JPH10503671A - 骨折した骨の剛性を測定するシステム - Google Patents
骨折した骨の剛性を測定するシステムInfo
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Abstract
(57)【要約】
治癒回復の過程で骨折脛骨の場合のように骨の剛性を測定するため容易に組立てられる各部品のセットもしくはキットにつき開示する。各部品は棒の各端部に独立旋回懸垂基礎部材を有するユニット取扱性の長形剛性棒と、各基礎部材に各端部を移動自在に固定する手段を有するゴニオメータと、軽量ロードセルと、ロードセルおよびゴニオメータの出力に連続呼応すると共に測定された剛性データを表示および/または記録(すなわち記憶)する小型コンピュータパッケージとからなっている。好適実施例においては、たとえば気泡サイトのようなレベル応答装置を棒に固定して骨剛性測定を容易化させると共にその精度を向上させ、各基礎懸垂部の旋回軸線が完全に水平配向した際にレベル指示器が各測定のための使用を確認する。
Description
【発明の詳細な説明】
骨折した骨の剛性を測定するシステム
発明の背景
本発明は、治癒が骨折断片を保持するためのギブスにより支援されているよう
な骨治癒の過程で、骨折した骨の剛性(stiffness)を測定するための
装置に関するものである。
現在まで、臨床データおよび骨折治癒に関する研究の多くは骨折脛骨の外部固
定の状況下にある。脛骨は、脛骨骨折の頻度および回復部位における体重支持能
力を回復する必要性のため、この種の測定の起点となっている。したがって本明
細書おいては、脛骨に適用しうる原理を骨折回復の過程で他の骨にも適用しうる
ので、脛骨につき例示の目的で検討する。
「外部固定にて処置される骨折部の剛性の測定」と題する論文[カニンガム等
、エンジニアリング・イン・メジスン、第16巻、第4号(1987)]は、骨
折脛骨の治癒過程で骨折剛性を周期的に間接測定する装置および技術を記載して
おり、患者を座らせてその骨折肢の踵をロードセルに載せ、したがって外部固定
具を含め骨折した骨は支持されない。固定具には、屈曲を脚部に垂直下方向に加
わる力の関数として測定しうるトランスジューサを装着する。この技術は、たと
え骨−ネジ固定部が
そのフィデリティーを保持するとしても、主たる剛性が固定具に存在するという
事実を反映する補正計算を撓み測定が含まねばならないという欠点を有する。し
たがって、骨剛性の測定は間接的であり、実際的に骨に応力を加えて固定具に応
力作用させる必要性は骨−ネジ固定具の効果を順次悪化させる誘因となり、測定
精度を順次低下させる。骨−ネジ固定の低下に対処するには、この種の測定の回
数および頻度を厳密に制限せねばならない。
ヨーロッパ特許出願公開第0,324,279号は、一般にカニンガム等の論
文と同様な状況における骨の剛性の直接測定に関する装置を記載しているが、た
だし撓み測定を行う目的で骨折回復を支援すべく使用する固定具は一時的に取外
されて固定具の骨ネジを所定位置に残し、骨ネジに着脱自在に固定されたブラケ
ットが可撓性長形ゴニオメータの各末端装着部に対する支持の近位点および遠位
点を与える。ゴニオメータが骨折の長手対向側における骨折部間の唯一の外部接
続部であり、したがって骨折部位にて肢に加えられる垂直下方向の力につき測定
される撓みは直接的測定となり、固定具もしくはゴニオメータの剛性に関する補
正計算を必要としない。何故なら、ゴニオメータ構造は本質的に可撓性かつ柔軟
性であると共に剛性を無視しうるからである。
公開された前記ヨーロッパ特許出願の構造体により与えられる直接的測定の能
力にも拘らず装置は構造上比較的粗雑であり、したがって任意所定の場合におけ
る測定
の反復性は特に相対的および骨折した骨に対するゴニオメータの所望の整列およ
び装着端部の配向の点で若干問題が残る。さらに公開された前記ヨーロッパ特許
出願に開示された装置の比較的粗雑な性質は、外部固定が存在せずかつゴニオメ
ータの各端部における離間装着部が単に骨折領域からの離間した近位および遠位
オフセットにて患者の脚部に装着されるに過ぎない実施形態にも当てはまる。
