JPH1062523A - スライディング相関演算器及び伝搬遅延測定システム - Google Patents
スライディング相関演算器及び伝搬遅延測定システムInfo
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- JPH1062523A JPH1062523A JP8219757A JP21975796A JPH1062523A JP H1062523 A JPH1062523 A JP H1062523A JP 8219757 A JP8219757 A JP 8219757A JP 21975796 A JP21975796 A JP 21975796A JP H1062523 A JPH1062523 A JP H1062523A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡単な構成によって相関値を得ることがで
き、しかも、リアルタイム性やアナログ回路要求に応え
られるスライディング相関演算器を提供する。 【解決手段】 自己相関性が高い処理対象符号を一方の
入力信号とする混合手段を備える。また、処理対象符号
と同一の符号系列に冗長な符号を付加し、又は、処理対
象符号と同一の符号系列から一部符号を除去して、処理
対象符号の周期よりも微少時間だけ異なる周期を有する
参照用符号を発生し、混合手段に他方の入力として供給
する参照用符号発生手段を備える。さらに、混合手段の
出力信号を積分処理する積分手段を備える。
き、しかも、リアルタイム性やアナログ回路要求に応え
られるスライディング相関演算器を提供する。 【解決手段】 自己相関性が高い処理対象符号を一方の
入力信号とする混合手段を備える。また、処理対象符号
と同一の符号系列に冗長な符号を付加し、又は、処理対
象符号と同一の符号系列から一部符号を除去して、処理
対象符号の周期よりも微少時間だけ異なる周期を有する
参照用符号を発生し、混合手段に他方の入力として供給
する参照用符号発生手段を備える。さらに、混合手段の
出力信号を積分処理する積分手段を備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スライディング相
関演算器、及び、電波又は音波を用いて空間の伝達遅延
プロファイルを測定する伝搬遅延測定システムに関す
る。
関演算器、及び、電波又は音波を用いて空間の伝達遅延
プロファイルを測定する伝搬遅延測定システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】電波や音声等の空間伝搬路の遅延プロフ
ァイルを測定する方法は、時間領域で行なうものと、周
波数領域で行なうものの2つに大別される。
ァイルを測定する方法は、時間領域で行なうものと、周
波数領域で行なうものの2つに大別される。
【0003】時間領域で行なう方法には、PN符号やシ
ャープ信号等の鋭い自己相関を有する信号や短時間のC
W(連続波)信号を送信し、受信信号と参照信号の位相
ずれを観測して伝搬遅延プロファイルを得る方法があ
る。
ャープ信号等の鋭い自己相関を有する信号や短時間のC
W(連続波)信号を送信し、受信信号と参照信号の位相
ずれを観測して伝搬遅延プロファイルを得る方法があ
る。
【0004】また、周波数領域で測定を行なう方法に
は、複素周波数応答を求め、それを逆フーリエ変換する
ステップ周波数法や、送信信号の周波数を掃引し、受信
信号の周波数との差から遅延プロファイルを測定するF
M−CW(周波数変調−連続波)法等が知られている。
は、複素周波数応答を求め、それを逆フーリエ変換する
ステップ周波数法や、送信信号の周波数を掃引し、受信
信号の周波数との差から遅延プロファイルを測定するF
M−CW(周波数変調−連続波)法等が知られている。
【0005】特に、PN符号を用いた伝搬遅延プロファ
イルの測定方法は、SN特性が良く、実際のデジタル無
線通信に近い形式で測定できるため広く用いられてい
る。PN符号は疑似雑音信号(Pseudo Noise Code )の
ことでスペクトラム拡散通信等においてよく用いられて
いる。
イルの測定方法は、SN特性が良く、実際のデジタル無
線通信に近い形式で測定できるため広く用いられてい
る。PN符号は疑似雑音信号(Pseudo Noise Code )の
ことでスペクトラム拡散通信等においてよく用いられて
いる。
【0006】PN符号を用いた伝搬遅延プロファイルの
