JPH1074775A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JPH1074775A
JPH1074775A JP23087896A JP23087896A JPH1074775A JP H1074775 A JPH1074775 A JP H1074775A JP 23087896 A JP23087896 A JP 23087896A JP 23087896 A JP23087896 A JP 23087896A JP H1074775 A JPH1074775 A JP H1074775A
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JP
Japan
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fet
semiconductor layer
channel layer
gate electrode
semiconductor
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JP23087896A
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English (en)
Inventor
Soichi Imamura
村 壮 一 今
Hideyuki Hagiwara
原 秀 幸 萩
Naotaka Kaneda
田 直 孝 兼
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体基板のチャネル層表面の損傷やストレ
スを低減し、半導体基板のチャネル層表面付近に発生す
る負電荷や準位の発生を抑制することによって、特性の
安定した半導体装置およびその製造方法を提供するもの
である。 【解決手段】 本発明によるFETは、表面保護膜を形
成する際に、半導体基板表面に損傷を与えないようなプ
ロセスを採用するとともに、その表面保護膜の材質も、
半導体基板表面の電気的特性を安定させるような材料を
用いることを特徴のひとつとする。さらに、本発明によ
るFETは、チャネル層の表面の電子密度を上げること
によって半導体基板表面の準位を電気的に中性化して安
定させることを特徴のひとつとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置および
その製造方法に関する。より具体的には、定格動作電流
値が5mA以下であるような低消費電流の電界効果型ト
ランジスタとしての半導体装置およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】化合物半導体、特にガリウム砒素(Ga
As)を用いた電界効果型トランジスタ(以下、「FE
T」と略す。)は、高密度の情報を高速で処理できる半
導体装置である。そして、これらのFETは、高速コン
ピュータ、携帯電話、衛星通信システムや各種放送シス
テムなどを実現するための基本デバイスである。しかし
ながら、これらの各種用途において、充分な性能を得る
ためには、FETの高速化と消費電流の低減を進める必
要がある。
【0003】以下では、従来のFETの一例として、G
aAsを用いたFETを例に挙げて説明する。
【0004】図7は、従来のGaAsFETの断面構造
を表す概略断面図である。GaAsFET50は、半絶
縁性GaAs基板52の表面にn型のドーパントを混入
したチャネル層54を形成し、その表面にゲート電極5
6、ソース電極60およびドレイン電極62を併置した
構造を有する。そして、チャネル層54とゲート電極5
6の表面は、表面保護膜58によって被われている。
【0005】チャネル層54のn型ドーパントとして
は、例えばSiが用いられる。また、ゲート電極56の
材料としては、GaAsとショットキー接合を形成する
ような金属が用いられ、例えば、タングステンを用いる
ことができる。また、ソース電極60とドレイン電極6
2の材料としては、n型GaAsとオーミック接合を形
成するような金属が用いられ、例えば、金・ゲルマニウ
ム合金(AuGe合金)を用いることができる。また、
表面保護膜58としては、窒化シリコン膜が用いられ
る。
【0006】このようなGaAsFET50は、ゲート
