JPH10510534A - 2−(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ピリジル)−1,2,5−チアジアゾリジン−3−オン=1,1−ジオキシド並びにその組成物及び使用方法 - Google Patents

2−(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ピリジル)−1,2,5−チアジアゾリジン−3−オン=1,1−ジオキシド並びにその組成物及び使用方法

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JPH10510534A JP8519055A JP51905596A JPH10510534A JP H10510534 A JPH10510534 A JP H10510534A JP 8519055 A JP8519055 A JP 8519055A JP 51905596 A JP51905596 A JP 51905596A JP H10510534 A JPH10510534 A JP H10510534A
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Abstract

(57)【要約】 2−(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ピリジル)−1,2,5−チアジアゾリジン−3−オン=1,1−ジオキシド、これを含有する医薬組成物及びこれを用いた変性疾患の治療方法。

Description

【発明の詳細な説明】 2−(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ピリジル)−1,2,5−チアジ アゾリジン−3−オン=1,1−ジオキシド並びにその組成物及び使用方法発明の背景 (a)発明の分野 本発明は2−(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ピリジル)−1,2, 5−チアジアゾリジン−3−オン=1,1−ジオキシド、これを含有する医薬組 成物及びこれを変性疾患の治療に使用する方法に関する。 (b)情報開示陳述 気腫、慢性関節リウマチ及び膵炎のようなタンパク質分解が実体的要因である 変性障害の治療には無毒性試薬によりタンパク質分解酵素を阻害することが有用 である。 バイオメディカルの研究ではプロテアーゼ阻害剤が広く用いられている。タン パク質分解酵素の最も分布の広い種類はセリンプロテアーゼである。セリンプロ テアーゼの中には、その基質特異性に基づきキモトリプシン様又はエラスターゼ 様として特徴付けられるものがある。 キモトリプシン及びキモトリプシン様酵素は、一般に、カルボキシル基側のア ミノ酸残基が典型的にはTrp、Tyr、Phe、Met、Leu又は芳香族若 しくは長いアルキル側鎖を含有する別のアミノ酸である部位においてタンパク質 のペプチド結合を切断する。 エラスターゼ及びエラスターゼ様酵素は、一般に、ペプチド結合 のカルボキシル基側のアミノ酸残基が典型的にはAla、Val、Ser、Le u又はその他同様の比較的小さなアミノ酸である部位においてペプチド結合を切 断する。 キモトリプシン様酵素とエラスターゼ様酵素はいずれも、高等生物においては 白血球、マスト細胞及び膵液に存在し、また細菌、酵母及び寄生体の多くによっ て分泌される。 Cha 、Biochem.Pharmacol.,1975,24,2177-2185に、酵素のような巨大分子 に対する阻害剤の結合に関する速度論的手法、並びに阻害定数、反応速度及び結 合酵素と非結合酵素の濃度といった変数を決定する方法が記載されている。 Groutas ら、Biochemical and Biophysical Research Communications 1994, 198(1),341-349 に、下式で示される化合物が記載されている。 上式中、R1はH、メチル、ベンジル、CH2COOt-Bu又はCH2COOBzであり、そのイ ンビトロ阻害活性はヒト白血球エラスターゼに対するものである。 MullerとDuBois、J.Org.Chem.1989,54,4471-4473 に、下式で示される化 合物が記載されている。 上式中、RはH、CH3、ベンジル又は(CH2)2SCH3である。この化合物は甘味活性 について試験され、甘味がないか、又は甘味がショ糖の10分の一未満であるこ とがわかっている。 Lee ら、J.Org.Chem.1989,54,3077-3083 に、下式で示される化合物の合 成法が記載されている。 上式中、Rはフェネチル、フェニル又は1−ナフチルである。これらの化合物の 用途については何ら記載されていない。 Lee とKohn、Journal of Pharmaceutical Sciences 1990,79(8),716-718 に 下式で示される化合物が記載されている。 上式中、R4はフェネチル、フェニル又は1−ナフチルであり、またR4'は水素 であるか、或いはR4とR4'は共にフェニルである。この化合物は抗痙攣活性に ついて試験され、4種の化合物のうち3 種は抗痙攣活性を示さないことがわかっている。 