JPH1059783A - 珪酸カルシウム成形体の乾燥方法 - Google Patents
珪酸カルシウム成形体の乾燥方法Info
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- JPH1059783A JPH1059783A JP21368496A JP21368496A JPH1059783A JP H1059783 A JPH1059783 A JP H1059783A JP 21368496 A JP21368496 A JP 21368496A JP 21368496 A JP21368496 A JP 21368496A JP H1059783 A JPH1059783 A JP H1059783A
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- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B40/00—Processes, in general, for influencing or modifying the properties of mortars, concrete or artificial stone compositions, e.g. their setting or hardening ability
- C04B40/02—Selection of the hardening environment
- C04B40/0204—Selection of the hardening environment making use of electric or wave energy or particle radiation
- C04B40/0213—Electromagnetic waves
- C04B40/0218—Microwaves
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 珪酸カルシウム成形体を効率よく短時間で乾
燥する方法を提供する。 【解決手段】 珪酸カルシウム成形体にマイクロ波を照
射して内部から発熱させて乾燥する。
燥する方法を提供する。 【解決手段】 珪酸カルシウム成形体にマイクロ波を照
射して内部から発熱させて乾燥する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は珪酸カルシウム成形
体の乾燥方法に関するものであり、水熱合成を経る珪酸
カルシウム成形体の製造工程における珪酸カルシウム成
形体の乾燥や、珪酸カルシウム成形体を不透気性容器に
封入して排気する真空断熱材の製造工程における珪酸カ
ルシウム成形体の乾燥などに応用される。
体の乾燥方法に関するものであり、水熱合成を経る珪酸
カルシウム成形体の製造工程における珪酸カルシウム成
形体の乾燥や、珪酸カルシウム成形体を不透気性容器に
封入して排気する真空断熱材の製造工程における珪酸カ
ルシウム成形体の乾燥などに応用される。
【0002】
【従来の技術】珪酸カルシウム成形体は軽量、不燃で且
つ断熱性に富むので、工業プラントの断熱材として広く
用いられている。また、最近では、珪酸カルシウム成形
体を不透気性の容器に収容し、次いで容器を排気して密
封した真空断熱材が注目されている。珪酸カルシウム成
形体は、石灰質原料と珪酸質原料とから水熱合成により
珪酸カルシウムスラリーを生成させ、このスラリーを所
望の形状に脱水成形するか、又はこのようにして得た脱
水成形物を更に水蒸気養生することにより製造されてい
る。このようにして得られた成形体には、場合により自
重の15倍以上もの水が付着しているので、乾燥炉で含
水率10%以下、通常は5〜7%にまで乾燥して、製品
として出荷される。
つ断熱性に富むので、工業プラントの断熱材として広く
用いられている。また、最近では、珪酸カルシウム成形
体を不透気性の容器に収容し、次いで容器を排気して密
封した真空断熱材が注目されている。珪酸カルシウム成
形体は、石灰質原料と珪酸質原料とから水熱合成により
珪酸カルシウムスラリーを生成させ、このスラリーを所
望の形状に脱水成形するか、又はこのようにして得た脱
