JPH1084481A - 画像の階調補間方法及び装置、並びに、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

画像の階調補間方法及び装置、並びに、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体

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JPH1084481A
JPH1084481A JP9184422A JP18442297A JPH1084481A JP H1084481 A JPH1084481 A JP H1084481A JP 9184422 A JP9184422 A JP 9184422A JP 18442297 A JP18442297 A JP 18442297A JP H1084481 A JPH1084481 A JP H1084481A
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Shigeaki Shimazu
茂昭 嶋津
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平均化処理を行なわずに多階調画像の階調ジ
ャンプを解消する。 【解決手段】 階調変換特性に画像データが取り得るす
べての画像レベルを入力し、その出力データから、階調
変換後の画像に含まれる階調ジャンプを検出する。そし
て、多階調画像から、階調補間の対象領域の輪郭を示す
Aタイプの輪郭線とBタイプの輪郭線をそれぞれ求め
る。次に、AタイプとBタイプの輪郭線の相互の包含関
係を判断することによって対象領域を検出し、対象領域
の輪郭を示す少なくとも1組の輪郭線セットを抽出す
る。さらに、対象領域内において、Aタイプの輪郭線と
Bタイプの輪郭線との間を(N+1)個の区分領域に区
分し、(N+1)個の区分領域の中のN個の区分領域に
N個の中間画像レベルを順次割り当てる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多階調画像の階
調を補間する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータを用いた画像処理の一種と
して、多階調画像に対する種々の階調変換が行なわれ
る。この際、多階調画像の階調変換に伴って階調のジャ
ンプが発生するという問題がある。「階調のジャンプ」
とは、隣接する領域の画像レベルが階段状に変化して、
少なくとも1つの画像レベルが抜けている現象を言う。
このような階調のジャンプを肉眼で観察すると、擬似的
な輪郭として見えることがある。すなわち、元の画像に
は輪郭が存在していなかったにも係わらず、階調のジャ
ンプのために、あたかも輪郭が存在するように見えてし
まう、という不具合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来は、このような階
調のジャンプが存在した場合に、画素データを平均化す
ることによって階調ジャンプを緩和していた。しかし、
画素データの平均化処理を行なうと、画像がボケてしま
うという問題があった。
【0004】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、平均化処理を行
なわずに多階調画像の階調ジャンプを解消する技術を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、第1の発明
は、多階調画像の階調ジャンプを補間する方法であっ
て、(a)多階調画像を表わす多階調画像データの階調
を変換することによって、階調変換画像データを生成す
る工程と、(b)前記階調変換画像データに含まれる画
像レベルの中で、中間に階調ジャンプが存在する第1と
第2の画像レベルを特定する工程と、(c)前記階調変
換画像データを処理することによって、前記第1の画像
レベルを有する領域と前記第1の画像レベル未満の画像
レベルを有する他の領域との境界を示すAタイプの輪郭
線を表わす第1の輪郭データを求める工程と、(d)前
記階調変換画像データを処理することによって、前記第
1の画像レベルを有する領域と前記第2の画像レベル以
上の画像レベルを有する他の領域との境界を示すBタイ
プの輪郭線を表わす第2の輪郭データを求める工程と、
(e)前記第1と第2の輪郭データに基づいて前記Aタ
イプとBタイプの輪郭線の相互の包含関係を判断するこ
とによって、前記第1の画像レベルを有する領域の中で
前記第2の画像レベルを有する画像領域に隣接する領域
を階調補間の対象領域として検出し、前記対象領域の輪
郭を示す少なくとも1組の輪郭線セットを前記Aタイプ
とBタイプの輪郭線の中から抽出する工程と、(f)前
記対象領域内において、前記1組の輪郭線セットの中の
前記Aタイプの輪郭線と前記Bタイプの輪郭線との間を
(N+1)個(Nは1以上の整数)の区分領域に区分
し、前記(N+1)個の区分領域の中で前記第2の画像
レベルの画像領域に近いN個の区分領域に前記N個の中
間画像レベルを順次割り当てる工程と、を備える。
【0006】第1の発明によれば、階調変換後の階調変
換データに含まれる画像レベルの中で階調ジャンプが存
在する第1と第2の画像レベルを特定することによっ
て、階調補間の対象とする第1と第2の画像レベルを決
定することができる。また、この第1と第2の画像レベ
ルに関連して求められるAタイプとBタイプの輪郭線の
中から、階調補間の対象領域を抽出し、この対象領域を
(N+1)個の区分領域に区分して、N個の中間画像レ
ベルを順次割り当てている。従って、画素データの平均
化処理を行なうことなく、対象領域の階調を補間するこ
とができる。
【0007】上記第1の発明において、前記工程(b)
は、前記工程(a)における階調変換特性を用いて、前
記多階調画像データが取り得るすべての画像レベルを変
換することによって、各画像レベルの変換後のデータで
構成される全レベル変換データを生成する工程と、前記
全レベル変換データに存在する階調ジャンプを検出する
とともに、前記階調ジャンプを挟む下側および上側の画
像レベルを、前記第1の画像レベルおよび前記第2の画
像レベルとしてそれぞれ決定する工程と、を含む、こと
が好ましい。
【0008】こうすれば、階調変換画像データ自身を調
べることなく、全レベル変換データを調べるだけで、階
調補間の対象となる第1と第2の画像レベルを特定する
ことができる。
【0009】上記第1の発明において、前記工程(f)
は、前記対象領域内の各画素の画像レベルを、数式1に
従って決定することによって、前記(N+1)個の区分
領域を形成する工程を備えることが好ましい。
【0010】数式1に従って各画素の画像レベル(すな
わち画素データ)を決定すれば、対象領域が、互いに異
なる画像レベルを有する(N+1)個の区分領域に実質
的に区分される。すなわち、(N+1)個の区分領域の
間の境界線(中間輪郭線)を設定せずに、対象領域の階
調補間を実現することができる。
【0011】あるいは、上記第1の発明において、前記
工程(f)は、(f1)前記対象領域内において、前記
1組の輪郭線セットの中の前記Aタイプの輪郭線への最
短距離と、前記Bタイプの輪郭線への最短距離とが所定
の関係を有する位置にN本の中間輪郭線が作成されるよ
うに前記(N+1)個の区分領域を形成する工程を備え
ることが好ましい。
【0012】ここで、「N本の中間輪郭線が作成される
ように」とは、実際に中間輪郭線を作成する場合に限ら
ず、(N+1)個の区分領域を形成することによって仮
想的な中間輪郭線が形成される場合も含んでいる。
【0013】なお、前記所定の関係を有する位置は、前
記1組の輪郭線セットの中の前記Aタイプの輪郭線への
最短距離と、前記Bタイプの輪郭線への最短距離とがm
対n(m,nは1以上N以下の整数で、m,nのN個の
組み合わせはm+n=N+1を満足する)の関係にある
位置であることがことが好ましい。
【0014】こうすれば、2種類の最短距離の関係がm
対nの関係にある位置におけるN本の中間輪郭線で、対
象領域を(N+1)個の区分領域に区分することができ
る。
【0015】前記工程(e)は、(e1)前記Aタイプ
の輪郭線を、その内部領域が前記第1の画像レベル以上
の画像レベルを有するA+タイプの輪郭線と、その内部
領域が前記第1の画像レベル未満の画像レベルを有する
A−タイプの輪郭線とに分類する工程と、(e2)前記
Bタイプの輪郭線を、その内部領域が前記第2の画像レ
ベル以上の画像レベルを有するB+タイプの輪郭線と、
その内部領域が前記第2の画像レベル未満の画像レベル
を有するB−タイプの輪郭線とに分類する工程と、(e
3)少なくとも前記A+タイプの輪郭線と前記B+タイ
プの輪郭線とに挟まれた領域と、前記B−タイプの輪郭
線と前記A−タイプの輪郭線とに挟まれた領域と、の少
なくとも一方を前記対象領域として検出する工程と、を
備えることが好ましい。
【0016】このように輪郭線を分類することによっ
て、「第1の画像レベルを有する領域の中で第2の画像
レベルを有する画像領域に隣接する領域」である対象領
域を検出することが可能である。
【0017】上記第1の発明において、さらに、(g)
前記(N+1)個の区分領域の境界に存在するN本の中
間輪郭線を抽出する工程と、(h)前記N本の中間輪郭
線にゆらぎを付加する工程と、を備えることが好まし
い。
【0018】こうして、中間輪郭線のゆらぎの程度を、
元のAタイプの輪郭線やBタイプの輪郭線のゆらぎの程
度と調和させることによって、より自然な多階調画像を
得ることが可能である。
【0019】上記第1の発明において、さらに、前記工
程(c)の前に、前記多階調画像領域を拡大する工程を
備えることが好ましい。
【0020】こうすれば、対象領域が比較的小さな場合
にも、その階調を滑らかに補間することができる。
【0021】第2の発明は、多階調画像の階調ジャンプ
を補間する装置であって、多階調画像を表わす多階調画
像データの階調を変換することによって、階調変換画像
データを生成する階調変換手段と、前記階調変換画像デ
ータに含まれる画像レベルの中で、中間に階調ジャンプ
が存在する第1と第2の画像レベルを特定する補間階調
検出手段と、前記階調変換画像データを処理することに
よって、前記第1の画像レベルを有する領域と前記第1
の画像レベル未満の画像レベルを有する他の領域との境
界を示すAタイプの輪郭線を表わす第1の輪郭データを
求めるとともに、前記階調変換画像データを処理するこ
とによって、前記第1の画像レベルを有する領域と前記
第2の画像レベル以上の画像レベルを有する他の領域と
の境界を示すBタイプの輪郭線を表わす第2の輪郭デー
タを求める輪郭線検出手段と、前記第1と第2の輪郭デ
ータに基づいて前記AタイプとBタイプの輪郭線の相互
の包含関係を判断することによって、前記第1の画像レ
