【発明の詳細な説明】
流体に対して非浸透性のゼロひずみ伸張ラミネートウェブ
発明分野
本発明は、実質的に引っ張られていない状態(すなわち「ゼロひずみ」の状態
)で組み立てられるとともに、機械的な引張りによって弾性を持たせることがで
きる「ゼロひずみ」伸張ラミネートウェブ(zero strain stretch laminate web)
に関し、より詳しくは、相対的に高いレベルで引っ張られても流体に対する非浸
透性を保つ「ゼロひずみ」伸張ラミネートウェブに関する。
発明の背景
本明細書において使用される、流体に対して非浸透性の「ゼロひずみ」伸張ラ
ミネートウェブという最も単純な用語は、同一の広がりを持つ表面の少なくとも
一部分において、実質的に引っ張られていない(「ゼロひずみ」)状態で実質的
に連続的に互いに固着される少くとも2つのプライ(ply,層)を備えた、ラ
ミネートウェブを言う。前記プライの少くとも一方は連続したウェブとされ、連
続的かつ高速な処理を容易にしている。他方のプライは、前記連続したウェブに
対して予め定められた位置に固着される連続したウェブ、または分離した要素な
いしはパッチとされる。
「断続的に」接着されたラミネートウェブとは、引張り力の負荷に先立ち、分
離して間隔をあけられた別々の領域において、両プライが互いに最初に接着され
たラミネートウェブを意味する。これに対して、「実質的に連続的に」接着され
たラミネートウェブとは、引張り力の負荷に先立ち、接触面の全体にわたって、
両プライが実質的に連続的にお互いに最初に接着されたラミネートウェブを意味
する。実質的に連続的に接着されたラミネートウェブは、次のようにして成形す
ることができる。すなわち、実質的に連続でかつ熱可塑性の第一の接着剤プライ
を、第二のプライ上に直接押し出し成形するとともに、第一のプライが熱い間に
、滑らかな表面を有する加熱されたロール・ニップの間に両プライを通す。若し
くは、一方のプライを他方のプライに接触させる前に、一方のプライに実質的に
連続な接着剤被覆を塗布するか、スプレーまたは高密度の溶融物を一方のプライ
に吹きかける。
本発明の流体に対して非浸透性の「ゼロひずみ」伸張ラミネートウェブに用い
られる両プライのうちの一方は、流体に対して非浸透性で、引張り可能とされ、
かつ弾性、すなわち負荷された引張り力が解放されると実質的に引っ張られる前
の寸法に戻る性質を備えた材料から構成される。流体に対して非浸透性の弾性を
有したプライに固着される第二のプライは伸張可能とされ、最も好ましくは縮小
可能とされるが、弾性を有していなくとも良い。さらに、第二のプライは流体に
対して非浸透性でなくとも良い。第二のプライは、その構造がどのようなもので
あっても、引張り力によって少くとも多少は永久的な伸びを生じ、引張り力が解
除されても変形前の本来の状態には完全には戻らない。しかしながら、引張り力
が負荷される際には、第二のプライはその連続性を保つとともに、繊維間の分離
や繊維の切断が生じてはならない。永久変形した第二のプライが、引張り力を負
荷した操作の後にも流体に対して非浸透性のエラストマ製のウェブに固着されな
いのは、流体に対して非浸透性のエラストマ製のウェブが、X−Y座標平面内に
おいてその変形前の状態に戻るのに対して、永久変形した第二のプライは、流体
に対して非浸透性の弾性ウェブに固着された部分同士の間において、Z方向に膨
張するからである。引張り操作の後における互いに隣り合う固着部分同士の間隔
がX−Y座標平面内で広ければ広いほど、結果としてラミネートウェブに生じる
Z方向の膨張の度合いもより大きい。Z方向の膨張の度合いに関係なく、「ゼロ
ひずみ」伸張ラミネートウェブは、引張り操作の後も、最初の引張り方向に、少
なくとも最初の引張り長さまでは弾性を有して伸張性がある。
関連する特許として本明細書に記載される1989年5月30日にSabee
に発行された米国特許第4,834,741号には、使い捨ておしめのような一
回限り使用される装着物が記載されている。この装着物においては、一対の引張
り可能な要素間に固着された引っ張られていない状態の弾性要素を有する「ゼロ
ひずみ」伸張ラミネート材料を、対向するウエストバンドおよび脚バンドに備え
ている。Sabee特許の図1に示される弾性要素41は、おしめウェブのウエ
ストバンド部分において、実質的に弛緩した状態の引張り可能なトップシートウ
ェブ若しくは引張り可能なバックシートウェブ、または両方に固定されている。
Sabee特許における結合形状は、表面上に複数の浮き彫り部分を有した加熱
ロールを一方のロールとする一対のロール間にラミネート材料を通過させること
によって断続的とされるか、若しくは、滑らかな表面を有した一対のロール間に
ラミネートを通過させ、ラミネートの一方のウェブ上に置いた熱溶融形の粘弾性
感圧接着剤の薄い帯を他方のウェブに押しつけることによって連続的とされる。
いずれの結合形状が用いられるかに係わらず、弾性ウェブ要素41を含んだお
しめウェブの一部分は、Sabee特許の図5および図6に示された一対の波形
ロール31上の波形形状を噛み合わせることによって機械の横方向に引き伸ばさ
れる。同時に、引張り可能なトップシートウェブとバックシートウェブとの一致
部分は、弾力要素アタッチメントの領域において徐々に引き伸ばされ、永久的な
伸びおよび分子配向が繊維に対して機械の横方向に与えられる。波形ロール31
が有する噛み合い波形形状が機械の縦方向に対して実質的に平行に並べられてい
るので、ウェブに徐々に作用する引張りは、機械の横方向に生じる。それゆえに
、Sabee特許におけるおしめウェブの完全に処理されたウエストバンド部分
は、機械の横方向に、少なくとも最初に引張られた長さまでは弾性的に伸張する
こと
ができる。
好ましくは、Sabee特許のおしめウェブを他の一対の波形噛み合いロール
89間に通すことによって、機械の縦方向における同様な引張り操作が、引っ張
られていない弾力要素42を有した対向する脚バンドに関して実行される。波形
ロール89の噛み合っている波形形状が、実質的に機械の横方向に対して平行に
並べられているので、ウェブは機械の縦方向に徐々に引っ張られる。それゆえに
、Sabee特許におけるおしめウェブの脚バンド部分は、少なくとも最初の引
張り長さまでは機械の縦方向に弾性的に伸張することができる。
「ゼロひずみ」ラミネートウェブを引っ張るために波形ロールを用いるという
Sabeeの提案は、要求される引張りの度合いおよび延性が相対的に小さく、
かつ弾性ラミネートの流体に対する非浸透性の性質が限界的でない場合には、合
理的に良く動作する。しかしながら、本発明の出願人は、従来用いられている材
料をトップシートに使用しているウェブの引張りの度合いを高めると、波形ロー
ルが損傷を引き起こす傾向があることを発見した。引張りの度合いが最も高い範
囲においては、「ゼロひずみ」伸張ラミネートから構成されたウェブに裂ける形
の損傷が生じる。そのような損傷は、「ゼロひずみ」伸張ラミネートウェブを、
流体に対して非浸透性の伸張可能な材料として吸収用製品に用いることを不適当
なものとする。
上述した問題は、ウェブを処理する速度および引張りの所望の度合いが増加し
、かつ問題になっている伸張ラミネートウェブの破断に至るまでの伸びが減少す
るにつれて、ますます顕著になる。
1992年9月1日にWeber他に対して発行された米国特許第5,143
,679号には、このような性質を有した「ゼロひずみ」伸張ラミネートウェブ
の多くにおいて前述した問題を除去し、若しくは少なくともそのひどさを減少さ
せる方法が開示されている。Weber他は、ウェブを引張る工程の間に、ウェ
ブ
の「ゼロひずみ」伸張ラミネート部分を引き続いて引っ張る方法および装置を開
示している。特に好ましい実施形態においては、複数の波形ロールの組にラミネ
ートウェブを通過させることによって、機械的な引張り操作は複数の段階におい
て実行される。各ロール組における噛み合いの度合いは、先行するロール組のそ
れよりも強められるが、ウェブの損傷は最小限に保たれる。かみ合いの度合いが
次第に強められる複数のロール組を使用することによって、最終組のロールに匹
敵する噛み合いの度合いおよび振幅を有した唯一組の波形ロールを用いる場合よ
りも、ウェブに対して負荷するひずみ速度を低くすることができる。それに加え
て、ウェブが連続したロール組の間を通過する際に一時的に引張りから解放され
ることは、後続するロール組によってウェブがより度合いを強めて引き伸ばされ
る前の段階で、ウェブに幾分かの応力の再分布が発生することを許容する。前述
の方法によってひずみ速度を最小にするとともに応力の再分布を許容することは
、ウェブに損傷が生じる傾向を最小にする。
発明の概要
本発明は、流体に対して非浸透性の「ゼロひずみ」伸張ラミネートウェブに関
する。前記ラミネートウェブは引っ張られていない状態の本来の長さを有する。
ラミネートウェブは、流体に対して非浸透性の弾性部材を備える。この弾性部材
は、少くとも1つの実質的に引っ張られていない不織部材に対して、実質的に連
続的に固着される。前記不織部材は伸張可能ではあるが、前記弾性部材よりも弾
力性は劣る。引っ張られていない状態の本来の長さの少くとも50%増しの長さ
に引き伸ばす機械的な引張り操作にかけられると、前記不織部材および前記弾性
部材は、伸びるが破壊することはない。好ましい実施形態においては、引っ張ら
れていない状態の本来の長さの少くとも100%増しの長さに引き伸ばす機械的
