JPH1073665A - シンチレーション結晶モジュール及びその製造方法 - Google Patents

シンチレーション結晶モジュール及びその製造方法

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JPH1073665A
JPH1073665A JP9191657A JP19165797A JPH1073665A JP H1073665 A JPH1073665 A JP H1073665A JP 9191657 A JP9191657 A JP 9191657A JP 19165797 A JP19165797 A JP 19165797A JP H1073665 A JPH1073665 A JP H1073665A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 向上した気密シールを有するシンチレーショ
ン結晶モジュールとその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明のシンチレーション結晶モジュー
ルは、a)第一の熱膨張率を有する金属のバックキャッ
プ、b)光学的に透明な窓、c)この光学的に透明な窓
と上記金属のバックキャップとの間に位置するシンチレ
ーション結晶、及びd)上記光学的に透明な窓と上記金
属のバックキャップとの間に位置し、当該モジュールを
気密シールするエポキシシールを含み、このエポキシシ
ールが上記第一の熱膨張率の近くに合わされた第二の熱
膨張率を有するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シンチレーション
結晶モジュールに関する。より詳しく言えば、本発明
は、繰り返される熱サイクルへさらされた後において気
密性を維持する改良シール(接着ガスケット接合剤)を
有するシンチレーション結晶モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シンチ
レーション結晶モジュール又は「ガンマ線カメラ」は、
人体の内部を非侵襲的に観察するための核医学で幅広く
使用されている。ガンマ線カメラは一般に、単一の比較
的大きな、典型的には約16インチ×18インチ(40
6mm×457mm)の、シンチレーション結晶と、そ
してこの結晶に光学的に連結された光検出器のアレイと
を含む。ガンマ線源(例えばアイソトープ)を患者の体
内へ導入し、そしてガンマ線カメラをこの患者の体に当
てる。アイソトープからガンマ線が放射されるにつれ
て、それらは患者の体を通り抜けそして結晶のいろいろ
な領域に突き当たって、光子を放出(すなわち光を放
射)させる。光検出器のアレイが結晶のいろいろな部分
から放射された光の相対的な明るさを感知する。検出器
アレイからの信号を種々の方法で処理して、アイソトー
プの位置の二次元的な表示かあるいはアイソトープが位
置する領域の像を得ることができる。
【0003】ガンマ線カメラは比較的高価であり、5
0,000ドル程度の値段である。更に、シンチレーシ
ョン結晶は極めて吸湿性であり、湿気にさらされると急
速に劣化する。従って、この結晶は、それを湿気から保
護し且つなおもガンマ線がこの結晶を励起するのを可能
にし、また結晶からの光を光検出器のアレイによって検
出するのを可能にするケーシング内に収容しなくてはな
らない。
【0004】現状の技術のガンマ線カメラを従来技術の
図1及び図2に示す。このカメラ10は一般に、シンチ
レーション結晶12、典型的にはタリウムをドープされ
たヨウ化ナトリウムと、アルミニウムのケーシング(又
はバックキャップ)14と、ガラスの窓16と、エポキ
シのシール18を含む。結晶12は、屈折率がガラス1
6のそれに近いゲルの層20によりガラス16に接着さ
れる。エポキシシール18が、ガラス16とケーシング
14との間の気密シールを形成して、結晶12を湿気か
ら保護する。光検出器のアレイ22は、ガラス窓16へ
結合される。使用時には、アレイ22からの電気出力
(図示せず)を画像処理器(イメージプロセッサ)(図
示せず)につなぐ。アルミニウムケーシング14は比較
的薄く(およそ0.040”(1mm))、そのためそ
れはガンマ線の吸収が少ない。
【0005】全ての既知のガンマ線カメラに共通の問題
は、カメラ10が極端な温度サイクルに暴露される場合
にはエポキシシール18がかなり弱くされることであ
る。そのような暴露とその結果シールが弱くなること
は、標準的には、結晶の即座の水和に至らず、それは結
晶の有効寿命を有意に短縮する。今日使用されている大
抵のガンマ線カメラの有効寿命は1〜2年である。カメ
