JPH1071338A - 多孔イオン交換樹脂体及び脱イオン水の製造方法 - Google Patents

多孔イオン交換樹脂体及び脱イオン水の製造方法

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JPH1071338A
JPH1071338A JP24864996A JP24864996A JPH1071338A JP H1071338 A JPH1071338 A JP H1071338A JP 24864996 A JP24864996 A JP 24864996A JP 24864996 A JP24864996 A JP 24864996A JP H1071338 A JPH1071338 A JP H1071338A
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ion exchange
porous ion
resin body
porous
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JP24864996A
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Junjiro Iwamoto
純治郎 岩元
Takeshi Komatsu
健 小松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】充分なイオン交換基を有する優れた固定化多孔
イオン交換樹脂体を安価に得るとともに、安定した高純
度脱イオン水の製造方法を得る。 【解決手段】イオン交換樹脂粒子及び熱可塑性ポリマー
を含む混練物を射出成形してなる多孔イオン交換樹脂
体、該樹脂体を用いた電気透析装置及び脱イオン水の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体透過性の多孔
イオン交換樹脂体に関し、また該多孔イオン交換樹脂体
を脱塩室に収容、充填してなる電気透析装置及び該電気
透析装置を使用することにより食品工業や製薬工業、或
いは半導体工業などで用いられる脱イオン水を製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば脱イオン水の製造方法とし
ては、イオン交換樹脂の充填床に被処理水を流し、不純
物イオンをイオン交換樹脂に吸着させて除去することに
より脱イオン水を得る方法が一般的である。ここで吸着
能力の低下したイオン交換樹脂は酸やアルカリを用いて
再生する方法が採用されている。しかし、この方法にお
いては再生に利用した酸やアルカリの廃液が排出される
という問題があり、このため再生の必要のない脱イオン
水の製造方法が強く望まれている。
【0003】このような観点から、イオン交換樹脂とイ
オン交換膜を組み合わせた自己再生型電気透析脱イオン
水製造方法が注目されている。この方法は、陰陽の両電
極間に陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを交互に配置
した電気透析装置の脱塩室に陰イオン交換体と陽イオン
交換体を充填し、脱塩室に被処理水を流しながら両電極
間に電圧を印可して電気透析を行うことにより脱イオン
水を製造する方法である。この方法に関しては、脱塩室
の幅と厚みを限定する方法(特開昭61ー107906
号)や脱塩室に充填するイオン交換樹脂の径を均一にし
たものを使用する方法(特開平3ー207487号)、
被処理水が最初に通過する部分に充填するイオン交換樹
脂をアニオン交換樹脂にする方法(特開平4ー7162
4号)、脱塩室に充填するイオン交換体をイオン交換樹
脂とイオン交換繊維の混合物とする方法(特開平5ー2
77344号)などが提案されている。
【0004】しかしこれらの方法においては、脱塩室へ
のイオン交換樹脂の充填を均一でしかも充分に行ってイ
オン交換樹脂同士の接触を充分にとることはなかなか困
難であり、また脱塩室に充填するイオン交換樹脂粒子が
固定されていないため、使用中に同符号のイオン交換樹
脂粒子が凝集したり、水流などによりイオン交換樹脂の
粒子又は繊維が破砕されて、効率的な脱塩と再生が行わ
れなくなるなどの欠点があり、得られる脱イオン水の純
度上の安定性にも問題があった。
【0005】これらの欠点を補う方法として、ポリエチ
レンやポリプロピレンなどの不織布に放射線グラフトを
行ってイオン交換基を導入する方法(特開平5ー647
