JPH1070517A - ディジタル放送用受信機 - Google Patents

ディジタル放送用受信機

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JPH1070517A
JPH1070517A JP8242663A JP24266396A JPH1070517A JP H1070517 A JPH1070517 A JP H1070517A JP 8242663 A JP8242663 A JP 8242663A JP 24266396 A JP24266396 A JP 24266396A JP H1070517 A JPH1070517 A JP H1070517A
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JP
Japan
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symbol
signal
data
digital broadcast
reception
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Application number
JP8242663A
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English (en)
Inventor
Hidemi Usuha
英巳 薄葉
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Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Electronic Corp
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Publication date
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  • Radio Transmission System (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 OFDM変調方式を用いたディジタル放送用
受信機の受信電力を向上する。 【解決手段】 参照シンボル並びにデータシンボルは、
各々、有効シンボル区間と前記有効シンボル区間の一部
区間の繰り返しであるガードインターバル区間とから構
成され、デジタル放送を受信するアンテナ部と、基準周
波数を発生するクロック発生部16と、クロック発生部
の基準周波数に基づき伝送される信号を順次サンプリン
グするA/D変換器6と、参照シンボル並びにデータシ
ンボルを復調するサンプリングデータ群を、A/D変換
器のサンプリングデータ群の中から順次確定する制御部
15と、確定されたサンプリングデータ群について高速
フーリエ変換13を施すことで、複数のキャリア各々の
位相情報を得る手段とを有し、複数のアンテナエレメン
ト1と、複数のアンテナエレメントにて受信される信号
を加算2するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【0001】
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、変調方式としてOFD
M(Orthogonal Frequency Division Multiplex :直
交周波数分割多重)を用いたディジタル信号の送受信シ
ステムに関し、特に、音声圧縮を用いた移動体向けのデ
ィジタル放送用受信機の受信電力の向上に関する。
【0003】
【0002】
【0004】
【従来の技術】受信アンテナに到達する電波は、様々な
遅延時間を有する反射波の合成と考えることが出来る。
このため、受信強度は変動し、局所的な受信強度の低下
が起こる地点も存在する。
【0005】ディジタル放送に採用する変調方式として
OFDM(Orthogonal FrequencyDivision Multiplex
:直交周波数分割多重)方式が適していることが知ら
れている。このOFDM方式は、周波数利用効率が高い
伝送方式であり、直交関係にある多数の搬送波(キャリ
ア)を用いる多搬送波変調方式である。そして、その各
々の搬送波に、例えば位相変調にて変調を施すことで情
報を伝送することが出来る。このOFDMを用いる利点
の一つに、マルチパス(遅延波)干渉による妨害が深刻
な伝送路に強いことが挙げられる。OFDMでは、直交
性を保てる範囲であれば直接波に遅延波が加算されてい
ても各搬送波に重畳した情報を正確に復調出来る。
【0006】
【0003】欧州で開発されたDAB(DIGITAL AUDIO
BROADCASTING)システムを例にとれば、送信機側では、
データ圧縮(高能率符号化)を施された入力データがシ
リアル−パラレル変換にてパラレルデータに変換された
後、パラレルデータは差動符号化によりπ/4シフトQ
PSKシンボルに変換される。
【0007】かかる処理にて、シンボルを構成する各キ
ャリアに各々2ビットのデータをのせることが可能とな
る。
【0008】そして、このシンボルには高速逆フーリエ
変換(IFFT)が施され、ベースバンド信号の同相成
分、直交成分が各々得られる。IFFTの各出力はD/
A変換を経て局部発振器からの発振信号(RF信号)に
より直交変調がなされると共に、所望の周波数帯域の伝
送信号に周波数変換され、アンテナより送信信号として
送信される。
【0009】
【0004】一方、受信機側では送信側と逆の処理が行
われる。即ち、アンテナにて得られた信号は直交復調器
を介して(または、更に周波数変換段を介して)ベース
バンド信号の同相成分及び直交成分を各々生成する。
【0010】この出力はA/D変換器にて送信側のサン
プリング周波数と同期するように設定された所定のサン
プリング周波数にて順次サンプリングされされ、離散デ
ータとして高速フーリエ変換器(FFT)に入力され
る。
【0011】更に、フーリエ変換によって搬送波毎の信
号(位相情報)が得られ、その後、隣接するシンボル間
の差動復号化器によって差動復号がなされる。
【0012】差動復号化器の出力信号はパラレル−シリ
アル変換器でシリアルデータとされ、これが受信したデ
ータとなる。実際にはこのシリアルデータはエラー訂
正、データ圧縮の復号などのデータ処理が施され、アナ
ログ信号に変換される。
【0013】
【0005】かかるDABシステムにおいては、時間軸
上、図7に模式的に示されるようなフォーマットで送信
信号が形成される。即ち、フレーム単位でデータが伝送
されると共に、1フレーム内に、順次、ヌルシンボル、
参照シンボル(リファレンスシンボル)、及び複数のシ
ンボル列からなるデータシンボル部が形成される。
【0014】ヌルシンボルは、伝送信号の存在しない期
間であり、ヌルシンボルを検出することでフレームの始
まりを大まかに識別することができる。参照シンボルは
差動復号のための基準位相を担い、データシンボルには
本来伝送すべき音声信号などの主情報が割り当てられ
る。
【0015】
【0006】また、DABシステムにおいては、図8に
示されるような4つの伝送モードが規定されている。こ
れによれば、伝送モードによって、有効シンボル長やキ
ャリア数等が異なっていることが分かる。従って、複数
の伝送モードに対応するように構成された受信機におい
ては、手動、または自動的に送信モードを認識し、例え
ば、FFTを行うシンボルの位置を受信モードに応じて
適切に調整するといった内部処理が必要となる。
【0016】尚、伝送モードを自動的に識別する手法の
1つは欧州特許公報(EP−0666661A2)など
