【発明の詳細な説明】
ウラシル誘導体本発明の利用分野
本発明は、製薬学的工業において、医薬品の製造のために作用物質として使用
すべき化合物に関する。公知の技術的背景
米国特許(US)第3957786号明細書に、特に著しい血圧降下作用を特
徴とする、置換されたウラシル誘導体が記載されている。本発明の説明
ところで意外にも、次に詳説する化合物が、5−HT1A−受容体に対する著し
い親和性及びα1−アドレノセプター(Adrenozeptoren)の亜型に対する区別され
た親和性を有することが判明した。
本発明の目的は、式I:
[式中、
R1は、C1 〜4−アルキル基を表わし、
R2は、C1 〜4−アルキル基を表わし、
R3は、水素(H)、C1 〜7−アルキル、C3 〜7−アルケニル、C1 〜4−アルコ
キシ、ハロゲン、ハロ−C1 〜4−アルキル、シアン−C1 〜4−アルキル、C1 〜4
−アルコキシカルボニル、ニトロ、ヒドロキシイミノメチル、メトキシイミノメ
チル又は基−CH2−RIを表わし、ここでRIは式I中で置換基R3に結合さ
れた基を表わし、
Aは、直鎖又は分枝鎖のC1 〜5−アルキレン基を表わし、
Arは、R4、R5及びR6によって置換されたフェニル基を表わし、ここで、
R4は、水素、ハロゲン、ニトロ、トリフルオルメチル、ヒドロキシ、C1 〜4
−アルコキシ、全部又は部分的に弗素によって置換されたC1 〜4−アルコキシ、
アミノ又はC1 〜4−アルキルカルボニルアミノを表わし、
R5は、水素、ハロゲン又はC1 〜4−アルコキシを表わし、かつ
R6は、水素又はC1 〜4−アルコキシを表わし、又はここで
R4及びR5は、互いにオルト位であり、かつ一緒に1−ヒドロキシメチル−
エチレンジオキシ基[−O−CH(CH2OH)−CH2−O−]を表わし、かつ
R6は、水素を表わし、
Xは、基NH又はCO−NHを表わし、
Yは、酸素(O)又は硫黄(S)を表わし、かつ
Zは、CO又はSO2を表わす]
の化合物及びその塩[この際、
R4が、水素、ハロゲン、C1 〜4−アルコキシ又はトリフルオルメチルを表わし
、
R5が、水素、ハロゲン又はC1 〜4−アルコキシを表わし、
R6が、水素又はC1 〜4−アルコキシを表わし、
Xが、基NHを表わし、
Yが、酸素(O)を表わし、かつ
Zが、COを表わす場合には、
R3は、水素(H)、C1 〜7−アルキル、ハロゲン又はニトロを表わさない]で
ある。
C1 〜4−アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル
基である。例えば、ブチル−、イソブチル−、二級ブチル−、三級ブチル−、プ
ロピル−、イソプロピル−、エチル−、及びメチル基が挙げられる。
C1 〜7−アルキルは、1〜7個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル
基である。例えば、ヘプチル−、イソヘプチル−(2−メチルヘキシル−)、ヘ
キシル−、イソヘキシル−(2−メチルペンチル−)、ネオヘキシル−(2,2
−ジメチルブチル−)、
ペンチル−、イソペンチル−(3−メチルブチル−)、ネオペンチル−(2,2
−ジメチルプロピル−)、ブチル−、イソブチル−、二級ブチル−、三級ブチル
−、プロピル−、イソプロピル−、エチル−及びメチル基が挙げられる。
C3 〜7−アルケニルは3〜7個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルケニ
ル基である。有利なC3〜7−アルケニル基としては、2−ブテニル−、3−ブテ
ニル−、1−プロペニル−及び2−プロペニル基(アリル基)が挙げられる。
C1 〜4−アルコキシは、酸素原子の他に前記のC1 〜4−アルキル基の1つを有
する基である。例えば、メトキシ−及びエトキシ基が挙げられる。
本発明の意味におけるハロゲンは、臭素、塩素及び弗素である。
ハロ−C1 〜4−アルキルは、前記のハロゲン原子の1つによって置換されてい
る、前記のC1 〜4−アルキル基である。例えば、3−クロルプロピル基が挙げら
れる。
シアン−C1 〜4−アルキルは、シアン基によって置換されている、前記のC1 〜4
−アルキル基の1つである。例えば、2−シアンエチル基が挙げられる。
C1 〜4−アルコキシカルボニルは、カルボニル基の他に、前記のC1 〜4−アル
コキシ基の1つを含有する基である。例えば、メトキシカルボニル−及びエ
トキシカルボニル基が挙げられる。
ヒドロキシイミノメチルは、基−CH=N−OHであり、メトキシイミノメチ
ルは、基−CH=N−OCH3である。
R3が、−CH2−RIを表わす場合には、式RI−CH2−RIの化合物が存
在し、ここでRIは、式I中で置換基R3に結合された基を表わす。
直鎖又は分枝鎖のC1 〜5−アルキレンは、例えばメチレン(−CH2)、エチ
レン(−CH2−CH2−)、トリメチレン(−CH2−CH2−CH2−)、テト
ラメチレン(CH2−CH2−CH2−CH2−)、1,2−ジメチルエチレン[−
CH(CH3)−CH(CH3)−]、1,1−ジメチルエチレン[−C(CH3