Hanewackerら、Arch.Pharm.1993,326,497-498 に、下式で示される化合物 の合成法が記載されている。 上式中、RはCH2CH(CH3)2、シクロプロピルメチル、CH2Ph、(CH2)2Ph、2-フラニ ルメチル、1-ナフチルメチル又は3-インドリルエチルである。 Unterhalt とHanewacker、Arch.Pharm.1988,321,375-376 に下式で示され る化合物の合成法が記載されている。 上式中、Rは水素、メチル、イソプロピル、CH2CH(CH3)2又はベンジルであるが 、用途に関する示唆はない。 Unterhalt とHanewacker、Arch.Pharm.1988,321,749-751 に下式で示され る化合物の合成法が記載されている。 上式中、R=CH3、R1=H及びR2=3- インドリルメチル;R=CH3、R1=H及びR2= フェニ ル;R=C2H5、R1=H及びR2= フェニル;R=イソプロピル、R1=H及びR2= フェニル; R=メチル、R1=CH3O(O)CCH2及びR2=H;R=CH3、R1=HO(O)CCH2及びR2=H;R-CH3、R1 =C2H5及びR2= フェニル;R=R1=R2=CH3;並びにR=C2H5、R1=R2=CH3 Aoufら、Tetrahedron Letters 1991,32(45),6545-6546に、4-フェニルメチ ル-1,2,5- チアジアゾリジン-3- オン 1,1-ジオキシドの合成法が記載されてい る。 Dewynterら、Tetrahedron 1993,49(1),65-76に、下式で示される化合物の合 成法が記載されている。 上式中、RはCH2Ph 又はCH2CH(CH3)(C2H5)である。 1993年8月17日発行のDunlapらの米国特許第 5,236,917号明細書に、一連の2- 置換サッカリン誘導体、例えば4-(1- メチルエチル)-2-[(3-オキソ-1,2,5- チア ジアゾリジン-2- イル)メチル]-1,2-ベンズイソチアゾール-3(2H)- オン S,S,1, 1-テトラオキシド、2-(1- メチル-1H-テトラゾール-5- イル- チオメチル)サッ カリン及び各種置換2-ハロメチルサッカリン誘導体が記載されており、これらが 変性疾患の治療に有用であることが記述されている。 1993年6月17日公開のStrasserらのドイツ国特許出願DE4141218号に、鎮痛薬 、解熱薬及び炎症抑制剤として有用となり得ることが記述されている各種1,1-ジ オキソ-[1,2,6]チアジアジンカルボキサミドの合成における中間体として一連の チアジアゾリジン-3- オン 1,1-ジオキシド誘導体が記載されている。本発明の概要 本発明は、下式Iで示される化合物若しくはその医薬品として許容できる酸付 加塩又は適用可能な場合にはそのエナンチオマー若しくはラセミ体に関する。 上式中、R1は水素、低級アルキル又はフェニル低級アルキルであり、R2は水素 、低級アルキル又はフェニル低級アルキルであり、そしてR3は水素又は低級ア ルキルである。 本発明の化合物は、セリンプロテアーゼ、特にヒト白血球エラスターゼの活性 を阻害するので、気腫、慢性関節リウマチ、膵炎、嚢胞性線維症、慢性気管支炎 、成人呼吸窮迫症候群、炎症性腸疾患、乾癬、水疱性類天疱瘡、歯周疾患及びα −1−抗トリプシン欠乏症のような変性疾患の場合の治療に有用である。 上記式Iの好適な化合物は、R1が水素又は低級アルキルであり、R2が水素又 は低級アルキルであり、且つR3が水素又は低級アルキルである化合物である。 上記式Iの特に好適な化合物は、R1が水素又は低級アルキルであり、R2が水 素又は低級アルキルであり、且つR3が低級アルキルである化合物である。 また、本発明は、タンパク質分解酵素の阻害に有効な量の式Iの 化合物と共に医薬品として許容できるキャリヤ、アジュバント、希釈剤又はビヒ クルを含む変性疾患治療用医薬組成物にも関する。 さらに、本発明は、変性疾患の治療が必要な患者にタンパク質分解酵素の阻害 に有効な量の式Iの化合物を投与することを含む、このような治療の方法にも関 する。好適な態様を含む詳細な説明 本明細書中の用語「低級アルキル」は、炭素原子数1〜約5個の直鎖又は分岐 鎖の炭化水素鎖を意味するので、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n- ブチル、sec-ブチル、3-メチルブチル、n-ペンチル、等を包含する。 本明細書中の用語「ハロゲン」又は「ハロゲン化物」は、塩素、臭素、ヨウ素 及びフッ素を意味する。 本明細書中の番号付けを下記の環系で示す。 この環系は化学文献において1,2,5-チアジアゾリジン-3-オン=1,1-ジオキシド と命名されている。 本発明の化合物の合成法を合成経路Aとして示すことができる。