に詳細に開示されており、ここでは、説明は割愛する。
【0017】
【0007】OFDMはマルチパス干渉に強いと言う特
徴を持つ伝送方式であるが、長い遅延時間にて符号間干
渉が生じた場合、情報の再生は不可能になる。
【0018】このため、DABシステムでは、図7に示
すように、各シンボルは、マルチパスの影響からくる遅
延波による符号間干渉を避けるために設けられているガ
ードインターバルと、これに後続する有効シンボルとに
より構成されている。
【0019】尚、ガードインターバル区間では、後続す
る有効シンボル区間の一部区間の信号が繰り返される。
【0020】受信機側では、例えば、有効シンボル区間
に対してFFT処理を行う。
【0021】従って、マルチパスにより遅延波がアンテ
ナを介して入力されても、ガードインターバル区間(Δ
t)を越えない範囲であれば、隣接シンボルの影響は避
けられ正確に伝送情報を再生することが出来る。尚、シ
ンボルの復調と言う意味では、FFT処理は正確に有効
シンボル区間に対して実施しなくても、そのシンボル内
の有効シンボル長分のデータ群に対して実施できれば問
題ない。
【0022】また、同一シンボル間の重ね合わせの部分
は差動復号を行った時点で位相変位分が消去されるので
復調には影響しない。
【0023】
【0008】しかし、実際には、上述の遅延波の重ね合
わせにより、振幅の変位が生じる。このため、極端に受
信電力が悪化するキャリアでは、受信波のC/N比が低
くなるので受信品質の悪化は避けられない。最悪の場
合、復調感度を下回り復調そのものが出来なくなってし
まう。
【0024】このような状況に対してDABシステムで
は、周波数軸でのインターリーブ、並びに時間軸でのイ
ンターリーブを施し、マルチパスにより影響を受ける部
分を分散し、誤り訂正にて補正している。
【0025】また、当然のことではあるが、遅延波がな
い場合であっても、タワーから移動体が離れ過ぎた場合
には直接波が低下し、同様に受信品質は悪化する。
【0026】
【0009】
【0027】
【発明が解決しようとする課題】このように、DABシ
ステムでは移動体受信を考慮し、多くの手法が用いられ
ているが、受信品質、受信エリアの更なる向上のために
は、本質的に、受信機における受信電力を増加させるこ
とが重要である。
【0028】本発明は、受信電力を増加させることで受
信品質を向上させ、受信エリアの拡大を可能とするディ
ジタル放送用受信機を提供することを課題とする。
【0029】
【0010】
【0030】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
受信機側にて既知の情報を担う参照シンボルと、複数の
データシンボルと、フレームの開始を示すヌルシンボル
からなるシンボル群で1つのフレームを構成し、かつ、
所望の周波数帯域内の複数キャリア各々を位相変調する
ことで参照シンボル並びにデータシンボルを構成するよ
うにしたディジタル放送を受信可能なディジタル放送用
受信機であって、参照シンボル並びにデータシンボル
は、各々、有効シンボル区間と有効シンボル区間の一部
区間の繰り返しであるガードインターバル区間とから構
成され、ディジタル放送用受信機は、伝送されるデジタ
ル放送を受信するためのアンテナ部と、基準周波数を発
生するためのクロック発生部と、クロック発生部の基準
周波数に基づき伝送される信号を順次サンプリングする
A/D変換器と、参照シンボル並びにデータシンボルを
復調するためのサンプリングデータ群を、A/D変換器
のサンプリングデータ群の中から順次確定する制御部
と、確定されたサンプリングデータ群について高速フー
リエ変換を施すことで、複数のキャリア各々の位相情報
を得る手段と、を有し、アンテナ部は複数のアンテナエ
レメントと、複数のアンテナエレメントにて受信される
信号を加算する加算部を有することを特徴とする。
【0031】
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載のデ
ィジタル放送受信機であって、複数のアンテナエレメン
トは各々フェージング相関が略0となるように配置され
ていることを特徴とする。
【0032】
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1記載のデ
ィジタル放送受信機であって、複数のアンテナエレメン
トは、ガードインターバル区間で補償される遅延時間を
越えない範囲内に配置されていることを特徴とする。
【0033】
【0013】
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ詳細に説明する。
【0035】図1は、本発明のディジタル放送用受信機
の一実施例であるOFDM方式のDAB受信機の概略構
成を示している。
【0036】図1において、受信機は、アンテナを介し
て受信される。アンテナ1は、複数のアンテナ11 〜1
n を有する。各アンテナ11 〜1n にて受信したRF
(Radio Frequency )信号は、加算手段2にて加算さ
れ、同調手段としてのフロントエンド3に供給される。
【0037】フロントエンド3は、RF信号の内の所望
の周波数帯域の信号に同調し、更に、同調したRF信号
を中間周波数信号に変換し直交復調器4に供給する。
【0038】
【0014】直交復調器4は、例えば2つの混合器、移
相器等を含み、局部発振信号と中間周波数信号とを一方
の混合器にて混合して、ベースバンド信号の同相成分I
を出力する。他方の混合器には、局部発振信号を移相器
によって90度だけ位相シフトさせた信号と中間周波数
信号とが入力され、ベースバンド信号の直交成分Qを出
力する。
【0039】
【0015】同相成分Iは、LPF(ローパスフィル
タ)5Iを介してA/D変換器6Iに供給され、直交成
分Qは、LPF5Qを介してA/D変換器6Qに供給さ
れる。
【0040】A/D変換器6I、6Qは、クロック発生
部16にて生成されたクロック周波数に基づく入力信号
のサンプリングを、システム制御回路15の制御の下に
行い、入力同相成分I、入力直交成分Qをディジタル信
号に変換し、離散データとしてFFT(高速フーリエ変
換器)7に供給する。
【0041】FFT7は、周波数成分の解析手段を担
い、A/D変換器6I、6Qより供給される同相及び直
交成分のサンプリングデータを保持する保持部を含み、
保持されたデータに対してフーリエ変換による時間軸か
ら周波数軸上への変換を行う。
【0042】
【0016】この変換は、後述のシステム制御部15か
らの制御信号に応じて設定された期間(FFTの窓位
置)についての変換であり、例えばFFTの窓位置(有
効シンボル長)を1ms、サンプリング周波数を2.0
48MHzとすれば、モード1で規定される1KHzス
テップで1536個のキャリアについての位相情報Yk
が得られる。
【0043】FFT処理により求められた位相情報Yk
は差動復号器8に入力される。差動復号器8では、各々
のキャリアの位相情報に対して位相差が求められる。
【0044】即ち、FFT処理にて得られた位相情報を
(in、qn)とすれば、前回シンボルの位相情報(i
n-1 、qn-1 )の共役複素数と今回シンボルの位相情報
(in、qn)との乗算が行われるのである。
【0045】
【0017】このようにして求められたキャリア毎の位
相差の情報を担う差動復号器8出力信号は、ビタビ復号
器9により、最も確からしい値のデータ列信号として確
定され、この確定されたデータ列信号が音声復号器10
に送出される。
【0046】音声復号器10は、ビタビ復号器9からの
データ列信号に施されている音声圧縮を復号し、復号デ
ータは図示しないD/A変換器を経て通常のアナログ音
声信号に変換される。
