JPH1054547A - 石炭焚きボイラのNOx濃度評価方法 - Google Patents
石炭焚きボイラのNOx濃度評価方法Info
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- JPH1054547A JPH1054547A JP21069596A JP21069596A JPH1054547A JP H1054547 A JPH1054547 A JP H1054547A JP 21069596 A JP21069596 A JP 21069596A JP 21069596 A JP21069596 A JP 21069596A JP H1054547 A JPH1054547 A JP H1054547A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 多種の銘柄の石炭を使用する石炭焚きボイラ
であっても、ボイラ出口のNOx濃度を容易かつ正確に
予測することができる石炭焚きボイラのNOx濃度評価
方法を提供する。 【解決手段】 本発明は、各種銘柄の原料炭の含有窒素
量に基づく燃焼性指数,発熱量に基づく発熱量指数およ
び灰分に基づく灰付着指数とから算出されるNOx指数
が、石炭焚きボイラにおける各種銘柄の原料炭の実績N
Ox濃度とほぼ同じ傾向を示すようにNOx濃度評価式
を組み、さらに各プラントにおけるボイラ特性を示すプ
ラント指数により補正してボイラ出口のNOx濃度を予
測するようにしたものである。
であっても、ボイラ出口のNOx濃度を容易かつ正確に
予測することができる石炭焚きボイラのNOx濃度評価
方法を提供する。 【解決手段】 本発明は、各種銘柄の原料炭の含有窒素
量に基づく燃焼性指数,発熱量に基づく発熱量指数およ
び灰分に基づく灰付着指数とから算出されるNOx指数
が、石炭焚きボイラにおける各種銘柄の原料炭の実績N
Ox濃度とほぼ同じ傾向を示すようにNOx濃度評価式
を組み、さらに各プラントにおけるボイラ特性を示すプ
ラント指数により補正してボイラ出口のNOx濃度を予
測するようにしたものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボイラ出口のNOx濃
度を事前に推定する石炭焚きボイラのNOx濃度評価方
法に関するものである。
度を事前に推定する石炭焚きボイラのNOx濃度評価方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は、竪型ミルを用いた石炭焚きボイ
ラの全体構成図である。この図において、10は竪型ミ
ル、20は石炭焚きボイラ、25は蒸気タービンであ
る。竪型ミル10は、給炭機11,粉砕機12,粗粒分
離器13などからなり、粉砕機12は、回転テーブル1
4,圧下ローラ15などから構成され、給炭機11によ
り原料炭1を回転テーブル14に供給し、回転テーブル
14の回転により原料炭1を圧下ローラ15で粉砕し、
下方から供給される一次空気2により粉砕され細粒化し
た石炭を粗粉分離器13に空気輸送し、粗粉分離器13
により粗粒をミル内に戻し、微細化した微粉炭3を石炭
焚きボイラ20に供給するようになっている。給炭機1
1による原料炭1の供給量は、搬送モータ11aの回転
速度により調節される。また、一次空気2の供給量は、
一次空気ラインに設けられた流量制御ダンパ16で調節
され、空気流量検出器17により流量が検出される。な
お、18は、空気ブロアである。
ラの全体構成図である。この図において、10は竪型ミ
ル、20は石炭焚きボイラ、25は蒸気タービンであ
る。竪型ミル10は、給炭機11,粉砕機12,粗粒分
離器13などからなり、粉砕機12は、回転テーブル1
4,圧下ローラ15などから構成され、給炭機11によ
り原料炭1を回転テーブル14に供給し、回転テーブル
14の回転により原料炭1を圧下ローラ15で粉砕し、
下方から供給される一次空気2により粉砕され細粒化し
た石炭を粗粉分離器13に空気輸送し、粗粉分離器13
により粗粒をミル内に戻し、微細化した微粉炭3を石炭
焚きボイラ20に供給するようになっている。給炭機1
1による原料炭1の供給量は、搬送モータ11aの回転
