JPH1070451A - Fet型出力回路,fet型入力回路およびfet型入出力回路 - Google Patents

Fet型出力回路,fet型入力回路およびfet型入出力回路

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JPH1070451A
JPH1070451A JP8224721A JP22472196A JPH1070451A JP H1070451 A JPH1070451 A JP H1070451A JP 8224721 A JP8224721 A JP 8224721A JP 22472196 A JP22472196 A JP 22472196A JP H1070451 A JPH1070451 A JP H1070451A
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fet
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Masashi Nogawa
正史 野河
Yusuke Otomo
祐輔 大友
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消費電力が少なく、電位電源の数を減らした
FET型入出力回路を提供することである。 【解決手段】 正相側回路において、FET MN11
は遅延回路D11とパルス発生回路CO−12によって
入力のレベルに変化があったときの遅延時間の間だけ
で、次に入力が変化するまではFET MN11は遮断
状態を保ち、終端抵抗RT11を通した定常電流は流れ
ない。逆相側回路においても同様である。入力回路CI
−11では伝送線路L11,L12の終端電位を高電位
電源、あるいは低電位電源の電位と共通化しても入力信
号を増幅できる構成を特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FET型半導体集
積回路において、信号の伝送を行うFET型の出力回
路,入力回路および入出力回路に関し、特に、伝送信号
の小振幅化を行い、低消費電力化、かつ、高速化の効果
を得るのに好適な回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5に、従来の、伝送信号を小振幅化し
て高速な信号伝送を行うFET型入出力回路(参考文
献:日経エレクトロニクス,1993.9.27,p
p.269)を示す。
【0003】図5では、FET型出力回路CO−01
と、FET型入力回路CI−01に、第1の伝送線路L
01、第2の伝送線路L02と、伝送線路を整合終端し
て高速の信号伝送を可能とするための第1の終端抵抗R
T01、第2の終端抵抗RT02を含めて、従来のFE
T型入出力回路として示した。以下、特に必要のない限
り、「FET型」は省略する。
【0004】出力回路CO−01の正相出力OUT01
は第1の伝送線路L01の一端に、逆相出力OUT01
Nは第2の伝送線路L02の一端に、それぞれ接続さ
れ、第1の伝送線路L01の他端は入力回路CI−01
の正相入力IN02に、第2の伝送線路L02の他端は
逆相入力IN02Nにそれぞれ接続される。さらに、第
1の伝送線路L01、第2の伝送線路L02の入力回路
CI−01側は、それぞれ、第1の終端抵抗RT01、
第2の終端抵抗RT02を介して終端電位電源P03に
終端される。ここで、終端電位電源P03は、入出力回
路の高電位電源P01と低電位電源P02のほぼ中間の
電位に設定される。
【0005】出力回路CO−01は、インバータIV0
1,IV02,IV03と、N型FET MN01,M
N02と、P型FET MP01,MP02からなる。
ここで、インバータは入力を反転して出力するものであ
る。また、N型FETは、ゲートが高レベルのときにソ
ース・ドレイン間が導通状態となり、ゲートが低レベル
のときにソース・ドレイン間が遮断状態となるものであ
り、P型FETは、ゲートが低レベルのときにソース・
ドレイン間が導通状態となり、ゲートが高レベルのとき
にソース・ドレイン間が遮断状態となるものである。
【0006】出力回路CO−01の入力IN01は、イ
ンバータIV01,IV03の入力に接続される。
【0007】インバータIV01の出力はノードN01
に接続され、ノードN01はN型FET MN01のゲ
ートとP型FET MP01のゲートに接続される。N
型FET MN01のドレインとP型FET MP01
のドレインは共に出力回路CO−01の正相出力OUT
01に接続され、N型FET MN01のソースは低電
位電源P02に、P型FET MP01のソースは高電
位電源P01に、それぞれ接続される。
【0008】インバータIV03の出力はノードIN0
1Nに接続され、ノードIN01NはインバータIV0
2に入力される。インバータIV02の出力はノードN
01Nに接続され、ノードN01NはN型FET MN
02のゲートとP型FETMP02のゲートに接続され
る。N型FET MN02のドレインとP型FETMP
02のドレインは共に出力回路CO−01の逆相出力O
UT01Nに接続され、N型FET MN02のソース
は低電位電源P02に、P型FET MP02のソース
は高電位電源P01に、それぞれ接続される。
【0009】入力回路CI−01は、差動増幅回路AM
P01からなる。入力回路CI−01の正相入力IN0
2と逆相入力IN02Nは、差動増幅回路AMP01の
+側入力と−側入力に、それぞれ接続され、差動増幅回
路AMP01の出力は、入力回路CI−01の出力OU
T02となる。増幅回路AMP01には、種々の回路の
適用が可能であるが、一般には、P型FETのカレント
ミラー回路を負荷とした、N型FET差動増幅回路が用
いられている。
【0010】また、図には明示していないが、インバー
タIV01,IV02,IV03、差動増幅回路AMP
01の高電位電源は高電位電源P01に、低電位電源は
低電位電源P02にそれぞれ接続される。
【0011】次に、図5に示す従来のFET型入出力回
路の動作を図6を用いて説明する。ここで、高電位電源
P01,低電位電源P02,終端電位電源P03の電位
を、それぞれ、VDD,GND,VTTとする。
【0012】出力回路CO−01の入力IN01には、
高レベルとしてVDD、低レベルとしてGNDが入力さ
れる。
