JPH1061398A - 地下放水路換気方法及びその制御装置 - Google Patents

地下放水路換気方法及びその制御装置

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JPH1061398A
JPH1061398A JP22274696A JP22274696A JPH1061398A JP H1061398 A JPH1061398 A JP H1061398A JP 22274696 A JP22274696 A JP 22274696A JP 22274696 A JP22274696 A JP 22274696A JP H1061398 A JPH1061398 A JP H1061398A
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JP
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ventilation
underground
spillway
simulation
simulator
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JP22274696A
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English (en)
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Yasushi Takatsu
恭 高津
Daisuke Nagaoka
大助 永岡
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 立坑と地下トンネルからなる地下空間内部
で、酸欠防止に必要な換気風速を確保し、設備・運転費
が経済的な地下放水路換気方法と制御装置を提供する。 【解決手段】 地下放水路と外部空間を連絡する開口部
であるダンパ6a、6b、6cの開口状態を検出する開
口検出装置(DP)7a〜7fと、換気空気温度を検出
する温度検出装置(TF)9a、9bと、そして、立坑
底部の温度を検出する温度検出装置(TS)8a〜8e
からの検出信号を換気シミュレータに入力し、換気シミ
ュレータによるシミュレーションの結果に基づいて換気
運転の検討を行い、送・排風機4のファンによる地下放
水路の換気を行う。さらに、実際の換気の状態を地下放
水路内に設けた風量検出装置(VF)10a、10bや
風速検出装置(VS)11a〜11dにより検出してフ
ィードバックし、目標値との比較を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、複数の立坑を地下
トンネルでつないだ地下空間を効率良く換気するための
換気ファン等の運転制御を行う地下放水路換気方法とそ
の制御装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】都市部の洪水を防止するため、増水した
河川より大深度に設けた水路を使って他の河川へ流す地
下放水路、あるいは、地下鉄における地下駅など、複数
の立坑を地下トンネルでつないだ地下空間の利用が行わ
れている。このような地下空間内部の換気を行う方法と
しては、例えば、三菱電機技報・Vol.69・No.
6・1995、第28(556)頁〜第32(560)
頁の「広島新交通1号線の排煙・空調システム」により
知られるように、地下鉄駅構内の換気・排煙を行うシス
テムがある。なお、このシステムでは、あらかじめ想定
した運転条件(火災発生の条件)に対して、どのように
排煙・換気の制御を行うかを運転モードとして決めてお
き、現在の運転条件がどの条件に相当するかを検出し、
それに対応した運転モードにより排煙・換気制御を行う
ものである。すなわち、この排煙・空調システムでは、
温度等を含む開口部の状態、あるいは、実際にどのよう
な排煙・換気が行われているかを、例えば風速等によっ
て検出し、それを排煙・換気制御にフィードバックする
ことは行っていなかった。
【0003】一方、特に、地下放水路の換気に関して
は、各立坑の地上建家内にファンを設けて行うのが一般
的であるが、各立坑開口部の状態、あるいは、各立坑間
で地下と地表間の温度差が異なることを原因とする自然
対流の影響など、各種の条件の変化により、全体の換気
バランスが大きく影響を受ける。そのため、あらかじめ
条件設定された運転モードだけでは、換気運転時の条件