水成形物を更に水蒸気養生することにより製造されてい
る。このようにして得られた成形体には、場合により自
重の15倍以上もの水が付着しているので、乾燥炉で含
水率10%以下、通常は5〜7%にまで乾燥して、製品
として出荷される。
【0003】また、珪酸カルシウム成形体を真空断熱材
の芯材として用いる場合には、製品の真空度を保持する
ために、珪酸カルシウム成形体を更に乾燥することが必
要であり、通常は含水率5%以下、好ましくは1%以下
まで乾燥する。冷蔵庫などの高度の断熱性を要求される
ものでは、含水率0.1%以下、特に絶乾状態への乾燥
が要求される。
の芯材として用いる場合には、製品の真空度を保持する
ために、珪酸カルシウム成形体を更に乾燥することが必
要であり、通常は含水率5%以下、好ましくは1%以下
まで乾燥する。冷蔵庫などの高度の断熱性を要求される
ものでは、含水率0.1%以下、特に絶乾状態への乾燥
が要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、珪酸カルシウム
成形体の乾燥には、熱風乾燥炉のような成形体の外部か
ら加熱する方式の乾燥炉が用いられている。しかし前述
の如く、珪酸カルシウムは断熱性に富むので、成形体内
部への熱伝導速度が小さく、乾燥に多大のエネルギーと
時間を要する。また高温に加熱して乾燥時間を短縮しよ
うとすると、珪酸カルシウム成形体にそりやひび割れが
生じ易い。従って水熱合成を経て製造された珪酸カルシ
ウム成形体の乾燥には、従来は数十時間を要していた。
成形体の乾燥には、熱風乾燥炉のような成形体の外部か
ら加熱する方式の乾燥炉が用いられている。しかし前述
の如く、珪酸カルシウムは断熱性に富むので、成形体内
部への熱伝導速度が小さく、乾燥に多大のエネルギーと
時間を要する。また高温に加熱して乾燥時間を短縮しよ
うとすると、珪酸カルシウム成形体にそりやひび割れが
生じ易い。従って水熱合成を経て製造された珪酸カルシ
ウム成形体の乾燥には、従来は数十時間を要していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、珪酸カ
ルシウム成形体にマイクロ波を照射することにより、極
めて効率よく珪酸カルシウム成形体を乾燥することがで
きる。すなわち、本発明は、従来の珪酸カルシウム成形
体の乾燥が、成形体の表面から内部への熱伝導により行
われていたのとは対照的に、マイクロ波を照射して成形
体の内部で発熱させることにより乾燥するものである。
従って、従来の乾燥法では珪酸カルシウム成形体の表面
から内部に向けて乾燥が進行し、且つ乾燥した部分は熱
伝導率が低下するので乾燥に長時間を要していたのに比
し、本発明方法では内部で発熱させるので、乾燥の進行
による乾燥速度の低下という問題を回避できる。
ルシウム成形体にマイクロ波を照射することにより、極
めて効率よく珪酸カルシウム成形体を乾燥することがで
きる。すなわち、本発明は、従来の珪酸カルシウム成形
体の乾燥が、成形体の表面から内部への熱伝導により行
われていたのとは対照的に、マイクロ波を照射して成形
体の内部で発熱させることにより乾燥するものである。
従って、従来の乾燥法では珪酸カルシウム成形体の表面
から内部に向けて乾燥が進行し、且つ乾燥した部分は熱
伝導率が低下するので乾燥に長時間を要していたのに比
し、本発明方法では内部で発熱させるので、乾燥の進行
による乾燥速度の低下という問題を回避できる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明について更に詳細に説明す
ると、珪酸カルシウム成形体の製造法はいくつも知られ
ているが、いずれも石灰質原料と珪酸質原料とから水熱
合成により珪酸カルシウムスラリーを生成させ、これを
脱水成形するか又は脱水成形したものを更に水蒸気養生
して、珪酸カルシウム成形体とする方法である。石灰質
原料としては通常は消石灰が用いられるが、カーバイド
滓なども用いることができる。また珪酸質原料としては
通常は珪石粉が用いられるが、珪藻土やシリコンダス
ト、珪弗化水素酸と水酸化アルミニウムとから弗化アル
ミニウムを製造する際の副生シリカなどの副生品を用い
ることもできる。
