JPH1066903A - 液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射装置

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Publication number
JPH1066903A
JPH1066903A JP8226564A JP22656496A JPH1066903A JP H1066903 A JPH1066903 A JP H1066903A JP 8226564 A JP8226564 A JP 8226564A JP 22656496 A JP22656496 A JP 22656496A JP H1066903 A JPH1066903 A JP H1066903A
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JP
Japan
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liquid
pressure
fuel
injection
chamber
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JP8226564A
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English (en)
Inventor
Kiminaga Otome
公修 乙▲め▼
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体中で衝撃的な圧力波を発生させ、この衝
撃波をできる限りすべて有効に利用してその減衰を極力
抑え、圧力波を噴射孔まで伝播させてそのエネルギーに
より液体を噴射させるようにした液体噴射装置を提供す
る。 【解決手段】 液体供給源22と連通する加圧室32
と、前記液体を噴射するための噴射孔41と、この噴射
孔に前記加圧室から液体を導く噴射通路15aと、前記
加圧室内の液体に衝撃圧を付与する衝撃的高圧発生手段
17とを有し、前記噴射通路内の液体を介して伝播した
衝撃圧が到達した時点で開となるように構成された弁手
段25を前記噴射孔近傍に配置し、前記衝撃的高圧発生
手段の液体に対する衝撃圧付与方向を、前記噴射通路の
加圧室側端部の開口部33に向け、前記噴射孔の大きさ
より前記噴射通路の加圧室側端部の断面積を大きくし、
前記噴射通路の加圧室側端部の開口面の範囲W1内で対
向する位置に前記高圧発生手段17の高圧波付与面17
aを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝撃的高圧により
液体を噴射する液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の燃焼室に燃料を供給するため
の燃料供給ポンプが特開平8−82266号公報に記載
されている。この公報記載の燃料供給ポンプは、圧電素
子を用いて容積型ポンプを構成したものであり、円筒状
シリンダ内に圧電素子(PZTアクチュエータ)により
駆動されるピストンを設け、ピストン押圧面側のシリン
ダ内部を加圧室とし、ピストンの対向面側の円筒端部に
燃料導入ポートと燃料吐出ポートの2つのポートを開口
させ、両ポートにはともに逆止弁を設けた構成である。
【0003】このような構成において、圧電素子への電
圧印加によりその体積を変化させてピストンを駆動しこ
れを加圧室側に移動させ、加圧室の容積を変化させて加
圧室内の燃料圧力を上昇させ、燃料を吐出ポートから押
出すものである。このようにして、ピストン移動量、即
ち電圧に応じた圧電素子の定常的な体積変化量に応じて
加圧室内燃料の圧力が上昇し、この昇圧燃料は吐出ポー
トの逆止弁を通過して押出され、燃料パイプを介して高
圧インジェクタに供給される。
【0004】上記公報記載の技術によれば、圧電素子へ
駆動信号が入力されてから実際に圧電素子が体積変化し
て必要な圧力に達するまでのタイムラグを考慮してイン
ジェクタの駆動信号を制御することにより、圧電素子の
体積変化後の定常状態になった変化量に基づく圧力上昇
に正確に対応させてインジェクタを制御し、噴射特性の
向上を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧電素
子を駆動する場合、実際には、駆動信号入力直後に大き
な衝撃的圧力波を発生し、これが振動しながら減衰して
定常状態の圧力に達する。この衝撃的圧力波の圧力は圧
電素子の体積変化が定常状態に達したときの圧力よりも
充分に大きいが、過渡的な圧力であるため前述の公報記
載技術を含め従来これを利用した液体噴射技術は開発さ
れていなかった。
【0006】仮に従来の液体噴射装置、例えば前記公報
記載の燃料供給ポンプの構造において、この衝撃的な高
圧波を利用しようとしても、圧電素子の先端に取り付け
られるピストンに対向する位置に逆止弁を配置した吐出
ポートを配置しているが、吐出ポートの大きさは逆止弁
を配置するためピストン表面より極めて小さい。これに
より、ピストン表面で発生する衝撃的な高圧波の極一部
は、加圧室の吐出ポートに設けた逆止弁に到達するが、
吐出ポートと対向しないピストン表面で発生する衝撃的
な高圧波は、燃料加圧室15の構成壁とピストン表面と
の間を往復するのみで、吐出ポートに設けた逆止弁に到
達することなく減衰してしまう。従って、ピストン表面
で発生する衝撃的な高圧波のほとんどは、燃料噴射には
利用できなかった。
【0007】また、極めて小さな吐出ポートに到達する
高圧波も、まず加圧室の吐出ポートに設けた逆止弁に到
達してこれを押し開きそのエネルギーの一部が消費され
る。ここで逆止弁が開くことにより燃料が噴流となって
燃料パイプ側に流入し、高圧波のエネルギーはこの燃料
移動の運動エネルギーに変換され圧力がさらに低下す
る。この燃料の運動エネルギーは、燃料パイプの管路抵
抗により熱エネルギーに変り、燃料パイプの壁から放出
されるため、運動エネルギーは低下し、且つ運動エネル
ギーが燃料噴射孔に到達するときには、この燃料噴射孔
が開かれているので圧力上昇することなく、燃料が噴射
される。
【0008】したがって、従来技術を用いた場合には、
衝撃的高圧波を有効に利用することができず、加圧室で
高圧波が発生しても、この高圧波により噴射孔での燃料
を高圧にすることはできず、噴射孔において燃料が高い
噴射圧力とならず、高い噴射速度が得られない。また、
高圧波のエネルギーは燃料の運動エネルギーに変換され
これが管路抵抗を受けるので噴射量が大きくならない。
【0009】また、本発明においては、瞬間的に発生す
る衝撃波のエネルギーを利用するため、この高圧波をで
きる限り昇圧して噴射エネルギーを高めるとともに、発
生した衝撃的高圧波を無駄なくできる限りすべて噴射通
路側に取入れて効率的な高圧波エネルギーの利用を図る
ことが望ましい。
【0010】本発明は上記の点を考慮してなされたもの
であって、液体中で衝撃的な圧力波を発生させ、この衝
撃波をできる限りすべて有効に利用してその減衰を極力
抑え、圧力波を噴射孔まで伝播させてそのエネルギーに
より液体を噴射させるようにした液体噴射装置の提供を
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明においては、液体供給源と連通する加圧室
と、前記液体を噴射するための噴射孔と、この噴射孔に
前記加圧室から液体を導く噴射通路と、前記加圧室内の
液体に衝撃圧を付与する衝撃的高圧発生手段とを有し、
前記噴射通路内の液体を介して伝播した衝撃圧が到達し
た時点で開となるように構成された弁手段を前記噴射孔
近傍に配置し、前記衝撃的高圧発生手段の液体に対する