26号、特開平5ー131120号)、或いはイオン交
換ポリマーと補強体ポリマーを海島構造の複合繊維形態
とした後、シート状に成形したもの(特開平6ー792
68号)などが提案されている。これらの方法において
は、イオン交換体自体固定化されてはいるが、放射線
を使用する必要がある、複合繊維を作製する工程が複
雑である、機械的な強度が必ずしも充分ではない、
十分な量のイオン交換基を導入することが困難であるな
どの諸欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、従来
技術が有していた上述のような諸欠点を解消しようとす
るものであり、放射線の利用や複合繊維形態化などのよ
うに複雑な手法によることなく、所望の充分なイオン交
換基を有する固定化された多孔イオン交換樹脂体を安価
に製造し、また該多孔イオン交換樹脂体を脱塩室に収
容、充填してなる電気透析装置を得るとともに、該電気
透析装置を使用することにより安定して高純度の脱イオ
ン水を製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、イオン交換樹
脂粒子を熱可塑性ポリマーで結合した多孔イオン交換樹
脂体であって、該多孔イオン交換樹脂体がイオン交換樹
脂粒子及び熱可塑性ポリマーを含む混練物の射出成形に
より形成された多孔イオン交換樹脂体であることを特徴
とする多孔イオン交換樹脂体を提供する。また本発明は
該多孔質イオン交換体を脱塩室に収容、充填してなる電
気透析装置及び該電気透析装置を用いることにより脱イ
オン水を製造する方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る多孔イオン交換樹脂
体は、イオン交換樹脂粒子を熱可塑性ポリマーを用いて
結合した多孔イオン交換樹脂体であって、該多孔イオン
交換樹脂体がイオン交換樹脂粒子及び熱可塑性ポリマー
を含む混練物を射出成形してなる多孔イオン交換樹脂体
である。これを製造するには、まず結合材(バインダ
ー)として熱可塑性樹脂を用い、これをイオン交換樹脂
と混合して混練体を製造する。熱可塑性樹脂としては特
に限定はないが、その好ましい例としては低密度ポリエ
チレン、線状低密度ポリエチレン、超高分子量高密度ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、酢酸
ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などを挙げるこ
とができる。
【0009】この結合材ポリマーの使用量については、
その量が0.5%以下の場合には、イオン交換体の成形
が不可能であったり強度が低いなどの問題があり好まし
くない。またバインダー樹脂の量が20%より多いとき
は、多孔体の空隙率が低下して処理する液体の流量が減
少し、圧損が大きくなるなどの問題やバインダー樹脂が
イオン交換体粒子の表面をカバーしてイオン交換能力が
低下するなどの問題があるので好ましくない。イオン交
換体粒子としては有機系、無機系を問わず使用でき、ま
た陰イオン交換体粒子、陽イオン交換体粒子の何れも使
用される。本発明においては、結合材ポリマーをこれら
のイオン交換体粒子とともにニーダーや押出し機等で加
熱混練して混練体を製造する。
【0010】本発明においては、該混練体をスクリュー
で加熱、混練し、計量後、金型内に射出し、一定形状の
製品を得るものである。この射出成形法によれば生産性
が高く当該製品を工業的に製造することができる。
【0011】本発明の多孔イオン交換樹脂体の水の透過
性は圧力0.35kg/cm2 において30kg/cm
・hr以上、特に100〜10,000kg/cm・h
rの範囲であるのが好ましい。水の透過性が30kg/
cm・hrより小さいと処理水量が減少するか又は運転
に高い圧力が必要となるので好ましくない。多孔イオン
交換樹脂体の空隙率は液体の通過に関与する連続した空
隙率が5容量%以上であるのが好ましい。5容量%より
小さいと液体の流量が減少し圧損が大きくなるので好ま
しくない。空隙率が10〜40%(容量)の範囲である
場合には、通水性も良好で脱塩性能も優れ、純度の高い
処理水が得られるので特に好ましい。なおこの空隙率は
多孔質シートを脱塩室に収容し、運転時の値である。
【0012】本発明では多孔イオン交換樹樹脂体を成形
するのに射出成形法を用いるが、ここで言う射出成形法
とは、汎用の樹脂で行われているシステムだけではな