ると、珪酸カルシウム成形体の製造法はいくつも知られ
ているが、いずれも石灰質原料と珪酸質原料とから水熱
合成により珪酸カルシウムスラリーを生成させ、これを
脱水成形するか又は脱水成形したものを更に水蒸気養生
して、珪酸カルシウム成形体とする方法である。石灰質
原料としては通常は消石灰が用いられるが、カーバイド
滓なども用いることができる。また珪酸質原料としては
通常は珪石粉が用いられるが、珪藻土やシリコンダス
ト、珪弗化水素酸と水酸化アルミニウムとから弗化アル
ミニウムを製造する際の副生シリカなどの副生品を用い
ることもできる。
【0007】これらの石灰質原料及び珪酸質原料を所望
の製品組成となるように配合し、水を加えてスラリーと
して水熱合成に供する。水は石灰質原料と珪酸質原料の
合計量に対して15重量倍以上加えるのが好ましく、こ
の原料スラリーを10kg/cm2 以上の飽和蒸気圧の
下で1〜5時間程度反応させると、珪酸カルシウムスラ
リーが生成する。
の製品組成となるように配合し、水を加えてスラリーと
して水熱合成に供する。水は石灰質原料と珪酸質原料の
合計量に対して15重量倍以上加えるのが好ましく、こ
の原料スラリーを10kg/cm2 以上の飽和蒸気圧の
下で1〜5時間程度反応させると、珪酸カルシウムスラ
リーが生成する。
【0008】このようにして得られた珪酸カルシウムス
ラリーは、所望により濾水性改良材、補強材、輻射熱吸
収材、撥水剤などを添加したのち、フィルタープレス等
を用いる脱水成形を行い、所定の形状の珪酸カルシウム
成形体とする。この珪酸カルシウム成形体は次いで所望
の含水率にまで乾燥し、製品として出荷される。なお、
場合によっては脱水成形したものを更に水蒸気養生して
から乾燥することもある。この方法によるときは、水蒸
気養生の過程で珪酸カルシウムの結晶を十分に発達させ
たり又は他の結晶形に転換したりすることができるの
で、水熱合成では必ずしも最終製品と同じ結晶形のスラ
リーないしは結晶が十分に発達した珪酸カルシウムスラ
リーを生成させる必要は無い。
ラリーは、所望により濾水性改良材、補強材、輻射熱吸
収材、撥水剤などを添加したのち、フィルタープレス等
を用いる脱水成形を行い、所定の形状の珪酸カルシウム
成形体とする。この珪酸カルシウム成形体は次いで所望
の含水率にまで乾燥し、製品として出荷される。なお、
場合によっては脱水成形したものを更に水蒸気養生して
から乾燥することもある。この方法によるときは、水蒸
気養生の過程で珪酸カルシウムの結晶を十分に発達させ
たり又は他の結晶形に転換したりすることができるの
で、水熱合成では必ずしも最終製品と同じ結晶形のスラ
リーないしは結晶が十分に発達した珪酸カルシウムスラ
リーを生成させる必要は無い。
【0009】珪酸カルシウム成形体の嵩密度は、水熱合
成による珪酸カルシウムスラリーの生成条件や、脱水成
形時の圧力などにより、所望の値に調整される。嵩密度
は珪酸カルシウム成形体の強度や断熱性能と関連してお
り、一般に嵩密度が小さいほど断熱性能は向上するがそ
の強度は小さくなる傾向にある。一般の断熱材では0.
10〜0.20g/cm3 の嵩密度のものが用いられて
いる。これに対し、真空断熱材の芯材としては、断熱性
能の点からして更に嵩密度の小さいものが求められてい
る。水蒸気養生を経る場合には、この過程において結晶
を発達させて強度を向上させることができるので、嵩密
度が0.085g/cm3 以下のもの、例えば0.04
5〜0.075g/cm3 のものを製造することができ
る。このような低嵩密度のものは、強度が比較的小さい
ので、本発明方法による乾燥が特に適している。なお、
本明細書において珪酸カルシウム成形体の嵩密度とは、
珪酸カルシウム成形体を大気圧下250℃で重量変化が
生じなくなるまで乾燥したものについて測定した値であ
る。珪酸カルシウム成形体の含水率も、この状態を無水
状態として計算した値である。
成による珪酸カルシウムスラリーの生成条件や、脱水成
形時の圧力などにより、所望の値に調整される。嵩密度
は珪酸カルシウム成形体の強度や断熱性能と関連してお
り、一般に嵩密度が小さいほど断熱性能は向上するがそ
の強度は小さくなる傾向にある。一般の断熱材では0.
