JPH10504742A - 麻酔ガス充填装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 麻酔剤を貯蔵ボトル(6)から容器(1)へとアダプタ(20)を介して移し替える移し替え装置である。このアダプタ(20)は貯蔵ボトル(6)の接続シリンダ(7)と共働するボア(22)を具備する。該ボア(22)には開口エレメント(40)も設置され、これはシリンダ(7)との接続に内面ねじ(17)と共働する外側ねじ(42)を具備する。接続シリンダ(7)を上記ボア(22)内にねじ込むと上記接続シリンダのアクチュエータ下面(19)がアダプタ(20)の１方向バルブ(28)のピン(33)と共働し、該１方向バルブを開く。其の後開口エレメント(40)の突出ピン(43)が上記接続シリンダ(7)内に配置したアクチュエータ部材(12)と共働し、貯蔵ボトル(6)の１方向バルブ(8)を開く。この様にして貯蔵ボトル(6)の内容物がアダプタ(20)を通して容器(1)へと移し替えられる。アダプタ(20)の１方向バルブ(28)は貯蔵ボトル(6)の１方向バルブ(8)が開く前に開かれる。

Description

【発明の詳細な説明】 麻酔ガス充填装置 発明の属する技術分野 本発明は貯蔵ボトルから麻酔装置に属する容器へと麻酔剤を移し替える装置に かかる。 従来の技術 ＥＰ−Ｂ１−４４９５４５特許に示す様に大気圧で４０℃よりはるかに下の沸 点を有する麻酔剤が今や有用である。特にデスフルレン（Des flurane）は沸点 が２０℃と２５℃との間にある。この様な貯蔵ボトルから麻酔装置へと充填する 際その揮発性のため特別な対策を必要とし、場合によって、例えば麻酔剤が全ガ ス流の１８％などの高濃度で用いられる場合は対応する蒸散器を作り直す必要も ある。麻酔剤の取扱い及びその充填システムの条件は国際規格ＩＳＯ 5360:199 3（第１版．15-02-1993）に規定されている。この規定から、液体あるいは気体 麻酔剤の大気への洩れは１充填毎に液体で0.5ｍｌをこえてはならないとされて いる。この洩れをもっと少なくし終局的には完全になくすことが当然に望まれる ところである。 沸点の非常に低いデスフルレン麻酔剤に対しては麻酔剤製造元から使われる地 点までの輪送用としての麻酔剤が保存されている貯蔵ボトルに逆止弁が取り付け られ、ボトルが開かれても麻酔剤が沸騰、蒸発出来ない様にしている。これは、 特に周囲への放出を減らさねばならないからボトルから麻酔剤気化器への液体の 移し替えが益々困難となった。 麻酔剤の蒸散器の例はＵＳ−Ａ−４９１９１２５、ＵＳ−Ａ−５３２２０５７ 及びＥＰ−Ｂ１−４４８９５４特許に開示されている。これら特許においては蒸 散器が容器を有しこれに麻酔剤が移されここで蒸発（或は微小滴に霧化）させて いる。通常は比較的大量の麻酔剤がこれらの装置に移し替えられて長時間の充分 の使用に備える。使用後、麻酔剤は貯蔵容器にもどさねばならない。この様な麻 酔剤取扱いは周囲への大きな散逸をもたらすことになる。 ＥＰ−Ｂ１−２３１５１３特許には取りはずし可能な麻酔剤用容器を持った蒸 散器が開示されている。この容器は麻酔剤を運ぶ貯蔵ベッセル或は麻酔剤が移し 替えられる容器ともなり得る。麻酔剤は蒸散器へと延びる比較的短いチューブに あるだけだから、麻酔剤を取り替えるときは原理的には麻酔剤のロスはない。 麻酔装置に麻酔剤を充填する方法は上記ＥＰ−Ｂ１−４４８９５４に開示され ている。この特許においては互いに結合された２本のリンクアームよりなる移し 替え装置が用いられ、これらリンクアームが互に回転し得てバルブとなすものが 開示される。リンクアームが互いに１線になった時にはバルブは閉じ、９０°に なった時には開かれ麻酔装置との通流が生じるものである。