JPH10504213A - 臀部人工器官 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は球状の連結ヘッドに接続するネック（２）に連結される上端（３）を有する軸（１）からなる。軸（１）は軸（１）の長さの三分の一又は半分に実質的に等しい長さにわたり逆の螺旋二重ねじれを有する基部に近い領域（Ｈ１，Ｈ２）からなる。基部に近い領域の基部に近い部分（Ｈ２）及び末端領域（Ｈ３）は背腹面で概略直線で囲まれ、一方で基部に近い領域の末端部分（Ｈ１）は前方にオフセットされた中心を有するよう湾曲される。本発明は骨髄チャンネルにより効果的に適合しそれを固定するために接着剤の不要な人工器官を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 臀部人工器官 本発明の分野 本発明は大腿骨の骨髄管内に挿入されるよう形成されたロッドと、球形の接続 ヘッドに接続するためにロッドの上端に接続されたネックとを含む臀部人工器官 に関する。 臀部人工器官の種々の形態は種々の曲率を有するロッドが何年来も提案されて きている。 従来技術の一例は臀部人工器官は例えば背又は腹の側に対する中心オフセット を有する背腹(anterior-posterior)面で単一の曲率を有するロッドを有する。こ の種の人工器官は骨幹領域て不正確に中心決めされるおそれがあり、それにより 痛みを引き起こしうる。 ＦＲ−Ａ−２６６０８５５に記載されるような人工器官は背腹面内に実質的に まっすぐなロッドを有する。これらの人工器官はまた痛みを引き起こしうる不正 確な中心決めがなされ、大腿骨への機械的な負荷の移動は良好に分布しない。 ＥＰ−Ａ−００３８９０８は他の形態の人工器官を提案し、それは基部に近い 領域内でロッドは腹側端に向かい変位された曲率中心で湾曲され、他方でロッド の末端領域の曲率は背中側端に向かい変位された曲率中心を有する。人工器官の この型はそれらの曲率の故に、また除去が困難なために適合することが困難であ る。 ＦＲ−Ａ−２６１８６６７及びＦＲ−Ａ−２６７６９１４にはロッドがその基 部に近い領域で単一の右螺旋のねじれを有する左大腿骨人工器官について記載さ れている。 ＷＯ−Ａ−９１１８５６０には基部に近い領域が単一の左螺旋のねじれを有す る右大腿骨人工器官について記載される。 これらの特許では単一の螺旋のねじれがネックの前傾の方向にある。 他方でＥＰ−Ａ−０１２８０３６及びＤＥ−Ａ−３８２９３６１の両方は基部 に近い部分が単一の左螺旋のねじれを有する左大腿骨人工器官について記載され る。ＥＰ−Ａ−０１２８０３６ではこの単一の螺旋のねじれはロッドの末端部分 の若干背中側の曲率に関係し、他方でロッドの基部に近い部分は背腹面で実質的 にまっすぐである。 上記の特許に記載される単一の螺旋状のねじれを有する人工器官は人工器官に 必要な長期間の安定性及び耐久性を達成するために大腿骨の骨髄管に充分効率的 に適合していないことが知られている。 本発明の要約 本発明が解決しようとする問題は新たな人工器官の構造を決定することであり 、これは大腿骨内に接着されうる一方でほとんどの場合には接着せずに適合され うる。接着の欠如にもかかわらず、人工器官の装着は機械的に強固であり、人工 器官の安定性は改善されるものである。 目的は −人工器官の骨幹端部分で最適に人工器官と骨との間の曲げ及びねじれ負荷を 分散し、 −骨幹端領域の空間の全ての面で人工器官を不動化し、 −人工器官の骨幹端部分と実質的に一定の大きさの骨の対応する表面との間に ギャップを形成し、 −前の面と背腹面の両方で大腿骨内でロッドを受ける空洞でロッド全体を中心 に配置し、 −ロッドとの接触点が痛みを引き起こすのを防ぐために人工器官のロッドの末 端部分の区域と大腿骨の基部に近い部分の管の部分と の間の比を最適化し、 −大腿骨の骨幹部分でロッドの末端部分による負荷の伝達を除去することであ る。 