JPH1082329A - ガスタービン装置 - Google Patents

ガスタービン装置

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JPH1082329A
JPH1082329A JP8237879A JP23787996A JPH1082329A JP H1082329 A JPH1082329 A JP H1082329A JP 8237879 A JP8237879 A JP 8237879A JP 23787996 A JP23787996 A JP 23787996A JP H1082329 A JPH1082329 A JP H1082329A
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gas
temperature
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Kunihiko Wada
国彦 和田
Seiichi Suenaga
誠一 末永
Kazuhiro Yasuda
一浩 安田
Hirotaka Inagaki
浩貴 稲垣
Masako Nakabashi
昌子 中橋
Atsuhiko Izumi
敦彦 和泉
Tetsuzo Sakamoto
鉄三 坂本
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Toshiba Corp
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    • F02C3/20Gas-turbine plants characterised by the use of combustion products as the working fluid using a special fuel, oxidant, or dilution fluid to generate the combustion products
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10LFUELS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NATURAL GAS; SYNTHETIC NATURAL GAS OBTAINED BY PROCESSES NOT COVERED BY SUBCLASSES C10G, C10K; LIQUEFIED PETROLEUM GAS; ADDING MATERIALS TO FUELS OR FIRES TO REDUCE SMOKE OR UNDESIRABLE DEPOSITS OR TO FACILITATE SOOT REMOVAL; FIRELIGHTERS
    • C10L1/00Liquid carbonaceous fuels
    • C10L1/10Liquid carbonaceous fuels containing additives
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    • F02C6/00Plural gas-turbine plants; Combinations of gas-turbine plants with other apparatus; Adaptations of gas- turbine plants for special use
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    • F02CGAS-TURBINE PLANTS; AIR INTAKES FOR JET-PROPULSION PLANTS; CONTROLLING FUEL SUPPLY IN AIR-BREATHING JET-PROPULSION PLANTS
    • F02C7/00Features, components parts, details or accessories, not provided for in, or of interest apart form groups F02C1/00 - F02C6/00; Air intakes for jet-propulsion plants
    • F02C7/30Preventing corrosion or unwanted deposits in gas-swept spaces

Abstract

(57)【要約】 【課題】 VやS等による高温部材の腐食を抑えた上
で、V腐食抑制剤等に起因する反応生成物の付着を抑制
することによって、システム稼働率の向上やガスタービ
ンの高寿命化を実現し、また燃焼ガス温度の高温化によ
る効率向上を図る。 【解決手段】 V含有量が0.5ppm以上の燃料の燃焼ガス
により回転させる複数段落の動・静翼を有するガスター
ビン5を具備するガスタービン装置において、V腐食抑
制剤を含まない燃焼ガスによって駆動される少なくとも
段落5aと、V腐食抑制剤を含む燃焼ガスによって駆動
され、燃焼ガス温度を 1458K以下に制御した段落5b、
5cとでガスタービン5を構成する。また、ガスタービ
ンの複数段落に、各段落の温度に応じて種類が異なる燃
焼ガスを供給する。あるいは、 1つの燃焼器に少なくと
も 2系統の燃料供給機構を設け、燃料の種類や混合比に
応じて燃焼温度を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電用のガスター
ビン装置に係り、特に重油や残渣油等の低質油、あるい
は石炭を燃料としたガスタービン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、燃料資源や環境問題の視点から、
ガスタービン等の高温機器における燃料の多様化が積極
的に進められている。各種燃料の中でも、重油や石油精
製プロセスの最後に残る残渣油、あるいはオリマルジョ
ン等のいわゆる低質油は、現在用途が限られており、未
使用分も多い。これらは、コストが低いことや、将来的
な灯油等の高質油の需要の伸びに伴って、必然的に供給
量の増加が見込まれること等から、LNGや灯油、軽油
等の高質な燃料の代替燃料としての利用が期待されてい
る。
【0003】図19に、既存の重油焚きガスタービンシ
ステムの構成例を示す。空気取入れ口1から入った空気
は、圧縮機2で圧縮された後、燃焼器3で燃料タンク4
から供給された燃料と混合・燃焼される。この燃料の燃
焼により生み出された高温・高速の燃焼ガスは、動翼と
静翼との組合せ(以下、動・静翼と記す)を複数段落有
するガスタービン5に送られる。上記した燃焼ガスは、
まず動・静翼の第1段落5aに送り込まれ、燃焼ガスの
エネルギーは動翼の回転運動に変換される。さらに燃焼
ガスは、動・静翼の第2段落5b、第3段落5bを順次
通過し、各段落の動翼を駆動する。この各動翼で得られ
た回転トルクは発電機6に伝わり、発電機6が駆動され
る。このような基本構成は重油焚きガスタービンシステ
ムであっても、LNGや灯油を燃料とする一般的なガス
タービンシステムと同様である。ところで、前述したよ
うな低質油には、V、Na、Κ、Pb、S等の不純物が
多く含まれることから、これらによる高温部材の腐食問
題が極めて深刻である。従って、現状では低質油の利用
に際しては燃料の前処理が不可欠となっており、重油焚
きガスタービンシステムには燃料前処理機構7が付帯し
ている。
【0004】図20に、従来の重油焚きガスタービンシ
ステムにおける燃料前処理機構7の構成例を示す。燃料
タンク4から供給された重油は、タンク8から供給され
た純水と遠心分離器9で混合・遠心分離されて、Na、
