JPH1082727A - 鋼板の衝撃特性評価方法 - Google Patents
鋼板の衝撃特性評価方法Info
- Publication number
- JPH1082727A JPH1082727A JP23686096A JP23686096A JPH1082727A JP H1082727 A JPH1082727 A JP H1082727A JP 23686096 A JP23686096 A JP 23686096A JP 23686096 A JP23686096 A JP 23686096A JP H1082727 A JPH1082727 A JP H1082727A
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- Japan
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- steel plate
- impact
- absorption energy
- formula
- thickness
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- Pending
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- Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 鋼板の強度レベルによらず、しかも衝突速度
が30km/h以上であっても、圧壊衝撃吸収エネルギ
ーを定量的に評価できる方法を提供する。 【解決手段】 下記の式(1)で定義されるFを用いた
鋼板の衝撃特性評価方法。 F=A・〔t〕・〔YP〕+B・〔t〕+C・〔YP〕
+D ・・・(1) ここで、 t:鋼板の板厚(mm)、 YP:鋼板の静的降伏応力(MPa)、 A、B、C、D:耐衝撃用部材の形状などに依存する係
数である。
が30km/h以上であっても、圧壊衝撃吸収エネルギ
ーを定量的に評価できる方法を提供する。 【解決手段】 下記の式(1)で定義されるFを用いた
鋼板の衝撃特性評価方法。 F=A・〔t〕・〔YP〕+B・〔t〕+C・〔YP〕
+D ・・・(1) ここで、 t:鋼板の板厚(mm)、 YP:鋼板の静的降伏応力(MPa)、 A、B、C、D:耐衝撃用部材の形状などに依存する係
数である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の耐衝撃用
部材であるフロントサイドメンバー類などに用いられる
鋼板の衝撃特性の評価方法に関する。
部材であるフロントサイドメンバー類などに用いられる
鋼板の衝撃特性の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の安全性を向上するため
に、人命にかかわるフロントサイドメンバー類などに使
用される鋼板には、衝突時の衝撃を緩和できる優れた衝
撃特性が要求されている。
に、人命にかかわるフロントサイドメンバー類などに使
用される鋼板には、衝突時の衝撃を緩和できる優れた衝
撃特性が要求されている。
【0003】鋼板の衝撃特性は圧壊衝撃吸収エネルギー
で評価され、鋼板の板厚を厚く、また静的あるいは動的
な降伏応力を高くするほど圧壊衝撃吸収エネルギーが増
大し、優れた衝撃特性が得られる。しかし、省エネルギ
ーのための自動車軽量化の要請も強いので、鋼板の板厚
を厚くする手段が採られることは少なく、もっぱら鋼板
の高強度化によって衝撃特性を改善しようという検討が
行われている。
で評価され、鋼板の板厚を厚く、また静的あるいは動的
な降伏応力を高くするほど圧壊衝撃吸収エネルギーが増
大し、優れた衝撃特性が得られる。しかし、省エネルギ
ーのための自動車軽量化の要請も強いので、鋼板の板厚
を厚くする手段が採られることは少なく、もっぱら鋼板
の高強度化によって衝撃特性を改善しようという検討が
行われている。
【0004】一方、フロントサイドメンバー類など耐衝
撃用部材の設計指針を得るために、こうした鋼板の衝撃
特性を定量的に解析し、圧壊衝撃吸収エネルギーを計算
によって予測しようという試みも行われている。
撃用部材の設計指針を得るために、こうした鋼板の衝撃
特性を定量的に解析し、圧壊衝撃吸収エネルギーを計算
によって予測しようという試みも行われている。
【0005】文献1〔綾、高橋;「動車技術会論文
集」、vol.7(1974)P60〜66〕には、正
方形断面の試験部材やハット形断面の試験部材を用い座
屈試験を行い、有効幅の理論により解析し、下記の関係
式(2)が得られている。
集」、vol.7(1974)P60〜66〕には、正
方形断面の試験部材やハット形断面の試験部材を用い座
屈試験を行い、有効幅の理論により解析し、下記の関係
式(2)が得られている。
【0006】 Pm=1.85・t5/3 ・b1/3 ・YP2/3 ・E1/3 ・・・(2) ここで、 Pm:平均座屈荷重(kg) t:鋼板の板厚(mm)、 b:板幅(mm)、 YP:鋼板の静的降伏応力(kg/mm2 )、 E:ヤング率(kg/mm2 )である。
【0007】座屈時のストロークδが与えられたとき、
Pm×δが圧壊衝撃吸収エネルギーを表すので、Pmに
よって鋼板の衝撃特性を評価できることになる。
Pm×δが圧壊衝撃吸収エネルギーを表すので、Pmに
よって鋼板の衝撃特性を評価できることになる。
【0008】文献1の検討は、歪み速度の遅い静的な座
屈変形挙動を解析したものであるが、文献2〔阿部、児
