JPH107172A - 包装用内装材 - Google Patents

包装用内装材

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JPH107172A
JPH107172A JP8177366A JP17736696A JPH107172A JP H107172 A JPH107172 A JP H107172A JP 8177366 A JP8177366 A JP 8177366A JP 17736696 A JP17736696 A JP 17736696A JP H107172 A JPH107172 A JP H107172A
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博彦 山内
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光也 村上
Norihiro Okabe
規宏 岡部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比重が大きく重量のある物品、例えば放射性
核種溶出装置等を輸送箱内に安定に保持し、輸送箱が落
下したときなどに物品が破損することを防止し得る包装
用内装材を提供する。 【解決手段】 下側部材2と上側部材4とからなる内装
材とする。下側部材2は、物品16の一部又は全部が挿
入される収容凹部18を有し、かつ、収容凹部18の底
部に物品16から収容凹部18の壁部に加わる衝撃を吸
収する衝撃吸収部10が設けられている構造とする。そ
して、輸送箱50内に装填した下側部材2の収容凹部1
8に物品16を挿入し、下側部材2上に上側部材4を配
置し、輸送箱50の上部開口部を閉じたときに、下側部
材2と上側部材4との間に物品16がほぼ動かない状態
で保持されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輸送箱内に物品を
安定に保持するための包装用内装材に関し、さらに詳述
すると、比重が大きく重量のある物品、例えば放射性核
種溶出装置等を輸送箱内に収納する際に特に好適に使用
される包装用内装材に関する。
【0002】
【従来の技術】過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)
注射液等の放射性医薬を医療現場で製造する際に用いら
れる放射性核種溶出装置として、図6に示すものが知ら
れている。図6において、aはプラスチック製容器本
体、bはプラスチック製蓋体、cは蓋体bに形成された
生理食塩液バイアル挿入凹部、dは無菌減圧バイアル挿
入凹部、eは容器本体a内に配設された放射性核種溶出
カラム、fは生理食塩液流通管、gは溶出液流通管を示
す。
【0003】本装置を用いて放射性医薬を調製する場
合、凹部cに生理食塩液バイアルjを挿入した後、凹部
dに無菌減圧バイアルkを挿入する。これにより、生理
食塩液バイアルj中の生理食塩液がニードルhから吸引
され、流通管fを通ってカラムe内に入り、カラムe内
で生理食塩液に放射性核種が溶出された後、溶出液が流
通管gを通ってニードルiから無菌減圧バイアルk内に
入る。そして、得られた放射性核種を薬学的に許容され
る担体と混合することにより放射性医薬が得られる。
【0004】前述した放射性核種溶出装置では、容器本
体a内に鉛等の放射線遮蔽金属からなる比重の大きい金
属ブロックを装填し、この金属ブロックに形成したカラ
ム収納部にカラムeを収納している。したがって、この
放射性核種溶出装置は、高さ21cm、幅13cm、奥
行き11cm程度の大きさであるにもかかわらず、重量
は約10kgと非常に重い。
【0005】そのため、従来より、重量物である前述し
た放射性核種溶出装置を輸送箱内に収納するに際して
は、所定形状に成形した発泡スチロール製のかなり強度
の高い包装用内装材を輸送箱内に装填し、この内装材で
放射性核種溶出装置を保持するようにしており、これに
より輸送時における輸送箱の落下、転倒等によって放射
性核種溶出装置が破損し、放射性物質が漏洩することを
防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これまで放射
性核種溶出装置を輸送箱に収納する際に使用されてきた
発泡スチロール製の内装材は、下記の点で十分に満足で