ベルを有する領域の中で前記第2の画像レベルを有する
画像領域に隣接する領域を階調補間の対象領域として検
出し、前記対象領域の輪郭を示す少なくとも1組の輪郭
線セットを前記AタイプとBタイプの輪郭線の中から抽
出する対象輪郭線抽出手段と、前記対象領域内におい
て、前記1組の輪郭線セットの中の前記Aタイプの輪郭
線と前記Bタイプの輪郭線との間を(N+1)個(Nは
1以上の整数)の区分領域に区分し、前記(N+1)個
の区分領域の中で前記第2の画像レベルの画像領域に近
いN個の区分領域に前記N個の中間画像レベルを順次割
り当てる補間手段と、を備える。
【0022】第3の発明は、多階調画像の階調ジャンプ
を補間するためのコンピュータプログラムを記録したコ
ンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、多階調画
像を表わす多階調画像データの階調を変換することによ
って、階調変換画像データを生成する階調変換機能と、
前記階調変換画像データに含まれる画像レベルの中で、
中間に階調ジャンプが存在する第1と第2の画像レベル
を特定する補間階調検出機能と、前記階調変換画像デー
タを処理することによって、前記第1の画像レベルを有
する領域と前記第1の画像レベル未満の画像レベルを有
する他の領域との境界を示すAタイプの輪郭線を表わす
第1の輪郭データを求めるとともに、前記階調変換画像
データを処理することによって、前記第1の画像レベル
を有する領域と前記第2の画像レベル以上の画像レベル
を有する他の領域との境界を示すBタイプの輪郭線を表
わす第2の輪郭データを求める輪郭線検出機能と、前記
第1と第2の輪郭データに基づいて前記AタイプとBタ
イプの輪郭線の相互の包含関係を判断することによっ
て、前記第1の画像レベルを有する領域の中で前記第2
の画像レベルを有する画像領域に隣接する領域を階調補
間の対象領域として検出し、前記対象領域の輪郭を示す
少なくとも1組の輪郭線セットを前記AタイプとBタイ
プの輪郭線の中から抽出する対象輪郭線抽出機能と、前
記対象領域内において、前記1組の輪郭線セットの中の
前記Aタイプの輪郭線と前記Bタイプの輪郭線との間を
(N+1)個(Nは1以上の整数)の区分領域に区分
し、前記(N+1)個の区分領域の中で前記第2の画像
レベルの画像領域に近いN個の区分領域に前記N個の中
間画像レベルを順次割り当てる補間機能と、をコンピュ
ータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録
したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0023】第2および第3の発明によっても、第1の
発明と同様に、階調補間の対象とする第1と第2の画像
レベルを決定することができる、また、画素データの平
均化処理を行なうことなく対象領域の階調を補間するこ
とができる。
【0024】
【発明の他の態様】この発明は、以下のような他の態様
も含んでいる。第1の態様は、コンピュータシステムの
マイクロプロセッサによって実行されることによって、
上記の発明の各工程または各手段を実現するコンピュー
タプログラムを通信経路を介して供給するプログラム供
給装置である。
【0025】
【発明の実施の形態】
A.階調補間方法の概要:次に、本発明の実施の形態を
実施例に基づき説明する。図1は、この発明による階調
補間方法の概要を示す説明図である。図1(a)は、多
階調画像と、その画像レベルの変化を示している。この
多階調画像は、3つの領域R1〜R3に区分されてい
る。この例では、図示の便宜上、各領域の輪郭が矩形で
表わされているが、一般の画像では、輪郭は任意の形状
を有していてもよい。輪郭が矩形以外の任意の形状を有
する場合にも、以下の処理は同じである。
【0026】図1(a)の下部に示すように、領域R2
はAレベル、領域R3はBレベルの領域である。Aレベ
ルとBレベルの間には、階調ジャンプが存在する。この
実施例では、まず、図1(a)のような多階調画像か
ら、図1(b)のような各領域R1〜R3の輪郭を表わ
す輪郭線L1〜L3を検出する。そして、これらの輪郭
線L1〜L3の中から、Aレベルを有し、かつ、Bレベ
ルの領域に隣接する領域R2を階調補間の対象領域とし
て認識し、この対象領域R2と他の領域との境界を示す
輪郭線セット{L2,L3}を抽出する。輪郭線L2
は、Aレベルの領域R2と、Aレベル未満の画像レベル
の領域R1との境界を示す輪郭線(「Aタイプの輪郭
線」と呼ぶ)である。また、輪郭線L3は、Aレベルの
領域R2と、Bレベル以上の画像レベルの領域R3との
境界を示す輪郭線(「Bタイプの輪郭線」と呼ぶ)であ
る。このような2つのタイプの輪郭線で囲まれた領域R
2が、階調レベル(画像レベル)の補間の対象となる対
象領域となる。
【0027】この対象領域R2の内部において、Aタイ
プの輪郭線L2からの最短距離と、Bタイプの輪郭線L
3からの最短距離が等しい位置に、中間輪郭線Lint が
形成されるように、対象領域R2が2つの区分領域R2
a,R2bに区分される(図1(b))。なお、後で詳
述するように、この実施例では、中間輪郭線Lint は実
際には形成されず、各区分領域R2a,R2b内の各画
素の画像レベルを決定することによって、仮想的な中間
輪郭線Lint が形成されるだけである。
【0028】これらの2つの区分領域R2a,R2bの
中で、Bレベルの領域R3に近い側の区分領域R2bの
各画素に対しては、図1(c)に示すように、Aレベル
とBレベルの中間的な画像レベル(Mレベル)が割り当
てられる。図1(a)の元の多階調画像と比較すれば解
るように、図1(c)の多階調画像では、階調ジャンプ
が緩和されている。図1に示す処理は、画素データ(画
像データ)の平均化処理を含まないので、画像をボカス
ことなく多階調画像の階調ジャンプを解消することがで
きる。
【0029】ところで、一般の多階調画像では、Aレベ
ルを有する対象領域R2を囲むような輪郭線セット{L
2,L3}を抽出することは必ずしも容易ではない。そ
こで、この実施例では、後述するように、多階調画像の
複数の輪郭線を複数のタイプ(A+,A−,B+,B−
の各タイプ)に分類し、かつ、各輪郭線の包含関係を判
断することによって、対象領域と他の画像領域との境界
を表わす少なくとも1組の輪郭線セットを抽出してい
る。そして、各組の輪郭線セットで囲まれる対象領域に
対して、図1に示すような処理を行なうことによって、
階調の補間を行なっている。
【0030】図2は、複数階調の補間方法の概要を示す
説明図である。図2(a)では、領域R2の画像レベル
(Aレベル)と領域R3の画像レベル(Bレベル)との
中間に、複数(具体的には2つ)の階調のジャンプがあ
る。すなわち、B=A+3である。そこで、図2(b)
の工程では、Aレベルである対象領域R2を取り囲む2
つの輪郭線L2,L3からの最短距離の比が、1:2お
よび2:1の位置に中間輪郭線Lint1,Lint2が生成さ
れるように、対象領域R2を3つの区分領域R2a〜R
2cに区分する。図2(c)に示されているように、B
レベルの領域R3に近い側の区分領域R2b,R2c
に、中間的な画像レベルM1,M2がそれぞれ割り当て
られる。
【0031】なお、一般に、AレベルとBレベルの間に
N個(Nは1以上の整数)の中間画像レベルM1 〜MN
を補間する場合には、Aレベルである対象領域R2を囲
む輪郭線セット{L2,L3}の中で、Aタイプの輪郭
線L2への最短距離とBタイプの輪郭線L3への最短距
離がm対n(m,nは1以上N以下の整数で、m,nの
N個の組み合わせはm+n=N+1を満足する)となる
位置にN本の中間輪郭線を設定することができる。この
とき、N本の中間輪郭線により区切られた(N+1)個
の区分領域の内で、Bレベルの領域に近い側からN個の
区分領域に、N個の中間画像レベルを大きさ順に割り当
てる。こうすれば、図2(c)に示すように、階調ジャ
ンプが解消された滑らかな画像を得ることができる。
【0032】以下では、図1の例のように、対象領域を
2つの区分領域に区分する場合について説明する。しか
し、対象領域を(N+1)個の区分領域に区分する場合
に以下の説明を拡張することは容易であろう。
【0033】なお、以下の説明では、Aレベルを示すデ
ータを「アンダマーカMd」と呼び、また、Bレベルを
示すデータを「アッパーマーカMu」と呼ぶ。アンダマ
ーカMdは、階調補間の対象となる2つの画像レベル
(AレベルおよびBレベル)の下側のレベルAを示すマ
ーカであり、アッパーマーカMuは上側のレベルBを示
すマーカであると言うことができる。
【0034】B.装置の構成:図3は、この発明の実施
例を適用して多階調画像の階調補間を行なうためのコン
ピュータシステムを示すブロック図である。このコンピ
ュータシステムは、CPU10と、バスライン12とを
備えている。バスライン12には、ROM14と、RA
M16とが接続されており、また、入出力インタフェイ
ス40を介してキーボード30と、マウス32と、デジ
タイザ34と、カラーCRT36と、磁気ディスク38
とが接続されている。
【0035】RAM16には、階調変換手段100と、
補間階調検出手段102と、対象領域検出手段42と、
階調補間手段44と、ゆらぎ検出手段46と、ゆらぎ付
加手段48とを実現するアプリケーションプログラムが
格納されている。
【0036】図4は、手段100,102,42,44
の内部構成を示す機能ブロック図である。階調変換手段
100は、画像入力部50から多階調画像データを受け
取り、この多階調画像データを階調変換して、階調変換
画像データを生成する。補間階調検出手段102は、階
調変換画像データに含まれる階調ジャンプと、各階調ジ
ャンプの下側および上側の画像レベルを特定する。対象
領域検出手段42は、階調補間の対象領域を検出する。
具体的には、階調ジャンプを含む対象領域を取り囲む輪
郭線セットを抽出する。階調補間手段44は、各対象領
域について階調補間を実行する。階調補間された多階調
画像は、画像出力部52から出力される。画像入力部5
0としては、例えば読取りスキャナを使用できる。ま
た、画像出力部52としては、カラーCRT36やカラ
ープリンタ等を使用できる。また入出力を磁気ディスク
38とすることもできる。
【0037】階調変換手段100は、ヒストグラム変更
部112と、ヒストグラム114と、ルックアップテー
ブル116とを含んでいる。補間階調検出手段102
は、欠落階調検出部120と、階調参照テーブル122
と、アッパーマーカ124と、アンダーマーカ126と
を含んでいる。対象領域検出手段42は、階調輪郭線検
出部60と、階調輪郭線データメモリ62と、対象輪郭
線抽出部64と、輪郭線ループバッファ66とを含んで
いる。また、階調補間手段44は、距離計算部70と、
画素値演算部72とを含んでいる。これらの各部の機能
については後述する。
