JPH10502347A - ゴキブリに対して有効なバチルス・チューリンギエンシス菌株 - Google Patents

ゴキブリに対して有効なバチルス・チューリンギエンシス菌株

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JPH10502347A JP8503403A JP50340396A JPH10502347A JP H10502347 A JPH10502347 A JP H10502347A JP 8503403 A JP8503403 A JP 8503403A JP 50340396 A JP50340396 A JP 50340396A JP H10502347 A JPH10502347 A JP H10502347A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ゴキブリを抑制するための新しい材料および方法に関する。ゴキブリは、普遍的な家庭害虫であり、病院や食物産業および農業においても問題となる。本発明により、ゴキブリを抑制するために、バチルス・チューリンギエンシス・イスラエレンシス(B.t.i.)の有効毒素を用いる。一つの態様において、本発明は、また、ゴキブリを抑制するために、B.t.PS123D1を利用することに関する。ゴキブリに対して特定の効果をもつPS123D1から採った欠失型の毒素も、害虫の抑制に用いるために、請求の範囲に含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 ゴキブリに対して有効なバチルス・チューリンギエンシス菌株 発明の背景 土壌細菌バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)(B.t.) は、グラム陽性で、胞子を形成する細菌であり、パラ胞子的(parasporal)な結 晶性蛋白質の封入体を特徴とする。これらの封入体は、しばしば、特殊な形状の 結晶として顕微鏡で見ることができる。この蛋白質は、病原生物に対して非常に 毒性が強く、特異的な毒素活性を示すことがある。ある種のB.t.毒素遺伝子が単 離されて配列が決定されており、組み換えDNAによるB.t.産物が製造され、使用 が認められている。さらに、遺伝子工学技術を用いてこれらのB.t.内毒素を農業 環境に取り入れさせるために、害虫抵抗性に関する内毒素遺伝子を用いて遺伝子 工学的に改良した植物を用いたり、安定化した微生物細胞そのものをB.t.内毒素 の運搬体として用いることを含む、新しい方法が開発中である(Gaertner,F.H., L.Kim[1988]TIBTECH 6:S4-S7)。このように、単離されたB.t.内毒素が、商業 上の価値を持ちつつある。 10年前まで、B.t.農薬の商業的な利用は、鱗翅目(毛虫)の害虫に対してだけと いう、狭い範囲に大きく制限されていた。バチルス・チューリンギエンシス・ク ルスタキ変種(Bacillus thuringiensis var.kurstaki)から調製された胞子お よび結晶が、長い間、鱗翅目(毛虫)用の殺虫剤として商業的に用いられてきた。 例えば、B.チューリンギエンシス・クルスタキHD-1変種(B.thuringiensis var .kurstaki HD-1)は、多くの鱗翅目昆虫の幼虫に対して毒性を示すδ-内毒素と 呼ばれる結晶を産生する。 しかし、近年になって、研究者たちは、ずっと広い範囲の害虫に特異性をもつ B.t.農薬を発見した。例えば、別のB.t.種、すなわちB.t.イスラエレンシス変種 (B.t.var.israelensis)およびB.t.テネブリオニス変種(B.t.var.tenebr ionis)(M-7、B.t.san diegoとしても知られている)が、それぞれ、双翅目と 鞘翅目の昆虫を抑制するために商業的に用いられてきた(Gaertner,1989)。また 、Couch,1980、および、Beegle,1978を参照のこと。「Krieg,et al.,1983」 は、バチルス・チューリンギエンシス・テネブリオニス変種(Bacillus thuring iens is var.tenebrionis)が鞘翅目の2種の甲虫に対して有効であるとの説明して いる。これらは、コロラド・ジャガイモ甲虫のレプチノタルサ・デセムリネアタ (Leptinotarsa decemlineata)および甲虫アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)である。 最近、新しいB.t.の亜種が同定され、活性δ内毒素蛋白質をコードする遺伝子 が単離された(Hofte and Whiteley,1989)。ヘフテ(Hofte)およびウィトリー(W hiteley)は、B.t.結晶蛋白質遺伝子を4種類に大別した。これらは、CryI(鱗翅 目特異的)、CryII(鱗翅目および双翅目特異的)、CryIII(鞘翅目特異的)、および CryIV(双翅目特異的)である。プレフォンテインら(「Prefontaine et al.,1987」 )は、鱗翅目に有効な遺伝子を分類する上で有用なプローブの説明をしている。 他の害虫に特異的に有毒な菌株が発見されたことも報告されている(Feitelson e t al.,1992)。 B.t.