ラが老化しそしてシールが弱くなるにつれて、結晶は水
和されるため曇ってきて、その性能は画像処理目的に適
さなくなるまで低下する。
【0006】当該技術においては、アルミニウムケーシ
ングの熱膨張率はガラス窓の熱膨張率と非常に異なるこ
とが一般的に理解されている。K+ガラスの熱膨張率は
およそ5×10-6in/in°F(9×10-6m/m
℃)であり、アルミニウムケーシングの熱膨張率はおよ
そ13.3×10-6in/in°F(23.9×10-6
m/m℃)である。この熱膨張率の違いは周囲温度が変
化する場合にガラスとアルミニウムをお互いに対し移動
させるということも、理解されている。この移動はエポ
キシシールに応力を誘発させ、そしてそれをガラス及び
/又はアルミニウムから分離させる、と一般に信じられ
ている。周囲温度の変化が十分(例えば40°F(2
2.2℃))である場合、エポキシとガラス又はアルミ
ニウムとの結合は破壊されかねない。周囲温度の40°
F(22.2℃)の変化は、ガンマ線カメラを使用場所
へ輸送する時には稀ではない。こうして、多くのガンマ
線カメラは最初に使用する前に事実上損傷されることが
ある。上述のように、エポキシシールに対する損傷は通
常、カメラの結晶の破滅的故障には至らない。とは言
え、先に述べたように、結晶は、シールに対する初期の
損傷後にゆっくりした水和の過程を開始することがよく
ある。
【0007】ガンマ線カメラに及ぼす熱膨張の影響を一
般的に理解する図を図3に示す。バックキャップ14の
熱膨張率は、所定の温度変化についてガラス16のそれ
のおよそ2.7倍であるから、バックキャップ14はガ
ラス16のおよそ2.7倍膨張あるいは収縮する。図3
は、70°F(21.1℃)におけるバックキャップ1
4とガラス16の相対的な位置を示している。仮想線1
4a、16aは、40°F(4.4℃)でのバックキャ
ップ14とガラス16の相対的な位置を示している。従
って、当該技術における一般的な理解は、カメラが冷却
されるとシール18は収縮したバックキャップ14によ
る圧縮力を受けるということである。同様に、カメラが
加熱されると、ガラスとバックキャップとの間のスペー
スが増大するのでシール18は引張力を受けるものと一
般に信じられている。
【0008】この熱膨張の影響を認識して、シールに加
えられる応力を減らすため当業者によりいくつかの解決
策が提案されている。伝統的に、シール性能を上昇させ
るためのアプローチは二つの領域に集中していた。第一
のアプローチは、引張強度のより高い又は弾性率のより
小さい(より軟質の)エポキシを使用することを必要と
した。第二のアプローチは、バックキャップの熱膨張率
とガラス窓の熱膨張率との差、又は不整合を減らそうと
した。ガラスの熱膨張率とバックキャップの熱膨張率を
接近して合わせることができれば、温度サイクルの際の
シールにおける応力を抜本的に減らすことができると信
じられた。この第二のアプローチは、適当な材料の入手
の可能性が限られていることとアルミニウム以外の材料
からカメラを製造するのが困難であることから、いまだ
かつて首尾よく実現されていない。現在のアルミニウム
のバックキャップは、0.040”(1mm)の厚さの
アルミニウムを使用することによりガンマ線の吸収を少
なくしている。この厚さのアルミニウムは、取り扱う際
の損傷を回避するのに十分剛質であり、また油圧成形手
法で製造するのが容易である。鋼製のバックキャップは
熱膨張率がガラスに接近して合致するであろうとは言
え、鋼製バックキャップの厚さは、許容できるレベルの
ガンマ線減衰量を維持するために0.005”(0.1
3mm)まで減少させなくてはならない。そのような薄
い鋼は、もっと厚いアルミニウムほど耐久性でなかろう
し、製造するのが容易でなかろう。
【0009】もっと最近になって、シール及びアルミニ
ウムケーシングの寸法形状を工夫してシールに与えられ
る応力を減少させる努力がなされている。Persyk
らの米国特許第5148029号明細書には、内側シー
ルと外側シールを有するガンマ線カメラが開示されてい
る。Persykらの開示は、シールがガラス及び/又
はケーシングから分離するのは「アルミニウムケーシン
グとガラス窓の熱膨張率がかなり違い、そして温度変化
の際に発生する力がシールをそれが付着した部分から離
して破壊させるから」であるという仮定に基づいてい
る。
【0010】Pandelisevらの米国特許第52
29613号明細書には、X線の窓、シンチレーション
結晶及びパイレックス(PYREX)の光学窓が内部に
配列されるステンレス鋼のリングから構成されるガンマ
