JPH1062221A - 抵抗体素子 - Google Patents

抵抗体素子

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JPH1062221A
JPH1062221A JP8223490A JP22349096A JPH1062221A JP H1062221 A JPH1062221 A JP H1062221A JP 8223490 A JP8223490 A JP 8223490A JP 22349096 A JP22349096 A JP 22349096A JP H1062221 A JPH1062221 A JP H1062221A
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JP
Japan
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resistor
resistor element
insulating substrate
electrically insulating
wound
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Application number
JP8223490A
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English (en)
Inventor
Tadashi Isono
磯野  忠
Izumi Watanabe
渡辺  泉
Kaoru Uchiyama
内山  薫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Car Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作業性を改善しつつ応答性に優れた抵抗体素子
を提供する。 【解決手段】抵抗体素子は、円筒状の電気絶縁基体8の
内部に接着剤9により固着されたリード線11と電気的
に導通された金属細線10が、該電気絶縁基体8上に巻
回されて、温度依存性を示す巻線抵抗体としての発熱抵
抗体4または感温抵抗体5を形成し、電気絶縁基体8
は、熱伝導率が150(W/m℃)以上の材料から成り、かつ、
巻線抵抗体は、電気絶縁基体全長の60(%)〜75(%)の範
囲を占める中央部の巻線間隔が残りの両端部の巻線間隔
より密となるように巻回されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度依存性を示す
電気抵抗を有する抵抗体素子に係り、特に、内燃機関の
吸入空気流量を計測するに好適な抵抗体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、流体の流速を測定する抵抗体
素子として、円筒状のアルミナ基体上に白金細線または
白金膜の抵抗体を形成した構造のものが知られており、
一般に白金の電気抵抗の温度依存性を利用し、抵抗体素
子を一定の温度に加熱制御する熱式空気流量計に用いら
れている。
【0003】このような構造の抵抗体素子を加熱制御す
る場合、アルミナ基体の全長に対する発熱部の長さよっ
て、その応答性が大きく異なり、同じ長さのアルミナ基
体においては、発熱部の長さが長いものほど応答性の良
い抵抗体素子が得られることが知られている。しかし、
白金細線を等間隔で巻回した構造の抵抗体素子の場合
は、製造上、アルミナ基体の全長に巻線を施すのは困難
であり、従って、全長の約80(%)の中央部分に巻線し
たものが一般的である。
【0004】また、白金膜を等間隔でトリミングするこ
とによりなる抵抗体素子の場合は、アルミナ基体の全長
をトリミングしたものが一般的に用いられているが、構
造的に白金細線を巻回した抵抗体素子より熱容量が大き
いため、その応答性は、上記白金細線をアルミナ基体の
80(%)の中央部分に巻線したものと同等である。この
ように、抵抗体素子のアルミナ基体の全長に対する発熱
部の長さの比を大きくして応答性を向上するには限界が
あった。
【0005】そこで、同じ発熱部長さにおいても応答性
を高めるべく、例えば、特公昭59−162413号公
報において、アルミナ基体とアルミナ基体を支持するリ
ード線との接合部近傍において、アルミナ基体の中央部
より白金細線を密巻するかあるいは白金膜のトリミング
ピッチを狭くした構成とする、非発熱部近傍において部
