JPH10510981A - ヌクレオチド配列を特性決定するための方法、装置及び組成物 - Google Patents
ヌクレオチド配列を特性決定するための方法、装置及び組成物Info
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- JPH10510981A JPH10510981A JP7529819A JP52981995A JPH10510981A JP H10510981 A JPH10510981 A JP H10510981A JP 7529819 A JP7529819 A JP 7529819A JP 52981995 A JP52981995 A JP 52981995A JP H10510981 A JPH10510981 A JP H10510981A
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Abstract
(57)【要約】
ヌクレオチド配列を含む試料を、それ又はその部分を複数のプライマー対と接触させ、各プライマー対がハイブリダイズしたサブ配列により詳細表示されるヌクレオチド領域を検出し、かかる検出された各領域の物理的特性を測定し、そしてかかる物理的特性を、対応する領域の詳細表示用サブ配列にハイブリダイズしたプライマー対の関数として指標化することにより特性決定し又は「指紋識別する」。ヌクレオチド配列を含む試料を指紋識別するための装置は、かかる方法を実施するための機能を含む。一つ以上のヌクレオチド配列を含む試料を特性決定し又は指紋識別する際に用いるためのプライマーのキットを、試料中に存在すると推定される各アンチセンスサブ配列(又はその相補的サブ配列)に比較的高頻度でハイブリダイズするプライマーの第1のセットを同定し、試料中に存在すると推定される各センスサブ配列(又はその相補的サブ配列)に比較的低頻度でハイブリダイズするプライマーの第2のセットを同定し、そして少なくとも第1及び第2のセットの両方に共通する選択されたプライマーをプライマーのキットとして与えるプロセスにより生成する。
Description
【発明の詳細な説明】
ヌクレオチド配列を特性決定するための
方法、装置及び組成物発明の背景
この発明は、核酸配列を特性決定し又は「指紋識別する」ことに関係する。そ
れは、遺伝子の同定、クローニング及び分析、並びに病気の診断に応用を有する
。
ヒトの遺伝子は、初期には、それらの翻訳産物(蛋白質)の単離、アミノ酸の
ミクロシーケンシング、ヌクレオチド配列への逆翻訳及びそれらのヌクレオチド
配列からデザインされたオリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーション
により同定された。蛋白質の単離及び精製が、このアプローチの主要な限界であ
った。
位置指定クローニング又は逆遺伝学は、一層強力な技術として現れた。遺伝子
の物理的近接、ゲノム中の多型配列、連鎖分析の利用は、蛋白質産物の知られて
いない遺伝子の発見へと導いた。最初に用いられた位置マーカーは、制限酵素断
片長多型(RFLP)であったが、次には、配列標的部位(STS)が好適であ
った。病気の遺伝子を捜す道具としての位置指定クローニングの大成功により、
科学界は、(STSに基づいて)全ヒトゲノムの物理地図を作るという野心的な
プロジェクトに乗り出した。
同定され配列決定された遺伝子の数が増すにつれて、科学者は、新しい遺伝子
単離のストラテジーを開発した。関連遺伝子のアミノ酸配列を並べてそれらのホ
モロジーを分析することにより、同種又は他の種において以前に同定された配列
と関連する新規な蛋白質が、ライブラリーを調べるか又はポリメラーゼ連鎖反応
(PCR)の何れかにより同定された。技術的に単純で効率的なアプローチであ
るにもかかわらず、その有用性は、一般に、以前に同定された配列に相同な蛋白
質に限られている。
Pardee等の米国特許第5,262,311号に開示された最近の非特異的クロ
ーニング方法は、メッセンジャーリボ核酸(mRNA)を単離し、それらを逆転
写して相補的デオキシリボ核酸(cDNA)を生成し、そしてそれらの3’非翻
訳領域をオリゴヌクレオチドプライマーのセットを用いるポリメラーゼ連鎖反応
(PCR)により増幅する。各セットの第1のプライマーは、ポリAテイル及び
そのすぐ上流の2ヌクレオチドとハイブリダイズする。第2のプライマーは、も
っと上流の配列とハイブリダイズし、少なくとも9(好ましくは、13)の勝手
な配列を含むという。本発明者は、これについて、実際との一致から、Pardee等
の第2のプライマーは、6〜7量体の特異性にてハイブリダイズするものと理解
している。
Pardee等の技術は、一般にディフェレンシャルディス
プレーPCR(DD−PCR)として知られ、有意の進歩を構成するものではあ
るが、理論的及び実践的限界がないわけではない。先ず第一に、第2のプライマ
ーが6又は7量体として「作用」すると仮定するならば、20のセットは、50
0中の1の総平均頻度でハイブリダイズするであろう。正規分布を仮定すれば、
これらのプライマーが標的とする配列の凡そ半分は、ポリAテイルから500ヌ
クレオチド以上となり、従って、慣用の電気泳動ゲルにおいては効果的に分離さ
れないであろう。幾らかのmRNAはポリAテイルを欠いており、他のものは5
00ヌクレオチドより短いので、PCR生成物を得る見込みは少ない。更に、ポ
リAテイルに直接隣接している配列は、必ずしも保存されておらず且つ通常ゲノ
ムデータベースに十分表示されていない非翻訳領域をコードしていることが最も
ありそうである。蛋白質コード配列を得るためには、通常、かなりの量の配列決
定及びDNAライブラリーの調査が必要とされる。これらのステップは、骨の折
れる時間を要するものである。更に、DD−PCRは、ポリAテイルを標的とす
るので、mRNA試料にしか適用できない。
上記を考慮して、この発明の目的は、ヌクレオチド配列を特性決定し又は「指
紋識別する」ための改良された方法、装置及び組成物を提供することである。更
なる目的は、とりわけ、ゲノムDNAのマッピング、ヌクレオチド配列の選択的
同定及び単離、かかる配列間の機能的
関係の理解及び病気の診断における利用のためのかかる方法、装置及び組成物を
提供することである。これらの及び他の目的は、後述の検討において明らかであ
る。発明の要約
上記の及び他の目的がこの発明により達成されるが、該発明は、一面において
、核酸試料(又は、その部分)を複数のプライマー対と接触させ、各プライマー
対がハイブリダイズしたサブ配列により詳細表示されるヌクレオチド領域を検出
し、かかる検出された領域の各々の物理的特性を決定し、そしてかかる物理的特
性を対応する領域の詳細表示用サブ配列にハイブリダイズしたプライマー対の関
数として指標化することにより核酸試料を特性決定する方法を提供する。
この面により、各プライマー対は、いわゆる5’プライマー及びいわゆる3’
プライマーを含む(これらは、それら又はそれらの相補鎖が標的とするセンス鎖
の相対的末端に関して命名される)。各5’プライマーを選択して、試料中に存
在すると推定される特異的な各ヌクレオチドサブ配列(又は、その相補的サブ配
列)と比較的高頻度でハイブリダイズさせる。同様に、各3’プライマーを選択
して、試料中に存在すると推定される異なる各ヌクレオチドサブ配列(又は、そ
の相補的サブ配列)とハイブリダイズさせる。当業者は、語「相補的」を、ここ
で用いる場合、用語「逆相補的」と同意であること
を認めるであろう(何故なら、この用語は、通常、相補鎖配列に言及する際に適
用されるからである)。
この発明の関連する面においては、詳細表示用プライマー対が標的とするヌク
レオチド領域を、それらの領域(又は、それらの相補的配列)を例えばポリメラ
ーゼ連鎖反応(PCR)により増幅することにより検出する。この点に関して、
3’プライマーをセンス鎖ヌクレオチド配列とハイブリダイズするように選択す
る(それらは、各対のアンチセンス鎖とハイブリダイズする5’プライマーの「
下流」にあり、そして他の対の5’プライマーに相補的である)。従って、これ
らの5’プライマーは、PCRにより増幅したアンチセンス鎖と高頻度でハイブ
リダイズするが、その反応により増幅したセンス鎖とは比較的低頻度でハイブリ
ダイズするオリゴヌクレオチド配列を含むことができる。以下で検討するように
、この発明の一つの好適実施において、各プライマー対は、「独立に」適用する
ことができる。即ち、試料の離れた各部分に適用することができる。
この発明は、更なる面において、上記のように、(最初の試料としても利用で
きるゲノムDNAとは異なる)mRNA配列を含む試料について使用するための
方法を提供する。この点に関して、この方法は、試料を予備処理してcDNAを
生成することを含む。これは、試料の各部分を、次のPCR増幅において用いる
3’プライマーと接触させ及びそれらの3’プライマーを(例えば、
逆転写酵素を用いて)伸長させて相補的DNAを形成することにより行なうこと
ができる。
この発明の方法は、他の面において、詳細表示用プライマー対が標的とする各
ヌクレオチド領域について、分子量又は分子の長さを含む物理的特性を決定する
ことができる。これは、例えば、ゲル電気泳動により達成することができる。
一度物理的特性、例えば、詳細表示用プライマー対が標的とする各ヌクレオチ
ド領域の重量及び長さを決定したならば、この発明による方法は、その特性を、
プライマー対自身の正体の関数として指標化することができる。かかる指標化さ
れた特性の例えばデータベース、グラフ又はマトリックス形態の編集物は、試料
を構成する種々のヌクレオチド配列の指紋のセットとして働く。
他の面において、この発明は、候補の試料(例えば、癌細胞株)の指標化され
た特性の編集物を、参考用試料(例えば、正常細胞株からの試料)の特性と比較
してそれらの試料の相対的ヌクレオチド含量を決定することを企図する。これら
の候補の試料の指標化された特性は又、独立に分析することもでき、例えば、該
試料に含まれるヌクレオチド配列の相対的位置を決定することができる。
この発明の更に他の面は、上記の方法を実施するための機能を有する装置を提
供する。
この発明は又、一つ以上のヌクレオチド配列を含む核
酸を特性決定し又は指紋識別する際に利用するためのプライマーのキットをも提
供する。この発明の一つにより、そのキットを、試料中に存在すると推定される
