップでは、矢印32
7で示したように、潜像303が、−y方向へ1フィク
セルの高さに対応する距離だけシフトされる。次に、セ
ンサ・アレイ310の画素p1ないしs1が、それぞれ
潜像のフィクセルA0ないしD0から放出された光を受
け取るように位置合わせされる。画素p1ないしs1
は、これらのフィクセルから放出された光の強度を表す
それぞれの画像信号を生成し、これらの画像信号を、そ
れぞれ画素p2ないしs2から受け取った画像信号と共
に累積する。画素p2ないしs2から受け取る画像信号
には、第1のステップの終わりにそれぞれ、画素p3な
いしs3から転送された画像信号が含まれる。また次
に、画素p2ないしs2が、それぞれ潜像のフィクセル
A1ないしD1から放出された光を受け取るように位置
合わせされる。画素p2ないしs2は、これらのフィク
セルから放出された光の強度を表す画像信号を生成し、
これらの画像信号を、それぞれ画素p3ないしs3から
受け取った画像信号と共に累積する。最後に、画素p3
ないしs3が、それぞれ潜像のフィクセルA2ないしD
2から放出された光を受け取るように位置合わせされ、
これらのフィクセルから放出された光の強度を表すそれ
ぞれの画像信号を生成する。
【0108】第3のステップの終わりに、画素p1ない
しs1に累積されている画像信号がそれぞれ、矢印38
4で示したように画素p0ないしs0へ転送され、画素
p2ないしs2に累積されている画像信号がそれぞれ、
矢印382で示したように画素p1ないしs1へ転送さ
れ、画素p3ないしs3に累積されている画像信号がそ
れぞれ、矢印380で示したように画素p2ないしs2
へ転送される。
【0109】第4のスライス321を走査する前述の3
つのステップの各ステップの終わりに、4つの画像信号
が、センサ・アレイ310の画素p0ないしs0から底
部水平出力レジスタ368へ転送される。底部水平出力
レジスタは、4つの画像信号の対応するラインを画像プ
ロセッサ130に供給する。しかし、画像信号は、潜像
から放出された光に応答してセンサ・アレイの各列のす
べての画素によって生成された画像信号を累積した結果
ではないので、画像プロセッサは画像信号のこれらのラ
インを処理しない。第1のステップでは、たとえば行
0、1、2内の画素は、潜像から放出された光を受け取
らない。
【0110】第4のスライス321を走査する第4のス
テップを図11に示す。このステップでは、矢印327
で示したように、潜像303が、−y方向へ1フィクセ
ルの高さに対応する距離だけシフトされる。次に、セン
サ・アレイ310の画素p0ないしs0が、それぞれ潜
像のフィクセルA0ないしD0から放出された光を受け
取るように位置合わせされる。画素p0ないしs0は、
これらのフィクセルから放出された光の強度を表すそれ
ぞれの画像信号を生成し、第3のステップの終わりに、
これらの画像信号を、それぞれ画素p1ないしs1から
受け取った画像信号と共に累積する。画素p1ないしs
1から受け取る画像信号には、第1のステップの終わり
にそれぞれ、画素p3ないしs3から転送された画像信
号と、第2のステップの終わりにそれぞれ、画素p2な
いしs2から転送された画像信号とが含まれる。
【0111】次に、画素p1ないしs1が、それぞれ潜
像のフィクセルA1ないしD1から放出された光を受け
取るように位置合わせされる。画素p1ないしs1は、
これらのフィクセルから放出された光の強度を表す画像
信号を生成し、第3のステップの終わりに、これらの画
像信号を、それぞれ画素p2ないしs2から受け取った
画像信号と共に累積する。画素p2ないしs2から受け
取る画像信号には、第2のステップの終わりにそれぞ
れ、画素p3ないしs3から転送された画像信号が含ま
れる。
【0112】次に、画素p2ないしs2が、それぞれ潜
像のフィクセルA2ないしD2から放出された光を受け
取るように位置合わせされる。画素p2ないしs2は、
これらのフィクセルから放出された光の強度を表す画像
信号を生成し、第3のステップの終わりに、これらの画
像信号を、それぞれ画素p3ないしs3から受け取った
画像信号と共に累積する。
【0113】次に、画素p3ないしs3が、それぞれ潜
像のフィクセルA3ないしD3から放出された光を受け
取るように位置合わせされ、これらのフィクセルから放
出された光の強度を表す画像信号を生成する。
【0114】第4のステップの終わりに、画素p0ない
しs0に累積されている画像信号が、矢印386で示し
たように、底部水平出力レジスタ368へ転送され、画
素p1ないしs1に累積されている画像信号がそれぞ
れ、矢印384で示したように画素p0ないしs0へ転
送され、画素p2ないしs2に累積されている画像信号
がそれぞれ、矢印382で示したように画素p1ないし
s1へ転送され、画素p3ないしs3に累積されている
画像信号がそれぞれ、矢印380で示したように画素p
2ないしs2へ転送される。
【0115】アクティブ水平出力レジスタ、この場合は
底部水平出力レジスタ368へ転送される画像信号はそ
れぞれ、1フィクセルから放出された光に応答してセン
サ・アレイ310の1つの列のすべての画素によって生
成された画像信号を累積した結果であるので、これらの
画像信号をを累積画像信号と呼ぶ。底部水平出力レジス
タは、画素p0ないしs0から受け取った4つの累積画
像信号のラインを画像プロセッサ130に供給する。第
4のステップの終わりに画像プロセッサ130に供給さ
れる累積画像信号はそれぞれ、センサ・アレイの1つの
列内のすべての画素によって生成された画像信号を累積
した結果であるので、画像プロセッサは、累積画像信号
を処理し写真信号を生成する。
【0116】センサ・アレイに画像信号が累積された結
果として、画像プロセッサに供給される累積画像信号
は、潜像の光が現スライスの走査時にセンサ・アレイの
それぞれの列内のすべての画素によって受け取られる潜
像の1フィクセルから放出される光全体を表す。たとえ
ば、第4のスライスを走査する第4のステップの終わり
に画像プロセッサに供給される累積画像信号はそれぞ
れ、第4のスライスの走査時に、フィクセルA0、B
0、C0、D0から放出され、センサ・アレイのそれぞ
れ列p、q、r、s内のすべての画素によって受け取ら
れる光全体を表す。これは、第4のステップの終了時に
センサ・アレイのそれぞれの列pないしs内のすべての
画素が受け取っているのはフィクセルA0ないしD0か
らの光だけであるからである。具体的には、センサ・ア
レイの列s内のすべての画素によって生成され底部水平
出力レジスタの要素sから画像プロセッサに供給される
画像信号を累積した結果として生成される累積信号は、
フィクセル311に関する累積画像信号である。
【0117】フィクセル311に関する画像信号が、セ
ンサ・アレイ310の列s内の画素間で転送されるとき
に累積する様子は、図21で実線のレベルが徐々に増加
していることから分かる。第4のスライスを走査する
際、フィクセル311は誘導スポット114の外方部に
配置され、画素311が受ける赤外誘導のレベルは、特
に第1のステップおよび第4のステップで比較的低い。
その結果、第4のスライスを走査する第1ないし第4の
ステップでフィクセル311に関して生成される画像信
号は零に近く、第4のスライスを走査する第4のステッ
プの終わりに画像プロセッサへ転送されるフィクセル3
11に関する累積画像信号も零に近い。
【0118】最初の3つのステップを除く、潜像303
の各スライスを走査する各ステップの終わりに、4つの
有効な累積画像信号のラインが画像プロセッサ130内
のアキュムレータ358に供給される。次いで、x−y
ステージが潜像をステッピングする間、画像プロセッサ
130は、n個の連続重なりスライスを走査する際にそ
れぞれのフィクセルに関して生成される累積画像信号を
さらに累積することによって、センサ・アレイから受け
取った累積画像信号に対応する写真信号を生成する処理