分的に発熱量を上げた技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術のようにアルミナ基体とアルミナ基体を支持する
リード線との接合部近傍において、アルミナ基体の中央
部より白金細線を密巻するかあるいは白金膜のトリミン
グピッチを狭くした場合に、抵抗体素子を製造する際の
作業性を低下させるという問題があった。
【0007】すなわち、リード線をチャッキングし、ア
ルミナ基体を回転させることにより白金細線を巻回する
製造方法では、少なからずリード線とアルミナ基体との
間に偏心が生じるので、回転時の振れ量はアルミナ基体
の中心部よりもリード線接合部(アルミナ基体の端部)の
方が大きくなる。よって、振れ量の大きいリード線接合
部に白金細線を密に巻線しようとすると、隣接する白金
細線に接触する可能性が高くなり、抵抗値ばらつきの原
因となる。
【0008】その上、白金細線を等間隔で巻回する際、
リード線と白金細線の電気的な導通を得るために、アル
ミナ基体の両端に接合されているリード線上で巻線の開
始と終了を行うのが一般的であるが、この場合、巻線工
程内で、直径の小さなリード線から直径の大きなアルミ
ナ基体への乗り上げ作業、及びアルミナ基体からリード
線への乗り下げ作業が構造上必要となり、このような乗
り上げ作業、乗り下げ作業を行うには、アルミナ基体端
部近傍で白金細線にアルミナ基体端面に対して大きな角
度を持たせ、白金細線を確実にアルミナ基体のエッヂ部
に定着させなければ、この部分で白金細線が滑りを生じ
巻線不良の原因となる。即ち、白金細線を等間隔で巻回
する最初の箇所あるいは最後の箇所と、アルミナ基体の
端面からの距離が近接していると、前述のような巻線不
良が生じ易いのである。
【0009】一方、白金膜を等間隔でレーザトリミング
する製造方法の場合でも、振れ量が大きいとトリミング
幅が安定せず、抵抗値ばらつきのみならず、トリミング
ピッチが狭いので、断線不良となることもある。即ち、
アルミナ基体の両端部はトリミング幅が安定しないの
で、アルミナ基体の全長をトリミングした抵抗体素子の
抵抗値は作業性に依存されるという問題があった。
【0010】したがって、本発明の第1の目的は、作業
性を改善しつつ応答性に優れた抵抗体素子を提供するこ
とにある。また、第2の目的は、応答性に優れた抵抗体
素子を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明による抵抗体素子の特徴は、電気絶縁基体上に金属線
が巻回されて温度依存性を示す巻線抵抗体を有する抵抗
体素子において、前記電気絶縁基体は、熱伝導率が150
(W/m℃)以上の材料から成り、前記巻線抵抗体は、前記
電気絶縁基体全長の60(%)〜75(%)の範囲を占める中央
部の巻線間隔が残りの両端部の巻線間隔より密となるよ
うに巻回されていることにある。
【0012】また、他の特徴は、電気絶縁基体上に螺旋
状に形成されて温度依存性を示す膜状抵抗体を有する抵
抗体素子において、前記電気絶縁基体は、熱伝導率が15
0(W/m℃)以上の材料から成り、前記膜状抵抗体は、前記
電気絶縁基体全長の70(%)〜85(%)の範囲を占める中央
部の抵抗体幅が残りの両端部の抵抗体幅より狭く形成さ
れていることある。
【0013】更に別の特徴は、平板状の電気絶縁基体上
に、温度依存性を示す電気抵抗を有する抵抗体を形成し
てなる抵抗体素子において、前記電気絶縁基体をベリリ
アを主成分とした材料より構成したことにもある。
【0014】本発明による電気絶縁基体の高熱伝導率
が、応答性を改善し、また、高熱伝導率と最適寸法比
(L2/L1比)とが、応答性と作業性とを並立させる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照し説明する。図1は、本発明による一実
施例の空気流量計測装置を示す断面図である。空気流量
計測装置は、図示の通り、内部に自動車のエンジンに供
給される空気を流すための主空気通路1と流量計測用の
空気を流すための副空気通路2とを形成するボディ7
と、副空気通路2内にあって吸入空気流量を検出するた
めの発熱抵抗体4及び吸入空気温度を検出するための感
温抵抗体5と、各抵抗体4,5を固定している支持部材
6と、ボディ7の外周に設けられて、発熱抵抗体4及び
感温抵抗体5で検出された信号を、空気流量に対応した
電気信号として出力するための制御モジュール3とから
構成されている。
【0016】図2は、本発明による第1実施例の抵抗体