く、スクリューやプランジャーなどによって混練体を閉
じた金型に供給し賦形するシステム及びスクリューやプ
ランジャーなどによって混練体を開いた金型に供給し、
その後金型を加圧しながら閉じて賦形するシステムも含
まれる。当該混練体は少量の熱可塑性の結合ポリマーと
架橋樹脂である主成分のイオン交換樹脂粒子(イオン交
換体粒子が有機系の場合)を混練したものであり、流動
性は小さく、粉体的な挙動を示す。そのため射出成形用
のスクリューやプランジャーなどとしてはいわゆる非圧
縮型の深溝タイプのものを使用することが安定して混
練、計量する上で好ましい。
【0013】また、前記例示の好ましい熱可塑性樹脂の
場合は、流動性が汎用の熱可塑性樹脂よりも大きいた
め、射出圧を過大にしないようにするために、射出の際
の射出孔の断面積についても通常の熱可塑性樹脂を成形
する場合の2〜100倍程度に大きくすることが好まし
い。本発明において脱イオン性能を発揮するためには、
陽イオン交換体及び陰イオン交換体の両方を電気透析槽
の脱塩室に組み込む必要がある。そのため予め陽イオン
交換体と陰イオン交換体を所望の割合で混合後、結合ポ
リマーと混練した混練体を射出成形法によって成形した
多孔イオン交換樹脂体を組み込むことは多孔イオン交換
樹脂体の製造コスト、組み込みコストを低減する上で好
ましい方法である。
【0014】本発明の多孔イオン交換樹脂体は、好まし
くはイオン交換樹脂とイオン交換膜を組み合わせた自己
再生型電気透析装置におけるイオン交換樹脂として用い
られる。図1はその種電気透析装置の一態様例を模式的
に示す断面図である。図1中Aは陰イオン交換膜、Kは
陽イオン交換膜であり、図示のとおり、これら両イオン
交換膜A及びKは容器(電気透析槽)1中に相対して所
定間隔を置いて配置され、これにより容器1の内壁と相
まち陽極室2、濃縮室S1、S2・・・Sn、脱塩室
1、R2・・・Rn及び陰極室3が構成され、そして脱
塩室R1、R2・・・Rnには陰陽のイオン交換樹脂が収
容、充填される。
【0015】図1中符号4は陽極、5は陰極であり、操
作中両極間に所定の電圧がかけられる。これにより導管
6から脱塩室R1、R2・・・Rnへ導入される被処理液
中の陰イオン成分は陰イオン交換膜Aを通して陽極側の
濃縮室へ透過移行する一方、被処理液中の陽イオン成分
は陽イオン交換膜Kを通して陰極側の濃縮室へ透過移行
し、被処理液自体は脱イオン化され、導管7を通して排
出される。また濃縮液は、導入管8を通して各濃縮室S
1、S2・・・Snへ導入され、ここで上記のように透過
移行した陰陽両イオンが集められて導管9から排出され
る(なお、陰イオン交換膜Aと陽イオン交換膜Kとが一
対の場合には一個の脱塩室を備えることになる)。以上
が本発明における電気透析装置の基本的構成であるが、
これら構成を備えている限りフィルタープレス型(圧濾
器型)やユニットセル型(水槽型)の何れも適用可能であ
り、また陰陽の各イオン交換膜としては均一系や不均一
系、縮合系や重合系を問わず使用することができる。
【0016】脱塩室内において陽イオン交換体に捕捉さ
れた被処理水中の陽イオンは、電場により駆動力を与え
られ捕捉した陽イオン交換体に接触している陽イオン交
換体を経由して陽イオン交換膜に達し、さらに膜を通過
して濃縮室側に移動する。同様に、陰イオン交換体に捕
捉された被処理水中の陰イオンは陰イオン交換体、陰イ
オン交換膜を経由して濃縮室側に移動する。このことか
ら陽イオン交換体及び陰イオン交換体がある範囲で集合
して集合域を形成していると、同種イオン粒子同士の接
触点が格段に多くなるためイオンの移動が容易になり、
脱イオン性能が向上するのでさらに好ましい。
【0017】本発明の多孔イオン交換樹脂体は、射出成
形法により多孔陰イオン交換樹脂体及び多孔陽イオン交
換樹脂体を成形する。次いで、陰陽の各多孔イオン交換
樹脂体を必要に応じて所望の形状及び寸法に切りそろ
え、組み合わせて電気透析槽の脱塩室に組み込むことで
自己再生型電気透析装置を形成することができる。陰陽
の各多孔イオン交換樹脂体は、電気透析槽の運転時に
は、被処理水との接触により膨潤するので、その形状及
び寸法はこの膨潤を考慮してきめられなければならな
い。図2はこの形式の多孔イオン交換樹脂体の態様例を
示すものであり、それぞれの板状の多孔イオン交換樹脂
体を射出成形にて成形した後、多孔陰イオン交換樹脂体
を例えばコルクボーラーで円形に切り抜き、その中に同
様にくりぬいた多孔陽イオン交換樹脂体の円盤又は円柱