速度により調節される。また、一次空気2の供給量は、
一次空気ラインに設けられた流量制御ダンパ16で調節
され、空気流量検出器17により流量が検出される。な
お、18は、空気ブロアである。
【0003】石炭焚きボイラ20は、複数の微粉炭バー
ナ21を有し、各微粉炭バーナ21にそれぞれ竪型ミル
10がダクト22を介して連結されている。また、各石
炭焚きボイラ20は蒸発ドラム23を有し、この蒸発ド
ラム23で分離された水蒸気を蒸気ライン24を介して
蒸気タービン25に供給し、発電機26を駆動して発電
するようになっている。
ナ21を有し、各微粉炭バーナ21にそれぞれ竪型ミル
10がダクト22を介して連結されている。また、各石
炭焚きボイラ20は蒸発ドラム23を有し、この蒸発ド
ラム23で分離された水蒸気を蒸気ライン24を介して
蒸気タービン25に供給し、発電機26を駆動して発電
するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、石炭
焚きボイラでは、原料として供給される粒の荒い石炭を
粉砕機によりミクロン単位の粒径の微粉として燃焼して
いる。このボイラの原料炭には概ね1〜2%の窒素が含
まれており、ボイラ内の空気にも窒素が含まれている。
したがって、石炭焚きボイラの燃焼排ガスにはNOxが
含有されることになる。このNOxは大気汚染物質であ
り、光化学スモッグを引き起こす要因の一つであるた
め、ばい煙発生設備の種類ごとに排出基準(環境規制
値)が全国一律に定められて規制されている。
焚きボイラでは、原料として供給される粒の荒い石炭を
粉砕機によりミクロン単位の粒径の微粉として燃焼して
いる。このボイラの原料炭には概ね1〜2%の窒素が含
まれており、ボイラ内の空気にも窒素が含まれている。
したがって、石炭焚きボイラの燃焼排ガスにはNOxが
含有されることになる。このNOxは大気汚染物質であ
り、光化学スモッグを引き起こす要因の一つであるた
め、ばい煙発生設備の種類ごとに排出基準(環境規制
値)が全国一律に定められて規制されている。
【0005】ところが、石炭の性状は、産地,炭層,出
荷時期などにより異なっており、含有窒素量も異なって
いる。したがって、種々の銘柄の石炭を使用するボイラ
では、ボイラ出口のNOx濃度を環境規制値以下にする
ために事前評価する必要がある。そこで、従来は、石
炭の含有窒素量、石炭性状(発熱量)による燃焼速
度、石炭銘柄の実績NOx濃度、などにより、主に経
験や実績を頼りに事前評価をしていた。しかし、この評
価方法では、評価NOx濃度が実際のNOx濃度と一致
しないことが多く、石炭の燃焼開始後にボイラ出口のN
Ox濃度が環境規制値を越えてしまい、しかもNOx低
減設備の性能以上のNOx濃度に達してしまうこともあ
った。このように、ボイラ出口のNOx濃度は、石炭性
状に起因する要素とボイラ内部での燃焼に支配される要
素とが複雑に関与し、石炭性状のみによる事前評価では
不十分であり、また困難でもあった。
荷時期などにより異なっており、含有窒素量も異なって
いる。したがって、種々の銘柄の石炭を使用するボイラ
では、ボイラ出口のNOx濃度を環境規制値以下にする
ために事前評価する必要がある。そこで、従来は、石
炭の含有窒素量、石炭性状(発熱量)による燃焼速
度、石炭銘柄の実績NOx濃度、などにより、主に経
験や実績を頼りに事前評価をしていた。しかし、この評
価方法では、評価NOx濃度が実際のNOx濃度と一致
しないことが多く、石炭の燃焼開始後にボイラ出口のN
Ox濃度が環境規制値を越えてしまい、しかもNOx低
減設備の性能以上のNOx濃度に達してしまうこともあ
った。このように、ボイラ出口のNOx濃度は、石炭性
状に起因する要素とボイラ内部での燃焼に支配される要
素とが複雑に関与し、石炭性状のみによる事前評価では
不十分であり、また困難でもあった。
【0006】本発明は上述した問題点を解決するために
創案されたものである。すなわち、多種の銘柄の石炭を
使用する石炭焚きボイラであっても、ボイラ出口のNO
x濃度を容易かつ正確に予測することができる石炭焚き
ボイラのNOx濃度評価方法を提供することを目的とす
る。