合成経路A 式IIの1,2,5-チアジアゾリジン-3- オン=1,1-ジオキシドの適当に置換された アルカリ金属塩(式中、M+はアルカリ金属、即ちナトリウムである)を適当な有 機溶剤、例えばアセトニトリル若しくはジメチルホルムアミド又は前記溶剤の混 合物に含むものを、約室温から用いた溶剤若しくは溶剤混合物の沸点までの温度 範囲、好ましくは該溶剤若しくは溶剤混合物の沸点において、1モル以上の適当 なクラウンエーテル、好ましくは 15-クラウン-5の存在下、1モル以上のペンタ フルオロピリジン(式III)で処理することにより、式Iの 2-(2,3,5,6-テトラフ ルオロ-4- ピリジル)-1,2,5-チアジアゾリジン-3- オン=1,1-ジオキシドが得ら れる。 式Iの化合物は1,2,5-チアジアゾリジン-3- オン=1,1-ジオキシド環のC−4 位に非対称炭素を有するため、エナンチオマーとして存在し得ることが理解され よう。本明細書中、特に断らない限り、本発明は混合物ラセミ体をはじめとする 光学対掌体の各成分を包含することとする。場合によっては、変性疾患の治療に おいてある特定のエナンチオマーがもう一方のエナンチオマー又は混合ラセミ体 よりも有利、すなわち効能が高いこともあり得るが、このような利点は当業者で あれば容易に理解することができる。別々のエナンチオマーをキラル出発物質か ら合成してもよいし、或いはキラルクロマトグラフィー、ジアステレオマー塩の 分別結晶化、等の化学分野で周知の慣用技法により混合ラセミ体を分割してもよ い。 式Iの化合物は遊離塩基形、酸付加塩形のいずれでも有用であって、どちらの 形態も本発明の範囲に包含される。使用に際しては酸付加塩形の方が便利である ことが多いが、実用上、酸付加塩形を使用することと塩基形を使用することとは 本質的に同等である。この酸付加塩の調製に使用できる酸は、遊離塩基と組み合 わされた時に医薬品として許容できる塩、すなわちそのアニオンがその塩の医薬 品的投与量において動物に対して比較的無毒であって、該アニオンが原因となる 副作用によって遊離塩基が本来有する有益な特性を害することのない塩が得られ る酸であることが好ましい。本発明の実施に際しては、遊離塩基又は塩酸塩、フ マル酸塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩若しくはマレイン酸塩を 使用すると便利である。しかしながら、本発明の範囲内に含まれる他の適当な医 薬品として許容できる塩は、他の鉱酸及び有機酸から得られたものである。塩基 性化合物の酸付加塩は、当該技術分野で周知の標準的な手法で調製され、適当な 酸を含む水性アルコール溶液に遊離塩基を溶解し、その溶液を蒸発させることに より塩を単離する方法、又は遊離塩基と酸を有機溶剤中で反応させ、この場合に は該塩を直接分離するか、若しくは第二の有機溶剤で析出させる、若しくは該溶 液を濃縮することにより得ることができる方法が含まれるが、これらに限定はさ れない。塩基性化合物の医薬品として許容できる塩が好ましいが、すべての酸付 加塩が本発明の範囲内に包含される。すべての酸付加塩が遊離塩基形のソースと して有用であるが、これは 特定の塩自体は中間体生成物としてのみ望ましい場合、例えば、該塩が精製若し くは同定のために形成される場合又はイオン交換法等により医薬品として許容で きる塩を調製する際に中間体として用いられる場合でも有用である。 式IIの適当に置換されたアルカリ金属塩は合成経路Bに示したように調製する ことができる。合成経路B 適当な置換された式IVの1,2,5-チアジアゾリジン-3- オン=1,1-ジオキシドを 適当な低級アルカノール系溶剤、すなわちメタノールに含むものを、約室温にお いて、約1モルのナトリウムメトキシドのような適当なアルカリ金属低級アルコ キシドで処理すると式IIの化合物が得られる。 式IVの適当な置換された1,2,5-チアジアゾリジン-3- オン=1,1-ジオキシドは 合成経路Cに示したように調製することができる。合成経路C 適当に置換された式Vの化合物(Rは低級アルキル)をメタノー ルのような適当な低級アルカノール溶剤に含むものを、約室温から用いた溶剤の 沸点までの温度範囲において、過剰量のナトリウムメトキシドのようなアルカリ 金属低級アルコキシドで処理し、次いで BIO-RAD(商標)50W-X8 H+イオン交換 樹脂のようなプロトン源で処理することにより、式IVの化合物が得られる。 別法として、式IVの化合物のうちR3が水素以外のものを所望する場合には、 合成経路Dに示した方法を行うこともできる。合成経路D 3が水素である式IVの化合物を、適当な有機溶剤、すなわちトルエン、ジメチ ルホルムアミド、又は前記有機溶剤の混合物の中で、触媒量のテトラアルキルア ンモニウムハロゲン化物、好ましくはテトラブチルアンモニウムブロミドの存在 下、約室温から用いた溶剤又は溶剤混合物の沸点までの温度範囲において過剰量 の式VIのハロゲン化ベンジル(式中、Xは塩素、臭素、フッ素又はヨウ素、好ま しくは臭素である)で処理することにより、式VII の化合物が得ら れる。次いで、式VII の化合物を、適当な有機溶剤、例えばテトラヒドロフラン の中で、過剰量の塩基、例えばカリウム tert-ブトキシドの存在下、約0℃から 用いた溶剤の沸点までの温度範囲、好ましくは約0℃から約室温までの温度範囲 において、過剰量の式VIIIのアルキル化剤(R3X')(式中、R3は低級アルキルであ り、X'は塩素、臭素、フッ素又はヨウ素、好ましくはヨウ素である)で処理する ことにより、式IXの化合物が得られる。