【0047】尚、実際には差動復号器8の後段の処理と
してデインターリーブ等の処理も含まれるが本発明の特
徴には直接関係しないのでその詳しい説明は省略する。
【0048】
【0018】LPF5I、5Qの出力信号はまたヌル検
出器11にも供給される。ヌル検出器11は、各LPF
の出力に基づき、伝送される信号(図7参照)中の無信
号区間を検出して、ヌルシンボルの可能性があるとする
ヌル検出信号をシステム制御回路15に供給する。
【0049】ヌル検出器11においては、例えば入力信
号のエンベロープに基づいたヌル検出がなされる。即
ち、LPF5I、5Qから得られる同相成分信号I´及
び直交成分信号Q´より(I'2+Q'2)を算出し、その
算出値が基準値以下である時をヌル部の検出時としてヌ
ル検出信号を発生する。
【0050】システム制御回路15は、得られたヌル検
出信号に応答して、伝送モードを確定し、続いて、FF
Tの窓位置、並びにA/D変換器のサンプリング周波数
を正確に入力信号に同期させる処理を行う。
【0051】
【0019】かかる処理は、更に、後述する伝達関数算
出部12と、IFFT部13と、インパルス応答評価部
14とクロック発生部16を用いることで達成され、上
述の処理はシステム制御回路15の制御の下で行われ
る。
【0052】次に、本発明におけるシステム制御回路1
5の動作について図2を用いて詳述する。
【0053】
【0020】1フレーム目 まず、システム制御回路15は、ステップS1にて、入
力信号の1フレームの始まりを検出する。これは、ヌル
検出器11からのヌル検出信号を所定のタイミングで監
視することで検出出来る。
【0054】ステップS1にて1フレームのヌル部が検
出された時には、続いてステップS2にて伝送モードの
確定を行う。これは、例えば、ヌル部の時間(ヌル
長)、連続するヌル部の間隔(フレーム長)等をヌル検
出信号より求め、4つの伝送モードのいずれに最も近い
か否かを判定することで受信モードを確定することがで
きる。受信モードが決定されると、続いてステップS3
にて、有効シンボル長のFFTの窓位置をFFT7に対
して設定する。ヌル検出信号の出力のみでは、FFTの
窓位置を正確に各シンボル部分に設定することは難しい
ので、当然、図3のようにFFTの窓位置は正確に有効
シンボルと一致せず、ずれることが多い。
【0055】
【0021】このFFTの窓位置のずれは、伝送路の伝
達関数Hk によるものと見なせるので、k番目のキャリ
アに重畳され、送信されるべき位相情報をXk 、受信機
によって実際に復調される位相情報をYk とすれば、 Yk =Hk ・Xk と表すことが出来る。上式より、伝達関数Hk は、次式
のように表せる。
【0056】Hk =Yk ・Xk * 但し、記号Xk * はXk の共役複素数を示す。
【0057】他方、Kをキャリア数、Tを有効シンボル
長とすれば、OFDM信号の有効シンボル区間の信号y
(t)は、以下に示す式(1)で表せる。
【0058】
【0022】
【0059】
【数1】
【0060】
【0023】受信機において、y(t)は、A/D変換
器にてT/Nの周期でサンプリングされるので、時刻n
(n=0、1、……N−1)における有効シンボル区間
の信号ynは、 yn=y(nT/N) で表せる。
【0061】更に受信機ではFFTが施されるので、受
信機によって復調される情報ベクトルYk は、以下に
示す式(2)で表せる。
【0062】
【0024】
【0063】
【数2】
【0064】
【0025】但し、記号Fはフーリエ変換を示す。
【0065】従って、伝送路のインパルス応答hn
(t)は以下に示す式(3)で表せる。
【0066】
【0026】
【0067】
【数3】
【0068】
【0027】但し、記号F- 1 は、逆フーリエ変換(I
FFT)を示す。
【0069】インパルス応答hn (t)を求めるために
は、伝送される位相情報Xk が受信側で既知であること
が必要である。DABでは、ヌル部に続く参照シンボル
は、受信機側においても既知の情報で規定されているの
で、受信機にて予め既知の情報となっている参照シンボ
ルに限り伝送路のインパルス応答は得ることが出来る。
このようにして求めたインパルス応答の例を図4に示
す。
【0070】この図4では、インパルス応答のピーク位
置がデータサンプリング数16個分の時間分だけ遅れて
いる例である。ここでは、理解を簡単にするため、反射
波はないものとして示している。即ち、インパルス応答
のピーク位置を評価することで、この図4であれば伝送
路による信号の遅延時間を知ることが出来る。このこと
は、シンボルに対する正確なFFTウインドウの位置を
求めることと同じである。
【0071】
【0028】従って、システム制御回路15はステップ
S4にて、伝達関数算出部12、IFFT部13、イン
パルス応答評価部14を制御し、FFT7の窓位置の補
正量を確定する。詳述すれば、まず、ヌルシンボルに続
く参照シンボルに対して、伝達関数算出部12にて、受
信した位相情報Yk と本来受信すべき位相情報Xk に基
づき、伝送路の伝達関数Hk を求めるよう制御する。
【0072】続いて、かかる伝達関数Hk より伝送路の
インパルス応答hn (t)を求めるようにIFFT部1
3を制御する。
【0073】更に、インパルス応答評価部14を制御
し、伝送路による信号の遅れ(進み)時間(サンプル
数)を求める。
【0074】即ち、この評価結果がFFTの窓位置の有
効シンボルに対するずれ量となるのである。
【0075】
【0029】例えば、図4のインパルス応答であれば、
16サンプル分の遅延が生じているのでFFTの窓位置
の補正量が16サンプルと決定され、FFTの窓位置を
現状より16サンプル分だけ補正する制御が行われる。
【0076】尚、同一シンボル内にFFTの窓位置があ
れば正確な復調が出来るので、この補正量は必ずしも正
確に有効シンボル区間に対してFFTの窓位置を設定す
るような補正に限定されないことは言うまでもない。要
するに、同一シンボル内にFFTの窓位置が設定される
ように補正出来ればよい。
【0077】
【0030】2フレーム目以降 1フレーム目にてFFTの窓位置の補正量が確定する
と、2フレーム目はこの補正量に基づきFFTの処理が
行われるように、ステップS5にて、システム制御回路
15は、FFT7に対して補正したFFTの窓位置制御
信号を出力する。
【0078】仮にA/D変換器6I、6Qのサンプリン
グ周波数fsが、送信側のサンプリング周波数と完全に
一致していれば、以後、受信機にての内部同期、即ち、
サンプル数をカウントし、このカウント値に基づきFF
Tウインドウの位置を設定しても、永久に有効シンボル
に正確にFFTの窓位置を設定することができる(イン
パルス応答は常に同じ値となる)。
【0079】しかし、両者のサンプリング周波数にずれ
がある場合、FFTの窓位置を一旦シンボルに対して正
確に合わせたとしても、フレーム毎のインパルス応答h
n(t)のピーク位置は順次、少しづつずれていくこと
になる。
【0080】
【0031】即ち、このずれが送受信間のサンプリング
周波数の相違に基づくものであるので、このずれを補正
するためにサンプリング周波数を正確に送信側のサンプ
リング周波数に合わせる必要がある。
【0081】ここで、インパルス応答の前回値からのず
れ(変化量)をnサンプルとし、送信側とのサンプリン
グ周波数のずれ分をδ(ppm)とすれば、現在の受信
側のサンプリング周波数は、(1+δ)fsで表され、
更に、サンプリング周波数のずれ分δは、δ=−n・1
6 /(Nframe +n)で表すことができる。ここでN
frame は、フレームのサンプル数である。
【0082】
【0032】図8のモード2を例にとれば、受信側のサ