この目的のために人工器官は従来技術のロッドと異なる形状のロッドを有し、 ロッドの形状のある特徴はこの技術の受容されている知識に対して直接対抗する ものである。従って本発明は大腿骨の骨髄管内に挿入され、固定されるよう適合 されたロッドと、球形の接続ヘッドに接続するためにロッドの上端に接続された ネックとを含み、ロッドは外側の肩のいずれかの側の上端から外側の肩の下の移 行領域へ延在する基部に近い領域で長円の横断面を有し、末端の領域がそれに続 きロッドは矢状断面に向かってオフセットする曲率中心を有する側面で湾曲し、 ロッドの基部に近い領域は前に向かった曲率中心のオフセットを有する背腹面で 湾曲した部分を有する臀部人工器官であって； 長円の横断面の基部に近い領域は対向する螺旋状のねじれを有する２つの隣接す る部分からなり： −基部に近い部分は右大腿骨に対する人工器官で右螺旋ねじれを有し左大腿骨 に対する人工器官で左螺旋ねじれを有し、 −末端の部分は右大腿骨に対する人工器官で左螺旋ねじれを有し左大腿骨に対 する人工器官で右螺旋ねじれを有する。 この種の人工器官は骨幹端領域で実質的に改善された不動化を有して骨髄管内 に容易に挿入されうる。 好ましい実施例では長円の横断面の基部に近い領域の基部に近い部分と末端の 部分とは外部の肩を含む領域内で実質的に共に連結する。 好ましい実施例ではロッドの基部に近い領域の基部に近い部分は背腹面内で実 質的にまっすぐであり、一方でロッドの基部に近い領域の末端の部分は前に向か ってオフセットされた曲率中心を有するよう湾曲される。ロッドの末端の領域は また背腹面内で実質的に まっすぐである。 ネック（２）は好ましくは約１０度の角度の前傾を有する。 図の説明 本発明の更なる目的、特徴、利点は図を参照して与えられる特定の実施例の以 下の説明から明らかとなる。 図１は人工器官ロッドに沿った９つの横断面と組み合わせて、後ろから左の人 工器官を見た平面図を示す。 図２は図１から左の人工器官の外面を見た平面図を示す。 図３は図１から左の人工器官を見た平面図を示す。 図４は図１から人工器官の内側面を概略的に示す。 図５は連続的な断面の回転を示す図１からの人工器官の概略斜視図である。 図６は図１から人工器官の上面図を概略的に示す。 図７は人工器官ロッドに沿った８つの横断面と組み合わせた本発明による右の 人工器官の好ましい実施例の前から見た平面図を示す。 図８は同じ連続した横断面に関して図７から人工器官の外面を見た図を示す。 好適実施例の説明 図に示されるように本発明の臀部人工器官は大腿骨の骨髄管内に挿入され、固 定されるよう適合されたロッド１と、球形の接続ヘッド４に接続するためにロッ ド１の上端３に接続されたネック２とを含む。 ロッド１は非線形の形状を有し、それはその高さＨに沿った位置による区域及 び方向で変化する。 ネック２に近い基部に近い領域と、ネック２から遠く離れた末端領域とがある 。末端領域は図１で高さＨ３を有し、他方で基部に近い領域はＨ１及びＨ２で示 される。 ロッド１の基部に近い領域Ｈ１＋Ｈ２は図１、７、８の左側部分に示される好 ましくは長円である円形ではない横断面を有する。これらの図は上端３から開始 され、上部区域Ａと、第一の中間区域Ｂと、第二の中間区域Ｃと、第三の中間区 域Ｄと、大の四の中間区域Ｅと、移行区域Ｆとからなることを示す。これらの横 断区域Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅ，Ｆはロッド１の長手方向軸に沿って連続的な位置で 徐々に旋回する主軸に関して例えば長円形のような引き伸ばされた形状を有する 。この旋回はロッド１の基部に近い領域Ｈ１＋Ｈ２で螺旋形状のねじれを画成す る。 基部に近い領域Ｈ１＋Ｈ２は外側の肩６のいずれかの側の上端３から移行区域 Ｆにより示される外側の肩６の下の移行領域へ延在する。基部に近い領域は末端 の領域（Ｈ３）がそれに続き例えば断面Ｇ，Ｌであるその横断面は概略円形であ る。 