JPH1089406A - 誘導電流を利用した減衰装置 - Google Patents

誘導電流を利用した減衰装置

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JPH1089406A
JPH1089406A JP26668196A JP26668196A JPH1089406A JP H1089406 A JPH1089406 A JP H1089406A JP 26668196 A JP26668196 A JP 26668196A JP 26668196 A JP26668196 A JP 26668196A JP H1089406 A JPH1089406 A JP H1089406A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 速度に比例する減衰力を有しかつ減衰力の調
整が容易で、作動油を用いない減衰装置を提供するこ
と。 【解決手段】 ケース3に対して直線運動する可動端部
1と、軸に同心状に固設された円盤23を有しケースに
回動可能に軸支される回転軸部2とを備え、可動端部と
回転軸部が可動端部の直線運動を回転軸部の回転に変換
する運動変換機構15、21を介して接続され、回転軸
部の円盤が導電性材料からなり、ケースは異なる磁極同
士が導電体円盤を挟んで対向するように円盤と近接して
配設された磁石37を有することを特徴とする。なお、
磁石を円盤側に組み込み導電性材料からなる板をケース
側に取り付けても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建造物や機器、配
管などの振動を抑えるための耐震支持装置に用いる減衰
装置に関する。特に、振動方程式に取り込む減衰項を忠
実に実現する減衰力を備える減衰装置に関する。
【0002】
【従来の技術】振動源からの励振力や地震により生ずる
振動や衝撃荷重から建造物、機器、配管等を保護するた
めの手段として建造物等の振動を緩和する耐震用支持装
置が用いられている。応答振幅の小さい強固な外部の静
止箇所に一端を固定したステーやストッパなど耐震用支
持装置の他端を振動体に固定して振れ止めとし、振動体
の固有振動数を高くして、振動が問題になる局部の応答
の拡大を防ぐことができる。特に、原子炉における構造
物や配管は振動を抑制する支持金具を多数使用して異常
振動や地震時の危険を回避するようにしている。原子炉
における配管は、特に熱応力条件や放射線の影響を考慮
した設計をする必要がある。
【0003】この様な耐震用支持装置類は、急激に生ず
る振動や荷重から機器配管等を保護すると共に、熱膨張
などによって生ずるストレスを回避するため低速度の変
位を拘束することなく自由に伸縮できることが要求され
る。従来このような支持装置として油圧防振器やメカニ
カルスナッバが用いられてきた。油圧防振器は油の流体
抵抗を使うもので、作動油やシール類に有機材料を使用
しているため、高温雰囲気や放射線のため劣化し、短期
間で交換する必要が生じたり、初期漏れや点検作業時の
損傷、老化などによる油漏れなどの可能性があり、作動
油の補給や定期的な保守点検が必要である。なお、核融
合炉では、トリチウムの漏洩を管理する必要があるた
め、トリチウムと置換して分離が困難になる水素原子が
含まれる油を用いる油圧防振器の使用をできるだけ避け
たいという要請がある。
【0004】これに対し、メカニカルスナッバは、全て
金属製部品で構成されていて作動油を使用しないため、
温度や放射線の影響を受けにくくなっている。メカニカ
ルスナッバの内部構造は、例えば図4に示すように、両
端を取り付けた配管と静止点間の距離の変化に伴いスナ
ッバ自体が伸縮すると、ボールナットがボールネジの軸
方向に移動するためボールナットが回転する。するとボ
ールナットに連結された回転慣性質量すなわちフライホ
イールが高速回転する機構になっている。このスナッバ
においては主として慣性力が抵抗力になっていて、振動
エネルギーの吸収を目的としていない。さらに改良され
たものに、ボールネジの端部にディスクスプリングを設
け、これと回転自在のフライホイールの間に鋼球を介在
させて、フライホイールの回転を利用してブレーキ作用
を起こさせ軸の回転を止めるようにしたものもある。こ
れは高速回転すると鋼球が遠心力により外側に移動し、
ディスクスプリングとフライホイールの間のくさび状に
なった間隙をこじ開けるようにすることにより、ディス
クスプリングの背面が固定部材に取り付けられたブレー