体を挿入して、いわゆる海島構造の多孔イオン交換樹脂
体を形成することができる。
【0018】図2においては、陽イオン交換樹脂粒子集
合域を島部分とした場合、すなわち陽イオン交換樹脂粒
子を独立させた、いわゆる独立系多孔イオン交換樹脂体
を示しているが、陽イオン交換樹脂粒子集合域と陰イオ
ン交換樹脂粒子集合域とを逆にしてもよいことは言うま
でもない。またこのような海島構造をとる場合、島の部
分の断面形状は、必ずしも円形や楕円形である必要はな
く、脱イオン性能、生産性などを考慮して断面三角形や
四角形や長方形、或いは5角形以上の多角形、さらには
これらの組み合せなど最適な形状を採用することができ
る。
【0019】このように多孔イオン交換樹脂体は、それ
ぞれ多孔陽イオン交換樹脂体、多孔陰イオン交換樹脂体
を成形した後、各要素を切り出し、組み合わせて形成す
ることもできるが、射出成形により一方のイオン交換体
部分を成形した後、他方のイオン交換部分を同様に射出
成形法で成形することが生産性やコスト低減の面でより
好ましい。この方法の場合、陰陽のうちの一方の多孔イ
オン交換樹脂体をその多孔体が本来占める形状に予め成
形したのち、最終製品形状の金型の当該多孔体対応部分
に配置し、その後、残った空間に他方のイオン交換樹脂
混練体を射出して最終製品を成形することもできるし、
可動中子を有する金型に陽イオン交換樹脂の混練体及び
陰イオン交換樹脂の混練体をそれぞれ順次射出して一つ
の金型で最終製品まで成形することもできる。
【0020】またこのような多孔イオン交換樹脂体を射
出成形する場合、射出孔の数は少ない方が金型の構造の
単純化、ランナーに起因する歩留まりの低下を防止する
面で好ましい。一方、単一のイオン交換樹脂粒子の集合
域では一方のイオンのみしか除去できないので、その集
合域が大きい場合、脱イオン効率は低下してしまう。こ
のことから処理液の流れが交番的に陰イオン交換体域と
陽イオン交換体域を通過し、且つそのイオン交換樹脂の
集合域の個数が少ないことが脱塩性と製造効率の両面か
ら好ましい。図3にその一態様例を示している。この態
様例では、図示のとおり処理液の流れに対し多孔イオン
交換体が直角方向に層状に構成されている。そしてこの
態様は、射出成形法で製造するための好ましい多孔イオ
ン交換樹脂体の構造である。この態様における多孔イオ
ン交換樹脂体の各層は、性能に大きく影響をしない範囲
で、その厚みや形状が変動しても差し支えない。
【0021】また、本発明の多孔イオン交換樹脂体は、
陰陽各イオン交換樹脂粒子の集合域が櫛状で組み合わさ
れた構成の多孔イオン交換樹脂体であってもよい。図4
はその一態様例を示した図である。この形状は、例えば
櫛の連通側(幹側)から射出することで得られる。櫛の
連通側(幹側)から射出すると射出孔の数を更に少なく
することが可能であり、これはさらに好ましい多孔イオ
ン交換樹脂体の構成である。また混練体の流動性が十分
でない場合には、脱イオン性能が大きく低下しない範囲
で、櫛の歯に相当する部分の形状を、流動がさらに容易
な形状に変えて行くこともできる。図5にその一態様例
を示している。
【0022】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明がこのら実施例に限定されないこと
はもちろんである。 《実施例1》粒径が400〜550μm、イオン交換容
量が4.2ミリ当量/g乾燥樹脂のスルホン酸型陽イオ
ン交換樹脂(ロームアンドハース社製、アンバーライト
201CT、商品名)、及び、粒径が400〜530μ
m、イオン交換容量が3.7ミリ当量/g乾燥樹脂の4
級アンモニウム塩型陰イオン交換樹脂(ロームアンドハ
ース社製、アンバーライトIRA400、商品名)を乾
燥した後、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂をそ
の量比=50/50(乾燥状態での見かけ容量比)で混
合し、イオン交換容量比が60/40の混合物とした。
この混合物に線状低密度ポリエチレン(ダウケミカル社
製、アフィニティSM−1300、商品名)を3重量%
混合し、ニーダーを用いて温度145℃で40分間混練
した。
【0023】こうして得られた混練物を射出成形機(日
精樹脂工業社製、FN3000−25A)を用いて、バ
レル温度120℃に調整して成形を行い、厚さ6mmの
多孔イオン交換樹脂体を得た。この多孔イオン交換樹脂
体の水透過係数は圧力0.35kg/cm2 において1