きるものではなかった。 近年、発泡スチロールの焼却廃棄処分は高熱を発生す
る点で規制されつつあり、実際、福井県の条例において
は発泡スチロールを焼却廃棄することができなくなっ
た。そのため、焼却したときに炉に損傷を与えるような
高熱を発生しない材質、あるいは焼却以外の方法によっ
て廃棄できる材質からなる包装用内装材が要望されてい
る。 発泡スチロールからなる内装材は、エコロジーの観点
から、将来的には包装廃棄物リサイクル法等によって回
収することが必要となる。したがって、発泡スチロール
からなる内装材を用いた場合、該内装材の回収のための
費用や作業が必要となり、コストの上昇を招くことにな
る。 発泡スチロールからなる内装材は静電気を帯電しやす
く、帯電防止剤を練り込んだり塗布したりすることが困
難で粉塵等を吸着しやすいため、医薬品や医療用器材の
包装資材としては薬事法におけるGMP(good manufa
cturing practice)の観点から好ましくない。 発泡スチロールからなる内装材は嵩高である上、積み
重ねることが難しく、大きな在庫スペース及び廃棄スペ
ースを必要とするため、資材の減容化の観点から好まし
くない。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、収納物品の保護の点、特に比重が大きく重量のある
収納物品の保護の点で十分な能力を有し、しかも前述し
た発泡スチロール製の内装材が有する種々の問題点を解
消することが可能な包装用内装材を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、プラスチック成形体からなる包装用内装材
であって、輸送箱の内周面に相応する形状を有する外壁
部と、外壁部の内側に設けられた内壁部とを有し、か
つ、物品の一部又は全部が挿入される収容凹部が前記内
壁部に形成されているとともに、該収容凹部の底部に物
品から収容凹部の壁部に加わる衝撃を吸収する衝撃吸収
部が設けられている下側部材と、輸送箱の内周面に相応
する形状を有する外壁部と、外壁部の内側に設けられた
内壁部とを有し、前記下側部材上に配置される上側部材
とを具備し、輸送箱内に装填した下側部材の収容凹部に
物品を挿入し、該下側部材上に上側部材を配置し、かつ
輸送箱の上部開口部を閉じたときに、下側部材と上側部
材との間に物品がほぼ動かない状態で保持されるよう構
成したことを特徴とする包装用内装材を提供する。
【0009】本発明の内装材によれば、物品が下側部材
と上側部材との間にほぼ動かない状態で保持されるの
で、輸送時等において物品が良好に保護される。また、
本発明の内装材においては、下側部材の収容凹部の底部
に前述した衝撃吸収部が設けられているため、輸送箱の
落下等によって収容凹部内の重量のある物品から収容凹
部の壁部(周壁及び底壁)に大きな衝撃が加わった場合
でも、この衝撃の一部又は全部が上記衝撃吸収部に吸収
される。したがって、輸送箱が落下したような場合で
も、内装材は容易に破損することがなく、収納物品は下
側部材と上側部材との間に安定に保持され、良好に保護
されるものである。
【0010】本発明の内装材に設ける衝撃吸収部の形
状、構造に限定はなく、落下時等に物品から収容凹部の
壁部に加わる衝撃の一部又は全部を吸収し、内装材が大
きく破損することを防止できるものであればどのような
形状、構造であってもよい。このような衝撃吸収部の好
適な態様としては、例えば後述する実施例に示すよう
に、収容凹部の底壁部の下面に中空略短軸円柱状のプラ
スチック成形体を固定し、該プラスチック成形体を衝撃
吸収部とする態様が挙げられる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の内装材を構成する下側部
材及び上側部材は、比較的薄肉のプラスチック成形体、
好ましくは肉厚が0.2〜3.0mm程度のプラスチッ
ク成形体によって形成する。下側部材及び上側部材を形
成するプラスチックの種類に特に限定はないが、焼却し
たときに炉を傷めるような高熱及び毒性ガスを発生しな
いプラスチック又は生分解性プラスチックであることが
好ましい。前者のプラスチックを用いた場合には内装材
を問題なく焼却廃棄することが可能となり、また後者の
生分解性プラスチックを用いた場合には内装材を土中に
埋めることなどによって廃棄することが可能となるた