10〜0.20g/cm3 の嵩密度のものが用いられて
いる。これに対し、真空断熱材の芯材としては、断熱性
能の点からして更に嵩密度の小さいものが求められてい
る。水蒸気養生を経る場合には、この過程において結晶
を発達させて強度を向上させることができるので、嵩密
度が0.085g/cm3 以下のもの、例えば0.04
5〜0.075g/cm3 のものを製造することができ
る。このような低嵩密度のものは、強度が比較的小さい
ので、本発明方法による乾燥が特に適している。なお、
本明細書において珪酸カルシウム成形体の嵩密度とは、
珪酸カルシウム成形体を大気圧下250℃で重量変化が
生じなくなるまで乾燥したものについて測定した値であ
る。珪酸カルシウム成形体の含水率も、この状態を無水
状態として計算した値である。
【0010】本発明では、このようにして得られた珪酸
カルシウム成形体にマイクロ波を照射して付着している
水分を蒸発させる。また、常法による乾燥もその初期の
表層部の脱水過程は効率よく行なわれるので、所望なら
ば、珪酸カルシウム成形体を常法による乾燥に供し、そ
の含水率を低下させてから、マイクロ波照射による乾燥
に供することもできる。マイクロ波としては水分子に吸
収され易い2.54GHzのものを用いるのが好まし
い。好ましくは発生する水蒸気を気流により排出しなが
らマイクロ波の照射を行なう。マイクロ波の照射に際し
ては、珪酸カルシウム成形体の内部で発生する水蒸気の
圧力により、成形体にひび割れ等の損傷が生じないよう
に注意する必要があり、成形体の大きさや形状などに応
じて実験的に最適の照射量を定めるのが好ましい。一般
に成形体1000cm3 につき600〜2500W/
時、特に1000〜2000W/時の照射量が好まし
い。
カルシウム成形体にマイクロ波を照射して付着している
水分を蒸発させる。また、常法による乾燥もその初期の
表層部の脱水過程は効率よく行なわれるので、所望なら
ば、珪酸カルシウム成形体を常法による乾燥に供し、そ
の含水率を低下させてから、マイクロ波照射による乾燥
に供することもできる。マイクロ波としては水分子に吸
収され易い2.54GHzのものを用いるのが好まし
い。好ましくは発生する水蒸気を気流により排出しなが
らマイクロ波の照射を行なう。マイクロ波の照射に際し
ては、珪酸カルシウム成形体の内部で発生する水蒸気の
圧力により、成形体にひび割れ等の損傷が生じないよう
に注意する必要があり、成形体の大きさや形状などに応
じて実験的に最適の照射量を定めるのが好ましい。一般
に成形体1000cm3 につき600〜2500W/
時、特に1000〜2000W/時の照射量が好まし
い。
【0011】本発明によれば内部から発熱させるので、
珪酸カルシウム成形体の含水率を表面から内部までほぼ
均一に保ちつつ乾燥を進行させることができる。従って
通常の製品の含水率に達する前に乾燥を中止しても、内
部は従来の製品とほぼ同じ含水率の製品を得ることがで
きる。
珪酸カルシウム成形体の含水率を表面から内部までほぼ
均一に保ちつつ乾燥を進行させることができる。従って
通常の製品の含水率に達する前に乾燥を中止しても、内
部は従来の製品とほぼ同じ含水率の製品を得ることがで
きる。
【0012】本発明は、その内部から発熱させるという
特性に基づき、珪酸カルシウム成形体を芯材とする真空
断熱材の製造の際の珪酸カルシウム成形体の乾燥に好適
に応用することができる。珪酸カルシウムを芯材とする
真空断熱材は、珪酸カルシウム成形体を合成樹脂フィル
ムなどで形成された不透気性の容器に密封し、且つ容器
内を排気して真空としたものであり、珪酸カルシウムの
断熱性を、その周囲を真空とすることにより更に向上さ
せたものである。従って真空断熱材の断熱性能を維持す
るには真空度を維持することが不可欠である。芯材の珪
酸カルシウム成形体が付着水を保有していると、これが
水蒸気となって放出されるので、真空断熱材の製造に際
し、容器内を所望の真空度にまで排気するのが困難とな
る。また、いったん所望の真空度に到達しても、時間の
経過と共に真空度が徐々に低下するという問題もある。
従って芯材の珪酸カルシウム成形体は、十分に乾燥して
から不透気性の容器内に封入することが必要である。通
常は含水率が5%以下、特に1%以下にまで乾燥してか
ら不透気性の容器に封入する。高度の断熱性を要求され
る場合には、含水率0.1%以下、好ましくは絶乾状態
にまで乾燥する。市販の含水率10%以下、通常は5〜
7%の珪酸カルシウム成形体を、通常の熱風乾燥炉など
でここまで乾燥するには、多大のエネルギーを要し、且