各アンチセンスサブ配列(又は、その相補的サブ配列)に比較的高頻度でハイブ
リダイズするプライマーの第1のセットを同定し、試料中に存在すると推定され
る各センスサブ配列(又は、その相補的サブ配列)に比較的低頻度でハイブリダ
イズするプライマーの第2のセットを同定し、そしてプライマーのキットとして
、第1及び第2のセットの両者に共通する少なくとも選択されたプライマーを提
供するプロセスにより生成する。
このキットは、選択した領域内に入る定量可能な物理的特性を有するヌクレオ
チド配列領域を詳細に表示するプライマーの対が試料中のヌクレオチドサブ配列
(又は、その相補的サブ配列)にハイブリダイズするプライマーの第3のセット
を同定する更なるステップを含む上記のプロセスにより生成することができる。
それらの物理的特性は、例えば、検出装置により分離可能な範囲内の分子量又は
分子の長さ、例えば、ゲル電気泳動装置により分離可能な50〜600塩基対長
を含んでよい。プライマーのキットは、この面により、第1、第2及び第3のセ
ットに共通するプライマーを選択することにより生成することができる。
更に他の面において、この発明は、ポリメラーゼ連鎖反応と実質的に同じ条件
下でアニールするプライマーの
セットを同定するステップを含む上記のプロセスにより生成されるキットを提供
する。これは、実質的に同じ長さの試料中の特異的ヌクレオチド配列(又は、そ
の相補的配列)とハイブリダイズするプライマーのサブセット(部分集合)、並
びに実質的に同じGC含量を有するプライマーのサブセットを同定することを含
むことができる。これらの長さは、例えば、5〜20ヌクレオチド、6〜12ヌ
クレオチド、7〜9ヌクレオチド、又は好ましくは、8ヌクレオチドであってよ
い。このGC含量は、例えば、50〜75%又は25〜50%であってよい。こ
れらのステップを用いて生成したキットは、これらのセット及びサブセットの選
択したもののすべてに共通なプライマーを含むことができる。
上記のように生成されるキットの構成要素は、一層大きいセット内のプライマ
ーの各グループ分けの推定上の選択性を比較することにより選別することができ
る。従って、例えば、このキットが上記の選択したセットに共通する(n)プラ
イマー中の(m)を含む場合には、最大で(m)の候補のプライマーを、現実の
又はシミュレートした生物学的試料に関するそれらの個々の選択性に基づいて選
択することができる。更なるプライマーを、こうして選んだ(m)プライマーの
代わりに用いて、それらの更なるプライマーがそれらの(m)プライマーの他の
ものと共に更に一層大きい選択性を達成するかどうかを決定することができる。
更に他の面において、この発明は、下記の151のオリゴヌクレオチドの群か
ら選択する5’プライマーを含むヒトの蛋白質コード領域のターゲティングのた
めのプライマーのキットを提供する。
この群の大きさは、これらのオリゴヌクレオチドの1〜5、5〜10、10〜
20、30〜50又は50以上に及び得る。更に好ましくは、ヒトの蛋白質コー
ド領域のターゲティングのための5’プライマーは、下記を含む30のオリゴヌ
クレオチドの群から選択する。
かかるキットに含むための3’プライマーは、選択した5’プライマーの相補
鎖として選択することができる。
更に他の面において、この発明は、下記の121のデカヌクレオチドの群から
選択する5’プライマーを含むG蛋白質が結合したレセプターのターゲティング
のためのプライマーのキットを提供する:
この群の大きさは、これらのデカヌクレオチドの1〜5、5〜10、10〜2
0、30〜50又は50以上に及び得る。更に好ましくは、G蛋白質と結合した
レセプターのターゲティングのための5’プライマーを、下記を含む20のデカ
ヌクレオチドの群から選択する:
この発明の関連する面は、上記の方法及び装置におけるかかるプライマーの利
用に関係する。
この発明のこれらの及び他の面は、添付の図面及び後述の説明において明白で
ある。図面の簡単な説明
この発明の一層完全な理解は、図面を参照することにより達成され得る。
図1は、生物学的試料中のヌクレオチド配列を特性決定するためのこの発明に
よる装置10を示す。
図2は、この発明による3’、5’プライマー対と共に逆転写及びPCRを利
用して、それらの対とハイブリダイズするサブ配列により詳細表示されるヌクレ
オチド配列を増幅する機構を示す。
図3は、図1及び2に示した「指紋識別」の生成に使用するための3’及び5
’プライマーを選択するための好適方法論を示す。
図4は、1,000のヒトのコード領域におけるGC含量4又は5のオクタヌ
クレオチド[n=32,256]についてのセンス及びアンチセンス遺伝子頻度
を示すXYプロットである。
図5は、この発明による151のオリゴヌクレオチドからランダムに選択した
30のプライマー(原物及び相補鎖)の50,000セットにより検出した多数
のヒトコード領域を示す。比較目的で、この発明による30のプライマーの好適
なセットにより検出した多数の遺伝子をも示してある。
図6〜8は、多数の遺伝子毎のPCR生成物、長さによるPCR生成物の分布
、及びこの発明による5’〜3’プライマー対の好適セットに対するPCR生成
物の頻度の分布を示す。
図9は、mRNAコード領域の長さとこの発明による方法、装置及び組成物に
より検出されたmRNAのパーセントとの間の関係を示す。
図10は、この発明によるオリジナルプライマーの数とそれにより、この発明
の方法及び装置と共に、検出したヒトmRNAのパーセントとの間の関係を示す
。
図11は、H.sapiens、M.musculus、D.melanogaster、S.cerevisae 並びにラ
ンダムに生成した配列において、この発明による30のオリジナルの及び相補的
なプライマーの好適セットを用いて検出された遺伝子のパーセントを示す。数字
は又、ランダムに選択したオクタヌクレオチドプライマーにより検出した遺伝子
のパーセントをも示す。例示用具体例の詳細な説明
概観
遺伝子分析のための従来技術は、元々、個別的又は段階的な仕方での、遺伝子
の同定のために考え出されたが、我々は、以下に、個別的及び大規模の遺伝子の
同定の両者のための新しい方法、装置及び組成物を説明する。ランダムに選択し
たヒト蛋白質コード領域の大集団の詳細な分析に基づいて、我々は、かかる領域
のセンス鎖中に、少なくとも転写的に活性なヒトゲノムの高度に選択的なスクリ
ーニング、単離及び同定を可能にするだけ十分に低いレベルのホモロジーがある
ことを見出した。
コード領域のセンス鎖において、ヌクレオチドはトリプレット(コドン)に合
同して蛋白質中のすべての異なるアミノ酸を特定する。ヒトのコード領域内の6
〜9タプル(6〜9個の要素からなる集合)の頻度の分布は、ヒトの蛋白質中の
アミノ酸及びアミノ酸の組合せの分布により、及びコドンの使用頻度により決定
される。頻繁に互いに結合する一般的アミノ酸の好適コドンを表わすKタプルが
高頻度を有することは、ありそうなことである。例えば、我々は、イン・フレー
ムでアミノ酸ロイシン及びグルタミン酸をコードする6タプル「ctggag」
が、1,000のヒトコード領域(1,631,763ヌクレオチド)のセンス
鎖(すべての3つの可能なフレーム)中に2,087回生じることを見出した
(これは、781.9中の1という実際の頻度であるが、ランダムな分布を仮定
した場合に予想される頻度、4,096中の1の5倍より大きい)。
ある統計的に選択したkタプルにハイブリダイズするプライマー対を、kタプ
ルの各対により詳細表示されたヌクレオチド領域が同定され得るように試料に加
える。好適実施において、それらの領域は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を
用いて指数関数的に増幅することにより検出する。
増幅した生成物の電気泳動ゲルを用いる分離は、詳細表示用プライマー対の正
体により指標化した場合、サイズによるそれらの分類を与える。その分類は、3
’及び5’プライマーの正体によって、三次元マトリックス又は指紋識別、即ち
、5’プライマーの正体×3’プライマーの正体×増幅した生成物サイズを、各
試料について生成するように有利に与えることができる。ここに記載した統計的
にデザインしたプライマーのセットを用いて及び1,100のヒトmRNAを用
いるシミュレーションに基づいて、公知の(及び潜在的に未知の)ヒト遺伝子の
70%より多くがかかるマトリックスにて表現することができるようである。
試料の特性決定
図1は、生物学的試料中のヌクレオチド配列を特性決定するためのこの発明に
よる装置10を示す。この装置
10には、生物学的試料の源12、核酸例えばmRNAを試料から単離するため
の装置14、その核酸から、ヌクレオチド配列又は断片を選択的に増幅するため
の装置16、それらの増幅した断片を分離するための装置18、分離した断片の
デジタルイメージを生成するためのビデオカメラ20、及びそのイメージを解釈
して試料の「指紋識別」を生成するための制御及び分析用ユニット22が含まれ
る。
後述の好適具体例において、要素12〜22は、それらの間で材料を移動させ
るオペレーターにより制御されるスタンドアローンの装置を構成する。他の好適
具体例においては、かかるオペレーションは、慣用のロボット工学機構又は流れ
制御装置の利用により、制御及び分析用ユニット22から出される制御信号によ
り、示したように自動化されている。
源12は、ここでの教示と一致して特性決定されるべき生物学的材料の源を表
している。それらの試料は、ウイルス、細菌、動物、植物又はその他の源から得
ることができ、特性決定すべき核酸を含んでいる。後述する具体例は、ヒトのm
RNAの特性決定に向けられているが、当業者は、ここでの教示は他の核酸(例
えば、ベクター、コスミッド又はYACに含まれたヒトゲノムDNAの断片)の
特性決定に適用することができることを認めるであろう。更に、関連する及び他
の種からの核酸も又、特性決定することができる(例えば、マウス−
後述の実施例2を参照されたい)。
要素14は、核酸を試料から単離するための慣用の装置及び方法を表している
。好適具体例において、要素14は、当業者に公知の慣用の方法における操作の
ための遠心分離用装置を含む。核酸の生物学的試料からの単離のための当業者に
公知の他の手段及び/又は装置、例えばmRNA単離のためのオリゴ(dT)セ
ルロースも又、用いることができる。
