JPH1085760A - セレン回収装置 - Google Patents

セレン回収装置

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JPH1085760A
JPH1085760A JP26784596A JP26784596A JPH1085760A JP H1085760 A JPH1085760 A JP H1085760A JP 26784596 A JP26784596 A JP 26784596A JP 26784596 A JP26784596 A JP 26784596A JP H1085760 A JPH1085760 A JP H1085760A
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sludge
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heating furnace
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Katsuo Takada
尅男 高田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セレン含有排水からセレンを回収すると共に
セレン含有排水を脱セレン処理して浄化する実用的な回
収装置を提供する。 【解決手段】 回収装置10は、セレン含有排水中のセ
レン以外の重金属を凝集処理により除去する前処理装置
12と、セレン以外の重金属を除去したセレン化合物含
有排水を生物学的に還元処理し、更に化学的に処理する
生物学的/化学的処理装置14と、生物学的/化学的処
理装置で得たセレン含有生物汚泥を減圧加熱して含水率
を約50%に低減する減圧加熱装置16と、セレン含有
生物汚泥を脱水して含水率を約30%にする脱水装置1
8と、及び、セレン含有生物汚泥を燃焼してセレンを回
収する汚泥燃焼装置20とから構成されている。汚泥燃
焼装置は、易融合金の溶融池を加熱してセレン含有生物
汚泥を燃焼させると共にセレンを蒸発させる加熱炉と、
燃焼排ガスに同伴したセレンを選択的に凝縮させる排ガ
ス冷却器とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セレン含有排水か
らセレンを回収する装置に関し、更に詳細には、石炭火
力発電所排水、金属精練工場排水、鉱山排水、ガラス製
造工場排水等のセレン含有排水からセレンを回収し、合
わせてセレン含有排水を浄化する装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】セレン化合物は、工業排水、特に、石炭
火力発電所、金属精練工場、鉱山、ガラス製造工場等か
ら排出される排水中にSeO3 2-及びSeO4 2- 等の形
態で溶解しており、毒性が極めて強い有害物質である。
そのため、平成6年に一部改正された水質汚濁防止法で
は、セレンは、新たに規制項目として指定され、排水中
のセレン含有率は、0.1mgSe/l以下に規制されてい
る。一方、天然には、セレンは、親銅元素の硫化物中に
セレン化物として含まれ、その存在量は極めて僅かで、
例えば0.05ppm 程度であると言われている。工業的
には、銅或いは鉛等の重金属の電解精錬工場から出るア
ノードスライム及び硫酸工場から出るミストコットレル
スライム等の副生物を主要セレン供給源としており、そ
のセレン含有率は5〜10%程度である。セレンを生産
するには、例えば、アノードスライムにソーダ灰を加え
て、500℃でばい焼し、SeとTeの可溶性塩とす
る。この水溶液をpH6.2に調整すると、Te塩が沈
殿する。Te塩を除去して残った溶液を二酸化硫黄で還
元し、単体セレンを得ている。現在、日本のセレン生産
量は、年間500〜600トン程度であると言われてい
る。
【0003】ところで、セレンの需要は、セレンを使用
する製品、例えば電子、電気製品或いはセラミックス製
品等の生産量の増大と共に増大しつつあるが、現状で
は、セレンの供給は、アノードスライム、ミストコット
レルスライム等の副生物の量、即ち銅、鉛等の重金属の
生産高或いは硫酸の生産高によって規定されていて、需
要に応じて供給量を増やすことは難しい。そこで、セレ
ン化合物が、石炭火力発電所等から排出される排水に比
較的高濃度で含まれるていることに着目し、排水から単
体セレンを回収する試みが注目を集めている。また、或
る金属精練工場では、セレン濃度3mg/l程度の排水
が5万m3 /d程度の流量で排出されている。ここから
排出されるセレンの量は、年間約50トンとなり、国内
のセレン生産高に照らして十分に回収の価値がある。
【0004】一方、セレン含有率が規制値以下になるよ