次いで、式IXの化合物を、適当な低級ア ルカノール系溶剤、すなわちメタノールの中で、適当な触媒、好ましくは炭素担 持パラジウムの存在下、約室温から用いた溶剤の沸点までの温度範囲において過 剰量の適当な水素供与体、好ましくはギ酸アンモニウムで処理することにより脱 ベンジル化して式IVのR3が低級アルキルである化合物を得ることができる。 式IVの化合物の合成に必要な式Vの化合物は、合成経路Eに示したように合成 することができる。合成経路E 式Xのハロスルホニルイソシアネート(式中、Xはハロゲン、好ま しくは塩素である)を、適当な有機溶剤、例えば塩化メチレンの中で、過剰量の トリエチルアミンのような塩基の存在下、約−10℃から約室温までの温度範囲に おいて過剰量の式XIのα−アミノ酸エステル(式中、Rは低級アルキルであり、 X-はハロゲン、好ましくは塩素である)及び過剰量のベンジルアルコールで処 理することにより式XII の化合物が得られる(注:所望であれば、ハロスルホニ ルイソシアネートの代わりにα−アミノ酸を限定試薬として使用してもよい)。 次いで、式XII の化合物を、メタノールのような低級アルカノール系溶剤の中で 、触媒、好ましくは炭素担持パラジウムの存在下、水素圧約3.45×105〜 約3.79×105Pa(50〜55 psi)で水素化することにより、式Vの化 合物を得ることができる。 式III のペンタフルオロピリジンは市販されている。式VIのハロゲン化ベンジ ル、式VIIIのアルキル化剤、式Xのハロスルホニルイソシアネート及び式XIのα −アミノ酸エステルはいずれも市販されているが、当該技術分野で周知の方法で 、又は以下の実施例に記載した方法で調製することもできる。 本発明の化合物の構造は、合成の様式により、また元素分析や赤外、核磁気共 鳴、質量分析法の一種以上により確定した。反応の経過並びに生成物の同定及び 等質性については薄層クロマトグラフィー(TLC)、高速液体クロマトグラフ ィー(HPLC)又は気液クロマトグラフィー(GLC)の一種以上により評価 した。 以下の実施例は本発明をさらに説明するものであり、これを限定するものでは ない。融点(m.p.)はすべて摂氏度(℃)で示し且つ未補正である。 実施例1 (a) 14.72 ml(0.17モル)のクロロスルホニルイソシアネートを400mlの塩化メチレ ンに溶かした溶液を攪拌しながら、これにフェニルメタノール(17.69 ml、0.17 モル)を0〜5℃で添加した。上記溶液を 1.5時間攪拌後、トリエチルアミン( 71ml、0.5 モル)を含有する1100 ml の塩化メチレンに31.24 g(0.186 モル)の2 -アミノペンタン酸メチルエステル塩酸塩を溶かした溶液を0〜5℃で添加し、 得られた混合物を一晩攪拌し、該混合物を室温にまで温めた。この反応混合物を 10%HCl 水溶液中に注ぎ込み、塩化ナトリウムで飽和させ、そして有機層を分離 した。水層を塩化メチレン/酢酸エチル(4:1)で抽出(×2)し、有機層を 一緒にしてブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして真空下で濃縮 することにより 4.77g(82%)の 2-(N −カルボベンジルオキシアミノスルホニ ル)アミノペンタン酸メチルエステル (式XII: R-CH3; R1= プロピル; R2-H; R3 =H)、m.p.76-78℃が得られた。 (b) 2-(N-カルボベンジルオキシアミノスルホニル)アミノペンタン酸(46.7 g)、メ タノール(350 mL)及び10%炭素担持パラジウム(3.0g)の混合物を約3.79×105Pa (55 psi)で約2時間水素化した。触媒をCELITE(商標)による濾過法で分離し 、溶剤を真空除去し、そしてその残留物を50%酢酸エチル/ヘキサンで溶離する シリカカラムクロマトグラフィーで精製することにより、25.6 g(90%)の2- (ア ミノスルホニルアミノ)ペンタン酸メチルエステル (式V: R=CH3; R1=プロピル ; R2=H; R3=H)、m.p.63-64℃が得られた。 (c) 2-(アミノスルホニルアミノ)ペンタン酸メチルエステル(24.6g、0.11モル) をメタノール(150 mL)に溶かした溶液を、ナトリウ ムメトキシド(8.86g、0.164モル)を150 mLのメタノールに溶かした溶液に添 加し、得られた反応混合物を18時間還流した。この混合物を冷却し、BIO-RAD( 商標)50W-X8 H+イオン交換樹脂で中和し、そして濾過した。その濾液を真空濃 縮すると油状物が得られ、これをメタノール/ヘキサンから結晶化することによ り20.73 g(理論量)の4- プロピル-1,2,5- チアジアゾリジン-3- オン=1,1-ジオ キシド (式IV: R1= プロピル; R2=R3=H)が得られた。 (d) 4-プロピル-1,2,5- チアジアゾリジン-3-オン=1,1-ジオキシド(20.74g、0. 117モル)、フェニルメチルブロミド(20.09 g、0.129 モル)及びテトラブチル アンモニウムブロミド(3.77g、0.012 モル)をトルエン(400 mL)及びDMF(50 m L)の中に含む混合物を、40時間還流し、冷却し、そして氷水に注ぎ込んだ。