JPH10513267A - 円周方向磁化非接触式トルク・動力検出装置及びそれを用いたトルク及び動力測定方法 - Google Patents

円周方向磁化非接触式トルク・動力検出装置及びそれを用いたトルク及び動力測定方法

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JPH10513267A JP8525752A JP52575296A JPH10513267A JP H10513267 A JPH10513267 A JP H10513267A JP 8525752 A JP8525752 A JP 8525752A JP 52575296 A JP52575296 A JP 52575296A JP H10513267 A JPH10513267 A JP H10513267A
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Abstract

(57)【要約】 回転するトルク部材(8)に加えられたトルクまたはこのトルク部材(8)により伝達された動力を示す出力信号を供給するトルク・動力検出装置(2)は、加えられたトルクに伴って変化する磁界を生成する磁気弾性活性要素(4)とトルク部材の回転速度を示す周期で磁界を変調する磁界変調手段(25)を備える。ホール効果センサ等の磁界ベクトルセンサ(6)は回転する部材(8)に加えられたトルクを線形に示す出力信号を供給する変調された磁界の振幅を検出する。あるいは、コイル状の磁界ベクトルセンサは回転する部材(8)により伝達された動力を線形に示す出力信号を供給する変調された磁界の経時変化率の振幅を検出する。磁界変調手段(25)は周面にギヤ状の歯等の均等間隔で配置された突出形状を有する少なくとも1つのリングを備える。

Description

【発明の詳細な説明】 円周方向磁化非接触式トルク・動力検出装置及びそれを用いたトルク及び動力測 定方法関連出願の参照 本出願は1991年7月29日に出願された米国特許出願 07/736299 号(米 国特許 5351555 号)の一部継続出願である、1994年6月2日出願の米国特 許出願08/253022 号の一部継続出願である。発明の分野 本発明はトルク・動力検出装置、特に、回転シャフトに付与されたトルク及び 動力を測定する非接触式磁気弾性トルク・動力変換器に関する。発明の背景 現代の機械操作において基本となるのは、回転シャフトを用いて機械エネルギ ーをその発生源からその使用地点まで伝達することにある。一般的な機械では、 エネルギーがエンジン、タービン、モータ等の原動機内の化学的、熱的、電気的 、動的動力源から変換された後に回転シャフトに最初に付与される。機械は、動 力源を負荷に十分に一致させたりエネルギーを多数の負荷に分配するために、カ ップリング、ベルト、ギヤ、その他関連する装置により回転運動が相互に接続さ れたシャフト系統を備えていることが一般的である。シャフト間に設けられたク ラッチはそれらシャフト間の回転運動の連結を何らかの目的で解除することを可 能にする。原動機の出力シャフトに付与された機械エネルギーは車両の推進、液 体の圧縮、製造部品の形成または機械加工、発電等、特定の機械の機能を特徴づ ける形態や場所での有益な仕事を実現するために最終的に使用される。機械エネ ル ギーの伝達や分配用に回転シャフトの利用が偏在することは以下の表1に簡単に まとめてリストアップしたように容易に示すことができる。 仕事が実行される「度合い」は「動力」という言葉で表現される。「動力」は エネルギーを動かしたり変換する時間的割合とも定義される。仕事を実行する機 械エネルギーが回転シャフトにより伝達される際、「動力」はそのシャフトに沿 った方向のエネルギーの流れの割合を意味する。このように、伝達された動力が 回転シャフトの機能性を評価する手段であることは明らかである。この点から、 「出力」が機械的動力源及び電気的動力源の両方を評価するために使用する主要 な量的要素であることの理由が明らかになる。さらに、ポンプ及び圧縮機等非常 に多くの軸駆動機械や、旋盤、フライス盤及び研削盤上のスピンドル並びにその 他機械器具だけでなく、バキュームクリーナー、生ゴミ処理機等の生活用機械ま でもがその動力の許容量によって頻繁に規格化されたり比較されたりする理由も 理解できる。機械のキーシャフトに沿って伝達されている瞬間の動力をオンライ ン測定するならば、機械の性能を定量化することにより、機械のより精密な制御 と調整が可能になるとともに安全で効率的な動作を確保することにも役立つ。測 定結果が正常に生成され利用された動力から著しく逸脱する場合は障害の進行を 早期に知らせる機能も果たすことができる。 作動中の機械の回転シャフト上の動力をオンライン測定することは、より標準 的なあるいはより標準的でない測定方法や測定装置の開発に伴い、その重要性が 認識されるようになってから久しい。いかなるタイプのシャフトでもその断面を 通して伝達される動力はその瞬間的な角速度と断面を横切って伝達されるトルク との積であるので、この動力の測定結果は上記2個のより基本的な量の別々の測 定結果に分けられる。いかなる技術及びいかなるタイプの回転速度・トルク測定 装置が採用された場合でも、動力を求めるには上記別々の測定量を積算すること が必要である。従来の動力測定器はそれ故、その測定装置全体では、速度及びト ルクの測定手段以外にこれら2個の別々の信号をオンラインで積算する演算回路 を備えている。速度測定 回転するシャフトの角速度を測定するために非常に多種類の方法と装置が存在 する。それらの多くは古典的なものであり、半世紀以上にわたって使用されてき たものである。速度測定装置は2種類の一般的なタイプに分類される。すなわち 、個々の回転現象の計数及び計時に基づくタイプと速度に比例する測定可能な物 理量、例えば力や電圧を展開するタイプである。計数及び計時原理を採用してい る現代の装置は、通常、非接触式の磁気的あるいは光学的手段を用いて、測定対 象のシャフトとともに回転する「符号器(encoder)」としてのホイール上に存在 する突出形状の通過を検出するものである。最近では、通常、磁気符号器はシャ フト支持用のボールベアリングに直接組み入れられている。そのような装置を用 いて回転速度を求めるには時計状のもの(最近では、速度情報の処理と利用に関 連するデジタルコンピュータに普通は内蔵されている)かあるいは周波数−電圧 変換電子回路(ダイオードポンプ等)が必要である。一方、回転速度を直接アナ ログデータ表示するために様々な技術が利用されている。その中で最も一般的な 技術は渦電流に依存する速度と関連する力を基準とするドラグカップ装置である 。このタイプの装置を使用するには、展開された力を比例する電気信号に更に変 換する必要がある。回転速度と正比例する直流(または交流)電圧を展開するに は、小さな永久磁石状の電気タコメータ発電機が多く使用される。このタイプの 装置 は、通常、測定対象の回転シャフトに直付けされるのではなく、回転シャフトに よって(あるいはそれと同期して)駆動されるように配置される。米国特許5367257 号に開示するような別のタイプの非接触式タコメータ装置では、永久磁石と磁界 センサの静止状態の組合せのみを利用して導電性対象物の、すなわち、測定対象 シャフトに取り付けられたアルミニウム製円板の速度に比例する信号を展開する ようになっている。このように、回転シャフトで伝達される動力をオンラインで 測定するのに必要な回転速度信号を展開するには、様々な適用技術と選択範囲の 広い適用装置がある。トルク測定 認識可能な非回転フレームを有する機械に対して出入するすべての回転シャフ トから受ける正味の、すなわち合成されたトルクは上記フレームの回転を防止し ている反力を測定することで簡単に求めることができる。エンジンやモータ等の 出力シャフトのトルクはこのようにして測定されることが多く、その場合、直接 マウント部分で力を測定する(米国特許 3978718 号)かあるいは揺りかご状吸 収型ダイナモメータのトルク均衡化アーム上で力を測定する。このダイナモメー タの内部では、伝達されたエネルギーは直接熱に変換されるか、あるいはまず電 気に変換された後に熱に変換される。トルクを加速度の測定結果から推測する方 法(米国特許 3729989 号)やレシプロエンジンに適用してシリンダ圧の動的な 測定結果から推測する方法(米国特許 4064748 号)もある。しかしながら、こ れらの方法はその固有の特質によって適用性に限界があることは明らかである。 回転シャフトに伝達されている瞬間のトルクの測定は、通常、シャフト自体の あるいはシャフトの局所に取り付けられた特定目的の材料の弾性的あるいは磁気 弾性的特性に依拠している。個々のトルク測定装置が作動時に依拠する原理がい かなるものであろうと、動力のオンライン測定は、トルクの測定値を電気信号の 形で表現することにより容易になる。このタイプの測定装置はトルク変換器とし て分類される。 シャフトの弾性に依拠するトルク変換器は、実際には、その径のほぼ10倍以 上の長さを有するシャフトの特定部位の角度のひずみからあるいは通常径の数分 の一の長さにすぎない計測点の単位表面のひずみからねじりによるひずみを測定 する。回転シャフトの角度のひずみは、シャフト上に最初から(周方向に)配置 され軸方向に離れた2個の特徴物(例えば、ギヤの歯部、刻み目、反射マーク) が通過する時間差を検出する磁気的な方法(米国特許 3273386 号)や同じく光 学的な方法を利用して測定されることが多い。最近開発されたトルク変換器の多 く(特にパワーステアリングへの適用を目的とするもの)は、高コンプライアン スを有するトーションバーの両端近傍に効果的に取り付けられた一対の歯車状強 磁性円板のねじれに左右される歯または切欠きを位置合わせするとともにそれに より発生する可変パーミアンスを利用する(米国特許 4876899 号)。自動車用 回転シャフトの角度のねじれを検出する微分静電容量方法の動作も報告されてい る。大部分の市販のトルク変換器の動作は、回転シャフトに接合されたひずみゲ ージの電気抵抗の変化によって変換器表面の剪断ひずみを検出することに依って いる。上記ひずみゲージに電力を供給するためそしてトルクを表す電気信号を取 り出すために様々な方法が採用されている。しかしながら、ブラシやスリップリ ングを用いる従来の方法に代わって非接触式の方法を用いる方が信頼性の面で有 利であるので、回転式変圧器や赤外線エネルギーを用いたり無線周波数によって 遠隔測定する等の選択可能ないくつかの装置設計の開発を促進してきた。弾性式 のトルク変換器は、その固有の特質により、長い計測長と高いコンプライアンス を必要とするかあるいは相当な数の電気部品をシャフトに取り付けることを必要 とする。このような必要条件はサイズ、厳しい環境での信頼性及び/またはコス トが非常に考慮されるようないかなる場所へも変換器の適用を躊躇させる結果を 招いていた。 磁気弾性トルク変換器は、大部分の強磁性材料に見られるような、一般に弾性 特性か磁気特性かで分類される特定の測定可能な物理量間の基本的な相互作用に 依拠している。このタイプの変換器の従来の構造は、シャフト表面かあるいはシ ャフトに取り付けられた材料(優れた磁気弾性特性のゆえに特別に選択された) の局所に専用に設けられた部分の透磁率のトルクによる変化に依存している。こ のような構造は、フレミング(Fleming)の「磁気ひずみトルク検出装置−分岐型 タイプ、交差型タイプ、ソレノイド型タイプの比較」(全米自動車エンジニア協会( SAE)会報 900264 号、1990)に詳細に記述、分析、比較されている。磁気弾性ト ルク変 換器はひずみではなくねじり応力を検出するので、一般に同種の弾性式のものよ りねじりに対して高い剛性を有する。このことは変換器を包む入れ物の寸法を縮 小させるとともに機械的な強靱性をもたらすことができる。さらに、この種の装 置は他に類を見ない本質的に非接触式の磁気的検出モードで作動するので、回転 シャフトのトルク測定により適していると思われる。しかしながら、この従来の タイプの磁気弾性トルク変換器の性能は励磁変数や材料変化に依るところが大き く、それらの要因は温度の補正や計測の安定性を困難にしている(例えば、米国 特許 4920809 号や動 5307690 号を参照)。その結果、低コストで大量生産可能 な装置を設計することが難しくなっている。 米国特許 5351555 号には別のタイプの磁気弾性トルク変換器技術が開示され ており、このものは、磁気弾性活性材料からなり円周方向に極性付与されたリン グが、リングが取り付けられたシャフトにより伝達されたトルクに関して極性及 び強さの点でほぼ完全な線形の相似体である磁界を生成するという点において特 徴的である。この変換器は励磁力を利用せず、完成品を作り上げるのに上記リン グと磁界センサしか必要としない。第2世代の変換器は、対称位置に配置された 磁界センサ及び互いに異なる極性に磁化された2個のリングあるいは互いに異な る環状の分極から成る隣接領域を有する1個のリングとを使用しており、この変 換器もまた周辺磁界の曖昧な影響を効果的に回避することが可能である(ガーシ ェリス(Garshelis)他著「互いに逆方向に極性化された2個のリングを用いたト ルク変換器」電気電子技術者協会会報、磁気学、Vol.30,No.6,1994年度,4629 -4631頁を参照)。さらに、多くの適用例では、この基本的に単純で、低コスト の、容易に適応可能な構成からもたらされるべき利点が、経済的に互換可能な磁 界センサが限定されているが故にそのすべてを実現することができなかった。こ のように、集積回路シリコンホール効果センサは小さく規格化された形で入手可 能であり電気的に単純でありコストの面で廉価であるが、その最も容易に入手可 能な装置でさえ、トルク応答出力信号と大きさが等しい温度上昇に伴う出力ドリ フトを発生させる。この問題を克服するための補正技術、例えば、突き合わせ状 態の対の形で使用する等の技術は、この装置の経済的魅力を弱めるに十分なコス トの増大を招くことになる。フラックスゲート(可飽和鉄心)を用いる方法等他 の磁界 検出技術用のシャフト外部品が利用不可能であることにより、新たに考え出され た各トルク変換器のために特別な磁界センサを設計することが必要となっていた 。動力測定 シャフト動力測定器具の大部分は速度信号及びトルク信号を展開する明らかに 別個の装置を使用している(例えば、米国特許 3978718 号、4064748 号、41007 94 号、4106334 号、4306462 号、4406168 号、4479390 号参照)。速度とトル クが2個の関連する時間間隔の測定結果から求められる場合もあれば、(米国特 許3729989 号、3273386 号、5192382 号参照)、2個の測定結果を求めるために 異なる検出技術を採用しつつ同じケーシング内で両方のセンサを組み合わせた装 置もある(米国特許 5323659 号参照)。それにもかかわらず、そのような装置 すべてにおいて、回転シャフトにより伝達される動力を求めるには2個の測定値 を乗算する必要がある。1つの注目すべき例外として、米国特許 2365073 号の 測定装置がある。この装置は1個の信号でトルクと速度の両方の情報を供給する ことの価値を認識している。しかしながら、初期の装置では偶発的に存在するト ルク変化の固定パターンから速度を求めていた。従って、このような装置ではそ の適用が非常に限定されていたであろう。発明の概要 したがって、本発明の目的は、低コストのソリッドステート磁界センサにとっ て有利であるにもかかわらず上記センサの特徴である静止時出力信号の望ましく ないドリフトの結果によって影響されない回転シャフトとともに使用する非接触 式磁気弾性トルク変換器を提供することである。 本発明の別の目的は、容易に分離可能なシャフトのトルクと速度に関する情報 を含んだ1個の出力信号を供給するともに動力を1個の変換器から求め得る非接 触式磁気弾性トルク変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、伝達された動力に比例する出力信号を供給する非接 触式磁気弾性動力変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、上記出力信号がシャフトの回転によって生成される 非接触式磁気弾性動力変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、ソリッドステート磁界ベクトルセンサを用いた場合 にトルクに比例する出力信号を供給し磁界ベクトルセンサとしてコイルを用いた 場合に動力に比例する出力信号を供給する極性付与されたリング状の非接触式磁 気弾性変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、磁気弾性的に活性のリングと磁界変調器を利用して 、いかなる角度位置でもリングを取り付けたシャフトにより伝達されるトルクに 関して極性及び強さの点でほぼ完全な線形の相似体である周方向に変調された磁 界を生成する非接触式磁気弾性トルク検出装置を提供することである。 本発明の更に別の目的は、測定されるトルクが0のとき本質的に0である量を 検出するよう作動するとともに、測定されるトルクに応じてその方向と大きさと を変える磁気弾性トルク・動力変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、励磁磁界を必要としない磁気弾性トルク・動力変換 器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、円周方向を緩やかな軸線(easy axis)とする事実上 の1軸磁気異方性が付与されかつほぼ円周方向に磁気極性がされた磁気弾性的に 活性の部分を備えた磁気弾性トルク・動力変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、軸方向で区分され磁気的には連続するが逆向きに極 性付与された2以上の円周領域を有する磁気弾性的に活性の部分を備えた磁気弾 性トルク変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、周辺の磁界に起因する検出磁界の変化を避けるため のシールド構造の必要性を最低限に抑えるかまたはなくす磁気弾性トルク・動力 変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、例えば周辺磁界のような外部磁界源は実質的に検出 されない磁気弾性トルク・動力変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、事実上の1軸磁気異方性が付与されかつ円周方向に 磁気極性が付与されているとともに加えられたトルクに応じて変化する磁界を生 成する円周方向変換器を回転するトルク部材に対して取り付ける工程と、上記ト ルクが生成された磁界をシャフトの回転速度を表す周期で変調させる工程と、回 転するトルク部材上のトルクまたはそのトルク部材により伝達される動力の指標 と して変換器の磁界出力成分を検出する工程を備え、回転するシャフトに付与され たトルクまたはシャフトより伝達された動力を測定する非接触式方法を提供する ことである。 本発明の更に別の目的は、軸方向で区分され磁気的には連続するが逆向きに極 性付与された2以上の円周領域を有する磁気弾性的に活性のトルク・動力変換器 を製造する方法を提供することである。 上記の諸目的を達成するため、本発明の回転シャフト用トルク・動力検出装置 は、シャフトに加えられたトルクを表す磁界を生成する磁気弾性活性要素と、シ ャフトの回転速度を表す周期で磁界を変調する磁界変調手段と、磁気弾性的に活 性の部分の磁界に反応するホール効果センサやコイル等の磁気センサとを備える 。好ましい実施の形態では、磁気弾性的に活性の部分は、円周方向を緩やかな軸 線とする事実上の1軸磁気異方性が付与されかつほぼ円周方向に磁気極性が付与 された材料のリングからなる。このリングは、例えば回転シャフトのようなトル ク部材に取り付けられ、そのシャフトに加えられるトルクは上記リングに伝達さ れる。同様に、磁界変調手段はリングと磁気的に連続するリング上の位置あるい はシャフト上の位置に取り付けられる。リング上のトルクは、リングの円周方向 の磁気方向性を偏向させ、円周方向及び軸方向の両成分を有する螺旋状の磁気方 向性を発生させる。上記リングと対向する所定の位置には、磁界ベクトルセンサ が設けられており、リング内部の磁化の軸方向成分から発生する変調された磁界 に対応するように方向付けられている。この磁界ベクトルセンサは磁束収束器に 取り付けられてもよい。センサの出力は、シャフトに加えられてリングに伝達さ れたトルクにより発生するリング内の磁化の向きの変化に比例し、センサがコイ ルである場合にはシャフトの回転速度に比例する。 本発明の他の実施形態では、磁気弾性的に活性の部分が、軸方向で区分され磁 気的には連続するが逆向きに極性付与された2以上の円周領域を有するトルク検 出装置によって上記の諸目的が達成される。その各領域は物理的に別個のリング で構成されてもよく、1つのリングに複数の領域が形成されてもよい。図面の簡単な説明 図1は本発明の検出装置を示す組立図である。 図2は本発明の磁界変調器として透磁性の薄片を使用した場合を示す図である 。 図3(a)及び図3(b)は歯付ホイール磁界変調リングを使用した場合と使用しな い場合の本発明の検出装置を示す図である。 図3(c)及び図3(d)は歯付ホイール磁界変調リングの平面図であり、このリン グと磁界ベクトルセンサとの実効空隙を示す。 図4(a)ないし図4(c)は本発明の検出装置で検出された磁界の強さに対するホ モジェナイザと変調リングの影響を示すグラフである。 図5はシャフト上に取り付けられた変換器リングの概略図であり、磁界ベクト ルセンサの様々な取付可能位置を示す。 図6は本発明の検出装置により生成された変動性(交流)成分の周期的な波形 を示すグラフである。 図7は互いに逆向きに極性付与された2つの変換器リングを利用した本亜hつ めいの検出装置を示す組立図である。 図8は1つのリングに交互に逆向きに極性付与された複数の連続する円周領域 を生成する装置とその方法の最初の工程を示す。 図9は図8の方法の次の工程を示す。 図10は図8の方法の更に次の工程を示す。 図11は図8の方法の最終工程を示す。 図12は図8ないし図11の方法によって製造されたリングを示す。 図13は図9の方法及び装置において閉じた電流とリングに沿った位置との関 係を示すグラフである。 図14は変換器リング上の複数の領域に対して同時に極性付与する方法及び装 置を示す。 図15は変換器リング上の複数の領域に対して同時に極性付与する別の方法及 び装置を示す。 図16は変換器リング上の複数の領域に対して同時に極性付与するさらに別の 方法及び装置を示す。 図17はホールセンサの出力信号からトルクと速度の情報を導出し表示する典 型的な電気回路を示す図である。 図18は図17の差動増幅器の出力端子を通して現れる典型的な信号のオシロ グラムである。 図19はホールセンサが急速冷却される場合の出力信号の一時的な変化を記録 した図である。 図20は回転速度の関数としてトルクの3つの固定値における出力信号の誤差 規範(rms)値を示すグラフである。 図21は3つの回転速度値に関して加えられたトルクと出力信号の関係を示す グラフである。 図22はコイルセンサの出力信号からの動力情報を表示する測定回路を示す。 図23は典型的な動力の出力信号のオシログラムである。 図24は出力された動力の3つの固定レベルに関してシャフトの回転速度と動 力の出力信号との関係を示すグラフである。 図25はシャフト回転速度が一定の場合の伝達された動力と動力の出力信号と の関係を示すグラフである。好ましい実施の形態の詳細な説明 まず図1において、2は本発明にかかるトルク・動力検出装置の第1の実施の 形態を示す。このトルク・動力検出装置2は変換器4と磁界ベクトルセンサ6を 備えている。トルク検出装置2は、機械(図示せず)の一部であり長さ方向の中 心軸10回りに回転するシャフト8上に取り付けられている。トルク12がシャ フト8の一部に加わると、シャフトの他の部分にも伝達され、そこではトルク1 2に起因するシャフト8の動きが何らかの有用な働きを行うようになっている。 