JPH1082639A - 方位検出装置 - Google Patents

方位検出装置

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JPH1082639A
JPH1082639A JP23553996A JP23553996A JPH1082639A JP H1082639 A JPH1082639 A JP H1082639A JP 23553996 A JP23553996 A JP 23553996A JP 23553996 A JP23553996 A JP 23553996A JP H1082639 A JPH1082639 A JP H1082639A
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azimuth
angular velocity
axis
reference axis
rotation
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JP23553996A
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Junpei Miyazaki
淳平 宮崎
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Hitachi Cable Ltd
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 角速度センサの非直線性誤差に影響されず方
位精度を高める方位検出装置を提供する。 【解決手段】 回転機構2上にその回転軸に検出軸を直
交させた角速度センサ3を載せ、回転機構2の回転角に
対応して角速度センサ3で計測される地球自転角速度ベ
クトルを参照して方位を検出する方位検出装置におい
て、回転機構2の回転角の基準となる計測基準軸を決め
てその両側の所定回転角位置における地球自転角速度ベ
クトルをそれぞれ計測し、両計測成分の差が小さくなく
なるよう上記計測基準軸を回転させる計測基準軸制御手
段6,7を設け、この計測基準軸が最初の計測基準軸と
なす角度から方位を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、角速度センサの検
出軸の方向を変えて計測した地球自転角速度ベクトルか
ら方位を検出する方位検出装置に係り、特に、角速度セ
ンサの非直線性誤差に影響されず方位精度を高める方位
検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】物体の向いている方位を検出するため
に、レートジャイロを応用した方位検出装置が用いられ
る。従来技術では、方位検出装置の筐体上に回転機構を
設け、この回転機構の上にその回転軸と検出軸とが90
°の角度をなすようにレートジャイロを設置し、回転機
構を決まった角度分、つまり360°の整数分の1の角
度分ずつ回転させることにより、レートジャイロの検出
軸を次々に決まった回転角に位置させ、各回転角におい
て計測されるレートジャイロの検出軸の周りの角速度、
即ち地球自転角速度ベクトルのデータを保存する。そし
て、保存された回転角毎の地球自転角速度ベクトルのデ
ータを用いて方位を算出する。
【0003】図7に従来方法による処理の流れを示す。
ここでは、データ取得を行う回転角位置を計測ノードと
呼ぶ。図7において、まず、回転機構を回転させること
により、レートジャイロの検出軸を計測基準軸まで回転
移動させる。ここで計測基準軸は、回転機構の回転角の
基準となるものであり、従来方法では計測基準軸の向い
ている方位が検出方位として出力されることになる。レ
ートジャイロの検出軸を計測基準軸に移動させることに
より、レートジャイロの検出軸は検出しようとする方位
を向くことになる。
【0004】次に、最初の計測ノードまでレートジャイ
ロの検出軸を回転移動させる。検出軸が計測ノードに到
達したら、角速度を計測する。また、筐体に設置した傾
斜センサ等により傾斜角を計測し、これらのデータを保