電極56に印加する電圧によってチャネル層54内の空
乏層厚を変化させ、ドレイン電極62からソース電極6
0に向かって流れる電流を制御するものである。
【0007】図8(a)〜(f)は、このような従来技
術によるGaAsFETの製造工程を説明する工程断面
図である。GaAsFETの製造に際しては、基板とし
て、半絶縁性のGaAs基板52を用意する。このよう
な半絶縁性基板としては、例えば、鉄(Fe)と酸素
(O)がドープされたGaAs基板を用いることができ
る。この半絶縁性GaAs基板52を洗浄処理した後
に、まず、図8(a)に示したように、イオン注入法等
により、その表面にFETのチャネルとなる層54を形
成する。イオン注入するドーパントとしては、例えばシ
リコン(Si)を用いることができる。また、イオン注
入の際の加速電圧やイオン電流値などの条件は、チャネ
ル層の厚さや電子密度の設定値に応じて適宜、決めるこ
とができる。次に、GaAs基板52に注入されたSi
などのドーパントを電気的に活性化するとともに、イオ
ン損傷により劣化した基板52の結晶性を回復するため
に、所定の温度でアニール処理を施す。
【0008】次に、図8(b)に示したように、GaA
s基板52の全面に、FETのゲート電極となる金属5
6をスパッタ法などによって堆積する。このようなゲー
ト金属としては、例えば、タングステンを用いることが
できる。さらに、レジストなどによってゲート電極の形
状を有するマスクパターン64を形成する。
【0009】次に、ドライエッチング法により、図8
(c)に示したように、レジストをマスクにしてゲート
金属をエッチングして、所定のパターンのゲート電極を
形成する。このようなエッチング方法としては、一般的
には、いわゆるウェットエッチング法もある。しかし、
特性の均一なFETを安定して製造するためには、ゲー
ト電極の形状を正確、且つ再現性良く形成しなければな
らない。しかし、ウェットエッチング法では、エッチン
グ速度やサイドエッチ量の制御性が必ずしも充分に高く
ない。そこで、FETのゲート電極の形成工程において
は、ドライエッチング法が用いられる。ここで、ドライ
エッチング法としては、例えば、反応性イオン・エッチ
ング法(RIE法)、イオン・ミリング法、ケミカル・
ドライ・エッチング法(CDE法)などを用いることが
できる。
【0010】次に、図8(d)に示したように、マスク
パターン64を除去する。
【0011】さらに、図8(e)に示したように、プラ
ズマ化学気相成長法(PCVD法)により、基板全面に
表面保護膜58を堆積する。表面保護膜58の材質とし
ては、窒化シリコン(SiNx)が用いられる。ここ
で、プラズマ化学気相成長法とは、数10〜数100h
Paの減圧下で、プラズマを発生させ、原料ガスを分解
して所定の薄膜を堆積する方法である。
【0012】次に、フォトリソグラフィ・プロセスによ
り、窒化シリコン膜58の一部を除去する。さらに、F
ETのソース電極およびドレイン電極となる金属を基板
全面に堆積し、レジストなどのマスクパターンによっ
て、所定の形状を有するソース電極とドレイン電極を形
成して、図8(f)に示したようにFETが完成する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述したような、Ga
Asなどの化合物半導体を材料としたFETは、高周波
領域で用いられることが多い。また、特に、携帯用の通
信機器などに使用するためには、消費電流を低減するこ
とが必要とされている。つまり、動作周波数を高周波化
し、消費電力を低減することが望まれている。そして、
定格動作電流値が5mA以下であるような超低消費電流
型FETを製造する場合は、その動作電流を減少させる
ために、FET内で実質的に電流が流れるチャネル層を
薄くして、電流を制限することが必要とされる。つま
り、イオン注入する前の基板表面付近のキャリア濃度が
充分に低く、且つ、そのような基板表面の低キャリア濃
度領域に薄いチャネル層を確実に形成しなければならな
い。
【0014】このようなチャネル層の厚さとしては、例
えば、基板表面から50nmの深さにおいてキャリア濃
度のピーク値が5〜9E16cm−3であることが望ま
しい。すなわち、超低消費電流型FETでは、電流を制
