JPH1053550A - グリコールエーテル類の製造方法 - Google Patents

グリコールエーテル類の製造方法

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JPH1053550A
JPH1053550A JP9133282A JP13328297A JPH1053550A JP H1053550 A JPH1053550 A JP H1053550A JP 9133282 A JP9133282 A JP 9133282A JP 13328297 A JP13328297 A JP 13328297A JP H1053550 A JPH1053550 A JP H1053550A
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JP
Japan
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group
catalyst
exchange resin
alkylene
producing
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JP9133282A
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Koichi Nagata
浩一 永田
Toshiyuki Furuya
俊行 古屋
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルキレンオキシドとアルコールとの反応に
おいて、触媒の耐久性を維持・改良しつつ、高い反応性
と選択率で、末端付加型の構造のグリコールエーテル類
を製造できる方法の提供。 【解決手段】 触媒としてビニル芳香族化合物の重合
体を基体とし、その芳香族基に鎖長が3以上の連結基を
介して第4級アンモニウム基が結合された構造を有する
陰イオン交換樹脂を使用して、アルキレンオキシドとア
ルコールとを反応させることによって、高い触媒性能を
維持しつつ、良好な末端付加選択性を実現できる経済的
に有利なグリコールエーテル類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グリコールエーテ
ル類の製造方法に関する。詳しくは、本発明は触媒の存
在下にアルキレンオキシドとアルコールとを反応させる
ことによるグリコールエーテル類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】グリコールエーテル類は、塗料、インク
等の溶剤や、ブレーキ液配合成分、あるいはグリコール
エーテルアセテート類等を製造するための中間体として
有用であり、これらは、通常アルカリ金属水酸化物、ア
ミン類等の均一系塩基触媒の存在下、アルキレンオキシ
ドとアルコールとを反応させることによって製造されて
いる(下記反応式(i)及び(ii)参照)。
【0003】
【化3】
【0004】
【化4】
【0005】反応式(i)及び(ii)で生成する各化
合物のうち、最も製品価値が高いのは通常、末端付加物
(3)である。しかし、上記の均一系塩基触媒を用いた
場合、(5)のようなアルキレンオキシドが2モル以上
付加した形の付加物が生成しやすくなるという欠点があ
る。また、一般に均一系触媒は精製工程において、系内
から除去するのが困難である。更に、プロピレンオキシ
ドなどの非対称アルキレンオキシドを用いた場合、反応
の位置選択性の制御が困難で、希望する末端付加物
(3)が優先的には得るのが困難であるという問題点も
ある。
【0006】また、上記の反応により生成する末端付加
物(3)の位置異性体である内部付加物(4)は毒性を
示す可能性があるので、その分離・除去が必要となり、
歩留まりが低下したり、工程が多くなったりして経済的
に好ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】こうした問題点を解決
するために、固体塩基を触媒とするグリコールエーテル
類の製造方法がいくつか提案されている。例えば、特表
平5−503946号では、アニオン性二重水酸化物を
触媒として用いられたグリコールエーテル類の製造方法
が開示されている。
【0008】また触媒として第一級、第二級又は第三級
のアミノ基或いは置換基を有する第二級又は第三級のア
ミノ基を含む陰イオン交換樹脂を用いるグリコールエー
テル類の製造方法が特開昭61−204142号公報に
記載されている。その実施例においてプロピレンオキシ
ドとエタノールとを反応させた場合、85%の転化率で
グリコールエーテルが生成したことが述べられている。
