JPH05107066A - 方位検出装置 - Google Patents

方位検出装置

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JPH05107066A
JPH05107066A JP3269903A JP26990391A JPH05107066A JP H05107066 A JPH05107066 A JP H05107066A JP 3269903 A JP3269903 A JP 3269903A JP 26990391 A JP26990391 A JP 26990391A JP H05107066 A JPH05107066 A JP H05107066A
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angular velocity
velocity sensor
offset
detection axis
vertical direction
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JP3269903A
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Masaaki Ito
公明 伊藤
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Tokimec Inc
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Tokimec Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 角速度センサの優れた特徴を損なうことな
く、長時間にわたって連続動作してもオフセットによる
誤差を生じない、角速度センサを用いた高精度の方位検
出装置を提供する。 【構成】 移動体の進行方向に対する鉛直の方向に常に
検出軸が向けられた第1の角速度センサと、該鉛直の方
向とそれに対して180°反対側の方向との2方向に検
出軸の向きを所定周期毎に交互に切り換えるように設け
られた第2の角速度センサを備え、夫々の角速度センサ
の検出軸の向きが交互に切り換わる毎に所定の演算処理
を行うことで、これらの角速度センサのオフセット成分
を求め、このオフセット成分を実測の旋回角速度又は方
位角から減算処理することによってオフセット補償し
て、真の旋回角速度又は方位角を得るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動体の旋回角速度や
方位角を検出する方位検出装置に関し、特に検出信号中
のオフセットを補償することによって高精度の検出信号
を出力する方位検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、方位角を検出する方位検出装
置としてジャイロコンパスにより絶対方位を検出するも
のや、角速度センサの出力から旋回角速度を検出し、更
に該旋回角速度を積分することによって方位角を検出す
るものが知られている。前者のジャイロコンパスは、大
形且つ大重量、更に計測可能状態に達するまでの起動時
間が長い等の理由から、特別な場合を除き使用しずらい
という問題がある。これに対し、後者の角速度センサは
小型且つ安価であり、更に構造が簡単で耐久性に優れ、
起動時間が短くてすぐに使用することができる等の利点
があり、自走ロボットや車両等の移動体の移動軌跡を制
御するために旋回角速度や方位角を計測する等の更なる
応用が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、角速度
センサは主として温度ドリフトに起因するオフセット成
分が多いため、限られた短時間内での計測にしか使用で
きないという問題があった。これは、主として零点のオ
フセットが温度及び時間経過と共に変動するためであ
り、一度このオフセットを校正しても比較的短時間(例
えば、数10分間程度)内には再びオフセットレベルが
変化し、検出信号の誤差が累積して測定精度の低下を招
来する。
【0004】従来、比較的長時間にわたってこのオフセ
ットの変動の影響を受けないようにするために、頻繁に
移動体を停止し、旋回角速度が零のときの角速度センサ
の出力を一定時間計測し、その出力を平均化処理するこ
とによって、最新のオフセットレベルを推定し、この推
定したオフセットレベルを角速度センサの出力から減算
処理することによって、真の旋回角速度の計測値を得る