要素16は、この発明によるプライマー対が標的とする詳細表示されるその試
料中の核酸配列を増幅するための慣用の装置及び方法を表している。好適具体例
において、要素16は、かかるプライマー対を用いる、核酸のポリメラーゼ連鎖
反応増幅を行なうための慣用の装置を含む。この説明した具体例は、PCR増幅
を用いているが、当業者は、他の技術例えばライゲーション連鎖反応又は放射性
若しくは蛍光標識したプライマーも又、試料中の標的ヌクレオチド配列を同定す
るために利用できることを認めるであろう。
要素18は、要素16により生成された増幅された断片を分離するための慣用
の装置又は方法を表している。好適具体例において、要素18は、慣用のゲル電
気泳動装置を含む。ゲル電気泳動(好ましくは、ポリアクリルアミドゲル中)を
用いて、3’、5’プライマー対が標的とするヌクレオチド領域の物理的又は化
学的特性、特にそれらの領域の(ゲル中のバンドにより証明された)
長さ及び分子量の同定を容易にする。他の特性例えば、かかる標的とされ詳細表
示された領域の存在(例えば、放射性又は蛍光標識されたプライマーにより表示
)は、この発明の別の具体例において利用され得る。
要素20は、装置10の自動化例において使用される要素18の「出力」のデ
ジタルイメージ、例えばマシンビジョンソフトウェア例えば制御及び分析用ユニ
ット22による分析のための分離した断片のデジタルイメージを生成して、上記
の詳細表示された領域の化学的又は物理的特性を決定するためのビデオカメラを
表している。好ましい非自動化システムにおいて、それらの特性は、電気泳動ゲ
ル中のバンドへの及びバンド間の距離を測定することにより、慣用の方法にて測
定される。
要素22は、標的とされ詳細表示された各ヌクレオチド領域の特性の関数とし
ての指紋識別を、それを標的とした3’、5’プライマーの正体の関数として生
成するためのデジタルデータプロセッサー例えば、ここでの教示に一致した操作
のためにプログラムされた慣用の「パーソナルコンピューター」を表している。
好適具体例において、要素22は、標的とされ詳細表示された各領域について5
’、3’プライマー対の正体及びゲル上の領域に対応するバンドまでの距離を表
示する指紋識別データベース24を生成する。
一つの好適具体例において、データベース24は、好ましくは、第1の指標を
構成する5’プライマーの正
体、第2の指標を構成する3’プライマーの正体、及び第3の指標を構成するバ
ンド長を有する三次元マトリックスの形態である。例えば、プライマー対16、
29(即ち、5’プライマー#16及び3’プライマー#29)を用いるPCR
反応が150及び475にゲルバンドを生じる(即ち、150及び475ヌクレ
オチド長の標的とされ詳細表示された各領域を示す)場合には、このデータベー
スは、2つの値(1つは、座標16,29,150であり、1つは、座標16,
29,475)を保存する。保存された値は、好ましくは、3’、5’プライマ
ー対と会合したバンドの存在(又は非存在)を示すBoole 値1(又は0)である
。一層好ましくは、保存された値は、検出されたバンドの強度を表すことができ
る。
データベース又はマトリックス24は、好ましくは、表示、分析又は他の生物
学的試料について生成した指紋識別との比較のために、揮発性メモリー例えばR
AM及び/又は二次的記憶装置例えば磁気ディスクに保存する。更に、メモリー
に保存するために、データベース又はマトリックス24は、慣用の数学的グラフ
ィック用パッケージを用いて、図1に示した方法で、グラフ表示することができ
る。
当業者は、データベース又はマトリックス24は、上記の三次元のもの以外の
形式で保存し、提供することができるということを認めるであろう。例えば、こ
のデー
タベースを、第1の指標を表す5’プライマーの正体、第2の指標を表す3’プ
ライマーの正体、及びこれらの指標に保存された値を構成するバンド距離(即ち
、長さ又は分子量)を有する二次元形式で保存することができる。或は、別法と
して、データベースを、単一指標を表す5’プライマー及び3’プライマーの細
切れ(又は他の関数)及び保存された値を表すバンド距離を有する一次元形式で
保存することができる。
ヌクレオチド配列の選択的増幅
図2は、mRNAを含む試料を特性決定するために、この発明の好適具体例に
おいて逆転写及びPCRを用いる機構を示している(この発明による3’、5’
プライマーを使用)。
図の上部には、特性決定すべき生物学的試料に含まれる3つの典型的なmRN
A配列30A〜30Cが示されている。mRNA上の潜在的プライマー標的部位
を正方形、円形及び三角形として表してあるが、各々は、この発明による3’プ
ライマーが選択的にハイブリダイズする1つ以上のヌクレオチドの異なる各サブ
配列を表している。従って、mRNA30Aは、典型的に、正方形、円形及び三
角形の部位を含み、mRNA30Bは、正方形部位を含み、そしてmRNA30
Cは、円形及び三角形部位を含む。実際の試料においては、mRNAは3種類よ
りずっと多いことがありそうであり、ここでは、単
純化のために少ない数で示しているということは認められよう。
この方法の、「RT」と示した逆転写フェーズにおいて、試料を、3’プライ
マーの数に対応させた部分に分ける。各部分中のmRNA30A、30B、30
Cを、逆転写酵素の存在下で、各3’プライマー32A、32B、32Cを用い
て逆転写する。その結果生成したcDNAを、要素34A〜34Fとして示して
ある。
「PCR」と示した検出フェーズにおいて、各部分を再び2つの小部分に再分
する:一の小部分は、元の部分の逆転写において用いた3’プライマーに相補的
でない各5’プライマーに対するものである。各小部分についてPCR反応を、
元の部分の3’プライマー及び各非相補的5’プライマーを用いて行なう。従っ
て、この説明において用いる典型的グラフィックシンボルを参照して、PCR反
応を、「丸い」3’プライマー32A並びに「正方形」及び「三角形」の5’プ
ライマー36A、36Bの各々;「正方形」の3’プライマー32B並びに「丸
い」及び「三角形」の5’プライマー36C、36Dの各々を用いて;そして「
三角形」の3’プライマー32C並びに「丸い」及び「正方形」の5’プライマ
ー36F、36Eの各々を用いて行なう。
3’、5’プライマー対がハイブリダイズするサブ配列にが隣接し又は境を接
する各小部分中のヌクレオチド配列を増幅する。かかる増幅は、cDNA配列3
8A〜
38Dにより示される。この説明において示されるように、増幅された配列38
Aは、プライマー対32A、36Aに対応し;増幅された配列38Dは、プライ
マー対32C、36Fに対応し;そして増幅された配列38B及び38Cは、プ
ライマー対32C及び36Eに対応する。
「GEL」と示されたフェーズにおいて、増幅された配列の特性を測定するた
めに、各小部分をゲル電気泳動にかけて、増幅された生成物を分離する。ゲル4
0A、40E及び40Fは、示したように、増幅された生成物38A〜38Dに
対応するバンドを示す。対応するPCR反応の何れもが増幅された生成物を生じ
ないので、ゲル40B〜40Dはバンドがない。
「3DMatrix」と示した指標化フェーズにおいて、マトリックス42は
、ゲル40A〜40F中の増幅された生成物の特性を反映して組み立てられる。
従って、ゲル40A中の対応するバンドの距離により反映される増幅された配列
38Aの分子量又は長さは、マトリックス42に保存され、プライマー対32A
、36Aの正体により指標化される。増幅された配列38B〜38Dは、同様に
、それらの各プライマー対により指標化され、マトリックス42中に保存される
。残りのマトリックスの入り口は、対応するプライマー対がPCR反応において
増幅された結果を生じなかったので、空のままである。
候補の試料から生成したマトリックス42は、参照用試料のものと比較してそ
の相対的ヌクレオチド含量を測定することができる。参考用マトリックスは、例
えば、健康な細胞株から、この明細書中の手順及びプライマーを用いて生成する
ことができる。その参考用マトリックスを、候補の試料から生成したマトリック
スと比較してそれらの試料の核酸含量の差異を測定することができる。当業者は
、かかる参考用及び候補試料のマトリックスの利用が、例えば、同定及び病気の
診断において大切であることを認めるであろう。
マトリックス42は、それ自身を分析して、例えば、試料中に含まれるヌクレ
オチドの相対的位置を決定することができる。従って、例えば、もし下記の条件
に合えば、上記の検出フェーズにおいて生成された3つのPCR生成物(ここで
は、「A」、「B」及び「C」と呼ぶ)について、この試料において、生成物「
A」に対応するヌクレオチド配列が生成物「B」に対応するものと隣接すること
及び生成物「C」に対応するヌクレオチド配列が生成物「A」及び「B」に対応
するものを含むということはありそうなことである:
i)生成物「A」及び「C」と会合した5’プライマーが同一物である、
ii)生成物「B」及び「C」と会合した3’プライマーが同一物である、
iii)生成物「A」と会合した3’プライマーが、生
成物「B」と会合した5’プライマーと相補的である、
iv)生成物「A」及び「B」の長さの和が、実質的に、生成物「C」の長さ
と等しい(プライマー自身により規定される重複領域を除く)。
プライマーの選択
6〜9タプルの発生頻度の計算
図3は、上記の「指紋識別」を生成する際に用いるための3’、5’プライマ
ーのキットを生成するための好適方法論を示す。ステップ50から始めて、特性
決定すべき試料と望ましい関係を有する親集団を選択する。ヒトmRNAを含む
試料を特性決定するための好適具体例において、一千のヒトmRNAを、ヒトコ
ード領域の親集団の代表として、Enrez:Sequences 公開6.0 及び7.0(National C
enter for Biotechnology Information)からランダムに選択した。
ランダムに選択したmRNAから分析したヌクレオチド配列は、酵素、ホルモ
ン、成長因子、構造蛋白質、免疫グロブリン、レセプター、トランスポーター及
びその他の種々の遺伝子を含んだ。各mRNA中のコード領域の開始位置及び終
了位置は、手作業で抽出した。未特定のコード領域を有するヒトmRNA、コー
ド領域内の非特異的ヌクレオチド配列、又はイントロンは、統計的分析に含めな
かった。