結晶毒素は、一般にプロ毒素であり、活性のある毒素を生成するするため には、一定の物理化学的な条件(すなわち、pH、酸化還元、イオン強度)が、一定 のプロテアーゼの作用、あるいは、その両者が必要だと考えられている(Hofte a nd Whiteley,1989)。ほとんどの場合は、昆虫が毒素を活性化する条件を提供す るが、至適な活性(Jacquet et al.,1987)を得、あるいは活性を検出する(Hofte et al.,1992)ために、予め可溶化ないし蛋白分解されていることが必要な場合 も報告されている。 B.t.結晶蛋白質遺伝子の大腸菌におけるクローニングおよび発現が、発表文献 に開示されている(Schnepf and Whiteley,1981])。米国特許第4,448,885号およ び米国特許第4,467,036号はいずれも、B.t.結晶蛋白質の大腸菌における発現を 開示している。米国特許第4,797,276号および第4,853,331号は、さまざまな環境 で鞘翅目害虫を抑制するために用いることができるB.チューリンギエンシス(B. thuringiensis)の菌系テネブリオニス(tenebrionis)(M-7、B.t.san diegoとし ても知られている)を開示している。米国特許第4,918,006号は、双翅目害虫に対 して活性をもつバチルス・チューリンギエンシス・イスラエレンシス(B.t.var .israelensis)毒素を開示している。この特許には、約27 kDの蛋白質およびそ の断片が、双翅目に対する効果に関与することが報告されている。米国特許第 4,849,217号は、アルファルファ・ゾウムシ(alfalfa weevil)に対して活性を もつB.t.菌株を開示している。米国特許第5,151,363号および米国特許第4,948,7 34号は、線虫に対する活性をもつある種のB.t.菌株を開示している。多くの研究 と資源の投入の結果、新しいB.t.菌株およびB.t.菌株の新しい利用に関する他の 特許が発行されている。しかし、新しいB.t.菌株の発見と、既知のB.t.菌株の新 しい利用は、依然として経験に依存する予測不可能な技術のままである。 ドイツ・ゴキブリ(Blatella germanica)、東洋ゴキブリ(Blatta orientalis) 、アメリカ・ゴキブリ(Periplaneta americana)、および、茶バネゴキブリ(Peri planeta americana)などのゴキブリは、家庭や商業用建造物にはびこる最も重要 な害虫に含まれる。これらの害虫は、食習慣が雑食性であるために、食物や皮革 、繊維を破損する。また、ゴキブリは、サルモネラ菌(Salmonella)やトキソプラ ズマ(Toxoplasma)という病原生物の伝染に関与しているといわれている。さらに 、ゴキブリはアレルギー源を持っており、人口の約7.5%がこのアレルゲンに対 して感受性である。 ゴキブリに対するB.t.毒性は報告されていた(Singh and Gill,1985)が、この 毒性は、B.t.結晶を可溶化して、ゴキブリの前腸または血体腔に直接注射したと きにのみ発揮された。B.t.調製物をゴキブリに摂食ないし強制摂食させる試みは うまく行かなかった。 ゴキブリは、しばしば殺虫性の餌で抑制される。これらの毒餌は、家庭やレス トランで使われるため、人間にとって安全でなければならない。合成殺虫剤を大 量に使用することによって、抵抗性のゴキブリ集団を選抜する結果になった。新 しい殺虫剤は、人間の周囲で使っても安全で、このような集団を抑制できなけれ ばならない。 発明の概要 本発明は、ゴキブリに有効で、ゴキブリに効果がある蛋白質毒素を産生するバ チルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)(B.t.)の培養菌の発 見と利用に関する。ここにおいて開示される材料と方法は、特に、バチルス・チ ューリンギエンシス・イスラエレンシス(Bacillus thuringiensis var.israele nsis)に関する。ここで特に例示しているのは、PS123D1として知られているB.t .菌株の用法である。本発明は、また、例示したB.t.菌株と実質的に同じ殺虫特 性をもつB.t.菌株の変異株の利用を含む。これらの変異株には突然変異株が含ま れよう。突然変異体の作出に関する方法は、微生物学的技術においてよく知られ ている。紫外光とニトロソグアニジンが、この目的のために盛んに用いられてい る。 本発明により、PS123D1株そのもの(あるいは他のB.t.i.菌株)、PS123D1の変異 株、これらの菌株から採った毒素、これらの菌株の培養物から作製した商業上の 調製物、あるいは、これらの菌株のDNAを別の宿主に形質導入して産生された毒 素を用いて、ゴキブリが抑制されうる。さらに、本発明は、実質的に細胞そのも のを標的害虫の環境に施用する際、その有効期間を伸ばすために、B.t.菌株また は菌株から採ったDNAをもつ組み換え細胞のいずれかの実質的な細胞そのものを 処理することを含む。 ここにおいて述べられている効果は、B.t.i.菌株の約28から33 kDの毒素、あ るいは、好ましくはこの毒素の改変型に起因する。本発明の好ましい態様におい て、28 kDaのPS123D1毒素の欠失型が、特にゴキブリに対して効果があることが 分かっている。特異的な例は、N末端からアミノ酸を削除した約25 kDaの欠失毒 素である。ここで説明されているように、活性の強い、本発明の欠失型毒素は、 驚くべきことに、B.t.