この再充填装置は過 去に知られていた麻酔剤には適当であるが、デスフルレンではその輪送ボトルに １方向バルブがあるから変型なくしては使えない。 発明の目的 本発明の目的は１方向バルブを持った輪送用ボトルにある麻酔剤が麻酔装置の 容器へと移し変えられる移し替え装置を 提起することである。本発明の特徴は請求の範囲により規定される。 図面の簡単な説明 図１は本発明による送給装置の拡大断面図である。 図２は図１のII−II線断面図である。 図３は図１のIII−III線断面図である。 図４は図１の送給装置の開口エレメントの斜視図である。 図５は図１と類似の断面図で充填作業中の第１番目の位置を示す図である。 図６は図５と類似の断面図で充填作業中の第２番目の位置を示す図である。 図７は図５と類似の断面図で充填作業中の第３番目の位置を示す図である。 実施の形態 以下は別に容器を取り付けたＥＰ−Ｂ１−２３１５１３の麻酔装置について示 し、この容器にまず麻酔剤が移し変えられ、それからこの麻酔装置に取り付けら れるものを示す。この容器１は図１で下方に示す。容器１は黒っぽい色をしたガ ラスで作られており、上方端に接続キャップ２を有する。この接続キャップは麻 酔装置に接続される２つの開口３、４を有する。上方接続キャップ３はチューブ ５に接続され、これは容器１へ、実際にはその底まで下降する。下方開口４へは 空気が供給され、容器１にある麻酔剤がチューブ５に、そして開口３へと押し上 げられ、麻酔装置で蒸散される。 図１にはデスフルレンのような揮発性麻酔剤用の貯蔵ボトル６をも示す。この 容器６はそのオリフィスに別な接続装置 ７がある。この接続装置７にはスプリング９を持った１方向バルブ８が設けられ 、このスプリング９はゴム膜１０をバルブシート１１に対して圧接する。この１ 方向バルブ８はアクチュエータ部材１２をも有しこれは接続装置のホール１３内 を動く。本接続装置はシリンダ７よりなり、これは肩１５で終わる実質上平坦な 外面１４を有する。この外面１４には図１で見て下端１９の直上にシール用Ｏリ ング１６を設ける。接続シリンダ７の内面１３には当該麻酔剤に特有な形式の内 面ねじ１７、所謂デスフルレンねじを有する。１方向バルブは更にスプリング９ を適所に保持案内する保持脚１８を具備する。この１方向バルブの作用は簡単で 通常スプリング９がゴム膜１０をバルブシート１１に接触する様に保持する。ア クチュエータ部材１２をスプリング９の力に抗して押し下げることにより１方向 バルブが開き、図２に断面詳細を示すがボトル内容物がシリンダ７を通り、アク チュエータ部材１２に通流出来る。 上述貯蔵ボトル６をキャップ２で容器１の充填に使える様にするため、本発明 によるアダプタ２０（図１）が用意される。このアダプタ２０は接着剤、超音波 溶接、ねじ込み、その他適当な方法でキャップ２に固定される。アダプタ２０は 本質的に筒状の筐体に作られ、一方に第１ボア２２、他方からはボア２３を具備 する。これらボアの間にはウエブ２４が設けられる。このウエブ２４は断面を図 ３に示す様に複数の貫通ホールを有する。第１の中央ホール２５はねじを有する 。更に別の３つの小さなホール２６があり、これらは後述する様に１方向バルブ のピンの案内をなす。最後に中間大き さの３つのホール２７があり、これはボア２２からボア２３へと、また逆にと麻 酔剤が流通する。 アダプタ２０はプレート２９よりなる１方向バルブ２８を具備し、このプレー ト２９の上にゴム膜３０が設けられ、このゴム膜は図１に示すウエブ２４の下面 よりなるバルブシート３１と接触する。このバルブシート３１に対してゴム膜３ ０を押圧するスプリング３２もある。プレート２９は３本のピン３３を具備し、 これは図１に示す様にプレート２９からウエブ２４のホール２６を通して立ち上 がる。 アダプタ２０は更に開口エレメント４０を有し、図４にその詳細を示す。