JPH1067179A - 可逆型感熱表示材料及びこれを用いた可逆型感熱表示素子 - Google Patents

可逆型感熱表示材料及びこれを用いた可逆型感熱表示素子

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JPH1067179A
JPH1067179A JP8228384A JP22838496A JPH1067179A JP H1067179 A JPH1067179 A JP H1067179A JP 8228384 A JP8228384 A JP 8228384A JP 22838496 A JP22838496 A JP 22838496A JP H1067179 A JPH1067179 A JP H1067179A
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group
reversible thermosensitive
amino acid
thermosensitive display
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JP8228384A
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Kazuyoshi Tendou
一良 天童
Seiji Tai
誠司 田井
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度に依存した透明度の可逆的な変化が良好
であり、生分解性に優れ、使用可能温度範囲が広い可逆
型感熱表示材料及び可逆型感熱表示素子を提供する。 【解決手段】 側鎖の熱的転移温度(T1)が30〜9
0℃であり、主鎖の熱的転移温度(T2)が100〜2
50℃であり、前記T1とT2の差が50〜220℃であ
るアミノ酸重合体(A)を含有してなる可逆型感熱表示
材料、一般式(I) 【化1】 (式中、nは1又は2であり、R1は置換基を有しても
よい直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基であって、か
つ、炭素数8以上の直鎖のアルキル基部分を有する基で
ある)で表されるアスパラギン酸又はグルタミン酸のア
ルキルエステルを含む単量体成分を重合して得られるア
ミノ酸重合体(A′)を含有してなる可逆型感熱表示材
料及び前記可逆型感熱表示材料を支持体上に塗布するか
又は支持体中に含浸させてなる可逆型感熱表示素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度に依存した透
明度の可逆的な変化を利用して画像形成及び消去を行う
可逆型感熱表示材料及びこれを用いた可逆型感熱表示素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】温度に依存した透明度の可逆的な変化を
利用して画像形成及び消去を行う可逆型感熱表示材料と
しては、従来、塩化ビニル系樹脂等の樹脂中に高級脂肪
酸等の有機低分子化合物を分散した混合物が使用されて
きた(特開昭54−119377号公報、特開昭55−
154198号公報及び特開昭63−39378号公
報)。このような混合物は、有機低分子化合物の融点付
近まで加熱して冷却した場合と、該融点より高い温度に
加熱して冷却した場合での該混合物の光透過度の違いを
表示の書き込み及び消去に使用するものであった。しか
し、このような樹脂と有機低分子化合物からなる可逆型
感熱記録材料は、混合物であるため、成膜性に乏しい、
安定性が低い、感熱温度範囲が2〜4℃と狭い等の問題
点があった。
【0003】一方、側鎖に長鎖アルキル基を有するマレ
イン酸及びフマル酸エステルの重合体を本用途に用いる
ことが提案されている(特開平7−61135号公
報)。このような重合体は、側鎖アルキル鎖の結晶化温
度付近まで加熱して冷却した場合と、該結晶化温度より
高い温度に加熱して冷却した場合での該重合体の光透過
度の違いを表示の書き込み及び消去に使用するものであ
った。このように重合体一成分のみからなる可逆型感熱
表示材料は、成膜性や使用時の安定性に優れるという利
点を有していた。しかしながら、上記した可逆型感熱表
示材料に使用されている重合体は、いずれも炭素−炭素
結合を主鎖に有する重合体であるため、廃棄の段階で焼
却すると有毒ガスを発生したり、高い燃焼熱で炉の寿命
を縮めたり、さらには、埋め立てても分解されることな
く半永久的に土中に蓄積され続けるといった問題点があ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】請求項1及び2に記載
の発明は、温度に依存した透明度の可逆的な変化が良好
であり、生分解性に優れ、使用可能温度範囲が広い可逆
型感熱表示材料を提供するものである。請求項3記載の
発明は、請求項2記載の発明の効果に加え、使用可能温
度範囲の制御が容易である可逆型感熱表示材料を提供す
るものである。請求項4記載の発明は、請求項3記載の
発明の効果に加え、生分解性により優れる可逆型感熱表
示材料を提供するものである。請求項5及び6に記載の
発明は、温度に依存した透明度の可逆的な変化が良好で
あり、生分解性に優れ、使用可能温度範囲が広い可逆型
感熱表示素子を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)〜
(6)に関するものである。 (1)側鎖の熱的転移温度(T1)が30〜90℃であ
り、主鎖の熱的転移温度(T2)が100〜250℃で
あり、前記T1とT2の差が50〜220℃であるアミノ
酸重合体(A)を含有してなる可逆型感熱表示材料。 (2)一般式(I)
【化2】 (式中、nは1又は2であり、R1は置換基を有しても
よい直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基であって、か
つ、炭素数8以上の直鎖のアルキル基部分を有する基で
ある)で表されるアスパラギン酸又はグルタミン酸のア
ルキルエステルを含む単量体成分を重合して得られるア
ミノ酸重合体(A′)を含有してなる可逆型感熱表示材
料。
【0006】(3)一般式(I)におけるR1が置換基