ンプリング周波数をfs=2.048MHz相当とし、
1フレーム間でのインパルス応答の変化量が1サンプル
であったときには、Nframe =2.048(MHz)・
24(ms)/1(S)=49152となり、変化量は
以下の様になる。
【0083】変化量δ=20.345(ppm) この値は、Δfs=41.7Hzに相当する。
【0084】よって、以後のA/D変換器のサンプリン
グ周波数をfs+Δfsに設定することで送受信間のサ
ンプリング周波数を正確に同期させることが可能とな
る。
【0085】但し、この処理には、インパルス応答の前
回値が必要となるので、2フレーム目以降においてのみ
実施可能な処理である。
【0086】
【0033】従って、かかる処理はシステム制御部15
にて2フレーム目のステップS6〜S8にて行なわれて
いる。
【0087】システム制御回路15は、まず、内部カウ
ンタにて1フレームの終了を判定し、ステップS5に
て、FFTの窓位置を修正する。続いて2フレーム目の
ヌルシンボルに対して補正された窓位置でのFFT処理
を行い、その結果に基づき、ステップS6にてヌルシン
ボルの電力評価を行う(ステップS6)。
【0088】信号電力Pは、下記の式(4)で示される
FFTの出力に基づき求めることもできる。
【0089】
【0034】
【0090】
【数4】
【0091】
【0035】ここでNは、FFTのポイント数である。
【0092】ヌルシンボルの信号電力をP1とし、デー
タシンボルの信号電力をP2とすれば、両電力の比を求
めることで、フレームに同期しているか否かの判定をな
すことができるのである。尚、この処理を行う場合は、
図1に示す信号電力算出部17を含む破線部の構成が必
要となる。
【0093】ステップS6では、ステップS5のヌル部
の電力評価に基づきフレームに正しく同期しているかが
判断される。
【0094】また、これに限らず、ヌル検出器11を監
視することでもヌルシンボルの評価は可能である。
【0095】
【0036】電力評価にてヌル部が検出されていないと
判断されることは、フレームに正しく同期していないこ
とを示している。この場合、第1フレーム目にて判定し
たヌル部が受信状況によって誤判断した可能性があると
して、ステップS1に戻り、再度同期処理をやり直す
(ステップS7:No)。
【0096】フレームに正しく同期していると考えられ
る場合(ステップS7:YES)は、更に、ステップS
8にて、2フレーム目の参照シンボルについて1フレー
ム目のステップS4と同様にインパルス応答hn (t)
を求めると共にFFTウインドウの位置に修正の必要が
あれば補正するための補正量を確定する。
【0097】前述のように、送受信間でのサンプリング
周波数が完全に一致していればサンプリング周波数にず
れはないことになるので、遅延波などの受信状況の変化
がなければ補正量は0となる。
【0098】
【0037】しかし、送受信間でのサンプリング周波数
にずれδ(オフセット)があれば、インパルス応答の変
化量として捕えることが出来るので、ステップS9に
て、サンプリング周波数(1+δ)fsを補正するよう
にクロック発生部16を制御しA/D変換器のサンプリ
ング周波数を送信側のサンプリング周波数fsに正確に
同期させる。そして、内部カウンタにて1フレームの終
了を判定し、ステップS5に戻り、FFTの窓位置を更
新する。
【0099】尚、1フレーム経過時のインパルス応答の
変化量が、1サンプル以下であるときには、インパルス
応答のピーク位置のずれとして判別されないので、次式
を用いて複数フレームを単位として、インパルス応答を
監視することで、より正確な補正が可能となり、更に分
解能を上げることができる。
【0100】 δm =−n・106 /(m・Nframe +n) ここで記号mは、対象とするフレームの数を示す。
【0101】
【0038】この処理は、例えば、ステップS9を更に
図5のように変更することで容易に実現出来る。図5で
は、mフレームを単位とするオフセット量δm の算出
(ステップS93)を実施する制御例である。尚、記号
Cは内部カウンタを示し、初期値は0に設定している。
【0102】
【0039】次に、複数個のアンテナ11 〜1n と、加
算部2を用いることにより、受信電力が増加出来ること
について説明する。
【0103】図6は、様々な遅延波がアンテナ1に対し
て入力される例を示した図である。
【0104】図6において、Δtは各シンボルに設けら
れたガードインターバル期間を示し、Tsは有効シンボ
ル期間を示す。また、この例ではFFTの窓位置は有効
シンボル区間に対して設定されている。
【0105】前述の説明にあるように、ガードインター
バル期間(Δt)を設けた場合、ガードインターバル期
間を越えない遅延時間を持つ遅延波により、復調動作が
妨げられることはない。即ち、ガードインターバル期間
を越えない遅延時間を持つ遅延波の合成を行っても、直
交性は維持されるので復調に不都合は生じない。
【0106】他方、この遅延波と直接波との合成は、受
信電力の振幅の変化をもたらす。
【0107】この場合、振幅の増加が生じる場合は、遅
延波は受信に対して有効な遅延波といえる。
【0108】
【0040】各アンテナ11 〜1n 各々について、この
ような有効な遅延波が受信されると、加算部2にて、各
アンテナからの出力を更に合成することで一本のアンテ
ナで受信する場合に比べて更なる受信電力の向上が得ら
れることになる。
【0109】従って、複数のアンテナを用い、各々のア
ンテナの受信電力を更に加算部2にて加算することで、
受信品質の向上、受信エリアの拡大が可能となる。
【0110】
【0041】次に、良好な受信状態を得るためのアンテ
ナの配置条件について説明する。
【0111】まず、複数のアンテナにて受信された信号
が、そのアンテナの配置のためにガードインターバル期
間を越える遅延を生じないように配置される必要があ
る。
【0112】光速をc、ガードインターバルをtgとす
ると、この条件を満たすアンテナ間の相対距離dは、d
≦c・tgで与えられる。
【0113】これを、モード1に当てはめると、アンテ
ナ間の距離の上限は、モード1で73582(m)とな
り、実質的に、移動体における制約とはならない。
【0114】
【0042】また、各アンテナの相関がない方が、受信
状況の更なる向上が図れる。
【0115】これは、各アンテナが相互に強い相関を持
つ場合、全てのアンテナで同様に受信電力が悪化するの
で、実質的に加算する効果が望めないと言う問題を解決
するために必要である。
【0116】フェージング受信波の空間相関ρ(d)
は、一般に次式で与えられる。
【0117】ρ(d)=J0 (2πd/λ) このフェージング受信波の空間相関ρ(d)は、空間的
に送信周波数fの半波長の整数倍の距離の間隔を持たせ
ることで、ほぼ0に出来る。
【0118】尚、記号λは波長である。
【0119】
【0043】フェージング波の空間相関ρ(d)がほぼ
0であるということは、ある一方アンテナの受信波の周
波数スペクトルの歪み特性が他方のアンテナの受信波の
歪み特性と相関がなくなるということを意味する。よっ
て、両方のアンテナの受信電力が同時に落ち込む可能性
が少なくなり、結果として、マルチパスによる落ち込み
による任意の1つのアンテナの受信不良を他のアンテナ
で補償することが出来るので、この結果、受信品質は向
上する。
【0120】ここで送信周波数をモード2の1.5(G
Hz)とすれば、 d=c/2f となり、アンテナ間の相対距離dの下限dmin は、約1
0cmとなる。
【0121】このdmin 以下においては、空間相関ρ
(d)は非常に高いものとなるので、少なくとも受信に
際してはアンテナ間隔をdmin 以上(モード2であれば
