JPH1090062A - 蛋白質濃度の測定方法および装置 - Google Patents

蛋白質濃度の測定方法および装置

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JPH1090062A
JPH1090062A JP24830396A JP24830396A JPH1090062A JP H1090062 A JPH1090062 A JP H1090062A JP 24830396 A JP24830396 A JP 24830396A JP 24830396 A JP24830396 A JP 24830396A JP H1090062 A JPH1090062 A JP H1090062A
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JP
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concentration
protein
absorbance
measuring
light
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JP24830396A
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English (en)
Inventor
Koichi Murayama
幸市 村山
Keiichi Yamada
圭一 山田
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Daiken Iki Co Ltd
Original Assignee
Daiken Iki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体試料中の蛋白質濃度を光学的に測定し、
短時間で高精度の測定値が得られる蛋白質濃度の測定方
法および装置を提供する。 【解決手段】 ヘモグロビン、γ−グロブリンおよびア
ルブミンを含む液体試料に近赤外線を入射し、透過光ま
たは反射光の強度を検出することによって各蛋白質の濃
度を測定する方法であって、10000(/cm)〜7
200(/cm)の波数領域、6600(/cm)〜5
400(/cm)の波数領域、および4800(/c
m)〜4200(/cm)の波数領域からそれぞれ選ば
れた少なくとも3つの波数での吸光度を測定し、各吸光
度を所定の補正係数で補正した値の合計値から各蛋白質
の濃度を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体試料中の蛋白
質濃度、特に血液中のヘモグロビン、γ−グロブリンお
よびアルブミンの濃度を測定するための蛋白質濃度の測
定方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】臨床化学で血液等を分析する方法とし
て、血沈検査、滴定法、比色法、電気泳動法、超遠心
法、クロマト法、発光原子吸光分析法、電極法、磁気共
鳴法などが知られており、特に光を使用する分析方法で
は、生体から採血した血液試料に試薬や色素を添加して
比色する方法が広く使用されている。
【0003】こうした検査の対象となる蛋白質として、
赤血球を構成するヘモグロビンや血漿中のγ−グロブリ
ン、アルブミンが重要であり、ヘモグロビン濃度は貧血
症や多血症の判定データとなり、γ−グロブリン濃度は
抗体や補体などの免疫機構、糖質、脂質、ミネラルなど
の代謝に関係し、アルブミン濃度は肝硬変、慢性肝疾
患、蛋白質の摂取障害、妊娠や授乳などの判定材料とな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
臨床検査においてヘモグロビン、γ−グロブリン、アル
ブミンなどの蛋白質濃度を測定する場合、1)採血時に
注射針やメスで生体を傷つける侵襲検査であること、
2)採取した血液に薬品添加などの前処理が必要である
こと、3)採血から測定結果が得られるまでの時間がか