この 開口エレメント４０は中央ホール２５に設置される。しかしてこの開口エレメン ト４０は中央ホール２５に設置された下方に延びるねじ付きピン４１を備える。 またこの開口エレメント４０は実質上筒状であって、当該麻酔剤の特有の形式の 外側ねじ４２を有し、貯蔵ボトル６の接続シリンダ７のデスフルレンねじと共働 する。この開口エレメント４０は更にその上端に突出ピン４３を有するがこの機 能の詳細は後述する。開口エレメント４０は更に貫通ボア４４を有しこれは多数 のラジアル方向ホール４５で終わり、しかして開口エレメント４０を通る流路が 形成される。図１に示す様に開口エレメント４０はこのアダプタ２０の上方ボア ２２の中央部に配置される。 本発明による移し替え装置の作用は図５−７により更に詳細に示す。 図５はアダプタ２０と係合状態にされた貯蔵ボトル６を示す。このアダプタ２ ０の上方ボア２２は貯蔵ボトル６の接続 シリンダ７が丁度ボア２２に嵌合しＯリング１６がボア２２の内面と密着する様 な直径を有する。 図５に示す位置においては接続シリンダ７の内面ねじ１７がアダプタ２０の開 口エレメント４０の外側ねじ４２と接触する様にされる。貯蔵ボトル６の１方向 バルブ８とアダプタ２０の１方向バルブ２８との間に閉鎖スペースが形成される 。この閉鎖スペースは出来る限り小さいものとする。 次に貯蔵ボトル６がアダプタ２０に対し廻され接続シリンダ７のねじ１７が開 口エレメント４０のねじ４２と共働する。この操作はアダプタ２０が貯蔵ボトル ６に当てがわれ間違った麻酔剤が作業ミスによりアダプタ２０を経て移し替えら れない様な機能を有する。 １方向バルブ２８のスプリング３２は１方向バルブ８のスプリング９より適当 に弱くされる。 図６においては接続シリンダ７がボア２２内に引きおろされ接続シリンダ７の 下面１９が１方向バルブ２８のピン３３に達している。ピン３３は円形に配置さ れ、この直径は図６に示す様に接続シリンダ７の作用下面１９と共働する程度で ある。 図６に従い貯蔵ボトル６を更に下にねじ込むとピン３３と作用下面１９との間 の共働によって１方向バルブ２８が開かれようとする。この様にして１方向バル ブ２８が最初に開かれる。 更に貯蔵ボトル６のアダプタ２０内へのねじ込みを続けると（図７）１方向バ ルブ２８が完全に開かれる。同時に開口エレメント４０の突出ピン４３が貯蔵ボ トル６の１方向バル ブ８のアクチュエータ部材１２と共働し、１方向バルブ８も開くが、これは１方 向バルブ２８が開いた後である。この位置は図７に示され、貯蔵ボトル６の内容 物のアダプタ２０の下に置いた容器１への充填が始まる。（図１） 図２に断面を示すように麻酔剤はアクチュエータ１２を通流出来る。更に麻酔 剤は開口エレメント４０をも通流するがこれは外側ねじ４２が４本の指状に配置 され（図４）この間に麻酔剤の通路を残しているからである。麻酔剤はアダプタ ２０のウエブ２４のホール２７をも通流する。 容器１が所要量充填されると、貯蔵ボトル６をねじ戻すことにより１方向バル ブ８が閉まり充填操作が終わる。アクチュエータ１２、開口エレメント４０の回 りのスペース、１方向バルブ８の上などに残っている麻酔剤は１方向バルブ２８ の下の容器１へと降下し、上記スペースは空気で満たされる。この様にして空気 は容器１から開口エレメント４０のホール４５、ボア４４を通って上る。この空 にする操作は１方向バルブ８が丁度閉まり、１方向バルブ２８が閉まる前、即ち 図６と図７との間の位置にある場合に貯蔵ボトル６と容器１とを漸次傾けること により助成される。其の後接続シリンダ７をアダプタ２０からねじ戻して外し、 図６に示す位置にすると１方向バルブ２８も閉止する。 図５に示す位置へとねじ外しを更に続けると１方向バルブ８と２８との間のス ペースにやや圧力低下がみられ、これは解決せねばならないが何等問題を生ぜず 解決出来る。 