島;「スバル技報」第14号、P74〜77〕では、動
的な変形挙動に対しても解析が行われており、上記式
(2)と同様な関係式が得られている。
屈変形挙動を解析したものであるが、文献2〔阿部、児
島;「スバル技報」第14号、P74〜77〕では、動
的な変形挙動に対しても解析が行われており、上記式
(2)と同様な関係式が得られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記文
献2には、高強度鋼板を用いた場合、衝突速度を30k
m/h以上にすると、こうした関係式から圧壊衝撃吸収
エネルギーを予測することが困難になることが述べられ
ている。
献2には、高強度鋼板を用いた場合、衝突速度を30k
m/h以上にすると、こうした関係式から圧壊衝撃吸収
エネルギーを予測することが困難になることが述べられ
ている。
【0010】そこで、本発明者等は、種々の板厚と静的
降伏応力の鋼板を用いて40×40mmの断面形状のハ
ット形試験部材を作成し、衝突速度40km/hで衝突
させて同様な試験を行って平均圧壊荷重を求め、上記式
(2)で計算されるPmとの関係を調査した。
降伏応力の鋼板を用いて40×40mmの断面形状のハ
ット形試験部材を作成し、衝突速度40km/hで衝突
させて同様な試験を行って平均圧壊荷重を求め、上記式
(2)で計算されるPmとの関係を調査した。
【0011】図3に、40×40mmの断面形状のハッ
ト形試験部材を用いたときの平均圧壊荷重とPmの関係
を示す。
ト形試験部材を用いたときの平均圧壊荷重とPmの関係
を示す。
【0012】Pmが大きいほど平均圧壊荷重が増大する
傾向は認められるが、相関係数Rが0.75と低く、P
mによって定量的に平均圧壊荷重(圧壊衝撃吸収エネル
ギー)を予測できないことがわかる。
傾向は認められるが、相関係数Rが0.75と低く、P
mによって定量的に平均圧壊荷重(圧壊衝撃吸収エネル
ギー)を予測できないことがわかる。
【0013】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、鋼板の強度レベルによらず、しかも衝
突速度が30km/h以上であっても、圧壊衝撃吸収エ
ネルギーを定量的に評価できる方法を提供することを目
的とする。
なされたもので、鋼板の強度レベルによらず、しかも衝
突速度が30km/h以上であっても、圧壊衝撃吸収エ
ネルギーを定量的に評価できる方法を提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記の式
(1)で定義されるFを用いた鋼板の衝撃特性評価方法
により解決される。
(1)で定義されるFを用いた鋼板の衝撃特性評価方法
により解決される。
【0015】 F=A・〔t〕・〔YP〕+B・〔t〕+C・〔YP〕+D ・・・(1) ここで、 t:鋼板の板厚(mm)、 YP:鋼板の静的降伏応力(MPa)、 A、B、C、D:耐衝撃用部材の形状などに依存する係
数であり、(1)式のFを実測平均圧壊荷重とし、実測
YP、実測tとの関係から(1)式が成立するように統
計的手法により求めたものである。
数であり、(1)式のFを実測平均圧壊荷重とし、実測
YP、実測tとの関係から(1)式が成立するように統
計的手法により求めたものである。
【0016】板厚tが1.0〜1.6mm、静的降伏応
力YPが170〜720MPaの種々の鋼板を用いて4
0×40mmの断面形状のハット形試験部材を作成し、
衝突速度40km/hで衝突させて平均圧壊荷重を測定
し、鋼板のtとYPからなる最適な重回帰式の検討を行
った。その結果、上記式(1)が圧壊衝撃吸収エネルギ
ーを予測するために最も適していることを見出した。
力YPが170〜720MPaの種々の鋼板を用いて4
0×40mmの断面形状のハット形試験部材を作成し、
衝突速度40km/hで衝突させて平均圧壊荷重を測定
し、鋼板のtとYPからなる最適な重回帰式の検討を行
った。その結果、上記式(1)が圧壊衝撃吸収エネルギ
ーを予測するために最も適していることを見出した。
【0017】図1に、40×40mmの断面形状のハッ
ト形試験部材を用いたときの平均圧壊荷重と式(1)で
定義されるFの関係を示す。
ト形試験部材を用いたときの平均圧壊荷重と式(1)で
定義されるFの関係を示す。
【0018】このように、平均圧壊荷重とFとの相関係
数Rは0.92と高く、Fにより平均圧壊荷重を定量的
に評価できることがわかる。
数Rは0.92と高く、Fにより平均圧壊荷重を定量的
に評価できることがわかる。
【0019】なお、このとき、上記式(1)の係数は、
A=0.118、B=26.12、C=−0.098、
D=−11.40であったが、試験部材の形状や溶接条
件などに依存する。
A=0.118、B=26.12、C=−0.098、
D=−11.40であったが、試験部材の形状や溶接条
件などに依存する。
【0020】
【実施例】表1に示す板厚と静的引張特性値の鋼板を用
い、80×80mmの断面形状のハット形試験部材およ
び一辺が40mmの八角形断面の試験部材を作成し、衝
突速度40km/hで衝突させて、平均圧壊荷重を測定
した。そして重回帰により上記式(1)で定義されるF
との相関係数Rを求めた。
い、80×80mmの断面形状のハット形試験部材およ
び一辺が40mmの八角形断面の試験部材を作成し、衝
突速度40km/hで衝突させて、平均圧壊荷重を測定
した。そして重回帰により上記式(1)で定義されるF
との相関係数Rを求めた。
【0021】
【表1】
【0022】図2に、80×80mmの断面形状のハッ