線カメラが開示されている。これらの二つの窓は、レー
ザー溶接によるか又はインジウム−スズ合金もしくはほ
かの適当な材料を使用する半田付けにより、ステンレス
鋼シールに対しシールされる。光学窓を取り囲むステン
レス鋼リングには、「この外側のリングと透明プレート
から熱を逃がすため」環状の切れ目が設けられ、そして
それにゴムの充填剤が詰められる。ゴムの充填剤はX線
の窓とステンレス鋼リングとの間にも供給される。この
複雑なカメラは、エポキシシールの使用を回避するが、
なおもガラスとケーシングの相対的な熱的特性がシール
の分離する原因であるという仮定に基づいている。
【0011】従って、向上した気密シールを有するシン
チレーション結晶モジュールを提供することが本発明の
目的である。向上した気密シールを備えたシンチレーシ
ョン結晶モジュールを製造する方法を提供することも本
発明の目的である。本発明のもう一つの目的は、製造す
るのが容易である向上したシールを有するシンチレーシ
ョン結晶モジュールを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】下記において詳しく検討
されるこれらの目的に対して、本発明は、アルミニウム
とガラスの熱膨張特性の違いはガンマ線カメラのシール
の分離の主要な原因ではないという発見に基づいてい
る。それよりも、本発明の発明者は、エポキシシールと
アルミニウムバックキャップの熱膨張特性の違いが温度
サイクルの間にシールに課される機械的応力を決定する
のに重要な因子であることを発見した。従って、本発明
は、バックキャップと実質的に同じである熱膨張率を有
するエポキシシールを備えたシンチレーション結晶モジ
ュールを提供する。
【0013】本発明の知見を基にして、いくつかのエポ
キシ系を研究した。現在において好ましいエポキシ系
は、W.R.Grace & Co.から入手できるS
TYCAST(商標)2850 FT系である。この系
のうちの「触媒(catalyst)9」あるいは「触
媒11」を使用すれば、およそ17.33×10-6in
/in°F(31.19×10-6m/m℃)からおよそ
19.4×10-6in/in°F(34.9×10-6
/m℃)までの熱膨張率を容易に得ることができる。
【0014】本発明のこのほかの目的と利点は、添付の
図面に関連してなされる下記の詳しい説明を参照するこ
とで当業者にとって明らかになろう。
【0015】
【発明の実施の形態】熱膨張率がガンマ線カメラに及ぼ
す影響に関する現状の技術の仮定を確かめあるいは誤り
を示すために、通常のガラス、バックキャップ及びエポ
キシシールの物性を使って有限要素分析モデルを作っ
た。このモデルは、K+ガラスと厚さ0.040”
(1.0mm)のアルミニウムバックキャップとからな
る18”×14”(457mm×356mm)の長方形
のガンマ線カメラ集成体を仮定したものであった。分析
を行うのに、通常のエポキシシール(例えばECCOB
OND45、触媒(Catalyst)15)の熱膨張
率はおよそ43×10-6in/in°F(77×10-6
m/m℃)で、ガラスのそれの8倍より大きく、バック
キャップのそれの3倍より大きいとした。従って、シー
ルの熱膨張率は当該技術分野において以前から理解され
ていたよりも重要な因子になるであろうと仮定された。
【0016】ここで図4を参照すると、有限要素分析の
結果から、現状技術の仮定とは反対に、カメラを70°
F(21.1℃)から30°F(−1.1℃)まで冷却
する(−40°F(−22.2℃)の変化)とシール1
8に引張力がかかることが示される。詳しく言えば、シ
ール18はバックキャップ14よりもずっと収縮するの
で、シール18がバックキャップ14と接するシール1
8の下部18aに沿って張力の帯ができる。最大の応力
は796psi(5490kPa)であった。図4に示
された分析は、温度サイクルの間にエポキシシールに応
力を生じさせるのに、エポキシシール18の熱膨張率の
違いがバックキャップ14の熱膨張率とガラス16の熱
膨張率との差よりもはるかに重要であるということを示
唆している。シール18がバックキャップ14から分離
する性向のほかに、シール18によって及ぼされる引張
応力がバックキャップ14の変形を引き起こす。バック
キャップ14の変形の程度は、バックキャップの剛性に
逆比例する。ECCOBOND 45の試験では、引張
応力は低温にさらした場合バックキャップの底部で示さ
れ、そして高温にさらした場合バックキャップの上部で
示された。
【0017】二番目の分析は、図4に示した分析と同じ
データを使って行ったが、カメラモデルの周囲温度を7