図１、図７の左側部分に示されるようにロッド１は矢状断面に向かってオフセ ットする曲率中心を有する側面で湾曲を有する。 ロッド１の基部に近い領域（Ｈ１＋Ｈ２）はネック２に近い基部に近い部分Ｈ ２と、ネック２から遠く離れた末端部分Ｈ１とからなる。基部に近い部分Ｈ２は 右大腿骨に対する人工器官で右螺旋ねじれを有し左大腿骨に対する人工器官で左 螺旋ねじれを有する。従って図１では連続した横断面Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄは左の人工 器官で左螺旋ねじれを示し一方で図７では同じ横断面Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄは右の人工 器官で右螺旋ねじれを示す。 末端の部分Ｈ１は右大腿骨に対する人工器官で左螺旋ねじれを有し左大腿骨に 対する人工器官で右螺旋ねじれを有する。従って図１では連続した横断面Ｄ，Ｅ ，Ｆは末端の部分Ｈ１で左の人工器官に対して右螺旋ねじれを示し図７では同じ 横断面Ｄ，Ｅ，Ｆは右の人工器官に対して左螺旋ねじれを示す。 図７、図８に示される実施例では長円の横断面の基部に近い領域の基部に近い 部分Ｈ２と末端の部分Ｈ１とは好ましくは外部の肩６ を含む領域内で実質的に共に連結する。 図７、図８に示される実施例では基部に近い部分Ｈ２は約９度と約１３度との 間の全体の螺旋状のねじれ角度を有し、好ましくは約１１度の角度である。同様 に末端の部分Ｈ１は約３度と約６度との間の全体の螺旋状のねじれ角度を有し、 好ましくは約５度の角度である。 末端の部分Ｈ１は基部に近い部分Ｈ２より若干短い。 上記のように二重螺旋ねじれを含む基部に近い又は骨幹端領域Ｈ１＋Ｈ２は標 準の人工器官でロッド１の全体の長さＨの半分から三分の一の間の長さＨ１＋Ｈ ２を有する。例えば置き換えのためにより長いロッドを有する人工器官ではこの 比率はロッドの選択された長さにより変動する。 二重螺旋ねじれを含む基部に近い又は骨幹端領域Ｈ１＋Ｈ２は図２に示される 実施例のように背腹面内で実質的にまっすぐである。この骨幹端領域は図１に示 されるように横断面で自然に内側に向いた曲率を有する。 図１から図６に示される実施例で基部に近い又は骨幹端領域は概略まっすぐで ある。これは特に図４に示されるような人工器官の内側側面に見られる：内側側 面の中央線５は実質的に横断面に含まれ、故に図でまっすぐに見える。 図７、図８に示される好ましい実施例ではロッド１の基部に近い領域の基部に 近い部分Ｈ２は背腹面内で実質的にまっすぐであり、一方でロッド１の基部に近 い領域の末端の部分Ｈ１は前に向かってオフセットされた曲率中心を有するよう 湾曲される。曲率は図８に左側部分でより明らかにわかる。ロッド１の末端の領 域Ｈ３は背腹面内で実質的にまっすぐである。この実施例は大腿骨での人工器官 の安定性と中心決めを向上させる。図７、図８に示されるのは本発明の典型的な 人工器官の相対的な比率のかなり正確な表現であり、その寸法は約０．７のスケ ールである。 ネック２は図１の区域Ａにより示されるように前傾を有する。前傾は横断面と ネック２の軸との間の角度Ｋにより決められる。ネック２の前傾角Ｋは好ましく は１０度である。 この種の人工器官の形状の利点によりほとんどの場合に人工器官のロッドを骨 髄管内に密封するために接着剤を用いる必要はない。 これは接着剤の存在に関連する問題を回避する：増加された適合時間と動作の 病的状態、適合中に接着剤により接触する骨の壊死を引き起こす発熱反応の形成 、接着剤と骨との間の繊維組織の成長、耐久性を損なう接着剤のかすの動きによ る人工器官の異常な消耗。 二重螺旋ねじれを有する基部に近い又は骨幹端の領域の形状は強い人工器官の 背腹不動化を招来する。 レリーフでの波形パターンは人工器官の安定性を増強するために基部に近い又 は骨幹端の部分に設けられる。これらのパターンは外科医による可能な除去を妨 げることなく骨−移植物接触の表面領域を増加する。