方法が知られているが、この校正処理では頻繁な移動体
の停止が極めて煩雑であり、且つ、停止間隔が長いと、
十分に誤差を除去できない問題があった。
【0005】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、角速度センサの優れた特徴を損な
うことなく、長時間にわたって連続動作してもオフセッ
トによる誤差を生じない、高精度の方位検出装置を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明は、移動体の進行方向に対する鉛直の方
向に常に検出軸が向けられた第1の角速度センサと、該
鉛直の方向とそれに対して180°反対側の方向との2
方向に検出軸の向きを所定周期毎に交互に切り換えるよ
うに設けられた第2の角速度センサを備え、夫々の角速
度センサの検出軸の向きが交互に切り換わる毎に所定の
演算処理を行うことで、これらの角速度センサのオフセ
ット成分を求め、このオフセット成分を実測の旋回角速
度又は方位角から減算処理することによってオフセット
補償して、真の旋回角速度又は方位角を得るようにし
た。
【0007】
【作用】このような構成を有する本発明によれば、上記
周期毎に一対の角速度センサを所定方向へ自動的に回転
させ、所定角度の関係において所定周期毎に一方の角速
度センサが回転角速度を他方の角度センサがオフセット
を実測し、これらの角速度センサの実測旋回角速度(こ
れにはオフセットが含まれる)から実測のオフセットを
減算し、これを上記所定周期毎に自動的に繰り返すの
で、連続的にオフセットの無い真の旋回角速度を得るこ
とができ、更にこれを積分演算処理することにより真の
方位角を得ることができる。
【0008】又、構成も簡素・小形且つ安価に実現する
ことができることから角速度センサの優れた特徴を損な
うことがない。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面と共に説明す
る。まず、図1に基づいて方位検出装置の概略構造を説
明する。図1において、2は移動体、4は検出軸(矢印
で示す)が走行方向xに対して直角な鉛直方向zに向け
られ且つ支持体2に固定された第1の角速度センサであ
る。
【0010】6は第2の角速度センサであり、移動体2
に取り付けられた駆動モータ8の回転駆動軸(図示せ
ず)によって回動可能に支持されている。即ち、駆動モ
ータ8の回転駆動軸は進行方向x及び鉛直方向zに対し
て直交する水平方向yに向けられ、第2の角速度センサ
6を回転駆動することによって、第2の角速度センサ6
の検出軸(矢印で示す)の方向を、鉛直方向zと、それ
に対して180°逆の鉛直方向−zとに交互に切り換え
るようになっている。
【0011】次に、図2に基づいて、これらの角速度セ
ンサ4,6の出力のオフセットを補償して、真の旋回角
速度及び方位角を計測するためのオフセット補償回路を
説明する。10は第1の演算部であり、次式(3)のよ
うに時間tの関数で示せば、第1の角速度センサ4の出
力信号ω1(t)から第2の角速度センサ4の出力信号
ω2(t)を減算処理する。
【0012】
【数3】
【0013】12は第1のサンプルホールド回路であ
り、第1の演算部10の出力Δω(t)をタイミング制
御信号S1に同期して、即ち、第1,第2の角速度セン
サ4,6が共に上を向いている状態のときサンプリング
し保持する。14は第2の演算部であり、第1の角速度
センサ4の出力ω1(t)と第2の角速度センサ4の出
力ω2(t)及びサンプルホールド回路12の出力Δω
(t)について、次式(4)の演算処理を行う。
【0014】
【数4】
【0015】16は第2のサンプルホールド回路であ
り、第2の演算部14の出力ε(t)をタイミング制御
信号S2に同期して、即ち、第1の角速度センサ4が鉛
直方向で、第2の角速度センサ6がその反対の方向に向
いている状態のときサンプリングし保持する。18は減
算回路であり、次式(5)のように、第1の角速度セン
サ4の出力信号ω1(t)からサンプルホールド回路1
6の出力ε(t)を減算処理することで第1の角速度セ
ンサ4が検出した真の旋回角速度の信号θ(t)を出力
する。
【0016】
【数5】
【0017】20は積分回路であり、旋回角速度θの信
号を積分処理することにより、移動体の方位角Φを出力
する。22はタイミング制御回路22であり、所定タイ
ミングに同期したタイミング制御信号M1を駆動モータ
8に印加することにより第2の角速度センサ6の検出軸
が上記鉛直方向zと−zに向くように180°ずつ回転
