JPH1065386A - 電磁波シールド用メッシュ、電磁波シールド方法および電磁波シールド用パネル - Google Patents

電磁波シールド用メッシュ、電磁波シールド方法および電磁波シールド用パネル

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Publication number
JPH1065386A
JPH1065386A JP8222743A JP22274396A JPH1065386A JP H1065386 A JPH1065386 A JP H1065386A JP 8222743 A JP8222743 A JP 8222743A JP 22274396 A JP22274396 A JP 22274396A JP H1065386 A JPH1065386 A JP H1065386A
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JP
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mesh
electromagnetic wave
wave shielding
panel
frame member
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JP8222743A
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English (en)
Inventor
Takanari Terakawa
隆成 寺川
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Tokimec Inc
Original Assignee
Tokimec Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁波シールド用メッシュ、および、これを
用い、構造が簡単で、組み立てが容易な、電磁波シール
ド用パネルを提供する。 【解決手段】 パネルの外縁を構成する枠部材100
と、枠部材100が形成する開口101を覆う電磁波シ
ールド用メッシュ200と、電磁波シールド用メッシュ
200を枠部材100に固定するための固定部材300
とを備える。枠部材100は、電磁波シールド用メッシ
ュ200を取り付けるべき面に、開口101を囲む状態
で凹溝111を有する。上記固定部材300は、弾性材
料で構成され、それ自身が凹溝111内に嵌合できる形
状を有し、電磁波シールド用メッシュ200で枠部材1
00の開口101を一方の面を覆った状態で、上記固定
部材300を凹溝111に嵌合させて、電磁波シールド
用メッシュ200の凹溝111上にある部分を凹溝11
1内に押し込んで固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導線を用いて構成
される電磁波シールド用メッシュ、電磁波シールド方法
および電磁波シールド用パネルに係り、特に、光や空気
の透過特性を良好に保持しつつ、高シールド特性を実現
することができる電磁波シールド用メッシュ、電磁波シ
ールド方法および電磁波シールド用パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】導体を編み込んだメッシュを用いて電磁
波シールドを行う場合、市販の金網を利用することが一
般的である。これらのメッシュによる電磁波シールドで
は、高いシールド特性の確保は、もっぱらメッシュの細
かさに求めている。しかし、電磁波のシールドをメッシ
ュにより行う必然性は、光や空気の透過機能も併せて求
めることにある。また、併せて、機械的強度をも期待さ
れることは言うまでもない。
【0003】メッシュを用いて電磁波シールドを行わね
ばならない場合の代表的な例として、医療施設における
核磁気共鳴画像診断装置(MRI)の撮影室患者監視窓
がある。この患者監視窓は、撮影室内に患者のみを入室
させ、装置操作者が室内の状況を監視するためのもので
ある。従って、この場合に、メッシュに求められる機能
は、電磁波シールド機能と共に、光透過率の良さ(室内
の見やすさ)である。また、メッシュを用いて電磁波シ
ールドを行なうことが求められる他の例として、一般の
研究室、生産工場などで使用されるシールド・ルームの
空調口における電磁波シールドにメッシュがある。この
場合に用いられるメッシュには、空気の透過率の良さが
求められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】つまり、メッシュを用
いて電磁波をシールドする場合、メッシュに求められる
機能は、(1)光或いは空気の透過性(一般にメッシュ
の開口率と呼ばれている値で定義される)、(2)高シ
ールド特性(対周波数シールド効果)、および、(3)
機械的強度の3点である。
【0005】しかし、上述したように、従来の電磁波シ
ールド用メッシュでは、高シールド特性を求めるとする
と、メッシュを細かくすることになるため、光或いは空
気の透過性が悪くなり、一方、光或いは空気の透過性を
よくしようとすると、メッシュが粗くなって、シールド
性能が低下するという問題があった。
【0006】本発明の第1の目的は、光や空気の透過特
性を良好に保持しつつ、高シールド特性を実現する電磁
波シールド用メッシュおよび電磁波シールド方法を提供
することにある。
【0007】また、従来、メッシュを用いた電磁波シー
ルド用のパネルは、メッシュをパネルの構造材に固定す
るための機構が複雑で、組み立てがしにくいという問題
があった。一方、簡易な構造もあるが、それでは、必要
なシールド特性を得にくいという問題がある。
【0008】さらに、従来の電磁波シールド用メッシュ
では、高シールド特性を求めるとすると、メッシュを細
かくすることになるため、光或いは空気の透過性が悪く
なり、一方、光或いは空気の透過性をよくしようとする
と、メッシュが粗くなって、シールド性能が低下すると
いう問題があった。
【0009】本発明の第2の目的は、電磁波シールド用
メッシュを用い、構造が簡単で、組み立てが容易な電磁
波シールド用パネルを提供することにある。
【0010】また、本発明の第3の目的は、光や空気の
透過特性を良好に保持しつつ、高シールド特性を実現す