を有してもよい炭素数9〜40の直鎖のアルキル基であ
る前記(2)記載の可逆型感熱表示材料。 (4)一般式(I)におけるR1がヘキサデシル基、ヘ
プタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコ
シル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基
及びテトラコシル基からなる群から選択される少なくと
も1種類の直鎖のアルキル基である前記(3)記載の可
逆型感熱表示材料。 (5)前記(1)記載の可逆型感熱表示材料を支持体上
に塗布するか又は支持体中に含浸させてなる可逆型感熱
表示素子。 (6)前記(2)〜(4)のいずれかに記載の可逆型感
熱表示材料を支持体上に塗布するか又は支持体中に含浸
させてなる可逆型感熱表示素子。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の可逆型感熱表示材料は、
側鎖の熱的転移温度(T1)が30〜90℃であり、主
鎖の熱的転移温度(T2)が100〜250℃であり、
前記T1とT2の差が50〜220℃であるアミノ酸重合
体(A)を含有してなるものである。また、本発明の可
逆型感熱表示材料は、前記一般式(I)で表されるアス
パラギン酸又はグルタミン酸のアルキルエステルを含む
単量体成分を重合して得られるアミノ酸重合体(A′)
を含有してなるものでもある。側鎖の熱的転移温度(T
1)は、固体状のアミノ酸重合体(A)又は(A′)に
おける規則的な結晶構造を有する側鎖が不規則な結晶構
造に変化するときの温度であり、固体状のアミノ酸重合
体(A)又は(A′)を加熱してこの温度に達すると吸
熱反応が生じる。一方、主鎖の熱的転移温度(T2
は、固体状のアミノ酸重合体(A)又は(A′)が軟化
するときの温度であるが、固体状のアミノ酸重合体
(A)又は(A′)を加熱してこの温度に達しても吸熱
反応は生じない。
【0008】アミノ酸重合体(A)の側鎖の熱的転移温
度(T1)は30〜90℃であり、感熱表示材料として
の特性、即ち常温での熱的安定性と感熱表示機能の点か
ら、35〜85℃であることが好ましく、40〜80℃
であることがより好ましい。T1が30℃未満である
と、得られる可逆型感熱表示材料の常温での熱的安定性
が低下し、90℃を越えると、この材料の感熱表示機能
が損なわれる。また、アミノ酸重合体(A)の主鎖の熱
的転移温度(T2)は100〜250℃であり、アミノ
酸重合体構造の安定性、得られる可逆型感熱表示材料の
ハンドリング性及び感熱表示機能の点から、105〜2
45℃であることが好ましく、110〜240℃である
ことがより好ましい。T2が100℃未満であると、こ
の材料の感熱表示機能が損なわれ、250℃を越える
と、この材料のハンドリング性が劣る。
【0009】さらに、アミノ酸重合体(A)の側鎖の熱
的転移温度と主鎖の熱的転移温度の差、即ち、前記T1
とT2の差は50〜220℃であり、得られる可逆型感
熱表示材料の使用可能温度範囲が広がる点から、60〜
220℃であることが好ましく、70〜210℃である
ことがより好ましい。この差が50℃未満であると、得
られる材料の感熱表示機能が損なわれ、220℃を超え
ると、アミノ酸重合体分子の熱劣化が激しくなり、可逆
性が損なわれる。また、アミノ酸重合体(A′)の側鎖
の熱的転移温度と主鎖の熱的転移温度の差、即ち、前記
1とT2の差は50〜220℃であることが好ましく、
得られる可逆型感熱表示材料の使用可能温度範囲が広が
る点から、60〜220℃であることがより好ましく、
70〜210℃であることがさらに好ましい。この差が
50℃未満であると、得られる材料の感熱表示機能が損
なわれる傾向にあり、220℃を超えると、アミノ酸重
合体分子の熱劣化が激しくなり、可逆性が損なわれる傾
向にある。なお、本発明において、T1及びT2は、それ
ぞれ、示差走査熱量測定(DSC)及び熱機械測定(T
MA)によって求められた値である。
【0010】本発明の可逆型感熱表示材料は、前記アミ
ノ酸重合体(A)又は(A′)の側鎖の熱的転移温度
(T1)と主鎖の熱的転移温度(T2)との差を利用し、
温度に依存してこのアミノ酸重合体の透明度が可逆的、
即ち反復的に変化する性質を利用するものである。前記
アミノ酸重合体(A)又は(A′)は、結晶化した側鎖
部分の熱的転移温度(T1)付近まで加熱した場合と、
主鎖の熱的転移温度(T2)付近まで加熱してから冷却
した場合とでは、側鎖の結晶構造に違いが生じる。その
結晶構造の違いが透明度の差となって現れるので、この
アミノ酸重合体を可逆型感熱表示材料として使用するこ
とができる。このアミノ酸重合体を利用して書き込み及
び消去を行う具体的な方法については後述する。本発明
におけるアミノ酸重合体(A)又は(A′)は、α位の
カルボキシル基とアミノ基によるペプチド結合を形成さ
せることによりアミノ酸を重合させて得ることができ
る。
【0011】前記アミノ酸、即ち単量体成分としては、
側鎖末端官能基として長鎖アルキル基を有するアミノ酸
誘導体のみか、又は前記アミノ酸誘導体と他のアミノ酸
もしくはアミノ酸誘導体を組合せたものが挙げられる
が、得られる材料が感熱表示機能に優れる点から、側鎖
末端官能基として長鎖アルキル基を有するアミノ酸誘導
体のみを単量体成分とする重合体が好ましい。前記側鎖
末端官能基として長鎖アルキル基を有するアミノ酸誘導
体としては、得られる可逆型感熱表示材料が成膜性及び
使用時の安定性に優れ、高コントラストの画像を形成す
ることができることから、例えば、一般式(I)
【化3】 (式中、nは1又は2であり、R1は置換基を有しても
よい直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基であって、か
つ、炭素数8以上の直鎖のアルキル基部分を有する基で
ある)で表されるアスパラギン酸又はグルタミン酸のア
ルキルエステルが挙げられる。
【0012】一般式(I)において、R1の炭素数は、
得られる材料の感熱表示記録特性、即ち、感熱表示機能
及び記録された表示の安定性の点から、9〜40とする
ことが好ましく、14〜30とすることがより好まし
い。この炭素数が9未満であると、感熱表示機能が劣っ