な引張り操作にかけても、前記不織部材および前記弾性部材は伸びるが破壊する
ことはない。特に好ましい実施形態においては、引っ張られていない状態の本来
の長さの少くとも200%増しの長さに引き伸ばす機械的な引張り操作にかけて
も、前記不織部材および前記弾性部材は伸びるが破壊することはない。好ましく
は不織部材は、スパンボンド(spunbonded)された(スパンボンド法により得られ
た)ポリエチレン繊維から成る。
本発明のラミネートウェブは、使い捨ておしめ若しくはトレーニング・パンツ
の一部を形成するために使用することができる。好ましくは、ラミネートウェブ
が、使い捨ておしめ若しくはトレーニング・パンツの耳フラップ、若しくは弾性
化されたウエストバンドを形成する。
図面の簡単な説明
本明細書は本発明の主題を詳細に指摘しかつ明瞭に主張する特許請求の範囲に
終結するが、本発明は添付の図面に関連してなされる以下の説明によってより良
く理解される。ここで、類似の符号は実質的に同じ要素を示すために使用される
。
図1は、本発明に係る使い捨てトレーニング・パンツを着用者の身体に装着さ
れる状態で示した斜視図である。
図2は、内部構造を示すために表面の要部を破断した状態で示す、本発明に係
るトレーニング・パンツのシャシの平面図である。
図3は、耳フラップを機械的に引張る前の状態を示す、図2中の切断線3‐3
に沿って切断した部分断面図である。
図3Aは、機械的に引張られた後に実質的に引っ張られていない状態に戻った
状態の耳フラップを示す、図2中の切断線3‐3に沿って切断した部分断面図で
ある。
図4は、噛み合い波形ロール用いてウェブの一部を機械的に引張る、真空ウェ
ブ拘束システムを備えた装置を単純化して示す斜視図である。
図4Aは、アイドラ・ロールと下側波形ロールとを示す、図4中の矢視線4A
‐4Aに沿った側面図である。
図4Bは、シャシウェブの「ゼロひずみ」伸張ラミネート部分が通過する波形
ロールの噛み合いの度合いを示す図であって、図4中の4B部を拡大して示す図
である。
図4Cは、波形ロール間を通過する際の本発明に係る「ゼロひずみ」伸張ラミ
ネートウェブの一部分を示す大幅に拡大した断面図である。
図4Dは、波形ロール間を通過する際の従来の「ゼロひずみ」伸張ラミネート
ウェブの一部分を示す大幅に拡大した断面図である。
図5は、ウェブを徐々に引張る工程に使用される、本発明に係る他のウェブ拘
束システムを単純化して示す斜視図である。
図5Aは、上側波形ロールおよび下側波形のロールの中心線に沿った断面を大
きく拡大して示す断面図である。
図6は、継目の成形に使用される超音波装置を模式的に示した立面側面図であ
る。
図6Aは、図6中の切断線6a‐6aに沿った部分断面図である。
発明の詳細な説明
本発明の以下の説明は、予め選択された流体に対して非浸透性の弾性部分、例
えば耳フラップを有した、一回限り使用されるトレーニング・パンツ若しくはお
しめの構造に関連してなされるが、本発明を全体が「ゼロひずみ」伸張ラミネー
トから構成され、若しくは分離した状態の「ゼロひずみ」伸張ラミネートを一部
分に有する、同様の機能を有したどのようなウェブについても実施することがで
きることは、技術に熟練した者にとっては容易に明らかである。
一体型の使い捨て装着物とは、使用された後に捨てられることが意図され(す
なわち、洗濯し又は別な方法で元に戻し若しくは再利用することが意図されてい
ない)、かつ別個のシャシおよび分離した耳フラップ等の別々に操作されるパー
ツを必要としない装着物を言う。前記使い捨て装着物は、着用者の身体に接近し
て配置された、身体から排出される種々の浸出液を吸収して保持する吸収剤組立
体を備える。本発明に係る一体型使い捨て装着物の好ましい実施形態である使い
捨てトレーニング・パンツ20が、図1に示されている。図1に示したトレーニ
ング・パンツ20は、シャシ14、サイドシーム10、および吸収剤組立体22
を備えている。
図2は、図1に示した使い捨てトレーニング・パンツ20を、シャシ14の前
側部分56および後側部分58を継目10によって接合する前の状態で示した、
要部破断平面図である。本実施形態のシャシ14は、好ましくは左右対称の、砂
時計の形を変形させた形状を有している。前記シャシ14は少くとも前側部分5
6、後側部分58、股部分57、長手方向の側面領域88、耳フラップ72とを
有している。そしてシャシ14は、各耳フラップと作動的に組み合わされるとと
もに後に詳述される機械的な引張りによって弾性的に活性化されるラミネート耳
フラップを形成する弾性耳フラップ部材90を備える。前記吸収剤組立体22は
、前記シャシ14に固着される。
図2に示されるように、前記シャシ14の好ましい実施形態は、さらに弾性耳
フラップ部材90を有する外側レイヤー(layer)48および内側レイヤー46、
弾性ウエストバンド部材76、および好ましくは前記内側レイヤー46と前記外
側レイヤー48との間に固着される弾力性を有した紐体105を備える。
外側レイヤー48はシャシ14の一部分であり、使い捨てトレーニング・パン
ツ20の外側部分、すなわち着用者から離れた側の部分を形成する。外側レイヤ
ー48は、素直で、軟かい風合を有し、着用者の皮膚を刺激することがない。適
当な外側レイヤー48は広範囲にわたる材料、例えばプラスチック・フィルム、
;天然繊維(例えば木材若しくは綿の繊維)の織物ウェブ若しくは不織ウェブ、
合成繊維(例えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン
、若しくはポリエチレン等の繊維)、または天然繊維と合成繊維の組み合わせ、
ま
たはコーティングされた織布若しくは不織布から製造される。好ましくは、外側
レイヤー48は、ヴァージニア州WagesboroのPolybond Co
.によって製造されかつ#86964‐Sとして調達可能な、ポリエチレン繊維
をスパンボンドしたウェブ、若しくはドイツのCorovin of Pein
eから調達可能なポリエチレン繊維をスパンボンドしたウェブCorolind
16714とされる。
内側レイヤー46は、シャシ14の内側部分を形成する、少なくとも着用者の
腰回りおよび脚に接触する部分である。内側レイヤー46もまた素直で、軟かい
風合を有し、着用者の皮膚を刺激することがない。適当な内側レイヤー46は広
範囲にわたる材料、例えばプラスチック・フィルム;天然繊維(例えば木材若し
くは綿の繊維)の織物ウェブ若しくは不織ウェブ、合成繊維(例えばポリオレフ
ィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、若しくはポリエチレン等の
繊維)、または天然繊維と合成繊維の組み合わせ、またはコーティングされた織
布若しくは不織布から製造される。好ましくは、内側レイヤー46は外側レイヤ
ー48と同じ材料から製作される。好ましくは、内側レイヤー46はヴァージニ
ア州WagesboroのPolybond Co.によって製造される#86
964‐ Sとして入調達可能なポリエチレン繊維をスパンボンドしたウェブ、
若しくはドイツの Corovin of Peineから入手可能なポリエチ
レン繊維をスパンボンドしたウェブCorolind 16714とされる。
内側レイヤー46は、好ましくは外側レイヤー48に隣接して配置されるとと
もに、従来知られている取り付け手段(図示せず)によって外側レイヤー48に
接合される。例えば、内側レイヤー46は、接着剤の一様な連続レイヤー若しく
はパターン状レイヤー、または直線状、螺旋状若しくはスポット状に配列された
接着剤によって外側レイヤー48に固着される。満足できる接着剤として見いだ
されたものは、ウィスコンシン州Elm Groveの Findley Ad
hesivesによって製造され販売されているFindley 2031であ
る。これに対して前記取り付け手段は、熱溶着、圧力接合、超音波溶着、動的機
械的接合、若しくは他の適当な取り付け手段、若しくは従来知られている取り付
け手段との組合わせとされる。本明細書において使用される「接合された」とい
う用語は、一方の要素を他の要素に直接に固定することによって一つの要素を他
の要素に直接固着する構造、および他の要素に固着される中間要素に一方の要素
を固着することによって、一方の要素を他の要素に間接的に固着する構造を言う
。本発明の好ましい実施形態においては、内側レイヤー46および外側レイヤー
48は、これらを弾性耳フラップ部材90、弾性ウエストバンド部材76、およ
び弾力性を有した紐体105に対して直接接合することにより互いに間接的に接
合されるとともに、前記弾性耳フラップ部材90、前記弾性ウエストバンド部材
76、および弾力性を有した紐体105を越えて延びる領域において直接的に接
合される。
本発明の好ましい実施形態においては、少くとも内側レイヤー46および外側
レイヤー48の一部は、弾性化された耳フラップ30を形成する「ゼロひずみ」
伸張ラミネートを提供するために、機械的な引張りにかけられる。しかるに、内
側レイヤー46および外側レイヤー48は、好ましくは伸張可能、最も好ましく
は縮小可能とされるが、弾性的である必要はない。すなわち内側レイヤー46お
よび外側レイヤー48は、機械的な引張りにかけられると少くとも多少は永久的
に引き延ばされ、変形前の本来の形状には完全には戻らない。好ましい実施形態
においては、内側レイヤー46および外側レイヤー48は、破断若しくは引き裂
きを生じることなしに、機械的な引張りにかけることができる。