一千のランダムに選択したヒトコード領域内の可能な6〜9タプル(ヘキサ〜
ノナヌクレオチド)の全348,160の発生頻度が、センス鎖及びアンチセン
ス鎖の両方について計算された。データベースに保存されたヒト遺伝子は、本当
は、ヒトゲノムのランダムサンプルではないが、6〜9タプルの発生頻度の計算
のための適当なサンプルであることはありそうなことである。それらは、関連す
る種例えばマウスの指紋識別用サンプルとしても実質的に十分働き得る(実施例
2参照)。
すべての6〜9タプルのセンス及びアンチセンスmRNA頻度(所定のk−タ
プルが生じるmRNAの数)も又、この一千のコード領域にて計算した。これは
、所定のk−タプルの全体的頻度だけでなくその遺伝子の分布をも考慮すること
が重要であるので行なった。100の異なる遺伝子中に100回現われるk−タ
プルは、遺伝子中の反復配列の故に、5つの遺伝子中に100回現われるものよ
り広く分布している。
上記の情報から、下記の6つのフィールドを含むようにデータベースを作成し
た:センスk−タプル、センス発生頻度、センスmRNA頻度、アンチセンスk
−タプル、アンチセンス発生頻度及びアンチセンスmRNA頻度。
オリジナルプライマー数及びPCR生成物サイズ範囲の選択
我々の分析は、k−タプルの小さい部分集合が高い割合のすべてのヒトコード
領域センス鎖により共有されていることを示した。この発見を利用して、PCR
に基づくストラテジーを工夫して、完全な転写的に活性なヒトゲノムの高度に選
択的なスクリーニング、単離及び同定を達成した。PCRプライマーのセットを
、センス−選択的オリゴヌクレオチド(オリジナルプライマー)をそのセット中
の他のすべてのオリゴヌクレオチドの相補鎖と対合させることによりデザインし
た。相補的プライマーは、アンチセンス鎖に対して選択的である。当業者は認め
るであろうが、プライマー及びそれ自身の相補鎖の組合せのPCRは、技術的理
由により、効果的に行なうことができない。
図2及び対応する本文において明らかなように、2つのオリジナルプライマー
がPCRに従順な距離で遺伝子中に存在するときはいつでも、生成物が形成され
る。得られたPCR生成物を、二次元(5’プライマー及び3’プライマー)に
分離する。もし、特異的5’−3’プライマー対を用いて形成したすべての生成
物が、サイズにより、電気泳動ゲルにて分離されるならば、PCR生成物の三次
元(3D)マトリックスが生じる。
3D−マトリックスのサイズは、実際的で実行可能であるだけ十分に小さく且
つすべてのmRNAに対応するだけ十分に大きくあるべきである。一万〜一万五
千の遺伝子が、特定の細胞において、任意所定の時点に転写的
に活性であると見積もられる。技術的理由の故に、50〜600塩基対の大きさ
で、配列決定用ゲル当たり、最大で100のPCR生成物が効果的に分離され得
る。このサイズ範囲は制限的であるので、3D−マトリックス中の「セル」数は
、主として、オリジナルプライマーの数に依存するであろう。この発明によるシ
ステム中のプライマー対の数は、オリジナルプライマー数の二次関数(n2−n
)である。
オリジナルプライマーの数は、予め30にセットした。その結果の870(3
02−30)のプライマー対(5’プライマー、3’プライマー)は、550の
位置(長さ600−50)と組合せて、478,500セルを有する3D−マト
リックスを生成する。この3D−マトリックスは、潜在的に、87,000(8
70×100)のPCR生成物まで対応することができ、これは、mRNA当た
り平均5.8(87,000/15,000)のPCR生成物を与える。これら
のほぼ50万セルの3D−マトリックス(3D−指紋識別)中の特異的位置に位
置する複数の生成物の組合せは、任意所定の遺伝子に対して非常に特異的である
。従って、3D−指紋識別を用いて、数千の遺伝子を同時に同定することができ
る。すべての公知の(クローン化され、配列決定された)ヒト遺伝子に関する3
D−指紋識別を、以下で検討するコンピューターシミュレーションにより生成す
ることができる。
オリジナルプライマーセンス及びアンチセンス遺伝子頻度の選択
ステップ52及び54(図3)において、親集団から収集した上記の情報から
、潜在的プライマーのセットを同定する。この目的のために、選択した鎖例えば
アンチセンス鎖中に比較的高頻度(即ち、5〜25%、好ましくは9〜21%)
で生じるk−タプルとハイブリダイズする第1のセットを同定する。次いで、比
較的低頻度(即ち、10%未満、好ましくは5%未満)で他の鎖例えばセンス鎖
とハイブリダイズする第2のセットを同定する。潜在的プライマーは、それらの
セットの交差点にある(即ち、両セットに共通するプライマーである)。好まし
くは、センス鎖と比較的頻繁にハイブリダイズするプライマーは、独立にセット
を同定し次いでそれらの交差点を見出すのではなく、第1のセットから直接選択
する。
ステップ56において、潜在的プライマーのセットをしぼって、対で使用した
ときに所望の長さ(又は、分子量)のPCR生成物を生じるものを含むようにす
る。これは、PCR増幅生成物の検出に使用する媒質の分離能力に依存する。好
適な説明用の具体例において、その長さは、50〜600塩基対である。かかる
長さのサブ配列を詳細表示するための、標的とハイブリダイズするプライマー対
のセットは、すべてのセット中に存在するものから選択される潜在的プライマー
を用いて独立に選択
することができる。しかしながら、好ましくは、かかる詳細表示用プライマーの
セットは、前のセットから直接選択する。
ヒトのコード領域を特性決定するためのプライマーを決定するための好適実施
において、15±6%(9〜21%)のオリジナルプライマーセンス遺伝子頻度
(或は、別の言葉で表せば、アンチセンス鎖中の意図的に標的とされるk−タプ
ルの出現頻度)は、適当であると考えられた。もしオリジナルプライマーが、ヒ
トのコード領域のセンス鎖の15%に存在するならば、かかるプライマーの30
のセットは、遺伝子当たり、平均4.5回(0.15×30)現われるであろう
。任意のサイズのPCR生成物の理論的総数は、(n−1)+(n−2)+・・
・・+(n−n)である(ここに、nは、遺伝子当たりのプライマーセット出現
数である)。mRNA当たり形成されるサイズが50〜600塩基対のPCR生
成物の数は、出現数だけでなく、それらのmRNA中のオリジナルプライマーの
特異的位置にも依存するであろう。
理想的には、もしセンスの特異的プライマーのセットを生成することを希望す
るならば、オリジナルプライマーのアンチセンス遺伝子頻度(或は、別の言葉で
表せば、センス鎖中の意図しないで標的とされるヌクレオチドの出現頻度)を可
能な限り低くすべきである。しかしながら、コード領域のセンス鎖中に非常に高
頻度で存在
するプライマーが、アンチセンス鎖中でも高い頻度を有する傾向があるというこ
とが見出された。1,000のヒトコード領域におけるGC含量4又は5を有す
るオクタヌクレオチドについてのセンス及びアンチセンス頻度間の関係を示すX
Yプロットを図4に示す。5%未満のアンチセンス遺伝子頻度を、勝手に、オリ
ジナルプライマーについてセットした。
当業者は、これらのセンス及びアンチセンス遺伝子の頻度は例示に過ぎないこ
と及び、ここでの教示と矛盾なく且つ、他の因子の内、プライマーの長さ、親集
団の頻度スペクトル、電気泳動ゲル(又は、他の分離用装置)の分離能力を考慮
して矛盾しない他の頻度範囲は全く適当であり得ることを認めるであろう。
図2及びそれに伴う本文において明らかなように、5’オリジナル−3’相補
的特異性を有意に増大させる方法は、相補的プライマーを用いてmRNAを逆転
写することである。1つのオリジナルオリゴヌクレオチドと1つの相補的オリゴ
ヌクレオチドが、PCR反応において、プライマーとして作用し得る次の4つの
可能な異なる方法がある:5’オリジナル−3’相補的、5’相補的−3’オリ
ジナル、5’オリジナル−3’オリジナル及び5’相補的−3’相補的。3’プ
ライマーとして作用するオリジナルオリゴヌクレオチドの可能性は、事実上、排
除される(逆転写ステップにより)。センス鎖をテンプレートとして考えるなら
ば、オリジナルオリゴヌ
クレオチドは、統計的に、5’プライマーとして作用することが一層ありそうで
あり、それらの相補鎖は、3’プライマーとして作用しそうである。唯一の他の
残りの選択は、5’及び3’プライマーの両者として作用する1つの相補的オリ
ゴヌクレオチドであるが、この事象の可能性は非常にありそうもない。相補的プ
ライマーが存在するすべてのプライマー対は、それが直接認識されるように、か
かる生成物を形成する。
オリジナルプライマーの長さ及びGC含量
ステップ58〜62(図3)において、同様のPCR条件下でアニールする潜
在的プライマーのセットを同定する。好ましくは、これは、実質的に同様のGC
含量即ち25〜50%又は50〜75%を有する部分集合を同定し、5〜20ヌ
クレオチド、好ましくは6〜12ヌクレオチド、一層好ましくは7〜9ヌクレオ
チド、最も好ましくは8ヌクレオチドの、実質的に同様の長さの部分(即ち、特
異的に示したヌクレオチドとハイブリダイズする部分)を標的とすることにより
決定する。これらの、ステップ52及び54に関連して記載されたセットの部分
集合を、すべてのセット(及び部分集合)に存在するものから選択した潜在的プ
ライマーを用いて、独立に決定することができる。しかしながら、好ましくは、
同様の条件下でアニールするプライマーのセットを、前のセットから直接選択す
る。
プライマー対が類似のアニーリング温度を有するには、類似の長さ及びGC含
量が必要である。ランダムな分布を仮定すれば、30k−タプルの計算により予
想される頻度は、異なる組合せの数で30を除したもの(30/4k)である。
6−タプル 136.5中の1
7−タプル 546.1中の1
8−タプル 2,185.5中の1
9−タプル 8,738.1中の1
ランダムに選んだ30の6又は7−タプルからの2つのオリゴヌクレオチドは
、頻繁に、600bpよりかなり少なく、このサイズ範囲のPCR生成物を形成
する。一方、この事象は、30のランダムに選択した8又は9の長さのオリゴヌ
クレオチドのセットについては、それらの一層低い予想頻度の故に、起こりそう
もない。前述のように、9〜21%のセンス遺伝子頻度、及び5%未満のアンチ
センス遺伝子頻度及び類似のGC含量は、オリジナルプライマーに関して好適で