て表示と記録が困難となる傾向にあり、40を越える
と、記録された表示が不安定になる傾向にある。R
1は、また、炭素数8以上の直鎖のアルキル基部分を有
する。この直鎖のアルキル基部分の炭素数は、得られる
材料の感熱表示記録特性と記録された表示の安定性の点
から、8〜30とすることが好ましく、16〜24とす
ることがより好ましく、16〜22とすることがさらに
好ましい。この炭素数が8未満であると、感熱表示機能
が劣って表示と記録が困難となる傾向にあり、30を越
えると、記録された表示が不安定となる傾向にある。
【0013】前記置換基を有してもよい直鎖若しくは分
岐のアルキル基であって、かつ、炭素数8以上の直鎖の
アルキル基部分を有する基としては、例えば、デシル
基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラ
デシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデ
シル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル
基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テ
トラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプ
タコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコ
ンチル基、ヘントリアコンチル基、ドトリアコンチル
基、トリトリアコンチル基、テトラトリアコンチル基、
ペンタトリアコンチル基、ヘキサトリアコンチル基、ヘ
プタトリアコンチル基、オクタトリアコンチル基、ノナ
トリアコンチル基、テトラコンチル基、2−メチルテト
ラデシル基、2−メチルペンタデシル基、2−メチルヘ
キサデシル基、2−メチルヘプタデシル基、2−メチル
オクタデシル基、2−メチルノナデシル基、2−メチル
エイコシル基、2−メチルヘンエイコシル基、2−メチ
ルドコシル基、2−メチルトリコシル基、2−メチルテ
トラコシル基、2−メチルペンタコシル基、2−メチル
ヘキサコシル基、2−メチルヘプタコシル基、2−メチ
ルオクタコシル基、2−メチルノナコシル基、2−メチ
ルトリアコンチル基、2−メチルヘントリアコンチル
基、2−メチルドトリアコンチル基、2−メチルトリト
リアコンチル基、2−メチルテトラトリアコンチル基、
2−メチルペンタトリアコンチル基、2−メチルヘキサ
トリアコンチル基、2−メチルヘプタトリアコンチル
基、2−メチルオクタトリアコンチル基、2−メチルノ
ナトリアコンチル基、2−エチルテトラデシル基、2−
エチルペンタデシル基、2−エチルヘキサデシル基、2
−エチルヘプタデシル基、2−エチルオクタデシル基、
2−エチルノナデシル基、2−エチルエイコシル基、2
−エチルヘンエイコシル基、2−エチルドコシル基、2
−エチルトリコシル基、2−エチルテトラコシル基、2
−エチルペンタコシル基、2−エチルヘキサコシル基、
2−エチルヘプタコシル基、2−エチルオクタコシル
基、2−エチルノナコシル基、2−エチルトリアコンチ
ル基、2−エチルヘントリアコンチル基、2−エチルド
トリアコンチル基、2−エチルトリトリアコンチル基、
2−エチルテトラトリアコンチル基、2−エチルペンタ
トリアコンチル基、2−エチルヘキサトリアコンチル
基、2−エチルヘプタトリアコンチル基、2−エチルオ
クタトリアコンチル基、13−メチルテトラデシル基、
14−メチルペンタデシル基、15−メチルヘキサデシ
ル基、16−メチルヘプタデシル基、17−メチルオク
タデシル基、18−メチルノナデシル基、19−メチル
エイコシル基、20−メチルヘンエイコシル基、21−
メチルドコシル基、22−メチルトリコシル基、23−
メチルテトラコシル基、24−メチルペンタコシル基、
25−メチルヘキサコシル基、26−メチルヘプタコシ
ル基、27−メチルオクタコシル基、28−メチルノナ
コシル基、29−メチルトリアコンチル基、30−メチ
ルヘントリアコンチル基、31−メチルドトリアコンチ
ル基、32−メチルトリトリアコンチル基、33−メチ
ルテトラトリアコンチル基、34−メチルペンタトリア
コンチル基、35−メチルヘキサトリアコンチル基、3
6−メチルヘプタトリアコンチル基、37−メチルオク
タトリアコンチル基、38−メチルノナトリアコンチル
基等が挙げられる。
【0014】また、前記置換基を有してもよい環状のア
ルキル基であって、かつ、炭素数8以上の直鎖のアルキ
ル基部分を有する基としては、例えば、4−テトラデシ
ルシクロヘキシル基、4−ペンタデシルシクロヘキシル
基、4−ヘキサデシルシクロヘキシル基、4−ヘプタデ
シルシクロヘキシル基、4−オクタデシルシクロヘキシ
ル基、4−ノナデシルシクロヘキシル基、4−エイコシ
ルシクロヘキシル基、4−ヘンエイコシルシクロヘキシ
ル基、4−ドコシルシクロヘキシル基、4−トリコシル
シクロヘキシル基、4−テトラコシルシクロヘキシル基
等が挙げられる。
【0015】これらの基の中では、得られる可逆型感熱
表示材料の使用可能温度範囲の制御が容易であり、生分
解性により優れる点から、置換基を有してもよい炭素数
9〜40の直鎖のアルキル基が好ましく、その中でも、
ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノ
ナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシ
ル基、トリコシル基及びテトラコシル基がより好まし
い。また、前記置換基としては、例えば、アルコキシカ
ルボニル基、ヒドロキシル基、アルコキシル基等が挙げ
られる。
【0016】一般式(I)で表されるアスパラギン酸又
はグルタミン酸のアルキルエステルの具体例としては、
アスパラギン酸−β−テトラデシルエステル、アスパラ
ギン酸−β−ペンタデシルエステル、アスパラギン酸−
β−ヘキサデシルエステル、アスパラギン酸−β−ヘプ
タデシルエステル、アスパラギン酸−β−オクタデシル
エステル、アスパラギン酸−β−ノナデシルエステル、
アスパラギン酸−β−エイコシルエステル、アスパラギ
ン酸−β−ヘンエイコシルエステル、アスパラギン酸−