素子を示す図である。巻線抵抗体形の発熱抵抗体4また
は感温抵抗体5の構造を部分断面図で示している。以
下、発熱抵抗体4及び感温抵抗体5の両者を含めて抵抗
体素子という。巻線抵抗体形の抵抗体素子は、円筒状の
電気絶縁基体8の内部にリード線11をガラス材料等か
ら成る接着剤9により固着し、その後に、リード線11
と電気的に導通された白金等の金属細線10を電気絶縁
基体8の外周面に巻回し、ガラス材料等から成るコーテ
ィング層12を被覆して形成した構造である。
【0017】第1実施例の電気絶縁基体8は、熱伝導率
が150(W/m℃)である窒化アルミで形成し、電気絶縁基体
8の全長L1は、金属細線10を密に巻回した中央部の
L2部(発熱部)と、 電気絶縁基体8の端部近傍であっ
て金属細線10が殆ど巻回されていない両端部のL3,
L4部(非発熱部)とからなり、一般的にはL1=L3+
L2+L4の関係になっている。なお、一般的には両端
部のL3とL4は、実質的に同一である。
【0018】そして、電気絶縁基体8の全長L1に対す
る中央部の密巻部長さL2を、換言すれば、図2におけ
るL1とL2の比を、60(%)以上から75(%)以下の
範囲(60≦L2/L1×100≦75)としたものである。 す
なわち、巻線抵抗体(抵抗体素子)は、 電気絶縁基体全
長の60(%)〜75(%)の範囲を占める中央部の巻線間隔が
残りの両端部の巻線間隔より密となるように巻回されて
いるものである。
【0019】ここで、電気絶縁基体8の材料(すなわ
ち、熱伝導率)、ならびに電気絶縁基体8の全長に対す
る金属細線10の密巻部長さの比(L2/L1比)の、 抵
抗体素子の応答性に及ぼす影響について、以下に説明す
る。例えば、 制御モジュール3により抵抗体素子の表
面温度を200(℃)に設定し空気流中に曝したすると、 そ
の加熱電流は抵抗体素子の平均温度が200(℃)となるよ
うに印加される。すなわち、抵抗体素子において、金属
細線10が密に巻線されている中央部のL2部と、電気
絶縁基体8の端部近傍の金属細線10が殆ど存在しない
両端部のL3,L4部とでは、 単位長さ当りの発熱量が
異なるため、その表面温度分布は勾配を有したものとな
る。その一例を図3に示す。
【0020】図3は、図2の抵抗体素子の表面温度を示
す図である。図から、設定温度に対し、L3,L4部の
両端部は比較的温度が低く、L2部の中央部が最も高温
となる山型の温度分布を示すことが判る。このような温
度分布を有する抵抗体素子を空気流中に曝し、その空気
流が、例えば低流量から高流量に急変したとすると、抵
抗体素子は瞬間的に冷却されるので、温度分布が大きく
変動した後に、徐々に定常の温度分布に到達する。この
定常の温度分布に到達するまでの所要時間が、抵抗体素
子の応答時間となる。
【0021】特に、金属細線10が殆ど存在しない両端
部は、発熱量が微少であるため、冷却されてから定常の
温度に回復するには、発熱量が多いL2部から電気絶縁
基体8を介しての熱伝導に依存するしかない。よって、
電気絶縁基体8を構成する材料の熱伝導率、および両端
部の長さが、応答性に大きく影響すると言える。以上よ
り、抵抗体素子の応答性を向上するには、両端部の長さ
を短く( 即ち、L2/L1比を大きく)し、電気絶縁基体
8の熱伝導率を大きくする構成にすればよいと言える。
なお、上記の説明から、電気絶縁基体8の形状が円筒状
から平板状になったとしても、抵抗体素子の応答性は電
気絶縁基体8の熱伝導率に依存することが理解されるの
で、平板状の電気絶縁基体8からなる抵抗体素子の応答
性を向上するには、該平板状の電気絶縁基体8の熱伝導
率を大きくする構成にすればよいと言える。
【0022】次に、上記抵抗体素子の応答性に関し、そ
の効果を実験的に確認した結果について、図4,図5に
より説明する。図4は、図2の抵抗体素子の応答波形を
示す図である。図において、抵抗体素子を加熱し、空気
流を低流量から高流量に急変させたときの応答波形の一
例を示している。評価方法としては、実験の再現性等を
考慮して、高流量と低流量の差を百分率化し、95(%)
に到達した時間(t95%時間)を応答時間とした。この
方法により、供試品の電気絶縁基体8の材料をアルミ
ナ、窒化アルミ、ベリリアの3種とし、 それぞれにつ
いて、L2/L1比を変化させた時の応答時間(t95%
時間)を測定した。その実験結果の一例を図5に示す。
【0023】図5は、巻線抵抗体形の抵抗体素子につい
ての、応答性と電気絶縁基体の熱伝導率またはL2/L