トルク12は図のシャフト8の一端側で時計方向に表現されているが、シャフト 8を内蔵する機械の性質次第で時計回り反時計回りのいずれか一方向にも両方向 にもシャフト8を回転させるよう付与され得ることは言うまでもない。 変換器4は後に詳述する多くの方法の一つによりシャフト8に固設されており 、 シャフト8上に軸方向または径方向に識別可能な磁気弾性活性領域を発生させる 手段として作用する。実際には、変換器4は通常端面18,20、内周面22お よび外周面24を有する円筒状スリーブまたはリングの形状をなし、シャフト8 のねじり応力を受ける領域内の適宜の位置に軸線10に沿って適切に取り付けら れることが好ましい。変換器4には、前処理によりあるいはシャフト8への取付 手段に付随する効果として、円周方向を緩やかな軸線とする事実上の1軸の磁気 異方性が付与されている。加えて、変換器4は、後にいくつか例示されている何 らかの効果的な方法により1円周方向あるいはその逆の円周方向に磁気極性が付 与されるようになっている。要するに、変換器4は、トルク12が存在しない状 態(静止状態)では、少なくとも軸線10の方向にも径方向にも正味の磁化成分 が全く存在しない程度までほぼ純粋な円周方向14に磁極付与されている。それ により、本来的に逆円周方向の磁化成分を有していた磁区がほぼなくなる。円周 方向の異方性が適切に優位を占めている状態ならば、磁区中のすべての磁化は、 最大限±45°の範囲内に存在し、補正されていない外部からのいかなる磁束も 磁界ベクトルセンサ6に確実に感知されないくらいに小さなリングの量的範囲内 に対称的に配分される。変換器4の閉じた円筒形状により完全な回路が実現され 、それにより変換器4の極性化の安定度を高めることができる。 変換器4の構成及び処理により、シャフト8へひいては変換器4へねじり応力 が付加されると、変換器4の極性化された磁化が再度方向付けされる。極性化さ れた磁化はねじり応力が増大するにつれてますます螺旋状になる。変換器4の磁 化の螺旋度は伝達されたトルク12の大きさに依存し、キラリティ(対掌度)は 伝達されたトルクの方向性と変換器4の磁気弾性特性に依存する。変換器4のね じれに起因する螺旋状の磁化は円周方向14の円周方向成分と軸線10に沿う軸 方向成分の両成分を有している。特に重要なことは、軸方向成分の大きさが変換 器4のねじれに完全に依存していることである。 変換器4の円周方向に正確には極性付与されていない磁区における磁界の対称 性のために、そしてその他の磁区における異なる磁気配向による真円状の磁界の ために、静止状態でトルクが存在しない変換器4の外部の空間には検出可能な磁 界はない。実際には、変換器4が実際に極性付与されたことを認識する間接的な 外部手段は存在しない。変換器4の材料に固有の磁気弾性的相互作用を介してト ルクを伝達することに伴う2軸方向の主要な応力の作用により、各磁区の均衡状 態の磁化配向に対して異方性の影響が与えられて、すべての磁区の事実上の緩や かな軸線方向が直近の主要応力(正の磁気ひずみを有する材料内では引張応力、 負の磁気ひずみを有する材料内では圧縮応力)の方向に変更される。これにより 、磁化の本来の対称性や真円性がトルクの付与によって破壊され、変換器4の範 囲内の磁化に正味の螺旋性が出現する。この螺旋性は極性付与の唯一の円周方向 と結合し、円周方向成分と軸方向成分の2つの成分に分解可能な磁化をもたらす 。上記円周方向成分は、上述のように変換器4の外部空間における検出可能な磁 界の源ではないが、上記軸方向成分は容易に検出可能である。変換器4は、トル クを受けると、各磁区の螺旋方向の磁化の量的に平均化された軸方向成分と等し い軸方向の磁化を有する管状の棒磁石の磁界と外部からは区別のつかない磁界を 発生する。このようにして、付加トルクの方向は、(変換器4の材料の実効磁気 ひずみの正負(sign)とともに)等価物である棒磁石の極性を決定し、トルクの大 きさは等価物としての棒磁石の磁気の強さを決定する。 磁界変調器、例えば図に示すパーマロイあるいはそれに類する磁性的に柔らか い材料から成る歯付ホモジェナイザリング25は、変換器4の一方のあるいは両 方の極性領域18,20に近接して(図では、端面20に近接して)設けられ、 変換器4のシャフト8への取付に関して後に詳述する多数の方法のうちの1つに よってシャフト8、好ましくは変換器4に固定される。ただし、磁界変調器25 はトルク伝達部材ではないことを念頭に置く必要がある。重要なことは、磁界変 調器25が所定の角度位置に固定されることと、シャフト8と一体的に回転する ようにシャフト8または変換器リング4に取り付けられることである。磁界変調 器25は、磁束が最も強い場所である両磁極領域18,20に配置されることが 好ましい。しかしながら、信号の強さが最重要な考慮点ではないなら、磁界変調 器25は両磁極端面18,20の間のどの位置にも配置可能である。歯付リング 25の周面には、図1及び図3で示すギヤ状の歯等の均等間隔で突出する形状が 設けられている。これらの歯はシャフトの回転時に磁界ベクトルセンサ6を通過 する磁束経路のパーミアンスを変調させ、その結果、変換器4の近傍の空間の磁 界が変換器の周囲形状を表す円周方向のパターンによって磁界の強さを変化させ ることになる。磁界変調器の機能はセンサ6を通過する磁束経路のパーミアンス を変調させることであるので、この機能は歯付ホモジェナイザリング25以外の 手段を用いて実現することも可能である。従って、磁界変調器は、シャフトの角 度位置に関係しそれ故シャフトの回転速度を表示可能な周期で、変換器4周囲の トルクにより生成された磁界の別方向の円形の統一性を乱す手段であれば何でも よい。例えば、図2に示すように、磁界変調器は、変換器4が磁気極性を付与さ れた後に変換器4の表面に固着され軸方向に向けられたパーマロイ薄片あるいは それに類する磁性的に柔らかい材料からなる薄片27であってもよい。あるいは 、磁界変調器は、変換器4の端面18,20に隣接して位置する表面の周縁領域 周りに均等に配置されたパーマロイ製のドットを有する円周方向のリングまたは ディスクであってもよい。 付加された所定のトルクにより磁気弾性変換器リング4の磁極領域の所定の範 囲で磁界の強さが円周方向に変化することに対して図3(c)及び図3(d)に示す歯 付ホモジェナイザリング25などの磁界変調器が及ぼす影響に関して、ホモジェ ナイザリングを設けない変換器リング(図4a)の磁界の変化及び平滑な表面の (歯を有さない)ホモジェナイザリングを設けた変換器リング(図3aおよび図 4b)の磁界の変化と比較する。図4aと図4bとの比較により、ホモジェナイ ザリングが存在する場合は磁界の円周方向の統一性が確保されることがわかる。 歯付周面を有する磁界変調リング25の影響を図4(c)に示す。この磁界変調リ ング25では、磁界センサと変調リングとの間の空隙が図3(c)と図3(d)に示す 最大と最小の範囲で変化する。いかなる円の周囲に沿ったいかなる特定点におけ る実際の磁界の強さもトルクによって線形に変化することがわかる。それ故、ト ルクの時計方向あるいは反時計方向にのみ左右される磁界極性は、そのようない かなる円の周囲でも一定である。 磁界ベクトルセンサ6は変換器4の相対位置に対向して配置された磁界ベクト ル検出装置であり、静止状態の円周方向からより勾配の大きいあるいは小さい螺 旋方向へ極性化された磁化が再度方向付けされるとともに磁界変調器25によっ て磁界が変調される結果、変換器4回りの空間に発生する磁界の大きさと極性を 検出するようになっている。磁界ベクトルセンサ6は回転シャフトに付与された トルクの大きさかあるいは回転シャフトにより伝達された動力に応じた信号出力 を発生する。例えば、磁界ベクトルセンサ6はホール効果センサ等の集積回路装 置であり、その出力はシャフトに付与されたトルクを表す。この場合、磁界ベク トルセンサ6は配線16により直流電源に接続されており、配線16は磁界ベク トルセンサ6の信号出力を、シャフト8を内蔵する機械またはシステムの制御回 路やモニター回路等の受信装置(図示せず)に伝達するようになっている。ある いは、磁界ベクトルセンサ6はコイルであり、好ましくは、磁性的に柔らかい材 料のコアに巻回された導電性ワイヤからなるコイルであって、その出力はシャフ トに伝達された動力を表す。 図5に示すように、磁界ベクトルセンサ6は、変換器4の磁極端面18あるい は磁極端面20の近くに位置することが好ましい。それは、変換器4が1方向に 極性付与されている場合に、変換器4からの磁界の方向付けにより、変換器4に 近接する他の領域よりも、変換器4の端面18,20の近傍においてより大きな 磁界の強さが存在するようなるからである。もちろん、信号の強度が最重要考慮 点でない場合には、センサ6を両磁極端面18,20の間に配置してもよい。本 発明の別の実施の形態では、図5に示すように、2個の磁気センサ6,6a(後 者を仮想線で示す)が使用される。両磁気センサ6,6aは、それぞれ変換器4 の端面18,20の近くで、変換器4の相対する端部に配設されている。複数の センサの使用は装置のコストを上昇させることになるが、上記磁気センサ6は、 温度変化、電圧変化及び周辺の磁界の信号に対して共通モードの拒絶作用を行う ために差動的に接続させることができるので、望ましい。あるいは、周辺の磁界 の影響を少なくするため、磁気センサ6を、極めて低い透磁率を有する材料から なるシールド(図示せず)によって覆うように構成しても良い。そのようなシー ルドは、変換器4から磁束を受ける方向以外のすべての方向で磁気センサ6を取 り囲んでもよい。当然ながら、より多数の磁気センサが使用されても良い。例え ば、図5に示す実施の形態では、4個の磁気センサ6,6a,6b,6c(6a ,6b,6cは仮想線で示す)が使用されており、2個の磁気センサが、他の2 個に対して変換器4を挟んで径方向に正反対の位置に配設されている。 好ましい実施の形態では、磁性的に柔らかい(低保磁力、高透磁率の)材料か らなるヨーク(図示せず)が、1つあるいは複数の磁界センサ6とともに設けら れる。ヨークは磁界ベクトルセンサ6を通過する磁束経路のパーミアンスを高め る手段である。ヨークは、特に、ホール効果集積回路とともに使用される。この 装置は、周波数の低下ととともに上昇する比較的高いノイズレベルを有する傾向 があるからである。したがって、S/N比を高めるためには、低い磁界の強さよ りはむしろ高い磁界の強さを使用する上記の装置を操作することが好ましい。米 国特許 5351555 号には様々なタイプのヨーク及びヨークとセンサのレイアウト が開示されており、その開示を参照することで本明細書に組み込むこととする。磁気センサ構造 トルク検出装置2を使用するために、磁界ベクトルセンサ6は、ホール効果セ ンサ、磁気抵抗センサ、磁気トランジスタ(「マグニスタ」)センサ、磁気ダイ オードセンサ、MAGFET(磁界効果トランジスタセンサ)等のソリッドステートセ ンサ装置を備えている。これら以外のセンサとしては、Hとともに変化する磁気 特性を有する非線形コア、磁力計、フラックスゲート磁力計がある。 ソリッドステートセンサは、小型で低コストであり、集積されたパッケージ内 で、温度補正、信号調整、電圧調整等の操作機能にとって望ましい電子工学技術 を合体させることができるので、使用に適している。ホール効果センサは、線形 でも極性に敏感でもある理想的な伝達特性を有しているので、特に適用に好まし い。磁界ベクトルセンサ6としての使用に適切な集積回路ホール効果センサには 、アナログデバイス(Analog Devices)社製のModel No.AD22150、アレグロマイ クロシステムズ(Allegro MicroSystems)社製のModel UGN3503UやModel UGN3506U A などがある。同様に、潜在的に適用可能な装置には、マイクロスイッチ(Micro Switch)社やシーメンス(Siemens)社やウォルフコントロールズ(Wolff Controls) 社で製造されたものがある。 磁界ベクトルセンサ6は、トルクの伝達とともに生じる外部の磁界に対して最 大限の反応を生み出すように位置決めされるとともに方向決めされている。トル クを受けた変換器4の等価物及び軸方向に磁化された棒磁石によれば、最も強い 磁界は、磁極の近傍、すなわち、変換器4の両端面18,20の近くに見出され る。磁界ベクトルセンサ6は、シャフト8の近くに固設され、回転しないように なっている。トルク変換器に最大のトルクを付与する場合はシャフト8などのト ルク部材の回転を必要とするので、磁界ベクトルセンサ6は、シャフト8の回転 時のシャフト8と物理的な接触を避けるために、シャフト8から径方向に離され る必要がある。磁界ベクトルセンサ6の正しい位置及び方向は、その特殊な操作 原理、パッケージの大きさ、磁気の活性領域、及び変換器4の幾何学的磁気的特 性(コーナー部分の鋭さ、径方向の厚み、軸方向の長さ、直径、磁気的には連続 するが逆向きに極性付与された円周領域の数など)や、必要な径方向の空間、及 びその他構造上の詳細部分に依存しているが、1方向に極性付与された変換器4 とともに使用するに当たって磁界ベクトルセンサ6をほぼ最適に設定する位置は 、普通、径方向の磁束を検出するために方向決めされた、端面18,20の一方 から径方向に外側の位置に見出だされる。 磁界ベクトルは変換器4の回りの空間内で方向を変化させる。センサ6、例え ばホール効果装置が1軸の検出軸を有していることが認識できれば、その検出装 置をシャフト軸に対して有利に方向決めすることが可能になる。センサ6が有利 に方向決めされると、変換器4から距離が離れるにつれて減衰する磁界の強さ( H)を、磁界ベクトルの方向が検出軸の方向により近づく程磁界ベクトルに対す る磁界センサ6の感度が上昇することによって補償することができる。言い換え れば、Θがセンサ6の唯一の検出軸と磁界ベクトルとの間の角度であり、センサ 6の出力がHcosΘに比例するならば、変換器の端部から離れるにつれてHが減 少するのと同様にΘも減少する(検出軸と磁界ベクトルの方向が一致するように なる)としても、cosΘはHの減少を相殺するように増加する。従って、変換器 4とセンサ6との間の径方向の隙間を正確に制御する必要が軽減される。 歴史的に、多くの利点を有するにも関わらず、集積回路シリコンホール効果セ ンサは、トルクに応答する出力信号と大きさが等しい温度上昇に伴う大きな出力 ドリフトを発生させるという欠点がある。本発明の長所の1つは、シャフトの回 転速度に関係する周期で変換器4周囲に生成された磁界の別方向の円形の統一性 を変調させることにより、上記のような磁界センサの静止状態での出力信号の望 ましくないドリフトの発生を避けることができるという点である。従って、本発 明によれば、低コストの集積回路シリコンホール効果センサをその従来からの特 徴である出力のドリフトを気にすることなく使用することができるので、全ての 利点が実現可能な低コストで非接触式の極性付与されたリングから成る磁気弾性 トルク検出装置を提供することができる。以下に記述する分析では、本発明の検 出装置が熱ドリフトやその他のドリフトがない理由を説明する。 シャフト上にトルクTが存在するとき、磁界センサが歯と対向する位置にある 場合の磁界センサの磁界の強さHtは以下の式から求められる。 Ht=ktT (1) ここで、ktはリングに対向する磁界センサ位置だけでなくリングの材料と寸法 にも依存する係数である。従って、ktは特定の変換器構造に関する定数である 。同様に、図3(d)に示すように、シャフトが回転して磁界センサが空間上方の 中心位置に来る場合には、磁界の強さHsは以下のようになる。 Hs=ksT (2) ここで、ksはktよりも明らかに小さい値であり、同様に変換器構造の特徴を反 映している。磁界センサの上記2つの配置の間で、磁界の強さは、正確な歯及び 空間形状と空間内の磁界強さ測定点の両方によって決定される回転角度のいくつ かの関数に従って連続的に変化する。それにもかかわらず、いかなる回転角度及 びいかなる空隙によっても、磁界は変換リングの伝達関数であるトルクの線形関 数に従う。シャフトが連続回転する場合、磁界センサにおける磁界の強さはそれ ぞれトルクの線形関数であるHtとHsの両極値の間で変化する。いかなる磁界H における磁界センサからの出力信号Voも通常以下の式から求められる。 Vo=QVo+SH (3) ここで、QVoは静止時の出力信号(零磁界のオフセット電圧)、Sはその感度 係数である。従って、出力信号は、磁界センサが歯と対向する位置にある場合の Vot=QVo+SHt (4) と、磁界センサが空間と対向する位置にある場合の Vos=QVo+SHs (5) との間で変化する。シャフトが回転するとき、出力信号はこれら2つの両極値の 間で周期的に変化する。出力信号の最大変化量ΔVopは、 ΔVop=(QVo+SHt)−(QVo+SHs) =S(Ht−Hs) (6) の関係式においてVotとVosの間の差から求められる。ΔVopはトルクの線形関 数であり、QVoに従属しない。従って、ΔVopは磁界検出装置に特有のQVo の熱ドリフトもその他のドリフトもない。 シャフトの回転に伴うVoの変化に起因する周期波形の整形(shape)がいかなる 変換器構造に関しても変わらないことがわかれば、Vo波形の変動性(交流)成 分のいかなる特徴的な振幅の測定、例えば、最高最低振幅、誤差規範、絶対値の 平均等の測定によってもΔVopと線形相関関係にある値を得ることができ、従っ て、トルク測定の有効な手段となることがわかる。このことは図6に示されてお り、この図の上方のグラフは、回転角度の関数として、図4(c)に示す処理前の 出力信号を有する磁界強さセンサからの信号の変動性(交流)成分を示している 。その最大最低振幅はトルクの線形関数である。下方のグラフは上記変動性(交 流)成分の整流化された波形を示している。図中の波線はいかなる所定の波形整 形についてもΔVopによってまさしく変化する全回転中にわたる絶対値平均を示 している。 上記波形の周波数が回転速度に比例し、リングの歯数(全ての変換器において 定数)を単純に回転速度で乗算した値であることも明らかである。従って、磁極 が付与されたリングから検出されたトルク反応磁界の検出部分を空間的に変調さ せることにより、トルクと速度の両方の情報を含む1つの信号を磁界検出装置の ドリフト特性に影響された信号成分を含むことなく得ることができる。 出力信号(Vo)対時間波形の交流成分、すなわち、Voacがその瞬時において は単純なシヌソイド関数により表現されると仮定するならば、 Voac=KTsin(nωt) (7) であり、ここで、nは磁界強さ変調リングの歯数、ωはシャフトの角速度である 。その時間導関数は以下のようになる。 dVoac/dt=knTωcos(nωt) (8) リング構造に関する定数であるkとn以外に、式(8)で定義される周期関数 の振幅は積Tωに比例すると認められ、この積はシャフトに伝達されている動力 で ある。基本正弦波と高調正弦波の和によってより複雑な波形が表現されるので、 これらの成分の導関数の和も同様に動力に比例する振幅を有することになる。 動力に比例する信号を展開するために磁界強さセンサからの出力電圧の時間導 関数を計算する必要はない。シャフトが回転すると、変調器リング近傍の経時変 化磁界が近傍のN回巻きのコイルに周期的な電圧eを発生させ、その電圧はコイ ルを鎖交する磁束の瞬時変化率に常に比例する。すなわち、 e=Ndφ/dt (ファラデーの法則) (9) である。 シャフトが小さな角度dΘで回転している時の磁束変化dφは、シャフト回転 中に周期的に変化しながらも常にトルクと線形に比例する(磁束密度は磁界の強 さに比例するからである)。したがって、 dφ/dΘ=cT (10) の式が成立する。ここで、cは構造部分の細部と回転角度の両方によって変化す る。角速度はω=dΘ/dtであるので、誘導電圧は以下のように表現される。 e=N(dφ/dΘ)(dΘ/dt)=(NTω)c (11) したがって、コイルに誘導された電圧が回転角度によって周期的に変化する一 方で、その振幅はTω、すなわちシャフトに沿って伝達された動力である。回転 速度を信号の周波数から得るようにしてもよい。注目すべきことは、この単純な 構造を使用すれば、信号がシャフトの回転によって生成されていることから、シ ャフトによって伝達されている動力に比例する信号を得るのにいかなる電力源も 必要としないという点である。変換器構造 本発明に使用する効果的な変換器4の構造は、変換器4の適確な規格化、適確 な材料選択、適確な適用及び適確な磁気配向を必要とする。変換器構造のこれら 及びその他の特徴は米国特許 5351555号 に詳述されており、その開示を参照す ることで本明細書に組み込むこととする。 変換器4は比較的薄い壁厚を有する円筒状あるいはリング状をしていることが 好ましい。その材料の選択は入手可能な材料の特性を変換器への適用の性能要求 と一致させるとともにシャフト8の材料選択とも関連して行うべきである。最適 の 実施の形態では、変換器4は、18%ニッケルマルエージ鋼等のニッケルマルエ ージ鋼から構成されている。それ以外の公知の材料も、適用物の特性次第で変換 器に適用させることができる。選択される材料は、磁区の存在を確保するために 強磁性を有している必要があり、磁化の配向が付与されるトルクに伴う応力によ り変更されるように、磁気ひずみ性を有している必要がある。 変換器4は、適切な材料製作工程により、選択された材料から基本的な形状に 製造される。変換器4の製作に続いて、変換器4の材料に所望の円周方向の磁界 方向付けを行うために、2つの工程が実行される。まず、変換器4は、前処理に よりあるいはシャフト8への取付に付随する効果として、円周方向を緩やかな軸 線とする事実上の1軸の磁気異方性が付与される。次に、変換器4は、1円周方 向あるいはその逆円周方向に極性が付与される。 必要な磁界方向付けを設定する第1の工程は、変換器4の構造に円周方向の静 止磁気異方性を付与するものである。磁気異方性は、変換器4の材料の物理的作 業(加工)によって生成される。磁気異方性のいかなる物理的な発生源も、静止 時の磁区に対して所望の配分で磁界方向付けを行うために、すなわち、異方性が ±45度の範囲内の円周方向であるように、単独であるいは組合せにより使用さ れる。磁気異方性の一つの発生源として、磁気結晶体、すなわち結晶を利用した 異方性がある。これは、結晶構造を決定する軸と相互に関係する様々な方向の原 子(強磁性原子)の磁気モーメント(スピン)の好適な方向付けに関することで ある。磁気異方性の第2の発生源として、方向上の配列がある。それは、原子部 分の配列、結晶格子欠陥、含有物(除外物)あるいは1方向(または2方向以上 だが全方向ではない)に見い出される他の化学的または構造的特徴に関すること である。磁気異方性の第3の発生源は、磁気弾性であり、それは、自発性磁気モ ーメント(強磁性磁気ひずみ)と互いに関連する自発性磁気ひずみを有する材料 中の応力の方向性に関連している。磁気異方性の第4の発生源は、材料形状であ り、それは、材料境界におけるM(軸方向の磁気成分)の発散に関している。特 に、減磁界は、磁化された本体の磁極から生じ、磁極間の間隔が近い場合に、よ り甚だしくなる。球形以外の形状は、他よりも磁気的に緩やかな複数の軸線を本 来的に有している。実際には、変換器4の好ましい形状であるリング形状はその 円周 方向を磁化に関して最も緩やかな軸線としている。 磁気異方性の上記物理的発生源の内のいずれかあるいはその全てが、変換器4 を構成する際に使用され得る。しかしながら、本発明の好適な実施の形態では、 変換器4が、プレスばめ、圧縮ばめあるいはその他の締まりばめによってシャフ トに組み付けられている。そこでは、変換器4の内径は、接触面でシャフト外径 よりも小さく形成されている。この構成により、変換器4は円周方向の引張力( フープ応力と称する)を受ける。変換器4が正の(positive)磁気ひずみを有する 材料からなっていれば、この引張力は本来的に所望の円状の異方性を備えている 。この方法は、磁気異方性を機械装置の本来の機能として発生させ、変換器4に 磁気異方性を確保させるための前処理工程の必要を省くので、特に有利である。 変換器4への磁気異方性の導入に続いて、変換器4は、変換器4の円周の時計 回りあるいは反時計回りのどちらか所望の方向に極性付与される。変換器4(あ るいはより包括的には、活性要素)への極性付与は、所望の円周方向の十分に広 い磁界に、全ての部分をさらすことを必要とする。