衝撃圧付与方向を、前記噴射通路の加圧室側端部の開口
部に向け、前記噴射孔の大きさより前記噴射通路の加圧
室側端部の断面積を大きくし、前記噴射通路の加圧室側
端部の開口面の範囲内で対向する位置に前記高圧発生手
段の高圧波付与面を設けたことを特徴とする液体噴射装
置を提供する。
【0012】上記構成によれば、高圧発生手段の高圧波
付与面から発生した高圧波は、直進してその対向面側に
設けられた高圧波付与面より大きい開口面内にほとんど
全て導入され噴射エネルギーとして有効に利用される。
導入された高圧波は、噴射通路の開口面側端部の縮径部
を進行する間にさらに昇圧され、噴射通路を伝播して噴
射孔に到達し、ここで小面積の噴射孔によりさらに圧力
が高められ、大きな噴射エネルギーとなって液体を噴射
させる。
【0013】このようにして、例えば圧電素子に電圧を
負荷したときに発生する高圧波を、効率よく無駄なく利
用し、さらに高いエネルギーの高圧波とすることがで
き、またこの高圧波を減衰させずに噴射通路内を伝播さ
せることができ、途中のエネルギー損失を少なくするこ
とができる。噴射孔に到達した高圧波のエネルギーは、
小面積の噴射孔で圧力がさらに高まり液体の運動エネル
ギーに変換され噴射孔から液体が噴射される。この場
合、噴射通路内を伝播中のエネルギー損失が少ないた
め、その分噴射量を多くすることができる。また、高圧
波が減衰することなく噴射孔に到達するため、噴射圧力
が高くなり、噴射速度が大きくなる。
【0014】また、前記弁手段により、衝撃圧が到達し
た時点で噴射が可能となるとともに、衝撃圧が到達しな
い時点では閉となり噴射を防止可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】好ましい実施の形態においては、
前記衝撃的高圧発生手段の動作時および非作動時とも
に、前記噴射孔近傍の弁手段上流側から前記噴射通路の
加圧室側端部までの噴射通路は全域にわたって常に開放
状態であることを特徴としている。
【0016】この構成によれば、噴射通路内には噴射孔
の弁手段以外には入口部を含めその全長にわたって管路
を閉じる例えば逆止弁等が設けられず通路内は常に開放
状態であるため、高圧波のエネルギー損失が抑えられ
る。
【0017】別の好ましい実施の形態においては、前記
加圧室に臨んで、前記噴射通路の端部および前記液体供
給源への連通路が開口し、前記衝撃的高圧発生手段の衝
撃圧付与面に対向する側の加圧室壁面には、前記噴射通
路の端部のみを開口させたことを特徴としている。
【0018】この構成によれば、衝撃的高圧波の進行方
向となる高圧発生手段の衝撃圧付与面に対向する面に
は、噴射通路のみが開口し、燃料等の液体導入通路は高
圧波の進行方向の側面あるいは背面に設けられるため、
高圧波のエネルギーは有効に噴射通路内を伝播して噴射
孔に到達する。
【0019】さらに別の好ましい実施の形態によれば、
前記弁手段は、前記噴射孔を境にして噴射通路側の液体
圧力から、噴射する空間側の液体圧力を引いた値が所定
値以下の場合に閉となるとともに、この弁手段に液体の
衝撃的高圧が到達作用することにより開となるように構
成したことを特徴としている。
【0020】この構成によれば、噴射孔の弁手段は、弁
前後の圧力差が小さいときには閉状態であり、圧力差が
所定値を超えると開となって、圧力差に応じた噴射速度
で、高圧波の持続時間だけ液体を噴射することができ
る。
【0021】別の好ましい実施の形態によれば、前記弁
手段は、この弁手段に液体の衝撃的高圧が到達するタイ
ミングで弁を開とする弁開閉駆動手段を備えたことを特
徴としている。
【0022】この構成によれば、噴射孔の弁手段は弁開
閉駆動手段により開けられ、高圧波のエネルギーはこの
弁を開くために消費されない。したがって、噴射孔にお
いて、衝撃的高圧はそのまま維持され、大きな噴射速度
が得られる。また圧力が高い空間に対し液体を噴射する
ことが可能になる。
【0023】別の好ましい実施の形態においては、前記
噴射通路を、その加圧室側端部から噴射孔方向に断面積
が減少するように形成したことを特徴としている。
【0024】この構成によれば、噴射通路を伝播する高
圧波が、噴射孔に向かって通路断面積が徐々に狭まる部
分を進む間に圧力が高められ、噴射孔においてさらに大
きな噴射速度が得られる。
【0025】別の好ましい実施の形態においては、前記
衝撃的高圧発生手段の衝撃的高圧発生部は、電界の変化
に応じて形状が変化する電歪素子で形成されたことを特
徴としている。
【0026】この構成によれば、駆動電流を入力した瞬
間に電歪素子が形状変化して液体方向に移動する。この
瞬間に液体粒子は慣性で留ろうとするため、確実に衝撃
的高圧を発生させることができる。
【0027】さらに別の好ましい実施の形態において
は、前記衝撃的高圧発生手段の衝撃的高圧発生部は、磁
界の変化に応じて形状が変化する磁歪素子で形成された
ことを特徴としている。
【0028】この構成によれば、例えば駆動電流を入力
して電磁コイルの磁界を変化させた瞬間に磁歪素子が形
状変化して液体方向に移動する。この瞬間に液体粒子は
慣性で留ろうとするため、確実に衝撃的高圧を発生させ
ることができる。
【0029】別の好ましい実施の形態においては、前記
衝撃的高圧発生手段の衝撃的高圧発生部は、前記加圧室
内の液体に浸漬した一対の対向する放電電極により形成
されたことを特徴としている。
【0030】この構成によれば、液体中での放電により
その放電エネルギーが熱を介して液体の気化エネルギー
として消費され、液体が瞬間的に気化成長し、体積膨張
する。この体積膨張する液蒸気(気泡)により、蒸気の
前面の液体粒子が押される。このとき液体粒子は慣性で
留ろうとするため、大きな衝撃的高圧波が発生する。放
電エネルギーは電極に印加する電圧により自由に制御可
能である。また、放電は瞬時に発生するので、衝撃的高
圧値を大きくすることができ、噴射速度を高めることが
できる。
【0031】さらに別の好ましい実施の形態において
は、前記衝撃的高圧発生手段の衝撃的高圧発生部は、前
記加圧室内の液体に浸漬した電気放熱体により形成され
たことを特徴としている。
【0032】この構成によれば、液体中での電気放熱体
に電気エネルギーを供給することによりその電気エネル
ギーが熱となって液体中で放熱し、この熱が液体の気化
エネルギーとして消費され、液体が瞬間的に気化成長し
て体積膨張する。この体積膨張する液蒸気(気泡)によ
り、蒸気の前面の液体粒子が押される。このとき液体粒
子は慣性で留ろうとするため、大きな衝撃的高圧波が発
生する。放熱のための電気エネルギーは放電体に供給す
る電力により自由に制御可能である。
【0033】さらに別の好ましい実施の形態において
は、前記衝撃的高圧発生手段は、前記加圧室内の液体を
照射するレーザー発光手段を備えたことを特徴としてい
る。
【0034】この構成によれば、レーザーが液体粒子を
加振して光エネルギーは容易に熱エネルギーに変換され
る。これにより液体は瞬間的に気化成長して体積膨張す
る。この体積膨張する液蒸気(気泡)により、蒸気の前
面の液体粒子が押される。このとき液体粒子は慣性で留
ろうとするため、大きな衝撃的高圧波が発生する。
【0035】好ましい実施の形態においては、前記液体
噴射装置は、被印刷物にインクを供給するためにインク
を噴射する印刷装置のインク噴射手段として使用された
ことを特徴としている。
【0036】このような印刷装置のインク噴射手段とし
て用いることにより、インク噴射が、衝撃的高圧を利用
するので噴射速度を大きくすることができ、印刷速度を
速くすることができる。また、噴射孔近傍に弁手段が備
るため、インクの切れがよくなり、印刷の滲みを防止す
ることができる。また、噴射孔と印刷面との間の距離を
