JPH1070987A - ヒトTh2特異的タンパク質及びこれをコードする遺伝子(E26)、並びにこれに関連する形質転換体、組換えベクター及びモノクローナル抗体 - Google Patents

ヒトTh2特異的タンパク質及びこれをコードする遺伝子(E26)、並びにこれに関連する形質転換体、組換えベクター及びモノクローナル抗体

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JPH1070987A
JPH1070987A JP9144755A JP14475597A JPH1070987A JP H1070987 A JPH1070987 A JP H1070987A JP 9144755 A JP9144755 A JP 9144755A JP 14475597 A JP14475597 A JP 14475597A JP H1070987 A JPH1070987 A JP H1070987A
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Kazuyuki Ogawa
一行 小川
Kazuya Tanaka
和也 田中
Kinya Nagata
欽也 永田
Shoichi Takano
昇一 高野
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B M L KK
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B M L KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヘルパーT細胞のサブセットである、Th1と
Th2との分布の極性化における知見に基づく、免疫関
連疾患の病勢や病型の特定手段を提供すること。 【解決手段】ヒトTh2にのみ特異的な遺伝子(E2
6)をサブトラクション法により調製・特定し、この遺
伝子を組み込んだ組換えベクターとこの組換えベクター
で形質転換された形質転換体、この形質転換体に由来す
る上記遺伝子がコードするヒトTh2特異的タンパク
質、さらにはこのヒトTh2特異的タンパク質(E2
6)を抗原とする抗体を調製して、これらの遺伝子,タ
ンパク質及び抗体等を、Th1とTh2との分布の極性
化の特定手段や是正手段として用いること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Th2特異的タン
パク質及びこれをコードする遺伝子に関する技術分野に
属する発明である。より詳細には、アトピー性疾患の発
症,エイズの劇症化等に深く関わるヘルパーT細胞群に
おけるバランスの変化を迅速かつ簡便に特定する手段と
して用いることができる2型ヘルパーT細胞にのみ特異
的なタンパク質及びこれをコードする遺伝子に関する。
また、本発明はこの遺伝子を組み込んだ遺伝子発現用組
換えベクター,このベクターで形質転換した形質転換体
に関する技術分野に属する発明である。さらに、本発明
は上記のTh2特異的タンパク質を抗原とするモノクロ
ーナル抗体及びこれを産生するハイブリドーマに関する
技術分野に属する発明である。
【0002】
【従来の技術】近年、免疫学は驚くべき進歩を見せ、そ
の医学分野における貢献は多大である。免疫学は、感染
免疫,腫瘍免疫,アレルギー,アナフィラキシー等のど
のような免疫反応でも、その促進と抑制の中心的役割を
果たしているのは、マクロファージやリンパ球等が産生
するサイトカインであることを既に明らかにしている。
Mosmann とCoffman らは、マウス脾細胞から樹立した長
期培養可能なCD4+T細胞クローンを、その産生する
サイトカインの違いから異なる2つのサブセットに分類
した(Mosmann,T.R.,et al.,J.Immunol., 136 ,2348(19
86) )。
【0003】すなわち、主にIL−4,IL−5,IL
−6,IL−10及びIL−13を産生する「T−help
er2(Th2)」と、主にIL−2,IFN−γ及びT
NF−βを産生する「T−helper1(Th1)」とに分
類した。ヒトにおいては、当初このようなヘルパーT細
胞のサブセットの存在は疑問視されていたが、現在では
その存在が明らかに認められている(Romagnani,S., Im
munology Today 12,256(1991) 等) 。
【0004】現在、これらのマウスやヒトのヘルパーT
細胞サブセットTh2,Th1の性状や機能がますます
明らかになりつつあり、多くの免疫反応の調節にあずか
る中心細胞としての生物的意義が注目されている。ま
た、多くの感染症や免疫学的疾患では、患者リンパ球の
Th1/Th2サブセットの分布において、そのいずれ
かに極端に偏る極性化が起こり、この極性化がその疾患
の病勢や病型に反映していることが示唆されている。
【0005】例えば、Mycobacterium 感染症において
は、Mycobacterium に対する免疫反応がDTH(遅延
型)反応を主とした型をとっている場合はTh1優位で
あり、慢性化し進行型を呈する場合にはTh2優位にな
ること、HIV感染症においては、Th1型のサイト
カインの産生は長期間の非進行性患者に多く、Th2へ
の極性化が起こると症状は進行又は劇症化すること及び
アトピー性疾患の患者においては、Th2への極性化
が起こると症状が悪化すること等が現在明らかになりつ
つある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
すべき課題は、上記のTh1/Th2サブセットの分布
の極性化(以下、Th1/Th2インバランスという)
における知見に基づいた、免疫関連疾患の病勢や病型の
特定手段を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
ついて鋭意検討を行った。その結果、Th2に特異的な
タンパク質とこれをコードする遺伝子及びTh1に特異
的なタンパク質とこれをコードする遺伝子をそれぞれ特
定,調製することができれば、これを基にして所望する
免疫関連疾患の病勢や病型の特定手段を提供し得ること
を見出し本発明を完成した。本願は、上記遺伝子の内、
ヒトTh2に特異的なタンパク質及びこれをコードする
遺伝子(E26)に関連するものである。
【0008】すなわち、本発明者は本願において、以下
に掲げる発明を提供するものである。
【0009】請求項1において、配列番号6で表される
アミノ酸配列のヒトTh2特異的タンパク質を提供す
る。
【0010】請求項2において、配列番号6で表される
アミノ酸配列の一部のアミノ酸が欠失,置換若しくは付
加されたアミノ酸配列からなり、かつ前記請求項1記載
のヒトTh2特異的タンパク質と実質的に同一の生物学
的活性を有するヒトTh2特異的タンパク質を提供す
る。
【0011】請求項3において、配列番号6で表される
アミノ酸配列をコードする塩基配列を含むヒトTh2特
異的遺伝子を提供する。
【0012】請求項4において、配列番号5で表される
塩基配列のヒトTh2特異的遺伝子を提供する。
【0013】請求項5において、配列番号5で表される
塩基配列の一部の塩基が欠失,置換若しくは付加された
塩基配列からなり、かつストリンジェントな条件下で配
列番号5で表される塩基配列のDNAとハイブリダイズ
し、さらに配列番号6で表されるアミノ酸配列を有する
ヒトTh2特異的タンパク質と実質的に同一の生物学的
活性を有するヒトTh2特異的タンパク質をコードする
ヒトTh2特異的遺伝子を提供する。
【0014】請求項6において、前記請求項3乃至請求
項5のいずれかの請求項記載のヒトTh2特異的遺伝子
を含有する遺伝子発現用組換えベクターを提供する。
【0015】請求項7において、前記請求項6記載の遺
伝子発現用組換えベクターで形質転換され、かつこの遺
伝子発現用組換えベクターに含まれているヒトTh2特
異的遺伝子が発現している形質転換体を提供する。
【0016】請求項8において、前記請求項1又は請求
項2記載のヒトTh2特異的タンパク質のいずれかの部
分を抗原決定基とし、かつヒトTh1特異的タンパク質
との間においては免疫反応性を示さないモノクローナル
抗体を提供する。
【0017】請求項9において、前記請求項8記載のモ
ノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを提供す
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明におけるヒトTh2に特異的な遺伝
子〔以下、本発明Th2(E26)遺伝子という。この
本発明Th2(E26)遺伝子には、特に断らない限
り、本発明の技術的範囲に入るべき改変ヒトTh2(E
26)特異的遺伝子(後述する)が含まれる。〕の由来
となるヒトTh2とは、上記の通り、ヒトヘルパーT細
胞のサブセットの一つである。
【0019】このヒトTh2は、以下のような特徴を有
するヘルパーT細胞のサブセットである。 ヒトTh2は、IL−4及びIL−5を産生するが、
IFN−γ及びTNF−βは産生しない。 ヒトTh2は、IL−2及びIL−4に反応して増殖
し、IFN−γの存在により誘導が抑制される〔これに
対して、他方のサブセットのヒトTh1は、同様にIL
−2(IL−12にも)に反応して増殖するが、ヒトT
h2とは逆に、IL−4の存在により誘導が抑制され
る〕。
【0020】ヒトTh2の表面マーカーは、現在ヒト
Th1と明確に区別できる表面マーカーは見出されてお
らず、ヒトTh2はヒトTh1と同様に、CD44
bright,CD45RBdull,LECAM−1dullの表現
型を有する。 ヒトTh2は、抗体産生を亢進させる。特に、IgE
産生を誘導する。 ヒトTh2は、肥満細胞や好酸球の分化や増殖を促進
する。 ヒトTh2は、抗原特異的DTHを誘起せず、慢性化
し進行型を示す場合に優位となる。
【0021】本発明Th2(E26)遺伝子は、例えば
このような特徴を有するヒトTh2クローンを樹立し、
このクローンからヒトTh2のcDNAライブラリーを
調製して得ることができる。
【0022】A.ヒトTh2クローンの樹立:所望する
ヒトTh2クローンを樹立する前提として、このクロー
ンを含むことが知られているCD4+ T細胞集団を調製
する。この調製方法は、通常公知の方法、例えば"Gianf
ranco, F.D.P.,et al.,J.Clin. Invest.,88,346(1991)"
に記載されている方法に従って調製することが可能であ
る。
【0023】より具体的には、例えばヒトの全血から末