1993年12月8日付け出願の米国特許出願第08/163,426号(係
属中)は、外部固定具を外した後に骨ネジに対するゴニオメータ装着用クランプ
を用いて骨折回復の過程で骨剛性を評価すると共に、ゴニオメータ装着部の正確
な配向の調整が2個のゴニオメータ装着部のそれぞれにレベル指示器を用いて相
当に支援される改良装置を記載している。
特にプラスターまたは他のギブスに依存している骨折の場合、上記性質の装置
において一層高い単純性が必要とされる。勿論、ギブスの除去は骨折した肢のみ
を露出させ、ゴニオメータを装着する骨ネジを露出させない。
発明の簡単な説明
本発明の目的は、上記した性質の骨−剛性の測定を行う改良装置を提供するこ
とにある。
特定の目的は、上記目的を満たすと共に剛性測定の反復可能な精度および一貫
性を従来得られなかった程度まで実現しうる装置を提供することにある。
他の特定の目的は、特定用具の必要なしに容易に組立および解体しうると共に
比較的多数の患者の各箇所にて装置を種々の骨剛性測定につき訪問する1日の間
で組立、使用および解体するのに要する全部品を軽量の場合には成形外科専門家
が運びうるよう解体して充分携帯しうるような装置にて上記目的を満たすことに
ある。
さらに他の特定の目的は、患者の骨折肢の任意部分に固定する必要のない装置
にて上記目的を満たすことにある。
さらに本発明の目的は、上記目的を満たすと共に骨剛性測定の全過程にわたり
骨折肢に片手で適用しうるような手持装置を提供することにある。
本発明は、容易に組立てられる部品、すなわち独立した旋回懸垂基礎部材を棒
の各端部に有するユニット取扱性の長形剛性棒と、各端部を各基礎部材に移動自
在に固定する手段を有するゴニオメータと、軽量ロードセルと、ロードセルおよ
びゴニオメータの出力に連続呼応すると共に測定された剛性データを表示および
/または記録(すなわち記憶)するようにした小型コンピュータパッケージとを
備えたセットもしくはキットを提供することにより前記目的を達成する。好適実
施例においては、たとえば気泡サイト(sight)のようなレベル応答装置を
棒に固定して骨剛性測定を容易化させると共にその精度を向上させ、レベル指示
器は各基礎懸垂部の旋回軸線が完全に水平配向した際の測定につき使用を確認し
う
る。
図面の簡単な説明
以下、本発明の好適実施例につき添付図面を参照して詳細に説明する。
する患者に対し本発明の骨剛性測定装置を適用する場合の装置の略斜視図であり
、
第2図は、第1図の構造の懸垂部詳細を示す部分破断拡大断面斜視図であり、
第3図は、患者の左脚に使用する意味で垂線に対し角度αにて患者の足を配向
させた第1図の装置の端面図であり、
第4図は第1改変を示す一般に第2図と同様な図面であり、
第5図は第2改変に関する第2図と同様な他の図面であり、
第6図は第3改変に関する第2図と同様な他の図面である。
詳細な説明
保持した手術後の少なくとも8週間の正常な期間を経過した患者の左脚10にお
ける脛骨骨折の箇所を示す。問題とする接合部にて、ギブスは骨折した骨の強度
を検査および測定すべく除去されている。
患者はベッドに平らに横たわり或いはベンチ上に着座
して、その膝をたとえばタオルのような硬い巻物11によって支持すると共に踵
をロードセル13の上側プレート12によって支持する。踵と膝支持体との各点
間の範囲は支持されず、左足14の配向は図示(第3図にて濃い仮線)したよう
に一般に直立するが、脛骨の軸線を含むと共に脛骨の広い前側表面に対しほぼ垂
直に配向する幾何学的平面から角度αにて傾斜させる。好適には、この角度αは
約45°である。この配向は患者の隣接する腓骨を脛骨の一般に水平な平面にす
ると共に、腓骨は骨折していてもいなくても比較的可撓性であり、したがって脛
骨剛性を測定する際に関与する垂直撓みに対し僅少作用しか及ぼさないことが注
目される。右脚部における脛骨剛性を測定する際、第3図はさらに右肢14′を
同様に示す(薄い仮線)が、左足14の配向に対し鏡像位置まで垂直平面から角
度αにて反対方向に配向させる。
要するに、剛性測定を行う装置は長形ゴニオメータ16を備えて、これを遠位