好ましい実施形態においては、シャシ14は、弾性化された耳フラップ30を
前側部分56および後側部分58に有する。弾性化された耳フラップ30は、シ
ャシ14と一体化された要素であり、シャシに固着された別個の要素ではなく、
シャシ材料若しくはシャシ材料の延長部分から形成される。弾性化された耳フラ
ップ30によってもたらされる弾性を有して伸張性がある機能は、より快適かつ
ぴったりとした着用を提供する。すなわち、弾性化された耳フラップが使い捨て
装着物の側部の膨張および縮小を許容するので、着用者の身体にぴったりとフィ
ットするとともに、使い捨て装着物が浸出液を保持しても装着期間の全般にわた
ってぴったりとしたフィットを持続させることができる。
図2に示されるように、各耳フラップ72は、シャシ14の中央領域68から
横方向外側に向かって延びて、シャシ14の長手方向に延びる側面領域88に達
するシャシ14の一部分からなる。耳フラップ72はシャシ14の端縁64から
略長手方向に延びてシャシ14の長手方向に延びる側縁62の一部に達し、脚部
開口を形成する。(長手方向に延びる側縁62のこの弓形部分は、脚部側縁10
6とされる。)本発明の好ましい実施形態において各耳フラップ72は、内側レ
イヤー46および外側レイヤー48がシャシ14の中央領域68を越えて延びる
部分によって形成される。
本発明の好ましい実施形態においては、弾性耳フラップ部材90は、好ましく
は内側レイヤー46および外側レイヤー48の間において、耳フラップ72部分
でシャシ14と作動的に組み合わされ、弾性化された耳フラップ30が横方向に
弾性を有して伸張性を有することを許容する。本明細書において使用される「弾
性を有して伸張性がある」という用語は、シャシの一部分に引っ張り力(耳フラ
ップおよびウエストバンドについては、典型的に横方向の引っ張り力)が負荷さ
れるとき、少くともひとつの方向(耳フラップおよびウエストバンドについては
、好ましくは横方向)に伸びるとともに、引っ張り力が除去された時には元の寸
法および形状に戻ることを言う。一般に、本発明において有用な弾性を有する材
料は、引っ張り力の即座の解放に応じて、約5秒以内若しくはそれより少ない時
間で、元の寸法の少くとも約75%の寸法に縮みながら戻る(いわゆる「きびき
び
した(snappy)」弾力性)。
図3に示された特に好ましい実施形態においては、弾性耳フラップ部材90は
、実質的に引っ張られていない状態において内側レイヤー46および外側レイヤ
ー48の両方に接合され、耳フラップ72内で作動的に組み合わされる。図3に
は、弾性耳フラップ部材90を有した複合弾性ラミネートが、機械的な引張りに
かけられる前の状態で示されている。
弾性耳フラップ部材90を有した複合弾性ラミネートの少なくとも一部分は、
複合弾性ラミネートの内側レイヤー部材および外側レイヤー部材(非弾性部材)
を永久変形させるに十分な、機械的な引張りにかけられる。図3Aには、機械的
な引張りにかけられた後に、実質的に引っ張られていない状態に戻ることが許さ
れた状態の複合弾性ラミネートが示されている。弾性化された耳フラップは、こ
のようにして「ゼロひずみ」伸張ラミネートに成形される。「ゼロひずみ」伸張
ラミネートは、引張り可能かつ弾性を有した(すなわち、引張り力が解除された
後に実質的に引っ張られていない状態の寸法に戻る)材料から成る第一のプライ
と、伸張可能な(しかし、弾性を有する必要はない)第二のプライとを備える。
これにより、第二のプライは、引張り力が負荷されると少くとも多少は引き伸ば
された状態に永久変形し、引張り力が解除されても変形する前の元の状態には完
全に戻らない。したがって、「ゼロひずみ」伸張ラミネートは、引張り力の方向
に、かつ少くとも最初に引張られた長さまでは、弾性を有して伸張性があるよう
にされる。
本発明の好ましい実施形態においては、弾性耳フラップ部材90は、内側レイ
ヤー46および外側レイヤー48の両方に、実質的に連続的に接着剤を用いて接
着される。これに代えて、弾性耳フラップ部材90は、内側レイヤー46若しく
は外側レイヤー48に、実質的に連続的に接着される。実質的に一様かつ連続的
な接着剤レイヤーを、外側レイヤー48および/または内側レイヤー46に塗布
するために、接着剤塗布用具が使用される。そして、接着剤が塗布される予め定
められた領域には、実質的に引っ張られていない状態の弾性耳フラップ部材90
が配置される。特に好ましい実施形態においては、引張り可能な接着剤が選択さ
れるとともに、接着剤塗布用具は溶融物吹き付けシステムを備える。
実質的に連続的に接着された「ゼロひずみ」伸張ラミネートウェブの製造に特
に適していることが見いだされた溶融接着剤吹き付けシステムの一つは、ジョー
ジア州GainesvilleのJ& M Laboratoriesから調達可
能なモデルno.GM‐50‐2‐1GHである。このシステムが採用している
ノズルは、直径が約0.020インチ(約0.508ミリ)とされた、機械の横
方向に1インチ当たり20個のオリフィスを備えている。ウィスコンシン州El
m Groveの Findley Adhesivesから調達可能なFin
dley H‐2247ホットメルト接着剤は、好ましくは約340°F(約1
71℃)の温度に加熱されるとともに、内側レイヤーおよび/または外側レイヤ
ーに約7.5乃至10ミリグラム/平方インチ(約1.2乃至1.6ミリグラム
/平方センチ)の割合で塗布される。温度が約425°Fで圧力が約50標準平
方インチ当たりポンドの加熱された圧縮空気が、接着剤ノズルの第二オリフィス
から噴出し、レイダウン操作(laydown operation)の間における接着剤フィブリ
ルの一様な分配を支援する。
これに代えて、使い捨てトレーニング・パンツ20の「ゼロひずみ」部分を構
成する弾性耳フラップ部材90およびその他の部材は、加熱されない接着剤や、
熱溶着、圧力接合、超音波溶着、動的機械的接合、若しくは従来用いられている
その他の方法によって互いに接合される。
弾性耳フラップ部材90は、数多くの異なるサイズ、形状、構造および材料を
取ることができる。弾性耳フラップ部材90の使用に特に適していることが見い
だされたエラストマ材料(elastomeric material)の一つは、オハイオ州シンシナ
ティのClopayからPA18‐2514として調達可能なKraton f
ilmである。弾性耳フラップ部材90に使用する他の適当なエラストマ製の材
料は、「生の」合成若しくは天然ゴム、他の合成若しくは天然ゴム発泡体、エラ
ストマ製のフィルム(熱収縮性の弾性を有するフィルムを含む)、流体に対して
非浸透性のエラストマ製の織物ウェブ若しくは不織ウェブ、エラストマ製の複合
材等を含む。
図1に示されるように、弾性耳フラップ部材90は、好ましくは前側部分56
および後側部分58において耳フラップ72の全長にわたって延びる弾性材料の
パッチ(弾性パッチ)からなる。しかるに、弾性耳フラップ部材90は、好まし
くはシャシ14の終端64から耳フラップ72の脚部側縁106まで内側に向か
って延びる。弾性耳フラップ部材90の長さおよび幅は、使い捨て装着物の機能
上のデザインに応じて定められる。しかるに、弾性耳フラップ部材90は、好ま
しくは耳フラップ72の全長にわたって延びるが、耳フラップ72の一部分だけ
において延びるようにすることもできる。
伸びに関する特性が伸張力、伸張モジュラス、利用可能な伸び(伸張);縮み
力;弾性クリープ;弾性ヒステリシスを含むこと、および弾性化された耳フラッ
プ30の縮み速度が、弾性化された耳フラップ30および使い捨ての装着物の両
方の性能にとって重要な考慮すべき問題であることが見いだされた。これらの伸
張に関する特性は、着用者によって受け止められる使用の間における総体的な「
伸び」を左右する。弾性化された耳フラップは、相対的に高い伸張モジュラスを
有する際には着用者の皮膚に赤いマーキングを生じさせるが、相対的に低い伸張
モジュラスを有する際には着用者の皮膚上で弛みや滑りを引き起こす。弾性化さ
れた耳フラップの利用可能な伸びが小さすぎると、着用者の身体に対する適切な
フィットを達成することができないばかりでなく、使い捨て装着物の着用を不快
なものとし、かつ装着を困難にする。非常に低い縮み力、または劣等な弾性ク
リープ若しくは弾性ヒステリシスを有する弾性化された耳フラップを備えた使い
捨て装着物は、着用者の身体上に止まることができないばかりでなく、たわみや
滑りを生じる傾向を有し、その結果、劣等なフィットおよび閉じこめ(containme
nt)に帰着する。
弾性化された耳フラップにおける利用可能な伸びは、着用者の身体にフィット
するための可逆的な伸びの総量を測る尺度となる。したがって、利用可能な伸び
の量は、装着物を着用者にフィットさせるために利用可能な伸びの最大量と、そ
れに加えて、着用者の身体に装着物をフィットさせるために利用できる回収可能
な伸びの最大量とに関連する。利用可能な伸びは以下の式から計算される;((
装着物の最大の周辺の長さ−着用者の周辺の長さ)÷着用者の周辺の長さ)×1
00。弾性化された耳フラップを用いた使い捨て装着物に求められる利用可能な
伸びの最小量は、体重が約22ポンド乃至約38ポンド(約10kg乃至約17
.3kg)までの子供にフィットする「1サイズですべてにフィットする」装着
物において、約50%とされる。利用可能な伸びのより高いレベルは、より大き
なフィット範囲を提供する。