る電磁波シールド用パネルを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明の第1の態様によれば、導線を用いて形
成される電磁波シールド用メッシュにおいて、メッシュ
を構成する導線の線径dと、その線間隔aとが、
【0012】
【数4】
【0013】の関係にあることを特徴とする電磁波シー
ルド用メッシュが提供される。
【0014】上記導線の線径は、好ましくは、1mm以
下とする。
【0015】また、本発明の第2の態様によれば、空間
において電磁波シールドを行なう方法において、電磁波
をシールドすべき空間の面に、導線をメッシュ状に配置
し、かつ、導線のメッシュ状配置は、メッシュを構成す
る導線の線径dと、その線間隔aとが、上記(1)式の
関係にあることを特徴とする電磁波シールド方法が提供
される。
【0016】上記第2の目的を達成するため、本発明の
第3の態様によれば、電磁波シールド用パネルにおい
て、パネルの外縁を構成する枠部材と、枠部材が形成す
る開口を覆う電磁波シールド用メッシュと、電磁波シー
ルド用メッシュを枠部材に固定するための固定部材とを
備え、枠部材は、電磁波シールド用メッシュを取り付け
るべき面に、開口を囲む状態で凹溝を有し、上記固定部
材は、弾性材料で構成され、それ自身が凹溝内に嵌合で
きる形状を有し、電磁波シールド用メッシュで枠部材の
開口の少なくとも一方の面を覆った状態で、上記固定部
材を凹溝に嵌合させて、電磁波シールド用メッシュの凹
溝上にある部分を凹溝内に押し込んで固定したことを特
徴とする電磁波シールド用パネルが提供される。
【0017】上記第3の目的を達成するため、本発明の
第4の態様によれば、上記第3の態様の電磁波シールド
用メッシュとして、導線を用いて形成され、メッシュを
構成する導線の線径dと、その線間隔aとが、上記
(1)式の関係にある電磁波シールド用メッシュを用い
た電磁波シールド用パネルが提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を述べ
るに先立ち、本発明の原理について、図1および図2を
参照して説明する。
【0019】従来、電磁波シールド機能を導体メッシュ
によって実現する場合、シールド性能は、もっぱらメッ
シュの目の細かさに求められていた。これは、導体メッ
シュによる電磁波シールドの理論的な解析が行われず、
単に、経験的な推論によってのみメッシュの設計がなさ
れていたためである。本発明者は、導体メッシュによる
電磁波シールドについての理論的な解析を行って、単
に、使用メッシュの細かさのみならず、メッシュを構成
する電気的良導体線の線径も大きく影響することを見出
した。特に、メッシュを構成する電気的良導体線の中心
間隔aと線径dとを、上述した(1)式の範囲に選ぶこ
とにより、効果的なシールド特性が得られることを見出
した。本発明は、発明者による新たな知見に基づいてな
されたものである。
【0020】図1はメッシュの電磁波シールド機能を示
す概念図である。図1では、大気空間に無限大メッシュ
が置かれ、平面波が、この無限大メッシュに垂直入射す
る場合を示している。電磁波シールドに有効な電気的良
導体金属線は、入射電界に平行な部分である。なお、図
1では、説明を簡単にするため、一方向の導体線群のみ
を示すが、この導体線群に直交する電界に対しては、メ
ッシュを形成するもう一方の直交する導体線群が、シー
ルドに有効となる。従って、実際には、この図1に示す
導体線群と直交する導体線群が配置される。
【0021】図2は、電気的良導体として、図1に示す
線径dなるメッシュ素線(例えば、金属線)を間隔aで
配置した平行線群で作る平面に平面波が垂直入射した場
合の等価回路である。ここで、Z0は、大気中の電波イ
ンピーダンスである。
【0022】図2における平行線群で反射される電磁波
の振幅反射率Γは、
【0023】
【数5】
【0024】と表すことができる。
【0025】ここで、上記大気中の電波インピーダンス
0と、入力インピーダンスZinとの比は、
【0026】
【数6】
【0027】である。従って、式(10)に式(1)を
代入することにより、振幅反射率の絶対値|Γ|は、
【0028】
【数7】
【0029】である。ここで、振幅透過率の自乗|T|
2は、上記振幅反射率Γによって、
【0030】
【数8】
【0031】と書けるから、式(13)に式(12)を
代入し、
【0032】
【数9】
【0033】を得る。
【0034】ここで、図2における回路素子の値は、
「ウェーブガイド ハンドブック(Waveguide Handboo
k)」(N.Marcuvity著、Peter Peregrinus Ltd.、19
51年発行)285〜286頁に記載されている。すな
わち、
【0035】
【数10】
【0036】という条件のもとでは、θ=0のとき、
【0037】
【数11】
【0038】であり、また、
【0039】
【数12】
【0040】である。
【0041】式(15)および式(16)を式(14)
に代入すると、式(14)の分母は、1より大きいこと
が示される。従って、
【0042】
【数13】
【0043】が常に成り立つ。そこで、以後、シールド
メッシュの遮蔽効果の検討は、
【0044】
【数14】
【0045】をもって行う。すなわち、
【0046】
【数15】
【0047】を用いる。
【0048】ここで、一般に、実用されるシールドメッ
シュにおいて、a<5mm、λ>300mmと考えられ
る。従って、
【0049】
【数16】
【0050】とみなすことができる。式(21)の条件
を式(20)に適用すると、
【0051】
【数17】
【0052】とできる。よって、以後、(28)式をも
って検討を進める。
【0053】一方、
【0054】
【数18】
【0055】となるときは、式(20)は、
【0056】
【数19】
【0057】と扱うべきである。例えば、
【0058】
【数20】
【0059】すなわち、
【0060】
【数21】
【0061】であるとき、式(29)を満たす。具体的
には、a=5mm、λ=300mmのとき、
【0062】
【数22】
【0063】となり、シールド効果は、100dBとな
る。
【0064】なお、
【0065】
【数23】
【0066】であるときは、式(20)の形で取り扱う
べきであると考えられる。