測定方法では、受信信号と参照信号とのスライディング
相関演算を行なう必要がある。スライディング相関演算
とは、参照用のPN符号をy(t)、入力信号(受信P
N符号)をx(t)としたときに、(1) 式に示す相関値
R(τ)を、τを変化させながら求めることである。な
お、(1) 式の積分期間は、t=0〜T(TはPN符号の
1周期期間)である。
測定方法では、受信信号と参照信号とのスライディング
相関演算を行なう必要がある。スライディング相関演算
とは、参照用のPN符号をy(t)、入力信号(受信P
N符号)をx(t)としたときに、(1) 式に示す相関値
R(τ)を、τを変化させながら求めることである。な
お、(1) 式の積分期間は、t=0〜T(TはPN符号の
1周期期間)である。
【0007】 R(τ)=∫ x(t+τ)y(t)dt …(1) このように受信PN符号信号x(t)に対して参照用の
PN符号y(t)の位相をτだけスライドさせたときの
相関を求めることからスライディング相関演算と呼ばれ
ている。その結果は、図2に示すように、τの狭い範囲
でのみ山形の形状を有する相関特性(自己相関特性)を
示す。
PN符号y(t)の位相をτだけスライドさせたときの
相関を求めることからスライディング相関演算と呼ばれ
ている。その結果は、図2に示すように、τの狭い範囲
でのみ山形の形状を有する相関特性(自己相関特性)を
示す。
【0008】伝搬遅延プロファイルの測定において、S
N特性を上げるためには、PN符号長を長くすべきであ
るが、演算量は、τの変化範囲の増大までを考慮する
と、PN符号長の2乗に比例して多くなる。測定した伝
搬遅延プロファイルをフェージング波の除去等に使う場
合には、伝搬遅延プロファイルをリアルタイムで求める
ことが要求され、かかる要求に応えるためには、スライ
ディング相関演算を高速に行なうことが求められる。
N特性を上げるためには、PN符号長を長くすべきであ
るが、演算量は、τの変化範囲の増大までを考慮する
と、PN符号長の2乗に比例して多くなる。測定した伝
搬遅延プロファイルをフェージング波の除去等に使う場
合には、伝搬遅延プロファイルをリアルタイムで求める
ことが要求され、かかる要求に応えるためには、スライ
ディング相関演算を高速に行なうことが求められる。
【0009】しかし、スライディング相関演算構成をデ
ジタル回路で実現した場合、リアルタイム要求に応えら
れる程度に、相関値を高速で求めることは難しい。これ
は、受信PN符号をシフトレジスタに蓄えて参照PN符
号信号とのチップ毎の積を求めた後、その総和を求める
ことを、τを代えて繰返し実行することを要するためで
ある。
ジタル回路で実現した場合、リアルタイム要求に応えら
れる程度に、相関値を高速で求めることは難しい。これ
は、受信PN符号をシフトレジスタに蓄えて参照PN符
号信号とのチップ毎の積を求めた後、その総和を求める
ことを、τを代えて繰返し実行することを要するためで
ある。
【0010】そこで、スライディング相関演算をリアル
タイムで処理するためには、スライディング相関演算を
アナログ回路で実現する必要がある。この種の技術とし
ては、電子情報通信学会技術研究報告A・P87ー26
に記載の「室内伝搬遅延時間測定装置の試作」と題する
論文や、電子情報通信学会技術研究報告A・P87ー7
7に記載の「市街地および山岳地域における陸上遅延プ
ロファイルの測定」と題する論文がある。
タイムで処理するためには、スライディング相関演算を
アナログ回路で実現する必要がある。この種の技術とし
ては、電子情報通信学会技術研究報告A・P87ー26
に記載の「室内伝搬遅延時間測定装置の試作」と題する
論文や、電子情報通信学会技術研究報告A・P87ー7
7に記載の「市街地および山岳地域における陸上遅延プ
ロファイルの測定」と題する論文がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記各文献に記載の伝
搬遅延測定システムでは、受信機のスライディング相関
演算器の構成要素である参照用PN符号発生器が発生す
る参照用のPN符号の位相や周波数を外部から制御しな
ければ相関信号を得ることができなかった。そのため、
参照PN符号の位相等の制御構成分だけ構成が複雑にな
っていた。
搬遅延測定システムでは、受信機のスライディング相関
演算器の構成要素である参照用PN符号発生器が発生す
る参照用のPN符号の位相や周波数を外部から制御しな