K等の水溶性の腐食性元素が除去される。しかし、腐食
性元素の中でもバナジウム(V)は難水溶性であるた
め、水による遠心分離法を用いても除去できない。この
ため、燃料移送ポンプ10を介してガスタービン5に燃
料を送る際に、MgSO4 等のMg化合物やSi化合物
等を水と混合したV腐食抑制剤を、腐食抑制剤タンク1
1から燃料に添加して、ガスタービン5における高温部
材のV腐食の低減を図っている。
【0005】しかしながら、上述した従来のガスタービ
ンシステムでは、ガスタービン5の第1段落5aの動・
静翼のように、高温の燃焼ガスに曝される段落におい
て、V腐食抑制剤として添加したMgと燃焼ガス雰囲気
中に含まれる元素との反応生成物であるMgSO4 、M
3 2 8 、MgO等が翼部に著しく付着するため、
流路面積の減少によるシステムの出力低下や、冷却孔の
閉塞による部材温度の上昇に伴う材料劣化が起こるとい
う問題があった。
【0006】これらの問題に対処するために、現状では
固体粒子を燃焼ガス中に混入させて機械的に付着物を取
り除いたり、またシステム停止時に水や薬品を用いた化
学的なクリーニングを行っている。図21は、湿式クリ
ーニング装置の代表的な構成を示す図であり、純水タン
ク12からポンプ13により純水を送り込み、燃焼器3
やガスタービン5の内部を洗浄する機構になっている。
しかし、このようなガスタービン5の頻繁な洗浄は、ガ
スタービンシステムの稼働率低下の要因となっている。
また、上記したようなクリーニングを実施したとして
も、基本的には反応生成物の付着を抑制する必要がある
ため、ガスタービンの入口温度は低温側に限定されてい
るのが現状である。
【0007】さらに、低質油や石炭等の燃料を用いたガ
スタービンシステムでは、燃料中に含まれる硫黄による
硫化腐食の問題も指摘されている。すなわち、硫黄と高
温部材の基材となる超合金中に含まれるニッケル等とが
反応して生成する化合物の融点が低いために、硫化物に
よる液相が腐食の先端部で形成され、これが粒界等を選
択的に腐食して基材の強度を急速に低下させるという問
題がある。また、超合金表面に形成される保護性酸化被
膜を、その表面に付着したNa2 SO4 等の溶融塩が溶
解して、酸化被膜の保護効果を消失させることによって
も、急速な基材強度の低下等が起こることが知られてい
る。この硫化腐食に対しては、従来、高Crの超合金や
耐食コーティングを使用した防食が行われているが、必
ずしも十分な効果は得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のガスタービン装置は、V腐食抑制剤を添加した燃料を
燃焼させたガスを、直接ガスタービンに送り込む構造と
なっているため、特に高温となる第1段落の動・静翼に
おいて、V腐食抑制剤に含まれるMgを主成分とする反
応生成物(灰分)の付着が生じ、流路面積の減少に伴う
出力低下や冷却孔の閉塞による著しい材料劣化等を招く
という問題を有していた。また、このV腐食抑制剤によ
る反応生成物の付着は、ガスタービンの使用温度を限定
しており、例えばタービン入口温度が 1473K以上の高効
率のガスタービンの利用の妨げとなっていた。また、硫
黄分の多い低質油や石炭等の燃料を用いると、ガスター
ビンの動・静翼に硫黄による硫化腐食が起こり、これが
ガスタービンの寿命を決定する 1つの要因となってい
る。
【0009】このようなことから、従来のガスタービン
装置では、例えばVによる高温部材の腐食を抑えた上
で、V腐食抑制剤に起因する反応生成物の付着を抑制す
ることによって、システム稼働率の向上やガスタービン
の高寿命化を実現し、さらには燃焼ガス温度の高温化に
よる効率の向上を図ることが課題とされている。また、
硫黄による高温部材の腐食を抑制することによって、ガ
スタービンの長寿命化を実現し、さらには燃焼ガス温度
の高温化による効率の向上を図ることが課題とされてい
る。
【0010】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、低質油や石炭等の腐食性の高い燃料
を用いる場合において、高温部材の腐食を抑制した上
で、稼働率の向上や長寿命化を達成すると共に、燃焼ガ
ス温度の高温化を可能にしてガスタービンの効率を向上
させたガスタービン装置を提供することを目的としてい
る。さらに本発明は、出力の要求に応じて同一の燃焼器
で燃料を切り替え、燃料の種類により燃焼器出口温度を
制御することによって、ガスタービンシステムの幅広い
運転条件下での熱効率と経済性を向上させると共に、低
質油利用のガスタービンの寿命と信頼性を向上させたガ
スタービン装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のガスタービン装
置は、例えば低質油や石炭等の腐食性の高い燃料の使用
方法やV腐食抑制剤の添加方法等を改善することによっ
て、上記課題を解決したものである。
【0012】すなわち、請求項1記載のガスタービン装
置は、圧縮した空気と燃料とが導入され、前記燃料を燃
焼させる燃焼器と、前記燃料の燃焼ガスにより回転させ
る複数段落の動・静翼を有するガスタービンとを具備
し、前記燃料がバナジウムを0.5ppm以上含有すると共
に、前記バナジウムによる腐食を抑制する腐食抑制剤を
前記燃料または燃焼ガス中に投入する機構を有するガス
タービン装置において、前記ガスタービンは、前記腐食
抑制剤を含まない燃焼ガスによって駆動される少なくと
も 1つの段落と、前記腐食抑制剤を含む燃焼ガスによっ
て駆動される少なくとも 1つの段落とを有することを特
徴としており、より具体的には例えば請求項2に記載し
たように、前記腐食抑制剤を含まない燃焼ガスによって
駆動される段落は、前記腐食抑制剤を含む燃焼ガスによ
って駆動される段落より、前記燃焼ガス流の上流側に配
置されていることを特徴としている。
【0013】また、請求項3記載のガスタービン装置
は、請求項1記載のガスタービン装置において、前記腐
食抑制剤を含まない燃焼ガスによって駆動される段落と
前記腐食抑制剤を含む燃焼ガスによって駆動される段落
との間に、前記燃焼ガスと腐食抑制剤との反応を促進さ
せる高温反応器を有することを特徴としている。請求項
4記載のガスタービン装置は、請求項1記載のガスター
ビン装置において、前記ガスタービンの第1段落の前に
設けられた前記燃焼器に加えて、前記ガスタービンの段
落間に設けられた少なくとも 1つの再熱用燃焼器を有
し、前記再熱用燃焼器で使用する前記バナジウムを0.5p
pm以上含有する燃料に、前記腐食抑制剤を投入するよう
構成されていることを特徴としている。
【0014】請求項5記載のガスタービン装置は、圧縮
した空気と燃料とが導入され、前記燃料を燃焼させる燃
焼器と、前記燃料の燃焼ガスにより回転させる複数段落
の動・静翼を有するガスタービンとを具備するガスター
ビン装置において、前記ガスタービンの複数段落に、各
段落の温度に応じて、種類が異なる燃焼ガスを供給する
よう構成されていることを特徴としており、より具体的
には例えば請求項6に記載したように、前記種類が異な
る燃焼ガスとして、硫黄酸化物の含有量が 100ppm 以下
の燃焼ガスと、硫黄酸化物の含有量が100ppmを超える燃
焼ガスとを用いることを特徴としている。
【0015】請求項7記載のガスタービン装置は、圧縮
した空気と燃料とが導入され、前記燃料を燃焼させる第
1段の燃焼器と、前記燃料の燃焼ガスにより回転させる
複数段落の動・静翼を有するガスタービンとを具備し、
さらに前記第1段の燃焼器に加えて、前記ガスタービン
の段落間に設けられた少なくとも 1つの再熱用燃焼器を
有するガスタービン装置において、前記第1段の燃焼器
および再熱用燃焼器に、各燃焼器以降の前記ガスタービ
ンの段落の温度に応じて、種類が異なる燃料を供給する