あった。特定のパラメーター内に入る9タプルの数は、プライマーセットを完成
するのに十分でなかった(必要数の見積り30)。これらの理由のため、8の長
さがオリゴヌクレオチドに好適であった。すべての65,536の可能な8−タ
プルの内、151が、4又は5のGC含量及び選択したセンス−アンチセンス遺
伝子頻度を有した(図4参照)。必要数のPCR反応を行なうことのできる装置
が与えられれば、これらの151のオリゴヌクレオチドは、ヒトの(及び関連す
る)生物学的試料の特性決定において用いるための5’プライマーの好適セット
を構成する。3’プライマーは、これらの151のオリゴヌクレオチドに対する
相補鎖として生成することができ、相補的でない5’プライマーと組み合わせて
1512−151(又は1361)プライマー対を含むキットを形成することが
できる。
これらの151のオリゴヌクレオチド(5’プライマ
ー)及びそれらの相補的オリゴヌクレオチド(3’プライマー)を列記した表は
、下記の通りである:
オリジナルプライマーの最終セットの選択
1361のPCR反応を行なって追跡する必要がある場合には、上記の151
のプライマーの部分集合を、指紋識別の生成に利用することができる。プライマ
ーの数は、遺伝子検出の収率と効率の間のバランスに依存するであろう。その群
のサイズは、1〜5プライマー、5〜10プライマー、10〜30プライマー、
30〜50プライマー又は50プライマーより多数に及んでよい。上記のように
、指紋識別の生成に使用するための好適セットは、一層小さい部分集合を例えば
かかる指紋識別に関する異なる分析に用いることができるにもかかわらず、これ
らのプライマー30個を含む。最終的候補からの部分集合(例えば、30のプラ
イマー)の選択を、ステップ54及び56に示し、以下に説明する。
65,536の可能なオクタヌクレオチドからの30のプライマーの可能なセ
ットの数は、3.1×10144である。8−タプルの数を151に減らしても、
30のプライマーは、依然1.3×1066の異なる組合せを有する。理想的では
あっても、一千のヒトmRNAの代表的サンプルにおいて、これらの組合せの1
つ1つについて3Dマトリックスを生成することは(コンピューターシミュレー
ションによる場合でさえ)実行可能ではない。
従って、下記のステップを用いて、最終的な151の候補から30のサブグル
ープを同定した:
(1)統計的にデザインしたセンス−アンチセンス(オリジナル−相補的)プ
ライマー対を用いる870(30×30−30)のPCR反応のコンピューター
シミュレーション、
(2)870のPCR反応の生成物の6%配列決定用ゲル(サイズ範囲50〜
600bp)における分離のシミュレーション、
(3)50〜600bpのサイズ(3D-Link システムの予備選択したサイズウ
インドウ)のすべてのPCR生成物の3Dマトリックス(オリジナルプライマー
、相補的プライマー、生成物サイズ)の生成、
(4)3Dマトリックス中に表された遺伝子の数の計算。
我々のアプローチは、151の候補のオリゴヌクレオチドから30のプライマ
ーの多数のセットをランダムに生成させること及び、各候補のプライマーが、コ
ンピューターシミュレーションに基づいて、高い遺伝子収率を生じさせる組合せ
にて存在する場合の数を保存することであった。特定の候補のプライマーが予め
決めた頻度を達成したときに、それを、最終的プライマーとして固定した。53
0万回の反復の後に、すべての30のプライマーがコンピューターシミュレーシ
ョンにより選択された。
図5は、151の候補のオリゴヌクレオチドからラン
ダムに選択した30のプライマーの50,000セットにより検出したヒトのコ
ード領域の数を示している。これらのプライマーセットにより検出されたコード
領域の平均数は、547.2であった。我々のアプローチにより選択された30
のオリジナルプライマーのセットは、1,000のヒトコード領域の726を検
出することができた。プライマー選択プロセスにおいてコード領域のみを使用し
たが、もし完全なmRNAを初期試料として用いるならば検出率は一層高いとい
うことには、注意すべきである。1,000のヒトmRNAの内の763のすべ
てが、これらの選択した30のオリジナルプライマーのセットにより検出された
。
下記の表は、ヌクレオチド配列の特性決定に用いるためのこの発明による30
の好適プライマーを示す。この表は又、1,000のヒトmRNAコード領域の
センス鎖及びアンチセンス鎖の両方における遺伝子頻度をも示している。
すべての列記した30のプライマーの総頻度は、センス鎖においては、412
.2中の1(1,624,763中の3,934)であり、アンチセンス鎖にお
いては、1,285.0中の1(1,624,763中の1,236)である。
ランダムな分布を仮定した場合の30個の8量体についての予想頻度は、2,1
84.5中の1(1,624,763中の612.7)である。従って、オリジ
ナルプライマーのセンス頻度は、予想より5.3倍高く、それらのアンチセンス
頻度は、予想の1.7倍である。相補的オリゴヌクレオチドは、正確に逆の意味
及びアンチセンス頻度を有する。前述のように、達成し得るセンス特異性は、ヒ
トのコード領域内のセンス及びアンチセンス頻度間の直接比例関係により制限さ
れる。
これらの30のオリジナル(5’)プライマーは、1,000のヒトmRNA
(2,298,399塩基対)中に4,515回現われる。
コンピューターシミュレーションにおいて、この明細書中の方法及び一千のヒ
トmRNAにおける30の列記したプライマーの使用により生成されたPCR生
成物の総数は、5,241であった。前述のように、この3Dマトリックスにて
表されるmRNAの数は、76.3%(1,000中の763)であった。
mRNA当たり形成されたPCR生成物の頻度の分布を、図6に示す。平均5
.2のPCR生成物が、
mRNA当たり形成された(1,000のmRNAにおいて5,241)。プラ
イマー対当たりのPCR生成物の数(30の列記したプライマーについて)及び
長さによるPCR生成物の分布を、図7及び8に示す。これらの結果は、この3
Dマトリックスのセルは、同種の方法でのPCR生成物により満たされることを
示している。
mRNAコード領域の長さとこの明細書の方法により検出されたmRNAのパ
ーセント(上に列記した30のプライマーを使用)との間の関係を、図9に示す
。この認められる直接比例関係についての説明は、mRNAのコード領域が長い
ほど、mRNA中の50〜600の距離に位置すべき2つのオリジナルプライマ
ーの可能性が高くなるということである。100コドンより短いコード領域は、
この検出の際に30.0%しか検出されなかったが、反対に、500コドン以上
の長いコード領域では92.4%の検出率であった。
オリジナル(5’)プライマーの数と検出されたヒトmRNAのパーセントの
間の関係(上に列記した30のプライマーに関するもの)を、図10に示す。予
想されるように、検出される遺伝子のパーセントは、オリジナルプライマーの数
と共に増加する。この3D−マトリックス中のプライマー対の数(PCR反応)
は、オリジナルプライマーの数の二次関数であるので、このシステムの効率は、
オリジナルプライマーの数が増すにつれて減
少する。8つのオリジナルプライマー(56のPCR反応)は、1,000のヒ
トmRNAの24.7%を検出することができた。検出されるmRNAの数を2
倍(50.2%)及び3倍(75.0%)にするためには、16のオリジナルプ
ライマー(240PCR反応)及び29のオリジナルプライマー(812PCR
反応)が必要であった。オリジナルプライマーの数を40に増加すること(1,
560PCR反応)は、単に、検出されるmRNAのパーセンテージを10%(
84.5%)だけ減少させた。
実施例1 − 一千のランダムに選択したヒトmRNAを用いるシミュレーシ ョン
図2に関連して、上述の逆転写及びPCR反応を、上に列記した30のオリジ
ナルプライマー及び30の相補的プライマーのセットを用いて、上述の一千のm
RNAとは異なる百のランダムに選択したヒトmRNAにてコンピューターによ
りシミュレートした。これらのオリジナルプライマーは、これらの100のmR
NA(214,396塩基対)のセンス鎖中に434回現われた。形成されたP
CR生成物の数は、515であり、検出された遺伝子の数は、73%(100の
うち73)であった。これらの結果は、この明細書中の方法、装置及び組成物が
完全な転写的に活性なヒトゲノムへの一般的適用可能性を有することを示唆して
いる。
実施例2− ヒト、マウス、ショウジョウバエ及びランダムに生成させた「配 列」における、3D-Link プライマーセットとランダムに生成させた「プライマー セット」との、シミュレーションによる比較
図11は、3D-Link プライマーセット(30のオリジナルプライマー及び相補
的プライマー)及び同等のランダムに選択したオクタヌクレオチドプライマーの
セットを用いて、H.sapiens(n=1,000)、M.musculus(n=250)
、D.melanogaster(n=250)、S.cerevisae(n=250)及びランダム
に生成した配列(n=1,000)において検出された遺伝子のパーセントを示
す。ランダムなプライマーと配列を含むコンピューターシミュレーションを、対
照実験として行なった。1,000のヒトmRNA(2,298,399塩基対
)中の30のランダムなオクタヌクレオチド、マッチする長さのランダムに生成
した配列の1,000のストリング中の30の上記のオリジナルプライマー、及
びランダムな配列の1,000のストリング中の30のランダムな8量体を用い
て指紋識別用マトリックスを生成した。PCR生成物の数は、それぞれ、203
、215及び224であり、1,000のヒトmRNAにおいて3D-Link プライ
マーセットにより形成された5,241の生成物に比べて23倍の減少であった
。検出された遺伝子の数は、5倍減少した(76.3%に比較して、14.1%
、12.9%及び14.7%)。このヒト
3D-Link の他の種の核酸を特性決定するための潜在的有用性を探るために、マウ
ス、ショウジョウバエ及び酵母におけるコンピューターシミュレーションを行な
った。得られた結果は、ヒト3D-Link システムが関連種の試料の指紋識別に実質
的に十分に働くことを示している(マウス70.4%、ショウジョウバエ60.