め、いずれの場合も廃棄物処理コストを下げることがで
きるという利点が得られる。
【0012】焼却したときに炉を傷めるような高熱及び
毒性ガスを発生しないプラスチックとしては、例えば、
炭酸カルシウム含有ポリエチレン等の炭酸カルシウム含
有ポリオレフィンを好適に使用することができる。この
場合、炭酸カルシウム含有ポリオレフィン中の炭酸カル
シウム含有量に限定はないが、20〜40重量%、特に
30重量%程度とすることが適当である。また、生分解
性プラスチックとしては、例えば、コーンスターチ樹脂
(商品名:バイオポール)等を使用することができる。
【0013】本発明においては、下側部材及び上側部材
を形成するプラスチックに帯電防止剤を練り込む手段、
又は、下側部材及び上側部材に帯電防止剤を塗布する手
段を採用することができ、これにより各部材が静電気を
帯電して粉塵等を吸着することを防止することができ
る。この場合、帯電防止剤としては、例えば、アニオン
活性剤、カチオン活性剤等の界面活性剤を用いることが
できる。
【0014】また、本発明においては、下側部材と上側
部材、下側部材同士又は上側部材同士を積み重ね可能と
することが好ましく、これにより内装材の在庫時及び廃
棄時における減容化を図って内装材の在庫スペース及び
廃棄スペースを縮小することができるとともに、内装材
の回収の容易化及び低コスト化を達成することができ
る。この場合、下側部材及び上側部材の一方の部材の内
側に他方の部材を挿入可能としたり、下側部材の内側に
他の下側部材を挿入可能としたり、上側部材の内側に他
の上側部材を挿入可能としたりすることにより、一層の
減容化を図ることができる。
【0015】本発明において、下側部材及び上側部材
は、それぞれ単一のプラスチック成形体によって形成し
てもよく、複数のプラスチック成形体を接合することに
より形成してもよい。また、下側部材及び上側部材の成
形法に限定はなく、射出成形法、圧縮成形法、真空成形
法、ブロー成形法等の任意の成形法によって成形するこ
とができる。
【0016】
【実施例】図1〜図5は本発明の一実施例に係る包装用
内装材を示すもので、この内装材は輸送箱内に図6に示
したような放射性核種溶出装置及びバイアル箱(生理食
塩液バイアルや無菌減圧バイアルを入れた箱)を収納す
る際に使用されるものである。図1は内装材全体の正面
図、図2は斜め上方から見た下側部材の斜視図、図3は
斜め下方から見た下側部材の斜視図、図4は下側部材に
物品を装着した状態を示す斜め上方から見た斜視図、図
5は下側部材と上側部材との間に物品を保持した状態を
示す断面図である。
【0017】本実施例の内装材は、下側部材2と上側部
材4とから構成されている。下側部材2は、別々に成形
した上パッド6、下パッド8及び衝撃吸収部10を接合
したもの、上側部材4は単一の成形体からなるものであ
り、これら上パッド6、下パッド8、衝撃吸収部10及
び上側部材4はいずれも炭酸カルシウム含有ポリエチレ
ン(炭酸カルシウム含有量30重量%)によって形成さ
れている。この場合、上パッド6、下パッド8、上側部
材4は真空成形法で成形され、衝撃吸収部10はブロー
成形法で成形されている。また、各成形体の肉厚は1.
2mm程度であり、プラスチック中には帯電防止剤が練
り込まれている。
【0018】下側部材2の上パッド6は、輸送箱の内周
面に相応する形状を有するほぼ垂直な四角枠状の外壁部
12と、外壁部12の内側に設けられ、外壁部12の上
部と一体に形成された内壁部14とを有する。内壁部1
4の中央には、放射性核種溶出装置16の下部が挿入さ
れる略四角形の大型の収容凹部18が形成されている。
また、収容凹部18の各辺部の外側方には、バイアル箱
20の下部が挿入される4つの小型の収容凹部22が形
成されている。さらに、内壁部14の各隅部には、上側
部材4の係合凹部(後述)に係合する4つの係合凸部2
4が突設されている。また、外壁部12及び内壁部14
には、上パッド6の強度を向上させるための多数のリブ
26が形成されている。
【0019】下側部材2の下パッド8は、輸送箱の内周
面に相応する形状を有するほぼ垂直な四角枠状の外壁部
28と、外壁部28の内側に設けられ、外壁部28の上
部と一体に形成された内壁部30とを有する。内壁部3
0の中央には略四角形の収容凹部32が形成され、前記
収容凹部18を形成する上パッド6の突出部19の下部