創案されたものである。すなわち、多種の銘柄の石炭を
使用する石炭焚きボイラであっても、ボイラ出口のNO
x濃度を容易かつ正確に予測することができる石炭焚き
ボイラのNOx濃度評価方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】従来の多くの石炭焚きボ
イラにおける運用実績から、ボイラ出口のNOx濃度
は、原料炭の含有窒素量や発熱量だけでなく、その灰分
に基づく灰付着指数によっても影響を受けていることが
わかった。本発明はこの新規の知見に基づくものであ
る。
イラにおける運用実績から、ボイラ出口のNOx濃度
は、原料炭の含有窒素量や発熱量だけでなく、その灰分
に基づく灰付着指数によっても影響を受けていることが
わかった。本発明はこの新規の知見に基づくものであ
る。
【0008】すなわち、本発明によれば、各種銘柄の原
料炭の含有窒素量に基づく燃焼性指数,発熱量に基づく
発熱量指数および灰分に基づく灰付着指数とから算出さ
れるNOx指数が、石炭焚きボイラにおける各種銘柄の
原料炭の実績NOx濃度とほぼ同じ傾向を示すようにN
Ox濃度評価式を組み、さらに各プラントにおけるボイ
ラ特性を示すプラント指数により補正してボイラ出口の
NOx濃度を予測する、ことを特徴とする石炭焚きボイ
ラのNOx濃度評価方法が提供される。
料炭の含有窒素量に基づく燃焼性指数,発熱量に基づく
発熱量指数および灰分に基づく灰付着指数とから算出さ
れるNOx指数が、石炭焚きボイラにおける各種銘柄の
原料炭の実績NOx濃度とほぼ同じ傾向を示すようにN
Ox濃度評価式を組み、さらに各プラントにおけるボイ
ラ特性を示すプラント指数により補正してボイラ出口の
NOx濃度を予測する、ことを特徴とする石炭焚きボイ
ラのNOx濃度評価方法が提供される。
【0009】上述したように、ボイラ出口のNOx濃度
が灰分に基づく灰付着指数によっても影響を受けている
との知見を得たことにより、従来のNOx濃度評価方法
の要素である原料炭の含有窒素量に基づく燃焼性指数お
よび発熱量に基づく発熱量指数に、灰分に基づく灰付着
指数を加えてNOx濃度評価式を組むことが可能であ
る。そこで、本発明は、実績NOx濃度と石炭性状
(燃焼性指数および発熱量指数)を把握記録し、実績
NOx濃度と灰付着指数を把握記録し、これらの記録
からNOx発生要因ごとの影響度を調査し、これらの
結果からNOx指数をNOx濃度評価式として数式化
し、この関係を実際のボイラでの数値により修正して
いる。したがって、石炭やNOxに対する知識がなくて
もボイラ出口のNOx濃度を予測することができ、石炭
購入部署での購入石炭性状の範囲が明確となり、発電所
運用部署で石炭性状からボイラ燃焼手法の検討が事前に
可能となる。すなわち、本発明によれば、多種の銘柄の
石炭を使用する石炭焚きボイラであっても、ボイラ出口
のNOx濃度を容易かつ正確に把握することができる。
が灰分に基づく灰付着指数によっても影響を受けている
との知見を得たことにより、従来のNOx濃度評価方法
の要素である原料炭の含有窒素量に基づく燃焼性指数お
よび発熱量に基づく発熱量指数に、灰分に基づく灰付着
指数を加えてNOx濃度評価式を組むことが可能であ
る。そこで、本発明は、実績NOx濃度と石炭性状
(燃焼性指数および発熱量指数)を把握記録し、実績
NOx濃度と灰付着指数を把握記録し、これらの記録
からNOx発生要因ごとの影響度を調査し、これらの
結果からNOx指数をNOx濃度評価式として数式化
し、この関係を実際のボイラでの数値により修正して
いる。したがって、石炭やNOxに対する知識がなくて
もボイラ出口のNOx濃度を予測することができ、石炭
購入部署での購入石炭性状の範囲が明確となり、発電所
運用部署で石炭性状からボイラ燃焼手法の検討が事前に
可能となる。すなわち、本発明によれば、多種の銘柄の
石炭を使用する石炭焚きボイラであっても、ボイラ出口
のNOx濃度を容易かつ正確に把握することができる。
【0010】また、本発明の実施の形態によれば、上記
NOx濃度評価式は、NOx指数=600×燃焼性指数
+30/発熱量指数+20×灰付着指数/1.21で表
されることが好ましく、さらに、上記燃焼性指数は含有
