JPH10511078A - 免疫刺激剤 - Google Patents

免疫刺激剤

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JPH10511078A JP8508973A JP50897396A JPH10511078A JP H10511078 A JPH10511078 A JP H10511078A JP 8508973 A JP8508973 A JP 8508973A JP 50897396 A JP50897396 A JP 50897396A JP H10511078 A JPH10511078 A JP H10511078A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規シクロスポリンA類似体の合成、およびこれらの類似体の免疫刺激剤としての使用のための、組成物および方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 免疫刺激剤 発明の分野 本発明はヒト白血球の活性および増殖を増大させるための薬剤として使用する シクロスポリン誘導体に関する。 発明の背景 分子免疫学の最近の進歩によって、研究者は、病原体の感染に対するヒトの免 疫応答中に生じる細胞および分子の現象について、詳細な見解を得ることができ るようになった。研究者は、免疫応答中の各種リンパ球の役割を決定することに 加えて、リンパ球の作用と機能とを調整するための化学シグナルとして作用する と考えられる巨大分子が関与するものも含めて、これらの生化学的相互作用につ いての詳細図を作ることにおいてかなりの成果をもあげた。 当今の免疫学の見解によれば、身体の特異的防御機構において、T細胞が中心 的な物質とされている。T細胞の2つの特定のクラス、ヘルパーT細胞(TH)お よび細胞障害性T細胞(TC)は、体液性および細胞性免疫応答のいずれにおいて も重要な役割を演じている。これとは対照的に、Bリンパ球は体液性免疫応答の みに関与する。 体液性の応答は、通常、遊離の循環病原体またはそれらの抗原に対するもので ある。マクロファージなどの抗原提示細胞(APC)は消化された抗原の断片を 外膜上に、しばしばクラスII−MHC(主要組織適合性)タンパク質と組み合わ せて、発現する。これらのクラスIIMHC類および外来抗原の認識が、TH細胞 の増殖のひきがねとなる。次に、これによってB細胞の抗体の分泌が誘発され、 この抗体が結果的に病原体を不活性化する。 細胞性応答には、THおよびTCの両者の関与が含まれる。この場合、病原体が 感染した身体の細胞はクラスI−MHCタンパク質と組み合わされた病原体抗原 を表示し、これがTH細胞を刺激してTC細胞を活性化し、感染細胞が溶解する[ Biology(3rd.ed.)Campbell,Benjamin Cummings Publishing Company,Inc.(199 3)参照]。 生体防御機構においてT細胞は重要な役割を演じるので、AIDSウイルスに よって特定のT細胞集団が破壊されると、生体自身による防御能力が著しく失わ れる。したがって、AIDS治療はT細胞の破壊の抑止および/またはT細胞機 能の再生方法に焦点を合わせてきた。これらの努力は、可溶性伝達物質、すなわ ちサイトカインの複雑な関与を含むT細胞生化学の完全な理解がなされていなか ったために、なかなか成果を見なかった。 生体のT細胞を刺激して増殖をさせる原因となる、生化学的伝達物質および細 胞の相互作用の両者について、多数の研究がなされてきた。この作業の大部分は 直接応答する化学シグナルと膜受容体の両者の本体を発見することを中心として きた[Lanier“Distribution and Function of Lymphocyte Surface Antigens” Ann.N.Y.Acad.Sci.677:86(1993)参照]。 T細胞の活性化には、T細胞受容体(TCR)が特異的抗原/MHCタンパク 質結合物に結合する以上のものが必要であることは、一般的に容認されている[ Biology(3rd.ed.)Campbell,Benjamin Cummings Publishing Company,Inc.(1993) 参照]。特に、事実上、“補助刺激(costimulatory)”シグナルとしての、別の 分子の結合現象の存在について、多くの研究が行なわれてきた。これらの補助刺 激シグナルは抗原特異的ではないが、T細胞の発生、活性化および増殖の多くの 段階において重要であることがわかっている[Mizel“Characterization of Lym phocyte Activating Factor(LAF) Produced by Macropharge Cell Line”J.Immu nol.120:1504(1978)]。 最近の免疫学の研究は2つのタイプの補助刺激シグナルに焦点を合わせてきた 。補助刺激シグナルの第1のクラスは細胞間媒体中を介して自由に拡散する巨大 分子であり、これがT細胞の外膜上の受容体に結合して、所望の代謝の変化を起 こさせる。これらの遊離の補助刺激物質自体は典型的には別のリンパ球から分泌 される。Shawらの文献は、ある因子を“補助刺激物質”という用語で称して記述 した最初のグループの中の一つである。この分子は、抗原である最初のシグナル に続いて、T細胞の増殖を誘導する非特異的な第2のシグナルのような行動をと った["Effects of Costimulator on Immune Responses IN VITRO"J.Immun.120: 1974(1978)参照]。Teh らは、抗原によって最初に刺激される細胞障害性T細胞 を活性化するモデルシステムにおける、同一の“補助刺激物質”の使用について 記載している["Direct Evidence for a Two-Signal Mechanism of Cytotoxic T -Lymphocyte Activation",Nature 285:163(1980)参照]。このことは Shaw らに よっても確証された[“Cellular Origins of Co-stimulator(IL2)and Its Acti vity in Cytotoxic TLymphocyte Responses”,J.Immun.124:2231(1980)参照]。 “補助刺激物質”およびその他の関連化合物は普通、“インターロイキン”の 一般カテゴリーに属するペプチドである。インターロイキンファミリー以外の化 合物も同様にT細胞の代謝の変化を誘発するかどうかは、現在のところはっきり していない。Chouaib の最近の文献には、細胞障害性細胞の分化の補助刺激にお ける、精製した腫瘍壊死因子(TNF)の使用について記載されている[“Tumo r Necrosis Factor α:a Costimulator for Cytotoxic Cell Differentiation, ”Nouv.Rev.Fr.Hematol.33:471(1991)参照]。しかし、この化合物は、別の非特 異的分子が関与しなくてもT細胞を刺激する能力を有する、インターロイキン2 との組合せのみにおいてしか作用しない。 研究中の第2のクラスの補助刺激シグナルは、典型的には別のAPC類上に存 在する膜結合リガンドであり、これはT細胞表面の受容体タンパク質に結合する 。特に、T細胞の外膜上に存在するCD28受容体に焦点を合わせて、相当数の研 究が行なわれてきている[Jenkins ら、“CD28 Delivers a Costimulatory Sign al Involved in Antigen-Specific IL-2 Production By Human T Cells,”J.Imm un.147:2461(1991)および Fraser ら、“Regulation of T-cell Lymphokine Gen e Transcription by the Accessory Molecule CD28,”Mol.& Cell.Bio.10:4357( 1992)参照]。この受容体およびBリンパ球上に存在する活性化リガンド、“B 7/BB1”、はサイトカインの遺伝子転写の調節を通じて、T細胞の活性化に おける中枢の役割を演じるものと考えられる[Koulova ら、“The CD28 Ligand B7/BB1 Provides Costimulatory Signal for Alloactivation of CD4+ TCells, ”J. Exp.Med.173:759(1991),Gross ら、“Identification and Distribution of the Costimulatory receptor CD28 in the Mouse,”J.Immun.149:380(1992) ,および Larsen ら、“Functional Expression of the Costimulatory Molecul e B7/BB1,on Murine Dendritic Cell Populations,”J.Exp.Med.176:1215(1992) 参照]。 精製したB7/BB1は生存可能なT細胞刺激物質であると考えられるが、こ れは高分子量の複合タンパク質であり、組換えDNA技術によってのみ、大量に 製造することができる。