梢血単核球を分離して、これを種々のT細胞活性化因子
により刺激をして、所望するCD4+ T細胞集団を調製
する。T細胞活性化因子としては、例えばインゲンマメ
由来の植物凝集素(PHA)等の非特異的T細胞活性化
因子;IL−2,IL−4,IL−12等のサイトカイ
ン;PPD,ダニ抽出液等の刺激抗原等を挙げることが
できる。
【0024】この調製過程を経た後、後述するCD4+
T細胞の単離工程に先立ち、予めCD4+ T細胞以外の
要素、例えばCD8+ T細胞等を除去する工程に付する
ことが好ましい。この除去工程としては、例えば抗CD
4抗体を結合した磁気ビーズを用いてCD4+ T細胞の
みを濃縮する方法等を挙げることができる。
【0025】上記誘導過程を経た後、CD4+ T細胞ク
ローンを単離する。この単離方法も通常公知の方法、例
えば限界希釈法に従ってこの単離を行うことができる。
より具体的には、例えばPHA及びIL−2を添加した
培地で、細胞をウエル当り0.5〜10細胞となるよう
に96穴マイクロプレートに播き、3〜4日毎にIL−
2添加培地で培地交換を続け、増殖が認められた(通常
2〜4週間)細胞について表面マーカーを調べ、CD4
陽性のクローンのみを選択して、対象となるCD4+
細胞クローンとすることができる。このようにして単離
したCD4+ T細胞クローンの中から所望のヒトTh2
クローンを選択・調製することができる。
【0026】CD4+ T細胞クローンからのヒトTh2
クローンの選択は、既に知られているヒトTh2とヒト
Th1の性質の違いに基づき行われる。すなわち、例え
ば、抗CD3抗体の刺激に応答してIL−4を産生する
がIFN−γを産生しないクローンをヒトTh2クロー
ンとして選択することができる(これに対して、逆にI
FN−γを産生するがIL−4を産生しないクローンは
ヒトTh1として選択される)。
【0027】B.ヒトTh2に特異的なcDNAの調製 ヒトTh2のcDNAとヒトTh1のcDNAには、双
方に共通する遺伝子配列と、各々において特異的な遺伝
子配列が存在することが予想される。このような状況
下、所望するヒトTh2に特異的なcDNAを調製する
には、ヒトTh2のcDNA集団からヒトTh1のcD
NAと共通なものを除去する、いわゆるサブトラクショ
ン法を用いるのが有利である。
【0028】このサブトラクション法としては、例えば
デービスらの方法(Davis,M.M.,etal.,Proc. Natl. Aca
d. Sci. U.S.A.,81, 2194(1984))を挙げることができ
る。この方法はサブトラクションの対象となる一方の素
材のcDNAと、他方の素材の大過剰のpoly(A)+
NAをハイブリダイズさせて、ハイブリダイズせずに残
ったcDNAをプローブとして、上記一方の素材のcD
NAライブラリーをスクリーニングすることにより、上
記一方の素材に特異的なcDNAクローンを得る方法で
ある。
【0029】この方法は、大量のpoly(A)+ RNAを
必要とするという点が、poly(A)+ RNAの素材を大
量に入手することが困難な場合においては実施すること
が困難であるという欠点がある。そこで、比較的少量の
poly(A)+ RNAを出発材料としてサブトラクシ
ョンを行うために、PCR法を導入する方法も既に報告
されている〔例えば、gene expression screen法(Wan
g,Z. and Brown,D.D.,Proc.Natl.Acad.Sci. U.S.A.,88,
11505(1991)) 等〕。この方法は、上記の方法における
出発材料のcDNAを一度PCR法で増幅することを特
徴とする方法であるが、上記サブトラクション操作とP
CRによる増幅操作を繰り返すことで稀少なmRNAを
クローニングできるという利点を有する方法である。
【0030】本発明においては、一般的に正常のCD4
+ T細胞クローンの大量培養が困難であり、cDNAの
鋳型となるmRNAを大量に確保することが困難である
故、上記のサブトラクション法のうち、例えば上記「ge
ne expression screen法」を用いることが好ましい。
【0031】より具体的には、通常公知の方法(例え
ば、poly(A)+ RNAを鋳型として、逆転写酵素
を用いる方法)でヒトTh2クローン及びヒトTh1ク
ローン由来のcDNAを調製して、PCR法を用いてこ
れらのcDNAを増幅する。このcDNAの増幅に際し
ては、PCR法による増幅に適した長さのcDNA断片
を得るために、予め制限酵素処理や超音波処理をcDN
Aに施すことが好ましい。
【0032】また、PCR法による増幅に必要なPCR
プライマーとして、例えば、ヒトTh2及びヒトTh1
それぞれに異なった塩基配列を有する特異的なプライマ
ーを使用することができる。この特異的なプライマー
は、通常化学合成により調製される。この方法による
と、サブトラクション操作の後にヒトTh2由来のcD
NAのみが増幅され、微量に混入し得るヒトTh1由来
のcDNAの増幅を最小限に止め得るという点で有利で
ある。
【0033】この場合は、予めこのPCR用プライマー
がアニールし得る配列を含んだリンカーを上記cDNA
断片の両端に結合させる必要がある。このため、上記断
片化処理においては、このリンカーが結合し得る末端を
有するcDNA断片を提供する制限酵素を用いることが
好ましい。
【0034】PCRリンカーを結合した後のヒトTh2
クローン及びヒトTh1クローン由来のcDNA断片群
より、ある程度の長さを有する断片をアガロースゲル電
気泳動等の分別手段により選別し、この選別したcDN
A断片群をPCR法により増幅し、この増幅済断片をサ
ブトラクションの出発材料とすることができる。
【0035】このようにして調製したcDNA断片群の
うち、ヒトTh2クローン由来のcDNA断片群から、
ヒトTh2及びヒトTh1に共通する塩基配列有するc
DNAを除いたcDNA断片群を選別して、所望する本
発明ヒトTh2遺伝子を含んだ遺伝子ライブラリーを調
製することができる。
【0036】この選別方法は、例えば一定量のヒトTh
2クローン由来のcDNA断片群に過剰量の標識したヒ
トTh1クローン由来cDNA断片群をハイブリダイズ
させて、この標識に基づいてヒトTh1クローン由来c
DNA断片とハイブリダイズしたcDNAを除去して、
残りの断片をヒトTh2にのみ特異的な遺伝子配列に基
づいたcDNA断片として扱う方法を採ることができ
る。
【0037】ここで用いる標識は、上記選別方法を行う
ことが可能である限り特に限定されないが、可能な限り
標識及び除去が簡便な手段を用いることが好ましいこと
は勿論である。かかる点より、例えばビオチンでcDN
A断片を標識して、標識されたcDNA断片をストレプ
トアビジンに吸着させる手法等を用いることが有利であ
る。
【0038】なお、上記の手段により選別されたヒトT
h2にのみ特異的な遺伝子配列に基づいたcDNA断片
を、さらにPCR法によって増幅させて再び上記の選別
手段を行う過程を繰り返すことによって、所望するcD
NA断片を濃縮・増幅することができる。
【0039】このようにして調製した、cDNA断片を
用いて、本発明Th2(E26)遺伝子を含んだ遺伝子
ライブラリーを得ることができる。かかる遺伝子ライブ
ラリーの調製工程については、通常公知の方法を用いる
ことができる。
【0040】すなわち、上記cDNA断片を適切な遺伝
子導入用ベクターに組み込み、これを選択した遺伝子導
入用ベクターに応じた宿主に導入することにより所望す
る遺伝子ライブラリーを調製することができる。なお、
この遺伝子導入用ベクターにcDNA断片が組み込まれ
たか否かは、このベクターが保有する,例えばlac Z遺
伝子活性によるカラーセレクション等によって確認する
ことができる。
【0041】ここで用いる導入用ベクターは、特に限定
されず、例えばプラスミドとしては、pBluescript,pU
C18,pBR322,pBGP120,pPCφ1,
pPCφ2,pPCφ3,pMC1403,pLG20
0,pLG300,pLG400等を;λファージとし
ては、λgt10,λZAPII等を挙げることができる
が、取扱いの簡便さから上記lac Z遺伝子をマーカーと
して保有するプラスミドを用いることが好ましい。具体
的には、上記導入用ベクターのうち、pBluescript,pU
C18,pBGP120等を選択することが好ましい。
なお、この遺伝子ライブラリーの調製工程を市販の遺伝
子ライブラリー調製用キットを用いて行うことも可能で
ある。
【0042】C.本発明Th2(E26)遺伝子の単離 上記のようにして調製した遺伝子ライブラリーから、直
接DNAを抽出して、それらのうちのいくつかの塩基配
列を決定して、それらの塩基配列から本発明Th2(E
26)遺伝子を有するクローンを選別することも可能で
あるが、予めさらにクローンを選別して確実に本発明T
h2(E26)遺伝子を有するクローンを特定すること
が好ましい。
【0043】かかる選別方法としては、通常公知の方法
を用いることができる。たとえば、上記のごとく調製し
た、ヒトTh2に特異的な遺伝子に基づく遺伝子ライブ
ラリー及び別に調製したヒトTh1に特異的な遺伝子に
基づく遺伝子ライブラリーに由来する遺伝子を調製し、
これに標識を施して標識プローブとして、ヒトTh2に
特異的な遺伝子に基づく遺伝子ライブラリーのレプリカ
とハイブリダイズさせて、ヒトTh2に特異的な遺伝子
のプローブとはハイブリダイズするが、ヒトTh1に特
異的な遺伝子のプローブとはハイブリダイズしないクロ
ーンを選別して、このクローンを本発明Th2(E2
6)遺伝子を保有するクローンとして、後述する本発明
Th2(E26)遺伝子の塩基配列を決定する対象とす
ることができる。
【0044】なお、さらに慎重を期するために、例えば
ヒトTh2及びヒトTh1の全RNA又はpoly(A)+
RNAを用いたノーザンブロッティング法を用いて発現
するmRNAのパターンを比較して、後述する本発明T
h2(E26)遺伝子の塩基配列を決定する対象となる
クローンを決定付けることもできる。
【0045】このようにして調製したクローンにおける
本発明Th2(E26)遺伝子の塩基配列の決定手段は
通常公知の方法を用いて行うことができる。例えば、マ
キサム−ギルバート法(Maxam,A.M.,and Gilbert,W.,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,74,560(1977)),ゲノミック
・シークエンス法(Church,G.M. and Gilbert,W.,Proc.