【0013】出力回路CO−01の入力IN01がGN
Dのとき、ノードN01はVDDとなり、N型FET
MN01は導通状態、P型FET MP01は遮断状態
となる。このとき、出力回路CO−01の正相出力OU
T01の電位は、VTTとGNDの電位差を第1の終端
抵抗RT01とN型FET MN01のオン抵抗で抵抗
分割した値、すなわちVOL0となる。一方ノードN0
1NはGNDとなり、N型FET MN02は遮断状
態、P型FET MP02は導通状態となる。よって、
出力回路CO−01の逆相出力OUT01Nの電位は、
VDDとVTTの電位差をP型FET MP02のオン
抵抗と第2の終端抵抗RT02で抵抗分割した値、すな
わちVOL0となる。入力回路CI−01では、出力回
路CO−01の正相出力OUT01から入力回路CI−
01の正相入力IN02に伝送された電位VOL0と、
出力回路CO−01の逆相出力OUT01Nから入力回
路CI−01の逆相入力IN02Nに伝送された電位V
OH0を、GNDに等しい電位に増幅して出力OUT0
2に出力し、転送は完了する。
【0014】一方、出力回路CO−01の入力IN01
がVDDのとき、ノードN01はGNDとなり、N型F
ET MN01は遮断状態、P型FET MP01は導
通状態となる。このとき、出力回路CO−01の正相出
力OUT01の電位は、VDDとVTTの電位差をP型
FET MP01のオン抵抗と第1の終端抵抗RT01
で抵抗分割した値、すなわちVOH0となる。一方ノー
ドN01NはVDDとなり、N型FET MN02は導
通状態、P型FET MP02は遮断状態となる。よっ
て、出力回路CO−01の逆相出力OUT01Nの電位
は、VTTとGNDの電位差を第2の終端抵抗RT02
とN型FET MN02のオン抵抗で抵抗分割した値、
すなわちVOH0となる。入力回路CI−01では、出
力回路CO−01の正相出力OUT01から入力回路C
I−01の正相入力IN02に伝送された電位VOH0
と、出力回路CO−01の逆相出力OUT01Nから入
力回路CI−01の逆相入力IN02Nに伝送された電
位VOL0を、VDDに等しい電位に増幅して出力OU
T02に出力し、転送は完了する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】図5に示す従来のFE
T型入出力回路では、終端抵抗RT01,RT02を用
いて伝送線路の整合をとることにより、高速の信号伝送
を可能としているが、終端抵抗RT01,RT02に定
常電流が流れて常に電力を消費してしまうという欠点が
ある。
【0016】終端抵抗RT01,RT02とFET M
N01,MN02,MP01,MP02で消費される電
力P0は、次のように表すことができる。
【0017】
【数1】 P0=(VDD−VTT)・(VOH0−VTT)/R+ (VTT−GND)・(VTT−VOL0)/R ・・・(1) ここで、Rは、終端抵抗RT01,RT02の抵抗値で
ある。(1)式は、GNDを0.0V、VTTをVDD
の1/2の値とすると、
【0018】
【数2】 P0=VTT・(VOH0−VOL0)/R =VTT・ΔV0/R ・・・(2) と簡単になる。ここで、ΔV0はVOH0−VOL0、
すなわち、OUT01,OUT01Nの振幅である。
【0019】例えば、VDDが2.0VでVTTが1.
0Vのとき、Rを50Ω、ΔV0を0.5Vとすると、
(2)式より、従来の入出力回路の消費電力P0は、1
0mWにまで達してしまう。
【0020】また、従来の入出力回路では、終端電位電
源P03として、VDDとは別の、VTTの電位を用意
しなければならないという欠点がある。一般に、VTT
はVDDとGNDのほぼ中間の電位に設定されるが、こ
のVTTを用意するために、LSIチップを実装するボ
ード上にVTT用の電源ラインを引き回すと、VTT用
の電源を用意しなければならないのと同時に、実装密度
が下がる、ボード設計が複雑になる、等の問題が出てく
る。VTTの電位を、LSIチップ上で抵抗分割等を用
いてVDDから作ることも可能であるが、この場合、L
SIチップの消費電力が増大してしまう。
【0021】一方、終端電位電源P03にVDDを供給
した場合には、伝送線路の信号がVDD側に片寄ってし
まうので、一般の差動増幅回路では信号を増幅するのが
困難となる。さらに、消費電力P0は、
【0022】
【数3】 P0=VDD・ΔV0/R ・・・(3) となり、VTTをVDDの1/2としたときの倍の値に
なってしまう。
【0023】本発明は、以上のような欠点に鑑みてなさ
れたもので、その目的は、終端抵抗を用いて高速の信号
伝送を可能としたFET型入出力回路において、終端電
位電源を回路の高電位電源、あるいは、低電位電源と共
通化し、かつ、消費電力を低減できる出力回路,入力回
路および入出力回路を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】第1の発明にかかるFE
T型出力回路は、正相側回路と逆相側回路を有し、正相
側回路は、第1のN型FETと、入力を遅延させて出力
する第1の遅延回路と、第1の入力が低レベルで第2の
入力が高レベルのときのみに高レベルを出力する第1の
パルス発生回路からなり、本FET型出力回路への入力
が第1の遅延回路の入力と第1のパルス発生回路の第1
の入力に入力され、第1の遅延回路の出力が第1のパル
ス発生回路の第2の入力に入力され、第1のパルス発生
回路の出力が、ソースが低電位電源に、ドレインが本F
ET型出力回路の正相出力にそれぞれ接続された、第1
のN型FET型のゲートに入力される構成とされ、逆相
側回路は、第2のN型FETと、第1の遅延回路と同じ
遅延時間の第2の遅延回路と、第1の入力が低レベルで
第2の入力が高レベルのときのみに高レベルを出力する
第2のパルス発生回路からなり、本FET型出力回路へ
の入力の反転信号が第2の遅延回路の入力と第2のパル
ス発生回路の第1の入力に入力され、第2の遅延回路の
出力が第2のパルス発生回路の第2の入力に入力され、
第2のパルス発生回路の出力が、ソースが低電位電源
に、ドレインが本FET型出力回路の逆相出力にそれぞ
れ接続された、第2のN型FETのゲートに入力される
構成とされたものである。
【0025】第2の発明にかかるFET型入力回路は、
正相と逆相の入力端子を有し、ソースが本FET型入力
回路への逆相入力に接続される第1のP型FETと、ソ