大きくすれば、インクの噴射速度が大きいため微粒化が
促進され、広い面をむらなく印刷できる。さらに、この
ような噴射孔と印刷面との間の距離を制御しながら、被
印刷物を噴射方向に対し直角方向に移動すれば、印刷の
むらや滲みのない状態で印刷の幅を制御することができ
る。
【0037】別の好ましい実施の形態においては、前記
液体噴射装置は、ボイラーの燃焼室に燃料を供給する燃
料噴射手段として使用されたことを特徴としている。
【0038】このようなボイラーの燃料噴射手段におい
ては、衝撃的高圧により燃料を噴射するので、燃料の噴
射速度が大きくなり、燃料が充分に微粒化する。したが
って、重油等の低揮発性の燃料であっても確実な燃焼が
可能になり、すすの発生を少なくして熱効率を高めるこ
とができる。
【0039】別の好ましい実施の形態においては、前記
液体噴射装置は、内燃機関に潤滑油を供給するために潤
滑油を噴射する内燃機関の潤滑油供給手段として使用さ
れたことを特徴としている。
【0040】このように、内燃機関の潤滑油供給手段と
して用いることにより、潤滑油は衝撃的高圧を利用して
噴射されるため、安定して確実な潤滑油供給ができ、円
滑なエンジン駆動が達成される。
【0041】別の好ましい実施の形態においては、前記
液体噴射装置は、内燃機関の吸気系または燃焼室に直接
燃料を噴射する内燃機関の燃料噴射装置として使用され
たことを特徴としている。
【0042】このように内燃機関の燃料噴射装置として
用いることにより、燃料は衝撃的高圧を利用して噴射さ
れるので、燃焼室内が高圧になっても燃料を噴射するこ
とができる。したがって、ガソリンエンジンにおいて
は、圧縮行程終期の点火直前まで燃料噴射可能になり、
またディーゼルエンジンのように燃焼継続中の高圧の燃
焼室にも燃料を確実に噴射することができる。この場
合、燃料噴射速度が大きくなることにより、燃料が微粒
化し、燃料が確実に気化するので、未燃焼成分の発生が
抑制され、排気浄化性がよくなる。
【0043】別の好ましい実施の形態においては、本発
明の液体噴射装置を燃料噴射式内燃機関に搭載したこと
を特徴としている。
【0044】このような内燃機関は、衝撃的高圧を利用
した燃料噴射を行うので、噴射速度を高め微粒化を促進
して、高圧燃焼室内へ確実に燃料を供給することが可能
になる。したがって、2サイクルおよび4サイクルのガ
ソリンエンジンにおける吸気管噴射や筒内噴射だけでな
く、ディーゼルエンジンに対しても充分適用可能にな
り、あらゆる運転状態で確実な燃料噴射が達成され、燃
焼効率が高く未燃ガス成分の発生を抑制して排気エミッ
ションを向上させ、信頼性が高くしかも汎用性の高い燃
料噴射装置が得られる。
【0045】
【実施例】図1は本発明に係る液体噴射装置を適用した
4サイクル内燃機関の構成図である。エンジン1は、燃
焼室上部を構成するシリンダヘッド2と、燃焼室の筒体
を構成するシリンダブロック3と、クランク室を形成す
るオイルパン4とにより構成される。クランク室内のク
ランク軸5は、クランクピン6およびピストンピン7を
介してピストン8に連結される。シリンダヘッド2には
吸気管9が設けられ、その端部にエンジン内燃焼室に臨
んで吸気弁10が装着される。また、シリンダヘッド2
には、排気管11が設けられ、その端部に排気弁12が
装着される。シリンダヘッド2の中央部には点火プラグ
13が装着される。
【0046】この実施例では、エンジン燃焼室内に直接
燃料を噴射するためのインジェクタ14がシリンダヘッ
ド2の上面から燃焼室内に臨んで設けられる。このイン
ジェクタ14は、燃料パイプ15を介して、本発明に係
る高圧発生装置16に連通している。この高圧発生装置
16は、後述の電歪手段(圧電素子)からなる衝撃的高
圧発生源17を備えている。この高圧発生源17は制御
回路18に連結され所定のタイミングで駆動制御され
る。高圧発生装置16には、燃料供給パイプ21を介し
て燃料ポンプ19により、燃料タンク22から燃料が導
入される。。20はフィルターである。インジェクタ1
4にはエア抜きパイプ23が接続され、燃料ポンプ19
により常時燃料が供給され、燃料パイプ15及びインジ
ェクタ内部のエアおよび気化燃料等の気泡は燃料ととも
に不図示のエアベント孔を上部に持つ燃料タンク側に戻
される。これにより燃料パイプ15およびインジェクタ
14内部は燃料で満たされるので、衝撃的高圧波が確実
に伝播するとともに、衝撃的高圧波がインジェクタ14
内の噴射孔直前部に衝突してさらに圧力上昇するのを可
能とする。
【0047】図2は、上記実施例における高圧発生装置
16とインジェクタ14の詳細構成図である。インジェ
クタ14は、先端に噴射孔41を有する弁本体24から
なり、この噴射孔41に弁25が装着される。弁25は
スプリング26により常に閉方向に付勢される。このイ
ンジェクタ14には、袋ナット27を介して燃料パイプ
15が接続される。また、弁本体24には側壁にエア抜
きポート28が形成され、エア抜きパイプ23が接続さ
れる。エア抜きポート28は衝撃的高圧波の進行方向に
対向する位置ではなく、進行方向の側面に設けられてお
り、衝撃的高圧波のエネルギーはエア抜きポート28か
ら飛散することなく、確実に噴射孔方向に伝播する。
【0048】このインジェクタ14に、後述のように、
衝撃的高圧波が伝播してくると、弁25の内側面に衝突
しさらに昇圧する。そしてそのエネルギーにより、スプ
リング26に抗して弁25が押し開かれ、燃料が噴射さ
れる。即ち、燃料噴射すべき燃焼室側と弁本体24の内
部の圧力差がスプリング26に応じた所定値より小さい
ときには、弁25は閉じた状態に保たれる。一方、衝撃
的高圧波が到達して、この弁内外の圧力差が所定値より
大きくなると弁25が開かれ燃料が噴射される。
【0049】高圧発生装置16は、例えば筒状の本体3
1からなり、その内部に加圧室32が形成される。この
加圧室32の一方の端部側に、例えば後述の圧電素子か
らなる高圧発生源17が装着される。この高圧発生源1
7は加圧室32内に衝撃的高圧波を発生させ加圧室32
内の燃料に衝撃的圧力を付与するものである。この加圧
室内燃料に対する衝撃高圧波の付与面17aに対向する
側の筒状本体31の端部に加圧室32に臨んで高圧波吐
出ポート33が開口する。この吐出ポート33には、袋
ナット34を介して、前述のインジェクタ14に連通す
る燃料パイプ15が接続される。この燃料パイプ15の
内部通路およびその端部の吐出ポート33部分により高
圧燃料の噴射通路15aが構成される。
【0050】本実施例においては、吐出ポート33の開
口面の範囲W1はこれに対向する位置の高圧波付与面1
7aの面積範囲W2より大きく、かつ吐出ポート33の
範囲W1に含まれる範囲内でこれに対向する位置に高圧
波付与面17aが設けられる。また、この吐出ポート3
3は、高圧波の進行方向に向って円錐状に縮径してその
端部で燃料パイプ15に接続されている。
【0051】このような構成により、後述のように、高
圧波付与面17aから発生する大部分が直進成分の衝撃
的高圧波は、その進行方向に対向する位置に設けられ
た、高圧波付与面17aの範囲W2を含む大きな範囲W
1を有する吐出ポート33内にほとんど全て進入する。
吐出ポート33内に進入した高圧波は、円錐状縮径部を
進行する間に圧力が高められ、さらに大きなエネルギー
となって、噴射通路15a内をインジェクタ14に向っ
て伝播する。
【0052】この高圧発生源17は、シール材29を介
してリード線30により制御回路18(図1)に連結さ
れる。高圧発生源17の衝撃高圧波付与面17aに直交
する筒状本体31の側面、即ち、高圧波が伝播する進行
方向に対する直角な側面には、燃料導入ポート35が加
圧室32に臨んで開口する。この燃料導入ポート35に