限するために、チャネル層の厚さを薄く、またそのキャ
リア濃度を低く設定することが必要とされる。
【0015】しかし、このような低消費電流型FETで
は、チャネル層の厚さを薄くした結果として、基板表面
近傍を電流が流れるために、基板表面のストレスによる
負電荷や、結晶欠陥等により生じる準位の影響を受けや
すく、安定した特性を得ることが困難であった。
【0016】例えば、FETの製造に際しては、図8
(c)に関して説明したように、ゲート電極の加工性を
向上するために、RIE法などのドライエッチング法が
用いられる。しかし、このようなドライエッチング法で
は、エッチング中に生ずるイオンやプラズマなどによっ
て基板のチャネル層54の表面が損傷を受けやすい。
【0017】さらに、図8(e)に関して説明したよう
な表面保護膜58を形成する工程では、プラズマCVD
法が用いられるために、チャネル層58の表面がプラズ
マによる損傷を受ける。
【0018】また、このような窒化シリコン膜は、化合
物半導体、特にGaAsに対して、その熱膨張率の差に
起因した、引っ張り方向のストレスを生じさせる。そし
てこの引っ張り方向のストレスは、基板であるGaAs
の物性に起因して、チャネル層表面に負の電荷を生じさ
せる。
【0019】以上、説明したように、従来のFETで
は、その構造および製造方法に起因して、チャネル層表
面にストレスやイオン損傷などによる負電荷や準位が生
じやすかった。そして、これらの負電荷や準位などは、
チャネル層の表面付近を流れる電流に影響を与える。従
って、FETの消費電流を低減するために、チャネル層
を薄くすると、電流はチャネル層の表面近傍に制限され
るために、このような負電荷や準位の影響をより受けや
すくなる。その結果として、トランスコンダクタンスg
mなどの諸特性がばらつくこととなる。このために、従
来のFETでは、消費電流を低減させようとすると、安
定した特性を再現性良く得ることが困難であった。
【0020】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
である。すなわち、本発明の目的は、半導体基板のチャ
ネル層表面の損傷やストレスを低減し、半導体基板のチ
ャネル層表面付近に発生する負電荷や準位の発生を抑制
することによって、特性の安定した半導体装置およびそ
の製造方法を提供するものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明による
半導体装置は、半導体層上にゲート電極を載せ、そのゲ
ート電極の両側におけるソース・ドレイン領域間に挟ま
れた、この半導体層の表面部分をチャネルとして用いる
ようにした半導体装置であって、前記半導体層の表面の
うちの少なくとも外部に露呈した部分を被う、プラズマ
CVD以外のプロセスを用いて得られるSiO2 等のシ
リコンの酸化物による保護膜を備えることを特徴とする
構成を有する。
【0022】また、本発明による半導体装置の製造方法
は、半導体層上にゲート電極を載せ、そのゲート電極の
両側におけるソース・ドレイン領域間に挟まれた、この
半導体層の表面部分をチャネルとして用いるようにした
半導体装置の製造方法であって、前記半導体層の表面の
うちの少なくとも外部に露呈した部分を、プラズマCV
D以外のプロセスを用いてSiO2 等のシリコンの酸化
物で被ったことを特徴とする構成を有する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明によるFETは、表面保護
膜を形成する際に、半導体基板表面に損傷を与えないよ
うなプロセスを採用するとともに、その表面保護膜の材
質も、半導体基板表面の電気的特性を安定させるような
材料を用いることを特徴のひとつとする。さらに、本発
明によるFETは、チャネル層の表面の電子密度を上げ
ることによって半導体基板表面の準位を電気的に中性化
して安定させることを特徴のひとつとする。
【0024】以下に図面を参照しながら、本発明の実施
の形態について説明する。図1は、本発明によるFET
の断面構造を表す概略断面図である。本発明によるFE
T10は、例えば、GaAsからなる半絶縁性の化合物
半導体基板12上に形成される。基板12の表面には、
Siなどのドーパントを混入したチャネル層14が形成