【0038】なお、上記の各手段や各部の機能を実現す
るソフトウェアプログラム(アプリケーションプログラ
ム)は、フロッピディスクやCD−ROM等の携帯型の
記憶媒体(可搬型の記憶媒体)からコンピュータのメイ
ンメモリまたは外部記憶装置に転送される。あるいは、
通信経路を介してプログラム供給装置からコンピュータ
に供給するようにしてもよい。
【0039】この明細書において、コンピュータとは、
ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概
念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作す
るハードウェア装置を意味している。また、オペレーシ
ョンシステムが不要でアプリケーションプログラム単独
でハードウェア装置を動作させるような場合には、その
ハードウェア装置自体がコンピュータに相当する。ハー
ドウェア装置は、CPU等のマイクロプロセッサと、記
録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取る
ための手段とを少なくとも備えている。コンピュータプ
ログラムは、このようなコンピュータに、上述の各手段
の機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。な
お、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラム
でなく、オペレーションシステムによって実現されてい
ても良い。
【0040】なお、この発明における「記録媒体」とし
ては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気デ
ィスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカー
ド、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピ
ュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)
および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な
種々の媒体を利用できる。
【0041】C.実施例の処理内容:図5は、実施例に
おける処理手順を示すフローチャートである。ステップ
T1において、画像入力部50が多階調画像データの入
力処理を行ない、ステップT2では、階調変換手段10
0(図4)が階調変換処理を行なう。
【0042】図6は、階調変換処理の一種としてのヒス
トグラムを用いたコントラスト補正と、その後の階調補
間の内容を示す説明図である。図6(a)は、元の多階
調画像データのヒストグラムを示している。このヒスト
グラムは、階調変換手段100内のヒストグラム114
として記憶されているものである。ユーザは、図6
(a)に示す原多階調画像データのヒストグラム上で、
階調変換の対象範囲の最暗点VlsをVldに変換し、
最明点VhsをVhdに変換することを指定する。階調
変換手段100は、この指定に応じて、多階調画像デー
タを階調変換するためのルックアップテーブル116を
作成する。なお、ルックアップテーブル116によって
表わされる階調変換特性は、例えば次の数式2によって
与えられる。
【0043】
【数2】
【0044】ここで、Vsは変換前の画素値、Vdは変
換後の画素値、Vhs,Vlsは変換前の最明点と最暗
点、Vhd,Vldは変換後の最明点と最暗点である。
【0045】数式2は、最明点と最暗点のあいだを直線
的に補間する変換特性を示している。もちろん、直線補
間以外の任意の変換特性をルックアップテーブル116
によって表わすことが可能である。なお、階調変換を行
なう手段としては、ルックアップテーブル以外のものを
利用することも可能である。例えば、階調変換特性を表
わす関数をルックアップテーブルの代わりに使用しても
よい。但し、ルックアップテーブルを用いると、階調変
換を高速に行なうことができるという利点がある。
【0046】図6(a)に示す原多階調画像データに対
してこのような階調変換を行なうと、図6(b)に示す
ような階調変換画像データが得られる。この階調変換画
像データには、階調ジャンプが存在する。そこで、図5
に示す手段102,42,44は、階調補間を行なっ
て、図6(c)に示すように階調が補間された多階調画
像データを作成する。
【0047】図7は、ヒストグラムを用いたコントラス
ト補正の他の例を示す説明図である。この例では、図7
(a)に示す原多階調画像データのヒストグラムの一部
分において、コントラスト補正の対象範囲の最明点Vh
sと最暗点Vlsを指定している。従って、この最明点
Vhsと最暗点Vlsの間の画素値Vsのみがルックア
ップテーブルによって変換される。この時、図7(c)
に示すように、階調補間は、階調変換後の最明点Vhd
と最暗点Vlsの間についてのみ実行するようにしても
よい。
【0048】図4に示す階調変換手段100は、上述の
ようなコントラスト補正の他に、ヒストグラムの平滑化
と呼ばれる処理を行なうことができる。図8は、ヒスト
グラム変更部112(図4)によって行なわれるヒスト
グラムの平滑化処理の結果と、その後の階調補間の内容
を示す説明図である。ヒストグラムの平滑化処理とは、
各画像レベルにおける画素値の割当てを予め決定してお
き、この割当てに従って各画素に画素値を割り当ててい
く処理である。割当ての方法はいくつか考えられるが、
例えば上(あるいは下)の濃度から順に画素をうめてゆ
き、割当て数をオーバーするときは、次の濃度に繰り越
すか、次の濃度の割当て数を借り入れする方法や、オー
バーする画素をランダムに分割して割当ての帳尻を合わ
せる方法がある。帳尻を合わせない場合には階調の飛び
が生じる。図8(b)は、平滑化処理の結果として得ら
れた階調変換画像データを示している。この階調変換画
像データにも階調ジャンプが存在するので、図6(c)
に示すように階調を補間する。なお、割当て数が同じ変
換をヒストグラムの平均化と呼ぶこともある。
【0049】以下では、ルックアップテーブル116を
用いた階調補間によって得られた階調変換画像データの
階調ジャンプを補間する場合について説明する。但し、
階調変換処理として、ヒストグラム変更部112によっ
て行なわれるヒストグラムの平滑化処理を行なう場合に
ついても、ほぼ同様に階調補間を行なうことが可能であ
る。
【0050】図5のステップT3では、補間階調検出手
段102の初期化処理が行なわれる。この初期化処理で
は、アンダーマーカMdとアッパーマーカMuがそれぞ
れ0に初期化され、また、階調参照テーブル122の配
列table[]のすべての要素も0に初期化される。なお、
階調参照テーブル122は、そのアドレスが階調値を示
す一次元の配列である。
【0051】図5のステップT4では、階調参照テーブ
ル122が作成される。図9は、階調参照テーブル12
2の作成処理の内容を示す説明図である。階調参照テー
ブル122の作成処理では、多階調画像データが取り得
るすべての画像レベル(8ビットデータの場合には0〜
255)をテストデータとしてルックアップテーブル1
16に入力する。そして、ルックアップテーブル116
から出力されたレベルの配列位置には、出力が得られた
ことを示すフラグ(図9では「* 」で示されている)が
階調参照テーブル122に登録される。「NULL」と書か
れている画像レベルは、ルックアップテーブル116か
らの出力が存在し得ない画像レベルである。従って、こ
の「NULL」が階調変換画像データ中の階調ジャンプ(欠
落階調)を示しており、その上下の画像レベルが階調補
間処理におけるAレベルおよびBレベルとして使用され
る。
【0052】なお、上述した階調参照テーブル122の
作成処理の内容から理解できるように、この階調参照テ
ーブル122は、本発明における全レベル変換データに
相当する。
【0053】図5のステップT6〜T10は、欠落階調
検出部120が、階調参照テーブル122に存在する階
調ジャンプを検出し、その階調ジャンプについてアンダ
ーマーカMdとアッパーマーカMuとを特定する処理手
順を示している。まず、ステップT6では、アンダーマ
ーカMdで示される位置の階調参照テーブル122の内
容が「NULL」でなく、かつ、アンダーマーカMdの次の
位置の内容が「NULL」であるか否かが判断される。この
判断は、アンダーマーカMdがAレベル(階調ジャンプ
の下側レベル)を示すように、アンダーマーカMdの値
を決定するための判断である。図9からも解るように、
階調ジャンプ「NULL」のすぐ下側の画像レベルにはフラ
グ「* 」が登録されており、その画像レベルの上側にあ
る欠落階調のレベルの配列要素は「NULL」となっている
はずである。従って、ステップT6の判断がイエスにな
る時には、そのアンダーマーカMdのレベルが階調ジャ
ンプのすぐ下側の画像レベル(Aレベル)を示すことに
なる。ステップT6の判断がノーの場合には、ステップ
T7においてアンダーマーカMdとアッパーマーカMu
をそれぞれ1つインクリメントして、ステップT6を再
度実行する。一方、ステップT6の判断がイエスの場合
には、次のステップT8以降の処理が実行される。図9
の例では、アンダーマーカMdが2の時に、ステップT
6の判断がイエスとなり、ステップT8に移行する。
【0054】図5のステップT8では、アッパーマーカ
Muが1つインクリメントされる。ステップT9では、
階調参照テーブル122のアッパーマーカMuの位置の
内容が「NULL」でなく、かつ、アッパーマーカMuの1
つ手前の位置の内容が「NULL」であるか否かが判断され
る。この判断は、アッパーマーカMuがBレベル(階調
ジャンプの上側レベル)を示すように、アッパーマーカ
Muの値を決定するための判断である。図9からも解る
ように、階調ジャンプ「NULL」のすぐ上側の画像レベル
にはフラグ「* 」が登録されており、その画像レベルの
下側にある欠落階調のレベルの登録内容は「NULL」とな
っているはずである。従って、ステップT9の判断がイ
エスになる時には、そのアッパーマーカMuのレベルが
階調ジャンプのすぐ上側の画像レベル(Bレベル)を示
すことになる。ステップT9の判断がノーの場合には、
ステップT10において、アッパーマーカMuが最大値
Max(画像レベルが取り得る最大値)未満であるか否
かが判断される。アッパーマーカMuが最大値Max未
満の場合にはステップT8に戻ってアッパーマーカMu
が1つインクリメントされる。一方、アッパーマーカM
uが最大値Max以上の場合には、すべての階調補間処
理が終了したので、階調補間後の画像データが画像出力
部52(図4)に出力される。ステップT9の判断がイ
エスの場合には、現在のアッパーマーカMuの値が採用
される。次のステップT11では、後で詳述する階調補