10cm以上)とすることが望まれる。最も好適な配置
はc/2fの倍数になるような配置となる。
【0122】
【0044】
【0123】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、各アンテ
ナエレメントにて各々受信された受信信号を加算する構
成をとることによって、受信機側にて容易に受信電力を
増加させることが出来る。従って受信品質が向上し、受
信エリアの拡大が可能なディジタル放送用受信機を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による1実施例のOFDM方式DAB受
信機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明による同期処理の手順の一例を示す図で
ある。
【図3】受信波とFFTの窓位置の相対関係の一例を示
す図である。
【図4】受信波のインパルス応答の一例を示す図であ
る。
【図5】本発明による同期処理の手順の他の一例を示す
図である。
【図6】アンテナに入力される直接波と遅延波の一例を
示す図である。
【図7】DABシステムの伝送信号のフォーマットを示
す図である。
【図8】DABシステムの伝送モードを示す図である。
【符号の説明】
1・・・アンテナ 2・・・加算手段 3・・・フロントエンド 4・・・直交復調器 5I、5Q・・・LPF 6I、6Q・・・A/D変換器 7・・・FFT 8・・・差動復号器 9・・・ビタビ復号器 10・・音声復号器 11・・ヌル検出器 12・・伝達関数算出部 13・・IFFT部 14・・インパルス応答評価部 15・・システム制御部 16・・クロック発生部 17・・信号電力検出部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変調方式としてOFD
M(Orthogonal Frequency Di
vision Multiplex:直交周波数分割多
重)を用いたディジタル信号の送受信システムに関し、
特に、音声圧縮を用いた移動体向けのディジタル放送用
受信機の受信電力の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】受信アンテナに到達する電波は、様々な
遅延時間を有する反射波の合成と考えることが出来る。
このため、受信強度は変動し、局所的な受信強度の低下
が起こる地点も存在する。ディジタル放送に採用する変
調方式としてOFDM(OrthogonalFreq
uency Division Multiplex:
直交周波数分割多重)方式が適していることが知られて
いる。このOFDM方式は、周波数利用効率が高い伝送
方式であり、直交関係にある多数の搬送波(キャリア)
を用いる多搬送波変調方式である。そして、その各々の
搬送波に、例えば位相変調にて変調を施すことで情報を
伝送することが出来る。このOFDMを用いる利点の一
つに、マルチパス(遅延波)干渉による妨害が深刻な伝
送路に強いことが挙げられる。OFDMでは、直交性を
保てる範囲であれば直接波に遅延波が加算されていても
各搬送波に重畳した情報を正確に復調出来る。
【0003】欧州で開発されたDAB(DIGITAL
AUDIO BROADCASTING)システムを
例にとれば、送信機側では、データ圧縮(高能率符号
化)を施された入力データがシリアル−パラレル変換に
てパラレルデータに変換された後、パラレルデータは差
動符号化によりπ/4シフトQPSKシンボルに変換さ
れる。かかる処理にて、シンボルを構成する各キャリア
に各々2ビットのデータをのせることが可能となる。そ
して、このシンボルには高速逆フーリエ変換(IFF
T)が施され、ベースバンド信号の同相成分、直交成分
が各々得られる。IFFTの各出力はD/A変換を経て
局部発振器からの発振信号(RF信号)により直交変調
がなされると共に、所望の周波数帯域の伝送信号に周波
数変換され、アンテナより送信信号として送信される。
【0004】一方、受信機側では送信側と逆の処理が行
われる。即ち、アンテナにて得られた信号は直交復調器
を介して(または、更に周波数変換段を介して)ベース
バンド信号の同相成分及び直交成分を各々生成する。こ
の出力はA/D変換器にて送信側のサンプリング周波数
と同期するように設定された所定のサンプリング周波数
にて順次サンプリングされされ、離散データとして高速
フーリエ変換器(FFT)に入力される。更に、フーリ
エ変換によって搬送波毎の信号(位相情報)が得られ、
その後、隣接するシンボル間の差動復号化器によって差
動復号がなされる。差動復号化器の出力信号はパラレル
ーシリアル変換器でシリアルデータとされ、これが受信
したデータとなる。実際にはこのシリアルデータはエラ
ー訂正、データ圧縮の復号などのデータ処理が施され、
アナログ信号に変換される。
【0005】かかるDABシステムにおいては、時間軸
上、図7に模式的に示されるようなフォーマットで送信
信号が形成される。即ち、フレーム単位でデータが伝送
されると共に、1フレーム内に、順次、ヌルシンボル、
参照シンボル(リファレンスシンボル)、及び複数のシ
ンボル列からなるデータシンボル部が形成される。ヌル
シンボルは、伝送信号の存在しない期間であり、ヌルシ
ンボルを検出することでフレームの始まりを大まかに識
別することができる。参照シンボルは差動復号のための
基準位相を担い、データシンボルには本来伝送すべき音
声信号などの主情報が割り当てられる。
【0006】また、DABシステムにおいては、図8に
示されるような4つの伝送モードが規定されている。こ
れによれば、伝送モードによって、有効シンボル長やキ
ャリア数等が異なっていることが分かる。従って、複数
の伝送モードに対応するように構成された受信機におい
ては、手動、または自動的に送信モードを認識し、例え
ば、FFTを行うシンボルの位置を受信モードに応じて
適切に調整するといった内部処理が必要となる。尚、伝
送モードを自動的に識別する手法の1つは欧州特許公報
(EP−0666661A2)などに詳細に開示されて
おり、ここでは、説明は割愛する。
【0007】OFDMはマルチパス干渉に強いと言う特
徴を持つ伝送方式であるが、長い遅延時間にて符号間干
渉が生じた場合、情報の再生は不可能になる。このた
め、DABシステムでは、図7に示すように、各シンボ
ルは、マルチパスの影響からくる遅延波による符号間干
渉を避けるために設けられているガードインターバル
と、これに後続する有効シンボルとにより構成されてい
る。尚、ガードインターバル区間では、後続する有効シ
ンボル区間の一部区間の信号が繰り返される。受信機側
では、例えば、有効シンボル区間に対してFFT処理を
行う。従って、マルチパスにより遅延波がアンテナを介
して入力されても、ガードインターバル区間(Δt)を
越えない範囲であれば、隣接シンボルの影響は避けられ
正確に伝送情報を再生することが出来る。尚、シンボル
の復調と言う意味では、FFT処理は正確に有効シンボ
ル区間に対して実施しなくても、そのシンボル内の有効
シンボル長分のデータ群に対して実施できれば問題な
い。また、同一シンボル間の重ね合わせの部分は差動復
号を行った時点で位相変位分が消去されるので復調には
影響しない。
【0008】しかし、実際には、上述の遅延波の重ね合
わせにより、振幅の変位が生じる。このため、極端に受
信電力が悪化するキャリアでは、受信波のC/N比が低
くなるので受信品質の悪化は避けられない。最悪の場
合、復調感度を下回り復調そのものが出来なくなってし
まう。このような状況に対してDABシステムでは、周
波数軸でのインターリーブ、並びに時間軸でのインター
リーブを施し、マルチパスにより影響を受ける部分を分