かること、4)血液や血清の検体量が微量であるため、
充分な測定精度が得られないこと、5)検査に使用した
容器や試料の廃棄処理に費用がかかること、などの課題
がある。
【0005】本発明の目的は、液体試料中の蛋白質濃度
を光学的に測定し、短時間で高精度の測定値が得られる
蛋白質濃度の測定方法および装置を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、蛋白質を含む
液体試料に近赤外線を入射し、透過光または反射光の強
度を検出することによって蛋白質濃度を測定する方法で
あって、少なくとも3つの波数での吸光度を測定し、各
吸光度を所定の補正係数で補正した値の合計値から蛋白
質濃度を算出することを特徴とする蛋白質濃度の測定方
法である。本発明に従えば、少なくとも3つの波数での
吸光度を測定するだけで、蛋白質濃度を算出できるた
め、迅速な測定が可能になる。また、吸光度測定の波数
ポイントを増やすことによって測定精度をより向上させ
ることができる。さらに、測定による試料の変質が無
く、しかも試料の量も少なくて済むため、従来の臨床検
査に組み込むことが容易である。また、生体の一部、た
とえば四肢や指、耳たぶ中の血管に流れる血液をそのま
ま測定試料とする非侵襲測定への応用が期待できる。
【0007】また本発明は、複数種の蛋白質を含む液体
試料に近赤外線を入射し、透過光または反射光の強度を
検出することによって蛋白質濃度を測定する方法であっ
て、各蛋白質ごとに対応した少なくとも3つの波数での
吸光度を測定し、各吸光度を所定の補正係数で補正した
値の合計値から各蛋白質の濃度を算出することを特徴と
する蛋白質濃度の測定方法である。本発明に従えば、少
なくとも3つの波数での吸光度を測定するだけで、複数
種の蛋白質濃度を短時間で算出できるため、迅速な測定
が可能になる。また、吸光度測定の波数ポイントを増や
すことによって測定精度をより向上させることができ
る。さらに、試料の変質が無く、試料の量も少なくて済
むため、従来の臨床検査に組み込むことが容易であり、
上述のような非侵襲測定への応用も期待できる。
【0008】また本発明は、ヘモグロビン、γ−グロブ
リンおよびアルブミンを含む液体試料に近赤外線を入射
し、透過光または反射光の強度を検出することによって
各蛋白質の濃度を測定する方法であって、10000
(/cm)〜7200(/cm)の波数領域、6600
(/cm)〜5400(/cm)の波数領域、および4
800(/cm)〜4200(/cm)の波数領域から
それぞれ選ばれた少なくとも3つの波数での吸光度を測
定し、各吸光度を所定の補正係数で補正した値の合計値
から各蛋白質の濃度を算出することを特徴とする蛋白質
濃度の測定方法である。本発明に従えば、10000
(/cm)〜7200(/cm)の波数領域、6600
(/cm)〜5400(/cm)の波数領域、および4
800(/cm)〜4200(/cm)の波数領域は、
ヘモグロビン、γ−グロブリンおよびアルブミンの濃度
変化が顕著に現われる領域であり、これらの波数領域か
らそれぞれ選ばれた少なくとも3つの波数での吸光度を
測定するだけで、ヘモグロビン、γ−グロブリンおよび
アルブミンの各濃度を短時間で算出できるため、迅速な
測定が可能になる。また、吸光度測定の波数ポイントを
増やすことによって測定精度をより向上させることがで
きる。さらに、試料の変質が無く、試料の量も少なくて
済むため、従来の臨床検査に組み込むことが容易であ
り、上述のような非侵襲測定への応用も期待できる。
【0009】また本発明は、ヘモグロビン、γ−グロブ
リンおよびアルブミンを含む液体試料に近赤外線を入射
し、透過光または反射光の強度を検出することによって
各蛋白質濃度を測定する装置であって、10000(/
cm)〜7200(/cm)の波数領域、6600(/
cm)〜5400(/cm)の波数領域、および480
0(/cm)〜4200(/cm)の波数領域からそれ
ぞれ選ばれた少なくとも3つの波数の近赤外光を発生す
る測定光発生手段と、試料からの透過光または反射光の