)2−CH2−]、1,1−ジメチルプロピレン[−C(CH3)2−CH2−CH2
−]、2,2−ジメチルエチレン[−CH2−C(CH3)2−]、イソプロピリ
デン[−C(CH3)2−]及び1−メチルエチレン[−CH(CH3)−CH2−
]である。基トリメチレン(プロピレン)が有利である。
全部又は部分的に弗素によって置換されたC1 〜4−アルコキシは、例えば、1
,2,2−トリフルオルエトキシ、2,2,3,3,3−ペンタフルオルプロポ
キシ−、ペルフルオルエトキシ−及び特に1,1,2,2−テトラフルオルエト
キシ−、トリフルオルメトキシ−、2,2,2−トリフルオルエトキシ−及び
ジフルオルメトキシ基が挙げられる。
C1 〜4−アルキルカルボニルは、カルボニル基の他に、前記のC1 〜4−アルキ
ル基の1つを有する基である。例えば、アセチル基が挙げられる。
C1 〜4−アルキルカルボニルアミノは、前記のC1 〜4−アルキルカルボニル基
の1つによって置換されているアミノ基である。例えば、アセトアミド基が挙げ
られる。
R4及びR5が一緒になって1−ヒドロキシメチル−エチレン−ジオキシ基を
表わす場合には(R4及びR5がそれに結合しているフェニル基と一緒に)、2
,3−ジヒドロ−2−ヒドロキシメチル−1,4−ベンゾジオキサニル基が存在
し、ここで、置換基R4及びR5は有利にフェニル結合部位に対して、2−及び
3−位で存在し、従って、有利に2,3−ジヒドロ−2−ヒドロキシメチル−1
,4−ベンゾジオキサン−5−イル基が存在する。この基は、キラル基である。
本発明はエナンチオマー、並びに、ラセミ化合物を含む、各任意の混合比のエナ
ンチオマーの混合物も包含する。キラル炭素原子において置換基(Chan、Ingold
及びPrelogによる)がS−立体配置に置かれている、2,3−ジヒドロ−2−ヒ
ドロキシメチル−1,4−ベンゾジオキサン−5−イル基が有利である。
式Iの化合物についての塩としては、特に全ての酸付加塩がこれに該当する。
特に、製薬学的に常用の無
機及び有機酸の薬物学的に認容性の塩が挙げられる。例えば、工業的規模で本発
明による化合物の製造の際に方法生成物として先ず生じ得る薬物学的に非認容性
の塩は、当業者に公知の方法により、薬物学的に認容性の塩に変えられる。その
ようなものとして、酸、例えば塩酸、臭化水素酸、燐酸、硝酸、硫酸、酢酸、ク
エン酸、D−グルコン酸、安息香酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)−安息
香酸、酪酸、スルホサリチル酸、マレイン酸、ラウリン酸、リンゴ酸、フマル酸
、コハク酸、蓚酸、酒石酸、エンボン酸、ステアリン酸、トルオールスルホン酸
、メタンスルホン酸又は3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸との水溶性及び水不溶
性の酸付加塩が好適であり、この際、酸は塩製造の際に(それが1塩基性である
か又は多塩基性の酸であるかにより、かつどんな塩が所望であるかにより)、当
量で、又はそれを外れた量比で使用される。
特に、式中の、
R1は、C1 〜4−アルキル基を表わし、
R2は、C1 〜4−アルキル基を表わし、
R3は、水素(H)、C1 〜4−アルキル、C3 〜4−アルケニル、C1 〜4−アルコ
キシ、シアン−C1 〜4−アルキル、C1 〜4−アルコキシカルボニル、ヒドロキシ
イミノメチル、メトキシイミノメチル又は基−CH2−RIを表わし、ここでR
Iは式I中で置換基R3に結合された基を表わし、
Aは、直鎖のC2 〜4−アルキレン基を表わし、
Arは、R4、R5及びR6によって置換されたフェニル基を表わし、ここで、
R4は、水素、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、C1 〜4−アルコキシ、全部又
は部分的に弗素によって置換されたC1 〜4−アルコキシ、アミノ又はC1 〜4−ア
ルキルカルボニルアミノを表わし、
R5は、水素、ハロゲン又はC1 〜4−アルコキシを表わし、かつ
R6は、水素又はC1 〜4−アルコキシを表わし、又はここで
R4及びR5は、互いにオルト位であり、かつ一緒に1−ヒドロキシメチル−
エチレンジオキシ基[−O−CH(CH2OH)−CH2−O−]を表わし、かつ
R6は、水素を表わし、
Xは、基NH又はCO−NHを表わし、
Yは、酸素(O)又は硫黄(S)を表わし、かつ
Zは、CO又はSO2を表わす、
式Iの化合物及びその塩[この際、
R4が、水素、ハロゲン又はC1 〜4−アルコキシを表わし、
R5が、水素、ハロゲン又はC1 〜4−アルコキシを表わし、
R6が、水素又はC1 〜4−アルコキシを表わし、
Xが、基NHを表わし、
Yが、酸素(O)を表わし、かつ
Zが、COを表わす場合には、
R3は、水素(H)又はC1 〜4−アルキルを表わさない]が言うに値する。
更に、式中の、
R1は、C1 〜4−アルキル基を表わし、
R2は、C1 〜4−アルキル基を表わし、
R3は、水素(H)、C1 〜4−アルキル、C3 〜4−アルケニル、C1 〜4−アルコ