ースが本FET型入力回路の正相入力に接続される第2
のP型FETと、一端が第1のP型FETのドレインと
第2のP型FETのゲートに、他端が低電位電源に接続
される第1の抵抗と、一端が第2のP型FETのドレイ
ンと第1のP型FETのゲートに、他端が低電位電源に
接続される第2の抵抗とを有し、第1のP型FETのド
レイン、あるいは、第2のP型FETのドレインの少な
くとも一方から、本FET型入力回路の出力が引き出さ
れる構成とされたものである。
【0026】第3の発明にかかるFET型出力回路は、
正相側回路と逆相側回路を有し、正相側回路は、第1の
P型FETと、入力を遅延させて出力する第1の遅延回
路と、第1の入力が高レベルで第2の入力が低レベルの
ときのみに低レベルを出力する第1のパルス発生回路か
らなり、本FET型出力回路への入力が第1の遅延回路
の入力と第1のパルス発生回路の第1の入力に入力さ
れ、第1の遅延回路の出力が第1のパルス発生回路の第
2の入力に入力され、第1のパルス発生回路の出力が、
ソースが高電位電源に、ドレインが本FET型出力回路
の正相出力にそれぞれ接続された、第1のP型FET型
のゲートに入力される構成とされ、逆相側回路は、第2
のP型FETと、第1の遅延回路と同じ遅延時間の第2
の遅延回路と、第1の入力が高レベルで第2の入力が低
レベルのときのみに低レベルを出力する第2のパルス発
生回路からなり、本FET型出力回路への入力の反転信
号が第2の遅延回路の入力と第2のパルス発生回路の第
1の入力に入力され、第2の遅延回路の出力が第2のパ
ルス発生回路の第2の入力に入力され、第2のパルス発
生回路の出力が、ソースが高電位電源に、ドレインが本
FET型出力回路の逆相出力にそれぞれ接続された、第
2のP型FETのゲートに入力される構成とされたもの
である。
【0027】第4の発明にかかるFET型入力回路は、
正相と逆相の入力端子を有し、ソースが本FET型入力
回路の逆相入力に接続される第1のN型FETと、ソー
スが本FET型入力回路の正相入力に接続される第2の
N型FETと、一端が第1のN型FETのドレインと第
2のN型FETのゲートに、他端が高電位電源に接続さ
れる第1の抵抗と、一端が第2のN型FETのドレイン
と第1のN型FETのゲートに、他端が高電位電源に接
続される第2の抵抗とを有し、第1のN型FETのドレ
イン、あるいは、第2のN型FETのドレインの少なく
とも一方から、本FET型入力回路の出力が引き出され
る構成とされたことを特徴とするFET型入力回路とし
て構成されるものである。
【0028】第5の発明にかかるFET型入出力回路
は、出力回路として第1の発明のFET型出力回路を用
い、入力回路として第2の発明のFET型入力回路を用
い、出力回路の正相出力と入力回路の正相入力を結ぶ第
1の伝送線路は第1の終端抵抗によって終端電位電源に
終端され、出力回路の逆相出力と入力回路の逆相入力を
結ぶ第2の伝送線路は第2の終端抵抗によって終端電位
電源に終端されたものである。
【0029】第6の発明にかかるFET型入出力回路
は、出力回路として第3の発明のFET型出力回路を用
い、入力回路として第4の発明のFET型入力回路を用
い、出力回路の正相出力と入力回路の正相入力を結ぶ第
1の伝送線路は第1の終端抵抗によって終端電位電源に
終端され、出力回路の逆相出力と入力回路の逆相入力を
結ぶ第2の伝送線路は第2の終端抵抗によって終端電位
電源に終端されたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明にかかるFET型出力回路
(請求項1,3に対応)においては、出力端子に接続さ
れたFETが導通状態となるのは、遅延回路とパルス発
生回路の働きにより、入力が高レベルから低レベルへ変
化した時、あるいは、低レベルから高レベルへ変化した
時のみであり、その期間は、遅延回路で設定された遅延
時間の間だけである。次に入力が変化するまでは、出力
端子に接続されたFETは遮断状態を保ち、終端抵抗を
通した定常電流は流れない。
【0031】また、本発明のFET型入力回路(請求項
2,4に対応)においては、ゲートとドレインをクロス
カップル接続した2個のFETソースにFET型入力回
路の入力を接続する構成とすることにより、伝送線路の
終端電位を高電位電源、あるいは、低電位電源の電位と
共通化しても、入力信号の増幅を行えるようになる。ま
た、本発明のFET型出力回路の出力電位は、信号変化
が無いときには、正相、逆相共に終端電位に一致する
が、FETのクロスカップル接続により信号は保持され
る。
【0032】従って、本発明の出力回路と入力回路を用
いた入出力回路(請求項5,6に対応)により信号の伝
送を行えば、本発明の目的である、終端電位電源の高電
位電源、あるいは、低電位電源との共通化と、消費電力
の低減化を行える。
【0033】
【実施例】
〔第1の実施例〕図1に、本発明の第1の実施例である
FET型入出力回路を示す。
【0034】図1では、FET型出力回路CO−11,
FET型入力回路CI−11に第1の伝送線路L11,
第2の伝送線路L12,第1の終端抵抗RT11,第2
の終端抵抗RT12を含めて第1の実施例のFET型入
出力回路として示した。以下、特に、必要のない限り、
「FET型」は省略する。
【0035】出力回路CO−11の正相出力OUT11
は第1の伝送線路L11の一端に、逆相出力OUT11
Nは第2の伝送線路L12の一端に、それぞれ接続さ
れ、第1の伝送線路L11の他端は入力回路CI−11
の正相入力IN12に、第2の伝送線路L12の他端は
逆相入力IN12Nにそれぞれ接続される。さらに、第
1の伝送線路L11、第2の伝送線路L12の入力回路
CI−11側は、それぞれ、第1の終端抵抗RT11、
第2の終端抵抗RT12を介して終端電位電源P13に
終端される。ここで、終端電位電源P13は、入出力回
路の高電位電源(図には明示せず)に一致した電位であ
る。
【0036】出力回路CO−11は、正相側回路を構成
する第1の遅延回路D11,第1のパルス発生回路CO
−12,第1のN型FET MN11と、逆相側回路を
構成する第2の遅延回路D12,第2のパルス発生回路
CO−13,第2のN型FET MN12と、インバー
タIV13からなる。遅延回路D11,D12は、入力
を遅延させて出力するものであり、パルス発生回路CO