β−ドコシルエステル、アスパラギン酸−β−トリコシ
ルエステル、アスパラギン酸−β−テトラコシルエステ
ル、アスパラギン酸−β−ペンタコシルエステル、アス
パラギン酸−β−ヘキサコシルエステル、アスパラギン
酸−β−ヘプタコシルエステル、アスパラギン酸−β−
オクタコシルエステル、アスパラギン酸−β−ノナコシ
ルエステル、アスパラギン酸−β−トリアコンチルエス
テル、グルタミン酸−γ−テトラデシルエステル、グル
タミン酸−γ−ペンタデシルエステル、グルタミン酸−
γ−ヘキサデシルエステル、グルタミン酸−γ−ヘプタ
デシルエステル、グルタミン酸−γ−オクタデシルエス
テル、グルタミン酸−γ−ノナデシルエステル、グルタ
ミン酸−γ−エイコシルエステル、グルタミン酸−γ−
ヘンエイコシルエステル、グルタミン酸−γ−ドコシル
エステル、グルタミン酸−γ−トリコシルエステル、グ
ルタミン酸−γ−テトラコシルエステル、グルタミン酸
−γ−ペンタコシルエステル、グルタミン酸−γ−ヘキ
サコシルエステル、グルタミン酸−γ−ヘプタコシルエ
ステル、グルタミン酸−γ−オクタコシルエステル、グ
ルタミン酸−γ−ノナコシルエステル、グルタミン酸−
γ−トリアコンチルエステル等が挙げられる。
【0017】これらのアルキルエステルの中では、得ら
れる可逆型感熱表示材料が広い使用可能温度範囲を有
し、高コントラストの画像を形成できる点から、アスパ
ラギン酸−β−ヘキサデシルエステル、アスパラギン酸
−β−ヘプタデシルエステル、アスパラギン酸−β−オ
クタデシルエステル、アスパラギン酸−β−ノナデシル
エステル、アスパラギン酸−β−エイコシルエステル、
アスパラギン酸−β−ヘンエイコシルエステル、アスパ
ラギン酸−β−ドコシルエステル、アスパラギン酸−β
−トリコシルエステル、アスパラギン酸−β−テトラコ
シルエステル、グルタミン酸−γ−ヘキサデシルエステ
ル、グルタミン酸−γ−ヘプタデシルエステル、グルタ
ミン酸−γ−オクタデシルエステル、グルタミン酸−γ
−ノナデシルエステル、グルタミン酸−γ−エイコシル
エステル、グルタミン酸−γ−ヘンエイコシルエステ
ル、グルタミン酸−γ−ドコシルエステル、グルタミン
酸−γ−トリコシルエステル及びグルタミン酸−γ−テ
トラコシルエステルが好ましく、グルタミン酸−γ−ヘ
キサデシルエステル、グルタミン酸−γ−ヘプタデシル
エステル、グルタミン酸−γ−オクタデシルエステル、
グルタミン酸−γ−ノナデシルエステル、グルタミン酸
−γ−エイコシルエステル、グルタミン酸−γ−ヘンエ
イコシルエステル、グルタミン酸−γ−ドコシルエステ
ル、グルタミン酸−γ−トリコシルエステル及びグルタ
ミン酸−γ−テトラコシルエステルがさらに好ましい。
【0018】前記一般式(I)で表されるアスパラギン
酸又はグルタミン酸のアルキルエステルは、単独で又は
2種類以上を組み合わせて使用される。これらのアスパ
ラギン酸又はグルタミン酸のアルキルエステルを単独で
使用するか、あるいは、2種類以上を組み合わせて使用
するかは、得られる可逆型感熱表示材料に求められる特
性によって適宜決められ、迅速な温度変化とそれに基づ
く迅速な表示変化が必要とされる場合は、前記T1及び
2を特定の温度に定める必要があるため、前記アルキ
ルエステルを単独で使用することが好ましく、一方、ゆ
るやかな温度変化とそれに基づくゆるやかな表示変化が
必要とされる場合は、前記T1及びT2を特定の温度に定
めずに幅を持たせる必要があるため、前記アルキルエス
テルを2種類以上を組み合わせて使用することが好まし
い。
【0019】前記一般式(I)で表されるアスパラギン
酸又はグルタミン酸のアルキルエステルは、常法により
製造することができるし、また、市販品を利用すること
もできる。前記一般式(I)で表されるアスパラギン酸
又はグルタミン酸のアルキルエステルが光学活性体であ
る場合は、D体、L体及びラセミ体のいずれであっても
よいが、得られるアミノ酸重合体が生体由来のタンパク
質分解酵素によって容易に分解される点から、L体のア
ミノ酸が好ましい。
【0020】前記他のアミノ酸もしくはアミノ酸誘導体
としては、例えば、2−アミノ酪酸、アラニン、アロイ
ソロイシン、イソロイシン、エチオニン、カルボキシメ
チルシステイン、グリシン、ノルバリン、ノルロイシ
ン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン、ロイシン
やこれらの誘導体、アスパラギン酸、グルタミン酸、一
般式(I)で表されるアスパラギン酸又はグルタミン酸
のアルキルエステル以外のアスパラギン酸やグルタミン
酸の誘導体等が挙げられる。これらの他のアミノ酸又は
アミノ酸誘導体は、単独で又は2種類以上を組み合わせ
て使用される。
【0021】アミノ酸重合体(A)又は(A′)を得る
ための単量体成分として前記他のアミノ酸若しくはアミ
ノ酸誘導体を使用する場合、その配合割合は、得られる
可逆型感熱表示材料により形成される画像のコントラス
トの点から、単量体成分の総量に対し、70モル%未満
とすることが好ましく、60モル%未満とすることがよ
り好ましく、50モル%未満とすることがさらに好まし
い。この配合割合が70モル%を越えると、得られるア
ミノ酸重合体(A)又は(A′)の側鎖の熱的転移が発
現しにくくなる傾向にあり、そのため、得られる可逆型
感熱表示材料が高コントラストの画像を形成することが
困難となる傾向にある。
【0022】前記単量体成分の重合方法は特に制限され
るものではなく、公知のアミノ酸重合法を利用すること
ができ、例えば、NCA法を利用することができる。以
下、NCA法を利用した具体的な重合方法を述べる。ま
ず、単量体成分である各種アミノ酸やアミノ酸誘導体を
有機溶媒に溶解し、保温し撹拌しながらホスゲンを導入
して反応させ、これらのアミノ酸やアミノ酸誘導体に対
応するα−アミノ酸−N−カルボキシ無水物を合成し、
続いて、有機溶媒及びホスゲンを減圧下で留去してα−
アミノ酸−N−カルボキシ無水物を単離する。次に、得
られたα−アミノ酸−N−カルボキシ無水物を有機溶媒
に溶解し、不活性ガス雰囲気下で保温し、撹拌しながら
重合開始剤を添加し、これにより脱二酸化炭素重合反応
をさせ、アミノ酸重合体が合成される。
【0023】α−アミノ酸−N−カルボキシ無水物を合