培養上清を処理し、および/または、適当な条件下でB.t. 培養を行うことによって、内在性プロテアーゼが都合よく作用する結果、活性の ある毒素が産生されて得られる。例えば、B.t.i.毒素の可溶化をもたらすような 、別の改変も、活性が高いゴキブリ毒素を得るために利用することができる。 図面の簡単な説明 図1は、ここで述べるところに従って処理したB.t.培養菌の蛋白質のプロフィ ールのSDS-PAGE解析を示したものである。 発明の詳細な開示 本発明は、ゴキブリと他の直翅目昆虫に対して優れた効果をもつ、バチルス・ チューリンギエンシス(B.t.)の培養菌と毒素に関する。ここにおいて用いられる とき、”直翅目昆虫”には、例えば、直翅目および網翅目が含まれる。本発明の 好ましい態様において、用いられるB.t.培養菌は、B.t.イスラエンシス変種であ る 。イスラエンシス変種はよく知られており、当業者により容易に識別される。B. t.のイスラエンシス類に関連する一般的な特徴としては、双翅目に対する効果、 H14血清型、約28から30 kDの蛋白質と、一般的には、さらに70 kDと130 kDの蛋 白質を含む蛋白質パターンがある。他のB.t.変種で、イスラエンシス型毒素を発 現するものも本発明にしたがって利用することができる。このような毒素は、B. t.i.によって産生される毒素と同じサイズを持ち、双翅目類に対する効果を含む 、同様の活性プロフィールを持つ。例えば、B.t.変種モリソーニ(B.t.var.mor risoni)血清型8a、8bが、B.t.i.型毒素を発現することが報告されている。この ような菌株の例がPS71M3である。ここで用いるとき、”バチルス・チューリンギ エンシス・イスラエレンシス毒素”という語は、B.t.i.によって発現される毒素 に類似ないし関連するが、異なったB.t.変異種によって発現される毒素を含む。 ここで特に例示されているのは、PS123D1と名付けられたB.t.菌株から採集で きる毒素である。本発明の好ましい態様において、ゴキブリに対して強い生物学 的作用をもつ約25 kDaの毒素を得るために、PS123D1によって発現される約28 kD の毒素を欠失さる。好ましくは、有効な欠失型を得るために、この欠失毒素はN 末端からアミノ酸を削除させている。ここで説明されているように、有効な欠失 型を得るため、B.t.培養菌を処理し、内在するプロテアーゼによって蛋白質が強 い活性をもつ型に切断されるように、培養菌を適当な条件下で増殖させることを 含む、さまざまな技術を用いてアミノ酸を欠失させることができる。 欠失毒素が直翅目昆虫に対して予想外の毒性をもつことが分かっているが、欠 失遺伝子を用いて、この欠失毒素を直接生産することは、本発明の好ましい態様 ではない。欠失毒素を発現させると、発現量は乏しく、および/または宿主細胞 である大腸菌およびシュードモナス菌に対してかなりの毒性をもたらすことが分 かっている。しかし、驚くべきことに、約28から30 kDの全長B.t.毒素を発現さ せ、その後、適当な試薬を添加し、および/または、内生プロテアーゼの思いが けない作用によって、蛋白質の欠失をもたらすような条件の下で培養菌を増殖さ せて、高い活性をもつ型に転化できることが発見されている。 これに代わる態様において、活性型の毒素を得るために、全長毒素に別の改変 を行うことができる。この別の改変には、例えば、全長の毒素を可溶化すること が含まれよう。全長毒素に望ましい改変を施して活性型を得るために、pH、イオ ン強度あるいは酸化還元力を調整して用いることができる。 バチルス・チューリンギエンシス菌株PS123D1は、生物学的に純粋な状態のと き、以下の性質をもつ。 この申請書で開示されている培養菌は、合衆国イリノイ州61604ピオリア市ノ ース大学通り1815、北部地域研究センター、農業研究サービス特許培養物コレク ション(NRRL)に寄託されている。 本培養菌は、特許庁長官によって、37 CFR 1.14および35 U.S.C.122により権 利付与されるべきと決定された者に対して、この特許申請が係属する期間、培養 菌の入手が可能なことが保証されている条件の下で寄託されている。本特許申請 に相当する申請あるいはその継続申請が提出されている外国の特許法で要求され ているところにしたがい、寄託菌を入手することが可能である。しかし、寄託菌 を入手できることが、行政行為によって付与された特許権を逸脱して、本発明を 実施する許可を与えるものではないことを理解さるべきである。 さらに、本寄託培養物は、微生物の寄託に関するブダペスト条約の条項、すな わち、寄託されたサンプルの供給の請求が最後になされてから5年間以上、また いずれの場合も寄託された日付から30年間以上、あるいは、培養物の開示を行い うる特許の実施期間中は、汚染されることなく生存を図るために必要な注意をで きる限り払って貯蔵されるべきであるという条項に従って、貯蔵され、一般に入 手可能な状態に置かれる。寄託者は、寄託物の条件が原因で、請求があっても受 託者がサンプルを供給できないときには、寄託物を交換する義務があることを承 認している。本寄託培養物を一般的に利用することに対するあらゆる制約は、そ れらを開示する特許の認可によって、取り消されることなく解除される。 遺伝子と毒素 本発明による有用な遺伝子および毒素には、開示された全長配列だけでなく、 特に例示された毒素の殺虫活性特性を保持している、これらの配列の断片、異型 、変異体および融合蛋白質も含まれる。