1比の関係を示す図である。 図5において、前述した
従来より一般的に用いられているアルミナを電気絶縁基
体8の材料とし かつL2/L1比を80(%)とした抵抗
体素子を、基準抵抗体素子(従来品)と設定し、この基準
抵抗体素子の応答時間(t95%時間)を基準とした。即
ち、基準抵抗体素子の応答時間を1として、電気絶縁基
体の熱伝導率と、 L2/L1比とをパラメータとした応
答時間比を示している。因みに、アルミナ基体,窒化ア
ルミ基体,ベリリア基体の各熱伝導率は、21,15
0,300(W/m℃)である。
【0024】図5から、 抵抗体素子の応答性は、L2/
L1比に関係なく電気絶縁基体8の熱伝導率が大きいほ
ど良い。 また、熱伝導率の大小に関わらずL2/L1比
が大きくなると応答時間比が1より小さくなり、応答性
が良くなる傾向を示すことが判る。また、アルミナ基体
の場合であれば、L2/L1比が80(%)を越えると応
答時間比が1より小さく応答性が良い。そして、L2/
L1比が80(%)以下であれば、応答性は電気絶縁基体
8の熱伝導率の大きさに依存していることが確認され
た。
【0025】ここで前述したように、 金属細線10を
巻回して成る抵抗体素子のL2/L1比を大きくするに
も、巻線工程における作業性から限界がある。 図
6は、 巻線抵抗体形の抵抗体素子のL2/L1比と製造
歩留まりの関係を示す図である。すなわち、製造時の作
業性の善し悪しを示している。具体的には、図6に示す
通り、L2/L1比が75(%)位までは、比較的安定し
て製造できるが、80(%)を越えると、巻線不良による
製造歩留まりが極端に悪化することが判る。 従って、
図5,図6の両方を考慮すれば、L2/L1比は75
(%)以下の範囲にすること、そして、75(%)以下の範
囲で応答性を改良するためには、電気絶縁基体8の熱伝
導率は150(W/m℃)以上であって、 かつ、L2/L1比は
60(%)以上の範囲にすることが望ましいことが判る。
【0026】これに対し、巻線抵抗体形の本実施例の場
合は、 熱伝導率が150(W/m℃)の材料である窒化アル
ミを電気絶縁基体8に採用し、かつ L2/L1比は60
(%)以上から75(%)以下に構成しているので、従来品
に比べ、作業性を改善しつつ応答性を十分に向上し並立
することが判る。以上より、電気絶縁基体8の外周に金
属細線10を巻回して成る抵抗体素子において、電気絶
縁基体8を熱伝導率が150(W/m℃)以上の材料で形成し、
電気絶縁基体8の全長に対する金属細線10の密巻部長
さの比を、60(%)以上から75(%)以下まで(60≦L
2/L1×100≦75)とすることで、作業性を向上しつ
つ、応答性の良い抵抗体素子を提供できる。
【0027】次に、本発明による他の実施例について図
7〜図9を参照して説明する。図7は、本発明による第
2実施例の抵抗体素子を示す図である。膜状抵抗体形の
抵抗体素子の構造を部分断面図で示している。膜状抵抗
体形の抵抗体素子は、円筒状の電気絶縁基体8の表面に
レーザなどでトリミングされた白金等の金属膜14を形
成し、電気絶縁基体8の内部にリード線11を白金等を
含む導電性接着剤13により固着し、ガラス材料等から
成るコーティング層12を被覆して形成した構造であ
る。
【0028】第2実施例の電気絶縁基体8は、熱伝導率
が150(W/m℃)である窒化アルミで形成した。更に、電気
絶縁基体8の全長L1は、抵抗体幅を狭く形成した中央
部のL2部(発熱部)と、電気絶縁基体8の端部近傍であ
って抵抗体幅を広く形成した両端部のL3,L4部(非
発熱部)とからなり、L1=L3+L2+L4の関係に
なっている。
【0029】そして、電気絶縁基体8の全長L1に対す
る抵抗体幅の狭く形成されている部分長さL2を、換言
すれば、図7におけるL1とL2の比を、70(%)以上
から85(%)以下の範囲(70≦L2/L1×100≦85)とし
たものである。すなわち、膜状抵抗体(抵抗体素子)は、
電気絶縁基体全長の70(%)〜85(%)の範囲を占める中央
部の抵抗体幅が残りの両端部の抵抗体幅より狭く形成さ
れているものである。
【0030】本実施例の抵抗体素子においても、前述と
同様の実験により応答時間の比較評価を行った。但し、
このときの基準抵抗体素子(従来品)としては、従来より
一般的に用いられているアルミナを電気絶縁基体8の材
料とし、 L2/L1比が 100(%)のものとした。その結
果を図8に示す。
【0031】図8は、膜状抵抗体形の抵抗体素子につい