成する際に使用される有機溶媒としては、原料となるア
ミノ酸やアミノ酸誘導体や得られるα−アミノ酸−N−
カルボキシ無水物と反応しないものであれば特に制限さ
れるものではないが、例えば、環状エーテル、ハロゲン
化炭化水素等が挙げられる。環状エーテルとしては、例
えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられ、
ハロゲン化炭化水素としては、例えば、ジクロロエタ
ン、テトラクロロエタン等が挙げられる。これらの有機
溶媒の中では、反応時間を短縮することができる点か
ら、テトラヒドロフランが好ましい。これらの有機溶媒
は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0024】また、これらの有機溶媒の使用量は特に限
定されるものではないが、原料となるアミノ酸やアミノ
酸誘導体の総量に対する重量比で、2〜1000倍が好
ましく、4〜500倍がより好ましく、10〜100倍
がさらに好ましい。α−アミノ酸−N−カルボキシ無水
物を合成する際の保温温度は、0〜100℃が好まし
く、20〜60℃がより好ましく、また、反応時間は、
0.5〜10時間が好ましく、1〜5時間がより好まし
い。また、ホスゲンの導入量は、毎分、反応容器の容積
の0.01〜0.5倍量が好ましく、0.04〜0.2
倍量がより好ましい。
【0025】脱二酸化炭素重合反応に使用される有機溶
媒としては、前記α−アミノ酸−N−カルボキシ無水物
との反応性がなく、かつ、生成したアミノ酸重合体を溶
解することができるものであれば特に制限されるもので
はなく、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テ
トラクロロエタン、ジオキサン、ピリジン、アセトフェ
ノン、アセトニトリル、ベンゼン、ニトロベンゼン、ク
ロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これらの有機
溶媒の中では、得られるアミノ酸重合体に対する溶解度
が高い点から、ジクロロメタン、ジクロロエタン及びジ
オキサンが好ましい。これらの有機溶媒は単独で又は2
種類以上を組み合わせて使用される。また、これらの有
機溶媒の使用量は特に限定されるものではないが、使用
されるα−アミノ酸−N−カルボキシ無水物の総量に対
する重量比で、2〜1000倍が好ましく、4〜100
倍がより好ましく、10〜50倍がさらに好ましい。
【0026】重合開始剤としては、例えば、プロトン性
求核剤、強塩基等が挙げられ、プロトン性求核剤として
は、例えば、一級アミン、二級アミン、アルコール、水
等が挙げられ、強塩基としては、例えば、水酸化ナトリ
ウム、アンモニア、三級アミン等が挙げられる。一級ア
ミンとしては、例えば、N−ブチルアミン、N−ヘキシ
ルアミン等が挙げられ、二級アミンとしては、例えば、
ジエチルアミン、ジブチルアミン等が挙げられ、アルコ
ールとしては、例えば、メタノール、プロパノール等が
挙げられ、三級アミンとしては、例えば、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン等が挙げられる。前記重合開始
剤の中では、得られるアミノ酸重合体の分子量を大きく
することができる点から、三級アミンが好ましく、その
中でもトリエチルアミンがより好ましい。これらの重合
開始剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用され
る。
【0027】また、これらの重合開始剤の使用量は特に
限定されるものではないが、使用されるα−アミノ酸−
N−カルボキシ無水物の総量に対して、0.05〜5重
量%が好ましく、0.1〜1重量%がより好ましい。さ
らに、脱二酸化炭素重合反応の際の保温温度は、約0〜
50℃が好ましく、10〜30℃がより好ましく、ま
た、反応時間は、6時間〜7日間が好ましく、10時間
〜3日間がより好ましい。また、不活性ガスとしては、
例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等が挙げら
れる。なお、重合反応後にエステル交換反応等を行うこ
とにより、得られたアミノ酸重合体の側鎖にアルキル基
を導入することもできる。
【0028】得られたアミノ酸重合体溶液の固有粘度は
特に制限されるものではないが、得られる可逆型感熱表
示材料の膜形成性の点から、0.20〜3.00である
ことが好ましく、0.25〜2.00であることがより
好ましい。この粘度が0.20未満であったり3.00
を越えると、得られる可逆型感熱表示材料の膜形成性が
劣る傾向にある。なお、本発明における固有粘度は、得
られたアミノ酸重合体を0.20g/デシリットルのジ
クロロ酢酸溶液とし、ウベローデ粘度計を用いて25℃
で測定した値である。
【0029】本発明の可逆型感熱表示材料は、前記アミ
ノ酸重合体(A)又は(A′)の側鎖の熱的転移温度
(T1)を特定の温度に定めずに幅を持たせ、それによ
り、ゆるやかな温度変化とそれに基づくゆるやかな表示
変化をさせる目的で、前記(A)又は(A′)成分に加
えて、(B)長鎖アルキル基を有するエーテル、スルフ
ィド、ジスルフィド及び2級アミン、(C)高級脂肪酸
エステル並びに(D)高級脂肪酸とペンタエリスリトー
ルとのエステル化反応物からなる群から選択される少な
くとも1種類の化合物を含有するものであってもよい。
【0030】(B)成分としては、例えば、
【化4】 等が挙げられる。前記(B)成分は単独で又は2種類以
上を組み合わせて使用される。
【0031】(C)成分としては、例えば、ノナデカン
酸メチル、ノナデカン酸エチル、エイコサン酸メチル、
エイコサン酸エチル、ヘンエイコサン酸メチル、ヘンエ
イコサン酸エチル、ドコサン酸メチル、ドコサン酸エチ
ル、トリコサン酸メチル、トリコサン酸エチル、テトラ
コサン酸メチル、テトラコサン酸エチル、ペンコサン酸
メチル、ペンタコサン酸エチル、ヘキサコサン酸メチ
ル、ヘキサコサン酸エチル、ヘプタコサン酸メチル、ヘ
プタコサン酸エチル、オクタコサン酸メチル、オクタコ
サン酸エチル、ノナコサン酸メチル、ノナコサン酸エチ
ル、トリアコンタン酸メチル、トリアコンタン酸エチ