が収容凹部32内に挿入されるようになっている。ま
た、外壁部28及び内壁部30には、下パッド8の強度
を向上させるための多数のリブ34が形成されている。
上パッド6と下パッド8とは、上パッド6の突出部19
を下パッド8の収容凹部32内に挿入し、突出部19の
底壁下面と収容凹部32の底壁上面とを両面粘着テー
プ、接着剤等で接合することにより連結されている。
【0020】下側部材2の衝撃吸収部10は中空略短軸
円柱状のもので、その下面周縁部には下方に膨出した膨
出部36が形成され、該膨出部36によって衝撃吸収部
10の強度向上が図られている。衝撃吸収部10の上面
は、下パッド8の収容凹部32の底壁下面に両面粘着テ
ープ、接着剤等によって接合されている。また、衝撃吸
収部10の下端及び下パッド8の外壁部28の下端はほ
ぼ同一平面上に存在しており、下側部材2を輸送箱内に
装填したときに、下パッド8の外壁部28の下端及び衝
撃吸収部10の下端が輸送箱の底面に接触又は近接する
ようになっている。
【0021】この場合、本実施例の内装材においては、
上パッド6の外壁部12及び下パッド8の外壁部28に
よって下側部材2の外壁部が構成され、上パッド6の内
壁部14及び下パッド8の内壁部30によって下側部材
2の内壁部が構成され、上パッド6の収容凹部18及び
下パッド8の収容凹部32によって下側部材2の収容凹
部が構成された状態となっている。
【0022】また、上側部材4は、輸送箱の内周面に相
応する形状を有するほぼ垂直な四角枠状の外壁部38
と、外壁部38の内側に設けられ、外壁部38の下部と
一体に形成された内壁部40とを有する。内壁部40の
中央には、放射性核種溶出装置16の上端部が挿入され
る略四角形の収容凹部42が形成されている。また、収
容凹部42の各辺部の外側方には、バイアル箱20の上
端部が挿入される4つの収容凹部44が形成されてい
る。さらに、内壁部40の各隅部には、前述した上パッ
ド6の係合凸部24と係合する4つの係合凹部(図示せ
ず)が設けられている。また、外壁部38及び内壁部4
0には、上側部材4の強度を向上させるための多数のリ
ブ46が形成されている。この上側部材4は、天地を逆
にすることにより、内部に上パッド6を挿入した状態で
下側部材2に重ね合わせることができるものである。
【0023】本実施例の内装材を用いて段ボール紙等か
らなる四角形の輸送箱に放射性核種溶出装置及びバイア
ル箱を収納する場合、図5に示すように、輸送箱50
(一点鎖線で示す)内に下側部材2を装填し、上パッド
6の収容凹部18に放射性核種溶出装置16、収容凹部
22にバイアル箱20を挿入した後、係合凸部24と係
合凹部(図示せず)とを係合させた状態で下側部材上2
に上側部材4を配置し、さらに輸送箱50の上部開口部
を閉じるもので、これにより下側部材2と上側部材4と
の間に放射性核種溶出装置16及びバイアル箱20がほ
ぼ動かない状態で保持される。
【0024】[実験例]強耐水性段ボール紙からなる四
角形の輸送箱の内部に、炭酸カルシウム含有ポリエチレ
ン(炭酸カルシウム含有量30重量%)からなる前記実
施例の包装用内装材を用いて1個の放射性核種溶出装置
(重量約10kg)及び4個のバイアル箱を収納し、下
記輸送試験及び80cm落下試験を行った。
【0025】輸送試験 放射性核種溶出装置及びバイアル箱を収納して封緘した
輸送箱(1群:3検体)を千葉県から福岡及び札幌にそ
れぞれ空輸し、外装状態及び内容品(放射性核種溶出装
置及びバイアル箱)の状態を観察した。さらに、同じ輸
送箱をトラックに積載して福岡及び札幌から千葉県に陸
路により返送し、再度外装状態及び内容品の状態を観察
した。
【0026】その結果、往路(空輸)及び復路(トラッ
ク便)のいずれにおいても、外装状態及び内容品の状態
に問題は見られなかった。したがって、本実施例の内装
材は、輸送時における内容品の保護の点で十分な能力を
持つことが確認された。
【0027】80cm落下試験 放射性核種溶出装置及びバイアル箱を収納して封緘した
輸送箱(1群:3検体)を底面、側面又は天面を下に向
けて80cmの高さから床(表面エポキシ塗装)の上に
落下させ、内装材及び内容品(放射性核種溶出装置及び
バイアル箱)の状態を観察した。
【0028】その結果、底面、側面、天面のいずれを下
に向けて落下させた場合においても、内装材には軽微な