散し、誤り訂正にて補正している。また、当然のことで
はあるが、遅延波がない場合であっても、タワーから移
動体が離れ過ぎた場合には直接波が低下し、同様に受信
品質は悪化する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、DABシ
ステムでは移動体受信を考慮し、多くの手法が用いられ
ているが、受信品質、受信エリアの更なる向上のために
は、本質的に、受信機における受信電力を増加させるこ
とが重要である。本発明は、受信電力を増加させること
で受信品質を向上させ、受信エリアの拡大を可能とする
ディジタル放送用受信機を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
受信機側にて既知の情報を担う参照シンボルと、複数の
データシンボルと、フレームの開始を示すヌルシンボル
からなるシンボル群で1つのフレームを構成し、かつ、
所望の周波数帯域内の複数キャリア各々を位相変調する
ことで参照シンボル並びにデータシンボルを構成するよ
うにしたディジタル放送を受信可能なディジタル放送用
受信機であって、参照シンボル並びにデータシンボル
は、各々、有効シンボル区間と有効シンボル区間の一部
区間の繰り返しであるガードインターバル区間とから構
成され、ディジタル放送用受信機は、伝送されるデジタ
ル放送を受信するためのアンテナ部と、基準周波数を発
生するためのクロック発生部と、クロック発生部の基準
周波数に基づき伝送される信号を順次サンプリングする
A/D変換器と、参照シンボル並びにデータシンボルを
復調するためのサンプリングデータ群を、A/D変換器
のサンプリングデータ群の中から順次確定する制御部
と、確定されたサンブリングデータ群について高速フー
リエ変換を施すことで、複数のキャリア各々の位相情報
を得る手段と、を有し、アンテナ部は複数のアンテナエ
レメントと、複数のアンテナエレメントにて受信される
信号を加算する加算部を有することを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載のデ
ィジタル放送受信機であって、複数のアンテナエレメン
トは各々フェージング相関が略0となるように配置され
ていることを特徴とする。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1記載のデ
ィジタル放送受信機であって、複数のアンテナエレメン
トは、ガードインターバル区間で補償される遅延時間を
越えない範囲内に配置されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明のディジ
タル放送用受信機の一実施例であるOFDM方式のDA
B受信機の概略構成を示している。図1において、受信
機は、アンテナを介して受信される。アンテナ1は、複
数のアンテナ11〜1nを有する。各アンテナ11〜1
nにて受信したRF(Radio Frequenc
y)信号は、加算手段2にて加算され、同調手段として
のフロントエンド3に供給される。フロントエンド3
は、RF信号の内の所望の周波数帯域の信号に同調し、
更に、同調したRF信号を中間周波数信号に変換し直交
復調器4に供給する。
【0014】直交復調器4は、例えば2つの混合器、移
相器等を含み、局部発振信号と中間周波数信号とを一方
の混合器にて混合して、ベースバンド信号の同相成分I
を出力する。他方の混合器には、局部発振信号を移相器
によって90度だけ位相シフトさせた信号と中間周波数
信号とが入力され、ベースバンド信号の直交成分Qを出
力する。
【0015】同相成分Iは、LPF(ローパスフィル
タ)51を介してA/D変換器61に供給され、直交成
分Qは、LPF5Qを介してA/D変換器6Qに供給さ
れる。A/D変換器61、6Qは、クロック発生部16
にて生成されたクロック周波数に基づく入力信号のサン
プリングを、システム制御回路15の制御の下に行い、
入力同相成分I、入力直交成分Qをディジタル信号に変
換し、離散データとしてFFT(高速フーリエ変換器)
7に供給する。FFT7は、周波数成分の解析手段を担
い、A/D変換器61、6Qより供給される同相及び直
交成分のサンプリングデータを保持する保持部を含み、
保持されたデータに対してフーリエ変換による時間軸か
ら周波数軸上への変換を行う。
【0016】この変換は、後述のシステム制御部15か
らの制御信号に応じて設定された期間(FFTの窓位
置)についての変換であり、例えばFFTの窓位置(有
効シンボル長)を1ms、サンプリング周波数を2.0
48MHzとすれば、モード1で規定される1KHzス
テップで1536個のキャリアについての位相情報Yk
が得られる。FFT処理により求められた位相情報Yk
は差動復号器8に入力される。差動復号器8では、各々
のキャリアの位相情報に対して位相差が求められる。即
ち、FFT処理にて得られた位相情報を(in、qn)
とすれば、前回シンボルの位相情報(in−1、qn−
1)の共役複素数と今回シンボルの位相情報(in、q
n)との乗算が行われるのである。
【0017】このようにして求められたキャリア毎の位
相差の情報を担う差動復号器8出力信号は、ビタビ復号
器9により、最も確からしい値のデータ列信号として確
定され、この確定されたデータ列信号が音声復号器10
に送出される。音声復号器10は、ビタビ復号器9から
のデータ列信号に施されている音声圧縮を復号し、復号
データは図示しないD/A変換器を経て通常のアナログ
音声信号に変換される。尚、実際には差動復号器8の後
段の処理としてデインターリーブ等の処理も含まれるが
本発明の特徴には直接関係しないのでその詳しい説明は
省略する。
【0018】LPF5I、5Qの出力信号はまたヌル検
出器11にも供給される。ヌル検出器11は、各LPF
の出力に基づき、伝送される信号(図7参照)中の無信
号区間を検出して、ヌルシンボルの可能性があるとする
ヌル検出信号をシステム制御回路15に供給する。ヌル
検出器11においては、例えば入力信号のエンベロープ
に基づいたヌル検出がなされる。即ち、LPF5I、5
Qから得られる同相成分信号I´及び直交成分信号Q´
より(I+2+Q+2)を算出し、その算出値が基準値
以下である時をヌル部の検出時としてヌル検出信号を発
生する。システム制御回路15は、得られたヌル検出信
号に応答して、伝送モードを確定し、続いて、FFTの
窓位置、並びにA/D変換器のサンプリング周波数を正
確に入力信号に同期させる処理を行う。
【0019】かかる処理は、更に、後述する伝達関数算
出部12と、IFFT部13と、インパルス応答評価部
14とクロック発生部16を用いることで達成され、上
述の処理はシステム制御回路15の制御の下で行われ
る。次に、本発明におけるシステム制御回路15の動作
について図2を用いて詳述する。
【0020】1フレーム目 まず、システム制御回路15は、ステップS1にて、入
力信号の1フレームの始まりを検出する。これは、ヌル
検出器11からのヌル検出信号を所定のタイミングで監
視することで検出出来る。ステップS1にて1フレーム
のヌル部が検出された時には、続いてステップS2にて
伝送モードの確定を行う。これは、例えば、ヌル部の時
間(ヌル長)、連続するヌル部の間隔(フレーム長)等
をヌル検出信号より求め、4つの伝送モードのいずれに
最も近いか否かを判定することで受信モードを確定する
ことができる。受信モードが決定されると、続いてステ
ップS3にて、有効シンボル長のFFTの窓位置をFF
T7に対して設定する。ヌル検出信号の出力のみでは、
FFTの窓位置を正確に各シンボル部分に設定すること
は難しいので、当然、図3のようにFFTの窓位置は正
確に有効シンボルと一致せず、ずれることが多い。