ければ相関信号を得ることができなかった。そのため、
参照PN符号の位相等の制御構成分だけ構成が複雑にな
っていた。
【0012】そのため、スライディング相関演算をアナ
ログ回路で簡単に行なうことができるスライディング相
関演算器が求められている。また、リアルタイムで伝搬
遅延プロファイルを求めることができる簡易な構成の伝
搬遅延測定システムが求められている。
ログ回路で簡単に行なうことができるスライディング相
関演算器が求められている。また、リアルタイムで伝搬
遅延プロファイルを求めることができる簡易な構成の伝
搬遅延測定システムが求められている。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、第1の本発明のスライディング相関演算器は、自己
相関性が高い処理対象符号を一方の入力信号とする混合
手段と、処理対象符号と同一の符号系列に冗長な符号を
付加し、又は、処理対象符号と同一の符号系列から一部
符号を除去して、処理対象符号の周期よりも微少時間だ
け異なる周期を有する参照用符号を発生し、混合手段に
他方の入力として供給する参照用符号発生手段と、混合
手段の出力信号を積分処理する積分手段とを有すること
を特徴とする。
め、第1の本発明のスライディング相関演算器は、自己
相関性が高い処理対象符号を一方の入力信号とする混合
手段と、処理対象符号と同一の符号系列に冗長な符号を
付加し、又は、処理対象符号と同一の符号系列から一部
符号を除去して、処理対象符号の周期よりも微少時間だ
け異なる周期を有する参照用符号を発生し、混合手段に
他方の入力として供給する参照用符号発生手段と、混合
手段の出力信号を積分処理する積分手段とを有すること
を特徴とする。
【0014】第1の本発明のスライディング相関演算器
を以上のように構成することにより、簡単な構成によっ
て相関値を得ることができ、しかも、リアルタイム性や
アナログ回路要求に応えられるようになる。
を以上のように構成することにより、簡単な構成によっ
て相関値を得ることができ、しかも、リアルタイム性や
アナログ回路要求に応えられるようになる。
【0015】また、第2の本発明は、送信側から自己相
関性が高い符号系列を送信し、受信側において、スライ
ディング相関演算器によって、その受信符号系列と内部
発生した参照符号系列の相関値を求め、求めた相関値に
より、伝搬遅延プロファイルを得る伝搬遅延測定システ
ムにおいて、スライディング相関演算器として、第1の
本発明のスライディング相関演算器を適用したことを特
徴とする。
関性が高い符号系列を送信し、受信側において、スライ
ディング相関演算器によって、その受信符号系列と内部
発生した参照符号系列の相関値を求め、求めた相関値に
より、伝搬遅延プロファイルを得る伝搬遅延測定システ
ムにおいて、スライディング相関演算器として、第1の
本発明のスライディング相関演算器を適用したことを特
徴とする。
【0016】第2の本発明の伝搬遅延測定システムにお
いては、第1の本発明のスライディング相関演算器を利
用しているので、リアルタイムに伝搬遅延プロファイル
を得ることが可能となり、また、全体のシステム構成を
簡単なものにすることができる。
いては、第1の本発明のスライディング相関演算器を利
用しているので、リアルタイムに伝搬遅延プロファイル
を得ることが可能となり、また、全体のシステム構成を
簡単なものにすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるスライディン
グ相関演算器及び伝搬遅延測定システムの一実施形態を
図面を参照しながら詳述する。
グ相関演算器及び伝搬遅延測定システムの一実施形態を
図面を参照しながら詳述する。
【0018】図3は、この実施形態の伝搬遅延測定シス
テムの全体構成を示すブロック図である。
テムの全体構成を示すブロック図である。
【0019】PN符号は、上述した図2に示したよう
に、同期時にのみ大きな自己相関値をとるという性質が
ある。この実施形態の測定システムは、このPN符号の
特性を利用して空間の伝搬遅延プロファイルを測定する
システムであり、送信器から電波を放射し、その受信信
号と、参照信号の相関演算を行なうことで電波の伝達遅
延プロファイルを求めるものである。なお、この実施形
態では電波を用いているが、音声に対する空間の伝搬遅
延特性を求める場合にもこの方法が応用できることは言
うまでもない。また空間としては、空気中のみならず、