4%)。一層離れた種において得られた結果は、ランダム対照とあまり異ならな
かった(酵母26%)。この3D-Link システムを使用してヒト又は関連種からの
DNAを含むYACを指紋識別するならば、酵母遺伝子に対する特異性の欠如は
有利であるということに注意すべきである。
実施例3 − ヒト肝細胞株からのRNAの利用
細胞培養及びRNAの単離
ヒト肝細胞株(HepG2パッセージ16)を、10%FBSを有するイーグ
ル最小必須培地(Sigma)にて培養した。細胞を3日間生育させた後に凍結した
。RNAを、前に記載されたようにして、塩化セシウム(5.7M)及びグアニ
ジンチオシアネート(4M)中での遠心分離を用いて単離した。得られたRNA
を、20mlの酢酸ナトリウム(3M、pH5.2)、200mlのDEPC水
及び513mlの無水エタノール(終濃度70%)で洗い、−86℃に1時間保
存した。このmRNAを、次いで、70%エタノールで2回洗い、真空中で30
分間回転させた。その結果の凍結乾
燥されたRNAを、75μlのDEPC水に再溶解させた。RNAの品質を、ア
ガロースゲルを用いて確認した。濃度は、1.93μg/mlであった(260
nmでの吸光度により測定)。
ヒトmRNAの逆転写及びPCR増幅
上記の5つのオリジナルプライマー及び5つの相補的プライマーを、Oligos E
tc.Short オリゴヌクレオチド(5’末端で、縮重様式で、プライムすることが
知られている)から得た。それ故に、我々は、すべてのデザインしたオクタヌク
レオチド(8−タプル)の5’末端に4つのイノシンを加えて、3’末端に位置
する8つの塩基における特異的プライミングを与えた。イノシンの低い結合効率
のために、すべてのオリゴヌクレオチドは、HPLCにより精製された。
HepG2細胞から得られたヒトRNAを、デザインしたアンチセンスオリゴ
ヌクレオチドプライマーを用いて逆転写した。M−MLV逆転写酵素は、Gibco
BRL から得た。アッセイ条件は、製造者により勧められたようにした(2μgR
NA、10mM DTT、3mM MgCl2、75mM KCl、50mM
トリス−HCl、2.5μM プライマー、0.5mMの各dNTP及び10単
位/μlのM−MLV)。
統計的にデザインしたセンス−アンチセンス(オリジナル−相補的)プライマ
ー対を用いて、逆転写された
mRNAを、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅した。増幅のための条
件を(最適の生成物収率を得るために)次のように変えた。1.4mM MgC
l2、50mM KCl、13.5mM トリス−HCl、50μM dNTP
、0.5μM[35S]dATP、1μMの各オリゴヌクレオチドプライマー及
び0.01単位/μlのTaqDNAポリメラーゼ(Perkin Elmer社)。アニー
リング温度を42℃にセットし、サイクル数を40に増加した。
3D-Link オリジナル−相補的プライマー対を用いて得られたPCR生成物のゲ
ル分離
生じたPCR生成物を、6%ポリアクリルアミド配列決定用ゲル(National D
iagnostics)にて分離した。ゲルを乾燥させ、特定の造影用フィルム(Kodak)
に72時間露出した。予想されるように、多数のバンドが、統計的にデザインし
たセンス−アンチセンス(オリジナル−相補的)プライマー対を用いて得られた
。
実施例4 − 哺乳動物のG蛋白質と結合したレセプターの3D-Link
ここに記載した方法、装置及び組成物は、哺乳動物のG蛋白質と結合したレセ
プター(並びに、上記のように、ヒトの蛋白質コード領域)を「指紋識別する」
ために適用することができる。この目的のために、哺乳動物
のG蛋白質と結合したレセプターの典型的な157のコード領域を、上記の方法
にて分析した。それらのコード領域の受け入れ番号は、下記の通りである:
前に説明したように、予備選択したセンス/アンチセンス遺伝子頻度に基づい
て、121のデカヌクレオチドを、下記の候補のプライマーとして選択した:
再び、上記のように、哺乳動物のG蛋白質と結合したレセプターを検出するそ
れら全部を合わせた能力に基づいて(指紋識別プロセスのコンピューターシミュ
レーション使用)、20のオリジナルプライマー(380プライマー対)を、下
記の最終的プライマーセットとして選択した:
当業者は、3’プライマーの対応するセットを、5’及び3’プライマーの他
のセットに関して上述したのと
同様の方法を用いて、すぐ上に列記した5’プライマーから導くことができるこ
とを認めるであろう。
このプライマーセットは、分析した哺乳動物のG結合蛋白質レセプターの77
.7%(157中の122)を検出することができる。遺伝子当たりのPCR生
成物の平均数は、3.2であった(157遺伝子から496のPCR生成物)。
ムスカリン(1,2,3,4,5)、アルファ(1b,1c,1d,2a,2b
,2c)及びベータ(1,2,3)アドレナリン、アデノシン(1,2a,2b
,3)、ヒスタミン(1,2)、ドーパミン(1,2,3,4,5)、タキキニ
ン(nk1,2,3)、ソマトスタチン(1,2,3,4)、ボンベシン(1,
2)、5−HT(1a,1b,1d)、エンドセリン(a,b)ブラジキニン(
1)、FPR(1,2)、グルカゴン、MGLUR(1,4)、PTH、ACT
H、MSH、TSH、FSH、LH/HCG、GNRH、オキシトシン、バソプ
レッシン(1a)、ニューロペプチドY、ニューロテンシン、プロスタノイド(
EP3アルファ及びベータ)、VIP、CCK(a,b)、IL8R(a,b)
、C5a、PAF、オピオイド、カナビノイド、及びオーファンレセプター(R
334、EDG1、RCD1、G10D)を含む種々のG蛋白質と結合したレセ
プターを同定した。
典型的具体例
プライマーのキットを生成し及びヌクレオチド配列を特性決定するための上に
列記した方法を合わせた一つの典型的な好適具体例のステップは、下記の通りで
ある:
(1)探るべき遺伝情報のサブセット(例えば、ヒトのmRNAのコード領域
)の選択
(2)すべてのk−タプル及びそれらの相補的オリゴヌクレオチドの頻度の分
布を得るために、選択したサブセット内のすべての公知の(クローン化され及び
配列決定された)遺伝子の統計的分析(1,000のランダムに選択したヒトm
RNAからのコード領域を用いて行なう)
(3)類似の長さ及びGC含量を有する選択した遺伝的サブセットのコード領
域センス鎖に特異的なk−タプルの同定(例えば、長さ8bp、GC含量4又は
5で、センス遺伝子頻度が>9%且つ<21%であり、アンチセンス遺伝子頻度
が5%未満の151のオリゴヌクレオチドが見出された − 図4参照)。
(4)高い遺伝子収率を有するプライマーセットを見出すための、選択したオ
リゴヌクレオチドのランダムな組合せを用いる、指紋識別プロセス(例えば、逆
転写及びPCRに基づく増幅)のコンピューターシミュレーション(例えば、オ
リジナルの151の候補のオリゴヌクレオチド
を用いて30のプライマーの多数のセットが生成され、それらの遺伝子を検出す
る能力が比較された − 図5参照)。
(5)オリジナルプライマーを、それ自身を除き、各相補的オリゴヌクレオチ
ドと組み合わせることにより、PCRプライマー対のセットをデザインする。
(6)これらのプライマー対を用いてPCRを行なう。
(7)電気泳動ゲルにて、生成物をサイズにより分離する。
(8)各「セル」中に、各プライマー対の組合せを用いて得られたすべてのP
CR生成物を配置することによる3D−マトリックス(5’プライマー、3’プ
ライマーサイズ)の生成。
利点
ここに記載した新規な方法、装置及び組成物は、下記の理由により、ヌクレオ
チド配列の同定において有利に用いられる:
1)3D−マトリックス(「3D−指紋識別」)の特定のセル内に配置され
た多数の生成物の存在は、特定の遺伝子に対して非常に特異的であることはあり
そうなことであり、配列決定、マッピング又はハイブリダイゼーション技術を用
い
ないで数千の遺伝子を同時に陽性同定するために用いることができる。
2)この記載した発明によるシステムは、特定のゲノムのサブセット(例え
ば、ヒトの蛋白質コード領域)を、それらの全体的ヌクレオチド組成に基づいて
選択的に標的とするためにデザインされている。我々の技術は、初期試料として
事実上如何なる種類の核酸(例えば、ヒトmRNA;ベクター、コスミッド、Y
AC等に含まれたヒトDNA)でも用いることができる。ある種類又はクラスの
核酸(例えば、mRNAのポリAテイル)に限定されたヌクレオチド配列を標的
とする以前の技術(例えば、DD−PCR)は、特異的でなく、そのクラスの核
酸(例えば、mRNA)を特性決定するために利用できるだけである。
3)mRNAを出発物質として用いて、転写的に活性なヒトゲノムの3D−
マトリックスを生成することができる。このゲノムの「仮想地図」における連鎖
の分析は、物理地図において物理的近接を試験する方法と類似の方法で、調べる
べき遺伝子間の機能的結合を与えるであろう。細胞分化の際に、同じ転写因子、
ホルモン、成長因子、又はその他の特異的モジュレーターにより制御される遺伝
子は、機能的に関係のない
遺伝子よりも高頻度で、このマトリックス中に同時に存在するであろう。
4)このヒトの指紋識別は、科学者が病気の遺伝子を探す際に非常に有用で
あり得る。この機能的地図は、ヒトゲノムの詳細な物理地図(ヒトゲノムプロジ
ェクトの最終目的)よりも遺伝子検出にとって有効であろう。
5)これらの増幅された生成物を、電気泳動ゲルでバンドとして単離する。
従って、これらの生成物をバンドから溶出させ、再増幅して配列決定することが
できる。このように用いるならば、この3D−マトリックスは、既に単離された
転写的に活性なコード領域のカタログと考えることができる。
6)すべての公知の及び配列決定されたヒト遺伝子の3D−指紋識別は、デ
ータベース(GenBank、EMBO)に保存された遺伝子において、この技術のコンピ
ューターシミュレーションによって予想することができる。これは、数千のゲノ