強度を検出する受光手段と、各波数に対応した吸光度を
測定し、各吸光度を所定の補正係数で補正した値の合計
値から各蛋白質の濃度を算出する演算手段とを備えるこ
とを特徴とする蛋白質濃度の測定装置である。本発明に
従えば、10000(/cm)〜7200(/cm)の
波数領域、6600(/cm)〜5400(/cm)の
波数領域、および4800(/cm)〜4200(/c
m)の波数領域は、ヘモグロビン、γ−グロブリンおよ
びアルブミンの濃度変化が顕著に現われる領域であり、
これらの波数領域からそれぞれ選ばれた少なくとも3つ
の波数での吸光度を測定するだけで、ヘモグロビン、γ
−グロブリンおよびアルブミンの各濃度を短時間で算出
できるため、迅速な測定が可能になる。また、吸光度測
定の波数ポイントを増やすことによって測定精度をより
向上させることができる。さらに、試料の変質が無く、
試料の量も少なくて済むため、従来の臨床検査に組み込
むことが容易であり、上述のような非侵襲測定への応用
も期待できる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態を
示す構成図である。蛋白質濃度測定装置は、近赤外線を
発生する光源1と、波長選択フィルタ8と、液体試料S
からの透過光を受光して、光強度に応じた信号を出力す
る受光器11と、出力信号を演算する演算回路14など
で構成される。
【0011】光源1は、タングステンランプや半導体レ
ーザなどで構成され、近赤外線領域において測定波数ポ
イントとなる少なくとも3つの波数の光を含んだ光を発
生する。
【0012】波長選択フィルタ8は、偏光子3、位相板
4、固定側および可動側のクォルツウェッジ(水晶プリ
ズム)5、6、偏光子7で構成され、可動側のクォルツ
ウェッジ6が斜面上をスライドすることによって光路長
が変化して、フィルタ中心波長が可変となる。特に、試
料Sが血液であって、測定対象がヘモグロビン、γ−グ
ロブリンおよびアルブミンである場合には、10000
(/cm)〜7200(/cm)の波数領域、6600
(/cm)〜5400(/cm)の波数領域、および4
800(/cm)〜4200(/cm)の波数領域から
それぞれ選ばれた少なくとも3つの波数の光が測定光P
として選択される。
【0013】液体試料Sは、たとえば石英等の透明材料
からなる容器に保持され、その光路長はたとえば1mm
程度であり、体温と同じ約37℃に保たれる。
【0014】受光器11は、近赤外線に感度を有する材
料、たとえばPbSなどで構成され、試料Sの透過光強
度に応じた電気信号を出力する。AD(アナログデジタ
ル)変換器13は、受光器11からの信号をデジタル値
に変換する。演算装置14は、たとえばパーソナルコン
ピュータ等で構成され、AD変換器13からのデジタル
信号を取り込んで所定の演算処理を実行し、測定結果を
ディスプレーやプリンタ等の出力装置に出力する。
【0015】次に動作について説明する。光源1から出
た光はレンズ2で平行光に変換され、波長選択フィルタ
8によって選択波長を中心とする狭いスペクトルの測定
光Pに変換される。測定光Pは、試料Sに含まれる成分
の吸収スペクトルに応じて光強度が変化し、受光器1
1、増幅器12、AD変換器13を経由して演算装置1
4によって選択波長別の吸光度が計測される。
【0016】こうして1つの波数の測定光Pを用いた測
定が終了すると、次にクォルツウェッジ6の位置を調整
し波長選択フィルタの中心波長を変化させて、別の波数
の測定光Pを発生し、同様な測定を行う。本発明では、
近赤外線領域において少なくとも3つの波数に関する測
定を行う。
【0017】なお、上記構成では波長選択フィルタ8を
使用する例を示したが、3つ以上の測定波数ポイントの
光を発生する単波長光源を複数用意して、波長選択フィ
ルタ8を省略することも可能である。また、上記構成で
は透過光強度を検出する例を示したが、試料からの反射
光強度を検出する構成も可能である。
【0018】図2は、蛋白質を含む液体試料の吸光度ス
ペクトルの一例を示すグラフである。縦軸は吸光度であ