は袋ナット36を介して前述の燃料ポンプ19(図1)
に連通する燃料供給パイプ21が接続される。
【0053】このような構成の燃料噴射装置において、
加圧室32内に燃料を充填した状態で、高圧発生源17
の圧電素子(図示しない)に駆動電圧を印加すると、圧
電素子が形状変化する瞬間に衝撃的高圧波が発生する。
【0054】この高圧波の発生作用は以下のとおりであ
る。まず電圧印加の瞬間に圧電素子が形状変化し、高圧
波付与面17aが加圧室側に移動する。この瞬時の移動
により、加圧室32内の液体(燃料)粒子を押圧する
が、液体粒子は慣性で静止状態を保とうとするため、加
圧室31内の燃料に対し大きな圧力が衝撃的に発生す
る。したがって、この衝撃的高圧波は、高圧波付与面1
7a側からその付与面17aに対し直角方向に、加圧室
の反対面側の対向する位置の高圧波吐出ポート33に向
かって瞬時に伝播する。この圧力波が加圧室32内を進
行中に加圧室の側面に開口する燃料導入ポート35を通
過するが、このポート35の開口方向は高圧波の進行方
向に対し直角方向であるため、これを瞬時に通過し高圧
波の圧力は、燃料導入ポート35内の燃料およびこれに
連通する燃料供給パイプ21内の燃料に対し実質上何等
作用せず、高圧波のエネルギーは全く消費されない。し
たがって、この燃料導入ポート35に逆止弁等の開口遮
断手段を設ける必要はない。燃料導入ポート35は高圧
波付与面17a前方でなければ良く、高圧発生源17と
並列に加圧室32内を臨む様に配置してもよい。
【0055】高圧発生源17の高圧波付与面17aから
筒状本体31の対向する端面に到達した衝撃的高圧波
は、この面に唯一形成された前述の大きな範囲W1を有
する燃料吐出ポート33内に進入し、噴射通路15a内
の燃料を媒介としてインジェクタ14に向かって伝播す
る。このとき、燃料吐出ポート33には、逆止弁等の通
路閉塞部材が介在しないため、高圧波のエネルギーは消
費されずに燃料の噴射通路15a内に進入する。
【0056】燃料吐出ポート33の加圧室32側端部の
大きさは噴射通路15aの断面績より大きく、燃料吐出
ポート33は円錐状に噴射通路15aの小さな断面積ま
で縮経し、さらに噴射通路15aの断面績は弁25開時
の噴射孔41の面積より大きいので、吐出ポート33の
加圧室32側端部に到達する衝撃圧は、円錐状の燃料吐
出ポート33、さらに噴射通路15aから噴射孔41に
導かれるに従って昇圧される。これにより、高い圧力で
燃料噴射が可能となる。
【0057】インジェクタ14に到達した衝撃的高圧波
は、前述のように、スプリング26に抗して弁25を開
き噴射孔41から高圧燃料を噴射させる。この実施例で
は、インジェクタ14の位置は、図1に示したように、
シリンダヘッド2の上面に設けて筒内噴射構造としてい
るが、これに代えて、一点鎖線で示したインジェクタ1
4aのように、吸気管9の途中に設けてもよい。あるい
は、同じく一点鎖線で示したインジェクタ14bのよう
に、シリンダブロック3の側壁に設けて筒内直接噴射を
行ってもよい。また、エア抜きパイプ23は、前述の実
施例ではインジェクタ14と気液分離手段である燃料タ
ンク22を連通させているが、この構造に代えて、図1
の一点鎖線23aで示したように、インジェクタ14と
高圧発生装置16とを連通させるように配設してもよ
い。これにより、燃料パイプ15およびインジェクタ1
4内の空気および燃料蒸気を、燃料の噴射とともに燃焼
室内に排出する。そして、複数回の噴射により空気を排
出した後も、燃焼室からの熱伝播により気化発生する燃
料蒸気は、燃焼室内への排出に加え、弁25が閉じた後
なおインジェクタ14内に残留する残圧により、燃料蒸
気を燃焼室から遠く温度の低い加圧室32内に戻して凝
縮させることが可能となる。
【0058】図3は、高圧発生装置16の各々別の例の
断面構造図である。図3(A)は、加圧室32の側壁面
32aをほぼ楕円曲面形状とした例を示す。この楕円曲
面を有する加圧室32の頂部に高圧発生源17が装着さ
れ、側面に燃料導入ポート35が開口する。この例で
は、さらに、燃料噴射通路15aの加圧室側端部である
燃料吐出ポート33の内面33aが、逆円錐状あるいは
あさがお形状に縮径し、噴射通路15aの断面積が反対
側端部の噴射孔に向かって(即ち、高圧波の進行方向に
向かって)徐々に狭められている。
【0059】このような構成の高圧発生装置16におい
て、高圧発生源17の高圧波付与面17aから発生した
衝撃的高圧波は、この付与面17aから直進する成分が
吐出ポート33に向かって伝播するとともに、側面に向
かった成分が楕円曲面の側壁面32aで反射して、吐出
ポート33の開口面中央部に向かって伝播する。このよ
うに、吐出ポート33の開口面に集束した高圧波は、噴
射通路入口のあさがお形状の縮径部を進行するときに、
圧力が増幅されてさらに高圧となって噴射通路15a内
を通路出口側の噴射孔に向かって伝播する。この場合、
高圧発生源17から発生した衝撃的高圧波の反射波が、
吐出ポート33の開口面中央部に集束するように、予め
実験等により、最適な側壁面32aの楕円曲面の形状や
大きさおよび高圧発生源17の高圧波付与面17aの位
置等を求め、形状を定めておく。楕円曲面の側壁32a
の2つの楕円中心の一方に高圧波付与面17aを他方に
吐出ポート33を配置し、吐出ポート33の端部を高圧
波付与面より大きくしているので効率良く衝撃的高圧波
を収束して吐出ポート33から燃料パイプ15へ導くこ
とができる。なお、衝撃的高圧波のエネルギーは直進す
る成分が大きく、燃料導入ポート35を側壁32aに設
けても、燃料供給パイプ21から燃料ポンプ19方向に
僅かなエネルギーの衝撃的高圧波しか伝播しない。
【0060】このような構成により、衝撃的高圧波を昇
圧して噴射孔における高圧波のエネルギーをさらに高め
て大きな噴射エネルギーで燃料を噴射することができ
る。
【0061】図3(B)は、加圧室32自体を逆円錐状
あるいはあさがお形状に形成した例を示す。この例で
は、高圧波付与面17aより大きい加圧室32の側壁面
32aが、吐出ポート33に向かって縮径し、吐出ポー
ト33の内面33aに滑らかに連続している。また、燃
料導入ポート35は、高圧発生源17の高圧波付与面1
7aより背面側に設けられている。
【0062】このような構成の高圧発生装置16におい
ても、前述の図3(A)の例と同様に、高圧発生源17
の高圧波付与面17aから発生した衝撃的高圧波は、進
行方向に向かって断面積が小さくなる加圧室32内を進
行する間に昇圧され、さらに高い圧力となって噴射通路
15a内に進入して噴射孔まで伝播し、そのエネルギー
により燃料を噴射させる。
【0063】図3(C)は、加圧室32の吐出ポート3
3に連なる燃料パイプ15の端部を高圧波の進行方向に
向かって縮径させた例を示す。この例では、加圧室32
の側面に燃料導入ポート35が開口し、チェックボール
式の逆止弁90が設けられる。前述のように、加圧室3
2の側面部の開口は、高圧発生源17からの高圧波のエ
ネルギーに対しなんら減衰作用を施さないため、ここに
逆止弁90を設けても衝撃的高圧が減衰することはな
い。このような逆止弁90を設けることにより、燃料の
逆流が確実に防止される。なお望ましくないが、高圧波
付与面17aの前方、吐出ポート33と並列に逆止弁を
持つ燃料導入ポート35を設けてもよい。燃料ポンプ1
9から吐出エネルギーに抗して逆止弁を閉じるのに使わ
れる衝撃的高圧波のエネルギーは僅かであり、また逆止
弁により燃料供給パイプ21内方向に衝撃的高圧波のエ
ネルギーが散逸しないからである。
【0064】この例において、吐出ポート33に対し吐
出ポートより小さい高圧発生源17の高圧波付与面17
aが対向して設けられるともに、吐出ポート33の開口