化学的に合成し得るもっと単純な補助刺激物質があれば 有用であることは明らかである。 発明の要約 本発明は、ヒト白血球細胞の活性および増殖を増大させる薬剤として使用する 、シクロスポリン誘導体に関する。1つの実施態様において、本発明は、非免疫 抑制性と免疫刺激剤、すなわち、 in vitro でリンパ球の増殖および活性を増大 させるのに有用な薬剤、の両方の特性を併せて有する修飾シクロスポリン誘導体 に関する。 シクロスポリン“誘導体”または“類似体”とは、特定の位置にアミノ酸置換 基を有する、シクロスポリンA、すなわち環状ウンデカペプチドの基本構造を有 するものである。本発明によれば、新規なシクロスポリン誘導体のクラスの1種 を、1またはそれ以上の抗原とともにリンパ球と混合する。1実施態様において 、この物質は、化学的、酵素的または生物学的手段によって、1,4または6位 のいずれか、またはこれらの任意の組合せ位置において修飾されたシクロスポリ ン誘導体である。 類似体が免疫細胞(例えばリンパ球)を刺激する(例えば増殖によって測定さ れる)原因となるならば、この類似体は“免疫刺激性”である。したがって、“ 補助刺激性”は免疫刺激性である。 1実施態様において、本発明は図1のシクロスポリンの免疫刺激性類似体を意 図とする。好ましい1実施態様において、本発明は図3に示す構造を有する類似 体を意図とする。 固相合成は特定の固体粒子のみに限定されるものではない。1実施態様におい て、粒子は使用したすべての溶媒に不溶性で、そのまま濾過することができる安 定な物理的形態を有している。またこの粒子は第1の保護アミノ酸を共有結合に よって堅固にカップリングすることができる官能基を有している。多くのポリマ ーおよび付着様式があり得る。あり得るポリマーの中で、本発明は、セルロース 、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレートおよびスルホン化ポリスチレンを 意 図している。好ましいポリマーはメチルベンズヒドリルアミン(MBHA)ポリ スチレン樹脂である。 本発明は、図1の免疫刺激性シクロスポリン類似体に免疫細胞をin vitroで接 触させることを含む、該免疫細胞の刺激方法を目的とする。1実施態様において 、この方法はさらに、免疫細胞をマイトジェン(例えばPHA)で前処理する工 程を含む。本発明は免疫細胞の性質によって限定されるものではない。1実施態 様において、免疫細胞はリンパ球である。 図面の説明 図1は未修飾のシクロスポリンAの構造である。 図2は先行技術ですでに修飾されているシクロスポリンの構造を示す。 図3は本発明の好ましいシクロスポリン類似体の構造を示す。 図4はシクロスポリン類似体(配列番号1)を合成するために使用する合成戦 略の概要の模式図である。 図5は(±)−トレオ−β−ヒドロキシ−N−メチルロイシンの合成を示す。 図6はエバンス(Evans)法による(2S,3R)−3−ヒドロキシ−N−メチル ロイシンの合成を示す。 図7Aはオキサゾリジノンエピマーの一方の1H NMRスペクトルを示す。 図7Bはもう一方のオキサゾリジノンエピマーの1H NMRスペクトルを示す 。 図8はβ−ヒドロキシ−N−メチルロイシンの1H NMRスペクトルを示す。 図9は[MeLeu(3-OH)1]CsA類似体(配列番号2)の合成を示す。 図10はCsA類似体2−7断片(配列番号3および4)の合成を示す。 図11はCsA類似体8−11断片(配列番号4−7)の合成を示す。 図12はPyBroPによって仲介される4+7のカップリング反応(配列番号2,8 ,9)を示す。 図13は4+7カップリングにおける反転変換の Wenger の報告を示す(配列番 号2,10,11)。 図14は[MeLeu1]CsA(配列番号12−20)の固相合成を示す。 図15は固相法によって合成された[MeLeu1]CsAのNMRスペクトルを示す 。 図16は固相法によって合成された[MeLeu1]CsAのFABMSスペクトルを 示す。 図17は好ましいCsA類似体、[MeLeu(3-OH)1,MeAla4,6]CsAのNMR スペクトルを示す。 発明の説明 本発明はヒト白血球の活性および増殖を高めるための薬剤として使用するシク ロスポリン誘導体に関する。 本発明の説明は以下の項目から成っている。(I)未修飾シクロスポリンの性 質(先行技術);(II)既存の修飾されたシクロスポリン類似体の性質(先行技 術);(III)本発明の修飾シクロスポリン類似体の性質;および(IV)新規シク ロスポリン類似体の合成。 I.未修飾シクロスポリンの性質 シクロスポリンA(CsA)は、真菌類の2つの菌株、Tolypocladium inflat umおよびCylindrocarpon lucidumの代謝産物として、Sandoz Inc.の研究者によ って、1970年に初めて発見された。その強い in vivo免疫抑制効果は、最初にマ ウスを使用した試験において発見され、それに続いて臨床試験で好結果が得られ 、現在は臓器移植などの処置に対する免疫応答を抑制するために、常套的に使用 されている。シクロスポリンAの魅力的な性質の1つは、それ以前の他の免疫抑 制薬剤とは異なって、細胞増殖の全般的な阻害を示さないことである。リンパ球 のみが阻害され、またこの薬剤はこれらのリンパ球に対して細胞障害性ではない 。 強い疎水性のウンデカペプチド(図1参照)であるCsAは体液性および細胞 性免疫の両方を抑制する。現在は、CsAはDNA合成が開始する前の、リンパ 球増殖の比較的初期の段階を阻害し、そしてすでにインターロイキン−2に感作 されているTまたはB細胞の細胞障害性または応答を阻害しないことが一般的に 信じられている。CsAの明確な作用機作は、現状では完全には明らかになって いないが、以下の点では一致している:1)CsAは細胞中の多量にある細胞質 タンパク質であるシクロフィリンに主として結合する;2)CsAは内部細胞の Ca2+感受性に影響を与える;および3)これらの性質とその他の未知の段階が 組み合わせられて、インターロイキンおよび細胞中のその他のサイトカインの産 生が減少し、それによってリンパ球の活性化および増殖が低下することになると 考えられる(Cyclosporin,Mode of Action and Clinical Application,Thomson: Kluwer Academic Publishers,1989;Cyclosporine,Biological Activity and Cli nical Applications,Kahan:Elsevier Biomedical Press,1982;およびCyclospori n A,White:Grune & Stratton,1984参照)。 免疫抑制剤としての明確で試験済みの有用性の他に、最近 Andrieuによって、 CsAが抗AIDS薬としての有用であるという可能性を有することが発見され た(そしてその後特許が認められた)。すなわち、CsAがHIVウイルスの増 殖を低下させることが示された(U.S.特許 4,814,323参照)。 II.既存の修飾されたシクロスポリン類似体の性質 修飾されたシクロスポリン誘導体の生物学的および医学的効果についても、多 数の研究が行なわれて来ている。これらのシクロスポリン誘導体の多くは新規な 性質を示し、実際に特許にもなっている。シクロスポリン類似体の命名の規定に は、未修飾のシクロスポリンAに対して修飾したアミノ酸とその位置を提示する ことが含まれる。例えば、5番目のアミノ酸として、通常のバリンの代わりにセ リンを有するシクロスポリン類似体であれば、(Ser5)−CsAという称になる 。 CsA類似体はすでに合成されている。これらの類似体の生物学的活性の範囲 は、未修飾のCsAに等しい免疫抑制特性を有するものから、これよりも低いか 、または免疫抑制活性を全く有しないものまでもある。別の新規なクラスのCs A誘導体が本発明者によって開示された[Rich,D.,Dhaon,M.,Dunlap,B.and Mill er, S.,J.Med.Chem.29:978(1986)参照]。これらのCsA類似体はすべて1位に 修飾されたアミノ酸を含んでいるものであった。この他、Sandozによって開発さ れた、(アリルgly2)-CsA,([D]-Ser8)-CsA,および(O−(2- ヒドロキシ エチル)(D)Ser8)-CsAを含む、数種の特許されたCsA誘導体があり、これら は強い免疫抑制性、抗炎症活性、および抗寄生活性を有する(U.S.特許 4,384,9 96,4,771,122 および5,284,826 参照)。 しかし、最近になって、免疫抑制剤としてではなく抗AIDS薬としての有用 性のため、免疫抑制活性をほとんどまたは全く有していないCsAの発見に重点 が置かれるようになった。上述のように、最近発行されたある特許に、HIVウ イルスの拡散と戦うために、未修飾のCsAを使用することが記載されている。 明らかに、CsAのような、免疫系は抑制しないで、HIVウイルスを不活性化 することができる化合物をAIDSの治療に使用するのは好都合である。このよ うな理由から、研究者たちはこうした特性の両方を備えたCsA類似体の研究を するようになった。