本明細書において用いられるように、遺 伝子の「異型」または「変異」という語は、同じ毒素をコードするヌクレオチド 配列、または同等の殺虫効果をもつ毒素をコードするヌクレオチド配列を意味す る。本明細書において用いられるように、「等価的毒素」という語は、標的害虫 に対して、請求の範囲の毒素と同じか、本質的に同じ生物学的活性をもつ毒素を 意味する。 いくつかの方法を用いて、ゴキブリに有効な毒素をコードする遺伝子を同定し 得ることができることは、当業者に明らかであろう。本発明による有用な特異的 遺伝子は、上記の培養細胞寄託機関に寄託されている菌株から得てもよい。また 、これらの遺伝子、またはその一部もしくは変異体を、例えば遺伝子合成機を用 いて合成して作成することもできる。遺伝子の変異体は、点突然変異を作出する 標準的な技術を用いて、容易に構築することができる。また、標準的な手順にし たがって、市販のエクソヌクレアーゼまたはエンドヌクレアーゼを用いて、これ らの遺伝子の断片を作成することもできる。例えば、Bal31のような酵素や部位 特異的突然変異誘発を用いて、これらの遺伝子の末端からヌクレオチドを規則正 しく切り出すことができる。また、さまざまな制限酵素を用いて、活性断片をコ ードする遺伝子を得ることもできる。これらの毒素の活性断片を直接的に得るた めに、プロテアーゼを用いてもよい。 等価的毒素、および/または、これらの等価的毒素をコードする遺伝子は、B.t .菌株および/またはDNAライブラリーから、本明細書によって提供される指示に 従って得ることができる。本発明の殺虫毒素を得るために、多くの方法がある。 例えば、本明細書において開示され、請求されている殺虫毒素に対する抗体を用 いて、蛋白質の混合物の中から別の毒素を同定、分離することができる。特に、 最も定常的で、他のB.t.毒素から最も異なった毒素部位に対して抗体を作製する ことができよう。そして、これらの抗体を用いて、免疫沈殿や酵素結合免疫測定 法(ELISA)、あるいは、ウエスタン・ブロッティングによって、特徴的な活性を もつ等価的毒素を特異的に同定することができる。本明細書において開示される 毒素、あるいは、等価的毒素、あるいは、これらの毒素の断片に対する抗体は、 当業における標準的な手法を用いて容易に調製することができる。そして、これ らの毒素をコードする遺伝子を微生物から得ることができる。 例示された毒素の殺虫効果を保持している断片および等価物も、本発明の範囲 内にある。また、遺伝子コードの縮重のため、さまざまに異なったDNA配列が、 本明細書に開示されたアミノ酸配列をコードすることができる。同じ毒素、また は本質的に同じ毒素をコードする代替DNA配列を作成することは、当業者の技術 の範囲内に当然含まれる。これらの変異DNA配列は、本発明の範囲内にある。本 明細書において用いられるように「本質的に同じ」配列という語は、アミノ酸の 置換、欠失、付加、または挿入を有し、殺虫効果に実質的に影響しない配列を意 味する。 本発明の毒素および遺伝子を同定するための、さらに別の方法は、オリゴヌク レオチドプローブを用いることによる。これらのプローブは、検出方法をもつヌ クレオチド配列である。当業者によく知られているように、プローブ分子と核酸 試料部分が、二分子間で強い結合を形成することによりハイブリダイズすれば、 プローブと試料部分は、実質的に相同であると合理的に推定できる。プローブに よる検出方法は、ハイブリダイゼーションが起きたか否かを既知の条件で判定す るための方法を提供する。このようなプローブ解析は、本発明の毒素をコードす る遺伝子を同定するための迅速な方法を提供する。本発明によるプローブとして 用いられるヌクレオチド部分は、標準的な方法により、DNA合成機を用いて合成 することができる。これらのヌクレオチド配列は、本発明の遺伝子を増幅するた めのPCRプライマーとして用いることもできる。 本発明における一定の毒素が、本明細書において特に例示されてきた。これら の毒素は、本発明の毒素を例示したものにすぎないので、本発明には、さらに、 例示されている毒素の殺虫効果と同じ、あるいは、実質的に同じ効果をもつ変異 体毒素または等価的毒素(および等価的毒素をコードするヌクレオチド配列)が含 まれることは明白であろう。これらの等価的毒素は、例示されている毒素とアミ ノ酸相同性を有する。このアミノ酸相同性は、典型的には75%よりも高く、好ま しくは90%よりも高く、最も好ましくは95%よりも高い。生物学的活性の原因と なるか、または最終的に生物学的活性に関係する三次元構造の決定に関与する一 定の重要な毒素領域では、アミノ酸の相同性が最も高い。この点に関し、活性に 対して重要ではない領域に起きた置換であるか、分子の三次元構造に影響しない ような保存的アミノ酸の置換である場合には、一定のアミノ酸置換は認められ、 予想されうる。例えば、アミノ酸は、次のように分類できよう。すなわち、非極 性、非荷電性、塩基性、および酸性。同じ分類の別のアミノ酸で置換される保存 的置換は、置換によって化合物の生物学的活性が実質的に変化しない限り、本発 明の範囲に含まれる。表2に、それぞれの分類に属するアミノ酸の例を列挙する 。 場合によっては、非保存的な置換が行われることもある。重要な要素は、これ らの置換によって、毒素の生物学的活性が有意に損なわれてはならないというこ とである。 本発明の毒素は、また、上述したような毒素封入体の形状や局在位置によって 特徴づけることもできる。 