および近位基礎部材17、18に装着し、そのそれぞれをユニット取扱い関係で
長形棒20に接続する。棒20に対する各基礎部材17、18の接続は、棒20
の長手方向に対し横方向の軸線を中心として旋回もしくは浮動懸垂するものであ
る。第1図において、各基礎部材17、18のための旋回−懸垂軸線を17′、
18′で図示する、これら軸線は平行であって測定を行う際に水平にせねばなら
ない。基礎部材およびその棒20に対する効果的浮動接続に関する詳細を第
2図、第4図、第5図および第6図を参照して幾つかの実施例につき以下説明す
る。ゴニオメータ16は一般に三角プリズム状外観を有する遠位および近位末端
装着部19、19′を備え、これら各末端装着部のベース面は棒20およびその
基礎部材が幅広の前側脛骨表面に近接して患者の脚部に当接した後に基礎部材1
7、18の一方の垂直側壁に着脱自在に取付けることができ、この場合各基礎部
材17、18は脛骨における前側表面の局部的傾斜に自動調整(各軸線17′、
18′を中心とする)されることが了解されよう。
三角形セクション(第3図にて記号19で図示)を適用しうる現在好適なゴニ
オメータはペニー・アンド・ガイルス・バイオメトリックス・リミテッド社(P
enny & Giles Biometrics Ltd.)、ブラックウッ
ド、グエント、ウェールスの「エレクトロ・ゴニオメータ(Electrogo
niometer)」製品の1種である。エレクトロ・ゴニオメータは単軸、二
軸および捩り感知の装置を包含し、本発明の目的には単軸装置が満足かつ好適で
あり、脚部10における脛骨の剛性測定に必要な屈曲は望ましくは単一垂直平面
、すなわち脚部10における脛骨の矢状面である。これは図示した単軸ゴニオメ
ータが、歪み計抵抗線もしくはその上面および下面に施される被覆を有する適当
なプラスチック基質材料の細長い扁平な可撓性ストリップを備えて、垂直平面に
おける屈曲に対し抵抗感受性である電気ブリ
ッジ回路に含まれる。ケーブル21を収容する末端装着部19′は、ゴニオメー
タ・ストリップの近位端部が固定される末端である。可撓性柔軟ワイヤの巻付コ
イルをその近位端部にて末端装着部18に固定すると共に、その遠位端部にて末
端装着部17に固定する。このコイルはゴニオメータ・ストリップの機械的保護
を与え、可撓性コイルによりその内部で自由に案内され、ゴニオメータ・ストリ
ップの遠位端部は遠位末端装着部19に接続されず、したがってその内部で摺動
可能に案内される。
ゴニオメータ16は電気信号出力を可撓性マルチコンダクタケーブル21を介
しバッテリー操作マイクロコンピュータ装置22まで発生するよう図示され、こ
のマイクロコンピュータ装置にはロードセル13からの第2ケーブル23におけ
る電気信号出力も供給される。マイクロコンピュータは、棒20に対し下方向の
力Pを医者が
曲撓みを生ぜしめると好ましくはニュートンメータにて骨屈曲撓み1°当たり測
定された屈曲モーメントを演算しかつ符号24に表示すべくプログラミングされ
ることが了解されよう。或いは医者は脚部に直接圧力Pを他方の窪んだ掌により
慎重に加えながら基礎部材の浮動作用を確保するよう充分に脚部に対し負荷接触
を維持して脛骨骨折の屈曲撓みを誘発させるよう選択することもできる。骨折脛
骨の屈曲撓みの過程で2つのケーブル入力信号に応じて演算を行い、寸法因子(
たとえばプッシュボ
タンアレイパネル25を介しコンピュータ22に入力さ
コンピュータの面に示す。
より詳細には、第2図は近位基礎部材18のための支持構造を示し、この近位
基礎部材は遠位基礎部材17と同一であることが了解されよう。部材18を第2
図に示し、これは長手範囲L2の上方向に開口するチャンネルを備えると共に扁
平ベース27と、離間して直立する側部プレート28とを有する。硬質の支点プ
レート29をベース27に固定すると共に横溝を確立して、ブレード装着部31
に固定されるナイフブレード30のための支持係合部を与え、次いでブレード装
着部を棒20の下側に固定する。第2図に近接プレート28のため符号33で示
唆されるように、弧状側板スロットに固定されてそこを横方向に突出する横ピン