つ長時間を必要とする。特に真空断熱材として好適な嵩
密度が0.085g/cm3 以下のものを熱風乾燥炉な
どで乾燥する場合には、成形体にひび割れやそり等が生
じないように徐々に加熱しなければならない。これに対
し本発明方法によるときは、内部から発熱させるため短
時間で効率よく所望の含水率にまで乾燥することができ
る。
特性に基づき、珪酸カルシウム成形体を芯材とする真空
断熱材の製造の際の珪酸カルシウム成形体の乾燥に好適
に応用することができる。珪酸カルシウムを芯材とする
真空断熱材は、珪酸カルシウム成形体を合成樹脂フィル
ムなどで形成された不透気性の容器に密封し、且つ容器
内を排気して真空としたものであり、珪酸カルシウムの
断熱性を、その周囲を真空とすることにより更に向上さ
せたものである。従って真空断熱材の断熱性能を維持す
るには真空度を維持することが不可欠である。芯材の珪
酸カルシウム成形体が付着水を保有していると、これが
水蒸気となって放出されるので、真空断熱材の製造に際
し、容器内を所望の真空度にまで排気するのが困難とな
る。また、いったん所望の真空度に到達しても、時間の
経過と共に真空度が徐々に低下するという問題もある。
従って芯材の珪酸カルシウム成形体は、十分に乾燥して
から不透気性の容器内に封入することが必要である。通
常は含水率が5%以下、特に1%以下にまで乾燥してか
ら不透気性の容器に封入する。高度の断熱性を要求され
る場合には、含水率0.1%以下、好ましくは絶乾状態
にまで乾燥する。市販の含水率10%以下、通常は5〜
7%の珪酸カルシウム成形体を、通常の熱風乾燥炉など
でここまで乾燥するには、多大のエネルギーを要し、且
つ長時間を必要とする。特に真空断熱材として好適な嵩
密度が0.085g/cm3 以下のものを熱風乾燥炉な
どで乾燥する場合には、成形体にひび割れやそり等が生
じないように徐々に加熱しなければならない。これに対
し本発明方法によるときは、内部から発熱させるため短
時間で効率よく所望の含水率にまで乾燥することができ
る。
【0013】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。なお、以下の実施例において、真空断熱材は下
記により製造した。ポリエチレンテレフタレート(12
μm)/アルミニウム箔(9μm)/ポリプロピレン
(60μm)の3層構造の積層フィルムで形成した両端
開放の筒状容器に珪酸カルシウム成形体を入れ、これを
真空室容積20リットル、排気室500リットル/分の
真空包装機に収容する。排気して真空室が0.07To
rrに達した時点で容器の両端開放部をヒートシール
し、珪酸カルシウム芯材に容器が密着した真空断熱材を
得る。
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。なお、以下の実施例において、真空断熱材は下
記により製造した。ポリエチレンテレフタレート(12
μm)/アルミニウム箔(9μm)/ポリプロピレン
(60μm)の3層構造の積層フィルムで形成した両端
開放の筒状容器に珪酸カルシウム成形体を入れ、これを
真空室容積20リットル、排気室500リットル/分の
真空包装機に収容する。排気して真空室が0.07To
rrに達した時点で容器の両端開放部をヒートシール
し、珪酸カルシウム芯材に容器が密着した真空断熱材を
得る。
【0014】実施例1 特公昭55−29952号公報の記載に準じて、水熱合
成により珪酸カルシウムスラリを生成させ、これを脱水
成形したのち更に水蒸気養生して、500×500×5
0mmの珪酸カルシウム成形体を得た。これを出力22
000Wのマイクロ波加熱装置内に収容し、2.45G
Hzのマイクロ波を照射した。発生した水蒸気は通気に
より排除した。結果を表−1に示す。なお、最終的に得
られた乾燥成形体の嵩密度は0.06g/cm3 であ
り、成形体にはひび割れやそりは生じていなかった。
成により珪酸カルシウムスラリを生成させ、これを脱水
成形したのち更に水蒸気養生して、500×500×5
0mmの珪酸カルシウム成形体を得た。これを出力22
000Wのマイクロ波加熱装置内に収容し、2.45G
Hzのマイクロ波を照射した。発生した水蒸気は通気に
より排除した。結果を表−1に示す。なお、最終的に得
られた乾燥成形体の嵩密度は0.06g/cm3 であ
り、成形体にはひび割れやそりは生じていなかった。
【0015】