50kg/cm・hrであった。また、10μS/cm
の水中の比抵抗の値をセルに入れて測定したところ、電
流密度0.005A/cm2 の時、390Ω・cmで、
同じ混合比のイオン交換樹脂粒子をセルに入れて測定し
た場合の680Ω・cmより低い値が得られた。
【0024】以上で製造した多孔イオン交換樹脂体を図
1に示す形式の電気透析装置の脱塩室に組み込んで水処
理試験を実施した。電気透析装置のイオン交換膜として
は、陽イオン交換膜(旭硝子株式会社製、セレミオンC
MT、商品名)、陰イオン交換膜(旭硝子株式会社製、
セレミオンAMP、商品名)からなる有効面積500c
2 ×5対のものを用いた。原水として電導度5μS/
cmの水を用い、ユニットセル当り4Vの電圧を印加し
て脱塩を行ったところ、電導度0.070μS/cmの
処理水が安定して得られた。
【0025】《実施例2》陰イオン交換樹脂及び陽イオ
ン交換樹脂を単独で用いた以外は実施例1と同じ方法で
多孔陰イオン交換樹脂体と多孔陽イオン交換樹脂体を射
出成形により作製した。次に多孔陰イオン交換樹脂体を
25mmピッチで直径20mmの孔をコルクボーラーで
くり抜いた。一方、多孔陽イオン交換樹脂体から約20
mmの外径の円盤をコルクボーラーで作製し、これを陰
イオン交換樹脂体の孔に挿入し、集合域を有する多孔イ
オン交換樹脂体を切り貼り法で作製した(図2参照)。
この多孔イオン交換樹脂体の水透過係数は圧力0.35
kg/cm2 において150kg/cm・hrであっ
た。
【0026】この多孔イオン交換樹脂体を、図1に示す
形式の電気透析装置の脱塩室中に組み込んで水処理試験
を実施した。電気透析装置のイオン交換膜としては、陽
イオン交換膜(旭硝子株式会社製、セレミオンCMT、
商品名)、陰イオン交換膜(旭硝子株式会社製、セレミ
オンAMP、商品名)からなる有効面積500cm2×
5対のものを使用した。原水として電導度5μS/cm
の水を用い、ユニットセル当り4Vの電圧を印加して脱
塩を行ったところ、電導度0.065μS/cmの処理
水が安定して得られた。
【0027】《実施例3》実施例2と同じ方法で作製し
た陰イオン交換樹脂混練体を射出成形機に供給し櫛状の
イオン交換樹脂体を作製した。取り出した櫛状の多孔陰
イオン交換樹脂体を平板用の金型の一方の端に寄せて配
置し、残った空間に陽イオン交換樹脂混練体を射出して
櫛状の多孔陽イオン交換体部分を形成した(図4参
照)。この多孔質イオン交換体の水透過係数は、圧力
0.35kg/cm2 において150kg/cm・hr
であった。この多孔イオン交換樹脂体を図1に示す形式
の電気透析装置の脱塩室中に組み込んで水処理試験を行
った。電気透析装置のイオン交換膜としては、陽イオン
交換膜(旭硝子株式会社製、セレミオンCMT、商品
名)、陰イオン交換膜(旭硝子株式会社製、セレミオン
AMP、商品名)からなる有効面積500cm2 ×5対
のものを用いた。原水として電導度5μS/cmの水を
用い、ユニットセル当り4Vの電圧を印加して脱塩を行
ったところ、電導度0.065μS/cmの処理水が安
定して得られた。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、充分なイオン交換基を
有する優れた固定化多孔イオン交換樹脂体を得ることが
できる。また多孔イオン交換樹脂体を射出成形で成形す
るが、この射出成形によれば圧縮力を加えながら成形で
きるため、イオン交換樹脂粒子間の接触が十分に取れ、
その使用時に捕捉されたイオンの移動性が大幅に改善さ
れる。このため該多孔イオン交換樹脂体を用いることに
より高性能な自己再生型電気透析装置を得ることができ
る。
【0029】また本発明の多孔イオン交換樹脂体は予め
成形した多孔イオン交換樹脂体であるため、所定の容器
に容易に収容、充填することができる。この点、特に電
気透析槽の脱塩室に該多孔イオン交換樹脂体を組み込ん
で脱イオン水製造装置として適用する場合にも、きわめ
て生産性が高く、しかも高純度脱イオン水を安定して製
造することができる。さらにこのような特徴を持つ多孔
イオン交換樹脂体を生産性の高い射出成形法で安価に製
造でき、コスト面でもきわめて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】自己再生型電気透析装置の一例を模式的に示す
断面図。
【図2】独立系多孔イオン交換樹脂体の態様例を示す
図。
【図3】層状に構成した多孔イオン交換樹脂体の態様例
を示す図。