されている。そして、チャネル層14の中央付近には、
タングステンなどの金属からなるゲート電極16が形成
され、そのゲート電極16とその周囲のチャネル層14
の表面は、表面保護膜18により被われている。また、
ゲート電極16の両側には、所定の間隔をもってソース
電極20とドレイン電極22とが形成されている。
【0025】ここで、本発明によるFETでは、表面保
護膜18として、常圧CVD法による酸化シリコン膜が
用いられる。酸化シリコン膜は、化合物半導体、特にG
aAsに対してその熱膨張率の差から圧縮方向のストレ
スを生ずる。このために、チャネル層14の表面には、
正の電荷が誘起される。この正の電荷は、ゲート電極の
形成の際のドライエッチングに伴う損傷によって引き起
こされる負の電荷を打ち消す。このために、チャネル層
14の表面が電気的に安定となり、特性の安定したFE
Tが得られることとなる。
【0026】図2(a)〜(f)は、本発明によるFE
Tの製造工程を説明する工程断面図である。すなわち、
まず、図2(a)に示したように、例えば、GaAs半
絶縁性基板12上に、イオン注入法によって、Siイオ
ンを注入する。このときのイオン注入条件は、例えば加
速電圧を50keVとすることができる。さらに、半導
体基板12を所定の温度でアニールして、基板12の結
晶性を回復させるとともに、注入されたSiを活性化さ
せ、チャネル層14を形成する。アニールの条件として
は、例えばアルシン(AsH3 )雰囲気中で、800℃
で30分間行うことができる。また、GaAsの表面を
被覆した、いわゆるキャップ・アニールを行うこともで
きる。さらに、赤外線輻射により、いわゆるフラッシュ
・アニールを行うこともできる。
【0027】次に、図2(b)に示したように、チャネ
ル層14の表面にFETのゲート電極となる金属16を
堆積する。ゲート金属としては、例えば、タングステン
(W)や、タングステン・シリサイド(WSi)、窒化
タングステン(WN)、チタン(Ti)、モリブデン
(Mo)などを用いることができる。また、その堆積法
としては、スパッタ法や電子ビーム真空蒸着法などを用
いることができる。さらに、レジストなどにより、ゲー
ト電極の形状を有するマスクパターン24を形成する。
【0028】次に、図2(c)に示したように、ドライ
エッチング法により、レジストをマスクにして、ゲート
金属16をエッチングし、所定のパターンのゲート電極
16を形成する。ドライエッチング法としては、例え
ば、反応性イオン・エッチング法(RIE法)やイオン
・ミリング法、ケミカル・ドライ・エッチング法(CD
E法)などを用いることができる。
【0029】次に、図2(d)に示したように、レジス
トなどのマスクパターン24を除去する。
【0030】次に、図2(e)に示したように、基板全
面に表面保護膜18を堆積する。ここで、図7に示した
ような従来のFETとは異なり、本発明によるFETで
は、表面保護膜18として酸化シリコンを用いる。ま
た、その堆積法も、従来のプラズマCVD法とは異な
り、常圧CVD法を用いる。ここで、常圧CVD法と
は、大気圧に近い圧力のもとで、原料ガスを熱分解する
ことにより、基板上に所定の薄膜を堆積させる方法であ
る。このように、本発明によるFETでは、表面保護膜
の形成方法として常圧CVD法を用いるので、チャネル
層14の表面にプラズマによる損傷が加わることが全く
無い。すなわち、従来のFETと比べて、チャネル層1
4の表面が電気的に安定する。その結果として、トラン
スコンダクタンスなどのFETの諸特性が安定する。
【0031】次に、フォトリソグラフィ・プロセスによ
って酸化シリコン膜18の一部を除去する。さらに、F
ETのソース電極およびドレイン電極となる金属を堆積
して、所定の形状を有するソース電極20とドレイン電
極22を形成する。
【0032】このようにして、図2(f)に示したよう
にFETが完成する。
【0033】次に、本発明による他のFETについて説
明する。図3は、本発明による他のFETの構造を表す
概略断面構造図である。このFETは、より良好な耐湿
性を確保するために、酸化シリコンの表面保護膜の上に
窒化シリコン膜を積層した構造を有する。すなわち、G
aAsなどの化合物半導体の半絶縁性基板12の表面
に、Siイオンなどを注入したチャネル層14が設けら