ムの指紋識別の潜在的同定を、それらが実際に生成される前に与えるであろう。
要約
上記は、生物学的試料中のヌクレオチド配列を特性決定するための新規な方法
、装置及び組成物である。それ
らの方法、装置及び組成物は、ゲノムDNAのマッピング、ヌクレオチド配列の
同定及び単離、かかる配列間の機能的関係の理解、及び病気の診断のための改良
された能力を与えることによりその目的を満たす。これらの及び他の目的は、後
述の検討において明らかである。
当業者は、上記の具体例が例示であること及び当業者の知力の範囲内の改変物
が請求項に記載の発明の範囲内に入ることを認めるであろう。かかる改変物は、
上記の本文中に例により記してある。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 各々が一個以上のヌクレオチドを有する一個以上のヌクレオチド配列を 含んでいる試料の特徴を決定する方法において、 A.前記試料又は該試料のそれぞれの部分を、各々が (i)前記試料中に存在することが推定されるそれぞれのヌクレオチドサブ配 列又はそれに対する相補的なサブ配列に対して相対的に高い頻度でハイブリダイ ズする5’プライマーと称するプライマーと、 (ii)前記試料中に存在することが推定される他の各ヌクレオチドサブ配列 又はそれに対する相補的なサブ配列に対して相対的に高い頻度でハイブリダイズ する3’プライマーと称するプライマーと、 を含んでいる複数個のプライマー対と接触させ、 B.各プライマー対にハイブリダイズされた前記試料中の前記ヌクレオチドサ ブ配列により区画されたヌクレオチド配列領域を検出し、 C.前記各検出された領域の物理特性を決定し、 D.前記区画用サブ配列にハイブリダイズされたプライマー対の種類(ide ntity)により少なくとも一つの前記検出された領域の物理特性に指標付け (index)する工程を含むことよりなる、試料の特徴を決定する方法。 2. 工程Bは、各プライマー対にハイブリダイズし たサブ配列により区画される前記試料中で、前記ヌクレオチド配列又はそれに相 補的な配列の前記領域を増幅することを含む、請求項1の方法。 3. 工程Aは、前記試料又はそのそれぞれの部分を、複数のプライマー対で あって、各々が前記5’プライマーの他にさらに、下流側のヌクレオチドサブ配 列又はそれに対する相補サブ配列にハイブリダイズする3’プライマーを含み、 該3’プライマーは前記複数のプライマー対のそれぞれ他の一つの5’プライマ ーに対して相補的であるような、複数のプライマー対に対して接触させる工程を 含み、 工程Bの増幅はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により行う工程を含む請求項 2の方法。 4. 工程Aは、 (i)PCRにより増幅されることが期待されるアンチセンス鎖に対して高頻度 でハイブリダイズするが、 (ii)PCRにより増幅されることが期待されるセンス鎖に対して低頻度でハ イブリダイズするようなオリゴヌクレオチド配列を構成するように、前記5’プ ライマーを選択する工程を含むものである、請求項3の方法。 5. 工程Aは、特定のヌクレオチド配列に対してハイブリダイズする各標的 部を有するように前記5’プライマーを選択する工程を含み、前記ターゲット部 分は、下記のオリゴヌクレオチドの群、 から選択されている、請求項4の方法。 6. 前記試料は一種以上のメッセンジャーリボ核酸(mRNA)配列を含む ものであり、さらに、相補的デオキシリボ核酸(cDNA)配列を生成するため に前記試料を前処理する工程を含む、請求項4の方法。 7. 前記前処理工程は、前記試料の各部分を複数の プライマー対の各一つからの3’プライマーと接触させ、そして前記試料の当該 部分におけるmRNAにハイブリダイズする3’プライマーを延長してそれに相 補的なcDNAを形成する工程を含む、請求項6の方法。 8. 工程Cは前記の各検出された領域の分子量及び長さを決定することを含 む請求項1の方法。 9. 工程Cは前記検出された領域の物理特性をゲルクロマトグラフにより決 定することを含む請求項8の方法。 10. 前記指標付けの工程は、前記の各検出された領域の分子量及び長さを 表すマトリックスを、その区画用サブ配列にハイブリダイズされたプライマー対 の種類により指標付けられたものとして発生する工程を含んでいる、請求項8の 方法。 11. 一種以上のヌクレオチド配列を含んでいる試料を分析する装置におい て、 A.前記試料又は該試料のそれぞれの部分を、各々が (i)前記試料中に存在することが推定される各ヌクレオチドサブ配列又はそ れに対する相補的なサブ配列に対して相対的に高い頻度でハイブリダイズする5 ’プライマーと称するプライマーと、 (ii)前記試料中に存在することが推定される他の各ヌクレオチドサブ配列 又はそれに対する相補的なサブ配列に対して相対的に高い頻度でハイブリダイズ する3’プライマーと称するプライマーと、 を含んでいるプライマー対の複数個と接触させる指標付け手段と、 B.各プライマー対にハイブリダイズされた前記試料中の前記ヌクレオチドサ ブ配列により区画されたヌクレオチド配列領域を検出する同定手段と、 C.前記各検出された領域の物理特性を決定する定量手段と、 D.前記区画用サブ配列にハイブリダイズされたプライマー対の種類(ide ntity)により少なくとも一つの前記検出された領域の物理特性に指標付け する指紋発生手段と を含むことよりなる、試料の分析装置。 12. 同定(identify)手段は、各プライマー対にハイブリダイズ したサブ配列により区画される前記試料中で、前記ヌクレオチド配列の前記領域 又はそれに相補的な配列を増幅する手段を含む、請求項11の装置。 13. 前記指標付け手段は、前記試料又はそのそれぞれの部分を、複数のプ ライマー対であって、各々が前記5’プライマーの他にさらに、下流側のヌクレ オチドサブ配列又はそれに対する相補サブ配列にハイブリダイズする3’プライ マーを含み、該3’プライマーは前記複数のプライマー対のそれぞれ他の一つの 5’プライマーに対して相補的であるような、複数のプライマー対に対して接触 させる手段を含み、 増幅手段はポリメラー連鎖反応(PCR)により増幅を行う手段を含む請求項 12の装置。 14. 前記試料は一種以上のメッセンジャーリボ核酸(mRNA)配列を含 むものであり、さらに、前記試料を前処理して相補的デオキシリボ核酸(cDN A)配列を生成するために前記試料を前処理する前処理手段を含む、請求項13 の装置。 15. 前記前処理手段は、前記試料の各部分を複数のプライマー対のそれぞ れからの3’プライマーと接触させる手段、そして前記試料の当該部分における mRNAにハイブリダイズする3’プライマーを延長してそれに相補的なcDN Aを形成する手段を含む、請求項14の装置。 16. 前記定量手段は、前記の各検出された領域の分子量及び長さを決定す る手段を含む請求項11の装置。 17. 前記指紋付与手段は、前記の各検出された領域の分子量及び長さを表 すマトリックスを、その区画用サブ配列にハイブリダイズされたプライマー対の 種類により指標付けられたものとして発生する工程を含んでいる、請求項16の 装置。 18. 各配列が一個以上のヌクレオチドを含むヌクレオチド配列を含んでい る試料の特徴を決定するために使用するプライマーのキットにおいて、前記キッ トは、 A.前記試料のヌクレオチド配列又はそれに相補的な 配列中に存在することが推定されるそれぞれのアンチセンスサブ配列に対して相 対的に高い頻度でハイブリダイズする第1組のプライマーを同定し、 B.前記試料のヌクレオチド配列又はそれに相補的な配列中に存在することが 推定されるそれぞれのセンスサブ配列に対して相対的に高い頻度でハイブリダイ ズする第2組のプライマーを同定し、 C.前記第1及び第2組に共通の少なくとも選択された5’プライマーと称す るプライマーを提供することにより製作されるプライマーキット。 19. 第3組の複数のプライマーであって、その対が、前記試料のヌクレオ チド配列又はそれに相補的な配列に存在することが推定されるアンチセンスサブ 配列のそれぞれの対に対して相対的に高い頻度でハイブリダイズするような第3 組の複数のプライマーを同定する工程(ここにアンチセンス鎖配列のそれぞれの 対は選択された範囲内の定量可能な物理特性を有するヌクレオチド配列領域を区 画する)、及び 工程Cが、前記プライマーキットにおいて、前記第1組、第2組及び第3組に 共通する少なくとも選択されたプライマーを提供する工程を含むような、前記方 法により製造される、請求項18のキット。 20. 第3組の複数のプライマーであって、その対が、前記試料のヌクレオ チド配列又はそれに相補的な配列に存在することが推定されるアンチセンスサブ 配列の それぞれの対に対して相対的に高い頻度でハイブリダイズするような第3組の複 数のプライマーを同定する工程(ここにアンチセンス鎖配列のそれぞれの対は検 出手段により測定可能な分子量及び長さを有するヌクレオチド配列領域を区画す る)、及び 工程Cが前記プライマーキットにおいて、前記第1組、第2組及び第3組に共 通する少なくとも選択されたプライマーを提供する工程を含むような、前記方法 により製造される、請求項19のキット。 21. 第3組の複数のプライマーであって、その対が、前記試料のヌクレオ チド配列又はそれに相補的な配列に存在することが推定されるアンチセンスサブ 配列のそれぞれの対に対して相対的に高い頻度でハイブリダイズするような第3 組の複数のプライマーを同定する工程(ここにアンチセンス鎖配列のそれぞれの 対はゲル泳動により測定可能な分子量及び長さを有するヌクレオチド配列領域を 区画する)、及び 工程Cが前記プライマーキットにおいて、前記第1組、第2組及び第3組に共 通する少なくとも選択されたプライマーを提供する工程を含むような、前記方法 により製造される、請求項19のキット。 22. 