水中の伝搬特性測定にも応用できる。
に、同期時にのみ大きな自己相関値をとるという性質が
ある。この実施形態の測定システムは、このPN符号の
特性を利用して空間の伝搬遅延プロファイルを測定する
システムであり、送信器から電波を放射し、その受信信
号と、参照信号の相関演算を行なうことで電波の伝達遅
延プロファイルを求めるものである。なお、この実施形
態では電波を用いているが、音声に対する空間の伝搬遅
延特性を求める場合にもこの方法が応用できることは言
うまでもない。また空間としては、空気中のみならず、
水中の伝搬特性測定にも応用できる。
【0020】図3において、PN符号発生器10は、送
信符号となるPN符号を発生させる回路であり、送信器
11はPN符号発生器10で発生されたPN符号に対し
て、例えばBPSK変調をかけ、空中線15Aから放射
するための電力増幅等を行なうものである。送信器11
によって変調、電力増幅された送信信号は空中線15A
から空間に放射される。空間に放射された電波は、その
伝搬空間の状況等に応じた伝搬遅延を受けて受信側の空
中線15Bに到達する。
信符号となるPN符号を発生させる回路であり、送信器
11はPN符号発生器10で発生されたPN符号に対し
て、例えばBPSK変調をかけ、空中線15Aから放射
するための電力増幅等を行なうものである。送信器11
によって変調、電力増幅された送信信号は空中線15A
から空間に放射される。空間に放射された電波は、その
伝搬空間の状況等に応じた伝搬遅延を受けて受信側の空
中線15Bに到達する。
【0021】受信器12は受信信号に対して例えば直交
復調を施してPN符号に戻した後、相関演算器13に供
給する。相関演算器13は受信PN符号と内部発生した
参照用のPN符号との相関出力を得る。この相関出力
は、表示器14に供給されて表示され、これにより、伝
搬遅延プロファイルをリアルタイムで観測できる。
復調を施してPN符号に戻した後、相関演算器13に供
給する。相関演算器13は受信PN符号と内部発生した
参照用のPN符号との相関出力を得る。この相関出力
は、表示器14に供給されて表示され、これにより、伝
搬遅延プロファイルをリアルタイムで観測できる。
【0022】この実施形態の相関演算器(スライディン
グ相関演算器)13は、図1に示す詳細構成を有する。
グ相関演算器)13は、図1に示す詳細構成を有する。
【0023】すなわち、相関演算器(スライディング相
関演算器)13は、参照用のPN符号を発生する冗長P
N符号発生器20と、受信器12からのPN符号と冗長
PN符号発生器20からの参照用PN符号を積算する混
合器(ミキサ)21と、混合器21の出力の低周波成分
を取り出す低周波ろ波器(ローパスフィルタ)22とを
備えている。
関演算器)13は、参照用のPN符号を発生する冗長P
N符号発生器20と、受信器12からのPN符号と冗長
PN符号発生器20からの参照用PN符号を積算する混
合器(ミキサ)21と、混合器21の出力の低周波成分
を取り出す低周波ろ波器(ローパスフィルタ)22とを
備えている。
【0024】冗長PN符号発生器20では、送信装置の
PN符号発生器10で発生されたPN符号の周期Tに対
して、この周期Tよりも十分短い時間Δτの冗長な信号
を付加したT+Δτの周期を持つ参照用PN符号を発生
させる。例えば、送信装置のPN符号発生器10が発生
したPN符号が1周期511ビットの場合に、冗長PN
符号発生器20は、その511ビットに1ビットの冗長
ビットを付加した512ビットを周期とした冗長PN符
号(参照用PN符号)を発生する。
PN符号発生器10で発生されたPN符号の周期Tに対
して、この周期Tよりも十分短い時間Δτの冗長な信号
を付加したT+Δτの周期を持つ参照用PN符号を発生
させる。例えば、送信装置のPN符号発生器10が発生
したPN符号が1周期511ビットの場合に、冗長PN
符号発生器20は、その511ビットに1ビットの冗長
ビットを付加した512ビットを周期とした冗長PN符
号(参照用PN符号)を発生する。
【0025】相関演算器13の混合器21の一方の入力
には受信器12で受信したPN符号が供給され、他方の
入力にはこの参照用PN符号が供給される。
には受信器12で受信したPN符号が供給され、他方の
入力にはこの参照用PN符号が供給される。
【0026】図4は、これら受信PN符号と参照用PN
符号とのタイミングのずれが時間経過と共に大きくなっ
ていることを示している。