り、横軸は波数(波長の逆数)であり、右方は波数が小
さくなる長波長側である。蛋白質濃度を種々変化させた
液体試料を用意して、10000(/cm)〜4000
(/cm)の波数領域について測定している。
【0019】ここで、波数領域Aは水分子のO−H結合
の伸縮振動第1倍音であり、1440nm〜1450n
m(6944/cm〜6896/cm)の範囲で、吸光
度が増加している。波数領域Bは水分子のO−H結合の
伸縮振動と変角振動の結合音であり、1930nm〜1
940nm(5181/cm〜5154/cm)の範囲
で、吸光度が測定レンジを超えている。これらの波数領
域A、Bは試料中の水の影響が大きいため、吸光度測定
から除外される。
【0020】そこで、蛋白質濃度、特にヘモグロビン、
γ−グロブリンおよびアルブミンの濃度測定の場合に
は、10000(/cm)〜7200(/cm)の波数
領域I、6600(/cm)〜5400(/cm)の波
数領域II、および4800(/cm)〜4200(/
cm)の波数領域IIIから測定ポイントを選ぶことが
好ましい。
【0021】次に測定原理について説明する。波数領域
Iにおいて波数α、波数領域IIにおいて波数β、波数
領域IIIにおいて波数γの計3つの測定ポイントを選
択して、図1に示す装置を用いて、ある蛋白質濃度Kの
試料について各ポイントに対応する吸光度Aα、Aβ、
Aγを測定する。すると、蛋白質濃度Kは3つの定数
x、y、zを用いた次式(1)で表すことができる。
【0022】 K=x・Aα+y・Aβ+z・Aγ …(1) 次に蛋白質濃度Kが変化した場合を考える。蛋白質濃度
Kが変化すると、定数x、y、zもそれにつれて少し変
化する。たとえばアルブミン濃度が1.0(g/dl)
〜8.0(g/dl)の範囲で1(g/dl)ステップ
で変化した場合、濃度K1〜K8について計8つの式が
成立する。
【0023】 K1=x1・Aα1+y1・Aβ1+z1・Aγ1 K2=x2・Aα2+y2・Aβ2+z2・Aγ2 K3=x3・Aα3+y3・Aβ3+z3・Aγ3 K4=x4・Aα4+y4・Aβ4+z4・Aγ4 K5=x5・Aα5+y5・Aβ5+z5・Aγ5 K6=x6・Aα6+y6・Aβ6+z6・Aγ6 K7=x7・Aα7+y7・Aβ7+z7・Aγ7 K8=x8・Aα8+y8・Aβ8+z8・Aγ8 このとき各定数x1〜x8、y1〜y8、z1〜z8は
ほぼ同じ一定値と近似すると、x1=x2=…=x8=
X、y1=y2=…=y8=Y、z1=z2=…=z8
=Zとおいて、次式(2)に書き換えられる。
【0024】
【数1】
【0025】ここで、定数X、Y、Zは(アルブミン濃
度の変化量)/(吸光度の変化量)であるため、前もっ
て正確な測定が可能であり、データベースとして演算装
置14に記憶しておくことが可能である。
【0026】次に未知のアルブミン濃度Kxを持つ試料
について、各波数α、β、γにおける吸光度Aαx、A
βx、Aγxを測定することによって、濃度Kxを決定
することができる。
【0027】次に具体例を説明する。測定ポイントとし
て、波数α=7632(/cm)(波長1310n
m)、波数β=6456(/cm)(波長1480n
m)、波数γ=4584(/cm)(波長2180n
m)を選択して、事前の測定に基づいて計算したところ
次の結果が得られている。
【0028】ヘモグロビン濃度KHは次式(3)で表さ
れ、従来の比色法と比べて相関係数=0.8852を達
成している。
【0029】 KH=0.535×Aα+0.415×Aβ+0.675×Aγ …(3) γ−グロブリン濃度KGは次式(4)で表され、従来の
比色法と比べて相関係数=0.9811を達成してい
る。
【0030】 KG=0.108×Aα+0.017×Aβ+0.045×Aγ …(4) アルブミン濃度KAは次式(5)で表され、従来の比色
法と比べて相関係数=0.9764を達成している。
【0031】 KA=0.082×Aα−0.042×Aβ−0.005×Aγ …(5) なお、ここでは3つの測定波数ポイントを使用する例を
説明したが、測定ポイントをさらに増やすことによって