よう構成されていることを特徴としている。
【0016】上記した請求項7記載のガスタービン装置
は、より具体的には例えば請求項8に記載したように、
前記第1段の燃焼器にはバナジウム含有量が0.5ppm未満
の燃料を供給し、前記再熱用燃焼器にはバナジウム腐食
抑制剤を混合したバナジウム含有量が0.5ppm以上の燃料
を供給する、あるいは請求項9に記載したように、前記
第1段の燃焼器には硫黄含有量が 1.5重量% 以下の燃料
を供給し、前記再熱用燃焼器には硫黄含有量が 1.5重量
% を超える燃料または石炭ガスを供給することを特徴と
している。
【0017】図1に各種の腐食現象と温度との関係を示
す。低質油を用いたガスタービンで問題となるバナジウ
ム(V)腐食のピークは673Kから873Kの範囲にあり、こ
れ以下の温度であると、V酸化物を主とする腐食性生成
物が液相を形成しないので腐食性は低減する。一方、上
記温度範囲以上であると、腐食性生成物の粘性が低下し
てその付着量自体が減少するため、やはり腐食性は低減
する。ここで、V腐食抑制剤を主成分とした灰の翼部へ
の付着が著しい第1段落の動・静翼は、上記した温度範
囲を超えているために、むしろVによる腐食自体はあま
り問題とはならない。
【0018】請求項1記載のガスタービン装置において
は、V腐食抑制剤を含まない燃焼ガスによって駆動され
る段落と、V腐食抑制剤を含む燃焼ガスによって駆動さ
れる段落とを設けることによって、V腐食抑制剤による
灰の付着が激しい高温の段落の前では腐食抑制剤の投入
を避け、V腐食が著しい温度領域の段落の直前にV腐食
抑制剤を投入することを可能としているため、V腐食抑
制剤による灰の付着を抑制しつつ、高温部材のV腐食を
防ぐことができる。なお、V腐食抑制剤を含む燃焼ガス
が、V腐食抑制剤による灰の主成分であるMgSO4
融点である1458K 以上となる温度領域を通過すると、灰
が液相を形成して強固に翼部等の部材表面に付着するこ
とから、V腐食抑制剤を含む燃焼ガスで駆動される段落
の温度は1458K未満とすることが好ましい。
【0019】ここで、V腐食抑制剤の投入段階での燃焼
ガス温度が低下しすぎると、V腐食抑制剤と燃焼ガス中
のVとの反応性が低下して、V腐食抑制剤の効果が損わ
れるおそれがある。請求項3記載のガスタービン装置に
おいては、燃焼ガスとV腐食抑制剤との反応を促進させ
る高温反応器を設けているため、燃焼ガス中のVと腐食
抑制剤とを十分に反応させた状態で低温のガスタービン
段落に燃焼ガスを導入することができる。従って、低温
のガスタービン段落のV腐食を効果的に防ぐことができ
る。
【0020】また、請求項4記載のガスタービン装置
は、ガスタービンの段落間にも燃焼器を設けた再熱サイ
クル式のガスタービンシステムにおいて、このガスター
ビンの段落間に設けられた再熱用燃焼器で使用する燃料
のみにV腐食抑制剤を投入しているため、V腐食抑制剤
を含まない燃焼ガスによって駆動される段落を経た燃焼
ガス中のV、および再熱用燃焼器で使用する燃料中のV
と腐食抑制剤とを良好に反応させることができる。そし
て、再熱用燃焼器より下流側に存在する段落のガス温度
を、上記したV腐食抑制剤による灰の主成分であるMg
SO4 の融点1458K 未満に保つことによって、それ以前
にある段落の燃焼ガス温度は、低質油を燃料としていて
も 1458K以上の温度とすることができる。すなわち、従
来に比べ高温のガスタービン装置の構築が可能となり、
ガスタービン装置の熱効率の向上を図ることができる。
【0021】請求項5記載のガスタービン装置において
は、ガスタービンの各段落の温度を考慮して、多種類の
燃焼ガスを使用しているため、図1に示した各種の腐食
現象のピーク温度を回避しつつ、効率に優れたガスター
ビンシステムの構築が可能となる。
【0022】例えば、石炭等の硫黄を高濃度に含む燃料
を利用した場合に問題となる硫化腐食現象は、その腐食
量のピークを 1073K程度に有していることが、図1から
分かる。前述したV腐食抑制剤の付着問題とは異なり、
硫化腐食では高温部材の温度自体が問題となるので、硫
黄を比較的多く含有する燃焼ガスを使用するガスタービ
ン段落の部材温度を 1073K未満に制御する。そして、請
求項6に記載したように、例えば硫黄酸化物(SOx
の含有量が100ppm以下の燃焼ガスと、硫黄酸化物(SO
x )の含有量が100ppmを超える燃焼ガスとを用いて、ガ
スタービンの高温の段落には硫黄酸化物(SOx )の含
有量が100ppm以下の燃焼ガスを使用すると共に、部材温
度が 1073K以上の動・静翼を利用し、かつ部材温度が 1
073K未満となる低温の段落には硫黄酸化物(SOx )の
含有量が100ppmを超える燃焼ガスを使用すれば、腐食性
の高い燃焼ガスを使用して燃料コストを低下させた上
で、高温部材の硫化腐食を回避しつつ、熱効率が高いガ
スタービンシステムの構築が可能となる。
【0023】また、請求項7記載のガスタービン装置に
おいては、第1段の燃焼器と再熱用燃焼器に、各燃焼器
以降のガスタービンの段落温度を考慮して種類の異なる
燃料を使用しているため、図1に示した各種の腐食現象
のピーク温度を回避しつつ、効率に優れたガスタービン
システムの構築が可能となる。
【0024】例えば請求項8に記載したように、第1段
の燃焼器にはV含有量が0.5ppm未満の燃料を供給すると
共に、例えばそれ以降のガスタービン段落の温度が 145
8K未満となる再熱用燃焼器にはV腐食抑制剤を混合した
V含有量が0.5ppm以上の燃料を供給することによって、
腐食性の高い燃料を使用して燃料コストを低下させた上
で、高温部材のV腐食を回避しつつ、従来の低質油利用
のガスタービンに比べて熱効率を格段に向上させること
が可能となる。
【0025】また、例えば請求項9に記載したように、
第1段の燃焼器には硫黄含有量が1.5重量% 以下の燃料
を供給すると共に、例えばそれ以降のガスタービン段落
の部材温度が 1073K未満となる再熱用燃焼器には硫黄含
有量が 1.5重量% を超える燃料や石炭ガスを供給するこ
とによって、腐食性の高い燃料を使用して燃料コストを
低下させた上で、高温部材の硫化腐食を回避しつつ、前
段側の高温の段落によってガスタービンシステムとして
高い熱効率を維持することが可能となる。
【0026】請求項10記載のガスタービン装置は、圧
縮機により圧縮した空気と燃料とが導入され、前記燃料
を燃焼させる燃焼器と、前記燃料の燃焼ガスにより回転
させる動・静翼を有するガスタービンとを具備するガス
タービン装置において、 1つの燃焼器に対して少なくと
も 2系統の燃料供給機構を設け、燃料の種類と燃料の混
合比により燃焼温度を調整するよう構成されていること
を特徴としている。
【0027】また、請求項11記載のガスタービン装置
は、請求項10記載のガスタービン装置において、前記
燃焼器にバナジウム含有量が0.5ppm未満の燃料と、バナ
ジウム含有量が0.5ppm以上の燃料とを供給し、前記バナ
ジウム含有量が0.5ppm未満の燃料ではタービン入り口温
度を 1458K以上とし、かつ前記バナジウム含有量が0.5p
pm以上の燃料ではタービン入り口温度を 1458K未満とす
ることを特徴としている。
【0028】上述した請求項10および請求項11記載
のガスタービン装置のより具体的な構成として、請求項
12記載のガスタービン装置は、前記圧縮器は可変静翼
を有し、前記燃料の種類と混合比により前記圧縮器の可
変静翼の角度を制御する機構を具備することを特徴とし
ている。請求項13記載のガスタービン装置は、前記燃
料の種類と混合比により前記燃焼器に投入する水または
蒸気の量を制御する機構を具備することを特徴としてい
る。請求項14記載のガスタービン装置は、前記燃料の
種類と混合比により前記燃焼器に投入する冷却空気の量
