JPH1055211A - 工具経路決定方法 - Google Patents

工具経路決定方法

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JPH1055211A
JPH1055211A JP21000896A JP21000896A JPH1055211A JP H1055211 A JPH1055211 A JP H1055211A JP 21000896 A JP21000896 A JP 21000896A JP 21000896 A JP21000896 A JP 21000896A JP H1055211 A JPH1055211 A JP H1055211A
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JP
Japan
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points
point
tool path
line
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JP21000896A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Kato
励 加藤
Haruhisa Higasayama
晴久 日笠山
Koji Tamaoka
幸治 玉岡
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CHUBU SOFT ENG KK
Toyota Motor Corp
Original Assignee
CHUBU SOFT ENG KK
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ワークの目標加工面の向きを定義するデータを
使用することなく目標加工面の向きを十分に考慮して工
具経路を決定する。 【解決手段】目標加工面50に複数の参照点を発生さ
せ、各参照点毎に、半径が工具半径に等しい球を発生さ
せ、それら球を工具の移動面70で切断することによっ
て複数の円を発生させ、それら円のうち工具を空間側か
らワークに接近させる際に最初に接する円を選択し、そ
れら選択円72の中心点78を互いに接続する1本の連
続した曲線を中心点接続線80として求め、その中心点
接続線80の各中心点78における一法線82であって
移動面70に含まれるものを求め、それら各法線82と
各選択円72との交点を工具通過点84として求め、そ
れら工具通過点84を互いに接続する1本の連続した曲
線を工具経路86として求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワークを加工する
ために工具を移動させる経路を決定する技術に関し、特
に、ワークの実際被加工面を目標被加工面に加工するた
めに工具をそれの基準線が予め定められた各移動面に拘
束されるように移動させる際にその基準線上に予め定め
られた基準点がその基準線の方向に移動するための経路
を決定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】上記工具経路を決定する従来技術(1) に
よれば、ワークの目標被加工面の形状を定義するワーク
形状データのうち目標被加工面上の各点における向きを
定義するデータを使用して工具経路が決定される。具体
的には、例えば、工具が図1に示すボールエンドミルで
ある場合に、図13の(a) に示すように、まず、ワーク
の目標被加工面200上の各点における向きを定義する
データに基づき、目標被加工面200上の各点における
法線202が算出され、目標被加工面200の各部分が
そこにおける法線202の方向に、工具の基準点とその
工具によりワークの実際被加工面が加工される加工点と
の距離(=工具半径R)だけ空間側にオフセットさせら
れることにより、工具を移動させる際に工具の基準点が
拘束されるオフセット面204が求められ、そのオフセ
ット面204と、工具を移動させる際にその工具の基準
線(ボールエンドミルの回転軸線)が拘束されるように
予め定められた各移動面206との各交線が各工具経路
208とされる。別の従来技術(2) によれば、目標被加
工面上の各点における向きを定義するデータを全く使用
しないで工具経路が決定される。具体的には、例えば、
工具が前記ボールエンドミルである場合に、図14の
(a) に示すように、まず、目標被加工面220上に複数