符号とのタイミングのずれが時間経過と共に大きくなっ
ていることを示している。
【0027】ここで、混合器21で求められる、時間t
=t’+n(T+Δτ)における受信側の参照用PN符
号y’(t)と、受信した入力PN符号x(t)との積
は、(2) 式で表される。なお、nは自然数であり、冗長
PN符号発生器20のn番目の発生周期を意味してい
る。
=t’+n(T+Δτ)における受信側の参照用PN符
号y’(t)と、受信した入力PN符号x(t)との積
は、(2) 式で表される。なお、nは自然数であり、冗長
PN符号発生器20のn番目の発生周期を意味してい
る。
【0028】 x(t)y’(t) =x{t’+n(T+Δτ)}y{t’+n(T+Δτ)} =x(t’+nΔτ)y(t’) …(2) 図4に示すように、参照用PN符号を繰り返し発生させ
ていくうちに、時間のずれΔτが蓄積し、n回の繰り返
し後には、送信側で発生させたPN符号、すなわち受信
器12で受信したPN符号に比べて、処理介し時より、
nΔτの時間ずれを生じることになる。これは従来のス
ライディング相関器で位相をシフトさせていたことと同
様の効果をもたらす。
ていくうちに、時間のずれΔτが蓄積し、n回の繰り返
し後には、送信側で発生させたPN符号、すなわち受信
器12で受信したPN符号に比べて、処理介し時より、
nΔτの時間ずれを生じることになる。これは従来のス
ライディング相関器で位相をシフトさせていたことと同
様の効果をもたらす。
【0029】このような(2) 式に示す混合器21の出力
を、図5に示す応答特性を持つ低周波ろ波器22を通す
ことにより、0からT+Δτの積分期間(正確には、
(n−1)(T+Δτ)〜n(T+Δτ)で、(3) 式に
示す積分(時間平均処理)を実施し、積分値R’(nΔ
τ)を求めたことになる。
を、図5に示す応答特性を持つ低周波ろ波器22を通す
ことにより、0からT+Δτの積分期間(正確には、
(n−1)(T+Δτ)〜n(T+Δτ)で、(3) 式に
示す積分(時間平均処理)を実施し、積分値R’(nΔ
τ)を求めたことになる。
【0030】 R’(nΔτ)=∫ x(t+nΔτ)y(t)dt …(3) ここで、(3) 式の積分区間T+Δτは、上述した(1) 式
にの積分区間Tに比較して、Δτだけ長くなっている
が、ΔτをTに比べて十分小さく取っておけば、積分期
間の違いによる誤差は十分無視でき、(3) 式に示す積分
値R’(nΔτ)は、受信PN符号と参照用PN符号と
の時間差nΔτにおけるスライディング相関演算値にな
っている。
にの積分区間Tに比較して、Δτだけ長くなっている
が、ΔτをTに比べて十分小さく取っておけば、積分期
間の違いによる誤差は十分無視でき、(3) 式に示す積分
値R’(nΔτ)は、受信PN符号と参照用PN符号と
の時間差nΔτにおけるスライディング相関演算値にな
っている。
【0031】従って、処理開始時に受信PN符号と参照
用PN符号とが同期しているとした場合においては、
(3) 式からは、冗長PN符号発生器20の1番目の発生
周期が終わった時点で、低周波ろ波器22から時間差Δ
τに対応した相関値R’(Δτ)が出力され、冗長PN
符号発生器20の2番目の発生周期が終わった時点で、
低周波ろ波器22から時間差2Δτに対応した相関値
R’(2Δτ)が出力され、以下、同様にして、時間経
過と共に、低周波ろ波器22から時間差が大きくなって
いく相関値R’(nΔτ)が出力されていくことが分か
る。
用PN符号とが同期しているとした場合においては、
(3) 式からは、冗長PN符号発生器20の1番目の発生
周期が終わった時点で、低周波ろ波器22から時間差Δ
τに対応した相関値R’(Δτ)が出力され、冗長PN
符号発生器20の2番目の発生周期が終わった時点で、
低周波ろ波器22から時間差2Δτに対応した相関値
R’(2Δτ)が出力され、以下、同様にして、時間経
過と共に、低周波ろ波器22から時間差が大きくなって
いく相関値R’(nΔτ)が出力されていくことが分か
る。
【0032】以上のように、上記実施形態によれば、本
来のPN符号周期Tよりも十分短い時間Δτの冗長な符
号を付加したT+Δτの周期を持つ冗長PN符号を参照
用に用いたので、スライディング相関演算を簡単な構成
のアナログ回路で簡単にしかもリアルタイムで行なうこ
とができる。
来のPN符号周期Tよりも十分短い時間Δτの冗長な符
号を付加したT+Δτの周期を持つ冗長PN符号を参照
