JPH1079704A - 光ファイバ・ケーブル内の摂動を検出する方法および光ファイバ通信システム - Google Patents

光ファイバ・ケーブル内の摂動を検出する方法および光ファイバ通信システム

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JPH1079704A
JPH1079704A JP19170197A JP19170197A JPH1079704A JP H1079704 A JPH1079704 A JP H1079704A JP 19170197 A JP19170197 A JP 19170197A JP 19170197 A JP19170197 A JP 19170197A JP H1079704 A JPH1079704 A JP H1079704A
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optical fiber
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光ファイバ・ケーブルの損失要因をユーザに確
実かつ正確に知らせる。 【解決手段】光ファイバ・リンク内のパワーの経過パワ
ー・レベルを表示するグラフィカル・ディスプレイを含
む光パワー・メータを発明した。このパワー・メータ
は、非常に小さな損失を分解し、光ファイバ・リンクの
内因性要因と外因性要因の両方を検出することができ
る。光パワー・メータは、好ましい実施例では、ファイ
バを通して送られた光エネルギーを受け取り、伝送光中
の平均パワーに比例する電流に変換する光エネルギー・
電流変換器を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全般的には光ファ
イバに関し、詳細には、光ファイバに対する摂動を検出
し同定することに関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ・ケーブルは、通信用の主要
な伝送媒体になっている。光ファイバの利点は良く知ら
れており、最も著名な利点は帯域幅が広いことである。
しかし、従来型の通信経路を介して光ファイバを使用す
ることにはいくつかの欠点がある。これらの欠点は主と
して、光ファイバ・ケーブルを介してデータが伝達され
る方法のために生じる。当技術分野で良く知られている
ように、データは、光ファイバ・ケーブルを通して送ら
れる光パルスとして符号化される。これらの光波は、光
ファイバの屈折率と周囲のクラッディングの屈折率の差
のために光ファイバ自体内で反射する。クラッディング
とは、伝導コアを囲む損失ガラスである。この構成のた
めに、光ファイバ・ケーブルは、ファイバ自体の湾曲、
捻れ、締め付けなどの機械的応力を含め、ケーブルに対
するわずかな摂動の影響を受けやすい。このような摂動
によって、ファイバ内の光は、短い距離の範囲内でケー
ブル・クラッディング内に分散され、そのため、システ
ムのビット誤差率(BER)が増加する。
【0003】光ファイバ・ケーブルは、隣接するファイ
バ間の相互接続問題の影響を特に受けやすい。このよう
な問題は、内因性の問題と外因性の問題の2つの範疇に
分類することができる。内因性の問題には、送信側ファ
イバの開口数(NA)が受信側ファイバのNAよりも大
きいときに起こるNAの不一致が含まれる。他の内因性
問題、すなわちコア直径の不一致は、送信側ファイバの
コアまたは直径が受信側ファイバのコアまたは直径より
も大きなときに発生する。一方、クラッディング直径の
不一致は、2本の異なるファイバのクラッディングが異
なるとき、コアがもはや整列しなくなるために発生す
る。また、コアをクラッディング内で完全に心合わせす
ることはできない。理想的には、コアの幾何軸とクラッ
ディングの幾何軸は一致すべきである。しかし、これは
常にそうなるとは限らない。軸が一致しないと、ファイ
バは、同心性問題を有すると言われる。コア・クラッデ
ィングは、円形ではなくむしろ楕円形であるといえる。
この場合、端部が完全には整列しないために2本のファ
イバが接合されたときに問題が生じる。ファイバ自体に
関するこれらのすべての内因性問題のために、ある程度
の光が失われ、あるいは分散する。このため、これに対
応して光強度が低下し、それによってシステムのBER
が増加する。
【0004】外因性問題は、隣接するファイバどうしを