を実行する。
【0119】画像プロセッサ130は、まず、潜像内の
オブジェクト領域の位置を示すオブジェクト領域位置デ
ータをメモリ142から受け取ることによって、あらゆ
るステップの終わりにセンサ・アレイ310から受け取
った累積画像信号に対応する写真信号を生成する処理を
実行する。画像プロセッサは、オブジェクト領域位置デ
ータから、光の放出がセンサ・アレイから受け取った4
つの累積画像信号で表される潜像の、フィクセルに対応
する写真メモリ356内の位置を示すメモリ位置情報を
決定する。画像プロセッサは、メモリ位置情報で示され
た写真メモリ356内のメモリ位置からの写真信号をア
キュムレータ358へ転送する。アキュムレータは次い
で、センサ・アレイから受け取った累積画像信号を、写
真メモリから受け取ったそれぞれの写真信号に加え、累
積写真信号を生成する。最後に、画像プロセッサは、ア
キュムレータの累積写真信号を、写真信号が最初に転送
された写真メモリ内のそれぞれのメモリ位置に返す。斜
線領域372は、第4のステップの終わりに画像プロセ
ッサに供給される累積画像信号に対応する写真信号が記
憶される写真メモリ内のメモリ位置を示す。
【0120】第4のスライスを走査する第4のステップ
の終わりに画像プロセッサに供給される累積画像信号に
は、フィクセル311に関する累積画像信号が含まれ
る。この累積画像信号は、フィクセル311に関して生
成された第1の累積画像信号である。あるフィクセルに
関する累積画像信号が初めて生成されると、アキュムレ
ータ358は実際上、その累積画像信号を写真信号とし
て写真メモリ356に記憶する。これは、潜像の走査が
始まる前に写真メモリのすべてのメモリ要素が零に設定
され、したがってあるフィクセルに関する累積画像信号
が初めて生成されたときに、そのフィクセルに関して写
真メモリから検索される写真信号の値は零であるからで
ある。アキュムレータが写真メモリに返す累積写真信号
は、累積画像信号の値に等しい値を有する。
【0121】フィクセルA0ないしC0に関する第4の
ステップの終わりにも累積画像信号が生成される。これ
らのフィクセルに関する写真信号はそれぞれ、第1ない
し第3のスライスの走査時に少なくとも1度読み取られ
ているので、すでに写真メモリに記憶されている。した
がって、アキュムレータ358は、第4のステップの終
わりにこれらのフィクセルに関して生成された累積画像
信号を、すでに写真メモリ356に記憶されているこれ
らのフィクセルに関する写真信号に加える。第4のステ
ップの終わりに、フィクセルA0、B0、C0に関する
写真信号はそれぞれ、4つ、3つ、2つの累積画像信号
を加算した結果である。第4のスライスを走査する第4
のステップの終了時のフィクセルA0に関する写真信号
は、4つの累積画像信号を加算した結果であるので、フ
ィクセルA0に関する最終写真信号である。
【0122】図1に示したスキャナ100では、潜像1
03の各フィクセルに関してセンサ・アレイ110によ
って生成される累積画像信号は、そのフィクセルから放
出された光を受け取ったセンサ・アレイの列内のすべて
の256個の画素によって生成された画像信号を累積し
た結果である。しかし、前述の簡略化された例のよう
に、各フィクセルごとの4つの累積画像信号が加算さ
れ、そのフィクセルに関する最終写真信号が生成され
る。この場合も、3つの連続スライスの各スライスの走
査時に最初の写真信号に1つの累積画像信号が加えられ
る。
【0123】画像プロセッサ130は、それぞれの写真
信号に累積画像信号を加えるために、まず潜像303内
のオブジェクト領域の位置を示すオブジェクト領域位置
データ要素をメモリ142から検索する。たとえば、オ
ブジェクト領域位置データ要素は、オブジェクト領域3
08のフィクセルP0に対応する潜像303内のフィク
セルのアドレスであってよい。画像プロセッサは、この
ことと、センサ・アレイ310の各行内の画素数を示す
情報から、画像プロセッサが受け取った累積画像信号を
センサ・アレイに生成させた潜像のフィクセルを決定す
る。
【0124】オブジェクト領域位置データを使用して、
累積画像信号が、有効であるか、すなわち潜像からの光
に応答して列内のすべての画素によって生成される画像
信号を累積した結果が有効であるかどうかを判定するこ
ともできる。有効な累積画像信号を受け取るのは、オブ
ジェクト領域が、アクティブ水平出力レジスタ368ま
たは370に隣接する画素の行内のある画素が潜像内部
のフィクセルから光を受け取る潜像内の位置にあるとき
だけである。画像プロセッサはこの関係を使用して、各
スライスを走査する各ステップの終わりに受け取る累積
画像信号が有効かどうかを判定することができる。
【0125】図11に示した第4のスライス321を走
査する第4のステップで、オブジェクト領域位置データ
要素は、オブジェクト領域のフィクセルP0が潜像のフ
ィクセルA0の位置に配置されていることを示す。した
がって、画像プロセッサは、センサ・アレイ310が、
潜像のフィクセルA0ないしD0から放出された光に応
答して、画像プロセッサ自体が受け取った累積画像信号
を生成したと判定する。したがって、画像プロセッサ
は、潜像のフィクセルA0ないしD0の写真信号を写真
メモリ356からアキュムレータ358へ転送する。こ
れらの写真信号は、図11に斜線領域372で示した、
写真メモリ356のメモリ要素a0ないしd0から転送
される。アキュムレータは、センサ・アレイから受け取
った累積画像信号を、写真メモリから受け取ったそれぞ
れの写真信号に加え累積写真信号を生成する。画像プロ
セッサは次いで、累積写真信号を再び写真メモリのメモ
リ要素a0ないしd0に記憶する。
【0126】最初の3つのスライス307、317、3
19が走査される際、潜像の外側に配置されたフィクセ
ルに応答して生成される累積画像信号に対応するメモリ
位置が写真メモリに存在しないため、画像プロセッサが
そのような累積画像信号に対応する写真信号を検索する
ことができないことを理解されたい。画像プロセッサ
は、写真メモリ356に対応するメモリ位置が存在しな
い累積画像信号を破棄する。
【0127】画像プロセッサはまず、前述の累積処理を
実行するために、写真メモリのメモリ要素a0に記憶さ
れている写真信号をアキュムレータ358へ転送する。
アキュムレータは次いで、センサ・アレイの列p内の画
素によって生成された画像信号から導かれた累積画像信
号を写真信号に加え、累積写真信号を生成する。最後
に、画像プロセッサは、累積写真信号を再び写真メモリ
のメモリ要素a0に記憶する。このシーケンスは、すべ
てのフィクセルA0ないしD0に関する累積写真信号が
それぞれ、写真メモリのメモリ要素a0ないしd0に記
憶されるまでさらに3回繰り返される。
【0128】第4のスライスを潜像位置D0にあるフィ
クセル311に関して走査する第4のステップで受け取
る累積画像信号は、このフィクセルに関して受け取る最
初の累積画像信号であるので、写真メモリ356内のメ
モリ位置d0からアキュムレータ358へ転送される写
真信号の値は、図11に示した第4のスライスを走査す
る第4のステップでは零である。したがって、図21で
スライス4、ステップ4と示した列で、メモリ要素d0
に記憶されている累積写真信号は、累積画像信号に等し
い。
【0129】図12は、x−yステージが、矢印327
で示したように、−y方向へ1フィクセルの高さに対応
する距離だけ潜像303をステッピングした後の、第4
のスライスを走査する第5のステップでのオブジェクト
領域を示す。この場合、センサ・アレイ310の画素p
0ないしs0は、それぞれ潜像のフィクセルA1ないし
D1から放出された光を受け取るように位置合わせされ
る。画素p0ないしs0は、これらのフィクセルから放
出された光の強度を表すそれぞれの画像信号を生成し、
第4のステップの終わりに、これらの画像信号を、それ