の違いに対して最適な対応ができず、換気バランスが想
定したものと異なってしまうことが予想され、これで
は、地震の際などに地下放水路内部で行う点検などの作
業において、酸欠事故の発生を防止することができな
い。
【0004】そのため、従来においては、このような換
気バランスの変化を少なくし、地下放水路内部で行う作
業での酸欠事故などを防ぐため、立坑開口部の状態、あ
るいは、地下と地表間の温度差が立坑間で異なることに
よる自然対流の影響などの条件の変化が換気バランスに
及ぼす影響を小さくするように、圧力、風量の特性に余
裕をもたせた容量の大きいファンを設置することが行わ
れていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術では、特に、換気バランスの変化を少なくす
るために圧力、風量の特性に余裕をもたせた容量の大き
いファンを設置した場合には、設置するファンの電動機
容量が大きくなり、そのため、かかる設備を設置するた
めの設備費が、さらには、換気運転をするための運転費
用が高くなるという問題点があった。
【0006】そこで、本発明では、上記の従来技術にお
ける問題点に鑑みて、特に、複数の立坑を地下トンネル
でつないだ放水路部などの地下空間内部での作業時の安
全性を確保すると共に、必要となる換気ファンの容量を
最小化し、もって、その設備費や運転費についてもより
安価で経済的な地下放水路換気方法とその制御装置を提
供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの方法として、本発明によれば、まず、複数の立坑の
間を地下トンネルでつないで形成した地下放水路におい
て、その放水路内の換気を行うための地下放水路換気方
法であって、シミュレータにより地下放水路内の換気シ
ミュレーションを行って換気バランスを算出し、その算
出結果に基づいて、地下放水路内の各部の換気風速が予
め定めた規定範囲内の値となるように、前記複数の立坑
に設けた送・排風手段の運転を行う地下放水路換気方法
が提起されている。
【0008】また、本発明によれば、複数の立坑の間を
地下トンネルでつないで形成した地下放水路において、
その放水路内の換気を行うための地下放水路換気制御装
置であって、前記地下放水路内の換気シミュレーション
を行うシミュレータと、前記シミュレータによる換気シ
ミュレーションの結果に基づいて、地下放水路内の各部
の換気風速が予め定めた規定範囲内の値となるように、
前記複数の立坑に設けた送・排風手段の運転を行う手段
とを備えた地下放水路換気制御装置が提起されている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付の図面を参照しながら説明する。まず、図2に
は、本発明の一実施の形態になる地下放水路換気方法を
実現するための地下放水路の換気設備を示す。この図に
おいて、地中には複数の立坑1a〜1eが設けられてお
り、これら複数の立坑1a〜1eは地下放水路2a〜2
dでつながれて、地下放水路となる地下空間が形成され
ている。また、この図に示す地下放水路では、立坑1
a、1c、1eは、それぞれ、河川3a、3b、3cに
対して、水門5a、5b、5cを介してつながってお
り、さらに、これら立坑1a、1c、1eの上部には、
ダンパ6a、6b、6cが設けられている。なお、これ
ら水門5a、5b、5c及びダンパ6a、6b、6cに
は、それぞれ、水門あるいはダンパの開口状態に応じて
抵抗係数に換算可能な開口検出装置(DP)7a〜7f
が取り付けられている。また、他の立坑1b、1dの上
部には、それぞれ、送・排風機4a、4bが設けられ、
さらに、これら送・排風機には、それぞれ、換気空気温
度を検出する温度検出装置(TF)9a、9bと、換気
風量に換算可能な風速を検出できる風量検出装置(V
F)10a、10bとが設けられている。また、上記立
坑1a〜1eの底部付近には、それぞれ、温度を検出で
きる温度検出装置(TS)8a〜8eが設けられてい
る。そして、上記地下放水路部2a〜2dには、その内
部の風速を検出できる風速検出装置(VS)11a〜1
1dを設けている。
【0010】以上に述べた地下放水路の設備構成によれ
ば、例えば、図の河川3aの増水により洪水が予想され
る時には、水門5aを開口操作し、河川3aからの水を
立坑1aを経由して地下放水路2a〜2dへ流入させ
る。さらに、地下放水路2a〜2dが満水になる場合に
は、図示しないが、立坑1c、1eに設置されたポンプ
により、地下放水路2a〜2d内の水を立坑1c、1e