の参照点222が発生させられ、目標被加工面220
に、半径が工具の基準点(ボールエンドミルの工具中心
点)と加工点との距離(=工具半径R)に等しい球22
6が複数、各球226の中心点が各参照点222に一致
する状態で配置され、次に、それら各球226と、工具
の基準線(ボールエンドミルの回転軸線)を各移動面2
28において互いに平行にある間隔(または一定ピッ
チ)で移動させた場合の各基準線229との2個の交点
のうちより空間側(ワークに対する加工側であり、図で
は上側に該当する。)に位置する1個の交点230が求
められ、各移動面228について求められた複数の交点
230を互いに接続する1本の折れ線が工具経路232
とされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】先の従来技術(1) を実
施する場合には、目標被加工面上の各点における向きを
定義するデータを使用しない限り工具経路を決定できな
い。そのため、図13の(b) に示すように、目標被加工
面の向きを定義するデータに基づいて算出した法線20
2の中に工具経路決定にとって不適切なもの(図におい
て左下の法線202)が発生すると(例えば、目標被加
工面200を縮体面で表現する場合に発生する。)、オ
フセット面204を正しく決定できず、したがって、工
具経路208を正しく決定できない。このように、この
従来技術(1) には、目標被加工面の向きを定義するデー
タに基づく法線方向の算出精度の如何により工具経路の
精度が変動してしまうという問題があった。また、後の
従来技術(2) を実施する場合には、目標被加工面の向き
を十分に考慮して工具経路を決定できないため、目標被
加工面の向きが移動面に沿って滑らかに変化するにもか
かわらず工具経路が屈曲してしまい、ワークの実際被加
工面の表面粗さが低下するという問題があった。図14
の(b) に示すように、決定された工具経路232に沿っ
て工具を移動させると、工具の各移動位置i=1,2,
3において工具の移動経路が屈曲して工具が移動面22
8に沿って滑らかに移動せず、それら移動位置i=1,
2,3においてワークに形成される実際被加工面も移動
面228に沿って滑らかに変化しないのである。なお、
図には、各移動位置i=1,2,3における工具加工面
がj=1,2,3で示されている。以上要するに、いず
れの従来技術(1) (2) にも、目標被加工面の向きを十分
に考慮して工具経路を決定できないという問題があった
のである。かかる事情を背景とし、本発明の課題は、目
標被加工面の向きを定義するデータを使用しないで目標
被加工面の向きを十分に考慮して工具経路を決定する方
法を提供することにある。別の課題は、目標被加工面の
向きを定義するデータを使用しないで目標被加工面の向
きを十分に考慮して工具経路を決定するためにコンピュ
ータにより実行されるべきプログラムが予め記録されて
いる媒体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
のうちの請求項1に係る発明によれば、ワークの実際被
加工面を目標被加工面に加工するために工具をそれの基
準線が予め定められた各移動面に拘束されるように移動
させる際にその基準線上に予め定められた基準点がその
基準線の方向に移動するための経路を決定する方法であ
って、前記目標被加工面上に複数の参照点を発生させ、
それら参照点のうち前記各移動面に対応する複数の参照
点またはそれら参照点と一定の相対位置関係を有する複
数の関連点を1本の線により互いに接続し、その接続線
の各参照点または各関連点における向きに基づいて前記
経路を決定する工具経路決定方法が提供される。
【0005】工具経路を目標被加工面との関係において
正しく決定するためには目標被加工面上の各点の位置と
各点における向きとをそれぞれ考慮することが必要であ
るが、この請求項1に係る発明方法においては、目標被
加工面に複数の参照点を発生させるために目標被加工面
の形状を定義するデータのうちその各点の位置を定義す
るデータが使用されるのみで、その各点における向きを
定義するデータは使用されず、目標被加工面に発生させ
られた複数の参照点または複数の関連点相互の位置関係
に基づいて目標被加工面の各点における向きが取得さ
れ、結局、目標被加工面の各点の位置を定義するデータ
から取得された位置とその位置から取得された向きとに
基づいて工具経路が決定される。したがって、この請求
項1に係る発明によれば、目標被加工面の向きを定義す
るデータを使用しなくても目標被加工面の向きを十分に