うにセレン化合物を排水から除去したとしても、セレン
として単離、回収しない限り、排水から分離したセレン
含有物を処理する課題が残り、そのまま廃棄すれば、セ
レン含有物による二次的な公害が発生する。
【0005】以上のことから、排水からセレン化合物を
除去して浄化すると共に除去したセレン及びセレン化合
物をセレン原料に転換する試みが、研究されている。排
水中のセレン化合物を回収する方法は、従来の物理化学
的処理方法及び化学的処理方法に加えて、排水中のセレ
ン化合物がセレン酸イオン(SeO4 2- )、亜セレン酸
イオン(SeO3 2- )等の酸化物形態で含まれるている
ことに着目して、 SeO4 2- →SeO3 2- →Se 水素供与体の存在下で生物学的に上式のように単体セレ
ンに還元し、回収する生物学的処理方法が、有力な方法
として研究されている。また、生物学的処理方法と化学
的処理方法とを併用した方法も、研究されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、セレン含有排
水からセレンを回収すると共にセレン含有排水を脱セレ
ン処理して浄化する実際的で経済的な装置は、研究途上
であって、未だ、実用化されていない。よって、本発明
の目的は、セレン含有排水からセレンを回収すると共に
セレン含有排水を脱セレン処理して浄化する実用的なセ
レン回収装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るセレン回収装置は、主として、SeO
3 2-及び/又はSeO4 2- の形態でセレン化合物を溶解
しているセレン含有排水を嫌気性生物学的還元処理法に
より処理して排水中に含まれるセレン化合物を不溶性の
単体セレンに還元する生物学的処理手段と、生成した単
体セレンを生物汚泥と共に処理水から分離する分離手段
と、分離したセレン含有生物汚泥からセレンを収集する
収集手段とを備えて、セレン含有排水からセレンを回収
する装置において、収集手段が、燃焼用酸素含有ガスを
導入しつつセレン含有生物汚泥を加熱してセレンを蒸発
させると共に残部を燃焼させる加熱炉と、加熱炉から燃
焼排ガスを導入し、排ガス中のセレンを選択的に凝縮さ
せるセレン凝縮器とを有することを特徴としている。
【0008】本発明では、「セレンを収集する」、「セ
レンを回収する」、「セレンを蒸発させる」、「セレン
を選択的に凝縮させる」及び「セレン粒子を捕捉する」
等と記載しているが、ここで言うセレンとは、「セレン
酸化物及び/又は単体セレン」と同義の概念である。本
発明では、収集手段でセレン含有生物汚泥を燃焼用酸素
の存在下で350℃以上、好適には400℃以上に加熱
することにより、汚泥中のセレンは、主としてセレン酸
化物として回収される。すなわち、単体セレンは酸素が
存在しない場合は約700℃以上に加熱しないと蒸発し
ないが、加熱時に酸素が充分に存在する場合は単体セレ
ンが酸素と反応してセレン酸化物を形成し、このセレン
酸化物は約350℃という比較的低温で蒸発する。な
お、加熱時にセレンの酸化に必要十分な酸素が供給され
ない場合は、加熱温度が700℃未満であると単体セレ
ンの一部が蒸発しない虞れがあるので、酸素供給量の過
不足に係わらずセレンを常に完全に蒸発させようとする
ならば、加熱温度を700℃以上とするのがよい。セレ
ン凝縮器は、冷却媒体、例えば調温されたスチーム又は
液状熱媒体を使用して燃焼排ガスをセレンの融点(22
0.2℃)より僅かに低い210℃以下、望ましくは1
10〜150℃の範囲の温度に冷却する。110℃以上
としているのは、燃焼排ガス中の水蒸気が結露して、セ
レン凝縮器から後の回収処理で支障が生じるのを防止す
るためである。セレン凝縮器の形式は、セレン酸化物及
び/又は単体セレンを選択的に凝縮できる限り制約はな
いが、好適には、縦方向に延在する内管と、内管を収容
する外管とからなるジャケット構造の二重管式冷却器と
して構成され、燃焼排ガス及び冷却媒体が、それぞれ、
内管の内側及び内管と外管の間の環状部を流れ、更に内
管の内壁に付着したセレン酸化物及び/又は単体セレン
を掻き取るように内管内に同心状に設けられた回転式ス
クレーパを備えている冷却器である。
【0009】本発明の好適な実施態様では、凝縮器の燃
焼排ガス側下流に、セレン粒子(セレン酸化物及び/又
は単体セレンの粒子)を捕捉する集塵器、燃焼排ガスを
吸引して加熱炉内を減圧状態に維持する吸引装置、及
び、燃焼排ガスを洗浄して大気汚染物質を除去した後に
大気放出するスクラバが、順次、設けられていることを
特徴としている。集塵機は、バグフィルタ、電気集塵機
等の既知の集塵機である。吸引装置は、常用の排気ファ
ンで良く、加熱炉内を減圧状態に維持してセレン蒸気を
大気中に放散させないために設けてある。スクラバの形
式は、棚段式でも充填塔式でも良く、洗浄液も水でも或