−12,CO−13は、第1の入力が低レベルで第2の
入力が高レベルのときのみに、高レベルの信号を出力す
るものである。
【0037】正相側回路では、出力回路CO−11の入
力IN11が、第1の遅延回路D11の入力と第1のパ
ルス発生回路CO−12の第1の入力に接続される。第
1の遅延回路D11の出力はノードN11であり、ノー
ドN11は第1のパルス発生回路CO−12の第2の入
力に接続される。第1のパルス発生回路CO−12の出
力はノードN13であり、ノードN13は、ソースが低
電位電源P12に、ドレインが出力回路CO−11の正
相出力OUT11にそれぞれ接続された、第1のN型F
ET MN11のゲートに接続される。
【0038】第1のパルス発生回路CO−12はインバ
ータIV11とNORゲートNR11からなる。ここ
で、NORゲートは複数ある入力のすべてが低レベルの
ときに高レベルを出力し、それ以外の時には低レベルを
出力するものである。第1のパルス発生回路CO−12
の第2の入力はインバータIV11の入力に接続され
る。NORゲートNR11の一方の入力には第1のパル
ス発生回路CO−12の第1の入力が接続され、他方の
入力にはインバータIV11の出力であるノードN12
が接続される。NORゲートNR11の出力は第1のパ
ルス発生回路CO−12の出力となる。
【0039】逆相側回路では、インバータIV13によ
って、出力回路CO−11の入力IN11の信号の反転
信号がノードIN11Nに出力され、このノードIN1
1Nが第2の遅延回路D12の入力と第2のパルス発生
回路CO−13の第1の入力に接続される。これらの接
続は正相側回路と同等であり、第2の遅延回路D12の
出力はノードN11Nであり、ノードN11Nは第2の
パルス発生回路CO−13の第2の入力に接続される。
第2のパルス発生回路CO−13の出力はノードN13
Nであり、ノードN13Nは、ソースが低電位電源P1
2に、ドレインが出力回路CO−11の逆相出力OUT
11Nにそれぞれ接続された、第2のN型FET MN
12のゲートに接続される。
【0040】第2のパルス発生回路CO−13はインバ
ータIV12とNORゲートNR12からなる。これら
の接続は第1のパルス発生回路CO−12と同等であ
り、第2のパルス発生回路CO−13の第2の入力はイ
ンバータIV12の入力に接続される。NORゲートN
R12の一方の入力には第2のパルス発生回路CO−1
3の第1の入力が接続され、他方の入力にはインバータ
IV12の出力であるノードN12Nが接続される。N
ORゲートNR12の出力は第2のパルス発生回路CO
−13の出力となる。
【0041】入力回路CI−11は、第1のP型FET
MP11と第2のP型FET MP12と第1の抵抗
R11と第2の抵抗R12とインバータIV14からな
る。
【0042】入力回路CI−11の正相入力IN12は
第2のP型FET MP12のソースに、逆相入力IN
12Nは第1のP型FET MP11のソースに接続さ
れる。第1の抵抗RT11の一端はノードN14であ
り、他端は低電位電源P12に接続される。ノードN1
4は、第1のP型FET MP11のドレインと第2の
P型FET MP12のゲートに接続される。第2の抵
抗RT12の一端はノードN14Nであり、他端は低電
位電源P12に接続される。ノードN14Nは、第2の
P型FET MP12のドレインと第1のP型FET
MP11のゲートに接続される。さらに、ノードN14
はインバータIV14の入力に接続され、インバータI
V14の出力は入力回路CI−11の出力OUT12と
なる。
【0043】また、図には明示していないが、インバー
タIV11〜IV14,NORゲートNR11,NR1
2,遅延回路D11,D12の高電位電源は入出力回路
の高電位電源(図には明示せず)に、低電位電源は低電
位電源P12にそれぞれ接続される。
【0044】次に、図1に示す第1の実施例の入出力回
路の動作を図2によって説明する。ここで、高電位電源
および終端電位電源P13の電位をVDD、低電位電源
P12の電位をGNDとする。また、図2では、遅延回
路D11,D12と伝送線路L11,L12における遅
延以外の遅延は無視した。
【0045】出力回路CO−11の入力IN11には、
高レベルとしてVDD、低レベルとしてGNDが入力さ
れる。
【0046】出力回路CO−11の入力IN11がGN
DからVDDに立ち上がったとき、正相側回路では、第
1のパルス発生回路CO−12の第1の入力がGND、
第2の入力がVDDとなる期間がないので、第1のパル
ス発生回路CO−12の出力であるノードN13の電位
は、GNDのままである。よって、第1のN型FETM
N11は遮断状態のままであり、正相出力OUT11の
電位は終端電位VDDに一致したままとなる。
【0047】一方、逆相側回路では、ノードIN11N
はインバータIV13によってVDDからGNDに降下
する。ノードIN11NがVDDからGNDに降下した
時点から、第2の遅延回路D12で設定された遅延時間
ΔT後にノードN11NがVDDからGNDに降下する
までの間、第2のパルス発生回路CO−13の第1の入
力はGND、第2の入力はVDDなので、第2のパルス
発生回路CO−13の出力であるノードN13NはVD
Dとなる。よって、第2のN型FET MN12は、入
力IN11が立ち上がってからΔTの間だけ導通状態と
なり、このΔTの間だけ、逆相出力OUT11Nの電位
は、VDDとGNDの電位差を第2の終端抵抗RT12
と第2のN型FET MN12のオン抵抗で抵抗分割し
た値、すなわちVOL1となる。
【0048】このとき、入力回路CI−11では、正相
入力IN12はVDDのままであり、逆相入力IN12
Nには、幅ΔT,高さΔV=VDD−VOL1の、VD
Dに対して負のパルスが入力される。この逆相入力IN
12Nに入力される負のパルスにより、ノードN14の
電位が下がる。すると、第2のP型FET MP12の
抵抗値が下がるのでノードN14Nの電位が上がる。こ
のノードN14の電位の降下とノードN14Nの電位の
上昇は、P型FET MP11,MP12のクロスカッ
プルによって増幅され、ノードN14の電位はほぼGN
Dになり、ノードN14Nの電位はVDD付近まで上昇
する。ノードN14の電位はインバータIV14によっ
て反転され、入力回路CI−11の出力OUT12には
VDDが出力され、転送は完了する。