ぞれ画素p1ないしs1から受け取った画像信号と共に
累積する。画素p1ないしs1から受け取る画像信号に
は、第3のステップの終わりにそれぞれ、画素p2ない
しs2から転送された画像信号と、第2のステップの終
わりにそれぞれ、画素p3ないしs3から転送された画
像信号とが含まれる。
【0130】次に、画素p1ないしs1が、それぞれ潜
像のフィクセルA2ないしD2から放出された光を受け
取るように位置合わせされる。画素p1ないしs1は、
これらのフィクセルから放出された光の強度を表す画像
信号を生成し、第4のステップの終わりに、これらの画
像信号を、それぞれ画素p2ないしs2から受け取った
画像信号と共に累積する。画素p2ないしs2から受け
取る画像信号には、第3のステップの終わりにそれぞ
れ、画素p3ないしs3から転送された画像信号が含ま
れる。
【0131】次に、画素p2ないしs2が、それぞれ潜
像のフィクセルA3ないしD3から放出された光を受け
取るように位置合わせされる。画素p2ないしs2は、
これらのフィクセルから放出された光の強度を表す画像
信号を生成し、第4のステップの終わりに、これらの画
像信号を、それぞれ画素p3ないしs3から受け取った
画像信号と共に累積する。
【0132】次に、画素p3ないしs3が、それぞれ潜
像のフィクセルA4ないしD4から放出された光を受け
取るように位置合わせされ、これらのフィクセルから放
出された光の強度を表す画像信号を生成する。
【0133】第5のステップの終わりに、画素p0ない
しs0に累積されている画像信号が、矢印386で示し
たように、底部水平出力レジスタ368へ転送され、画
素p1ないしs1に累積されている画像信号がそれぞ
れ、矢印384で示したように画素p0ないしs0へ転
送され、画素p2ないしs2に累積されている画像信号
がそれぞれ、矢印382で示したように画素p1ないし
s1へ転送され、画素p3ないしs3に累積されている
画像信号がそれぞれ、矢印380で示したように画素p
2ないしs2へ転送される。底部水平出力レジスタ36
8は、画素p0ないしs0から受け取った4つの画像信
号を4つの累積画像信号として画像プロセッサ130に
供給する。
【0134】第4のスライスを走査する第5のステップ
の終わりに画像プロセッサ130に供給される4つの累
積画像信号は、第4のスライスの走査時にフィクセルA
1ないしD1から放出され列p、q、r、s内のすべて
の画素によって受け取られる光全体を表す。これは、第
5のステップの終了時にセンサ・アレイのそれぞれの列
pないしs内のすべての画素が受け取っているのはフィ
クセルA1ないしD1からの光だけであるからである。
【0135】第5のステップの終わりに、オブジェクト
領域位置データ要素は、オブジェクト領域308のフィ
クセルP0が現在、潜像303のフィクセルA1に配置
されていることを示す。これは、画像プロセッサが受け
取った4つの累積画像信号が、潜像のフィクセルA1な
いしD1から放出された光に応答してセンサ・アレイ3
10によって生成されたものであることを画像プロセッ
サ130に示す。したがって、画像プロセッサは、潜像
のフィクセルA1ないしD1の写真信号を写真メモリ3
56からアキュムレータ358へ転送する。これらの写
真信号は、斜線領域372で示したように、写真メモリ
356のメモリ要素a1ないしd1から転送される。ア
キュムレータは、センサ・アレイから受け取った累積画
像信号を、写真メモリから受け取ったそれぞれの写真信
号に加え、累積写真信号を生成する。次いで、画像プロ
セッサは、フィクセルA1ないしD1に関する累積写真
信号を再び写真メモリのメモリ要素a1ないしd1に記
憶する。
【0136】画像プロセッサ130は、前述の処理を実
行するためにまず、写真メモリ356のメモリ要素a1
に記憶されている写真信号をアキュムレータ358へ転
送する。次いで、アキュムレータは、センサ・アレイの
列p内の画素によって生成された画像を累積することに
よって生成された累積画像信号を画像信号に加え、累積
写真信号を生成する。最後に、画像プロセッサは、フィ
クセルA1に関する累積写真信号を再び写真メモリのメ
モリ要素a1に記憶する。このシーケンスは、フィクセ
ルA1ないしD1に関する累積写真信号がそれぞれ、斜
線領域372で示した写真メモリのメモリ要素a1ない
しd1に記憶されるまでさらに3回繰り返される。
【0137】第4のスライスを潜像のフィクセルD1に
関して走査する第5のステップで生成される累積画像信
号は、このフィクセルに関して生成される最初の累積画
像信号であるので、写真メモリ356内のメモリ位置d
1からアキュムレータ358へ転送される写真信号の値
は、図12に示した第4のスライスを走査する第5のス
テップでは零である。したがって、センサ・アレイの列
sによって生成される累積画像信号は、フィクセルD1
に関する写真信号として写真メモリ356のメモリ要素
d1に実際上変更なしに記憶される。
【0138】図12に示した第4のスライス321を走
査する第5のステップの後、次の8つのステップ、すな
わちステップ6ないし13で第4のスライスの残りの部
分が走査される。これらのステップの各ステップの終わ
りに、底部水平出力レジスタ368は4つの累積画像信
号のラインを画像プロセッサ130に供給する。累積画
像信号の連続ラインは、潜像303のフィクセルA2な
いしD2、A3ないしD3・・・A9ないしD9から放
出された光全体を表す。
【0139】図12で分かるように、第5のステップの
後にフィクセル311はオブジェクト領域308の外側
にあるので、フィクセル311に関する累積写真信号
は、第4のスライス321を走査する第5のステップな
いし第13のステップでは変更されない。しかし、これ
らのステップでは、写真メモリ356のメモリ位置a2
ないしc9に記憶されているフィクセルA2ないしC9
に関する各写真信号に少なくとも1つの累積画像信号が
加えられ、フィクセルD2ないしD9に関する最初の写
真信号がメモリ位置d2ないしd9に記憶される。
【0140】第4のスライス321の走査の終了時に
は、第4のスライスを走査する連続ステップでセンサ・
アレイ310の画素s3ないしs0によって連続的に生
成された画像信号をy方向へ累積し、写真信号としての
結果的に得られる累積画像信号を写真メモリ356内の
対応するメモリ位置に記憶することによって、フィクセ
ル311に関する写真信号を含め、潜像の列D0ないし
D9内のフィクセルに関する写真信号がそれぞれ生成さ
れている。
【0141】第4のスライス321の走査の終了時に
は、実際上16個の画像信号を2ステップ累積プロセス
で累積することによって潜像303の列A0ないしA9
内のフィクセルに関する写真信号が生成されている。y
方向の累積を行う第1の累積ステップで、センサ・アレ
イ310は、スライス1ないし4の各スライスの走査時
に列内の各フィクセルごとに累積画像信号を生成する。
センサ・アレイは、センサ・アレイの1つの列内のすべ
ての画素によって連続的に生成される4つの画像信号を
累積することによって各累積画像信号を生成する。次い
で、x方向の累積を行う第2の累積ステップで、画像プ
ロセッサ130は、第1のステップでフィクセルに関し
て生成された4つの累積画像信号を加算し、フィクセル
に関する最終写真信号を生成する。
【0142】図13ないし図17に示したように、第5
のスライスおよびその後に続くスライスの走査時に潜像
のフィクセルA0ないしA9はオブジェクト領域308
の外側に来るので、写真メモリ356のメモリ要素a0
ないしa9に記憶されている写真信号はこれ以上変更さ
れない。したがって、写真メモリのメモリ要素a0ない
しa9に記憶されている累積写真信号は、潜像のフィク
セルA0ないしA9に関する最終写真信号である。これ
らの最終写真信号は、潜像内のすべての画素に関する最