Natl.Acad.Sci.U.S.A.,81,1991(1984)),マルチプレッ
クス法(Church,G.M. and Kieffer-Higgins,S.,Scienc
e,240,185(1988)),サイクルシークエンス法(Murray,
V.,Nucleic Acids Res.,17,8889(1989)),ジデオキシ
法(Sanger,F.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,74,
5463(1977))等の方法を用いて、所望する本発明Th2
(E26)遺伝子の塩基配列を決定することができる。
なお、これらの原理を応用した塩基配列自動解析装置を
用いて、この塩基配列を決定することも勿論可能であ
る。
【0046】上記のごとくして決定された本発明Th2
(E26)遺伝子の塩基配列を基にして、この本発明T
h2(E26)遺伝子そのものを入手することができ
る。すなわち、上記と同様に調製した本発明Th2(E
26)遺伝子の出所となるヒトTh2のcDNAを鋳型
とし、上記のごとく決定された本発明Th2(E26)
遺伝子の5’末端側と3’末端側の配列を含むDNA断
片をプライマーとして、前出のPCR法により、本発明
Th2(E26)遺伝子を大量に増幅させて入手するこ
とができる。
【0047】また、上記のごとく塩基配列を決定したヒ
トTh2遺伝子断片そのものをプローブとして、ヒトT
h2から作出したcDNAの遺伝子ライブラリーから本
発明Th2(E26)遺伝子を有するクローンを選別し
て、本発明Th2(E26)遺伝子の全長を入手する伝
統的な手法を用いることも可能である。
【0048】さらに、ホスファイト−トリエステル法
(Ikehara,M.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,81,5
956(1984) )等の通常公知の方法を用いて本発明Th2
(E26)遺伝子を化学合成することも可能であり、こ
れらの化学合成法を応用したDNAシンセサイザーを用
いて本発明Th2(E26)遺伝子を合成することも可
能である。
【0049】なお、このようにして製造する本発明Th
2(E26)遺伝子の塩基配列の一部を改変して、この
塩基配列の一部の塩基が欠失,置換若しくは付加された
塩基配列からなる改変遺伝子(この本発明Th2(E2
6)遺伝子に対する相同性は、概ね70%以上である)
の存在を本発明者は認識し、このような改変遺伝子にも
本発明の技術的範囲は及ぶものである。
【0050】この本発明の技術的範囲が及び得るヒトT
h2遺伝子は、ストリンジェントな条件下{系における
DNA同士のハイブリッドが形成しにくい条件〔具体的
には、系の温度(高い程ハイブリッドしにくい)や塩濃
度(低い程ハイブリッドしにくい)や、ホルムアミド等
の変性剤の濃度(高い程ハイブリッドしにくい)等に依
存する〕のことをいう。}で配列番号5(後述する)で
表される塩基配列のDNAとハイブリダイズし、さらに
配列番号6(後述する)で表されるアミノ酸配列を有す
るヒトTh2特異的タンパク質と実質的に同一の生物学
的活性を有するヒトTh2(E26)特異的タンパク質
をコードするヒトTh2特異的遺伝子である。
【0051】ここにいう「実質的に同一」とは、その生
物学的活性が比較の対象となるヒトTh2(E26)特
異的タンパク質の生物学的活性と質的及び/又は量的に
同一性を有することを意味する。具体的なヒトTh2
(E26)特異的タンパク質の生物学的活性については
後述する。
【0052】この遺伝子改変法として、通常公知の方
法、例えばいわゆるサイト−スペシフィックミュータジ
ェネシス(Site-Specific Mutagenesis)(Mark,D.F.,et
al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A., 81,5662(1984) )等
の方法を用いて、所望の遺伝子改変を行うことができ
る。
【0053】このようにして入手した本発明Th2(E
26)遺伝子を用いて、疾患の局所におけるTh1/T
h2バランスのチェックを行うことができる。すなわ
ち、疾患の局所のmRNAを抽出して、例えばRT−P
CR法("PCR Protocols, A Guide to Methods and App
lications" Innis, M.A.,et al.,ed.,Academic Press,S
an Diego,1990 )を用いて、この組織における本発明T
h2(E26)遺伝子の発現の程度を測定して、疾患の
局所におけるTh1/Th2バランスのチェックを行う
ことができる。
【0054】このTh1/Th2バランスをチェックす
ることにより、上記従来技術の欄に記載したごとく、T
h1/Th2インバランスが重大な要素となる疾患、例
えばHIV感染症,アレルギー疾患,各種の感染症等の
症状の推移等をより確実に把握することができる。
【0055】なお、このTh1/Th2バランスのチェ
ックは、後述するヒトTh2のポリクローナル抗体又は
モノクローナル抗体を用いて行うことも勿論可能である
が、ここに示したチェック手段は、これらの抗体を用い
ることが困難な局面、例えば目的のタンパク質の発現量
が極微量である場合等に際して有効なチェック手段であ
る。
【0056】D.本発明ヒトTh2(E26)タンパク
質の製造:さらに、このようにして入手した、本発明T
h2(E26)遺伝子を用いて、組換えヒトTh2特異
的タンパク質〔以下、本発明ヒトTh2(E26)タン
パク質という。この本発明ヒトTh2(E26)タンパ
ク質には、特に断らない限り上記の改変遺伝子から翻訳
され得るヒトTh2特異的タンパク質が含まれ、勿論こ
れらの改変遺伝子から翻訳され得る改変タンパク質は、
改変されていない本発明ヒトTh2(E26)タンパク
質と実質的に同一の生物学的活性を有する。〕を製造す
ることができる。この本発明ヒトTh2(E26)タン
パク質は、上記本発明Th2(E26)遺伝子を利用し
て、通常公知の一般的な遺伝子組換え技術に従って製造
することができる。
【0057】より具体的には、本発明Th2(E26)
遺伝子が発現可能な形態の遺伝子発現用ベクターに本発
明Th2(E26)遺伝子を組み込み、この遺伝子発現
用ベクターの性質に応じた宿主にこの組換えベクターを
導入して形質転換し、この形質転換体を培養等すること
により所望の本発明ヒトTh2(E26)タンパク質を
製造することができる。
【0058】ここで用いる遺伝子発現用ベクターは、通
常発現しようとする遺伝子の上流域にプロモーター,エ
ンハンサー,及び下流域に転写終了配列等を保有するも
のを用いるのが好適である。
【0059】また、本発明Th2(E26)遺伝子の発
現は、直接発現系に限らず、例えばβ−ガラクトシダー
ゼ遺伝子,グルタチオン−S−トランスフェラーゼ遺伝
子やチオレドキシン遺伝子を利用した融合タンパク質発
現系とすることもできる。
【0060】かかる遺伝子発現用ベクターとしては、例
えば宿主を大腸菌とするものとしては、pQE,pGE
X,pT7−7,pMAL,pTrxFus,pET,
pNT26CII等を例示することができる。また、宿主
を枯草菌とするものとしては、pPL608,pNC
3,pSM23,pKH80等を例示することができ
る。
【0061】また、宿主を酵母とするものとしては、p
GT5,pDB248X,pART1,pREP1,Y
Ep13,YRp7,YCp50等を例示することがで
きる。
【0062】また、宿主を哺乳動物細胞又は昆虫細胞と
するものとしては、p91023,pCDM8,pcD
L−SRα296,pBCMGSNeo,pSV2dh
fr,pSVdhfr,pAc373,pAcYM1,
pRc/CMV,pREP4,pcDNAI等を例示す
ることができる。
【0063】これらの遺伝子発現ベクターは、本発明ヒ
トTh2(E26)タンパク質を発現させる目的に応じ
て選択することができる。例えば大量に本発明ヒトTh
2(E26)タンパク質を発現させることを企図する場
合には、宿主として大腸菌,枯草菌又は酵母等を選択し
得る遺伝子発現ベクターを選択するのが好ましく、少量
でも確実に活性を有するように本発明ヒトTh2(E2
6)タンパク質を発現させることを企図する場合には、
哺乳動物細胞や昆虫細胞を宿主として選択し得る遺伝子
発現ベクターを選択するのが好ましい。
【0064】上記のように既存の遺伝子発現ベクターを
選択することも可能であるが、目的に応じて適宜遺伝子
発現ベクターを作出して、これを用いることも勿論可能
である。なお、これらの遺伝子発現用組換えベクターも
本発明の技術的範囲に入るものである。
【0065】本発明Th2(E26)遺伝子を組み込ん
だ上記遺伝子発現用ベクターの宿主細胞への導入及びこ
れによる形質転換法は、一般的な方法、例えば宿主細胞
が大腸菌や枯草菌である場合には、塩化カルシウム法や
エレクトロポレーション法等を;宿主が哺乳動物細胞や