【0049】逆に、出力回路CO−11の入力IN11
がVDDからGNDに降下したときは、逆相出力OUT
11Nの電位は終端電位VDDに一致したままとなり、
正相出力OUT11の電位は入力IN11がVDDから
GNDに降下してからΔTの間だけ、VDDとGNDの
電位差を第1の終端抵抗RT11と第1のN型FETM
N11のオン抵抗で抵抗分割した値、すなわち、VOL
1となる。このとき、入力回路CI−11では、逆相入
力IN12NはVDDのままであり、正相入力IN12
には、幅ΔT,高さΔV=VDD−VOL1の、VDD
に対して負のパルスが入力される。すると、ノードN1
4Nの電位が下がり、ノードN14の電位が上がるの
で、入力回路CI−11の出力OUT12にはGNDが
出力され、転送は完了する。
【0050】信号が変化してからΔT後には伝送線路の
電位は正相,逆相ともVDDに一致してしまうが、入力
回路CI−11では2個のP型FET MP11,MP
12のクロスカップルによってラッチがかかるので、次
の信号の変化があるまで、信号は保持される。
【0051】以上、第1の実施例のFET型入出力回路
の動作を説明したが、本実施例によれば、出力回路CO
−11のN型FET MN11,MN12に電流が流れ
るのは、ΔTの間だけであり、それ以外の期間では定常
電流が流れないので、従来の入出力回路に比べ、電力を
大幅に削減することができる。また、終端電位をVDD
としているので、終端電位としてVTTという別電位を
必要する従来の入出力回路に比べ、電源数を1つ削減で
きる。
【0052】本実施例において、終端抵抗RT11,R
T12と出力回路CO−11のN型FET MN11,
MN12で消費される電力P1は、次のように表すこと
ができる。
【0053】
【数4】 P1=VDD・(ΔV/R)・(ΔT/T)・r ・・・(4) ここで、Rは終端抵抗RT11,RT12の抵抗値、T
は伝送信号の周期、rは伝送信号の遷移率である。ここ
で、遷移率rとは、信号が高,低,高,低と周期毎に変
るときは「1」であり、高,高,低,低のように2回に
1回変るときには「0.5」となるものである。
【0054】例えば、VDDを2.0V、Rを50Ω、
ΔTを0.5V、Tを10ns(すなわち、周波数は1
00MHz),ΔTを0.5nsとすると、遷移率rが
1のときでも、消費電力P1は、1mWに過ぎない。ラ
ンダムな信号を考えると遷移率rは0.5なので、この
ときは、消費電力P1は500μWとさらに少なくな
る。すなわち、10mWの電力を消費する従来の入出力
回路に比べて、終端電位をVDDとしているにも関わら
ず、消費電力を1/20にすることができるのである。
また、信号が間欠的に伝送されるバースト性の信号の場
合、遷移率rはさらに小さくなるので、消費電力はさら
に削減される。
【0055】以上の説明では、終端電位電源P13から
入力回路CI−11に流れ込む電流を無視したが、この
電流は数100μAで構わないので、伝送信号の電位に
はほとんど影響を与えない。また、消費電力の観点にお
いても、従来の入出力回路の入力回路でも同等の定常電
流を流す必要があるので、問題とはならない。
【0056】また、速度については、本実施例において
も、伝送線路L11,L12はそれぞれ終端抵抗RT1
1,RT12によって整合終端されているので、従来の
入出力回路同様、高速な信号伝送が可能である。
【0057】〔第2の実施例〕図3に、本発明の第2の
実施例であるFET型入出力回路を示す。
【0058】図3では、FET型出力回路CO−21,
FET型入力回路CI−21に第1の伝送線路L21,
第2の伝送線路L22,第1の終端抵抗RT21,第2
の終端抵抗RT22を含めて第2の実施例のFET型入
出力回路として示した。以下、特に、必要のない限り、
「FET型」は省略する。
【0059】出力回路CO−21の正相出力OUT21
は第1の伝送線路L21の一端に、逆相出力OUT21
Nは第2の伝送線路L22の一端に、それぞれ接続さ
れ、第1の伝送線路L21の他端は入力回路CI−21
の正相入力IN22に、第2の伝送線路L22の他端は
逆相入力IN22Nにそれぞれ接続される。さらに、第
1の伝送線路L21、第2の伝送線路L22の入力回路
CI−21側は、それぞれ、第1の終端抵抗RT21、
第2の終端抵抗RT22を介して終端電位電源P23に
終端される。ここで、終端電位電源P23は、入出力回
路の低電位電源(図には明示せず)に一致した電位であ
る。
【0060】出力回路CO−21は、正相側回路を構成
する第1の遅延回路D21,第1のパルス発生回路CO
−22,第1のP型FET MP21と、逆相側回路を
構成する第2の遅延回路D22,第2のパルス発生回路
CO−23,第2のP型FET MP22と、インバー
タIV23からなる。遅延回路D21,D22は、入力
を遅延させて出力するものであり、パルス発生回路CO
−22,CO−23は、第1の入力が高レベルで第2の
入力が低レベルのときのみに、低レベルの信号を出力す
るものである。
【0061】正相側回路では、出力回路CO−21の入
力IN21が、第1の遅延回路D21の入力と第1のパ
ルス発生回路CO−22の第1の入力に接続される。第
1の遅延回路D21の出力はノードN21であり、ノー
ドN21は第1のパルス発生回路CO−22の第2の入
力に接続される。第1のパルス発生回路CO−22の出
力はノードN23であり、ノードN23は、ソースが高
電位電源P21に、ドレインが出力回路CO−21の正
相出力OUT21にそれぞれ接続された、第1のP型F
ET MP21のゲートに接続される。
【0062】第1のパルス発生回路CO−22はインバ
ータIV21とNANDゲートND21からなる。ここ
で、NANDゲートは複数ある入力のすべてが高レベル
のときに低レベルを出力し、それ以外の時には高レベル
を出力するものである。第1のパルス発生回路CO−2
2の第2の入力はインバータIV21の入力に接続され
る。NANDゲートND21の一方の入力には第1のパ
ルス発生回路CO−22の第1の入力が接続され、他方
の入力にはインバータIV21の出力であるノードN2
2が接続される。NANDゲートND21の出力は第1
のパルス発生回路CO−22の出力となる。
【0063】逆相側回路では、インバータIV23によ
って、出力回路CO−21の入力IN21の信号の反転
信号がノードIN21Nに出力され、このノードIN2
