JPH1059872A - メチルアセチレンの貯蔵方法 - Google Patents

メチルアセチレンの貯蔵方法

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JPH1059872A
JPH1059872A JP21700996A JP21700996A JPH1059872A JP H1059872 A JPH1059872 A JP H1059872A JP 21700996 A JP21700996 A JP 21700996A JP 21700996 A JP21700996 A JP 21700996A JP H1059872 A JPH1059872 A JP H1059872A
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methylacetylene
inert gas
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carbon monoxide
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JP21700996A
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English (en)
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Masato Kawabe
正人 河辺
Kazuyuki Matsuoka
一之 松岡
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自己分解爆発性を有するメチルアセチレンを、
安全な状態に貯蔵する方法を提供する。 【解決手段】メチルアセチレンを液体状態で貯蔵する方
法において、貯蔵容器内の気相部を不活性ガスで希釈し
て保存する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メチルアセチレン
の安全な貯蔵方法に関する。更に、本貯蔵設備からメチ
ルアセチレンをカルボニル化装置に供給して、カルボニ
ル化触媒の存在下一酸化炭素およびアルコールと接触さ
せてメタクリル酸アルキルエステルの製造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】メチルアセチレンは、ナフサ分解による
エチレン、プロピレンの製造において異性体のプロパジ
エンと共に少量副生している。従来、メチルアセチレン
およびプロパジエンは利用価値が少なく、一部メチルア
セチレン−低級炭化水素の混合物がガス溶接用としての
ガスとして使用されている程度であり、大部分のメチル
アセチレンおよびプロパジエンはナフサ分解プラント内
で水素化されてプロピレン、プロパンとして利用されて
いる。近年、メチルアセチレンを原料とするメタクリル
酸アルキルエステルの製造法が注目されてきた。プロパ
ジエンは異性化により容易にメチルアセチレンに変化で
き、メタクリル酸アルキルエステルの原料として使用で
きる。しかしメチルアセチレンは自己分解爆発性があ
り、純粋なメチルアセチレンを工業的に取扱うには充分
な注意と安全対策が必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】メチルアセチレンは、
20℃で蒸気圧が5気圧あり、一方純粋なメチルアセチ
レンの限界爆発圧力は20℃で4.4気圧である。(ガ
スおよび蒸気の爆発限界:安全工学協会編,昭和52年
4月5日に記載されている)。純粋なメチルアセチレン
を貯蔵する場合、20℃では気相部が限界爆発圧力以上
になっており、何らかのエネルギーが加わった場合、自
己分解爆発性の危険性がある。そこで危険性を回避する
ためには5℃以下に冷却して貯蔵する必要があり、冷却
に多大なエネルギーを必要とされ、安価にしかも安全に
メチルアセチレンを貯蔵する方法が望まれている。
【0004】メチルアセチレンを原料としてメタクリル
酸アルキルエステルを製造する場合、ナフサ分解による
エチレン製造プロセスからメチルアセチレンを得るた
め、ナフサ分解装置と連結することが最も経済的であ
る。しかし、エチレン製造プロセスは複数の工程および
供給原料の多様化、生成エチレン、プロピレンの需要比
率の変動を受け生成メチルアセチレンの製造量が変動
し、メタクリル酸アルキルエステル製造装置を安定した
運転をするためにはメチルアセチレンを安全に貯蔵し、
一定量のメチルアセチレンを供給する必要がある。この
方法として、特開平5−221923号によればメタク
リル酸アルキルエステルの製造に使用するアルコールに
メチルアセチレンを溶解させて貯蔵する方法が提案され
ている。しかし本方法による場合でも20度以下に冷却
する必要があり、またアルコールに溶解貯蔵するために
必要以上に大きな貯蔵タンクが必要である。従来より改
良されているが、工業的にメタクリル酸アルキルエステ
ルを得るためには満足できるものではない。また、冷却