考慮して工具経路を決定できる工具経路決定方法が提供
される。
【0006】なお、この請求項1に係る発明において
「工具」には種々のものを採用でき、例えば、ボールエ
ンドミル,フラットエンドミル,ラジアスエンドミル
等、切刃を有する工具を基準線としての回転軸線の回り
に回転させてワークを切削する形式の工具や、切刃,レ
ーザ光源,熱線等、加工手段を回転させないで移動させ
てワークを切削,切断する形式の工具や、放電加工具を
採用できる。また、「移動面」は、平面に限らず、曲面
とすることができる。
【0007】請求項2に係る発明によれば、請求項1の
工具経路決定方法であって、前記接続線が、それの前記
複数の参照点または複数の関連点を互いに接続する1本
の連続した曲線である工具経路決定方法が提供される。
【0008】請求項1の工具経路決定方法において、前
記接続線は、それの複数の参照点または関連点を互いに
接続する1本の折れ線とすることができる。これに対
し、この請求項2に係る発明によれば、接続線が前記折
れ線である場合に比較して滑らかとなり、向きが滑らか
に変化するのが一般的である目標被加工面をより正確に
反映したものとして接続線を取得でき、ひいては、目標
被加工面の向きをより正確に反映した滑らかな工具経路
を決定でき、実際被加工面の表面粗さが向上する。
【0009】請求項3に係る発明によれば、請求項1ま
たは2の工具経路決定方法であって、前記複数の参照点
のうち、前記工具を前記各移動面に沿って移動させた際
にその工具により前記実際被加工面が加工される加工点
と実質的に一致するものを前記各移動面に正投影した複
数の投影点を前記複数の関連点として取得し、それら投
影点を1本の線により互いに接続し、その投影点接続線
の前記各投影点における向きに基づいて前記経路を決定
する工具経路決定方法が提供される。
【0010】図15の(a) に示すように、ワークの目標
被加工面300と工具の移動面302とが直角に交わる
場合には、加工点は、複数の参照点のうち移動面上にあ
るもののいずれかと完全にまたは十分に一致するが、図
16の(a) に示すように、直角に交わらない場合には、
加工点は、複数の参照点のうち移動面上にあるもののい
ずれとも、完全にも十分にも一致しない。一方、各移動
面上で各工具経路を決定するために使用される前記接続
線が工具の基準点と同じに移動面上にある場合には、な
い場合に比較して簡単に工具経路を決定できる。したが
って、この請求項3に係る発明によれば、加工点と実質
的に一致する参照点が各移動面に正投影された投影点が
前記関連点とされ、その関連点に基づいて前記接続線が
各移動面上において取得されるため、目標被加工面と移
動面とが直角に交わるか否かを問わず、正確な工具経路
を簡単に決定できる。
【0011】請求項4に係る発明によれば、請求項3の
工具経路決定方法であって、前記工具が、前記基準点を
中心とした球で構成されている工具加工面で前記ワーク
を加工するものであり、かつ、(a) 前記目標被加工面上
に前記複数の参照点を発生させる参照点発生工程と、
(b) 前記目標被加工面に、半径が前記工具の前記基準点
と前記加工点との距離に等しい球を複数、各球の中心点
が前記各参照点に一致する状態で配置し、それら球を前
記各移動面で切断することによって複数の閉曲線を発生
させ、それら閉曲線のうち、前記工具を空間側(ワーク
に対する加工側)において前記各移動面に沿って並んだ
複数の位置からそれぞれ前記ワークに接近させた場合に
その工具の基準点が最初に接する複数の閉曲線を選択
し、それら各選択閉曲線の中心点を前記各投影点として
取得する投影点取得工程と、(c) それら中心点を1本の
線により互いに接続し、その接続線の前記各中心点にお
ける向きを取得する向き取得工程と、(d) その向きに基
づいて前記経路を決定する経路決定工程とを含む工具経
路決定方法が提供される。
【0012】この請求項4に係る発明方法において、
「閉曲線」は、「移動面」が平面で構成されている場合
には円となり、それの「中心点」はその円の中心点とし
て取得されるが、「移動面」が曲面で構成されている場
合には円とならず、それの「中心点」は例えば、その閉
曲線の重心点として取得することができる。この方法に
おける「球」,「閉曲線」,「選択閉曲線」,「中心
点」および「接続線」の各技術的意義を図15および図
16に基づいて説明する。なお、それら図はいずれも、
「移動面302」が平面で構成されていて、閉曲線が円
となる例を示している。「球304」は、その半径が工