駆動させると共に、サンプルホールド回路12,16へ
のタイミング制御信号S1,S2を発生する。
【0018】次に、かかる構成の方位検出装置の動作を
図3と図4と共に説明する。尚、図3(A)はタイミン
グ制御信号M1、図3(B)はタイミング制御信号S
1、図3(C)はタイミング制御信号S2の夫々の波形
を示し、図3(D)は第1の角速度センサ4の出力信号
ω1(t)及びその出力信号ω1(t)に含まれるオフ
セットε1(t)を示し、図3(E)は第2の角速度セ
ンサ4の出力信号ω2(t)及びその出力信号ω2
(t)に含まれるオフセットε2(t)を示し、図3
(F)はサンプルホールド回路16の出力信号ε(t)
を示し、図3(G)は減算回路18の出力信号θ(t)
を示すものとする。尚、横軸は時間t、縦軸は電圧ある
いは電流値を示す。
【0019】図示するように、タイミング制御信号M1
は所定周期T毎に発生するパルス信号であり、タイミン
グ制御信号S1,S2は周期2×T毎に発生するパルス
信号である。図4は、オフセット補償の原理を示すた
め、信号ω1(t),ω2(t),ε1(t),ε2
(t)を同一時間軸上に示した拡大図である。
【0020】まず、第2の角速度センサ6の検出軸が、
図1に示すように、鉛直方向zに向いた状態でのある時
点t1においてタイミング制御信号S1が“H”レベル
となると、上記式(3)の演算処理による第1の演算部
10の出力Δω(t1)をサンプルホールド回路12が
サンプリングして保持する。したがって、図4に示すよ
うに、第1,第2の角速度センサ4,6の出力ω1(t
1)とω2(t2)との差Δω(t1)が保持される。
【0021】ここで、真の角速度をθ(t)、時点t1
において、第1の角速度センサ4のオフセットをε1
(t1)とすれば、実際の出力ω1(t1)は、θ(t
1)+ε1(t1)であり、第2の角速度センサ6のオ
フセットをε2(t1)とすれば、実際の出力ω2(t
1)は、θ(t1)+ε2(t1)であるので、上記式
(3)の関係から、Δω(t1)は、
【0022】
【数6】
【0023】となり、Δω(t1)は、角速度センサ
4,6のオフセットの差となる。次に、タイミング制御
信号M1が“H”レベルとなる時点t2において第2の
角速度センサ6が180°回転すると、その検出軸が逆
方向−zとなるので、出力信号ω2(t2)の値は、逆
極性の旋回角速度−θ(t2)とオフセットε2(t
2)の和となる。
【0024】ここで、もし仮に、第2の角速度センサ6
を180°回転しない場合をω2’(t)とすると、図
3及び図4の点線で示すように、時点t2以後も出力信
号ω2(t)は連続して発生することとなるが、この回
転により出力信号ω2’(t)は不連続に変化し、点線
で示した仮の波形と実線で示した実際の波形では、オフ
セットε2(t2)を中心軸として上下対象の関係とな
る。したがって、点線で示す波形ω2’(t)は、上述
したように、
【0025】
【数7】
【0026】となり、実際の波形は、
【0027】
【数8】
【0028】となる。次に、第2の角速度センサ6の検
出軸が−zの方向に向いている期間中の時点t3におい
て、タイミング制御信号S2が“H”レベルとなると、
上記式(4)の演算処理による第2の演算部14の出力
ε(t3)を第2のサンプルホールド回路16がサンプ
リングして保持する。
【0029】この時点t3において、第1の角速度セン
サ4の出力ω1(t3)は、真の旋回角速度θ(t3)
とオフセットε1(t3)の和であり、第2の角速度セ
ンサ6の出力ω2(t3)は、逆極性の旋回角速度−θ
(t3)とオフセットε2(t3)の和である。この実
施例では、時点t1と時点t3の間隔を、各角速度セン
サ4,6のオフセットの変化をほとんど無視できる程度
の短い期間に設定しているので、ε1(t1)=ε1
(t3)及び、ε2(t1)=ε2(t3)の関係とな
り、第2の角速度センサ6のオフセットε2(t3)
は、
【0030】
【数9】
【0031】となる。ここで、ω2’(t3)は、
【0032】
【数10】
【0033】の関係から、
【0034】
【数11】
【0035】で求まる。更に、上記式(11)より、ω
2’(t3)を上記式(9)に代入することにより、ε
2(t3)が求まる。第2の角速度センサ6のオフセッ
トε2(t3)が求まると、真の角速度θ(t3)は、
θ(t3)=ω2(t3)−ε3(t3)の演算により
求まり、第1の角速度センサ4のオフセットε1(t
3)は、
【0036】
【数12】