キシ、シアン−C1 〜4−アルキル、C1 〜4−アルコキシカルボニル、ヒドロキシ
イミノメチル、メトキシイミノメチル又は基−CH2−RIを表わし、ここでR
Iは式I中で置換基R3に結合された基を表わし、
Aは、トリメチレン基を表わし、
Arは、R4、R5及びR6によって置換されたフェニル基を表わし、ここで、
R4は、水素、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、C1 〜4−アルコキシ又は全部
又は部分的に弗素によって置換されたC1 〜4−アルコキシを表わし、
R5は、水素、ハロゲン又はC1 〜4−アルコキシを表わし、かつ
R6は、水素又はC1 〜4−アルコキシを表わし、 又はここで
R4及びR5は、互いにオルト位であり、かつ一緒
に1−ヒドロキシメチル−エチレンジオキシ基[−O−CH(CH2OH)−C
H2−O−]を表わし、かつ
R6は、水素を表わし、
Xは、基NH又はCO−NHを表わし、
Yは、酸素(O)を表わし、かつ
Zは、COを表わす、
式Iの化合物及びその塩[この際、
R4が、水素、ハロゲン又はC1 〜4−アルコキシを表わし、
R5が、水素、ハロゲン又はC1 〜4−アルコキシを表わし、
R6が、水素又はC1 〜4−アルコキシを表わし、
Xが、基NHを表わす場合には、
R3は、水素(H)又はC1 〜4−アルキルを表わさない]が言うに値する。
本発明のもう1つの目的は、式Iの化合物の製法であり、この方法は、
a)式II:
[式中、R1、R2、R3、Y及びZは、前記のものであり、かつMは離脱基(
例えば−Br又は−Cl)又はカルボニル基に結合した離脱基(例えば−CO−
Br又は−CO−Cl)を表わす]の化合物を、式III:
[式中、A及びArは前記のものである]の化合物と反応させるか、又は
b)式IV:
[式中、R1、R2、R3、A、X、Y及びZは前記のものであり、かつLは離
脱基(例えばハロゲン原子)を表わす]の化合物を、式V:
[式中、Arは前記のものである」の化合物と反応させるか、又は、
c)式中R3が水素を表わす式Iの化合物を、(縮合反応でこの水素原子の分離
下で、又は二重結合にこの水素原子の付加下で水素原子とは異なる所望の置換基
R3を生じさせる反応性化合物と反応させるか、又は、
d)式中R3が基−CH2−RIを表わす化合物Iの製造のために、式中R3が
水素を表わす式Iの化合物を、ホルムアルデヒドと反応させるか、又は、
e)式中R3がヒドロキシイミノメチルを表わす化合物Iの製造のために、式中
R3が−CH=Oを表わす式Iの化合物を、ヒドロキシルアミンと反応させるか
、又は、
f)式中R3がメトキシイミノメチルを表わす化合物Iの製造のために、式中R
3がヒドロキシイミノメチルを表わす式Iの化合物をメチル化させるか、又は、
g)式中Yが硫黄(S)を表わす化合物Iの製造のために、式中Yが酸素(O)
を表わす式Iの化合物を硫化させるか、又は、
h)式中R4がアミノを表わす化合物Iの製造のために、式中R4がニトロを表
わす式Iの化合物を還元するか、又は、
i)式中R4がC1 〜4−アルキルカルボニルアミノを表わす化合物Iの製造のた
めに、式中R4がアミノを表わす式Iの化合物をアシル化させ、
かつ、所望の場合には、引続き、得られた式Iの化合物をその塩に変換させるか
、又は得られた塩を遊離化合物に変換させることを特徴とする。
変法a)〜b)に相応する方法の実施は、類似法として、当業者に自体公知の
方法で行なわれる。
反応はその都度、適当な不活性溶剤中で、場合により必要な助剤(例えば、変
法a、b又はiにおけるような補助塩基)の存在で、かつ各反応に有利な温度で
行なわれる。
どんな溶剤及び助剤が個々に重要であるか、どんな温度で操作すべきか、かつ
どんな反応時間を守らねばならないかは、その専門知識に基づき当業者には周知
のことである。そのために次の例を実験的説明として使用する。例
1.1,3,5−トリメチル−6−[[3−[4−(3,4−ジブロム−6−メ トキシフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H,3 H)−ピリミジンジオン
1,3,5−トリメチル−6−クロル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジ
オン3.8g(20ミリモル)を、1−(3−アミノプロピル)−4−(3,4
−ジブロム−6−メトリシフェニル)−ピペラジン9.6g(20ミリモル)及
びトリプロピルアミン15.2ml(80ミリモル、11.5ml)と共に、ジ
メチルスルホキシド40ml中で5時間140℃に加熱する。
酢酸エステル600mlを加えた後に、(1N)NaOH200ml、水40
0mlで2回、かつNaCl飽和水200mlで洗浄し、有機相をMgSO4で
乾燥させ、かつ蒸発濃縮させる。残査をカラムクロマトグラフィーにより珪酸ゲ
ル400gを介して(溶離剤、先ず酢酸エステル、後に酢酸エステル/メタノー
ル=10:1)精製する。この方法で、融点153〜155℃の表題化合物3.