昆虫細胞の場合はリン酸カルシウム法,エレクトロポレ
ーション法又はリポソーム法等の手段により行うことが
できる。
【0066】このようにして得られる形質転換体を常法
に従い培養することにより、所望する本発明ヒトTh2
(E26)タンパク質が蓄積される(このような形質転
換体も本発明の技術的範囲に含まれる)。かかる培養に
用いられる培地は、宿主の性質に応じて適宜選択するこ
とができるが、例えば宿主が大腸菌である場合には、L
B培地やTB培地等が、宿主が哺乳動物細胞の場合に
は、RPMI1640培地等を適宜用いることができ
る。
【0067】この培養により得られる培養物からの本発
明ヒトTh2(E26)タンパク質の単離及び精製は、
常法に従い行うことが可能であり、例えば培養物を、本
発明ヒトTh2(E26)タンパク質の物理的及び/又
は化学的性質を利用した各種の処理操作を用いて行うこ
とが可能である。
【0068】具体的には、タンパク沈澱剤による処理,
限外濾過,ゲル濾過,高速液体クロマトグラフィー,遠
心分離,電気泳動,特異抗体を用いたアフィニティクロ
マトグラフィー,透析法等を単独で又はこれらの方法を
組み合わせて用いることができる。このようにして、本
発明ヒトTh2(E26)タンパク質を単離、精製する
ことが可能である。
【0069】なお、上記の本発明Th2(E26)遺伝
子発現系において、宿主として患者自身から分離したT
細胞又は骨髄細胞等を本発明Th2(E26)遺伝子で
形質転換して、この形質転換体を患者に戻すことによ
り、いわゆる遺伝子治療に利用することが可能である。
この場合の発現用ベクターとしては、例えばレトロウイ
ルスやアデノウイルス等のウイルスベクター等を挙げる
ことができる。
【0070】この形質転換細胞を用いて行う遺伝子治療
は、Th1優位のTh1/Th2インバランスに陥って
いることが重大な原因となる疾病の患者に対して行うこ
とができる。具体的には、例えば多発性硬化症やリウマ
チ様関節炎等の自己免疫疾患に上記形質転換細胞を投与
して、これによりこれらの疾患の重大な原因となってい
るTh1優位のTh1/Th2インバランスを、投与し
た形質転換細胞にヒトTh2(E26)タンパク質を患
者の体内で発現させることにより遺伝子治療を行うこと
ができる。
【0071】E.本発明ヒトTh2(E26)タンパク
質に対する抗体の製造:本発明は、上記本発明ヒトTh
2(E26)タンパク質に対する抗体にも関する。すな
わち、本発明ポリクローナル抗体は、ヒトTh2(E2
6)タンパク質を免疫抗原として免疫した動物に由来す
る免疫血清から製造することができる。
【0072】ここで使用される免疫抗原としてのヒトT
h2(E26)タンパク質は、特に限定されるものでは
なく、上記のごとく調製される本発明Th2(E26)
遺伝子(その塩基配列の一部を改変したものも含む)が
コードする本発明ヒトTh2(E26)タンパク質を用
い得ることは勿論のこと、本発明Th2(E26)遺伝
子の一部断片がコードする本発明ヒトTh2(E26)
タンパク質断片や本発明ヒトTh2(E26)タンパク
質に直接酵素処理等を施して、又は化学合成して得られ
る本発明ヒトTh2(E26)タンパク質の部分ペプチ
ドをも本発明ポリクローナル抗体を製造する上での免疫
抗原とすることができる。
【0073】また、免疫動物と同種・同系統の動物由来
の細胞株を、ヒトTh2タンパク質〔本発明ヒトTh2
(E26)タンパク質を含む〕又はその一部をコードす
る遺伝子を組み込んだ発現ベクターを導入して形質転換
して、この形質転換細胞をその免疫動物に移植すること
により本発明ポリクローナル抗体を調製することができ
る。すなわち、形質転換細胞を移植した動物の体内で、
持続的に上記ヒトTh2タンパク質がその形質転換細胞
で作られ、それに対する抗体が産生されて、これを本発
明ポリクローナル抗体とすることもできる(Nemoto,T.,
et al.,Eur.J.Immunol.,25,3001(1995) )。
【0074】さらに、上記ヒトTh2タンパク質を発現
する発現ベクターを直接動物に筋注や皮下注等の手段で
投与することにより、その動物内で上記ヒトTh2タン
パク質を継続的に産生させて、上記の形質転換細胞を移
植した場合と同様に本発明ポリクローナル抗体を製造す
ることができる(Raz,E.,el al.,Proc.Natl.Acad.Sci.
U.S.A.,91,9519(1994) )。
【0075】一方、本発明モノクローナル抗体は、本発
明ポリクローナル抗体の場合と同様の方法で、免疫した
動物の免疫細胞と動物の骨髄腫細胞とのハイブリドーマ
を作出し、これによりヒトTh2タンパク質を認識する
抗体を産生するクローンを選択し、このクローンを培養
することにより製造することができる。
【0076】また、免疫される動物も特に限定されるも
のではなく、マウス,ラット等を広く用いることができ
るが、モノクローナル抗体を製造する場合には、細胞融
合に用いる骨髄腫細胞との適合性を考慮して選択するこ
とが望ましい。免疫は一般的方法により、例えば上記免
疫抗原を免疫の対象とする動物に静脈内,皮内,皮下,
腹腔内注射等で投与することにより行うことができる。
【0077】より具体的には、上記免疫抗原を所望によ
り通常のアジュバントと併用して、免疫の対象とする動
物に2〜14日毎に上記手段により数回投与し、ポリク
ローナル抗体製造のための免疫血清又はモノクローナル
抗体製造のための免疫細胞、例えば免疫後の脾臓細胞を
得ることができる。
【0078】モノクローナル抗体を製造する場合、この
免疫細胞と細胞融合する他方の親細胞としての骨髄腫細
胞としては、既に公知のもの、例えばSP2/0−Ag
14,P3−NS1−1−Ag4−1,MPC11−4
5,6.TG1.7(以上、マウス由来);210.R
CY.Ag1.2.3(ラット由来);SKO−00
7,GM15006TG−A12(以上、ヒト由来)等
を用いることができる。
【0079】上記免疫細胞とこの骨髄腫細胞との細胞融
合は、通常公知の方法、例えばケーラーとミルシュタイ
ンの方法(Kohler,G. and Milstein,C.,Nature,256,495
(1975))等に準じて行うことができる。
【0080】より具体的には、この細胞融合は、通常公
知の融合促進剤、例えばポリエチレングリコール(PE
G),センダイウイルス(HVJ)等の存在下におい
て、融合効率を向上させるためにジメチルスルホキシド
等の補助剤を必要に応じて添加した通常の培養培地中で
行い、ハイブリドーマを調製する。所望のハイブリドー
マの分離は、通常の選別用培地、例えばHAT(ヒポキ
サンチン,アミノプテリン及びチミジン)培地で培養す
ることにより行うことができる。すなわち、この選別用
培地において目的とするハイブリドーマ以外の細胞が死
滅するのに十分な時間をかけて培養することによりハイ
ブリドーマの分離を行うことができる。このようにして
得られるハイブリドーマは、通常の限界希釈法により目
的とするモノクローナル抗体の検索及び単一クローン化
に供することができる。
【0081】目的とするモノクローナル抗体産生株の検
索は、例えばELISA法,プラーク法,スポット法,
凝集反応法,オクタロニー法,RIA法等の一般的な検
索法に従い行うことができる。このようにして得られる
ヒトTh2タンパク質を認識する所望のモノクローナル
抗体を産生するハイブリドーマは、通常の培地で継代培
養することが可能であり、さらに液体窒素中で長時間保
存することもできる(本発明の技術的範囲には、このハ
イブリドーマも含まれる。)。
【0082】このハイブリドーマからの所望のモノクロ
ーナル抗体の採取は、このハイブリドーマを常法に従っ
て培養して、その培養上清として得る方法や、ハイブリ
ドーマをこのハイブリドーマに適合性が認められる動物
に投与して増殖させ、その腹水として得る方法等を用い
ることができる。
【0083】なお、インビトロで免疫細胞をヒトTh2
タンパク質又はその一部の存在下で培養し、一定期間後
に上記細胞融合手段を用いて、この免疫細胞と骨髄腫細
胞とのハイブリドーマを調製し、抗体産生ハイブリドー
マをスクリーニングすることで所望するモノクローナル
抗体を得ることもできる(Reading,C.L.,J.Immunol.Met
h.,53,261(1982) ;Pardue,R.L.,et al.,J.Cell Biol.,
96,1149(1983))。
【0084】さらに、免疫原として本発明ヒトTh2
(E26)タンパク質を用いることなしに、免疫原とし
て直接本発明Th2(E26)遺伝子又はその一部を用
いて所望するモノクローナル抗体を製造することも可能
である。すなわち、本発明Th2(E26)遺伝子で直
接動物を免疫して(この免疫の際には、この遺伝子を含
む遺伝子発現用組換えベクターを免疫原として用いるこ
とができる)、その遺伝子免疫動物の免疫細胞又は免疫
血清を用いることによって、ヒトTh2(E26)タン
パク質を特異的に認識するモノクローナル抗体を製造す