【0009】しかしながら、一般に陰イオン交換樹脂
は、陽イオン交換樹脂に比べて耐熱温度が低く従ってそ
の耐久性が低いため、触媒の寿命に問題があった。即
ち、本発明が解決しようとする課題は、触媒の耐久性を
維持・改良しつつ、高い反応性と選択率で、末端付加型
の構造のグリコールエーテル類を製造できる方法を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、触媒の
存在下にアルキレンオキシドとアルコールとを反応させ
ることによってグリコールエーテル類を製造するに当た
り、該触媒としてビニル芳香族化合物の重合体を基体と
し、その芳香族基に鎖長が3以上の連結基を介して第4
級アンモニウム基が結合された構造を有する陰イオン交
換樹脂を使用することを特徴とするグリコールエーテル
類の製造方法、に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明方法について詳細に
説明する。本発明においては、触媒としてビニル芳香族
化合物の重合体を基体とし、その芳香族基に鎖長が3以
上の連結基を介して第4級アンモニウム基が結合された
構造を有する陰イオン交換樹脂を使用する。該陰イオン
交換樹脂の基体を構成するモノマーとしては、例えばス
チレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ビニ
ルナフタレン等が挙げられる。該基体の芳香族基と第4
級アンモニウム基とを結合する連結基は鎖長が3以上で
あれば特に限定されず、アルキレン基、アルキレンオキ
シアルキレン基等が挙げられる。
【0012】ここで、鎖長とは、芳香族基と第4級アン
モニウム基とを連結する基の、連結部分の原子数のこと
を言う。例えば、直鎖アルキレン基(ポリメチレン基)
であれば、その炭素数がそのまま鎖長となる。連結基の
鎖長が2のものは、高温での使用時に樹脂の劣化が激し
く、従って触媒としての耐久性が著しく劣る。また、鎖
長が1のものもアルキレンオキシドの転化率が十分高く
ならない上、触媒としての耐久性も不十分である。
【0013】このような陰イオン交換樹脂は、通常、塩
素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子或いはトシル基等の
置換活性基を有する対応する構造のビニル芳香族化合物
(以下、前駆体モノマーという。)を、必要により他の
モノマーと共に、重合した後に、該置換活性基部分に第
4級アンモニウム基を導入することによって製造するこ
とができる。
【0014】本発明に使用するのに好適な陰イオン交換
樹脂の例として、下記一般式(I)で表される第4級ア
ンモニウム基を有する構造単位を有する陰イオン交換樹
脂が挙げられる。
【0015】
【化5】
【0016】(式中、Rは鎖長3〜10のアルキレン基
を表し、該アルキレン基はその連鎖中に環状炭化水素基
を含んでいてもよく、またアルキル基で置換されていて
もよい。R1〜R3はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基
またはアルカノール基を、X-はアニオンを表す。ま
た、ベンゼン環はアルキル基またはハロゲン原子で置換
されていてもよく、他の芳香環と縮合していてもよ
い。) 上記一般式(I)におけるアルキレン基Rの鎖長は3〜
10、好ましくは3〜6である。該アルキレン基はその
連鎖中に環状炭化水素基を含んでいてもよく、またアル
キル基で置換されていてもよい。
【0017】そのようなアルキレン基の具体例(以下に
おいて「n−アルキレン基」とは、両鎖端に遊離原子価
を有する直鎖アルキレン基(ポリメチレン基)を意味す
るものとし、またアルキル基は、メチル基またはエチル
基を表すものとする。)としては、n−プロピレン基、
1−アルキル−n−プロピレン基、2−アルキル−n−
プロピレン基、3−アルキル−n−プロピレン基、n−
ブチレン基、1−アルキル−n−ブチレン基、2−アル
キル−n−ブチレン基、3−アルキル−n−ブチレン
基、4−アルキル−n−ブチレン基、n−ペンチレン
基、1−アルキル−n−ペンチレン基、2−アルキル−
n−ペンチレン基、3−アルキル−n−ペンチレン基、
4−アルキル−n−ペンチレン基、5−アルキル−n−
ペンチレン基、n−ヘキシレン基、1−アルキル−n−
ヘキシレン基、2−アルキル−n−ヘキシレン基、3−
アルキル−n−ヘキシレン基、4−アルキル−n−ヘキ
シレン基、5−アルキル−n−ヘキシレン基、6−アル
キル−n−ヘキシレン基、2,4−ジアルキル−n−ペ
ンチレン基、2,4−ジアルキル−n−ヘキシレン基、
2,5−ジアルキル−n−ヘキシレン基、3,5−ジア