ル、ヘントリアコンタン酸メチル、ヘントリアコンタン
酸エチル、ヘキサデカン酸テトラデシル、ヘキサデカン
酸ペンタデシル、ヘキサデカン酸ヘキサデシル、ヘキサ
デカン酸ヘプタデシル、ヘキサデカン酸オクタデシル、
ヘキサデカン酸ノナデシル、ヘキサデカン酸エイコシ
ル、ヘキサデカン酸トリアコンチル、オクタデカン酸テ
トラデシル、オクタデカン酸ペンタデシル、オクタデカ
ン酸ヘキサデシル、オクタデカン酸ペプタデシル、オク
タデカン酸オクタデシル、オクタデカン酸ノナコシル、
オクタデカン酸エイコシル、オクタデカン酸トリアコン
チル、エイコサン酸テトラデシル、エイコサン酸ペンタ
デシル、エイコサン酸ヘキサデシル、エイコサン酸ヘプ
タデシル、エイコサン酸オクタデシル、エイコサン酸ノ
ナデシル、エイコサン酸エイコシル、エイコサン酸トリ
アコンチル、ドコサン酸テトラデシル、ドコサン酸ペン
タデシル、ドコサン酸ヘキサデシル、ドコサン酸ヘプタ
デシル、ドコサン酸オクタデシル、ドコサン酸ノナデシ
ル、ドコサン酸エイコシル、ドコサン酸トリアコンチル
等が挙げられる。前記(C)成分は単独で又は2種類以
上を組み合わせて使用される。
【0032】(D)成分としては、例えば、ペンタエリ
スリトールモノオクタデカノエート、ペンタエリスリト
ールジオクタデカノエート、ペンタエリスリトールトリ
オクタデカノエート、ペンタエリスリトールテトラオク
タデカノエート、ペンタエリスリトールモノヘキサデカ
ノエート、ペンタエリスリトールジヘキサデカノエー
ト、ペンタエリスリトールトリヘキサデカノエート、ペ
ンタエリスリトールテトラヘキサデカノエート、ペンタ
エリスリトールモノテトラデカノエート、ペンタエリス
リトールジテトラデカノエート、ペンタエリスリトール
トリテトラデカノエート、ペンタエリスリトールテトラ
テトラデカノエート、ペンタエリスリトールモノドデカ
ノエート、ペンタエリスリトールジドデカノエート、ペ
ンタエリスリトールトリドデカノエート、ペンタエリス
リトールテトラドデカノエート、ペンタエリスリトール
モドコサノエート、ペンタエリスリトールジドコサノエ
ート、ペンタエリスリトールトリドコサノエート、ペン
タエリスリトールテトラドコサノエート等が挙げられ
る。前記(D)成分は単独で又は2種類以上を組み合わ
せて使用される。
【0033】前記(B)〜(D)成分を配合する場合、
これらの各成分の配合割合は、いずれも、前記(A)又
は(A′)成分に対して、5〜200重量%とすること
が好ましく、20〜120重量%とすることがより好ま
しく、20〜100重量%とすることがさらに好まし
い。この配合割合が5重量%未満であると、(B)〜
(D)成分の添加による効果、即ちアミノ酸重合体
(A)又は(A′)の側鎖の熱的転移温度(T1)に幅
を持たせる効果が十分に得られない傾向にあり、200
重量%を越えると、得られた可逆型感熱表示材料の成膜
性が劣る傾向にある。
【0034】また、前記(B)成分、(C)成分及び
(D)成分の総量の配合割合は、前記(A)又は
(A′)成分に対して、5〜200重量%とすることが
好ましく、20〜120重量%とすることがより好まし
く、30〜100重量%とすることがさらに好ましい。
この配合割合が5重量%未満であると、(B)〜(D)
成分の添加による効果、即ちアミノ酸重合体(A)又は
(A′)の側鎖の熱的転移温度(T1)に幅を持たせる
効果が十分に得られない傾向にあり、200重量%を越
えると、得られた可逆型感熱表示材料の成膜性が劣る傾
向にある。なお、本発明の可逆型感熱表示材料は、その
感熱表示機能及び生分解性が損なわれない限り、種々の
添加物を含有するものであってもよい。
【0035】次に、本発明の可逆型感熱表示材料を用い
て書き込み及び消去を行う具体的な方法について述べ
る。前述したようにして製造されたアミノ酸重合体
(A)又は(A′)は、室温条件下ではその透明度(光
透過率)は小さくなっているため、本発明の可逆型感熱
表示材料の透明度(光透過率)も小さくなっている。ア
ミノ酸重合体(A)又は(A′)の側鎖の熱的転移温度
(T1)より高く、主鎖の熱的転移温度(T2)より低い
特定の温度(T3)までこの可逆型感熱表示材料を加熱
すると、アミノ酸重合体(A)又は(A′)の透明度
(光透過率)が上昇し、その結果、可逆型感熱表示材料
の透明度(光透過率)も上昇する。加熱後、この可逆型
感熱表示材料を放置して室温まで冷却しても、このアミ
ノ酸重合体(A)又は(A′)の透明度(光透過率)は
変化せず、従って、可逆型感熱表示材料の透明度(光透
過率)も変化しない。そのため、元々透明度(光透過
率)が小さい可逆型感熱表示材料に対してその透明度
(光透過率)を上げることになり、表示、即ち情報の書
き込みができる。
【0036】次に、アミノ酸重合体(A)又は(A′)
の主鎖の熱的転移温度(T2)より高い特定の温度
(T4)までこの可逆型感熱表示材料を加熱し、続いて
この可逆型感熱表示材料を放置して室温まで冷却する
と、アミノ酸重合体(A)又は(A′)の透明度(光透
過率)が低下し、その結果、可逆型感熱表示材料の透明
度(光透過率)も低下する。そのため、前記表示が消滅
する、即ち情報の消去ができる。そして、前記特定の温
度(T3)までこの可逆型感熱表示材料を再度加熱する
と、アミノ酸重合体(A)又は(A′)の透明度(光透
過率)が再び上昇し、その結果、可逆型感熱表示材料の
透明度(光透過率)も再び上昇するので、再度表示、即
ち情報の書き込みができる。さらに前記特定の温度(T
4)までこの可逆型感熱表示材料を加熱し、続いてこの
可逆型感熱表示材料を放置して室温まで冷却すると、ア
ミノ酸重合体(A)又は(A′)の透明度(光透過率)
が再び低下し、その結果、可逆型感熱表示材料の透明度
(光透過率)も再び低下するので、前記表示が再度消滅
する、即ち再度情報の消去ができる。
【0037】このようにして、可逆型感熱表示材料に対
して、情報の書き込みと消去を繰返し行うことができ
る。なお、透明度(光透過率)が大きい状態の可逆型感
熱表示材料に対してその透明度(光透過率)を低下させ
ることによって、表示、即ち情報の書き込みを行うこと
もでき、その場合、情報の書き込みと消去の機構は前述
した機構と逆になる。
【0038】表示、即ち書き込まれた情報の読み出し方