【0037】より求まる。即ち、第2のサンプルホール
ド回路16は、第1の角速度センサ4の時点t1におけ
るオフセットε1(t1)を保持する。そして、第1の
サンプルホールド回路12は上記式(5)に示すΔω
(t1)を時点t1ないし次のサンプリング時点t5ま
で保持し、第2のサンプルホールド回路16は、上記式
(12)に示すε(t3)を時点t3ないし次のサンプ
リング時点t7まで保持する。
【0038】したがって、時点t3〜t7の期間に、減
算回路18が上記式(3)の演算処理を行うことによ
り、第1の角速度センサ4の出力ω1(t)からオフセ
ットε(t3)を除去し、真の旋回角速度θ(t)を出
力する。更に、図4(A)ないし(D)に示す所定周期
Tに同期して同じ処理を繰り返すので、図4(G)に示
すように、オフセットが補償された真の旋回角速度θ
(t)が連続して求められる。
【0039】又、積分回路20がこの真の旋回角速度θ
(t)を積分処理することによって移動体の方位角Φが
得られる。このように、この実施例によれば、極めて簡
単な構成によって精度の良いオフセット補償を行うこと
ができ、角速度センサの優れた特徴を損なうことなく高
精度の旋回角速度及び方位角の検出を実現することがで
きる。
【0040】次に、第2の実施例を図5ないし第7図に
基づいて説明する。この実施例は、先の実施例が極めて
短時間に角速度センサのオフセットをサンプリングする
のに対し、ある比較的長い期間におけるオフセットの平
均値を求め、角速度センサの実際の出力からこの平均値
のオフセットを減算処理することによってオフセット補
償を行うものである。尚、装置の全体構造は図1に示す
のと同様である。
【0041】まず、図5に基づいてオフセット補償のた
めの回路を説明する。尚、同図において図1と同一又は
相当する部分を同一符号で示す。24は第3の演算部で
あり、次式(13)に示すように、第1の角速度センサ
4の出力ω1(t)をタイミング制御信号τ2で指定さ
れた期間τ2だけ積分演算する。
【0042】26は第4の演算部であり、次式(14)
に示すように、第1の角速度センサ4の出力ω1(t)
をタイミング制御信号τ1で指定された期間τ1だけ積
分演算する。28は第5の演算部であり、次式(15)
に示すように、第2の角速度センサ6の出力ω2(t)
をタイミング制御信号τ1で指定された期間τ1だけ積
分演算する。
【0043】30は第6の演算部であり、次式(16)
に示すように、第2の角速度センサ6の出力ω2(t)
をタイミング制御信号τ2で指定された期間τ2だけ積
分演算する。
【0044】
【数13】
【0045】
【数14】
【0046】
【数15】
【0047】
【数16】
【0048】32は第7の演算部であり、次式(17)
に示す時間τ1の平均値Pを演算する。
【0049】
【数17】
【0050】12は第1のサンプルホールド回路であ
り、第7の演算部32の出力Pをタイミング制御信号S
1に同期してサンプリングし保持する。34は第8の演
算部であり、第3,第6の演算部24,30の出力B,
Eと、第1のサンプルホールド回路12の保持出力Pに
ついて、次式(18)の演算処理を行う。
【0051】
【数18】
【0052】尚、上記式(18)の第1項はε2を意味
し、第2項は(ε1−ε2)を意味し、Qはε1とな
る。16は第2のサンプルホールド回路であり、第8の
演算部34の出力Qをタイミング制御信号S2に同期し
てサンプリングし保持する。18は減算回路であり、第
1の角速度センサ4からの出力ω1(t)からサンプル
ホールド回路16の保持出力Qを減算処理し、真の旋回
角速度の出力θ(t)を発生する。
【0053】36はタイミング制御回路であり、駆動モ
ータ8を180°毎に回転するためのタイミング制御信
号M1と、サンプルホールドのためのタイミング制御信
号S1,S2及び、演算部24,26,28,30の積
分期間を指定するための制御信号τ1,τ2を発生す
る。次に、かかる構成の方位検出装置の動作を図6及び
図7と共に説明する。
【0054】尚、図6(A)はタイミング制御信号M
1、図6(B)はタイミング制御信号τ1、図6(C)
はタイミング制御信号τ2、図6(D)はタイミング制
御信号S1、図6(E)はタイミング制御信号S2の夫
々の波形を示し、図6(F)は第1の角速度センサ4の
出力信号ω1(t)及びその出力信号ω1(t)に含ま
れるオフセットε1(t)を示し、図6(G)は第2の
角速度センサ4の出力信号ω2(t)及びその出力信号
ω2(t)に含まれるオフセットε2(t)を示し、図