ての、応答性と電気絶縁基体の熱伝導率またはL2/L
1比の関係を示す図である。 図8に示すように、抵抗
体素子の応答性は、 図5と同様に、L2/L1比に関係
なく電気絶縁基体8の熱伝導率が大きいほど良い。 ま
た、L2/L1比が大きくなると応答性が良くなる傾向
を示すことが判る。
【0032】しかし、前述したように、 膜状抵抗体形
の抵抗体素子のL2/L1比にも限界がある。図9は、
膜状抵抗体形の抵抗体素子のL2/L1比と抵抗値ばら
つきの関係を示す図である。製造時の作業性を評価する
図である。 図9から、L2/L1比が85(%)を越え
る辺りから、 前述の抵抗値ばらつきが大きくなること
が確認され、 L2/L1比には作業性の点から限界があ
ることが判る。 従って、図8,図9の両方を考慮すれ
ば、L2/L1比は85(%)以下の範囲にすること、そ
して、85(%)以下の範囲で応答性を改良するために、
電気絶縁基体8の熱伝導率は150(W/m℃)以上であって、
かつ、L2/L1比は70(%)以上の範囲にすることが
望ましいことが判る。
【0033】これに対し、膜状抵抗体形の本実施例の場
合は、 熱伝導率が150(W/m℃)の材料である窒化アル
ミを電気絶縁基体8に採用し、かつ L2/L1比は70
(%)以上から85(%)までとしているので、従来品より
も抵抗値ばらつきを低減できると共に、従来品に対し十
分応答性を改善できることが判る。以上より、電気絶縁
基体8の外周に形成した金属膜14をトリミングして成
る抵抗体素子において、電気絶縁基体8を熱伝導率が15
0(W/m℃)以上の材料で形成し、電気絶縁基体8の全長L
1に対する金属膜14のトリミング部長さL2の比を7
0(%)以上から85(%)以下まで(70≦L2/L1×100
≦85)にすることで、抵抗値ばらつきを低減しつつ、応
答性の良い抵抗体素子を提供できる。
【0034】ところで、第1,2実施例では、円筒状の
電気絶縁基体8を用いているが、電気絶縁基体8の材料
としての無機絶縁材の中には、成形過程で分けると、ガ
ラスなどのように一度溶融してから成形するものと、ア
ルミナなどのような粉体を溶剤に混練し成形して焼成す
るものとがある。そして、前者のガラスの場合であれ
ば、粉体を押出し成形してもその後の焼成で溶融してし
まうので、円筒状に成形することは困難である。
【0035】これに対し、後者の粉体を押出し成形しそ
の後に焼成して成形することのできる粉体焼結成形材か
らなる電気絶縁基体は、焼成時の溶融や変形が少ないの
で生産性に優れていると言える。そして、熱伝導率が15
0(W/m℃)以上であって、電気絶縁体として採用される得
る粉体焼結成形材としては、窒化アルミ(AlN)やベリ
リア(BeO)などに限定される。なお、第1,2実施例
の抵抗体素子においては、円筒状の電気絶縁基体8を用
いたが、円筒状に限定されるものではないことは言うま
でもない。
【0036】次に、本発明による別の実施例としての第
3,4実施例について説明する。第3,4実施例の抵抗
体素子は、前述の第1及び第2実施例の抵抗体素子にお
いて、電気絶縁基体8の材料を、窒化アルミの代わりに
熱伝導率が300(W/m℃)であるベリリアで構成したもので
ある。ベリリア基体で構成した抵抗体素子の効果につい
ては、図5及び図8に示した通りであり、本実施例の抵
抗体素子であれば従来品と比較して、そして、窒化アル
ミ基体以上に、確実に応答性の良い抵抗体素子を提供す
ることができる。
【0037】さらにまた、第5実施例の抵抗体素子(図
示省略)は、平板状の電気絶縁基体の外表面に金属細線
を巻回して成る抵抗体素子において、該電気絶縁基体の
材料をベリリアで構成し、そして、第6実施例の抵抗体
素子(図10)は、平板状の電気絶縁基体の外表面に形成
した金属膜をトリミングして成る抵抗体素子において、
該電気絶縁基体の材料をベリリアで構成したものであ
る。
【0038】図10は、本発明による第6実施例の抵抗
体素子を示す図である。図10において、第6実施例の
抵抗体素子は、ベリリア材料を採用した平板状の電気絶
縁基体8の外表面に、金属膜からなる発熱抵抗体4と感
温抵抗体5とリード線11と電極15とを形成してなる
ものである。 本第6実施例(ならびに第5実施例)の構
成とすることにより、前述の「抵抗体素子の応答性は電
気絶縁基体8の熱伝導率に依存する」ことから、 更に、
図5および図8の実験結果から、従来品のアルミナを用
いた平板状の電気絶縁基体からなる抵抗体素子よりも、