0g(27%)を得る。
前生成物1−(3−アミノプロピル)−4−(3,4−ジブロム−6−メトリ
シフェニル)−ピペラジンは、1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンを、
臭素で、a)濃H2SO4中で、かつ引続きb)氷酢酸中で臭素化させ、N−(3
−ブロムプロピル)フタルイミドと反応させて、1−[3−(N−フタルイミド
プロピル)]−4−(3,4−ジブロム−6−メトキシフェニル)ピペラジン(
融点158〜161℃)にし、かつヒドラジン水和物で分解させることによっ
て得られる(二蓚酸塩の分解温度204℃)。
2.ビス[1,3−ジメチル−6−[[3−[4−(2−メトキシフェニル)− 1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H,3H)−ピリミジンジ オン−5,5’]メタン
1,3−ジメチル−6−[[3−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペ
ラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン7.
75g(20ミリモル)に、エタノール/水混合物(80:20)50ml及び
36.3%のホルムアルデヒド水溶液6.4ml(80ミリモル)を加え、かつ
50℃で5時間撹拌する。KOH0.4gの添加後に、更に50℃で2時間撹拌
し、溶液を真空中で粘性油状残査になるまで濃縮させ、水50ml及びジクロル
メタン100mlで抽出し、有機相をNaCl溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾
燥させ、濃縮させ、かつ残査を酢酸エステルから再結晶させる。この方法で、融
点133〜136℃の表題化合物6.6g(83%)を得る。
出発生成物として使用される1,3−ジメチル−6−[[3−[4−(2−メ
トキシフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H,3
H)−ピリミジンジオンの製造は、ドイツ国特許(DE−PS)第194240
5号明細書に記載されている。
3.5−シアンエチル−1,3−ジメチル−6−[[3−[4−(2−エトキシ フェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H,3H)− ピリミジンジオン
6−(3−クロルプロピルアミノ)−5−シアンエチ−1,3−ジメチル−2
,4(1H,3H)−ピリミジンジオン4.3g(15ミリモル)及び1−(2
−エトキシフェニル)ピペラジン4.2g(15ミリモル)を、キシロール50
ml中で、トリプロピルアミン11.4ml(60ミリモル)と共に、140℃
に14時間加熱する。反応混合物を真空中で濃縮させ、残査に水50ml及び酢
酸エステル200mlを加え、(1N)NaOH300mlを加え、抽出し、か
つ分離させる。有機抽出物を飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させ、かつ溶剤の
除去後に得られる油状物をカラムクロマトグラフィーにより精製する(珪酸ゲル
中性、溶離剤、最初に酢酸エステル/石油エーテル1:1、後に石油エーテルの
み)。生成物フラクションから、57%の収率で、融点133〜136℃の表題
化合物得る(エーテルから)。
前生成物6−(3−クロルプロピルアミノ)−5−シアンエチル−1,3−ジ
メチル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオンは、6−(3−クロルプロピ
ルアミノ)−1,3−ジメチル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオンと、
アクリルニトリルとの反応
によって得られる(アセトン/K2CO3、18時間60℃、収率50%、融点1
22〜124℃)。
4.ビス[1,3−ジメチル−6−[[3−[4−(2−エトキシ−4−フルオ ルフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H,3H) −ピリミジンジオン−5,5’]メタン
例2と同様にして、1,3−ジメチル−6−[[3−[4−(2−エトキシ−
4−フルオルフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1
H,3H)−ピリミジンジオンから、フォルムアルデヒド及びKOHを用いて(
モル比1:5:1)、室温で20時間撹拌後に、収率76%で、融点141〜1
43℃の表題化合物を得る(酢酸エステルから)。
出発生成物として使用される1,3−ジメチル−6−[[3−[4−(2−エ
トキシ−4−フルオルフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2
,4(1H,3H)−ピリミジンジオンは、例2に挙げた出発生成物と同様にし
て製造される(収率56%、融点148〜150℃)。
5.1,3−ジメチル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン−6−カルボ ン酸−[[3−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル ]アミド]
1,3−ジメチル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン−6−カルボン
酸3.5g(20ミリモル
)を、酸クロリドの製造のために、塩化チオニル20mlと共に、1時間加熱還
流させる。過剰の塩化チオニルを真空中で除去する。残査をジクロルメタン10
ml中に溶かし、かつ氷冷下で、ジクロルメタン20ml中の1−(2−メトキ
シフェニル)−4−(3−アミノプロピル)ピペラジン5g(20ミリモル)及
びトリエチルアミン3g(30ミリモル)を滴加する。室温で18時間後に、水
150ml、2NNaOH20ml及びジクロルメタン50mlを添加し、有機
相を分離し、水で洗浄し、乾燥させ、かつ真空中で溶剤を除去する。残査から、