れている。そして、チャネル層14表面の中央付近には
ゲート電極16が設けられ、そのゲート電極16と周囲
のチャネル層14の表面上に、第1の表面保護膜として
酸化シリコン膜18が堆積されている。さらに、その酸
化シリコン膜18の上に、第2の表面保護膜として、窒
化シリコン膜28が堆積されている。ここで、第1の酸
化シリコン膜18は、前述したように、常圧CVD法に
より堆積する。このように、常圧CVD法を用いること
により、チャネル層14の表面に損傷を与えることが無
い。さらに、窒化シリコン膜28を積層することによ
り、FETの耐湿性を改善することができる。すなわ
ち、酸化シリコンは、その膜質が必ずしも緻密でない場
合があるが、その上に、膜質の緻密な窒化シリコン膜を
積層することにより、全体として耐湿性を向上すること
ができる。
【0034】ここで、このような第2の表面保護膜とし
ての窒化シリコン膜の堆積方法としては、緻密な膜質が
得られるプラズマCVD法を用いることが望ましい。図
3に示したFETでは、第1の表面保護膜が既に形成さ
れているので、従来のFETと異なり、プラズマCVD
法を用いても、チャネル層14の表面がプラズマなどで
損傷を受けることが無い。
【0035】図3に示したような、第1および第2の表
面保護膜を有するFETでは、それぞれの表面保護膜の
厚さを適宜選択して、所定の特性を得ることができる。
すなわち、FETの耐湿性を特に改善する場合は、第1
の表面保護膜である酸化シリコン18の膜厚を薄く、第
2の表面保護膜である窒化シリコン膜28を厚く形成す
ることが望ましい。また、基板12に加わるストレスを
特に低減する場合は、酸化シリコン膜18と窒化シリコ
ン膜28がそれぞれが基板に加える、圧縮方向および引
っ張り方向のストレスが釣り合ってキャンセルするよう
に、それぞれの膜厚を決めることが望ましい。さらに、
チャネル層14の表面での負の電荷を特に打ち消す必要
がある場合は、酸化シリコン18の膜厚を相対的に厚く
形成することが望ましい。
【0036】次に、本発明による他のFETについて説
明する。図4は、本発明による他のFETの構造を表す
概略断面図である。このFETは、ゲート電極抵抗の低
減のために、ゲート電極16上に低抵抗金属30を積層
した構造を有する。このような低抵抗金属30として
は、例えば金(Au)を用いることができる。ここで、
ゲート抵抗値は、FETを高周波動作させた場合の雑音
指数に密接に関連している。そして、雑音指数を低下す
るためには、ゲート抵抗値を下げることが必要である。
しかし、一般に、ゲート金属として用いられるタングス
テンなどの金属は、固くて脆いために、GaAs上に厚
く形成するとクラックやはがれが生じやすい。従って、
その膜厚を薄くする必要があり、ゲート電極のシート抵
抗値が高くなりやすかった。そこで、金などの低抵抗金
属を積層して、ゲート電極のシート抵抗値を低下させる
ことが必要とされる。このように、ゲート電極のシート
抵抗値を低下させることにより、ゲート抵抗値を低下さ
せ、高周波動作時のFETの雑音指数を下げることがで
きる。
【0037】次に、本発明による他のFETについて説
明する。図5(a)、(b)は、本発明による他のFE
Tの構造を示す概略断面図およびそのチャネル層におけ
る深さ方向の電子濃度のプロファイル図である。このF
ETは、電流が流れるチャネル層の表面側の電子濃度が
それよりも深い部分よりも高くされた構造を有する。す
なわち、同図(a)に示したように、半導体基板12の
表面部に形成されたチャネル層14は、表面側に位置す
るチャネル層14Aと、その下に位置するチャネル層1
4Bとからなる。ここで、チャネル層14Aの層厚は、
およそ25nmである。
【0038】図5(b)は、同図(a)のa−b断面に
おけるチャネル層14の電子濃度分布を表すプロファイ
ル図である。同図(b)から分かるように、チャネル層
14Aに対応する、表面から25nmまでの領域の電子
濃度は、それより深い領域の電子濃度よりも高くされて
いる。このような電子濃度分布は、イオン注入の条件を
変えて、2回に分けてイオン注入することにより得られ
る。すなわち、例えば加速電圧を50keVとして、S
iイオンを注入することにより、基板の表面から深い位
置までSiを注入してチャネル層14Bを形成する。さ