【0067】式(28)に戻り、シールドメッシュの検
討を続ける。ここに、波長がλ(mm)以下の電磁波の
シールドを対象とし、そのシールド性能をδとすると、
【0068】
【数24】
【0069】であるから、式(28)と式(34)とか
ら、
【0070】
【数25】
【0071】を得る。
【0072】ここで、
【0073】
【数26】
【0074】と置くと、
【0075】
【数27】
【0076】と展開できる。
【0077】一方、δ<<1なることが、高いシールド
効果を呈する条件であるから、 |ξ|<1 …(38) とみなすことができ、
【0078】
【数28】
【0079】と近似することができる。
【0080】そして、式(36)から、
【0081】
【数29】
【0082】であるから、式(38)の条件は、
【0083】
【数30】
【0084】とかける。
【0085】よって、これを式(35)に代入し、
【0086】
【数31】
【0087】を得る。すなわち、式(42)は、
【0088】
【数32】
【0089】および、
【0090】
【数33】
【0091】である。よって、
【0092】
【数34】
【0093】となる。式(45)の左辺、および、式
(46)の左辺を、
【0094】
【数35】
【0095】とかいて、 f1(a)=0 …(49) f2(a)=0 …(50) とおく。式(49)、式(50)のグラフを図13に示
す。式(49)の解、および、式(50)の解は、それ
ぞれ、
【0096】
【数36】
【0097】とかける。ここで、d、aは、常に0より
大であるから、
【0098】
【数37】
【0099】、および、
【0100】
【数38】
【0101】となる。
【0102】ここで、D1、D2が実数ならば、常に、D
1>D2であるから、aは、
【0103】
【数39】
【0104】または、
【0105】
【数40】
【0106】である。
【0107】一方、D2が虚数、つまり、
【0108】
【数41】
【0109】ならば、
【0110】
【数42】
【0111】である。
【0112】よって、メッシュを透過する波長λ以上の
電磁波の電力透過関数をδ以下とする場合の、シールド
メッシュに与えられる、線径dと間隔aとに付与すべ
き、理論上の条件は、次のようにまとめられる。
【0113】線径d(mm)、線間距離a(mm)のメ
ッシュで、波長λ(mm)以上の波長の電磁波を、電力
通過係数δ以下に遮断したいとき、dとaとは、以下の
ように定める。
【0114】第1に、
【0115】
【数43】
【0116】を満足する線径の導線を採用したいとき
は、
【0117】
【数44】
【0118】にaを設定する。
【0119】このとき、δ→0であっても、D1>πd
である。従って、d<a<πdとなるから、式(58)
は、δ、λの如何に拘わらず成立する。
【0120】第2に、
【0121】
【数45】
【0122】を満足する線径の導線を採用したいとき
は、
【0123】
【数46】
【0124】にaを設定するか、または、
【0125】
【数47】
【0126】に設定する。
【0127】以上は、シールド効果、つまり、波長λ以
上の電磁波の電力透過関数をδ以下とする場合の、メッ
シュに与えられた線径dと間隔aに付与する理論上の条
件である。但し、式(39)における近似を用いている
ため、厳密解から若干誤差があることを付記しておく。
【0128】しかし、一方には、工業的に、容易に実現
されるための条件も必要となってくる。そこで、以上の
理論上の条件を、実現性の容易さという工業的観点か
ら、数値検討を試みることにする。
【0129】上記式(60)に示されるときは、
【0130】
【数48】
【0131】であることが必要となる。すなわち、間隔
aは、線径dより小ではない。ゆえに、
【0132】
【数49】
【0133】となる。このときは、
【0134】
【数50】
【0135】であることが必要である。この不等式(6
5)は、
【0136】
【数51】
【0137】となり、
【0138】
【数52】
【0139】であるから、
【0140】
【数53】
【0141】であるから、
【0142】
【数54】
【0143】のとき、
【0144】
【数55】
【0145】となる。また、
【0146】
【数56】
【0147】のとき、
【0148】
【数57】
【0149】となる。式(71)および式(73)の場
合は、線間に殆ど間隔が無くなる。
【0150】従って、
【0151】
【数58】
【0152】は、除外すべきである。
【0153】よって、
【0154】
【数59】
【0155】のときは、
【0156】
【数60】
【0157】と設定すべきである。
【0158】従って、理論的な条件に、工業的な観点で
検討を加えた条件を、まとめると、次のように結論でき
る。
【0159】大気中を伝搬する電磁波を遮蔽する目的に
使用されるシールドメッシュの設計において、メッシュ
に使用される導線の線径d(mm)と、導線相互の間隔
a(mm)とは、λより長い波長の電磁波を遮蔽対象と
し、遮蔽率δ以下にするために、
【0160】
【数61】
【0161】とする。また、
【0162】
【数62】
【0163】とする。
【0164】即ち、電磁波シールドを目的としてメッシ
ュを使用する場合には、使用メッシュの電気的良導体線
の中心間隔aと線径dとを上述の不等式(77)および
不等式(78)に従って選択することが必要と言える。
【0165】他方、一般に、電磁波シールド機能を目的
としてメッシュを使用する理由には、光の透過性、空気
の流通性等を確保することがある。また、この目的に使
用するメッシュの実現には、工業的に製作しやすいこと
も重要な要素となる。メッシュにおける光の透過性また
は空気流通性は、光または空気の透過を妨げるメッシュ
素線の線径dと素線間隔aで定義される。これを、メッ
シュの開口率と呼んでいる。つまり、開口率γは、次式
で定義され、γが1に近い程光や空気の透過性が良いこ
とになる。
【0166】
【数63】
【0167】従って、メッシュ素線の線径dと素線間隔
aを、上記(77)、(78)式の条件を満たし、か
つ、上記(5)式の関係から、可能な限り大きなγとな
る値とすることにより、光や空気の透過特性を良好に保
持しつつ、高シールド特性を実現する電磁波シールドが
導体メッシュによって実現できる。
【0168】以下、本発明の実施の形態について、詳細
に説明する。