存する。この角速度検出、傾斜角検出をすべての計測ノ
ードにて行い、データ取得が完了したらその取得した角
速度及び傾斜角から方位演算により方位を求める。
【0005】方位演算が終わったら1つの検出方位を出
力することになる。そして、このような処理を最初から
繰り返すことにより、継続して検出方位を出力すること
ができる。
【0006】上記処理中の方位演算の基本的な計算手順
を説明する。いま、回転機構の回転角θを0°から36
0°(2π)の間で整数n等分して定める。これにより
地球自転角速度ベクトルを検出する計測ノードをn個設
けることになる。つまり、 θi=2πi/n (i=1,2,…,n;n≧3) …(1) と表すことができる。
【0007】計測ノードiで検出された角速度(地球自
転角速度ベクトル)Ωi、地球自転角速度ΩE を用い
て、以下のa,b,λ’,φ3 ’を求める。
【0008】
【数1】
【0009】次に、傾斜センサで計測したロール角φ1
及びピッチ角φ2 、計測地の緯度λを用いて、以下の
A,B,C,φ3 を求める。
【0010】
【数2】
【0011】φ3 は求める方位であるが、2つの解が得
られるのでφ3 ’に近いほうの解を採用する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、360
°を3以上整数で割った角度分だけ、順次、レートジャ
イロを回転させて地球自転角速度ベクトルの測定を行う
ため、地球自転角速度をフルスケールとする広い正負の
範囲の角速度を検出しなければならない。このため上記
広い正負の範囲内に亘ってレートジャイロの精度が十分
でないと、検出方位の精度が向上できない。また、角速
度検出における温度などによる長い周期の直線性変動の
影響が検出方位の誤差に直接現れてしまう。これらの問
題はレートジャイロの誤差が時間と入力角速度の関数で
あるために発生したものである。
【0013】言い換えれば、これまで用いてきた方位演
算式では、レートジャイロ入力角速度ΩI 、レートジャ
イロ出力角速度ΩO の関係が、 ΩI =cΩO +d (cは0でない) …(11) ただし、cはスケールファクタ、dはバイアス で記述できるものであれば、方位誤差は発生しない。つ
まり、レートジャイロの入出力特性が完全に線形的であ
れば従来方法でも方位誤差は発生しない。しかし、実際
には、レートジャイロの入出力特性が直線でないために
方位誤差が発生している。しかも、このような方位誤差
の方位依存性は、レートジャイロの非直線性誤差の特性
及び計測ノード数によって変化することが考えられる。
【0014】以上のことをもっと判りやすくするため
に、具体的な例を挙げて説明する。図8にレートジャイ
ロの入出力特性及び入出力波形を示す。図8中、座標軸
が交差する左上部分では横軸に入力角速度、縦軸に出力
角速度が示されている。この縦軸の出力角速度に対応し
て図の右上部分では横軸が回転角となっている。また、
横軸の入力角速度に対応して図の左下部分では縦軸が回
転角となっている。従って、この図は、レートジャイロ
の検出軸の回転角に対応して入力角速度及び出力角速度
が変化する様子を連続的に示したものとなる。実際には
これまで述べたように方位検出装置は回転角に対して離
散的なデータ取得を行うが、ここでは分かり易くするた
めに連続的なデータとしてある。
【0015】図8において破線81で示した特性は理想
の特性であり、入力角速度と出力角速度との関係が全く
直線である。このとき入力波形82に対して全く同じ波
形の出力波形83が得られる。ところが、実際には入出
力特性は非直線性の歪みを持つ。入出力特性が実線84
で示したように非直線性の歪みを持つと、出力波形85
は極めて歪んだものとなる。方位を決定するためには出
力角速度がゼロ付近のデータが大きな比重を占めるが、
出力波形85ではその出力角速度が本来ゼロ付近となる
べきデータが大きく歪んで、出力角速度がゼロ付近とな
る回転角が大きくずれてしまうことが判る。結果とし
て、方位出力に誤差が発生する。
【0016】このような非直線性を数式上で模擬し、方