32は棒20に対し永久組立状態にて基礎部材18を保持すると共に、脚部に取
付けた際に棒20に対し部材18の浮動傾斜の測定を可能にする。第1図にて例
示の目的で、この浮動傾斜の対向方向を各基礎部材につき示し、棒20または脚
部に対し力Pを加える前に各ゴニオメータ末端装着部19、19′は基礎部材1
7、18の側部プレート28の一方に着脱自在に取付けられて、第1図に示した
ようにゴニオメータ16およびその装着部19、19′の真直な連続整列配置を
可能にすることが了解されよう。各側板に対するゴニオメータ末端装着部19、
19′の着脱自在な装着
は両面粘着テープまたはフック・ループ材料の被覆積層材を用いて着脱式に係合
された各表面に対し行うことができる。
図示したゴニオメータにつき末端装着部の断面は二等辺三角形であって、扁平
ベースを垂直にして垂直平面における屈曲に呼応するようゴニオメータ・ストリ
ップを配向させねばならない。この種の配向を確保するには各装着部19、19
′の側板28を扁平にすると共に、第3図に最も良く見られるように垂直配向さ
せる。さらに第2図の3−軸方向領域にて、Xは一般に脚部10の脛骨の軸線に
対し平行な水平長手方向を示し、YはX方向に対し直交する厳密な水平方向を示
し、Zは垂直方向であり、好ましくはY軸方向に対し厳密に垂直かつ一般に長手
方向Xに対し垂直である。第2図は、上表面を横断して横方向もしくはY方向に
くり抜かれて局部的溝部35を確立する棒20を示し、溝部35はいわゆるスピ
リットレベル36のための固定着座用支持部と位置とを与え、スピリットレベル
は上方向に露出された気泡指示器を有する。すなわちスピリットレベルの気泡が
中心に留まる限り、ゴニオメータ・ストリップが垂直平面における屈曲に対し電
気応答するよう正確に配向されたことが判るであろう。スピリットレベル指示器
36のための溝(35)の位置は、好ましくは各基礎部材17、18の旋回(す
なわち浮動)支持部の長手方向位置の間の範囲から外れる。
第4図の実施例において、近位基礎部材37は第2図に示したと同様に長さ(
L2)の細長い矩形プリズム状ブロックであるが、棒20に対しワンピース装着
部38によりユニット取扱関係にて永久一体化され、装着部38は対向横方向溝
部39により弱化されて気泡サイト36が屈曲のY軸の水平配向を示した際にY
軸方向を中心とする浮動屈曲を可能にする。棒20の遠位端部における基礎部材
37のデュープリケートに関する同様な装着部(38)が了解されよう。
第5図の実施例において、ここでも基礎部材37′のための装着部38′は一
体的性質であり、対向溝部がY軸方向を中心とする浮動屈曲の弱化箇所39′を
確立するが、好適レベルは脚部10と基礎部材との接触の平面に対しずっと近接
する。この目的で基礎部材37′は上方向に開口するチャンネルであって、装着
部38′のベース40はチャンネルの底部パネル27′に沿って負荷力を分配す
るよう細長くする。弾性材料の薄いパッド41は患者の快感のためチャンネル3
7′の下側をライニングし、第3図に見られるように浅い凹型円筒弧状とする。
第6図の実施例においても装着部38″はY軸屈曲の低い位置を与え、これに
はたとえば上端部および下端部に沿って埋め込まれたステンレス鋼のような装着
部38″の支持垂直溝部における可撓性金属の垂直配向した薄いストリップ42
を用い、ベース端部支持体は2個のベ
ース部材40′から作成されてチャンネル37″の底部パネルをライニングする
。
発明の使用
1. 患者を上記着座位置にし或いは堅固なベッドに横に寝かせて快適にさせ
る。膝と足とを上方向に向け、脛骨と同じ水平面にて腓骨を設置するよう角度α
にて足を回転させる。脛骨の近位端部を適する支持体上(たとえばタオル11の
巻物上)へ或いは手術室用の小さい砂袋上に載せる。ロードセル13を踵の下に
置いて、セルを固定すると共に踵を上側プレート12の中央に置く。脛骨を各端
部のみで支持して、ベッドなどに接触することなく中間部長さを支持せずに懸垂
させる。
2. 骨折してからの週数を患者につき確認する。ギブスを、骨折が安定した
と医者が確認しない限り障害の8週間以内に除去してはならない。