【0169】図3は、本発明の電磁波シールド用メッシ
ュの一実施例を示す。図3に示すメッシュ10は、経糸
11および緯糸12として導電性のある素線をそれぞれ
用いて織ったものである。素線は、導電性があればよ
く、例えば、銅線、しんちゅう線、ステンレス線等の金
属線が用いられる。金属線以外にも、表面に金属をコー
ティングしたり、導電性の繊維を混織して、導電性を持
たせた糸を用いることができる。また、素線は、可撓性
が大きく、また、できるだけ軽量であることが好まし
い。可撓性を大きくすることにより、メッシュの使い勝
手を向上することができる。また、軽量とすることによ
り、メッシュの支持を容易にすることができる。
【0170】図3に示す電磁シールドメッシュの構造に
ついて、シールド性能の観点からさらに説明する。
【0171】ところで、メッシュを用いて電磁波をシー
ルドする場合、メッシュに求められる機能は、上述した
ように、(1)光或いは空気の透過性(開口率)、
(2)高シールド特性(対周波数シールド効果)、およ
び、(3)機械的強度の3点である。
【0172】まず、(3)の機械的強度について検討す
る。機械的強度は、工業的にメッシュを形成する上で、
製造コストを増大させることなく容易にメッシュを製作
することができ、しかも、機械的に丈夫であることとい
う要求であることを意味する。すなわち、機械的に丈夫
ということのみであれば、線径が太い金属線を用いるこ
とで対応できる。しかし、織機で織る際の容易性、メッ
シュに形成された後における加工の容易さおよび折りた
たむなどの際の変形の容易性、重量等を考慮すると、線
径は細いことが望まれる。そこで、これらの得失を考慮
すると、大量生産できて、低コスト化が可能であるこ
と、軽量で可撓性を有し、取り扱いが容易であること等
を考慮すると、素線の線径dは、一般的には、1mm以
下に採るべきであろう。
【0173】次に、(1)の開口率は、通風、採光等を
考慮して定める。これは、大きな値とするほど、通風
性、採光が向上する。従って、γの値を0.5以上に採
ることで、満足されると思われる。
【0174】さらに、(2)の高シールド特性(対周波
数シールド効果)は、遮断を要する周波数帯域におい
て、必要な遮蔽性能を持つ電磁波シールド用メッシュを
得るために、必要な使用電気的良導体の線径dとその間
隔aとを、
【0175】
【数64】
【0176】を満たすように定め、また、
【0177】
【数65】
【0178】を満たすように定める。
【0179】ここで、さらに、メッシュの通風性または
採光性について求められる一般的要求を満たす開口率γ
として、γ≧0.5とすれば、上記(1)式の下限は、
2≦(a/d)となる。従って、電磁波シールド用メッ
シュに求められる条件は
【0180】
【数66】
【0181】で与えられ、また、
【0182】
【数67】
【0183】で与えられる。
【0184】ここで、本実施の形態におけるメッシュの
具体例について説明する。この具体例では、
【0185】
【数68】
【0186】であるメッシュを設計する場合(I)と、
【0187】
【数69】
【0188】であるメッシュを設計する場合(II)と
について説明する。
【0189】まず、上記(I)の場合について説明す
る。この場合について、1GHz以下の周波数の電磁波
をシールド対象とするメッシュを想定した場合に、電力
透過率δを10-4(40dB)としたときの例(A)、
および、10-6(60dB)としたときの例(B)、さ
らに、3GHz以下の周波数の電磁波をシールド対象と
するメッシュを想定した場合に、電力透過率δを10-4
(40dB)としたときの例(C)、および、10
-6(60dB)としたときの例(D)について述べる。
【0190】(A)λ=300(mm)、δ=10-4
とき、
【0191】
【数70】
【0192】であるから、線径dを1.9mm以下にす
る場合である。従って、
【0193】
【数71】
【0194】となり、aは、
【0195】
【数72】
【0196】に設定すればよい。
【0197】ここで、工業的には、線径dが、1mm以
上のメッシュは、加工が容易ではないから、上記(I)
の場合を考えれば十分である。
【0198】具体的には、 (a)線径dが1mmのとき、1<a<4.2となる。
ここで、線間隔aを4mmと選ぶと、遮蔽率は、41.
5dBである。
【0199】(b)線径dが0.5mmのとき、1<a
<2.5となる。ここで、線間隔aを2.5mmと選ぶ
と、遮蔽率は、42.2dBである。
【0200】(c)線径dが0.25mmのとき、1<
a<1.5となる。ここで、線間隔aを1.5mと選ぶ
と、遮蔽率は、43.8dBである。
【0201】(B)λ=300(mm)、δ=10-6
とき、
【0202】
【数73】
【0203】であるから、線径dを0.19mm以下に
する場合である。従って、
【0204】
【数74】
【0205】となり、aは、
【0206】
【数75】
【0207】に設定すればよい。
【0208】具体的には、 (a)線径dが0.19mmのとき、0.19<a<
0.72となる。ここで、線間隔aを0.72mmと選
ぶと、遮蔽率は、61dBである。また、このときの開
口率γは、74%である。
【0209】(b)線径dが0.14mmのとき、0.
14<a<0.55となる。ここで、線間隔aを0.5
5mmと選ぶと、遮蔽率は、62dBである。また、こ
のときの開口率γは、75%である。
【0210】(c)線径dが0.1mmのとき、0.1
4<a<0.42となる。ここで、線間隔aを0.42
mmと選ぶと、遮蔽率は、62dBである。また、この
ときの開口率γは、76%である。
【0211】(C)λ=100(mm)、δ=10-4
とき、 d<0.63 …(88) であるから、
【0212】
【数76】
【0213】となり、aは、
【0214】
【数77】
【0215】に設定すればよい。
【0216】具体的には、 (a)線径dが0.6mmのとき、0.6<a<2.2
となる。ここで、線間隔aを2.2mmと選ぶと、遮蔽
率は、43dBである。また、開口率γは、73%であ
る。
【0217】(b)線径dが0.5mmのとき、0.5
<a<1.9となる。ここで、線間隔aを1.9mmと
選ぶと、遮蔽率は、43dBである。また、開口率γ
は、74%である。
【0218】(c)線径dが0.25mmのとき、0.