間処理が実行される。この階調補間処理には、ステップ
T6の判断によって特定されたアンダーマーカMdの値
と、ステップT9の判断によって特定されたアッパーマ
ーカMuの値とが使用される。
【0055】図9に示す例では、図5の処理手順に従っ
て、Md=2,Mu=4において第1回目の階調補間処
理が行なわれる。この階調補間処理が終了すると、図5
のステップT12において、アンダーマーカMdが、ア
ッパーマーカMuの値に等しく設定される。そして、ス
テップT6に戻り、次の階調ジャンプの検出と、階調補
間処理が行なわれる。図9の例では、Md=4,Mu=
6において第2回目の階調補間処理が行なわれる。この
ように、図5の手順に従えば、階調参照テーブル122
に存在する各階調ジャンプに対してそれぞれ1組のマー
カ{Md,Mu}が決定され、これらのマーカを用いて
階調補間が実行される。
【0056】D.階調補間処理の詳細:図10は、図5
のステップT11における階調補間の処理手順を示すフ
ローチャートである。ステップS1では、階調輪郭線検
出部60(図4)が、階調変換後の多階調画像データ
(階調変換画像データ)を処理することによって、多階
調画像に含まれる階調輪郭線を検出する。図11は、実
施例において処理対象となる多階調画像の全体と、ステ
ップS1において検出された階調輪郭線とを示す説明図
である。図11(b)に示す多階調画像は、6つの領域
R1〜R6に区分されている。この例では、図示の便宜
上、各領域の輪郭が矩形で表わされているが、各領域の
輪郭が任意の形状を有する場合にも、以下の処理は同じ
である。
【0057】図11(c)には、この多階調画像の中心
付近を通る線上における画像レベルの変化が示されてい
る。図11(b)においては、同じ画像レベルを有する
領域に同じ種類のハッチングが施されている。これから
理解できるように、領域R1,R4はAレベルを有して
おり、領域R3はBレベルを有している。Bレベルは、
Aレベルより2レベル高い画像レベルである。すなわ
ち、AレベルからBレベルまでに、1個の階調ジャンプ
がある。領域R2,R5は、Aレベル未満のレベルを有
しており、領域R6はCレベルを有している。Cレベル
は、Bレベルよりも高い画像レベルである。
【0058】なお、前述した図9に例示するように、A
レベルはアンダマーカMdによって示されており、ま
た、BレベルはアッパーマーカMuによって示されてい
る。
【0059】図11(a)は、図10のステップS1に
おいて検出された階調輪郭線L1〜L6を示している。
図12は、多階調画像から階調輪郭線L1〜L6を検出
する手順を示す説明図である。まず、図12(a)に示
す多階調画像データをAレベルで2値化して、図12
(b−1)に示す2値化画像を得る。図12(b−1)
の2値化画像は、Aレベル以上の領域R1,R3,R
4,R6の和領域が1レベル、Aレベル未満の領域が0
レベルとなっている画像である。この2値化画像から階
調輪郭線を検出すると、図12(b−2)に示す3本の
階調輪郭線L1,L2,L5が得られる。この実施例で
は、Aレベルで2値化した2値化画像から検出される階
調輪郭線L1,L2,L5を「Aタイプの輪郭線」と呼
ぶ。「Aタイプの輪郭線」は、Aレベルの画像領域と、
Aレベル未満の画像レベルを有する画像領域との境界を
示す輪郭線であると言い換えることもできる。
【0060】Aタイプの輪郭線L1,L2,L5は、さ
らに、「A+タイプの輪郭線」と「A−タイプの輪郭
線」とに分類される。「A+タイプの輪郭線」は、その
内部領域がAレベル以上の画像レベルを有する輪郭線、
すなわち、2値化画像においてその内部が塗りつぶされ
ている輪郭線である。図12(b−2)の例では、輪郭
線L1が「A+タイプの輪郭線」である。「A−タイプ
の輪郭線」は、その内部領域がAレベル未満の画像レベ
ルを有する輪郭線、すなわち、2値化画像においてその
内部が白く抜かれている輪郭線である。図12(b−
2)の例では、輪郭線L2,L5が「A−タイプの輪郭
線」である。
【0061】なお、2値化画像から輪郭線を検出する方
法については、本出願人により開示された特開平5−2
42246号公報に詳述されているので、ここではその
詳細は省略する。
【0062】この実施例では、A+タイプの輪郭線L1
は、時計廻りの閉ループ輪郭線として検出される。一
方、A−タイプの輪郭線L2,L5は、反時計廻りの閉
ループ輪郭線として検出される。従って、閉ループ輪郭
線L1,L2,L5が検出された時に、その回転方向
(時計廻りか反時計廻りか)を判別することによって、
各輪郭線がA+タイプであるかA−タイプであるかを区
別することができる。
【0063】図12(a)に示す多階調画像データをB
レベルで2値化すると、図12(c−1)に示す2値化
画像が得られる。そして、この2値化画像から階調輪郭
線を検出すると、図12(c−2)に示すBレベルの3
本の階調輪郭線L3,L4,L6が得られる。これらの
階調輪郭線L3,L4,L6も、図に示すようにB+タ
イプとB−タイプに分類される。「B+タイプの輪郭
線」は、その内部領域がBレベル以上の画像レベルを有
する輪郭線、すなわち、2値化画像においてその内部が
塗りつぶされている輪郭線である。「B−タイプの輪郭
線」は、その内部領域がBレベル未満の画像レベルを有
する輪郭線、すなわち、2値化画像においてその内部が
白く抜かれている輪郭線である。
【0064】なお、前述した特開平5−24246号公
報の方法に従って検出された階調輪郭線は、画素の境界
を走る境界輪郭線である。図13は、画素と境界輪郭線
との関係を示す説明図である。境界輪郭線は、画素(ハ
ッチングが付された丸)の境界を通っている。このた
め、1画素幅の領域の境界も正確に表現することが可能
であるという利点がある。境界輪郭線上の位置は、「輪
郭線の画素表現」と記載されている丸の中心に取られ
る。従って、境界線上の位置は、画素位置とは1/2画
素ずつ上下方向(主走査方向)と左右方向(副走査方
向)に位置ずれしている。後述する補間処理において、
対象領域内の各画素と輪郭線との最短距離を求める際に
は、この輪郭線の位置から各画素までの距離が算出され
る。
【0065】こうして検出された階調輪郭線L1〜L6
(図11(a))を表わす輪郭データは、階調輪郭線デ
ータメモリ62(図4)に記憶される。図10のステッ
プS2では、対象輪郭線抽出部64が、階調補間処理の
対象領域を検出するとともに、対象領域の境界を構成す
る輪郭線セットを抽出する。図14は、種々の輪郭線セ
ットで構成される領域の例を示す説明図である。Aレベ
ルの領域の境界を構成する輪郭線の組み合わせとして
は、図14(a−1)〜(a−4)および(b−1)〜
(b−4)の8通りがある。
【0066】図14(a−1)は、A+タイプの輪郭線
のみで囲まれた領域を示している。図14(a−2)〜
(a−4)は、A+タイプの輪郭線と、A−タイプおよ
びB+タイプの輪郭線の少なくとも一方とで囲まれた領
域を示している。図14(a−1)〜(a−4)の4つ
の場合の中で、階調補間が必要なのは、図14(a−
3),(a−4)の2つの場合である。すなわち、A+
タイプの輪郭線の内側であって、かつ、B+タイプの輪
郭線の外側にあるAレベルの領域が、階調補間の対象領
域として検出される。なお、図14(a−4)のよう
に、A+タイプの輪郭線の中にA−タイプの輪郭線が包
含されている場合もある。このようなA−タイプの輪郭
線も、対象領域を構成する輪郭線セットの一部として検
出される。換言すれば、図14(a−3)の場合には、
A+タイプとB+タイプの輪郭線が、対象領域と他の領
域の境界を構成する1組の輪郭線セットとして抽出され
る。また、図14(a−4)の場合には、A+タイプと
B+タイプとA−タイプの輪郭線が、対象領域と他の領
域の境界を構成する1組の輪郭線セットとして抽出され
る。
【0067】図14(b−1)は、B−タイプの輪郭線
のみで囲まれた領域を示している。図14(b−2)〜
(b−4)は、B−タイプの輪郭線と、B+タイプおよ
びA−タイプの輪郭線の少なくとも一方とで囲まれた領
域を示している。図14(b−1)〜(b−4)の4つ
の場合の中で、この実施例で階調補間の対象となるの
は、図14(b−3),(b−4)の2つの場合であ
る。すなわち、B−タイプの輪郭線の内側であって、か
つ、A−タイプの輪郭線の外側にあるAレベルの領域
が、階調補間の対象領域として検出される。なお、図1
4(b−4)のように、B−タイプの輪郭線の中にB+
タイプの輪郭線が存在する場合もある。このB+タイプ
の輪郭線も対象領域を構成する輪郭線セットの一部とし
て検出される。換言すれば、図14(b−3)の場合に
は、B−タイプとA−タイプの輪郭線が、対象領域と他
の領域の境界を構成する1組の輪郭線セットとして検出
される。また、図14(b−4)の場合には、B−タイ
プとA−タイプとB+タイプの輪郭線が、対象領域と他
の領域の境界を構成する1組の輪郭線セットとして検出
される。
【0068】図15は、図10のステップS2の詳細手
順を示すフローチャートである。ステップS11では、
階調輪郭線データメモリ62から輪郭データ(輪郭線)
を1つ取出す。ステップS12では、取り出した輪郭線
がA+タイプであるかB−タイプであるかを判定するこ
とによって、対象領域の外周を構成する輪郭線を抽出す
る。A+タイプの輪郭線は、図14(a−3)または
(a−4)のように、対象領域の外周を構成する輪郭線
である可能性がある。また、B−タイプの輪郭線も、図
14(b−3)または(b−4)のように、対象領域の
外周を構成する輪郭線である可能性がある。逆に、A−
タイプやB+タイプの輪郭線は対象領域の外周を構成す
る輪郭線とはならないので、これらの場合には、ステッ
プS12からステップS11に戻り、次の輪郭データが
取出される。一方、A+タイプまたはB−タイプであれ
ば、その輪郭線を親ループとして登録し(ステップS1
3)。ここでは、「親ループ」とは、階調補間の対象領
域の外周を構成する輪郭線を意味している。なお、この
実施例では、各階調輪郭線が閉ループを構成しているの
で、輪郭線のことを単に「ループ」とも呼ぶ。親ループ
の輪郭データは、輪郭線ループバッファ66に登録され
る(ステップS14)。図11(a)に示す6つの輪郭
線L1〜L6の例では、最初の輪郭線L1がA+タイプ
なので、この輪郭線L1が親ループであるとして輪郭線
ループバッファ66に登録される。
【0069】ステップS15では、Aレベルの対象領域
を構成する輪郭線セットが抽出される。図16は、ステ
ップS15の詳細手順を示すフローチャートである。ス
テップS21では、階調輪郭線データメモリ62から輪
郭データが1つ取出される。但し、この際には、現在の
親ループとして登録されている輪郭データと、対象領域
を構成する輪郭線セットとして既に抽出された輪郭デー
タは除外される。