極性を付与する磁界に必要な 大きさは、実際には飽和効果の達成により制限される。より広い磁界を使用する ことによって、適切に極性付与された装置の動作が顕著に変化することはない。 変換器4は、磁界に必要な分極効果を起こすため、渦電流を抑止するため、そし て磁界が長期間維持された場合でも何事も起こらないようにするために、十分な 期間磁界にさらされる。 好ましい方法では、変換器は、馬蹄形磁石が設けられたとき、2つの相反する 磁極の近くの磁界で、変換器を回転させることで極性付与される。変換器4の回 転中、磁石は、変換器4に対して径方向の内側へ接近移動する(変換器4は、磁 石の接近中、連続して回転している)。磁石は、その効果を安定させるため、変 換器4が2,3度回転させられた後、変換器4の磁化に影響を及ぼさない程離れ た位置へゆっくりと移動させられる。この方法において磁石により付与された極 性は、磁石の両極の向きに依存し、変換器4の回転方向には依存しない。 円周方向に向かう磁界を発生させる別の方法は、軸方向の電流を使用すること である。例えば、好適な大きな1方向の電流が、変換器4が組み付けられたシャ フト8に直接に通電されてもよい。あるいは、上記のような電流が、変換器4の シ ャフト8への組み付けよりも以前に、変換器4の中心孔に挿通された同軸の導体 を通じて導入されてもよい。さらに、1方向のみに電流を通過させる導線を変換 器4の内側と外側の回りに螺旋状に巻回して、変換器4の内周面22及び外周面 24の各面に近接する1列の導線を形成してもよい。変換器4の内側と外側とで 相反する軸方向に流れる電流は、同じ円周方向へ付加的に磁界を発生させる。シャフト構造 シャフト8の構造は、シャフト8が検出装置2の作動を妨げないという点で重 要である。シャフト構造に関しては米国特許 5351555 に詳細に開示されており 、その開示を参照することで本明細書に組み込むこととする。 トルクから発生している可能なかぎり多くの軸方向の磁束を導いて磁界変調器 25および磁界ベクトルセンサ6に通すことは、センサの感度のために有利であ る。シャフト8、磁界変調器25及び変換器4は、全ての平行な経路のパーミア ンスを最小限にする一方で、センサ及び磁界変調器を通過する閉じた磁束経路の パーミアンスを最大限にするために、ともに働くように設定されている。従って 、変換器4の両端面18,20及び磁界変調器25に軸方向または径方向に近接 して高透磁率の材料を設けないようにすることが重要である。一般に、シャフト 8の透磁性を有する材料は、変換器4に磁気経路を作り出させないようになって いる。この制限は、いくつかの方法で実現可能である。図1に示すように、好ま しい実施の形態では、シャフト8は、低透磁率の(すなわち常磁性の)材料で構 成されており、変換器4は、シャフト8に直接に取り付けられている。別の実施 の形態では、シャフト8は強磁性であり、低透磁率のスペーサがシャフト8と変 換器4との間に設けられている。さらに別の実施の形態では、シャフト8は、変 換器4の近接位置にある領域が実質的により小径に形成されており、あるいは、 シャフト8は、その領域内で完全に切りとられている。このどちらの場合でも、 低透磁率の材料からなる接続スリーブがシャフト8の切り取りによって形成され た隙間を掛け渡すようにして設けられている。変換器4は、接続スリーブの上に 取り付けられている。 検出装置2を適切に作動させるためには、その構成部品のいかなる部品境界面 間においてもすべり状態でないことが必要である。各組立ユニットは、定格トル ク の全てのレンジに亘って一体物として働かねばならない。すなわち、変換器4は 、その部品境界面の表面剪断ひずみが、両境界面間で同じになるように、すなわ ち、滑らない状態であるように、トルク部材に取り付けられている。変換器4を 含むいかなる断面部分においてもシャフト8内に非弾性ひずみが存在しないこと は、幾分目立たないが重要な要件である。従って、トルクの伝達に伴う全てのひ ずみが、トルクが収まったときには完全に回復可能でなければならない。たとえ いかなる規模であってもすべりが発生すれば、変換器4内の応力はシャフトに加 えられたトルクを表現しない。変換器のシャフトへの取付け すでに述べたように、変換器4と下方のシャフトとは、一つの機械ユニットと して働くようになっている。変換器4をシャフト8に直接あるいは間接に堅く取 り付けることは、変換器4の正確な作動にとって極めて重要である。この要件を 満たすため、原則的に、変換器4はその両端部で取り付けられる必要がある。変 換器・シャフト取り付けの詳細及び適切な取り付けを実現する様々な方法は米国 特許 5351555 号に詳細に開示されており、その開示を参照することで本明細書 に組み込むこととする。 取付方法は、シャフトに沿ったトルク伝達のための力配分点に従って分類され る。力配分点は、突出により配分される(範囲毎に)かあるいは分散により配分 される。 突出による力配分は、変換器4の多角形状または楕円形状の孔と嵌合する非円 形のシャフト等、相互に嵌め合う外形を有する変換器4及びシャフト8に噛合表 面を設けることにより達成される。噛合する内外周面のスプライン、凸部、ある いは歯が、変換器4の内周面22に刻設され、シャフト8に刻設された同様の構 造と噛合するように構成されてもよい。歯が変換器4の両端面18,20に刻設 され、それと噛合する歯がシャフト8の2か所の部分の端部にも刻設されている とともに、軸方向突出部がシャフトの上記部分に設けられて変換器4の中心孔と 嵌合するようになっており、変換器4がシャフト8の上記2か所の部分に組み付 けられる際、シャフト8の歯が変換器4の歯と噛合してシャフト8と変換器4と を不動の位置で相対的に回転可能にするように構成されてもよい。他の実施の形 態では、キー、ピン、止めネジ等が使用されるが、これらの締結方法は、堅固な 構造を要求する適用物にはあまり好ましくない。 力の配分による伝達は、シャフト8に対する変換器4の摩擦あるいは接着結合 により行われる。結合部は、伝達されるのと同じ剪断応力を受ける。この結合は 、最大測定可能トルクを、シャフト8単独であるいは変換器4単独で扱われるよ りは低い量に限定する。しかし、前に述べたような理由で利点がある。プレスば めあるいは圧縮ばめが使用され、好ましい円形状異方性を得ることができるとと もに、実用上の問題としてシャフト8上の予想されるトルクによって壊れること のない充分に大きなグリップ力を備えることができる。クリーンでガスぬきされ た(そして脱酸化された)表面を有しているので、有効な摩擦係数がいつまでも 発生し得る。また、多少は溶接のように作用することができる。嫌気性の接着剤 を使用することもできる。この接着剤は、硬化した状態で微視的な隙間の中まで 浸透することにより、堅い嵌合をさらに堅くすることができるようになっている 。温度及び環境条件が接着剤の使用を妨げない場合は、接着剤を、変換器4ある いはその結合部のどちらの断面積と比較しても接着面積が大きくなるような変換 器4構成で使用することも可能である。このことは、変換器4を前述のような層 間接着剤を使用して螺旋状に巻かれた薄片から製作することによって実現される 。 変換器リングが締りばめに伴う摩擦によりシャフトに取り付けられる場合には 、リングの端縁まで均一な締結状態をもたらすことは難しい。すなわち、内周面 の面取りすなわちアール、工具マーク、刻み目等がシャフトからリングの端縁に おける円周上の全ての部分に至るまでトルクを均一に伝達することを妨げている 。上記幾何学上の不完全性に伴う局部応力や局部応力の勾配は、所定のトルクに より生成された磁界の円周方向の変化と全くトルクが付加されていない真のゼロ 磁界からの円周方向に変化可能な逸脱とによって現れる。リング端部を幾何学的 に完全にしようとするよりは、各リング端部に軸方向に小範囲の非応力区域を設 けることによって上記「端部効果」の問題を回避するほうがより現実的である。 これらの区域の軸方向長さを、変換器リングのどちらの端面に関しても、リング とシャフト間の最初の安定接触点の円周方向の位置変化に比べて大きくすること により、これら非応力区域が局部的な磁界の変化を平均化するのに役立つ。この こ とを実現するいくつかの方法としては、リング端部との接触を避けるためシャフ トを削り取る方法、シャフトとの接触を避けるためリング自体の端部内面が削る 方法、リング端部のトルクに伴う応力を減衰させるためトルク端部を外側に膨出 させる方法、および、高透磁率、低磁気ひずみの(従って応力の影響がない)材 料をリング端部に付加して端部効果を均一化する方法がある。 拡散による力の配分は、溶接あるいはブレージングにより行われる。溶接は、 変換器4の両端部に対して、あるいは貫通孔を通して行われる。スポット溶接、 連続ライン(シーム)溶接、あるいは変換器4領域の一部または全部に亘る溶接 (鍛接)も使用され得る。変換器4は、型内でシャフト回りに成形されてもよい し、スプレー溶接(溶融状態)されても良いし、爆発溶接、電気メッキ、イオン 注入による接続、あるいはその他のシャフト表面の表面変形などによっても成形 可能であり、それにより、変換器が直接または間接にシャフト表面に取り付けら れ、あるいはシャフト表面の一部を形成する。これらの方法の組み合わせも可能 であり、特定の適用にのみ適合可能であってもよい。 従って、本発明は、回転するシャフト上のトルクまたは動力を検出する改良方 法を提供する。本発明の方法の好ましい一実施の形態の第1工程は、本発明にか かる変換器4が組み立てられ、前述の方法の1つにより、機械のシャフト8の周 面に取り付けられる。取り付け作業前か取り付け作業中に、変換器4は、必要な 異方性の磁気特性が付与され、異方性の磁気特性付与前か付与後のいつでも、極 性付与される。歯付リング25等の磁界変調器が変換器4の周面に取り付けられ るかあるいはシャフト8周面に変換器4と磁気的に連続して取り付けられる。そ の後、シャフト8と磁界変調器25と変換器4からなるユニットが機械に装着さ れる。本発明にかかる磁界ベクトルセンサ6は、変換器4に近接して設けられ、 変調され応力が誘発された変換器4の磁界を受け入れるように方向決めされる。 機械の作動時には、磁界ベクトルセンサ6は、シャフト8上のトルクまたは動力 を線形に表示する信号を発し、その信号は、磁界ベクトルセンサ6に接続された フィードバック制御回路や他のモニター回路によってモニターされるようになっ ている。磁界ベクトルセンサ6がホール効果センサ等のソリッドステート検出装 置である場合は、出力信号はシャフト8上のトルクを線形に表し、そのような磁 界センサの一般的な特徴である静止状態の出力信号のドリフトに依存しない。磁 界ベクトルセンサがコイルである場合は、シャフト8の回転により生成された出 力信号はシャフト8により伝達される動力を線形に表す。 以上の述べたことからわかるように、円周方向に極性付与された磁気ひずみ材 料の薄いリングにより生成された磁界は、リング内のねじり応力のほぼ完全な線 形類似物である。そのようなリングがシャフトに取り付けられた場合、シャフト により伝達されるトルクあるいは動力を測定するためには、リングに近い空間の 磁界を測定するだけでよい。容易に入手可能な低コストの磁界検出装置の特徴で ある温度上昇に伴う出力ドリフトと無関係であるとともに、装置外部に磁化発生 源を必要としないので、工業用のトルク変換器に対しても自動車用のトルク変換 器に対しても動力変換器に対してもこの簡単な構成の適用を促進することができ る。にもかかわらず、適用によっては、周辺磁界中にある変換器ユニットの向き を地上等から変更したり、電気モータや磁化された機械部品への距離を変更する ことにより発生する検出磁界の変化がトルクまたは動力表示の精度を損なう。従 って、既に指摘したように、本発明の変換器の実際の実施形態では、全体的にサ イズを拡大したシールド構造か、大幅な複雑化を伴う積極的な補償方法かのどち らかを採用する必要があるかもしれない。本発明の別の実施の形態では、検出磁 界に及ぼす外部磁化発生源の影響を削減するため、対称性のみに依存する上記基 本的な変換器構造の変形例を開示する。 図5の構成では、径方向の磁界を検出するよう方向決めされた磁界センサ6が 変換器4の一端の近くに配置されているのがわかる。一般的な実用例では、第2 の(同一の)センサがリング他端の径方向反対側位置(センサ6b)または対称 的位置(センサ6a)に配置される。どちらの場合においても、第2のセンサは 第1のセンサ6と同じ平面上に位置し同様に方向決めされているので、変換器リ ング4により生成された磁束はこのセンサと第1のセンサ6を互いに逆方向に通 過する。一方、周囲の磁界は通常離れた位置の発生源から発生し、従って両磁界 センサ位置間で同じ方向とほぼ等しい強度を有するよう十分に低い勾配を有して いる。さらに、外部発生源からの径方向の磁界が異方性磁界に比べて小さい限り は、径方向の磁界がリングの磁化の方向や配向を変えることはない。従って、既 に述べたように、この構成の場合、2個のセンサ間の出力信号の差は、最大でも 、リング自体により生成された磁界のみによるものである。 径方向の磁界を感知しない一方で、リング内の磁化の配向は軸方向の磁界(H a)の影響を受けやすい。トルクと軸方向の磁界が検出磁界に及ぼす影響自体は 認識不可能であるが、それぞれが円形状の磁界の方向に及ぼす影響が異なる依存 性を示すことにより、それらを分離する手段がもたらされることがわかった。 図7は検出磁界の軸方向磁界に対するいかなる依存性も効果的に除去するため に2個の互いに逆極性のリング104,105を利用したトルク・動力検出装置 構造100を示す。この構造では、変換器リング104,105がシャフト10 8上に取り付けられており、磁界変調リング107a、107b,107cが、 各変換器リング104,105上の両端面とそれら変換器の隣接面とに磁界強さ が最大になる位置でそれぞれ取り付けられている。複数の磁界変調リングを使用 する場合は、磁界変調の振幅をできる限り最大にするようにリング上の歯が円周 方向に配置されていることが重要である。そのためには、変調リングが互いに滑 らないような角度位置で固定される必要がある。磁界変調リング107a、10 7b,107cは非磁性の間隔設定リング(仮想線で図示)を任意に使用して所 定位置に適宜に保持されてもよい。中央の変調リング107bの両側で変換器リ ングの上面に近接してそれぞれ磁界ベクトルセンサ106が取り付けられている 。特に、磁界センサとしてコイルを使用する場合は、信号の強さを改善するため に、各変調リングの各歯に一つの検出コイルが近接するとともにシャフトの軸線 に垂直な平面上にコイルを円形に配置することが望ましい。変換器リング104 ,105は突き合わせ状態で示されているが、物理的に隣接している必要はない 。リング104,105は個々に発生した磁界が同じ磁界センサによって検出可 能な程度に近ければそれで十分である。このような構造であれば、リングが磁気 的に連続していると言うことができる。 互いに反対の極性が付与されたリングが磁気的に連続しているこのトルク・動 力検出装置100の構造では、上記リングの隣接面の全検出磁界がシャフトに付 与されたトルクにのみ依存し軸方向の磁界に依存しない。さらに、2個の磁界セ ンサを使用することにより、径方向の磁界からの変換器の出力信号を独立させる こ とができる。外部磁界発生源からの任意の磁界は径方向成分と軸方向成分の両方 を有しているかも知れないので、この2個のリング構造により、全ての外部から の磁界からほぼ独立した出力信号を発生させることができる。軸方向に区分され 磁気的には連続するが交互に逆方向に極性付与された複数の円周領域を有する磁 気弾性トルク検出装置の構造とその構成の仕方は1994年6月2日出願の係属 中の米国特許出願 08/253022 号にさらに詳しく開示されており、その開示を参 照することにより本明細書に組み込むこととする。 周辺磁界からの独立性は磁界センサの出力信号内の「磁気ノイズ」を大幅に減 少させ、効果でかさばるシールドの必要性を減ずるかあるいはなくすることがで きる。2個のリング構造に伴うS/N比の増加は信号の磁界が比較的弱い自動車 のパワーステアリングへの適用にとって大きな意味をもつ。磁気ノイズが十分に 低ければ、磁界センサの電気出力信号を電気的に増幅して所望のいかなる有効感 度も実現することができる。これと全く同じ効果が、両リングの磁気ひずみがそ れぞれ逆の極性を有している場合に両リングを同じ円周方向に極性化することで 実現することができる。しかしながら、磁気特性と機械特性の適切な組合せを有 する材料が非常に限られているので、上記の可能性は商業的には実現の見込みは ない。 2個の互いに逆極性の磁気的に連続するリングにより、周辺の磁界が表示トル クに及ぼす影響が低減され得るだけでなく、その成果を、物理的には離れている が機能的には協調する円周方向のリングがいかなる数設置されても達成すること ができる。加えて、2個の分離したリングの代わりに、交互に逆方向に磁化され 軸方向に異なる2つ以上の円周領域に区分され、各隣り合う対の円周領域がそれ ぞれ磁壁で分離されねじり応力を受けた時近接空間で生成した磁界によって区別 される構成の1個のリングを設けることができることもわかった。それら領域は 突き合わせられていてもよいし、両領域間に別の非極性化円周領域を置いて軸方 向に分離してもよい。両領域は物理的に異なる領域であってもそうでなくてもよ い。また、そのそれぞれの軸方向配置や磁化の状態を測定するために、ねじり応 力以外の非破壊的方法が使用されてもよい。 変換器リングが締まりばめによってシャフトに取り付けられようと、摩擦係数 に 依存しない堅固な接続を得るために、リング両端をシャフトのぎざぎざ面上にス エージングする等の既に述べた方法で取り付けられようと、ピン、キー等の他の 機械的取付手段を用いようと、あるいは溶接により取り付けられようとも、問題 なのは、リングのねじり応力が取付領域で不均一になるという点である。それ故 、リングの軸方向の全ての範囲が極性付与された場合、「磁極」の強さは円周方 向で不均一になる。 このような厄介な影響は、極性付与されるべき領域を、取り付けに伴う応力集 中を感知しない程度に取付部から離れた位置のリング部分に限定することで低減 される。例えば、トルク検出装置がシャフト上に取り付けられた1個の変換器リ ングを備え、この変換器リングが局部的に配置され軸方向に区分された交互に逆 極性の複数の円周領域と、極性付与されていない端部円周領域とを備えており、 この端部領域になんらかの手段で取付領域が設けられるよう構成されてもよい。 互いに逆極性の円周領域は必ずしもシャフト上に、例えば、変換器リングのシ ャフト表面への取り付けによって、配置される必要はない。その代わりに、シャ フト表面の一部として構成することもできる。この局部極性付与の考えは、極性 付与領域を2つ設定することに限定されるものではなく、2つより多いまたは少 ない(例えば、1つ、3つ、4つの)極性付与領域を有するトルク検出装置を構 成する場合に利用されてもよい。同様に、この考えは、個別の片からなる複数の リングにも、多数の領域が形成される1個のリングにも、シャフト表面上にある いはその一部を形成する磁気弾性活性領域を設けるための既述のいかなる方法に も適用可能である。 この接続形態において、シャフト表面の「上」という表現は、シャフトのいか なる表面、特に管状シャフトの内径面も含む。例えば、ニッケル、高ニッケル合 金、多くのフェライト等の負の磁気ひずみ性を有する変換器リングが、管状シャ フトの開口内に押入されてシャフト内径面と締まりばめを形成し、それによりそ のような逆構成から発生するフープ応力がリングに所望の円形異方性を実現する よう構成されてもよい。その場合、磁界変調器も同様に取り付けられ、磁界セン サは中空リング内で磁極が形成されるどの場所でも突出するように取り付けられ ることになる。このような構成はシャフト端部近傍に取り付けられたプーリ(あ るい はスプロケットやギヤ)に対してあるいはそこから伝達されたトルクの測定を容 易にし、例えば、モータのシャフトの端部で有利に適用される。 図7に示すように、軸方向に区分され磁気的に連続する相互に逆極性の2つの 円周領域が設けられる場合、磁界変調器の好ましい設置個所は磁束が最も強い部 分であり、従って、1個の変調リングのみが使用される場合は、2つの逆極性領 域間の磁壁かあるいは両領域の隣接面である。さらには、図7に示すように、3 つの変調リングが使用される場合、さらに2つの変調リングを領域の自由端に配 置することがより望ましい。この構成により、変調リングが逆極性領域の自由端 と隣接端との間により効果的に磁束の塊を生成することができる。自由端のみに 変調リングを配置すれば、自由端では磁束が隣接端ほど強くなく自由端の磁界が 周辺磁界の影響から無関係ではないので、それほど有利な構成となり得ない。磁 界センサは2つの逆極性領域間の磁壁の両側かあるいは両領域の隣接面の両側に 配置することが好ましい。しかしながら、多くの場合、磁界センサを正確に配置 したり磁壁の正確な位置を特定することは困難である。適用によっては、軸受け の遊びや熱膨張等によりシャフトが軸方向に移動して、細心の注意を払って位置 調整した磁界センサでさえだめにしてしまうことがある。3つ以上の極性付与領 域を使用すれば、シャフト・リングユニットおよび検出装置ユニットの位置調整 に必要とされる精度を低減させ得ることがわかった。 種々の磁区に極性を付与する方法に話を戻せば、別々の変換器リングが各磁区 に使われる場合、各変換器リングがシャフト上に組み付けられる前に極性付与さ れてもよいことがわかる。この「前極性付与」は既に教示された方法のいずれを 使っても行うことができる。2つ以上の局所的な極性付与領域が1個のリング( シャフト自体から独立していようと機能的にそれと等しいシャフト自体の帯状部 であろうと)に導入される場合は、上記すべての方法が実行可能であるとは限ら ない。極性付与方法の選択は多くの要因によって決められる。例えば、それは、 リングがシャフトに既に組み付けられているかどうか、リングとシャフトの物理 的なサイズ、1個のトルク変換器が作られるのかあるいは多くの変換器が大量生 産されるのか等である。方法の具体的な選択が何であろうと、いかなる円周領域 に極性を付与するにも2つの一般的なモードがある。すなわち、同時に行うか順 番 に行うかである。 同時に円周部分全体を極性化するには、シャフト自体かあるいはリングに通さ れた同軸の導体を通じて電流を流すことによって実現される。この方法により多 数の逆極性化された隣接する円周領域がどのようにしてリングに生成されるかの 一例を図8、図9、図10および図11に示し、さらに以下に説明する。図8に 示すように、導電性容器170がその容器170中の導電性の液体176と導体 172および直流電源174を介して電気接続されている。導体172は、最初 、導電性の液体176と接触しないように支持されたリング178を同軸方向に 通過させる。直流電源174の極性が図示の通りに配置されていれば、導体17 2を通過する電気の流れに基づいて、リングの軸方向の全長が(+で示される) 最初の方向で極性化される。図9で示される第2の工程では、リング178が円 周位置Aまで導電性の液体176に浸漬され、直流電源174の極性が反転され 、電流のパルスが導体172と、導電性の液体176とリング178の導電性の 液体に浸漬されていない部分の中央を通って流れるようになっている。このよう にして、リング178の電流が流れている部分、すなわち、リング178の導電 性の液体176に浸漬されなかった部分の極性が反転される(−で図示)。図1 0に示すように、第3の工程では、リング178が円周位置Bまでさらに導電性 の液体176に浸される。直流電源174の極性は再び反転させられ、再度電流 がリングの導電性の液体に浸漬されなかった部分の中央に流され、(+で表示さ れた)非浸漬部分の極性を再度反転させる。図11に示すように、最終工程では 、リング178が円周位置Cまでさらに導電性の液体に浸漬される。直流電源1 74の極性は再び反転され、再び電流がリングの非浸漬部分を通って流れそれら (−で表示された)部分の極性を反転させる。結果として生じる極性化されたリ ング178は、図12に示すように、軸方向に区別され逆極性化された4つの隣 接円周領域を備え、それらは磁壁A、B、Cで分離されている。 同様にして、所望の数の逆極性化された円周領域をリング178に形成しても よい。