測定精度を向上させることが可能である。また、各蛋白
質について同じ波数ポイントを使用する例を示したが、
蛋白質ごとに全部または一部の波数ポイントが異なるよ
うに測定することも可能である。
【0032】次に具体的な測定結果について説明する。
【0033】図3は、蛋白質無しの標準試料の近赤外ス
ペクトルを示すグラフである。縦軸は吸光度(任意単
位)であり、横軸は波数(/cm)で右方が長波長側で
ある。なお、標準試料としてリン酸緩衝液を使用してい
る。
【0034】グラフを見ると、波数6900(/cm)
付近と波数5150(/cm)付近で水分子の振動スペ
クトルによるピークが現われており、これらの波数付近
では蛋白質濃度測定が困難であることが判る。
【0035】図4は、ヘモグロビン濃度を変化させた試
料の近赤外スペクトルを示すグラフである。縦軸は吸光
度(任意単位)であり、横軸は波数(/cm)である。
試料は、リン酸緩衝液において濃度8.0(g/dl)
〜20.0(g/dl)を1.0(g/dl)ステップ
で変化させた試料と、濃度25.0(g/dl)の試料
を使用している。
【0036】グラフを見ると、ヘモグロビン濃度の増加
に応じて吸光度も増加しており、特に水分子の吸収ピー
ク以外の領域において顕著に現われていることが判る。
【0037】図5は、γ−グロブリン濃度を変化させた
試料の近赤外スペクトルを示すグラフである。縦軸は吸
光度(任意単位)であり、横軸は波数(/cm)であ
る。試料は、リン酸緩衝液において濃度1.0(g/d
l)〜10.0(g/dl)を1.0(g/dl)ステ
ップで変化させた試料を使用している。
【0038】グラフを見ると、γ−グロブリン濃度が増
加すると吸光度も少しずつ増加しているが、図4に示す
ヘモグロビンと比べて増加の割合は小さいことが判る。
【0039】図6は、アルブミン濃度を変化させた試料
の近赤外スペクトルを示すグラフである。縦軸は吸光度
(任意単位)であり、横軸は波数(/cm)である。試
料は、リン酸緩衝液において濃度1.0(g/dl)〜
8.0(g/dl)を1.0(g/dl)ステップで変
化させた試料を使用している。
【0040】グラフを見ると、10000(1cm)〜
7200(1cm)の波数領域では、アルブミン濃度が
増加しても吸光度はあまり変化しないことが判る。
【0041】図7は、図4に示すヘモグロビンの吸収ス
ペクトルを部分拡大したグラフであり、4200(/c
m)〜4900(/cm)の波数領域を示す。なお、図
7以下のグラフでは横軸左方が長波長側で示している。
【0042】グラフを見ると、4500(/cm)近傍
で濃度変化による吸光度変化が大きく現われており、4
400(/cm)〜4700(/cm)の範囲で測定波
数ポイントを選択するのが好ましいことが判る。
【0043】図8は、図4に示すヘモグロビンの吸収ス
ペクトルを部分拡大したグラフであり、5400(/c
m)〜7200(/cm)の波数領域を示す。
【0044】グラフを見ると、6000(/cm)近傍
および6900(/cm)近傍で濃度変化による吸光度
変化が大きく現われており、5700(/cm)〜64
00(/cm)の範囲および6800(/cm)〜70
00(/cm)の範囲で測定波数ポイントを選択するの
が好ましいことが判る。
【0045】図9は、図4に示すヘモグロビンの吸収ス
ペクトルを部分拡大したグラフであり、7200(/c
m)〜10000(/cm)の波数領域を示す。
【0046】グラフを見ると、7300(/cm)〜1
0000(/cm)の範囲で濃度変化による吸光度変化
が大きく現われており、この範囲で測定波数ポイントを
選択するのが好ましいことが判る。
【0047】図10は、ヘモグロビンの吸収スペクトル
を多変量解析した結果を示すグラフである。縦軸は多変
量解析による推定値であり、横軸は本発明の測定方法で
得られた真値であり、相関係数=0.99482が得ら
れている。
【0048】このように本発明に係る測定方法は、従来
の多変量解析手法と同等の精度を達成していることが判
る。
【0049】図11は、図5に示すγ−グロブリンの吸