その 粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、11.1 gの2- フェニルメチル -4- プロピル-1,2,5- チアジアゾリジン-3- オン=1,1-ジオキシド (式VII: R1= プロピル; R2=R3=H)が得られた。 (e) 2-フェニルメチル-4- プロピル-1,2,5- チアジアゾリジン-3- オン=1,1-ジオ キシド(4 g、14.9ミリモル)を150 mLのTHF に溶かした溶液にカリウムt-ブト キシド(1.83g、14.9ミリモル)を0℃で添加し、その混合物を同じ温度で1時 間攪拌した。上記混合物に、10.58 g(74.6ミリモル)のヨウ化メチルを添加し 、その反応混合物を0℃で 0.5時間攪拌し、室温で6時間攪拌し、そして飽和塩 化アンモニウム溶液で分解させた。得られた混合物を塩化メチレンで抽出し、そ してその有機層をブラインで洗浄し、真空濃縮することにより、4.19g(定量的 )の2- フェニルメチル-5- メチル-4- プロピル-1,2,5- チアジアゾリジン-3- オ ン=1,1-ジオキシド(式IX: R1 = プロピル; R2=H; R3=CH3)が得られた。 (f) 2-フェニルメチル-5- メチル-4- プロピル-1,2,5- チアジアゾリジン-3- オン =1,1-ジオキシド(4.15 g)、10% Pd/C(2.0 g)及びギ酸アンモニウム(8.0 g)及び メタノールの混合物を室温で一晩攪拌した。溶剤を除去し、その粗生成物をフラ ッシュクロマトグラフィーで精製すると、2.3 g(80.9%)の5- メチル-4- プロピル -1,2,5- チアジアゾリジン-3- オン=1,1-ジオキシド (式IV: R1= プロピル; R2 =H; R3=CH3)が得られた。 (g) 5-メチル-4- プロピル-1,2,5- チアジアゾリジン-3- オン=1,1-ジオキシドの ナトリウム塩(5.2ミリモル、ナトリウムメトキシドで処理して調製)を30 mL のアセトニトリルに懸濁させた混合物に、ペンタフルオロピリジン(0.57 mL、5 .2 ミリモル)及び1.14 g(5.17 ミリモル)の 15-クラウン-5及びDMF(25 mL)を 添加し、得られた混合物を20時間還流した。この混合物を冷却し、真空濃縮し、 その残留物を水で希釈し、塩化メチレンで抽出し、そしてその有機層を水及びブ ラインで洗浄した。この有機層を真空濃縮し、粗生成物をフラッシュクロマトグ ラフィーで精製することにより 0.39 g(22%)の2-(2,3,5,6- テトラフルオロ-4- ピリジル)-5-メチル-4- プロピル-1,2,5- チアジアゾリジン-3- オン=1,1-ジオ キシド (式I: R1= プロピル; R2=H; R3=CH3)が得られた。実施例2 (a) N-t-ブトキシカルボニル- サルコシン(50g; 0.264モル)を700mLのベンゼン に溶かした溶液に、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-ウンデク-7- エン(DBU; 40.19 、0.264 モル)を一度に添加した。上記 の透明な溶液に、74.84 g(0.528 モル)のヨウ化メチルを一度に添加し、得ら れた透明溶液を7時間還流させた。さらに別のヨウ化メチル(16 mL)を添加し た後、反応混合物を攪拌しながら還流し、次いで室温にまで冷却して一晩攪拌し た。その反応混合物を濾過し、その残留物をエーテルで洗浄し、そして濾液を一 緒にし、これを水、飽和重炭酸ナトリウム溶液及びブラインで洗浄した。得られ た有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして真空濃縮することにより、 46.38 g(86.4%)のN-t- ブトキシカルボニル- サクロシンメチルエステルが黄色油 状物として得られた。 (b) N-t-ブトキシカルボニル- サクロシンメチルエステル(26 g、0.1279モル)を 40 mL の乾燥THF に溶かした溶液に、窒素下、-78℃で LDA(70.32 mL、0.14モ ル)の2M溶液を(シリンジから)添加し、その混合物をその温度で30分間攪拌し た。上記混合物を-78℃で攪拌しながら、これに4-ブロモ-2- メチル-2- ブテン( 20 g、0.134 モル)を添加し、そして得られた混合物を室温にまで温めさせた。 この反応混合物を-78℃の6 mLの飽和塩化アンモニウム溶液で急冷し、20 mL の 水を添加し、そして得られた反応混合物を酢酸エチルで抽出した。その有機層を 水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空濃縮することに より黄色油状物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中 20%酢酸エチル)によって精製し、22.1 g(63.7%)のN-t- ブトキシカルボニル- 2-(3-メチル-2- ブテン)イル- サルコシンメチルエステル が油状物として得ら れた。 (c) N-t-ブトキシカルボニル-2-(3-メチル-2- ブテン)イル- サルコシンメチル エステル(22.1 g、81.44 ミリモル)を窒素下で400 mL のメタノールに溶かした溶液を0℃に冷却し、そして1.5 gの10%Pd/Cを添加した 。この混合物をParr Apparatusに入れ、6時間水素化した。その触媒をCELITE( 商標)のパッドで除去し、その濾液を真空濃縮することにより、22.04 g(99%)のN-t- ブトキシカルボニル-2-(3-メチルブチル)サルコシンメチルエステル が油状 物として得られた。 (d) N-t-ブトキシカルボニル-2-(3-メチルブチル)サルコシンメチルエステル(2 2.04 g、80.62 ミリモル)を350 mLの希HCl に含む混合物を室温で3日間攪拌し た。得られた混合物を氷浴中で冷却し、溶剤を真空濃縮することにより、乾燥後 に13.17 g(78%)の2-(3- メチルブチル)サルコシンメチルエステル塩酸塩(式XI: R=CH3; R1=(CH3)2CH(CH3)2; R2=H; R3=CH3;X = Cl-)が得られ、これをメタノー ル/エーテルから再結晶化した。m.p.110-111℃ (e) 5.77 mL(66.78 ミリモル)のクロロスルホニルイソシアネートを塩化メチレ ンに溶かした溶液を攪拌しながら、これに窒素下でフェニルメタノール(6.89 m L、66.57 ミリモル)を0〜5℃で添加した。上記溶液を1時間攪拌した後、ト リエチルアミン(27.33 mL、194.62ミリモル)を含有する塩化メチレンに13.166 g(62.78ミリモル)の2-(3-メチルブチル)サルコシンメチルエステル塩酸塩を 溶かした溶液を0〜5℃で添加し、そして得られた混合物を一晩攪拌して混合物 を室温にまで温めさせた。その反応混合物を600 mLの10% HCl水溶液に注ぎ込み 、塩化ナトリウムで飽和し、そしてその有機層を分離した。水層を塩化メチレン で抽出し、有機層を一緒にしてブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、 そして真空濃縮することにより21.22 g(87.2%)の N-( カルボベンジルオキシアミ ノス ルホニル)-2-(3- メチルブチル)-サルコシンメチルエステル (式XII: R=CH3; R1= (CH2)2CH(CH3)2; R2=H; R3=CH3)が得られ、これをシリカゲルカラムクロマトグ ラフィー(ヘキサン中 20%酢酸エチル)によって精製し、油状物を得た。 (f) (N-カルボベンジルオキシアミノスルホニル)-2-(3- メチルブチル)サルコシン メチルエステル(20.6 g、53.17 ミリモル)を200mLのメタノールに溶かした溶 液を窒素下で0℃に冷却し、そして 1.5 gの10%Pd/Cを添加した。この混合物を 約3.45×105 Pa(50 psi)のParr Apparatusに入れ、3.5 時間水素化した。その触 媒をCELITE(商標)のパッドで除去し、その濾液を真空濃縮することにより、13 .24 g(98.6%)の N-( アミノスルホニル)-2-(3- メチルブチル)サルコシンメチル エステル (式V: R=CH3;R1=(CH2)2CH(CH3)2; R2=H;R3=CH3)が油状物として得ら れた。 (g) N-(アミノスルホニル)-2-(3- メチルブチル)サルコシンメチルエステル(12 .25 g、48.17 ミリモル)をメタノール(150 mL)に溶かした溶液を、150 mLの氷 冷メタノールにナトリウムメトキシド(Na=2.4 g)を溶かした溶液に添加した。得 られた反応混合物を窒素下、室温で18.5時間攪拌し、その後その混合物を25 gの イオン交換樹脂(BIO-RAD(商標)50W x8; 200-400 メッシュ)で40分間処理し て濾過した。その濾液を真空濃縮することにより、10.7 g(99.8%)の4-(3- メチ ルブチル)-5-メチル-1,2,5- チアジアゾリジン-3- オン=1,1-ジオキシド (式IV : R1=(CH2)2CH(CH3)2; R2=H; R3=CH3)が固形物として得られた。m.p.212-214 ℃ (h) 5-メチル-4-(3-メチルブチル)-1,2,5-チアジアゾリジン-3- オン =1,1-ジオキシドのナトリウム塩(1 g; 4.13ミリモル、ナトリウムメトキシド で処理して調製)と、ペンタフルオロピリジン(0.54 mL、4.97ミリモル)と、0 .91 g(4.13 ミリモル)の 15-クラウン-5とを30 mL のアセトニトリルに懸濁させ た混合物を17時間還流した。その混合物を冷却し、真空濃縮し、その残留物を塩 化メチレンで抽出し、そしてその有機層を水(3×)及びブラインで洗浄した。硫 酸ナトリウムで乾燥した後、有機層を真空濃縮し、その粗生成物をフラッシュク ロマトグラフィー(ヘキサン中 10%酢酸エチル)によって精製し、0.62 g(41%) の2-(2,3,5,6- テトラフルオロ-4- ピリジル)-5-メチル-4-(3-メチルブチル)-1, 2,5- チアジアゾリジン-3- オン=1,1-ジオキシド (式I: R1=(CH2)2CH(CH3)2; R2 =H; R3=CH3)が固形物として得られた。