窒素量×燃料比/揮発量で表され、上記発熱量指数は
(発熱量+6870)2 +1で表され、上記灰付着指数
は0.1×灰分×シリカ分/(アルミ分×2.29)で
表されることが好ましい。
NOx濃度評価式は、NOx指数=600×燃焼性指数
+30/発熱量指数+20×灰付着指数/1.21で表
されることが好ましく、さらに、上記燃焼性指数は含有
窒素量×燃料比/揮発量で表され、上記発熱量指数は
(発熱量+6870)2 +1で表され、上記灰付着指数
は0.1×灰分×シリカ分/(アルミ分×2.29)で
表されることが好ましい。
【0011】上述したNOx濃度評価式,燃焼性指数,
発熱量指数および灰付着指数を使用すれば、これらから
算出されるNOx指数が、現実に、石炭焚きボイラにお
ける各種銘柄の原料炭の実績NOx濃度と同じ傾向を示
す。
発熱量指数および灰付着指数を使用すれば、これらから
算出されるNOx指数が、現実に、石炭焚きボイラにお
ける各種銘柄の原料炭の実績NOx濃度と同じ傾向を示
す。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図1および図2を参照して説明する。本発明
の石炭焚きボイラのNOx濃度評価方法は、図3に示す
ような竪型ミルを用いた石炭焚きボイラにおいて、とく
に多種の銘柄の石炭を使用する場合に、各銘柄に対応し
てボイラ出口のNOx濃度を予測し、環境規制値を満足
するようにボイラの燃焼手法を事前に検討することがで
きるようにしようとするものである。
態について図1および図2を参照して説明する。本発明
の石炭焚きボイラのNOx濃度評価方法は、図3に示す
ような竪型ミルを用いた石炭焚きボイラにおいて、とく
に多種の銘柄の石炭を使用する場合に、各銘柄に対応し
てボイラ出口のNOx濃度を予測し、環境規制値を満足
するようにボイラの燃焼手法を事前に検討することがで
きるようにしようとするものである。
【0013】上述したように、従来の多くの石炭焚きボ
イラにおける運用実績から、ボイラ出口のNOx濃度
は、原料炭の含有窒素量や発熱量だけでなく、その灰分
に基づく灰付着指数によっても影響を受けていることが
わかった。そこで、発明者らは、実績NOx濃度と石炭
性状である含有窒素量,発熱量および灰分を把握記録
し、これらの記録からNOx発生要因ごとの影響度を調
査し、これらを数式化することに成功した。すなわち、
本発明は、各種銘柄の原料炭の含有窒素量に基づく燃焼
性指数,発熱量に基づく発熱量指数および灰分に基づく
灰付着指数とから算出されるNOx指数が、石炭焚きボ
イラにおける各種銘柄の原料炭の実績NOx濃度とほぼ
同じ傾向を示すようにNOx濃度評価式を組み、さらに
各プラントにおけるボイラ特性を示すプラント指数によ
り補正してボイラ出口のNOx濃度を予測するようにし
たものである。
イラにおける運用実績から、ボイラ出口のNOx濃度
は、原料炭の含有窒素量や発熱量だけでなく、その灰分
に基づく灰付着指数によっても影響を受けていることが
わかった。そこで、発明者らは、実績NOx濃度と石炭
性状である含有窒素量,発熱量および灰分を把握記録
し、これらの記録からNOx発生要因ごとの影響度を調
査し、これらを数式化することに成功した。すなわち、
本発明は、各種銘柄の原料炭の含有窒素量に基づく燃焼
性指数,発熱量に基づく発熱量指数および灰分に基づく
灰付着指数とから算出されるNOx指数が、石炭焚きボ
イラにおける各種銘柄の原料炭の実績NOx濃度とほぼ
同じ傾向を示すようにNOx濃度評価式を組み、さらに
各プラントにおけるボイラ特性を示すプラント指数によ
り補正してボイラ出口のNOx濃度を予測するようにし
たものである。
【0014】ここで、燃焼性指数は含有窒素量×燃料比
/揮発量で表され、発熱量指数は(発熱量+6870)
2 +1で表され、灰付着指数は0.1×灰分×シリカ分
/(アルミ分×2.29)で表される指数であり、NO
x指数の算出だけでなく、火炉収熱指数や燃焼性指数の
算出などにも使用されているものである。なお、シリカ
分とは石炭中に含まれる酸化けい素(SiO2 )の含有
量(%)であり、アルミ分とは石炭中に含まれる酸化ア
ルミニウム(Al2 O3 )の含有量(%)である。