これもまたSandozによる欧州特許(# 0484281A2 )には、実 際にHIVの複製に対して活性であるが免疫抑制活性は有しないCsA誘導体が 開示されている。 III.本発明のシクロスポリン類似体の性質 新規なCsA類似体を調製する過程において、免疫刺激性のCsA類似体もま た合成し得ることが発見された。特に、[MeLeu(3-OH)1,MeAla4,6]CsA( 図3)および[(D)-MeVal11,MeLeu(3-OH)1]CsA類似体が、試験したすべて の濃度(例えば0.001μg/ml〜10μg/ml)において、in vitroでのヒト末梢血単 球類(PBMC)の、マイトジェンで誘導されたDNA合成応答を増強させた( 表5〜6参照)。 この新規な性質はどのシクロスポリン類似体についても、これまでは述べられ ていない。CsAは第1に免疫抑制剤として知られているものなので、反対の効 果を有するCsA誘導体の発見は全く予想されなかった。 IV.本発明のシクロスポリン誘導体の合成 本発明は1,4,または6位、またはこれらのいずれかを組み合わせた位置に おいてアミノ酸が置換されているCsA類似体の合成に関する。これらの類似体 を2つの規準:1)免疫刺激剤としての作用能力;および2)HIVウイルスの 感染による細胞変性作用を阻害する能力、に基づいて試験した。2つの類似体、 [D-MeVal11,L-MeLeu(3-OH)1]CsAおよび[MeLeu(3-OH)1,MeAla4,6]C sAが、PHAによって誘導されるPBMCのDNA合成応答を増加させる能力 によって示される、免疫刺激剤として機能することができた。さらに、後者の類 似体はHIVウィルスの感染による細胞変性作用を阻害することができ、したが って抗AIDS治療薬としての有用性を示した。 本発明のこの好ましい類似体を以下の一般的な操作にしたがって合成した。 1.新規なアミノ酸、L-MeLeu(3-OH)を合成し(後述)、続いてアセトンと 縮合させて修飾型とした。 2.t−ブトキシカルボニル基(Boc )によってN−保護されたメチルアラニ ンアミノ酸(MeAla )を、(ビス(2- オキソ-3- オキサゾリジニル)ホスホニッ ククロライド)(BOP−Cl)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA )とともに、ベンジルエステル基(OBzI )によってC−保護されたアラニンア ミノ酸(Ala )と反応させて、NおよびC−保護MeAla-Ala ジペプチドを形成さ せた。 3.トリフルオロ酢酸(TFA)との反応によって、NおよびC−保護MeAla- Ala ジペプチドをN−脱保護した。 4.C−保護MeAla-Ala ジペプチドを、BOP−ClおよびDIEAとともに 、Boc によってN−保護されたバリンアミノ酸(Val )と反応させて、Nおよび C−保護Val-MeAla-Ala トリペプチドを形成させた。 5.TFAとの反応によって、NおよびC−保護Val-MeAla-Ala トリペプチド をN−脱保護した。 6.C−保護Val-MeAla-Ala トリペプチドを、BOP−ClおよびDIEAと ともに、Boc によってN−保護されたMeAla アミノ酸と反応させて、NおよびC −保護MeAla-Val-MeAla-Ala テトラペプチド(配列番号3)を形成させた。 7.TFAとの反応によって、NおよびC−保護MeAla-Val-MeAla-Ala テトラ ペプチド(配列番号3)をN−脱保護した。 8.C−保護MeAla-Val-MeAla-Ala テトラペプチド(配列番号3)を、BOP −ClおよびDIEAとともに、Boc によってN−保護されたα−アミノ酪酸− サルコシンジペプチド(Abu-Sar )と反応させて、NおよびC−保護Abu-Sar-Me Ala-Val-MeAla-Ala ヘキサペプチド(配列番号4)を形成させた。 9.TFAとの反応によって、NおよびC−保護Abu-Sar-MeAla-Val-MeAla-Al a ヘキサペプチト(配列番号4)をN−脱保護した。 10.C−保護Abu-Sar-MeAla-Val-MeAla-Ala ヘキサペプチド(配列番号4)を 、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、N−メチルモルホリン(NM M)、およびジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)とともに、工程1の修 飾MeLeu(3-OH)アミノ酸と反応させて、NおよびC−保護MeLeu(3-OH)-Abu-S ar-MeAla-Val-MeAla-Ala ヘプタペプチド(配列番号5)を形成させた。 11.水性塩酸およびメタノールとの反応によって、NおよびC−保護ヘプタペ プチド(配列番号5)をN−脱保護した。 12.Boc 基によってC−保護されたメチルバリンアミノ酸(MeVal )を、BO P−ClおよびDIEAとともに、Cbz 基によってN−保護されたメチルロイシ ンアミノ酸(MeLeu )と反応させて、NおよびC−保護 MeLeu-MeValジペプチド を形成させた。 13.触媒による水素化によって、NおよびC−保護ジペプチドをN−脱保護し た。 14.このC−保護ジペプチドを、BOP−ClおよびDIEAとともに、Cbz 基によってN−保護されたメチルロイシンアミノ酸(MeLeu )と反応させて、N およびC−保護 MeLeu-MeLeu-MeValトリペプチドを形成させた。 15.触媒による水素化によって、NおよびC−保護トリペプチドをN−脱保護 した。 16.このC−保護トリペプチドを、BOP−ClおよびDIEAとともに、Fm oc基によってN−保護されたD−アラニンアミノ酸と反応させて、NおよびC− 保護 D-Ala-MeLeu-MeLeu-MeValテトラペプチド(配列番号2)を形成させた。 17.トリフルオロ酢酸との反応によって、NおよびC−保護テトラペプチド( 配列番号2)をC−脱保護した。 18.工程11のC−保護ヘプタペプチド(配列番号5)を、BOP−Clおよび NMMとともに、工程17の9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)によっ てN−保護された(D)−アラニン−メチルロイシン−メチルロイシン−メチル バリンテトラペプチド(配列番号2)(D-Ala-MeLeu-MeLeu-MeVal )と反応させ て、NおよびC−保護 D-Ala-MeLeu-MeLeu-MeVal-MeLeu(3-OH)-Abu-Sar-MeAla -Val-MeAla-Alaウンデカペプチド(配列番号6)を形成させた。 19.水性水酸化ナトリウム、エタノール、4−ジメチルアミノピリジン(DM AP)およびプロピルホスホン酸無水物(Pr−PO23と反応させることによっ て、NおよびC−保護 D-Ala-MeLeu-MeLeu-MeVal-MeLeu(3-OH)-Abu-Sar-MeAla -Val-MeAla-Alaウンデカペプチド(配列番号6)を環化させ、シクロスポリン類 似体(配列番号21)を形成させた。 実験 以下の例は本発明の好ましい態様と特長のいくつかを説明するために示すので あって、これらの範囲を限定するものと解釈されるべきではない。 以下の実験の開示において、次の略語を使用する:MeBmt([(4R)-N−メチル-4 - ブテニル-4-メチル-L-トレオニン]);Abu(α−アミノ酪酸);MeLeu(3-O H)(3-ヒドロキシ-N-メチルロイシン);Sar(サルコシン);MeAla(N−メチ ルアラニン);Gly(グリシン);Ala(アラニン);Val(バリン);Leu(ロイシン);I le(イソロイシン);Met(メチオニン);Pro(プロリン);Phe(フェニルアラニン) ;Trp(トリプトファン);Ser(セリン);Thr(トレオニン);Cys(システイン);Ty r(チロシン);Asp(アスパラギン);Gln(グルタミン);Asp(アスパラギン酸);Gl u(グルタミン酸);Lys(リジン);Arg(アルギニン);His(ヒスチジン);Fmoc( 9-フルオレニルメトキシカルボニル);HOBt(1-ヒドロキシベンゾトリアゾー ル);BOP−Cl(ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスホニッククロラ イド);NMM(N−メチルモルホリン);DCU(ジシクロウレア);DIE A(ジイソプロピルエチルアミン);DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド );DMAP(4-ジメチルアミノピリジン);(Pr-PO2)3(プロピル−ホスホン 酸無水物);TFA(トリフルオロ酢酸);OBzl(ベンジルエステル);PyBro P(ブロモトリピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート);EtO Ac(酢酸エチル);DIPCDI(ジイソプロピルカルボジイミド);HATU [O-(7-アザベンゾトリアゾール-1- イル)-1,1,2,2,- テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート];NMR(核磁気共鳴分光法);FABMS(高 速原子衝撃質量分析);hsp70(熱ショックタンパク質);MeVal(N−メチルバリ ン);Boc(t-ブトキシカルボニル);DMF(ジメチルホルムアミド);THF( テトラヒドロフラン);MeLeu(N−メチルロイシン);MeOH(メタノール); PHA(フィトヘマグルチニン)。 