いずれかの領域間にあるいはリング端部に非極性付与帯を設けることが望 ましい場合、これらは、リングの非浸漬部分を「非極性化」するため、図8ない し図11のいずれかと同様にリングを位置決めし減衰された交流電流を導体17 2に通すことによって形成可能である。 導電性の液体は水銀、溶けたウッド合金等であってもよいし、必ずしも実際の 液体でなくてもよい。どちらかと言うと、それは、例えば、銅、アルミニウム、 黒鉛等の細かく分けられた導電性の固体の流体化された層であってもよい。シャ フトが不都合に長くない場合は、上記の方法はシャフトにすでに組み付けられた リングに多数の領域を作るために使用することができる。液体の代わりに、リン グを取り囲みリングのほぼ全周にわたって良好な電気接点を形成するばねフィン ガーを備えた導電性の管に浸漬してもよい。この意図は、もちろん、導通された 電流がそれ以上の極性付与が望ましくない部分でリング内に(同軸方向に)流れ ることを妨げることである。一度電流がリングがもはや最も外側の導体ではない 領域に入ると、電流は径方向に広がり導電性の全区域に拡散する。リング内のい かなる区域に作用する磁界も閉ざされた軸方向電流に直接比例している。(H= 0.2I/r、ただし、Hはエールステッドを単位とする磁界、Iはアンペア単 位の閉ざされた電流、rはセンチメートル単位の半径である。)図9に示す条件 において閉じた電流とリングに沿った位置との関係を示す図13のグラフについ て考察する。「A」以下の短い距離を有する閉じた電流に起因する磁界は、リン グ材料の強制的な力より小さくなり、それによりリングの(浸漬された)部分の 磁化を反転させることは不可能である。 円周部分全体に順番に極性を付与するにはリングの回転が必要である。一方、 各領域(あるいはその一部)への極性付与は必要な極性を有するローカルな磁界 に任せられる。領域の1つ、若干数、あるいはすべてに対してこの方法で同時に 極性付与することが可能である。図14、図15及び図16に示すように、電流 あるいは永久磁石をローカルな磁界の発生源として使用することが可能である。 図14に示すように、リング180はシャフト182上に上述のいかなる方法 でも取り付けられる。導体184は、リング領域 BC に隣接した部分に対してリ ング領域 AB および CD に隣接した両部分で電流が逆方向に流れるように、リン グ180に隣接する任意のヨーク186内に配置される。このようにして、リン グ180とシャフト182が1方向で回転させられると、リング領域 BC とは逆 極性の磁界がリング領域 AB および CD で発生する。数回の回転の後、隣接した 領域は逆方 向に極性化される。永久磁石190、192、194がリング領域 AB、BC、CD にそれぞれ隣接して配置された図15の構成においても同じ結果が達成される。 磁石190と194の極性が同一で磁石192の極性と逆に設定されているので 、リング180およびシャフト182が1方向に回転させられ磁石が同時に後退 させられたとき(あるいは両磁極を横切ってキーパーが挿通されたとき)、リン グ領域 AB、CD がリング領域 BC と逆極性になる。リング200がシャフト20 2上に取り付けられ磁石204、206がリング領域 AB、BC と隣接するリング 200の径方向対向面にそれぞれ配置された図16の構成においても類似の結果 が達成される。いかなる数の領域もリングに沿って形成可能であるが、簡単に記 述するために、2つの領域のみがリング200に関しては表現されている。磁石 204と206の極性は同様に設定される。しかしながら、リング200の対向 面の上にそれらがそれぞれ位置するため、リング200とシャフト202が1方 向で回転させられ磁石が同時に後退させられる(あるいは両磁極を横切るキーパ ーが挿通される)と、両リング領域AB、BCが互いに逆極性になる。実験結果 本発明のトルク・動力検出装置の長所は実験によって証明されている。トルク ・動力検出装置を構成し、ホール効果センサとコイル型磁界センサの両方を用い てトルクと回転速度の様々な条件の下でテストした。303ステンレス鋼製の2 03mm長のシャフトと18%ニッケルマルエージ鋼製の17.5mm長の変換 リングに対してリングの孔内でシャフトの嵌合面の中央に嵌合テーパ部を設け、 調整された締まりばめを有するユニットの実現を容易にした。このとき、リング をステンレス鋼シャフトに手で可能な限り締めた後に5mmだけ軸方向に押し込 んだ。その結果、境界面の接触圧がリングとシャフトに対して機械ユニットとし て作用するのに十分な摩擦を与えるとともに、リング内の引張りフープ応力が円 周方向に磁気の緩やかな軸線を形成した。リングは物理的には1片からなるもの であったが、軸方向の各半分に互いに逆円周方向の極性を付与することによって 磁気的に区別される2つの領域A,Bに実質的に分割された。これら両領域に対 して同時に極性を付与することは、互いに逆極性の電磁石の組立ユニットのそば を通り過ぎて回転させることによって行われた。この2領域構成はこの証明実験 に おいて使用した動力計により生成された比較的強い(最大レベルのトルクで10 エールステッドを越える)磁界からのやっかいな影響を避けるために選択された 。 図3(c)及び図3(d)に示すように、78パーマロイ製で1100℃で1時間水 素中で熱処理された3個の変調器リングを、磁気活性リングの両端に各1個と中 央部に1個軽いプレスばめで固定した。円周方向に位置合わせされた変調器リン グを、変換器リング上に密着するステンレス鋼製の間隔設定リングを用いて精確 に位置決めするとともにシャフト軸線に対して直角に維持した。組み立てられた 変換器の磁界生成部分を図7に示す。 この図の各領域A,Bは実質的に個別の磁界生成領域を備えている。変換器リ ングがトルクが付与された時に互いに逆極性の2つの領域に分極されるので、端 部変調器リングと中央変調器リングとの間の2つの軸方向空間に互いに逆向きの 磁界が発生する。実験装置のフレームに取り付けられた2つの磁界センサを図7 に示す上記両軸方向空間に挿通した。これら両空間の差動磁界を検出する上記セ ンサを接続して各空間内で同一方向を有する他の発生源から生成された磁界(例 えば、動力計からの磁界)の影響を排除した。 シャフトを、その伝達される動力が水冷式渦電流動力計(ボルジ・アンド・サ ヴり(Borhgi & Saveri)社のModel FA 100/30 SL)に吸収される状態で、定格1. 5馬力、2300rpmの交流分巻モータによって駆動した。動力計容器に展開 された反応トルクを、測定対象のレバーアームにかかる重量で目盛り設定したロ ードセル(インターフェイス(Interface)社の Model SSM 500)で測定した。回 転速度を、磁気近接センサを通過する歯数60の鋼製ギヤの歯により1秒あたり に生成される電気パルス(すなわち、ヘルツ)のカウントを表示するデジタル周 波数計を用いて1秒あたり回転数(rpm)の形で直接表示した。小さな回路板 上に搭載された、2個のホール効果集積回路磁界センサ(アレグロ(Allegro)社の 3506UAタイプ)あるいは後述の2個のコイルを使用して生成された磁界を検出し た。 ホール効果センサの出力信号からトルクと速度の情報を取り出し別々に表示す るために使用する電気回路を図17に概略的に示す。差動増幅器(DA)の出力 端子に現れる一般的な信号(図17のVo)の(交流)オシログラムを図18に 示す。この図から、検出磁界の大きさを周期的に変化させるのに変調器リングが 有効で あることが明らかである。1つの歯に対向する検出磁界を示す比較的平坦で引き 延ばされたピーク値は、より細い歯とより広い歯間空間を有する変調器リングを 使用すれば同じトルクでより大きな最高最低振幅を有する信号が得られることを 示している。 図19に記録したグラフは、固定のトルクと回転速度の条件下で、最初に1個 のホール効果センサが次に他方のホール効果センサが液冷媒(クロロヂフオロメ タン)を瞬間的に吹き付けることで急速に冷却された時のVoの過渡的な変化を 示したものである。この記録に見られるVoの劇的な変化は冷媒を吹き付けられ たセンサのQVo値の熱ドリフトの結果生じたものである。そのような急激な熱 勾配がいかなる実際の適用においても存在することは好ましくないことではある が、定格の温度範囲にわたる1個のホール効果センサのQVoの変化の許容値は 定格トルクの下で変換リングにより生成された磁界の強さと同程度である。他方 、名目上の磁界強さの変化(式(3)ないし(6)のS)が1℃あたり0.02 %に設定されているので、Sの個々の変化は予想ではVoに対してはるかに小さ な(必要に応じてより穏やかに補償された)影響しか及ぼさないと思われる。最 も驚くべき点は、図19に示す記録周期全体を通してピーク値とピーク値との間 の信号(濃い帯状部の上辺と下辺)に目に見える変化がないことである。そのこ とは、熱ドリフト傾向にもかかわらず、磁界変調の振幅を単に分けるだけでトル クの信頼できる測定手段を実現できるというホール効果センサの利用可能性を実 証している。 図20には、トルクの3つの固定値において出力信号の誤差規範値(rms) を測定した結果を回転速度に対してグラフ化している。説明可能な測定誤差があ ると仮定した上で、出力信号がほぼ一定であることは注目に値することであり、 出力信号がシャフトの速度とトルクの広い範囲にわたってシャフトトルクのほぼ 完全な相似体であることを示している。 図21に示されたデータはトルクの増大とともに出力信号が線形に変化するこ とを示している。零トルク時に存在すると思われる小さな信号は回路ノイズとド ラッグトルクの両方を示す。説明可能な測定誤差があることを条件にすれば、こ のグラフは出力信号がシャフト速度に関係なくシャフトのトルクを示すことを説 明する高精度の線形相関関係図である。 磁界センサとしてホール効果素子の代わりに2個の小さなコイルを用いて動力 の測定を行った。各コイルのコアをパーマロイの粉末とエポキシの混合物とから 形成した。コイルの巻きをポリナイロンで絶縁された米国ワイヤゲージ40番の ワイヤで1000回行った。図22からわかるように、測定回路を電圧計と直列 接続のコイルとで構成した。信号がコイルに直接生成されたので、デジタル電圧 計に含まれるもの以外はいかなる電子回路も必要としなかった。 図23は一般的な出力信号のオシログラムである。式(9)の時間導関数から 推測されるように、波形整形が図18に示す(反転された)波形の時間導関数で あることがわかる。図23に示す波の周期は変調器リングの連続する歯が通過す る間の時間であるので、6つのそのような周期はシャフトの1回転間の時間を表 している。従って、図23はシャフトが18マイクロ秒(ms)間に1回回転す ること、すなわち1秒間に3300回回転することを示している。 図24は3つの固定レベルの伝達動力において広い速度範囲にわたって出力信 号が比較的一定であることを示している。これらのデータ群の平坦度が不完全で あることは説明可能な測定誤差を反映したものである。図25にグラフ化された データは一定速度での伝達動力の増加に伴う出力信号の線形の変化を示すもので あり、式(11)で述べたように、シールドされていない実験上の変換器を使用 してもほぼ実現可能であることを示している。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1996年9月24日 【補正内容】 図6は本発明の検出装置により生成された変動性(交流)成分の周期的な波形 を示すグラフである。 図7は互いに逆向きに極性付与された2つの変換器リングを利用した本亜hつ めいの検出装置を示す組立図である。 図8は1つのリングに交互に逆向きに極性付与された複数の連続する円周領域 を生成する装置とその方法の最初の工程を示す。 図9は図8の方法の次の工程を示す。 図10は図8の方法の更に次の工程を示す。 図11は図8の方法の最終工程を示す。 図12は図8ないし図11の方法によって製造されたリングを示す。 図13は図9の方法及び装置において閉じた電流とリングに沿った位置との関 係を示すグラフである。 図14(a)及び図14(b)は変換器リング上の複数の領域に対して同時に極性付 与する方法及び装置を示す。 図15(a)及び図15(b)は変換器リング上の複数の領域に対して同時に極性付 与する別の方法及び装置を示す。 図16(a)及び図16(b)は変換器リング上の複数の領域に対して同時に極性付 与するさらに別の方法及び装置を示す。 図17はホールセンサの出力信号からトルクと速度の情報を導出し表示する典 型的な電気回路を示す図である。 図18は図17の差動増幅器の出力端子を通して現れる典型的な信号のオシロ グラムである。 【図1】 【図2】 【図5】 【図3】 【図4】 【図6】 【図7】 【図8】 【図9】 【図10】 【図11】 【図12】 【図13】 【図14】 【図15】 【図16】 【図17】 【図18】 【図19】 【図20】 【図21】 【図22】 【図23】 【図24】 【図25】 【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年1月16日 【補正内容】 特許請求の範囲 1.軸方向に延びる軸線回りに回転するトルク部材により伝達された動力を示す 出力信号を供給する磁気弾性動力検出装置であって、 上記トルク部材に加えられたトルクが正比例で伝達されるようトルク部材の表 面の一部に直接または間接に取り付けられたあるいは上記トルク部材の表面の一 部を形成する強磁性磁気ひずみ性変換器手段を有し、円周方向を緩やかな軸線と する事実上の1軸磁気異方性が付与されるとともに円周方向に磁気極性が付与さ れることによりトルクが上記部材に加えられたときトルクに伴って変化する磁界 を生成する磁気弾性活性要素と、 上記トルク部材の回転速度を示す周期で磁界を変調する磁性的に柔らかい材料 からなり、上記トルク部材と一体に回転するよう支持された磁界変調手段と、 上記磁気弾性活性要素に近接しかつこれに対向する位置に取り付けられ、上記 変調された磁界の経時変化率の振幅を検出してこの振幅に反応する動力表示出力 信号を供給する磁界センサ手段とを備えた磁気弾性動力検出装置。 2.上記磁界変調手段が上記磁気弾性活性要素に直接または間接に取り付けられ ている請求項1記載の動力検出装置。 3.上記磁界変調手段が上記磁気弾性活性要素と磁気的に連続する位置で上記ト ルク部材に直接または間接に取り付けられている請求項1記載の動力検出装置。 4.上記磁界変調手段が周面に均等間隔で突出する形状を有するリングを備えて いる請求項1記載の動力検出装置。 5.上記突出形状が均等間隔で配置されたギヤ状の歯である請求項3記載の動力 検出装置。 6.上記磁界変調手段が軸方向に間隔を置いて配置された2つ以上のリングを備 え、各リング上の対応する突出形状が円周方向に位置合わせされている請求項4 記載の動力検出装置。 7.上記変換器手段が上記トルク部材の表面に位置する強磁性磁気ひずみ性変換 層からなる請求項1記載の動力検出装置。 8.上記変換器手段が上記トルク部材の表面の領域からなる請求項1記載の動力 検出装置。 9.上記変換器手段が、対向する端面を有しこれら端面間に軸方向に延びる円周 部分を有する少なくとも1個の管状リングを備えている請求項1記載の動力検出 装置。 10.上記変換器手段が、軸方向に区分され磁気的に連続するとともに円周方向 に交互に逆の極性を付与された2以上の円周領域を備えている請求項9記載の動 力検出装置。 11.上記変換器手段が上記円周領域のそれぞれに設けられたリングである請求 項10記載の動力検出装置。 12.上記変換器手段が上記2以上の円周領域を有する1個のリングであり、各 隣接する対の領域が磁壁によって分離されている請求項10記載の動力検出装置 。 13.上記センサ手段が上記リングの少なくとも一方の端面に近接して配置され ている請求項9記載の動力検出装置。 14.上記センサ手段が上記隣接するリングの隣接する端面間に近接して配置さ れている請求項11記載の動力検出装置。 15.上記センサ手段が上記円周領域間の磁壁に近接して配置されている請求項 12記載の動力検出装置。 16.上記リングが上記トルク部材の表面の周囲に上記トルク部材と同軸に取り 付けられている請求項9記載の動力検出装置。 17.上記リングがその内径と上記トルク部材の外径との間で締まりばめにより 上記トルク部材に取り付けられている請求項16記載の動力検出装置。 18.上記リングの内径がテーパ状に形成され、上記トルク部材の外径が対応す るテーパ状に形成されている請求項17記載の動力検出装置。 19.上記リングの内径が上記トルク部材との取付領域ではトルク部材の外径よ り小さく形成されている請求項17記載の動力検出装置。 20.上記部材が低透磁率材料から形成されている請求項1記載の動力検出装置 。 21.上記磁気弾性活性要素と上記トルク部材との間に間隔を設ける低透磁率の 間隔設定手段を備えている請求項1記載の動力検出装置。 22.上記変換器手段が上記リングの軸方向端部に配置された極性付与されてい ない円周領域をさらに備えている請求項12記載の動力検出装置。 23.上記磁界センサ手段がコイルを備え、上記出力信号が上記回転する部材か ら伝達された動力を示している請求項1,4,8,10,13,17または18 に記載の動力検出装置。 24.軸方向に延びる回転するトルク部材により伝達された動力を検出する方法 であって、 円周方向を緩やかな軸線とする事実上の1軸磁気異方性が付与されるとともに 円周方向に磁気極性が付与され、上記トルク部材に加えられたトルクが正比例で 伝達されるように上記トルク部材の表面の一部に直接または間接に取り付けられ たあるいは上記トルク部材の表面の一部を形成する磁気弾性活性要素を提供する 工程と、 上記トルク部材にトルクを加えて磁界を発生させる工程と、 上記トルク部材の回転速度を示す周期で上記トルクが生成された磁界を変調す る工程と、 上記磁気弾性活性要素の近接位置で、上記トルク部材により伝達された動力の 指標として上記変調された磁界の経時変化率の振幅を検出する工程とを備えた動 力検出方法。 25.上記磁気弾性活性要素が上記トルク部材の周面に取り付けられている請求 項24記載の動力検出方法。 26.上記磁気弾性活性要素が締まりばめにより上記トルク部材に取り付けられ ている請求項25記載の動力検出方法。 27.上記締まりばめが上記トルク部材の外周面に対して上記トルク部材の外径 より小さい内径を有する管状の磁気弾性活性要素を強制的にはめ込むことにより 行われる請求項26記載の動力検出方法。 28.上記締まりばめが、上記トルク部材の外周面をテーパ状に形成し、内径に 対応するテーパ面を有する管状の磁気弾性活性要素を上記テーパ状のトルク部材 外周面に強制的にはめ込むことにより行われる請求項26記載の動力検出方法。 29.上記検出工程が少なくとも部分的に上記磁気弾性活性要素に近接しこれと 間隔を置いて磁界検出装置を配置することにより実行される請求項24記載の動 力検出方法。 30.上記磁気弾性活性要素が、軸方向に区分され磁気的に連続するとともに円 周方向に交互に逆の極性を付与された2以上の円周領域を備えており、上記円周 領域が各隣接する対の円周領域間の磁壁により分離されている請求項24記載の 動力検出方法。 31.上記磁気弾性活性要素が2つの円周領域を備え、上記検出工程が上記隣接 する領域間の磁壁の両側にこれと近接して磁界検出装置を配置することによって 実行される請求項30記載の動力検出方法。 32.上記磁気弾性活性要素が軸方向に並設され磁気的に連続する2以上のリン グを備えている請求項30記載の動力検出方法。 33.上記磁気弾性活性要素が上記円周領域のそれぞれに設けられたリングであ る請求項30記載の動力検出方法。 34.上記磁気弾性活性要素が上記円周領域を有する1個のリングからなる請求 項30記載の動力検出方法。 35.上記変調工程が、上記トルク部材と一体に回転するよう上記磁気弾性活性 要素と磁気的に連続する位置で上記磁気弾性活性要素または上記トルク部材に直 接または間接に取り付けられた磁性的に柔らかい材料からなる磁気変調手段を提 供する工程を備えている請求項24記載の動力検出方法。 36.上記磁気変調手段が周面に均等間隔で突出する形状を有する少なくとも1 個のリングを備えている請求項35記載の動力検出方法。 37.上記変調工程が、それぞれ円周方向に位置合わせされるとともにその周面 に対応する突出形状を有する2つ以上の磁界変調リングを提供する工程を備えて いる請求項36記載の動力検出方法。 38.上記検出工程が、上記磁気弾性活性要素に近接しかつこれと間隔を置いて コイルを配置し、上記変調された磁界の経時変化率の振幅を検出することにより 実行される請求項24,25,28,30,35または36に記載の動力検出方 法。 39.軸方向に延びる軸線回りに回転するトルク部材に加えられたトルクを示す 出力信号を供給する磁気弾性トルク検出装置であって、 上記トルク部材に加えられたトルクが正比例で伝達されるようトルク部材の表 面の一部に直接または間接に取り付けられたあるいは上記トルク部材の表面の一 部を形成する強磁性磁気ひずみ性変換器手段を有し、円周方向を緩やかな軸線と する事実上の1軸磁気異方性が付与されるとともに円周方向に磁気極性が付与さ れることによりトルクが上記部材に加えられたときトルクに伴って変化する磁界 を生成する磁気弾性活性要素と、 上記トルク部材の回転速度を示す周期で磁界を変調する磁性的に柔らかい材料 からなり、上記トルク部材と一体に回転するよう支持された磁界変調手段と、 上記磁気弾性活性要素に近接しかつこれに対向する位置に取り付けられ、上記 変調された磁界の振幅を検出してこの振幅に反応するトルク表示出力信号を供給 する磁界センサ手段とを備えた磁気弾性トルク検出装置。 40.上記磁界変調手段が上記磁気弾性活性要素に直接または間接に取り付けら れている請求項39記載のトルク検出装置。 41.上記磁界変調手段が上記磁気弾性活性要素と磁気的に連続する位置で上記 トルク部材に直接または間接に取り付けられている請求項39記載のトルク検出 装置。 42.上記磁界変調手段が周面に均等間隔で突出する形状を有するリングを備え ている請求項39記載のトルク検出装置。 43.上記突出形状が均等間隔で配置されたギヤ状の歯である請求項42記載の トルク検出装置。 44.上記磁界変調手段が軸方向に間隔を置いて配置された2つ以上のリングを 備え、各リング上の対応する突出形状が円周方向に位置合わせされている請求項 42記載のトルク検出装置。 45.上記変換器手段が、対向する端面を有しこれら端面間に軸方向に延びる円 周部分を有する少なくとも1個の管状リングを備えている請求項39記載のトル ク検出装置。 46.上記変換器手段が、軸方向に区分され磁気的に連続するとともに円周方向 に交互に逆の極性を付与された2以上の円周領域を備えている請求項45記載の トルク検出装置。 47.上記センサ手段が上記リングの少なくとも一方の端面に近接して配置され ている請求項45記載のトルク検出装置。 48.上記リングがその内径と上記トルク部材の外径との間で締まりばめにより 上記トルク部材の表面の周囲に上記トルク部材と同軸に取り付けられている請求 項45記載のトルク検出装置。 49.上記リングの内径がテーパ状に形成され、上記トルク部材の外径が対応す るテーパ状に形成されている請求項48記載のトルク検出装置。 50.上記部材が低透磁率材料から形成されている請求項39記載のトルク検出 装置。 51.上記磁界センサ手段がソリッドステートセンサを備え、上記出力信号が上 記回転する部材に加えられたトルクを示している請求項39,42,45,46 または48に記載のトルク検出装置。 52.上記磁界センサ手段がホール効果センサを備えている請求項39記載のト ルク検出装置。 53.軸方向に延びる回転するトルク部材に加えられたトルクを検出する方法で あって、 円周方向を緩やかな軸線とする事実上の1軸磁気異方性が付与されるとともに 円周方向に磁気極性が付与され、上記トルク部材に加えられたトルクが正比例で 伝達されるように上記トルク部材の表面の一部に直接または間接に取り付けられ たあるいは上記トルク部材の表面の一部を形成する磁気弾性活性要素を提供する 工程と、 上記トルク部材にトルクを加えて磁界を発生させる工程と、 上記トルク部材の回転速度を示す周期で上記トルクが生成された磁界を変調す る工程と、 上記磁気弾性活性要素の近接位置で、上記トルク部材に加えられたトルクの指 標として上記変調された磁界の振幅を検出する工程とを備えたトルク検出方法。 