第3組の複数のプライマーであって、その対が、前記試料のヌクレオ チド配列又はそれに相補的な配列に存在することが推定されるアンチセンスサブ 配列のそれぞれの対に対して相対的に高い頻度でハイブリダイ ズするような第3組の複数のプライマーを同定する工程(ここにアンチセンス鎖 配列のそれぞれの対は50〜600塩基対の長さを有するヌクレオチド配列領域 を区画する)、及び 工程Cが前記プライマーキットにおいて、前記第1組、第2組及び第3組に共 通する少なくとも選択されたプライマーを提供する工程を含むような、前記方法 により製造される、請求項19のキット。 23. 実質的にポリメラーゼ連鎖反応によりアニールする第3組のプライマ ーを同定する工程を含む方法により製造されるキットであり、前記工程Cが、前 記プライマーキットにおいて、前記第1組、第2組及び第3組に共通する少なく とも選択されたプライマーを提供する工程を含むような、前記方法により製造さ れる、請求項23のキット。 24. 実質的なGC含有量を有する第4組のプライマーを同定する工程を含 む方法により製造されるキットであり、前記工程Cが、前記プライマーキットに おいて、前記第1組、第2組及び第3組に共通する少なくとも選択されたプライ マーを提供する工程を含むような、前記方法により製造される、請求項23のキ ット。 25. GC含有量がほぼ50%〜75%又は25%〜50%の範囲にある第 4組のプライマーを同定する工程を含む方法により製造される請求項24のキッ ト。 26. 実質的特定のヌクレオチドサブ配列に対して ハイブリダイズするそれぞれのターゲット部を有する第4組のプライマーを同定 する工程を含む方法により製造されるキットであり、前記工程Cが、前記プライ マーキットにおいて、前記第1組、第2組、第3組及び第4組に共通する少なく とも選択されたプライマーを提供する工程を含むような、請求項23のキット。 27. 前記第4組のプライマーとして、実質的に8個のヌクレオチドの長さ を有する標的部を有するプライマーを同定する工程を含む方法により製作される 請求項26のキット。 28. 前記試料中のヌクレオチド配列又はその相補的配列に存在することが 推定されるアンチセンス配列のそれぞれの対に対して相対的に高い頻度でハイブ リダイズする対よりなる第3組の複数のプライマーを同定する工程(ここにアン チセンス鎖配列のそれぞれの対は検出手段により測定可能な分子量及び長さを有 するヌクレオチド配列領域を区画する)、 実質的に同等のGC含有量を有する第4組のプライマーを同定する工程、及び 特定のヌクレオチド配列にハイブリダイズするそれぞれの標的部であって実質 的に同等の数のヌクレオチドを含んでいる該標的部を有する第5のプライマーを 同定する工程を含み、 工程Cが、前記プライマーキットにおいて、少なくとも前記第1組、第2組、 第3組、第4組及び第5組に共 通の選択されたプライマーを提供するものである、請求項18のキット。 29. 工程Cが前記第1組及び第2組の両方における群の期待される選択率 の比較により第2組からプライマーを選択してキットに含ませる工程を含んでい るような方法により得られる請求項18のキット。 30. 前記キットは第1及び第2組に共通な(m)プライマーと(n)プラ イマー(ただし(m)は(n)より小さい)、そして前記キットは、 前記第2組からの(m)プライマーをランダムに選択すること、 既知のヌクレオチド配列におけるヌクレオチド配列の領域であって、このよう にランダムに選択された各群における各プライマー対に対してハイブリダイズす るヌクレオチド配列により区画される領域を決定すること、 前記領域を区画するヌクレオチド配列に対して最も高い頻度でハイブリダイズ する(m)プライマーの候補群を選択して前記キットに含めること、 を含む方法により得られるものである、請求項29のキット。 31. 既知のヒトコード領域を表す試料と、既知ヌクレオチド配列の試料と して選択することを含む請求項30のキット。 32. (m)プライマーの前記候補群中の各プライマー対にハイブリダイズ するヌクレオチド配列により区 画されるような、既知ヌクレオチド配列を有する試料中の多数のヌクレオチド配 列領域を決定する工程、 (m)プライマーの引き続く群中の各プライマー対にハイブリダイズするヌク レオチド配列により区画されるような、既知ヌクレオチド配列を有する試料中の 多数のヌクレオチド配列領域を決定する工程、 ここに、(m)プライマーの引き続く各群は、その中の置換された前記第2組 のそれぞれのプライマーを有する前記候補群を含み、前記引き続く(m)プライ マーは(m)プライマーの前記候補群に含まれなかったはずのものであり、 後続群中の各プライマー対にハイブリダイズするヌクレオチド配列により区画 される領域の数よりも少ない、前記候補群中の各プライマー対にハイブリダイズ するヌクレオチド配列により区画される多数の領域に応答して、前記後続群を前 記候補群として選択する工程、を含む方法により得られる請求項30のキット。 33. 前記5’プライマーが特定のヌクレオチド配列にハイブリダイズする ように、下記オリゴヌクレオチドの群から選択された複数のオリゴヌクレオチド を含むそれぞれの標的部を有するように選択する方法により得られる請求項18 のキット。 34. 前記プライマーキット中で、各プライマー対が(i)前記5’プライ マーのそれぞれの一つ、及び(ii)各他の5’プライマーの3’プライマーと 称する相補的プライマーよりなる、複数のプライマー対を含むような工程Cを含 む方法により得られる請求項33のキット。 35. 各々が一個以上のヌクレオチドを含む一個以上のヌクレオチド配列を 含む試料を特徴付けるために使用するプライマーキットであって、前記プライマ ーキッ トは、特定のそれぞれのヌクレオチド配列にハイブリダイズする標的部を有する プライマーを含み、前記標的部は下記オリゴヌクレオチドの群から選択された複 数のオリゴヌクレオチドを含む、試料を特徴付けるために使用するプライマーキ ット。 36. 前記選択された複数のオリゴヌクレオチドは1〜5個の前記オリゴヌ クレオチドを含むものである請 求項35のキット。 37. 前記選択された複数のオリゴヌクレオチドは5〜10個の前記オリゴ ヌクレオチドを含むものである請求項35のキット。 38. 前記選択された複数のオリゴヌクレオチドは10〜30個の前記オリ ゴヌクレオチドを含むものである請求項35のキット。 39. 前記選択された複数のオリゴヌクレオチドは30〜50個の前記オリ ゴヌクレオチドを含むものである請求項35のキット。 40. 前記選択された複数のオリゴヌクレオチドは50個以上の前記オリゴ ヌクレオチドを含むものである請求項35のキット。 41. 前記プライマーキットは、特定のそれぞれのヌクレオチド配列にハイ ブリダイズする標的部を有するプライマーを含み、前記標的部は下記オリゴヌク レオチドの群から選択された複数のオリゴヌクレオチドを含む請求項35のキッ ト。 42. 各プライマー対が(i)前記5’プライマーのそれぞれの一つ、及び (ii)各他の5’プライマー の3’プライマーと称する相補的プライマーよりなる、複数のプライマー対を含 む請求項41のキット。 43. 前記候補試料の物理特性の指標を対照試料の物理特性の指標と比較す ることにより、候補試料と対照試料の相対的なヌクレオチド含有率を決定する工 程を含む請求項1の方法。 44. 前記候補試料の物理特性の前記指標を分析することにより、ヌクレオ チド含有率を決定する工程を含む請求項1の方法。 45. 各々がそれぞれのプライマーによりハイブリダイズされるサブ配列に より区画される複数の検出された領域の物理特性の前記指標を分析することによ り、前記試料中のヌクレオチドの相対位置を決定する工程を含む請求項44の方 法。 46. 工程Aが、前記5’プライマーを選択してそれぞれの標的部が特定の ヌクレオチドサブ配列にハイブリダイズするようにする工程を含み、前記標的部 が長さ10の次のヌクレオチドの群から選択されたヌクレオチドを含むものであ る、請求項4の方法。 47. 前記5’プライマーを選択してそれぞれの標的部が特定のヌクレオチ ドサブ配列にハイブリダイズするようにする工程を含み、前記標的部が長さ10 の次のヌクレオチドの群から選択されたヌクレオチドを含むものである、請求項 18のキット。 48. 工程Cは、前記プライマーキット中で、各プライマー対が(i)前記 5’プライマーのそれぞれの一つ、及び(ii)各他の5’プライマーの3’プ ライマーと称する相補的プライマーよりなる、複数のプライマー対を含んでいる 、請求項47のキット。 49. 各々が一個以上のヌクレオチドを含む一個以上のヌクレオチド配列を 含む試料を特徴付けるために使用するプライマーキットであって、前記プライマ ーキットは、特定のそれぞれのヌクレオチド配列にハイブリダイズする標的部を 有するプライマーを含み、前記標的部は下記オリゴヌクレオチドの群から選択さ れた複数のオリゴヌクレオチドを含む、試料を特徴付けるために使用するプライ マーキット。 50. 前記選択された複数のオリゴヌクレオチドは、1〜5個の前記オリゴ ヌクレオチドを含むものである請求項49のキット。 51. 前記選択された複数のオリゴヌクレオチドは5〜10個の前記オリゴ ヌクレオチドを含むものである請求項49のキット。 52. 前記選択された複数のオリゴヌクレオチドは10〜30個の前記オリ ゴヌクレオチドを含むものである請求項49のキット。 53. 前記選択された複数のオリゴヌクレオチドは30〜50個の前記オリ ゴヌクレオチドを含むものである請求項49のキット。 54. 前記選択された複数のオリゴヌクレオチドは50個以上の前記オリゴ ヌクレオチドを含むものである請求項49のキット。 55. 特定のヌクレオチド配列にハイブリダイズするように、下記オリゴヌ クレオチドの群から選択された複数のオリゴヌクレオチドを含むそれぞれの標的 部を有するプライマーを含む請求項49のキット。 56. 前記各プライマー対が(i)前記5’プライマーのそれぞれの一つ、 及び(ii)各他の5’プライマーの3’プライマーと称する相補的プライマー よりなる、複数のプライマー対を含む請求項55のキット。
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