終写真信号が生成されるまでメモリ142の写真メモリ
部分に残すことができる。別法として、潜像のフィクセ
ルA0ないしA9に関する最終写真信号を、写真メモリ
のメモリ要素a0ないしa9から大容量記憶装置134
の対応する要素にコピーすることができる。これによっ
て、使用すべきメモリ142の写真メモリ部分のメモリ
要素a0ないしa9の内容が零にリセットされた後それ
らのメモリ要素が解放され、第5のスライス323を初
めて走査するときに読み取られるフィクセルE0ないし
E9に関する写真信号を累積することができる。
【0143】図13ないし図17はそれぞれ、潜像30
3の第5のスライス323を走査する第5ないし第1の
ステップでのオブジェクト領域308の位置を示す。第
4のスライスの走査の終わりに、x−yステージ(図示
せず)は、矢印309で示したように、潜像を−x方向
へ、1フィクセルの幅に等しい距離だけ移動させる。第
5のスライスを走査すると、潜像の列B、C、D、E内
のフィクセルが読み取られる。x−yステージは、第5
のスライスを走査するために、矢印331で示したよう
に、第4のスライスを走査するために潜像を移動させた
のと逆の(+y)方向へ潜像を移動させる。
【0144】第5のスライス323およびその他の奇数
番号のスライスを走査する際、x−yステージ(図示せ
ず)は、偶数番号のスライスが走査されたときと逆の方
向へ潜像303を移動させ、センサ・アレイ310内の
画像信号転送の方向は、偶数番号のスライスの走査時の
画像信号転送の方向と逆である。転送方向のこの変化に
よって、画像信号は、それを生成させるフィクセルの運
動を追跡することができる。奇数番号のスライスの走査
時には、画像信号は頂部水平出力レジスタ370の方へ
転送される。頂部水平出力レジスタは、センサ・アレイ
のそれぞれの列に累積する画像信号から導かれた4つの
累積画像信号のラインを画像プロセッサ130内のアキ
ュムレータ358に供給する。
【0145】第5のスライスを走査する第13ないし第
6のステップ(図示せず)では、潜像303のそれぞ
れ、列BないしEならびに行9、行9および8、行9、
8、7、行9、8、7、6、行8、7、6、5、行7、
6、5、4、行6、5、4、3、行5、4、3、2内の
フィクセルが読み取られる。図13に示した第5のスラ
イスを走査する第5のステップでは、潜像の列Bないし
Eおよび行4、3、2、1内のフィクセルが読み取られ
る。各ステップの終わりに、頂部水平出力レジスタ37
0は、4つの累積画像信号のラインを画像プロセッサ1
30に供給する。画像プロセッサは、第13ないし第1
1のステップの終わりに受け取った累積画像信号のライ
ンを破棄する。これらの累積画像信号は、潜像303の
外側に配置されたフィクセルに応答して生成された少な
くとも1つの画像信号を累積した結果であるので無効で
ある。フィクセル311は、オブジェクト領域308の
外側にあるので第5のスライス323を走査する第13
ないし第5のステップでは読み取られない。
【0146】図13ないし図17に示した、第5のスラ
イスを走査する第5ないし第1のステップの終わりに、
アキュムレータ358は、頂部水平出力レジスタ370
から受け取った累積画像信号をそれぞれ、写真メモリ3
56のメモリ要素b4ないしe4、b3ないしe3、b
2ないしe2、b1ないしe1、b0ないしe0から検
索された写真信号に加える。これらのメモリ要素は、図
13ないし図17では斜線領域372で示されている。
写真メモリの列bないしdのメモリ要素に記憶されてい
る画像信号は、対応する累積画像信号に加えられ、結果
として得られる累積写真信号は再び、写真メモリ内の同
じメモリ位置に記憶される。第5のスライスの走査時に
フィクセルE9ないしE0に関して生成される累積画像
信号は、これらのフィクセルに関する最初の累積画像信
号なので、写真メモリのメモリ要素e9ないしe0から
アキュムレータへ転送される写真信号はゼロの値をと
る。したがって、フィクセルE9ないしE0に関する累
積画像信号は、これらのフィクセルに関する最初の写真
信号として写真メモリの列eのメモリ要素に有効に記憶
される。
【0147】図14ないし図17に示した第5のスライ
スを走査する第4ないし第1のステップで、フィクセル
311はオブジェクト領域308の内側にある。これら
のステップの各ステップの終わりに、第4ないし第1の
ステップでフィクセル311から放出された光に応答し
てセンサ・アレイ310のそれぞれ画素r0ないしr3
によって生成された画像信号は、矢印380、382、
384、386で示したように、順次、列r内の画素間
で転送される。第1のステップの終わりに、画像信号は
頂部水平出力レジスタ370の要素rへ転送され、そこ
から、フィクセル311に関する累積画像信号として画
像プロセッサ130内のアキュムレータ358に供給さ
れる。
【0148】アキュムレータ358は、頂部水平出力レ
ジスタ370の要素rから受け取った累積画像信号を写
真メモリ356のメモリ要素d0から検索された写真信
号に加える。これによって、累積画像信号が初めてフィ
クセル311に関する写真信号に加えられる。次いで、
フィクセル311に関する結果的に得られる累積写真信
号が写真メモリのメモリ要素d0に返される。したがっ
て、第5のスライスを走査する第1のステップの終わり
に、フィクセル311に関してメモリ要素d0に記憶さ
れている写真信号は、潜像の第4および第5のスライス
の走査時にフィクセル311から放出された光に応答し
て生成された8つの画像信号を累積した結果である。
【0149】特に第7および第6のステップでは、第5
のスライス323を走査する際、フィクセル311は、
第4のスライスを走査するときよりもずっと高い強度の
赤外線による誘導を受ける。したがって、図21に示し
たように、第5のスライスの走査時にフィクセル311
から放出される光に応答してセンサ・アレイ310の列
rの画素によって生成される画像信号は、第4のスライ
スの走査時に列sの画素によって生成された画像信号よ
りもずっと大きい。第1のステップの終わりに、フィク
セル311に関する累積画像信号(実線)および写真信
号(一点鎖線)は有意のレベルを有する。第3のステッ
プでフィクセル311が読み取られるときに赤外線がこ
のフィクセルをブリーチするので、第2のステップでフ
ィクセル311から放出された光に応答して画素r2に
よって生成される画像信号は、第3のステップで画素r
1によって生成される画像信号よりも小さい信号として
示されている。
【0150】第5のスライス323の走査の終了時に
は、実際上、潜像303のフィクセルB0ないしB9か
ら放出された光に応答してセンサ・アレイ310の画素
によって生成された16個の画像信号を累積することに
よって、潜像303のフィクセルB0ないしB9に関す
る写真信号がそれぞれ生成されている。フィクセルB0
ないしB9はオブジェクト領域308の外側にあるの
で、写真メモリ356の記憶要素b0ないしb9に記憶
されている写真信号は、第6のスライスおよびその後に
続くスライスの走査時には変更されない。前述のよう
に、メモリ要素b0ないしb9に記憶されている写真信
号は、最終写真信号であり、メモリ142の写真メモリ
部分に残すことも、あるいは大容量記憶装置134へ転
送してメモリ142の写真メモリ部分のメモリ要素b0
ないしb9を解放し、初めて第6のスライス325を走
査する際に読み取られるフィクセルF0ないしF9に関
する写真信号を累積するために再使用することもでき
る。
【0151】図18および図19はそれぞれ、第6のス
ライス325を走査する第4のステップおよび潜像30
3の第7のスライス360を走査する第1のステップで
のオブジェクト領域308の位置を示す。フィクセル3
11に関する写真信号の最後の2回の累積は、これらの
ステップの各ステップの終わりに行われる。第6のスラ