/揮発量で表され、発熱量指数は(発熱量+6870)
2 +1で表され、灰付着指数は0.1×灰分×シリカ分
/(アルミ分×2.29)で表される指数であり、NO
x指数の算出だけでなく、火炉収熱指数や燃焼性指数の
算出などにも使用されているものである。なお、シリカ
分とは石炭中に含まれる酸化けい素(SiO2 )の含有
量(%)であり、アルミ分とは石炭中に含まれる酸化ア
ルミニウム(Al2 O3 )の含有量(%)である。
【0015】そして、NOx濃度評価式は、NOx指数
=600×燃焼性指数+30/発熱量指数+20×灰付
着指数/1.21で表される。実際のプラントにおいて
この評価式を使用する場合には、各プラントにおけるボ
イラ特性を示すプラント指数により補正する。すなわ
ち、NOx指数=600×燃焼性指数+30/発熱量指
数+20×灰付着指数/1.21+プラント指数で表さ
れる。このプラント指数は各プラントに設けられたボイ
ラの特性により定まる各プラントに特有の定数であり、
どの銘柄の石炭を使用しても同じ値である。
=600×燃焼性指数+30/発熱量指数+20×灰付
着指数/1.21で表される。実際のプラントにおいて
この評価式を使用する場合には、各プラントにおけるボ
イラ特性を示すプラント指数により補正する。すなわ
ち、NOx指数=600×燃焼性指数+30/発熱量指
数+20×灰付着指数/1.21+プラント指数で表さ
れる。このプラント指数は各プラントに設けられたボイ
ラの特性により定まる各プラントに特有の定数であり、
どの銘柄の石炭を使用しても同じ値である。
【0016】次に、上述したNOx濃度評価式の妥当性
について、図1および図2を参照して説明する。図1
は、5種類の銘柄の石炭について、予測したNOx指数
と実際のボイラ出口NOx濃度とを比較したものであ
り、図2はそのNOx指数とボイラ出口NOx濃度の関
係をグラフ化したものである。このボイラ出口NOx濃
度は、各銘柄ごとにユニット出力700MW(ミル運転
台数5台)で運転したときのものである。この図におい
て、NOx濃度評価式の元となる石炭性状(含有窒素
量,発熱量および灰分)については、上述した式を用い
て、それぞれ燃焼性指数,発熱量指数および灰付着指数
として表している。なお、石炭銘柄のドレイトンおよび
リスゴーはオーストラリア産,南屯は中国産,アーサー
テーラおよびコールフォンテンは南アフリカ産である。
について、図1および図2を参照して説明する。図1
は、5種類の銘柄の石炭について、予測したNOx指数
と実際のボイラ出口NOx濃度とを比較したものであ
り、図2はそのNOx指数とボイラ出口NOx濃度の関
係をグラフ化したものである。このボイラ出口NOx濃
度は、各銘柄ごとにユニット出力700MW(ミル運転
台数5台)で運転したときのものである。この図におい
て、NOx濃度評価式の元となる石炭性状(含有窒素
量,発熱量および灰分)については、上述した式を用い
て、それぞれ燃焼性指数,発熱量指数および灰付着指数
として表している。なお、石炭銘柄のドレイトンおよび
リスゴーはオーストラリア産,南屯は中国産,アーサー
テーラおよびコールフォンテンは南アフリカ産である。
【0017】図1におけるNOx指数とボイラ出口NO
x濃度とを比較すると、図2からよく分かるように、N
Ox指数の石炭銘柄に対する傾向は、ボイラ出口NOx
濃度の傾向とほぼ同じ傾向を示している。なお、図2に
おいて、本発明のNOx濃度評価式により算出したNO
x指数を破線で示し、実際のボイラ出口NOx濃度を実
線で示している。さらに、ここではプラント指数を70
としてNOx指数を補正した結果、ボイラ出口NOx濃
度がNOx指数のほぼ±10ppm以内に納まるように
することができた。すなわち、どの銘柄の原料炭を使用
しても、ボイラ出口NOx濃度を±10〜20ppm以
内の精度でNOx指数を算出することができ、事前評価
の信頼度が格段に向上している。したがって、このNO
x指数に基づいて事前評価を行えば、ボイラ出口NOx
濃度がNOx低減設備の性能以上になることがなく、ボ
イラの円滑な運転を実現することができる。さらに、N
Ox指数の信頼度が高くなると、石炭やNOxに対する