【表1】 *乾燥時間0分と15分のものは多くの水分を含んでいるため、真空包装が不可 能であった。 *含水率は絶乾重量を0.69kgとして計算した。 *60℃×7日後の真空断熱材熱伝導率は、真空断熱材を60℃の恒温槽に7日 間保持した後の熱伝導率である。
【0016】比較例1 実施例1と同様にして500×500×50mmの珪酸
カルシウム成形体を得た。これを180℃の熱風乾燥炉
で乾燥した。結果を表−2に示す。なお、最終的に得ら
れた乾燥成形体の嵩密度は0.06g/cm3 であり、
成形体にはひび割れやそりは生じていなかった。
カルシウム成形体を得た。これを180℃の熱風乾燥炉
で乾燥した。結果を表−2に示す。なお、最終的に得ら
れた乾燥成形体の嵩密度は0.06g/cm3 であり、
成形体にはひび割れやそりは生じていなかった。
【0017】
【表2】 *乾燥時間0時間と12時間のものは多くの水分を含んでいるため、真空包装が 不可能であった。
【0018】比較例2 実施例1と同様にして500×500×50mmの珪酸
カルシウム成形体を得た。これを200℃の熱風乾燥炉
で乾燥した。結果を表−3に示す。なお、最終的に得ら
れた乾燥成形体の嵩密度は0.06g/cm3 であっ
た。また成形体にはそりとひび割れが生じていた。
カルシウム成形体を得た。これを200℃の熱風乾燥炉
で乾燥した。結果を表−3に示す。なお、最終的に得ら
れた乾燥成形体の嵩密度は0.06g/cm3 であっ
た。また成形体にはそりとひび割れが生じていた。
【0019】
【表3】
Claims (6)
- 【請求項1】 珪酸カルシウム成形体にマイクロ波を照
射することを特徴とする珪酸カルシウム成形体の乾燥方
法。 - 【請求項2】 含水率が10%以下の珪酸カルシウム成
形体にマイクロ波を照射することを特徴とする珪酸カル
シウム成形体の乾燥方法。 - 【請求項3】 含水率10%以下にまで乾燥することを
特徴とする請求項1に記載の珪酸カルシウム成形体の乾
燥方法。 - 【請求項4】 含水率1%以下にまで乾燥することを特
徴とする請求項1又は2に記載の珪酸カルシウム成形体
の乾燥方法。 - 【請求項5】 珪酸カルシウム成形体の嵩密度が0.0
85g/ml以下であることを特徴とする請求項1ない
し4のいずれかに記載の珪酸カルシウム成形体の乾燥方
法。 - 【請求項6】 珪酸カルシウム成形体が、不透気性の減
圧容器内に珪酸カルシウム成形体を収容してなる真空断
熱材用であることを特徴とする請求項1ないし5のいず
れかに記載の珪酸カルシウム成形体の乾燥方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21368496A JPH1059783A (ja) | 1996-08-13 | 1996-08-13 | 珪酸カルシウム成形体の乾燥方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21368496A JPH1059783A (ja) | 1996-08-13 | 1996-08-13 | 珪酸カルシウム成形体の乾燥方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1059783A true JPH1059783A (ja) | 1998-03-03 |
Family
ID=16643278
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21368496A Pending JPH1059783A (ja) | 1996-08-13 | 1996-08-13 | 珪酸カルシウム成形体の乾燥方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1059783A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100740538B1 (ko) | 2006-06-13 | 2007-08-10 | 한국생산기술연구원 | 마이크로웨이브를 이용한 규산칼슘의 제조방법 |
-
1996
- 1996-08-13 JP JP21368496A patent/JPH1059783A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100740538B1 (ko) | 2006-06-13 | 2007-08-10 | 한국생산기술연구원 | 마이크로웨이브를 이용한 규산칼슘의 제조방법 |
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