いは薬液でも良い。また、好ましくは、加熱炉と凝縮器
とを接続する燃焼排ガスダクトを加温手段により燃焼排
ガスの結露温度より高い温度に維持する。これにより、
結露を防止して、セレンの回収を円滑に進めることがで
きる。
【0010】好ましくは、分離手段により得たセレン含
有生物汚泥を減圧下で50〜80℃の範囲の温度に加熱
して水分を蒸発させ、含水率を50%以下に減少させる
ようにした減圧加熱装置を加熱炉の上流に備える。これ
により、セレン含有生物汚泥が、低い温度で濃縮される
ので、セレン含有生物汚泥の性質を変化させることな
く、含水率を低下させ、脱水機の負荷を軽減することが
できる。高温で濃縮させると、セレン含有生物汚泥の性
状が変質して、後の脱水工程及び燃焼工程で支障が生
じ、そのため特殊な薬剤を注入してセレン含有生物汚泥
の性状を改質することも必要になる。
【0011】更に、好ましくは、セレン含有生物汚泥を
脱水して、セレン含有生物汚泥の含水率を30%以下に
する脱水装置を加熱炉と減圧加熱装置との間に設ける。
これにより、加熱炉の負荷を軽減することができる。好
適には、脱水装置が、セレン含有生物汚泥を脱水する脱
水機と、脱水機で脱水したセレン含有生物汚泥を加熱炉
に移送する移送量可変のコンベアと、加熱炉に移送する
セレン含有生物汚泥の含水率を測定するためにコンベア
に設けられた含水率計とを備え、含水率計で測定したセ
レン含有生物汚泥の含水率に応じて、コンベアのセレン
含有生物汚泥移送量を調整するようにする。これによ
り、加熱炉の負荷が一定に維持されるので、良好にセレ
ンを回収できるようになる。
【0012】本発明の更に好適な実施態様では、加熱炉
が、燃焼用空気の取り入れ部と、加熱源として易融合金
等の金属の溶融池とを有し、セレン含有生物汚泥を溶融
池の表面上に載せて加熱、燃焼させるようにした燃焼手
段と、金属を溶融して溶融池を形成し、所定温度に昇温
する加熱手段と、溶融池の末端部に設けられ、セレン含
有生物汚泥の燃焼残渣を補集する補集手段と、補集手段
で補集された残渣を酸水溶液に溶解する溶解手段とを備
えていることを特徴としている。溶融池に使用する金属
は、比較的低い融点を有する合金もしくは単体金属であ
って、例えば、ビスマスと錫との合金、ビスマスと三酸
化アンチモンとの合金等の一般に易融合金と称される金
属あるいは錫等の単体金属を使用できる。加熱手段は、
金属を溶融、加熱できる限り制約はなく、例えば電気ヒ
ータでも、ガスバーナでも良い。補集手段には、例えば
回転車式の掻き取り装置を使用する。酸水溶液には、例
えば塩酸、硫酸等の水溶液を使用する。酸水溶液として
塩酸水溶液を使用する場合には、その濃度は、20〜3
0%位である。
【0013】本発明の更に好適な実施態様は、生物学的
処理手段が固定床式生物学的処理装置であって、該生物
処理装置により処理された処理水と、該生物学的処理装
置を洗浄した際に排出されるセレン含有生物汚泥を含む
洗浄排水とを混合した混合排水に金属塩を添加して凝集
処理を行う、化学的処理手段と、化学的処理手段により
処理された処理水からセレン含有生物汚泥を分離する分
離手段とを備え、分離したセレン含有生物汚泥を加熱炉
にて燃焼し、その燃焼残渣を酸水溶液に溶解して得た金
属塩を化学的処理手段により処理する混合排水に添加す
るようにしたことを特徴としている。
【0014】化学的処理手段は、従来から既知の装置で
あって、例えば金属塩添加機構、pH調整剤添加機構、
攪拌機構などを備えた反応槽を使用する。排水に添加す
る金属塩としては、塩化第一鉄、塩化第二鉄等の鉄塩、
或いは硫酸バンド、PAC等のアルミニウム化合物等を
挙げることができる。好適には、生物学的処理手段の処
理水中にたとえ6価のセレン酸イオンが残留していたと
してもこれを除去することができるように、第1鉄塩、
特に塩化第1鉄を使用し、また、加熱炉の溶解手段で塩
酸を使用して燃焼残渣中の鉄を塩化第1鉄として回収す
ることにより、循環使用する。循環使用により、薬剤コ
ストが低減して経済的になり、また燃焼残渣の廃棄処理
の面倒を省くことができる。塩化第一鉄の添加量は、鉄
として、生物学的処理手段で処理した排水中の残留セレ
ン量の40重量倍以上、好ましくは50〜80重量倍で
ある。化学的処理手段では、金属塩と共にアルカリ剤
(例えば水酸化ナトリウム)や酸剤(例えば塩酸)等の
pH調整剤を排水に添加し、排水のpHを化学的処理に
適した範囲に調整することが望ましい。化学的処理に適
した排水のpHは、第一鉄塩を用いた場合には8.5〜
10である。
【0015】分離手段は、セレン含有生物汚泥を処理水
から分離できる限り限定はなく、例えば既知の自然沈降
分離槽、凝集沈殿槽、浮上分離槽、遠心分離機、フィル
タープレス、膜濾過器を使用することができる。