を経由して他の河川3b、3cへ放水する。なお、上記
の立坑1a、1c、1eの上部に設けられたダンパ6
a、6b、6cは、これら立坑内が増水した時に他の立
坑1b、1dの上部に設けられた換気空気を送風・排風
するための送・排風機4a、4bに生じるエアロックを
防止するためのものである。
【0011】そして、例えば地震の発生時における監視
など、地下放水路内部で作業する時には、上記河川3
a、3b、3cにつながる水門5a、5b、5cを閉じ
て立坑1a、1c、1eの内部に河川からの水は流入し
ないような状態にし、他の立坑1b、1dの上部に設け
られた送・排風機4a、4bを運転し、地下放水路2a
〜2d内の換気を行う。なお、この時には、これら送・
排風機4a、4bによる地下放水路内の換気風速が、地
下放水路内部で作業する作業員を酸欠事故から防止する
ために必要なある閾値以上にする必要がある。
【0012】次に、地下放水路の設備構成における地下
放水路換気制御方法の詳細について、図1のフローチャ
ートを参照しながら説明する。なお、この地下放水路換
気制御は、例えば電子計算機などを利用することによ
り、容易に実行することが可能であることは言うまでも
ない。
【0013】まず、処理が開始されると、換気パラメー
タを初期値に設定する(S11)。なお、ここで、換気
パラメータには、例えば上記送・排風機4a、4bのフ
ァン風量、上記ダンパ6a、6b、6cなどの各弁の開
度などを含む。その後、地下放水路2a〜2dと外部空
間を連絡する開口部の状態の検出値の取り込みを行う
(S12)。この開口部状態の検出値の取り込みは、例
えば、上記ダンパ6a、6b、6cの開口状態に応じて
抵抗係数に換算する開口検出装置(DP)7b、7d、
7eからの抵抗係数に関連する情報、そして、各河川か
らの流入口のゲート5a、5b、5cの開度を検出する
開口検出装置(DP)7a、7c、7fからの検出値を
含む。なお、これらの開度に関する情報のみだけではな
く、上記各開口部付近での大気の風速、さらには、その
周囲温度等を検出してもよい。加えて、この取り込む検
出値には、換気空気温度を検出する温度検出装置(T
F)9a、9bが、換気空気を地下放水路2a〜2d内
へ送風し、あるいは、地下放水路2a〜2d内よりガス
を含んだ空気を排風する上記送・排風機4a、4bによ
り送・排出される空気の温度を検出した検出値を、さら
には、立坑1a〜1eの底部付近に設けられた温度検出
器(TS)8a〜8eが、各立坑の底部付近の温度を検
出した検出値を含む。
【0014】これらの取り込まれた検出値は、次いで、
換気シミュレータへ送信され、この換気シミュレータで
は、いわゆる、後にその詳細を説明する管路網解析プロ
グラムを用いて、あらかじめ入力してある形状、抵抗係
数、ファン特性等と共に、上記のステップS12で取り
込まれた各検出器から送信された検出値と、設定された
換気パラメータとに基づいて、地下放水路系の各部風速
などのシュミレーションを実行する(S13)。
【0015】ここで、上記管路網解析プログラムを用い
た換気シミュレーションの一例について説明する。この
例では、上記図2に示した地下放水路形状を、図3に示
すような換気系管路網にモデル化してシミュレーション
を行う。図において、図中の黒点「・」は節点を表し、
これら黒点の間をつなぐ実線が要素を表している。ここ
で、要素とは、例えば、エルボ、急拡大、急縮小、管入
口、管出口など、いわゆる、損失係数で置き換えられる
管路要素のことをいい、上記節点はそれらの接続部分で
ある。また、地下放水路の形状である立坑1a〜1e、
地下放水路2a〜2d、そして、送・排風機4a、4
b、河川からの流入口のゲート5a、5b、5c、開口
部ダンパ6a、6b、6cの開口部は、その形状は非常
に複雑であるが、管路要素として考えると、いくつかの
管路要素に分けることが出来る。さらに、各要素が直列
あるいは並列に並んでいることを考慮して、それぞれの
損失係数を足し合わせ、一つの要素としてモデル化する
ことができる。また、節点はこれら各要素の接続部分を
表す。このモデル化した管路要素をシミュレータに入力
データとして与える。
【0016】ここで、ある要素の流量をQ(m3/s)と
し、対象とする節点に流入する向きを正にとると、各節
点における非圧縮性流体の質量保存則から、次式が成り
立つ。
【数1】 但し、ΣQは、当該節点に接続された各要素から流入す
る流量の和を簡略化して示したものとする。また、各要
素において、その要素の圧力損失ΔP(mmAq)が流量の