ルキル−n−ヘキシレン基などが挙げられる。
【0018】R1〜R3は、それぞれ炭素数1〜4のアル
キル基またはアルカノール基を表し、その具体例として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i
−ブチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシ
プロピル基、4−ヒドロキシブチル基などが挙げられ
る。
【0019】X-はアニオンを表す。具体例としては、
水酸イオン及びフッ素イオン、塩素イオン、臭素イオ
ン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオンなどが挙げられ
る。また、ベンゼン環は、炭素数1〜4のアルキル基ま
たはハロゲン原子で置換されていてもよく、更に他の芳
香環と縮合してナフタレン環、アントラセン環等の縮合
芳香環を形成していてもよい。
【0020】好適な陰イオン交換樹脂の他の例として、
下記一般式(II)で表される第4級アンモニウム基を
有する構造単位を有する陰イオン交換樹脂が挙げられ
る。
【0021】
【化6】
【0022】(式中、Aは炭素数1〜4のアルキレン基
を、Bは炭素数1〜8のアルキレン基をそれぞれ表し、
それぞれアルキル基で置換されていてもよい。R4〜R6
はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基またはアルカノー
ル基を表し、Y-はアニオンを表す。また、ベンゼン環
はアルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよ
く、他の芳香環と縮合していてもよい。) 上記一般式(II)において、Aは炭素数1〜4のアル
キレン基を、Bは炭素数1〜8、好ましくは4〜8のア
ルキレン基をそれぞれ表し、それぞれアルキル基で置換
されていてもよい。そのようなアルキレン基の具体例
は、メチレン基、エチレン基のほか、前記一般式(I)
におけるアルキレン基Rについて例示したものと同様で
ある。R4〜R6は、炭素数1〜4のアルキル基またはア
ルカノール基を表し、その具体例は前記一般式(I)に
おける基R1〜R3について例示したものと同様である。
またアニオンY-も、X-について例示したのと同様であ
る。また、ベンゼン環も同様にアルキル基またはハロゲ
ン原子で置換されていてもよく、他の芳香環と縮合して
いてもよい。
【0023】上記第4級アンモニウム基を有する構造単
位を有する陰イオン交換樹脂は、架橋重合体であるのが
好ましい。そのような架橋重合体は、例えば前記前駆体
モノマーと不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーとを、
必要により更に他のモノマーと共に、共重合させた後
に、第4級アンモニウム基を導入することによって製造
することができる。
【0024】上記の不飽和炭化水素基含有架橋性モノマ
ーとしては、例えばジビニルベンゼン、ジビニルトルエ
ン、ジビニルナフタレン、エチレングリコールジメタク
リレート等が挙げられる。これらの中ではジビニルベン
ゼンが好ましい。特開平5−49949号公報には、前
記一般式(I)に相当する第4級アンモニウム基を有す
る構造単位及び不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーか
ら誘導される構造単位を含有する特定の陰イオン交換樹
脂が、超純水製造プロセスに使用されるアニオン交換体
として耐熱性が優れていることが記載されている。
【0025】本発明者らは、該陰イオン交換樹脂をアル
キレンオキシドとアルコールとを反応させてグリコール
エーテル類を製造する反応の触媒として用いた場合に、
優れた耐熱性の他に、触媒活性が高く、かつ非対称のア
ルキレンオキシドを使用した際の位置選択性が良い、と
いう優れた特性を有していることを見出した。本発明方
法においては、上記の特定の第4級アンモニウム基を有
する陰イオン交換樹脂を触媒として用いてアルキレンオ
キシドとアルコールとを反応させてグリコールエーテル
類を生成させる。
【0026】上記アルキレンオキシドとしては、例えば
エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどの脂肪族ア
ルキレンオキシド、スチレンオキシドなどの芳香族アル
キレンオキシドなどを用いることができるが、特にエチ
レンオキシド、プロピレンオキシドが好適である。ま
た、上記アルコールとしては、例えばメタノール、エタ
ノール、プロパノールなどの脂肪族一価アルコール、エ
チレングリコール、プロピレングリコールなどの脂肪族