具の基準点と加工点との距離に等しいため、複数の参照
点のうちその球304の中心点と一致するものを加工点
として工具により加工するためにその工具の基準点が位
置することが必要な複数の位置の集合を表している。
「閉曲線306」は、それら複数の位置の集合のうち、
工具を移動させる際にその工具の基準線が移動面302
に拘束されるという移動方向に関する条件を満たす複数
の位置の集合を表している。「選択閉曲線306」は、
それら複数の位置の集合(複数の閉曲線の集合)のう
ち、工具は空間側(ワークに対する加工側)からワーク
に接近する向きが予め定められていて同じ加工点をすべ
ての向きから加工できるわけではないという加工方向に
関する条件を満たす複数の位置の集合(1つの閉曲線)
を表している。「中心点308」は、工具の基準点が選
択閉曲線306上にある場合にワークが加工される加工
点310、すなわち、複数の球304のうち選択閉曲線
306を含むものの中心点を、移動面302に投影した
投影点に一致する。よって、「接続線312」は、工具
を移動面302に沿って移動させた場合に加工点310
が描く軌跡を移動面302に直角な方向において見たも
のと一致する。よって、目標被加工面300の向きを定
義するデータを使用しなくても、目標被加工面300の
位置を定義するデータのみ使用して接続線312さえ取
得すれば、目標被加工面300のうち各移動面302に
沿った部分の向きを取得できる。したがって、この請求
項4に係る発明によれば、工具が例えばボールエンドミ
ル等、工具の基準点を中心とした球を成す工具加工面で
ワークを加工する場合に、目標被加工面の向きを定義す
るデータを使用しなくても目標被加工面の向きを十分に
考慮して工具経路を決定できる。
【0013】請求項5に係る発明によれば、請求項4の
工具経路決定方法であって、前記接続線が、それの前記
複数の中心点を互いに接続する1本の連続した曲線であ
り、かつ、図15の(b) および図16の(b) にそれぞれ
示すように、前記向き取得工程が、その接続線312の
前記各中心点308における各法線314であってその
各中心点308から前記空間側に向かって前記各移動面
302内において延びるものを取得し、前記経路決定工
程が、それら各法線314と前記各選択閉曲線306と
の各交点を各工具通過点316として取得し、それら工
具通過点316を1本の連続した曲線により互いに接続
し、その接続線を前記経路318とする工具経路決定方
法が提供される。
【0014】この請求項5に係る発明によれば、工具が
例えばボールエンドミル等、基準点を中心とした球を成
す工具加工面でワークを加工する場合に、工具経路を目
標被加工面から適正な方向にしかも適正な距離だけオフ
セットした位置に決定できる。
【0015】請求項6に係る発明によれば、請求項1ま
たは2の工具経路決定方法であって、前記目標被加工面
と前記各移動面との各交線を取得し、それら各交線上に
前記複数の参照点を発生させ、それら参照点を1本の線
により互いに接続し、その接続線の前記各参照点におけ
る前記各移動面内における向きに基づいて前記経路を決
定する工具経路決定方法が提供される。
【0016】この請求項6に係る発明によれば、例えば
各移動面が目標被加工面に対してほぼ直角となるように
予め定められていて、工具の加工点が、複数の参照点の
うち各移動面上にあるものとほぼ一致する場合に、それ
ら参照点から直接に前記接続線が求められるから、加工
点を投影した点を中間的に求める場合に比較して簡単に
工具経路を決定できる。
【0017】請求項7に係る発明によれば、請求項1な
いし6のいずれかの工具経路決定方法を実施するために
コンピュータにより実行されるべきプログラムがコンピ
ュータにより読み取り可能に記録されている工具経路決
定プログラム記録媒体が提供される。
【0018】この請求項7に係る発明によれば、請求項
1ないし6のいずれかの工具経路決定方法をコンピュー
タにより短時間で正確に実施可能となり、工具経路を素
早くかつ正確に決定できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な実
施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の一実施形態である工具経路決定方法は、CAD
工程とCAM工程とNC加工工程とが互いに直列に並ん
だ一連の製造工程のうちのCAM工程において実施さ
れ、工具によりワークを加工するために工具の基準点を
移動させるべき経路を決定する方法である。図1におい