らに、加速電圧を25keVとして、Siイオンを注入
することにより、基板の表面付近の電子濃度を上げてチ
ャネル層14Aを形成することができる。
【0039】チャネル層14の表面には、前述したよう
に、ドライエッチング時の損傷などによって電気的に活
性な準位が形成され、FETの特性を劣化させる原因と
なっている。しかし、図5に示したように、FETのチ
ャネル層14の表面側に電子濃度の高い層14Aを設け
ることによって、チャネル層14の表面に生じた準位を
その電子で終端し、その準位を電気的に中性化させて安
定した表面を得ることができる。その結果として、特性
の安定したFETが得られる。
【0040】なお、本発明によるFETは、図示された
ものには限定されない。その他のFETとしては、例え
ば、図5(a)に示したような構造のチャネル層を有
し、且つ、図3に示したような積層構造の表面保護膜を
有するものが挙げられる。さらに、そのようなFETに
おいて、図4に示したような積層構造のゲート電極を有
するものも挙げられる。このように、本発明の特徴を組
み合わせることにより、上述したそれぞれの効果をまと
めて得ることができる。
【0041】本発明者は、本発明によるFETの効果を
定量的に調べるための試作実験を行った。すなわち、図
7に示したような従来の構造を有するFETと、図5
(a)に示したような本発明によるFETとを、それぞ
れ試作し、その特性を評価して試作ロットごとのFET
の歩留まりを求めた。
【0042】図6は、このような試作実験によって得ら
れた歩留まりを表すグラフである。ここで、各試作ロッ
トは、それぞれ20枚のウェーハからなる。そして、試
作したFETのトランスコンダクタンスgmを測定し
て、規格値と比較し、ウェーハ毎の歩留まりを算出し
た。各ウェーハ同図から分かるように、従来の構造のF
ETでは、試作ロットBにおいて80〜90%の歩留ま
りが得られているが、試作ロットAおよびCにおいて
は、歩留まりが25〜50%と低く、全体として歩留ま
りがばらついている。一方、本発明によるFETの試作
ロットD、EおよびFにおいては、いずれも85〜95
%の歩留まりが安定して得られている。また、ばらつき
も少ない。すなわち、本発明によるFETは、トランス
コンダクタンスが安定しており、高い歩留まりを確保で
きることが分かった。
【0043】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に説明する効果を奏する。
【0044】まず、本発明によれば、従来と異なり、表
面保護膜の形成方法として常圧CVD法を用いるので、
チャネル層表面がプラズマなどによって損傷を受けるこ
とが無い。従って、FETの消費電流を低減するため
に、チャネル層を薄くして電流が基板表面付近を流れる
ようにした場合でも、プラズマの損傷による界面準位な
どの影響を受けることがなく、FETの特性が安定す
る。
【0045】また、本発明によれば、表面保護膜として
酸化シリコンを用いる。この酸化シリコンは、化合物半
導体基板、特にGaAs基板に対して、圧縮方向にスト
レスを生じさせる。従って、基板表面に正の電荷が誘起
され、ゲート電極形成時のドライエッチングの際のダメ
ージによって引き起こされる負の電荷を打ち消す。この
ために、チャネル層の表面が電気的に中性化し、得られ
るFETの特性が安定する。
【0046】さらに、本発明によれば、チャネル層の表
面側の電子濃度をそれより深い所より高くすることによ
って、チャネル層の表面近傍に生じた準位をその電子で
終端し、電気的に中性化して、FETの特性を安定させ
ることができる。
【0047】以上、説明したような本発明の奏する効果
は、特に、FETの消費電流を低減するためにチャネル
層を薄くして、電流が基板表面を流れるようにした場合
に、顕著となる。すなわち、本発明によれば、高速動作
が可能で、且つ超低消費電流のFETを、高い歩留まり
で安定して製造することができるようになり、産業上の
メリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるFETの断面構造を表す概略断面
図である。
【図2】本発明によるFETの製造工程を説明する工程
断面図である。
【図3】本発明による他のFETの構造を表す概略断面
構造図である。