用に用いたので、スライディング相関演算を簡単な構成
のアナログ回路で簡単にしかもリアルタイムで行なうこ
とができる。
【0033】このようにスライディング相関演算をリア
ルタイムで行なうことができるので、伝搬遅延プロファ
イルも、簡単な構成によって、リアルタイムで得ること
ができるようになる。
ルタイムで行なうことができるので、伝搬遅延プロファ
イルも、簡単な構成によって、リアルタイムで得ること
ができるようになる。
【0034】なお、上記実施形態においては、相関演算
の対象符号がPN符号であるものを示したが、PN符号
と同様な自己相関特性を有する他の符号に対しても、本
発明を適用することができる。例えば、ゴールド符号に
対して本発明を適用することができる。
の対象符号がPN符号であるものを示したが、PN符号
と同様な自己相関特性を有する他の符号に対しても、本
発明を適用することができる。例えば、ゴールド符号に
対して本発明を適用することができる。
【0035】また、上記実施形態においては、送信側の
PN符号と同一のPN符号に冗長符号を付加したものを
参照用PN符号としたものを示したが、逆に、送信側の
PN符号と同一のPN符号からごく一部(例えば1ビッ
ト)を除去したものを参照用PN符号とするようにして
も良い。このようにしても、上記実施形態と同様な効果
を得ることができる。
PN符号と同一のPN符号に冗長符号を付加したものを
参照用PN符号としたものを示したが、逆に、送信側の
PN符号と同一のPN符号からごく一部(例えば1ビッ
ト)を除去したものを参照用PN符号とするようにして
も良い。このようにしても、上記実施形態と同様な効果
を得ることができる。
【0036】さらに、上記では、伝搬遅延測定システム
について説明したが、スライディング相関演算器を他の
装置にも応用できることは言うまでもない。この適用装
置において、リアルタイム性が要求されないならば、図
1に示した回路構成をデジタル回路で構成しても良い。
について説明したが、スライディング相関演算器を他の
装置にも応用できることは言うまでもない。この適用装
置において、リアルタイム性が要求されないならば、図
1に示した回路構成をデジタル回路で構成しても良い。
【0037】
【発明の効果】以上のように、第1の本発明のスライデ
ィング相関演算器によれば、自己相関性が高い処理対象
符号を一方の入力信号とする混合手段と、処理対象符号
と同一の符号系列に冗長な符号を付加し、又は、処理対
象符号と同一の符号系列から一部符号を除去して、処理
対象符号の周期よりも微少時間だけ異なる周期を有する
参照用符号を発生し、混合手段に他方の入力として供給
する参照用符号発生手段と、混合手段の出力信号を積分
処理する積分手段とを有するので、簡単な構成によって
相関値を得ることができ、しかも、リアルタイム性やア
ナログ回路要求に応えられるようになる。
ィング相関演算器によれば、自己相関性が高い処理対象
符号を一方の入力信号とする混合手段と、処理対象符号
と同一の符号系列に冗長な符号を付加し、又は、処理対
象符号と同一の符号系列から一部符号を除去して、処理
対象符号の周期よりも微少時間だけ異なる周期を有する
参照用符号を発生し、混合手段に他方の入力として供給
する参照用符号発生手段と、混合手段の出力信号を積分
処理する積分手段とを有するので、簡単な構成によって
相関値を得ることができ、しかも、リアルタイム性やア
ナログ回路要求に応えられるようになる。
【0038】また、第2の本発明の伝搬遅延測定システ
ムによれば、スライディング相関演算器として、第1の
本発明のスライディング相関演算器を適用したので、リ
アルタイムに伝搬遅延プロファイルを得ることが可能と
なり、また、全体のシステム構成を簡単なものにするこ
とができる。
ムによれば、スライディング相関演算器として、第1の
本発明のスライディング相関演算器を適用したので、リ
アルタイムに伝搬遅延プロファイルを得ることが可能と
なり、また、全体のシステム構成を簡単なものにするこ
とができる。
【図1】実施形態のスライディング相関演算器の構成を
示すブロック図である。
示すブロック図である。
【図2】PN符号の自己相関値を示す図である。
【図3】実施形態の伝搬遅延プロファイル測定システム
を示すブロック図である。
を示すブロック図である。
【図4】実施形態の伝搬遅延プロファイル測定システム
における参照用PN符号と入力PN符号のずれを説明す
る図である。