収スペクトルを部分拡大したグラフであり、4000
(/cm)〜4800(/cm)の波数領域を示す。
【0050】グラフを見ると、4500(/cm)近傍
で濃度変化による吸光度変化が現われており、4400
(/cm)〜4700(/cm)の範囲で測定波数ポイ
ントを選択するのが好ましいことが判る。
【0051】図12は、図5に示すγ−グロブリンの吸
収スペクトルを部分拡大したグラフであり、5500
(/cm)〜6600(/cm)の波数領域を示す。
【0052】グラフを見ると、6000(/cm)近傍
で濃度変化による吸光度変化が現われており、5500
(/cm)〜6300(/cm)の範囲で測定波数ポイ
ントを選択するのが好ましいことが判る。
【0053】図13は、図5に示すγ−グロブリンの吸
収スペクトルを部分拡大したグラフであり、7200
(/cm)〜10000(/cm)の波数領域を示す。
【0054】グラフを見ると、7300(/cm)〜1
0000(/cm)の範囲で濃度変化による吸光度変化
が大きく現われており、この範囲で測定波数ポイントを
選択するのが好ましいことが判る。
【0055】図14は、γ−グロブリンの吸収スペクト
ルを多変量解析した結果を示すグラフである。縦軸は多
変量解析による推定値であり、横軸は本発明の測定方法
で得られた真値であり、相関係数=0.97833が得
られている。
【0056】このように本発明に係る測定方法は、従来
の多変量解析手法と同等の精度を達成していることが判
る。
【0057】図15は、図6に示すアルブミンの吸収ス
ペクトルを部分拡大したグラフであり、4200(/c
m)〜4800(/cm)の波数領域を示す。
【0058】グラフを見ると、4500(/cm)近傍
で濃度変化による吸光度変化が現われており、4400
(/cm)〜4700(/cm)の範囲で測定波数ポイ
ントを選択するのが好ましいことが判る。
【0059】図16は、図6に示すアルブミンの吸収ス
ペクトルを部分拡大したグラフであり、5400(/c
m)〜6000(/cm)の波数領域を示す。
【0060】グラフを見ると、5400(/cm)〜5
700(/cm)の範囲で濃度変化による吸光度変化が
現われており、この範囲で測定波数ポイントを選択する
のが好ましいことが判る。
【0061】図17は、図6に示すアルブミンの吸収ス
ペクトルを部分拡大したグラフであり、6000(/c
m)〜7800(/cm)の波数領域を示す。
【0062】グラフを見ると、6900(/cm)近傍
で濃度変化による吸光度変化が現われており、6600
(/cm)〜7100(/cm)の範囲で測定波数ポイ
ントを選択するのが好ましいことが判る。
【0063】図18は、アルブミンの吸収スペクトルを
多変量解析した結果を示すグラフである。縦軸は多変量
解析による推定値であり、横軸は本発明の測定方法で得
られた真値であり、相関係数=0.99761が得られ
ている。
【0064】このように本発明に係る測定方法は、従来
の多変量解析手法と同等の精度を達成していることが判
る。
【0065】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、少
なくとも3つの波数での吸光度を測定するだけで、ヘモ
グロビン、γ−グロブリンおよびアルブミンなどの蛋白
質濃度を算出できるため、迅速な測定が可能になる。ま
た、吸光度測定の波数ポイントを増やすことによって測
定精度をより向上させることができる。
【0066】さらに、測定による試料の変質が無く、し
かも試料の量も少なくて済むため、従来の臨床検査に組
み込むことが容易である。また、生体の一部、たとえば
四肢や指、耳たぶ中の血管に流れる血液をそのまま測定
試料とする非侵襲測定への応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す構成図である。
【図2】蛋白質を含む液体試料の吸光度スペクトルの一
例を示すグラフである。
【図3】蛋白質無しの標準試料の近赤外スペクトルを示
すグラフである。
【図4】ヘモグロビン濃度を変化させた試料の近赤外ス