これらのパターンはまた軸 方向負荷を担う骨の軸に垂直な接触表面部分を形成する。これらのパターンは周 辺リムを波形にする形を取りうる。 本発明は上記の特定の実施例に限定されず、以下の請求項の範囲内でその変形 及び一般化を含む。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 コダル，フィリップ フランス国，83420 ラ・クルワ−ヴァル マー，ブルヴァル・デ・ヴィラ，ヴィラ・ エリャント（番地なし) (72)発明者 フランソワ，ジャン−マリー フランス国，67500 マリェンタル，リ ュ・ド・ラ・プリユル−ジェンナー ３番 (72)発明者 ゴドフロイ，ジャン フランス国，74130 エゼ，レ・コミュノ （番地なし) (72)発明者 ホロゾフスキー，ヘンリ イスラエル国，ラマト・ヒェン，イルミア 13番 (72)発明者 モル，ダニエル フランス国，54000 ナンシー，プラス・ デュ・コロネル−ファビアン 19番 (72)発明者 リヴァ，ポール フランス国，07130 サン・プレイ，プラ ス・デュ・ベルヴェデル ５番

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．大腿骨の骨髄管内に挿入され、固定されるよう適合されたロッド（１）と、 球形の接続ヘッド（４）に接続するためにロッド（１）の上端（３）に接続され たネック（２）とを含み、ロッド（１）は外側の肩（６）のいずれかの側の上端 （３）から外側の肩（６）の下の移行領域（Ｆ）へ延在する基部に近い領域（Ｈ １＋Ｈ２）で長円の横断面を有し、末端の領域（Ｈ３）がそれに続き、 ロッドは矢状面に向かってオフセットする曲率中心を有する側面で湾曲し、ロッ ドの基部に近い領域（Ｈ１＋Ｈ２）は前に向かった曲率中心のオフセットを有す る背腹面で湾曲した部分を有する臀部人工器官であって、 長円の横断面の基部に近い領域（Ｈ１＋Ｈ２）は対向する螺旋状のねじれを有す る２つの隣接する部分からなり： −基部に近い部分（Ｈ２）は右大腿骨に対する人工器官で右螺旋ねじれを有し左 大腿骨に対する人工器官で左螺旋ねじれを有し、 −末端の部分（Ｈ１）は右大腿骨に対する人工器官で左螺旋ねじれを有し左大腿 骨に対する人工器官で右螺旋ねじれを有する ことを特徴とする臀部人工器官。 ２．長円の横断面の基部に近い領域の基部に近い部分（Ｈ２）と末端の部分（Ｈ １）とは外部の肩（６）を含む領域内で実質的に共に連結することを特徴とする 請求項１記載の臀部人工器官。 ３．基部に近い部分（Ｈ２）は約９度と約１３度との間の角度の螺旋状のねじれ を有することを特徴とする請求項１又は２記載の臀部人工器官。 ４．基部に近い部分（Ｈ２）は約１１度の角度の螺旋状のねじれを有することを 特徴とする請求項３記載の臀部人工器官。 ５．末端の部分（Ｈ１）は約３度と約６度との間の角度の螺旋状のねじれを有す ることを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１項記 載の臀部人工器官。 ６．末端の部分（Ｈ１）は約５度の角度の螺旋状のねじれを有することを特徴と する請求項５項記載の臀部人工器官。 ７．末端の部分（Ｈ１）は基部に近い部分（Ｈ２）より若干短いことを特徴とす る請求項１乃至６のいずれか１項記載の臀部人工器官。 ８．ロッド（１）の基部に近い領域の基部に近い部分（Ｈ２）は背腹面内で実質 的にまっすぐであり、一方でロッド（１）の基部に近い領域の末端の部分（Ｈ１ ）は前に向かってオフセットされた曲率中心を有するよう湾曲されることを特徴 とする請求項１乃至７のいずれか１項記載の臀部人工器官。 ９．ロッド（１）の末端の領域（Ｈ３）は背腹面内で実質的にまっすぐであるこ とを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１項記載の臀部人工器官。 １０．ネック（２）は約１０度の前傾を有することを特徴とする請求項１乃至９ のいずれか１項記載の臀部人工器官。