【0070】ステップS22〜S25は、親ループに包
含される輪郭線(「子ループ」と呼ぶ)を抽出する処理
手順である。ステップS22では、取出された輪郭線の
タイプがA−タイプとB+タイプのいずれかであるか否
かが判断される。この理由は、階調補間の対象となる図
14(a−3),(a−4)の領域の場合には、親ルー
プ(A+タイプの輪郭線)と組み合わせられるのは、A
−タイプとB+タイプの輪郭線であり、同様に、図14
(b−3),(b−4)の領域の場合にも、親ループ
(B−タイプの輪郭線)と組み合わせられるのは、A−
タイプとB+タイプの輪郭線だからである。A−または
B+タイプである場合には、ステップS23において、
親ループに包含されるか否かが判断される。
【0071】図17は、輪郭線の包含関係の判断手順を
示す説明図である。この実施例では、図17(a),
(b)の2段階の手順によって輪郭線の包含関係を判断
している。まず、図17(a)では、各輪郭線の外接矩
形の範囲に従って包含関係が判定される。すなわち、A
−またはB+タイプの輪郭線の外接矩形が、親ループの
外接矩形に含まれる場合は包含可能性があるものと判断
される。この判断は、外接矩形の座標範囲の比較によっ
て容易に行なうことができる。包含可能性がある場合に
は、図17(b)に示す半直線法による包含判定が行な
われる。半直線法とは、包含される可能性がある輪郭線
上の1点から、任意の方向に半直線を引き、この半直線
が親ループと奇数回交差する場合には包含関係ありと判
断し、一方、偶数回交差する場合には包含関係なしと判
断する方法である。もちろん、図17に示す方法以外の
方法によって、親ループとの包含関係を判断するように
してもよい。
【0072】親ループに包含されるものと判断された場
合には、図16のステップS24において、子ループと
して輪郭線ループバッファ66に登録される。この後、
ステップS25からステップS21に戻り、すべての輪
郭線についてステップS21〜S24の処理が繰返され
る。こうして、現在の親ループに包含されるすべての子
ループが登録される。
【0073】ステップS26では、現在の親ループに関
して登録された子ループ同士の包含チェックが図17の
方法に従って行なわれる。子ループに包含されている子
ループ(「孫ループ」とも呼ぶ)は、対象領域と他の領
域との境界を構成しないので、子ループから除外され
る。こうして、最後に残された子ループの輪郭データが
輪郭線ループバッファ66に登録される(ステップS2
7)。
【0074】図18は、図16の処理の結果として登録
された2組の輪郭線セットを示す説明図である。図18
(b)は、輪郭線L1を親ループとし、これに直接包含
される2つの輪郭線L2,L3を子ループとする第1の
輪郭線セットを示している。また、図18(c)は、輪
郭線L4を親ループとし、これに直接包含される2つの
輪郭線L5,L6を子ループとする第2の輪郭線セット
を示している。第1の輪郭線セットが検出された状態で
は、輪郭線ループバッファ66内のAループバッファ6
6a内には、A+タイプの親ループL1の輪郭データD
L1と、A−タイプの子ループL2の輪郭データDL2とが
登録されている。また、Bループバッファ66b内には
B+タイプの子ループL3の輪郭データDL3が登録され
ている。一方、第2の輪郭線セットが検出された状態で
は、輪郭線ループバッファ66内のAループバッファ6
6a内には、A−タイプの子ループL5の輪郭データD
L5が登録されている。また、Bループバッファ66b内
には、B−タイプの親ループL4の輪郭データDL4とB
+タイプの子ループL6の輪郭データDL6とが登録され
ている。後述するように、階調補間の対象領域内におい
て距離計算が行なわれる際には、対象領域内の各画素位
置において、Aタイプ(A+タイプおよびA−タイプ)
の輪郭線からの最短距離と、Bタイプ(B+タイプおよ
びB−タイプ)の輪郭線から最短距離とが求められる。
換言すれば、距離計算では、A+タイプとA−タイプと
は区別されず、また、B+タイプとB−タイプも区別さ
れない。従って、輪郭線ループバッファ66内には、輪
郭データがAタイプとBタイプに分類されて登録されて
いる。
【0075】なお、上述したように、A+タイプとA−
タイプの区別、および、B+タイプとB−タイプの区別
は、対象領域と他の領域との境界を構成する輪郭線セッ
トを求める際に重要な役割を有している。
【0076】こうして階調補間の対象領域を構成する輪
郭線セットが抽出されると、図15のステップS16に
移行する。ステップS16では、親ループの内部領域の
中で、A−タイプの子ループの外側にある領域が1レベ
ルで塗り潰される。ステップS17では、こうして塗り
つぶされた領域から、B+タイプの子ループの内側の領
域が除去される。図19は、ステップS16,17の処
理内容を示す説明図である。ここでは、図18(b)に
示す第1の輪郭線セットの場合が示されている。まず、
親ループL1(A+タイプ)の内側であって、A−タイ
プの子ループL2の外側である領域が1レベルで塗りつ
ぶされると、図19(b)のビットマップ画像が得られ
る。次に、B+タイプの子ループL3の内側の領域を除
去する(0レベルにする)と、図19(c)のビットマ
ップ画像が得られる。こうすることによって、階調補間
の対象領域のみが塗りつぶされた2値のビットマップ画
像が得られる。こうして得られた対象領域のビットマッ
プ画像は、RAM16内の図示しないメモリ領域に一時
的に格納される。こうして、図10のステップS2にお
ける対象領域の検出工程が終了する。
【0077】図10のステップS3〜S8では、階調補
間手段44(図4)によって、各対象領域についての階
調補間が実行される。図20は、階調補間手段44の機
能を示す機能ブロック図である。階調補間手段44は、
距離計算部70および画素値演算部72の他に、輪郭線
/点列変換部74と、対象画素バッファ76と、Aルー
プ輪郭点列バッファ78aと、Bループ輪郭点列バッフ
ァ78bとを有している。
【0078】図10のステップS3では、対象領域内の
各画素の座標が図19(c)のビットマップ画像から抽
出されて、対象画素バッファ76(図20)にシリアル
に格納される。ステップS4では、Aループバッファ6
6aおよびBループバッファ66bに格納されている輪
郭データ(図18(b),(c)参照)が、輪郭線/点
列変換部74によって点列の座標に変換されて、Aルー
プ輪郭点列バッファ78aおよびBループ輪郭点列バッ
ファ78bにそれぞれ格納される。「輪郭線の点列」
は、前述した図13において、「輪郭線の画素表現」と
記された点列を意味している。
【0079】図10のステップS5では、距離計算部7
0が、対象画素バッファ76から1画素の座標を取出し
て、Aループの点列からの最短距離D(Md)と、Bル
ープの点列からの最短距離D(Mu)とをそれぞれ算出
する。ここで、D(Md)は、アンダマーカMd(Aレ
ベルを示す)の点列からの最短距離であることを意味し
ており、D(Mu)はアッパーマーカMu(Bレベルを
示す)の点列からの最短距離であることを意味してい
る。
【0080】図10のステップS6では、画素値演算部
72が、次の数式3に従って、対象となっている画素位
置における画素値val(p)を演算する。
【0081】
【数3】
【0082】ここで、val(Md)はアンダマーカM
dで示される値(=Aレベル)であり、val(Mu)
はアッパーマーカMuで示される値(=Bレベル)であ
る。
【0083】一般に、BレベルがAレベルよりもN+1
だけ大きい場合には、数式3は次の数式4に書き換えら
れる。
【0084】
【数4】
【0085】この実施例では、B=A+2なのでN=1
である。数式4の右辺第2項は、整数化されてから第1
項のAレベルと加算される。従って、Aループへの最短
距離D(Md)が、最短距離の和(D(Md)+D(M
u))の1/2未満の画素位置では、右辺第2項は0と
なり、画素値val(p)はAレベルに等しい。また、
Aループへの最短距離D(Md)が、最短距離の和(D
(Md)+D(Mu))の1/2以上の画素位置では、
右辺第2項は1となり、画素値val(p)はA+1レ
ベルとなる。
【0086】なお、図21(a)に示すようにAループ
とBループとが一部重なる場合には、図21(b)に示
すように重なる部分の点列は互いに相殺されて、重なら
ない部分の点列のみが距離計算において参照される。こ
うすることによって、距離計算の処理時間を短縮するこ
とが可能である。
【0087】図22は、第1と第2の輪郭線セット(図
18(b),(c))についてそれぞれ得られた画素値
val(p)の分布を示す説明図である。図22から解
るように、Aレベルであった対象領域は、AループとB
ループへの最短距離が等しい位置にある仮想的な輪郭線
Lint によって2つの区分領域に区分されている。これ
ら2つの区分領域の内で、Bレベルの領域に近い側の区
分領域がA+1レベルに設定され、他方の区分領域はA
レベルに保たれる。以上の説明から解るように、この実
施例では、Aレベルの区分領域とA+1レベルの区分領
域との境界を構成する中間輪郭線を表わす輪郭データは
生成されていないが、仮想的な中間輪郭線Lint によっ
て、対象領域がAレベルとA+1レベルの区分領域に区
分されている。一般に、AレベルとBレベルとの間にN
個の中間的なレベルを補間する場合には、対象領域をN
+1個の区分領域に区分して、それらをA〜(A+N)
レベルまでのN+1個のレベルで順次塗り分けることが
できる。この場合には、仮想的な中間輪郭線Lint は、
Aループへの最短距離と、Bループへの最短距離とがm
対n(m,nは1以上N以下の整数で、m,nのN個の
組み合わせはm+n=N+1を満足する)の関係にある
位置に生成される。
【0088】もちろん、対象領域をN+1個の区分領域
に区分するN本の中間輪郭線を表わす輪郭データを実際
に生成し、これらの中間輪郭線でされた区分領域にそれ
ぞれのレベルを割り当てるようにすることも可能であ
る。この発明において、「中間輪郭線を形成する」と
は、中間輪郭線を表わす輪郭データを実際に生成する場
合に限らず、上記実施例のように、数式3または数式4
による画素値の演算の結果として、仮想的な中間輪郭線
によって区分された区分領域を生成する場合をも含む意
味を有している。
【0089】こうして、対象画素バッファ76(図2
0)が空になるまで図10のステップS5,S6を繰り
返し実行することによって、1組の輪郭線セットで境界
が構成された対象領域に関して、補間された多階調画像
データが生成される。そして、ステップS8からステッ
プS3に戻り、次の1組の輪郭線セットに関する処理が
繰返される。なお、補間された対象領域を表わす多階調
画像データは、元の多階調画像データの対象領域の上に
上書きされる。
【0090】図23は、他の多階調画像を階調補間した
結果を示す説明図である。図23(a)は補間前の多階