面の範囲内に高圧波付与面17aが含まれるように、吐
出ポート33および高圧発生源17の相対的位置および
大きさを定めておく。このような構成により、高圧発生
源17から発生した衝撃的高圧波は、その伝播中心部の
最大エネルギー部分が確実に吐出ポート33内に進入
し、ここで昇圧されてさらに高エネルギーとなって噴射
通路15a内を噴射孔に向かって伝播する。
【0065】図4は、本発明に係るインジェクタの別の
構成例を示す。この例のインジェクタ14は、前述の図
2のインジェクタが外側に開く外開弁型であるのに対
し、弁が内側に開く内開弁型の構成である。弁本体24
の先端に形成した噴射孔41の内側に、弁40がガイド
スリーブ37内に沿って摺動可能に配設される。弁40
はスプリング39により噴射孔41側に押圧され閉じた
状態に付勢される。ガイドスリーブ37の根元部には導
通孔38が開口し、燃料パイプ15内の燃料噴射通路1
5aと弁本体24内の燃焼通路室24aとを連通させ
る。スプリング39は、このガイドスリーブ37内に配
設され、スリーブ37に固着される上側のシール部材9
1と下端部のシールリング(図示しない)により燃料の
浸入が防止された密閉空間内に装着される。弁本体24
にはエア抜きポート28が開口し、エア抜き配管23を
介して前述の燃料タンク22(図1)に連通する。
【0066】このような構成において、高圧発生装置1
6側から、噴射通路15a内の液体燃料を介して衝撃的
高圧波が伝播され、インジェクタ14に達すると、導通
孔38を通して高圧エネルギーが弁本体24の内部に導
入され、弁40をスプリング39に抗して押し上げ、噴
射孔41を開いて燃料を噴射させる。衝撃的高圧波はシ
ール部材91の上部の円錐部により減衰することなく導
通孔38に導かれ、導通孔38から円筒形状の燃料通路
室24a内に入る。衝撃的高圧波は燃料通路室24aの
壁に衝突して燃料通路室24a上部の圧力を高める。こ
の昇圧部から第2の衝撃的高圧波が燃料通路室24a内
下部の噴射孔41方向に伝播する。エア抜きポート28
は燃料通路室24aの中間部側壁に設けられており、第
2の衝撃的高圧波のエネルギーが散逸することはない。
【0067】図5(A)(B)は、本発明に係るインジ
ェクタのさらに別の構成例を示す。これらの例は、弁を
開閉する駆動手段を設けた例である。図5(A)のイン
ジェクタ14は、図2の例と同様に、外開型の弁25か
らなる構成であり、この弁25を駆動するための電磁ソ
レノイド60を備えている。このような構成において、
高圧発生装置16から衝撃的高圧波が到達するタイミン
グで、この電磁ソレノイドに通電して弁25を開とし、
燃料を噴射孔41から噴射させる。この開弁のタイミン
グは、予め実験等により、高圧発生装置の高圧発生源1
7に駆動電圧を印加してから高圧波がインジェクタ14
に到達するまでの時間を求めておき、このタイミングで
ソレノイド60に通電するように、制御回路を構成して
おく。
【0068】このような構成により、高圧波のエネルギ
ーが弁開放のために消費されないため、さらに大きな噴
射エネルギーで液体燃料を噴射させることができる。な
お電磁ソレノイド60には外周の一部に上方と下方を速
通する長手方向の切欠が設けられており、衝撃的高圧波
が噴射孔41方向に円滑に伝播するようにされている。
また、電磁ソレノイド60の外周のケース本体24側に
長手方向に凹みを設けてもよい。
【0069】図5(B)のインジェクタ14は、図4の
例と同様に、内開型の弁40からなる構成であり、この
弁40を駆動するための電磁ソレノイド60を備えてい
る。この電磁ソレノイド60の構成および作用は図5
(A)の例と同様であり、この例においても、高圧波の
エネルギーが弁開放のために消費されないため、大きな
噴射エネルギーで液体燃料を噴射させることができる。
なお、導通孔38は傾斜しており、衝撃的高圧波をでき
るだけ減衰することなく燃料通路室24a内に導くこと
が可能である。導通孔38の燃料通路室24a側出口と
対向して電磁ソレノイド60に、外周の一部に上方と下
方を連通する長手方向の切欠が導通孔38の数と一致し
た数設けられている。そして、電磁ソレノイド60より
噴射孔41側にエア抜きポート28が設けられるので、
より噴射孔41に近い部分までエア抜きすることができ
る。
【0070】図6は、圧電素子を用いた高圧発生源17
の詳細構成図である。この高圧発生源17は、密閉ケー
ス71内に設けた複数枚の圧電素子73からなり、各圧
電素子73間には、正極板151aと負極板151bが
交互に配設される。これらの圧電素子73、正極板15
1aおよび負極板151bは、積層された状態で、保持
具74およびプランジャ152間に挟持され、ボルト7
2により相互に固定保持される。このようにボルト72
で一体的に固定保持された圧電素子73は、その保持具
74を介して、ねじ部材75により、密閉ケース71内
に取付けられる。各正極板151a同士および負極板1
51b同士は、それぞれ導電板76で連結され、正電荷
供給線303および負電荷供給線304を介して電圧調
整器302に接続される。密閉ケース71からの各電荷
供給線303、304の取り出し部には、シール用グロ
メット77が装着され、ケース内の密封性が保持され
る。電圧調整器302はECU95に接続され、後述の
ように駆動制御される。300は交流電源、301は交
直変換回路である。
【0071】ここで、圧電素子とは、いわゆる圧電効果
を有する素子からなる公知の圧電アクチュエータであ
る。なお、圧電効果を有する材料には、水晶から高分子
まで各種のものがあるが、圧電アクチュエータの材料と
しては圧電セラミックスの一種であるチタン酸ジルコン
酸鉛(PZT)が代表的である。
【0072】図6において、複数枚(この例では7枚)
の圧電素子(圧電セラミックス)73およびこれらを挟
み込むように配置され一体化された正極板151aと負
極板151bとにより電歪素子が形成される。交流電源
300からの交流電流は交直変換回路301を経て直流
電圧に変換され、電圧調整器302に入力される。
【0073】電圧調整器302は、ECU95により制
御され正電荷供給線303あるいは負電荷供給線304
とそれぞれ接続される2つのアウトプットの内、正電荷
供給線303側を所定の電圧の正電圧に調整する一方、
負電荷供給線304側をアースする。また正極板151
aの電圧を下げる場合には、正極板151aの電荷の一
部をアースさせる。正極板151aと負極板151bの
間の圧電セラミックスは、2つの極板による電界の大き
さに略比例して、極板方向に変位する。この変位が図の
ものでは7つ集積されて大きな変位となる。
【0074】図7は、このような圧電素子からなる高圧
発生部17を高圧発生装置16内に組込んだ状態の構成
図である。図中の圧電素子73は、各極板151a、1
51b、各導電板76は省略した外観を示す。図示した
ように、プランジャ152が加圧室32に臨んで装着さ
れる。このプランジャ152の端面が前述の高圧波付与
面17aとなる。圧電素子73へのステップ的な電圧印
加により、このプランジャ152が変位して加圧室32
内の液体燃料を押圧し、前述のように衝撃的高圧波を発
生させ、これが前述のとおり、噴射通路15a内に進入
して噴射孔まで伝播する。
【0075】ここで、吐出ポート33aの大きさは高圧
発生部17の大きさより僅かに大きくされており、高圧
発生部17からの衝撃波の直進成分は、より確実に吐出
ポート33aから噴射通路の方へ導かれる。
【0076】図8は、プランジャ152の別の形状例を
示す。この例では、プランジャ152の端面の高圧波付
与面17aが凹面を形成し、発生した高圧波を吐出ポー
ト33の中央に集束させる。その他の構成および作用効
果は図7の構成の場合と同様である。