法としては、例えば、可逆型感熱表示材料を肉眼で観察
し、特定部位の可逆型感熱表示材料の透明度(光透過
率)の大小を視覚的に検知する方法、特定部位の可逆型
感熱表示材料の透明度(光透過率)を光学的手段で測定
する方法、可逆型感熱表示材料に光を照射し、透過光に
よって描かれる文字・図形等の情報を視覚的に読み取る
方法等が挙げられ、前記光学的手段としては、例えば、
可逆型感熱表示材料に光を照射し、その透過光又は反射
光を光測定装置で測定する方法が挙げられる。なお、前
記加熱方法としては、例えば、ヒーター等を用い、可逆
型感熱表示材料を直接的に又は伝熱媒体を介して間接的
に加熱する方法、可逆型感熱表示材料に赤外線やマイク
ロ波等を照射して加熱する方法、可逆型感熱表示材料を
太陽光等の自然の熱源にさらす方法等が挙げられ、冷却
方法としては、前述したように、可逆型感熱表示材料を
室温下で放置して自然冷却する方法の他に、クーラーや
放熱器等を用い、可逆型感熱表示材料を直接的に又は伝
熱媒体を介して間接的に冷却する方法等が挙げられる。
【0039】本発明の可逆型感熱表示素子は、前記本発
明の可逆型感熱表示材料を支持体上に塗布するか又は支
持体中に含浸させて得られたものである。前記本発明の
可逆型感熱表示材料を支持体上に塗布する方法として
は、例えば、本発明の可逆型感熱表示材料を有機溶媒に
溶解させ、支持体上に塗布し、乾燥させる方法を利用す
ることができ、また、前記本発明の可逆型感熱表示材料
を支持体中に含浸させる方法としては、例えば、本発明
の可逆型感熱表示材料を有機溶媒に溶解させ、得られた
溶液に支持体を浸漬させ、支持体を取りだし、乾燥させ
る方法を利用することができる。有機溶媒としては、例
えば、(A)又は(A′)成分を合成するときに使用さ
れる有機溶媒として例示されたものが挙げられる。
【0040】支持体としては、製造される可逆型感熱表
示素子の用途に応じて適宜選択されるが、例えば、重合
体フィルム、金属製の基材・基板、プラスチック製の基
材・基板、プラスチック製カード、紙、プラスチック製
シート、膜、ガラス繊維等が挙げられる。重合体フィル
ムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム
等が挙げられる。また、本発明の可逆型感熱表示材料の
塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法が使用
でき、例えば、キャスト法、ディップコート法、フロー
コート法、ナイフコート法、ロールコート法、スプレー
コート法等が挙げられる。
【0041】本発明の可逆型感熱表示材料は、前述した
ように、温度に依存した透明度の可逆的な変化が良好で
あり、また、重合体の熱的転移を利用しているため、繰
返し寿命が長い。また、本発明の可逆型感熱表示材料
は、生分解性にも優れる。従って、埋め立てても土中の
微生物等により生分解されるため、土中に廃棄すること
が可能である。さらに、本発明の可逆型感熱表示材料
は、使用後の廃棄の段階で焼却しても有毒ガスが発生せ
ず、しかも、燃焼熱も天然物と同程度である。このよう
に、本発明の可逆型感熱表示材料は、表示材料として優
れるだけでなく、環境にも優しい材料である。
【0042】本発明の可逆型感熱表示材料及び可逆型感
熱表示素子は、反復使用可能な感熱紙又は感熱紙用感熱
層、反復使用可能なOHPフィルム、看板、案内板等の
大型表示基材、IDカードやプリペイドカード等の情報
伝達用材料、バーコード等の情報識別マーク用材料等に
利用することができる。
【0043】
【実施例】次に実施例により本発明を詳細に説明する。 製造例1 撹拌装置、コンデンサー、ガス導入出管及び温度計を備
えた4つ口フラスコに、L−グルタミン酸−γ−オクタ
デシルエステル60.0g及びテトラヒドロフラン50
0mlを投入した。このフラスコを40℃で保温し撹拌し
ながら、ホスゲンを100ml/分の流量で導入した。1
時間後、ホスゲンの流量を50ml/分に減少させ、さら
に1時間保温・撹拌した。その後、反応液が均一な溶液
となっていることを確認した後、テトラヒドロフラン及
び過剰のホスゲンを減圧下に留去し、γ−オクタデシル
−L−グルタメート−N−カルボキシ無水物56.2g
を得た(収率88重量%)。
【0044】製造例2 撹拌装置、コンデンサー、ガス導入出管及び温度計を備
えた4つ口フラスコに、L−ロイシン19.7g及びテ
トラヒドロフラン300mlを投入した。製造例1と同様
にして、このフラスコを保温し撹拌しながらホスゲンを
導入し、1時間後にホスゲンの流量を減少させ、さらに
1時間保温・撹拌した。その後、反応液が均一な溶液と
なっていることを確認した後、テトラヒドロフラン及び
過剰のホスゲンを減圧下に留去し、L−ロイシン−N−
カルボキシ無水物21.2gを得た(収率90重量
%)。
【0045】実施例1 撹拌装置、コンデンサー、ガス導入出管及び温度計を備
えた4つ口フラスコに、製造例1で得られたγ−オクタ
デシル−L−グルタメート−N−カルボキシ無水物2
4.3g及び1,2−ジクロロエタン200mlを投入
し、室温で撹拌しながらγ−オクタデシル−L−グルタ
メート−N−カルボキシ無水物を溶解した。次いで、こ
のフラスコを20℃で保温し撹拌しながらトリエチルア
ミン24.0mgを添加し、同温度で24時間保温し
た。二酸化炭素の発生が止ったことを確認した後、撹拌
しながら約80℃で1時間保温してアミノ酸重合体溶液
を得た。得られたアミノ酸重合体(P−1)のジクロロ
酢酸溶液での固有粘度は0.79であった。また、示差
走査熱量測定装置(セイコー電子工業(株)製、形式:D
SC200)及び熱機械測定装置(セイコー電子工業
(株)製、形式:TMA120)を用いてアミノ酸重合体
(P−1)の側鎖の熱的転移温度(T1)及び主鎖の熱
的転移温度(T2)を求めた結果、それぞれ、54℃及
び150℃であった。得られたアミノ酸重合体溶液をポ
リエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、可逆型
感熱表示素子であるフィルム(F−1)を得た。
【0046】実施例2 実施例1で得られたアミノ酸重合体溶液に、このアミノ
酸重合体10g当たりオクタデカン酸オクタデシル0.