【0021】このFFTの窓位置のずれは、伝送路の伝
達関数Hkによるものと見なせるので、k番目のキャリ
アに重畳され、送信されるべき位相情報をXk、受信機
によって実際に復調される位相情報をYkとすれば、 Yk=Hk・Xk と表すことが出来る。上式より、伝達関数Hkは、次式
のように表せる。 Hk=Yk・Xk 但し、記号XkはXkの共役複素数を示す。他方、K
をキャリア数、Tを有効シンボル長とすれば、OFDM
信号の有効シンボル区間の信号y(t)は、以下に示す
式(1)で表せる。
【0022】
【数1】
【0023】受信機において、y(t)は、A/D変換
器にてT/Nの周期でサンプリングされるので、時刻n
(n=0、1、……N−1)における有効シンボル区間
の信号ynは、 yn=y(nT/N) で表せる。更に受信機ではFFTが施されるので、受信
機によって復調される情報ベクトルYは、以下に示す
式(2)で表せる。
【0024】
【数2】
【0025】但し、記号Fはフーリエ変換を示す。従っ
て、伝送路のインパルス応答hn(t)は以下に示す式
(3)で表せる。
【0026】
【数3】
【0027】但し、記号F−1は、逆フーリエ変換(I
FFT)を示す。インパルス応答hn(t)を求めるた
めには、伝送される位相情報Xkが受信側で既知である
ことが必要である。DABでは、ヌル部に続く参照シン
ボルは、受信機側においても既知の情報で規定されてい
るので、受信機にて予め既知の情報となっている参照シ
ンボルに限り伝送路のインパルス応答は得ることが出来
る。このようにして求めたインパルス応答の例を図4に
示す。この図4では、インパルス応答のピーク位置がデ
ータサンプリング数16個分の時間分だけ遅れている例
である。ここでは、理解を簡単にするため、反射波はな
いものとして示している。即ち、インパルス応答のピー
ク位置を評価することで、この図4であれば伝送路によ
る信号の遅延時間を知ることが出来る。このことは、シ
ンボルに対する正確なFFTウインドウの位置を求める
ことと同じである。
【0028】従って、システム制御回路15はステップ
S4にて、伝達関数算出部12、IFFT部13、イン
パルス応答評価部14を制御し、FFT7の窓位置の補
正量を確定する。詳述すれば、まず、ヌルシンボルに続
く参照シンボルに対して、伝達関数算出部12にて、受
信した位相情報Ykと本来受信すべき位相情報Xkに基
づき、伝送路の伝達関数Hkを求めるよう制御する。続
いて、かかる伝達関数Hkより伝送路のインパルス応答
hn(t)を求めるようにIFFT部13を制御する。
更に、インパルス応答評価部14を制御し、伝送路によ
る信号の遅れ(進み)時間(サンプル数)を求める。即
ち、この評価結果がFFTの窓位置の有効シンボルに対
するずれ量となるのである。
【0029】例えば、図4のインパルス応答であれば、
16サンプル分の遅延が生じているのでFFTの窓位置
の補正量が16サンプルと決定され、FFTの窓位置を
現状より16サンプル分だけ補正する制御が行われる。
尚、同一シンボル内にFFTの窓位置があれば正確な復
調が出来るので、この補正量は必ずしも正確に有効シン
ボル区間に対してFFTの窓位置を設定するような補正
に限定されないことは言うまでもない。要するに、同一
シンボル内にFFTの窓位置が設定されるように補正出
来ればよい。
【0030】2フレーム目以降 1フレーム目にてFFTの窓位置の補正量が確定する
と、2フレーム目はこの補正量に基づきFFTの処理が
行われるように、ステップS5にて、システム制御回路
15は、FFT7に対して補正したFFTの窓位置制御
信号を出力する。仮にA/D変換器6I、6Qのサンプ
リング周波数fsが、送信側のサンプリング周波数と完
全に一致していれば、以後、受信機にての内部同期、即
ち、サンプル数をカウントし、このカウント値に基づき
FFTウインドウの位置を設定しても、永久に有効シン
ボルに正確にFFTの窓位置を設定することができる
(インパルス応答は常に同じ値となる)。しかし、両者
のサンプリング周波数にずれがある場合、FFTの窓位
置を一旦シンボルに対して正確に合わせたとしても、フ
レーム毎のインバルス応答hn(t)のピーク位置は順
次、少しづつずれていくことになる。
【0031】即ち、このずれが送受信間のサンプリング
周波数の相違に基づくものであるので、このずれを補正
するためにサンプリング周波数を正確に送信側のサンプ
リング周波数に合わせる必要がある。ここで、インパル
ス応答の前回値からのずれ(変化量)をnサンプルと
し、送信側とのサンプリング周波数のずれ分をδ(pp
m)とすれば、現在の受信側のサンプリング周波数は、
(1+δ)fsで表され、更に、サンプリング周波数の
ずれ分δは、δ=−n・10 /(Nframe+
n)で表すことができる。ここでNframeは、フレ
ームのサンプル数である。
【0032】図8のモード2を例にとれば、受信側のサ
ンプリング周波数をfs=2.048MHz相当とし、
1フレーム間でのインパルス応答の変化量が1サンプル
であったときには、 Nframe=2.048(MHz)・24(ms)/
1(S)=49152 となり、変化量は以下の様になる。 変化量δ=20.345(ppm) この値は、Δfs=41.7Hzに相当する。よって、
以後のA/D変換器のサンプリング周波数をfs+Δf
sに設定することで送受信間のサンプリング周波数を正
確に同期させることが可能となる。但し、この処理に
は、インパルス応答の前回値が必要となるので、2フレ
ーム目以降においてのみ実施可能な処理である。
【0033】従って、かかる処理はシステム制御部15
にて2フレーム目のステップS6〜S8にて行なわれて
いる。システム制御回路15は、まず、内部カウンタに
て1フレームの終了を判定し、ステップS5にて、FF
Tの窓位置を修正する。続いて2フレーム目のヌルシン
ボルに対して補正された窓位置でのFFT処理を行い、
その結果に基づき、ステップS6にてヌルシンボルの電
力評価を行う(ステップS6)。信号電力Pは、下記の
式(4)で示されるFFTの出力に基づき求めることも
できる。
【0034】
【数4】
【0035】ここでNは、FFTのポイント数である。
ヌルシンボルの信号電力をP1とし、データシンボルの
信号電力をP2とすれば、両電力の比を求めることで、
フレームに同期しているか否かの判定をなすことができ
るのである。尚、この処理を行う場合は、図1に示す信
号電力算出部17を含む破線部の構成が必要となる。ス
テップS6では、ステップS5のヌル部の電力評価に基
づきフレームに正しく同期しているかが判断される。ま
た、これに限らず、ヌル検出器11を監視することでも
ヌルシンボルの評価は可能である。
【0036】電力評価にてヌル部が検出されていないと
判断されることは、フレームに正しく同期していないこ
とを示している。この場合、第1フレーム目にて判定し
たヌル部が受信状況によって誤判断した可能性があると
して、ステップS1に戻り、再度同期処理をやり直す
(ステップS7:No)。フレームに正しく同期してい
ると考えられる場合(ステップS7:YES)は、更
に、ステップS8にて、2フレーム目の参照シンボルに
ついて1フレーム目のステップS4と同様にインパルス
応答hn(t)を求めると共にFFTウインドウの位置
に修正の必要があれば補正するための補正量を確定す
る。前述のように、送受信間でのサンプリング周波数が
完全に一致していればサンプリング周波数にずれはない
ことになるので、遅延波などの受信状況の変化がなけれ
ば補正量は0となる。
【0037】しかし、送受信間でのサンプリング周波数
にずれδ(オフセット)があれば、インパルス応答の変
化量として捕えることが出来るので、ステップS9に
て、サンプリング周波数(1+δ)fsを補正するよう