亀裂やへこみが生じた程度であり、内容品は内装材によ
って十分に保護されており、内容品の状態に問題は見ら
れなかった。したがって、本実施例の内装材は、落下時
における内容品の保護の点で十分な能力を持つことが確
認された。
【0029】また、強耐水性段ボール紙からなる四角形
の輸送箱の内部に、炭酸カルシウム含有ポリエチレン
(炭酸カルシウム含有量30重量%)からなる前記実施
例の包装用内装材を用いて1個の放射性核種溶出装置
(重量約10kg)を収納し、下記A型輸送物適合試験
を行った。
【0030】A型輸送物適合試験 放射性核種溶出装置及びバイアル箱を収納して封緘した
輸送箱について、平成2年科学技術庁告示7号の試験方
法に則り、A型輸送物としての適合性を調べた。この場
合、下記に示す水吹付け試験を行った後、圧縮試験、落
下試験及び貫通試験をそれぞれ行った。
【0031】[水吹付け試験]風の影響を極力除外した
降雨実験室にて、輸送箱に約50mm/hrの雨を1時
間降らせた。その後10分間放置し、輸送箱を手に取っ
たときに水が流れるようであれば手で振って水を切り、
さらに紙製タオルで輸送箱表面の水を拭き取った。
【0032】[圧縮試験]水吹付け試験後、1時間以内
に本試験を行った。本試験では、輸送箱を床に置き、そ
の上に銅板(厚さ5mm、縦500mm、横500m
m、重量6.6kg)を載せた後、銅板の上に鉛ブロッ
ク(厚さ50mm、縦100mm、横200mm、重量
11.3kg)を14個積み上げた(総重量165k
g)。この状態を24時間維持した後、輸送箱を開けて
内装材の状態を調べた。
【0033】[落下試験]水吹付け試験後、1時間以内
に本試験を行った。本試験では、コンクリート床面から
輸送箱最下部までの距離が1.2mになるように輸送箱
を保持し、輸送箱のもっとも弱いと思われる部分(下側
の角)が床面に衝突するように床面上に輸送箱を落下さ
せた。その後、輸送箱を開けて内装材の状態を調べた。
【0034】[貫通試験]水吹付け試験後、1時間以内
に本試験を行った。本試験では、輸送箱の上面から貫通
棒(重量6kg、直径3.2cmで先端は半球状、ステ
ンレススチール製)の最下部までの距離を1.7mにと
り、輸送箱の最も弱いと思われる部分(側面)に貫通棒
を落下させた。その後、輸送箱を開けて内装材の状態を
調べた。
【0035】[試験結果の判定基準]前記告示で定めら
れている「放射性同位元素の漏洩がないこと」に対して
は、放射性核種溶出装置からカラム内の樹脂がこぼれて
いないことを適合の基準とした。「表面における一セン
チメートル線量等量率が著しく増加せず、かつ、二ミリ
シーベルト毎時(第七号ただし書きに該当する場合は、
十ミリシーベルト毎時)を超えないこと」については、
下記〜を適合の基準とし、目視検査、実寸測定等を
行って判定した。 箱から放射性核種溶出装置が飛び出さないこと。 カラム及び樹脂が放射性核種溶出装置から飛び出さな
いこと。 放射性核種溶出装置の鉛ブロックにひび割れが生じて
遮蔽能力が落ちないこと。 鉛ブロックが放射性核種溶出装置内に留まっているこ
と。 輸送箱の最も短くなった1辺の寸法が縮小率として9
%を超えないこと。
【0036】試験結果を前記基準により判定した結果、
圧縮試験、落下試験、貫通試験のいずれにおいても、前
記実施例の包装用内装材を用いて放射性核種溶出装置を
収納した輸送箱はA型輸送物の基準に適合することが確
認された。
【0037】さらに、強耐水性段ボール紙からなる四角
形の輸送箱の内部に、炭酸カルシウム含有ポリエチレン
(炭酸カルシウム含有量30重量%)からなる前記実施
例の包装用内装材を装填し、下記燃焼試験を行った。
【0038】燃焼試験 実施例の内装材を装填した収納箱を封緘し、その1個又
は3個を焼却炉に入れ、燃焼状況及び煙突からの煙の排
出状況を目視により観察した。この場合、十分な種火を
用いて予め焼却炉全体を暖めておいた後、焼却炉内に収
納箱を入れた。また、対照実験として、発泡スチロール
からなる内装材を装填した収納箱を封緘し、この収納箱
を同様にして焼却した。
【0039】その結果、実施例の内装材を装填した収納
箱を1個燃焼させた場合には黒煙の発生は極めて少な
く、その程度は種火の燃焼開始時とほぼ同様であった。
また、同収納箱を3個燃焼させた場合には黒煙の発生が
見られたが、その程度は発泡スチロールからなる内装材
を装填した収納箱を1個燃焼させた場合よりもはるかに