【0016】生物学的処理手段の構成には、限定はな
く、例えば、固定床式生物学的処理法、流動床式生物学
的処理法、浮遊式生物学的処理法、スラッジブランケッ
ト式生物学的処理法等による生物学的処理装置の1つか
らなるもの、あるいは同種又は異種の装置を組み合わせ
たものなどを使用することができる。好適には、生物学
的処理手段が、少なくとも1個の固定床を処理状態に保
持しつつ他の固定床を逆洗等の操作によって洗浄できる
ように、相互に隔離された複数個の独立の嫌気性固定床
で構成されている。生物学的処理手段の一部が常に処理
状態に維持されているので、排水の連続的処理が可能に
なり、また固定床を順次洗浄できるので、洗浄処理に使
用する水の貯水槽、洗浄処理の後、固定床より排出され
る洗浄排水の貯水槽を小型にすることができる。
【0017】なお、セレン含有排水中にセレン以外の重
金属が溶解している場合には、生物学的処理手段の上流
に例えば凝集沈殿設備を設け、最適なpH条件に設定し
て凝集処理によりセレン以外の重金属を除去するように
する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を挙げ、添付図面
を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説
明する。実施例 本実施例は、本発明に係るセレン回収装置の一つの例で
あって、図1はセレン回収装置10(以下、簡単に装置
10と言う)のブロック・フローシート、図2から図4
はそれぞれのブロックのフローシートである。本装置1
0は、図1に示すように、セレン以外の重金属をセレン
含有排水(以下、簡単に排水と言う)から除去する前処
理装置12と、セレン以外の重金属を除去した排水を生
物学的に還元処理し、更に化学的に処理する生物学的/
化学的処理装置14と、生物学的/化学的処理装置14
で得たセレン含有生物汚泥(以下、簡単に生物汚泥と言
う)を減圧下で加熱して水分を蒸発させ、含水率を約5
0%に低減する減圧加熱装置16と、減圧加熱装置16
で乾燥した生物汚泥を脱水して含水率を約30%にする
脱水装置18と、及び、脱水した生物汚泥を燃焼してセ
レンを回収する汚泥燃焼装置20とから構成されてい
る。前処理装置12からはセレン以外の重金属を除去さ
れた排水が送出され、生物学的/化学的処理装置14か
らはセレン含有汚泥が排出されると共にセレン濃度が規
制値以下になった処理水が送出され、汚泥燃焼装置20
からはセレンが単体及び/又は酸化物として取り出され
る。
【0019】前処理装置12は、図2に示すように、排
水を受け入れて貯蔵する調整槽22と、セレン以外の重
金属を除去するのに最適なpH条件に設定してセレン以
外の重金属を凝集させる第1凝集槽24と、凝集した汚
泥を沈殿させ、上澄水を生物学的/化学的処理装置14
に送水する、沈降分離式の第1沈殿槽26とから構成さ
れている。第1凝集槽24には、セレン以外の重金属を
効率良く凝集させるために、アルカリ又は酸等のpH調
整剤、凝集剤及び凝集助剤をそれぞれ添加する添加設
備、並びに攪拌用の空気を送入する送風機27が設けら
れている。また、第1沈殿槽26で分離した汚泥を一部
還流して第1凝集槽24内の凝集効率を高めるようにな
っている。凝集剤の種類及びpHは、凝集させる重金属
の種類により定められる。
【0020】生物学的/化学的処理装置14は、図3に
示すように、微生物にとって最も機能し易いpH値に排
水のpHを調整するpH調整槽28と、固定床式の生物
学的処理槽30と、生物学的処理槽30を逆洗した際に
排出される、セレン含有生物汚泥を含む逆洗排水を貯留
する逆洗排水貯槽38と、生物学的処理槽30から流出
した処理水と逆洗排水貯槽38の逆洗排水とを混合し、
該混合排水に塩化第1鉄を添加して排水中の残留セレン
化合物を塩化第1鉄の還元作用及び凝集作用によって不
溶化すると共に、生成した不溶化物をセレン含有生物汚
泥と共に凝集させる第2凝集槽32と、第2凝集槽32
から出た排水からセレン含有生物汚泥を分離する沈降分
離式の第2沈殿槽34とを備えている。
【0021】生物学的処理槽30は、主として、SeO
3 2-及びSeO4 2- を含む形態でセレン化合物を溶解し
ている排水を嫌気性生物学的還元処理法により処理して
排水中に含まれるセレン化合物を不溶性の単体セレンに
還元する処理槽であって、図示してはいないが、相互に
隔離された複数個の独立の嫌気性固定床で構成されてい
る。各固定床は、一つの槽を隔壁により仕切った室にそ
れぞれ設けてある。固定床には、砂利、焼成骨材、各種
形状のプラスチック等の微生物担体を充填した充填層と
して構成されている。微生物としては、例えばシュード
モナス属(Pseudomonas 属)、パラコッカス属(Paraco
ccus属)等の微生物を使用できる。固定床式生物処理槽