イスを走査すると、潜像303の列C、D、E、F内の
フィクセルが第4のスライス321と同じ方向へ読み取
られ、それに対して、第7のスライスを走査すると、列
D、E、F、G内のフィクセルが第5のスライス323
と同じ方向へ読み取られる。
【0152】フィクセル311は、第6および第7のス
ライスを走査する第1ないし第4のステップでオブジェ
クト領域308にある。したがって、第6のスライス3
25を走査すると、第4ないし第1のステップでセンサ
・アレイ310の画素q3ないしq0によって連続的に
生成された画像信号がy方向へ累積され、フィクセル3
11に関する追加累積画像信号が生成される。この累積
画像信号は、フィクセルC0、E0、F0に関する累積
画像信号も含む4つの累積画像信号のラインとして画像
プロセッサ130に供給される。画像プロセッサ内のア
キュムレータ358は、フィクセル311に関する累積
画像信号を、写真メモリ356内のメモリ要素d0から
検索されたこのフィクセルに関する写真信号に加え、メ
モリ要素d0に累積写真信号を返す。
【0153】第7のスライス360を走査すると、第4
ないし第1のステップでセンサ・アレイの画素p0ない
しp3によって連続的に生成された画像信号がy方向へ
累積され、フィクセル311に関する他の追加累積画像
信号が生成される。この累積画像信号は、フィクセルE
0ないしG0に関する累積画像信号も含む4つの累積画
像信号のラインとして画像プロセッサに供給される。画
像プロセッサ内のアキュムレータ358は、フィクセル
311に関する累積画像信号を、写真メモリ356のメ
モリ要素d0から検索されたフィクセル311に関する
写真信号に加え、この結果得られる累積写真信号をメモ
リ要素d0に返す。
【0154】したがって、第7のスライスを走査する第
1のステップの終了時には、実際上、潜像303のフィ
クセルD0ないしD9から放出された光に応答してセン
サ・アレイ310の画素によって生成された16個の画
像信号を累積することによって、フィクセル311に関
する写真信号を含め、これらのフィクセルに関する累積
写真信号がそれぞれ生成されている。フィクセルD0な
いしD9はオブジェクト領域308の外側にあるので、
写真メモリ356の記憶要素d0ないしd9に記憶され
ている写真信号は、第6のスライスおよびその後に続く
スライスの走査時には変更されない。前述のように、メ
モリ要素d0ないしd9に記憶されている写真信号は、
最終写真信号であり、メモリ142の写真メモリ部分に
残すことも、あるいは大容量記憶装置134へ転送する
こともできる。しかし、この例では、初めて第6のスラ
イス325を走査する際に読み取られるフィクセルがな
いので、潜像の他のフィクセルの写真信号を累積するた
めに再使用できるように、メモリ142の写真メモリ部
分のメモリ要素d0ないしd9を解放する必要はない。
【0155】第6のスライス325を走査すると、フィ
クセル311は、第5のスライス323の走査時にこの
フィクセルが受けた赤外線の強度に匹敵する強度の赤外
線を受ける。しかし、図21に示したように、第5のス
ライスがフィクセル311をブリーチするので、第6の
スライスの走査時にフィクセル311から放出された光
に応答して画素q3ないしq0によって生成される画像
信号は、第5のスライスの走査時にこのフィクセルから
放出された光に応答して画素r0ないしr3によって生
成される画像信号よりも小さい。また、フィクセル31
1が第2のステップで赤外線によってさらにブリーチさ
れるので、第6のスライスを走査する第3のステップで
画素q1によって生成される画像信号は、第6のスライ
スを走査する第2のステップで画素q2によって生成さ
れる画像信号よりも小さい信号として示されている。
【0156】第7のスライス360を走査すると、フィ
クセル311は、第4のスライス321の走査時にこの
フィクセルが受けた赤外線の強度に匹敵する強度の赤外
線を受ける。したがって、図21に示したように、
(a)赤外誘導の強度が低く、かつ(b)フィクセル3
11が、前のスライスの走査時に赤外線によってブリー
チされるので、第7の走査時に生成される累積画像信号
はすべて零に近い。
【0157】図21は、第6および第7のスライスの各
スライスの走査の終わりに、フィクセル311に関する
写真信号のレベル(一点鎖線)が、累積画像信号のレベ
ル(実線)だけ増大することも示す。
【0158】上記で図1を参照して説明したスキャナ1
00では、フィクセルは、誘導スポット114の寸法と
比べて、前述の簡略化された例よりもずっと小さい。ス
キャナ100内の各画素では、y方向で各スライスを走
査する連続ステップ間の赤外誘導の変化が、簡略化され
た例よりも低速である。その結果、図20に示したよう
に、すべてのフィクセルが受ける誘導線量は、前述の簡
略化された例よりも密に、スキャナ100内で一定の値
に近似される。
【0159】第7のスライス360を走査した後、図1
9に示した第9のスライス364および第10のスライ
ス366が走査され、潜像303の残りのフィクセルに
関する最終写真信号が生成される。
【0160】潜像303の走査の終わりに、潜像全体に
関する最終写真信号を大容量記憶装置134へ転送する
ことができる。画像プロセッサ130がグラフィックス
・アダプタ138またはプリンタ・ポート144、ある
いはその両方を含む場合、これらの要素に写真信号をコ
ピーし、記憶蛍光体から再生された潜像を表示または印
刷し、あるいはその両方を行うことができる。
【0161】前述のように、潜像303を表す写真信号
を記憶するのに必要な大容量記憶装置134のバイト数
は、写真信号に信号圧縮処理を施すことによって低減さ
せることができる。この処理は、各マクロブロック、た
とえば潜像の16フィクセル×16フィクセルに関する
最終写真信号が生成された後に行うことができる。別法
として、信号圧縮処理はたとえば、各スライスごとの最
終写真信号が生成された後に行うことも、あるいは潜像
全体に関する最終写真信号が生成された後に行うことも
できる。
【0162】センサ・アレイは、TDIモードではなく
通常のフレーム・モードで動作することができる。この
場合、センサ・アレイは、潜像を走査する各ステップの
終わりに16個の画像信号のフレームを生成し、画像プ
ロセッサ130は、累積処理を実行し、フィクセルから
放出された光に応答してセンサ・アレイによって生成さ
れたすべての画像信号を累積することによって潜像内の
各フィクセルごとの写真信号を生成しなければならな
い。
【0163】上記では、図1に示した実際的なスキャナ
100と、図8ないし図19に示した簡略化スキャナに
関連して本発明を説明した。しかし、本発明は、これら
の実施形態に限らない。たとえば、潜像103内のオブ
ジェクト領域108および誘導スポット114の位置を
変更するために記憶蛍光体をx−yステージに取り付け
る必要はない。記憶蛍光体は静的なものでよく、赤外線
源120とセンサ・アレイ110を移動させて潜像を走
査することができる。別法として、記憶蛍光体、センサ
・アレイ、赤外線源は静的なものでよく、オブジェクト
領域と、赤外線源120とセンサ・アレイ110の両方
との間の光路に、1つまたは複数の偏光要素を含めるこ
とによって潜像を走査することができる。他の代替策と
して、第1の方向、たとえばx方向へ潜像を移動させ、
あるいは赤外線120およびセンサ・アレイ110を移
動させ、あるいはこれらの要素への光路の光を、その方
向に直交する第2の方向へ偏向することによって潜像を
走査することもできる。
【0164】潜像103に対してy方向へはステップ単
位で、x方向にはシフト量単位で移動するオブジェクト
領域108および誘導スポット114に関して本発明を
説明した。しかし、本発明はこれに限らず、オブジェク
ト領域および誘導スポットは、潜像に対して円滑に移動
することができる。たとえば、従来型の35mmフィル