を制御する機構を具備することを特徴としている。
【0029】請求項10記載のガスタービン装置におい
ては、高負荷時には灯油やLNG等の腐食の少ない燃料
による高温の燃焼ガスを利用して高い熱効率を実現し、
一方低負荷時には、燃焼温度を低くして重油や残渣油等
の低質油を利用することによって腐食問題を回避し、ガ
スタービンの信頼性を損うことなく、低質油を用いるこ
とが可能となる。さらに、低質油利用時に翼の表面に付
着した腐食灰を、高負荷時に 1573K程度の灰の融点より
かなり高い温度に曝すことによって、溶融腐食灰の粘性
を低くして翼表面から取り除いたり、あるいは高温腐食
を促進することが知られている塩素や塩化物を高温の状
態で雰囲気中に蒸発させることによって高温腐食の進行
を遅延し、ガスタービン翼の寿命を延ばすことができ
る。従って請求項10記載のガスタービン装置によれ
ば、あらゆる運転条件に対して最適な熱効率を実現し、
かつ運転コストの低いガスタービンシステムを構築する
ことが可能であり、信頼性や寿命も従来の低質油を利用
したガスタービンに比べ格段に改善することができる。
【0030】また、請求項11記載のガスタービン装置
においては、灯油やLNG等の燃焼モードではタービン
入り口のガス温度を 1458K以上とし、高温の燃焼ガスに
よってガスタービンの段落を駆動して高い熱効率を実現
する。これに対して、重油や残渣油等の燃焼モードで
は、タービン入り口のガス温度を付着灰の主成分である
MgSO4 の融点 1458K未満に制御することによって、
灰の付着を回避したガスタービンの運転が可能となる。
この温度を目安とした運転条件の制御によって、格段に
ガスタービンの寿命や信頼性を向上することが出来る。
【0031】さらに、請求項12記載のガスタービン装
置においては、例えばバナジウムを0.5ppm以上含有する
燃料では、圧縮機入り口の空気流量を調節する可変静翼
(IGV)の開度を上げて空気流量を増やすことにより
燃焼温度を低減し、燃焼温度制限内での運転可能負荷帯
を拡大し、バナジウム含有量が0.5ppm未満の燃料では可
変静翼(IGV)の開度を下げて燃焼ガス温度を上昇さ
せることにより、高排ガス温度運転が可能となる。これ
によって、請求項10および請求項11記載のガスター
ビン装置をより具体的に実現することが可能となる。
【0032】請求項13記載のガスタービン装置におい
ては、バナジウムを0.5ppm以上含む燃料を使用した場合
に、燃焼器内への水あるいは蒸気の噴射量を制御するこ
とによって燃焼ガス温度を適宜低くして、低質油による
運転状態では燃焼ガス温度を1458K未満になるように制
御し、逆に高質油あるいはLNGの場合には燃焼ガス温
度を高くすることによって、請求項10および請求項1
1記載のガスタービン装置をより具体的に実現すること
が可能となる。
【0033】請求項14記載のガスタービン装置におい
ては、バナジウムを0.5ppm以上含む燃料を使用した場合
に、燃焼器内へ直接導入する冷却空気の量を適宜増加し
て、低質油による運転状態では燃焼ガス温度を 1458K未
満とし、逆に高質油あるいはLNGの場合には燃焼ガス
温度を高くすることによって、請求項10および請求項
11記載のガスタービン装置をより具体的に実現するこ
とが可能となる。
【0034】なお、必要に応じて、請求項12記載のガ
スタービン装置と請求項13、請求項14記載のガスタ
ービン装置とを組み合わせた燃焼ガス温度の制御を選択
することも可能である。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0036】図2は請求項1記載のガスタービン装置の
一実施形態の構成を示す図である。なお、図19に示し
た従来のガスタービン装置と同一部分については同一符
号を付す。
【0037】図2に示すガスタービン装置において、燃
焼器3には圧縮機2で圧縮された空気が供給されると共
に、燃料タンク4から重油、残渣油、オリマルジョン等
の低質油からなる燃料(低質油燃料)が直接供給され
る。なお、ここで言う低質油燃料とは、バナジウム
(V)を0.5ppm以上含有する低質油からなる燃料であっ
て、通常、Vによる高温部材の腐食を抑制するためにV
腐食抑制剤の添加が必要な燃料である。
【0038】燃焼器3に直接供給されたVを0.5ppm以上
含有する低質油燃料は、燃焼器3で圧縮空気と混合・燃
焼される。この燃焼により得られたV腐食抑制剤を含ま
ない燃焼ガスは、まず複数段落の動・静翼を有するガス
タービン5の第1段落5aに送り込まれる。ここで、ガ
スタービン5の第1段落5aは、上記した燃焼ガスが直
接送り込まれるために、通常 1473K以上というように、
図1に示したV腐食が著しい温度領域を超える温度とな
る。従って、V腐食抑制剤を含まない低質油燃料の燃焼
ガスであっても、動翼および静翼を構成する高温部材の
V腐食が問題となることはない。
【0039】ガスタービン5の第1段落5aを経た燃焼
ガスは、動・静翼の第2段落5bに送られる。ここで、
燃焼ガス流の下流側に存在する第2段落5b以降の段
落、すなわち第2段落5bおよび第3段落5cは、燃焼
ガス温度が低下してV腐食が著しい温度領域となるおそ
れが大きい。そこで、この実施形態のガスタービン装置
は、第2段落5bの直前で第1段落5aを経た燃焼ガス
中に、V腐食抑制剤を腐食抑制剤タンク11から腐食抑
制剤移送ポンプ14を介して独立して導入するように構
成されている。なお、V腐食抑制剤は圧縮機2の途中か
ら取り出した圧縮空気と共に導入するようにしてもよ
い。上記したV腐食抑制剤としては、例えば従来技術で
示したように、MgSO4 等のMg化合物と水とを混合
したものが使用される。
【0040】ここで、V腐食抑制剤を含む燃焼ガスの温
度が、V腐食抑制剤による灰の主成分であるMgSO4
の融点である 1458K以上となると、灰が液相を形成して
強固に翼部等の高温部材表面に付着することから、V腐
食抑制剤を添加した後のガスタービン段落、すなわち第
2段落5b以降の段落の燃焼ガス温度は、 1458K未満と
することが好ましい。実用的には第2段落5b以降の段
落の燃焼ガス温度は1373〜 1173Kとすることがより好ま
しい。
【0041】発電機6は、V腐食抑制剤を含まない燃焼
ガスで駆動される第1段落5a、V腐食抑制剤を添加し
た燃焼ガスで駆動される第2および第3段落5b、5c
の各動翼で得られた回転トルクによって駆動される。
【0042】このように、高温となるガスタービン5の
第1段落5aにはV腐食抑制剤を含まない燃焼ガスを供
給し、かつ比較的温度の上昇しない第2段落5b以降に
はV腐食抑制剤を投入すると共に、V腐食抑制剤を投入
する第2段落5b以降の燃焼ガス温度を、V腐食抑制剤
による灰の付着を抑制し得る 1458K未満とすることによ
って、従来最もV腐食抑制剤による灰の付着の激しかっ
た第1段落5aでの付着をなくした上で、第2段落5b
や第3段落5cでのV腐食を効果的に抑制することがで
きる。従って、ガスタービン5に用いる高温部材のV腐
食を抑制して長寿命化を達成した上で、V腐食抑制剤に
よる灰のクリーニング間隔を大幅に広げることができ、
メンテナンス費用を削減することが可能となると共に、
ガスタービン装置の稼働率を改善することができる。
【0043】なお、図2に示したガスタービン装置で
は、第2段落5bの直前にV腐食抑制剤を投入する構成
について説明したが、第2段落5bにおける燃焼ガス温
度をV腐食が著しい温度領域を超える温度を維持できる
場合には、第3段落5cの直前にV腐食抑制剤を投入す
るように構成してもよい。
【0044】図3は請求項3記載のガスタービン装置の
一実施形態の構成を示す図である。図3に示すガスター
ビン装置は、ガスタービン5の第1段落5aと第2段落