て、工具10は、ボールエンドミルである。ボールエン
ドミルは、先端に少なくとも1枚の切刃を有し、その切
刃を基準線としての回転軸線の回りに回転させることに
より、半球面である工具加工面12を形成し、その工具
加工面12でワーク14を加工する。この工具10の基
準点は、回転軸線16上にあり、工具加工面12を構成
する半球面の中心点である工具中心点18であり、その
半球面の半径が工具半径Rである。この工具半径Rは、
工具中心点18と工具10によるワーク14の加工点2
0との距離に一致する。本工具経路決定方法は、図2に
示す工具経路決定装置30により実施される。工具経路
決定装置30は、コンピュータ32を主体として構成さ
れており、コンピュータ32は、プロセッサ(例えば、
CPU)34とメモリ(例えば、ROMとRAM)36
とを含む構成とされている。工具経路決定装置30はま
た、フロッピーディスクドライブFDD等、外部記憶装
置38を備えている。外部記憶装置38は、フロッピー
ディスクFD等、記録媒体40が装填され、その記録媒
体40からプログラム,データ等を読み込んでコンピュ
ータ32に供給したり、コンピュータ32により作成さ
れたデータ等を記録媒体40に書き込むことを行う。作
業者からの指令はキーボード,マウス等、入力装置42
を介してコンピュータ32に入力され、また、コンピュ
ータ32の処理結果はCRT,液晶ディスプレイ,プリ
ンタ,プロッタ等、出力装置44を介して作業者に出力
される。
【0020】記録媒体40に予め記録されているプログ
ラムの1つに、図3にフローチャートで表されている工
具経路決定プログラムがある。この工具経路決定プログ
ラムにおいてはまず、ステップS1(以下、単に「S
1」で表す。他のステップについても同じとする。)に
おいて、入力装置42により、ワーク14の目標被加工
面の形状を表すワーク形状データが入力される。さら
に、本ステップにおいては、そのワーク形状データに基
づき、図4に示すように、目標被加工面50上に複数の
参照点52が発生させられる。なお、発生させられる複
数の参照点52相互の間隔については後述する。次に、
S2において、図4に示すように、目標被加工面50に
複数の球54が配置される。各球54は半径が工具半径
Rに一致するものであり、また、各球54の中心点が各
参照点52に一致させられている。その結果、目標被加
工面50には、図5に示すように、縦横に並んだ複数の
球54が配置されることになる。ここで、参照点52の
間隔について説明する。参照点52の間隔は、過大であ
れば、球54による目標被加工面50の近似精度が低下
して工具経路の決定精度が低下し、過小であれば、目標
被加工面50を近似するために使用する球54の数が増
大して工具経路の決定時間、すなわち、コンピュータ3
2の演算時間が増大する。そこで、本工具経路決定方法
においては、工具経路の決定精度を確保した上で工具経
路の決定時間を短縮するため、移動面が平面であると仮
定した上で、その移動面に対応する真の工具経路と、実
際の工具経路であって参照点52の間隔が同じ複数の状
況のうち真の工具経路からのずれが最大となると予想さ
れる状況下での工具経路(以下、単に「誤差最大の工具
経路」という。)とのずれが予め定められたトレランス
に一致するときのそれら球54相互の間隔が参照点52
相互の間隔とされる。ここに、「真の工具経路」は、図
4に示すように、その移動面に沿って並んだ複数の球5
4をその移動面で切断することによって複数の円56を
発生させ、それら円56のうち互いに隣接する2個の円
56について、それらの2本の共通接線のうち空間側に
ある共通接線58として取得される。これに対し、「誤
差最大の工具経路」は、互いに隣接した2個の円56と
それら円56の前記共通接線58との2個の接点60
と、それら2個の円56の2個の交点のうち空間側にあ
る1個の交点62とを直線で結んだ折れ線として取得さ
れる。ただし、それら真の工具経路と誤差最大の工具経
路とのずれは目標被加工面50の形状の如何によって変
動するものであるため、参照点52の間隔は最終的に
は、過去の実例,経験等を加味して設定されることにな
る。S2の実行が終了すれば、次にS3において、図5
に示すように、各移動面70毎に、複数の球54が移動
面70により切断されることにより、各球54と移動面
70との各交線が求められる。求められた複数の交線の
一例が図6に示されている。この例においては、移動面
70が平面で構成されていると仮定されているから、求
められた複数の交線はすべて円72になるが、半径がす