ムで使用された可撓性バッキングと同様な可撓性バッキ
ング上に記憶蛍光体を被覆することができる。可撓性バ
ッキングのスプロケット・ホールによって潜像をx方向
へ円滑に前進させることができる。この場合、センサ・
アレイをレンズの光軸の周りでわずかに斜めにして、x
方向とスライスの方向との間の非垂直関係を考慮に入れ
る必要がある。さらに、潜像をこのように走査する場
合、オブジェクト領域および誘導スポットはスライスの
始めに迅速に復帰しなければならない。またあるいは別
法として、オブジェクト領域および誘導スポットはy方
向へ円滑に移動することもできる。
【0165】上記の説明では、y方向へ走査されるスラ
イスについて説明した。しかし、本発明はこれに限ら
ず、スライスは別法として、x方向へ走査することがで
きる。また、記憶蛍光体が−y方向へ移動することによ
って走査される偶数番号のスライスについて説明し、記
憶蛍光体が+y方向へ移動することによって走査される
奇数番号のスライスについて説明した。しかし、これら
の方向を逆にすることも、あるいは前述のように、スラ
イスを+x方向または−x方向のみで走査し、走査間に
迅速に復帰させることもできる。最後に、図ではx方向
を潜像の長い方向に位置合わせしてあるが、x方向を短
い方向に位置合わせすることも、あるいは潜像を正方形
にして長い方向をなくすることもできる。
【0166】上記の例では、センサ・アレイ103を2
56画素×256画素の正方形アレイとして説明した。
しかし、本発明はこれに限らない。異なる数の画素を有
するセンサ・アレイを使用することも、あるいは長方形
の画素アレイを有するセンサ・アレイを使用すること
も、あるいは場合によっては直線画素アレイを有するセ
ンサ・アレイを使用することもできる。より多くの画素
を有するセンサ・アレイを使用する場合、このようなセ
ンサ・アレイがより高価で大型であり、より高価なレン
ズが必要になるため、スキャナのコストが増大する。し
かし、より多くの画素を有するセンサ・アレイでは、潜
像を走査するのに要する時間が短縮され、または空間解
像度が向上し、あるいはその両方が得られる。より少な
い画素を有するセンサ・アレイはより安価であるが、画
像を走査するのに要する時間が増し、または空間解像度
が低く、あるいはその両方である。
【0167】上記の説明では、従来型の35mm写真フ
ィルムに相当する寸法を有する記憶蛍光体に記憶されて
いる潜像を走査するスキャナについて説明した。しか
し、本発明は、そのような寸法を有する潜像を走査する
スキャナに限らない。本発明によるスキャナは、単に機
械的走査範囲および写真メモリの寸法を変更することに
よって実際的な寸法の潜像を走査するように容易にスケ
ーリングすることができる。さらに、従来型の35mm
静止写真フィルムの空間解像度と同様な空間解像度を与
えるスキャナの好ましい実施形態について説明した。し
かし、本発明はそのような空間解像度を与えるスキャナ
に限らない。本発明によるスキャナは、たとえばレンズ
106によって生成される倍率を変更することによって
一連の空間解像度を与えるように容易にスケーリングす
ることができる。
【0168】上記の説明では、マイクロプロセッサ13
2に基づく構造を有する画像プロセッサ130について
説明した。しかし、本発明はそのような構造に限らな
い。画像プロセッサによって実行される機能は、画像信
号を累積して写真信号を生成することや、写真信号を大
容量記憶装置に記憶することや、ビデオ・モニタに供給
できるアナログ信号を写真信号から導くことや、センサ
・アレイおよびx−yステージの動作を制御するコマン
ド信号を生成することや、潜像内のオブジェクト領域の
位置を追跡することや、写真信号を圧縮することなどの
機能を実行する離散回路または集積回路を使用して実行
することができる。さらに、センサ・アレイによって生
成されたアナログ画像信号をx方向とy方向の両方での
アナログ画像信号として累積し、ビデオ・モニタ上に表
示しビデオ・テープなどのアナログ大容量記憶装置に記
憶することができるそれぞれの累積アナログ写真信号を
生成することができる。これらの機能を実行する回路
は、当技術分野で知られており、本明細書では説明しな
い。
【0169】上記の説明では、記憶蛍光体に記憶されて
いる潜像を走査するスキャナについて説明した。しか
し、スキャナは、従来型の写真フィルムに記憶されてい
る画像などの非潜像を走査するために使用することもで
きる。そのような非潜像を走査するには、赤外線源12
0を可視光源で置き換え、非潜像を前述のように走査す
る。可視光源は白色光源でよく、その場合、非潜像に関
する写真信号は1回の走査で得ることができる。別法と
して、可視光源はカラー光源でもよい。この場合、非潜
像を表す写真信号を生成するには、各走査ごとに可視光
源の色を異なるものにして非潜像を3回走査する必要が
ある。この方法はより時間がかかるが、写真信号に関す
る色情報を累積画像信号から抽出するために必要な処理
はより容易である。
【0170】本開示では本発明の例示的な実施形態につ
いて詳しく説明したが、本発明が、説明した厳密な実施
形態に限らず、かつ添付の特許請求の範囲によって定義
した本発明の範囲内で様々な修正を加えられることを理
解されたい。
【0171】以下に本発明の実施の形態を要約する。 1. 画像記憶媒体に記憶されている記憶画像を表す写
真信号を生成する方法であって、それぞれが光に応答し
て画像信号を生成する画素の、長方形アレイである場合
を含むセンサ・アレイを設けるステップと、単調非一様
強度分布を有する誘導ビームを設けるステップと、記憶
画像のオブジェクト領域の画像をセンサ・アレイ上に形
成し、センサ・アレイの各画素に対応するフィクセル
を、記憶画像の領域の小さな一部であり記憶画像に対す
る位置を有するオブジェクト領域内に画定するステップ
と、ほぼオブジェクト領域にセンタリングされた誘導ス
ポットを誘導ビームを使用して記憶画像上に形成するこ
とによって、記憶画像を誘導するステップと、オブジェ
クト領域および誘導スポットを用いて記憶画像を走査し
て記憶画像内にフィクセルを画定し、誘導スポットに応
答してフィクセルから放出された光の累積を表す各フィ
クセルごとの写真信号を生成するステップとを含み、記
憶画像を走査するステップが、オブジェクト領域および
誘導スポットの位置を第1の軸に沿って記憶画像に対し
て連続的に変更して記憶画像のスライスを走査するステ
ップと、記憶画像の連続スライスを、第1の軸に直交す
る第2の軸に沿って走査するステップと、記憶画像内の
オブジェクト領域の各位置で、オブジェクト領域内の各
フィクセルから放出された光に応答して画像信号を生成
するようにセンサ・アレイを制御するステップと、記憶
画像の各フィクセルごとに、記憶画像内のオブジェクト
領域の各位置にありオブジェクト領域の内側にあるフィ
クセルから放出された光に応答してセンサ・アレイによ
って生成されたすべての画像信号を累積して、そのフィ
クセルに関する写真信号を生成するステップとを含む画
像記憶媒体内の記憶画像を表す写真信号の生成方法。
【0172】2. センサ・アレイ上に画像を形成する
ステップにおいて、オブジェクト領域が幅を有し、記憶
画像を誘導するステップにおいて、誘導スポットが、強
度とピーク強度と半径w0 とを有し、強度が、ピーク強
度のe-2であり、半径w0 が、オブジェクト領域の幅の
約3分の1である上記1に記載の画像記憶媒体内の記憶
画像を表す写真信号の生成方法。
【0173】3. センサ・アレイ上に画像を形成する
ステップにおいて、オブジェクト領域が幅を有し、オブ
ジェクト領域および誘導スポットの位置を連続的に変更
して記憶画像のスライスを走査するステップにおいて、
スライスが、オブジェクト領域の幅に等しい幅を有し、
記憶画像の連続スライスを走査するステップが、スライ
ス同士を、スライスの幅の少なくとも半分のスライス重