0°F(21.1℃)から110°F(43.3℃)ま
で上昇させた(+40°F(+22.2℃)の変化)。
この第二の分析の結果は図5に示されている。ここで
は、エポキシシール18がガラス16と接するエポキシ
シール18の上部18bで引張応力が発生することが認
められた。エポキシシールは連続の長方形(又は円形)
のビードであること、そしてそれは加熱されると直線状
に膨張することが認識されよう。従って、図5に示され
た分析に見られるように、シールの周長はガラスの周長
よりも増大して、その結果エポキシ−ガラス界面に引張
応力が生じる。圧縮応力も、エポキシとバックキャップ
との間で、有限要素分析の結果が負の値の領域(図5に
は特に図示していない)において見られる。
【0018】現状技術の仮定を更に調べるために、図4
の分析を、バックキャップの熱膨張率を変えてガラスの
熱膨張率に合わせるようにデータを変更して繰り返し
た。この三番目の分析の結果は図6に示されている。現
状技術の仮定はバックキャップ14とガラス16の熱膨
張率の差がシールの分離する原因であるというものであ
ったが、図6の分析はこの仮定が正しくないことを示し
ている。バックキャップ14の熱膨張率がガラス16の
それまで低下すると、エポキシシール18はカメラが冷
却された場合にバックキャップ14からより一層分離す
る傾向がある。シール18がバックキャップ14と接す
るシール18の下部18aに沿って、より大きな引張応
力が発生する。ところが、バックキャップの下方の脚の
ところでは、ガラスとバックキャップの熱膨張率がより
近く合わせてあるため、応力が低下しているのが示され
る。
【0019】前述の分析から、エポキシシールの熱膨張
率とバックキャップの熱膨張率との差が大きくなればな
るほど、温度変化によりシールにかかる応力は大きくな
るということが理解されよう。ガラスの熱膨張率はシー
ルの分離にほとんどあるいは少しも影響を及ぼさないと
いうことを更に証明するために、図4の分析をモデルか
らガラスを除外して繰り返した。この第四の分析の結果
を図7に示すが、これはエポキシとバックキャップとの
組み合わせが先の二つの分析の際に見られたバックキャ
ップのゆがみに寄与している主要なものであることを示
している。図7に見られるように、バックキャップ14
の上部14aは内側へゆがんでおり、エポキシシール1
8の下部18aで引張応力が示されている。このゆがみ
と応力は、バックキャップ14よりも収縮するエポキシ
18によって引き起こされる。
【0020】上述の分析の全てを基にして、バックキャ
ップはエポキシの自由な膨張と収縮を制限し、それゆえ
に両方の部品に応力を誘発するものと信じられる。逆
に、バックキャップとエポキシが一様に動くとすれば、
エポキシとバックキャップの熱膨張率の不整合により引
き起こされるバックキャップの曲げ変形はなくなろう。
これは、次にはエポキシの応力をゼロまで低下させよ
う。
【0021】上記の結果を考慮に入れて、エポキシ18
の熱膨張率を変更しバックキャップ14の熱膨張率と整
合させて、図7の分析を繰り返した。この五番目の分析
の結果を図8に示すが、これはシールの応力がかなり減
少していることを示している。図8に見られるように、
シール18の下部18aにおいて、引張応力は予想通り
ゼロまで低下した。
【0022】最後に、エポキシの熱膨張率を変更しバッ
クキャップの熱膨張率に整合させて、図4の分析を繰り
返した。この六番目の分析の結果を図9に示すが、これ
はシールの応力がかなり減少していることを示してい
る。図9に見られるように、シール18の下部18aに
おいて、引張応力は796psi(5490kPa)
(図4)の値から270psi(1860kPa)まで
低下した。これは、シール応力の66%の低下に相当し
ている。上述の分析の結果は、ガラスとバックキャップ
との熱膨張率の違いがシールの分離する一つ要因である
とは言うものの、バックキャップとエポキシシールとの
熱膨張率の差はもっとはるかに重要な要因である、とい
うことを示唆している。
【0023】上記の分析に続いて、本発明を実施するの
にどのエポキシを利用することができるかを決めるため
いくつかのエポキシ系を調査した。種々のエポキシ系の
熱膨張率は、適切な触媒を選定し、樹脂:触媒比を調節
し、そしてエポキシ系にドーピングをすることにより調
節することができる、ということが分かった。現時点で
好ましいエポキシ系は、W.R.Grace & C
o.から入手できるSTYCAST(商標)2850
FT系である。この製造業者の指示に従って「触媒(c
atalyst)9」を使用すると、硬化したエポキシ
はおよそ19.4×10-6in/in°F(34.9×