自乗に比例する場合には、流量をQ(m3/s)、損失係数
をcとすると、次式が成り立つ。
【数2】 ここで、添え字のiは、要素番号を示す。また、その要
素がファンの場合には、次式で表すことができる。
【数3】 ここで、関数fF(Q)はファンの特性曲線を表す。こ
の特性曲線についても、あらかじめ、データとして与え
られる。そして、全ての節点のまわりで、上記の式(数
1)、(数2)及び(数3)からなる連立方程式を解く
ことにより、各節点の圧力及び各要素の流量を求めるこ
とができる。
【0017】また、上記の入力データとしては、節点条
件、要素条件、ファン条件、抵抗式条件の4種類があ
る。まず、節点条件として、節点数、計算を開始する時
点での初期圧力、初期温度を入力する。次に、要素条件
として、要素数、その要素を構成する節点番号と風向
き、要素の種類(ファン,抵抗式)、その要素種類の中
での条件番号、初期流量を入力する。また、ファン条件
では、前節の関数fF(Q)に相当する流量・圧力デー
タを入力する。最後に、抵抗式条件では、抵抗式の種類
数、式の形、係数(αi,βi)を入力する。なお、式の
形としては次の2種類がある。
【数4】 以上のように、換気シミュレータにはモデル化した地下
放水路部の換気系をあらかじめ組み込んでおく。
【0018】なお、地下放水路部の空気の圧力はほとん
ど大気圧であり、この差が上記の換気バランスに及ぼす
影響はないので、あらかじめ設定しておけば良い。しか
し、初期温度、初期流量、流れ方向については、季節等
の条件により異なるので、換気空気温度を検出する温度
検出装置(TF)9a、9b、換気風量に換算可能な風
速・方向を検出できる風量検出装置(VF)10a、1
0b、立坑1a〜1eの底部付近の温度を検出すること
ができる温度検出装置(TS)8a〜8e、そして、地
下放水路2a〜2dの風速を検出できる風速検出装置
(VS)11a〜11dからの検出信号を解析の初期入
力条件として与える。
【0019】更に、立坑上下の温度差が立坑ごとに異な
るために発生する自然対流の影響を考慮するために、図
3にも示すように、これを考慮する浮力の項を要素とし
て設けておき、換気空気温度と立坑底部温度との差に基
づいて上記の式(数4)を選び、β2〜β6=0とし、次
式により損失係数β1を求め、入力データとする。
【数5】 ここで、ρL:風下節点の密度(kg/m3) ρH:風上節点の密度(kg/m3) hL:風下節点の高さ(m) hH:風上節点の高さ(m) g:重力加速度(m/s2) なお、これらの密度は測定した温度より計算により求め
ることができる。
【0020】図1のS13では、検出した測定値及び換
気パラメータを以上に説明したモデルへの入力値として
シュミレーションを実行することにより、送・排風機4
a、4bの換気ファンを運転した場合の地下放水路の各
部の風速を求めることができる。
【0021】次いで、上記換気シミュレータによる計算
結果から、各地下放水路部の換気風速がある規定の範囲
内にあるか否かを判定する(S14)。その結果、換気
風速がある規定の範囲内にない(No)と判定された場
合には、上記の換気パラメータを変更し(S17)、再
び、上記のステップS12へ戻る(フィードバックが行
われる)。すなわち、ここまでのステップによれば、自
動的に、あるいは、上記換気シミュレータからのガイダ
ンスに基づき人為的に換気パラメータの変更を行うこと
により、換気風速がある規定の範囲内の値となる運転方
式を選定することができる。従って上記の規定の範囲
を、作業員が安全に作業できる風速でかつその限りで小
さな値に押さえられるような範囲として定めておくこと
により、安全で経済的な運転条件を定めることができ
る。
【0022】続いて、上記の判定(S14)の結果、換
気風速がある規定の範囲内にある(Yes)と判定され
た場合には、そのシミュレーションデータに基づいて運
転を行う(S15)。すなわち、このようなシミュレー
ションによる検討結果により、換気運転制御装置を実際
に操作して地下放水路部の実際の換気運転を行う。その
結果、地下放水路部の換気が実際に行われるが、その状
態を確認するために、さらに、上記送・排風機4a、4
bに設置した風量検出装置(VF)10a、10b、地
下放水路2a〜2dの各部の風速を検出する風速検出装
置(VS)11a〜11dにより、実際の換気風速を検
出し、これと目標値との比較を行う(S16)。この比
較により、換気風速の検出値が規定値以下(No)であ
れば、その処理は、再び、上記ステップ12へ戻り(フ