位誤差の方位依存性に関してシミュレーションを行った
結果を図9,10に示す。図9は方位演算に用いるレー
トジャイロの誤差特性をシミュレートしたものである。
横軸は入力角速度、縦軸は非直線性の角速度誤差であ
る。この角速度誤差はピークで約1.5°/hとなるよ
う設定してある。図10は、この誤差特性を持つレート
ジャイロの出力角速度をデータとして、計測ノード3点
による方位演算を行ったときの結果である。なお、この
ときの計測地の緯度は北緯36度、傾斜は水平、即ちロ
ール角及びピッチ角は0°と仮定している。図10の横
軸は本来の方位、縦軸は検出方位に現れる方位誤差であ
る。図示されるように、方位誤差は方位に対して規則的
に変化する。即ち、方位誤差は方位依存性がある。ま
た、最大で3°の方位誤差が発生していることが判る。
【0017】さらに、この誤差特性が時間の関数である
と、方位誤差は時間とともに変化することになることは
容易に想像できる。例えば、図9に示した角速度誤差波
形のピークの大きさが増減すると、図10の方位誤差波
形のピークもそれに応じて増減する。方位誤差波形がゼ
ロに交差する近傍ではそれほど方位誤差は変化しない
が、方位誤差波形のピーク近傍では角速度誤差波形のピ
ークが1°/h変わると方位誤差が2°程変化する。
【0018】従来方法で方位精度をこれ以上向上させよ
うとすると、レートジャイロの高性能化が必要であり、
コストが高くなってしまう。
【0019】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、角速度センサの非直線性誤差に影響されず方位精度
を高める方位検出装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、回転機構上にその回転軸に検出軸を直交さ
せた角速度センサを載せ、上記回転機構の回転角に対応
して上記角速度センサで計測される地球自転角速度ベク
トルを参照して方位を検出する方位検出装置において、
上記回転機構の回転角の基準となる計測基準軸を決めて
その両側の所定回転角位置における地球自転角速度ベク
トルをそれぞれ計測し、両計測成分の差が小さくなくな
るよう上記計測基準軸を回転させる計測基準軸制御手段
を設け、この計測基準軸が最初の計測基準軸となす角度
から方位を検出するものである。上記計測基準軸制御手
段は、上記地球自転角速度ベクトル計測成分の差に所定
の係数を掛け、この値を上記計測基準軸の回転に帰還さ
せてもよい。
【0021】上記計測基準軸の両側の地球自転角速度ベ
クトルを計測する位置の回転角はそれぞれ90°であっ
てもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて詳述する。
【0023】本発明では、従来方法で固定されていたレ
ートジャイロの計測基準軸を回転させ、北を向くように
制御する。このために、計測基準軸の左回りと右回りに
同じ角度だけ回転させた位置に計測ノードを配する。
【0024】図1に、具体的な処理の流れを示す。ま
ず、レートジャイロの検出軸を計測基準軸まで回転移動
させる(ステップ1)。もし、数値的にこの計測基準軸
が保存されるならば、このような機械的な処理は必ずし
も要しない。次に、一方の計測ノードまでレートジャイ
ロの検出軸を回転移動させる(ステップ2)。この計測
ノードで、地球自転角速度ベクトル及び傾斜角を計測
し、そのデータを保存する(ステップ3)。次に、もう
一方の計測ノードまでレートジャイロの検出軸を回転移
動させ(ステップ4)、同じように地球自転角速度ベク
トル及び傾斜角を計測し、そのデータを保存する(ステ
ップ5)。2つの計測ノードで計測された地球自転角速
度ベクトルのデータから、方位偏差(角速度差)を算出
する(ステップ6)。方位偏差に基づき計測基準軸を回
転させて更新する(ステップ7)。この更新は、数値的
に行われ、回転機構を回転させる機械的な移動を伴わな
いこともある。そして、保存された地球自転角速度ベク
トル及び傾斜角のデータから方位を演算する(ステップ
8)。方位演算が終わったら、最初の計測ノードに戻り