54.上記磁気弾性活性要素が締まりばめにより上記トルク部材の周面に取り付 けられている請求項53記載のトルク検出方法。 55.上記締まりばめが、上記トルク部材の外周面をテーパ状に形成し、内径に 対応するテーパ面を有する管状の磁気弾性活性要素を上記テーパ状のトルク部材 外周面に強制的にはめ込むことにより行われる請求項54記載のトルク検出方法 。 56.上記検出工程が少なくとも部分的に上記磁気弾性活性要素に近接しこれと 間隔を置いて磁界検出装置を配置することにより実行される請求項53記載のト ルク検出方法。 57.上記磁気弾性活性要素が、軸方向に区分され磁気的に連続するとともに円 周方向に交互に逆の極性を付与された2以上の円周領域を備えており、上記円周 領域が各隣接する対の円周領域間の磁壁により分離されている請求項53記載の トルク検出方法。 58.上記変調工程が、上記トルク部材と一体に回転するよう上記磁気弾性活性 要素と磁気的に連続する位置で上記磁気弾性活性要素または上記トルク部材に直 接または間接に取り付けられた磁性的に柔らかい材料からなる磁気変調手段を提 供する工程を備えている請求項53記載のトルク検出方法。 59.上記磁気変調手段が周面に均等間隔で突出する形状を有する少なくとも1 個のリングを備えている請求項58記載のトルク検出方法。 60.上記検出工程が、上記磁気弾性活性要素に近接しかつこれと間隔を置いて ソリッドステートセンサを配置し、上記変調された磁界の振幅を検出することに より実行される請求項53,54,57または58に記載のトルク検出方法。 【手続補正書】 【提出日】1997年10月21日 【補正内容】 補正明細書 円周方向磁化非接触式トルク・動力検出装置及びそれを用いたトルク及び動力測 定方法 関連出願の参照 本出願は1991年7月29日に出願された米国特許出願07/736299 号(米国 特許5351555 号)の一部継続出願である、1994年6月2日出願の米国特許出 願08/253022 号の一部継続出願である。 発明の分野 本発明はトルク・動力検出装置、特に、回転シャフトに付与されたトルク及び 動力を測定する非接触式磁気弾性トルク・動力変換器に関する。 発明の背景 現代の機械操作において基本となるのは、回転シャフトを用いて機械エネルギ ーをその発生源からその使用地点まで伝達することにある。一般的な機械では、 エネルギーがエンジン、タービン、モータ等の原動機内の化学的、熱的、電気的 、動的動力源から変換された後に回転シャフトに最初に付与される。機械は、動 力源を負荷に十分に一致させたりエネルギーを多数の負荷に分配するために、カ ップリング、ベルト、ギヤ、その他関連する装置により回転運動が相互に接続さ れたシャフト系統を備えていることが一般的である。シャフト間に設けられたク ラッチはそれらシャフト間の回転運動の連結を何らかの目的で解除することを可 能にする。原動機の出力シャフトに付与された機械エネルギーは車両の推進、液 体の圧縮、製造部品の形成または機械加工、発電等、特定の機械の機能を特徴づ ける形態や場所での有益な仕事を実現するために最終的に使用される。機械エネ ル ギーの伝達や分配用に回転シャフトの利用が偏在することは以下の表1に簡単に まとめてリストアップしたように容易に示すことができる。 仕事が実行される「度合い」は「動力」という言葉で表現される。「動力」は エネルギーを動かしたり変換する時間的割合とも定義される。仕事を実行する機 械エネルギーが回転シャフトにより伝達される際、「動力」はそのシャフトに沿 った方向のエネルギーの流れの割合を意味する。このように、伝達された動力が 回転シャフトの機能性を評価する手段であることは明らかである。この点から、 「出力」が機械的動力源及び電気的動力源の両方を評価するために使用する主要 な量的要素であることの理由が明らかになる。さらに、ポンプ及び圧縮機等非常 に多くの軸駆動機械や、旋盤、フライス盤及び研削盤上のスピンドル並びにその 他機械器具だけでなく、バキュームクリーナー、生ゴミ処理機等の生活用機械ま でもがその動力の許容量によって頻繁に規格化されたり比較されたりする理由も 理解できる。機械のキーシャフトに沿って伝達されている瞬間の動力をオンライ ン測定するならば、機械の性能を定量化することにより、機械のより精密な制御 と調整が可能になるとともに安全で効率的な動作を確保することにも役立つ。測 定結果が正常に生成され利用された動力から著しく逸脱する場合は障害の進行を 早期に知らせる機能も果たすことができる。 作動中の機械の回転シャフト上の動力をオンライン測定することは、より標準 的なあるいはより標準的でない測定方法や測定装置の開発に伴い、その重要性が 認識されるようになってから久しい。いかなるタイプのシャフトでもその断面を 通して伝達される動力はその瞬間的な角速度と断面を横切って伝達されるトルク との積であるので、この動力の測定結果は上記2個のより基本的な量の別々の測 定結果に分けられる。いかなる技術及びいかなるタイプの回転速度・トルク測定 装置が採用された場合でも、動力を求めるには上記別々の測定量を積算すること が必要である。従来の動力測定器はそれ故、その測定装置全体では、速度及びト ルクの測定手段以外にこれら2個の別々の信号をオンラインで積算する演算回路 を備えている。 速度測定 回転するシャフトの角速度を測定するために非常に多種類の方法と装置が存在 する。それらの多くは古典的なものであり、半世紀以上にわたって使用されてき たものである。速度測定装置は2種類の一般的なタイプに分類される。すなわち 、個々の回転現象の計数及び計時に基づくタイプと速度に比例する測定可能な物 理量、例えば力や電圧を展開するタイプである。計数及び計時原理を採用してい る現代の装置は、通常、非接触式の磁気的あるいは光学的手段を用いて、測定対 象のシャフトとともに回転する「符号器(encoder)」としてのホイール上に存在 する突出形状の通過を検出するものである。最近では、通常、磁気符号器はシャ フト支持用のボールベアリングに直接組み入れられている。そのような装置を用 いて回転速度を求めるには時計状のもの(最近では、速度情報の処理と利用に関 連するデジタルコンピュータに普通は内蔵されている)かあるいは周波数−電圧 変換電子回路(ダイオードポンプ等)が必要である。一方、回転速度を直接アナ ログデータ表示するために様々な技術が利用されている。その中で最も一般的な 技術は渦電流に依存する速度と関連する力を基準とするドラグカップ装置である 。このタイプの装置を使用するには、展開された力を比例する電気信号に更に変 換する必要がある。回転速度と正比例する直流(または交流)電圧を展開するに は、 小さな永久磁石状の電気タコメータ発電機が多く使用される。このタイプの装置 は、通常、測定対象の回転シャフトに直付けされるのではなく、回転シャフトに よって(あるいはそれと同期して)駆動されるように配置される。米国特許5367 257 号に開示するような別のタイプの非接触式タコメータ装置では、永久磁石と 磁界センサの静止状態の組合せのみを利用して導電性対象物の、すなわち、測定 対象シャフトに取り付けられたアルミニウム製円板の速度に比例する信号を展開 するようになっている。このように、回転シャフトで伝達される動力をオンライ ンで測定するのに必要な回転速度信号を展開するには、様々な適用技術と選択範 囲の広い適用装置がある。 トルク測定 認識可能な非回転フレームを有する機械に対して出入するすべての回転シャフ トから受ける正味の、すなわち合成されたトルクは上記フレームの回転を防止し ている反力を測定することで簡単に求めることができる。エンジンやモータ等の 出力シャフトのトルクはこのようにして測定されることが多く、その場合、直接 マウント部分で力を測定する(米国特許3978718 号)かあるいは揺りかご状吸収 型ダイナモメータのトルク均衡化アーム上で力を測定する。このダイナモメータ の内部では、伝達されたエネルギーは直接熱に変換されるか、あるいはまず電気 に変換された後に熱に変換される。トルクを加速度の測定結果から推測する方法 (米国特許3729989 号)やレシプロエンジンに適用してシリンダ圧の動的な測定 結果から推測する方法(米国特許4064748 号)もある。しかしながら、これらの 方法はその固有の特質によって適用性に限界があることは明らかである。 回転シャフトに伝達されている瞬間のトルクの測定は、通常、シャフト自体の あるいはシャフトの局所に取り付けられた特定目的の材料の弾性的あるいは磁気 弾性的特性に依拠している。個々のトルク測定装置が作動時に依拠する原理がい かなるものであろうと、動力のオンライン測定は、トルクの測定値を電気信号の 形で表現することにより容易になる。このタイプの測定装置はトルク変換器とし て分類される。 シャフトの弾性に依拠するトルク変換器は、実際には、その径のほぼ10倍以 上の長さを有するシャフトの特定部位の角度のひずみからあるいは通常径の数分 の一の長さにすぎない計測点の単位表面のひずみからねじりによるひずみを測定 する。回転シャフトの角度のひずみは、シャフト上に最初から(周方向に)配置 され軸方向に離れた2個の特徴物(例えば、ギヤの歯部、刻み目、反射マーク) が通過する時間差を検出する磁気的な方法(米国特許3273386 号)や同じく光学 的な方法を利用して測定されることが多い。最近開発されたトルク変換器の多く (特にパワーステアリングへの適用を目的とするもの)は、高コンプライアンス を有するトーションバーの両端近傍に効果的に取り付けられた一対の歯車状強磁 性円板のねじれに左右される歯または切欠きを位置合わせするとともにそれによ り発生する可変パーミアンスを利用する(米国特許4876899 号)。自動車用回転 シャフトの角度のねじれを検出する微分静電容量方法の動作も報告されている。 大部分の市販のトルク変換器の動作は、回転シャフトに接合されたひずみゲージ の電気抵抗の変化によって変換器表面の剪断ひずみを検出することに依っている 。上記ひずみゲージに電力を供給するためそしてトルクを表す電気信号を取り出 すために様々な方法が採用されている。しかしながら、ブラシやスリップリング を用いる従来の方法に代わって非接触式の方法を用いる方が信頼性の面で有利で あるので、回転式変圧器や赤外線エネルギーを用いたり無線周波数によって遠隔 測定する等の選択可能ないくつかの装置設計の開発を促進してきた。弾性式のト ルク変換器は、その固有の特質により、長い計測長と高いコンプライアンスを必 要とするかあるいは相当な数の電気部品をシャフトに取り付けることを必要とす る。このような必要条件はサイズ、厳しい環境での信頼性及び/またはコストが 非常に考慮されるようないかなる場所へも変換器の適用を躊躇させる結果を招い ていた。 磁気弾性トルク変換器は、大部分の強磁性材料に見られるような、一般に弾性 特性か磁気特性かで分類される特定の測定可能な物理量間の基本的な相互作用に 依拠している。このタイプの変換器の従来の構造は、シャフト表面かあるいはシ ャフトに取り付けられた材料(優れた磁気弾性特性のゆえに特別に選択された) の局所に専用に設けられた部分の透磁率のトルクによる変化に依存している。こ のような構造は、フレミング(Fleming)の「磁気ひずみトルク検出装置−分岐型 タイプ、交差型タイプ、ソレノイド型タイプの比較」(全米自動車エンジニア協 会(SAE)会報900264号、1990)に詳細に記述、分析、比較されている。磁気弾性 トルク変換器はひずみではなくねじり応力を検出するので、一般に同種の弾性式 のものよりねじりに対して高い剛性を有する。このことは変換器を包む入れ物の 寸法を縮小させるとともに機械的な強靭性をもたらすことができる。さらに、こ の種の装置は他に類を見ない本質的に非接触式の磁気的検出モードで作動するの で、回転シャフトのトルク測定により適していると思われる。しかしながら、こ の従来のタイプの磁気弾性トルク変換器の性能は励磁変数や材料変化に依るとこ ろが大きく、それらの要因は温度の補正や計測の安定性を困難にしている(例え ば、米国特許4920809 号や動5307690 号を参照)。その結果、低コストで大量生 産可能な装置を設計することが難しくなっている。 米国特許5351555 号には別のタイプの磁気弾性トルク変換器技術が開示されて おり、このものは、磁気弾性活性材料からなり円周方向に極性付与されたリング が、リングが取り付けられたシャフトにより伝達されたトルクに関して極性及び 強さの点でほぼ完全な線形の相似体である磁界を生成するという点において特徴 的である。この変換器は励磁力を利用せず、完成品を作り上げるのに上記リング と磁界センサしか必要としない。第2世代の変換器は、対称位置に配置された磁 界センサ及び互いに異なる極性に磁化された2個のリングあるいは互いに異なる 環状の分極から成る隣接領域を有する1個のリングとを使用しており、この変換 器もまた周辺磁界の曖昧な影響を効果的に回避することが可能である(ガーシェ リス(Garshelis)他著「互いに逆方向に極性化された2個のリングを用いたトル ク変換器」電気電子技術者協会会報、磁気学、Vol.30,No.6,1994年度,4629-4 631頁を参照)。さらに、多くの適用例では、この基本的に単純で、低コストの 、容易に適応可能な構成からもたらされるべき利点が、経済的に互換可能な磁界 センサが限定されているが故にそのすべてを実現することができなかった。この ように、集積回路シリコンホール効果センサは小さく規格化された形で入手可能 であり電気的に単純でありコストの面で廉価であるが、その最も容易に入手可能 な装置でさえ、トルク応答出力信号と大きさが等しい温度上昇に伴う出力ドリフ トを発生させる。この問題を克服するための補正技術、例えば、突き合わせ状態 の対の形で使用する等の技術は、この装置の経済的魅力を弱めるに十分なコスト の 増大を招くことになる。フラックスゲート(可飽和鉄心)を用いる方法等他の磁 界検出技術用のシャフト外部品が利用不可能であることにより、新たに考え出さ れた各トルク変換器のために特別な磁界センサを設計することが必要となってい た。 動力測定 シャフト動力測定器具の大部分は速度信号及びトルク信号を展開する明らかに 別個の装置を使用している(例えば、米国特許3978718 号、4064748 号、410079 4 号、4106334 号、4306462 号、4406168 号、4479390 号参照)。速度とトルク が2個の関連する時間間隔の測定結果から求められる場合もあれば、(米国特許 3729989 号、3273386 号、5192382 号参照)、2個の測定結果を求めるために異 なる検出技術を採用しつつ同じケーシング内で両方のセンサを組み合わせた装置 もある(米国特許5323659 号参照)。それにもかかわらず、そのような装置すベ てにおいて、回転シャフトにより伝達される動力を求めるには2個の測定値を乗 算する必要がある。1つの注目すべき例外として、米国特許2365073 号の測定装 置がある。この装置は1個の信号でトルクと速度の両方の情報を供給することの 価値を認識している。しかしながら、初期の装置では偶発的に存在するトルク変 化の固定パターンから速度を求めていた。従って、このような装置ではその適用 が非常に限定されていたであろう。 発明の概要 したがって、本発明の目的は、低コストのソリッドステート磁界センサにとっ て有利であるにもかかわらず上記センサの特徴である静止時出力信号の望ましく ないドリフトの結果によって影響されない回転シャフトとともに使用する非接触 式磁気弾性トルク変換器を提供することである。 本発明の別の目的は、容易に分離可能なシャフトのトルクと速度に関する情報 を含んだ1個の出力信号を供給するともに動力を1個の変換器から求め得る非接 触式磁気弾性トルク変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、伝達された動力に比例する出力信号を供給する非接 触式磁気弾性動力変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、上記出力信号がシャフトの回転によって生成される 非接触式磁気弾性動力変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、ソリッドステート磁界ベクトルセンサを用いた場合 にトルクに比例する出力信号を供給し磁界ベクトルセンサとしてコイルを用いた 場合に動力に比例する出力信号を供給する極性付与されたリング状の非接触式磁 気弾性変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、磁気弾性的に活性のリングと磁界変調器を利用して 、いかなる角度位置でもリングを取り付けたシャフトにより伝達されるトルクに 関して極性及び強さの点でほぼ完全な線形の相似体である周方向に変調された磁 界を生成する非接触式磁気弾性トルク検出装置を提供することである。 本発明の更に別の目的は、測定されるトルクが0のとき本質的に0である量を 検出するよう作動するとともに、測定されるトルクに応じてその方向と大きさと を変える磁気弾性トルク・動力変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、励磁磁界を必要としない磁気弾性トルク・動力変換 器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、円周方向を容易軸(easy axis)とする事実上の1軸 磁気異方性が付与されかつほぼ円周方向に磁気極性が与えられた磁気弾性的に活 性の部分を備えた磁気弾性トルク・動力変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、軸方向に区分され磁気的には連続するが逆向きに極 性付与された2以上の円周領域を有する磁気弾性的に活性の部分を備えた磁気弾 性トルク変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、周辺の磁界に起因する検出磁界の変化を避けるため のシールド構造の必要性を最低限に抑えるかまたはなくす磁気弾性トルク・動力 変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、例えば周辺磁界のような外部磁界源は実質的に検出 されない磁気弾性トルク・動力変換器を提供することである。 本発明の更に別の目的は、事実上の1軸磁気異方性が付与されかつ円周方向に 磁気極性が付与されているとともに加えられたトルクに応じて変化する磁界を生 成する円周方向変換器を回転するトルク部材に対して取り付ける工程と、上記ト ルクによって生成された磁界をシャフトの回転速度を表す周期で変調させる工程 と、回転するトルク部材上のトルクまたはそのトルク部材により伝達される動力 の指標として変換器の磁界出力成分を検出する工程を備え、回転するシャフトに 付与されたトルクまたはシャフトより伝達された動力を測定する非接触式方法を 提供することである。 本発明の更に別の目的は、軸方向で区分され磁気的には連続するが逆向きに極 性付与された2以上の円周領域を有する磁気弾性的に活性のトルク・動力変換器 を製造する方法を提供することである。 上記の諸目的を達成するため、本発明の回転シャフト用トルク・動力検出装置 は、シャフトに加えられたトルクを表す磁界を生成する磁気弾性活性要素と、シ ャフトの回転速度を表す周期で磁界を変調する磁界変調手段と、磁気弾性的に活 性の部分の磁界に反応するホール効果センサやコイル等の磁気センサとを備える 。好ましい実施の形態では、磁気弾性的に活性の部分は、円周方向を容易軸とす る事実上の1軸磁気異方性が付与されかつほぼ円周方向に磁気極性が付与された 材料のリングからなる。このリングは、例えば回転シャフトのようなトルク部材 に取り付けられ、そのシャフトに加えられるトルクは上記リングに伝達される。 同様に、磁界変調手段はリングと磁気的に連続するリング上の位置あるいはシャ フト上の位置に取り付けられる。リング上のトルクは、リングの円周方向の磁気 方向性を偏向させ、円周方向及び軸方向の両成分を有する螺旋状の磁気方向性を 発生させる。上記リングと対向する所定の位置には、磁界ベクトルセンサが設け られており、リング内部の磁化の軸方向成分から発生する変調された磁界に対応 するように方向付けられている。この磁界ベクトルセンサは磁束収束器に取り付 けられてもよい。センサの出力は、シャフトに加えられてリングに伝達されたト ルクにより発生するリング内の磁化の向きの変化に比例し、センサがコイルであ る場合にはシャフトの回転速度に比例する。 本発明の他の実施形態では、磁気弾性的に活性の部分が、軸方向で区分され磁 気的には連続するが逆向きに極性付与された2以上の円周領域を有するトルク検 出装置によって上記の諸目的が達成される。その各領域は物理的に別個のリング で構成されてもよく、1つのリングに複数の領域が形成されてもよい。 図面の簡単な説明 図1は本発明の検出装置を示す組立図である。 図2は本発明の磁界変調器として透磁性の薄片を使用した場合を示す図である 。 図3(a)及び図3(b)は歯付ホイール磁界変調リングを使用した場合と使用しな い場合の本発明の検出装置を示す図である。 図3(c)及び図3(d)は歯付ホイール磁界変調リングの平面図であり、このリン グと磁界ベクトルセンサとの実効空隙を示す。 図4(a)ないし図4(c)は本発明の検出装置で検出された磁界の強さに対するホ モジェナイザと変調リングの影響を示すグラフである。 図5はシャフト上に取り付けられた変換器リングの概略図であり、磁界ベクト ルセンサの様々な取付可能位置を示す。 図6は本発明の検出装置により生成された変動性(交流)成分の周期的な波形 を示すグラフである。 図7は互いに逆向きに極性付与された2つの変換器リングを利用した本亜hつ めいの検出装置を示す組立図である。 図8は1つのリングに交互に逆向きに極性付与された複数の連続する円周領域 を生成する装置とその方法の最初の工程を示す。 図9は図8の方法の次の工程を示す。 図10は図8の方法の更に次の工程を示す。 図11は図8の方法の最終工程を示す。 図12は図8ないし図11の方法によって製造されたリングを示す。 図13は図9の方法及び装置において閉じた電流とリングに沿った位置との関 係を示すグラフである。 図14は変換器リング上の複数の領域に対して同時に極性付与する方法及び装 置を示す。 図15は変換器リング上の複数の領域に対して同時に極性付与する別の方法及 び装置を示す。 図16は変換器リング上の複数の領域に対して同時に極性付与するさらに別の 方法及び装置を示す。 図17はホールセンサの出力信号からトルクと速度の情報を導出し表示する典 型的な電気回路を示す図である。 図18は図17の差動増幅器の出力端子を通して現れる典型的な信号のオシロ グラムである。 図19はホールセンサが急速冷却される場合の出力信号の一時的な変化を記録 した図である。 図20は回転速度の関数としてトルクの3つの固定値における出力信号の誤差 規範(rms)値を示すグラフである。 図21は3つの回転速度値に関して加えられたトルクと出力信号の関係を示す グラフである。 図22はコイルセンサの出力信号からの動力情報を表示する測定回路を示す。 図23は典型的な動力の出力信号のオシログラムである。 図24は出力された動力の3つの固定レベルに関してシャフトの回転速度と動 力の出力信号との関係を示すグラフである。 図25はシャフト回転速度が一定の場合の伝達された動力と動力の出力信号と の関係を示すグラフである。 好ましい実施の形態の詳細な説明 まず図1において、2は本発明にかかるトルク・動力検出装置の第1の実施の 形態を示す。このトルク・動力検出装置2は変換器4と磁界ベクトルセンサ6を 備えている。トルク検出装置2は、機械(図示せず)の一部であり長さ方向の中 心軸10回りに回転するシャフト8上に取り付けられている。トルク12がシャ フト8の一部に加わると、シャフトの他の部分にも伝達され、そこではトルク1 2に起因するシャフト8の動きが何らかの有用な働きを行うようになっている。 トルク12は図のシャフト8の一端側で時計方向に表現されているが、シャフト 8を内蔵する機械の性質次第で時計回り反時計回りのいずれか一方向にも両方向 にもシャフト8を回転させるよう付与され得ることは言うまでもない。 