調画像を示しており、図23(b)は補間後の多階調画
像を示している。図23(a)に示す多階調画像のよう
に、Aレベルである対象領域の中に、Bレベルの複数の
領域が含まれていることがある。この場合にも、図10
に示す手順に従って階調を補間することによって、図2
3(b)に示すように、複数のBレベル領域をいずれも
含むように中間階調の(すなわちA+1レベルの)領域
が形成される。この結果、従来に比べてより自然な階調
補間を行なうことができるという利点がある。これは、
一般にAレベルとBレベルの間にN個の中間画像レベル
を補間するように階調補間を行なう場合も同様である。
【0091】図24は、さらに他の多階調画像を階調補
間した結果を示す説明図である。この例では、補間の際
に参照された階調輪郭線(AタイプとBタイプの輪郭
線)に、かなりの「ゆらぎ」(凹凸)が見られるが、補
間により得られる階調輪郭線(中間輪郭線)には、ゆら
ぎがあまり見られない。このような場合には、ゆらぎ検
出手段46およびゆらぎ付加手段48(図3)によっ
て、中間輪郭線に適度なゆらぎを付加することができ
る。
【0092】この実施例では、中間輪郭線にゆらぎを付
加する方法として、フラクタル化処理を利用する。フラ
クタル化処理によるゆらぎの付加を行なう際には、ま
ず、ゆらぎ検出手段46が、階調補間の際に参照された
階調輪郭線(AループおよびBループ)のフラクタル次
元Dを測定する。
【0093】フラクタル次元Dは、任意の曲線の複雑さ
を定量的に決定する指標である。フラクタル次元Dは、
例えば図25に示すボックスカウンティング法によって
測定することができる。図25(A)のような任意の曲
線Lに関するフラクタル次元を求める際には、まず、一
辺の幅dの正方形を始点Y0に配置する。そして、この
正方形と曲線Lとの交点Y1を求める。次に、この交点
Y1を正方形の中心に再設定して、正方形と曲線Lとの
交点Y2を再度求める。こうして、曲線Lを正方形によ
って順次覆って行くと、曲線Lの全体を覆うために必要
な正方形の個数N(d)が得られる。この個数N(d)
は、正方形の一辺の幅dの関数である。そして、一辺の
幅dを変化させて、曲線Lを覆うために必要な正方形の
個数N(d)をそれぞれ求める。図25(B)は、正方
形の個数N(d)と一辺の幅dの関係を両対数にプロッ
トしたものである。図25(B)に示されているよう
に、フラクタル次元Dはこのグラフの傾きで定義され
る。
【0094】なお、フラクタル次元は、曲線Lのサイズ
に依存しない。例えば、曲線Lを単純にM倍に拡大すれ
ば、図25(B)の曲線が、lnMだけ上にシフトするだ
けである。従って、単純な拡大/縮小によってはフラク
タル次元は変化しない。このように、フラクタル次元
は、曲線のサイズに依存せずに、その複雑さを示す指標
である。
【0095】なお、「フラクタル」という言葉は、曲線
(図形)の一部を拡大してもその内部に同種の構造が埋
め込まれているような状態を意味する。しかし、「フラ
クタル次元」は、図25で説明したように、上述のよう
なフラクタルな曲線のみに関する指標ではなく、あらゆ
る曲線に関してフラクタル次元を測定することができ
る。
【0096】一般に、曲線のフラクタル次元を増大させ
れば、曲線を拡大したり、曲線の解像度を増大させたり
する場合に、自然なゆらぎを与えることができる。
【0097】ところで、フラクタル化処理は、複数回再
帰的に行なわれるのが普通である。フラクタル化処理の
繰り返し回数nは、ユーザが使用するようにしてもよ
く、また、予め設定された値を利用してもよい。フラク
タル化処理の繰り返し回数nが多いほど曲線が複雑にな
る。通常は、繰り返し回数nを2〜3程度の値に設定す
ることが好ましい。
【0098】階調補間の際に参照された輪郭線のフラク
タル化次元Dが測定されると、ゆらぎ付加手段48が、
中間輪郭線のフラクタル化処理を実行する。なお、前述
したように、図10に示す階調補間処理では、中間輪郭
線を示す輪郭データは作成されていない。従って、中間
輪郭線のフラクタル化処理(ゆらぎ付加処理)に先だっ
て、図12に示した手順と同様な手順によって、中間輪
郭線の輪郭データが形成される。
【0099】図26は、中点変位法によるフラクタル化
処理(ゆらぎ付加処理)の概要を示す説明図である。こ
こでは、2つの点V1,V2の間の直線L12をフラク
タル化する場合について説明する。図26(A)に示す
1回目の変換では、まず、直線L12の中点MVの座標
(xm ,ym )を次の数式5に従って求める。
【0100】
【数5】
【0101】そして、この中点MVから、直線L12に
垂直な方向に点V3を取る。ここで、直線L12に直交
する方向(すなわち中点MVから点V3に向かう方向)
の単位ベクトルは、次の数式6で与えられる。
【0102】
【数6】
【0103】中点変位法では、点V3の座標(x3 ,y
3 )が次の数式7で与えられる。
【0104】
【数7】
【0105】ここで、Rgは平均値が0で標準偏差が1
のガウス乱数(値の頻度分布がガウス分布に従う乱数)
であり、Dはフラクタル次元である。数式7の形式から
解るように、数式7の右辺第2項は、中点MVから点V
3までの間の座標の差分に相当する。この差分を以下で
は「中点の変位」と呼ぶ。中点の変位は、フラクタル次
元Dに依存していることが解る。
【0106】図26(B)に示す2回目の変換では、点
V1と点V3との間の直線、および、点V3と点V2と
の間の直線がそれぞれフラクタル化される。すなわち、
点V1と点V3との間に新たな点V4が設定され、点V
3と点V2との間に新たな点V5が設定される。但し、
点V4と点V5の位置は、3つの点V1,V3,V2を
通る直線列の進行方向(例えば点V1から点V2に向か
う方向)にそって逆向きになるように設定される。図2
6(C)は、3回目の変換を示している。
【0107】一般に、k番目の分割において生成される
点の座標(xk+1 ,yk+1 )は、次の数式8で与えられ
る。
【0108】
【数8】
【0109】ここで、(xs ,ys ),(xe ,ye
は、k番目の分割がなされる前の直線部分の両端点の座
標である(図26(C)の例を参照)。数式8の右辺第
2項(中点の変位を示す項)は2-kD を含むので、分割
の回数kが増すに従って、中点における変位が小さくな
っていく(すなわち曲線が細かくなっていく)ことが解
る。この分割は、分割区間が所定の制限値(ε>0)よ
り小さくなるまで、もしくは、決められた回数だけ、繰
返される。
【0110】このように、再帰的に中点変位法によるフ
ラクタル化処理を実行することによって、フラクタル次
元を増大させることができる。すなわち、比較的単純な
中間輪郭線を、より複雑な曲線に変換して、階調補間で
参照された階調輪郭線に近いゆらぎを与えることができ
る。なお、この明細書では、「曲線」という言葉は、直
線も含む広義の用語として使用されている。
【0111】なお、図12に示した手順で得られる中間
輪郭線は、画素の境界を走る境界輪郭線であり、図27
(a)に示すように階段状の輪郭線となる。中点変位法
によるフラクタル化処理は、階段状の曲線にはあまり適
していない。そこで、中間輪郭線をフラクタル化処理す
る前に、図27(b)に示すように中間輪郭線をスムー
ジングすることが好ましい。ここで、スムージング処理
は、次の数式9に従って行なわれる。
【0112】
【数9】
【0113】数式9は、例えば図27(a)に示す3つ
の輪郭点の座標から、その中央の輪郭点の座標を変更す
る演算を意味している。数式9の左辺は、スムージング
後のi番目の輪郭点の座標である。また、定数aは0<
a<1の範囲の値である。定数aとしては、0.2程度
の値が好ましい。
【0114】中点変位法ではなく、階段状の曲線の処理
に適した他の種類のフラクタル化処理によって中間輪郭
線にゆらぎを付加する場合には、図27に示すスムージ
ング処理は不要である。また、中間輪郭線にゆらぎを与
えるための処理方法としては、フラクタル化処理以外の
方法を採用することも可能である。例えば、中間輪郭線
を高速フーリエ変換することによってその高周波成分を
抽出し、1/fゆらぎを与えるようにすることも可能で
ある。
【0115】以上説明したように、この実施例によれ
ば、階調変換特性を示すルックアップテーブル116
(図4)に、多階調画像データが取り得るすべての画像
レベルをテストデータとして入力し、その出力によって
階調参照テーブル122を生成した。そして、階調参照
テーブル122に存在する階調ジャンプから、階調変換
画像データに含まれる階調ジャンプを検出したので、階
調変換画像データのすべてを調べることなく、階調変換
画像データに含まれる階調ジャンプを検出することがで
きる。また、上記実施例では、検出された各階調ジャン
プについて、階調ジャンプの両側の画像レベルの領域の
輪郭線をそれぞれ検出した。これらの輪郭線の包含関係
を調べることによって、階調補間の対象領域と他の領域
の境界を構成する輪郭線セットを容易に抽出することが
できる。また、対象領域内の各画素の画素値を、輪郭線
セットのAループとBループへの最短距離に応じて決定
し、これによって対象領域内に中間画像レベルを割り当
てている。従って、画素値の平均化処理を行なうことな
く、滑らかに階調補間を行なうことができる。
【0116】E.他の実施例:図28は、この発明の他
の実施例における多階調画像データの階調変換方法を示
す説明図である。この階調変換は、ルックアップテーブ
ルを用いた階調補正である。図28(a)は、入力画像
データVinを出力画像データVoutに補正する階調
補正特性(階調変換特性)を示している。図28(b)
に示すように、入力画像データVinをルックアップテ
ーブルに入力すると、出力画像データVoutが出力さ
れる。
【0117】図29は、種々の階調補正特性に応じた階
調補正の例である。図29(a−1),(b−1),
(c−1)は階調補正曲線を示しており、図29(a−
2),(b−2),(c−2)はこれらの階調補正曲線
によって階調補正されたグラデーション画像をそれぞれ
示している。図29(a−1)は、入力画像データVi
nと出力画像データVoutが等しい特性を示してお
り、従って、図29(a−2)は階調補正前の元の画像
と同じものである。
【0118】図29(b−2)では、画像データVou
tの値が0と3の間に階調ジャンプが存在する。また、
図29(c−2)では、画像データVoutの値が4と
7の間に階調ジャンプが存在する。このように、階調補
正を行なった結果として、階調ジャンプが発生する場合
がある。
【0119】図30は、ルックアップテーブルによる階
調補正を行なう場合の各手段100,102,42,4
4の内部構成を示す機能ブロック図である。図30の構
成は、前述した図4の構成におけるヒストグラム変更部
112とヒストグラム114を、ルックアップテーブル
変更部118に置き換えたものである。ルックアップテ