融点96〜99℃の表題化合物3.6g(43%)を得る(水/エタノール=4
:1からの沈殿及びトルオール/エーテルからの再結晶後;物質は水0.5モル
を含有する)。
1,3−ジメチル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン−6−カルボン
酸の製造は、M.P.Groziakにより、J.Am.Chem.Soc.104、6434(1982)に記載されて
いる。
6.1,3,5−トリメチル−6−[[3−[4−(2−テトラフルオルエトキ シフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H,3H) −ピリミジンジオン
例1と同様にして、6−クロル−1,3,5−トリメチル−2,4(1H,3
H)−ピリミジンジオン及び1−(3−アミノプロピル)−4−(2−テトラフ
ルオルエトキシフェニル)−ピペラジンの使用によって、トリエチルアミンを用
いて、エチレングリコールモノメチルエーテル20ml中で(16時間還流)、
収率15%で、融点120〜124℃の表題化合物を得る。
前生成物1−(3−アミノプロピル)−4−(2−テトラフルオルエトキシフ
ェニル)−ピペラジンは、例1に記載した前生成物と同様にして、公知方法で、
1−(N−フタルイミドプロピル)−4−(2−テトラフルオルエトキシフェニ
ル)ピペラジンの分解によって得られる(収率35%、水1モルを含有する二塩
酸塩の分解温度153℃)。
7.5−アリル−1,3−ジメチル−6−[[3−[4−(2−エトキシ−4− フルオルフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H3 H)−ピリミジンジオン
例3と同様にして、キシロール及びトリプロピルアミン中で、5−アリル−1
,3−ジメチル−6−(3−クロルプロピルアミノ)−2,4(1H,3H)−
ピリミジンジオンと1−(2−エトキシ−4−フルオルフェニル)−ピペラジン
との反応により(14時間還流)、カラムクロマトグラフィーでの精製後に、収
率55%で、融点103〜105℃の表題化合物を得る。出発生成物5−アリル
−1,3−ジメチル−6−(3−クロルプロピルアミノ)−2,4(1H,3
H)−ピリミジンジオンは、1,3−ジメチル−6−(3−クロルプロピルアミ
ノ)−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオンと臭化アリルとの反応により得
る(アセトン/K2CO3、70時間60℃)、収率80%、融点74〜76℃。
1−(2−エトキシ−4−フルオルフェニル)−ピペラジンの塩酸塩は、2−
エトキシ−4−フルオルアニリン及びビス(2−クロルエチル)アミンから得ら
れる;収率56%、融点199〜200℃。
8.5−シアンエチル−1,3−ジメチル−6−[[3−[4−(2−テトラフ ルオルエトキシフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4( 1H,3H)−ピリミジンジオン
例3と同様にして、5−シアンエチル−6−(3−クロルプロピルアミノ)−
1,3−ジメチル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオンと、1−(2−テ
トラフルオルエトキシフェニル)ピペラジンとから、表題化合物を得る。収率4
1%、融点130〜132℃。
出発生成物として用いる1−(2−テトラフルオルエトキシフェニル)ピペラ
ジンは、2−テトラフルオルエトキシアニリン及びビス(2−クロルエチル)ア
ミンから得られる(油状塩酸塩の収44率%)。
9.1,3,5−トリメチル−6−[[3−[4−(2,3−ジヒドロ−2−ヒ ドロキシメチル)−1,4 −ベンゾジオキシン−5−イル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2 ,4(1H,3H)−ピリミジンジオン
例1と同様にして、相応するフタルイミド化合物の分解によって得られる(収
率73%、油状物)1−(3−アミノプロピル)−4−((2,3−ジヒドロ−
2−ヒドロキシメチル)−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピペラジンの
使用下で、表題化合物を製造する(収率61%、融点119〜122℃)。
1−(3−アミノプロピル)−4−((2,3−ジヒドロ−2−ヒドロキシメ
チル)−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピペラジンは、1−((2,3
−ジヒドロ−2−ヒドロキシメチル)−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)
ピペラジン(その安息香酸エステルは、欧州特許(EP)第138280号明細
書に記載されている)から、例1の前生成物の製造と同様にして、N−(3−ブ
ロムプロピル)フタルイミドを用いて、かつヒドラジンヒドレートで分解させて
得られる(収率73%)。
10.ビス[1,3−ジメチル−6−[[3−[4−(2,3−ジヒドロ−2− ヒドロキシメチル)−14−ベンゾジオキシン−5−イル)−1−ピペラジニル ]プロピル]アミノ]−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン−5,5′] メタン
例2または4と同様にして、1,3−ジメチル−6
−[[3−[4−(2,3−ジヒドロ−2−ヒドロキシメチル)−1,4−ベン
ゾジオキシン−5−イル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(
1H,3H)−ピリミジンジオンの使用によって、収率83%で、融点134〜
137℃の表題化合物を得る。
出発化合物は、6−(3−クロルプロピルアミノ)−1,3−ジメチル−2,
4(1H,3H)−ピリミジンジオンと1−((2,3−ジヒドロ−2−ヒドロ
キシメチル)−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル)ピペラジンとの反応によ