組み換え宿主 本発明の菌株がもつ毒素をコードする遺伝子を、広い範囲の微生物宿主や植物 宿主に導入することができる。毒素遺伝子を発現させると、殺虫因子が直接的ま たは間接的に細胞内で産生され、維持される。例えば、シュードモナスなどの適 当な微生物宿主を用いて、該微生物を害虫のいる場所に散布し、そこで増殖させ 、害虫に摂取させることができる。その結果、害虫を制御できる。あるいは、毒 素遺伝子をもつ微生物を、毒素活性を持続させ、細胞を安定させる条件の下で処 理することができる。処理した細胞は、毒素活性を維持しているため、標的害虫 の周囲に散布することができる。 B.t.毒素遺伝子を適当なベクターによって微生物宿主に導入し、該宿主を生き たままの状態で周囲に散布する際には、一定の宿主微生物を用いるのが有利であ る。例えば、微生物宿主は、害虫の棲息場所に居住することが知られている微生 物宿主から選択される。また、微生物宿主は、特定のゴキブリの種と共生するも のであるかもしれない。これらの微生物は、特定の環境の中で、野生型の微生物 とうまく競合でき、ポリペプチド殺虫因子を発現する遺伝子の安定した維持と発 現を提供し、そして、好ましくは、周囲の環境の作用による分解および不活化か ら殺虫因子をよりよく保護できるように選択される。 多数の微生物が、ゴキブリの中に住んでいることが知られている。これらの微 生物には、細菌、藻類、および菌類が含まれる。特に興味深い微生物は、例えば 細菌では、シュードモナス(Pseudomomas)属、エルウィニア(Erwinia)属、セ ラチア(Serratia)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、キサントモナス(Xant homonas)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、リゾビウム(Rhizobium )属、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属、メチロフィリウス(Methyl ophilius)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、アセトバクター(Ace tobacter)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、アースロバクター(Arthr obacter)属、アゾトバクター(Azotobacter)属、ロイコノストック(Leuconos toc)属、およびアルカリジェネス(Alcaligenes)属、また菌類では、例えば、 メタリジウム(Metarhizium)属、ババリア(Bavaria)属、サッカロマイセス( Saccharomyces)属、クリプトコッカス(Cryptococcus)属、クルイベロミセス (Kluyveromyces)属、スポロボロミセス(Sporobolomyces)属、ロドトルラ(R hodotorula)属、およびオウレオバシディウム(Aureobasidium)属である。特 に興味深い細菌の種は、シュードモナス・シリンゲ(Pseudomonas Syringae)、 シュードモナス・フローレセンス(Pseudomonas Fluorescens)、セラチア・マ ルセセンス(Serratia marcescens)、アセトバクター・キシリナム(Acetobact er xylinum)、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefa ciens)、ロドシュードモナス・スフェロイデス(Rhodopseudomonass pheroides )、キサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)、リゾビウム ・メリオチ(Rhizobium melioti)、アルカリジェネス・エントロファス(Alcal igenes entrophus)、およびアゾトバクター・ビンランディ(Azotobacter vinl andii)であり、酵母の種は、ロドトルラ・ルブラ(Rhodotorula rubra)、R.グ ルチニス(R.glutinis)、R.マリナ(R.marina)、R.アウランチアカ(R.aur antiaca)、クリプトコッカス・アルビダス(Cryptococcus albidus)、C.ディ フルエンス( C.diffluens)、C.ラウレンティ(C.laurentii)、サッカロミセス・ロゼイ( Saccharomyces rosei)、S.プレトリエンシス(S.pretoriensis)、S.セレビシ エ(S.cerevisiae)、スポロボロミセス・ロセウス(Sporobolomyces roseus) 、S.オドラス(S.odorus)、クルイベロミセス・ベロネ(Kluyveromyces veron ae)、およびアウレオバシディウム・ポルランス(Aureobasidium pollulans) である。特に重要なのは、色素性細菌である。 遺伝子の維持と発現を安定させる条件の下で、毒素をコードするB.t.遺伝子を 、微生物の宿主の中に導入するために、さまざまな方法が利用できる。これらの 方法は、当業者によく知られており、例えば米国特許第5,135,867号に開示され ており、これは本明細書に参照として包含される。 