1Nが第2の遅延回路D22の入力と第2のパルス発生
回路CO−23の第1の入力に接続される。これらの接
続は正相側回路と同等であり、第2の遅延回路D22の
出力はノードN21Nであり、ノードN21Nは第2の
パルス発生回路CO−23の第2の入力に接続される。
第2のパルス発生回路CO−23の出力はノードN23
Nであり、ノードN23Nは、ソースが高電位電源P2
1に、ドレインが出力回路CO−21の逆相出力OUT
21Nにそれぞれ接続された、第2のP型FET MP
22のゲートに接続される。
【0064】第2のパルス発生回路CO−23はインバ
ータIV22とNANDゲートND22からなる。これ
らの接続は第1のパルス発生回路CO−22と同等であ
り、第2のパルス発生回路CO−23の第2の入力はイ
ンバータIV22の入力に接続される。NANDゲート
ND22の一方の入力には第2のパルス発生回路CO−
23の第1の入力が接続され、他方の入力にはインバー
タIV22の出力であるノードN22Nが接続される。
NANDゲートND22の出力は第2のパルス発生回路
CO−23の出力となる。
【0065】入力回路CI−21は、第1のN型FET
MN21と第2のN型FET MN22と第1の抵抗
R21と第2の抵抗R22とインバータIV24からな
る。
【0066】入力回路CI−21の正相入力IN22は
第2のN型FET MN22のソースに、逆相入力IN
22Nは第1のN型FET MN21のソースに接続さ
れる。第1の抵抗RT21の一端はノードN24であ
り、他端は高電位電源P21に接続される。ノードN2
4は、第1のN型FET MN21のドレインと第2の
N型FET MN22のゲートに接続される。第2の抵
抗RT22の一端はノードN24Nであり、他端は高電
位電源P21に接続される。ノードN24Nは、第2の
N型FET MN22のドレインと第1のN型FET
MN21のゲートに接続される。さらに、ノードN24
はインバータIV24の入力に接続され、インバータI
V24の出力は入力回路CI−21の出力OUT22と
なる。
【0067】また、図には明示していないが、インバー
タIV21〜IV24,NANDゲートND21,ND
22,遅延回路D21,D22の低電位電源は入出力回
路の低電位電源(図には明示せず)に、高電位電源は高
電位電源P21にそれぞれ接続される。
【0068】次に、図3に示す第2の実施例の入出力回
路の動作を図4によって説明する。ここで、低電位電源
および終端電位電源P23の電位をGND、高電位電源
P21の電位をVDDとする。また、図4では、遅延回
路D21,D22と伝送線路L21,L22における遅
延以外の遅延は無視した。
【0069】出力回路CO−21の入力IN21には、
高レベルとしてVDD、低レベルとしてGNDが入力さ
れる。
【0070】出力回路CO−21の入力IN21がGN
DからVDDに立ち上がったとき、正相側回路では、入
力IN21が立ち上がった時点から、第1の遅延回路D
21で設定された遅延時間ΔT後にノードN21がGN
DからVDDに立ち上がるまでの間、第1のパルス発生
回路CO−22の第1の入力はVDD、第2の入力はG
NDなので、第1のパルス発生回路CO−22の出力で
あるノードN23はGNDとなる。よって、第1のP型
FET MP21は、入力IN21が立ち上がってから
ΔTの間だけ導通状態となり、このΔTの間だけ、正相
出力OUT21の電位は、VDDとGNDの電位差を第
1のP型FET MP21のオン抵抗と第1の終端抵抗
RT21で抵抗分割した値、すなわち、VOH2とな
る。
【0071】一方、逆相側回路では、ノードIN21N
はインバータIV23によってVDDからGNDに降下
するが、第2のパルス発生回路CO−23の第1の入力
がVDD、第2の入力がGNDとなる期間がないので、
第2のパルス発生回路CO−23の出力であるノードN
23Nの電位は、VDDのままである。よって、第2の
P型FET MP22は遮断状態のままであり、逆相出
力OUT21Nの電位は終端電位GNDに一致したまま
となる。
【0072】このとき、入力回路CI−21では、正相
入力IN22には、幅ΔT,高さΔV=VOH2−GN
Dの、GNDに対して正のパルスが入力され、逆相入力
IN22NはGNDのままである。この正相入力IN2
2に入力される正のパルスにより、ノードN24Nの電
位が上がる。すると、第1のN型FET MN21の抵
抗値が下がるのでノードN24の電位が下がる。このノ
ードN24の電位の降下とノードN24Nの電位の上昇
は、N型FET MN21,MN22のクロスカップル
によって増幅され、ノードN24の電位はGND付近ま
で降下し、ノードN24Nの電位はほぼVDDとなる。
ノードN24の電位はインバータIV24によって反転
され、入力回路CI−21の出力OUT22にはVDD
が出力され、転送は完了する。
【0073】逆に、出力回路CO−21の入力IN21
がVDDからGNDに降下したときは、正相出力OUT
21の電位は終端電位GNDに一致したままとなり、逆
相出力OUT21Nの電位は入力IN21がVDDから
GNDに降下してからΔTの間だけ、VDDとGNDの
電位差を第2のP型FET MP22のオン抵抗と第2
の終端抵抗RT22で抵抗分割した値、すなわち、VO
H2となる。このとき、入力回路CI−21では、正相
入力IN22はGNDのままであり、逆相入力IN22
Nには、幅ΔT,高さΔV=VOH2−GNDの、GN
Dに対して正のパルスが入力される。すると、ノードN
24の電位が上がり、ノードN24Nの電位が下がるの
で、入力回路CI−21の出力OUT22にはGNDが
出力され、転送は完了する。
【0074】信号が変化してからΔT後には伝送線路の
電位は正相,逆相ともGNDに一致してしまうが、入力
回路CI−21では2個のN型FET MN21,MN
22のクロスカップルによってラッチがかかるので、第
1の実施例と同様に、次の信号の変化があるまで、信号
は保持される。
【0075】以上、第2の実施例のFET型入出力回路
の動作を説明したが、本実施例においても、第1の実施
例と同様に、出力回路CO−21のP型FET MP2
1,MP22に電流が流れるのは、ΔTの間だけであ
り、それ以外の期間では定常電流が流れないので、従来
の入出力回路に比べ、電力を大幅に削減することができ
る。また、終端電位をGNDとしているので、終端電位