6(H)はサンプルホールド回路16の出力信号Q
(t)を示し、図6(I)は減算回路18の出力信号θ
(t)を示すものとする。尚、横軸は時間t、縦軸は電
圧あるいは電流値を示す。
【0055】図示するように、タイミング制御信号M1
は所定周期T毎に発生するパルス信号であり、タイミン
グ制御信号S1,S2,τ1,τ2は周期2×T毎に発
生する矩形信号である。図7は、オフセット補償の原理
を示すため、信号ω1(t),ω2(t),ε1
(t),ε2(t)を同一時間軸上に示した拡大図であ
る。
【0056】まず、第2の角速度センサ6の検出軸が、
図1に示すように、鉛直方向zに向いた状態での所定時
点t1ないしt2において制御信号τ1が“H”レベル
となることで、第4の演算部26が第1の角速度センサ
4の出力ω1(t)をその期間τ1で積分処理すること
によって演算結果Cを出力し、同時に、第5の演算部2
8が第2の角速度センサ4の出力ω2(t)をその期間
τ1で積分処理することによって演算結果Dを出力す
る。したがって、演算結果Cは図7の期間τ1内に右斜
線で示す面積に相当し、演算結果Dは図7の期間τ1内
に左斜線で示す面積に相当する。
【0057】そして、この積分演算が完了した時点t2
において制御信号S1が“H”レベルとなることによ
り、上記式(17)に示す第7の演算部32の演算結果
Pを第1のサンプルホールド回路12がサンプリングし
て保持する。ここで、演算結果Pの物理的意味を述べる
と、上記式(17)中のC−Dの値は、図7の期間τ1
における面積Cと面積Dの差であり、この差を期間τ1
で時間平均するので、Pは第1の角速度センサ4の出力
信号ω1(t)に含まれるオフセットε1(t)と第2
の角速度センサ6の出力信号ω2(t)に含まれるオフ
セットε2(t)の平均化した差{ε1(t)−ε2
(t)}となる。
【0058】次に、タイミング制御信号M1が“H”レ
ベルとなる時点t3において第2の角速度センサ6が1
80°回転すると、その検出軸が逆方向−zとなるの
で、出力信号ω2(t2)の値は、逆極性の旋回角速度
−θ(t2)とオフセットε2(t2)の和となる。そ
して、次の時点t4〜t5の期間τ2において制御信号
τ2が“H”レベルとなるのに同期して、第3の演算部
24が上記式(13)の積分処理を行うと共に、第6の
演算部30が上記式(16)の積分処理を行う。
【0059】そして、この積分処理が完了した時点t5
における第8の演算部34の出力Qを第2のサンプルホ
ールド回路16がサンプリングして保持する。ここで、
演算結果Qの物理的意味を述べる。上記式(18)中の
Bは、図7中の期間τ2において右斜線で示す面積Bに
相当し、Eは図7中の期間τ2において左斜線で示す面
積Eに相当する。したがって、B+Eは上記式(13)
と(17)の関係から、
【0060】
【数19】
【0061】となる。更に、P×τ2は、
【0062】
【数20】
【0063】である。そして、上記式(19)は、比較
的短い期間τ2については、
【0064】
【数21】
【0065】と等価である。そして、上記式(18)
に、上記式(20),(21)を代入すると、
【0066】
【数22】
【0067】となり、上記式(18)の右辺第1項が第
2の角速度センサ6のオフセットε2(t)となるか
ら、Qは第1の角速度センサ4のオフセットの平均値と
なる。そして、減算回路18が、第1の角速度センサ4
の出力ω1(t)からこのオフセットQ〔=ε1
(t)〕を減算処理することにより、オフセットを補償
した真の旋回角速度θ(t)を出力する。
【0068】そして、時点t6で再び第2の角速度セン
サ6の検出軸が鉛直方向zに向けられ、上述した時点t
1以後の処理が時点t7から繰り返し行われるので、図
6(I)に示すような真の旋回角速度の出力θ(t)が
連続的に得られる。この実施例によれば、ある所定期間
において積分し且つその時間平均によって得られたオフ
セットQによって実測の出力信号ω1(t)からオフセ
ットを除去するようにしており、より安定化した検出精
度を得ることができ、実際の応用において優れた効果を
有する。
【0069】次に、第3の実施例を図8と共に説明す
る。これは、方位角を検出するための方位検出装置であ
り、図5に示した旋回角速度を検出するための方位検出
装置を更に発展させたものである。尚、図8において図
5と同一又は相当する部分を同一符号で示し、タイミン
グ制御信号M1,τ1,τ2,S1,s2は図6(A)
ないし(E)に示すタイミングに設定されている。
【0070】即ち、図5との相違点を述べると、第1の