細胞の処理 上述したように、毒素活性の持続期間を延ばし、細胞を安定化させるために、 B.t.あるいはB.t.毒素を発現する組み換え細胞を処理することができる。生成さ れる殺虫因子の微小カプセルは、細胞構造内にB.t.毒素を含む。細胞構造は、安 定化され、微小カプセルが標的害虫の周囲に散布されたとき毒素を保護する。適 当な宿主細胞には原核生物も真核生物も含まれるが、通常、哺乳類などの高等生 物に毒性がある物質を産生しない細胞に制限される。しかし、毒性物質が不安定 であるか、または適用されるレベルが非常に低いため哺乳類宿主に対して毒性を もつ可能性がない場合には、高等生物に毒性がある物質を産生する生物が用いら れることもある。宿主として、特に重要なのは原核生物、および菌類のような下 等真核生物である。 処理を行うとき、場合によっては胞子が用いられることもあるが、細胞は通常 、完全な状態の、胞子状態ではなく実質的に増殖形態にある細胞である。 例えば、B.t.毒素遺伝子を含む微生物などの微生物細胞の処理は、毒素の性質 を損なうような効果を与えたり、毒素を保護する細胞の能力を失わせたりしない 限り、化学的方法、物理的方法、または、化学的および/または物理的方法を組 み合わせた方法により行うことができる。化学薬品の例はハロゲン化試薬で、特 に原子番号17〜80のハロゲンである。より特定すると、ヨウ素を用いると、穏や かな条件の下で十分な時間をかければ、所期の結果を得ることができる。他の適 当 な技術には、グルタルアルデヒドなどのアルデヒド類、塩化ゼフィラン、塩化セ ルピリジニウムなどの抗感染薬、イソプロピルおよびエタノールなどのアルコー ル類、ルゴールヨウ素、ブワン固定液、さまざまな酸、ヘリー固定液(Helly's fixatives)などの様々な組織固定剤(Humason,1967)、または細胞が宿主の環境 に投与されたとき細胞で産生される毒素の活性を保護し活性を引き延ばす、物理 的(熱による)薬剤と化学薬剤との組み合わせなどがある。物理的方法の例として は、ガンマ線照射およびX線照射などの短波長放射線、凍結、UV照射、凍結乾燥 などがある。微生物細胞の処理に関する方法は、米国特許第4,695,455号および 第4,695,462号に開示されており、これらは本明細書に参照として包含される。 一般的に、細胞は、環境条件に対する抵抗性を強めるように、構造的な安定性 を強化できる。殺虫因子は前駆体で存在しているため、細胞処理方法は、標的病 原害虫によって前駆体がプロセシングされて、成熟した殺虫因子の形態になるの を阻害しないようなものを選択すべきである。例えば、ホルムアルデヒドは、蛋 白質を架橋してしまうために、ポリペプチド殺虫因子前駆体のプロセシングを阻 害する可能性がある。細胞の処理方法は、少なくとも毒素の生物学的利用能また は生物活性の実質的な部位を保持するものでなければならない。 宿主細胞を作出するという目的で宿主を選択するに当たって、特に重要な特性 には、宿主へのB.t.遺伝子導入の容易性、発現系の利用可能性、発現効率、宿主 中での殺虫因子の安定性、および補助的な遺伝的因子の存在が含まれる。殺虫用 微小カプセルとして用いられるための重要な特性には、厚い細胞壁、色素形成、 細胞内パッケージングまたは封入体形成などの殺虫因子を保護する特質、水中環 境でも生存すること、哺乳類に対する毒性がないこと、害虫が摂食に誘引される こと、毒素を損なうことなく殺しやすく固定しやすいことなどが含まれる。他の 考慮すべき事項には、処方および取り扱いの容易性、経済性、貯蔵安定性などが 含まれる。 細胞の増殖 実質的にすべて、あるいは、すべての細胞がB.t.遺伝子を持つように選択する 培地に備えて、B.t.殺虫因子遺伝子をもつ細胞宿主は、DNA構築物が選択上の利 点をもつ、いかなる都合の良い栄養培地で増殖させてもよい。次に、これらの細 胞 を従来の方法に従って回収する。または、回収前に細胞を処理してもよい。 本発明のB.t.細胞は、標準的な人工培地と発酵技術を用いて培養することがで きる。発酵過程が終了したら、当業において周知の方法によって、まず発酵用培 地からB.t.胞子と結晶を分離して回収することができる。回収されたB.t.胞子と 結晶は、取り扱いやすく、また、特定の標的害虫に対して施用しやすくするため に、界面活性剤や分散剤、不活性担体、あるいは、他の成分を加えて、可溶性の 粉末、濃縮液、顆粒、あるいは、他の処方剤に処方することができる。これらの 処方および施用方法は、当業において周知である。 処方 誘因剤とB.t.菌株の胞子および結晶を含む毒餌顆粒処方剤、あるいは、 本明細書に開示されているB.t.菌株から取り出すことができる遺伝子を含む組み 換え微生物を、ゴキブリの周囲に施用することができる。この毒素は、動物や人 に影響しないため、自由に施用できる。また、産生物をスプレーや粉末に処方し てもよい。ゴキブリは、脚や腹部に産物を付けて巣に戻り、そこで他のゴキブリ に毒素を付ける。また、B.t.菌株やB.t.遺伝子を発現している組み換え宿主をゴ キブリの餌や食糧源に混ぜることもできる。 当業者にはよく認識されているように、殺虫効果がある濃度は、それぞれの処 方の性質によって大きく異なり、特に、濃縮して用いるか、直接用いるかによっ て異なる。殺虫因子は、重量にして1%以上であるが、重量にして100%のことも ある。乾燥処方剤では、殺虫因子が重量にして約1〜95%あるが、液体処方剤で は、一般的に、水相中の固体の重量で1〜60%である。