3. 次いで外科医は棒20を握り、これを緩和に脚部10に装着して基礎部
材17、18のそれぞれが骨折の長手遠位および近位オフセットにそれぞれ局部
適合するようにして符号36で示した横水平を達成するよう注意する。次いで、
この緩和な片方の手による適用を保持すると共に整列を肉眼監視しながら、遠位
ゴニオメータ装着部19をその基礎部材17に装着してその長手方向を一般に近
位基礎部材18に整列させた後、近位ゴニオメータ部材19′を近位基礎部材1
8に装着する。予めゴニオメータ末端装着支持体の位置および配向を固定す
ると共に装着部19、19′の三角セクションの扁平ベース表面に沿って順次に
脛骨に対する矢状面整列を観察した後、ゴニオメータを最終的に近位および遠位
末端装着部に保護ワイヤコイルの僅かな緊張下で固定して、その支持端部間にお
けるゴニオメータのよれを回避すべきである。この僅かなテンションはゴニオメ
ータを緊張させないが、ワイヤコイルが緩んだ場合の遊びを回避する手段となる
。棒20に連携し、したがってゴニオメータの各近位および遠位装着部にも関連
して上記矢状面調整をも行ったスピリットレベル36は、スピリットレベルが水
平になった際にゴニオメータが正確な平面に位置するよう確保する。しかしなが
ら、ゴニオメータが脛骨上に正しく存在しなければ、若干の回転を骨折部位に生
ぜしめて不正確な剛性測定を生ぜしめる可能性がある。正確な位置にてゴニオメ
ータにつき生ずる回転はこの回転が前面であるため記録されず、ゴニオメータは
矢状面における変化のみを記録する。
4. ゴニオメータおよびロードセルからのケーブル21および23が予めマ
イクロコンピュータ22に接続されていなければ、これら接続を改めて行うと共
にマイクロコンピュータのスイッチを入れる。上記したように、骨剛性は単位負
荷当たりの角度変化として測定され、長さ因子L1が最も近い弱点に対する測定
負荷からの距離を反映する。マイクロコンピュータ22を、下式にしたがい1°
当たりのニュートンメータにおける骨剛性を演算
すると共に表示するようプログラミングする。
厳密にいえば、測定された変位は直線的でなければならず、所要の角度測定が小
さい(<1°)ので、(この場合のように)一定長さの感受性ゴニオメータ部材
による角度変位の測定は変位の直線的測定とは僅かに異なる。
5. 骨弱点の領域が直線的かつ横方向でない場合は、符号22のコンピュー
タに入力された距離L1は踵から骨弱点の領域に至る最も短い距離であることに
注目すべきである。これは偽りの高い剛性測定値を回避することができる。骨折
がセグメント的であれば、L1の測定は最も遠位の骨折である。
6. 装置および患者を剛性測定に設定した後、現在好適なプログラミングさ
れた順次の測定を以下のように行い、これらは全て棒20を手動で脚部10に対
し保持すると共に正確に符号36にてレベルを保つ。
(a) 第1の測定は患者が快適であることを確認する試験測定である。
(b) 符号25における開始ボタンを押して測定を開始する。
(c) 外科医がその他方の手を骨折にわたる脛骨上に置くことを可能にし或
いは棒20を介し垂直下方向の力を加えることを正確に確認しうるには、短いプ
ログラ
ミング遅延が生ずる。手または棒20の握りの長手方向位置は、2個の基礎部材
17、18間に存在する限り重要でない。
(d) マイクロコンピュータからの最初のプログラミングされたビープ音に
際し、医者は直接的に或いは棒20を介し脚部の押圧を開始する。その目的は0
.5〜1.0°の間で骨を屈曲させることである。剛性が低くかつ骨が治癒の初
期段階にあれば、所要圧力は僅少である。剛性が増大するにつれ圧力も増大させ
ねばならないが、これは治癒の臨床評価に要する圧力以下である。符号24にお
ける数字表示は0.5°の目標変化を伴う変化角度の表示であり、マイクロコン
ピュータは1.0°を越えた場合に警告を発するようプログラミングされる。測
定は3秒間にわたり行われ、その目的は絶えず増大する圧力をこの時間にわたり
加えて試験全体にわたり変化する角度を観察することである。突然の運動は避け
ねばならない。下方向圧力は2回のプログラミング・ビープ音が聞こえた後に解