変換器4は後に詳述する多くの方法の一つによりシャフト8に固設されており 、シャフト8上に軸方向または径方向に識別可能な磁気弾性活性領域を発生させ る手段として作用する。実際には、変換器4は通常端面18,20、内周面22 および外周面24を有する円筒状スリーブまたはリングの形状をなし、シャフト 8のねじり応力を受ける領域内の適宜の位置に軸線10に沿って適切に取り付け られることが好ましい。変換器4には、前処理によりあるいはシャフト8への取 付手段に付随する効果として、円周方向を容易軸とする事実上の1軸の磁気異方 性が付与されている。加えて、変換器4は、後にいくつか例示されている何らか の効果的な方法により1円周方向あるいはその逆の円周方向に磁気極性が付与さ れるようになっている。要するに、変換器4は、トルク12が存在しない状態( 静止状態)では、少なくとも軸線10の方向にも径方向にも正味の磁化成分が全 く存在しない程度までほぼ純粋な円周方向14に磁極付与されている。それによ り、本来的に逆円周方向の磁化成分を有していた磁区がほぼない。円周方向の異 方性が適切に優位を占めている状態ならば、磁区の磁化方向はすべて最大限±4 5°の範囲内に存在し、リングの小さな量的範囲内に対称的に配分され、補正さ れていない外部からのいかなる磁束も磁界ベクトルセンサ6に感知されないこと が保証される。変換器4の閉じた円筒形状により完全な回路が実現され、それに より変換器4の極性化の安定度を高めることができる。 変換器4の構成及び処理により、シャフト8へひいては変換器4へねじり応力 が付加されると、変換器4の極性化された磁化が再度方向付けされる。極性化さ れた磁化はねじり応力が増大するにつれてますます螺旋状になる。変換器4の磁 化の螺旋度は伝達されたトルク12の大きさに依存し、キラリティ(対掌度)は 伝達されたトルクの方向性と変換器4の磁気弾性特性に依存する。変換器4のね じれに起因する螺旋状の磁化は円周方向14の円周方向成分と軸線10に沿う軸 方向成分の両成分を有している。特に重要なことは、軸方向成分の大きさが変換 器4のねじれに完全に依存していることである。 変換器4の円周方向に正確には極性付与されていない磁区の磁界の対称性のた めに、そしてその他の磁区の磁化が真に円周方向に配向されているために、静止 状態でトルクが存在しない変換器4の外部の空間には検出可能な磁界はない。実 際には、変換器4が実際に極性付与されたことを認識する間接的な外部手段は存 在しない。トルクを伝達することに伴って変換器4の材料に固有の磁気弾性的相 互作用によって生ずる2軸方向の主要な応力は、各磁区の均衡磁化配向に付加的 な異方性の影響を与え、すべての磁区の事実上の容易軸方向をこれに最も近い主 要応力(正の磁気ひずみを有する材料内では引張応力、負の磁気ひずみを有する 材料内では圧縮応力)の方向に変更する。これにより、磁化の本来の対称性や真 円周方向性がトルクの付与によって破壊され、変換器4の範囲内の磁化に正味の 螺旋性が出現する。この螺旋性は極性付与の唯一の円周方向と結合し、円周方向 成分と軸方向成分の2つの成分に分解可能な磁化をもたらす。上記円周方向成分 は、上述のように変換器4の外部空間における検出可能な磁界の源ではないが、 上記軸方向成分は容易に検出可能である。変換器4は、トルクを受けると、各磁 区の螺旋方向の磁化の量的に平均化された軸方向成分と等しい軸方向の磁化を有 する管状の棒磁石の磁界とは外部からは区別のつかない磁界を発生する。このよ うにして、付加トルクの方向は、(変換器4の材料の実効磁気ひずみの正負(sig n)とともに)等価物である棒磁石の極性を決定し、トルクの大きさは等価物とし ての棒磁石の磁気の強さを決定する。 磁界変調器、例えば図に示すパーマロイあるいはそれに類する磁性的に柔らか い材料から成る歯付ホモジェナイザリング25は、変換器4の一方のあるいは両 方の極性領域18,20に近接して(図では、端面20に近接して)設けられ、 変換器4のシャフト8への取付に関して後に詳述する多数の方法のうちの1つに よってシャフト8、好ましくは変換器4に固定される。ただし、磁界変調器25 はトルク伝達部材ではないことを念頭に置く必要がある。重要なことは、磁界変 調器25が所定の角度位置に固定されることと、シャフト8と一体的に回転する ようにシャフト8または変換器リング4に取り付けられることである。磁界変調 器25は、磁束が最も強い場所である両磁極領域18,20に配置されることが 好ましい。しかしながら、信号の強さが最重要な考慮点ではないなら、磁界変調 器25は両磁極端面18,20の間のどの位置にも配置可能である。歯付リング 25の周面には、図1及び図3で示すギヤ状の歯等の均等間隔で突出する形状が 設けられている。これらの歯はシャフトの回転時に磁界ベクトルセンサ6を通過 する磁束経路のパーミアンスを変調させ、その結果、変換器4の近傍の空間の磁 界が変換器の周囲形状を表す円周方向のパターンによって磁界の強さを変化させ ることになる。磁界変調器の機能はセンサ6を通過する磁束経路のパーミアンス を変調させることであるので、この機能は歯付ホモジェナイザリング25以外の 手段を用いて実現することも可能である。従って、磁界変調器は、シャフトの角 度位置に関係しそれ故シャフトの回転速度を表示可能な周期で、変換器4周囲の トルクにより生成された磁界の別方向の円形の統一性を乱す手段であれば何でも よい。例えば、図2に示すように、磁界変調器は、変換器4が磁気極性を付与さ れた後に変換器4の表面に固着され軸方向に向けられたパーマロイ薄片あるいは それに類する磁性的に柔らかい材料からなる薄片27であってもよい。あるいは 、磁界変調器は、変換器4の端面18,20に隣接して位置する表面の周縁領域 周りに均等に配置されたパーマロイ製のドットを有する円周方向のリングまたは ディスクであってもよい。 付加された所定のトルクにより磁気弾性変換器リング4の磁極領域の所定の範 囲で磁界の強さが円周方向に変化することに対して図3(c)及び図3(d)に示す歯 付ホモジェナイザリング25などの磁界変調器が及ぼす影響に関して、ホモジェ ナイザリングを設けない変換器リング(図4a)の磁界の変化及び平滑な表面の (歯を有さない)ホモジェナイザリングを設けた変換器リング(図3aおよび図 4b)の磁界の変化と比較する。図4aと図4bとの比較により、ホモジェナイ ザリングが存在する場合は磁界の円周方向の統一性が確保されることがわかる。 歯付周面を有する磁界変調リング25の影響を図4(c)に示す。この磁界変調リ ング25では、磁界センサと変調リングとの間の空隙が図3(c)と図3(d)に示す 最大と最小の範囲で変化する。いかなる円の周囲に沿ったいかなる特定点におけ る実際の磁界の強さもトルクによって線形に変化することがわかる。それ故、ト ルクの時計方向あるいは反時計方向にのみ左右される磁界極性は、そのようない かなる円の周囲でも一定である。 磁界ベクトルセンサ6は変換器4の相対位置に対向して配置された磁界ベクト ル検出装置であり、静止状態の円周方向からより勾配の大きいあるいは小さい螺 旋方向へ極性化された磁化が再度方向付けされるとともに磁界変調器25によっ て磁界が変調される結果、変換器4回りの空間に発生する磁界の大きさと極性を 検出するようになっている。磁界ベクトルセンサ6は回転シャフトに付与された トルクの大きさかあるいは回転シャフトにより伝達された動力に応じた信号出力 を発生する。例えば、磁界ベクトルセンサ6はホール効果センサ等の集積回路装 置であり、その出力はシャフトに付与されたトルクを表す。この場合、磁界ベク トルセンサ6は配線16により直流電源に接続されており、配線16は磁界ベク トルセンサ6の信号出力を、シャフト8を内蔵する機械またはシステムの制御回 路やモニター回路等の受信装置(図示せず)に伝達するようになっている。ある いは、磁界ベクトルセンサ6はコイルであり、好ましくは、磁性的に柔らかい材 料のコアに巻回された導電性ワイヤからなるコイルであって、その出力はシャフ トに伝達された動力を表す。 図5に示すように、磁界ベクトルセンサ6は、変換器4の磁極端面18あるい は磁極端面20の近くに位置することが好ましい。それは、変換器4が1方向に 極性付与されている場合に、変換器4からの磁界の方向付けにより、変換器4に 近接する他の領域よりも、変換器4の端面18,20の近傍においてより大きな 磁界の強さが存在するようなるからである。もちろん、信号の強度が最重要考慮 点でない場合には、センサ6を両磁極端面18,20の間に配置してもよい。本 発明の別の実施の形態では、図5に示すように、2個の磁気センサ6,6a(後 者を仮想線で示す)が使用される。両磁気センサ6,6aは、それぞれ変換器4 の端面18,20の近くで、変換器4の相対する端部に配設されている。複数の センサの使用は装置のコストを上昇させることになるが、上記磁気センサ6は、 温度変化、電圧変化及び周辺の磁界の信号に対して共通モードの拒絶作用を行う ために差動的に接続させることができるので、望ましい。あるいは、周辺の磁界 の影響を少なくするため、磁気センサ6を、極めて低い透磁率を有する材料から なるシールド(図示せず)によって覆うように構成しても良い。そのようなシー ルドは、変換器4から磁束を受ける方向以外のすべての方向で磁気センサ6を取 り囲んでもよい。当然ながら、より多数の磁気センサが使用されても良い。例え ば、図5に示す実施の形態では、4個の磁気センサ6,6a,6b,6c(6a ,6b,6cは仮想線で示す)が使用されており、2個の磁気センサが、他の2 個 に対して変換器4を挟んで径方向に正反対の位置に配設されている。 好ましい実施の形態では、磁性的に柔らかい(低保磁力、高透磁率の)材料か らなるヨーク(図示せず)が、1つあるいは複数の磁界センサ6とともに設けら れる。ヨークは磁界ベクトルセンサ6を通過する磁束経路のパーミアンスを高め る手段である。ヨークは、特に、ホール効果集積回路とともに使用される。この 装置は、周波数の低下ととともに上昇する比較的高いノイズレベルを有する傾向 があるからである。したがって、S/N比を高めるためには、低い磁界の強さよ りはむしろ高い磁界の強さを使用する上記の装置を操作することが好ましい。米 国特許5351555 号には様々なタイプのヨーク及びヨークとセンサのレイアウトが 開示されており、その開示を参照することで本明細書に組み込むこととする。 磁気センサ構造 トルク検出装置2を使用するために、磁界ベクトルセンサ6は、ホール効果セ ンサ、磁気抵抗センサ、磁気トランジスタ(「マグニスタ」)センサ、磁気ダイ オードセンサ、MAGFET(磁界効果トランジスタセンサ)等のソリッドステートセ ンサ装置を備えている。これら以外のセンサとしては、Hとともに変化する磁気 特性を有する非線形コア、磁力計、フラックスゲート磁力計がある。 ソリッドステートセンサは、小型で低コストであり、集積されたパッケージ内 で、温度補正、信号調整、電圧調整等の操作機能にとって望ましい電子工学技術 を合体させることができるので、使用に適している。ホール効果センサは、線形 でも極性に敏感でもある理想的な伝達特性を有しているので、特に適用に好まし い。磁界ベクトルセンサ6としての使用に適切な集積回路ホール効果センサには 、アナログデバイス(Analog Devices)社製のModel No.AD22150 、アレグロマイ クロシステムズ(Allegro MicroSystems)社製のModel UGN3503UやModel UGN3506U A などがある。同様に、潜在的に適用可能な装置には、マイクロスイッチ(Micro Switch)社やシーメンス(Siemens)社やウォルフコントロールズ(Wolff Controls) 社で製造されたものがある。 磁界ベクトルセンサ6は、トルクの伝達とともに生じる外部の磁界に対して最 大限の反応を生み出すように位置決めされるとともに方向決めされている。トル クを受けた変換器4の等価物及び軸方向に磁化された棒磁石によれば、最も強い 磁界は、磁極の近傍、すなわち、変換器4の両端面18,20の近くに見出され る。磁界ベクトルセンサ6は、シャフト8の近くに固設され、回転しないように なっている。トルク変換器に最大のトルクを付与する場合はシャフト8などのト ルク部材の回転を必要とするので、磁界ベクトルセンサ6は、シャフト8の回転 時のシャフト8と物理的な接触を避けるために、シャフト8から径方向に離され る必要がある。磁界ベクトルセンサ6の正しい位置及び方向は、その特殊な操作 原理、パッケージの大きさ、磁気の活性領域、及び変換器4の幾何学的磁気的特 性(コーナー部分の鋭さ、径方向の厚み、軸方向の長さ、直径、磁気的には連続 するが逆向きに極性付与された円周領域の数など)や、必要な径方向の空間、及 びその他構造上の詳細部分に依存しているが、1方向に極性付与された変換器4 とともに使用するに当たって磁界ベクトルセンサ6をほぼ最適に設定する位置は 、普通、径方向の磁束を検出するために方向決めされた、端面18,20の一方 から径方向に外側の位置に見出だされる。 磁界ベクトルは変換器4の回りの空間内で方向を変化させる。センサ6、例え ばホール効果装置が1軸の検出軸を有していることが認識できれば、その検出装 置をシャフト軸に対して有利に方向決めすることが可能になる。センサ6が有利 に方向決めされると、変換器4から距離が離れるにつれて減衰する磁界の強さ( H)を、磁界ベクトルの方向が検出軸の方向により近づく程磁界ベクトルに対す る磁界センサ6の感度が上昇することによって補償することができる。言い換え れば、Θがセンサ6の唯一の検出軸と磁界ベクトルとの間の角度であり、センサ 6の出力がHcos Θに比例するならば、変換器の端部から離れるにつれてHが減 少するのと同様にΘも減少する(検出軸と磁界ベクトルの方向が一致するように なる)としても、cos ΘはHの減少を相殺するように増加する。従って、変換器 4とセンサ6との間の径方向の隙間を正確に制御する必要が軽減される。 歴史的に、多くの利点を有するにも関わらず、集積回路シリコンホール効果セ ンサは、トルクに応答する出力信号と大きさが等しい温度上昇に伴う大きな出力 ドリフトを発生させるという欠点がある。本発明の長所の1つは、シャフトの回 転速度に関係する周期で変換器4周囲に生成された磁界の別方向の円形の統一性 を変調させることにより、上記のような磁界センサの静止状態での出力信号の望 ましくないドリフトの発生を避けることができるという点である。従って、本発 明によれば、低コストの集積回路シリコンホール効果センサをその従来からの特 徴である出力のドリフトを気にすることなく使用することができるので、全ての 利点が実現可能な低コストで非接触式の極性付与されたリングから成る磁気弾性 トルク検出装置を提供することができる。以下に記述する分析では、本発明の検 出装置が熱ドリフトやその他のドリフトがない理由を説明する。 シャフト上にトルクTが存在するとき、磁界センサが歯と対向する位置にある 場合の磁界センサの磁界の強さHtは以下の式から求められる。 Ht=ktT (1) ここで、ktはリングに対向する磁界センサ位置だけでなくリングの材料と寸 法にも依存する係数である。従って、ktは特定の変換器構造に関する定数であ る。同様に、図3(d)に示すように、シャフトが回転して磁界センサが空間上方 の中心位置に来る場合には、磁界の強さHsは以下のようになる。 Hs=ksT (2) ここで、ksはktよりも明らかに小さい値であり、同様に変換器構造の特徴 を反映している。磁界センサの上記2つの配置の間で、磁界の強さは、正確な歯 及び空間形状と空間内の磁界強さ測定点の両方によって決定される回転角度のい くつかの関数に従って連続的に変化する。それにもかかわらず、いかなる回転角 度及びいかなる空隙によっても、磁界は変換リングの伝達関数であるトルクの線 形関数に従う。シャフトが連続回転する場合、磁界センサにおける磁界の強さは それぞれトルクの線形関数であるHtとHsの両極値の間で変化する。いかなる 磁界Hにおける磁界センサからの出力信号Voも通常以下の式から求められる。 Vo=QVo+SH (3) ここで、QVoは静止時の出力信号(零磁界のオフセット電圧)、Sはその感 度係数である。従って、出力信号は、磁界センサが歯と対向する位置にある場合 の Vot=QVo+SHt (4) と、磁界センサが空間と対向する位置にある場合の Vos=QVo+SHs (5) との間で変化する。シャフトが回転するとき、出力信号はこれら2つの両極値の 間で周期的に変化する。出力信号の最大変化量ΔVopは、 ΔVop=(QVo+SHt)−(QVo+SHs) =S(Ht−Hs) (6) の関係式においてVotとVosの間の差から求められる。ΔVopはトルクの線形関 数であり、QVoに従属しない。従って、ΔVopは磁界検出装置に特有のQVo の熱ドリフトもその他のドリフトもない。 シャフトの回転に伴うVoの変化に起因する周期波形の整形(shape)がいかな る変換器構造に関しても変わらないことがわかれば、Vo波形の変動性(交流) 成分のいかなる特徴的な振幅の測定、例えば、最高最低振幅、誤差規範、絶対値 の平均等の測定によってもΔVopと線形相関関係にある値を得ることができ、従 って、トルク測定の有効な手段となることがわかる。このことは図6に示されて おり、この図の上方のグラフは、回転角度の関数として、図4(c)に示す処理前 の出力信号を有する磁界強さセンサからの信号の変動性(交流)成分を示してい る。その最大最低振幅はトルクの線形関数である。下方のグラフは上記変動性( 交流)成分の整流化された波形を示している。図中の波線はいかなる所定の波形 整形についてもΔVopによってまさしく変化する全回転中にわたる絶対値平均を 示している。 上記波形の周波数が回転速度に比例し、リングの歯数(全ての変換器において 定数)を単純に回転速度で乗算した値であることも明らかである。従って、磁極 が付与されたリングから検出されたトルク反応磁界の検出部分を空間的に変調さ せることにより、トルクと速度の両方の情報を含む1つの信号を磁界検出装置の ドリフト特性に影響された信号成分を含むことなく得ることができる。 出力信号(Vo)対時間波形の交流成分、すなわち、Voacがその瞬時におい ては単純なシヌソイド関数により表現されると仮定するならば、 Voac=KTsin(nωt) (7) であり、ここで、nは磁界強さ変調リングの歯数、ωはシャフトの角速度である 。その時間導関数は以下のようになる。 dVoac/dt=knTωcos(nωt) (8) リング構造に関する定数であるkとn以外に、式(8)で定義される周期関数 の振幅は積Tωに比例すると認められ、この積はシャフトに伝達されている動力 である。基本正弦波と高調正弦波の和によってより複雑な波形が表現されるので 、これらの成分の導関数の和も同様に動力に比例する振幅を有することになる。 動力に比例する信号を展開するために磁界強さセンサからの出力電圧の時間導関 数を計算する必要はない。シャフトが回転すると、変調器リング近傍の経時変化 磁界が近傍のN回巻きのコイルに周期的な電圧eを発生させ、その電圧はコイル を通る磁束の瞬時変化率に常に比例する。すなわち、 e=Ndφ/dt (ファラデーの法則) (9) である。 シャフトが小さな角度dΘで回転している時の磁束変化dφは、シャフト回転 中に周期的に変化しながらも常にトルクと線形に比例する(磁束密度は磁界の強 さに比例するからである)。したがって、 dφ/dΘ=cT (10) の式が成立する。ここで、cは構造部分の細部と回転角度の両方によって変化す る。角速度はω=dΘ/dtであるので、誘導電圧は以下のように表現される。 e=N(dφ/dΘ)(dΘ/dt)=(NTω)c (11) したがって、コイルに誘導された電圧が回転角度によって周期的に変化する一 方で、その振幅はTω、すなわちシャフトに沿って伝達された動力である。回転 速度を信号の周波数から得るようにしてもよい。注目すべきことは、この単純な 構造を使用すれば、信号がシャフトの回転によって生成されていることから、シ ャフトによって伝達されている動力に比例する信号を得るのにいかなる電力源も 必要としないという点である。 変換器構造 本発明に使用する効果的な変換器4の構造は、変換器4の適確な規格化、適確 な材料選択、適確な適用及び適確な磁気配向を必要とする。変換器構造のこれら 及びその他の特徴は米国特許5351555 号に詳述されており、その開示を参照する ことで本明細書に組み込むこととする。 変換器4は比較的薄い壁厚を有する円筒状あるいはリング状をしていることが 好ましい。その材料の選択は入手可能な材料の特性を変換器への適用の性能要求 と一致させるとともにシャフト8の材料選択とも関連して行うべきである。最適 の実施の形態では、変換器4は、18%ニッケルマルエージ鋼等のニッケルマル エージ鋼から構成されている。それ以外の公知の材料も、適用物の特性次第で変 換器に適用させることができる。選択される材料は、磁区の存在を確保するため に強磁性を有している必要があり、磁化の配向が付与されるトルクに伴う応力に より変更されるように、磁気ひずみ性を有している必要がある。 変換器4は、適切な材料製作工程により、選択された材料から基本的な形状に 製造される。変換器4の製作に続いて、変換器4の材料に所望の円周方向の磁界 方向付けを行うために、2つの工程が実行される。まず、変換器4は、前処理に よりあるいはシャフト8への取付に付随する効果として、円周方向を容易軸とす る事実上の1軸の磁気異方性が付与される。次に、変換器4は、1円周方向ある いはその逆円周方向に極性が付与される。 必要な磁界方向付けを設定する第1の工程は、変換器4の構造に円周方向の静止 磁気異方性を付与するものである。磁気異方性は、変換器4の材料の物理的作業 (加工)によって生成される。磁気異方性のいかなる物理的な発生源も、静止時 の磁区に対して所望の配分で磁界方向付けを行うために、すなわち、異方性が± 45度の範囲内の円周方向であるように、単独であるいは組合せにより使用され る。磁気異方性の一つの発生源として、磁気結晶体、すなわち結晶を利用した異 方性がある。これは、結晶構造を決定する軸と相互に関係する様々な方向の原子 (強磁性原子)の磁気モーメント(スピン)の好適な方向付けに関することであ る。磁気異方性の第2の発生源として、方向上の配列がある。それは、原子部分 の配列、結晶格子欠陥、含有物(除外物)あるいは1方向(または2方向以上だ が全方向ではない)に見い出される他の化学的または構造的特徴に関することで ある。磁気異方性の第3の発生源は、磁気弾性であり、それは、自発性磁気モー メント(強磁性磁気ひずみ)と互いに関連する自発性磁気ひずみを有する材料中 の応力の方向性に関連している。磁気異方性の第4の発生源は、材料形状であり 、それは、材料境界におけるM(軸方向の磁気成分)の発散に関している。特に 、 減磁界は、磁化された本体の磁極から生じ、磁極間の間隔が近い場合に、より甚 だしくなる。球形以外の形状は、他よりも磁化容易な複数の軸を本来的に有して いる。実際には、変換器4の好ましい形状であるリング形状はその円周方向を最 も磁化容易な軸としている。 磁気異方性の上記物理的発生源の内のいずれかあるいはその全てが、変換器4 を構成する際に使用され得る。しかしながら、本発明の好適な実施の形態では、 変換器4が、プレスばめ、圧縮ばめあるいはその他の締まりばめによってシャフ トに組み付けられている。そこでは、変換器4の内径は、接触面でシャフト外径 よりも小さく形成されている。この構成により、変換器4は円周方向の引張力( フープ応力と称する)を受ける。変換器4が正の(positive)磁気ひずみを有する 材料からなっていれば、この引張力は本来的に所望の円状の異方性を備えている 。この方法は、磁気異方性を機械装置の本来の機能として発生させ、変換器4に 磁気異方性を確保させるための前処理工程の必要を省くので、特に有利である。 変換器4への磁気異方性の導入に続いて、変換器4は、変換器4の円周の時計 回りあるいは反時計回りのどちらか所望の方向に極性付与される。変換器4(あ るいはより包括的には、活性要素)への極性付与は、所望の円周方向の十分に広 い磁界に、全ての部分をさらすことを必要とする。極性を付与する磁界に必要な 大きさは、実際には飽和効果の達成により制限される。より広い磁界を使用する ことによって、適切に極性付与された装置の動作が顕著に変化することはない。 変換器4は、磁界に必要な分極効果を起こすため、渦電流を抑止するため、そし て磁界が長期間維持された場合でも何事も起こらないようにするために、十分な 期間磁界にさらされる。 