二価アルコール、あるいはフェノール、メチルフェノー
ルなどのフェノール類などを用いることができるが、特
に炭素数1〜6の脂肪族一価アルコールが好適である。
【0027】反応方式は、バッチ式、セミバッチ式、連
続式のいずれでも良い。いずれの方式においても、反応
基質と触媒とを十分に接触させることが重要である。そ
のために、例えばバッチ式においては適切な攪拌を、ま
た連続式においては適切な流速を選択することが重要で
ある。原料中のアルコールとアルキレンオキシドとのモ
ル比は、通常、2/1〜10/1、好ましくは3/1〜
7/1の範囲とする。アルコールの割合がこの範囲未満
では、アルコールとアルキレンオキシドの1:1付加体
の選択率が低下したり、反応系からの除熱が困難になる
傾向がある。一方、アルコールの割合がこの範囲より過
大になると、精製工程でアルコールを生成物から分離す
る際に多大なエネルギーを必要とすることになる。
【0028】反応温度は、通常、50〜200℃、好ま
しくは60〜120℃である。反応圧力は、通常1〜5
0kgf/cm2、好ましくは2〜20kgf/cm2
範囲とするのがよい。
【0029】
【実施例】次に本発明の実施の態様を実施例により具体
的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、
以下の実施例によって限定されるものではない。なお、
表中の「実1」、「比3」等はそれぞれ「実施例1」、
「比較例3」等を示す。 <実施例1>下記式(6)で表される第4級アンモニウ
ム基を有する構造単位および不飽和炭化水素基含有架橋
性モノマーから誘導される構造単位からなる陰イオン交
換樹脂(以下「RIE−1」と記す)を触媒として用い
て、プロピレンオキシドとメタノールとの反応により、
プロピレングリコールモノメチルエーテルを製造した。
なお、RIE−1の性能を表−1に示す。
【0030】
【化7】
【0031】管型充填層反応器に100ccのRIE−
1を充填し、メタノールとプロピレンオキシドとの混合
液(モル比5/1)を、圧力3.0kgf/cm2、温度
82℃で、触媒層での滞留時間(空塔基準)が1時間と
なるように通過させた。流出液のガスクロマトグラフィ
による分析の結果、プロピレンオキシドの転化率は99
%であり、生成物中のメタノールとプロピレンオキシド
の1:1付加物の割合は98%(その95%が末端付加
物である1-メトキシ-2-プロパノール)であった。1
ヶ月経過後も触媒性能は保たれており、転化率、選択率
に殆ど変化はなかった。1日後及び1ヶ月後の流出液の
分析値を表−2−1に、また1ヶ月経過後の陰イオン交
換樹脂(RIE−1)の水分量及び交換能力を表−1に
併せて示す。 <実施例2>触媒を下記式(7)で表される第4級アン
モニウム基を有する構造単位および不飽和炭化水素基含
有架橋性モノマーから誘導される構造単位からなる陰イ
オン交換樹脂(「RIE−2」と記す)に変えたこと以
外は、実施例1と同一の条件で反応を実施した。RIE
−2の性能を表−1に示す。
【0032】
【化8】
【0033】反応開始直後の流出液のガスクロマトグラ
フィによる分析では、プロピレンオキシドの転化率は9
8%であり、生成物中のメタノールとプロピレンオキシ
ドの1:1付加物の割合は98%(その95%が1-メ
トキシ-2-プロパノール)であった。1ヶ月経過後も触
媒性能は保たれており、転化率、選択率に殆ど変化はな
かった。1日後及び1ヶ月後の流出液の分析値を表−2
−1に、1ヶ月経過後のイオン交換樹脂(RIE−2)
の水分量、交換能力を表−1に示す。 <実施例3>触媒を下記式(8)で表される第4級アン
モニウム基を有する構造単位および不飽和炭化水素基含
有架橋性モノマーから誘導される構造単位からなる陰イ
オン交換樹脂(RIE−3)に変えたこと以外は実施例
1と同一の条件で反応を実施した。RIE−3の性能を
表−1に示す。
【0034】反応開始直後の流出液のガスクロマトグラ
フィによる分析では、プロピレンオキシドの転化率は9
7%であり、生成物中のメタノールとプロピレンオキシ
ドの1:1付加物の割合は98%(その95%が1-メ
トキシ-2-プロパノール)であった。1ヶ月経過後も触
媒性能は保たれており、転化率、選択率に殆ど変化はな
かった。1日後及び1ヶ月後の流出液の分析値を表−2
−1に、1ヶ月経過後のイオン交換樹脂(RIE−3)
の水分量、交換能力を表−1に示す。
【0035】
【化9】
【0036】<実施例4>実施例1で用いたものと同じ
陰イオン交換樹脂RIE−1を触媒として用いて、エチ
レンオキシドとブタノールとを反応させて、エチレング
リコールモノブチルエーテルを製造した。管型充填層反