温度を高くする方法としては、多量のアルコールの使用
が考えられるが、この場合、貯蔵設備およびカルボニル
化装置が大きくなり、しかもアルコールの回収にエネル
ギーが必要となり経済性が悪くなる。本研究者らは、メ
チルアセチレンの安全な貯蔵方法およびメタアクリレー
トの安価な製造方法について鋭意検討し本発明を達成し
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本研究者らは、前記目的
を達成するため「メチルアセチレンを液体状態で貯蔵す
る方法において、貯蔵容器内の気相部を不活性ガスによ
り希釈して保存することを特徴とするメチルアセチレン
の貯蔵方法。」を提案するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる貯蔵容器内の気相部を希釈する不活
性ガスとは、メチルアセチレンと直接反応しないもの、
および次工程のメチルアセチレンを用いる反応において
反応を阻害しないものである。具体的には、メタン、エ
タン、プロパン、窒素、二酸化炭素、および一酸化炭素
が挙げられる。メチルアセチレンをメチルアクリレート
の原料として用いる場合の好ましい不活性ガスは一酸化
炭素である。希釈ガスとして一酸化炭素を用いる場合、
メチルアセチレンの貯蔵設備は120℃以下の温度で気
相部のメチルアセチレン濃度を45%以下で貯蔵するこ
とが好ましい。より好ましくは0〜60℃の温度で気相
部のメチルアセチレン濃度を45%以下に貯蔵する。1
20℃で貯蔵する場合、気相部のメチルアセチレン濃度
を45%で保持するためには全圧を100気圧で管理
し、60℃で貯蔵する場合、気相部のメチルアセチレン
濃度を45%で保持するためには気相部の全圧を33気
圧で管理すればよい。貯蔵温度が高い場合は、全圧を高
くする必要があり、更に好ましい温度は10〜50℃の
範囲である。貯蔵温度が低い場合は全圧を低くできる
が、冷却設備が必要となり本目的から外れる。希釈ガス
としてメタン、エタン、プロパンを用いると一酸化炭素
よリ限界爆発圧力が高くなり気相部の全圧を低く管理す
ることができるが、メチルアセチレンをメタクリル酸ア
ルキルエステルの原料として用いる場合、液体のメチル
アセチレンにこれらのガスが溶解するため、メチルアセ
チレンとこれらガス成分との分離が必要となり、希釈剤
として一酸化炭素を用いる場合はメチルアセチレンへの
溶解度が低く、また溶解した一酸化炭素はメタクリル酸
アルキルエステルの原料として使用できるので全く問題
がない。
【0007】本発明によりメタクリル酸アルキルエステ
ルを製造する場合、ナフサ分解により得られたメチルア
セチレンの一部を貯蔵設備に供給すると共に残部を直接
カルボニル化装置に供給すればよい。貯蔵設備の気相部
は一酸化炭素により希釈されているために冷却設備なし
で安全に貯蔵できる。より具体的には貯蔵温度20℃で
一酸化炭素により気相部の全圧を11気圧に管理すれば
分解爆発が抑えられ、メチルアセチレンへの一酸化炭素
の溶解量はメチルアセチレン1モルに対して0.003
モル程度であり、メチルアセチレンからのメタクリル酸
アルキルエステル製造の場合に必要な量より少なく溶解
した一酸化炭素を分離する必要がない。貯蔵設備の容積
は、工程の規模およびメチルアセチレンの予想される変
動量により異なるが、メタクリル酸メチルを年間500
00t製造する場合、メチルアセチレンに対する収率を
95%にした場合、メチルアセチレンの必要量は2.6
3t/時間であり、メチルアセチレンの供給が72時間
停止した場合を考えると189tのメチルアセチレンの
貯蔵設備が必要である。一方、従来技術の特開平5−2
21923号公報の場合はメチルアセチレン−メチルア
ルコール混合液として341tの貯蔵設備が必要であ
る。
【0008】メチルアセチレンのカルボニル化によるメ
チルアクリレートの製造は、触媒として八族金属と配位
子の存在下でアルコールと反応させることにより容易に
製造できる。八族金属としては、Pd,Pt,Ru,R
h,Ir,Ni,Co等が挙げられ、特に好ましい金属
はPd,Pt,Niである。配位子はP,As,Sbを
中心元素とした化合物であり、特に好ましい配位子はP
化合物である。より具体的にはトリフェニルホスフィ
ン、トリ(4−メチルフェニル)ホスフィン、2,6−
ビス(ジフェニルホスフィノ)ピリジン、ジフェニル−
(6−メチル−2−ピリジル)−ホスフィン等が挙げら
れる。八族金属の使用量は、メチルアセチレン1モル当
たり10-5〜10-1グラム原子の八族金属の範囲であ
る。配位子対八族金属のモル比は広い範囲に渡って変化
でき、また使用する配位子、八族金属により異なるが一
般的には2〜500の範囲である。必要により酸を添加
してもよい。反応条件は一般的には、反応温度は10〜
300℃、好ましくは20〜200℃の範囲である。反
応圧力は1〜100kg/cm2 で行われる。
【0009】
【発明の効果】本発明は、メチルアセチレンの安全な貯
蔵方法を提供するものであり、安全性が向上し、しかも
エネルギーの消費が少なく、経済的なメチルアセチレン