実施例1:CsA類似体の合成 CsAの全合成については、Wengerによって最初に報告された(上述)。その 戦略は、図4における矢印の方向にCsAを組み立てて行く経路をとる(配列番 号1)。環化の位置としては、以下の2つの理由により、Ala7と(D)-Ala8の間の ペプチド結合の位置を選択した:1)両方のアミノ酸がN−メチル基を有してい ないので、N−メチルアミノ酸に比較して結合の形成が容易である;2)直鎖状 ウンデカペプチド内に分子内水素結合が存在すると考えられ、これによって折畳 まれたコンフォメーションでの直鎖状ウンデカペプチドを安定化するので閉環が 助長される。直鎖状ウンデカペプチドの合成のためには、テトラペプチド(残基 8−11)(配列番号2)とヘプタペプチド(残基1−7)(配列番号10)の断片 カップリングの手法を選択した。ヘプタペプチド断片(配列番号10)は、ジペプ チド(残基2−3)とテトラペプチド(残基4−7)の断片カップリングと、そ れに続いて合成の最後にアミノ酸MeBmt を導入することによって調製した(好ま しい類似体において、このアミノ酸が新規アミノ酸MeLeu(3-OH)に置換された ことに注意されたい)。この配列は2つの明白な利点を有する:1)サルコシン (残基3)への断片カップリングでラセミ化の可能性が防止された;2)重要な 1−位置のアミノ酸の導入後の工程数が最少となった。このウンデカペプチドは N−およびC−末端保護基を除去した後、環化してCsAにすることができた。 残基3−8において修飾された[MeLeu(3-OH)1]CsA類似体の合成は、最 初の記載にしたがって実施した[Colucci,W.J.,Tung,R.D.,Petri,J.A.and Rich, D.H.,J.Org.Chem.55:2895(1990)参照]。H-Ala-OBzlから出発し、一連のカッ プリング脱保護操作において適切なアミノ酸を順番に添加することによって、C sA2−7を構築した(図10)(配列番号3および4)。N−末端Boc 基を脱保 護した後、BOP−Cl/DIEA法を使用して、合成されたテトラペプチドと Boc-AbuSar−OHを縮合させ、ヘキサペプチドを生成させた。TFAによってN −Boc 基を除去した後、対応するアミノ−ヘキサペプチドが得られ、次の反応に 即時に使用した。BOP−Cl仲介カップリングおよびN−脱保護のためのペプ チド断片の旋光性および収率を表1および2にまとめて示す(配列番号3:22− 26)。その後、図9に示すように、DCC/HOBt法を使用して、利用するヘキ サペプチドをアセトン化で保護したMeLeu(3-OH)によってアシル化し、所望の 保護ヘプタペプチドを生成させた(82−90%)(配列番号2)。これらのヘプタ ペプチドは、NMRによると、CDCl3中で、N−メチルアミドの配座異性体 による2つの主要な配座異性体として表される。ヘプタペプチドのアセトン化保 護基の除去をメタノール中 1M HClを使用して、15時間実施した。生成したア ミノ−ヘプタペプチドをフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(85− 90%)。H-MeVal-Bocから出発し、一連のカップリング−脱保護操作において適 切なアミノ酸を順番に添加することによって、CsA8−11を構築した(図11) (配列番号5−7)。[より詳細な操作については、Tung,R.D.,Dhaon,M.K.and Rich,D.H.,J.Org.Chem.51:3350(1986)を参照されたい]。CsA8−11テトラペ プチドとヘプタペプチドのカップリングについては、この連鎖を達成するために 、CastroのBOP−Cl試薬およびN−メチルモルホリンを使用した。生成した ウンデカペプチドは通常、CsAの場合についてWengerによって報告された73% に比較して、45−62%と相対的に低い収率であった[Wenger,R.M.,Helv.Chim.Ac ta. 67:501(1984)参照]。 線(−)は酸−アミンカップリングによって形成された新しいペプチド結合の 位置を示している。 最近、ペプチド合成のためのカップリング試薬として、PyBroP(ブロモトリ ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート)、PyCloP,およびPy BoPの略語で示されるあるタイプのピロリジノホスホニウム錯体が報告された[ Coste,J.,Frerot,E.,Joulin,P.and Castro,B.,Tetrahedron Lett.32:1967(1991) 参照]。Castroの報告によると、PyBroP/DIEAを使用することによって、N −メチルアミノ酸を効果的にカップリングさせることができた。ウンデカペプチ ドの合成に関して、4+7のカップリングが低収率であるので、図12に示すよう に、DIEA(4当量)の存在下でテトラペプチド(1.5 当量)とヘプタペプチ ドをカップリングさせるのに、PyBroP(1.5当量)を使用してみた。 期待したように、PyBroPはカップリング反応をすすめ、4時間で完結させた 。しかし、PyBro Pを使用しても、TLCにおいて複数のスポットがあらわれ、 生成物の収率は改善されなかった(わずかに32%)。この予期しなかった結果は 、主要生成物として(MeVal 残基における(D)立体配置を有する)エピマー化し た ウンデカペプチドが得られたためである。ラセミ化はPyBroPでのテトラペプチ ドのカルボキシル基の活性化の間に生じる臭化水素の形成によるもので、これが 原因でC−末端残基[MeVal11]がエピマー化したものと推測された。[The Pepti des:Analysis,Synthesis,Biology(Vol.1)Academic Press,Inc.(1979)]。 同様の結果がWengerによって報告されている(上述)(図13参照)。この場合 、混合ピバール酸無水物法(ピバロイルクロライド/N−メチルモルホリンを使 用)によると、テトラペプチド(配列番号2)Boc-(D)-Ala-MeLeu-MelLeu-L-MeV al−OHと対応するヘプタペプチドを結合させたとき、(MeVal 位置において) 立体配置が逆転されたウンデカペプチド(配列番号11)Boc-(D)-Ala-MeLeu-MeLe u-(D)-MeVal-MeBmt-Abu-Sar-Meleu-Val-MeLeu-MeLeu-Ala-OBzl が得られた。ど ちらの場合も、エピマー化は、反応溶媒中の高濃度のハロゲン化物によるものと 考えられる。 カップリング反応を完結させるのに3日間を要したけれども、MeVal のラセミ 化が最少となることから、CsAの合成における4+7断片カップリングには、 BOP−Cl試薬の方がやはり好ましい。最終の環化を完結させるため、エタノ ール中の0.2 N の水性NaOHと5−12時間反応させることによって、ウンデカ ペプチドのN−FmocおよびC−Bzl 保護基を同時に除去した(図11参照)。完成 後、プロピルホスホン酸無水物(1.5 当量)およびDMAP(6当量)を用いて 希釈溶液(〜2×10-4M )中で2日間、完全に脱保護した粗ウンデカペプチド( 配列番号5−7)を環化し、CsA類似体が37−60%の収率で得られた。 これらのCsA類似体およびその直鎖状ウンデカペプチド中間体の物理特性を 表3に要約した。 実施例2:一般的合成操作 一般的操作A:β−ヒドロキシ−Nメチルロイシン(MeLeu(OH))の合成 [U.Angew.Chem.Int.Ed.16:339(1977)参照]を適用した、MeLeu(3-OH)の合成 図式が報告されている[Rich,D.H.,Dhaon,M.K.,Dunlap,B.and Miller,S.P.F,J.M ed.Chem.29:978(1986)参照](図5)。NaCNの存在下でイソシアノアセテー トをイソブチルアルデヒドと反応させて、主要生成物として熱力学的に安定なト ランス−オキサゾリンを得た。このトランス−オキサゾリンを室温においてメチ ルトリフレートで処理し、N−メチルイミデートを生成させた。このN−メチル イミデートを希釈HClで加水分解し、次にこのアミノ酸をイオン交換クロマト グラフィーにかけて、(±)−トレオ-β-ヒドロキシ-N-メチルロイシンを得た。 同時期に、MeBmt および他のキラルアミノ酸の合成について、Evans およびWe ber によって、巧妙な不斉グリシンエノラート反応が開発された[Evans,D.A.an d Weber,A.E.,J.Am.Chem.Soc.108:6757(1986)]。MeLeu(OH)を調製するため 、この合成法をも適用した[図6参照]。この反応連鎖において、対応するクロ ロアセテートからアジド置換によって、キラルグリシンシントンイソチオシアネ ートが56%の収率で得られた。