応器に100ccのRIE−1を充填し、ブタノールと
エチレンオキシドとの混合液(2.6/1のモル比)
を、圧力15.0kgf/cm2、温度80℃の条件で、
触媒層での滞留時間(空塔基準)が30分になるように
通過させた。流出液のガスクロマトグラフィによる分析
の結果、エチレンオキシドの転化率は99%であり、流
出液中のブタノールとエチレンオキシドの1:1付加物
の割合は72%であった。1ヶ月経過後も触媒性能は保
たれており、転化率、選択率に殆ど変化はなかった。1
日後及び1ヶ月後の流出液の分析値を表−2−2に、1
ヶ月経過後のイオン交換樹脂RIE−1の水分量、交換
能力を表−1に併せて示す。 <比較例1>触媒を市販の陰イオン交換樹脂(三菱化学
製、商品名:ダイヤイオンSA−10A)に変えたこと
以外は実施例1と同一の条件で反応を実施した。上記
「SA−10A」は、下記式(9)で表される第4級ア
ンモニウム基を有する構造単位を有する陰イオン交換樹
脂である。
【0037】
【化10】
【0038】実施例1で用いた陰イオン交換樹脂(RI
E−1)と「SA−10A」との構造上の相違点は、ベ
ンゼン環と窒素原子との間のアルキレン基の鎖長(炭素
数)が、RIE−1では4であるのに対し、「SA−1
0A」では1であることである。「SA−10A」の一
般的な性質を表−1に示す。
【0039】反応開始直後の流出液のガスクロマトグラ
フィによる分析では、プロピレンオキシドの転化率は9
5%であり、生成物中のメタノールとプロピレンオキシ
ドの1:1付加物の割合は98%(その94%が1-メ
トキシ-2-プロパノールである)であった。反応開始
後、2週間を経過すると転化率が60%に低下した。1
日後及び2週間後の流出液の分析値を表−2−1に、ま
た2週間経過後の陰イオン交換樹脂(SA−10A)の
水分量及び交換能力を表−1に示す。 <比較例2>触媒を市販の陰イオン交換樹脂(三菱化学
製、商品名:ダイヤイオンWA−10)に変えたこと以
外は実施例1と同一の条件で反応を実施した。上記「W
A−10」は、第4アンモニウム基ではなく第3級アミ
ノ基を有する構造単位を有する陰イオン交換樹脂であ
る。「WA−10」の一般的性質を表−1に示す。
【0040】反応開始直後の流出液のガスクロマトグラ
フィによる分析では、プロピレンオキシドの転化率は9
0%であり、生成物中のメタノールとプロピレンオキシ
ドの1:1付加物の割合は95%(その94%が1-メ
トキシ-2-プロパノールである)であった。反応開始後
2週間を経過すると転化率は59%に低下した。1日後
及び2週間後の流出液の分析値を表−2−1に、また2
週間経過後の陰イオン交換樹脂(WA−10)の水分量
及び交換能力を表−1に示す。 <比較例3>触媒を水酸化ナトリウムに変えたこと以外
は実施例1と同様に反応を実施した。触媒の濃度は10
0ppm、反応温度は100℃とした。
【0041】反応開始直後の流出液のガスクロマトグラ
フィによる分析では、プロピレンオキシドの転化率は9
9%であり、生成物中のメタノールとプロピレンオキシ
ドの1:1付加物の割合は93%(その91%が1-メ
トキシ-2-プロパノールである)であった。初期の流出
液の分析値を表−2−1に示す。 <比較例4>触媒を比較例1で用いたものと同じ市販の
イオン交換樹脂(三菱化学製、商品名:ダイヤイオンS
A−10A)に変えたこと以外は実施例4と同一の反応
条件でエチレンオキシドとブタノールとの反応を実施し
た。
【0042】反応開始直後の流出液のガスクロマトグラ
フィによる分析では、エチレンオキシドの転化率は96
%であり、生成物におけるブタノールとエチレンオキシ
ドの1:1付加物の割合は71%であった。反応開始後
3週間を経過すると転化率は80%に低下した。1日後
及び3週間後の流出液の分析値を表−2−2に、3週間
経過後のイオン交換樹脂SA−10Aの水分量、交換能
力を表−1に示す。 <比較例5>実施例4の反応を、触媒を水酸化ナトリウ
ムに変えて実施した。触媒の濃度は100ppm、反応
温度は100℃とし、他は実施例4と同一条件にして実
施した。
【0043】反応開始直後の流出液のガスクロマトグラ
フィによる分析では、エチレンオキシドの転化率は99
%であり、流出液中のブタノールとエチレンオキシドと
の1:1付加物の割合は61%であった。初期の成分の
分析値を、表−2−2に示す。これらの実験結果をまと
めたデータを表−3に示す。
【0044】
【発明の効果】上記の実施例、比較例、及び特に表−3
から明らかなように、本発明の方法を用いることによ
り、触媒の耐久性が向上するとともに、製品価値の高い
末端付加構造のグリコールエーテルを高い活性及び選択
性で製造することができる。また副生物(内部付加物)