除され、これは第1ビープ音の3秒後である。
(e) 試験測定を行っている間、医者は不快感の徴候につき患者の顔を観察
せねばならない。この技術に対し新米の医者に関する共通の失敗は、充分強く押
圧しないことである。得られる角度が0.5°未満であれば、反復試験測定が符
号24におけるプログラミング表示により要請される。
(f) 試験が満足であれば、医者は5回の測定過程を行い続ける。患者と医
者とがこの過程に満足すれば、医者は試験の際の角度変化を観察して、それが適
切であることを確認できる。
(g) 測定を実施している間、マイクロコンピュータ・プログラムは角度変
化を負荷変化と相関させる。この相関は剛性尺度に関する係数として表示され、
医者はこの相関にしたがう各測定値を採用し或いは拒絶する機会を有する。さら
に、プログラムは0.900未満の係数を有する試験を自動排除する。実用的に
は、医者は0.950より大の相関を得ることができ、これを目的とすべきであ
る。
(h) 5回の連続測定の後、マイクロコンピュータ・プログラムは5回の読
取り値の平均を符号24の箇所に表示する。この平均値が骨剛性である。
(i) 結果が15Nm/度より低ければ、脚部10を再びギブスに入れる。
結果が15Nm/度より大であれば、ギブスがもはや必要でないかどうかにつき
判定を行うべきである。
かくして、ここに説明した装置および技術の使用は主として脛骨への適用であ
るが、ただし治癒しつつある骨折またはオステオトミーの剛性測定である。大腿
骨の使用も可能であるが、脛骨につき上記した15Nm/度の数値に均等なレベ
ルを設定しうるには不充分な経験しか存在しない。大腿骨測定に関する装置の使
用は次の手順
により簡単に要約することができる。
(a) 患者はベッドに座り、大腿顆をロードセル上に位置せしめる。脛骨の
場合と同様にギブスを外し、棒20を操作してゴニオメータが大腿骨の上方かつ
矢状面に位置するようにする。脛骨の場合と同様に測定を行う。
(b) 次いで、棒20およびゴニオメータ16を前面における横方向位置ま
で再設置する。ロードセルを大腿顆に対し中間に位置せしめ、医者または助手に
よりそこに保持する。
(c) 再び測定を行うが、今回は横側から負荷を加えて中間大腿顆をロード
セル中へ圧入する。
(d) カルスの形状のx線観察が必要性を示唆すれば、医者は次いでロード
セルおよびゴニオメータの各位置を逆転させて中間側から剛性測定を反復するこ
とができる。
要点
上記の剛性測定装置は、上記全ての目的を満たすことが判るであろう。ゴニオ
メータ装着フラットに対するスピリットレベル設置は、順次の測定の間の高い相
関性につき必要とされる正確な位置決めを確保することができる。医者は、患者
の周期的に測定されかつ進展する骨回復の正確なグラフプロットを作成して、ギ
ブスにおける保持から患者を解放する時点を確実に判定することを可能にし、回
復する骨における最大剛性が発現する直前に判定できる。たとえば、脛骨回復を
例とする場合、15
Nm/度の測定剛性の達成は、正常な成人につき予想される最終的50〜60N
m/度の剛性の直前である。肥り過ぎの患者については20Nm/度の若干高い
目標剛性レベルがギブスにおける固定からの解放につき推奨されるが、これも予
想の最終剛性発生の前である。
上記装置は精度の向上および剛性測定の信頼性を与えるだけでなく、上記した
ようにプログラミングされたマイクロコンピュータ22の使用をも可能にして、
6分間以内に(a)試験測定、(b)5回の順次の剛性測定サイクルの全過程を
完結しうると共に、(c)少なくとも0.900の相関性のコンピュータ支援確
認および5回の別々の測定間における相関性の表示をも可能にし、さらに一時的
な記憶のため肉眼観察および/または入力しうる平均値をその後にマイクロコン
ピュータから医者の患者データバンクまで出力することを可能にする。
6分間で全測定作業を完結する能力の理由は少なくとも棒20の上側平面の露
出部分に近接したスピリットレベル36の観察能力であって、患者の脚部に対す
る矢状面整列につき容易に調整しうる下方向肉眼観察を可能にする。