【0077】図9は、高圧発生源17の別の実施例の構
成図である。この実施例は、前述の電歪素子に代えて、
磁歪素子を用いた構成である。この磁歪素子とは、磁場
の中で伸び縮みする磁電材料、例えばテルビウム、ジス
プロシウム、鉛の三元系合金を使った磁心と、この磁心
の外周に巻かれたコイルからなるものである。コイルへ
の通電量(例えば電圧、電流)を制御することにより磁
心が伸縮する。
【0078】図9において、磁歪素子79の周囲にコイ
ル80が巻回され、その周囲に永久磁石84が装着され
る。磁歪素子79の端部にはプランジャ152が固定さ
れる。このプランジャ152はスプリング82の作用に
より常に加圧室32から引込む方向に付勢される。コイ
ル80はリード線78を介して電圧調整器に接続され
る。電圧調整器は前述の例と同様にECUに接続され、
コイル80への駆動電流を制御して磁歪素子79への印
加電圧を調整する。コイル80の駆動電圧を大きくする
とコイル80を流れる駆動電流も大きくなりコイルが発
生する磁界の大きさも大きくなり、磁歪素子79への印
加電圧が大きくなって、大きな衝撃的高圧波が発生す
る。その他の構成および作用効果は前述の電歪素子を用
いた実施例と同様である。本磁歪素子79の駆動におい
ては、電圧調整器の替わりに電流調整器を配置し、定電
圧ながら大電流をステップ的にコイル80に加えるよう
にしてもよい。さらに、磁歪素子79の一方の端部を密
閉ケース71の鏡板部にボルト等により固定するように
し、スプリング82を廃止するようにしてもよい。
【0079】図10は本発明に係る高圧発生装置のさら
に別の実施例の構成図である。この実施例は、高圧発生
源17として、電気放熱体(発熱体)を用いたものであ
る。(A)は発熱体の断面図、(B)は保護膜208の
コーティング前、且つプレート212が仮止めされた発
熱体ユニット203の正面図(A図で右方向からみた
図)である。
【0080】この発熱体ユニット203は以下のように
構成されている。片側面中央部に突出する凸部204a
が形成されたガラス板204に、この凸部204aを覆
うように抵抗体205が印刷され、さらに焼結される。
凸部204aの図で上下方向両側において抵抗体205
の上から覆うように導通物質が印刷され、さらに焼結さ
れて2つの電極206が形成される。これらのガラス体
204、抵抗体205および電極206を貫通して銅あ
るいは銅合金製のピン207が設けられ、その両端部が
かしめられる。このように抵抗体205、電極206お
よびピン207が凸部204a側の表面に形成されたガ
ラス体204上に、さらに非導電性且つ良熱伝導性の保
護膜208が、電極206およびピン207を含んで抵
抗体205を覆うように焼付けられる。被膜209で覆
われたリード線210を内蔵するコード211の端部を
支持するプレート212がガラス板204に固着された
後、リード線210の端部がそれぞれピン207の端部
にハンダ付けされる。このようにして発熱体ユニット2
03が形成される。この発熱体ユニット203が、熱伝
導性の低いセラミックからなるケース本体201とケー
ス蓋202の中に液密に収容されて高圧発生源17を構
成する。81は支持板であり、高圧発生源17を前記高
圧発生装置の加圧室に臨んで固定する。
【0081】上記ケース本体202の中央部は窓が明い
た形状をしており、保護膜208に燃料が直接触れる。
リード線210に直流あるいは交流の電流が供給される
と両電極206の間の部分の抵抗体205が発熱し、燃
料が気化して保護膜208上に気泡が発生する。この気
泡により、前述のように、加圧室内の液体粒子が押圧さ
れ衝撃的高圧が得られる。この衝撃的高圧の伝播による
液体噴射作用は前述の実施例のとおりである。なお、抵
抗体205および電極206ともに膜厚は数μmであ
り、保護膜208は0.2mm〜2mm程度である。
【0082】図11は、本発明に係る高圧発生源17の
さらに別の例を示す。(A)図は要部断面構成図であ
り、(B)図はその駆動回路図である。燃料が充填され
た加圧室32内に臨んで、絶縁体86に保持された一対
の対向する放電電極401が設けられる。放電電極40
1間には所定幅の放電ギャップ402が形成されてい
る。燃料供給回路400は、(B)図に示すように、2
つの電極板からなるコンデンサCを備え、両電極板を連
結する連結回路403の途中に電子スイッチ404と昇
圧コイル405の一次側を直列に配置し、連結回路40
3の途中、コンデンサCの一方の電極板を含め一方の電
極板と電子スイッチ404の中間部を直流電源406と
連結し、昇圧コイル405の二次側の両端を結ぶ第2の
連結回路407の途中に前記放電ギャップ402を形成
している。
【0083】電子スイッチ404は、制御装置18の燃
料供給制御信号によってスイッチング作動する。直流電
源406からコンデンサCに必要な燃料供給量に見合っ
た電気エネルギーを電極に印加し、制御装置18の燃料
供給制御信号によって電子スイッチ404がONする
と、コンデンサCの両側が電子スイッチ、アース、昇圧
コイル405の一次側を介して導通し、このコンデンサ
Cの放電電極に起因して昇圧コイル405の二次側に高
電圧が発生し、加圧室32内に配置された放電ギャップ
402の間で放電が起こり、その熱エネルギーにより燃
料が瞬時に気化成長して気泡が発生する。この気泡によ
り、前述のように、加圧室内の液体粒子が押圧され衝撃
的高圧が得られる。この衝撃的高圧による液体噴射作用
は前述の実施例のとおりである。
【0084】上記図11の実施例において、放電ギャッ
プ402の間での所定時間内での放電電力量が増大する
と、燃料吐出量も増大する。この放電ギャップ402の
間での放電電力量は、コンデンサCの放電電力量に正の
相関がある。そして放電ギャップ402の放電電力量
は、直流電源406の電圧が一定とされるので、コンデ
ンサCの所定時間での充電と放電のサイクル数によって
制御される。このコンデンサCの充放電の回数は、電子
スイッチ404のON,OFFのスイッチングによって
行われ、コンデンサCの充放電のサイクル回数を増加さ
せることにより放電ギャップ402での総放電電力量が
増加し、燃料供給量を増加させることができる。制御装
置18により、エンジン負荷が大きい程コンデンサCの
充放電のサイクル回数を増加させる。
【0085】上述のように、熱エネルギーにより液体燃
料中に気泡を発生させ、これにより衝撃的高圧を発生さ
せて噴射孔まで伝播し燃料噴射を行う高圧発生装置のさ
らに別の例として、レーザー光を利用した高圧発生源を
用いることもできる。この場合、加圧室内の液体燃料に
対し、レーザー光を照射すると、前述のように、レーザ
ー光が液体粒子を加振して光エネルギーは容易に熱エネ
ルギーに変換される。これにより液体は瞬間的に気化成
長して体積膨張する。この体積膨張する液蒸気(気泡)
により、蒸気の前面の液体粒子が押される。このとき液
体粒子は慣性で留ろうとするため、大きな衝撃的高圧波
が発生する。
【0086】図12は、本発明に係る高圧発生装置で発
生する衝撃的高圧とその駆動信号との関係を示すグラフ
である。グラフaは圧力波形、グラフbは駆動信号を示
す。グラフaにおいて、P1は図2の外開式弁25ある
いは図3の内開式弁40を持つインジェクタの開弁圧を
示し、P0は加圧前の加圧室内圧力を示す。図示したよ
うに、駆動信号をオンにした直後に、開弁圧を大きく超
える高圧が衝撃的に発生し、その後急激に減衰振動す
る。前述の各実施例は、この駆動信号入力直後の衝撃的
高圧を液体中で有効に伝播して利用するものである。ま
た、図示したように、駆動信号をオフにした直後に、一
旦圧力波形が低下するとともにその振動の反作用で圧力
が上昇し、開弁圧P1を超える圧力波が発生する。この
ような駆動信号オフ時の圧力ピークをオン時と同様に衝