処方剤は、一般的に、約1 02から約104細胞数/mgである。これらの処方剤を、1ヘクタール当たり約50mg( 液体か乾燥重で)から1kg以上散布する。 処方剤は、例えば、幅木や壁、床などのゴキブリの周囲に、噴霧や粉末散布、 散水、餌を撒いたりして散布することができる。 変異体 当業において周知の方法によって、本発明における新菌株から変異体 を作成できる。例えば、新菌株をエチルメタンスルホン酸(EMS)突然変異誘発に よって、胞子を形成しない変異体を得ることができる。当業において周知の方法 によって、紫外光やニトロソグアニジンを用いて変異体を作出できる。 胞子無形成変異体の一部は、発酵期間を延長してもそのままで、溶菌しないた め、これらの菌を非溶菌(-)と命名した。非溶菌系統は、振とうフラスコ培地で 胞子無形成変異体をスクリーニングし、発酵が終わっても、そのままで、毒素結 晶を含む変異体を選抜して同定することができる。非溶菌系は、保護された被包 性毒素蛋白質を取り出すための細胞処理を行うのに適している。 この胞子無形成変異体のファージ抵抗性変異体を調製するために、等量のファ ージ溶解液を栄養寒天培地に塗布して乾かす。そして、ファージ感受性菌系を、 このファージ溶解液を乾燥させた培地に直接塗布して乾燥させる。このプレート を30℃でインキュベートする。プレートを2日間インキュベートすると、多くの コロニーが寒天培地上で増殖しているのが見える。これらのコロニーのいくつか を選んで、栄養寒天培地上で継代培養する。これら外見上の抵抗性培養菌を、フ ァージ溶解液と交互に塗布して、抵抗性を検査する。ファージ溶解液を培地上に 一直線に塗布して乾かす。そして、抵抗性培養菌をファージの線に交差するよう に塗布する。抵抗性の培養菌は、30℃で一晩インキュベートした後もファージの 線を交差したいずれの部分でも溶菌を示さない。さらに、栄養寒天培地上に抵抗 性の培養菌を一面に撒いて、ファージ抵抗性を再確認する。感受性系統も同じよ うに撒菌して、ポジティブ・コントロールとして用いる。乾かした後、プレート の中央にファージ溶液を一滴撒いて乾かす。抵抗性培養菌は、30℃で24時間イン キュベートした後も、ファージ溶解液を撒いたところで溶菌を示さない。 以下は、本発明を実施するための最良の態様を含む、実験方法を例示した実施 例である。これらの実施例は、本発明を制限するものではない。別記されない限 り、すべてのパーセントは重量比であり、溶液の割合は容量比である。実施例1-B.t.菌株の培養 B.t.菌株の継代培養液を用いて、以下の培地、ペプトン、グルコース、塩類培 地に接種する。 細菌培養用ペプトン 7.5g/l グルコース 1.0g/l KH2PO4 3.4g/l K2HPO4 4.35g/l 塩類溶液 5.0ml/l CaCl2溶液 5.0ml/l 塩類溶液(100 ml) MgSO4・7H2O 2.46g MnSO4・H2O 0.04g ZnSO4・7H2O 0.28g FeSO4・7H2O 0.40g CaCl2溶液(100 ml) CaCl2・2H2O 3.66g pH 7.2 塩類溶液およびCaCl2溶液は、フィルター滅菌して、接種するときに、オート クレーブして調製した培地に加える。フラスコは、30℃、回転培養器中200 rpm で64時間インキュベートする。 上記の方法は、当業において周知の方法によって、大型発酵器に合わせて、容 易に容量を増加させることができる。 上記の発酵によって得られたB.t.胞子と結晶は、当業において周知の方法によ って分離することができる。頻繁に用いられる方法は、回収した発酵培地に分離 技術、例えば、遠心分離を行うことである。実施例2−精製とアミノ酸配列 実施例1で述べた方法、あるいは、当業において周知の他の標準的な培地と発 酵技術を用いて、バチルス・チューリンギエンシス(B.t.)を培養することができ る。標準的な沈降遠心分離によって、毒素蛋白質封入体を回収して、デルタ内毒 素を分離精製することができる。臭化ナトリウム(28-38%)等密度勾配遠心によ って、回収した蛋白質封入体を部分精製することができる(Pfannenstiel et al. ,1984)。その後、結晶蛋白質の複合物をアルカリ性緩衝液に溶解し、NaClを含 む緩衝液の濃度を徐々に増加させる、DEAE-セファロースCL-6B(シグマ化学社、 ミズーリ州セントルイス)クロマトグラフィーによって分画して、各毒素蛋白質 を分離することができる(Reichenberg,1957)。実施例3−B.t.菌株PS123D1の調査 B.t.菌系PS123D1の胞子-結晶沈殿物を、ジスルフィド結合を破壊するために0. 5%β-メルカプトエタノール(ME)を含む0.1M炭酸ナトリウム(Na2CO3)緩衝液 、pH 11に懸濁した。実施例1で説明した技術によって培養した最終濃度に対し て、約30%細胞(および毒素)を濃縮する処理を行なった。懸濁液は室温で1時間 置いた。次に、15倍容量の0.1 M 炭酸ナトリウム(Na2CO3)緩衝液、pH 9.5に対し て、室温で3時間透析を行なって、pHを低下させ、MEを除去する(処理I)。次の処 理(処理II)では、透析用緩衝液を最初のインキュベーションに用い、低pHを維持 した。 図1のSDS-PAGEによって示されているように、処理IIによって、PS123D1培養 液中で結晶として産生される蛋白質と変わらないプロフィールの蛋白質が得られ る(272Aと表示されたレーン)。