べての円72の間で一致するわけではなく、切断された
各球54の中心点の位置が切断面である移動面70から
遠ざかるほど短くなる。その後、S4において、求めら
れた複数の円72のうち、工具10を空間側すなわちワ
ーク14に対する加工側において移動面70に沿って並
んだ複数の位置からそれぞれワーク14に向かって、予
め定められた方向(本実施形態では、回転軸線16の方
向に一致する。)において接近させた場合に工具中心点
18が最初に接触する複数の円72が選択される。具体
的には、本実施形態においては、工具10は移動面70
内においてそれの回転軸線16が平行移動するように移
動させられることが条件とされているため、まず、移動
面70上に複数の直線74が、回転軸線14に平行に、
かつ予め定められたピッチで配置される。次に、それら
各直線74と各円72との交点76が1つしかない場合
にはその交点76、複数ある場合にはそれら交点76の
うち最も空間側すなわちワーク14に対する加工側にあ
るものがそれぞれ選択される。図6には、それら各選択
交点76の一例が黒丸で示されている。さらに、各直線
74毎に、それら各交点76を含む円72が選択され
る。続いて、S5において、それら各選択円72の中心
点78が求められる。その後、S6において、求められ
た複数の中心点78を互いに接続する1本の連続した曲
線が中心点接続線80として求められる。中心点接続線
80は複数の中心点78相互の位置関係に基づき、例え
ばベジェ曲線により求められる。図6には、その中心点
接続線80の一例が太い実線で示されている。続いて、
S7において、図7に示すように、中心点接続線80の
各中心点78における1本の法線82であって各中心点
78から空間側に向かって移動面70内において延びる
ものが求められる。さらに、本ステップにおいては、同
図に示すように、求められた各法線82と、その各法線
82に対応する中心点78を中心点とする選択円72と
の1個の交点が工具通過点84として求められる。その
後、S8において、求められた複数の工具通過点84を
互いに接続する1本の連続した曲線が工具経路86とし
て決定される。工具経路86は複数の工具通過点84相
互の位置関係に基づき、例えばベジェ曲線により決定さ
れる。以上で今回の移動面70に対応する1本の工具経
路86が決定されたことになる。続いて、S9におい
て、すべての移動面70について工具経路86の決定が
終了したか否かが判定される。未だ終了してはいないと
仮定すれば判定がNOとなり、S3に戻り、別の移動面
70について工具経路86の決定が行われ、既に終了し
たと仮定すれば判定がYESとなり、本プログラムの一
回の実行が終了する。
【0021】以上の説明から明らかなように、本実施形
態によれば、ワーク形状データのうち目標被加工面の各
点における向きを定義するデータを使用して目標被加工
面の各点における法線方向を算出することなく工具経路
を決定できるため、その法線方向の算出精度の如何にか
かわらず安定した精度で工具経路を決定できる。また、
本実施形態によれば、複数の参照点のうち加工点に実質
的に一致するものが移動面に正投影され、それら複数の
投影点に基づいて工具経路が決定されるため、目標被加
工面と移動面とが直角に交わるか否かを問わず、工具経
路が目標被加工面との関係において常に適正に決定でき
る。さらに、本実施形態によれば、中心点接続線が曲線
とされ、目標被加工面の滑らかさをより正確に反映して
工具経路を滑らかに決定できるため、加工面の表面粗さ
が向上する。
【0022】本発明の別の実施形態を説明する。前記実
施形態においては、目標被加工面の各移動面に直角な方
向における向きとは無関係に、複数の移動面が互いに平
行に設定されているが、本実施形態においては、図8に
示すように、複数の移動面100のすべてにつき、各移
動面100と目標被加工面102とがほぼ直角に交わる
ように設定されている。本実施形態においては、図9に
フローチャートで表されている工具経路決定プログラム
が前記記録媒体40に予め記録されていて、前記工具経
路決定装置30のコンピュータ32により実行されるこ
とにより、工具経路が決定される。以下、そのプログラ
ムを図10を参照しつつ説明する。
【0023】この工具経路決定プログラムにおいては、
まず、S101において、複数の移動面100のうち今
回処理対象となるものと目標被加工面102との1本の
交線が今回の加工点軌跡104として求められる。次
に、S102において、その加工点軌跡104上に複数