ィードバックが行われる)、他方、換気風速の検出値が
規定値以上(Yes)であれば、その処理は、直前の上
記ステップ15へ戻る。これにより、実際の換気運転が
目標値通りであれば、のまま換気運転を継続するが、目
標値と異なる場合には、フィードバックして換気シミュ
レーションを修正することとなる。
【0023】なお、添付の図4には、上記に詳述した本
発明の換気方式による各地下放水路部の換気風速と、従
来の換気方式による換気風速との実測による比較例が示
されている。なお、このグラフにおいて、縦軸は、酸欠
防止のために必要な限界風速を基準(=1)とした比率
を、そして、横軸は地下放水路部における風速検出点、
具体的には、地下放水路部2a〜2dの内部に設けた風
速検出装置(VS)11a〜11dの検出値を示してい
る。そして、このグラフからも明らかなように、従来の
換気方式による換気風速は、地下放水路部における各風
速検出点において大幅に異なる値となるが、これに比較
し、本発明の換気方式によれば、その換気風速は、地下
放水路部における各風速検出点において必要な限界風速
(=1)をわずかに超えてほぼ一定となることが分か
る。
【0024】なお、上記の本発明の実施の形態では、ス
テップS16の処理において、地下放水路部には風速検
出装置(VS)11a〜11dを設けることとして説明
した。しかしながら、本発明は、必ずしも、風速検出装
置による地下放水路部における風速の検出を行うことな
く、シミュレーションのみで運転することも可能であ
る。
【0025】例えば、図5には、本発明の別の実施の形
態になる地下放水路換気制御方法が示されており、この
方法によれば、運転パラメータの初期設定に代えて、現
行運転中の換気パラメータを取り込み(S11’)、そ
の後、上記図1に示したステップS12〜S15、S1
7を実行するが、実際の換気風速の検出と目標値との比
較(S16)は行わない。すなわち、この換気制御方法
では、換気シミュレータの精度を上げることにより、常
に、充分な換気性能が得られると判断できれば、実際の
風速の検出による換気運転方式の変更の考慮をする必要
がないとの認識に基づいている。このような方法によれ
ば、上記の風量検出装置(VF)10a、10b、ある
いは、風速検出装置(VS)11a〜11dの設置が不
要となり、必要な設備がさらに安価となる利点がある。
また、換気シミュレーションを簡単にするため、例え
ば、開口部の状態を常に閉とするなど、一定の状態に運
用することにしておけば、地下放水路と外部空間を連絡
する開口部の状態の検出器である上記の開口検出装置
(DP)7a〜7fも不要となり、さらに安価になると
同時に、シミュレーションも容易になるという利点があ
る。
【0026】このように、本発明の地下放水路換気方法
では、複数の立坑を結ぶ地下放水路において、換気バラ
ンスに大きな影響を持つパラメータである、(a)地下
放水路と外部空間を連絡する開口部の状態、(b)地下
放水路へ送り込む換気空気の温度、(c)地下放水路の
温度を、換気バランスを変化させる条件として換気シミ
ュレータに入力し、各部の形状、抵抗係数等の変化しな
い条件と組み合わせ、地下放水路部の各部の平均流速が
酸欠防止の閾値以上の最小限の流速になるような換気運
転方式を求める。そして、その結果に基づいて、換気フ
ァンの運転状態と開口部の状態を決定して換気を行う。
また、本発明の地下放水路換気方法では、上述の換気シ
ミュレータを用いた換気制御方法の結果により制御され
る送・排風機の換気風速、地下放水路部の風速を検出
し、この実測値を換気シミュレータにフィードバックし
て目標値との比較を行い、必要があれば、換気運転方式
の変更を行うものである。
【0027】
【発明の効果】以上に詳細に述べたように、本発明によ
れば、複数の立坑を地下トンネルでつないだ放水路部な
どの地下空間内部でも、酸欠防止の閾値以上の最小限の
風量を確保することにより内部での作業の安全性を図
り、必要となる換気ファンの容量を最小化し、もって、
その設備費や運転費についてもより安価で経済的な地下
放水路換気方法とその制御装置を提供するという優れた
効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる地下放水路換気方法の一例を示す
フローチャート図である。
【図2】地下放水路の断面構造の一例を示す断面図であ
る。
【図3】図2の地下放水路の管路網解析プログラム用の
モデルを示す図である。
【図4】本発明の地下放水路換気方法により得られる地
下放水路内での風速を従来技術との比較により示すグラ