発明者らは、処理IIで得られた結晶蛋白質が、溶 けたとしても、ほんの僅かしか水に溶けず、蛋白質分解はほとんど起きないこと を発見した。しかし、処理Iを施した胞子-結晶懸濁液は、異なる蛋白質プロフィ ールを示す(272Dと表示されたレーン)。最も顕著なのは、133 kDaと127 kDaのバ ンドが消え、28 kDaのバンドがずっと薄くなり、25、23および21 kDaの新しいバ ンドがはっきりと現れている。遠心分離の後、懸濁液中に見られた蛋白質のほと んどは、25 kDaから21 kDaの蛋白質を含み、上清中の可溶性蛋白質であることが 分かる(上清と表示されたレーン)。 これらの懸濁水をドイツ・ゴキブリ、Blatella germanicaに好きなだけ与えた 。次のような結果が得られた。 実施例4−B.t.i.由来の有効毒素 123D1 28 kDa毒素のN末端の部分を取り除くと、その作用の有効性を上昇させ るように、この毒素を有利に活性化できることが分かった。この欠失毒素は、有 利な生物学的活性をもっていることが分かった。アミノ酸の削除は、トリプシン や、他の適当な酵素、あるいは酵素混合液、例えば、プロナーゼやB.t.培養液中 に存在する内在蛋白質などで処理して行うことができる。本明細書で提供される 指示を用いれば、別の生物学的に有効な断片を得ることもできるであろう。 本開示によって利益を受ける当業者は、B.t.毒素の活性を最適にするために、 B.t.培養菌を増殖させるために用いられる特別な培地を修正できることを容易に 理解できよう。例えば、培養培地を調整したり、変更したりして、細胞の密度を 調節することができる。また、プロテアーゼを含む培地を用いて、B.t.毒素の活 性を上昇させることができる。 本明細書に開示された実施例および態様は、具体例を示すことのみを目的と するものと理解されるべきで、当業者は、これらを考慮することによりさまざま な修正や変更を思いつくはずであるが、それらも本願の本旨および範囲に含まれ 、添付の請求の範囲に含まれるものと理解されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI (C12N 1/20 C12R 1:07)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.約33 kDよりも小さい、活性化バチルス・チューリンギエンシス・イスラ エレンシス変種(Bacillus thuringiensis var.israelensis)の毒素を有効量、 直翅目類に接触させることを含む、直翅目類の抑制方法。 2.約30 kDよりも小さい、バチルス・チューリンギエンシス・イスラエレン シス変種の毒素を直翅目類に接触させることを含む方法であって、該毒素が自然 に発現される全長毒素に比べて欠失したものである、請求の範囲1に記載の方法 。 3.毒素がNRRL B-21011に特徴的なゴキブリに対する効果を有するバチルス・ チューリンギエンシスの菌株PS123D1、またはゴキブリに対する効果をもつ該菌 株の変異体に由来するものである、請求の範囲1に記載の方法。 4.ゴキブリが、ドイツ・ゴキブリ(Blatella germanica)、東洋ゴキブリ(Bla tella orientalis)、アメリカ・ゴキブリ(Periplaneta americana)、および茶バ ネゴキブリ(Periplaneta americana)からなる群から選ばれるものである請求の 範囲1に記載の方法。 5.ゴキブリが、ドイツ・ゴキブリ(Blatella germanica)である、請求の範囲 1に記載の方法。 6.自然に存在するか、または培養液の中で産生される化合物の作用により毒 素の活性を強化する条件下で、バチルス・チューリンギエンシス・イスラエレン シス変種を増殖させることを含む、請求の範囲1に記載の方法。 7.バチルス・チューリンギエンシス・イスラエレンシス変種毒素の欠失によ り活性が影響される、請求の範囲6に記載の方法。 8.バチルス・チューリンギエンシス・イスラエレンシス変種培養液、または その上清に化合物を加えることを含み、該化合物が毒素に直接作用するか、また は二次化合物の作用を増強して該毒素の活性化に関与する、請求の範囲1に記載 の方法。 9.添加される化合物がプロテアーゼである、請求の範囲8に記載の方法。 10.添加される化合物がバチルス・チューリンギエンシス・イスラエレンシス 変種の培養液、またはその上清のpHを上昇させるものである、請求の範囲8に記 載の方法。 11.ゴキブリを抑制する方法であって、 (1)バチルス・チューリンギエンシス・イスラエレンシス変種菌株、ま たは該菌株の胞子、結晶あるいは毒素を含む餌を調製すること、および、 (2)該毒餌をゴキブリが来る場所に置くことを含む方法。 12.ゴキブリに用いるのに特に適した処方剤と共同してゴキブリに対して有効 性を持つバチルス・チューリンギエンシスの菌株PS123D1、またはこの菌株の変 異株、あるいはこれらの菌株に由来する胞子、結晶または毒素を含む物質の組成 物。 13.ゴキブリに対して有効な精製毒素であって、NRRL B-21011に特徴的なゴキ ブリに対して効果を有し、バチルス・チューリンギエンシス菌株PS123D1の培養 液、またはゴキブリに対して有効である該菌株の変異株が産生する毒素。
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