ーブル変更部118は、ユーザによる階調補正曲線の指
定に応じて、ルックアップテーブル116の内容を変更
する。ユーザによる階調補正曲線の指定は、例えば図2
9(a−1)〜(c−1)に示すような階調補正曲線を
カラーCRT36上に表示して、マウス32等の座標入
力手段を用いて曲線の形状を変更することによって行な
われる。
【0120】図31は、図29(c−2)の画像につい
て検出される補間階調を示す説明図である。補間階調の
検出は、欠落階調検出部120が、前述した図5のステ
ップT3〜T10の手順に従って行なう。この結果、ア
ンダーマーカMdの値は4に決定され、アッパーマーカ
Muの値は7に決定される。これらのマーカを利用した
階調補間の方法は、上述した図10で説明したものと同
じである。
【0121】このように、ルックアップテーブルを用い
た階調補正によって多階調画像の階調を変換した場合に
も、階調補正後の画像に存在する階調ジャンプを検出し
て、階調補間を行なうことが可能である。
【0122】図32は、この発明のさらに他の実施例に
おけるビット水増しによる多階調画像データの階調変換
方法を示す説明図である。ビット水増しでは、有効ビッ
トの下位側に、すべて0のビットを付加することによっ
て、画像データの階調分解能(ダイナミックレンジ)を
拡大する。図32の例では、8ビット(256階調)が
16ビット(6万4千階調)に拡大されている。ビット
水増しは、スキャナやデジタルカメラ等の入力装置で読
み取られた画像データの階調分解能を増大させ、コンピ
ュータシステムによって、より高品質な画像に修正する
場合に利用される。
【0123】図33は、ビット水増しによる階調補正
と、その後の階調補間の内容を示す説明図である。図3
3(a)は原多階調画像データのヒストグラムを示して
おり、図33(b)は1ビットの水増しを行なった後の
ヒストグラムを示している。ビット水増しを行なうと、
このように周期的に階調ジャンプが生じる。ビット水増
し後の多階調画像に対して本発明の階調補間を行なう
と、図33(c)に示すように、階調ジャンプの無い、
滑らかな階調を有する画像が得られる。
【0124】図34は、ビット水増しを行なう場合の各
手段100,102,42,44の内部構成を示すブロ
ック図である。図34の構成は、前述した図4の構成の
ヒストグラム変更部112とヒストグラム114とを省
略したものである。ルックアップテーブル116には、
ビット水増しに相当する階調変換特性が登録されてい
る。
【0125】図35は、1ビットの水増しが行なわれた
画像について検出される補間階調を示す説明図である。
補間階調の検出は、欠落階調検出部120が、前述した
図5のステップT3〜T10の手順に従って行なう。第
1組目のアンダーマーカMdの値は2であり、アッパー
マーカMuの値は4である。また、第2組目のアンダー
マーカMdの値は4であり、アッパーマーカMuの値は
6である。第3組目以降は省略するが、同様にして、各
階調ジャンプについてアンダーマーカMdとアッパーマ
ーカMuの値が決定される。これらのマーカを利用した
階調補間の方法は、上述した図10で説明したものと同
じである。
【0126】このように、ビット水増しによって多階調
画像の階調を変換した場合にも、階調補正後の画像に存
在する階調ジャンプをそれぞれ検出して、階調補間を行
なうことが可能である。なお、階調変換の方法として
は、上述した方法に限らず、この他の種々の方法を適用
することが可能である。
【0127】なお、この発明は上記の実施例や実施形態
に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様において実施することが可能であり、
例えば次のような変形も可能である。
【0128】(1)上記実施例では、階調変換特性を表
わすルックアップテーブルに、画像データが取り得るす
べての画像レベルをテストデータとして入力することに
よって、階調参照テーブル122を作成し、この階調参
照テーブル122を用いて階調ジャンプ(アンダーマー
カMdとアッパーマーカMu)を検出していた。しか
し、この発明は、ルックアップテーブルを用いる場合に
限らず、階調変換特性が関数などの他の手段で表わされ
ている場合にも適用可能である。このような場合にも、
その階調変換特性を用いて、多階調画像が取り得るすべ
ての画像レベルを変換することによって、各画像レベル
の変換後のデータで構成される全レベル変換データを生
成することが好ましい。こうすれば、階調変換画像デー
タ自身を調べることなく、階調変換画像データに含まれ
る階調ジャンプを検出することができる。
【0129】なお、上述のように、階調変換特性を用い
て階調変換画像データに含まれる階調ジャンプを検出す
る代わりに、階調変換画像データ自身を調べることによ
って階調ジャンプを検出するようにしてもよい。例え
ば、階調変換画像データのヒストグラムを作成し、ヒス
トグラム中に存在する階調ジャンプを検出するようにし
てもよい。
【0130】(2)上記実施例においては、多階調画像
の全体を階調補間処理の対象としているが、多階調画像
の一部分を特定して、その一部分にのみ階調補間処理を
行なうようにしてもよい。多階調画像の一部分を特定す
る方法としては、ユーザがカラーCRT36の画面上で
指定する方法や、多階調画像データを分析して階調ジャ
ンプのある領域を自動的に認識する方法等が考えられ
る。
【0131】特に、多階調画像の全体には階調ジャンプ
がないが、一部分の領域に階調ジャンプが存在するよう
な場合には、多階調画像の一部分のみを階調補間の対象
とすることによって、その部分の階調ジャンプのみをう
まく補間することができるという利点がある。
【0132】(3)階調補間の前に、階調補間処理の対
象とする画像領域を拡大するようにしてもよい。図36
は、画像領域を拡大してから階調補間処理を行なった場
合の例を示す説明図である。まず、図36(a)におい
て、Aレベルを6、Bレベルを10として、Aタイプの
輪郭線L10とBタイプの輪郭線L20の間に挟まれた
対象領域(A=6レベルの領域)に中間画像レベル(例
えば8)を補間することを考える。ところが、この対象
領域は、1画素の幅なので、階調補間することができな
い。一方、この多階調画像を2倍に拡大して、A=6レ
ベルの対象領域を階調補間すると、図36(b)に示し
ように、8レベルの中間領域を形成することができる。
この結果、階調補間が達成されて、階調が滑らかにな
る。
【0133】図36は、極めて単純化した場合の例を示
したが、一般に、階調補間前に対象となる画像領域を拡
大した後に、階調補間を実行することによって、階調を
より滑らかにすることができる。なお、階調補間の後
に、所望の倍率で階調補間後の多階調画像を縮小するよ
うにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による階調補間方法の概要を示す説明
図。
【図2】複数階調の補間方法の概要を示す説明図。
【図3】この発明の実施例を適用して多階調画像の階調
補間を行なうためのコンピュータシステムを示すブロッ
ク図。
【図4】手段100,102,42,44の内部構成を
示す機能ブロック図。
【図5】実施例における処理手順を示すフローチャー
ト。
【図6】階調変換処理の一種としてのヒストグラムを用
いたコントラスト補正と、その後の階調補間の内容を示
す説明図。
【図7】ヒストグラムを用いたコントラスト補正の他の
例と、その後の階調補間の内容を示す説明図。
【図8】ヒストグラムの平滑化処理の結果と、その後の
階調補間の内容を示す説明図。
【図9】階調参照テーブル122の作成処理の内容を示
す説明図。
【図10】実施例における階調補間の処理手順を示すフ
ローチャート。
【図11】実施例において処理対象となる多階調画像の
全体と、ステップS1において検出された階調輪郭線と
を示す説明図。
【図12】多階調画像から階調輪郭線L1〜L6を検出
する手順を示す説明図。
【図13】画素と境界輪郭線との関係を示す説明図。
【図14】種々の輪郭線セットで示される領域の例を示
す説明図。
【図15】ステップS2の詳細手順を示すフローチャー
ト。
【図16】ステップS15の詳細手順を示すフローチャ
ート。
【図17】輪郭線の包含関係の判断手順を示す説明図。
【図18】抽出された2組の輪郭線セットを示す説明
図。
【図19】ステップS16,17の処理内容を示す説明
図。
【図20】階調補間手段44の機能を示す機能ブロック
図。
【図21】距離計算において参照される輪郭線部分を示
す説明図。
【図22】第1と第2の輪郭線セットについてそれぞれ
得られた画素値val(p)の分布を示す説明図。
【図23】他の多階調画像を階調補間した結果を示す説
明図。
【図24】他の多階調画像を階調補間した結果を示す説
明図。
【図25】フラクタル次元の測定方法を示す説明図。
【図26】中点変位法によるフラクタル化処理(ゆらぎ
付加処理)の概要を示す説明図。
【図27】中間輪郭線をスムージングする方法を示す説
明図。
【図28】この発明の他の実施例におけるルックアップ
テーブルを用いた階調補正による多階調画像データの階
調変換方法を示す説明図。
【図29】種々の階調補正特性に応じた階調補正例を示
す説明図。
【図30】ルックアップテーブルによる階調補正を行な
う場合の各手段100,102,42,44の内部構成
を示す機能ブロック図。
【図31】図29(c−2)の画像について検出された
補間階調を示す説明図。
【図32】この発明のさらに他の実施例における、ビッ
ト水増しによる多階調画像データの階調変換方法を示す
説明図。
【図33】ビット水増しによる階調補正と、その後の階
調補間の内容を示す説明図。
【図34】ビット水増しを行なう場合の各手段100,
102,42,44の内部構成を示す機能ブロック図。
【図35】1ビットの水増しが行なわれた画像について
検出される補間階調を示す説明図。
【図36】画像領域を拡大してから階調補間処理を行な
った場合を示す説明図。
【符号の説明】
10…CPU 12…バスライン 14…ROM 16…RAM 30…キーボード 32…マウス 34…デジタイザ 36…カラーCRT 38…磁気ディスク 40…入出力インタフェイス 42…対象領域検出手段 44…階調補間手段 46…ゆらぎ検出手段 48…ゆらぎ付加手段 50…画像入力部 52…画像出力部 60…階調輪郭線検出部 62…階調輪郭線データメモリ 64…対象輪郭線抽出部 66…輪郭線ループバッファ 70…距離計算部 72…画素値演算部 74…輪郭線/点列変換部 76…対象画素バッファ 78a…Aループ輪郭点列バッファ 78b…Bループ輪郭点列バッファ 100…階調変換手段 102…補間階調検出手段 112…ヒストグラム変更部 114…ヒストグラム 116…ルックアップテーブル(LUT) 118…ルックアップテーブル変更部 120…欠落階調検出部120 122…階調参照テーブル 124…アッパーマーカMu 126…アンダーマーカMd