キディスクに近づき接触摩擦してブレーキ作用を増大さ
せる機構を付加したものである。
【0005】油圧防振器やメカニカルスナッバは、低速
度の運動にはブレーキとして作用せず、地震などで衝撃
的な励振力を受けたときのみ剛性を現し、あたかも剛支
持であるかのように作用するもので、これらは減衰力を
持たせるというより、急激な振動に対して剛的に支持す
る機能を持つものである。メカニカルスナッバは、広く
一般的に機器や配管の耐震支持に使用されているもの
で、この他にも回転慣性力と摩擦を併用したもの、回転
慣性力を利用してコイル状のバネを軸に巻き付けてその
摩擦力で振動を抑えるもの等がある。
【0006】振動体を剛に支持することにより固有周波
数を上げて励振を抑える方法は、主な振動モードに対応
する数の制振装置を必要とし、また主振動系の固有振動
数を抑制する支持装置を付けたためその支持位置を節と
する新たな固有振動数を有する別のモードの振動が生
じ、改めてこの振動系を抑制する必要が生ずることがあ
り、スナッバ等の装備台数が増加する傾向がある。ま
た、100万t以上もある建屋などで上下方向の振動を
抑制するために上記メカニカルスナッバ等を使用する
と、急激な振動に対して生ずる剛支持作用が過負荷をも
たらし支持装置が破損したり、建屋が損傷を受けるおそ
れがある。
【0007】従来の建造物や配管についての剛な設計方
法を改良する新たな手法として、柔な設計が行われるよ
うになってきた。すなわち、支持装置に振動エネルギー
を吸収する機能を持たせた減衰装置とバネを併せて用い
て振動体の振動を抑制することにより、振動絶縁あるい
は防振支持する方法である。振動緩和のためにはバネ定
数を小さくすることが原理的には望ましいが、質量支持
の都合上余り小さくすることはできない。また、質量は
変更の余地が小さいため、主として調節可能なのは減衰
係数である。しかし、防振支持装置の設計において適当
とされる減衰係数が実際の要素により実現可能で、実際
の減衰要素を計算に取り込むことができなければ、この
方法は実用にならない。このため、純枠に減衰力のみを
有し、しかも容易に調整できて設計値の減衰を忠実に実
現しうる減衰装置が望まれていた。また、特に原子炉に
おいて使用する場合には、寿命や保全性の関係から、油
を使用しない減衰装置が好ましい。
【0008】この様な目的に使用できるものとして、図
5に示すような、永久磁石を用いた電磁式ダンパがあ
る。電磁式ダンパは、例えばN極とS極が交互に並んだ
永久磁石列を上下に設け、その間に金属平板を並進可能
に挿入配置してある。振動体に連接された金属板が運動
することにより磁界と作用して生じる渦電流の反作用力
を利用して制動するものである。電磁式ダンパは、誘導
される渦電流が金属板と磁石列の相対的速度に比例する
ため速度に比例した減衰力を発生し、これには摩擦制動
等の非線形な要素を含まないから防振支持方法の設計が
容易になる。また、電磁式ダンパは作動油を用いないた
め原子炉に用いても劣化の心配が無く、保全が容易にな
る利点がある。しかし、このような構造の電磁ダンパ
は、金属板を磁石列に接触せずかつできるだけ近接させ
て移動するように構成しなければならず、さらに平面的
に配列された磁石が互いの磁気反発力で分離しないよう
に支持固定する必要があるため、大型で複雑な構造が必
要となる。また減衰力を調整するには、磁石列と金属板
との間隔を調整する必要があるが機構が複雑になる困難
がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、速度に比例する減衰力を有しかつ
減衰力の調整が容易な減衰装置を得ることである。ま
た、作動油を必要とせず、簡単で組立が容易な構造を有
し、メンテナンスが容易な減衰装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の減衰装置は、第1の取付具を有するケース
と、第2の取付具を有しケースに対して直線運動する可
動端部と、軸に同心状に固設された円盤を有しケースに
回動可能に軸支される回転軸部とを備え、可動端部と回
転軸部が可動端部の直線運動を回転軸部の回転に変換す
る運動変換機構を介して接続され、回転軸部の円盤が導
電性材料からなり、ケースは異なる磁極同士が導電体円
盤を挟んで対向するように円盤と近接して配設された磁
石を有することを特徴とする。なお、磁石における回転
軸部の軸心からの距離を調整することができるようにす
ることができる。また、本発明の減衰装置は、回転軸部