の生成が抑えられるので、製品の精製コストも低くする
ことができる。
【0045】
【表1】 (注)IE容量:イオン交換樹脂単位容積あたりの交換可能なイオン当量数
【0046】
【表2】 (注)PO:プロピレンオキシド MeOH:メタノール PM:1−メトキシ−2−プロパノール 2M1P:2−メトキシ−1−プロパノール DPM:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
【0047】
【表3】 (注) EO:エチレンオキシド BuOH:ブタノール EB:エチレングリコールモノブチルエーテル DEB :ジエチレングリコールモノブチルエーテル TEB :トリエチレングリコールモノブチルエーテル
【0048】
【表4】 (注)触媒耐久性 :経時後のデータ/初期のデータ*100(%) 末端付加選択率:実施例4、及び比較例4、5では1モル付加の選択率

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の存在下にアルキレンオキシドとア
    ルコールとを反応させることによってグリコールエーテ
    ル類を製造するにあたり、該触媒としてビニル芳香族化
    合物の重合体を基体とし、その芳香族基に鎖長が3以上
    の連結基を介して第4級アンモニウム基が結合された構
    造を有する陰イオン交換樹脂を使用することを特徴とす
    るグリコールエーテル類の製造方法。
  2. 【請求項2】 触媒が、下記一般式(I)で表される第
    4級アンモニウム基を有する構造単位を有する陰イオン
    交換樹脂である請求項1に記載のグリコールエーテル類
    の製造方法。 【化1】 (式中、Rは、鎖長が3〜10のアルキレン基を表し、
    該アルキレン基はその連鎖中に環状炭化水素基を含んで
    いてもよく、またアルキル基で置換されていてもよい。
    R1〜R3は、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基または
    アルカノー基を表し、X-は、アニオンを表す。また、
    ベンゼン環は、アルキル基またはハロゲン原子で置換さ
    れていてもよく、他の芳香環と縮合していてもよい。)
  3. 【請求項3】 触媒が、下記一般式(II)で表される
    第4級アンモニウム基を有する構造単位を有する陰イオ
    ン交換樹脂である請求項1又は2に記載のグリコールエ
    ーテル類の製造方法。 【化2】 (式中、Aは鎖長1〜4のアルキレン基を、Bは鎖長1
    〜8のアルキレン基をそれぞれ表し、それぞれアルキル
    基で置換されていてもよい。R4〜R6は、それぞれ炭素
    数1〜4のアルキル基またはアルカノール基を表し、Y
    -はアニオンを表す。また、ベンゼン環はアルキル基ま
    たはハロゲン原子で置換されていてもよく、他の芳香環
    と縮合していてもよい。)
  4. 【請求項4】 触媒が、第4級アンモニウム基を有する
    構造単位および不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーか
    ら誘導される構造単位を有する陰イオン交換樹脂である
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のグリコールエーテ
    ル類の製造方法。
  5. 【請求項5】 アルキレンオキシドが、エチレンオキシ
    ド又はプロピレンオキシドである請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載のグリコールエーテル類の製造方法。
  6. 【請求項6】 アルコールが、炭素数1〜6の脂肪族一
    価アルコールである請求項1〜5のいずれか1項に記載
    のグリコールエーテル類の製造方法。
  7. 【請求項7】 アルコールとアルキレンオキシドのモル
    比が2/1〜10/1の範囲であり、反応温度が50〜
    200℃、反応圧力が1〜50kgf/cm2である請
    求項1〜6のいずれか1項に記載のグリコールエーテル
    類の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016528260A (ja) * 2013-08-22 2016-09-15 シャイニー ケミカル インダストリアル カンパニー リミテッド プロピレングリコールメチルエーテルを製造するための方法

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