5gを溶解し、実施例1と同様にして可逆型感熱表示素
子であるフィルム(F−2)を得た。
【0047】実施例3 撹拌装置、コンデンサー、ガス導入出管及び温度計を備
えた4つ口フラスコに、製造例1で得られたγ−オクタ
デシル−L−グルタメート−N−カルボキシ無水物1
3.6g、製造例2で得られたL−ロイシン−N−カル
ボキシ無水物2.7g及び1,2−ジクロロエタン20
0mlを投入し、室温で撹拌しながらγ−オクタデシル−
L−グルタメート−N−カルボキシ無水物及びL−ロイ
シン−N−カルボキシ無水物を溶解した。次いで、この
フラスコを20℃で保温し撹拌しながらトリエチルアミ
ン24.0mgを添加し、同温度で24時間保温した。二
酸化炭素の発生が止ったことを確認した後、撹拌しなが
ら約80℃で1時間保温してアミノ酸重合体溶液を得
た。得られたアミノ酸重合体(P−3)のジクロロ酢酸
溶液での固有粘度は0.68であった。また、実施例1
と同様にしてアミノ酸重合体(P−3)の側鎖の熱的転
移温度(T1)及び主鎖の熱的転移温度(T2)を求めた
結果、それぞれ、32℃及び142℃であった。得られ
たアミノ酸重合体溶液を用い、実施例1と同様にして可
逆型感熱表示素子であるフィルム(F−3)を得た。
【0048】比較例1 特開昭63−39378号公報記載の方法に基づき、ベ
ヘン酸95重量部、オクタデカン酸オクタデシル5重量
部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体「VYHH」(U
CC(ユニオンカーバイド(Union Carbide))社商品
名)200重量部及びテトラヒドロフラン1000重量
部からなる溶液を調製し、実施例1と同様にしてフィル
ム(CF−1)を得た。
【0049】評価 (1)光透過試験 上記実施例1〜3及び比較例1で得られたフィルム(F
−1〜F−3及びCF−1)を用い、前記T1より高く
2より低い特定の温度(T3)まで加熱して室温(約2
5℃)まで冷却した場合と、その後、フィルムをT2
り高い特定の温度(T4)まで加熱して室温(約25
℃)まで冷却した場合のフィルムの透明度の違いを、5
50nmの光の透過率を測定することにより比較した。
その結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1から明らかなように、実施例1〜3で
得られたアミノ酸重合体の透明度(光の透過率)の変化
は、従来品である比較例1で使用された共重合体の透明
度(光の透過率)と比べて遜色がなかった。従って、実
施例1〜3で得られたアミノ酸重合体を含有してなる可
逆型感熱表示材料は、優れた感熱表示機能を有すること
が分かった。
【0052】(2)生分解性試験 上記実施例1、3及び比較例1で得られたフィルムから
ダンベル型サンプル(JISK7127、2号型試験
片)を作製した。このサンプルを茨城県日立市の土壌中
に埋設し、12ケ月後の重量減少率(%)を求めること
により生分解性を調査した。土壌埋設にあたっては、土
壌を地表下10cm掘り、5cm埋め戻し、表面をならした
後にサンプルを平行に置き、残りの土壌を埋め戻し、地
表下5cmに位置するようにした。その結果を表2に示
す。
【0053】
【表2】
【0054】表2から明らかなように、実施例1及び3
で得られたアミノ酸重合体は、比較例1で使用された共
重合体と比較して、いずれも生分解性に優れていること
が分かった。従って、実施例1及び3で得られたアミノ
酸重合体を含有してなる可逆型感熱表示材料も生分解性
に優れることがわかった。
【0055】
【発明の効果】請求項1及び2に記載の可逆型感熱表示
材料は、温度に依存した透明度の可逆的な変化が良好で
あり、生分解性に優れ、使用可能温度範囲が広い。請求
項3記載の可逆型感熱表示材料は、請求項2記載の発明
の効果を奏し、さらに、使用可能温度範囲の制御が容易
である。請求項4記載の可逆型感熱表示材料は、請求項
3記載の発明の効果を奏し、さらに、生分解性により優
れる。請求項5及び6に記載の可逆型感熱表示素子は、
温度に依存した透明度の可逆的な変化が良好であり、生
分解性に優れ、使用可能温度範囲が広い。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側鎖の熱的転移温度(T1)が30〜9
    0℃であり、主鎖の熱的転移温度(T2)が100〜2
    50℃であり、前記T1とT2の差が50〜220℃であ
    るアミノ酸重合体(A)を含有してなる可逆型感熱表示
    材料。
  2. 【請求項2】 一般式(I) 【化1】 (式中、nは1又は2であり、R1は置換基を有しても
    よい直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基であって、か
    つ、炭素数8以上の直鎖のアルキル基部分を有する基で
    ある)で表されるアスパラギン酸又はグルタミン酸のア
    ルキルエステルを含む単量体成分を重合して得られるア
    ミノ酸重合体(A′)を含有してなる可逆型感熱表示材
    料。
  3. 【請求項3】 一般式(I)におけるR1が置換基を有
    してもよい炭素数9〜40の直鎖のアルキル基である請
    求項2記載の可逆型感熱表示材料。
  4. 【請求項4】 一般式(I)におけるR1がヘキサデシ
    ル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル
    基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、ト
    リコシル基及びテトラコシル基からなる群から選択され
    る少なくとも1種類の直鎖のアルキル基である請求項3
    記載の可逆型感熱表示材料。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の可逆型感熱表示材料を支
    持体上に塗布するか又は支持体中に含浸させてなる可逆
    型感熱表示素子。
  6. 【請求項6】 請求項2〜4のいずれかに記載の可逆型
    感熱表示材料を支持体上に塗布するか又は支持体中に含
    浸させてなる可逆型感熱表示素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008260147A (ja) * 2007-04-10 2008-10-30 Idemitsu Kosan Co Ltd 感熱性組成物及びそれを用いた熱転写記録媒体

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