知識がなくてもボイラ出口のNOx濃度を予測すること
ができ、石炭購入部署での購入石炭性状の範囲が明確と
なり、発電所運用部署で石炭性状からボイラ燃焼手法の
検討が事前に可能となる。
x濃度とを比較すると、図2からよく分かるように、N
Ox指数の石炭銘柄に対する傾向は、ボイラ出口NOx
濃度の傾向とほぼ同じ傾向を示している。なお、図2に
おいて、本発明のNOx濃度評価式により算出したNO
x指数を破線で示し、実際のボイラ出口NOx濃度を実
線で示している。さらに、ここではプラント指数を70
としてNOx指数を補正した結果、ボイラ出口NOx濃
度がNOx指数のほぼ±10ppm以内に納まるように
することができた。すなわち、どの銘柄の原料炭を使用
しても、ボイラ出口NOx濃度を±10〜20ppm以
内の精度でNOx指数を算出することができ、事前評価
の信頼度が格段に向上している。したがって、このNO
x指数に基づいて事前評価を行えば、ボイラ出口NOx
濃度がNOx低減設備の性能以上になることがなく、ボ
イラの円滑な運転を実現することができる。さらに、N
Ox指数の信頼度が高くなると、石炭やNOxに対する
知識がなくてもボイラ出口のNOx濃度を予測すること
ができ、石炭購入部署での購入石炭性状の範囲が明確と
なり、発電所運用部署で石炭性状からボイラ燃焼手法の
検討が事前に可能となる。
【0018】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できる
ことは勿論である。
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できる
ことは勿論である。
【0019】
【発明の効果】上述した本発明の石炭焚きボイラのNO
x濃度評価方法によれば、多種の銘柄の石炭を使用する
石炭焚きボイラであっても、ボイラ出口のNOx濃度を
容易かつ正確に把握することができる。また、NOx指
数の信頼度が向上したことにより、ボイラ出口NOx濃
度がNOx低減設備の性能以上になることがなく、経験
の浅いオペレータなどでもボイラの安定した運転をする
ことができる、などの優れた効果を有する。
x濃度評価方法によれば、多種の銘柄の石炭を使用する
石炭焚きボイラであっても、ボイラ出口のNOx濃度を
容易かつ正確に把握することができる。また、NOx指
数の信頼度が向上したことにより、ボイラ出口NOx濃
度がNOx低減設備の性能以上になることがなく、経験
の浅いオペレータなどでもボイラの安定した運転をする
ことができる、などの優れた効果を有する。
【図1】5種類の銘柄の石炭について、予測したNOx
指数と実際のボイラ出口NOx濃度とを比較したもので
ある。
指数と実際のボイラ出口NOx濃度とを比較したもので
ある。
【図2】NOx指数とボイラ出口NOx濃度の関係をグ
ラフ化したものである。
ラフ化したものである。
【図3】竪型ミルを用いた石炭焚きボイラの全体構成図
である。
である。
1 原料炭 2 一次空気 3 微粉炭 10 竪型ミル 11 給炭機 12 粉砕機 13 粗粒分離器 14 回転テーブル 15 圧下ローラ 16 流量制御ダンパ 17 空気流量検出器 18 空気ブロア 20 石炭焚きボイラ 21 微粉炭バーナ 22 ダクト 23 蒸気ドラム 24 蒸気ライン 25 蒸気タービン 26 発電機
Claims (3)
- 【請求項1】 各種銘柄の原料炭の含有窒素量に基づく
燃焼性指数,発熱量に基づく発熱量指数および灰分に基
づく灰付着指数とから算出されるNOx指数が、石炭焚
きボイラにおける各種銘柄の原料炭の実績NOx濃度と
ほぼ同じ傾向を示すようにNOx濃度評価式を組み、さ
らに各プラントにおけるボイラ特性を示すプラント指数
により補正してボイラ出口のNOx濃度を予測する、こ
とを特徴とする石炭焚きボイラのNOx濃度評価方法。 - 【請求項2】 上記NOx濃度評価式は、NOx指数=
600×燃焼性指数+30/発熱量指数+20×灰付着
指数/1.21で表される、請求項1に記載の石炭焚き
ボイラのNOx濃度評価方法。 - 【請求項3】 上記燃焼性指数は含有窒素量×燃料比/
揮発量で表され、上記発熱量指数は(発熱量+687