ることができる。
【0085】また、上記で得られるポリクローナル抗体
及びモノクローナル抗体は、更に塩析,ゲル濾過法,ア
フィニティクロマトグラフィー等の通常の手段により精
製することができる。このようにして得られるポリクロ
ーナル抗体及びモノクローナル抗体は、本発明ヒトTh
2(E26)タンパク質に特異反応性を有する抗体であ
る。
【0086】上記ポリクローナル抗体及びモノクローナ
ル抗体は、体内のTh1/Th2バランスをチェックす
る手段として用いることができる。すなわち、上記抗体
をELISA,RIA,免疫組織化学的手法,フローサ
イトメトリーによる解析,ウエスタンブロット法等に用
いることによって、検体中のヒトTh2量を特定するこ
とにより、体内のTh1/Th2バランスをチェックし
て、上記従来技術の欄に記載したごとく、Th1/Th
2インバランスが重大な要素となる疾患、例えばアトピ
ー性疾患やエイズ等の症状の推移等をより確実に把握す
ることができる。
【0087】また、上記のようにして得られるポリクロ
ーナル抗体及びモノクローナル抗体は、例えばTh2が
優位のTh1/Th2インバランスを是正する抗体とし
て用いることができる。
【0088】なお、動物由来の抗体においては、そのま
ま人間に投与する場合に抗原性が認められ、そのままヒ
トに投与するのには適さない面がある。そのために、動
物由来のモノクローナル抗体の遺伝子の可変領域をクロ
ーニングして、この可変領域の遺伝子とヒト型の抗体の
遺伝子の定常領域の遺伝子と結合させて、この融合遺伝
子を発現させて融合抗体を製造することができる(Clac
kson,T.,et al.,Nature,352 ,624(1991))。
【0089】この技術を上記モノクローナル抗体につい
て適用することも可能である。すなわち、動物由来の上
記モノクローナル抗体の可変領域とヒト型の抗体の定常
領域とが融合した融合抗体を、例えばTh2が優位のT
h1/Th2インバランスを是正する抗体として用いる
こともできる。
【0090】
【実施例】以下、実施例等により本発明を具体的に記載
するが、この実施例により本発明の技術的範囲が限定し
て解釈されるべきものではない。
【0091】〔実施例1〕 本発明Th2(E26)遺
伝子の製造等 (1)ヘルパーT細胞クローンの調製 健常人の末梢血単核球(PBMC)106 細胞/mlに、
ヒトTh1細胞を主に誘導するために、PHA(EYラ
ボラトリーズ社製)1μg/ml,rIFN−γ(ジエンザ
イム社製)50ng/ml 及びrIL−12(R&Dシステ
ムズ社製)5ng/ml を添加して5日間培養した。一方、
ヒトTh2を主に誘導するために、PBMCにダニ抽出
液(鳥居薬品製)2%(v/v),rIL−4(ジエンザイ
ム社製)20ng/ml 及び抗IFN−γ抗体(ジエンザイ
ム社製)を5μg /mlを添加して5日間培養した。5日
後、各々の培養にrIL−2(塩野義製薬製)を40U
/ml 添加して、さらに7〜10日間培養した。
【0092】次に、この培養集団の中から、CD4+
細胞を分離するために、抗CD4抗体を結合した磁気ビ
ーズ(ダイナル社製)を吸着させた後、磁石上でビーズ
と結合した細胞を回収した。次に、磁気ビーズ分離用試
薬(ダイナル社製)で、磁気ビーズからCD4+ T細胞
を解離させ、CD4+ T細胞を得た。次いで、この純化
したCD4+ T細胞集団をPHA0.5μg/ml及びrI
L−2を40U/ml添加した、15%牛胎児血清添加R
PMI1640で、細胞をウエル当り0.5細胞となる
ように96穴マイクロプレートに播き、3〜4日毎に上
記と同様のIL−2添加培地で培地交換を続け、増殖が
認められた細胞について表面マーカーを蛍光抗体法を用
いて調べ、CD4に対して陽性のクローンのみを選択し
て、対象となるCD4+ T細胞クローンとした(Gianfr
anco, F.D.P.,et al.,J.Clin. Invest. ,88,346(1991)
)。
【0093】次に、個々のCD4+ T細胞クローンの細
胞のタイプを調べるために、上記CD4+ T細胞クロー
ン(6×105cells/300μl /ウエル)を、抗CD
3抗体(OKT3:オーソファーマスーティカル社製)
をコートした48ウエルプレートで24時間培養し、そ
の培養上清中のIFN−γ及びIL−4の濃度をそれぞ
れのモノクローナル抗体を用いたELISAで測定し
た。その結果、IL−4を産生するがIFN−γを産生
しないものをヒトTh2クローンとした。その結果を第
1表に示す。
【0094】
【表1】
【0095】(2)サブトラクトcDNAライブラリー
の調製 上記(1)において得たヒトTh2クローン(2P2
6)及びヒトTh1クローン(2P15)よりそれぞれ
poly(A)+ RNAをオリゴdTラテックス(日本
ロシュ製)を用いて常法により調製した。次いで、これ
らのpoly(A)+ RNAを鋳型にして、オリゴ(d
T)プライマー(ファルマシア製)及びMMLV逆転写
酵素(ファルマシア製)を用いて、それぞれのcDNA
を約300ngを調製した。次に、それぞれのcDNA
を、PCR法による増幅工程に処するに適した鎖長にす
るために、制限酵素Alu I(東洋紡績製)84U及び
同Rsa I(東洋紡績製)48Uで、37℃で5時間消
化し、それぞれに異なるPCR用のリンカー(Balzer,
H.J.,and Baumlein,H.,Nucleic Acids Res.,22 ,2853(1
994) ):
【0096】ヒトTh2用リンカー:5’−AGT T
AC ACG TCT AGA ATG GCT−3’
(配列番号1) 3’−ATAG TCA ATG TGC AGA T
CT TAC CGA−5’(配列番号2)
【0097】ヒトTh1用リンカー:5’−CTC T
TG CTT GAA TTC GGA CTA−3’
(配列番号3) 3’−ACAC GAG AAC GAA CTT A
AG CCT GAT−5’(配列番号4)
【0098】を結合した後に、アガロース電気泳動によ
り分子量が0.2Kbp から2Kbp のcDNA断片のみを
分取した。次に、このようにして得られた2P26由来
及び2P15由来のcDNA断片を、それぞれ特有のP
CR用プライマー:
【0099】ヒトTh2用プライマー:5’−AGT
TAC ACG TCT AGA ATG GCT−
3’(配列番号1) ヒトTh1用プライマー:5’−CTC TTG CT
T GAA TTC GGA CTA−3’(配列番号
3)
【0100】を用いてPCRにより増幅した(熱サイク
ル:94℃1分;50℃1分;72℃2分;を30
回)。このPCRにより得られたPCR産物をサブトラ
クションの出発材料とした。
【0101】すなわち、ヒトTh2(2P26)由来の
上記PCR産物(5μg )に大過剰量のビオチン標識ヒ
トTh1(2P15)由来のPCR産物(100μg )
〔DNA(100 μg ) に光反応性ビオチン(100 μg )
(ベクターラボラトリーズ社製)を加え、氷中で冷しな
がら、160Wサンランプ下約15cmの所に静置し、1
5分間照射した。その後、未反応ビオチンをブタノール
抽出で除去し、この操作を再度繰り返した後、トリス・
EDTA緩衝液(TE)に溶解してビオチン標識を完了
した。〕を加え、100℃で熱変性してそれぞれを1本
鎖とした後に両者をハイブリダイズさせた。次いで、フ
リーの2P15由来のcDNA及び2P26由来のcD
NAとハイブリダイズした2P15由来のcDNAを、
系にストレプトアビジン(ライフテクノロジーズ製)を
100μg 添加して、これに吸着させて、フェノール・
クロロホルム抽出により除去した。この操作により、2
P26由来のcDNAから2P15由来のcDNAと共
通の塩基配列を持つcDNAが差し引かれ、2P26に
対して特異的なcDNAを濃縮するサブトラクションが
完了した。
【0102】次いで、この濃縮した2P26に対して特
異的なcDNAについて、上記のPCR増幅及びサブト
ラクションを再度繰り返し、2P26に対して特異的な
cDNAをさらに濃縮した後、再度上記と同様のPCR
増幅を行い、約3μg のcDNAを得た。このようにし
て得た2P26に対して特異的なcDNAを、プラスミ
ドpBluescript SK(-)(ストラタジーン社製)にクロー
ニングしてサブトラクトcDNAライブラリーを調製し
た。次いで、このサブトラクトcDNAライブラリーの
一部で大腸菌(E.coli JM109株)を形質転換した。
【0103】(3)本発明Th2(E26)遺伝子断片
の単離 上記(2)で得た2P26由来のサブトラクトcDNA
及び同様の方法により得られた2P15由来のサブトラ
クトcDNAを、それぞれランダムプライミング法を用
いた市販の32P標識用キット(宝酒造製)を用いて標識
し、これらを放射性プローブとした。一方、上記(2)
において調製した2P26由来のcDNAライブラリー
の一部で形質転換した大腸菌をプレートに播き、生育し
てきたコロニーについて2組のレプリカフィルターを作