における参照用PN符号と入力PN符号のずれを説明す
る図である。
【図5】実施形態の伝搬遅延プロファイル測定システム
における低周波ろ波器の特性を示す図である。
における低周波ろ波器の特性を示す図である。
10:PN符号発生器、11:送信器、12:受信器、
13:相関演算器(スライディング相関演算器)、1
4:表示器、20:参照用の冗長PN符号発生器、2
1:混合器、22:低周波ろ波器。
13:相関演算器(スライディング相関演算器)、1
4:表示器、20:参照用の冗長PN符号発生器、2
1:混合器、22:低周波ろ波器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 17/00 H04J 13/00 A
Claims (3)
- 【請求項1】 自己相関性が高い処理対象符号を一方の
入力信号とする混合手段と、 上記処理対象符号と同一の符号系列に冗長な符号を付加
し、又は、上記処理対象符号と同一の符号系列から一部
符号を除去して、上記処理対象符号の周期よりも微少時
間だけ異なる周期を有する参照用符号を発生し、上記混
合手段に他方の入力として供給する参照用符号発生手段
と、 上記混合手段の出力信号を積分処理する積分手段とを有
することを特徴とするスライディング相関演算器。 - 【請求項2】 上記処理対象符号がPN符号であること
を特徴とする請求項1に記載のスライディング相関演算
器。 - 【請求項3】 送信側から自己相関性が高い符号系列を
送信し、受信側において、スライディング相関演算器に
よって、その受信符号系列と内部発生した参照用符号系
列の相関値を求め、求めた相関値により、伝搬遅延プロ
ファイルを得る伝搬遅延測定システムにおいて、 上記スライディング相関演算器として、請求項1に記載
のスライディング相関演算器を適用したことを特徴とす
る伝搬遅延測定システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8219757A JPH1062523A (ja) | 1996-08-21 | 1996-08-21 | スライディング相関演算器及び伝搬遅延測定システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8219757A JPH1062523A (ja) | 1996-08-21 | 1996-08-21 | スライディング相関演算器及び伝搬遅延測定システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1062523A true JPH1062523A (ja) | 1998-03-06 |
Family
ID=16740531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8219757A Pending JPH1062523A (ja) | 1996-08-21 | 1996-08-21 | スライディング相関演算器及び伝搬遅延測定システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1062523A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008537590A (ja) * | 2005-02-23 | 2008-09-18 | オーソトロン カンパニーリミテッド | チャープ信号を用いて送受信機間の電磁波多重経路特性に対するチャネル推定方法およびチャネル推定装置 |
-
1996
- 1996-08-21 JP JP8219757A patent/JPH1062523A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008537590A (ja) * | 2005-02-23 | 2008-09-18 | オーソトロン カンパニーリミテッド | チャープ信号を用いて送受信機間の電磁波多重経路特性に対するチャネル推定方法およびチャネル推定装置 |
JP4846738B2 (ja) * | 2005-02-23 | 2011-12-28 | オーソトロン カンパニーリミテッド | チャープ信号を用いて送受信機間の電磁波多重経路特性に対するチャネル推定方法およびチャネル推定装置 |
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