10-6m/m℃)の熱膨張率を有する。この製造業者の
指示に従って「触媒11」を使用すると、硬化したエポ
キシはおよそ17.33×10-6in/in°F(3
1.19×10-6m/m℃)の熱膨張率を有する。これ
らのエポキシは両方とも、ガンマ線カメラのシールとし
て使用すると申し分なく働く。
【0024】本発明の仮説を更に試験するために、弾性
率を異にするエポキシについて有限要素分析器を使って
熱膨張率の影響を分析した。図10は、三つの異なる弾
性率のエポキシについて−40°F(−22.2℃)の
温度変化にさらしたときのエポキシの熱膨張率の関数と
して表した引張応力のグラフである。(このグラフにお
いて、縦軸の引張応力はpsi単位で示されているが、
これをkPa単位に換算するには6.9を乗じればよ
い。また、横軸の熱膨張率はm/m°F単位で示されて
いるが、これをm/m℃単位に換算するには1.8を乗
じればよい。)線Aは、弾性率E=5.0×105 ps
i(3.4×109 Pa)のエポキシ(エポキシA)で
行った分析から外挿された(線形に外挿)。線Bは、弾
性率E=2.5×105 psi(1.7×109 Pa)
のエポキシ(エポキシB)で行った分析から外挿された
(線形に外挿)。線Cは、弾性率E=1.0×105
si(0.68×109 Pa)のエポキシ(エポキシ
C)で行った分析から外挿された(線形に外挿)。上述
のように、現状技術のガンマ線カメラで使用されている
エポキシの典型的な熱膨張率は43×10-6である。こ
の熱膨張率では、エポキシAは、−40°F(−22.
2℃)の温度変化にさらされた場合に単一点(有限要素
モジュールにおけるノード)においておよそ1250p
si(8620kPa)の引張応力を示した。弾性率が
もっと小さいが同じ熱膨張率を持つエポキシを選ぶこと
により、引張応力を低下させることができたが、なくす
ことはできなかった。例えば、エポキシBはおよそ80
0psi(5500kPa)の引張応力を示し、またエ
ポキシCはおよそ300psi(2100kPa)の引
張応力を示した。ところが、弾性率にかかわりなく、エ
ポキシの熱膨張率を調節してアルミニウムバックキャッ
プの熱膨張率にほぼ整合させると、引張応力は実質的に
なくなった。もっと詳しく言えば、図10に示されてい
るように、エポキシの熱膨張率が10×10-6と20×
10-6の間にある場合には、引張応力は、熱膨張率を調
節せずに弾性率を調節して達成することができるものよ
りも常に小さかった。
【0025】以上説明した本発明を要約して示せば、次
のとおりである。 1.下記のa)〜d)を含むシンチレーション結晶モジ
ュール、すなわち、 a)第一の熱膨張率を有する金属のバックキャップ、 b)光学的に透明な窓、 c)上記光学的に透明な窓と上記金属のバックキャップ
との間に位置するシンチレーション結晶、及び d)上記光学的に透明な窓と上記金属のバックキャップ
との間に位置し、当該モジュールを気密シールするエポ
キシシール、を含むシンチレーション結晶モジュールで
あって、当該エポキシシールが上記第一の熱膨張率に近
づけて合わされた第二の熱膨張率を有する、シンチレー
ション結晶モジュール。 2.上記金属のバックキャップがアルミニウムである、
上記第1項記載のシンチレーション結晶モジュール。 3.上記光学的に透明な窓がK+ガラスである、上記第
2項記載のシンチレーション結晶モジュール。 4.上記第一の熱膨張率がおよそ13.3×10-6in
/in°F(23.9m/m℃)であり、上記第二の熱
膨張率がおよそ9×10-6in/in°F(16.2m
/m℃)と20×10-6in/in°F(36m/m
℃)の間にある、上記第2項記載のシンチレーション結
晶モジュール。 5.下記のe)を更に含む、上記第1項記載のシンチレ
ーション結晶モジュール。 e)上記光学的に透明な窓に光学的に連結された光検出
器のアレイ。 6.上記エポキシシールの弾性率がおよそ1×105
5×105 である、上記第1項記載のシンチレーション
結晶モジュール。 7.下記の工程a)〜d)を含むシンチレーション結晶
モジュールの製造方法。 a)シンチレーション結晶を光学的に透明な窓に結合さ
せる工程。 b)第一の熱膨張率を有する金属のバックキャップを得
る工程。 c)上記第一の熱膨張率におおよそ等しい第二の熱膨張
率を有するエポキシを得る工程。 d)このエポキシで上記透明な窓を上記金属のバックキ
ャップに結合させる工程。 8.上記エポキシを得る工程が樹脂と触媒とを入手しそ
して当該エポキシを調製することを含む、上記第7項記
載の方法。 9.上記透明な窓を結合させる工程が上記エポキシを硬