【図4】本発明による他のFETの構造を表す概略断面
図である。
【図5】(a)は、本発明による他のFETの構造を示
す概略断面図であり、(b)はそのチャネル層における
深さ方向の電子濃度のプロファイル図である。
【図6】本発明によるFETの効果を調べるための試作
実験によって得られた歩留まりを表すグラフである。
【図7】従来のGaAsFETの断面構造を表す概略断
面図である。
【図8】従来技術によるGaAsFETの製造工程を説
明する工程断面図である。
【符号の説明】
10 FET 12 半導体基板 14、14A、14B チャネル層 16 ゲート電極 18 表面保護膜 20 ソース電極 22 ドレイン電極 24 マスクパターン 28 第2の表面保護膜 30 低抵抗金属 50 FET 52 半導体基板 54 チャネル層 56 ゲート電極 58 表面保護膜 60 ソース電極 62 ドレイン電極 64 マスクパターン

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体層上にゲート電極を載せ、そのゲー
    ト電極の両側におけるソース・ドレイン領域間に挟まれ
    た、この半導体層の表面部分をチャネルとして用いるよ
    うにした半導体装置であって、 前記半導体層の表面のうちの少なくとも外部に露呈した
    部分を被う、プラズマCVD以外のプロセスを用いて得
    られるSiO2 等のシリコンの酸化物による保護膜を備
    えることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】前記シリコンの酸化物を、これよりも少な
    くとも耐湿性に優れたSiN等の保護膜でさらに被っ
    た、請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】前記半導体層の前記チャネルの表面部分の
    電子濃度を、それよりも下の部分の電子濃度よりも高く
    設定した、請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】前記半導体層は、化合物半導体基板に対し
    て不純物を混入することによって得られるものである、
    請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】半導体層上にゲート電極を載せ、そのゲー
    ト電極の両側におけるソース・ドレイン領域間に挟まれ
    た、この半導体層の表面部分をチャネルとして用いるよ
    うにした半導体装置の製造方法であって、 前記半導体層の表面のうちの少なくとも外部に露呈した
    部分を、プラズマCVD以外のプロセスを用いてSiO
    2 等のシリコンの酸化物で被ったことを特徴とする半導
    体の製造方法。
  6. 【請求項6】化合物半導体基板に対してイオンを導入す
    ることにより前記半導体層を得る導入工程を備える、請
    求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】前記導入工程は、前記イオンの導入を1回
    だけ行う、請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】前記導入工程は、前記イオンの導入を2回
    行い、前記半導体層を下側の下側半導体層と、それより
    も電子濃度の高い上側の上側半導体層の2層構造の半導
    体層を得るようにした、請求項6記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008091699A (ja) 2006-10-03 2008-04-17 Furukawa Electric Co Ltd:The 半導体トランジスタの製造方法
JP2013143503A (ja) * 2012-01-11 2013-07-22 Advanced Power Device Research Association 半導体装置及び半導体装置の製造方法
JP2014078557A (ja) * 2012-10-09 2014-05-01 Toshiba Corp 半導体装置

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