製した。この2組のレプリカフィルターに対して、上述
の2種の放射性プローブをハイブリダイズさせ、0.1
×SSCで洗浄後、オートラジオグラフィーでプローブ
中のcDNAと相同なcDNAを含む大腸菌コロニーを
同定した。
【0104】この方法で、約3400のコロニーをスク
リーニングした結果、「2P15由来のサブトラクトc
DNAプローブでは陽性シグナルを与えず、2P26由
来のサブトラクトcDNAプローブに対してのみ陽性シ
グナルを与える」コロニーを201個認めた。この20
1個のcDNAクローンについて、コロニーハイブリダ
イゼーション法により、相互の異同を検討した結果、相
互にハイブリダイズしない独立した60個のクローンを
得た。次に、この60個のクローンについて、全RNA
を用いたノーザンブロッティングにより、2P26と2
P15との間でのmRNAの発現の差を検討した。その
結果、2P15には殆ど発現しておらず、2P26にの
み発現が顕著であるクローンを13種得た。
【0105】次に、この13種のクローンのcDNAに
ついて、さらにヒトTh2に対する特異性を確認するた
めに、複数のヒトTh2クローン細胞及びヒトTh1ク
ローン細胞との間でのmRNAの発現の差を、上記ノー
ザンブロッティング法により検討した。その結果、ヒト
Th2クローン細胞にのみ共通に発現が認められるいく
つかのcDNAクローンを得た。そのうちの1つのクロ
ーン(E26)の上記ノーザンブロッティング解析の結
果を第1図に示す。
【0106】この第1図において、E26mRNAが上
記2つのヒトTh2クローン(2P26及びKND4)
において発現していることが明らかになった(レーン3
及びレーン4に対応する)。なお、E26mRNAはヒ
トTh1クローン(1PO4及び2P15:それぞれレ
ーン1及びレーンに対応する)には発現していなかっ
た。
【0107】cDNAクローンE26のDNAの塩基配
列の解析を、蛍光ターミネーターを用いたジデオキシタ
ーミネーション法により(パーキンエルマーシータス社
のキットを用いた)行った。その結果、クローンE26
は、新規の塩基配列を有するDNAを有していた。そこ
で、次にクローンE26が有する上記遺伝子と相同の塩
基配列を含む遺伝子〔本発明Th2(E26)遺伝子〕
の全長についてのクローニングを行った。
【0108】(4)本発明Th2(E26)遺伝子のク
ローニング 所望のcDNAの全長をクローニングするために、E2
6mRNAの発現が高い細胞からλファージcDNAラ
イブラリーを調製した。すなわち、上記KND4細胞よ
り全RNAを抽出し、オリゴ(dT)ラテックス(日本
ロシュ製)を用いて、poly(A)+ RNAを常法に
より精製した。次に、市販のcDNAクローニングキッ
ト(ライフテクノロジー社製)を用いて、2本鎖cDN
Aを合成し、λZAPII(ストラタジーン社製)のEc
oRIサイトにクローニングした。これに引続き、市販
のキット(ストラタジーン社製)を用いて、インビトロ
で上記λファージにおけるパッケージングを完了した。
このパッケージング産物を大腸菌XL1−Blue M
RF' (ストラタジーン社製)に感染させ、約1×10
5 個の組換えλファージを得た。次に、上記(3)によ
り得た新規のcDNA断片をランダムプライミング法を
用いた市販の32P標識用キット(宝酒造製)を用いて標
識し、これを放射性プローブとして、プラークハイブリ
ダイゼーション法によりλファージライブラリーのスク
リーニングを行った。
【0109】その結果、25の陽性クローンを見出し、
これらの陽性cDNAクローンのうち、最も長いインサ
ートDNAを持つクローン3個を選択した。選択したλ
ZAPII3クローンのそれぞれより、ExAssistヘルパー
ファージ(ストラタジーン社製)を用いて、EcoRI
サイトにインサートDNAを含むファージミドpBluesc
riptを切り出した。次ぎに、インサートDNAを含むフ
ァージミドpBluescriptDNA大腸菌SOLR(ストラ
タジーン社製)を形質転換した。上記(3)と同様の蛍
光ターミネーターを用いたジデオキシターミネーション
法による塩基配列解析の結果、上記3つの陽性クローン
のcDNAの互いに重複する部分の塩基配列は完全に一
致しており、同一の遺伝子に由来するクローンであるこ
とが確認された。これらの3つの陽性クローンのうち、
最も長いcDNAを有するクローンE26−1をE26
と称し、以下に用いた。
【0110】(5)本発明Th2(E26)遺伝子の構
造 クローンE26に取り込まれたcDNAは862bpの鎖
長であり、ノーザンブロッティングで測定されたmRN
Aの長さ(約1kbp )に近いものであった。そして、そ
の3’端に、poly(A)+ 付加シグナル及びpol
y(A)+ の一部と思われる9個のA(アデニン)を有
していた。
【0111】また、最も長いオープンリーディングフレ
ームは、5’端より79番目のATGより始まり、67
6番目のTGAで終わり、199アミノ酸残基よりなる
タンパク質をコードしていると予測された。その開始コ
ドン付近の塩基配列(GCACC ATGC)は、Ko
zakのコンセンサス配列(CCA(G)CCATG
G:Kozak,M.,Nucleic Acids Res.,15,8125(1987) ))
とほぼ相同であった。
【0112】以上の点より、クローンE26は、mRN
Aの3’端から始まり、コーディング領域全長を経て
5’側の非翻訳領域の一部に達するほぼ全長を含んでい
ると判断された。
【0113】このクローンE26の有するcDNA配列
を有する遺伝子を本発明Th2(E26)遺伝子とし、
その配列を配列番号5に示す。また、この塩基配列がコ
ードすると推定されるアミノ酸配列を配列番号6に示
す。
【0114】なお、このアミノ酸配列を一文字法で表す
と以下のようになる。『MPNYKLTYFNMRGRAEIIRYIFAYLDIQ
YEDHRIEQADWPEIKSTLPFGKIPILEVDGLTLHQSLAIARYLTKNTDLA
GNTEMEQCHVDAIVDTLDDFMSCFPWAEKKQDVKEQMFNELLTYNAPHLM
QDLDTYLGGREWLIGNSVTWADFYWEICSTTLLVFKPDLLDNHPRLVTLR
KKVQAIPAVANWIKRRPQTKL 』 〔上記アミノ酸配列において、A:アラニン,V:バリ
ン,L:ロイシン,I:イソロイシン,P:プロリン,
F:フェニルアラニン,W:トリプトファン,M:メチ
オニン,G:グリシン,S:セリン,T:トレオニン,
C:システイン,Q:グルタミン,N:アスパラギン,
Y:チロシン,K:リシン,R:アルギニン,H:ヒス
チジン,D:アスパラギン酸,E:グルタミン酸,をそ
れぞれ示す。〕
【0115】また、本発明Th2(E26)遺伝子を大
腸菌(E.coli K12-JM109 株)に組み込んだこの形質転
換体は、E26 cDNAとして、工業技術院生命工学
研究所に寄託番号FERM P−15617で寄託され
ている。
【0116】(6)インビトロにおける本発明Th2
(E26)遺伝子の転写及び翻訳 市販のキット(ストラタジーン社製)を用いて、本発明
Th2(E26)遺伝子を鋳型として、T7RNAポリ
メラーゼを用いてRNAを合成した。続いて35Sメチオ
ニンの存在下に、市販のウサギ網状赤血球抽出物(プロ
メガ バイオテク社製)を用いてインビトロ翻訳を行っ
た。次いで、その翻訳産物をレムリ(Laemmli )の方法
に従い、SDSポリアクリルアミド電気泳動で分析し
た。その結果、予測された分子量である23Kdと近似し
た分子量を有する単一のタンパク質が作られていること
を確認した(第2図)。
【0117】(7)mRNA発現の組織特異性 本発明Th2(E26)遺伝子由来のmRNA発現の組
織特異性を調べるために、種々の組織に由来する細胞株
の全RNAについてのノーザンブロッティング解析を行
った。その結果、用いたいずれの細胞株でも本発明Th
2(E26)遺伝子由来のmRNAの発現が確認できな
かった(第3図)。従って、本発明Th2(E26)遺
伝子の発現は、Th2細胞を含む特定の細胞に限定され
ることが明らかになった。
【0118】〔実施例2〕大腸菌リコンビナント本発明
Th2(E26)タンパク質の製造(1)本発明Th2
(E26)遺伝子発現ベクターの製造 本発明Th2(E26)遺伝子の全長(配列番号5)を
含むプラスミドDNA(pBluescriptSK
(−)、上記E26 cDNAから単離)からこの遺伝
子のコード領域を含むインサートDNAを制限酵素Ps
tIおよびEcoRIを用いて切り出し、アガロース電
気泳動で精製した。このようにして得たE26遺伝子断
片(配列番号5の42番目から862番目に相当する配
列の3’末端に、cDNAクローニングに使用したEc
oRIアダプターが連結した状態)をpcDL−SRα
のPstI,EcoRIサイトに挿入し、所望する哺乳
動物細胞用の発現プラスミドpcDL−SRα/E26
を得た。