接合するために使用されるコネクタのために生じる問題
である。光ファイバ・ケーブル内の損失を生じさせる4
つの主要な外因性問題は、コネクタの横変位、ファイバ
どうしの端部離隔、ファイバの角度ずれ、ファイバの表
面粗度である。横コネクタ変位は、ファイバの軸が、隣
接するファイバに対して横方向にずれたときに発生す
る。一方のファイバの軸が他方のファイバの軸に一致し
ないとき、損失が起こる。この損失は、横ずれ率L/D
(Lは変位であり、Dはファイバの直径である)の関数
としてデシベル単位でほぼ線形である。コネクタによっ
て2本のファイバを接合すると、対向する2つの端部は
小さな間隙によって分離されることがある。この間隙に
よって2種類の損失が発生する。第1の損失は、フレネ
ル反射損であり、介在する間隙、通常は空気中の2本の
ファイバの屈折率の差のために生じる。マルチモード・
ファイバに関する第2のタイプの損失は、高次モードが
間隙を越えて第2のファイバのコアに進入することがで
きないために生じる。この2つの損失が組み合わされ、
端部離隔比S/D(Sは離隔間隙でありDはケーブルの
直径である)と開口数(NA)の関数であるいわゆる間
隙損が起こる。間隙損は、所与のNAの場合、端部離隔
比に対してほぼ線形である。隣接する2本のファイバの
角度ずれのために他の損失が生じることがある。理想的
には、対合されるファイバの端部は、係合時に、ファイ
バ軸に対して垂直であり、かつ互いに垂直であるべきで
ある。一方のファイバのファイバ軸の、隣接するファイ
バのファイバ軸に対する角度がずれている場合、損失が
生じる。これらの外因性要因はすべて、ファイバの信号
損を生じさせる。
【0005】ユーザが光ファイバ・ケーブル内の信号レ
ベルを測定できるようにするいくつかの計器が存在す
る。そのような1つの計器は、米国カリフォルニア州パ
ロ・アルトのヒューレット・パッカード・カンパニーの
FDDI ネットワーク・インタフェース(モデル番号
J2173C)である。このFDDI ネットワーク・
インタフェースは、光送信元と光送信先との間に挿入
し、光ファイバ・ケーブルを通して受信平均パワー・レ
ベルを測定することができる。このインタフェースは、
光ファイバ・ケーブルを通して光送信元から送信された
光信号を受信し、平均エネルギーを測定し、発光ダイオ
ード(LED)の直線アレイからなるなんの変哲もない
棒グラフ上に、測定されたエネルギーを表示する。
【0006】J2173Cシステムのブロック図を図1
に示す。システム10は、下向きの斜め線で示された、
ファイバ・ケーブルを介して送られた光エネルギーを受
信する光パワー・メータ12を含む。光パワー・メータ
12は、回線16を介してマイクロコントローラ・シス
テム14に結合される。この光パワー・メータは、下記
で詳しく説明するように、周波数が、光パワー・メータ
12によって測定された平均光パワーに比例する、ディ
ジタル・パルス列を発生する。
【0007】マイクロコントローラ・システム14は、
バス22を介してメモリ20に結合されたマイクロプロ
セッサ18を含む。メモリ20は、読取り専用メモリ
(ROM)とダイナミック・ランダム・アクセス・メモ
リ(DRAM)の両方を含むことができる。マイクロプ
ロセッサには大容量記憶装置24が結合され、大容量記
憶装置24は、従来型の方式でバス26を介してマイク
ロプロセッサ18と通信する。マイクロコントローラ・
システム14は、光パワー・メータからディジタル・パ
ルス列を受け取るために回線16に結合されたクロック
入力30を有するカウンタ28も含む。カウンタ28
は、マイクロプロセッサ18にも結合され、マイクロプ
ロセッサはバス32を介してカウンタからディジタル・
カウントを読み取る。このカウントは、光パワー・メー
タによって測定された平均パワーのディジタル表現であ
る。
【0008】カウンタは、タイム・ベース34に記憶さ
れた時間に従いマイクロプロセッサ18によって所定の
時間間隔でリセットまたはゲートされる。マイクロプロ
セッサ18は、パルスがカウントされる期間を表す値を
タイム・ベース34に記憶する。マイクロプロセッサ
は、タイム・ベース内の値を変更し、パワー測定の分解
能を変更することができる。タイム・ベース34はカウ
ンタ28のゲート入力36に結合され、カウンタをリセ
ットすると共に、カウンタの出力をラッチし、マイクロ
プロセッサ18によって読み取れるようにする。マイク