25<a<1.1となる。ここで、線間隔aを1.1m
と選ぶと、遮蔽率は、42.3dBである。また、開口
率γは、77%である。
【0219】(D)λ=100(mm)、δ=10-6
とき、 d<0.063 …(94) であるから、
【0220】
【数78】
【0221】となり、aは、
【0222】
【数79】
【0223】に設定すればよい。
【0224】具体的には、線径dが0.06mmのと
き、0.06<a<0.22となる。ここで、線間隔a
を0.22mmと選ぶと、遮蔽率は、63dBである。
また、このときの開口率γは、73%である。
【0225】次に、上記(II)の場合について説明す
る。この場合について、1GHz以下の周波数の電磁波
をシールド対象とするメッシュを想定した場合に、電力
透過率δを10-6(60dB)としたときの例(B’)
について述べる。すなわち、上記(B)の例で、より太
い線を用いて、機械的強度が大きいシールドメッシュが
要求される場合に好適な例である。
【0226】(B’)λ=300(mm)、δ=10-6
のとき、
【0227】
【数80】
【0228】である。従って、
【0229】
【数81】
【0230】に設定すればよい。
【0231】具体的には、 (a)線径dが0.2mmのとき、0.46<a<0.
78となる。ここで、線間隔aを0.78mmと選ぶ
と、遮蔽率は、59dBである。また、このときの開口
率γは、74%である。
【0232】(b)線径dが0.25mmのとき、0.
59<a<0.91となる。ここで、線間隔aを0.9
1mmと選ぶと、遮蔽率は、61dBである。また、こ
のときの開口率γは、73%である。
【0233】(c)線径dが0.3mmのとき、0.7
6<a<1.0となる。ここで、線間隔aを1.0mm
と選ぶと、遮蔽率は、68dBである。また、このとき
の開口率γは、70%である。
【0234】以上に述べたように、本実施の形態による
電磁波シールドメッシュは、メッシュであるにもかかわ
らず、遮蔽性能を十分大きくとることができ、しかも、
開口率もある程度大きく確保できる。そのため、本発明
の電磁波シールドメッシュは、これによりテント状の構
造体を形成して、電磁波遮蔽空間を構成することができ
る。また、フレームを組み立てて、それに取り付けるこ
とにより、または、天井から吊り下げることにより、通
気性および採光が十分な電磁シールドルームを構成する
ことができる。この他、電磁波遮蔽衣服の材料として、
また、機器類を包むことができる電磁波遮蔽シートの材
料として、さらに、ケーブルを被う電磁波遮蔽チューブ
の材料として用いることができる。
【0235】次に、本発明の電磁波シールド用パネルに
関する実施の形態について説明する。まず、図4
(A)、(B)および(C)と、図5とを参照して、本
発明の電磁波シールド用パネルの構成の概要について説
明する。
【0236】本発明の電磁波シールド用パネルは、図4
(B)に示すように、枠部材100と、電磁波シールド
用メッシュ200と、固定部材300とを備える。枠部
材100は、上枠材102、下枠材103および縦枠材
104,105とで形成され、パネルの外縁を構成し、
内側に開口101を構成する。また、枠部材100に
は、開口101を仕切る、1または2以上の横桟150
を設けることができる。枠部材100および横桟150
は、それぞれ中空の断面矩形状の構造を有し、例えば、
それぞれ押し出し形材で形成することができる。また、
材料としては、例えば、アルミニウムが用いられる。
【0237】パネル下方の開口には、化粧板400が取
り付けられている。なお、図4(B)では、化粧板40
0は、電磁波シールド用メッシュ200の下層に設けら
れている。従って、化粧板400は、電磁波シールド用
メッシュ200に覆われる状態にある。もちろん、化粧
板400で電磁波シールド用メッシュ200を覆う状態
としてもよい。また、化粧板400を導体で形成して、
電磁波が漏れない状態で、開口101を覆う場合には、
その部分は、電磁波シールド用メッシュ200で覆わな
いようにしてもよい。
【0238】枠部材100には、少なくとも一方の面
に、開口101を囲むように凹溝111が設けられてい
る。凹溝111は、上枠材102の凹溝112と、下枠
材103の凹溝113と、縦枠材104の凹溝114
と、縦枠材105の凹溝115とで構成され、これらの
溝は、本実施例では、連続し、環状になっている。ま
た、凹溝111は、パネルの両面に設けることができ
る。図5は、両面に凹溝111が設けられている例を示
す。また、横桟150にも、凹溝151が設けられる。
もちろん、この溝151もパネルの両面に設けられるこ
とができる。凹溝111,151は、例えば、枠部材1
00および横桟150を押し出し成形する際、併せて形
成することができる。
【0239】なお、凹溝111,151は、一般的に
は、方形溝とするが、これに限られない。あり溝構造で
あってもよい。
【0240】枠部材100の外周、例えば、図5に示す
ように、上枠材102の部分には、折り曲げた電磁波シ
ールド用メッシュ200の外縁部を固定するための接着
部材が設けてある。この部材としては、例えば、両面テ
ープ350が用いられる。
【0241】電磁波シールド用メッシュ200は、少な
くとも、パネルの開口101を覆う大きさ、好ましく
は、その外縁がパネルの外周の外側にでる形状および大
きさのものが用いられる。すなわち、パネルの少なくと
も一方の面の全体を覆うことができる大きさとする。電
磁波シールド用メッシュ200は、その外縁部が、原則
として、枠部材100の面に密着して固定する。例え
ば、電磁波シールド用メッシュ200の上方側の外縁部
は、図4(C)に示すように、外縁を密着面側に折り返
して、上枠材102に接着する。また、電磁波シールド
用メッシュ200の下方側の外縁部は、一方の面のメッ
シュと他方の面のメッシュとを重ね合わせて、下枠材1
03に密着して固定する。電磁波シールド用メッシュ2
00の側方側の外縁部の一方は、外縁を密着面側に折り