としてVTTという別電位を必要する従来の入出力回路
に比べ、電源数を1つ削減できる。
【0076】本実施例において、終端抵抗RT21,R
T22と出力回路CO−21のP型FET MP21,
MP22で消費される電力P2は、(4)式と全く同様
に次のように表すことができる。
【0077】
【数5】 P2=VDD・(ΔV/R)・(ΔT/T)・r ・・・(5) ここで、Rは終端抵抗RT21,RT22の抵抗値であ
り、Tは伝送信号の周期、rは伝送信号の遷移率であ
る。(5)式は、(4)式と同じなので、第2実施例に
おいても、第1の実施例と同様に、電力を大幅に削減で
きることは明らかである。
【0078】また、本実施例においても、終端抵抗RT
21,RT22によって伝送線路の終端をとっているの
で、高速な信号伝送が可能である。
【0079】〔その他の実施例〕以上、第1と第2の実
施例について述べたが、本発明の技術思想に従う入出力
回路は、他にもさまざまな例が可能である。
【0080】例えば、第1の実施例のパルス発生回路C
O−12,CO−13にはインバータとNORゲートを
用いたが、インバータとANDゲートを用いても同等の
機能を実現することが可能である。また、第2の実施例
のパルス発生回路CO−22,CO−23にはインバー
タとNANDゲートを用いたが、これについても、イン
バータとORゲートを用いて同等の機能を実現できる。
【0081】また、遅延回路D11,D12,D21,
D22は偶数段のインバータ例を用いれば実現できる
が、これを可変遅延回路として、チップの実装形態等に
応じてΔTの値、すなわちパルス幅を可変とすることも
可能である。
【0082】さらに、終端抵抗RT11,RT12,R
T21,RT22はチップの外部にチップ抵抗を装着す
ることで実現しても良く、あるいは、チップ内部でFE
T、拡散抵抗等で実現することもできる。
【0083】また、入力回路の抵抗R11,R12,R
21,R22についても、FET、拡散抵抗等、さまざ
まな実現手段を取ることが可能である。
【0084】また、第1の実施例と第2の実施例では、
出力回路の入力を1本としているが、最初から、正相信
号と逆相信号を用意しておいて、出力回路の入力を相補
信号とすることは容易である。入力回路の出力について
も、例えば第1の実施例において、ノードN14Nから
もインバータを介して出力を引き出すことにより、入力
回路の出力を相補信号とすることも容易である。
【0085】ΔVの値、すなわちパルス高を、例に挙げ
た0.5Vよりさらに小さい値に設定して電力を削減し
た場合に、入力回路でパルスを増幅するのが困難になる
こともあると予想されるが、これは、入力回路を2段構
成、すなわち、例えば第1の実施例におけるノードN1
4,N14Nを差動増幅回路の入力に接続してさらに増
幅することにより、限界はあるが、解決可能である。
【0086】そして、上記すべての例においても、電流
が信号の変化時のみにΔTの間だけ流れ、その他の時に
は定常電流が流れないので、消費電力を低減化でき、か
つ高電位電源、低電位電源以外の電源を必要としないと
いう本発明の特徴を備えている。
【0087】ところで、終端電位については、第1の実
施例ではVDD、第2の実施例ではGNDとしたが、場
合によっては、この値にこだわる必要はなく、入力回路
が増幅できる範囲で種々の値に設定可能である。この場
合、終端電位電源として別電源が必要となってしまう
が、終端電位をVDDとGNDの間に設定すれば、第
1,第2の実施例より、さらに消費電力を削減できる。
【0088】
【発明の効果】以上から、本発明によれば、出力回路に
遅延回路とパルス発生回路を備えたことにより終端抵抗
を流れる定常電流を遮断できるので、終端電位電源を高
電位電源、あるいは、低電位電源と共通化しても、常に
定常電流が流れる従来の技術に比べて消費電力を大幅に
削減できる。
【0089】また、入力回路を抵抗とクロスカップル接
続されたFETで構成したことにより、終端電位電源を
高電位電源、あるいは、低電位電源と共通化しても伝送
信号の増幅を行えるので、従来の技術に比べて電源数を
1つ削減できる。
【0090】また、入出力回路を前記出力回路と入力回
路を組み合わせて構成したので、電力消費を少なく、か
つ電源数を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のFET型入出力回路を
示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例のFET型入出力回路の
動作を説明する図である。
【図3】本発明の第2の実施例のFET型入出力回路を
示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例のFET型入出力回路の
動作を説明する図である。
【図5】従来のFET型入出力回路を示す図である。
【図6】従来のFET型入出力回路の動作を説明する図
である。
【符号の説明】 CO−11 FET型出力回路 CI−11 FET型入力回路 L11 第1の伝送線路 L12 第2の伝送線路 RT11 第1の終端抵抗 RT12 第2の終端抵抗 D11 第1の遅延回路 D12 第2の遅延回路 CO−12 第1のパルス発生回路 CO−13 第2のパルス発生回路 MN11 第1のN型FET MN12 第2のN型FET MP11 第1のP型FET MP12 第2のP型FET R11 第1の抵抗 R12 第2の抵抗 IV11〜IV14 インバータ NR11,NR12 NORゲート P12 低電位電源 P13 終端電位電源 IN11 出力回路の入力 OUT11 出力回路の正相出力 OUT11N 出力回路の逆相出力 IN12 入力回路の正相入力 IN12N 入力回路の逆相入力 OUT12 入力回路の出力 1N11N,N11〜N14,N11N〜N14N ノ