ロプロセッサ18は次いで、カウンタの出力イネーブル
(OE)入力38に出力イネーブル信号を印加すること
によりカウンタ28の出力をイネーブルにし、ラッチさ
れた値をバス32を介してカウンタから読み取る。
【0009】カウンタ28の出力は、光パワー・メータ
によって測定された受信光エネルギーのディジタル表現
である。その場合、実際の光パワーは、マイクロプロセ
ッサがメモリ20内の参照テーブル内の対応するパワー
・レベルを参照し、あるいは、当業者に知られている対
数式を使用して対応するパワー値を算出することによっ
て求められる。この光パワー値は、dBm単位で表さ
れ、大容量記憶装置24に記憶される。
【0010】光パワー値は、ディスプレイ40上にも表
示される。ディスプレイは、前述のように、棒グラフを
形成するように直線アレイとして構成された複数のLE
Dからなる。直線アレイは、増分が3dBmの、−30
dBmないし−13dBmの範囲のパワーに対応する。
マイクロプロセッサは、LEDを点灯して、光ファイバ
・ケーブル内の現パワー・レベルのグラフィカル表示を
与える。これは、FDDI仕様が満たされているかどう
かの決定など、多数の応用例に有用であるが、前述の多
数の損失要因を検出するには分解能が不十分である。こ
れらの損失要因の多くは、0.1db程度の損失を生じ
させるが、このような値は、場合によってはJ2173
C ネットワーク・インタフェースには記録されない。
さらに、損失によってグラフィカル表示が変化したと仮
定しても、ネットワーク・インタフェースは、損失が発
生する前のパワー・レベルを示す方法をもたないので、
この損失は容易に見落とされる。したがって、技術者
が、損失が発生したときにグラフィカル・ディスプレイ
を見ているか、損失が発生する前のパワー・レベルを覚
えているかしないと損失は検出されない。
【0011】次に図2を参照すると、光パワー・メータ
12の概略図が示されている。光パワー・メータ12
は、受信光エネルギーを受け取るために光ファイバ・ケ
ーブルに並列されたエネルギー・電流変換器42を含
む。受信光エネルギーを電流Iに変換するフォトダイオ
ード44が、この光エネルギーを受け取る。変換器42
は、受信した光データを、端子48に結合された宛先へ
送る増幅器46も含む。
【0012】フォトダイオード44によって発生された
電流Iは、電流・周波数変換器50に結合される。変換
器50は、アナログ・デバイセズ社によって製造され部
品番号AD654JRで販売されている標準的な電流・
周波数変換器52を含む。電流・周波数変換器52は、
AD654JRに添付のデータ・シートに記載されたよ
うにありふれた方式でバイアスされ、したがってこの変
換器については詳しく説明しない。電流・周波数変換器
50は、ディジタル・パルス列FREQ_OUTを発生
する。ディジタル・パルス列FREQ_OUTの周波数
は、フォトダイオード44によって発生される電流の振
幅に比例し、この振幅は、受信伝送光の平均パワーに比
例する。この関係は、光ファイバ通信で使用される特異
な方式のために成立する。当技術分野で知られているよ
うに、最低レベルの符号化では、所定数のビットにわた
ってそれぞれ等しい数の1および0が使用される。した
がって、ディジタル・パルス列FREQ_OUTの周波
数は、受信伝送光の平均パワー・レベルに対応する。
【0013】ヒューレット・パッカード社は、J217
3Cの1つの制限を解消する一体型パワー・メータ(モ
デル番号HP156MTS)を含む別の通信計器も製造
している。HP156MTSは、光ファイバ・ケーブル
内の平均パワー・レベルに対応する数値を表示する。こ
の数値は、小数点以下1桁を有し、したがってこのパワ
ー・メータはおそらく、+/−0.1dBの損失を分解
することができる。したがって、HP156MTSは、
前述の要因による比較的小さな損失を分解できるはずで
ある。しかし、この製品は、そのような損失を技術者に
知らせる機能をもたないという問題がある。HPJ21
73Cと同様に、技術者が、損失が発生したときに数値
ディスプレイを観測しているか、あるいはたまたま損失
が発生する前の数値を覚えていないかぎり、損失は検出
されない可能性が高い。さらに、156MTSは、活動
状態のファイバ・リンクの信号経路に装着されるように
は設計されていない。156MTSは、常時監視を行う
のではなく、単にリンクを張って初期試験を行うように