の参照点106が予め定められた間隔で一列に並んで発
生させられる。その後、S103において、それら参照
点106を互いに接続する1本の連続した曲線が加工点
軌跡曲線108として求められる。加工点軌跡曲線10
8は複数の参照点106相互の位置関係に基づき、例え
ばベジェ曲線により求められる。続いて、S104にお
いて、その加工点軌跡曲線108の各参照点106にお
ける法線ベクトル110が求められる。各法線ベクトル
110は、各参照点106を始点として今回の移動面1
00内において延びるとともに、空間側に終点を有し、
かつ、長さが工具半径Rに等しいベクトルである。した
がって、各法線ベクトル110の終点は各工具通過点1
12を意味する。その後、S105において、それら工
具通過点112を互いに接続する1本の連続した曲線が
工具経路114として決定される。工具経路114は複
数の工具通過点112相互の位置関係に基づき、例え
ば、ベジェ曲線により決定される。続いて、S106に
おいて、すべての移動面100について工具経路114
の決定が終了したか否かが判定される。今回は未だ終了
してはいないと仮定すれば判定がNOとなり、S101
に戻るが、既に終了したと仮定すれば判定がYESとな
り、このプログラムの一回の実行が終了する。
【0024】本実施形態においては、各移動面100に
ついて工具経路を決定するためには、各移動面100が
必ず目標被加工面102と交わることが条件となる。そ
のため、図11に示すように、移動面100と目標被加
工面102とが互いに交わらない場合には、その移動面
100については工具経路114を決定できない。これ
に対し、前記実施形態によれば、各移動面70について
工具経路86を決定するために、各移動面70が必ず目
標被加工面52と交わることが条件とはされていないた
め、図12に示すように、各移動面70が目標被加工面
52と交わらない場合でも、その移動面70について工
具経路86を決定できる。
【0025】以上、本発明の二つの実施形態を図面に基
づいて詳細に説明したが、これらの他にも、特許請求の
範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種々
な変形,改良を施した形態で本発明を実施することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である工具経路決定方法に
より経路が決定される工具を示す正面図である。
【図2】上記工具経路決定方法を実施する工具経路決定
装置を示すブロック図である。
【図3】上記工具経路決定方法を実施するために図2の
記録媒体40に予め記録されている工具経路決定プログ
ラムを示すフローチャートである。
【図4】図3におけるS1およびS2の実行内容を説明
するための断面図である。
【図5】図3におけるS2およびS3の実行内容を説明
するための斜視図である。
【図6】図3におけるS3ないしS6の実行内容を説明
するための断面図である。
【図7】図3におけるS7およびS8の実行内容を説明
するための断面図である。
【図8】本発明の別の実施形態である工具経路決定方法
により工具経路が決定されるワークの目標被加工面と移
動面との関係を示す断面図である。
【図9】上記工具経路決定方法を実施するためにコンピ
ュータにより実行される工具経路決定プログラムを示す
フローチャートである。
【図10】図9におけるS102ないしS105の実行
内容を説明するための断面図である。
【図11】ワークの目標被加工面と移動面との関係の一
例を示す断面図である。
【図12】図11に示す場合において図1の実施形態に
より工具経路が決定される様子の一例を示す断面図であ
る。
【図13】工具経路決定方法の一従来例の内容とその問
題点とを説明するための斜視図である。
【図14】工具経路決定方法の別の従来例の内容とその
問題点とを説明するための斜視図である。
【図15】本発明の一実施態様を説明するための正面図
および側面図である。
【図16】本発明の一実施態様を説明するための正面図
および側面図である。
【符号の説明】
10 工具 14 ワーク 30 工具経路決定装置 40 記録媒体 50,102 目標被加工面 52,106 参照点 54 球 70,100 移動面 72 円 76 交点 80 中心点接続線 82 法線 84,112 工具通過点 86,114 工具経路 110 法線ベクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉岡 幸治 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目10番25号 中部ソフト・エンジニアリング株式会社 内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワークの実際被加工面を目標被加工面に加