ード VDD 高電位電源の電位 GND 低電位電源の電位 VOL1 伝送信号の低レベル電位 ΔV 伝送信号の振幅すなわちパルス高 T 伝送信号の周期 ΔT 遅延回路の遅延値かつ伝送信号のパルス幅 CO−21 FET型出力回路 CI−21 FET型入力回路 L21 第1の伝送線路 L22 第2の伝送線路 RT21 第1の終端抵抗 RT22 第2の終端抵抗 D21 第1の遅延回路 D22 第2の遅延回路 CO−22 第1のパルス発生回路 CO−23 第2のパルス発生回路 MP21 第1のP型FET MP22 第2のP型FET MN21 第1のN型FET MN22 第2のN型FET R21 第1の抵抗 R22 第2の抵抗 IV21〜IV24 インバータ ND21,ND22 NANDゲート P21 高電位電源 P23 終端電位電源 IN21 出力回路の入力 OUT21 出力回路の正相出力 OUT21N 出力回路の逆相出力 IN22 入力回路の正相入力 IN22N 入力回路の逆相入力 OUT22 入力回路の出力 IN21N,N21〜N24,N21N〜N24N ノ
ード VOH2 伝送信号の高レベル電位

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正相側回路と逆相側回路を有し、正相側
    回路は、第1のN型FETと、入力を遅延させて出力す
    る第1の遅延回路と、第1の入力が低レベルで第2の入
    力が高レベルのときのみに高レベルを出力する第1のパ
    ルス発生回路からなり、本FET型出力回路への入力が
    第1の遅延回路の入力と第1のパルス発生回路の第1の
    入力に入力され、第1の遅延回路の出力が第1のパルス
    発生回路の第2の入力に入力され、第1のパルス発生回
    路の出力が、ソースが低電位電源に、ドレインが本FE
    T型出力回路の正相出力にそれぞれ接続された、第1の
    N型FET型のゲートに入力される構成とされ、 逆相側回路は、第2のN型FETと、第1の遅延回路と
    同じ遅延時間の第2の遅延回路と、第1の入力が低レベ
    ルで第2の入力が高レベルのときのみに高レベルを出力
    する第2のパルス発生回路からなり、本FET型出力回
    路への入力の反転信号が第2の遅延回路の入力と第2の
    パルス発生回路の第1の入力に入力され、第2の遅延回
    路の出力が第2のパルス発生回路の第2の入力に入力さ
    れ、第2のパルス発生回路の出力が、ソースが低電位電
    源に、ドレインが本FET型出力回路の逆相出力にそれ
    ぞれ接続された、第2のN型FETのゲートに入力され
    る構成とされたことを特徴とするFET型出力回路。
  2. 【請求項2】 正相と逆相の入力端子を有し、ソースが
    本FET型入力回路への逆相入力に接続される第1のP
    型FETと、ソースが本FET型入力回路の正相入力に
    接続される第2のP型FETと、一端が第1のP型FE
    Tのドレインと第2のP型FETのゲートに、他端が低
    電位電源に接続される第1の抵抗と、一端が第2のP型
    FETのドレインと第1のP型FETのゲートに、他端
    が低電位電源に接続される第2の抵抗とを有し、 第1のP型FETのドレイン、あるいは、第2のP型F
    ETのドレインの少なくとも一方から、本FET型入力
    回路の出力が引き出される構成とされたことを特徴とす
    るFET型入力回路。
  3. 【請求項3】 正相側回路と逆相側回路を有し、正相側
    回路は、第1のP型FETと、入力を遅延させて出力す
    る第1の遅延回路と、第1の入力が高レベルで第2の入
    力が低レベルのときのみに低レベルを出力する第1のパ
    ルス発生回路からなり、本FET型出力回路への入力が
    第1の遅延回路の入力と第1のパルス発生回路の第1の
    入力に入力され、第1の遅延回路の出力が第1のパルス
    発生回路の第2の入力に入力され、第1のパルス発生回
    路の出力が、ソースが高電位電源に、ドレインが本FE
    T型出力回路の正相出力にそれぞれ接続された、第1の
    P型FET型のゲートに入力される構成とされ、 逆相側回路は、第2のP型FETと、第1の遅延回路と
    同じ遅延時間の第2の遅延回路と、第1の入力が高レベ
    ルで第2の入力が低レベルのときのみに低レベルを出力
    する第2のパルス発生回路からなり、本FET型出力回
    路への入力の反転信号が第2の遅延回路の入力と第2の
    パルス発生回路の第1の入力に入力され、第2の遅延回
    路の出力が第2のパルス発生回路の第2の入力に入力さ
    れ、第2のパルス発生回路の出力が、ソースが高電位電
    源に、ドレインが本FET型出力回路の逆相出力にそれ
    ぞれ接続された、第2のP型FETのゲートに入力され
    る構成とされたことを特徴とするFET型出力回路。
  4. 【請求項4】 正相と逆相の入力端子を有し、ソースが
    本FET型入力回路への逆相入力に接続される第1のN
    型FETと、ソースが本FET型入力回路の正相入力に
    接続される第2のN型FETと、一端が第1のN型FE
    Tのドレインと第2のN型FETのゲートに、他端が高
    電位電源に接続される第1の抵抗と、一端が第2のN型
    FETのドレインと第1のN型FETのゲートに、他端
    が高電位電源に接続される第2の抵抗とを有し、 第1のN型FETのドレイン、あるいは、第2のN型F
    ETのドレインの少なくとも一方から、本FET型入力
    回路の出力が引き出される構成とされたことを特徴とす
    るFET型入力回路。
  5. 【請求項5】 出力回路として請求項1に記載のFET
    型出力回路を用い、入力回路として請求項2に記載のF
    ET型入力回路を用い、出力回路の正相出力と入力回路
    の正相入力を結ぶ第1の伝送線路は第1の終端抵抗によ
    って終端電位電源に終端され、出力回路の逆相出力と入
    力回路の逆相入力を結ぶ第2の伝送線路は第2の終端抵
    抗によって終端電位電源に終端されたことを特徴とする
    FET型入出力回路。
  6. 【請求項6】 出力回路として請求項3に記載のFET
    型出力回路を用い、入力回路として請求項4に記載のF
    ET型入力回路を用い、出力回路の正相出力と入力回路
    の正相入力を結ぶ第1の伝送線路は第1の終端抵抗によ
    って終端電位電源に終端され、出力回路の逆相出力と入
    力回路の逆相入力を結ぶ第2の伝送線路は第2の終端抵
    抗によって終端電位電源に終端されたことを特徴とする
    FET型入出力回路。
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