角速度センサ4の出力ω1(t)を積分する第1の積分
回路38と、第2のサンプルホールド回路16の上記式
(19)に示される出力Qを積分する第2の積分回路4
0が更に追加されており、減算回路18が積分回路38
の出力から積分回路40の出力を減算するように構成さ
れている。
【0071】即ち、積分回路38の出力は旋回角速度θ
(t)とオフセットε1(t)の和の積分値、すなわち
誤差を含んだ方位角φ(t)を出力し、積分回路40は
第1の角速度センサ4のオフセットQ〔=ε1(t)〕
の積分値を出力する。したがって、減算回路18の出力
Φ(t)は、
【0072】
【数23】
【0073】となり、真の旋回角速度θ(t)の積分値
による真の方位角Φ(t)が得られる。この実施例にお
いても、第1の角速度センサのオフセットを時間平均し
て求め、このオフセットの積分値を第1の角速度センサ
の出力の積分値から減算するという簡単な構成で精度の
良いオフセット補償を実現することができ、実際の応用
に即した優れた方位角検出用の方位検出装置を実現する
ことができる。
【0074】尚、これらの実施例では、所謂ディスクリ
ートの電子回路で構成する場合を説明したが、マイクロ
プロセッサ等の演算機能を有する素子を用いて、同様の
機能を有するコンピュータプログラムの処理によって実
現してもよい。これらの実施例では、駆動モータによっ
て角速度センを駆動する場合に限定せず、周知のアクチ
ュエータによって駆動してもよい。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所定周期毎に一対の角速度センサを所定方向へ自動的に
回転させ、所定角度の関係において所定周期毎に一方の
角度センサが回転角速度を他方の角度センサがオフセッ
トを実測し、これらの角度センサの実測回転角速度から
実測のオフセットを減算し、これを所定周期毎に自動的
に繰り返すので、連続的にオフセットの無い真の旋回角
速度を得ることができ、更にこれを積分演算処理するこ
とにより真の方位角を得ることができる。
【0076】そして、構成も簡素・小形且つ安価に実現
することができることから角速度センサの優れた特徴を
損なうことなく、優れたオフセット補償機能を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方位検出装置の概略構造を示す斜視図
である。
【図2】第1の実施例のオフセット補償回路の構成を示
すブロック図である。
【図3】第1の実施例のオフセット補償回路の動作を説
明するためのタイミングチャートである。
【図4】第1の実施例のオフセット補償動作を詳述する
ための波形図である。
【図5】第2の実施例のオフセット補償回路の構成を示
すブロック図である。
【図6】第2の実施例のオフセット補償回路の動作を説
明するためのタイミングチャートである。
【図7】第2の実施例のオフセット補償動作を詳述する
ための波形図である。
【図8】第3の実施例のオフセット補償回路の構成示す
ブロック図である。
【符号の説明】
2;移動体 4;第1の角速度センサ 6;第2の角速度センサ 8;駆動モータ 10;第1の演算部 12;第1のサンプルホールド回路 14;第2の演算部 16;第2のサンプルホールド回路 18;減算回路 20;積分回路 22,36;タイミング制御回路 24;第3の演算部 26;第4の演算部 28;第5の演算部 30;第6の演算部 32;第7の演算部 34;第8の演算部 38;第1の積分回路 40;第2の積分回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動体の進行方向に対する鉛直の方向に常
    に検出軸が向けられた第1の角速度センサと、 該鉛直の方向とそれに対して180°反対側の方向との
    2方向に検出軸の向きを所定周期毎に交互に切り換える
    ように設けられた第2の角速度センサと、 上記第1,第2の角速度センサの検出軸が共に前記鉛直
    の方向に向く毎に、夫々の出力信号の差を演算処理し
    て、第1,第2の角速度センサの検出軸が共に前記鉛直
    の方向に向く次の周期まで、該第1の演算結果を保持す
    る第1の演算手段と、 上記第1の角速度センサの検出軸が鉛直の方向、第2の
    角速度センサの検出軸がそれに対して180°反対側の
    方向に向く毎に、夫々の出力信号と第1の演算手段の保
    持する前記第1の演算結果の和の二分の一の演算処理を
    行い、第1の角速度センサの検出軸が鉛直の方向、第2