本発明は容器１への充填について説明した。本発明によるアダプタ２０は麻酔 装置に直接配置してこの中に設置される 内部容器と接続することも出来る。貯蔵ボトル６の１方向バルブは接続シリンダ とアダプタ２０との間に密封関係が得られるまでは開かれず、貯蔵ボトル６は洩 れのおそれなくどんな位置でも取扱い得る。再充填には貯蔵ボトル６が図１に示 す様に逆さまの垂直位置が好ましいが垂直に対し僅かの角度傾けてもよい。 本発明は上述した実施の態様に限らず当業者に自明な範囲で変形出来る。本発 明範囲は次の請求の範囲のみで決まるものである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．揮発性媒体、好ましくは麻酔剤を貯蔵ボトル(6)から容器(1)へと移し替える 移し替え装置にして、該貯蔵ボトル(6)が接続シリンダ(7)と１方向バルブ(8)と をこれに組み込まれるアクチュエータ部材(12)と共に具備してなり、上記貯蔵ボ トル(6)と容器(1)との間にアダプタ(20)が配置され、然して該アダプタ(20)は、 上記接続シリンダ(7)の第２面(14)とシール作用をなす第１面(22)； 上記接続シリンダ(7)と共働し上記アダプタ(20)の１方向バルブ(28)を開く 開口手段(33)； 上記アクチュエータ部材(12)と共働し、上記貯蔵ボトル(6)の１方向バルブ( 8)を開放する開口エレメント(40)； とを具備してなることを特徴とする移し替え装置。 ２．上記接続シリンダ(7)が上記麻酔剤に特有のねじ(17)を具備し、上記アダプ タ(20)が該接続シリンダ(7)のねじ(17)と共働する対応ねじ(42)を具備すること を特徴とする請求の範囲１項記載の移し替え装置。 ３．上記アダプタ(20)の１方向バルブ(28)の開口部材が複数個のピン(33)よりな り、これらが接続シリンダ(7)の下面(19)と共働することを特徴とする請求の範 囲１又は２項記載の移し替え装置。 ４．上記アダプタ(20)の１方向バルブ(28)が上記貯蔵ボトル(6)の１方向バルブ( 8)の開放前に開かれることを特徴とする請求の範囲１、２又は３項記載の移し替 え装置。 ５．上記接続シリンダ(7)の外面(14)にシーリング装置、好ましくはＯ−リング を備え、上記アダプタ(20)の内面(22)をシールすることを特徴とする請求の範囲 １乃至４項の何れかに記載の移し替え装置。 ６．上記貯蔵ボトル(6)の接続シリンダ(7)が内面ねじ(17)を持ち、上記接続シリ ンダ(7)の外面(14)と上記アダプタ(20)の内面(22)との間にシールが存在する時 のみ開口エレメント(40)の外側ねじ(42)と共働することを特徴とする請求の範囲 ５項記載の移し替え装置。 ７．上記接続シリンダ(7)が該シリンダ(7)内に配置され、且つ該シリンダの一端 に配置された１方向バルブ(8)から該シリンダの他端に配置されたアクチュエー タ面(19)へと延びるアクチュエータ部材(12)を具備することを特徴とする前記請 求の範囲各項の何れかに記載の移し替え装置。 ８．上記アダプタが該アダプタのボア(22)内に配置された開口エレメント(40)を 具備し、且つ上記接続シリンダ(7)の上記アクチュエータ部材(12)と共働する突 出ピン(43)を具備することを特徴とする前記請求の範囲７項に記載の移し替え装 置。 ９．上記アクチュエータ部材(12)、開口エレメント(40)及びボア(22)とが流路を 作り、この流路は１方向バルブ(28)が開かれた時麻酔剤が上記アクチュエータ部 材(12)、開口エレメント(40)を経てボア(22)に至り、そしてアダプタ(20)の１方 向バルブ(28)を経て容器(1)に至る流路となることを特徴とする前記請求の範囲 ８項に記載の移し替え装置。