ペクトルを示すグラフである。
【図5】γ−グロブリン濃度を変化させた試料の近赤外
スペクトルを示すグラフである。
【図6】アルブミン濃度を変化させた試料の近赤外スペ
クトルを示すグラフである。
【図7】図4に示すヘモグロビンの吸収スペクトルを部
分拡大したグラフである。
【図8】図4に示すヘモグロビンの吸収スペクトルを部
分拡大したグラフである。
【図9】図4に示すヘモグロビンの吸収スペクトルを部
分拡大したグラフである。
【図10】ヘモグロビンの吸収スペクトルを多変量解析
した結果を示すグラフである。
【図11】図5に示すγ−グロブリンの吸収スペクトル
を部分拡大したグラフである。
【図12】図5に示すγ−グロブリンの吸収スペクトル
を部分拡大したグラフである。
【図13】図5に示すγ−グロブリンの吸収スペクトル
を部分拡大したグラフである。
【図14】γ−グロブリンの吸収スペクトルを多変量解
析した結果を示すグラフである。
【図15】図6に示すアルブミンの吸収スペクトルを部
分拡大したグラフである。
【図16】図6に示すアルブミンの吸収スペクトルを部
分拡大したグラフである。
【図17】図6に示すアルブミンの吸収スペクトルを部
分拡大したグラフである。
【図18】アルブミンの吸収スペクトルを多変量解析し
た結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 光源 8 波長選択フィルタ 11 受光器 12 増幅器 13 AD変換器 14 演算装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛋白質を含む液体試料に近赤外線を入射
    し、透過光または反射光の強度を検出することによって
    蛋白質濃度を測定する方法であって、 少なくとも3つの波数での吸光度を測定し、各吸光度を
    所定の補正係数で補正した値の合計値から蛋白質濃度を
    算出することを特徴とする蛋白質濃度の測定方法。
  2. 【請求項2】 複数種の蛋白質を含む液体試料に近赤外
    線を入射し、透過光または反射光の強度を検出すること
    によって蛋白質濃度を測定する方法であって、 各蛋白質ごとに対応した少なくとも3つの波数での吸光
    度を測定し、各吸光度を所定の補正係数で補正した値の
    合計値から各蛋白質の濃度を算出することを特徴とする
    蛋白質濃度の測定方法。
  3. 【請求項3】 ヘモグロビン、γ−グロブリンおよびア
    ルブミンを含む液体試料に近赤外線を入射し、透過光ま
    たは反射光の強度を検出することによって各蛋白質の濃
    度を測定する方法であって、 10000(/cm)〜7200(/cm)の波数領
    域、6600(/cm)〜5400(/cm)の波数領
    域、および4800(/cm)〜4200(/cm)の
    波数領域からそれぞれ選ばれた少なくとも3つの波数で
    の吸光度を測定し、各吸光度を所定の補正係数で補正し
    た値の合計値から各蛋白質の濃度を算出することを特徴
    とする蛋白質濃度の測定方法。
  4. 【請求項4】 ヘモグロビン、γ−グロブリンおよびア
    ルブミンを含む液体試料に近赤外線を入射し、透過光ま
    たは反射光の強度を検出することによって各蛋白質濃度
    を測定する装置であって、 10000(/cm)〜7200(/cm)の波数領
    域、6600(/cm)〜5400(/cm)の波数領
    域、および4800(/cm)〜4200(/cm)の
    波数領域からそれぞれ選ばれた少なくとも3つの波数の
    近赤外光を発生する測定光発生手段と、 試料からの透過光または反射光の強度を検出する受光手
    段と、 各波数に対応した吸光度を測定し、各吸光度を所定の補
    正係数で補正した値の合計値から各蛋白質の濃度を算出
    する演算手段とを備えることを特徴とする蛋白質濃度の
    測定装置。
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