って得ることができる(収率55%、三塩酸塩の分解温度208℃)。
11.5−アリル−1,3−ジメチル−6−[[3−[4−(2−テトラフルオ ルエトキシフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H ,3H)−ピリミジンジオン
例3の方法により、例7のピリミジンジオン及び例8のピペラジンを反応させ
る。表題化合物を収率25%で、フマル酸塩の分解温度145℃で得る。
12.1,3−ジメチル−5−エトキシカルボニル−6−[[3−[4−(2− メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H3 H)−ピリミジンジオン
例2の出発化合物とクロル酢酸エチルエステルとの反応(ピリジン中の懸濁、
先ず0℃で、次いで1時間
22℃、次いで0.5時間還流、カラムクロマトグラフィーによる精製)により
、収率39%で、融点104〜106℃の表題化合物を得る。
13.1,3,5−トリメチル−6−[[3−[4−(2−ヒドロキシフェニル )−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H,3H)−ピリミジ ンジオン
1,3,5−トリメチル−6−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−2,4(
1H,3H)−ピリミジンジオン6.8g(30ミリモル)と塩化チオニルとか
ら製造した1,3,5−トリメチル−6−(3−クロルプロピルアミノ)−2,
4(1H,3H)−ピリミジンジオンを、キシロール140ml及びトリプロピ
ルアミン20ml中で、1−(2−ヒドロキシフェニル)ピペラジン4.5g(
25ミリモル)と共に、15時間還流煮沸させる。常法の後処理後に得られる暗
色油状物を、カラムクロマトグラフィーにより、珪酸ゲルを介して、ジクロルメ
タン/メタノール(1〜10%)で精製する。生成物フラクションから、酢酸エ
ステル/エタノールから、フマル酸でフマル酸塩を沈澱させる、収量5.9g(
47%)、融点203〜205℃。
出発化合物1−(2−ヒドロキシフェニル)ピペラジンは、公知方法により、
1−(2−メトキシフェニル)ピペラジンのピリジン塩酸塩での分解によって(
モル比1:10、4時間180℃)、収率92%で、融点125〜128℃で得
られる。
14.1,3,5−トリメチル−6−[[3−[4−(2−メトキシ−4−ニト ロフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H,3H) −ピリミジンジオン
例13と同様にして、1,3,5−トリメチル−6−(3−クロルプロピルア
ミノ)−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン(130ミリモル)を、1−
(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)ピペラジン(100ml)及びトリプロ
ピルアミン(75ml)と共に、ジグリム(Diglyme)300ml中で、14時間
還流煮沸させる。真空中での溶剤の除去後に、常法で後処理し、かつカラムクロ
マトグラフィー精製後に、収率79%で表題化合物を得る(融点131〜133
℃)。
1−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)ピペラジンは、1−アセチル−4
−(2−メトキシフェニル)ピペラジンを氷酢酸中の33%の硝酸でニトロ化さ
せ、かつ引続き濃塩酸との煮沸によって加水分解させ、収率58%、融点89〜
91℃で得られる。
15.1,3−ジメチル−5−メトキシイミノメチル−6−[[3−[4−(2 −メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H ,3H)−ピリミジンジオン
1,3−ジメチル−5−ヒドロキシイミノメチル−6−[[3−[4−(2−
メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H,
3H)−ピリミジンジオン20.1g(43.5ミリモル)をエタノール100
ml中に溶かし、30%のナトリウムメチラート溶液11.6ml(61ミリモ
ル)及びジメチルスルフェート5.8ml(7.7g、61ミリモル)を添加し
、かつ2時間還流加熱する。真空中でエタノールの留去後に、水100ml及び
1NNaOH50mlを加え、かつジクロルメタン75mlで3回抽出する;集
めた抽出物を硫酸マグネシウムを介して乾燥させ、蒸発残査をエタノール50m
lから結晶させる。この方法で、融点107〜109℃の表題化合物14.6g
(76%)を得る。
16.1,3−ジメチル−5−ヒドロキシイミノメチル−6−[[3−[4−( 2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1 H,3H)−ピリミジンジオン
1,3−ジメチル−6−[[3−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペ
ラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオンから
、Vilsmeier-Haak により、POCl3/DMFとの反応により得られる(収率7
8%、融点121〜123℃)、1,3−ジメチル−5−ホルミル−6−[[3
−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニ
ル]プロピル]アミノ]−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオンから、エタ
ノール中で、ヒドロキシルアミン−塩酸塩/酢酸ナトリウムを用いて(2時間還
流)、表題化合物を得る。メタノールからの再結晶後の収率、メタノール−付加
体48%、分解温度96℃以上。