は、処理を継続するうちに微生物の増殖及び代謝物の生
成により目詰まりが生じ、そのため定期的な逆洗等の洗
浄操作が必要になるので、本実施例では、生物学的処理
槽30は、少なくとも1個の固定床を処理状態に保持し
つつ他の固定床を逆洗できるように構成されている。
【0022】第2沈殿槽34は、沈降分離型の沈殿槽で
あって、下部より沈澱汚泥を引抜く設備を備えている。
更に、生物学的/化学的処理装置14には、固定床を逆
洗するための逆洗用処理水を貯水する逆洗用処理水槽3
6及び生物学的処理槽30から排出された逆洗排水を貯
水する逆洗排水貯槽38が設けてある。逆洗用処理水
は、第2沈殿槽34の上澄水であって、その一部が逆洗
用として逆洗ポンプ40により生物学的処理槽30に送
水される。逆洗排水は、一旦、逆洗排水貯槽38に貯蔵
された後、次回の逆洗までに空になるように一定の流量
で第2凝集槽32に送られ、処理される。逆洗用処理水
槽36は、少なくとも逆洗一回分の貯水容量を有する。
逆洗用処理水槽36に流入した第2沈殿槽34の上澄水
のうち、逆洗用に使用した以外の残部は、処理水として
外部に送水される。第2沈殿槽34で分離されたセレン
含有生物汚泥は、減圧加熱装置16に移送される。
【0023】pH調整槽28には生物学的処理槽30で
の生物学的処理に適当なpH値、すなわちほぼ中性にな
るようにアルカリ或いは酸等のpH調整剤を添加する設
備、生物学的処理槽30の上流にはメタノール、エタノ
ール等の水素供与体及び窒素(N)、リン(P)等の微
生物の栄養剤、第2凝集槽32には凝集剤として塩化第
1鉄、pH調整剤を添加する設備が、それぞれ設けてあ
る。水素供与体の添加量は、排水中の水素供与体の量が
化学量論的な必要量の1.3倍量以上になるようにす
る。
【0024】減圧加熱装置16は、図4に示すように、
セレン含有生物汚泥(以下、単に生物汚泥ということも
ある)を予熱する予熱器42、生物汚泥中の水分を蒸発
させる「水平伝熱管外面流下方式」の蒸発濃縮機44、
濃縮液ポンプ46、蒸発濃縮機44で蒸発した水蒸気を
圧縮、昇温して、熱源とする蒸気圧縮ヒートポンプ4
8、凝縮水ポンプ50、及び蒸発濃縮機44の内部を減
圧にする真空ポンプ52を有機的に連結した装置であ
る。
【0025】予熱器42で予熱された生物汚泥は、濃縮
液ポンプ46により循環された濃縮生物汚泥と混合され
て蒸発濃縮機44に入る。蒸発濃縮機44は、水平に延
在する熱交換用管群を有し、その内側を流過する圧縮高
温水蒸気により外側を流下する生物汚泥を加熱して含有
水分を蒸発させる。蒸発濃縮機44の内部は、真空ポン
プ52により減圧に維持されていて、水分は比較的低い
温度、例えば70℃で蒸発するので、生物汚泥はその程
度の温度までしか加熱されない。これにより、生物汚泥
の過濃縮が防止され、また生物汚泥の性状は変質しない
ので、後段の脱水装置18における生物汚泥の脱水処理
が容易になり、脱水を容易にするため等の特殊な薬剤の
注入等が不要になる。
【0026】水分が蒸発して濃縮した生物汚泥は、含水
率が約50%になって、蒸発濃縮機44の底部から濃縮
液ポンプ46により排出され、その一部が予熱器42で
予熱された新たな生物汚泥と混合して再び蒸発濃縮機4
4に入り、残部は脱水装置18に移送される。生物汚泥
中から蒸発した水蒸気は、蒸気圧縮ヒートポンプ48に
より圧縮されて昇温し、蒸発濃縮機44の熱交換用管の
内側に流入して生物汚泥を加熱する熱源となる。生物汚
泥を加熱した結果、凝縮した水は、凝縮水ポンプ50に
より排出され、予熱器42で生物汚泥を予熱した後、そ
の一部は後述するスクラバに、残部は外部に送られる。
【0027】脱水装置18は、図5に示すように、減圧
加熱装置16から移送された生物汚泥を脱水して、その
含水率を約50%から約30%に低減し、生物汚泥をほ
ぼケーキ状の固形物にする脱水機54と、減水した生物
汚泥を貯蔵する汚泥ケーキポッパー56と、生物汚泥を
汚泥燃焼装置20に移送するスクリュウコンベア58
と、スクリュウコンベア58内の生物汚泥の含水率を測
定する含水率計59とから構成されている。本実施例で
は、真空吸引式のドラム型フィルタが脱水機54として
使用されている。スクリュウコンベア58は、生物汚泥
の移送量を調節可能にするために回転数可変式のスクリ
ュウを備えており、スクリュウコンベア58内の生物汚
泥の含水率を例えば赤外線式の含水率計59で測定し
て、その測定値に応じてスクリュウコンベア58のスク
リュウ回転数を調節することにより、生物汚泥の移送量
を調整している。すなわち、生物汚泥の含水率が高い場
合は移送量を少なくし、含水率が低い場合は移送量を多
くするように調節する。これにより、加熱炉60の負荷
を一定に維持しているので、加熱炉60での燃焼現象が
安定する。また、後述する加熱炉60の制御と汚泥燃焼