の円盤に磁石をはめ込み、ケースに導電性材料からなる
中空円盤を回転軸部の円盤と近接して配設するようにし
てもよい。さらに、本発明における運動変換機構は、可
動端部の直線運動を回転軸部の高速回転運動に変換する
ものであることが好ましい。また、運動変換機構は回転
軸部のボールネジと可動端部に固設されたボールナット
により構成されるものであってよい。
【0011】本発明の減衰装置は、回転軸部の導電性円
盤を挟んで磁極が対向するように磁石が配置されている
ため、磁石に挟まれた位置に円盤を横切る磁束が存在し
ている。従って、導電性円盤が回転すると、導体が磁束
を横切るため円盤中に磁束密度と導体の移動速度に比例
した渦電流が発生する。この誘導電流が生成する磁界が
円盤の動きに対する反力を発生する。また、電流が円盤
中を流れて熱を発生することによりエネルギーの吸収を
行う。そこで、外壁と配管など、静止点と振動体の間に
減衰装置を配設し、両端の取付具を介してそれぞれに固
定して据え付けると、地震や震動源の励振力を受けて振
動体が運動するのに伴い可動端部がケースに対して直線
運動し、その直線運動が運動変換機構により回転軸部の
回転に変換され、回転軸と共に円盤が回転し形成されて
いる磁束を横切る。こうして、回転速度に比例した渦電
流が導電性円盤中に誘導され、発生した反力により回転
軸部の回転を制動しエネルギーの吸収を行う。誘導電流
は円盤の回転速度に比例し、回転速度は減衰装置の伸縮
する速度に比例するから、制動力およびエネルギー吸収
量は振動体の動く速度に比例する。このように、本発明
の減衰装置の減衰力は振動体の速度に比例するため、防
振支持装置に組み込んで使用する場合の設計が容易にな
る。
【0012】なお、渦電流の強さは、磁束密度、磁束を
横切る速度、誘導電流が流れる部分の電気抵抗の関数で
あるから、磁石の強さ、磁気回路のインピーダンス、回
転半径、円盤の材質等により調整することができる。例
えば対向する磁石同士の間隔を狭めれば磁気抵抗が小さ
くなり減衰力は大きくなる。また、磁石として強力な永
久磁石に加えて電磁石を用い磁束密度の調整ができるよ
うにすることも可能である。また磁石の位置を回転軸の
中心から離せば、磁束横断速度が速くなり渦電流が大き
くなって減衰力が大きくなるばかりか、モーメントの腕
も長くなるので制動力が大きくなる。このような目的の
ために磁石の径方向位置を調整する機構を減衰装置に組
み込むことは容易である。さらに、円盤の数を多くし、
また周上の磁石対の数を多くすることも減衰力を増大さ
せる。なお、円盤はできるだけ導電率の高い銅やアルミ
ニウムなどの金属から製作することが好ましいが、制動
時には熱が発生し制動力がかかるので伝熱性と強度にも
配慮しなければならない。
【0013】また、上記の構成と逆に、回転軸部の円盤
に磁石をはめ込み、ケースに導電性材料からなる中空円
盤を回転軸部の円盤と近接して配設するようにしても同
じ作用効果が得られることはいうまでもない。渦電流の
誘導は相対的速度に係るものであるからである。このよ
うに構成するときは、回転円盤中の磁石の保持に工夫が
必要であるが、導電体で発生する熱の除去がより容易に
なる利点がある。さらに、本発明の減衰装置において、
可動端部の直線運動を回転軸部の高速回転運動に変換す
る運動変換機構を使用することにより、可動端部に生じ
る小さな直線運動を大きな回転運動に変換して、より大
きな渦電流を生起させることができ、容易に大きな減衰
力を獲得するようにすることができる。なお、回転軸部
のボールネジと可動端部に固設されたボールナットによ
り構成される運動変換機構を用いると、既に技術的に完
成された部品により運動方向の可逆的変換が効率よく確
実にできる。本発明の減衰装置は、従来技術のメカニカ
ルスナッバと共通する機構部分が多く、組立も容易であ
る。また、油圧式減衰器のように作動油を必要とせず、
原子炉において使用しても放射線などによる劣化もな
く、メンテナンスも容易である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る減衰装置を1
実施例に基づき図面を用いて詳細に説明する。図1は、
本発明の減衰装置の1実施例を示す断面図である。減衰
装置は可動端部1と回転軸部2とケース3から構成され
ている。可動端部1の本体は中空のピストン11であっ
て、外側の端面には孔を有する耳部13が形成されてい
て配管等に固定するための取付具を構成し、内側の端部
にはボールナット15が固定されている。ピストン11