【0119】一方、大腸菌用の発現プラスミドを以下の
ようにして作製した。まず、cDNAクローンE26を
鋳型にして、BamHIサイト及びエンテロキナーゼ認
識切断部位をコードする塩基配列を含むセンスプライマ
ー〔5’−CCG AGA GGA TCC GAT
GAC GAT GAC AAA ATG CCA A
AC TAC AAA CTC ACT T−3’(配
列番号7)〕及びHindIIIサイトを含むアンチセ
ンスプライマー〔5’−CGGAAC AAG CTT
GAA GGC AAC ATG GAT CAGC
TA−3’(配列番号8)〕を用いて本発明Th2(E
26)遺伝子のコード領域全長をPCRで増幅した。こ
のPCRは、耐熱性ポリメラーゼ(ストラタジーン社
製)を用いて、96℃・30秒,60℃・1分,76℃
・3分を1サイクルとしする熱サイクルを10サイクル
行った。このPCRによって得られたPCR産物を、フ
ェノール/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿により
精製した後、制限酵素(BamHIとHindIII)
で消化し、この消化物をアガロース電気泳動で精製し
た。得られた精製DNAをpQE30(QIAGEN社
製)のBamHI/HindIIIサイトに挿入し、所
望する大腸菌用の発現プラスミドpQE/E26を得
た。
【0120】(2)リコンビナント本発明ヒトTh2
(E26)タンパク質の製造 リコンビナント本発明ヒトTh2(E26)タンパク質
を得るために、まず上述の大腸菌用の発現プラスミドp
QE/E26で大腸菌JM109を形質転換した。次に
形質転換体をTB培地20ml中で37℃で一晩振盪培養
を行った。次に得られた形質転換体をTB培地で50倍
に希釈して1l とし、さらに37℃での培養を継続し
た。600nmでの吸光度が1.0になった時点で、終濃
度0.5mlになるようにIPTG(シグマ社製)を添加
し、さらに6時間振盪培養を行った。得られた培養物に
遠心処理を施して集菌してPBSで洗浄後、菌を溶解液
(50mM Tris/HCl, 1M NaCl, 10% グリセリン, 1 mM
フェニルメチルスルフォニルフルオライド, 1 %トリト
ンX-100, pH7.5)30mlに再浮遊させ、氷中で冷しなが
ら超音波破砕した。
【0121】この超音波破砕産物に遠心処理を施し、そ
の遠心上清にNi−NTAagarose(QIAGEN社
製)4mlを加え、4℃で一晩攪拌した。翌日、反応後の
Ni−NTAagarose をカラムに充填し、上述の溶解液
でよく洗浄後、0〜600mMのイミダゾール濃度勾配洗
浄液60mlで溶出し、2mlずつ分画した。各フラクショ
ンをSDSポリアクリルアミド電気泳動で解析し、夾雑
蛋白質の混入が少ないフラクションをプールした。その
結果、純度95%以上のリコンビナント本発明ヒト(E
26)タンパク質を得た(第4図)。
【0122】〔実施例3〕本発明ヒト(E26)タンパ
ク質に対するモノクローナル抗体の製造 (1)動物への免疫 上記実施例2により得た、リコンビナント本発明ヒト
(E26)タンパク質のPBS溶液(1mg/ml)を等量の
フロイント完全アジュバントと混和し、その0.1mlを
7週齢のBALB/cマウス(雌)の背部皮下に免疫し
た。2週間後、フロイント不完全アジュバントを使用し
て同様の免疫を行い、それ以降は2週間に1回,計2〜
4回、上記PBS溶液(0.5mg/ml)0.1mlを腹腔に
注入して免疫した。
【0123】(2)ハイブリドーマの調製 最終免疫の3日後のマウスの脾臓細胞108 個をマウス
ミエローマ細胞株SP2/0−Ag14(2x10
7 個)と混和し、50%ポリエチレングリコール(平均
分子量1500)PBS溶液(シグマ社製)を用いて細
胞融合を行った。
【0124】処理後の細胞を96ウエルプレートにウエ
ルあたり1x105 個の割合で播き、翌日からHAT試
薬(シグマ社製)を添加し、10日間選択培養を行った
ところ、ほぼ全ウエルにハイブリドーマの増殖が認めら
れた。各ハイブリドーマの培養上清中のE26特異的モ
ノクローナル抗体の存在の有無は、上述した本発明ヒト
(E26)タンパク質を抗原としたELISA法でスク
リーニングした。
【0125】すなわち、クローン細胞E26を固相化し
た96ウエルプレートにハイブリドーマの培養上清50
μl を加え、よく混和後、室温で1時間反応させた(1
次反応)。次に0.1%ツィーン20を含むPBS(洗
浄液)で5回洗浄後、パーオキシダーゼ標識ヤギ抗マウ
スイムノグロブリン抗体(Bio source International社
製)を室温で1時間反応させた(2次反応)。再び系を
洗浄液で5回洗浄後、ABTS試薬(シグマ社製)で発
色させた(基質反応)。この反応において発色が認めら
れたサンプルを陽性とした。
【0126】(4)モノクローナル抗体の製造 上記スクリーニング法で陽性であったハイブリドーマ培
養上清については、以下のようにしてCOS7細胞に発
現させた本発明ヒトTh2(E26)タンパク質との反
応性を調べ、特異性を確認した。すなわち、まず上述し
た哺乳動物細胞用の発現プラスミドpcDL−SRα/
E26をリポフェクチン試薬(ライフテクノロジー社
製)を用いてCOS7細胞に遺伝子導入した。2日後に
細胞をスライドグラス上に塗抹し、3%パラフォルムア
ルデヒド/PBSで室温、10分間固定した。この固定
細胞上にハイブリドーマ培養上清を滴下し、室温で30
分間反応させた(1次反応)。
【0127】系をPBSで洗浄後、フルオレセインイソ
チオシアネート標識ヤギ抗マウスイムノグロブリン抗体
(Bio source International社製)を滴下し室温で30
分間反応させた(2次反応)。再びPBSで洗浄後、5
0%グリセリン/PBSで封じ、蛍光顕微鏡で蛍光の有
無を観察した。対照のCOS7細胞とは反応せず、pc
DL−SRα/E26を遺伝子導入したCOS7細胞と
のみ反応するハイブリドーマ培養上清が、本発明ヒトT
h2(E26)タンパク質に特異的なモノクローナル抗
体を含むと判定した。
【0128】このようにして特異性が確認されたハイブ
リドーマ細胞について、96ウエルプレートにウエルあ
たり0.3細胞を播くクローニング操作を2〜3回繰り
返し、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを確立し
た。
【0129】これらのハイブリドーマのうち1つは、M
ouse Hybridoma AE3Cとして、工業
技術院生命工学研究所に寄託番号FERM P−162
15で寄託されている。
【0130】このモノクローナル抗体(Mouse H
ybridoma AE3C)を用いて、ウエスタンブ
ロッティング法でTh1、およびTh2クローン細胞に
おける本発明ヒトTh2(E26)タンパク質の発現を
解析した結果を第5図に示す。第5図において、本発明
ヒトTh2(E26)タンパク質は、Th1に比べてT
h2細胞に優勢に発現していることが確認された。
【0131】
【発明の効果】本発明により、上記のTh1/Th2サ
ブセットの分布における極性化における知見に基づい
た、免疫関連疾患の病勢や病型の特定手段の重要な要素
となるヒトTh2特異的遺伝子及びヒトTh2特異的タ
ンパク質が提供される。また、本発明により、このヒト
Th2特異的遺伝子を含む遺伝子発現用組換えベクタ
ー、及びこの遺伝子発現用組換えベクターで形質転換さ
れた形質転換体が提供される。さらに、本発明により上
記ヒトTh2特異的タンパク質を抗原とするポリクロー
ナル抗体及びモノクローナル抗体とこれを産生するハイ
ブリドーマが提供される。
【配列表】
【0132】配列番号:1 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AGTTACACGT CTAGAATGGC T 21
【0133】配列番号:2 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AGCCATTCTA GACGTGTAA CTGATA 25
【0134】配列番号:3 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CTCTTGCTTG AATTCGGACT A 21
【0135】配列番号:4 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TAGTCCGAAT TCAAGCAAG AGCACA 25