返して縦枠材104の側面に密着して固定する。さら
に、電磁波シールド用メッシュ200の側方側の外縁部
の他方は、外縁を密着面側に折り返して縦枠材104の
凹溝115のより外周側の面に密着して固定する。
【0242】電磁波シールド用メッシュ200は、上述
した(1)または(6)式に示す条件を満たすように、
素線の線径dおよび間隔aを選定したものを用いること
が好ましい。
【0243】固定部材300は、それ自身が弾力性を有
する弾性部材で構成される。例えば、ゴムを棒状に成形
した部材で構成される。その長さは、枠部材100の各
辺に設けられる凹溝112,113,114,115の
長さに応じた長さのものが用いられる。また、横桟15
0に設けられる凹溝151の長さに応じた長さのものが
用いられる。もちろん、1つの辺に、短いものを複数本
配置してもよい。さらに、固定部材300は、凹溝11
1の全周に相当する長さのリング状のものを用いてもよ
い。
【0244】この固定部材300の断面形状および大き
さは、弾性変形した状態で凹溝111または151に嵌
合して、容易に抜けないようになる形状および大きさで
あればよい。例えば、凹溝111,151の横幅の内寸
以上の大きさの直径を持つ円形断面のもの、少なくとも
一辺が上記内寸以上の長さの角形断面のもの等を用いる
ことができる。固定部材300の超右傾または辺の長さ
は、内寸と同じ大きさであってもよい。それは、電磁波
シールド用メッシュ200と共に凹溝111,151に
嵌合されるので、メッシュ200の厚さの2倍分の変形
を伴うことになり、抜けにくくなるからである。
【0245】この固定部材300の装着は、電磁波シー
ルド用メッシュ200で枠部材100の開口101の少
なくとも一方の面を覆った状態で、上記固定部材300
をメッシュ200の上から凹溝111に嵌合させて、電
磁波シールド用メッシュ200の凹溝111上にある部
分を凹溝111内に押し込んで固定する。また、横桟1
50においても、同様に、凹溝151に、その上に置か
れているメッシュ200を凹溝151に押し込む形で固
定部材300を凹溝151に嵌合させる。電磁波シール
ド用メッシュ200がパネルの両面に配置される場合に
は、これにより、電磁波シールド用メッシュ200は、
少なくとも凹溝111の部分で、枠部材110に密着し
て、開口101からの電磁波の漏れを抑えることができ
る。また、電磁波シールド用メッシュ200そのものを
枠部材100に固定することにもなる。
【0246】固定部材300は、凹溝111の開口部
に、凹溝111と平行に置いて、上から押し込むこと
で、簡単に嵌合させることができる。また、外す場合
は、ドライバ等の先端で一部を引き出した後、その部分
をひっぱり上げることにより、凹溝111から引きはが
すことができる。
【0247】以下、本発明の具体的な実施形態について
説明する。以下の実施形態は、本発明の電磁波シールド
用パネルを用いてシールドルームを構築する例である。
【0248】図6は、本発明の電磁波シールド用パネル
を用いて組み立てられたシールドルームを天井側から見
た平面図である。同図に示すように、シールドルーム
は、天井面と、4つの壁面とで囲まれた直方体形状に構
成される。天井面は、図6に示すように、正方形状に設
けられ、2枚の電磁波シールド用パネルP1,P1で覆
われる。また、周囲は、それぞれの面が2枚の電磁波シ
ールド用パネルP2,P2で囲まれる(図7参照)。た
だし、一つの面では、シールド用パネルに代えて、密閉
時に電磁波シールドできるシールドドアを有するドアユ
ニットDが配置される(図8参照)。また、他の一つの
面では、電磁波シールド用パネルP2に代えて、フィル
タパネルを有するパネルP3が配置される(図9参
照)。さらに、床面は、電磁波シールド用メッシュMが
敷かれ、その上に、壁面が設けられる(図10参照)。
【0249】また、図6、7、8、9に示すように、シ
ールドルームは、各パネルP1,P2,P3と、ドアユ
ニットDとを連結して、天井および壁面を構成するため
の連結部材800を有する。連結部材800は、天井部
用として、図6、図11および図12に示すように、天
井部を囲んで正方形を構成する4本のアングル材801
と、隣接するパネル相互の接続のための平板802と、
天井部と壁面部の接続部に用いられる平板803と、こ
れらの接続に用いられるボルト804およびナット80
5と、平板802を相互に連結するためのボルト806
およびナット807と、抜け防止用割りピン809とを
備える。また、壁面パネル用として、図7,8,9に示
すように、天井用パネルP1,P1を支持するアングル
材801を支持して、立体的な直方体の空間を形成する
ためのアングル材811(図7,8,9参照)と、隣接
するパネルをシールドルーム内側および外側で固定する
ための平板812(内面側は図示せず)と、平板812
を内外から固定するためのボルト813およびナット
(図示せず)とを備える。
【0250】まず、電磁波シールド用パネルについて、
図6、図7、図8および図9を参照して説明する。な
お、以下に述べる電磁波シールド用パネルは、その基本
構造については、図4および図5に示すものと同様であ
るので、細部については説明を省略する。また、図6、
図7、図8および図9では、表記の便宜上、電磁波シー
ルド用メッシュ200を一部のみ示す。
【0251】図6に示す天井用シールドパネルP1は、
長手方向長さが異なる他は、基本的には、図4に示すパ
ネルと同様に構成される。すなわち、アルミニウム押し
出し形材で形成される枠部材100と、その枠部材10
0が形成する開口101を覆う電磁波シールド用メッシ
ュ200と、電磁波シールド用メッシュ200を枠部材
に固定するための固定部材300とで構成される。枠部
材100には、アルミニウム押し出し形材で形成される
横桟150が設けられている。電磁波シールド用メッシ
ュ200は、線径dが0.23mm、線間隔aが0.7
5mmのメッシュが用いられる。また、本実施例の場