着用状態における、弾性化された耳フラップによって発揮される持続的な縮み
力(引張り力)の総量は、弾性化された耳フラップの重要な特性である。弾性化
された耳フラップによる縮み力が小さい場合には、着用されたトレーニング・パ
ンツは外力が作用するとずり下がってしまう。対照的に、縮み力が強すぎる場合
には、快適性が損なわれるばかりでなく、着用者の皮膚に圧痕を生じさせてしま
う。
内側レイヤーおよび外側レイヤーと、両レイヤー間に位置するエラストマ部材
とから「ゼロひずみ」伸張ラミネートを製造するために使用される特に好ましい
方法および装置は、部材を機械的に引っ張るために波形の噛み合いロールを使用
する。おしめの一部分を機械的に引っ張るための方法および装置に関する議論は
、
1978年8月15日にSissonに発行された米国特許第4,107,36
4号、および1989年5月30日にSabeeに発行された米国特許第4,8
34,741号に記載されている。これらの特許は、それぞれ関連する特許とし
て本明細書中に記載される。特に好ましい装置および方法は、1992年12月
1日にWeber他に発行された米国特許第5,167,897号;1990年
10月20日上のBuellほかに発行された米国特許第5,156,793号
;1992年9月1日にWeber他に発行された米国特許第5,143,67
9号に開示されている。これらの特許もまた、関連する特許として本明細書中に
記載される。
本発明による「ゼロひずみ」伸張ラミネートからなる弾性化された耳フラップ
の製作の際に使用される、特に好ましい引張り力を増加させる引張りシステムの
詳細は、図4に示されている。「ゼロひずみ」耳フラップウェブを有するシャシ
ウェブ(chassis web)410は、完全に組み立てられると前記引張りシステムに
導かれる。
図4を参照すると、実質的に引っ張られていない弾性耳フラップ部材(エラス
トマ製パッチ404)を備えたシャシウェブ410は、上側波形ロール425の
部分424と、連続する波形形状が形成された下側波形ロール421との間を通
過する際に、前記エラストマ製パッチ404は上側波形ロール425上に含まれ
た波形若しくは溝付き部分424と実質的に一致するようにされている。
上側および下側波形ロールに設けられた相補的な溝の相対的な配置、間隔およ
び深さは、「ゼロひずみ」伸張ラミネート部分に求められる弾性の量に応じて変
化するものであるが、本発明の特に好ましい実施例において採用されている値は
、溝の頂上間ピッチが約0.150インチ、頂上で測定したときのねじ山角度が
およそ12度、頂上から谷までの溝深さが約0,300インチである。上述した
波形ロール上の波形部分は、その頂上部分の半径が代表的に約0.010インチ
(0.254mm)とされるとともに、溝底部分の半径は代表的に約0.040
インチ(約1.16mm)とされる。互いに対向する頂上が約0.150インチ
乃至約0.175インチの間の深さでオーバーラップするように波形ロールが調
節されると、2.2ミルの厚みのKratonフィルムパッチから成る本発明の
ラミネートウェブには良好な弾力特性が生じる。なお、前記Kratonフィル
ムパッチの両表面は、1平方ヤードあたり約20〜30グラムの範囲の基準重量
(basis weight)を有しかつヴァージニア州Waynesboroの Polyb
ond Co.から#86964‐Sとして調達可能なポリエチレン繊維からな
る、スパンボンド法により得られた不織布からなる内側レイヤーおよび外側レイ
ヤーに実質的に連続的に接着されている。
上述した波形ロールの頂上同士のオーバーラップの度合いは、「ゼロひずみ」
伸張ラミネートウェブに多かれ少なかれ伸張性を生じるように調節される。上述
したロールの幾何学的形状およびラミネートウェブの構造においては、頂上同士
のオーバーラップ深さは約0.050インチ乃至約0.225インチの範囲が適
している。
図4Aに示されるように、シャシウェブ410は、アイドラ・ロール472,
474によって下側波形ロール421を十分に包むようにされるとともに、下側
ロール421の溝423の組に直に隣接するように配置された、図4に示される
運転中の真空ポート422を覆う。上側波形ロール425の溝付き部分424に
実質的に一致するように配置された真空ポート422は、下側波形ロール421
の内部を介して一対の真空マニホルド426に接続され、上側波形ロール425
の溝付き部分424にシャシウェブが従う際に、シャシウェブ410に対して吸
込み力を作用させる。
引っ張られていない状態のエラストマ製パッチ404を内側レイヤーウェブ4
05および外側レイヤーウェブ406に固着するために使われる接着剤、若し
くは内側レイヤーウェブと外側レイヤーウェブとが互いに一致する部分を固着す
るために使われる接着剤の堆積を最小限にするために、上側波形ロール425の
溝付き部分424および下側波形ロール421の連続する溝423を、テフロン
のような低摩擦材料で構造したり、イリノイ州MorrisのMicro Su
rface CorporationからPermalon No.503とし
て入手可能な自己潤滑性の低摩擦スプレーコーティングを用いたりすることがで
きる。
下側波形ロール421上の真空ポート422は、0.090インチ・メッシュ
のハニカム444のような多孔質材料によってカバーされ、シャシウェブ410
の真空吸引部分を支持するとともに、ウェブに対して良好なグリップ表面を提供
し、吸引されるウェブがハニカム表面を横切って横方向に滑り若しくは動くこと
がないようにする。
最適環境下では、エラストマ製パッチ404を有した耳フラップの「ゼロひず
み」部分に負荷される徐々に増加する引張りの最大の度合いは、上側波形ロール
425の溝付き部分424上の溝と、下側波形ロール421上の連続する溝42
3との間における噛み合いの深さによって決定される。しかしながら、噛み合っ
ている波形ロール間を通過する際における伸張ラミネートウェブの引張り方向に
対して実質的に平行な方向のスリップ若しくは縮みが実質的に防がれなければ、
徐々に増加する引張りの最適度合いが実現されないことが見いだされた。したが
って、最も好ましい形態においては、ウェブを徐々に引っ張る操作は、図4Bの
断面図に示されるように、「ゼロひずみ」伸張ラミネートを有した3つのレイヤ
ーの最も外側の部分を拘束した状態で実行され、順に配置された噛み合いロール
の組を通過する際における、シャシウェブの「ゼロひずみ」伸張ラミネート部分
の引張り方向に対して平行な方向へのスリップ若しくは縮みが実質的に防止され
る。
しかしながら、もし望まれるならば、本発明はまた、伸張可能若しくは縮小可
能なレイヤーだけ、若しくは複合材のすべてのレイヤーを拘束することによって
有利に実践される。すなわち、引っ張り操作の間にエラストマ製パッチの最も外
側部分を拘束することが絶対的な要求ではない。後の例において、伸張可能若し
くは縮小可能なレイヤーは、引っ張り操作の間に永久的な引張り変形を生じる。
しかしながら、引っ張り力が除去された際の「ゼロひずみ」伸張ラミネートウェ
ブにおけるZ‐方向の増量はそれほど顕著ではない。これは、エラストマ製のパ
ッチが、引張り工程の間にそれほど引っ張られないという事実による。それゆえ
、エラストマ製のパッチは、変形前の形状に戻る時に同じ量の後退を経験するこ
とができるだけである。
図4乃至4Bに示されるように、多孔性ハニカム444を介してシャシウェブ
410に作用する吸込み力は、実質的に引っ張られていないエラストマ製パッチ
404を有したシャシウェブ410のそれらの部分が、下側波形ロール421上
の連続する溝423の噛み合い部分と上側波形ロール425上の溝付き部分42
4との間を通過する際に、それらの部分の横方向内側に向かう滑り若しくは縮み
を実質的に防ぐ。
エラストマ製パッチ404を有したシャシウェブ410の「ゼロひずみ」伸張
ラミネート部分は、ウェブを引っ張る操作の全体を通して横方向に拘束されるの
で、「ゼロひずみ」伸張ラミネートウェブの拘束点間に位置する全ての部分には
、下側波形ロール421上の連続する溝423と上側波形ロール425上の溝付
き部分424の噛み合い部分との間をウェブが通過する際に、実質的に一様な引
っ張り力が負荷される。
このことは、エラストマ製パッチに固着された伸張可能な内側カバーウェブお
よび外側カバーウェブに引っ張り操作の間に最大度合いの伸びを強制的に経験さ
せることにより、ウェブを引っ張る操作の効果を最大にするばかりでなく、エラ
ストマ製パッチが固着される内側レイヤーウェブおよび/または外側レイヤーウ
ェブの、エラストマ製パッチの互いに対向する周縁部分と直に隣接する領域にお
ける、不釣合いに高いひずみを実質的に防ぐ。
図4Cには、下側波形ロール421上に連続する溝423の噛み合い部分と上
側波形ロール425上の溝付き部分424との間を通過する状態のシャシウェブ
410が、非常に大きく拡大されて示されている。下側波形ロール421上に連
続する溝423の噛み合い部分と、上側波形ロール425上の溝付き部分424
との間でシャシウェブ410が引っ張られるときには、内側レイヤーウェブ40
5と外側レイヤーウェブ406は実質的に均等に伸びるので、エラストマ製パッ
チ404に裂けを生じさせるに十分な大きさの局所ひずみが、エラストマ製パッ
チ404に生じることがない。エラストマ製のパッチ404の完全さを維持する
ことによって、すなわち、エラストマ製パッチ404を破断させないことによっ