【0136】配列番号:5 配列の長さ:862 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:不明 配列の種類:cDNA 起源 ヒトTh2(E26)遺伝子 配列 ATAAACCCAA GGCACAGTCA CATACCCAGG GATACAAGAC ACTGCAGACT CCCGAGAGAC 60 ATAACACAGA ATTGCACCAT GCCAAACTAC AAACTCACTT ATTTTAATAT GAGGGGGAGA 120 GCAGAAATTA TTCGTTACAT ATTTGCTTAT TTGGACATAC AGTATGAAGA CCACAGAATA 180 GAACAAGCTG ACTGGCCTGA AATCAAATCA ACTCTCCCAT TTGGAAAAAT CCCCATTTTG 240 GAAGTTGATG GACTTACTCT TCACCAGAGC CTAGCAATAG CAAGATATTT GACCAAAAAC 300 ACAGATTTGG CTGGAAACAC AGAAATGGAA CAATGTCATG TTGATGCTAT TGTGGACACT 360 CTGGATGATT TCATGTCATG TTTTCCTTGG GCAGAGAAAA AGCAAGATGT GAAAGAGCAG 420 ATGTTCAATG AGCTGCTCAC GTATAATGCG CCTCATCTTA TGCAAGACTT GGACACATAT 480 TTAGGGGGGA GAGAATGGCT TATTGGTAAC TCTGTAACTT GGGCAGACTT CTACTGGGAG 540 ATTTGCAGTA CCACACTTTT GGTCTTTAAG CCTGACCTGT TAGACAACCA TCCAAGGCTG 600 GTGACTTTAC GGAAGAAAGT CCAAGCCATT CCTGCCGTCG CTAACTGGAT AAAACGAAGG 660 CCCCAAACCA AACTCTAGCT GATCCATGTT GCCTTCAAGT TTGTTTTTCT CGGGGGCATC 720 TCTCTCATCA GATAAGACAG CTACATCAGC CTGCCAGATA ATCCACATGC TCCCTCCCCA 780 GCTCCACTAA GATTTTCACT TTAGCCATAT TCTGATTTTT AAAAAGGAAA ATAAAAACAA 840 ATCTTTCTTC AGTAAAAAAA AA 862
【0137】配列番号:6 配列の長さ:223 配列の型:アミノ酸 トポロジー:不明 配列の種類:蛋白質 起源 ヒトTh2(E26) 配列 Met Pro Asn Tyr Lys Leu Thr Tyr Phe Asn Met Arg Gly Arg Ala Glu 16 Ile Ile Arg Tyr Ile Phe Ala Tyr Leu Asp Ile Gln Tyr Glu Asp His 32 Arg Ile Glu Gln Ala Asp Trp Pro Glu Ile Lys Ser Thr Leu Pro Phe 48 Gly Lys Ile Pro Ile Leu Glu Val Asp Gly Leu Thr Leu His Gln Ser 64 Leu Ala Ile Ala Arg Tyr Leu Thr Lys Asn Thr Asp Leu Ala Gly Asn 80 Thr Glu Met Glu Gln Cys His Val Asp Ala Ile Val Asp Thr Leu Asp 96 Asp Phe Met Ser Cys Phe Pro Trp Ala Glu Lys Lys Gln Asp Val Lys 112 Glu Gln Met Phe Asn Glu Leu Leu Thr Tyr Asn Ala Pro His Leu Met 128 Gln Asp Leu Asp Thr Tyr Leu Gly Gly Arg Glu Trp Leu Ile Gly Asn 144 Ser Val Thr Trp Ala Asp Phe Tyr Trp Glu Ile Cys Ser Thr Thr Leu 160 Leu Val Phe Lys Pro Asp Leu Leu Asp Asn His Pro Arg Leu Val Thr 176 Leu Arg Lys Lys Val Gln Ala Ile Pro Ala Val Ala Asn Trp Ile Lys 192 Arg Arg Pro Gln Thr Lys Leu 199
【0138】配列番号:7 配列の長さ:49 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CCGAGAGGAT CCGATGACGA TGACAAAATG CCAAACTACA AACTCACTT 49
【0139】配列番号:8 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CGGAACAAGC TTGAAGGCAA CATGGATCAG CTA 33
【図面の簡単な説明】
【図1】E26クローンのノーザンブロッティング解析
の結果を示す電気泳動写真像等を示した図面である。
【図2】インビトロにおける本発明Th2(E26)遺
伝子の翻訳産物の電気泳動写真像等を示した図面であ
る。
【図3】本発明Th2(E26)遺伝子由来のmRNA
発現の組織特異性を示すノーザンブロッティング解析の
結果を示す電気泳動写真像等を示した図面である。
【図4】リコンビナント本発明ヒトTh2(E26)タ
ンパク質を、SDSポリアクリルアミド電気泳動で解析
した結果を示した図面である。
【図5】モノクローナル抗体を用いて、ウエスタンブロ
ッティング法でTh1、およびTh2クローン細胞にお
ける本発明ヒトTh2(E26)タンパク質の発現を解
析した結果を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 G01N 33/53 K G01N 33/53 D 33/577 B 33/577 C12N 1/21 // C12N 1/21 C12P 21/08 C12P 21/08 7823−4B C12Q 1/68 A C12Q 1/68 C12N 5/00 B (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:19) (72)発明者 高野 昇一 埼玉県川越市的場1361番地1 株式会社ビ ー・エム・エル総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号6で表されるアミノ酸配列のヒト
    Th2特異的タンパク質。
  2. 【請求項2】配列番号6で表されるアミノ酸配列の一部
    のアミノ酸が欠失,置換若しくは付加されたアミノ酸配
    列からなり、かつ請求項1記載のヒトTh2特異的タン
    パク質と実質的に同一の生物学的活性を有するヒトTh
    2特異的タンパク質。
  3. 【請求項3】配列番号6で表されるアミノ酸配列をコー
    ドする塩基配列を含むヒトTh2特異的遺伝子。
  4. 【請求項4】配列番号5で表される塩基配列のヒトTh
    2特異的遺伝子。
  5. 【請求項5】配列番号5で表される塩基配列の一部の塩
    基が欠失,置換若しくは付加された塩基配列からなり、
    かつストリンジェントな条件下で配列番号5で表される
    塩基配列のDNAとハイブリダイズし、さらに配列番号
    6で表されるアミノ酸配列を有するヒトTh2特異的タ
    ンパク質と実質的に同一の生物学的活性を有するヒトT
    h2特異的タンパク質をコードするヒトTh2特異的遺
    伝子。
  6. 【請求項6】請求項3乃至請求項5のいずれかの請求項
    記載のヒトTh2特異的遺伝子を含有する遺伝子発現用
    組換えベクター。
  7. 【請求項7】請求項6記載の遺伝子発現用組換えベクタ
    ーで形質転換され、かつこの遺伝子発現用組換えベクタ
    ーに含まれているヒトTh2特異的遺伝子が発現してい
    る形質転換体。
  8. 【請求項8】請求項1又は請求項2記載のヒトTh2特
    異的タンパク質のいずれかの部分を抗原決定基とし、か
    つヒトTh1特異的タンパク質との間においては免疫反
    応性を示さないモノクローナル抗体。
  9. 【請求項9】請求項8記載のモノクローナル抗体を産生
    するハイブリドーマ。
JP9144755A 1996-06-05 1997-05-19 ヒトTh2特異的タンパク質及びこれをコードする遺伝子(E26)、並びにこれに関連する形質転換体、組換えベクター及びモノクローナル抗体 Withdrawn JPH1070987A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005320309A (ja) * 2004-05-02 2005-11-17 Hokkaido Technology Licence Office Co Ltd 癌抗原非特異的な標的化t細胞の製造方法及び医薬
JP2012050440A (ja) * 2011-09-16 2012-03-15 Chiba Univ ヒトTh1/Th2分化誘導の評価方法

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