好ましい方法では、変換器は、馬蹄形磁石が設けられたとき、2つの相反する 磁極の近くの磁界で、変換器を回転させることで極性付与される。変換器4の回 転中、磁石は、変換器4に対して径方向の内側へ接近移動する(変換器4は、磁 石の接近中、連続して回転している)。磁石は、その効果を安定させるため、変 換器4が2,3度回転させられた後、変換器4の磁化に影響を及ぼさない程離れ た位置へゆっくりと移動させられる。この方法において磁石により付与された極 性は、磁石の両極の向きに依存し、変換器4の回転方向には依存しない。 円周方向に向かう磁界を発生させる別の方法は、軸方向の電流を使用すること である。例えば、好適な大きな1方向の電流が、変換器4が組み付けられたシャ フト8に直接に通電されてもよい。あるいは、上記のような電流が、変換器4の シャフト8への組み付けよりも以前に、変換器4の中心孔に挿通された同軸の導 体を通じて導入されてもよい。さらに、1方向のみに電流を通過させる導線を変 換器4の内側と外側の回りに螺旋状に巻回して、変換器4の内周面22及び外周 面24の各面に近接する1列の導線を形成してもよい。変換器4の内側と外側と で相反する軸方向に流れる電流は、同じ円周方向へ付加的に磁界を発生させる。 シャフト構造 シャフト8の構造は、シャフト8が検出装置2の作動を妨げないという点で重 要である。シャフト構造に関しては米国特許5351555 に詳細に開示されており、 その開示を参照することで本明細書に組み込むこととする。 トルクから発生している可能なかぎり多くの軸方向の磁束を導いて磁界変調器 25および磁界ベクトルセンサ6に通すことは、センサの感度のために有利であ る。シャフト8、磁界変調器25及び変換器4は、全ての平行な経路のパーミア ンスを最小限にする一方で、センサ及び磁界変調器を通過する閉じた磁束経路の パーミアンスを最大限にするために、ともに働くように設定されている。従って 、変換器4の両端面18,20及び磁界変調器25に軸方向または径方向に近接 して高透磁率の材料を設けないようにすることが重要である。一般に、シャフト 8の透磁性を有する材料は、変換器4に磁気経路を作り出させないようになって いる。この制限は、いくつかの方法で実現可能である。図1に示すように、好ま しい実施の形態では、シャフト8は、低透磁率の(すなわち常磁性の)材料で構 成されており、変換器4は、シャフト8に直接に取り付けられている。別の実施 の形態では、シャフト8は強磁性であり、低透磁率のスペーサがシャフト8と変 換器4との間に設けられている。さらに別の実施の形態では、シャフト8は、変 換器4の近接位置にある領域が実質的により小径に形成されており、あるいは、 シャフト8は、その領域内で完全に切りとられている。このどちらの場合でも、 低 透磁率の材料からなる接続スリーブがシャフト8の切り取りによって形成された 隙間を掛け渡すようにして設けられている。変換器4は、接続スリーブの上に取 り付けられている。 検出装置2を適切に作動させるためには、その構成部品のいかなる部品境界面 間においてもすベり状態でないことが必要である。各組立ユニットは、定格トル クの全てのレンジに亘って一体物として働かねばならない。すなわち、変換器4 は、その部品境界面の表面剪断ひずみが、両境界面間で同じになるように、すな わち、滑らない状態であるように、トルク部材に取り付けられている。変換器4 を含むいかなる断面部分においてもシャフト8内に非弾性ひずみが存在しないこ とは、幾分目立たないが重要な要件である。従って、トルクの伝達に伴う全ての ひずみが、トルクが収まったときには完全に回復可能でなければならない。たと えいかなる規模であってもすべりが発生すれば、変換器4内の応力はシャフトに 加えられたトルクを表現しない。 変換器のシャフトへの取付け すでに述べたように、変換器4と下方のシャフトとは、一つの機械ユニットと して働くようになっている。変換器4をシャフト8に直接あるいは間接に堅く取 り付けることは、変換器4の正確な作動にとって極めて重要である。この要件を 満たすため、原則的に、変換器4はその両端部で取り付けられる必要がある。変 換器・シャフト取り付けの詳細及び適切な取り付けを実現する様々な方法は米国 特許5351555 号に詳細に開示されており、その開示を参照することで本明細書に 組み込むこととする。 取付方法は、シャフトに沿ったトルク伝達のための力配分点に従って分類される 。力配分点は、突出により配分される(範囲毎に)かあるいは分散により配分さ れる。 突出による力配分は、変換器4の多角形状または楕円形状の孔と嵌合する非円 形のシャフト等、相互に嵌め合う外形を有する変換器4及びシャフト8に噛合表 面を設けることにより達成される。噛合する内外周面のスプライン、凸部、ある いは歯が、変換器4の内周面22に刻設され、シャフト8に刻設された同様の構 造と噛合するように構成されてもよい。歯が変換器4の両端面18,20に刻設 され、それと噛合する歯がシャフト8の2か所の部分の端部にも刻設されている とともに、軸方向突出部がシャフトの上記部分に設けられて変換器4の中心孔と 嵌合するようになっており、変換器4がシャフト8の上記2か所の部分に組み付 けられる際、シャフト8の歯が変換器4の歯と噛合してシャフト8と変換器4と を不動の位置で相対的に回転可能にするように構成されてもよい。他の実施の形 態では、キー、ピン、止めネジ等が使用されるが、これらの締結方法は、堅固な 構造を要求する適用物にはあまり好ましくない。 力の配分による伝達は、シャフト8に対する変換器4の摩擦あるいは接着結合 により行われる。結合部は、伝達されるのと同じ剪断応力を受ける。この結合は 、最大測定可能トルクを、シャフト8単独であるいは変換器4単独で扱われるよ りは低い量に限定する。しかし、前に述べたような理由で利点がある。プレスば めあるいは圧縮ばめが使用され、好ましい円形状異方性を得ることができるとと もに、実用上の問題としてシャフト8上の予想されるトルクによって壊れること のない充分に大きなグリップ力を備えることができる。クリーンでガスぬきされ た(そして脱酸化された)表面を有しているので、有効な摩擦係数がいつまでも 発生し得る。また、多少は溶接のように作用することができる。嫌気性の接着剤 を使用することもできる。この接着剤は、硬化した状態で微視的な隙間の中まで 浸透することにより、堅い嵌合をさらに堅くすることができるようになっている 。温度及び環境条件が接着剤の使用を妨げない場合は、接着剤を、変換器4ある いはその結合部のどちらの断面積と比較しても接着面積が大きくなるような変換 器4構成で使用することも可能である。このことは、変換器4を前述のような層 間接着剤を使用して螺旋状に巻かれた薄片から製作することによって実現される 。 変換器リングが締りばめに伴う摩擦によりシャフトに取り付けられる場合には 、リングの端縁まで均一な締結状態をもたらすことは難しい。すなわち、内周面 の面取りすなわちアール、工具マーク、刻み目等がシャフトからリングの端縁に おける円周上の全ての部分に至るまでトルクを均一に伝達することを妨げている 。上記幾何学上の不完全性に伴う局部応力や局部応力の勾配は、所定のトルクに より生成された磁界の円周方向の変化と全くトルクが付加されていない真のゼロ 磁 界からの円周方向に変化可能な逸脱とによって現れる。リング端部を幾何学的に 完全にしようとするよりは、各リング端部に軸方向に小範囲の非応力区域を設け ることによって上記「端部効果」の問題を回避するほうがより現実的である。こ れらの区域の軸方向長さを、変換器リングのどちらの端面に関しても、リングと シャフト間の最初の安定接触点の円周方向の位置変化に比べて大きくすることに より、これら非応力区域が局部的な磁界の変化を平均化するのに役立つ。このこ とを実現するいくつかの方法としては、リング端部との接触を避けるためシャフ トを削り取る方法、シャフトとの接触を避けるためリング自体の端部内面が削る 方法、リング端部のトルクに伴う応力を減衰させるためトルク端部を外側に膨出 させる方法、および、高透磁率、低磁気ひずみの(従って応力の影響がない)材 料をリング端部に付加して端部効果を均一化する方法がある。 拡散による力の配分は、溶接あるいはブレージングにより行われる。溶接は、 変換器4の両端部に対して、あるいは貫通孔を通して行われる。スポット溶接、 連続ライン(シーム)溶接、あるいは変換器4領域の一部または全部に亘る溶接 (鍛接)も使用され得る。変換器4は、型内でシャフト回りに成形されてもよい し、スプレー溶接(溶融状態)されても良いし、爆発溶接、電気メッキ、イオン 注入による接続、あるいはその他のシャフト表面の表面変形などによっても成形 可能であり、それにより、変換器が直接または間接にシャフト表面に取り付けら れ、あるいはシャフト表面の一部を形成する。これらの方法の組み合わせも可能 であり、特定の適用にのみ適合可能であってもよい。 従って、本発明は、回転するシャフト上のトルクまたは動力を検出する改良方 法を提供する。本発明の方法の好ましい一実施の形態の第1工程は、本発明にか かる変換器4が組み立てられ、前述の方法の1つにより、機械のシャフト8の周 面に取り付けられる。取り付け作業前か取り付け作業中に、変換器4は、必要な 異方性の磁気特性が付与され、異方性の磁気特性付与前か付与後のいつでも、極 性付与される。歯付リング25等の磁界変調器が変換器4の周面に取り付けられ るかあるいはシャフト8周面に変換器4と磁気的に連続して取り付けられる。そ の後、シャフト8と磁界変調器25と変換器4からなるユニットが機械に装着さ れる。本発明にかかる磁界ベクトルセンサ6は、変換器4に近接して設けられ、 変調され応力が誘発された変換器4の磁界を受け入れるように方向決めされる。 機械の作動時には、磁界ベクトルセンサ6は、シャフト8上のトルクまたは動力 を線形に表示する信号を発し、その信号は、磁界ベクトルセンサ6に接続された フィードバック制御回路や他のモニター回路によってモニターされるようになっ ている。磁界ベクトルセンサ6がホール効果センサ等のソリッドステート検出装 置である場合は、出力信号はシャフト8上のトルクを線形に表し、そのような磁 界センサの一般的な特徴である静止状態の出力信号のドリフトに依存しない。磁 界ベクトルセンサがコイルである場合は、シャフト8の回転により生成された出 力信号はシャフト8により伝達される動力を線形に表す。 以上の述べたことからわかるように、円周方向に極性付与された磁気ひずみ材 料の薄いリングにより生成された磁界は、リング内のねじり応力のほぼ完全な線 形類似物である。そのようなリングがシャフトに取り付けられた場合、シャフト により伝達されるトルクあるいは動力を測定するためには、リングに近い空間の 磁界を測定するだけでよい。容易に入手可能な低コストの磁界検出装置の特徴で ある温度上昇に伴う出力ドリフトと無関係であるとともに、装置外部に磁化発生 源を必要としないので、工業用のトルク変換器に対しても自動車用のトルク変換 器に対しても動力変換器に対してもこの簡単な構成の適用を促進することができ る。にもかかわらず、適用によっては、周辺磁界中にある変換器ユニットの向き を地上等から変更したり、電気モータや磁化された機械部品への距離を変更する ことにより発生する検出磁界の変化がトルクまたは動力表示の精度を損なう。従 って、既に指摘したように、本発明の変換器の実際の実施形態では、全体的にサ イズを拡大したシールド構造か、大幅な複雑化を伴う積極的な補償方法かのどち らかを採用する必要があるかもしれない。本発明の別の実施の形態では、検出磁 界に及ぼす外部磁化発生源の影響を削減するため、対称性のみに依存する上記基 本的な変換器構造の変形例を開示する。 図5の構成では、径方向の磁界を検出するよう方向決めされた磁界センサ6が 変換器4の一端の近くに配置されているのがわかる。一般的な実用例では、第2 の(同一の)センサがリング他端の径方向反対側位置(センサ6b)または対称 的位置(センサ6a)に配置される。どちらの場合においても、第2のセンサは 第1のセンサ6と同じ平面上に位置し同様に方向決めされているので、変換器リ ング4により生成された磁束はこのセンサと第1のセンサ6を互いに逆方向に通 過する。一方、周囲の磁界は通常離れた位置の発生源から発生し、従って両磁界 センサ位置間で同じ方向とほぼ等しい強度を有するよう十分に低い勾配を有して いる。さらに、外部発生源からの径方向の磁界が異方性磁界に比べて小さい限り は、径方向の磁界がリングの磁化の方向や配向を変えることはない。従って、既 に述べたように、この構成の場合、2個のセンサ間の出力信号の差は、最大でも 、リング自体により生成された磁界のみによるものである。 径方向の磁界を感知しない一方で、リング内の磁化の配向は軸方向の磁界(H a)の影響を受けやすい。トルクと軸方向の磁界が検出磁界に及ぼす影響自体は 認識不可能であるが、それぞれが円形状の磁界の方向に及ぼす影響が異なる依存 性を示すことにより、それらを分離する手段がもたらされることがわかった。 図7は検出磁界の軸方向磁界に対するいかなる依存性も効果的に除去するため に2個の互いに逆極性のリング104,105を利用したトルク・動力検出装置 構造100を示す。この構造では、変換器リング104,105がシャフト10 8上に取り付けられており、磁界変調リング107a、107b,107cが、 各変換器リング104,105上の両端面とそれら変換器の隣接面とに磁界強さ が最大になる位置でそれぞれ取り付けられている。複数の磁界変調リングを使用 する場合は、磁界変調の振幅をできる限り最大にするようにリング上の歯が円周 方向に配置されていることが重要である。そのためには、変調リングが互いに滑 らないような角度位置で固定される必要がある。磁界変調リング107a、10 7b,107cは非磁性の間隔設定リング(仮想線で図示)を任意に使用して所 定位置に適宜に保持されてもよい。中央の変調リング107bの両側で変換器リ ングの上面に近接してそれぞれ磁界ベクトルセンサ106が取り付けられている 。特に、磁界センサとしてコイルを使用する場合は、信号の強さを改善するため に、各変調リングの各歯に一つの検出コイルが近接するとともにシャフトの軸線 に垂直な平面上にコイルを円形に配置することが望ましい。変換器リング104 ,105は突き合わせ状態で示されているが、物理的に隣接している必要はない 。リング104,105は個々に発生した磁界が同じ磁界センサによって検出可 能な 程度に近ければそれで十分である。このような構造であれば、リングが磁気的に 連続していると言うことができる。 互いに反対の極性が付与されたリングが磁気的に連続しているこのトルク・動 力検出装置100の構造では、上記リングの隣接面の全検出磁界がシャフトに付 与されたトルクにのみ依存し軸方向の磁界に依存しない。さらに、2個の磁界セ ンサを使用することにより、径方向の磁界からの変換器の出力信号を独立させる ことができる。外部磁界発生源からの任意の磁界は径方向成分と軸方向成分の両 方を有しているかも知れないので、この2個のリング構造により、全ての外部か らの磁界からほぼ独立した出力信号を発生させることができる。軸方向に区分さ れ磁気的には連続するが交互に逆方向に極性付与された複数の円周領域を有する 磁気弾性トルク検出装置の構造とその構成の仕方は1994年6月2日出願の係 属中の米国特許出願08/253022 号にさらに詳しく開示されており、その開示を参 照することにより本明細書に組み込むこととする。 周辺磁界からの独立性は磁界センサの出力信号内の「磁気ノイズ」を大幅に減 少させ、効果でかさばるシールドの必要性を減ずるかあるいはなくすることがで きる。2個のリング構造に伴うS/N比の増加は信号の磁界が比較的弱い自動車 のパワーステアリングへの適用にとって大きな意味をもつ。磁気ノイズが十分に 低ければ、磁界センサの電気出力信号を電気的に増幅して所望のいかなる有効感 度も実現することができる。これと全く同じ効果が、両リングの磁気ひずみがそ れぞれ逆の極性を有している場合に両リングを同じ円周方向に極性化することで 実現することができる。しかしながら、磁気特性と機械特性の適切な組合せを有 する材料が非常に限られているので、上記の可能性は商業的には実現の見込みは ない。 2個の互いに逆極性の磁気的に連続するリングにより、周辺の磁界が表示トル クに及ぼす影響が低減され得るだけでなく、その成果を、物理的には離れている が機能的には協調する円周方向のリングがいかなる数設置されても達成すること ができる。加えて、2個の分離したリングの代わりに、交互に逆方向に磁化され 軸方向に異なる2つ以上の円周領域に区分され、各隣り合う対の円周領域がそれ ぞれ磁壁で分離されねじり応力を受けた時近接空間で生成した磁界によって区別 される構成の1個のリングを設けることができることもわかった。それら領域は 突き合わせられていてもよいし、両領域間に別の非極性化円周領域を置いて軸方 向に分離してもよい。両領域は物理的に異なる領域であってもそうでなくてもよ い。また、そのそれぞれの軸方向配置や磁化の状態を測定するために、ねじり応 力以外の非破壊的方法が使用されてもよい。 変換器リングが締まりばめによってシャフトに取り付けられようと、摩擦係数 に依存しない堅固な接続を得るために、リング両端をシャフトのぎざぎざ面上に スエージングする等の既に述べた方法で取り付けられようと、ピン、キー等の他 の機械的取付手段を用いようと、あるいは溶接により取り付けられようとも、問 題なのは、リングのねじり応力が取付領域で不均一になるという点である。それ 故、リングの軸方向の全ての範囲が極性付与された場合、「磁極」の強さは円周 方向で不均一になる。 このような厄介な影響は、極性付与されるべき領域を、取り付けに伴う応力集 中を感知しない程度に取付部から離れた位置のリング部分に限定することで低減 される。例えば、トルク検出装置がシャフト上に取り付けられた1個の変換器リ ングを備え、この変換器リングが局部的に配置され軸方向に区分された交互に逆 極性の複数の円周領域と、極性付与されていない端部円周領域とを備えており、 この端部領域になんらかの手段で取付領域が設けられるよう構成されてもよい。 互いに逆極性の円周領域は必ずしもシャフト上に、例えば、変換器リングのシ ャフト表面への取り付けによって、配置される必要はない。その代わりに、シャ フト表面の一部として構成することもできる。この局部極性付与の考えは、極性 付与領域を2つ設定することに限定されるものではなく、2つより多いまたは少 ない(例えば、1つ、3つ、4つの)極性付与領域を有するトルク検出装置を構 成する場合に利用されてもよい。同様に、この考えは、個別の片からなる複数の リングにも、多数の領域が形成される1個のリングにも、シャフト表面上にある いはその一部を形成する磁気弾性活性領域を設けるための既述のいかなる方法に も適用可能である。 この接続形態において、シャフト表面の「上」という表現は、シャフトのいか なる表面、特に管状シャフトの内径面も含む。例えば、ニッケル、高ニッケル合 金、多くのフェライト等の負の磁気ひずみ性を有する変換器リングが、管状シャ フトの開口内に押入されてシャフト内径面と締まりばめを形成し、それによりそ のような逆構成から発生するフープ応力がリングに所望の円形異方性を実現する よう構成されてもよい。その場合、磁界変調器も同様に取り付けられ、磁界セン サは中空リング内で磁極が形成されるどの場所でも突出するように取り付けられ ることになる。このような構成はシャフト端部近傍に取り付けられたプーリ(あ るいはスプロケットやギヤ)に対してあるいはそこから伝達されたトルクの測定 を容易にし、例えば、モータのシャフトの端部で有利に適用される。 図7に示すように、軸方向に区分され磁気的に連続する相互に逆極性の2つの 円周領域が設けられる場合、磁界変調器の好ましい設置個所は磁束が最も強い部 分であり、従って、1個の変調リングのみが使用される場合は、2つの逆極性領 域間の磁壁かあるいは両領域の隣接面である。さらには、図7に示すように、3 つの変調リングが使用される場合、さらに2つの変調リングを領域の自由端に配 置することがより望ましい。この構成により、変調リングが逆極性領域の自由端 と隣接端との間により効果的に磁束の塊を生成することができる。自由端のみに 変調リングを配置すれば、自由端では磁束が隣接端ほど強くなく自由端の磁界が 周辺磁界の影響から無関係ではないので、それほど有利な構成となり得ない。磁 界センサは2つの逆極性領域間の磁壁の両側かあるいは両領域の隣接面の両側に 配置することが好ましい。しかしながら、多くの場合、磁界センサを正確に配置 したり磁壁の正確な位置を特定することは困難である。適用によっては、軸受け の遊びや熱膨張等によりシャフトが軸方向に移動して、細心の注意を払って位置 調整した磁界センサでさえだめにしてしまうことがある。3つ以上の極性付与領 域を使用すれば、シャフト・リングユニットおよび検出装置ユニットの位置調整 に必要とされる精度を低減させ得ることがわかった。 種々の磁区に極性を付与する方法に話を戻せば、別々の変換器リングが各磁区 に使われる場合、各変換器リングがシャフト上に組み付けられる前に極性付与さ れてもよいことがわかる。この「前極性付与」は既に教示された方法のいずれを 使っても行うことができる。2つ以上の局所的な極性付与領域が1個のリング( シャフト自体から独立していようと機能的にそれと等しいシャフト自体の帯状 部であろうと)に導入される場合は、上記すべての方法が実行可能であるとは限 らない。極性付与方法の選択は多くの要因によって決められる。例えば、それは 、リングがシャフトに既に組み付けられているかどうか、リングとシャフトの物 理的なサイズ、1個のトルク変換器が作られるのかあるいは多くの変換器が大量 生産されるのか等である。方法の具体的な選択が何であろうと、いかなる円周領 域に極性を付与するにも2つの一般的なモードがある。すなわち、同時に行うか 順番に行うかである。 同時に円周部分全体を極性化するには、シャフト自体かあるいはリングに通さ れた同軸の導体を通じて電流を流すことによって実現される。この方法により多 数の逆極性化された隣接する円周領域がどのようにしてリングに生成されるかの 一例を図8、図9、図10および図11に示し、さらに以下に説明する。図8に 示すように、導電性容器170がその容器170中の導電性の液体176と導体 172および直流電源174を介して電気接続されている。導体172は、最初 、導電性の液体176と接触しないように支持されたリング178を同軸方向に 通過させる。直流電源174の極性が図示の通りに配置されていれば、導体17 2を通過する電気の流れに基づいて、リングの軸方向の全長が(+で示される) 最初の方向で極性化される。図9で示される第2の工程では、リング178が円 周位置Aまで導電性の液体176に浸漬され、直流電源174の極性が反転され 、電流のパルスが導体172と、導電性の液体176とリング178の導電性の 液体に浸漬されていない部分の中央を通って流れるようになっている。このよう にして、リング178の電流が流れている部分、すなわち、リング178の導電 性の液体176に浸漬されなかった部分の極性が反転される(−で図示)。図1 0に示すように、第3の工程では、リング178が円周位置Bまでさらに導電性 の液体176に浸される。直流電源174の極性は再び反転させられ、再度電流 がリングの導電性の液体に浸漬されなかった部分の中央に流され、(+で表示さ れた)非浸漬部分の極性を再度反転させる。図11に示すように、最終工程では 、リング178が円周位置Cまでさらに導電性の液体に浸漬される。直流電源1 74の極性は再び反転され、再び電流がリングの非浸漬部分を通って流れそれら (−で表示された)部分の極性を反転させる。結果として生じる極性化されたリ ング178は、図12に示すように、軸方向に区別され逆極性化された4つの隣 接円周領域を備え、それらは磁壁A、B、Cで分離されている。 同様にして、所望の数の逆極性化された円周領域をリング178に形成しても よい。いずれかの領域間にあるいはリング端部に非極性付与帯を設けることが望 ましい場合、これらは、リングの非浸漬部分を「非極性化」するため、図8ない し図11のいずれかと同様にリングを位置決めし減衰された交流電流を導体17 2に通すことによって形成可能である。 