にクロック発生部16を制御しA/D変換器のサンプリ
ング周波数を送信側のサンプリング周波数fsに正確に
同期させる。そして、内部カウンタにて1フレームの終
了を判定し、ステップS5に戻り、FFTの窓位置を更
新する。尚、1フレーム経過時のインパルス応答の変化
量が、1サンプル以下であるときには、インパルス応答
のピーク位置のずれとして判別されないので、次式を用
いて複数フレームを単位として、インパルス応答を監視
することで、より正確な補正が可能となり、更に分解能
を上げることができる。 δm=−n・10 /(m・Nframe+n) ここで記号mは、対象とするフレームの数を示す。
【0038】この処理は、例えば、ステップS9を更に
図5のように変更することで容易に実現出来る。図5で
は、mフレームを単位とするオフセット量δmの算出
(ステップS93)を実施する制御例である。尚、記号
Cは内部カウンタを示し、初期値は0に設定している。
【0039】次に、複数個のアンテナ11〜1nと、加
算部2を用いることにより、受信電力が増加出来ること
について説明する。図6は、様々な遅延波がアンテナ1
に対して入力される例を示した図である。図6におい
て、Δtは各シンボルに設けられたガードインターバル
期間を示し、Tsは有効シンボル期間を示す。また、こ
の例ではFFTの窓位置は有効シンボル区間に対して設
定されている。前述の説明にあるように、ガードインタ
ーバル期間(Δt)を設けた場合、ガードインターバル
期間を越えない遅延時間を持つ遅延波により、復調動作
が妨げられることはない。即ち、ガードインターバル期
間を越えない遅延時間を持つ遅延波の合成を行っても、
直交性は維持されるので復調に不都合は生じない。他
方、この遅延波と直接波との合成は、受信電力の振幅の
変化をもたらす。この場合、振幅の増加が生じる場合
は、遅延波は受信に対して有効な遅延波といえる。
【0040】各アンテナ11〜1n各々について、この
ような有効な遅延波が受信されると、加算部2にて、各
アンテナからの出力を更に合成することで一本のアンテ
ナで受信する場合に比べて更なる受信電力の向上が得ら
れることになる。従って、複数のアンテナを用い、各々
のアンテナの受信電力を更に加算部2にて加算すること
で、受信品質の向上、受信エリアの拡大が可能となる。
【0041】次に、良好な受信状態を得るためのアンテ
ナの配置条件について説明する。まず、複数のアンテナ
にて受信された信号が、そのアンテナの配置のためにガ
ードインターバル期間を越える遅延を生じないように配
置される必要がある。光速をc、ガードインターバルを
tgとすると、この条件を満たすアンテナ間の相対距離
dは、 d≦c・tg で与えられる。これを、モード1に当てはめると、アン
テナ間の距離の上限は、モード1で73582(m)と
なり、実質的に、移動体における制約とはならない。
【0042】また、各アンテナの相関がない方が、受信
状況の更なる向上が図れる。これは、各アンテナが相互
に強い相関を持つ場合、全てのアンテナで同様に受信電
力が悪化するので、実質的に加算する効果が望めないと
言う問題を解決するために必要である。フェージング受
信波の空間相関ρ(d)は、一般に次式で与えられる。 ρ(d)=J0(2πd/λ) このフェージング受信波の空間相関ρ(d)は、空間的
に送信周波数fの半波長の整数倍の距離の間隔を持たせ
ることで、ほぼ0に出来る。尚、記号λは波長である。
【0043】フェージング波の空間相関ρ(d)がほぼ
0であるということは、ある一方アンテナの受信波の周
波数スペクトルの歪み特性が他方のアンテナの受信波の
歪み特性と相関がなくなるということを意昧する。よっ
て、両方のアンテナの受信電力が同時に落ち込む可能性
が少なくなり、結果として、マルチパスによる落ち込み
による任意の1つのアンテナの受信不良を他のアンテナ
で補償することが出来るので、この結果、受信品質は向
上する。ここで送信周波数をモード2の1.5(GH
z)とすれば、 d=c/2f となり、アンテナ間の相対距離dの下限dminは、約
10cmとなる。このdmin以下においては、空間相
関ρ(d)は非常に高いものとなるので、少なくとも受
信に際してはアンテナ間隔をdmin以上(モード2で
あれば10cm以上)とすることが望まれる。最も好適
な配置はc/2fの倍数になるような配置となる。
【0044】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、各アンテ
ナエレメントにて各々受信された受信信号を加算する構
成をとることによって、受信機側にて容易に受信電力を
増加させることが出来る。従って受信品質が向上し、受
信エリアの拡大が可能なディジタル放送用受信機を提供
することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信機側にて既知の情報を担う参照シン
    ボルと、複数のデータシンボルと、フレームの開始を示
    すヌルシンボルからなるシンボル群で1つのフレームを
    構成し、かつ、所望の周波数帯域内の複数キャリア各々
    を位相変調することで前記参照シンボル並びにデータシ
    ンボルを構成するようにしたディジタル放送を受信可能
    なディジタル放送用受信機であって、 前記参照シンボル並びにデータシンボルは、各々、有効
    シンボル区間と前記有効シンボル区間の一部区間の繰り
    返しであるガードインターバル区間とから構成され、 前記ディジタル放送用受信機は、 伝送されるデジタル放送を受信するためのアンテナ部
    と、 基準周波数を発生するためのクロック発生部と、 前記クロック発生部の基準周波数に基づき前記伝送され
    る信号を順次サンプリングするA/D変換器と、 前記参照シンボル並びにデータシンボルを復調するため
    のサンプリングデータ群を、前記A/D変換器のサンプ
    リングデータ群の中から順次確定する制御部と、 前記確定されたサンプリングデータ群について高速フー
    リエ変換を施すことで、前記複数のキャリア各々の前記
    位相情報を得る手段と、を有し、 前記アンテナ部は複数のアンテナエレメントと、前記複
    数のアンテナエレメントにて受信される信号を加算する
    加算部を有することを特徴とするディジタル放送用受信
    機。
  2. 【請求項2】 前記複数のアンテナエレメントは各々フ
    ェージング相関が略0となるように配置されていること
    を特徴とする1記載のディジタル放送用受信機。
  3. 【請求項3】 前記複数のアンテナエレメントは、前記
    ガードインターバル区間で補償される遅延時間を越えな
    い範囲内に配置されていることを特徴とする1記載のデ
    ィジタル放送用受信機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003094399A1 (fr) * 2002-04-30 2003-11-13 Advantest Corporation Procede, programme, mesureur de position d'un dispositif et support sur lequel est enregistre le programme
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JP2012010204A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> Ofdm信号合成用受信装置

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