17.1,3−ジメチル−5−メトキシ−6−[3−[4−(2−メトキシフェ ニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ−2,4(1H,3H)−ピリミ ジンジオン
例1に記載した方法と同様にして、1,3−ジメチル−5−メトキシ−6−ク
ロル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン及び1−(3−アミノプロピル
)−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンから、収率79%で、融点11
2〜113℃の表題化合物を得る。
18.5−{3−[4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン−1−イル]− プロピルアミノ}−2,6−ジメチル−1,1−ジオキソ−6H−[1,2,6 ]チアジアジン−3−オン
例1と同様にして、6H−2,3−ジヒドロ−2,6−ジメチル−3−オキソ
−5−クロル−1,2,6−チアジアジン−1,1−ジオキシド120ミリモル
及び1−(2−メトキシフェニル)−4−(3−アミノプロピル)ピペラジン2
40ミリモルの使用下で、
125℃での1.5時間の溶融によって、かつ珪酸ゲルを介したカラムクロマト
グラフィーでの精製及び酢酸エステルからの再結晶後に、融点137〜139℃
の表題化合物を得る(収率36%)。
出発化合物6H−2,3−ジヒドロ−2,6−ジメチル−3−オキソ−5−ク
ロル−1,2,6−チアジアジン−1,1−ジオキシドは、5−ヒドロキシ化合
物をPOCl3/H3PO4(2時間還流)で塩素化することによって得られる、
収率40%、融点51〜2℃。ヒドロキシ化合物の製造は公知であり、かつジメ
チルスルフアミド及びマロン酸ジクロリドの変換によって行なわれる[P.Goya e
t al.、Can.J.Chem.65、298(1987)]、収率89%、融点92〜93℃。
19.6−{3−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル] プロピルアミノ}−1,3−ジメチル−4−チオキソ−3,4−ジヒドロ−1H −ピリミジン−2−オン
A.R.Lapucha、Synthesis 1987 の方法により、ジグリム15ml中の、1,3
−ジメチル−6−[(3−[4−(2−メトキシ−フェニル)−1−ピペラジニ
ル]プロピル)アミノ]−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン及び十硫化
四燐P4S10各10ミリモル及びNaHCO340ミリモルから(140℃に4時
間加熱する)、融点171〜174℃の表題化合物35%を得る。
20.1,3,5−トリメチル−6−[[3−[4−(4−アミノ−2−メトキ シフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H,3H) −ピリミジンジオン
1,3,5−トリメチル−6−[(3−[4−(2−メトキシ−4−ニトロフ
ェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H,3H)−ピ
リミジンジオン50ミリモルを、公知方法で、エタノール/水中で、ヒドラジン
ヒドレート/ラネーニッケルで還元する。カラムクロマトグラフィーでの精製及
び酢酸エチルからの再結晶後に、融点146〜148℃の表題化合物73%を得
る。出発物質は例14の生成物である。
21.1,3,5−トリメチル−6−[[3−[4−(4−アセチルアミノ−2 −メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]アミノ]−2,4(1H ,3H)−ピリミジンジオン
例20の物質を、公知方法で、無水酢酸でアセチル化させる(1時間110℃
)。融点178〜180℃の表題化合物を28%収率で得る。産業的利用可能性
式Iの化合物及びその塩は、それを産業的に使用可能にさせる重要な薬物学的
特性を有する。それは特に5−HT1A−受容体結合部位に対する高い親和性を有
する。更にそれは区別されたα1−アドレノセプタ
ー−亜型−拮抗作用を特徴とする。しかし、その5−HT1A−受容体結合部位及
びα1−受容体−亜型への親和性にも拘らず、それは比較的にあまり強く特色を
示さない血圧降下作用を有するだけである。
大きな治療幅及び実際的な副作用の欠如と結びついているその特徴的な特性に
おいて、本発明による化合物及びその塩は、人間医学及び獣医学での使用のため
に特に好適であると実証され、この際、これは特に、5−HT1A−アゴニストも
しくはα1−アドレノセプター遮断剤によって治療可能であるような病気の治療
に使用することができる。この関連においては殊に、中枢神経性の障害に起因す
る病気(例えば急性及び慢性不安状態、鬱病、食欲不振、性的障害、精神病)、
睡眠障害、精神機能の老人性障害(例えば老人性痴呆)、脳貧血、脳卒中、しか
し又は過剰な血管収縮(例えば動脈性高血圧)又は一定の範囲で高められた筋肉
収縮(例えば神経性排尿障害、前立腺肥大)を伴う病気も挙げられる。
従って、本発明のもう1つの目的は、前記の病気の治療及び/又は予防での使
用のための本発明による化合物である。
同様に、本発明は、前記の病気の治療及び/又は予防のために使用される医薬
の製造のための、本発明による化合物の使用を包含する。
更に本発明は、前記の病気の治療及び/又は予防の
ための本発明による化合物の使用を包含する。
本発明のもう1つの目的は、1種又は数種の式Iの化合物及び/又はその薬物
学的に認容性の塩を含有する医薬品である。
医薬品は自体公知の、当業者に慣用の方法により製造される。医薬品としては
、本発明による薬物学的に有効な化合物(=作用物質)は、そのものとして、又
は有利に好適な製薬学的助剤又は賦形剤と組み合わせて、錠剤、糖衣錠、カプセ
ル剤、座薬、プラスター(例えばTTSとして)、乳濁液、懸濁液、又は溶液の
形で使用され、この際、作用物質含量は有利に0.1〜95%であり、かつこの
際、助剤及び賦形剤の相応する選択によって、作用物質及び/又は所望の作用出
現に正確に適合した製薬学的投与形(例えば遅効形又は耐胃酸形)を得ることが