導電性の液体は水銀、溶けたウッド合金等であってもよいし、必ずしも実際の 液体でなくてもよい。どちらかと言うと、それは、例えば、銅、アルミニウム、 黒鉛等の細かく分けられた導電性の固体の流体化された層であってもよい。シャ フトが不都合に長くない場合は、上記の方法はシャフトにすでに組み付けられた リングに多数の領域を作るために使用することができる。液体の代わりに、リン グを取り囲みリングのほぼ全周にわたって良好な電気接点を形成するばねフィン ガーを備えた導電性の管に浸漬してもよい。この意図は、もちろん、導通された 電流がそれ以上の極性付与が望ましくない部分でリング内に(同軸方向に)流れ ることを妨げることである。一度電流がリングがもはや最も外側の導体ではない 領域に入ると、電流は径方向に広がり導電性の全区域に拡散する。リング内のい かなる区域に作用する磁界も閉ざされた軸方向電流に直接比例している。(H= 0.21/r、ただし、Hはエールステッドを単位とする磁界、Iはアンペア単 位の閉ざされた電流、rはセンチメートル単位の半径である。)図9に示す条件 において閉じた電流とリングに沿った位置との関係を示す図13のグラフについ て考察する。「A」以下の短い距離を有する閉じた電流に起因する磁界は、リン グ材料の強制的な力より小さくなり、それによりリングの(浸漬された)部分の 磁化を反転させることは不可能である。 円周部分全体に順番に極性を付与するにはリングの回転が必要である。一方、 各領域(あるいはその一部)への極性付与は必要な極性を有するローカルな磁界 に任せられる。領域の1つ、若干数、あるいはすべてに対してこの方法で同時に 極性付与することが可能である。図14、図15及び図16に示すように、電流 あるいは永久磁石をローカルな磁界の発生源として使用することが可能である。 図14に示すように、リング180はシャフト182上に上述のいかなる方法 でも取り付けられる。導体184は、リング領域BCに隣接した部分に対してリン グ領域ABおよびCDに隣接した両部分で電流が逆方向に流れるように、リング18 0に隣接する任意のヨーク186内に配置される。このようにして、リング18 0とシャフト182が1方向で回転させられると、リング領域 BC とは逆極性の 磁界がリング領域ABおよびCDで発生する。数回の回転の後、隣接した領域は逆方 向に極性化される。永久磁石190、192、194がリング領域AB、BC、CDに それぞれ隣接して配置された図15の構成においても同じ結果が達成される。磁 石190と194の極性が同一で磁石192の極性と逆に設定されているので、 リング180およびシャフト182が1方向に回転させられ磁石が同時に後退さ せられたとき(あるいは両磁極を横切ってキーパーが挿通されたとき)、リング 領域AB、CDがリング領域 BC と逆極性になる。リング200がシャフト202上 に取り付けられ磁石204、206がリング領域AB、BCと隣接するリング200 の径方向対向面にそれぞれ配置された図16の構成においても類似の結果が達成 される。いかなる数の領域もリングに沿って形成可能であるが、簡単に記述する ために、2つの領域のみがリング200に関しては表現されている。磁石204 と206の極性は同様に設定される。しかしながら、リング200の対向面の上 にそれらがそれぞれ位置するため、リング200とシャフト202が1方向で回 転させられ磁石が同時に後退させられる(あるいは両磁極を横切るキーパーが挿 通される)と、両リング領域AB、BCが互いに逆極性になる。 実験結果 本発明のトルク・動力検出装置の長所は実験によって証明されている。トルク ・動力検出装置を構成し、ホール効果センサとコイル型磁界センサの両方を用い てトルクと回転速度の様々な条件の下でテストした。303ステンレス鋼製の2 03mm長のシャフトと18%ニッケルマルエージ鋼製の17.5mm長の変換 リングに対してリングの孔内でシャフトの嵌合面の中央に嵌合テーパ部を設け、 調整された締まりばめを有するユニットの実現を容易にした。このとき、リング をステンレス鋼シャフトに手で可能な限り締めた後に5mmだけ軸方向に押し込 んだ。その結果、境界面の接触圧がリングとシャフトに対して機械ユニットとし て作用するのに十分な摩擦を与えるとともに、リング内の引張りフープ応力が円 周方向に磁気の緩やかな軸線を形成した。リングは物理的には1片からなるもの であったが、軸方向の各半分に互いに逆円周方向の極性を付与することによって 磁気的に区別される2つの領域A,Bに実質的に分割された。これら両領域に対 して同時に極性を付与することは、互いに逆極性の電磁石の組立ユニットのそば を通り過ぎて回転させることによって行われた。この2領域構成はこの証明実験 において使用した動力計により生成された比較的強い(最大レベルのトルクで1 0エールステッドを越える)磁界からのやっかいな影響を避けるために選択され た。 図3(c)及び図3(d)に示すように、78パーマロイ製で1100℃で1時間水 素中で熱処理された3個の変調器リングを、磁気活性リングの両端に各1個と中 央部に1個軽いプレスばめで固定した。円周方向に位置合わせされた変調器リン グを、変換器リング上に密着するステンレス鋼製の間隔設定リングを用いて精確 に位置決めするとともにシャフト軸線に対して直角に維持した。組み立てられた 変換器の磁界生成部分を図7に示す。 この図の各領域A,Bは実質的に個別の磁界生成領域を備えている。変換器リ ングがトルクが付与された時に互いに逆極性の2つの領域に分極されるので、端 部変調器リングと中央変調器リングとの間の2つの軸方向空間に互いに逆向きの 磁界が発生する。実験装置のフレームに取り付けられた2つの磁界センサを図7 に示す上記両軸方向空間に挿通した。これら両空間の差動磁界を検出する上記セ ンサを接続して各空間内で同一方向を有する他の発生源から生成された磁界(例 えば、動力計からの磁界)の影響を排除した。 シャフトを、その伝達される動力が水冷式渦電流動力計(ボルジ・アンド・サ ヴリ(Borhgi & Saveri)社のModel FA 100/30 SL)に吸収される状態で、定格1 .5馬力、2300rpmの交流分巻モータによって駆動した。動力計容器に展 開された反応トルクを、測定対象のレバーアームにかかる重量で目盛り設定した ロードセル(インターフェイス(Interface)社のModel SSM 500 )で測定した。 回転速度を、磁気近接センサを通過する歯数60の鋼製ギヤの歯により1秒あた りに生成される電気パルス(すなわち、ヘルツ)のカウントを表示するデジタル 周 波数計を用いて1秒あたり回転数(rpm)の形で直接表示した。小さな回路板 上に搭載された、2個のホール効果集積回路磁界センサ(アレグロ(Allegro)社 の3506 UA タイプ)あるいは後述の2個のコイルを使用して生成された磁界を検 出した。 ホール効果センサの出力信号からトルクと速度の情報を取り出し別々に表示す るために使用する電気回路を図17に概略的に示す。差動増幅器(DA)の出力 端子に現れる一般的な信号(図17のVo)の(交流)オシログラムを図18に 示す。この図から、検出磁界の大きさを周期的に変化させるのに変調器リングが 有効であることが明らかである。1つの歯に対向する検出磁界を示す比較的平坦 で引き延ばされたピーク値は、より細い歯とより広い歯間空間を有する変調器リ ングを使用すれば同じトルクでより大きな最高最低振幅を有する信号が得られる ことを示している。 図19に記録したグラフは、固定のトルクと回転速度の条件下で、最初に1個 のホール効果センサが次に他方のホール効果センサが液冷媒(クロロヂフオロメ タン)を瞬間的に吹き付けることで急速に冷却された時のVoの過渡的な変化を 示したものである。この記録に見られるVoの劇的な変化は冷媒を吹き付けられ たセンサのQVo値の熱ドリフトの結果生じたものである。そのような急激な熱 勾配がいかなる実際の適用においても存在することは好ましくないことではある が、定格の温度範囲にわたる1個のホール効果センサのQVoの変化の許容値は 定格トルクの下で変換リングにより生成された磁界の強さと同程度である。他方 、名目上の磁界強さの変化(式(3)ないし(6)のS)が1℃あたり0.02 %に設定されているので、Sの個々の変化は予想ではVoに対してはるかに小さ な(必要に応じてより穏やかに補償された)影響しか及ぼさないと思われる。最 も驚くべき点は、図19に示す記録周期全体を通してピーク値とピーク値との間 の信号(濃い帯状部の上辺と下辺)に目に見える変化がないことである。そのこ とは、熱ドリフト傾向にもかかわらず、磁界変調の振幅を単に分けるだけでトル クの信頼できる測定手段を実現できるというホール効果センサの利用可能性を実 証している。 図20には、トルクの3つの固定値において出力信号の誤差規範値(rms) を測定した結果を回転速度に対してグラフ化している。説明可能な測定誤差があ ると仮定した上で、出力信号がほぼ一定であることは注目に値することであり、 出力信号がシャフトの速度とトルクの広い範囲にわたってシャフトトルクのほぼ 完全な相似体であることを示している。 図21に示されたデータはトルクの増大とともに出力信号が線形に変化するこ とを示している。零トルク時に存在すると思われる小さな信号は回路ノイズとド ラッグトルクの両方を示す。説明可能な測定誤差があることを条件にすれば、こ のグラフは出力信号がシャフト速度に関係なくシャフトのトルクを示すことを説 明する高精度の線形相関関係図である。 磁界センサとしてホール効果素子の代わりに2個の小さなコイルを用いて動力の 測定を行った。各コイルのコアをパーマロイの粉末とエポキシの混合物とから形 成した。コイルの巻きをポリナイロンで絶縁された米国ワイヤゲージ40番のワ イヤで1000回行った。図22からわかるように、測定回路を電圧計と直列接 続のコイルとで構成した。信号がコイルに直接生成されたので、デジタル電圧計 に含まれるもの以外はいかなる電子回路も必要としなかった。 図23は一般的な出力信号のオシログラムである。式(9)の時間導関数から 推測されるように、波形整形が図18に示す(反転された)波形の時間導関数で あることがわかる。図23に示す波の周期は変調器リングの連続する歯が通過す る間の時間であるので、6つのそのような周期はシャフトの1回転間の時間を表 している。従って、図23はシャフトが18マイクロ秒(ms)間に1回回転す ること、すなわち1秒間に3300回回転することを示している。 図24は3つの固定レベルの伝達動力において広い速度範囲にわたって出力信 号が比較的一定であることを示している。これらのデータ群の平坦度が不完全で あることは説明可能な測定誤差を反映したものである。図25にグラフ化された データは一定速度での伝達動力の増加に伴う出力信号の線形の変化を示すもので あり、式(11)で述べたように、シールドされていない実験上の変換器を使用 してもほぼ実現可能であることを示している。 請求の範囲 1.軸方向に延びる軸線回りに回転するトルク部材により伝達された動力を示す 出力信号を供給する磁気弾性動力検出装置であって、 上記トルク部材に加えられたトルクが比例的に伝達されるようトルク部材の 表面の一部に直接または間接に取り付けられたあるいは上記トルク部材の表面の 一部を形成する強磁性磁気ひずみ性変換手段を有し、円周方向1軸磁気異方性を有する とともに円周方向に磁気極性が付与されていることによりトルクが上記 部材に加えられたときトルクに伴って変化する磁界を生成する磁気弾性活性要素 と、 上記トルク部材の回転速度に対応する周期で磁界を変調する磁性的に柔らか い材料からなり、上記トルク部材と一体に回転するよう支持された磁界変調手段 と、 上記磁気弾性活性要素に近接しかつこれに対向する位置に設けられ、上記変 調された磁界の経時変化率の変化の振幅を検出してこの振幅に対応する動力表示 出力信号を供給する磁界センサ手段とを備えた磁気弾性動力検出装置。 2.上記磁界変調手段が上記磁気弾性活性要素に直接または間接に取り付けられ ている請求項1記載の動力検出装置。 3.上記磁界変調手段が上記磁気弾性活性要素と磁気的に連続する位置で上記ト ルク部材に直接または間接に取り付けられている請求項1記載の動力検出装置。 4.上記磁界変調手段が周面に均等間隔で突出する形状を有するリングを備えて いる請求項1記載の動力検出装置。 5.上記磁界変調手段が軸方向に間隔を置いて配置された2つ以上のリングを備 え、各リング上の対応する突出形状が円周方向に位置合わせされている請求項4 記載の動力検出装置。 6.上記変換手段が、対向する端面を有しこれら端面間に軸方向に延びる円周部 分を有する少なくとも1個の管状リングを備えている請求項1記載の動力検出装 置。 7.上記変換手段が、軸方向に区分され磁気的に連続するとともに円周方向に交 互に逆の極性を付与された2以上の円周領域を備えている請求項6記載の動力 検出装置。 8.上記変換手段が上記円周領域のそれぞれに設けられたリングである請求項7 記載の動力検出装置。 9.上記変換手段が上記2以上の円周領域を有する1個のリングであり、各隣接 する対の領域が磁壁によって分離されている請求項7記載の動力検出装置。 10.上記リングが上記トルク部材の表面の周囲に上記トルク部材と同軸に取り 付けられている請求項6記載の動力検出装置。 11.上記リングがその内径と上記トルク部材の外径との間で締まりばめにより 上記トルク部材に取り付けられている請求項10記載の動力検出装置。 12.上記リングの内径がテーパ状に形成され、上記トルク部材の外径が対応す るテーパ状に形成されている請求項11記載の動力検出装置。13.上記部材が 低透磁率材料から形成されている請求項1記載の動力検出装置。 14.上記磁気弾性活性要素と上記トルク部材との間に間隔を設ける低透磁率の 間隔設定手段を備えている請求項1記載の動力検出装置。 15.上記磁界センサ手段がコイルを備え、上記出力信号が上記回転する部材か ら伝達された動力を示している請求項1,4,7,11または12に記載の動力 検出装置。 16.軸方向に延びる回転するトルク部材により伝達された動力を検出する方法 であって、 円周方向1軸磁気異方性が付与されるとともに円周方向に磁気極性が付与 され、上記トルク部材に加えられたトルクが比例的に伝達されるように上記トル ク部材の表面の一部に直接または間接に取り付けられたあるいは上記トルク部材 の表面の一部を形成する磁気弾性活性要素を提供する工程と、 上記トルク部材にトルクを加えて磁界を発生させる工程と、 上記トルク部材の回転速度に対応する周期で上記トルクが生成された磁界を 変調する工程と、 上記磁気弾性活性要素の近接位置で、上記トルク部材により伝達された動力 の指標として上記変調された磁界の経時変化率の変化の振幅を検出する工程とを 備えた動力検出方法。 17.上記磁気弾性活性要素が上記トルク部材の周面に取り付けられている請求 項16記載の動力検出方法。 18.上記磁気弾性活性要素が締まりばめにより上記トルク部材に取り付けられ ている請求項17記載の動力検出方法。 19.上記締まりばめが上記トルク部材の外周面に対して上記トルク部材の外径 より小さい内径を有する管状の磁気弾性活性要素を強制的にはめ込むことにより 行われる請求項18記載の動力検出方法。 20.上記締まりばめが、上記トルク部材の外周面をテーパ状に形成し、内径に 対応するテーパ面を有する管状の磁気弾性活性要素を上記テーパ状のトルク部材 外周面に強制的にはめ込むことにより行われる請求項18記載の動力検出方法。 21.上記検出工程が少なくとも部分的に上記磁気弾性活性要素に近接しこれと 間隔を置いて磁界検出装置を配置することにより実行される請求項16記載の動 力検出方法。 22.上記磁気弾性活性要素が、軸方向に区分され磁気的に連続するとともに円 周方向に交互に逆の極性を付与された2以上の円周領域を備えており、上記円周 領域が各隣接する対の円周領域間の磁壁により分離されている請求項16記載の 動力検出方法。 23.上記変調工程が、上記トルク部材と一体に回転するよう上記磁気弾性活性 要素と磁気的に連続する位置で上記磁気弾性活性要素または上記トルク部材に直 接または間接に取り付けられた磁性的に柔らかい材料からなる磁気変調手段を提 供する工程を備えている請求項16記載の動力検出方法。 24.上記磁気変調手段が周面に均等間隔で突出する形状を有する少なくとも1 個のリングを備えている請求項23記載の動力検出方法。 25.上記変調工程が、それぞれ円周方向に位置合わせされるとともにその周面 に対応する突出形状を有する2つ以上の磁界変調リングを提供する工程を備えて いる請求項24記載の動力検出方法。 26.上記検出工程が、上記磁気弾性活性要素に近接しかつこれと間隔を置いて コイルを配置し、上記変調された磁界の経時変化率の変化の振幅を検出するこ とにより実行される請求項16,17,20,22,23または24に記載の動 力検出方法。 27.軸方向に延びる軸線回りに回転するトルク部材に加えられたトルクを示す 出力信号を供給する磁気弾性トルク検出装置であって、 上記トルク部材に加えられたトルクが比例的に伝達されるようトルク部材の 表面の一部に直接または間接に取り付けられたあるいは上記トルク部材の表面の 一部を形成する強磁性磁気ひずみ性変換手段を有し、円周方向1軸磁気異方性を有する とともに円周方向に磁気極性が付与されていることによりトルクが上記 部材に加えられたときトルクに伴って変化する磁界を生成する磁気弾性活性要素 と、 上記トルク部材の回転速度に対応する周期で磁界を変調する磁性的に柔らか い材料からなり、上記トルク部材と一体に回転するよう支持された磁界変調手段 と、 上記磁気弾性活性要素に近接しかつこれに対向する位置に設けられ、上記変 調された磁界の振幅を検出してこの振幅に対応するトルク表示出力信号を供給す る磁界センサ手段とを備えた磁気弾性トルク検出装置。 28.上記磁界変調手段が上記磁気弾性活性要素に直接または間接に取り付けら れている請求項27記載のトルク検出装置。 29.上記磁界変調手段が上記磁気弾性活性要素と磁気的に連続する位置で上記 トルク部材に直接または間接に取り付けられている請求項27記載のトルク検出 装置。 30.上記磁界変調手段が周面に均等間隔で突出する形状を有するリングを備え ている請求項27記載のトルク検出装置。 31.上記磁界変調手段が軸方向に間隔を置いて配置された2つ以上のリングを 備え、各リング上の対応する突出形状が円周方向に位置合わせされている請求項 30記載のトルク検出装置。 32.上記変換手段が、対向する端面を有しこれら端面間に軸方向に延びる円周 部分を有する少なくとも1個の管状リングを備えている請求項27記載のトルク 検出装置。 33.上記変換手段が、軸方向に区分され磁気的に連続するとともに円周方向に 交互に逆の極性を付与された2以上の円周領域を備えている請求項32記載のト ルク検出装置。 34.上記センサ手段が上記リングの少なくとも一方の端面に近接して配置され ている請求項32記載のトルク検出装置。 35.上記リングがその内径と上記トルク部材の外径との間で締まりばめにより 上記トルク部材の表面の周囲に上記トルク部材と同軸に取り付けられている請求 項32記載のトルク検出装置。 36.上記リングの内径がテーパ状に形成され、上記トルク部材の外径が対応す るテーパ状に形成されている請求項35記載のトルク検出装置。 37.上記部材が低透磁率材料から形成されている請求項27記載のトルク検出 装置。 38.上記磁界センサ手段がソリッドステートセンサを備え、上記出力信号が上 記回転する部材に加えられたトルクを示している請求項27,30,32,33 または35に記載のトルク検出装置。 39.上記磁界センサ手段がホール効果センサを備えている請求項27記載のト ルク検出装置。 40.軸方向に延びる回転するトルク部材に加えられたトルクを検出する方法で あって、 円周方向1軸磁気異方性が付与されるとともに円周方向に磁気極性が付与 され、上記トルク部材に加えられたトルクが比例的に伝達されるように上記トル ク部材の表面の一部に直接または間接に取り付けられたあるいは上記トルク部材 の表面の一部を形成する磁気弾性活性要素を提供する工程と、 上記トルク部材にトルクを加えて磁界を発生させる工程と、 上記トルク部材の回転速度に対応する周期で上記トルクが生成された磁界を変 調する工程と、 上記磁気弾性活性要素の近接位置で、上記トルク部材に加えられたトルクの 指標として上記変調された磁界の振幅を検出する工程とを備えたトルク検出方法 。 41.上記磁気弾性活性要素が締まりばめにより上記トルク部材の周面に取り付 けられている請求項40記載のトルク検出方法。 42.上記締まりばめが、上記トルク部材の外周面をテーパ状に形成し、内径に 対応するテーパ面を有する管状の磁気弾性活性要素を上記テーパ状のトルク部材 外周面に強制的にはめ込むことにより行われる請求項41記載のトルク検出方法 。 43.上記検出工程が少なくとも部分的に上記磁気弾性活性要素に近接しこれと 間隔を置いて磁界検出装置を配置することにより実行される請求項40記載のト ルク検出方法。 44.上記磁気弾性活性要素が、軸方向に区分され磁気的に連続するとともに円 周方向に交互に逆の極性を付与された2以上の円周領域を備えており、上記円周 領域が各隣接する対の円周領域間の磁壁により分離されている請求項40記載の トルク検出方法。 45.上記変調工程が、上記トルク部材と一体に回転するよう上記磁気弾性活性 要素と磁気的に連続する位置で上記磁気弾性活性要素または上記トルク部材に直 接または間接に取り付けられた磁性的に柔らかい材料からなる磁気変調手段を提 供する工程を備えている請求項40記載のトルク検出方法。 46.上記磁気変調手段が周面に均等間隔で突出する形状を有する少なくとも1 個のリングを備えている請求項45記載のトルク検出方法。 47.上記検出工程が、上記磁気弾性活性要素に近接しかつこれと間隔を置いて ソリッドステートセンサを配置し、上記変調された磁界の振幅を検出することに より実行される請求項40,41,44または45に記載のトルク検出方法。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.軸方向に延びる軸線回りに回転するトルク部材に加えられたトルクあるいは 上記トルク部材により伝達された動力を示す出力信号を供給する磁気弾性トルク ・動力検出装置であって、 上記トルク部材に加えられたトルクが正比例で伝達されるようトルク部材の表 面の一部に直接または間接に取り付けられたあるいは上記トルク部材の表面の一 部を形成する強磁性磁気ひずみ性変換器手段を有し、円周方向を緩やかな軸線と する事実上の1軸磁気異方性が付与されるとともに円周方向に磁気極性が付与さ れることによりトルクが上記部材に加えられたときトルクに伴って変化する磁界 を生成する磁気弾性活性要素と、 上記トルク部材の回転速度を示す周期で磁界を変調する磁性的に柔らかい材料 からなり、上記トルク部材と一体に回転するよう上記磁気弾性活性要素と磁気的 に連続する位置で上記磁気弾性活性要素あるいは上記トルク部材に直接または間 接に取り付けられた磁界変調手段と、 上記磁気弾性活性要素に近接しかつこれに対向する位置に取り付けられ、上記 変調された磁界の振幅を検出してこの振幅に反応するトルク表示出力信号を供給 するかもしくは上記変調された磁界の経時変化率の振幅を検出してこの振幅に反 応する動力表示出力信号を供給する磁界センサ手段とを備えた磁気弾性トルク・ 動力検出装置。 2.軸方向に延びる回転するトルク部材に加えられたトルクあるいは上記トルク 部材により伝達された動力を検出する方法であって、 円周方向を緩やかな軸線とする事実上の1軸磁気異方性が付与されるとともに 円周方向に磁気極性が付与され、上記トルク部材に加えられたトルクが正比例で 伝達されるように上記トルク部材の表面の一部に直接または間接に取り付けられ たあるいは上記トルク部材の表面の一部を形成する磁気弾性活性要素を提供する 工程と、 上記トルク部材にトルクを加えて磁界を発生させる工程と、 上記トルク部材の回転速度を示す周期で上記トルクが生成された磁界を変調す る工程と、 上記磁気弾性活性要素の近接位置で、上記トルク部材に加えられたトルクの指 標として上記変調された磁界の振幅あるいは上記トルク部材により伝達された動 力の指標として上記変調された磁界の経時変化率の振幅を検出する工程とを備え たトルク・動力検出方法。
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