5bとの間に、燃焼ガスとV腐食抑制剤との反応を促進
する高温反応器15を有している。この高温反応器15
には、圧縮機2の中段から取り出した圧縮空気と燃料タ
ンク11から低質油燃料、並びに腐食抑制剤タンク11
からV腐食抑制剤が供給され、この高温反応器15でV
腐食抑制剤を燃料と混合し、さらに高温で反応例えば燃
焼させる。そして、このV腐食抑制剤と十分に反応させ
た燃焼ガスを、主流となる第1段落5aを経た燃焼ガス
中に導入する。
【0045】このように、ガスタービン5の段落間に高
温反応器15を設けることにより、V腐食抑制剤と燃焼
ガス中のVとの反応を加速することができ、従って十分
にVによる腐食性を低減した後に、後段の第2段落5b
に燃焼ガスを導入することが可能となる。これによっ
て、ガスタービン5の第2段落5b以降の高温部材のV
腐食を確実に抑制することができる。高温反応器15か
ら第2段落5bに送る燃焼ガスの温度を 1458K未満とす
ることは前述した通りである。
【0046】なお、高温反応器15は、低質油燃料の燃
焼に相当するような高温にしなければならないものでは
なく、低質油燃料とV腐食抑制剤との反応が速やかに進
行するような温度であればよい。また、高温反応器15
で第1段落5aを経た燃焼ガスとV腐食抑制剤とを直接
反応させるようにしてもよい。
【0047】図4は、請求項4記載のガスタービン装置
の一実施形態を示す図である。図4に示すガスタービン
装置は、ガスタービン16の第1段落16aの前に設け
られた第1段の燃焼器3に加えて、ガスタービン段落間
に設けられた第2段の再熱用燃焼器17を有しており、
いわゆる再熱サイクル式のガスタービン装置である。こ
の実施形態では、第1段の燃焼器3の下流側にガスター
ビン16の第1および第2段落16a、16bが配置さ
れ、第2段落16bと第3段落16cとの間に再熱用燃
焼器17が配置されており、この再熱用燃焼器17の下
流側には第3および第4段落16c、16dが設けられ
ている。
【0048】なお、各燃焼器3、17の後ろに設けるガ
スタービン段落の数は、システムの仕様に応じて適宜設
定可能である。また、燃焼器の段数も 2段に限られるも
のではなく、さらに多くの燃焼器を設けることもでき
る。
【0049】上述した再熱サイクル式ガスタービン装置
においては、まず燃焼器3には図1に示した実施形態と
同様に、圧縮機2で圧縮された空気が供給されると共
に、燃料タンク4からVを0.5ppm以上含有する低質油燃
料の一部が直接供給される。この第1段の燃焼器3によ
る燃焼で得られたV腐食抑制剤を含まない燃焼ガスは、
ガスタービン16の第1段落16aに送られ、続いて第
2段落16bに送られ、これら第1および第2段落16
a、16bの各動翼を回転させる。
【0050】ガスタービン16の第2段落16bを経た
燃焼ガスは、第2段の再熱用燃焼器17に送られる。こ
の再熱用燃焼器17には、途中で腐食抑制剤タンク11
からV腐食抑制剤が投入された低質油燃料(Vを0.5ppm
以上含有)が燃料タンク4から供給されると共に、圧縮
機2の中間から取り出した圧縮空気が供給され、V腐食
抑制剤が混合された低質油燃料が燃焼される。このV腐
食抑制剤を含む燃焼ガスは、第2段落16bを経た燃焼
ガスと合流した後、後段の第3段落16cに送られ、続
いて第4段落16dに送られ、これら第3および第4段
落16c、16dの各動翼を回転させた後、最終的にシ
ステム外へ排出される。
【0051】ここで、V腐食抑制剤を含む燃焼ガスが供
給される、第3および第4段落16c、16dにおける
燃焼ガス温度は、前述したようにV腐食抑制剤による灰
の主成分であるMgSO4 の融点(1458K)未満の温度と
する。このように、第3および第4段落16c、16d
における燃焼ガス温度を、再熱用燃焼器17で 1458K未
満に制御することによって、V腐食抑制剤による灰の付
着を回避することができる。一方再熱用燃焼器17より
前段の第1および第2段落16a、16bは、V腐食抑
制剤を含まない燃焼ガスにより駆動されるため、燃焼ガ
ス温度を 1458K未満の温度に制御する必要はなく、第1
段落16aに燃焼器3から供給する燃焼ガスの温度は熱
効率の高い例えば 1473K以上とすることができる。
【0052】このようにして熱効率の高い高温ガスター
ビン段落を利用することが可能となることから、従来の
重油焚きガスタービン装置等では利用できなかった 145
8K以上の高温燃焼ガスからエネルギーを取り出すことが
できる。これによって、図1に示した効果に加えて、低
質油を利用したガスタービン装置の熱効率を飛躍的に向
上させることが可能となる。なお、ガスタービン16に
用いる高温部材の高寿命化、V腐食抑制剤による灰のク
リーニング間隔の増大、それによるメンテナンス費用の
削減およびガスタービン装置の稼働率の向上について
は、図1に示した実施形態のガスタービン装置と同様で
ある。
【0053】次に、本発明の他のガスタービン装置の実
施形態について説明する。図5は請求項5記載のガスタ
ービン装置の一実施形態の構成を示す図である。図5に
示すガスタービン装置は、加圧流動床による石炭火力発
電に本発明を適用した場合の構成例を示している。
【0054】まず、燃焼器3には、圧縮機2で圧縮され
た空気が供給されると共に、燃料タンク21から比較的
腐食性の低い燃料、例えば灯油やLNG等の硫黄含有量
が1.5重量% 以下の燃料が供給される。この燃焼器3で
の燃焼により得られた腐食性の低い、すなわち硫黄酸化
物(SOx )濃度が100ppm以下の燃焼ガスは、ガスター
ビン16の第1段落16aに送られ、続いて第2段落1
6bに送られ、これら第1および第2段落16a、16
bの各動翼を回転させる。
【0055】ガスタービン16の第2段落16bを経た
燃焼ガスは、次いで第3段落16cに送られるが、この
第3段落16cには第2段落16bを経た燃焼ガスに加
えて流動床ボイラ22から石炭燃焼ガスが送られる。流
動床ボイラ22には、タンク23から石炭と石灰石との
混合物が供給され、さらに圧縮機2の中間から取り出し
た圧縮空気が供給されて石炭を燃焼させ、生成したガス
からサイクロン24で灰分を除いた後、石炭燃焼ガスと
して第3段落16cに供給される。第3段落16cおよ
び第4段落16dは、第2段落16bを経たLNG等の
燃焼ガスと流動床ボイラ23からの石炭燃焼ガスとの混
合ガスによって回転される。
【0056】ここで、石炭燃焼ガスは高濃度、例えば10
0ppmを超える硫黄酸化物(SOx )を含み、硫化腐食を
起こしやすいガスであるが、図1に示したように、硫化
腐食による腐食量のピークは 1073K程度であるため、石
炭燃焼ガスを利用するガスタービン段落、すなわち第3
段落16c以降の段落温度を 1073K未満とすることによ
って、硫化腐食を抑制することができる。ただし、V腐
食抑制剤による灰の付着とは異なり、硫化腐食はガスタ
ービン16を構成する高温部材の温度自体が問題となる
ため、第3段落16c以降は動・静翼の部材温度(特に
基材温度)を1073K未満に制御する。実用的には第3段
落16c以降の動・静翼の部材温度は1023K以下とする
ことがより好ましい。
【0057】このように、石炭燃焼ガスが通過する第3
および第4段落16c、16dの部材温度を 1073K未満
に制御すれば、石炭燃焼ガスを使用して燃料コストを低
下させた上で、石炭燃焼ガスに多量に含まれる硫黄分に
よるガスタービン16を構成する高温部材の硫化腐食を
回避することができ、高温部材の寿命を改善することが
可能となる。また、硫黄分による高温腐食が問題となる
高温側の第1および第2段落16a、16bでは、石炭
燃焼ガスとは異なる灯油やLNG等の硫黄含有量が少な
い燃料の燃焼ガスを使用することによって、硫化腐食を
回避した上でガスタービン装置の熱効率を向上させるこ