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フロントページの続き
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UA,UG,US,UZ,VN
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 細長い骨の強度を所定範囲内で骨の局部的骨折後の治癒過程にて評価する に際し屈曲−応力ゴニオメータの各長手端部を装着するのに使用する製造物品に おいて、 (a) 骨折の領域から外れた近位オフセットの領域および骨折の領域から外れ た遠位オフセット領域にて骨の実質的長手方向の重複部で骨折領域に跨げる長さ の堅固な長形棒を備え、 (b) 前記棒の各長手端部近くで前記棒からの旋回懸垂部を有する第1および 第2長形基礎部材を備え、これら基礎部材のそれぞれの旋回懸垂部は前記棒から 外れて平行に固定された幾何学平面に存在する離間平行軸線に対し実質的に単軸 旋回作用を与え、 (c) 前記基礎部材の一方を近位オフセットの領域で肢接触する際の肢の局部 傾斜に対し旋回浮動調節を発現させるようにすると共に、前記基礎部材の他方を 遠位オフセットの領域で肢接触する際の肢の局部傾斜に対し旋回浮動調節を発現 させるようにし、さらに (d) 前記ゴニオメータ端部の一方を着脱自在に装着するため前記一方の基礎 部材と連携する手段、および他方のゴニオメータ端部を着脱自在に装着するため 前記他方の基礎部材と連携する手段を備える ことを特徴とする製造物品。 2. 前記棒と前記旋回懸垂部と前記基礎部材とが、前 記旋回軸線に対し垂直である共通の垂直対称平面に跨る請求項1に記載の物品。 3. 各旋回軸線が、扁平表面における横溝部に対する1種のナイフエッジ接触 である請求項1または2に記載の物品。 4. 前記各接触のためのナイフエッジが前記棒の堅固な部分であり、さらに前 記各接触のための表面が基礎部材の長形表面における横溝である請求項3に記載 の物品。 5. 前記旋回軸線のそれぞれが各基礎部材の実質的に長手方向中点に位置する 請求項1〜4のいずれか一項に記載の物品。 6. 前記旋回軸線のそれぞれが、各基礎部材の肢接触領域からよりも大きく前 記棒から垂直方向にオフセットする請求項5に記載の物品。 7. 単一の堅固体が各基礎部材を前記棒に接続し、さらに実質的な単軸旋回作 用が、前記棒の異なる端部から各基礎部材の独立した一体的順応懸垂部を与える よう前記棒からの単一のオフセットにて局部的に弱化される前記各堅固体により 発生し、順応作用が各場合に異なる一方の離間平行軸線に制限される請求項1〜 6のいずれか一項に記載の物品。 8. 前記剛性長形棒がこの棒の長手方向に対し横配向で固定されたレベル指示 器を備えて、棒および基礎部材が垂直平面にて対称整列した際に物品の使用を可 能にする請求項1〜7のいずれか一項に記載の物品。 9. 前記長形棒は前記懸垂部の少なくとも一方の旋回軸線が水平面に位置する 時点を検知するような配向にて固定されたレベル指示器を備える請求項1〜7の いずれか一項に記載の物品。 10. 前記長形棒が、前記旋回懸垂部の間の長手範囲から長手方向に外れた長 手位置に横溝部を有し、前記レベル支持器は前記横溝部に位置し保持された気泡 サイトである請求項9に記載の物品。 11. 請求項1に記載の物品と、離間した末端装着部を有する長形ゴニオメー タとからなり、前記各装着部が前記基礎部材の異なるものに選択自在に固定され るようにしたことを特徴とするキット。 12. ロードセルとマイクロコンピュータとをさらに備え、前記ゴニオメータ が屈曲応力に呼応した電気出力信号を発生すると共に前記ロードセルが印加負荷 に呼応した電気出力信号を発生し、さらに前記ゴニオメータおよび前記ロードセ ルの出力信号に同時呼応するよう前記マイクロコンピュータに選択接続する可撓 性ケーブル手段を備える請求項11に記載のキット。 13. 添付図面を参照して実質的に記載した物品もしくはキット。
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