設計された試験セットである。以上のどちらの場合も、
これらの計器は、ケーブルの問題を同定する信頼できる
方法を備えていない。
【0014】結局のところ、光ファイバ・ケーブルの上
記問題を技術者またはその他の関連要員に知らせる手段
が必要である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、内因性要因および外因性要因のための光ファイ
バ・ケーブルの損失要因をユーザに確実にかつ正確に知
らせることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、出願人は、光ファイバ・リンク内のパワーの経過パ
ワー・レベルを表示するグラフィカル・ディスプレイを
含む光パワー・メータを発明した。このパワー・メータ
は、非常に小さな損失を分解し、光ファイバ・リンクの
内因性要因と外因性要因の両方を検出することができ
る。光パワー・メータは、好ましい実施例では、ファイ
バを通して送られた光エネルギーを受信し、伝送光の平
均パワーに比例する電流に変換する光エネルギー・電流
変換器を含む。この変換器はまた、受信光を増幅して宛
先へ送り、この光伝送を妨害しないようにする。これに
よって、光パワー・メータを、経過パワー・レベル・デ
ータを記録するようにシステム内に連続的に配置してお
くことができる。パワー・メータは、好ましい実施例で
はトランスインピーダンス増幅器である電圧変換器を含
む。トランスインピーダンス増幅器は、電流を、電流の
振幅に比例する負の電圧に変換する。トランスインピー
ダンス増幅器の出力は、トランスインピーダンス増幅器
の電圧出力を、この電圧信号の振幅に比例する周波数を
有するパルス列に変換する電流・周波数変換器に結合さ
れる。このパルス列は、マイクロプロセッサによって定
期的な間隔で読み取られるカウンタを増分する。マイク
ロプロセッサは、カウンタのディジタル出力を読み取
り、カウンタをリセットして次の期間のパルスの数のカ
ウントを開始する。次いで、カウンタから与えられるこ
のディジタル値は、光パワー・レベルのディジタル表現
とする。マイクロプロセッサは次いで、参照テーブルで
このディジタル表現に対応するパワー・レベルを参照
し、あるいは対数式を使用してただちに平均パワー・レ
ベルを算出する。
【0017】パワー・メータは、好ましくは携帯式であ
り、LCDディスプレイと大容量記憶装置とを含むプロ
トコル・アナライザ・システムの一部である。マイクロ
プロセッサは、縦軸がdBm単位の実測パワー・レベル
であり横軸が時間であるグラフ上にパワー・レベルを表
示する。マイクロプロセッサはまた、パワー・データ
を、後で検索し分析することができるように大容量記憶
装置上に記憶する。このシステムでは、ユーザは、長い
期間内に発生した問題を同定するために長期間表示した
り、かつ個別の損失を分析してその原因を決定するため
に短いタイム・フレームを表示することができるよう
に、横軸のタイム・スケールを変更することができる。
【0018】本発明の他の態様では、システムによっ
て、ユーザは、パワー・レベルの動作限界を設定するこ
とができる。実測パワー・レベルがこのユーザ定義範囲
の範囲外である場合、システムは、視覚的または聴覚的
に警告信号を発生する。この限界は、パワー・メータに
よって測定されるベースライン・パワー・レベルよりも
高い値でも、あるいは低い値でも、あるいはその両方で
もよい。
【0019】本発明の前述およびその他の目的、特徴、
利点は、添付の図面を参照しながら進められる本発明の
好ましい実施例の下記の詳細な説明から容易に明らかに
なろう。
【0020】
【発明の実施例】次に図3を参照すると、本発明による
光ファイバ通信システムが全体的に60で示されてい
る。このシステムは、光送信元62と、光送信宛先64
と、全体的に66で示した光ファイバ・リンクとを含
む。送信元62は、点線で示した安全な環境に配置され
たコンピュータ68を含む。ただし、この環境は本発明
で特に要求されるものではない。宛先は同様に、やはり
好ましくは安全な環境に配置されたコンピュータ70を
含む。安全な環境が示されているのは、本発明によるパ
ワー・メータの一応用例がファイバに対するセキュリテ
ィ違反を検出することであるからである。しかし、本発
明は安全な環境に限らず、安全ではない環境で使用する
ことができる。送信元と宛先との間に、当技術分野で知