て、流体ラミネートウェブ410の流体に対する非浸透性が維持される。シャシ
ウェブ410の弛緩によって、エラストマ製パッチ404と内側レイヤーウェブ
405および外側レイヤーウェブ406の両方は損われず、かつ機械的な引っ張
り操作において経験された伸びの限界まで伸張させることができるようになる。
機械的な引っ張り操作の引っ張り限界は、好ましくはウェブが引っ張られていな
い状態の本来の寸法に対して少くとも約50%増し、より好ましくはウェブが引
っ張られていない状態の本来の寸法に対して少くとも約100%増し、最も好ま
しくはウェブが引っ張られていない状態の本来の寸法に対して少くとも約200
%増しとされる。
図4Dは、従来の「ゼロひずみ」伸張ラミネートウェブ480の一部分が、下
側波形ロール421上の連続する溝423と上側波形ロール425上の溝付き部
分424との間を通過する際の状態を、非常に大きく拡大して示している。前記
ラミネートウェブ480は、一対の不織ウェブ483,484に実質的かつ連続
的に接着された、流体に対して非浸透性のエラストマ製部材482を有している
。ラミネートウェブ480が、下側波形ロール421上の連続する溝423の噛
み合っている部分と上側波形ロール425上の溝付き部分424との間で引っ張
られると、不織ウェブ483,484は符号486で示された領域において不均
一に伸び始める。不織ウェブ483,484の不均一な伸びは、不織ウェブの付
着強さ若しくは不織ウェブの個々の繊維の伸びの程度に原因がある。不織ウェブ
が領域486において不均一に伸びるので、局所化されたひずみが領域486の
内部でエラストマ製部材482上に生じる。
ラミネートウェブ480をさらに引っ張ると、エラストマ製部材482が領域
486内において破断するので、エラストマ製部材482、従ってラミネートウ
ェブ480の流体に対する非浸透性が破壊される。エラストマ製部材482の破
断は、エラストマ製部材482のひずみ限界を上回るひずみが、領域486にお
いて集中して生じる事によって起きると信じられる。従来の「ゼロひずみ」伸張
ラミネートウェブ480の破断は、ウェブをいくつかの実行に対しては容認でき
ないものとする。例えば、流体に対して非浸透性のエラストマ製部材482の破
断は、流体に対して非浸透性の障壁を提供するラミネートウェブ480の能力を
破壊する。さらに、ラミネートウェブの破断は、ユーザにとって美学的に不快な
外観を形成する。従来の「ゼロひずみ」伸張ラミネートウェブは、エラストマ製
部材を破断させることなく、引っ張られていない状態の長さの約35%増しの長
さまで引っ張ることができる。しかしながら、従来の流体に対して非浸透性の「
ゼロひずみ」伸張ラミネートウェブは、引っ張られていない状態の長さの35%
を越えて引っ張られると破壊してしまう。したがって、従来の「ゼロひずみ」伸
張ラミネートウェブは、流体に対して非浸透性の特性を維持しつつ少くとも50
%の伸びを必要とする場合には使用することができない。
本発明の流体に対して非浸透性の「ゼロひずみ」伸張ラミネートウェブは、2
つの不織部材に実質的に連続的に固着されたエラストマ製部材を有するラミネー
トとして記載されるが、前記ラミネートウェブは、流体に対して非浸透性のエラ
ストマ製部材に実質的に連続的に固着される一つの不織ウェブ部材を有すること
ができる。不織ウェブは、エラストマ製部材を破断させるのに十分な局所化され
たひずみをエラストマ製部材に生じさせることなく、均等に伸びる。流体に対し
て非浸透性のエラストマ製部材の他の表面には、追加の部材を固着することがで
きる。前記部材は、例えば不織布、コーティングされた不織布、フィルムおよび
成形フィルムとすることができるが、これらに限定されるものではない。
図5は、ウェブを徐々に引っ張るために採用可能な他のシステムを示している
。図5に示された徐々にウェブを引っ張るシステムにおいては、弾力を有して圧
縮可能な一対の円板540が、上側波形ロール525の溝付き部分524の両サ
イドに、それぞれ隣接して取り付けられている。図5Aの断面図に示されるよう
に、圧縮可能な円板540は十分に大きい直径を有し、下側波形ロール521の
溝無し部分と共に、シャシウェブ510をしっかりと掴みかつ保持する。図4の
実施例における真空ポートおよび多孔性ハニカム材料と同様に、圧縮可能な円板
540と下側波形ロール521の溝無し部分によって形成される固定効果は、エ
ラストマ製パッチ504を有したシャシウェブ510の部分が、噛み合っている
波形ロール間を通過する際に、引張り方向と平行な方向に縮むことを防ぐ。
技術に熟練した者によって認められるように、前述した拘束方法は、本明細書
に記載した利益をシャシウェブの「ゼロひずみ」伸張ラミネート部分に生じさせ
るべく、個別に、若しくは組み合わせて使用することができる。
本発明の流体に対して非浸透性の「ゼロひずみ」伸張ラミネートウェブによっ
て全体若しくは一ヶ所乃至複数箇所が構成される広範囲にわたる使い捨て装着物
を生産するために、前述の方法および装置を有利に使用することができることは
、本明細書の説明から明らかである。
また、添付の図面には、互いに平行な波形形状を有した一対の波形ロールが示
されているが、本発明は、互いに平行ではない波形形状を有した一対の波形ロー
ルを用いる装置によって実施することもできる。さらに、波形ロール上の波形形
状は、機械の縦方向若しくは機械の横方向のいずれの方向に対しても平行に配置
する必要はない。例えば、本明細書に開示された「ゼロひずみ」伸張ラミネート
技術を用いて構成された使い捨て装着物に、曲線状のウエストバンド若しくは脚
バンドが必要とされる場合には、シャシウェブの「ゼロひずみ」ラミネートウェ
ブ部分を引っ張るために使用される波形ロール上の噛み合い歯は、必要とされる
曲線の輪郭に沿った弾性を生じさせるために、直線状にではなく、むしろ必要と
される曲線に合わせて配列される。
本明細書に開示されている好ましい方法は、互いに噛み合う円筒状の波形ロー
ルを採用しているが、ウェブの「ゼロひずみ」伸張ラミネート部分すなわち問題
となっている物を徐々に引っ張るために、ウェブを拘束する原理は、互いに噛み
合うプラテン(platen)による間欠的なスタンピング操作を利用して実行すること
もできる。後者の実施例において唯一要求されることは、引張り方向に対して平
行な方向における滑り若しくは縮みを生じさせるに十分な力を互いに噛み合うプ
ラテンがウェブ上に作用させる前に、徐々に引っ張られる「ゼロひずみ」伸張ラ
ミネートウェブの部分を、適当な真空若しくは固定手段によって適切に拘束する
ことである。
弾性化された耳フラップ30は、横方向に引っ張られたときには、長手方向の
軸線に沿った異なる伸張性を有することができる。本明細書において使用される
「異なる伸張性」という用語は、引張り方向に対して実質的に垂直な方向に沿っ
た複数箇所において引っ張り方向に測定したとき、弾性的な伸張の特性が不均一
である材料を意味する。このことは、一つ若しくは複数のエラストマ製材料にお
いて、例えば弾性係数若しくは入手可能な伸び、あるいはその両方を変化させる
ことができることを含む。弾性化された耳フラップ30は、好ましくは異なる伸
張性を織り込んで設計され、使い捨てトレーニング・パンツ20の終端64から
脚部側縁106側に寸法を取った少くとも一ヶ所において、横方向の伸張性が長
手方向に変化するようにされる。横方向に引っ張られたときの長手方向の軸線に
沿った異なる伸張性が、弾性化された耳フラップによる、使用の間における異な
った伸びと着用者の腰へのフィットを許容するとともに、着用者の腰に対するし
っかりとした係合を提供することによってフィットを持続させ、腰回り及び脚回
りからの漏れを減少させるものと信じられる。そのような構造は、腰領域におけ
るより多くの「伸張」を許容し、着用者が動いたり姿勢(立つ、座る、横たわる
)を変えたりすることによって生じる着用者の身体サイズの変化に順応する。別
の実施例において、使い捨てトレーニング・パンツ20の終端64に隣接する部
分における弾性化された耳フラップの横方向の伸張性の度合いの減少させた場合
、弾性化されたウエストバンド34に全体伸びのうちより多くを負担させる必要
があるが、これにより、弾性化されたウエストバンド34のより局所化された伸
張およびより素直な腹部のフィットがもたらされる。
前述した異なる伸張性は、多くの異なった手段によって達成することができる
。弾性化された耳フラップ30は、耳フラップ30を不均一なものとする、複数
の組み合わされたエラストマ製材料、エラストマ製材料の複数の形状、あるいは
エラストマ製材料若しくは他の材料の伸張特性を備えることができる。例えば、
異なる伸張性は、伸張力若しくは縮小力、係数、または他の固有の特性が異なっ
ているエラストマ製の材料を、弾性化された耳フラップの1つの部分においては
横方向の伸張性がより大きく、かつそこに隣接する部分においては横方向の伸張
性がより小さくなるように、弾性化された耳フラップの互いに隣り合う部分に用
いることによって達成することができる。前記エラストマ製材料は、異なる伸張
性を提供する異なった長さ、サイズ、形状とすることができる。弾性化された耳
フ
ラップを形成する材料の特性を変える、従来知られている他の手段も用いること
ができる。
「ゼロひずみ」伸張ラミネートに対して異なる伸張性の度合いを与える特に好
ましい方法は、少くとも一方の「ゼロひずみ」伸張ラミネートとの接点に添った