撃的圧力として噴射孔まで伝播し燃料噴射に利用するこ
とも可能である。
【0087】なお、高圧発生装置に図6〜図8に示すよ
うに電歪素子を使用するものでは、駆動信号は所定以上
の電圧値を持つパルス電圧信号であり、図9に示す磁歪
素子においては、駆動信号は所定以上の電流値を持つパ
ルス電流信号、あるいは所定以上の電圧値を持つパルス
電圧信号である。図10、図11に示す素子およびレー
ザを使用するものでは、駆動信号は所定以上の電力値を
持つパルス電力信号であり、パルス幅は電歪磁歪素子よ
りも短時間に設定される。これは気泡が発生し成長する
瞬間大きな衝撃的高圧が発生するからであり、連続して
気泡が発生する沸騰状態においては却って衝撃的高圧が
発生しにくいからである。そして、噴射流量の増減は、
パルスの最高値(最高電圧値、最高電流値あるいは最高
電力値)を変化させ、あるいはパルス数を変化させるこ
とにより可能である。
【0088】図13は、本発明に係る液体噴射装置を2
サイクル内燃機関に適用した例を示す。このエンジン1
は、前述の図1のエンジンと同様に、シリンダ内を摺動
するピストン8を有し、クランク室に連通する吸気管9
およびシリンダ内の燃焼室43に連通する排気管11を
備えている。また、クランク室と燃焼室43とを、掃気
管42で連通している。吸気管9内にはスロットル弁4
8およびリード弁47が設けられる。シリンダヘッド2
には、燃焼室43に臨んで、本発明に係る高圧燃料噴射
装置44が設けられる。この高圧燃料噴射装置44は、
前述の実施例における高圧発生装置16とインジェクタ
14とを一体に構成したものであり、前述の実施例と同
様に、衝撃的高圧波を利用して燃料を噴射するものであ
る。
【0089】この高圧燃料噴射装置44は、燃料供給パ
イプ21を介して、噴射装置44より高い位置に設けた
上部に不図示のブリーザ穴を設けた気液分離フロート室
46に連通する。この気液分離フロート室46は、液面
を一定とするためのフロート式弁46a、燃料ポンプ1
9およびフィルタ20を介して、燃料タンク22に連通
する。高圧燃料噴射装置44は、前述の実施例と同様
に、制御回路18に連結され、さらに交流電源および交
直変換回路からなる電源回路45に接続される。なお、
この高圧燃料噴射装置44は、図の一点鎖線で示したよ
うに、シリンダブロックの側壁面あるいは吸気管9に設
けてもよい。
【0090】この実施例のエンジンではさらに、オイル
を供給するために本発明の高圧発生装置を用いている。
49はこの高圧オイル供給装置であり、前述の実施例の
高圧発生装置16が用いられる。このオイル供給装置4
9からオイル配管53、54を介してインジェクタ55
からクランク室およびシリンダ内にオイルが噴射され
る。オイル供給装置49にはストレーナ52を介してオ
イルタンク51からオイルポンプ50によりオイルが供
給される。このオイル供給装置49は、前述の各実施例
と同様に、高圧発生源を有し、衝撃的高圧によりインジ
ェクタ55からオイルを噴射するものであり、その構成
や衝撃的高圧波の発生原理や作用および噴射動作は前記
各実施例と同じである。なお、加圧室には一つの衝撃的
高圧発生部に対向した位置にオイル供給管53に各々連
通する複数の潤滑油吐出ボートが設けられる。
【0091】図14は、図13のエンジンにおける高圧
燃料噴射装置44の構成例を示す。この燃料噴射装置4
4は、高圧発生装置とインジェクタとを一体化したもの
であり、図示したように、高圧発生源17を有する加圧
室32に、燃料パイプを介することなく、加圧室32の
直後に縮径する噴射通路96を介して噴射孔41を設け
たものである。この噴射孔41には、スプリング26を
介して外開式の弁25が装着される。高圧発生源17の
構成および作用効果、および縮径する噴射通路96の昇
圧作用ならびに高圧波の伝播作用や燃料噴射動作等は前
記実施例と同様である。なお、図中96aが吐出ポート
となる。
【0092】図15は、インジェクタを一体に構成した
高圧発生装置からなる燃料噴射装置44の別の例の構成
図である。この例の高圧発生源17は、加圧室32に対
し高圧波付与面17aが凹面を形成する圧電素子で構成
される。加圧室32の直後には縮径する噴射通路96が
形成されその端部に内開式の弁40が装着される。凹面
形状の高圧波付与面17aの集束作用ならびに高圧発生
源17の構成および作用効果、および縮径する噴射通路
96の昇圧作用ならびに高圧波の伝播作用や燃料噴射動
作等は前記実施例と同様である。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構成によ
れば、高圧発生手段の高圧波付与面から発生した高圧波
は、直進してその対向面側に設けられた高圧波付与面よ
り大きい吐出ポート開口面内にほとんど全て導入され噴
射エネルギーとして有効に利用される。吐出ポート内に
導入された高圧波は、噴射通路の開口面側端部の縮径部
を進行する間にさらに昇圧され、噴射通路を伝播して噴
射孔に到達し、ここで小面積の噴射孔によりさらに圧力
が高められ、大きな噴射エネルギーとなって液体を噴射
させる。
【0094】このようにして、例えば圧電素子に電圧を
印加したときに発生する高圧波を、効率よく無駄なく利
用し、さらに高いエネルギーの高圧波とすることがで
き、またこの高圧波を減衰させずに噴射通路内を伝播さ
せることができ、途中のエネルギー損失を少なくするこ
とができる。噴射孔に到達した高圧波のエネルギーは、
小面積の噴射孔で圧力がさらに高まり液体の運動エネル
ギーに変換され噴射孔から液体が噴射される。この場
合、噴射通路内を伝播中のエネルギー損失が少ないた
め、その分噴射量を多くすることができる。また、高圧
波が減衰することなく噴射孔に到達するため、噴射圧力
が高くなり、噴射速度が大きくなる。
【0095】このような液体噴射装置を例えば印刷装置
のインク噴射手段として用いることにより、インク噴射
が、衝撃的高圧を利用するので噴射速度を大きくするこ
とができ、印刷速度を速くすることができる。また、噴
射孔近傍に弁手段が備るため、インクの切れがよくな
り、印刷の滲みを防止することができる。また、噴射孔
と印刷面との間の距離を大きくすれば、インクの噴射速
度が大きいため微粒化が促進され、広い面をむらなく印
刷できる。さらに、このような噴射孔と印刷面との間の
距離を制御しながら、被印刷物を噴射方向に対し直角方
向に移動すれば、印刷のむらや滲みのない状態で印刷の
幅を制御することができる。
【0096】また、本発明をボイラーの燃料噴射手段に
適用すれば、衝撃的高圧により燃料を噴射するので、燃
料の噴射速度が大きくなり、燃料が充分に微粒化する。
したがって、重油等の低揮発性の燃料であっても確実な
燃焼が可能になり、すすの発生を少なくして熱効率を高
めることができる。
【0097】また、本発明を内燃機関の潤滑油供給手段
に適用すれば、潤滑油は衝撃的高圧を利用して噴射され
るため、安定して確実な潤滑油供給ができ、円滑なエン
ジン駆動が達成される。
【0098】さらに、本発明を内燃機関の燃料噴射装置
に適用すれば、燃料は衝撃的高圧を利用して噴射される
ので、燃焼室内が高圧になっても燃料を噴射することが
できる。したがって、ガソリンエンジンにおいては、圧
縮行程終期の点火直前まで燃料噴射可能になり、またデ
ィーゼルエンジンのように燃焼継続中の高圧の燃焼室に
も燃料を確実に噴射することができる。この場合、燃料
噴射速度が大きくなることにより、燃料が微粒化し、燃
料が確実に気化するので、未燃焼成分の発生が抑制さ
れ、排気浄化性がよくなる。
【0099】このような内燃機関は、衝撃的高圧を利用
した燃料噴射を行うので、噴射速度を高め微粒化を促進
して、高圧燃焼室内へ確実に燃料を供給することが可能