られているように地上と地下の両方に存在する光ファイ
バ・リンク66がある。光ファイバ・リンクの詳細は、
本発明にとって重要ではない。本発明によるパワー・メ
ータは、現在知られている光ファイバ・ケーブルと共に
使用することも、あるいは将来開発される光ファイバ・
ケーブルと共に使用することもできる。光ファイバ・リ
ンクを本明細書ではケーブル72と呼ぶ。ただし、ケー
ブルが多数の個別のセグメントを含むことができると共
に、ケーブルにリピータを配置することもできることが
理解されよう。
【0021】送信元62と宛先64との間に、本発明に
よる光パワー・メータ・システム74が挿入される。シ
ステム74は、ケーブル72を介して行われる伝送光を
受信する、ケーブル72に結合された入力ジャック76
を含む。システムの出力ジャック80とコンピュータ7
0の入力ジャック86との間に追加光ファイバ・ケーブ
ル78が結合される。システムは、前述のように、光パ
ワーおよび伝送光を測定し、同時にデータを宛先に渡
す。図1に示したように、システム74は、ポータブル
・パーソナル・コンピュータに基づくものであることが
好ましい。そのようなコンピュータと同様に、システム
74は、キーボードと、マウス入力装置(図示せず)
と、ディスプレイ84とを含む。ディスプレイは、好ま
しい実施例では、液晶ディスプレイ(LCD)である
が、本発明はそれに限らない。このポータブル・コンピ
ュータの使用によって、光パワー・メータ・システムを
容易に持ち運び異なる環境で使用することができる。別
法として、デスクトップ・コンピュータを使用すること
も、あるいは下記で説明する構成要素を含む独立型光パ
ワー・メータ・システムを使用することもできる。
【0022】次に図4を参照すると、システム74のブ
ロック図が示されている。システムは、図1に示したシ
ステムに類似しており、幾つかの顕著な例外を含む。図
1と図4との間の共通の要素は、共通の参照符号を保持
する。上記の説明は、それらの共通の要素に当てはま
り、したがって繰り返さない。
【0023】第1の違いは、異なる光パワー・メータ8
8が使用されることである。このパワー・メータ88に
ついてはさらに下記で図5および図6を参照して説明す
る。他の違いは、システム24が、下記で詳しく論じる
ように、経過パワー・データを表示するためにLCDデ
ィスプレイ84と関連するソフトウェアとを含む。この
ソフトウェアの一部によって、マイクロプロセッサは、
タイム・ベースの値を変更しパワー測定の帯域幅または
サンプル時間を変更することができる。好ましい実施例
では、この値は0.01秒ないし1.0秒の範囲内であ
るが、それには限らない。システム・ソフトウェアによ
って、ユーザは、実測パワー・レベルが表示されるタイ
ムフレームを指定することもできる。このため、ユーザ
は、長期間にわたってパワー・レベルを表示しその期間
中のパワー・レベルの変化を同定することも、あるいは
短期間に焦点を当てて個別の事象を分析しその基本的な
原因を同定することもできる。
【0024】次に図5を参照すると、光パワー・メータ
36の第1の実施例の概略図が示されている。本発明に
よる光パワー・メータは、受信光エネルギーを受け取る
ためにケーブル72に並列されたエネルギー・電流変換
器90を含む。この光エネルギーをフォトダイオード9
2が受け取り、フォトダイオード92は受信光エネルギ
ーを電流Iに変換する。フォトダイオード92は、好ま
しい実施例では、波長が1310ナノメートル(nm)
のインジウム・ガリウム・ヒ素フォトダイオードであ
る。変換器90は、受信した光データを宛先へ送る増幅
器94も含む。
【0025】フォトダイオード92によって発生された
電流Iは、多層フェライト96および98で構成された
高周波フィルタを通過する。高周波フィルタの出力はD
C電流である。フィルタの出力は、電圧変換器100に
与えられる。電圧変換器のコアには、トランスインピー
ダンス増幅器102がある。増幅器102は、グラウン
ドに接続された非反転入力と、高周波フィルタに接続さ
れた反転入力とを有する。非反転入力を接地させること
によって、フォトダイオード92の陽極に零バイアス電
圧が与えられる。トランスインピーダンス増幅器102
は、低周波極(たとえば、159Hz)を形成するため
にキャパシタC1と抵抗器R1の並列組合せをフィード
バック・ループとして含む。しかし、フィードバック経