同様のことを繰り返す。この繰り返しにより、計測基準
軸が北を指すように収斂する。
【0025】地球自転角速度ベクトルを用いて計測基準
軸が北を指すように収斂させる方法を図2により説明す
る。図2に示された左右2つのグラフは、それぞれ横軸
に方位(計測基準軸方位)、縦軸に地球自転角速度ベク
トル(検出角速度)をとったものであり、縦軸の位置の
方位が北となっている。ここで、 θ(t):計測基準軸の指す方位(北からの角度) φ :計測ノードのスイング角(計測基準軸からの回転角) β :帰還量 である。
【0026】各グラフには、計測基準軸が向いている方
位において計測される地球自転角速度ベクトルの波形が
示されている。この波形は、計測地の緯度の余弦に地球
自転角速度ベクトルの大きさを乗じた値を振幅とする余
弦関数で表される。地球自転角速度ベクトルは、計測基
準軸が北に向いているときに最大値、南に向いていると
きに最小値、東西を向いているときに0が計測される。
【0027】まず最初に左側のグラフに示されるよう
に、計測基準軸が北からθ(t)だけ左にあったときを
考える。このとき計測基準軸から右回りにφだけ回転し
た方位と、計測基準軸から左回りにφだけ回転した方位
とにおいて、地球自転角速度ベクトルΩ,Ωをそ
れぞれ計測し、その差を帰還量βとする。この帰還量β
に所定の正の係数を乗じ、その分だけ計測基準軸を正方
向(右)に移動してやると、計測基準軸は縦軸(北)に
近付く。これを繰り返していくと、θ(t)は0に収斂
し、計測基準軸が北を指すようになる。
【0028】実際にはレートジャイロは理想的ではなく
誤差を持っている。従って、このレートジャイロの誤差
に対応した帰還を行わないと正常に収斂しないのではな
いかとの疑問が出る可能性がある。そこで、この誤差要
因を考慮し、制御論的に本発明の作用を説明することに
する。
【0029】図3に本発明の方位検出装置の制御モデル
を示す。ここで、 Ω0 :地球自転角速度 θ(t) :計測基準軸の指す方位 φ :計測ノードのスイング角 K :帰還係数 ∫ :積分器 ε(t):右側計測ノードでのレートジャイロ誤差 ε(t):左側計測ノードでのレートジャイロ誤差 である。図中、破線枠で囲んだ部分がレートジャイロ3
1に相当する。2つの計測ノードにおける地球自転角速
度ベクトルは、Ω0 cos{θ(t)+φ},Ω0 co
s{θ(t)−φ}であり、これに誤差成分ε
(t),ε(t)が加わってレートジャイロ31
の出力となる。
【0030】いま、θ(t)が十分0に近い時、sin
θ(t)はほぼθ(t)に等しいから、ラプラス変換に
よるブロックチャートの式は、次のようになる。但し、
時間関数をラプラス変換したものを大文字で示す。
【0031】 Θ(s)=K{E(s)−E(s)}/(s+2Ω0 Ksinφ) …(12) E(s)−E(s)にかかる部分は低域通過特性
を持つ1次遅れ要素である。十分低い周波数領域では、 Θ(s)=1/2Ω0 sinφ となり、このΘ(s)の値が小さいほど誤差は小さくな
る。このうち地球自転角速度Ω0 は、計測地の位置と傾
斜とで決まる一定値であり、変えられないが、sinφ
はある程度可変である。sinφが最大値1をとればΘ
(s)の値が小さくできる。従って、スイング角φを9
0°にとるのが好ましい。
【0032】次に、入力される誤差信号E(s)−
(s)の性質について考える。時間領域の関数ε
(t)−ε(t)に立ち戻って考える。
【0033】レートジャイロの出力に含まれる誤差は、
大きく次の3つに分けられる。
【0034】1)バイアス:e 時間及び角速度に依存しない定数項の誤差 2)スケールファクタエラー:f(Ω) 時間には依存せず、角速度の関数で記述される誤差 3)ランダムウォーク:W(t) 角速度には依存せず、時間的にランダムで白色雑音的な
誤差 従って、ε(t),ε(t)は、次のように表す
ことができる。但し、レートジャイロは定常安定状態に
至っているものとする。また、地球自転角速度ベクトル
Ω,Ωは真の角速度とする。