になる。したがって、2サイクルおよび4サイクルのガ
ソリンエンジンにおける吸気管噴射や筒内噴射だけでな
く、ディーゼルエンジンに対しても充分適用可能にな
り、あらゆる運転状態で確実な燃料噴射が達成され、燃
焼効率が高く未燃ガス成分の発生を抑制して排気エミッ
ションを向上させ、信頼性が高くしかも汎用性の高い燃
料噴射装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した4サイクルエンジンの構成
図である。
【図2】 本発明に係る液体噴射装置の実施例の構成図
である。
【図3】 本発明に係る高圧発生装置の例を示す断面図
である。
【図4】 本発明に係るインジェクタの構成図である。
【図5】 本発明に係るインジェクタの別の例の構成図
である。
【図6】 本発明に係る高圧発生源の詳細構成図であ
る。
【図7】 本発明に係る高圧発生源の組立て状態の構成
図である。
【図8】 本発明に係る別の高圧発生源の組立て状態の
構成図である。
【図9】 本発明に係る別の高圧発生源の構成図であ
る。
【図10】 本発明に係るさらに別の高圧発生源の構成
説明図である。
【図11】 本発明に係るさらに別の高圧発生源の構成
説明図である。
【図12】 本発明に係る衝撃的高圧波と駆動信号のグ
ラフである。
【図13】 本発明を適用した2サイクルエンジンの構
成図である。
【図14】 本発明に係る噴射弁一体型の燃料噴射装置
の構成図である。
【図15】 噴射弁一体型の燃料噴射装置の別の実施例
の構成図である。
【符号の説明】
14:インジェクタ、15:燃料パイプ、15a:燃料
噴射通路、16:高圧発生装置、17:高圧発生源、1
7a:高圧波(衝撃波)付与面、22:燃料タンク、2
3:エア抜きパイプ、25:弁、32:加圧室、33:
吐出ポート、35:燃料導入ポート、W1:吐出ポート
の開口範囲、W2:高圧波付与面の範囲。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02M 63/06 F23D 11/34 B D0096 F23D 11/34 H01L 41/12 H01L 41/09 H05B 3/00 330Z 41/12 B41J 3/04 103B D0095 H05B 3/00 330 H01L 41/08 U

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体供給源と連通する加圧室と、 前記液体を噴射するための噴射孔と、 この噴射孔に前記加圧室から液体を導く噴射通路と、 前記加圧室内の液体に衝撃圧を付与する衝撃的高圧発生
    手段とを有し、 前記噴射通路内の液体を介して伝播した衝撃圧が到達し
    た時点で開となるように構成された弁手段を前記噴射孔
    近傍に配置し、 前記衝撃的高圧発生手段の液体に対する衝撃圧付与方向
    を、前記噴射通路の加圧室側端部の開口部に向け、 前記噴射孔の大きさより前記噴射通路の加圧室側端部の
    断面積を大きくし、 前記噴射通路の加圧室側端部の開口面の範囲内で対向す
    る位置に前記高圧発生手段の高圧波付与面を設けたこと
    を特徴とする液体噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記衝撃的高圧発生手段の動作時および
    非作動時ともに、前記噴射孔近傍の弁手段上流側から前
    記噴射通路の加圧室側端部までの噴射通路は全域にわた
    って常に開放状態であることを特徴とする請求項1に記
    載の液体噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記加圧室に臨んで、前記噴射通路の端
    部および前記液体供給源への連通路が開口し、 前記衝撃的高圧発生手段の衝撃圧付与面に対向する側の
    加圧室壁面には、前記噴射通路の端部のみを開口させた
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記弁手段は、前記噴射孔を境にして噴
    射通路側の液体圧力から、噴射する空間側の液体圧力を
    引いた値が所定値以下の場合に閉となるとともに、この
    弁手段に液体の衝撃的高圧が到達作用することにより開
    となるように構成したことを特徴とする請求項1、2ま
    たは3に記載の液体噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記弁手段は、この弁手段に液体の衝撃
    的高圧が到達するタイミングで弁を開とする弁開閉駆動
    手段を備えたことを特徴とする請求項1、2または3に
    記載の液体噴射装置。
  6. 【請求項6】 前記噴射通路を、その加圧室側端部から
    噴射孔方向に断面積が減少するように形成したことを特
    徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の液体噴
    射装置。
  7. 【請求項7】 前記衝撃的高圧発生手段の衝撃的高圧発
    生部は、電界の変化に応じて形状が変化する電歪素子で
    形成されたことを特徴とする請求項1から6までのいず
    れかに記載の液体噴射装置。
  8. 【請求項8】 前記衝撃的高圧発生手段の衝撃的高圧発
    生部は、磁界の変化に応じて形状が変化する磁歪素子で
    形成されたことを特徴とする請求項1から6までのいず
    れかに記載の液体噴射装置。
  9. 【請求項9】 前記衝撃的高圧発生手段の衝撃的高圧発
    生部は、前記加圧室内の液体に浸漬した一対の対向する
    放電電極により形成されたことを特徴とする請求項1か
    ら6までのいずれかに記載の液体噴射装置。
  10. 【請求項10】 前記衝撃的高圧発生手段の衝撃的高圧
    発生部は、前記加圧室内の液体に浸漬した電気放熱体に
    より形成されたことを特徴とする請求項1から6までの
    いずれかに記載の液体噴射装置。
  11. 【請求項11】 前記衝撃的高圧発生手段は、前記加圧
    室内の液体を照射するレーザー発光手段を備えたことを
    特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の液体
    噴射装置。
  12. 【請求項12】 前記液体噴射装置は、被印刷物にイン
    クを供給するためにインクを噴射する印刷装置のインク
    噴射手段として使用されたことを特徴とする請求項1か
    ら11までのいずれかに記載の液体噴射装置。
  13. 【請求項13】 前記液体噴射装置は、ボイラーの燃焼
    室に燃料を供給する燃料噴射手段として使用されたこと
    を特徴とする請求項1から11までのいずれかに記載の
    液体噴射装置。
  14. 【請求項14】 前記液体噴射装置は、内燃機関に潤滑
    油を供給するために潤滑油を噴射する内燃機関の潤滑油
    供給手段として使用されたことを特徴とする請求項1か
    ら11までのいずれかに記載の液体噴射装置。
  15. 【請求項15】 前記液体噴射装置は、内燃機関の吸気
    系または燃焼室に直接燃料を噴射する内燃機関の燃料噴
    射装置として使用されたことを特徴とする請求項1から
    11までのいずれかに記載の液体噴射装置。
  16. 【請求項16】 請求項15の液体噴射装置を搭載した
    ことを特徴とする燃料噴射式内燃機関。
JP8226564A 1996-08-26 1996-08-28 液体噴射装置 Pending JPH1066903A (ja)

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