合、このメッシュを枠部材の表裏両面に設ける。
【0252】図7は、シールドルームの壁面の一つの面
を示す。このパネルP2は、アルミニウム押し出し形材
で形成される枠部材100と、その枠部材100が形成
する開口101を覆う電磁波シールド用メッシュ200
と、電磁波シールド用メッシュ200を枠部材に固定す
るための固定部材300とで構成される。枠部材100
には、アルミニウム押し出し形材で形成される横桟15
0が2本設けられている。この面で用いられる電磁波シ
ールド用パネルP2は、アルミニウム板からなる化粧板
400を電磁波シールド用メッシュの上に配置すること
を除いては、図4に示すものと同じである。なお、この
パネルP2で用いられるメッシュ200は、上記パネル
P1のものと同一のものが用いられる。
【0253】図8は、2枚のパネルのうち1枚がドアユ
ニットDである例を示す。パネルP2は、上記図7に示
すパネルP2と同じである。ドアユニットDは、シール
ド加工したシールドドア500と、このシールドドア5
00を支持するドアユニットパネル550とを有する。
このシールドドア500は、縦方向の一辺側がヒンジ5
03でドアユニットパネル550に回動可能に取り付け
られる。また、ドア500は、縦方向の他の辺側に、ド
ア500の周囲をドアユニットパネル550の開口部内
の段差部(図示せず)密着させるためのロック機構50
2が3ヵ所に設けてある。
【0254】図9は、2枚のパネルのうち1枚がフィル
タパネル付きのパネルP3である例を示す。なお、他の
1枚のパネルP2は、パネルP3は、アルミニウム押し
出し形材で形成される枠部材100と、その枠部材10
0が形成する開口101を覆う電磁波シールド用メッシ
ュ200と、電磁波シールド用メッシュ200を枠部材
に固定するための固定部材300と、フィルタパネル6
00と、化粧板400とで構成される。すなわち、この
パネルP3は、同図に示すパネルP2の開口101の一
部に、横桟150を追加して、フィルタパネル600を
装着したものである。なお、このパネルP3で用いられ
るメッシュ200は、上記パネルP2のものと同一のも
のが用いられる。
【0255】図10は、シールドルームの床構造と壁面
パネルとの結合の状態の一例を示す。図10に示す例
は、床面Fに、パネルの枠部材100を受けるためのチ
ャネル材701と枠部材100をチャネル材701に固
定するためのボルト702とが設定される。また、床面
Fには、電磁波シールド用メッシュ200が敷かれてい
る。このメッシュ200は、チャネル材701内まで敷
かれている。枠部材100は、その下端側、すなわち、
下枠材103がチャネル材701内に置かれ、側面から
ボルト702で押圧固定される。このとき、下枠材10
3の下端面には、枠部材の表裏両面を覆う電磁波シール
ド用メッシュ200の互いに折り重ねられた外縁部分
と、予め敷かれる床面用の電磁波シールド用メッシュ2
00とが重なりあう。
【0256】次に、本シールドルームの組み立て例につ
いて説明する。
【0257】組み立てに際し、まず、設定すべき床面
に、図10に示すチャネル材701を壁面パネルを配置
すべき位置に設置すると共に、床面用の電磁波シールド
用メッシュ200を床面に敷く。このメッシュは、2枚
重ねて敷いてもよい。床面には、さらに、床板(図示せ
ず)を設置する。なお、床面に、導体板を敷いてもよ
い。この場合には、上記メッシュ200は、この導体板
と接触する部分と、チャネル材701に敷かれる部分と
があれば足りる。
【0258】次に、各パネルのうち天井部を構成するパ
ネルP1,P1を平面的に2枚並べ、それらの外周に上
記アングル材801をボルト804とナット805を用
いて固定する。この時、図12に示すように、パネルP
1,P1を平板802,802で挾み、この平板802
をボルト806およびナット807で締め付けて、パネ
ルP1,P2を固定する。図6,7,8,9において、
+で示す部分がボルトおよびナットで固定される部分で
ある(以下同じ)。
【0259】一方、壁面用の各パネルP2,P3および
ドアユニットDを定められた位置に配置する。各パネル
は、例えば、図10に示すように、チャネル材701の
上に載せられる。この時、各パネルの下枠材103の下
端面で、当該パネルに取り付けられた表裏2枚のメッシ
ュの外縁部を重ねて折り込んだ状態として、当該下枠材
103をチャネル材701内のメッシュ200上に載せ
る。そして、ボルト702を用いて、パネルの位置を固
定する。この時、ボルト702が設けられている側とは
反対側に、スペーサを挿入することで、パネルの位置を
調整することができる。
【0260】また、各コーナにアングル材811を配置
する。すなわち、このアングル材811を、それぞれコ
ーナで隣接するパネルの枠部材を図示していないボルト
とナットで固定する。また、各壁面で隣接するパネルを
平板812で内側と外側から挾んで(内面側は図示せ
ず)、ボルト813およびナット(図示せず)で内外か
ら固定する。この場合、隣接するパネルは、少なくとも
ボルト813を通すことができる程度に間隔をあけて配
置する。
【0261】この後、天井用パネルを平板803を解し
て壁面用パネルの上に載せて、アングル材801を壁面
用パネルの上枠材102に、ボルト804およびナット
805を用いて固定する。これにより、天井部が壁面部
に連結されて、全体としてシールドルームが形成され
る。
【0262】このようにして設けられたシールドルーム
について、MIL.STD285に準拠して実測したと
ころ、150kHz〜3GHzの平面波に対して60d
B以上のシールド性能を得た。
【0263】
【発明の効果】本発明によれば、光や空気の透過特性を
良好に保持しつつ、高シールド特性を実現することがで
きる。
【0264】また、本発明によれば、電磁波シールド用
メッシュを用い、構造が簡単で、組み立てが容易な、電
磁波シールド用パネルを実現することができる。また、
導体の線径および間隔を適当に選ぶことにより、光や空