【0035】 ε(t)=e+f(Ω)+W(t) …(13) ε(t)=e+f(Ω)+W(t) …(14) ここで、2つの計測ノードでの計測には同一のレートジ
ャイロを使っているため、バイアスについては、 e−e=0 …(15) が成立する。即ち、バイアスは相殺される。
【0036】ランダムウォークW(t),W
(t)については、2つの計測ノードでの計測の時
刻は違うが、同一レートジャイロを使用するので、ほぼ
同じ性質を持った白色雑音と仮定することができる。す
ると、その差W(t)−W(t)も白色雑音と考
えられる。いま、W(t),W(t),W
(t)−W(t)の標準偏差をそれぞれσ
σ,σ+φ-φとすると、次の関係が成立する。
【0037】 0≦σ+φ-φ≦σ+σ …(16) 即ち、2つのランダムウォークを合成した白色雑音の標
準偏差は、個々の白色雑音の標準偏差を足し合わせたも
のより小さい。
【0038】スケールファクタエラーf(Ω),f
(Ω)については、
【0039】
【数3】
【0040】が成立する。つまり、計測基準軸が北に近
付くにつれて、スケールファクタエラーの影響は小さく
なってゆき、系の精度が向上する。そして、指北が完了
すると指北精度はスケールファクタエラーの影響から完
全に解放される。
【0041】以上のように、レートジャイロの出力に含
まれる誤差の3つの要素は、いずれも2つの計測ノード
の計測成分の差をとり、この差が小さくなくなるよう計
測基準軸を回転させることで解消される。また、スイン
グ角φを90°にとるのが好ましい。このようにして、
レートジャイロに誤差があっても計測基準軸は正常に北
に収斂する。
【0042】次に、本発明の方位検出装置の構造を説明
する。図4に示されるように、方位検出装置は、各計測
の基準を提供する基準筐体1が平坦な上面を有し、この
基準筐体上面にはロール角を計測するロール傾斜センサ
4及びピッチ角を計測するピッチ傾斜センサ5が精度良
く固定されている。基準筐体1には基準方向が設定され
ており、ロール傾斜センサ4及びピッチ傾斜センサ5は
基準方向の軸について傾斜を計測するようになってい
る。また、基準筐体上面には1軸回転機構2が設けられ
ている。レートジャイロ3は1軸回転機構2上に取り付
けられている。1軸回転機構2の回転軸は基準筐体上面
に対し垂直であり、レートジャイロ3の検出軸は1軸回
転機構2の回転軸に直交させてあるので、レートジャイ
ロ3の検出軸は常に基準筐体上面に平行を保って回転す
ることができる。6は、レートジャイロ3の出力から帰
還量を求める演算処理部である。7は、1軸回転機構2
を回転駆動する回転機構制御部である。演算処理部6及
び回転機構制御部7により本発明の計測基準軸制御手段
が構成されている。
【0043】方位検出の初期設定としてレートジャイロ
3の検出軸は基準筐体1の基準方向の軸に平行にしてお
く。レートジャイロ3、ロール傾斜センサ4及びピッチ
傾斜センサ5の出力は演算処理部6に送られ、帰還量が
計算される。この帰還量は回転機構制御部7に送られ
る。回転機構制御部7は、帰還量により計測基準軸を回
転させ、この計測基準軸に対しレートジャイロ3の検出
軸をスイング角まで回転させるべく1軸回転機構2を回
転駆動する。また、回転機構制御部7は、計測基準軸を
初期設定してから現在までに1軸回転機構2を回転駆動
した変位角を読取り、演算処理部6に送る。計測基準軸
が北を指していれば、この変位角は初期設定した計測基
準軸の方位に相当する。演算処理部6は、変位角に対し
て傾斜補正を行い、傾斜及び方位の検出結果を外部へ出
力する。
【0044】次に、本発明の方位検出装置による実測の
結果を説明する。図5は、使用したレートジャイロ3の
バイアスドリフトの時間特性である。横軸は時間、縦軸
は入力角速度が約9°/hとなる方向に検出軸を位置さ
せたときレートジャイロ3が出力する角速度を示してい
る。図6は、方位検出装置の方位出力の時間特性であ
る。横軸は時間、縦軸は真の方位に対し出力された方位
の誤差分を示している。なお、方位検出装置は、基準筐
体1には基準方向を方位10°に設置し、傾斜は水平と
した。また、スイング角φは90°、帰還係数Kは0.