化させることを含む、上記第8項記載の方法。 10.下記の工程e)とf)を更に含む、上記第7項記
載の方法。 e)光検出器のアレイを得る工程。 f)このアレイを上記透明な窓に光学的に連結する工
程。
【0026】ここでは、ガンマ線カメラのシールとそれ
を組み入れたガンマ線カメラのいくつかの態様を説明
し、例示した。本発明の特定の態様が説明されていると
は言え、本発明は当該技術が許容するだけの広い範囲の
ものと解されるべきであり、またこの明細書はそのよう
に読まれるべきものであるので、本発明はこれらの態様
に限定されるものではない。従って、特定のエポキシ系
が開示されているとは言っても、そのほかのエポキシ系
が適当な熱膨張率のエポキシを提供するならばそれらを
利用することができるということが認められよう。同様
に、特定のガンマ線カメラ集成体が示されているとは言
うものの、本発明による適切なエポキシシールを備えた
そのほかのタイプのカメラ集成体を使用することができ
るということも認識されよう。それゆえに、当業者は、
特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から
逸脱することなしに更にそのほかの改変を本発明に対し
行うことができることを認めよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術のシンチレーションカメラの上面図で
ある。
【図2】図1のシンチレーションカメラの2−2線断面
図である。
【図3】図2と同様の、破断断面図であり、仮想線によ
り40°F(22.2℃)冷却後のガラスとバックキャ
ップの予想位置を示している断面図である。
【図4】−40°F(−22.2℃)の温度変化にさら
したアルミニウムバックキャップを備えた通常のシンチ
レーション結晶モジュールの有限要素分析を説明する図
である。
【図5】+40°F(+22.2℃)の温度変化にさら
したアルミニウムバックキャップを備えた通常のシンチ
レーション結晶モジュールの有限要素分析を説明する図
である。
【図6】−40°F(−22.2℃)の温度変化にさら
した鋼バックキャップを備えた通常のシンチレーション
結晶モジュールの有限要素分析を説明する図である。
【図7】−40°F(−22.2℃)の温度変化にさら
した通常のアルミニウムバックキャップと通常のエポキ
シシールの有限要素分析を説明する図である。
【図8】−40°F(−22.2℃)の温度変化にさら
した通常のアルミニウムバックキャップと本発明による
エポキシシールの有限要素分析を説明する図である。
【図9】−40°F(−22.2℃)の温度変化にさら
した本発明によるエポキシシールを備えたシンチレーシ
ョン結晶モジュールの有限要素分析を説明する図であ
る。
【図10】−40°F(−22.2℃)の温度変化にさ
らしたときの三つの異なる弾性率のエポキシについて引
張応力をエポキシの熱膨張率の関数として示したグラフ
である。
【符号の説明】
10…ガンマ線カメラ 12…シンチレーション結晶 14…ケーシング 16…ガラス窓 18…シール 22…光検出器アレイ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のa)〜d)を含むシンチレーショ
    ン結晶モジュール、すなわち、 a)第一の熱膨張率を有する金属のバックキャップ、 b)光学的に透明な窓、 c)上記光学的に透明な窓と上記金属のバックキャップ
    との間に位置するシンチレーション結晶、及び d)上記光学的に透明な窓と上記金属のバックキャップ
    との間に位置し、当該モジュールを気密シールするエポ
    キシシール、を含むシンチレーション結晶モジュールで
    あって、当該エポキシシールが上記第一の熱膨張率に近
    づけて合わされた第二の熱膨張率を有する、シンチレー
    ション結晶モジュール。
  2. 【請求項2】 前記エポキシシールの弾性率が1×10
    5 〜5×105 である、請求項1記載のシンチレーショ
    ン結晶モジュール。
  3. 【請求項3】 下記の工程a)〜d)を含むシンチレー
    ション結晶モジュールの製造方法。 a)シンチレーション結晶を光学的に透明な窓に結合さ
    せる工程 b)第一の熱膨張率を有する金属のバックキャップを得
    る工程 c)上記第一の熱膨張率におおよそ等しい第二の熱膨張
    率を有するエポキシを得る工程 d)このエポキシで上記透明な窓を上記金属のバックキ
    ャップに結合させる工程
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