L2/L1比の値に関わらず、 応答性の良い平板状の抵
抗体素子が得られることが明らかである。なお、平板状
の電気絶縁基体を採用した抵抗体素子には、特開平3−
137521号公報に記載の抵抗体素子の形状をも含む
ものとする。
【0039】すなわち、本発明による抵抗体素子の別の
特徴は、平板状の電気絶縁基体上に温度依存性を示す電
気抵抗を有する抵抗体を形成してなる抵抗体素子におい
て、電気絶縁基体をベリリアを主成分とした材料より構
成した点にあると言える。
【0040】
【発明の効果】本発明により、電気絶縁基体に金属細線
や金属膜などの温度依存性を示す抵抗体で形成した抵抗
体素子において、電気絶縁基体の全長に対する発熱部長
さの比を製造に適した値としているので、巻線工程での
製造歩留まりや抵抗トリミング時の抵抗値ばらつきなど
が改善され、また、電気絶縁基体を熱伝導率の高い材料
で構成しているため、応答性の改善が図られて、流量計
の性能向上やコスト低減に結び付く効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の空気流量計測装置を示
す断面図である。
【図2】本発明による第1実施例の抵抗体素子を示す図
である。
【図3】図2の抵抗体素子の表面温度を示す図である。
【図4】図2の抵抗体素子の応答波形を示す図である。
【図5】巻線抵抗体形の抵抗体素子についての、応答性
と電気絶縁基体の熱伝導率またはL2/L1比の関係を
示す図である。
【図6】巻線抵抗体形の抵抗体素子のL2/L1比と製
造歩留まりの関係を示す図である。
【図7】本発明による第2実施例の抵抗体素子を示す図
である。
【図8】膜状抵抗体形の抵抗体素子についての、応答性
と電気絶縁基体の熱伝導率またはL2/L1比の関係を
示す図である。
【図9】膜状抵抗体形の抵抗体素子のL2/L1比と抵
抗値ばらつきの関係を示す図である。
【図10】本発明による第6実施例の抵抗体素子を示す
図である。
【符号の説明】
1…主空気通路、2…副空気通路、3…制御モジュー
ル、4…発熱抵抗体、5…感温抵抗体、6…支持部材、
7…ボディ、8…電気絶縁基体、9…接着剤、10…金属
細線、11…リード線、12…コーティング層、13…導電性
接着剤、14…金属膜、15…電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内山 薫 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気絶縁基体上に金属線が巻回されて温度
    依存性を示す巻線抵抗体を有する抵抗体素子において、 前記電気絶縁基体は、熱伝導率が150(W/m℃)以上の材料
    から成り、 前記巻線抵抗体は、前記電気絶縁基体全長の60(%)〜75
    (%)の範囲を占める中央部の巻線間隔が残りの両端部の
    巻線間隔より密となるように巻回されていることを特徴
    とする抵抗体素子。
  2. 【請求項2】電気絶縁基体上に螺旋状に形成されて温度
    依存性を示す膜状抵抗体を有する抵抗体素子において、 前記電気絶縁基体は、熱伝導率が150(W/m℃)以上の材料
    から成り、 前記膜状抵抗体は、前記電気絶縁基体全長の70(%)〜85
    (%)の範囲を占める中央部の抵抗体幅が残りの両端部の
    抵抗体幅より狭く形成されていることを特徴とする抵抗
    体素子。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記電
    気絶縁基体は、ベリリアを主成分とした材料からなるこ
    とを特徴とする抵抗体素子。
  4. 【請求項4】請求項1または請求項2において、前記電
    気絶縁基体は、粉体焼結成形材からなることを特徴とす
    る抵抗体素子。
  5. 【請求項5】平板状の電気絶縁基体上に、温度依存性を
    示す電気抵抗を有する抵抗体を形成してなる抵抗体素子
    において、 前記電気絶縁基体をベリリアを主成分とした材料より構
    成したことを特徴とする抵抗体素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018070287A1 (ja) * 2016-10-13 2018-04-19 株式会社堀場エステック 流体センサ、当該流体センサを備えた流体制御装置、及び、調整方法

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