とが可能となる。
【0058】図6は請求項7および請求項9記載のガス
タービン装置の一実施形態の構成を示す図である。図6
に示すガスタービン装置は、石炭ガス化炉を本発明に適
用した再熱サイクル式ガスタービン装置の構成例であ
る。
【0059】図6に示すガスタービン装置は、図4示し
たガスタービン装置と同様に、ガスタービン16の第1
段落16aの前に設けられた第1段の燃焼器3に加え
て、ガスタービン段落間すなわち第2段落16bと第3
段落16cとの間に配置された第2段の再熱用燃焼器1
7を有している。なお、各燃焼器3、17の後ろに設け
るガスタービンの段落数や燃焼器の段数は、図4示した
ガスタービン装置と同様に適宜設定可能である。
【0060】上述した再熱サイクル式ガスタービン装置
においては、まず燃焼器3には図5に示した実施形態と
同様に、圧縮機2で圧縮された空気が供給されると共
に、燃料タンク21から比較的腐食性の低い燃料、例え
ば灯油やLNG等の硫黄含有量が 1.5重量% 以下の燃料
が供給される。この燃焼器3による燃焼で得られた腐食
性の低い、すなわち硫黄酸化物(SOx )濃度が100ppm
以下の燃焼ガスは、ガスタービン16の第1段落16a
に送られ、続いて第2段落16bに送られ、これら第1
および第2段落16a、16bの各動翼を回転させる。
【0061】ガスタービン16の第2段落16bを経た
燃焼ガスは、第2段の再熱用燃焼器17に送られる。こ
の再熱用燃焼器17には、石炭ガス化装置25から石炭
ガスが供給される。石炭ガス化装置25においては、ま
ずタンク23からガス化炉26に供給された石炭は、こ
のガス化炉26でガス化剤供給管27から供給された酸
素や空気等のガス化剤と高温・高圧下で反応して石炭ガ
スとなる。この石炭ガスはサイクロン24で灰分を取り
除いた後、排熱回収装置28、脱硫装置29、脱塵装置
30を順次通過して、再熱用燃焼器17に供給される。
【0062】第2段の再熱用燃焼器17には、上記した
石炭ガスにと共に、圧縮機2の中間から取り出した圧縮
空気が供給され、石炭ガスが燃焼される。この石炭ガス
の燃焼ガス、すなわち例えば100ppmを超える硫黄酸化物
(SOx )を含む石炭燃焼ガスは、第2段落16bを経
た燃焼ガスと合流した後、後段の第3段落16cに送ら
れ、続いて第4段落16dに送られ、これら第3および
第4段落16c、16dの各動翼を回転させる。
【0063】なお、石炭燃焼ガスが供給されるガスター
ビン16の第3段落16c以降の段落温度は、図5に示
したガスタービン装置と同様に硫化腐食を抑制するため
に、動・静翼の部材温度が1073K 未満となるように制御
される。
【0064】このように、石炭燃焼ガスが通過する第3
および第4段落16c、16dの部材温度を 1073K未満
に制御すれば、石炭燃焼ガスに多量に含まれる硫黄分に
よるガスタービン16を構成する高温部材の高温腐食を
回避することができ、石炭ガス使用による燃料コストの
低減と高温部材の寿命改善を図ることが可能となる。ま
た、硫黄分による高温腐食が問題となる高温側のガスタ
ービン段落には、石炭燃焼ガスとは異なる灯油やLNG
等の硫黄含有量が少ない燃料の燃焼ガスを使用すること
によって、硫化腐食を回避した上で高温のタービン段落
を利用することが可能となり、ガスタービン装置の熱効
率を向上させることが可能となる。
【0065】図7は、請求項7記載のガスタービン装置
の他の実施形態の構成を示す図であり、請求項8記載の
ガスタービン装置の実施形態に相当するものである。
【0066】図7に示すガスタービン装置は、図6に示
したガスタービン装置と同様に、ガスタービン16の第
1段落16aの前に設けられた第1段の燃焼器3に加え
て、ガスタービン段落間すなわち第2段落16bと第3
段落16cとの間に配置された第2段の再熱用燃焼器1
7を有している。第1段の燃焼器3には、圧縮機2で圧
縮された空気が供給されると共に、燃料タンク21から
比較的腐食性の低い燃料、例えば灯油やLNG等のV含
有量が0.5ppm未満の燃料が供給される。この燃焼器3に
よる燃焼で得られた腐食性の低い燃焼ガスは、ガスター
ビン16の第1段落16aに送られ、続いて第2段落1
6bに送られ、これら第1および第2段落16a、16
bの各動翼を回転させる。
【0067】一方、第2段の再熱用燃焼器17には、燃
料タンク4から重油や残渣油等の腐食性の高い低質油燃
料、すなわちV含有量が0.5ppm以上の低質油燃料が、腐
食抑制剤タンク11からV腐食抑制剤が添加、混合され
た後に供給されると共に、圧縮機2の中間から取り出し
た圧縮空気が供給される。この再熱用燃焼器17による
燃焼ガス、すなわちV腐食抑制剤を含むV含有量が0.5p
pm以上の低質油燃料の燃焼ガスは、第2段落16bを経
た燃焼ガスと合流した後、後段の第3段落16cおよび
第4段落16dに順次送られ、これら第3および第4段
落16c、16dの各動翼を回転させる。
【0068】図8に各段落と燃焼ガス温度との関係の一
例を示す。このように、再熱用燃焼器17より後段の第
3および第4段落16c、16dの燃焼ガス温度を 145
8K以下に保つことによって、低質油燃料による高温部材
のV腐食を回避すると共に、前段の段落で高い燃焼ガス
温度を利用して、システムの熱効率を向上させることが
可能となる。
【0069】図9は請求項7および請求項9記載のガス
タービン装置の他の実施形態の構成を示す図である。
【0070】図9に示すガスタービン装置は、図6に示
したガスタービン装置と同様に、ガスタービン16の第
1段落16aの前に設けられた第1段の燃焼器3に加え
て、ガスタービン段落間すなわち第2段落16bと第3
段落16cとの間に配置された第2段の再熱用燃焼器1
7を有している。第1段の燃焼器3には、圧縮機2で圧
縮された空気が供給されると共に、燃料タンク21から
比較的腐食性の低い燃料、例えば灯油やLNG等の硫黄
含有量が 1.5重量% 以下の燃料が供給される。この燃焼
器3による燃焼で得られた腐食性の低い燃焼ガスは、ガ
スタービン16の第1段落16aに送られ、続いて第2
段落16bに送られ、これら第1および第2段落16
a、16bの各動翼を回転させる。
【0071】一方、第2段の再熱用燃焼器17には、燃
料タンク31から重油や残渣油等の腐食性の高い低質油
燃料、すなわち硫黄含有量が 1.5重量% を超える低質油
燃料が供給されると共に、圧縮機2の中間から取り出し
た圧縮空気が供給される。この再熱用燃焼器17による
燃焼ガス、例えば100ppmを超える硫黄酸化物(SOx
を含む燃焼ガスは、第2段落16bを経た燃焼ガスと合
流した後、後段の第3段落16cに送られ、続いて第4
段落16dに送られ、これら第3および第4段落16
c、16dの各動翼を回転させる。
【0072】図10に各段落と燃焼ガス温度並びに部材
温度との関係の一例を示す。このように、再熱用燃焼器
17より後段の部材温度を翼部の冷却機構の改良等によ
り1073K以下に保つことによって、硫黄による硫化腐食
問題を回避すると共に、前段の段落で高い燃焼ガス温度
を利用してシステムの熱効率を向上させることが可能で
ある。なお、燃料タンク31から再熱用燃焼器17に導
入される燃料には、V腐食抑制剤を混合することも可能
である。
【0073】ガスタービンの動・静翼の腐食問題は運転
条件や燃料組成に大きく依存し、これらによって腐食を
支配する現象が変化することから、硫化腐食が著しいガ
スタービン装置では、この実施形態のように中間の燃焼
器より後段側のガスタービン段落の部材温度を 1073K以
下に制御することが望ましく、硫化腐食があまり問題と
ならないガスタービンでは、図7に示したガスタービン
装置のように、燃焼ガス温度を 1458K以下に制御するこ
とが好ましい。
【0074】次に、本発明のさらに他のガスタービン装