スズ(II)トリフレート仲介アルドール反応(-7 8 ℃で4時間)によって、このイソチオシアネートキラル補助物質をイソブチル アルデヒドと縮合させ、アルドール付加物を63%の収率で得た(>90%e.e )。 メタノール中のマグネシウムメトキシド溶液によって、室温で3分間エステル交 換反応させて、メチルエステルを78−82%の収率で得た。ビス−メチル化の収率 は、MeBmt 合成におけるEvans の76%に比較して低く、52%であった。通常2つ のエピマーが1:5の比率で得られるが、これについては、MeBmt 合成において 、Evans は認知していない。表4および図7に示すように、これらのエピマーの1 HNMRスペクトルを比較した。所望のトランス−オキサゾリジノンを2N K OHによって還流下で加水分解し、Sephadex LH-20上でのクロマトグラフィー精 製の後、純β−ヒドロキシ-N-メチルロイシンを得た(図8の1HNMRスペク トル参照)。 一般的操作B:CsAテトラペプチド断片8−11(配列番号2)の合成 ジオキサン20 mL 中の11番目のアミノ酸(3.01 g,13 mmol)溶液をp−トルエ ンスルホン酸1水和物 4.95 g(26 mmol)と反応させ、還流下で40分(CaCo3 乾燥管中)加熱した。混合物を氷/水浴中で冷却し、その後、厚手の耐圧フラ スコに移し、78℃であらかじめ濃縮したイソブチレン 25 mLで処理した。このフ ラスコに蓋をし、室温で19時間激しく撹拌し、冷却後、蓋をはずし、内容物を低 温希釈水性NaOH中に注いだ。混合物をpH=10に調整し、その後エーテルで 抽出した(2×25 mL )。有機層を1つにまとめ、乾燥および蒸発させて、残渣 を蒸留することによって、Boc でC−保護された11番目のアミノ酸を得た。 Boc でC−保護された11番目のアミノ酸(2.28 g ,15mmol )の溶液を、CH2 Cl2200 mL中で、N−保護された10番目のアミノ酸 4.19 g(15.1 mmol)と反応 させ、不活性雰囲気下で氷/水浴中で撹拌しながら冷却した。冷却混合物をDI EA(5.75 mL,32.3 mmol)で、その後BOP−Cl(4.19 g ,16.5 mmol )で 処理した。混合物を低温で2時間撹拌し、真空濃縮した。残渣を水および酢酸エ チル間に分配し、有機層を分離して、KHSO4,H2O,1 N NaHCO3,50% ブライン、およびブラインで洗浄した。Na2SO4上で乾燥した後、真空濃縮し て黄色油を得、シリカゲル 300 gのフラッシュクロマトグラフィーで精製し、7. 5%アセトン/ヘキサンで溶離させて、NおよびC−保護された10−11ジペプチ ドが得られた。 2−プロパノール 40 mL中のNおよびC−保護された10−11ジペプチド(4.65 g,10.4 mmol)の溶液にN2を送り込み、炭素上10%Pd 500 mg で処理した。混 合物を水素雰囲気下に置き、14時間撹拌し、その後窒素を送り、セライトパッド を通して濾過し、真空濃縮した。次に、残渣を0.5 N HCl 150 mL で処理し、 その後これを 5%水酸化アンモニウムでpH=9の塩基性としたエーテル(2x )で洗浄し、再びエーテル(3x)で洗浄した。これらの最後の抽出物を1つに し、50%ブラインおよびブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥した。その後化 合物を真空濃縮し、C−保護された10−11ジペプチドが得られた。 CH2Cl2120 mL中のC−保護ジペプチド(2.75 g,8.75mmol )およびDI EA(3.2 mL,18.4 mmol)の溶液を不活性雰囲気下で氷/水浴中で撹拌しながら 冷却した。冷却混合物をN−保護された9番目のアミノ酸 2.57 g(9.2 mmol)お よびBOP−Cl 2.34 g(9.2 mmol)で同時に処理した。混合物を徐々に10℃ま で加熱しながら24時間撹拌した。H2O,10%KHSO4,1 N NaHCO3,50% ブライン、およびブラインで洗浄した後、MgSO4上で乾燥し、真空濃縮して 黄色油を得た。シリカゲル 250 g上で精製し、7.5 %アセトン/ヘキサンで溶離 させて、NおよびC−保護された9−10−11トリペプチドが得られた。 上記のCおよびN−保護10−11ジペプチドと同様に、2−プロパノール 30 mL および炭素上10%Pd 300 mg を使用して、CおよびN−保護9−10−11トリペ プチドの水素添加を実施した。しかし、この場合は、水素添加混合物からの残渣 を水性HClで処理すると塩化水素塩が形成され、これを5%NH4OHで処理 し、混合物をエーテル(3x)で抽出した。有機層を1つにし、水およびブライ ンで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濃縮して、C−保護された9−10−11トリ ペプチドが得られた。 CH2Cl275 mL中のC−保護9−10−11トリペプチド(2.33 g,5.44 mmol) およびDIEA 1.99 mL(11.1 mmol)の溶液を不活性雰囲気下で氷/水浴中で撹 拌しながら冷却した。冷却混合物をN−保護された8番目のアミノ酸(1.78 g,5. 72 mmol )およびBOP−Cl(1.46 g,5.74 mmol)で同時に処理した。混合物を 4−6℃の低温室に移し、17時間反応させた。得られた生成物を上記のCおよび N−保護された9−10−11トリペプチドと同様に操作し、シリカゲル 200 g上で クロマトグラフィーにかけ、15%アセトン/ヘキサンで溶離させて、NおよびC −保護された8−9−10−11テトラペプチド断片(配列番号2)が得られた。 一般的操作C:CsAヘキサペプチド断片2−7(配列番号26)の合成 CH2Cl2250 mL中Boc 基によりN−保護された6番目のアミノ酸(10.31 g, 42.02mmol)およびDIEA(7.67 mL,44.0 mmol)の溶液をN2下で氷/水浴中 で撹拌しながら冷却し、BOP−Cl 11.21 g(44.02 mmol)で処理し、懸濁物を 2.5 時間激しく撹拌した。この混合物に、CH2Cl26 mL中OBzl 基によりC− 保護された7番目のアミノ酸(7.298 g,40.72 mmol)およびDIEA(7.67 mL, 44.0 mmol)の溶液を分割せずに添加した。混合物をCaSO4乾燥管下に置き、 5℃の低温室で一晩撹拌した。次に、この溶液をエーテル(3x容量)および水 (2x容量)中に注ぎ入れた。有機層を分離し、10%水性KHSO4,H2O,1 N NaHCO3,50%ブライン、およびブラインで洗浄した。MgSO4上で乾燥 した後、真空濃縮し、シリカゲル 400 g上のクロマトグラフィーによって精製し 、10%アセトン/ヘキサンで溶離させて、NおよびC−保護された6−7ジペプ チドが得られた。 NおよびC−保護された6−7ジペプチド 8.946 g(22 mmol)をメチレンクロ ライド中50%TFAによって脱保護し、中和、メチレンクロライドへの抽出、お よび蒸発の後、定量収率のC−保護された6−7ジペプチドが得られた。 C−保護された6−7ジペプチド 1.9 g(6.2 mmol)およびBOP−Cl 2.21 g(8.68 mmol)をメチレンクロライド 30 mLに添加した。懸濁液を不活性雰囲気下 で0℃に冷却し、高速で撹拌した懸濁液に、メチレンクロライド 30 mL中のN− 保護された5番目のアミノ酸(2.44 g,8.68 mmol)およびDIEA(3.0 mL,17m mol)の混合物を6時間かけて滴下した。反応物をさらに5℃で14時間撹拌し、 その後濃縮して濃い油状の残渣とし、これを直接シリカゲル 180 gに適用し、20 −30% EtOAc/ヘキサンで溶離させて、NおよびC−保護された5−6−7トリ ペプチドを得た。 NおよびC−保護された5−6−7トリペプチド 5.7 g(10 mmol)をアニソー ル 1.52 mL(14 mmol)およびジオキサン 7.8 mL に添加し、不活性雰囲気下で0 ℃に冷却し、0℃に予冷した 5.8M HCl−ジオキサン(17.2 mL,HCl 100 m mol )溶液で処理した。0℃で2時間、さらに5℃で12時間撹拌した後、混合物 を減圧下で回転蒸発(rotovaped )させた。さらに真空乾燥して、C−保護され た5−6−7トリペプチドを単離し、そのまま次の工程で使用した。 メチレンクロライド 120 mL 中Fmoc基でN−保護された4番目のアミノ酸( 4 .41 g,12 mmol )を不活性雰囲気下で0℃に冷却した。この溶液にオキザリルク ロライド(2.3 mL,26.4 mmol)を分割せずに添加し、数分後、触媒量のDMF( 120μl)を添加した。2時間後、前節に記載したように、混合物をロータリーエ バポレーター上で濃縮し、次のカップリング操作で使用した。 メチレンクロライド 30 mL中のC−保護された5−6−7トリペプチド(10.0 mmol )を不活性雰囲気下で0℃に冷却し、メチレンクロライド 30 mL溶液とし てFmoc−4番目アミノ酸の全収量(12.0 mmol )で処理した。撹拌した溶液に、 メチレンクロライド 30 mL中のDIEA(4.2 mL,24 mmol)を1時間かけて滴下 した。