少なかった。したがって、本実施例の内装材は、焼却処
分を行うことにほとんど問題がないことが確認された。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の包装用内
装材は、収納物品の保護の点、特に比重が大きく重量の
ある収納物品の保護の点で十分な能力を有し、しかも発
泡スチロール製の内装材が有する種々の問題点を解消す
ることが可能なものであり、放射性核種溶出装置を輸送
箱内に収納する際に特に好適に使用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る包装用内装材を示す正
面図である。
【図2】同内装材の下側部材を斜め上方から見た斜視図
である。
【図3】同内装材の下側部材を斜め下方から見た斜視図
である。
【図4】同内装材の下側部材に物品を装着した状態を示
す斜め上方から見た斜視図である。
【図5】同内装材の下側部材と上側部材との間に物品を
保持した状態を示す断面図である。
【図6】放射性核種溶出装置の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
2 下側部材 4 上側部材 10 衝撃吸収部 12 外壁部 14 内壁部 16 放射性核種溶出装置 18 収容凹部 28 外壁部 30 内壁部 38 外壁部 40 内壁部 50 輸送箱

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック成形体からなる包装用内装
    材であって、 輸送箱の内周面に相応する形状を有する外壁部と、外壁
    部の内側に設けられた内壁部とを有し、かつ、物品の一
    部又は全部が挿入される収容凹部が前記内壁部に形成さ
    れているとともに、該収容凹部の底部に物品から収容凹
    部の壁部に加わる衝撃を吸収する衝撃吸収部が設けられ
    ている下側部材と、 輸送箱の内周面に相応する形状を有する外壁部と、外壁
    部の内側に設けられた内壁部とを有し、前記下側部材上
    に配置される上側部材とを具備し、 輸送箱内に装填した下側部材の収容凹部に物品を挿入
    し、該下側部材上に上側部材を配置し、かつ輸送箱の上
    部開口部を閉じたときに、下側部材と上側部材との間に
    物品がほぼ動かない状態で保持されるよう構成したこと
    を特徴とする包装用内装材。
  2. 【請求項2】 下側部材及び上側部材を形成するプラス
    チックとして焼却したときに炉を傷めるような高熱及び
    毒性ガスを発生しないプラスチックを用いた請求項1に
    記載の包装用内装材。
  3. 【請求項3】 プラスチックが炭酸カルシウム含有ポリ
    エチレンである請求項2に記載の包装用内装材。
  4. 【請求項4】 下側部材及び上側部材を形成するプラス
    チックとして生分解性プラスチックを用いた請求項1に
    記載の包装用内装材。
  5. 【請求項5】 下側部材及び上側部材を形成するプラス
    チックに帯電防止剤を練り込む手段、又は、下側部材及
    び上側部材に帯電防止剤を塗布する手段を採用した請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の包装用内装材。
  6. 【請求項6】 下側部材と上側部材、下側部材同士又は
    上側部材同士を積み重ね可能とした請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の包装用内装材。
  7. 【請求項7】 下側部材の収容凹部の底壁部下面に中空
    略短軸円柱状のプラスチック成形体を固定し、該プラス
    チック成形体を衝撃吸収部とした請求項1〜6のいずれ
    か1項に記載の包装用内装材。
  8. 【請求項8】 下側部材を輸送箱に装填したときに中空
    略短軸円柱状プラスチック成形体からなる衝撃吸収部の
    下端が輸送箱の底面に接触又は近接するようにした請求
    項7に記載の包装用内装材。
  9. 【請求項9】 放射性核種溶出装置を輸送箱内に収納す
    る際の内装材として形成された請求項1〜8のいずれか
    1項に記載の包装用内装材。
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