の安全な貯蔵方法である。もちろん液体のメチルアセチ
レンを安全に輸送する場合にも適応できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明をより具体的に実施例により説
明するが、その趣旨が逸脱していない限り本発明は本実
施例により規制されるものではない。
【0011】(実施例1)内容積4lの耐圧容器に着火
源として0.4mmΦ×100mmhのニッケル線、温度
計、ブルトン管式圧力計、ひずみゲージを装着した装置
を用い、着火エネルギーはニッケル線の溶断エネルギー
とした。温度120℃でメチルアセチレン分圧21at
m.一酸化炭素分圧45.3atm.全圧66.3at
m.になるようにメチルアセチレンと一酸化炭素を耐圧
容器に充填した。ニッケル線に100Vの電流を流し、
ニッケル線を溶断して爆発の有無を温度変化、ブルトン
管式圧力計、ひずみゲージにより圧力の変化を観察し
た。その結果、温度の上昇、圧力の変化は全く観察され
なく、また容器を解体して容器内を見たところ炭素の付
着も観察されなく、爆発しなかったことがわかった。
【0012】(比較例1)実施例1と同一の装置を用
い、温度27℃でメチルアセチレンのみを4.5at
m.充填し、実施例1と同様にして着火した。その結
果、温度は500℃以上に、圧力は55atm.に上昇
し、また容器を解体して容器内を見たところ炭素の付着
が観察され、爆発したことが観察された。
【0013】(実施例2)実施例1と同一の装置を用
い、温度27℃でメチルアセチレン分圧4.5atm.
一酸化炭素分圧8.5atm.全圧13atm.になる
ようにメチルアセチレンと一酸化炭素を耐圧容器に充填
し、実施例1と同様にして着火した。その結果、温度の
上昇、圧力の変化は全く観察されなく、爆発しなかっ
た。
【0014】(比較例2)実施例1と同一の装置を用
い、温度120℃でメチルアセチレン分圧25.1at
m.一酸化炭素分圧40.7atm.全圧65.8at
m.になるようにメチルアセチレンと一酸化炭素を耐圧
容器に充填し、実施例1と同様にして着火した。その結
果、温度は500℃以上に、圧力は364atm.に爆
発したことが観察された。
【0015】(実施例3)実施例1と同一の装置を用
い、温度54℃でメチルアセチレン分圧9.6atm.
プロパン分圧2.4atm.全圧12atm.になるよ
うにメチルアセチレンとプロパンを耐圧容器に充填し、
実施例1と同様にして着火した。その結果、温度の上
昇、圧力の変化は全く観察されなく、爆発しなかった。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メチルアセチレンを液体状態で貯蔵する方
    法において、貯蔵容器内の気相部を不活性ガスにより希
    釈して保存することを特徴とするメチルアセチレンの貯
    蔵方法。
  2. 【請求項2】気相部におけるメチルアセチレンの濃度を
    爆発限界圧力以下に保つことを特徴とする特許請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】不活性ガスがメチルアセチレンよりも低沸
    点化合物である特許請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】不活性ガスがメタン、エタン、プロパン、
    窒素、二酸化炭素、および一酸化炭素から選ばれた少な
    くとも一種である特許請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】不活性ガスが一酸化炭素で気相部の全圧が
    120kg/cm2 以下および気相部中のメチルアセチレン
    濃度が45%以下で保存することを特徴とするメチルア
    セチレンの貯蔵方法。
  6. 【請求項6】カルボニル化触媒の存在下でメチルアセチ
    レン一酸化炭素およびアルコールと接触させてメタクリ
    ル酸アルキルエステルを製造する方法において、液体状
    メチルアセチレン貯蔵設備の気相部を不活性ガスで希釈
    したメチルアセチレンを用いることを特徴とするメタク
    リレートの製造方法。
  7. 【請求項7】特許請求範囲5項記載の不活性ガスが一酸
    化炭素である特許請求項範囲5項記載の方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015502474A (ja) * 2011-10-24 2015-01-22 サウジ アラビアン オイル カンパニー 燃料への搭載型二酸化炭素変換による移動汚染源からの排出低減

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015502474A (ja) * 2011-10-24 2015-01-22 サウジ アラビアン オイル カンパニー 燃料への搭載型二酸化炭素変換による移動汚染源からの排出低減
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