路内の低域フィルタは任意選択である、どんな場合でも
トランスインピーダンス増幅器の帯域幅のために、高周
波成分に応答できないからである。トランスインピーダ
ンス増幅器は、光電流の振幅に比例する負の電圧を発生
する。
【0026】トランスインピーダンス増幅器の出力は、
電流・周波数変換器50に結合される。変換器50は、
アナログ・デバイセズ社によって製造され部品番号AD
654JRで販売されている標準的な電流・周波数変換
器52を含む。電流・周波数変換器50は、AD654
JRに添付のデータ・シートに記載されたように従来型
の方式で接続され、したがってこの変換器については詳
しく説明しない。しかし、1つの顕著な点は、所望の分
解能レベルを達成するため、0.1%抵抗器などの高精
度部品が使用されていることである。また、従来型のタ
ンタル・キャパシタではなくポリスチレン・キャパシタ
C2が使用される。電流・周波数変換器50はディジタ
ル・パルス列FREQ_OUTを発生する。ディジタル
・パルス列FREQ_OUTの周波数は、電圧変換器1
00によって発生される負の電圧の振幅に比例し、この
振幅は、受信伝送光の平均パワーに比例する。この関係
は、光ファイバ通信で使用される特異な符号化方式によ
り成立する。当技術分野で知られているように、最低レ
ベルの符号化では、それぞれ等しい数の1および0を有
する所定数のビット使用される。したがって、ディジタ
ル・パルス列FREQ_OUTの周波数は、受信伝送光
の平均パワー・レベルに厳密に対応する。
【0027】光パワー・メータ36の他の態様を図6に
示す。この実施例は、フォトダイオードに負のバイアス
が必要である場合に使用される。この場合、電圧変換器
104は、差動バッファの反転端子および非反転端子間
に結合された抵抗器R2を有する差動バッファを使用し
て、フォトダイオード92によって発生された電流を検
知する。電流は、抵抗器R2を通過し、それによって抵
抗器R2上に電圧を発生し、この電圧が差動増幅器10
6によって検出され増幅されて差動増幅器の出力へ送ら
れる。変換器50および104は、第1の実施例で使用
した変換器と同じであり、したがってこれらの変換器に
ついては詳しく説明しない。
【0028】次に図7を参照すると、システム・ソフト
ウェアのフローチャートが示されている。ソフトウェア
は、図2に示したマイクロプロセッサによって実行さ
れ、メモリ20または大容量記憶装置24、あるいはそ
の両方に記憶される。システムは、光パワー・レベルが
測定されたときにそれを表示するだけでなく、このレベ
ルを監視し、内部損失要因または外部損失要因、あるい
はその両方のために生じる可能性があるわずかな変動を
検出する。
【0029】システムは、ステップ112でシステム自
体を初期設定することによって開始する。このステップ
の一部として、システムは、後で得られる測定値と比較
するための情報のベースラインを収集する。このベース
ライン・レベルが、光ファイバ・リンクの摂動を受けな
い状態に対応すると仮定する。したがって、初期設定
は、リンクに対して摂動が介入しないようにリンクの設
置後できるだけ早く実施すべきである。システムは、初
期設定ステップ中にプロンプトを出し、パワー・レベル
の上限または下限、あるいはその両方を入力することを
ユーザに求めることもできる。実測パワー・レベルがこ
れらの限界のうちの1つの範囲外である場合、システム
は、下記で詳しく説明するように、警報状態を設定し、
あるいは警告を発生する。
【0030】初期設定が完了した後、システムはステッ
プ114で、受信される光パワー・レベルを監視し記録
する。このステップでは、前述のように、マイクロプロ
セッサはカウント値を読み取り、対応するパワー・レベ
ルを参照または算出する。パワー・レベルが判明した
後、この値は、大容量記憶装置24に記憶され、ユーザ
定義表示パラメータに従ってLCDディスプレイ84上
に表示される。
【0031】システムは次いで、ステップ114で決定
した受信光パワー・レベルを、初期設定ステップ112
で設定されたユーザ定義限界と比較する。パワー・レベ
ルがこのユーザ定義限界内である場合、マイクロプロセ
ッサはステップ114に戻り、所定の時間が経過した後
に次のサンプルが収集される。一方、受信光パワーが1
つのユーザ定義限界外である場合、システムは、118
で警報条件を設定し技術者またはユーザにこの損失を知
らせる。この警報状態は、聴覚的な状態でも、あるいは