【図4】櫛状に構成した多孔イオン交換樹脂体の態様例
を示す図。
【図5】櫛状に構成した多孔イオン交換樹脂体の他の態
様例を示す図。
【符号の説明】
A 陰イオン交換膜 K 陽イオン交換膜 1 容器(電気透析槽) 2 陽極室 3 陰極室 4 陽極 5 陰極 S1、S2・・・Sn 濃縮室 R1、R2・・・Rn 脱塩室 6 被処理液導入管 7 脱イオン水導管 8 濃縮液導入管 9 濃縮液導管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン交換樹脂粒子を熱可塑性ポリマーで
    結合した多孔イオン交換樹脂体であって、該多孔イオン
    交換樹脂体がイオン交換樹脂粒子及び熱可塑性ポリマー
    を含む混練物の射出成形により形成された多孔イオン交
    換樹脂体であることを特徴とする多孔イオン交換樹脂
    体。
  2. 【請求項2】上記イオン交換樹脂粒子が、陰イオン交換
    樹脂粒子と陽イオン交換樹脂粒子の混合物である請求項
    1記載の多孔イオン交換樹脂体。
  3. 【請求項3】上記多孔イオン交換樹脂体が、陰イオン交
    換樹脂粒子の集合域と陽イオン交換樹脂粒子の集合域と
    が2次元的に区分されている多孔イオン交換樹脂体であ
    る請求項1記載の多孔イオン交換樹脂体。
  4. 【請求項4】上記多孔イオン交換樹脂体が、(a)連続
    した陰イオン交換樹脂粒子の集合域中に独立した陽イオ
    ン交換樹脂粒子の集合域が存在している多孔イオン交換
    樹脂体、(b)連続した陽イオン交換樹脂粒子の集合域
    中に独立した陰イオン交換樹脂粒子の集合域が存在して
    いる多孔イオン交換樹脂体、(c)陰イオン交換樹脂粒
    子の集合域と陽イオン交換樹脂粒子の集合域が層状にな
    っている多孔イオン交換樹脂体又は(d)櫛状の陰イオ
    ン交換樹脂の粒子集合域と櫛状の陽イオン交換樹脂粒子
    の集合域が組み合わされた多孔イオン交換樹脂体である
    請求項3記載の多孔イオン交換樹脂体。
  5. 【請求項5】上記多孔イオン交換樹脂体が、圧力0.3
    5kg/cm2 に於ける水透過性が30kg/cm・h
    r以上である請求項1、2、3又は4記載の多孔イオン
    交換樹脂体。
  6. 【請求項6】陰極と陽極の間に陽イオン交換膜と陰イオ
    ン交換膜を交互に配列させてなる電気透析装置におい
    て、その脱塩室に請求項1ないし請求項5の何れかに記
    載の多孔イオン交換樹脂体を充填してなることを特徴と
    する電気透析装置。
  7. 【請求項7】陰極と陽極の間に陽イオン交換膜と陰イオ
    ン交換膜を交互に配列させてなる電気透析装置の脱塩室
    に請求項1ないし請求項5の何れかに記載の多孔イオン
    交換樹脂体を充填し、該脱塩室に被処理水を流しながら
    通電することを特徴とする脱イオン水の製造方法。
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JP (1) JPH1071338A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006502855A (ja) * 2002-10-16 2006-01-26 アクアテック インターナショナル コーポレイション イオン交換媒体の製造方法
KR20140074896A (ko) * 2011-09-16 2014-06-18 제너럴 일렉트릭 캄파니 스케일링 물질을 부동태화시키기 위한 전기 투석 방법 및 장치
JP2014237092A (ja) * 2013-06-07 2014-12-18 株式会社クラレ 脱イオン水の製造方法
JP2015530238A (ja) * 2012-08-27 2015-10-15 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMerck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung 改良型の電気脱イオンモジュールおよび装置
US10351446B2 (en) 2011-10-21 2019-07-16 Bl Technologies, Inc. Desalination system and method

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