0℃で3時間後、反応物をメチレンクロライド 90 mLで希釈し、1 M KH SO4および50%ブラインで洗浄した。有機層を濃縮し、ジエチルエーテル/酢 酸エチル混合物で希釈し、飽和NaHCO3,50%ブライン、ブラインで洗浄し た。MgSO4上で乾燥し、真空濃縮した後、生成したCおよびN−保護された 4−5−6−7テトラペプチド(配列番号23)をシリカゲル700 g 上でクロマト グラフィーにかけた。 CH3CN 30 ml中のCおよびN−保護された4−5−6−7テトラペプチド (配列番号23)(3.2 g,6 mmol)溶液を、不活性雰囲気下氷上で冷却しながら、 同容量のDIEAで処理した。0℃で3時間撹拌した後、溶液を真空で濃縮し、 残渣をCH3CN 20 mLで処理し、再び濃縮した。これをメチレンクロライド60m LおよびDIEA 2.31 mL(13.2 mmol)で処理し、その後不活性雰囲気下で0℃に 冷却した。氷冷撹拌溶液に、BOP−Cl(1.83 g,7.2 mmol )とともに2−3 ジペプチド(1.81 g,6.6 mmol )を添加した。0℃で5時間後、反応混合物を真 空で濃縮し、残渣をジエチルエーテル/酢酸エチル混合物に溶解した。有機層を 分離し、10%水性KHSO4,H2O,1 N NaHCO3,50%ブライン、およびブ ラインで洗浄した。MgSO4上で乾燥した後、真空濃縮し、シリカゲル 400 g 上のクロマトグラフィーによって精製し、30%アセトン/ヘキサンで溶離させて 、NおよびC−保護された2−3−4−5−6−7ヘキサペプチドが得られた。 ヘキサペプチド 868 mg(1.1 mmol)をメチレンクロライド 1.5 mL 中TFA 5. 5 mL と -15℃で14時間反応させることによって、NおよびC−保護された2− 3−4−5−6−7ヘキサペプチド(配列番号26)をN−脱保護し、操作後、C −保護された2−3−4−5−6−7ヘキサペプチド(配列番号26)が得られた 。 一般的操作D:CsAヘプタペプチド断片1−7の合成 蒸留直後のアセトン(60ml )中のMeBmt またはMeLeu(3-OH)(0.2 mmol,1当 量)の懸濁液を、ほぼ透明な溶液になるまで、N2下で24時間加熱して還流させ た。MeBmt またはMeLeu(3-OH)のアセトン化物溶液を真空濃縮して1.5 mlとし 、それ以上精製せずにそのまま次の連結反応に使用した。 アセトン(1.5 ml)中の調製直後のアセトン化保護アミノ酸(0.2 mmol,1当量 )に、THF 3 ml 、N−メチルモルホリン(0.22 mmol,1.1当量)、1-ヒドロ キシベンゾトリアゾール(0.44 mmol,2.2当量)、およびヘキサペプチドアミン (0.22mmol,1.1当量)を添加した。調製した混合物を0℃に冷却し、DCC(0 .22 mmol,1.1当量)を添加した。混合物を室温まで昇温させ、N2下で20時間 撹拌し、その後、沈殿したジシクロヘキシルウレア(DCU)を濾過によって除 去し、少量のCH2Cl2で洗浄した。一つにした濾液を飽和NaHCO3溶液で 洗浄し、MgSO4上で乾燥した。真空で濃縮し、残渣をEtOAcに溶解し、さら にDCUを得た。2回目の濾過および真空乾燥後に残った残渣を、蒸留直後のn −ヘキサン中の10−40%アセトンでのクロマトグラフィーによって精製し、N, O−イソプロピリデン保護されたヘプタペプチド1−7を得た。 MeOH 3 ml 中のN,O−イソプロピリデンヘプタペプチド(0.156 mmol) 溶液を、 1N HCl水性溶液(0.6 mmol,4当量)とともに室温で15時間撹拌した 。反応混合物をNaHCO3(2 mmol)で処理し、真空濃縮して白色固体とした 。残渣をCH2Cl2中2%MeOHに入れて、CH2Cl2中2〜4%MeOHを使用 してフラッシュクロマトグラフィーにかけ、1−7ヘプタペプチド(配列番号10 )を得た。 一般的操作E:直鎖状非環化CsA類似体の合成 CH2Cl2(2 ml)中N−保護されたヘプタペプチド(残基1−7)(配列番 号:10)(0.1 mmol)およびテトラペプチドアミン(残基8−11)(配列番号2 )(0.15 mmol,1.5当量)溶液を、N−メチルモルホリン(0.2 mmol)で、そし て次にBOP−Cl試薬で処理した。反応混合物を密封し、N2下、室温で3日 間撹拌した。その後、混合物をCH2Cl2(15 ml )および水(10 ml )で希釈 した。水性層からさらにCH2Cl2(3×10 ml)で抽出し、一つにまとめた有機 層をMgSO4上で乾燥し、真空濃縮した。生成残渣を、シリカゲル上で蒸留直 後のn−ヘキサン中10−40%アセトンを使用したフラッシュクロマトグラフィー によって精製し、完全に保護された純ウンデカペプチド(配列番号27)を得た。 もう一方のウンデカペプチドエピマーまたは未反応物質と考えられる、より高い Rf値の不純物類は、通常はクロマトグラフィー操作で分離された。 一般的操作F:環化CsA類似体の合成 EtOH(2 ml)中の保護されたウンデカペプチド(0.05 mmol )溶液にN2を 送り込み、0℃に冷却した。混合物を0.2 N NaOH溶液(0.5 ml)で処理し、 1.5 時間撹拌した。さらに0.2 N NaOH溶液(0.25 ml)を追加し、0℃で 3. 5−12時間撹拌し続けた。その後、反応混合物を 0.2N HCl溶液(0.75 ml ) でpH6に中和し、ブライン(10ml )およびCH2Cl2(20 ml )で洗浄した 。水性層からさらにCH2Cl2(4×10 ml)で抽出した。一つにまとめた有機層 をMgSO4上で乾燥し、真空濃縮して乾燥し、透明な油状物を得て、これをそ のまま次の反応に使用した。 この油状の残渣(0.05 mmol )をCH2Cl2(200 ml)に溶解し、DMAP( 0.25 mmol )およびプロピルホスホン酸無水物(Fluka 製のCH2Cl2中 50%w /v溶液)で順次処理した。反応混合物をN2下、室温で2日間撹拌し、1−2 mlに 濃縮し、直接シリカゲルカラムに適用した。蒸留直後のn−ヘキサン中10−40% アセトンを使用したフラッシュクロマトグラフィーによって、純環状ウンデカペ プチド化合物が得られた。 実施例3:好ましいCsA類似体、[Me(3-OH)Leu(1),MeAla(4),MeAla(6)] CsAのための、特定の実験的合成操作 特定の実験操作A:β−ヒドロキシ-N-メチルロイシン(MeLeu(3-OH))の合 成 イソブチルアルデヒド(0.3 ml,3.2 mmol)とイソチオシアネートキラル補助物 質(1.3 g,4.8 mmol)を縮合させて、泡状固体の(4S)-3-((4'S,5'R)-5'- イ ソプロピル-2'-チオキソ-4'-オキサゾリジニルカルボニル)-4-( フェニルメチル )-2-オキサゾリジノン 0.6 g(54%)が得られた。 このアルドール付加物(550 mg,1.58 mmol)を加水分解して、透明油状のメチ ル(4S,5R)-5-イソプロピル-2- チオキソ-4- オキサゾリジン-4- カルボキシレ ート(240 mg(75%))が得られた。 このカルボキシレート(700 mg,3.45 mmol)を Meerwein 試薬(トリメトキソ ニウムテトラフルオロボレート)で処理し、透明油状のメチル(4S,5R)-5-イソ プロピル-3- メチル-2- オキサゾリジノン-4- カルボキシレート 246 mg(35%) が得られた。(4R)-エピマーは泡状固体(104 mg,14%)として得られた。 このメチルエステル(150 mg,0.75 mmol)を0.2 N KOHで加水分解し、Seph adex LH-20で精製して、白色固体の(2S,3R)-3-ヒドロキシ-N-メチルロイシン が得られた。 特定の実験操作B:CsAテトラペプチド断片8−11,(D)-Ala-MeLeu-MeLeu- MeVal (配列番号2)の合成 一般的操作Bにしたがって、[[(9-フルオレニルメチル)オキシ]カルボニル] -D-アラニル-N-メチル-L-ロイシル-N-メチル-L-ロイシル-N-メチル-L-バ リン t−ブトキシエステル(Fmoc-D-Ala-MeLeu-MeLeu-MeVal-Boc)を合成し、85 %の収率で、泡状固体として得られた。 特定の実験操作C:CsAヘキサペプチド断片2−7,Abu-Sar-MeAla-Val-Me Ala-Ala (配列番号26)の合成 一般的操作Cにしたがって、L−2-アミノブチリル−サルコシル-N-メチル- L- アラニル-L-バリル-N-メチル-L-アラニル-L-アラニンベンジルエステル H Leu-Abu-Sar-MeAla-Val-MeAla-Ala-OBzl )を合成し、65%の収率で、泡状固 体として得られた。 特定の実験操作D:CsAヘプタペプチド断片1−7,MeLeu(3-OH)-Abu-Sa r-MeAla-Val-MeAla-Ala (配列番号5)の合成 一般的操作Dにしたがって、(4S,5R)-2,2,3-トリメチル-5-イソプロピル-4- (オキサゾリジニル)−カルボニル]-L-2-アミノブチリル−サルコシル-N-メチ ル-L-アラニル-L-バリル-N-メチル-L-アラニル-L-アラニンベンジルエステ ル(N,O-イソプロピリデン-Me(3-OH)Leu-Abu-Sar-MeAla-Val-MeAla-Ala-OBz l )を合成し、55%の収率で、泡状固体として得られた。 