の安全を確実にするために、汚泥ケーキホッパー56、
スクリュウコンベア58及びスクリュウコンベア58と
加熱炉60との接続部は、気密になっている。
【0028】汚泥燃焼装置20は、図5に示すように、
生物汚泥を加熱してセレンを蒸発させると共に残部の有
機物を燃焼させる加熱炉60と、燃焼排ガスを冷却して
単体セレン及び/又はセレン酸化物を選択的に凝縮さ
せ、収集する排ガス冷却器62と、燃焼排ガス中のセレ
ン粒子及び/又はセレン酸化物粒子を捕捉するバグフィ
ルタ64と、回収したセレンを収容する回収セレン槽6
5と、加熱炉60から燃焼ガスを吸引して炉内を多少負
圧にする排ガス吸引ファン66と、燃焼ガスを洗浄して
大気汚染物質を除去するスクラバ(図示せず)とを備え
ている。
【0029】加熱炉60は、炉体68と、炉体68内に
設けられ、溶融温度が例えば200〜300℃の易融合
金の溶融池を形成する浴70と、易融合金を溶融し、更
に400〜500℃の所定温度に昇温、維持する電気ヒ
ータ72と、燃焼残渣を掻き取る回転車式残渣収集装置
74と、残渣収集装置74から燃焼残渣を落下させるシ
ュータ76とから構成されている。本実施例では、溶融
池による間接加熱方式を採用しているため、バーナ等に
よる直接燃焼の際に必要な過剰空気を必要としないの
で、燃焼用空気は、流量調節弁を備えた燃焼空気供給管
77を介して生物汚泥の燃焼に必要な量だけ炉体68に
供給される。炉体68及び炉体68と他の機器との接続
口は気密構造で形成され、かつ炉体68内は多少負圧に
維持されているので、セレン蒸気が外部に漏洩するよう
なことがない。
【0030】スクリュウコンベア58により移送された
生物汚泥は、炉体68内に投入されて浴70内の溶融池
上に落下し、そこで400〜500℃に加熱されて燃焼
する。先ず、生物汚泥中の水分が蒸発すると共に微生物
等の有機物からなる生物汚泥が燃焼し、その殆どが、H
2 OとCO2 とに分解する。この時の燃焼現象は、「も
ぐさ」が燃えるような穏やかな燃焼であって、生物汚泥
内に取り込まれた単体セレンは、この燃焼熱と酸素との
反応により、セレン酸化物となって蒸発する。セレン
は、単体の場合であっても、688℃以上で蒸発する
が、セレン酸化物の場合には、更に低い温度、例えば3
20〜340℃で蒸発する。なお、上記のような「もぐ
さ」が燃えるような穏やかな燃焼であっても、燃焼の中
心部では、確実に700℃を越えるので、単体セレンの
一部はそのままの形で、気体となって燃焼排ガスに同伴
し、排ガス冷却器62に流入する。第2凝集槽32で排
水に添加された塩化第1鉄は、第2沈澱槽34から主に
水酸化第1鉄の形で取り出され、生物汚泥の乾燥燃焼に
伴い一部が酸化鉄になって灰として比重差により溶融池
上に浮遊し、残渣収集装置74により掻き寄せられて、
シュータ76を経て後述する溶解槽80に移送される。
【0031】排ガス冷却器62は、縦方向に延在する内
管と、内管を収容する外管とからなるジャケット構造の
複数本の二重管式冷却器として構成され、燃焼排ガス及
び冷却媒体が、それぞれ、内管の内側及び内管と外管の
間の環状部を流れ、更に内管の内壁に付着したセレン及
びセレン酸化物を掻き取るように内管内に同心状に設け
られた回転式スクレーパを備えている。燃焼排ガスは、
内管内に流入し、冷却媒体として内管と外管との間の環
状部を流れるスチームにより150℃に冷却されて、単
体セレン及び/又はセレン酸化物が選択的に凝縮する。
凝縮して内管の内壁に付着した単体セレン及び/又はセ
レン酸化物は、スクレーパにより掻き落とされて内管の
下部に溜まり、次いで回収セレン槽65に落下して貯蔵
される。加熱炉60から排ガス冷却器62までの燃焼排
ガスダクト78は、燃焼排ガスが降温して結露しないよ
うにスチームトレース又は電熱トレースにより結露温度
以上の温度に維持されている。
【0032】バグフィルタ64は、セレン粒子及びセレ
ン酸化物粒子を捕捉できる程度の濾布で形成され、捕捉
した粒子を下部に振り落とすことができるように濾布を
定期的に振動させる加振機構を備えている。排ガス冷却
器62を出た燃焼排ガスは、バグフィルタ64に入り、
濾布によりセレン粒子及びセレン酸化物粒子が捕捉さ
れ、加振機構により振り落とされて、バグフィルタ64
の下部に溜まる。下部に溜まったセレン粒子及び/又は
セレン酸化物粒子は、回収セレン槽65に落下して貯蔵
される。
【0033】汚泥燃焼装置20は、更に、加熱炉60で
生じた燃焼残渣を処理する溶解槽80と、溶解槽80で
得た塩化第1鉄を生物学的/化学的処理装置14の第2
凝集槽32に送る凝集剤ポンプ82を備えている。溶解
槽80は、槽内を横断するように設けられた格子状の目
板84と、塩酸水溶液注入設備とを備え、槽内に約35
%濃度の塩酸水溶液を収容している。加熱炉60からの