視覚的な状態でもよい。したがって、警報状態で、ユー
ザは、光ファイバ・リンクが何らかの方法で摂動された
ことを知る。ユーザは次いで、ディスプレイを調べ、損
失の根元的な原因が何であるかを決定し、したがって問
題を同定し特定する。このように、システムは、光ファ
イバ・ネットワークを監視しその障害を追跡する有力な
ツールである。
【0032】いくつかの例示的なディスプレイを図8な
いし図11に示す。これらの表示は、様々な条件の下で
システムによって発生された表示例を示す。図8で、表
示されたパワー・レベルは下向きの段を示している。こ
の段は、コネクタの位置がずれたことによって発生し、
あるいは場合によってセキュリティ違反、すなわち光フ
ァイバ自体上のファイバ盗聴のために発生する可能性が
ある。この情報によって、ユーザは、ファイバ・リンク
の検査を実行し、位置のずれたコネクタまたは場合によ
ってはファイバ盗聴を同定することができる。
【0033】図9で、横軸は、図8よりもずっと短いタ
イムフレームを示す。このシステムでは、ユーザは、キ
ーボードまたはマウスを使用して所望のタイム・スケー
ルを入力し、あるいは別法として、所定のタイム・スケ
ールのうちの1つを選択することによってタイム・スケ
ールを指定することができる。図9に示したパワー損失
は、ファイバが一次的に湾曲し、あるいは捻れ、あるい
は締め付けで発生する可能性がる。表示は短期間の損失
を示しているが、パワー・レベルは再び、摂動の前とほ
ぼ同じパワー・レベルに上昇している。したがって、シ
ステムは、損失を生じさせた条件がもはや存在していな
いことをユーザに知らせる。それにもかかわらず、摂動
が継続中の問題を示すことがあり、あるいは摂動の結果
としてファイバ・リンクが弱くなり、最終的にシステム
が故障する恐れがあるので、ユーザはそのような摂動が
存在したことを知る必要がある。
【0034】2つの異なるタイム・スケールを使用する
図10および図11に他の状況を示す。図10は、地震
のために生じる障害のような、ファイバの機械的障害に
よって発生されたディスプレイを示す。図10のディス
プレイは、短いタイム・スケールを使用しており、その
ためユーザは、障害中にパワー・レベルの詳細を調べる
ことができる。この分解能レベルによって、ユーザは、
障害がどこで発生したかを特定し、かつ障害がいつ発生
したかを正確に特定することができる。同じ事象を図1
1により長いタイム・スケールで示す。このスケール
は、ユーザが数日間不在であり、不在時間全体を表示
し、その時間中に発生した損失を同定したい場合に有用
である。その場合、ユーザは、図10に示したディスプ
レイを発生するようにタイム・スケールを変更すること
によってこの事象に焦点を合わせることができる。この
ため、ユーザは原因をより適切に確認し、場合によって
は問題の原因を同定することができる。
【0035】本発明の原則をその好ましい実施例で説明
し例示したが、そのような原則から逸脱せずに本発明の
構成および詳細を修正できることは明らかであろう。い
かに、本発明の実施態様をいくつか例示する。
【0036】実施態様1:光ファイバ・ケーブル内の摂
動を検出する方法であって、光ファイバ・ケーブル内の
伝送光のパワー・レベルを測定するステップと、実測パ
ワー・レベルをしきい値パワー・レベルと比較するステ
ップと、実測パワー・レベルがしきい値パワー・レベル
外である場合に警告を発生するステップとを含む方法。
【0037】実施態様2:光ファイバ・ケーブル内の伝
送光のパワー・レベルを測定するステップが、光をディ
ジタル表現に変換することを含む実施態様1に記載の光
ファイバ・ケーブル内の摂動を検出する方法。 実施態様3:光ファイバ・ケーブル内の伝送光のパワー
・レベルを測定するステップが、ベースライン・パワー
・レベルに対する伝送光のパワー・レベルを測定するこ
とを含む実施態様1に記載の光ファイバ・ケーブル内の
摂動を検出する方法。
【0038】実施態様4:実測パワー・レベルをある時
間にわたって表示するステップを含む実施態様1に記載
の光ファイバ・ケーブル内の摂動を検出する方法。 実施態様5:プロンプトを出し、ユーザ定義しきい値を
入力することをユーザに求めるステップと、実測パワー
・レベルをユーザ定義しきい値と比較するステップとを
含む実施態様1に記載の光ファイバ・ケーブル内の摂動
を検出する方法。
【0039】実施態様6:光ファイバ通信システムであ