置の実施形態について説明する。図11は請求項10、
請求項11および請求項12記載のガスタービン装置の
構成を示す図である。また、図12に図11に示すガス
タービン装置の典型的な運転パターンを示す。
【0075】高質燃料タンク21に蓄えられた灯油等の
高質燃料と、低質燃料タンク4に蓄えられた重油等の低
質燃料に腐食抑制剤タンク11からMgSO4 等の腐食
抑制材が混合された燃料とは、それぞれ別系統として燃
焼器3に導入されるように構成されている。そして、制
御回路41から送られる制御信号により、高質燃料ガス
制御弁42と低質燃料ガス制御弁43の開度が制御さ
れ、これによって高質燃料と低質燃料の切り替えが行わ
れる。
【0076】一方、燃料の切り替えと連結して、圧縮機
2に取り入れられる空気量は圧縮機の低圧段に設けられ
た可変翼(IGV)44の開度によって制御される。低
質油のモードでは開度を大きくし、空気流量を増やして
燃焼器3内の燃焼温度を1458K 未満にし、腐食抑制剤に
よる高温段落への灰の付着問題を回避する。逆に、高質
油のモードでは、IGV44の開度を小さくして空気流
量を減らし、 1473K以上のタービン入り口温度を保持す
ることによって高い熱効率を実現しつつ、低質油モード
で付着した腐食灰中の塩素や塩化物等を蒸発させて灰の
腐食性を低減させる。
【0077】さらに、燃焼温度はガスタービン排気温度
計45でもモニタリングされ、この情報は制御回路41
にフィードバックされる。このような制御方法によっ
て、低質油を利用したガスタービンの寿命と信頼性は格
段に向上し、また必要とする出力と燃料の最適なマッチ
ングを図ることが可能となることから、コスト面でも極
めて効果が大きい。
【0078】図13は、請求項10、請求項11および
請求項13記載のガスタービン装置の一実施形態の構成
を示す図である。また、図14に本発明のガスタービン
装置におけるドライ低NOx 燃焼器の一例を示し、図1
5にこの実施形態のガスタービン装置の典型的な運転パ
ターンを示す。
【0079】灯油等の高質油は高質燃料タンク21に、
また重油等の低質油は低質燃料タンク4にそれぞれ蓄え
られ、それぞれの流量を調節する制御弁42、43をそ
れぞれ通過した後、一緒になってメイン燃料ノズル46
とパイロット燃料ノズル47からドライ低NOx 燃焼器
48で燃焼される。なおこのとき、メイン燃料とパイロ
ット燃料の分配比は、メイン燃料弁49とパイロット燃
料弁50によって変化する。
【0080】低質燃料使用時には図14に示すように、
水タンク51から水噴射制御弁52を経て水噴射ノズル
53から水が供給され、燃焼ガス温度の上昇が抑制され
る。なお、燃焼器48内に導入される水は、必要に応じ
て蒸気であってもよい。
【0081】このようなシステム構成と制御を行うこと
により、低質燃料使用モードにおいてタービン入り口温
度を 1458K未満とすれば、前述した実施形態と同様に、
ガスタービンの寿命と信頼性の大幅な改善を図ることが
可能となる。また、図14に示したようなドライ低ΝO
x 燃焼器48は、高質油を用いた高い燃焼ガス温度の運
転モードにおいても、NOx の発生量を低減することが
可能である。従って、あらゆる運転条件においてクリー
ンなガスタービンシステムを構築することができる。
【0082】図16は請求項10、請求項11および請
求項14記載のガスタービン装置の一実施形態の構成を
示す図である。また、図17に本発明のガスタービン装
置におけるドライ低NOx 燃焼器の一例を示し、図18
にこの実施形態のガスタービン装置の典型的な運転パタ
ーンを示す。
【0083】灯油等の高質油は高質燃料タンク21に、
また重油等の低質油は低質燃料タンク4にそれぞれ蓄え
られ、それぞれの流量を調節する制御弁42、43をそ
れぞれ通過した後、一緒になってメイン燃料ノズル46
とパイロット燃料ノズル47からドライ低NOx 燃焼器
48で燃焼される。なおこのとき、メイン燃料とパイロ
ット燃料の分配比は、メイン燃料弁49とパイロット燃
料弁50によって変化する。
【0084】一方、ドライ低NOx 燃焼器48内には、
圧縮機2の吐出口から注気された空気が流量調節弁54
を通って、冷却空気取り入れ口55から冷却空気が直接
導入されるような構成となっている。重油のような低質
燃料を利用した場合には、流量調節弁54の開度を上
げ、冷却空気量を増加させることによって燃焼ガス温度
の増加を抑制する。
【0085】このようなシステム構成と制御を行うこと
により、低質燃料100%使用モードにおいてタービン入り
口温度を 1458K未満とすれば、前述した実施形態と同様
に、ガスタービンの寿命と信頼性の大幅な改善を図るこ
とが可能となる。また、図17で示したようなドライ低
NOx 燃焼器48は、高質油を用いた高い燃焼ガス温度
の運転モードにおいても、NOx の発生量を低減するこ
とが可能である。従って、あらゆる運転条件においてク
リーンなガスタービンのシステムを構築することができ
る。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガスター
ビン装置によれば、重油や残渣油等の低質油によるガス
タービン部材の腐食を抑制した上で、腐食抑制剤による
ガスタービン部材への灰の付着を軽減することができ
る。これによって、ガスタービンの長寿命化や、ガスタ
ービンのクリーニングによるプラントの稼働率の低下を
防ぐことが可能となる。また、ガスタービンの各段落の
燃焼ガス性状を段落の温度に応じて変化させることによ
って、重油や残渣油等の低質油や石炭ガス等の腐食性の
高い燃料を用いた燃焼ガス、あるいは石炭燃焼ガス等の
腐食性の高い燃焼ガスによるガスタービン部材のV腐食
や硫化腐食等を防止しつつ、高温・高効率のガスタービ
ンシステムの構築が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 各種腐食現象と温度との関係を示す図であ
る。
【図2】 請求項1記載のガスタービン装置の一実施形
態の構成を示す図である。
【図3】 請求項1記載のガスタービン装置の他の実施
形態の構成を示す図である。
【図4】 請求項1記載のガスタービン装置のさらに他
の実施形態の構成を示す図である。
【図5】 請求項5記載のガスタービン装置の一実施形
態の構成を示す図である。
【図6】 請求項7記載のガスタービン装置の一実施形
態の構成を示す図である。
【図7】 請求項7記載のガスタービン装置の他の実施
形態の構成を示す図である。
【図8】 図7に示すガスタービン装置におけるガスタ
ービン段落と燃焼ガス温度との関係を示す図である。
【図9】 請求項7記載のガスタービン装置のさらに他
の実施形態の構成を示す図である。
【図10】 図9に示すガスタービン装置におけるガス
タービン段落と燃焼ガス温度並びに部材温度との関係を
示す図である。
【図11】 請求項10および請求項11記載のガスタ
ービン装置の一実施形態の構成を示す図である。
【図12】 図11に示すガスタービン装置の典型的な
運転パターンを示す図である。
【図13】 請求項10および請求項11記載のガスタ
ービン装置の他の実施形態の構成を示す図である。
【図14】 図13に示すガスタービン装置で用いたド
ライ低NOx 燃焼器の一例を示す図である。
【図15】 図13に示すガスタービン装置の典型的な
運転パターンを示す図である。
【図16】 請求項10および請求項11記載のガスタ
ービン装置のさらに他の実施形態の構成を示す図であ
る。
【図17】 図16に示すガスタービン装置で用いたド
ライ低NOx 燃焼器の一例を示す図である。
【図18】 図16に示すガスタービン装置の典型的な
運転パターンを示す図である。
【図19】 従来の重油焚きガスタービン装置の一構成
例を示す図である。