    工するために工具をそれの基準線が予め定められた各移
    動面に拘束されるように移動させる際にその基準線上に
    予め定められた基準点がその基準線の方向に移動するた
    めの経路を決定する方法であって、 前記目標被加工面上に複数の参照点を発生させ、それら
    参照点のうち前記各移動面に対応する複数の参照点また
    はそれら参照点と一定の相対位置関係を有する複数の関
    連点を1本の線により互いに接続し、その接続線の各参
    照点または各関連点における向きに基づいて前記経路を
    決定する工具経路決定方法。
  2. 【請求項2】請求項1の工具経路決定方法であって、前
    記接続線が、それの前記複数の参照点または関連点を互
    いに接続する1本の連続した曲線である工具経路決定方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1または2の工具経路決定方法であ
    って、前記複数の参照点のうち、前記工具を前記各移動
    面に沿って移動させた際にその工具により前記実際被加
    工面が加工される加工点と実質的に一致するものを前記
    各移動面に正投影した複数の投影点を前記複数の関連点
    として取得し、それら投影点を1本の線により互いに接
    続し、その接続線の前記各投影点における向きに基づい
    て前記経路を決定する工具経路決定方法。
  4. 【請求項4】請求項3の工具経路決定方法であって、前
    記工具が、前記基準点を中心とした球で構成されている
    工具加工面で前記ワークを加工するものであり、かつ、 前記目標被加工面上に前記複数の参照点を発生させる参
    照点発生工程と、 前記目標被加工面に、半径が前記工具の前記基準点と前
    記加工点との距離に等しい球を複数、各球の中心点が前
    記各参照点に一致する状態で配置し、それら球を前記各
    移動面で切断することによって複数の閉曲線を発生さ
    せ、それら閉曲線のうち、前記工具を空間側において前
    記各移動面に沿って並んだ複数の位置からそれぞれ前記
    ワークに接近させた場合にその工具の基準点が最初に接
    する複数の閉曲線を選択し、それら各選択閉曲線の中心
    点を前記各投影点として取得する投影点取得工程と、 それら中心点を1本の線により互いに接続し、その接続
    線の前記各中心点における向きを取得する向き取得工程
    と、 その向きに基づいて前記経路を決定する経路決定工程と
    を含む工具経路決定方法。
  5. 【請求項5】請求項4の工具経路決定方法であって、前
    記接続線が、それの前記複数の中心点を互いに接続する
    1本の連続した曲線であり、 前記向き取得工程が、前記接続線の前記各中心点におけ
    る各法線であってその各中心点から前記空間側に向かっ
    て前記各移動面内において延びるものを取得し、 前記経路決定工程が、それら各法線と前記各選択閉曲線
    との各交点を各工具通過点として取得し、それら工具通
    過点を1本の連続した曲線により互いに接続し、その接
    続線を前記経路とする工具経路決定方法。
  6. 【請求項6】請求項1または2の工具経路決定方法であ
    って、前記目標被加工面と前記各移動面との各交線を取
    得し、それら各交線上に前記複数の参照点を発生させ、
    それら参照点を1本の線により互いに接続し、その接続
    線の前記各参照点における向きに基づいて前記経路を決
    定する工具経路決定方法。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれかの工具経路決
    定方法を実施するためにコンピュータにより実行される
    べきプログラムがコンピュータにより読み取り可能に記
    録されている工具経路決定プログラム記録媒体。
JP21000896A 1996-08-08 1996-08-08 工具経路決定方法 Pending JPH1055211A (ja)

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