72とした。
【0045】図5から判るように、使用したレートジャ
イロ3は開始から約2時間後に、出力角速度が約9°で
安定し、角速度誤差はピークで約1.5°/hとなっ
た。このようにレートジャイロ3が十分に安定した後で
のレートジャイロ出力の標準偏差は1σで0.05°/
hであった。
【0046】また、図6から判るように、方位検出装置
の方位出力は計測を開始した当初は不安定であるが、す
ぐに誤差が±0.3°程度の範囲内となる。方位出力の
標準偏差は1σで0.1°、収斂時間(3σに入るまで
の所要時間)は約15分であった。帰還係数Kを大きく
すると収斂は速くなるが、収斂後の標準偏差が大きくな
り、逆に、帰還係数Kを小さくすると収斂は遅くなる
が、収斂後の標準偏差が小さくなることが判った。
【0047】本発明と図9,10で説明した従来技術と
を比較すると、従来技術の場合、角速度誤差がピークで
約1.5°/hのレートジャイロを使用して最大で3°
の方位誤差が発生したが、本発明では、同等のレートジ
ャイロを使用して最大で0.3°の方位誤差しか発生し
ない。
【0048】以上、説明したように本発明では零位法に
よる収束作用を利用しており、方位精度は、角速度零付
近のレートジャイロの精度のみに依存している。このた
め、レートジャイロの角速度直線性をあらゆる角速度領
域において高めるといった、レートジャイロの高性能化
を行わずとも方位精度を高めることができる。このた
め、同一精度の方位を得るために必要なレートジャイロ
のコストを低減することができる。
【0049】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0050】(1)計測基準軸両側の2つの計測ノード
で計測される地球自転角速度ベクトル成分の差が小さく
なくなるよう計測基準軸を回転させたので、計測基準軸
は正常に北に収斂することになり、精度よく方位を検出
することができる。
【0051】(2)スイング角を90°としたので、角
速度零付近の角速度センサの精度のみに依存することに
なり、角速度センサは狭い範囲のみの角速度直線性を持
てばよいから、角速度センサのコストを低減することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す方位検出装置の処理
の流れ図である。
【図2】本発明における地球自転角速度ベクトルの検出
と計測基準軸の収斂とを説明する図である。
【図3】本発明の方位検出装置の制御モデルのブロック
図である。
【図4】本発明の方位検出装置の構造図である。
【図5】本発明に使用したレートジャイロのバイアスド
リフトの時間特性図である。
【図6】本発明の方位検出装置の方位出力の時間特性図
である。
【図7】従来の方位検出装置の処理の流れ図である。
【図8】レートジャイロの入出力特性及び入出力波形図
である。
【図9】レートジャイロの誤差特性図である。
【図10】従来の方位検出装置の方位出力の方位特性図
である。
【符号の説明】
1 基準筐体 2 回転機構 3 レートジャイロ 4 ロール傾斜センサ 5 ピッチ傾斜センサ 6 演算処理部 7 回転機構制御部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転機構上にその回転軸に検出軸を直交
    させた角速度センサを載せ、上記回転機構の回転角に対
    応して上記角速度センサで計測される地球自転角速度ベ
    クトルを参照して検出する方位検出装置において、上記
    回転機構の回転角の基準となる計測基準軸を決めてその
    両側の所定回転角位置における地球自転角速度ベクトル
    をそれぞれ計測し、両計測成分の差が小さくなくなるよ
    う上記計測基準軸を回転させる計測基準軸制御手段を設
    け、この計測基準軸が最初の計測基準軸となす角度から
    方位を検出することを特徴とする方位検出装置。
  2. 【請求項2】 上記計測基準軸制御手段は、上記地球自
    転角速度ベクトル計測成分の差に所定の係数を掛け、こ
    の値を上記計測基準軸の回転に帰還させることを特徴と
    する請求項1記載の方位検出装置。
  3. 【請求項3】 上記計測基準軸の両側の地球自転角速度
    ベクトルを計測する位置の回転角はそれぞれ90°であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の方位検出装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101937007A (zh) * 2010-07-02 2011-01-05 长安大学 一种利用摆式陀螺仪测量地球自转角速度的方法
CN102608357A (zh) * 2011-01-24 2012-07-25 阿尔卑斯电气株式会社 角速度检测装置以及角速度的错误检测方法

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CN101937007A (zh) * 2010-07-02 2011-01-05 长安大学 一种利用摆式陀螺仪测量地球自转角速度的方法
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