一般的操作Dにしたがって、(2S,3R)-3-ヒドロキシ-N-メチル−ロイシル- L−2-アミノブチリル−サルコシル-N-メチル-L-アラニル-L-バリル-N-メチ ル-L-アラニル-L-アラニンベンジルエステル(H-Me(3-OH)Leu-Abu-Sar-MeA la-Val-MeAla-Ala-OBzl )を合成し、62%の収率で、泡状ガラス体として得られ た。 特定の実験操作E:直鎖状非環化CsA類似体(配列番号6)の合成 一般的操作Eにしたがって、[[(9-フルオレニルメチル)オキシ]カルボニル] -D-アラニル-N-メチル-L- ロイシル-N-メチル-L-ロイシル-N-メチル-L-バ リル-[(2S,3R)-3-ヒドロキシ-N-メチル−ロイシル]-L-2-アミノブチリル− サルコシル-N-メチル-L-アラニル-L-バリル-N-メチル-L-アラニル-L-アラ ニンベンジルエステル(Fmoc-D-Ala-MeLeu-MeLeu-MeVal-Me(3-OH)Leu-Abu-S ar-MeAla-Val-MeAla-Ala-OBzl )を合成し、34%の収率で、泡状固体として得ら れた。 実施例5:CsA類似体の免疫刺激特性 以下の操作によって、本請求の範囲のCsA類似体の新規な免疫刺激特性を測 定した。 最初に、健康なドナーからのPBMCをヒストパック(histopaque)(Sigma)上 の密度遠心分離によって単離した。このPBMCを1μg/mlのPHAで活性化し 、いずれも連続希釈したCsAまたはCsA類似体を存在させて、1 x105細胞/ ウェルでプレートに播いた。細胞を3日間インキュベートした後、3H-チミジン でパルスし、翌日採取した。シンチレーション計数によって放射活性の量を測定 した。結果を表5に示す。 その後、研究を発展させて、さらに8人のヒトドナーから得られたPBMCに 前記の操作を実施することによって、本請求の範囲のCsA類似体の免疫刺激特 性を試験した。結果は個体間で免疫刺激性にわずかな程度の差異を示しているが 、免疫刺激効果の実質的な性質は一定である。このデータを表6に示す。 実施例6:CsA類似体の固相合成 CsAの免疫抑制以外の他の生物学的活性に関する、構造と活性の関係につい ては全く未知である。先行文献によれば、今のところ、可能なCsA誘導体の中 のわずかな部分しか合成されていない。その上、いくつかのCsA置換体が共同 して作用するので、大部分が1つのアミノ酸の置換体から得られた、現存のデー タベースからは、多重置換CsA誘導体の活性を予測することはできない。Cs A誘導体に関して構造と機能の関係を演繹する唯一の論理的操作は、多数の誘導 体を合成し、続いてこれらを生物学的活性についてスクリーニングするものであ る。この操作には、CsA誘導体の合成の新規な方法、特に固相技術が必要であ る。 新規なCsA類似体を合成する過程において、出願人は固相法によってCsA 類似体の前駆体を合成する方法を発見した。溶液中においてCsAおよび類似体 を全合成するための有効な方法は数年間利用されているが、固相合成法によるC sAの合成は成功していない。その理由の一端は、立体的に束縛された、または N−メチル化アミノ酸の従来のカップリング操作では、固相合成条件下では不完 全な連結が生じることがよくある結果、欠陥がある配列となるためである。 その後、出願人は以下のような固相合成操作にしたがって、完全な環状CsA 誘導体を合成することができた。図14に概略を示す(配列番号12−20)。 1)MBHA(メチルベンズヒドリルアミン)ポリスチレン樹脂に延長させる ペプチド鎖を連結するのに、PAC(p−アルコキシベンジルアルコール)基を 利用して、シクロスポリン類似体を合成した。 2)樹脂の膨潤および洗浄のために、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド )を使用した。 3)支持体に連結させた1番目のアミノ酸は、3倍過剰のDIPCDI(ジイ ソプロピルカルボジイミド)を90分以上反応させて樹脂に連結させた3倍過剰の Fmoc−アミノ保護アミノ酸である。 4)ピペリジン/DMF(v:v 3:7 )を反応させることによって、1番目のア ミノ酸からFmoc基を除去した。 5)ペプチドに連結させた2番目のアミノ酸は、3倍過剰のBOP/DIEA を3時間以上反応させて樹脂に連結させた3倍過剰のFmoc−アミノ保護アミノ酸 である。 6)3倍過剰のピペリジン/DMF(v:v 3:7 )を反応させることによって、 末端のアミノ酸からFmoc基を除去した。 7)ペプチドに連結させた3番目のアミノ酸は、3倍過剰のHATU[O-(7- アザベンゾトリアゾール-1- イル)-1,1,2,2,- テトラメチルウロニウムヘキサフ ルオロホスフェート]/DIEAを2番目のカップリング(3時間)のダブルカ ップリングのプロトコールを使用して反応させることによって、樹脂に連結させ た3倍過剰のFmoc−アミノ保護アミノ酸である。 8)ピペリジン/DMF(v:v 3:7 )を反応させることによって、末端のアミ ノ酸からFmoc基を除去した。 9)ペプチドが11アミノ酸の長さになるまで、工程7および8を順次繰り返し た。 10)TFA:H2O(v:v 95:5)を4時間使用して脱保護ウンデカペプチドを 樹脂から切断し、エーテルで洗浄し、乾燥し、そして逆相高性能液体クロマトグ ラフィーによって精製した。 11)CH2Cl2中、高度に希釈した条件下における(PrPO23とDMAPと の反応によって、ウンデカペプチドを環化した。 12)環化ペプチドが10−15%の収率で得られ、カラムクロマトグラフィーによ って精製し、そしてNMRおよびFABMSによって特性決定した。 この操作を使用して、CsA類似体、[MeLeu1]-CsAを合成した。NMRお よびFABMSスペクトルをそれぞれ図15および16に添付する。ここに述べた固 相技術を使用することによって、文献記載の方法の組合せを使用したCsA類似 体のライブラリーを製造することが可能である[a)Gallop,M.A.;Barrett,R.W.; Dower,J.J.;Fodor,S.P.A.and Gordon,E.M.;J.Med.Chem.37:1233 および b)Gord on,E.M.;Barrett,R.W.;Dower,W.J.;Fodor,S.P.A.;and Gallop,M.A.;J.Med.Chem. 37:1385参照]。 実施例7:生物学的活性に関するCsA誘導体のスクリーニング 前記したように、好ましいCsA誘導体は抗HIV性であるとともに非免疫抑 制性でもある。以下の節では、利用可能な生物学的活性について新規なCsA誘 導体をスクリーニングすることができる、操作を概説する。 このスクリーニングモードは以下の生物学的検定で構成される。 モードI :対象のCsA類似体がカルシニューリンを阻害し、したがって免疫 抑制性であるかどうかを決定する。 モードII:対象の非免疫抑制性CsA類似体がシクロフィリンとともにシクロ フィリン媒介HIV複製を阻害するかどうかを決定する。 モートIII :対象のCsA類似体が熱ショックタンパク質(hsp70)を阻害する かどうかを決定し、その阻害剤のウイルス集合に対する効果を評価する。 モードIV:対象のCsA類似体が他のプロテアーゼとともにHIVプロテアー ゼを阻害するかどうかを決定する。 表7に概説する操作を使用して、ある新しいCsA類似体(“X”)の生物学 的活性を評価することができる。 シクロスポリンへの結合、免疫抑制能力、hsp70結合へのHIV−プロテアー ゼ阻害の可能性についてのシクロスポリン類似体の能力評価のため、いくつかの 結合検定が必要である。実施例5に記載した固相合成によって製造した多数のC sA類似体を処理するために、繊細で労力を要する検定が必要とされる。CsA 類似体ライブラリーをスクリーニングするために、下記の結合検定を使用する。 この検定は、過去20年にわたってELISAシステムおよび組織化学のために開 発された技術を応用している。これらのシステムは本来不均一系であるので、ビ ーズに結合した類似体のスクリーニングには理想的に適合している。最初のスク リーニングでの最良の候補物質を、生物学的効果を精査するためのより特異的な 検定を使用してさらに試験する。例えば、モードIにおいて免疫抑制性でなかっ た化合物を、免疫刺激性の可能性があるCsA類似体として、上記実施例5のよ うなマイトジェン検定において試験することができる。類似体のスクリーニング は、検定の必要性に応じて、合成された際のビーズに付着した、または溶液中の 類似体のいずれかで実施することができる。 検定において使用するタンパク質の起源 本発明者は、培養物1Lあたり精製シクロフィリン 80 mgのレベルになるように 、シクロフィリン(CyP )を発現させ、精製した。入手し得る組換え体形態で、 HIVプロテアーゼを入手した。hsp70 をpET発現システムで製造し(pET 発現システムは、Novagen,Madison,Wisconsin より市販されている)、精製した 。