m.p.80.5-81.5℃実施例3 (a) 実施例2(b)に記載したものと同様の方法に従ったが、但し、4-ブロモ-2- メチル-2- ブテンの代わりに 2.1当量のヨウ化メチルを使用し且つ 2.2当量のリ チウムジイソプロピルアミド(LDA)を利用し、式:(CH3)2C(CO2CH3)N(CH3)(CO2tB u)の化合物の合成を意図したものである。 (b) 実施例2(d)に記載したものと同様の方法に従ったが、但し、実施例2(c )の化合物の代わりに実施例3(a)の化合物を使用し、式:(CH3)2C(CO2CH3)N HCH3・HCl の化合物の合成を意図したものである。 実施例1(a)〜(c)に記載したものと同様の方法に従ったが、但し、実施 例1(a)においてノルバリンメチルエステル塩酸塩の代わりに式Vの適当なα −アミノ酸エステルを使用し、下記の表 1に示した式IVの化合物の合成を意図したものである。 実施例1(g)に記載したものと同様の方法に従ったが、但し、4-プロピル-5 - メチル-1,2,5- チアジアゾリジン-3- オン=1,1-ジオキシドの代わりに式IVの 適当な化合物を使用し、下記の表2に示した式Iの化合物の合成を意図したもの である。 生物学的試験結果 本発明の化合物の代表例は、価値ある薬理学的性質を有することが発見された 。特に、それらはセリンプロテアーゼ、詳しくはヒト白血球エラスターゼの活性 を阻害することが発見され、したがって変性疾患、例えば、気腫、慢性関節リウ マチ、膵臓炎、嚢胞性線維症、慢性気管支炎、成人呼吸窮迫症候群、炎症性腸疾 患、乾癬、水疱類天疱瘡、歯周疾患、およびα−1−抗トリプシン欠乏症の治療 において有効である。 本発明の化合物の代表例の薬理学的性質は、下記の慣用インビトロ生物学的試 験手法により証明された。 被験化合物(阻害剤)をバイアル中のDMSO中に溶解し、200〜1000μMの 範囲の濃度の阻害剤原液を調製した。阻害剤原液を希釈(1:4、1:16およ び1:64)して、2.4mlの緩衝溶液(50mMのN−[2−ヒドロキシエ チル]ピペラジン−N’−[2−エタンスルホン酸]/NaOH、500mMの NaCl、pH7.8、25℃)を含有するアッセイバイアル(それぞれ、バイ アル1、2および3)の中に入れ、そして各バイアル中の合計体積が3.2ml となるように、DMSOを添加した。アッセイバイアル1から70μl、50μ l、35μlおよび25μlの阻害剤を96ウェルのマイクロタイタープレート の最初の4ウェルの中に入れ、各ウェルを25%DMSO/緩衝溶液の添加によ り90μlまでの合計体積にする。アッセイバイアル2および3からの阻害剤を 同様な方法で処理し、それぞれウェル5〜12の中に入れて、合計12の異なる 阻害剤濃度を得る。90μlの25%DMSO/緩衝溶液を含有するが、阻害剤 を含有しない4ウェル(ウェル13〜16)を、また、対照として阻害したウェ ルと同時に実験する。次いで、150μlの基質溶液(500μlのヒト白血球 エラスターゼ(HLE)基質MeOSuc−Ala−Ala−Pro−Val− pNA(DMSO中の18.7mM)を19.5mlの緩衝溶液に添加すること によって調製した)を16ウェルの各々の中に同時に添加し、各ウェル中の溶液 をよく混合した。 96ウェルのマイクロタイタープレートをマイクロプレート・リーダー(Mi croplate Reader)#89815A分光光度計の中に入れ、11 0μlの酵素溶液(下記のようにして調製した:20mlの緩衝溶液と20mg のウシ血清アルブミンとの混合物をシンチレーションバイアル中でおだやかに撹 拌し、5μlのHLE原液(蒸留水中に溶解した1mg/ml)を添加する)を 、16ウェルの各々に同時に添加する。ウェル中の溶液の各々をよく混合し、次 いでアッセイが完結するまで、410nMの吸収における時間依存吸収データを 集める。このアッセイ法はマニュアル的に実施できるが、ヘウレット・パッカー ド・マイクロアッセイ・システム・ロボット(Hewlett Packard MicroAssay System Robot)を使用してアッセイを自 動的に実施することが好ましいことに注意すべきである。 こうして得られた吸収/時間のデータのプロットにより漸進的曲線が得られ、 その最終の勾配は最終の定常状態の速度(VF)に等しい。プログラムENZF ITTER(Elsevierソフトウェア)を使用して、4つの対照アッセイ ([I]=0)についての漸進的曲線は線形回帰と適合させると、阻害剤の非存 在における酵素の反応速度値(V0)が得られ、これらの値を平均して単一の固 定値を得る。次いで、阻害定数は下記のプロットから得られる: これは線形プロットを与え、ここで: そして[S]は基質の濃度であり、そしてKm はミハエリス定数である。 本発明の代表的化合物の実施例1(g)及び2(h)を前述の手法に従いヒト 白血球エラスターゼ阻害活性について試験し、そしてそれぞれ10及び>100 nMのKiを有した。 本発明の化合物は、この分野においてよく知られている慣用の製剤学的手法に より医薬品用途のために調製される。