気の透過特性を良好に保持しつつ、高シールド特性を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メッシュの電磁波シールド機能を示す概念図。
【図2】電気的良導体として、線径dなるメッシュ素線
を間隔aで配置した平行線群で作る平面に平面波が垂直
入射した場合の等価回路図。
【図3】本発明で用いられる電磁波シールド用メッシュ
の一例を示す説明図。
【図4】本発明の電磁波シールド用パネルの一例であっ
て、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面
図。
【図5】図4(A)のX部拡大斜視図。
【図6】本発明の電磁波シールド用パネルを用いたシー
ルドルームの天井部を示す平面図。
【図7】本発明の電磁波シールド用パネルを用いたシー
ルドルームの壁面部の一部を示す平面図。
【図8】本発明の電磁波シールド用パネルを用いたシー
ルドルームの壁面部の一部を示す平面図。
【図9】本発明の電磁波シールド用パネルを用いたシー
ルドルームの壁面部の一部を示す平面図。
【図10】本発明の電磁波シールド用パネルを床面に設
置する状態を示す説明図。
【図11】本発明を適用したシールドルームにおける天
井用パネルと壁面用パネルの連結状態の一例を示す説明
図。
【図12】本発明を適用したシールドルームにおける天
井用の2枚のパネルの連結状態の一例を示す説明図。
【図13】本発明を適用してシールドメッシュの線径
a、および、導線相互の間隔bの条件を示すグラフ。
【符号の説明】
10…メッシュ、11…経糸、12…緯糸、100…枠
部材、101…開口、102…上枠材、103…下枠
材、104…縦枠材、111…凹溝、150…横桟、1
51…凹溝、200…電磁波シールド用メッシュ、30
0…固定部材、400…化粧板、500…シールドド
ア、550…ドアパネル、600…フィルタパネル、7
01…チャネル材、702…ボルト、800…連結部
材、801,811…アングル材、802,803,8
12…平板、804,806,813…ボルト、80
5,807…ナット。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導線を用いて形成される電磁波シールド
    用メッシュにおいて、 λ(mm)より長い波長の電磁波を、電力透過係数δ以
    下にシールドすべきとき、メッシュを構成する導線の線
    径dと、その線間隔aとが、次式の関係にあることを特
    徴とする電磁波シールド用メッシュ。 【数1】
  2. 【請求項2】 請求項1において、導線の線径が1mm
    以下である電磁波シールド用メッシュ。
  3. 【請求項3】 空間において電磁波シールドを行なう方
    法において、 電磁波をシールドすべき空間の面に、導線をメッシュ状
    に配置し、かつ、導線のメッシュ状の配置は、λ(m
    m)より長い波長の電磁波を、電力透過係数δ以下にシ
    ールドすべきとき、メッシュを構成する導線の線径d
    と、その線間隔aとが、次式の関係にあることを特徴と
    する電磁波シールド方法。 【数2】
  4. 【請求項4】 請求項3において、導線の線径が1mm
    以下である電磁波シールド方法。
  5. 【請求項5】 電磁波シールド用パネルにおいて、 パネルの外縁を構成する枠部材と、 枠部材が形成する開口を覆う電磁波シールド用メッシュ
    と、 電磁波シールド用メッシュを枠部材に固定するための固
    定部材とを備え、 枠部材は、電磁波シールド用メッシュを取り付けるべき
    面に、開口を囲む状態で凹溝を有し、 上記固定部材は、弾性材料で構成され、それ自身が凹溝
    内に嵌合できる形状を有し、 電磁波シールド用メッシュで枠部材の開口の少なくとも
    一方の面を覆った状態で、上記固定部材を凹溝に嵌合さ
    せて、電磁波シールド用メッシュの凹溝上にある部分を
    凹溝内に押し込んで固定したことを特徴とする電磁波シ
    ールド用パネル。
  6. 【請求項6】 請求項5において、枠部材は、開口に横
    桟を有し、横桟は、上記枠部材の凹溝のある面と同じ面
    に凹溝を有し、電磁波シールド用メッシュを枠部材に設
    けられる凹溝と、横桟に設けられる凹溝の両者に固定部
    材を嵌合させることを特徴とする電磁波シールド用パネ
    ル。
  7. 【請求項7】 請求項6において、枠部材と横桟とで仕
    切られる開口のうち一部を板材で覆い、全体を電磁波シ
    ールド用メッシュで覆うことを特徴とする電磁波シール
    ド用パネル。
  8. 【請求項8】 請求項5において、上記電磁波シールド
    用メッシュの外縁部の一部をパネルを構成する枠部材1
    の外周に沿って折り曲げ、枠部材の外周面に固定するこ
    とを特徴とする電磁波シールド用パネル。
  9. 【請求項9】 請求項5、6、7または8において、電
    磁波シールド用メッシュは、 導線を用いて形成され、メッシュを構成する導線の線径
    dと、その線間隔aとが、次式の関係にあることを特徴
    とする電磁波シールド用パネル。 【数3】
  10. 【請求項10】 請求項9において、導線の線径が1m
    m以下である電磁波シールド用メッシュ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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NL1027159C2 (nl) * 2003-10-01 2007-06-12 Ge Med Sys Global Tech Co Llc Geïntegreerde elektronische RF-afscherminrichting voor een MRI-magneet.
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