輪郭形状が不均一な波形形状を有する、少くとも一組の互いに噛み合う波形ロー
ル間に「ゼロひずみ」伸張ラミネートを通すことである。この結果、ロール組を
通過するラミネートウェブの各部分は、不均一に引っ張られる。これにより、輪
郭形状が不均一とされた波形形状に対して実質的に垂直な方向において不均一に
弾性化された「ゼロひずみ」伸張ラミネートが製造される。
使い捨てトレーニング・パンツ20のシャシ14は、好ましくは、液体および
他の身体浸出物の封じ込めを改良するために、弾性化された脚袖口32を備える
。弾性化された脚袖口32は、脚領域における身体浸出物の漏れを減少させる、
いくつかの異なる実施形態から構成される。(脚袖口は、ときどき脚バンド、サ
イド・フラップ、障壁袖口、あるいは弾性袖口と呼ばれる。)1975年1月1
4日上にBuellに発行された米国特許第3,860,003号には、弾性化
された脚袖口(ガスケット袖口)を提供する側面フラップ、および一つ若しく一
つ以上の弾力性部材を有した収縮可能な脚開口を備えた使い捨ておしめが記載さ
れている。1990年3月20日にAzizおよびBlaneyに発行された米
国特許第4,909,803号には、脚領域の封じ込めを改良する「立っている
」弾性フラップ(障壁袖口)を有した使い捨ておしめが記載されている。198
7年9月22日にLawsonに発行された米国特許第4,695,278号に
は、ガスケット袖口および障壁袖口の2つの袖口を有した使い捨ておしめが記載
されている。1987年11月3日にBuellに発行された米国特許第4,7
04,115号には、装着物内部の自由液体を保持するべく構成された、側縁か
らの漏れをガードする溝を有した使い捨ておしめ若しくは失禁者用装着物が記載
されて
いる。これらの特許はそれぞれ、関連する特許として本明細書に記載される。弾
性化された脚袖口32は、それぞれ脚バンド、側面フラップ、障壁袖口、あるい
は上述した弾性袖口のいずれかに類似するように構成することもできるが、より
好ましくは、弾性化された脚袖口32は、少くともサイド・フラップ104およ
び一つ若しくは一つ以上の弾力性を有した紐体105を備える。
使い捨てのトレーニング・パンツ20のシャシ14は、好ましくは、少くとも
後側部分58において、使い捨てトレーニング・パンツ20の終端64に隣接す
るように配置された弾性化されたウエストバンド34を備え、そして、より好ま
しくは、前側部分56と後側部分58の両方に配置された弾性化されたウエスト
バンド34を備える。使い捨てトレーニング・パンツ20のウエストバンドは、
着用者の腰に隣接して配置されることが意図された部材である。弾性化されたウ
エストバンド34は、所定領域のカバーを維持し、かつ着用者の腰に接触する部
材を提供するとともに、着用者の腰に対して動的にフィットするように少くとも
横方向に弾性的な伸張性を有し、かつ改良されたフィットを提供するように着用
者の腰に動的に適合する。したがって、ウエストバンドは、一般に、使い捨てト
レーニング・パンツ20の終端64から、少くとも吸収剤コア28の腰回り端部
83まで延びる、使い捨てトレーニング・パンツ20の一部分である。弾性化さ
れたウエストバンド34は、使い捨てトレーニング・パンツ20のシャシ14に
固定される別個の要素から構成することもできるが、好ましくは使い捨てトレー
ニング・パンツ20の他の要素、例えば内側レイヤー46、外側レイヤー48、
若しくはこれらの要素の組合わせ、またはこれらに結合されたエラストマ製材料
の延長部分とされる。代わりに、弾性化されたウエストバンド34を形成するた
めに、吸収剤組立体22のトップシート24およびバックシート26が吸収剤コ
ア28の端を越えて延びるようにしても良いし、それらに接合されるエラストマ
製材料を設ける用にしても良い。使い捨てトレーニング・パンツは、しばしば、
一方が前側部分56に配置されるとともに他方が後側部分58に配置される2つ
の弾性化されたウエストバンド有するように組み立てられる。使い捨てトレーニ
ング・パンツ20は、少くとも後側部分58の中央領域68に配置された、少く
とも一つの弾性化されたウエストバンド34を有する。好ましくは、図2に示さ
れるように、他方の弾性化されたウエストバンドは、前側部分56に配置される
。好ましくは、両方の弾性化されたウエストバンド34が、弾性化された耳フラ
ップ30の間に配置される。
弾性化されたウエストバンド34は、本明細書に記載された弾性化された側面
パネルを含む、多くの異なる構造に組み立てることができる。図2に示された本
発明の好ましい実施例においては、弾性化されたウエストバンド34は、内側カ
バー46と外側カバー48との間に挿入された弾力性を有するウエストバンド部
材76を有するとともに、使い捨てトレーニング・パンツ20の前側部分 56
および後側部分58を寄せ集めるために、内側カバー46および外側カバー48
のいずれか若しくは両方と作動的に組み合わされる。本明細書における使用のた
めのそのような弾性化されたウエストバンドの一例が、1985年5月7日にK
ievitおよびOsterhageに発行された米国特許第4,515,59
5号に記載されている。この特許は関連する特許として本明細書に記載される。
本発明の弾力性を有したウエストバンド部材76には、従来知られている任意
の適当なエラストマ製材料を用いることができる。適当なエラストマ製材料は、
エラストマ製フィルム、ポリウレタンフォームのようなエラストマ製の発泡体若
しくは架橋された天然ゴムの発泡体;成形された弾性スクリム(scrim);熱収縮
性の弾性材料のようなエラストマ製フィルム;熱収縮性のエラストマ製フィルム
と弾力部材のラミネートのようなエラストマ製フィルム・ラミネート;本明細書
において後述される「ゼロひずみ」伸張ラミネートのようなエラストマ製伸張ラ
ミネート若しくは予め機械的に引っ張り処理された伸張ラミネート;およびゴム
、
LYCRA若しくは他の材料から製作された弾力性を有した紐を含む。好ましい
実施例においては、弾力性を有したウエストバンド部材76は、熱収縮性のエラ
ストマ製フィルムを有する。
別の実施例においては、弾性化されたウエストバンド34および弾性化された
耳フラップ30は、エラストマ製材料の一片を、耳フラップ72および後側部分
58の中央領域68の両方において使い捨て装着物20に固着するか、若しくは
エラストマ製の材料の一片を、耳フラップ72および前側部分56の中央領域6
8の両方において使い捨ての装着物20に固着することによって形成される。す
なわち、弾性化されたウエストバンド34および弾性化された耳フラップ30は
、一体化構造を形成するべく同じ材料片から形成することができる。
図2に示されるシャシの好ましい実施例においては、長手方向に延びる側面領
域88は、耳フラップ72から横方向外側に、シャシ14の長手方向に延びる側
縁62まで延びるシャシ14の一部分である。長手方向に延びる側面領域88は
、シャシ14の終端64からシャシ14の長手方向に延びる側縁62まで長手方
向に延びて、脚部開口を形成する。(長手方向に延びる側縁62のこの部分は、
脚部側縁106として参照される)長手方向に延びる側面領域88は、シャシ1
4の耳フラップ72に固定される別個の要素から構成することもできるが、長手
方向に延びる側面領域88は、好ましくはシャシ14の他の要素、すなわち内側
レイヤー46、外側レイヤー48、トップシート24若しくはバックシート26
またはこれらの要素の組合わせの延長部分とされる。本発明の好ましい実施例に
おいては、長手方向に延びる側面領域88は、耳フラップ72を越えて延びる内
側レイヤー46および外側レイヤー48によって、それぞれ形成される。
図1を再び参照すると、継目10は、好ましくは、前側部分56の長手方向に
延びる側面領域88を、後側部分58の長手方向に延びる側面領域88に接着す
ることによって形成される。継目10は、数多くの異なる手段によって形成する
ことができる。例えば継目10は、外側に延びるフィン継目(fin seam)を形成す
るためには、長手方向に延びる側面領域88の外側に延びる部分同士を互いに接
合することによって、また内側に延びるフィン継目を形成するためには、長手方
向に延びる側面領域88の内側に延びる部分同士を互いに接合することによって
、若しくは長手方向に延びる側面領域88を互いに重ね合わせて一緒に接合する
ことによって、あるいは、長手方向に延びる側面領域88を、従来知られている
継目形成手段を用いて互いに接合することによって形成される。接合は、シャシ
14の長手方向に延びる側面領域88に採用されている特定の材料に対して適切
な、従来良く知られている手段、すなわち超音波接合、ヒートシール、接着、縫
製、およびその他の適切な技術によって行うことができる。そのような継目を形
成する技術の例は、1982年10月26日にJones他に発行された米国特
許第4,355,425号;1986年10月28日にRobertsに発行さ
れた米国特許第4,619,649号;および1990年3月20日にDoug
las, Sr.に発行された米国特許第4,909,804号等に記載されて
いる。
本発明の好ましい実施例においては、使い捨て装着物は、前側部分56の長手
方向に延びる側面領域88が、2つの継目領域を形成する後側部分58の長手方
向に延びる側面領域88上に実質的に置かれるように、股部分57においてシャ
シを折り重ねることによって形成される。好ましくは、継目領域を形成する材料