シュータ76は、収容した塩酸水溶液により液封されて
おり、これにより加熱炉60への空気の流入が防止され
ている。シュータ76を通って加熱炉60から落下した
燃焼残渣は、塩酸水溶液に溶解して塩化第1鉄となり、
凝集剤ポンプ82により第2凝集槽32に凝集剤として
再び添加される。燃焼残渣中の不溶解物は、目板84上
に蓄積するので、定期的に除去される。
【0034】排ガス吸引ファン66の下流にあって、燃
焼排ガスを洗浄して大気汚染物質の放散を防止するスク
ラバ(図示せず)は、減圧加熱装置16で発生する凝縮
水を洗浄水として使用しており、またスクラバで生じた
洗浄排水は、セレン含有排水に合流して前処理装置12
に入る。
【0035】本実施例の装置10は、第2凝集槽32で
添加した塩化第1鉄を汚泥燃焼装置20で回収して循環
使用し、また減圧加熱装置16で発生する凝縮水をスク
ラバの洗浄水として使用し、更にはスクラバで発生する
洗浄排水を本装置10で処理しているので、ほぼ完全な
閉システムを構成している。よって、本実施例の装置1
0は、本装置10から出る環境汚染物質の排出を最小限
に抑えた無公害型セレン回収装置であると評価できる。
【0036】
【発明の効果】本発明の構成によれば、工場、鉱山等か
ら排出されるセレン含有排水を嫌気性生物学的還元処理
法により処理して排水中に含まれるセレン化合物をセレ
ンとして回収するに際し、セレン含有生物汚泥を燃焼す
る加熱炉と、単体セレン及び/又はセレン酸化物を選択
的に凝縮させるセレン凝縮器とを有する収集手段を設け
ることにより、経済的に且つ無公害で安全にセレンを回
収して工業原料として利用できるようにすると共に処理
排水のセレン含有率を規制値以下に低下させることがで
きるセレン回収装置を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセレン回収装置の一実施例の構成
を示すブロック・フローシートである。
【図2】セレン回収装置の実施例の一部を構成する前処
理装置のフローシートである。
【図3】セレン回収装置の実施例の一部を構成する生物
学的/化学的処理装置のフローシートである。
【図4】セレン回収装置の実施例の一部を構成する減圧
加熱装置のフローシートである。
【図5】セレン回収装置の実施例の一部を構成する脱水
装置及び汚泥燃焼装置のフローシートである。
【符号の説明】
10 本発明に係るセレン回収装置の一実施例 12 前処理装置 14 生物学的/化学的処理装置 16 減圧加熱装置 18 脱水装置 20 汚泥燃焼装置 22 調整槽 24 第1凝集槽 26 第1沈殿槽 27 送風機 28 pH調整槽 30 生物学的処理槽 32 第2凝集槽 34 第2沈殿槽 36 逆洗用処理水槽 38 逆洗排水貯槽 40 逆洗ポンプ 42 予熱器 44 蒸発濃縮機 46 濃縮液ポンプ 48 蒸気圧縮ヒートポンプ 50 凝縮水ポンプ 52 真空ポンプ 54 脱水機 56 汚泥ケーキホッパー 58 スクリュウコンベア 59 含水率計 60 加熱炉 62 排ガス冷却器 64 バグフィルタ 65 回収セレン槽 66 排ガス吸引ファン 68 炉体 70 浴 72 電気ヒータ 74 残渣収集装置 76 シュータ 77 燃焼空気供給管 78 燃焼排ガスダクト 80 溶解槽 82 凝集剤ポンプ 84 目板

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として、SeO3 2-及び/又はSeO
    4 2- の形態でセレン化合物を溶解しているセレン含有排
    水を嫌気性生物学的還元処理法により処理して排水中に
    含まれるセレン化合物を不溶性の単体セレンに還元する
    生物学的処理手段と、生成した単体セレンを生物汚泥と
    共に処理水から分離する分離手段と、分離したセレン含
    有生物汚泥からセレンを収集する収集手段とを備えて、
    セレン含有排水からセレンを回収する装置において、 収集手段が、燃焼用酸素含有ガスを導入しつつセレン含
    有生物汚泥を加熱してセレンを蒸発させると共に残部を
    燃焼させる加熱炉と、 加熱炉から燃焼排ガスを導入し、排ガス中のセレンを選
    択的に凝縮させるセレン凝縮器とを有することを特徴と
    するセレン回収装置。
  2. 【請求項2】 加熱炉が、セレン含有生物汚泥を350
    ℃以上に加熱することを特徴とする請求項1に記載のセ
    レン回収装置。
  3. 【請求項3】 凝縮器の燃焼排ガス側下流に、セレン粒
    子を捕捉する集塵器、燃焼排ガスを吸引して加熱炉内を
    減圧状態に維持する吸引装置、及び、燃焼排ガスを洗浄
    して大気汚染物質を除去した後に大気放出するスクラバ
    が、順次、設けられていることを特徴とする請求項1又