の裾の部分にはケースから外れないように鍔17が形成
されている。回転軸部2はボールネジ21とこれと同軸
に固定される何枚かの円盤23で構成される。ボールネ
ジ21は可動端部1のボールナット15と係合して、可
動端部1が軸方向に運動すると回転軸部2がその運動速
度に比例した速度で回転するようになっている。円盤2
3はアルミニウムの板であって、周縁部で所定の幅にわ
たって一定の厚みを有するがそこから中心に近づくにつ
れ厚みを増すことにおり強度を持たせてある。回転軸部
2はボールベアリング25を介してケース3に回転自在
に軸支されている。
【0015】ケース3は回転軸部2の円盤部分を格納す
るケースシリンダ31と可動端部1を納めるサポートシ
リンダ33とからなる。また、可動端部1の反対側の端
面には孔を有する耳部35が形成されていて壁等に固定
するための取付具を構成している。ケースシリンダ31
の内面には永久磁石37がそれぞれ回転軸部2の円盤2
3の周縁部を異なる磁極で挟むように配設されている。
磁石37は円盤23の周に沿って複数設けられていて、
円周上等間隔に配置されている。円周上の対応する位置
にある最外側の磁石同士を透磁率の高い磁性体で連結し
て、各磁石を透過する磁気回路を形成している。ケース
シリンダ31の両端部にはボールベアリング25が設け
られて回転軸部2を軸支している。サポートシリンダ3
3は先端に鍔39が付いていて可動端部1の鍔17と係
合して可動端部1が外れるのを防ぐストッパになってい
る。
【0016】本発明の減衰器の、例えばケース3の耳部
35を鉄骨など静止点に固定されたクレビスアタッチメ
ントにピンで結合し、他方の可動端部1の耳部13を配
管に付けたパイプクランプと結合して据え付ける。地震
などにより配管が振動すると鉄骨と配管の間の距離が変
化し、配管に結合された可動端部1が鉄骨に結合された
ケース3に対して直線的な運動を行う。このためボール
ナット15がボールネジ21の軸に沿って並進運動を
し、円盤23が一体に結合されているボールネジ21を
コマのように高速回転させる。並進運動と回転運動の変
換比率はネジの傾きにより決まり、僅かな並進運動によ
り容易に大きな回転角を生じさせるようにすることがで
きる。なお、直線運動を高速な回転運動に変換する機構
には、ラックとピニオンの組み合わせや複合歯車など、
他の周知の方法を用いることができる。回転する円盤2
3はそれぞれ磁石37により形成される磁場の中で動く
ため、導体が磁束を横切ることになり、電磁誘導による
電流が円盤23中に発生する。この電流は永久磁石によ
り生成された磁界と作用して、円盤23の運動を停止さ
せようとする力になる。誘導される電流は磁場の強さと
磁束を横断する速度に比例する。従って、発生する力は
円盤23の回転速度に比例し、結局可動端部1の直線運
動、すなわち配管の振動の速度に比例することになる。
【0017】また、減衰力の強さは、磁界の強度に比例
するため、永久磁石37の磁化の強さや磁極問距離を調
整したり、磁石の位置を相互にずらすことにより、容易
に制御することができる。さらに、減衰力の強さは円盤
23の厚さによっても変化するため、円盤の厚さを変え
ることにより調整することもできる。なお、反力の強さ
はさらに力の掛かるモーメント腕の長さと導体の移動速
度に比例するため、磁石37の位置を調整して径方向の
距離を変えることによっても容易に制御することができ
る。本発明の減衰器をバネと並列に振動体に接合して耐
震支持装置として用いると、減衰器の作動が速度に比例
する減衰成分のみに基づくものとなるため、バネ体と複
合した設計計算が容易になり、個々の振動体に適した柔
な耐震支持設計が可能となる。本発明の減衰装置は配管
のみならず建造物や機器の耐震支持装置あるいは振動絶
縁装置に用いることができることは言うまでもない。例
えば、核融合実験炉における重量150万トンを有する
建屋の3次元免震構造を形成する上下方向減衰装置に使
用してもよい。また、本発明の減衰装置は放射線の作用
で変質劣化する作動油を用いないので原子炉周辺の装置
に使用することができる。
【0018】図2は、本発明の減衰装置における永久磁
石の別の配置例を表す部分拡大断面図である。図中、図
1と同じ機能を有する要素には同じ参照番号を付して説
明を簡単にする。本配置例では上記の減衰装置と異な
り、U字形をした磁石41をケースシリンダ31の内壁
に固定して、それぞれ導電性円盤23を外周側から挟み
込むように配設したものである。磁気回路は磁石ごとに