のレイヤーは、同じ融点を有する。より好ましくは、継目領域の各レイヤーは、
同じ材料から製作される。
継目10は、好ましくは、継目領域40の一部分をカットするに十分な機械エ
ネルギーで継目領域40を処理するとともに、カット部分に隣接する狭い縁領域
を同時に溶解させることによって形成される。溶解された縁領域は比較的小さい
領域とされ、かつフランジ無しの仕上げられた継目を提供する。本明細書におい
て使われる「フランジの無い継目」という用語は、使い捨てのトレーニング・パ
ンツ20から延びる1/16インチ若しくはそれ以下の継目を言う。好ましくは
、フランジの無い継目は、装着物から1/32インチ若しくはそれ以下の寸法で
延びる。好ましい実施例においては、フランジの無い継目は、実質的にシャシ1
4の前側部分56と後側部分58とによる重ね継ぎとされる。本明細書において
使用される「重ね継ぎ」という用語は、連続した長さを形成するために2つのシ
ート材料の端部同士を重ね合わせ、継手の厚さがシート材料の厚さよりそれほど
大きくないように接合する行為若しくは結果を言う。
全てのエネルギが機械エネルギーであることを示す無視できない証拠があるけ
れども、「非機械的な」エネルギとみなされる熱エネルギー、電気エネルギー、
そして化学エネルギーのようなエネルギの形態がある。しかしながら、本明細書
において使用される「機械エネルギー」という用語は、機械的エネルギー(例え
ば超音波溶着若しくは自生圧力溶着に用いられるエネルギー)に加えて熱エネル
ギー(例えばヒートシールに用いられるエネルギー)をも言う。好ましくは、継
目領域40を切ると同時に接合して本発明の継目10を生産するために、超音波
エネルギが使われる。
好ましくは、機械エネルギーは超音波装置を用いて継目領域40に入力される
。超音波装置は一般に、電気導体を介して電気エネルギー源から高周波の電気エ
ネルギを受ける、超音波コンバーター・ユニットを備える。コンバーター・ユニ
ットは、アンビルとして振る舞う支持体表面に対して前後方向に往復振動するホ
ーンに対して、高周波入力パワーに応答した機械的な振動を供給する、圧電変換
材料を備える。
図6は、符号600で示される好ましい超音波装置の側面を概略的に示す立面
図である。ワーキング・チップ652を有した超音波ホーン650は、図示され
ない電気エネルギ源から高周波の電気エネルギを受け取る、超音波コンバーター
・ユニット645に接続されている。前記超音波ホーン650のワーキング・チ
ップ652は、軸回りに回転可能なロール656上に取り付けられたアンビル6
54と対向している。使い捨て装着物の折り重ねられたシャシ614が、ワーキ
ング・チップ652とアンビル654との間を通過する状態で示されている。超
音波ホーン650は、好ましくは約20kHz乃至約40kHzの範囲の超音波
振動数で作動するが、16kHz乃至100kHzの通常範囲のその他の周波数
も適している。
図6Aは、図6のシーミング装置600の断面図である。折り重ねられたシャ
シ614の継目領域40が、超音波ホーン650が前後方向すなわちアンビル6
54に向かう方向と離れる方向に発振するときに、アンビル654とワーキング
・チップ652との間を通過する状態で示されている。シーミング装置600の
超音波エネルギは、継目領域40におけるポリマー材料レイヤーを軟化させて流
動させ、第一領域658内における継目領域40を薄くして切断すると同時に、
前記第一領域658に隣接する薄い縁領域において継目領域40を溶解させ、溶
解された質量660を形成する。使い捨てトレーニング・パンツ20から切り離
された継目領域40の部分664が、ウェブの耳として処理される一方で、未だ
使い捨てトレーニング・パンツ20の一部である継目領域40の一部分662に
おける溶解質量660は、使い捨てトレーニング・パンツ20に対して、実質的
に前側部分56と後側部分58との間における重ね継ぎである仕上げられた継目
10を提供する。
図6Aに示された好ましいシーミング装置600のアンビル654は、接触端
670を有している。文字W字によって示される接触端の幅は、好ましくは約0
.030インチ(0.762mm)とされる。アンビル654は、接触端670
に対する角度を形成する傾斜端680を有している。文字Aによって示される傾
斜端680の角度は、好ましくは約15度とされる。文字W字によって示される
アンビル654の幅は、好ましくは約0.100インチ(2.54mm)とさ
れる。文字Hによって示されるアンビルの高さは、好ましくは約0.100イン
チ2.54mm)とされる。
特別な理論によって束縛されることなしに、超音波ホーン650が、その高速
かつ低振幅の振動によって局所化された摩擦損失を形成するとともに、それによ
って生じる熱が継目領域40におけるポリマーの繊維を軟化させかつ溶解させる
、と信じられる。この溶接若しくは溶解の作用が非常にすばやく、かつはっきり
と限定された領域内に生じるので、その周囲の部分の材料は実質的に影響を受け
ることなく保たれる。
超音波エネルギによって材料を処理する方法および装置の例は、1972年4
月18日にSagerに発行された米国特許第3,657,033号「熱可塑性
のシート材料を連続的にカットしかつ接合するための方法および装置」;198
3年8月23日にRiemersmaに発行された米国特許第4,400,22
7号;1984年2月7日にSchaeferに発行された米国特許第4,43
0,148号;1985年12月24日にFloodに発行された米国特許第4
,560,427号、および1987年9月15日にPayet他に発行された
米国特許第4,693,771に開示されている。これらの特許は、関連する特
許として本明細書中に記載される。1969年7月22日にTumaに発行され
た米国特許第3,457,132号は、熱エネルギーを用いて、熱シール可能な
材料のウェブを切断しかつ密封する方法および装置を開示している。この特許も
また、関連する特許として本明細書に記載される。
本発明の小さいフランジ無し継目を製作する際には、継目領域40におけるポ
リマー材料のレイヤーが、同様の融点を有することが好ましい。継目領域40を
、同じポリマー材料のレイヤーから製作することがより好ましい。
本発明のフランジ無し継目の強さは、高い基準重量を有したポリマー材料を用
いることによって増すことができる。長手方向に延びる側面領域88の材料が非
常に薄い場合には、継目領域40は十分な継目を形成するために必要な十分な材
料を含んでおらず、従って装着物の継目としては十分に強くないものとなる。こ
の状況においては、継目領域40が適切な継目を形成するのに十分な材料を含む
ように、長手方向に延びる側面領域88に追加の材料レイヤーを導入することが
できる。
図2に示されるように、使い捨てトレーニング・パンツ20の吸収剤組立体2
2は、好ましくは吸収剤コア28と、トップシート24およびバックシート26
を有した外側カバーレイヤーとを備える。吸収剤組立体22は、好ましくは内側
レイヤー46に隣接して配置されるとともに、好ましくは従来用いられている図
示されない取付け手段によって内側レイヤー46に接合される。適当な取付け手
段については、バックシート26を吸収剤コア28に接合することに関して以下
に記述される。
吸収剤コア28は、一般に圧縮性および適合性を有するとともに、着用者の皮
膚を刺激せず、かつ尿やその他の身体浸出物等の液体を吸収して保持する能力を
有するものであれば、どのような吸収剤手段とすることもできる。図2に示され
るように、吸収剤コア28は装着物表面100、ボデー表面101、側端82お
よび終端83を有している。
吸収剤コア28は、幅広い寸法と形状(例えば、長方形、砂時計形、「T」字
形、非対称、その他)、および使い捨ておしめ若しくはその他の吸収用製品に一
般的に用いられる幅広い液体吸収材料から製造することができる。他の適当な吸
収材料の例としては、クレープ(crepe)で包まれた紙綿、コフォーム(coform)
を含むメルトブロー(meltblown)されたポリマー、架橋されたセルロース誘導体
繊維、薄紙を含むウェブ、吸収発泡体、吸収スポンジ、超吸収ポリマー、吸収性
ゲル化材料、あるいは、同等の材料若しくはこれらの材料の組合わせ等を挙げる
ことができる。吸収剤コアの形状と構造は、様々に変えることができる。(例え
ば吸収剤コアは、厚みの異なる領域、親水性勾配、超吸収勾配、あるいは低平均
密度および低平均基準重量捕捉帯;または一つ若しくは一つ以上のレイヤーおよ
び構造を含むことができる。)しかしながら、吸収剤コア28の全体的な吸収剤
の容量は、設計負荷と、使い捨てトレーニング・パンツ20の意図された使用と
を両立させるものでなければならない。さらに、吸収剤コア28のサイズと吸収
剤容量は、幼児から成人にわたる着用者に合わせて変えることができる。
吸収剤組立体22の好ましい実施例は、左右対称の、砂時計形の形状を変形さ
せた形状の吸収剤コア28を有する。吸収剤組立体22の好ましい実施例は、砂
時計形を変形させた形状の吸収剤コア28を有しているが、サイズ、形状、構造
、そして吸収剤コア28の全吸収剤容量を、幼児から成人にわたる着用者に合わ
せて変えることができることは理解されるべきである。したがって、吸収剤コア
の寸法、形状および構造を変えることができる。(例えば、吸収剤コアは、異な
る厚み若しくは親水性の輻射能を有するとともに、吸収性ゲル化材料を備えても
備えなくてもよい。)本発明の吸収剤コア28に使用される、好評を博しかつ商