    の角速度センサの検出軸がそれに対して180°反対側
    の方向に向く次の周期まで、該第2の演算結果を保持す
    る第2の演算手段と、 第1の角速度センサの出力信号から第2の演算手段の上
    記第2の演算結果を減算処理して、真の旋回角速度の信
    号を出力する減算手段と、を具備することを特徴とする
    方位検出装置。
  2. 【請求項2】移動体の進行方向に対する鉛直の方向に常
    に検出軸が向けられた第1の角速度センサと、 該鉛直の方向とそれに対して180°反対側の方向との
    2方向に検出軸の向きを所定周期毎に交互に切り換える
    ように設けられた第2の角速度センサと、 上記第1,第2の角速度センサの検出軸が共に前記鉛直
    の方向に向く毎に、夫々の出力信号を所定期間(τ1)
    について積分処理して、夫々の積分結果の差の時間平均
    値(P)を求め、更に、第1,第2の角速度センサの検
    出軸が共に前記鉛直の方向に向く次の周期まで、該時間
    平均値(P)を保持する第1の演算手段と、 上記第1の角速度センサの検出軸が鉛直の方向、第2の
    角速度センサの検出軸がそれに対して180°反対側の
    方向に向く毎に、夫々の出力信号を所定期間(τ2)に
    ついて積分処理して、夫々の積分値(B),(E)を求
    め、更に、 【数1】 の演算処理によって第1の角速度センサのオフセット
    (Q)を求めて、第1の角速度センサの検出軸が鉛直の
    方向、第2の角速度センサの検出軸がそれに対して18
    0°反対側の方向に向く次の周期まで、該オフセット
    (Q)を保持する第2の演算手段と、 第1の角速度センサの出力信号から第2の演算手段の上
    記オフセット(Q)を減算処理して、真の旋回角速度の
    信号を出力する減算手段と、を具備することを特徴とす
    る方位検出装置。
  3. 【請求項3】前記減算手段の出力を積分処理することに
    より方位角を出力する積分手段を備えたことを特徴とす
    る請求項1又は請求項2の何れか一項記載の方位検出装
    置。
  4. 【請求項4】移動体の進行方向に対する鉛直の方向に常
    に検出軸が向けられた第1の角速度センサと、 該鉛直の方向とそれに対して180°反対側の方向との
    2方向に検出軸の向きを所定周期毎に交互に切り換える
    ように設けられた第2の角速度センサと、 上記第1,第2の角速度センサの検出軸が共に前記鉛直
    の方向に向く毎に、夫々の出力信号を所定期間(τ1)
    について積分処理して、夫々の積分結果の差の時間平均
    値(P)を求め、更に、第1,第2の角速度センサの検
    出軸が共に前記鉛直の方向に向く次の周期まで、該時間
    平均値(P)を保持する第1の演算手段と、 上記第1の角速度センサの検出軸が鉛直の方向、第2の
    角速度センサの検出軸がそれに対して180°反対側の
    方向に向く毎に、夫々の出力信号を所定期間(τ2)に
    ついて積分処理して、夫々の積分値(B),(E)を求
    め、更に、 【数2】 の演算処理によって第1の角速度センサのオフセット
    (Q)を求めて、第1の角速度センサの検出軸が鉛直の
    方向、第2の角速度センサの検出軸がそれに対して18
    0°反対側の方向に向く次の周期まで、該オフセット
    (Q)を保持する第2の演算手段と、 前記第1の角速度センサの出力を連続して積分処理する
    第1の積分手段と、 前記第2の演算手段のオフセット(Q)を積分処理する
    第2の積分手段と、 第1の積分手段の積分結果から第2の積分手段の積分結
    果をを減算処理することにより、真の方位角を出力する
    減算手段と、を具備することを特徴とする方位検出装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014139561A (ja) * 2012-12-20 2014-07-31 Asahi Kasei Corp 角速度センサの校正装置及びその校正方法
CN109387205A (zh) * 2018-11-30 2019-02-26 歌尔科技有限公司 获取姿态角变化幅度方法、设备及存储介质
WO2021192336A1 (ja) * 2020-03-24 2021-09-30 住友精密工業株式会社 振動型角速度センサ

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