0)2 +1で表され、上記灰付着指数は0.1×灰分×
シリカ分/(アルミ分×2.29)で表される、請求項
1または請求項2に記載の石炭焚きボイラのNOx濃度
評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21069596A JPH1054547A (ja) | 1996-08-09 | 1996-08-09 | 石炭焚きボイラのNOx濃度評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21069596A JPH1054547A (ja) | 1996-08-09 | 1996-08-09 | 石炭焚きボイラのNOx濃度評価方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1054547A true JPH1054547A (ja) | 1998-02-24 |
Family
ID=16593579
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP21069596A Pending JPH1054547A (ja) | 1996-08-09 | 1996-08-09 | 石炭焚きボイラのNOx濃度評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1054547A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003019078A1 (fr) * | 2001-08-23 | 2003-03-06 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Procede de prevision de la compatibilite de la combustion de charbon, systeme et procede de commercialisation de charbon, programme d'execution de ce procede de commercialisation, et support d'enregistrement contenant ce programme |
JP2013044018A (ja) * | 2011-08-24 | 2013-03-04 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 固体燃料評価方法 |
-
1996
- 1996-08-09 JP JP21069596A patent/JPH1054547A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003019078A1 (fr) * | 2001-08-23 | 2003-03-06 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Procede de prevision de la compatibilite de la combustion de charbon, systeme et procede de commercialisation de charbon, programme d'execution de ce procede de commercialisation, et support d'enregistrement contenant ce programme |
CN100338390C (zh) * | 2001-08-23 | 2007-09-19 | 出光兴产株式会社 | 煤炭的燃烧适合性预测方法、煤炭中介交易系统、煤炭中介交易方法、用于执行该交易方法的程序及记录了该程序的记录介质 |
JP2013044018A (ja) * | 2011-08-24 | 2013-03-04 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 固体燃料評価方法 |
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