なり量だけ重ね合わせるステップを含む上記1に記載の
画像記憶媒体内の記憶画像を表す写真信号の生成方法。
【0174】4. スライス重なり量が、スライスの幅
の4分の3である上記3に記載の画像記憶媒体内の記憶
画像を表す写真信号の生成方法。
【0175】5. 単調非一様強度分布を有する誘導ビ
ームを設けるステップにおいて、単一ガウス強度分布を
有する誘導ビームが設けられる上記1に記載の画像記憶
媒体内の記憶画像を表す写真信号の生成方法。
【0176】6. 記憶画像を誘導するステップにおい
て、誘導スポットの強度が、オブジェクト領域の外側で
ほぼ零である上記1に記載の画像記憶媒体内の記憶画像
を表す写真信号の生成方法。
【0177】7. センサ・アレイを設けるステップに
おいて、時間遅れ積分(TDI)モードで動作するセン
サが設けられる上記1に記載の画像記憶媒体内の記憶画
像を表す写真信号の生成方法。
【0178】8. センサ・アレイを設けるステップに
おいて、画素が、行と列の二次元アレイとして構成さ
れ、列が第1の軸に平行であるセンサ・アレイが設けら
れ、すべての画像信号を累積し、フィクセルに関する写
真信号を生成するステップが、フィクセルがオブジェク
ト領域の内側に位置する記憶画像の各スライスを走査す
る際に、オブジェクト領域内の連続位置でフィクセルか
ら放出された光に応答してセンサ・アレイの1つの列内
の画素によって生成されたすべての画像信号を累積し、
そのフィクセルに関する累積画像信号を生成するステッ
プと、フィクセルに関して生成された累積画像信号を累
積し、フィクセルに関する写真信号を生成するステップ
とを含む上記7に記載の画像記憶媒体内の記憶画像を表
す写真信号の生成方法。
【0179】9. すべての画像信号を累積してフィク
セルに関する写真信号を生成するステップが、オブジェ
クト領域の内側にフィクセルが位置する記憶画像のスラ
イスを走査する際に、フィクセルがオブジェクト領域の
内側にあるオブジェクト領域および誘導スポットの連続
位置で、フィクセルから放出された光に応答してセンサ
・アレイの1つの列内の画素によって生成されたすべて
の画像信号を累積し、そのフィクセルに関する写真信号
を生成するステップを含む上記1に記載の画像記憶媒体
内の記憶画像を表す写真信号の生成方法。
【0180】10. 方法が、記憶蛍光体に記憶されて
いる潜像を表す写真信号を生成する方法であり、誘導ビ
ームを設けるステップにおいて、赤外線の誘導ビームが
設けられる上記1に記載の画像記憶媒体内の記憶画像を
表す写真信号の生成方法。
【0181】11. 画像記憶媒体に記憶されている記
憶画像を表す写真信号を生成する装置であって、それぞ
れが光に応答して画像信号を生成する画素の、長方形ア
レイである場合を含むセンサ・アレイと、記憶画像のオ
ブジェクト領域の画像をセンサ・アレイ上に形成し、セ
ンサ・アレイの各画素に対応するフィクセルを、記憶画
像の領域の小さな一部であり記憶画像に対する位置を有
するオブジェクト領域内に画定する画像形成手段と、単
調非一様強度分布を有する誘導ビームを用いて記憶画像
を誘導し、ほぼオブジェクト領域にセンタリングされた
誘導スポットを形成する誘導手段と、記憶画像を走査し
て記憶画像内にフィクセルを画定し、誘導ビームに応答
してフィクセルから放出された光の強度を表す各フィク
セルごとの写真信号を生成する写真信号生成手段とを備
え、写真信号生成手段が、オブジェクト領域および誘導
スポットの位置を第1の軸に沿って記憶画像に対して連
続的に変更して記憶画像のスライスを走査し、かつ記憶
画像の連続スライスを、第1の軸に直交する第2の軸に
沿って走査する位置変更手段と、記憶画像内のオブジェ
クト領域の各位置で動作し、オブジェクト領域内の各フ
ィクセルから放出された光に応答して画像信号を生成す
るようにセンサ・アレイを制御する制御手段と、記憶画
像の各フィクセルごとに動作し、フィクセルがオブジェ
クト領域の内側にある記憶画像内のオブジェクト領域の
各位置にあるフィクセルから放出された光に応答してセ
ンサ・アレイによって生成されたすべての画像信号を累
積してそのフィクセルに関する写真信号を生成する累積
手段とを含む画像記憶媒体内の記憶画像を表す写真信号
の生成装置。
【0182】12. オブジェクト領域が幅を有し、誘
導ビームが、強度と、ピーク強度と、半径w0 とを有
し、強度が、ピーク強度のe-2であり、半径w0 が、オ
ブジェクト領域の幅の約3分の1である上記11に記載
の画像記憶媒体内の記憶画像を表す写真信号の生成装
置。
【0183】13. オブジェクト領域が幅を有し、各
スライスが、オブジェクト領域の幅に等しい幅を有し、
位置変更手段が、スライスの幅の少なくとも半分のスラ
イス重なり量だけ重ね合わせられたスライスごとに記憶
画像を走査する上記11に記載の画像記憶媒体内の記憶
画像を表す写真信号の生成装置。
【0184】14. スライス重なり量が、スライスの
幅の4分の3である上記11に記載の画像記憶媒体内の
記憶画像を表す写真信号の生成装置。
【0185】15. 誘導ビームが、単一ガウス強度分
布を有する上記11に記載の画像記憶媒体内の記憶画像
を表す写真信号の生成装置。
【0186】16. 誘導スポットの強度が、オブジェ
クト領域の外側でほぼ零である上記11に記載の画像記
憶媒体内の記憶画像を表す写真信号の生成装置。
【0187】17. センサ・アレイが、時間遅れ積分
(TDI)センサ・アレイを含む上記11に記載の画像
記憶媒体内の記憶画像を表す写真信号の生成装置。
【0188】18. センサ・アレイの画素手段が、行
と列の二次元アレイとして構成され、列が第1の軸に平
行であり、累積手段が、位置変更手段が、フィクセルが
オブジェクト領域の内側に位置する記憶画像の各スライ
スを走査するときに動作し、フィクセルがオブジェクト
領域の内側にあるオブジェクト領域および誘導スポット
の連続位置でフィクセルから放出された光に応答してセ
ンサ・アレイの1つの列内の画素によって生成されたす
べての画像信号を累積し、そのフィクセルに関する累積
画像信号を生成する列単位累積手段と、列単位累積手段
によってフィクセルに関して生成された累積画像信号を
累積し、フィクセルに関する写真信号を生成するスライ
ス単位累積手段とを含む上記17に記載の画像記憶媒体
内の記憶画像を表す写真信号の生成装置。
【0189】19. 位置変更手段が、フィクセルがオ
ブジェクト領域の内側に位置する記憶画像のスライスを
走査するときに動作し、フィクセルがオブジェクト領域
の内側にあるオブジェクト領域および誘導スポットの連
続位置でフィクセルから放出された光に応答してセンサ
・アレイによって生成されたすべての画像信号を累積
し、そのフィクセルに関する写真信号を生成する手段を
含む上記11に記載の画像記憶媒体内の記憶画像を表す
写真信号の生成装置。
【0190】20. 装置が、記憶蛍光体に記憶されて
いる潜像を表す写真信号を生成する装置であり、誘導手
段が、赤外線源を含む上記11に記載の画像記憶媒体内
の記憶画像を表す写真信号の生成装置。
【0191】
【発明の効果】本発明によれば、画像記憶媒体に記憶さ
れている記憶画像を読み取り、記憶画像が表す写真信号
を生成することができる。その際、従来型の写真フィル
ムを必要としないので、銀や現像液などにより環境を害
することはない。また、本発明によれば、単調非一様分
布を有する誘導ビームを設けたことなどにより、従来型
の写真フィルムの空間解像度に匹敵する空間解像度の写
真信号を生成することができる。また、本発明によれ
ば、光に応答して画像信号を生成する画素からなるセン
サ・アレイを設けたことなどにより、迅速に記憶画像が
表す写真信号を得ることができる。また、本発明によれ
ば、記憶画像の一部分であるオブジェクト領域の画像を
センサ・アレイ上に形成すればよいので、大型で高価な