独立している。この配置では磁場を形成する位置は組立
により決定されるため任意に調整することができない
が、磁石相互間の位置調整が不要となるほか、磁石をケ
ースシリンダの内壁に直接取り付けることができるた
め、磁石の装着が容易になる利点がある。
【0019】図3は、本発明の減衰装置の別の実施例を
表す部分拡大断面図である。図中、図1と同じ機能を有
する要素には同じ参照番号を付して説明を簡単にする。
本実施例の減衰装置は、回転軸部2の円盤23の方に永
久磁石51を埋め込んで、ケースシリンダ31の内壁の
方に導体の板53を備えたものである。円盤23の磁石
群はそれぞれ導体板53を挟んで対峙しており、この磁
石群により導電性の板53を横断する磁束が発生する。
このような構成でも振動の速度と比例する減衰力が発生
するのは当然であるが、本実施例では誘導電流が発生す
る部分がケース3に直結しているため、エネルギの吸収
に伴い発生する熱の除去が容易になる利点がある。
【0020】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の誘導電流を
利用した減衰装置は、速度に比例した減衰力を発生しか
つ減衰力の調整が容易であるから、建造物、機器、配管
等の耐震支持装置を柔な振動系設計に基づいて実現しよ
うとするときに設計通りの性能を有する要素として使用
することができる。また、作動油等の有機材料を用いな
いため、特に放射線の影響を蒙りやすい原子炉の炉内構
造物や配管の支持装置として使用する場合に、保全性や
寿命の点で有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の減衰装置の1実施例を示す一部断面図
である。
【図2】図1の減衰装置における永久磁石の配置例を表
す一部断面図である。
【図3】本発明の減衰装置の別の実施例を表す一部断面
図である。
【図4】従来のメカニカルスナッバを示す一部断面図で
ある。
【図5】従来の電磁式ダンパを示す一部断面図である。
【符号の説明】
1 可動端部 2 回転軸部 3 ケース 11 ピストン 13 耳部 15 ボールナット 17 鍔 21 ボールネジ 23 円盤 25 ポールベアリング 31 ケースシリンダ 33 サポートシリンダ 35 耳部 37 永久磁石 39 鍔 4l 磁石 51 永久磁石 53 導体板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の取付具を有するケースと、第2の
    取付具を有し前記ケースに対して直線運動する可動端部
    と、軸に同心状に固設された円盤を有し前記ケースに回
    動可能に軸支される回転軸部とを備え、前記可動端部と
    前記回転軸部は可動端部の前記ケースに対する直線運動
    を回転軸部の回転に変換する運動変換機構を介して接続
    され、前記回転軸部の円盤が導電性材料からなり、前記
    ケースは異なる磁極同士が前記導電体円盤を挟んで対向
    するように円盤と近接して配設された磁石を有すること
    を特徴とする減衰装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の減衰装置であって、前記
    磁石を固定するときに前記回転軸部の軸心からの距離を
    調整することができるようにしたことを特徴とする減衰
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の減衰装置において、前記
    円盤が導電性材料からなる代わりに磁石をはめ込んだも
    のであって、前記ケースが磁石の代わりに導電性材料か
    らなる中空円盤を前記円盤と近接して配設することを特
    徴とする減衰装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の減
    衰装置であって、前記運動変換機構が前記可動端部の直
    線運動を前記回転軸部の高速回転運動に変換するもので
    あること特徴とする減衰装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の減
    衰装置であって、前記運動変換機構が前記回転軸部のボ
    ールネジと前記可動端部に固設されたボールナットによ
    り構成されることを特徴とする減衰装置。
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