これらの研究において、入手し得るウシカルシニューリンおよびヒトカルシニ ューリンサブユニットAの両方を使用し得る。 シクロフィリン−シクロスポリン2成分複合体検定 CsA類似体とシクロフィリンの結合レベルを測定する方法の一つとして、標 準条件を使用した、精製シクロフィリンへのフロオロセインイソチオシアネート のカップリングが含まれる。この蛍光シクロフィリンを、一連の洗浄によって過 剰のシクロフィリンを除去することができるように、固相合成ビーズに連結した シクロスポリンに結合させ、蛍光プレートリーダーまたは顕微鏡で蛍光を検出す る。2番目の検定はELISA法に基づいている。この検定は、シクロフィリン をビオチン化して[Biot-CyP]誘導体を形成させることから始まる。ストレプト アビジンに連結したアルカリホスファターゼおよびペルオキシダーゼを使用して 、シクロスポリン−CsA複合体を定量的に測定することにより、樹脂−CsA の[Biot-CyP]への結合を検出する。この方法の変法として、樹脂結合シクロス ポリン類似体に結合させるために、シクロフィリンに対する抗体を使用する。こ の抗体をアルカリホスファターゼまたはペルオキシダーゼと複合体化したIgG抗 体によって検出する。 複合体へのCsA量を調整することによって、CsA類似体の結合を変更させ ることができる。CsA濃度を上げると、弱く結合しているCsA類似体を追い 出すことになる。CyP に弱く結合している可溶性のCsA類似体を使用して、活 性が小さい樹脂結合CsA誘導体と競合して追い出す。このCsA競合体の濃度 および効力を調節することによって、各合成調製品における最良の阻害剤を決定 することができる。 シクロフィリン−シクロスポリン−カルシニューリン3成分複合体検定 シクロフィリン−CsA−カルシニューリン結合の形成の程度を測定する方法 の一つは、カルシニューリンがシクロフィリン−CsA複合体のみに結合する事 実を利用する。こうして、組合せライブラリーにカルシニューリンおよびシクロ フィリンを添加すると、一般に免疫抑制性CsA類似体に関連する特性である、 両方のタンパク質に結合するCsAのみとの3成分複合体が形成される。過剰の 試薬から3成分複合体を分離し、蛍光標識カルシニューリンまたはカルシニュー リンに対する抗体のいずれかによって定量する。 第2の検定は Amersham の新しいシンチレーション近接検定(Scintillation Proximity Assay )システム(Amersham,Illinois )を使用する。この検定にお いて、固相ビーズにシンチラントを共有結合させる。光の発生を起こすため、放 射性同位元素をビーズに隣接させる必要がある。ビオチン化シクロフィリンおよ びストレプトアビジン−SPAビーズを使用し、溶液中のCsA類似体をI125- カルシニューリンとともに添加すると、シンチレーションが発生する。この方法 は放射性免疫検定と同様の鋭敏性を示すものである。この方法は固相ビーズへの 結合における立体的相互作用があるため、可溶性CsA類似体に限定されるが、 過剰の試薬の分離の必要はない。 HIVプロテアーゼおよび hsp70とCsAとの2成分複合体 CsAのHIVプロテアーゼまたは hsp70への結合を測定するため、必要に応 じてシクロフィリンに代えて、好適な抗体、蛍光標識タンパク質、またはビオチ ン化HIVプロテアーゼ若しくはビオチン化 hsp70を使用して、前記のシステム を使用することもできる。 以上の記載によって、本発明が免疫細胞の研究において有用と考えられるシク ロスポリンの免疫刺激性類似体を提供することが明らかになったはずである。特 定すると、ここでそれらは補助刺激剤として作用することが示された。これらの 類似体が化学的に合成し得る、より簡便な補助刺激剤を提供することは明白であ る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マルコフスキー,ミロスラフ アメリカ合衆国 53705 ウィスコンシン 州 マディソン,マラソン ドライブ 5118番地 (72)発明者 アンゲル,イヴォンヌ エム. アメリカ合衆国 53703 ウィスコンシン 州 マディソン,ワン イースト ギルマ ン ストリート,アパートメント 302 (番地なし)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.図1の免疫刺激性シクロスポリン類似体。 2.1位にβ−ヒドロキシ、N−メチルアミノ酸を含む、請求項1に記載の類似 体。 3.β−ヒドロキシ、N−メチルアミノ酸がβ−ヒドロキシ、N−メチルロイシ ンである、請求項2記載の類似体。 4.4位にN−メチルアミノ酸をさらに含む、請求項2記載の類似体。 5.前記N−メチルアミノ酸がN−メチルアラニンである、請求項4記載の類似 体。 6.6位にN−メチルアミノ酸をさらに含む、請求項4記載の類似体。 7.前記N−メチルアミノ酸がN−メチルアラニンである、請求項6記載の類似 体。 8.図3に示す構造を有する、請求項7記載の類似体。 9.以下の工程を含む、図1の免疫刺激性シクロスポリン類似体の合成方法: a)修飾された4個のアミノ酸ペプチドを修飾された7個のアミノ酸ペプチド およびカップリング試薬と反応させて、修飾された11個のアミノ酸ペプチドを形 成させ、 b)該修飾された11個のアミノ酸ペプチドを環化試薬と反応させて、前記シク ロスポリン類似体を形成させる。 10.以下の工程を含む、請求項9記載の修飾された7個のアミノ酸ペプチドの合 成方法: a)修飾された1個のアミノ酸を修飾された別のアミノ酸およびカップリング 試薬と反応させて、修飾された2個のアミノ酸ペプチドを形成させ、 b)該修飾された2個のアミノ酸ペプチドを修飾されたアミノ酸ペプチドおよ びカップリング試薬と反応させて、修飾された4個のアミノ酸ペプチドを形成さ せ、 c)該修飾された4個のアミノ酸ペプチドを修飾された1個のアミノ酸および カップリング試薬と反応させて、修飾された5個のアミノ酸ペプチドを形成さ せ、 d)該修飾された5個のアミノ酸ペプチドを修飾された1個のアミノ酸および カップリング試薬と反応させて、修飾された6個のアミノ酸ペプチドを形成させ 、 e)該修飾された6個のアミノ酸ペプチドを修飾された1個のアミノ酸および カップリング試薬と反応させて、前記修飾された7個のアミノ酸ペプチドを形成 させる。 11.以下の工程を含む、図1の免疫刺激性シクロスポリン類似体の合成方法: a)i)樹脂、ii)架橋物質、iii)保護されたアミノ酸、iv)脱保護試薬、v)カ ップリング試薬、vi)切断試薬、およびvii)環化試薬を任意の順序で準備し、 b)前記樹脂を前記架橋物質と反応させて樹脂誘導体を形成させ、 c)該樹脂誘導体を保護されたアミノ酸および前記カップリング試薬と反応さ せて、結合した保護されたアミノ酸を形成させ、 d)該結合した保護されたアミノ酸を前記脱保護試薬と反応させて、結合した 脱保護されたアミノ酸を形成させ、 e)該結合した脱保護されたアミノ酸を別の前記保護されたアミノ酸および前 記カップリング試薬と反応させて、結合した保護されたペプチドを形成させ、 f)該結合した保護されたペプチドを前記脱保護試薬と反応させて、結合した 脱保護されたペプチドを形成させ、 g)該脱保護されたペプチドを別の前記保護されたアミノ酸および前記カップ リング試薬と反応させて、結合した保護されたペプチドを形成させ、 h)工程fおよびgを反復して、所望の長さおよび配列の結合した脱保護され たペプチドを形成させ、 i)該所望の長さおよび配列の結合した脱保護されたペプチドを前記切断試薬 と反応させて、遊離した所望の長さおよび配列の脱保護ペプチドを形成させ、 j)該遊離した所望の長さおよび配列の脱保護されたペプチドを前記環化試薬 と反応させて、前記シクロスポリン類似体を形成させる。 12.前記樹脂がポリスチレン樹脂である、請求項11記載の方法。 13.前記架橋物質がp−アルコキシベンジルアルコール基である、請求項11記載 の方法。 14.前記カップリング試薬が、第1のペプチドカップリング用としてはジイソプ ロピルカルボジイミド、第2のペプチドカップリング用としてビス(2-オキソ-3 - オキサゾリジニル)ホスフェート、およびその他のすべてのペプチドカップリ ング用としてはO-(7-アザベンゾトリアゾール-1- イル)-1,1,2,2,- テトラメチ ルウロニウムヘキサフルオロホスフェートである、請求項11記載の方法。 15.免疫細胞をin vitroで図1の免疫刺激性シクロスポリン類似体と接触させる ことを含む、前記免疫細胞の刺激方法。 16.免疫細胞をマイトジェンで前処理する工程をさらに含む、請求項15記載の方 法。 17.前記免疫細胞がリンパ球である、請求項15記載の方法。 18.前記免疫細胞の免疫刺激の程度を決定する工程をさらに含む、請求項15記載 の方法。 19.前記決定工程が細胞の増殖測定を含む、請求項18記載の方法。 20.前記測定が放射性チミジンの添加および前記免疫細胞への取り込みの検出を 含む、請求項19記載の方法。
JP8508973A 1994-09-01 1995-08-30 免疫刺激剤 Pending JPH10511078A (ja)

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