って、光送信元(62)と、光送信宛先(64)と、光
送信元と光送信宛先との間で光を送るためにそれらの間
に結合された光ファイバ・ケーブル(72)と、光ファ
イバ・ケーブル内の摂動を同定するために光ファイバ・
ケーブルに結合された警告システム(74)とを備える
ことを特徴とする光ファイバ通信システム。 実施態様7:警告システムが、光ファイバ・ケーブル内
の光の光パワーを測定するために光ファイバ・ケーブル
に結合された光パワー・メータ(88)と、実測光パワ
ーがしきい値外である場合に警告信号を発生するために
光パワー・メータに結合された警告回路(14)とを備
えることを特徴とする実施態様6に記載の光ファイバ通
信システム。 実施態様8:さらに、実測光パワーをある時間にわたっ
て表示するディスプレイ(84)を含むことを特徴とす
る実施態様7に記載の光ファイバ通信システム。
【0040】実施態様9:警告回路が、電流・周波数変
換器に結合されたクロック入力とディジタル表現を与え
るための出力とを有するカウンタ(28)と、所定の間
隔でディジタル表現を読み取りディジタル表現を平均パ
ワー値に変換するためにカウンタに操作可能に結合され
たマイクロプロセッサ(18)と、各ディジタル表現ご
とに対応する平均パワー値を有する参照テーブルが記憶
されたメモリとを含むことを特徴とする実施態様7に記
載の光ファイバ通信システム。
【0041】実施態様10:光パワー・メータが、伝送
光を受け取り、伝送光のエネルギーに比例する電流を発
生する、動作時に光ファイバ・ケーブルに結合されるエ
ネルギー・電流変換器(90)と、電流を受け取り、電
流に比例する電圧を発生するためにエネルギー・電流変
換器に結合された電圧変換器(100、104)と、電
圧を、電圧の振幅に比例する周波数を有するパルス列に
変換するために、電圧変換器に結合された電流・周波数
変換器(50)とを含むことを特徴とする実施態様7に
記載の光ファイバ通信システム。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術の光パワー・メータおよび関連するデ
ィジタル電子機器のブロック図である。
【図2】図1の光パワー・メータの概略図である。
【図3】本発明による光パワー・メータを含む光ファイ
バ伝送システムのブロック図である。
【図4】図3に示した光パワー・メータおよび関連する
ディジタル電子機器のブロック図である。
【図5】図4の光パワー・メータの第1の実施例の概略
図である。
【図6】図4の光パワー・メータの第2の実施例の概略
図である。
【図7】図4のマイクロプロセッサによって実行される
警告システム・ソフトウェアのフローチャートである。
【図8】ファイバ・タップのコネクタのずれによる実測
パワーの変化を示す本発明による光パワー・メータによ
って発生されたグラフィカル表示を示す図である。
【図9】フィルタが一時的に曲がり、ねじれ、または挟
まれたことによる実測パワーの変化を示す本発明による
光パワー・メータによって発生されたグラフィカル表示
を示す図である
【図10】ファイバの機械的擾乱による実測パワーの変
化を示す本発明による光パワー・メータによって発生さ
れたグラフィカル表示を示す図である。
【図11】図10に示したグラフィカル表示をより長い
タイム・スケールで示す図である。
【符号の説明】
12 光パワー・メータ 14 マイクロコントローラ・システム 24 大容量記憶システム 40 ディスプレィ 42 エヘルギー電流変換器 44 フォトダイオード 50 電流・周波数変換器 62 送信元 64 宛先 70 コンピュータ 72 ケーブル 74 光パワー・メータ・システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/13 10/12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ・ケーブル内の摂動を検出す
    る方法であって、 光ファイバ・ケーブル内の伝送光のパワー・レベルを測
    定するステップと、 実測パワー・レベルをしきい値パワー・レベルと比較す
    るステップと、 実測パワー・レベルがしきい値パワー・レベル外である
    場合に警告を発生するステップとを含む方法。
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