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多階調画像の階調ジャンプを補間する方
    法であって、(a)多階調画像を表わす多階調画像デー
    タの階調を変換することによって、階調変換画像データ
    を生成する工程と、(b)前記階調変換画像データに含
    まれる画像レベルの中で、中間に階調ジャンプが存在す
    る第1と第2の画像レベルを特定する工程と、(c)前
    記階調変換画像データを処理することによって、前記第
    1の画像レベルを有する領域と前記第1の画像レベル未
    満の画像レベルを有する他の領域との境界を示すAタイ
    プの輪郭線を表わす第1の輪郭データを求める工程と、
    (d)前記階調変換画像データを処理することによっ
    て、前記第1の画像レベルを有する領域と前記第2の画
    像レベル以上の画像レベルを有する他の領域との境界を
    示すBタイプの輪郭線を表わす第2の輪郭データを求め
    る工程と、(e)前記第1と第2の輪郭データに基づい
    て前記AタイプとBタイプの輪郭線の相互の包含関係を
    判断することによって、前記第1の画像レベルを有する
    領域の中で前記第2の画像レベルを有する画像領域に隣
    接する領域を階調補間の対象領域として検出し、前記対
    象領域の輪郭を示す少なくとも1組の輪郭線セットを前
    記AタイプとBタイプの輪郭線の中から抽出する工程
    と、(f)前記対象領域内において、前記1組の輪郭線
    セットの中の前記Aタイプの輪郭線と前記Bタイプの輪
    郭線との間を(N+1)個(Nは1以上の整数)の区分
    領域に区分し、前記(N+1)個の区分領域の中で前記
    第2の画像レベルの画像領域に近いN個の区分領域に前
    記N個の中間画像レベルを順次割り当てる工程と、を備
    える階調補間方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の階調補間方法であって、 前記工程(b)は、 前記工程(a)における階調変換特性を用いて、前記多
    階調画像データが取り得るすべての画像レベルを変換す
    ることによって、各画像レベルの変換後のデータで構成
    される全レベル変換データを生成する工程と、 前記全レベル変換データに存在する階調ジャンプを検出
    するとともに、前記階調ジャンプを挟む下側および上側
    の画像レベルを、前記第1の画像レベルおよび前記第2
    の画像レベルとしてそれぞれ決定する工程と、を含む、
    階調補間方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の階調補間方法で
    あって、 前記工程(b)は、 前記階調変換画像データに存在する複数の階調ジャンプ
    について、前記第1と第2の画像レベルの組をそれぞれ
    求める工程を含み、 前記工程(c)ないし(f)は、前記第1と第2の画像
    レベルの各組に関して実行される、階調補間方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の階
    調補間方法であって、 前記工程(f)は、 前記対象領域内の各画素の画像レベルを、数式1に従っ
    て決定することによって、前記(N+1)個の区分領域
    を形成する工程を備える、階調補間方法。 【数1】 ここで、val(p)は前記対象領域内の各画素の画像
    レベル、val(Md)は前記第1の画像レベル、va
    l(Mu)は前記第2の画像レベル、D(Md)はAタ
    イプの輪郭線への最短距離、D(Mu)はBタイプの輪
    郭線への最短距離である。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれかに記載の階
    調補間方法であって、 前記工程(f)は、(f1)前記対象領域内において、
    前記1組の輪郭線セットの中の前記Aタイプの輪郭線へ
    の最短距離と、前記Bタイプの輪郭線への最短距離とが
    所定の関係を有する位置にN本の中間輪郭線が作成され
    るように前記(N+1)個の区分領域を形成する工程を
    備える、階調補間方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の階調補間方法であって、 前記所定の関係を有する位置は、前記1組の輪郭線セッ
    トの中の前記Aタイプの輪郭線への最短距離と、前記B
    タイプの輪郭線への最短距離とがm対n(m,nは1以
    上N以下の整数で、m,nのN個の組み合わせはm+n
    =N+1を満足する)の関係にある位置である、階調補
    間方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の階
    調補間方法であって、 前記工程(e)は、(e1)前記Aタイプの輪郭線を、
    その内部領域が前記第1の画像レベル以上の画像レベル
    を有するA+タイプの輪郭線と、その内部領域が前記第
    1の画像レベル未満の画像レベルを有するA−タイプの
    輪郭線とに分類する工程と、(e2)前記Bタイプの輪
    郭線を、その内部領域が前記第2の画像レベル以上の画
    像レベルを有するB+タイプの輪郭線と、その内部領域
    が前記第2の画像レベル未満の画像レベルを有するB−
    タイプの輪郭線とに分類する工程と、(e3)少なくと
    も前記A+タイプの輪郭線と前記B+タイプの輪郭線と
    に挟まれた領域と、前記B−タイプの輪郭線と前記A−
    タイプの輪郭線とに挟まれた領域と、の少なくとも一方
    を前記対象領域として検出する工程と、を備える階調補
    間方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の階
    調補間方法であって、さらに、(g)前記(N+1)個
    の区分領域の境界に存在するN本の中間輪郭線を抽出す
    る工程と、(h)前記N本の中間輪郭線にゆらぎを付加
    する工程と、を備える階調補間方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の階
    調補間方法であって、 前記工程(c)の前に、前記多階調画像領域を拡大する
    工程を備える、階調補間方法。
  10. 【請求項10】 多階調画像の階調ジャンプを補間する
    装置であって、 多階調画像を表わす多階調画像データの階調を変換する
    ことによって、階調変換画像データを生成する階調変換
    手段と、 前記階調変換画像データに含まれる画像レベルの中で、
    中間に階調ジャンプが存在する第1と第2の画像レベル
    を特定する補間階調検出手段と、 前記階調変換画像データを処理することによって、前記
    第1の画像レベルを有する領域と前記第1の画像レベル
    未満の画像レベルを有する他の領域との境界を示すAタ
    イプの輪郭線を表わす第1の輪郭データを求めるととも
    に、前記階調変換画像データを処理することによって、
    前記第1の画像レベルを有する領域と前記第2の画像レ
    ベル以上の画像レベルを有する他の領域との境界を示す
    Bタイプの輪郭線を表わす第2の輪郭データを求める輪
    郭線検出手段と、 前記第1と第2の輪郭データに基づいて前記Aタイプと
    Bタイプの輪郭線の相互の包含関係を判断することによ
    って、前記第1の画像レベルを有する領域の中で前記第
    2の画像レベルを有する画像領域に隣接する領域を階調
    補間の対象領域として検出し、前記対象領域の輪郭を示
    す少なくとも1組の輪郭線セットを前記AタイプとBタ
    イプの輪郭線の中から抽出する対象輪郭線抽出手段と、 前記対象領域内において、前記1組の輪郭線セットの中
    の前記Aタイプの輪郭線と前記Bタイプの輪郭線との間
    を(N+1)個(Nは1以上の整数)の区分領域に区分
    し、前記(N+1)個の区分領域の中で前記第2の画像
    レベルの画像領域に近いN個の区分領域に前記N個の中
    間画像レベルを順次割り当てる補間手段と、を備える階
    調補間装置。
  11. 【請求項11】 多階調画像の階調ジャンプを補間する
    ためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ
    読み取り可能な記録媒体であって、 多階調画像を表わす多階調画像データの階調を変換する
    ことによって、階調変換画像データを生成する階調変換
    機能と、 前記階調変換画像データに含まれる画像レベルの中で、
    中間に階調ジャンプが存在する第1と第2の画像レベル
    を特定する補間階調検出機能と、 前記階調変換画像データを処理することによって、前記
    第1の画像レベルを有する領域と前記第1の画像レベル
    未満の画像レベルを有する他の領域との境界を示すAタ
    イプの輪郭線を表わす第1の輪郭データを求めるととも
    に、前記階調変換画像データを処理することによって、
    前記第1の画像レベルを有する領域と前記第2の画像レ
    ベル以上の画像レベルを有する他の領域との境界を示す
    Bタイプの輪郭線を表わす第2の輪郭データを求める輪
    郭線検出機能と、 前記第1と第2の輪郭データに基づいて前記Aタイプと
    Bタイプの輪郭線の相互の包含関係を判断することによ
    って、前記第1の画像レベルを有する領域の中で前記第
    2の画像レベルを有する画像領域に隣接する領域を階調
    補間の対象領域として検出し、前記対象領域の輪郭を示
    す少なくとも1組の輪郭線セットを前記AタイプとBタ
    イプの輪郭線の中から抽出する対象輪郭線抽出機能と、 前記対象領域内において、前記1組の輪郭線セットの中
    の前記Aタイプの輪郭線と前記Bタイプの輪郭線との間
    を(N+1)個(Nは1以上の整数)の区分領域に区分
    し、前記(N+1)個の区分領域の中で前記第2の画像
    レベルの画像領域に近いN個の区分領域に前記N個の中
    間画像レベルを順次割り当てる補間機能と、をコンピュ
    ータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録
    したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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