できる。
所望の医薬品処方にどんな助剤もしくは賦形剤が好適であるかは、当業者にと
ってその専門知識に基づき慣用である。溶解剤、ゲル化剤、座薬基剤、錠剤助剤
及び他の作用物質賦形剤の他に、例えば酸化防止剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、
矯味剤、保存剤、溶解助剤、色料又は特に浸透促進剤及び錯化剤(例えばシクロ
デキストリン)を使用することができる。
作用物質を経口、腸管外、又は経皮投与することができる。
一般に、人間医学においては、所望の結果の達成の
ために、1種又は数種の作用物質を、経口投与では、約0.05〜約30、有利
に0.1〜10、特に0.2〜6mg/体重kgの1日用量で、場合により数回
、有利に1〜4回投与が有利であることが判明した。腸管外治療では、同様に、
もしくは(特に作用物質の静脈内投与では)通例より低い投与量を使用すること
ができる。その都度必要な作用物質の最適投与量及び適用方法を明確にすること
は、当業者によって、その専門知識に基づき、容易に行なわれ得る。
本発明による化合物及び/又はその塩を、前記の病気の治療のために使用すべ
き場合には、製薬学的調製剤は、他の医薬剤群の1種又は数種の薬物学的活性成
分、例えば制酸剤、例えば水酸化アルミニウム、アルミン酸マグネシウム;トラ
ンキライザー、例えばベンゾジアゼピン、例えばジアゼパム;鎮痙剤、例えばビ
エタミベリン、カミロフィン、コリン抑制剤、例えばオキシフェンサイクリミン
、フェンカルバミド;局所麻酔剤、例えばテトラカイン、プロカイン;場合によ
り酵素、ビタミン又はアミノ酸を含有することができる。生物学的実験
α1−受容体−亜型及び5−HT1A−受容体への本物質の親和性の測定
α1−受容体−亜型への物質の親和性を、放射性配位子結合研究において、放
射性配位子として[3H]
プラゾシン(Prazosin)を用いて測定した。ラッテ大脳皮質からの膜50〜20
0μgを、物質の上昇濃度の存在で、[3H]プラゾシン(0.2〜0.5ナノ
モル/l)と共に0.5〜1mlの総容量で培養した。培養緩衝液として、Tr
is/HCl50ミリモル(pH7.5)、EDTA1ミリモル/l、PMSF
0.1ミリモル/lを使用した。非特異的結合は別の成分中で、フェントラミン
10μモル/l又はプラゾシン1μモル/lの存在で測定した。37℃で1時間
後に、結合放射性を、ガラス繊維フィルターを介する0℃での培養成分の迅速な
濾過によって、遊離放射性から分離した。フィルターを、冷濾過緩衝液(Tri
s/HCl50ミリモル(pH7.4)、MgCl210ミリモル/l、10%
ポリエチレングリコール6000)各3.5mlで2回洗浄した。フィルター結
合放射性を、液体−シンチレーション計数によって測定した。α1−受容体−亜
型に対する亜型選択性を有する物質を、新たに、WB4101(3ナノモル/l
)の存在で試験した。WB4101はα1−受容体−亜型に対する[3H]プラゾ
シンの結合を遮断し、かつ残留結合はα1B−受容体のそれに相応する。
5−HT1A受容体への物質の親和性を、放射性配位子結合研究において、放射
性配位子として[3H]8−OH−DPATを用いて測定した。モルモット大脳
皮質からの膜50〜150μgを、物質の上昇濃度
の存在で、[3H]8−OH−DPAT(0.2〜0.4ナノモル/l)と共に
0.25〜0.5mlの総容量で培養した。培養緩衝液として、Tris/HC
l50ミリモル(pH8.2)、MnCl21ミリモル/lを使用した。非特異
的結合は別のバッチ中で、5−HT10μモル/lの存在で測定した。23℃で
30分間後に、結合放射性を、ガラス繊維フィルターを介する0℃での培養成分
の迅速な濾過によって、遊離放射性から分離した。フィルターを、冷濾過緩衝液
(Tris/HCl50ミリモル(pH7.4)、MgCl210ミリモル/l
、10%ポリエチレングリコール6000)各3.5mlで2回洗浄した。フィ
ルター結合放射性を、液体−シンチレーション計数によって測定した。
各物質について、用量−応答曲線を、インプロット−プログラム(Inplot-Pro
gramm)(GraphPad、Sorento、CAL、USA)での非直線回帰線によって描いた。IC50
を、使用した放射性配位子濃度に関して、Cheng及びPrusoffの式により修正し
た。得られたKI−値(次の表を参照)は、試験された受容体に対する各物質の親
和性を示す。前記の詳しく説明した型例により実験された本発明による化合物は
、次の表で、例中でこの化合物の番号に相応する番号を付けられている。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/54 ACV A61K 31/54 ACV
C07D 239/46 C07D 239/46
239/47 239/47 Z
285/16 285/16
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),AU,BG,BY,CA,C
N,CZ,EE,FI,HU,JP,KR,LT,LV
,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG,SI,
SK,UA,US
(72)発明者 ライナー ベール
ドイツ連邦共和国 D−78464 コンスタ
ンツ クリストフ−ダニエル−シェンク−
シュトラーセ 20
(72)発明者 ヒルデガルト ボス
ドイツ連邦共和国 D−78464 コンスタ
ンツ シュターダー タールヴェーク 4
(72)発明者 マンフリート エルツェ
ドイツ連邦共和国 D−78462 コンスタ
ンツ シュッツェンシュトラーセ 20
(72)発明者 クラウス−ディーター ベラー
ドイツ連邦共和国 D−78465 コンスタ
ンツ フランツ−モーザー−シュトラーセ
5
(72)発明者 カール ザンダース
ドイツ連邦共和国 D−78464 コンスタ
ンツ マイナウシュトラーセ 207デー
(72)発明者 ウルズラ ブラント
ドイツ連邦共和国 D−78462 コンスタ
ンツ テーガーモースシュトラーセ 22