ト形試験部材および一辺が40mmの八角形断面の試験
部材を用いたときの平均圧壊荷重と式(1)で定義され
るFの関係を示す。
ト形試験部材および一辺が40mmの八角形断面の試験
部材を用いたときの平均圧壊荷重と式(1)で定義され
るFの関係を示す。
【0023】試験部材の形状が異なっても相関係数Rは
0.85と高く、式(1)で定義されるFにより平均圧
壊荷重を定量的に評価できることがわかる。
0.85と高く、式(1)で定義されるFにより平均圧
壊荷重を定量的に評価できることがわかる。
【0024】なお、このとき、式(1)の係数は、80
×80mmの断面形状のハット形試験部材を用いたとき
は、A=0.150、B=40.00、C=−0.15
0、D=5.00であり、一辺が40mmの八角形断面
の試験部材を用いたときは、A=0.150、B=3
6.57、C=−0.134、D=−15.62であっ
た。
×80mmの断面形状のハット形試験部材を用いたとき
は、A=0.150、B=40.00、C=−0.15
0、D=5.00であり、一辺が40mmの八角形断面
の試験部材を用いたときは、A=0.150、B=3
6.57、C=−0.134、D=−15.62であっ
た。
【0025】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、鋼板の強度レベルによらず、しかも衝突速度
が30km/h以上であっても、圧壊衝撃吸収エネルギ
ーを定量的に評価できる方法を提供できる。また、この
評価方法を用いれば、必要な圧壊衝撃吸収エネルギーを
得るために、鋼板の板厚や降伏応力をどのように設定す
ればよいかの設計指針が得られる。
いるので、鋼板の強度レベルによらず、しかも衝突速度
が30km/h以上であっても、圧壊衝撃吸収エネルギ
ーを定量的に評価できる方法を提供できる。また、この
評価方法を用いれば、必要な圧壊衝撃吸収エネルギーを
得るために、鋼板の板厚や降伏応力をどのように設定す
ればよいかの設計指針が得られる。
【図1】40×40mmの断面形状のハット形試験部材
を用いたときの平均圧壊荷重とFの関係を示す図であ
る。
を用いたときの平均圧壊荷重とFの関係を示す図であ
る。
【図2】80×80mmの断面形状のハット形試験部材
および一辺が40mmの八角形断面の試験部材を用いた
ときの平均圧壊荷重とFの関係を示す図である。
および一辺が40mmの八角形断面の試験部材を用いた
ときの平均圧壊荷重とFの関係を示す図である。
【図3】40×40mmの断面形状のハット形試験部材
を用いたときの平均圧壊荷重とPmの関係を示す図であ
る。
を用いたときの平均圧壊荷重とPmの関係を示す図であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記の式(1)で定義されるFを用いた
鋼板の衝撃特性評価方法。 F=A・〔t〕・〔YP〕+B・〔t〕+C・〔YP〕+D ・・・(1) ここで、 t:鋼板の板厚(mm)、 YP:鋼板の静的降伏応力(MPa)、 A、B、C、D:耐衝撃用部材の形状などに依存する係
数である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23686096A JPH1082727A (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | 鋼板の衝撃特性評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23686096A JPH1082727A (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | 鋼板の衝撃特性評価方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1082727A true JPH1082727A (ja) | 1998-03-31 |
Family
ID=17006879
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23686096A Pending JPH1082727A (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | 鋼板の衝撃特性評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1082727A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114112722A (zh) * | 2021-10-29 | 2022-03-01 | 上海汇众萨克斯减振器有限公司 | 基于回归方程的金属杆件压弯最大屈服应力评价方法 |
-
1996
- 1996-09-06 JP JP23686096A patent/JPH1082727A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114112722A (zh) * | 2021-10-29 | 2022-03-01 | 上海汇众萨克斯减振器有限公司 | 基于回归方程的金属杆件压弯最大屈服应力评价方法 |
CN114112722B (zh) * | 2021-10-29 | 2024-01-02 | 上海汇众萨克斯减振器有限公司 | 基于回归方程的金属杆件压弯最大屈服应力评价方法 |
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