    は2に記載のセレン回収装置。
  4. 【請求項4】 加熱炉と凝縮器とを接続する燃焼排ガス
    ダクトが、加温手段により燃焼排ガスの結露温度より高
    い温度に維持されていることを特徴とする請求項1から
    3のうちのいずれか1項に記載のセレン回収装置。
  5. 【請求項5】 分離手段により得たセレン含有生物汚泥
    を減圧下で50〜80℃の範囲の温度に加熱して水分を
    蒸発させ、含水率を50%以下に減少させるようにした
    減圧加熱装置を加熱炉の上流に備えていることを特徴と
    する請求項1から4のうちのいずれか1項に記載のセレ
    ン回収装置。
  6. 【請求項6】 セレン含有生物汚泥を脱水して、セレン
    含有生物汚泥の含水率を30%以下にする脱水装置が、
    加熱炉と減圧加熱装置との間に設けられていることを特
    徴とする請求項5に記載のセレン回収装置。
  7. 【請求項7】 脱水装置が、 セレン含有生物汚泥を脱水する脱水機と、 脱水機で脱水したセレン含有生物汚泥を加熱炉に移送す
    る移送量可変のコンベアと、 加熱炉に移送するセレン含有生物汚泥の含水率を測定す
    るためにコンベアに設けられた含水率計とを備え、 含水率計で測定したセレン含有生物汚泥の含水率に応じ
    て、コンベアのセレン含有生物汚泥移送量を調整するよ
    うにしたことを特徴とする請求項6に記載のセレン回収
    装置。
  8. 【請求項8】 加熱炉が、 燃焼用空気の取り入れ部と、加熱源として金属の溶融池
    とを有し、セレン含有生物汚泥を溶融池の表面上に載せ
    て加熱、燃焼させるようにした燃焼手段と、 金属を溶融して溶融池を形成し、所定温度に昇温する加
    熱手段と、 溶融池の末端部に設けられ、セレン含有生物汚泥の燃焼
    残渣を補集する補集手段と、 補集手段で補集された残渣を酸水溶液に溶解する溶解手
    段とを備えていることを特徴とする請求項1から7のう
    ちのいずれか1項に記載のセレン回収装置。
  9. 【請求項9】 セレン凝縮器が、縦方向に延在する内管
    と、内管を収容する外管とからなるジャケット構造の二
    重管式冷却器として構成され、燃焼排ガス及び冷却媒体
    が、それぞれ、内管の内側及び内管と外管の間の環状部
    を流れ、更に内管の内壁に付着したセレンを掻き取るよ
    うに内管内に同心状に設けられた回転式スクレーパを備
    えていることを特徴とする請求項1から8のうちのいず
    れか1項に記載のセレン回収装置。
  10. 【請求項10】 生物学的処理手段が固定床式生物学的
    処理装置であって、該生物学的処理装置により処理され
    た処理水と、該生物学的処理装置を洗浄した際に排出さ
    れるセレン含有生物汚泥を含む洗浄排水とを混合した混
    合排水に金属塩を添加して凝集処理を行う、化学的処理
    手段と、 化学的処理手段により処理された処理水からセレン含有
    生物汚泥を分離する分離手段とを備え、 分離したセレン含有生物汚泥を加熱炉にて燃焼し、その
    燃焼残渣を酸水溶液に溶解して得た金属塩を化学的処理
    手段により処理する混合排水に添加するようにしたこと
    を特徴とする請求項8に記載のセレン回収装置。
  11. 【請求項11】 生物学的処理手段が、少なくとも1個
    の固定床を処理状態に保持しつつ他の固定床を洗浄でき
    るように、相互に隔離された複数個の独立の嫌気性固定
    床で構成されていることを特徴とする請求項1から10
    のうちのいずれか1項に記載のセレン回収装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008190950A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Horiba Ltd 試料中の酸化セレン除去方法と除去装置、およびこれを用いた石炭燃焼排気ガス中の水銀測定方法および測定装置
US20130260444A1 (en) * 2010-12-17 2013-10-03 Yan Jin Biochemical process for selenium recovery from bioremediation effluent or sludge
JP5865465B1 (ja) * 2014-11-13 2016-02-17 大旺新洋株式会社 スラッジの乾燥処理方法及びその装置
CN112173450A (zh) * 2020-09-04 2021-01-05 广东长信精密设备有限公司 一种工业乏硒料回收再利用设备

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