レンズが必要とされない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスキャナのブロック図である。
【図2】オブジェクト領域および誘導スポットを用いて
潜像の重なり合った6つのスライスを走査するシーケン
スを示す図である。
【図3】オブジェクト領域および誘導スポットを用いて
潜像の重なり合った6つのスライスを走査するシーケン
スを示す図である。
【図4】オブジェクト領域および誘導スポットを用いて
潜像の重なり合った6つのスライスを走査するシーケン
スを示す図である。
【図5】オブジェクト領域および誘導スポットを用いて
潜像の重なり合った6つのスライスを走査するシーケン
スを示す図である。
【図6】オブジェクト領域および誘導スポットを用いて
潜像の重なり合った6つのスライスを走査するシーケン
スを示す図である。
【図7】オブジェクト領域および誘導スポットを用いて
潜像の重なり合った6つのスライスを走査するシーケン
スを示す図である。
【図8】画像プロセッサがどのように、簡略化センサ・
アレイによって生成された画像信号を処理し、潜像の走
査時に誘導スポットに応答して小さな潜像の各フィクセ
ルから放出された光全体を表す写真信号を生成するかの
例を示す図である。
【図9】画像プロセッサがどのように、簡略化センサ・
アレイによって生成された画像信号を処理し、潜像の走
査時に誘導スポットに応答して小さな潜像の各フィクセ
ルから放出された光全体を表す写真信号を生成するかの
例を示す図である。
【図10】画像プロセッサがどのように、簡略化センサ
・アレイによって生成された画像信号を処理し、潜像の
走査時に誘導スポットに応答して小さな潜像の各フィク
セルから放出された光全体を表す写真信号を生成するか
の例を示す図である。
【図11】画像プロセッサがどのように、簡略化センサ
・アレイによって生成された画像信号を処理し、潜像の
走査時に誘導スポットに応答して小さな潜像の各フィク
セルから放出された光全体を表す写真信号を生成するか
の例を示す図である。
【図12】画像プロセッサがどのように、簡略化センサ
・アレイによって生成された画像信号を処理し、潜像の
走査時に誘導スポットに応答して小さな潜像の各フィク
セルから放出された光全体を表す写真信号を生成するか
の例を示す図である。
【図13】画像プロセッサがどのように、簡略化センサ
・アレイによって生成された画像信号を処理し、潜像の
走査時に誘導スポットに応答して小さな潜像の各フィク
セルから放出された光全体を表す写真信号を生成するか
の例を示す図である。
【図14】画像プロセッサがどのように、簡略化センサ
・アレイによって生成された画像信号を処理し、潜像の
走査時に誘導スポットに応答して小さな潜像の各フィク
セルから放出された光全体を表す写真信号を生成するか
の例を示す図である。
【図15】画像プロセッサがどのように、簡略化センサ
・アレイによって生成された画像信号を処理し、潜像の
走査時に誘導スポットに応答して小さな潜像の各フィク
セルから放出された光全体を表す写真信号を生成するか
の例を示す図である。
【図16】画像プロセッサがどのように、簡略化センサ
・アレイによって生成された画像信号を処理し、潜像の
走査時に誘導スポットに応答して小さな潜像の各フィク
セルから放出された光全体を表す写真信号を生成するか
の例を示す図である。
【図17】画像プロセッサがどのように、簡略化センサ
・アレイによって生成された画像信号を処理し、潜像の
走査時に誘導スポットに応答して小さな潜像の各フィク
セルから放出された光全体を表す写真信号を生成するか
の例を示す図である。
【図18】画像プロセッサがどのように、簡略化センサ
・アレイによって生成された画像信号を処理し、潜像の
走査時に誘導スポットに応答して小さな潜像の各フィク
セルから放出された光全体を表す写真信号を生成するか
の例を示す図である。
【図19】画像プロセッサがどのように、簡略化センサ
・アレイによって生成された画像信号を処理し、潜像の
走査時に誘導スポットに応答して小さな潜像の各フィク
セルから放出された光全体を表す写真信号を生成するか
の例を示す図である。
【図20】連続スライス間のシフト領域を横切って配設
された64個のフィクセルを誘導する誘導スポットの一
部の積分強度が、潜像の4つのスライスの走査時にシフ
ト領域内のフィクセルの位置と共にどのように変化する
かを示すグラフである。
【図21】どのように、小さな潜像のフィクセルから放
出された光に応答して生成された連続画像信号が累積さ
れ、累積画像信号および写真信号が生成されるかを示す
グラフである。
【符号の説明】
100 スキャナ 102 記憶蛍光体(画像記憶媒体) 103 潜像(記憶画像) 104 x−yステージ 106 レンズ 108 オブジェクト領域 110 センサ・アレイ 112 拡大画像 114 誘導スポット 120 赤外線源 122 赤外線ビーム(誘導ビーム) 126 アナログ・デジタル変換器(ADC) 128 入出力ポート(I/Oポート) 130 画像プロセッサ 132 マイクロプロセッサ 134 大容量記憶装置 136 バス 138 グラフィックス・アダプタ 140 ビデオ・モニタ 142 メモリ 144 プリンタポート 146 プリンタ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像記憶媒体に記憶されている記憶画像
    を表す写真信号を生成する方法であって、 それぞれが光に応答して画像信号を生成する画素の、長
    方形アレイである場合を含むセンサ・アレイを設けるス
    テップと、 単調非一様強度分布を有する誘導ビームを設けるステッ
    プと、 記憶画像のオブジェクト領域の画像をセンサ・アレイ上
    に形成し、センサ・アレイの各画素に対応するフィクセ
    ルを、記憶画像の領域の小さな一部であり記憶画像に対
    する位置を有するオブジェクト領域内に画定するステッ
    プと、 ほぼオブジェクト領域にセンタリングされた誘導スポッ
    トを誘導ビームを使用して記憶画像上に形成することに
    よって、記憶画像を誘導するステップと、 オブジェクト領域および誘導スポットを用いて記憶画像
    を走査して記憶画像内にフィクセルを画定し、誘導スポ
    ットに応答してフィクセルから放出された光の累積を表
    す各フィクセルごとの写真信号を生成するステップとを
    含み、 記憶画像を走査するステップが、 オブジェクト領域および誘導スポットの位置を第1の軸
    に沿って記憶画像に対して連続的に変更して記憶画像の
    スライスを走査するステップと、 記憶画像の連続スライスを、第1の軸に直交する第2の
    軸に沿って走査するステップと、 記憶画像内のオブジェクト領域の各位置で、オブジェク
    ト領域内の各フィクセルから放出された光に応答して画
    像信号を生成するようにセンサ・アレイを制御するステ
    ップと、 記憶画像の各フィクセルごとに、フィクセルがオブジェ
    クト領域の内側にある記憶画像内のオブジェクト領域の
    各位置にあるフィクセルから放出された光に応答してセ
    ンサ・アレイによって生成されたすべての画像信号を累
    積して、そのフィクセルに関する写真信号を生成するス
    テップとを含むことを特徴とする画像記憶媒体内の記憶
    画像を表す写真信号の生成方法。
JP9228365A 1996-08-27 1997-08-25 画像記憶媒体内の記憶画像を表す写真信号の生成方法 Pending JPH1090815A (ja)

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EP0827324A3 (en) 2000-09-13
US5864362A (en) 1999-01-26

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