フである。
【図5】本発明になる地下放水路換気方法の別の例を示
すフローチャート図である。
【符号の説明】
1 立坑 2 地下放水路 3 河川 4 送・排風機 5 水門 6 ダンパ 7 開口部状態の検出器 8 立坑底部付近の温度検出器 9 送・排風機の換気空気温度検出器 10 送・排風機の換気風速検出器 11 地下放水路部の換気風速検出器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の立坑の間を地下トンネルでつない
    で形成した地下放水路において、その放水路内の換気を
    行うための地下放水路換気方法であって、シミュレータ
    により地下放水路内の換気シミュレーションを行って換
    気バランスを算出し、その算出結果に基づいて、地下放
    水路内の各部の換気風速が予め定めた規定範囲内の値と
    なるように、前記複数の立坑に設けた送・排風手段の運
    転を行うことを特徴とする地下放水路換気方法。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載した地下放水路換気
    方法であって、前記シミュレータは、あらかじめ入力し
    た地下放水路のモデルに基づいて、少なくとも、前記地
    下放水路へ送風あるいは排風される換気空気の温度を検
    出して取り込んで換気シミュレーションを行うことを特
    徴とする地下放水路換気方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項2に記載した地下放水路換気
    方法であって、さらに、前記地下放水路と外部空間を連
    絡する開口部の状態の検出値を取り込んで換気シミュレ
    ーションを行うことを特徴とする地下放水路換気方法。
  4. 【請求項4】 前記請求項3に記載した地下放水路換気
    方法であって、さらに、前記地下放水路底部の温度を検
    出し、その検出値を取り込んで換気シミュレーションを
    行うことを特徴とする地下放水路換気方法。
  5. 【請求項5】 前記請求項1に記載した地下放水路換気
    方法であって、前記シミュレータによる換気シミュレー
    ションの結果に基づいて、さらに、前記複数の立坑に設
    けた開口手段の開口状態を決定して換気制御を行うこと
    を特徴とする地下放水路換気方法。
  6. 【請求項6】 前記請求項1に記載した地下放水路換気
    方法であって、さらに、前記地下放水路内での換気風速
    を検出し、その検出した換気風速を前記シミュレータに
    よる換気シミュレータにより得られた結果と比較しなが
    ら前記送・排風手段の運転状態を決定して換気制御を行
    うことを特徴とする地下放水路換気方法。
  7. 【請求項7】 複数の立坑の間を地下トンネルでつない
    で形成した地下放水路において、その放水路内の換気を
    行うための地下放水路換気制御装置であって、前記地下
    放水路内の換気シミュレーションを行うシミュレータ
    と、前記シミュレータによる換気シミュレーションの結
    果に基づいて、地下放水路内の各部の換気風速が予め定
    めた規定範囲内の値となるように、前記複数の立坑に設
    けた送・排風手段の運転を行う手段とを備えたことを特
    徴とする地下放水路換気制御装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項7に記載した地下放水路換気
    制御装置であって、前記シミュレータによる換気シミュ
    レーションの結果に基づいて、さらに、前記複数の立坑
    に設けた開口手段の開口状態を決定して換気制御を行う
    手段を備えたことを特徴とする地下放水路換気制御装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109162761A (zh) * 2018-09-13 2019-01-08 辽宁工程技术大学 一种煤层群多层采空区调压通风模拟分析装置及方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109162761A (zh) * 2018-09-13 2019-01-08 辽宁工程技术大学 一种煤层群多层采空区调压通风模拟分析装置及方法

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