すなわち、固体または液体の形態の経口投 与、非経口投与、局所投与またはエーロゾル吸入投与およびその他のために、本 発明の化合物またはそれらの医薬品として許容できる塩と、1または2以上の生 理学的に許容できる担体、アジュバント、希釈剤またはビヒクルとを含む医薬組 成物を配合することにより調製される。 経口投与用の固体状組成物は、圧縮錠剤、丸剤、粉剤および顆粒を包含する。 このような固体状組成物において、活性化合物を少なくとも1種の不活性希釈剤 、例えば、澱粉、炭酸カルシウム、スクロースまたはラクトースと混合する。こ れらの組成物は、また、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、滑剤、例えば 、ステアリン酸マグネシウム、タルクおよびその他を含有することができる。 経口投与用液状組成物は、この分野において普通に使用される不活性希釈剤を 含有する医薬品として許容できる乳濁液、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキ シル剤を包含する。不活性希釈剤の外に、このような組成物は、また、アジュバ ント、例えば、湿潤剤および懸濁剤、および甘味剤、香味剤、香料および保存剤 を含有することができる。本発明によれば、経口投与用化合物は、また、前記活 性化合物を含有し、希釈剤または賦形剤を含むか、あるいは含まな い吸収可能な物質、例えば、ゼラチンのカプセル剤を包含する。 本発明による非経口投与用調製物は、無菌の水性、水性−有機、および有機の 溶液、懸濁液および乳濁液を包含する。有機溶媒または懸濁用媒体の例は、プロ ピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えば、オリーブ油およ び注射可能な有機エステル、例えば、オレイン酸エチルである。これらの組成物 は、また、アジュバント、例えば、安定剤、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散 剤を含有することができる。 本発明による局所投与またはエーロゾル吸入投与用調製物は、医薬品として許 容できるビヒクル、例えば、水、水性アルコール、グリコール、油性溶液または 油性−水性乳濁液、およびその他の中に本発明の化合物を溶解または懸濁させた 調製物を包含する。 必要に応じて、本発明の化合物はさらに持続放出性またはターゲテッド送出系 、例えば、ポリマーのマトリックス、リポソーム、および微小球の中に混入する ことができる。 このような組成物中の活性成分の百分率は、適当な投与量が得られるように、 変化させることができる。特定の患者に投与される投与量は、基準として、投与 経路、治療期間、患者の体重および身体的症状、活性成分の効能およびそれに対 する患者の応答を使用して臨床医の判断に依存して変化させることができる。し たがって、活性成分の有効投与量は、すべての基準を考慮した後、患者のための 臨床医の最良の判断により容易に決定することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/44 AED A61K 31/44 AED

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下式で示される化合物若しくはその医薬品として許容できる酸付加塩又は 適用可能な場合にはそのエナンチオマー若しくはラセミ体。 上式中、R1は水素、低級アルキル又はフェニル低級アルキルであり、R2は水素 、低級アルキル又はフェニル低級アルキルであり、そしてR3は水素又は低級ア ルキルである。 2.R1が水素又は低級アルキルであり且つR2が水素又は低級アルキルである 、請求項1に記載の化合物。 3.R3が低級アルキルである、請求項2に記載の化合物。 4.R1が水素、プロピル又は3−メチルブチルであり、R2が水素、プロピル 又は3−メチルブチルであり、且つR3がメチルである、請求項3に記載の化合 物。 5.請求項4に記載の4−プロピル−5−メチル−2−(2,3,5,6−テ トラフルオロ−4−ピリジル)−1,2,5−チアジアゾリジン−3−オン=1 ,1−ジオキシド。 6.タンパク質分解酵素の阻害に有効な量の下式で示される化合物若しくはそ の医薬品として許容できる酸付加塩又は適用可能な場合にはそのエナンチオマー 若しくはラセミ体と共に医薬品として許容できるキャリヤ、アジュバント、希釈 剤又はビヒクルを含む変性 疾患治療用医薬組成物。 上式中、R1は水素、低級アルキル又はフェニル低級アルキルであり、R2は水素 、低級アルキル又はフェニル低級アルキルであり、そしてR3は水素又は低級ア ルキルである。 7.R1が水素又は低級アルキルであり且つR2が水素又は低級アルキルである 、請求項6に記載の医薬組成物。 8.R3が低級アルキルである、請求項7に記載の医薬組成物。 9.化合物が4−プロピル−5−メチル−2−(2,3,5,6−テトラフル オロ−4−ピリジル)−1,2,5−チアジアゾリジン−3−オン=1,1−ジ オキシドである、請求項8に記載の医薬組成物。
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