【図20】 重油焚きガスタービン装置の燃料前処理装
置の構成例を示す図である。
【図21】 重油焚きガスタービン装置の洗浄装置の構
成例を示す図である。
【符号の説明】
1……空気取入れ口 2……圧縮機 3……燃焼器 4……低質燃料タンク 5、16……ガスタービン 5a、16a…動・静翼の第1段落 5b、16b…動・静翼の第2段落 5c、16c…動・静翼の第3段落 16d…動・静翼の第4段落 11……腐食抑制剤タンク 15……高温反応器 17……再熱用燃焼器 21……高質燃料タンク 22……石炭燃焼流動床ボイラ 41……制御回路 44……可変翼(IGV) 48……ドライ低ΝOx 燃焼器 53……水噴射ノズル 54……空気流量調節弁 55……冷却空気取り入れ口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲垣 浩貴 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 中橋 昌子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 和泉 敦彦 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 坂本 鉄三 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮した空気と燃料とが導入され、前記
    燃料を燃焼させる燃焼器と、前記燃料の燃焼ガスにより
    回転させる複数段落の動・静翼を有するガスタービンと
    を具備し、前記燃料がバナジウムを0.5ppm以上含有する
    と共に、前記バナジウムによる腐食を抑制する腐食抑制
    剤を前記燃料または燃焼ガス中に投入する機構を有する
    ガスタービン装置において、 前記ガスタービンは、前記腐食抑制剤を含まない燃焼ガ
    スによって駆動される少なくとも 1つの段落と、前記腐
    食抑制剤を含む燃焼ガスによって駆動される少なくとも
    1つの段落とを有することを特徴とするガスタービン装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガスタービン装置におい
    て、 前記腐食抑制剤を含まない燃焼ガスによって駆動される
    段落は、前記腐食抑制剤を含む燃焼ガスによって駆動さ
    れる段落より、前記燃焼ガス流の上流側に配置されてい
    ることを特徴とするガスタービン装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のガスタービン装置におい
    て、 前記腐食抑制剤を含まない燃焼ガスによって駆動される
    段落と前記腐食抑制剤を含む燃焼ガスによって駆動され
    る段落との間に、前記燃焼ガスと腐食抑制剤との反応を
    促進させる高温反応器を有することを特徴とするガスタ
    ービン装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のガスタービン装置におい
    て、 前記ガスタービンの第1段落の前に設けられた前記燃焼
    器に加えて、前記ガスタービンの段落間に設けられた少
    なくとも 1つの再熱用燃焼器を有し、前記再熱用燃焼器
    で使用する前記バナジウムを0.5ppm以上含有する燃料
    に、前記腐食抑制剤を投入するよう構成されていること
    を特徴とするガスタービン装置。
  5. 【請求項5】 圧縮した空気と燃料とが導入され、前記
    燃料を燃焼させる燃焼器と、前記燃料の燃焼ガスにより
    回転させる複数段落の動・静翼を有するガスタービンと
    を具備するガスタービン装置において、 前記ガスタービンの複数段落に、各段落の温度に応じ
    て、種類が異なる燃焼ガスを供給するよう構成されてい
    ることを特徴とするガスタービン装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のガスタービン装置におい
    て、 前記種類が異なる燃焼ガスとして、硫黄酸化物の含有量
    が100ppm以下の燃焼ガスと、硫黄酸化物の含有量が100p
    pmを超える燃焼ガスとを用いることを特徴とするガスタ
    ービン装置。
  7. 【請求項7】 圧縮した空気と燃料とが導入され、前記
    燃料を燃焼させる第1段の燃焼器と、前記燃料の燃焼ガ
    スにより回転させる複数段落の動・静翼を有するガスタ
    ービンとを具備し、さらに前記第1段の燃焼器に加え
    て、前記ガスタービンの段落間に設けられた少なくとも
    1つの再熱用燃焼器を有するガスタービン装置におい
    て、 前記第1段の燃焼器および再熱用燃焼器に、各燃焼器以
    降の前記ガスタービンの段落の温度に応じて、種類が異
    なる燃料を供給するよう構成されていることを特徴とす
    るガスタービン装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のガスタービン装置におい
    て、 前記第1段の燃焼器にはバナジウム含有量が0.5ppm未満
    の燃料を供給し、前記再熱用燃焼器にはバナジウム腐食
    抑制剤を混合したバナジウム含有量が0.5ppm以上の燃料
    を供給することを特徴とするガスタービン装置。
  9. 【請求項9】 請求項7記載のガスタービン装置におい
    て、 前記第1段の燃焼器には硫黄含有量が 1.5重量% 以下の
    燃料を供給し、前記再熱用燃焼器には硫黄含有量が 1.5
    重量% を超える燃料または石炭ガスを供給することを特
    徴とするガスタービン装置。
  10. 【請求項10】 圧縮機により圧縮した空気と燃料とが
    導入され、前記燃料を燃焼させる燃焼器と、前記燃料の
    燃焼ガスにより回転させる動・静翼を有するガスタービ
    ンとを具備するガスタービン装置において、 1つの燃焼器に対して少なくとも 2系統の燃料供給機構
    を設け、燃料の種類と燃料の混合比により燃焼温度を調
    整するよう構成されていることを特徴とするガスタービ
    ン装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のガスタービン装置に
    おいて、 前記燃焼器に、バナジウム含有量が0.5ppm未満の燃料
    と、バナジウム含有量が0.5ppm以上の燃料とを供給し、
    前記バナジウム含有量が0.5ppm未満の燃料ではタービン
    入り口温度を 1458K以上とし、かつ前記バナジウム含有
    量が0.5ppm以上の燃料ではタービン入り口温度を 1458K
    未満とすることを特徴とするガスタービン装置。
  12. 【請求項12】 請求項10または請求項11記載のガ
    スタービン装置において、 前記圧縮器は可変静翼を有し、前記燃料の種類と混合比
    により前記圧縮器の可変静翼の角度を制御する機構を具
    備することを特徴とするガスタービン装置。
  13. 【請求項13】 請求項10または請求項11記載のガ
    スタービン装置において、 前記燃料の種類と混合比により前記燃焼器に投入する水
    または蒸気の量を制御する機構を具備することを特徴と
    するガスタービン装置。
  14. 【請求項14】 請求項10または請求項11記載のガ
    スタービン装置において、 前記燃料の種類と混合比により前記燃焼器に投入する冷
    却空気の量を制御する機構を具備することを特徴とする
    ガスタービン装置。
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