業上の成功を成し遂げた吸収剤の典型的な構造は、1986年9月9日にWei
smanおよびGoldmanに発行された米国特許第4,610,678号「
高密度吸収剤構造」に記載されている。また、本発明にとって有用な吸収剤構造
が 1987年6月16日Weisman、HoughtonおよびGelle
rtに発行された米国特許第4,673,402号「二つのレイヤーからなるコ
アを有した吸収用製品」;1989年5月30日にAlemany およびBerg
に発行された米国特許第4,834,735号「低密度かつ低基準重量捕捉帯を
有した高密度吸収剤部材」;1989年12月19日にAngstadtに発行
された米国特許第4,888,231号「ダスティング・レイヤーを有した吸収
剤コア」に記載されている。これらの特許は関連する特許として本明細書に記載
される。吸収剤コア28は、好ましくはエア・フェルト(airfelt)と吸収性ゲル
化材料の粒子とを組み合わせた中綿とされ、幅約13センチメートル(横方向の
寸法)、長さ約37センチメートル(長手方向の寸法)、そして股部分57の狭
い部分の幅が約8センチメートルとされている。好ましくは、吸収剤コアの前側
部分56および股部分57に配置された部分は、後側部分58に配置された部分
より高い基準重量を有している。より好ましくは、吸収剤コアの前側部分56お
よび股部分57に配置された部分の基準重量は、吸収剤コアの後側部分58に配
置された部分の基準重量の3倍とされる。吸収剤コア28の好ましい実施例にお
いては、吸収剤コアの長さの約25.4センチメートルは、前側部分56および
股部分57に配置されるとともに、0.69グラム/平方インチ(0.11グラ
ム/平方センチ)の基準重量を有している。吸収剤コアの長さの11.4のセン
チメートルは、後部部分58に配置されるとともに、約0.23グラム/平方イ
ンチ(0.04グラム/平方センチ)の基準重量を有している。
バックシート26は、吸収剤コア28の装着物表面100に隣接して配置され
るとともに、好ましくは従来用いられている図示されない取付け手段によってそ
こに接合される。例えば、バックシート26は、接着剤の一様な連続的レイヤー
、接着剤のパターン化されたレイヤー、あるいは直線状、ら線状あるいは点状に
配列された接着剤によって吸収剤コア28に固着される。オハイオ州コロンブス
のCentury Adhesives, Inc.によって製造されCent
ury 5227として販売されている接着剤、およびミネソタ州St.Pau
lのH.B.Fuller Companyによって製造されHL‐1158と
して販売されている接着剤が満足できる接着剤であることが見出されている。取
付け手段は、好ましくは、1986年3月4日にMinetolaおよびTuc
kerに発行された米国特許第4,573,986号「使い捨ての廃棄物封じ込
め装着物」に開示されている接着剤フィラメントのオープン・パターン・ネット
ワーク(open pattern network)を備える。この特許は関連する特許として本明
細
書に記載される。フィラメントのオープン・パターン・ネットワーク(open pat
tern network)による典型的な取付け手段は、1975年10月7日にSpra
gueJr.に発行された米国特許第3,911,173号;1978年11月2
2日にZiecker他に発行された米国特許第4,785,996号;198
9年6月27日にWereniczに発行された米国特許第4,842,666
号に記載されている装置と方法によって、直線状若しくはら旋状とされた接着剤
フィラメントを有する。これらの特許は関連する特許として本明細書に記載され
る。または、取付け手段は熱溶着、圧力溶着、超音波溶着、動的機械的接合、あ
るいは従来知られているその他の適当な取付け手段、若しくはこれらの取付け手
段の組合わせとすることができる。
バックシート26は、液体(例えば、尿)に対して非浸透性とされるとともに
、好ましくは薄いプラスチックフィルムから製造されるが、液体に対して非浸透
性で柔軟な、その他の材料を用いることもできる。本明細書において使用される
「柔軟な」という用語は、人体の全体的な形状と輪郭に対して素直であり、かつ
容易に従う材料を言う。バックシート26は、吸収剤コア28に吸収されて保持
されている浸出物が、敷布および下着のような使い捨てトレーニング・パンツ2
0に接触する品物を濡らすことを防止する。したがって、バックシート26は、
織られた素材若しくは不織素材、ポリエチレン若しくはポリプロピレンの熱可塑
性フィルムのようなポリマーフィルム、あるいはフィルムで覆われた不織布材料
のような複合材等から構成される。好ましくは、バックシートは、約0.012
mm(0.5ミル)乃至約0.051mm(2.0ミル)の厚さのフィルムとさ
れる。
バックシート26のサイズは、吸収剤コア28のサイズおよび選択された正確
な使い捨て装着物の設計によって指示される。好ましい実施例においては、バッ
クシート26は、弾性化された脚袖口32がバックシート材料によって拘束され
ないように、したがってバックシート材料によって妨げられないように、少くと
も吸収剤コアおよび可能な限りトップシート24の端部回りを覆う。代わりに、
トップシート24は、少くとも股部分57においてバックシート26の端部の中
心部および下側部分を覆うか、若しくはトップシート24およびバックシート2
6は、弾性化された脚袖口32がバックシート材料によって妨げられないように
、股部分57において「側方に切り込みを入れられる」。
トップシート24は、吸収剤コア28のボデー表面101に隣接して配置され
るとともに、好ましくはボデー表面およびバックシート26に対して、従来知ら
れている図示されない取付け手段によって接合される。適当な取付け手段は、バ
ックシート26の吸収剤コア28への接合に関連して記載される。本発明の好ま
しい実施例においては、トップシート24とバックシート26は、吸収剤コア2
8を越えて延びる領域においてお互いに直接的に接合されるとともに、図示され
ない取付け手段を用いてそれらを吸収剤コア28に接合することによってお互い
に間接的に接合される。
トップシート24は、素直で、軟かい風合を有し、かつ着用者の皮膚を刺激し
ない。さらに、トップシート24は液体に対する透過性を有し、液体(例えば、
尿)がその厚さを通して容易にしみ出ることを許容する。適当なトップシートは
広範囲にわたる材料、例えば多孔性の発泡体;網状にされた発泡体;孔をあけら
れたプラスチック・フィルム;天然繊維(例えば、木材若しくは綿の繊維)の織
布若しくは不織布、人工繊維(例えば、ポリエステルかポリプロピレン繊維)、
または天然繊維若しくは合成繊維の組合わせから製造される。好ましくは、トッ
プシート24は約20%乃至30%のレーヨンを含む親水性の材料から製作され
、トイレ・トレーニング中の子供が濡れを感じて排尿したことを感じるようにさ
れる。
トップシート24の製造に用いられる数多くの製造技術が存在する。例えばト
ップシート24は、繊維の不織ウェブとすることができる。トップシートが不織
ウェブから構成される場合は、ウェブは、スパンボンド(spunbonded)され、カー
ディング(carded)され、ウェット・レイドされ(wet-laid)、メルトブローされ(m
eltblown)、ハイドロエンタングルされ(hydroentangled)、若しくはこれらの組
み合わせとされる。好ましいトップシートは、ウェブの分野において従来良く知
られている手段によって、カーディングされかつ熱的に接着される。適当なトッ
プシートは、Fiberweb North Americaによって製造され
、かつカーディングされかつ熱的に接着された80/20ポリプロピレン/レー
ヨン不織布として入手可能である。
本発明の好ましい実施例において、トップシート24は、シャシ14の一部分
としては形成されず、個別に製造されて吸収剤組立体22の一部としてシャシ上
に挿入される。シャシ14は、内側レイヤー46なしに製作することができる。
そして、吸収剤組立体22のトップシート24は、少くともシャシ14の前側部
分56および後側部分58においてバックシート26の端を越えて延び、弾力性
を有した耳フラップ部材90上に配置されるとともにシャシ14の内側表面を形
成する。この実施例においては、トップシート24の少なくとも一部が、弾性化
された耳フラップ30を形成する「ゼロひずみ」伸張ラミネートを提供するため
の機械的な引っ張りにかけられる。したがって、この実施例におけるトップシー
ト24は伸張可能、好ましくは縮小可能とされるべきであるが、エラストマ製で
ある必要はない。これにより、トップシート24は、機械的な引張りにかけられ
ると、少なくともある程度は引っ張られて永久変形し、完全にその本来の構造に
戻らない。しかしながら、この実施例は好ましくない。なぜならば、尿がシャシ
14の中央領域68を越えて「逃げ」、吸収剤組立体22内への閉じこめに失敗
するからである。
本発明による特定の実施例をが図示されるとともに説明されたが、本発明の精
神と範囲から離れることなしに種々の変更と修正をなし得ることは、技術に熟練
したものにとっては明らかである。したがって、添付の請求項において、本発明
の範囲内にある全てのそのような変更と修正をカバーすることが意図される。
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