JPH10502043A - 複合酸化物前駆体及びその製造方法 - Google Patents

複合酸化物前駆体及びその製造方法

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JPH10502043A JP7527546A JP52754695A JPH10502043A JP H10502043 A JPH10502043 A JP H10502043A JP 7527546 A JP7527546 A JP 7527546A JP 52754695 A JP52754695 A JP 52754695A JP H10502043 A JPH10502043 A JP H10502043A
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Abstract

(57)【要約】 金属硝酸塩もしくはその溶液と、尿素もしくはカルボヒドラジドとの混合物を着火しない条件下で加熱して製造される複合酸化物前駆体は、微粉末の形状の完全に均一な混合物であって、これを用いて複合酸化物を製造する場合、生成物の品質が保証されるだけでなく、プロセスにおけるエネルギーが節約され、またプロセスが簡単かつ経済的なものとなり、さらに最終製品を焼結によって製造することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】 複合酸化物前駆体及びその製造方法 発明の背景 発明の分野 本発明はファインセラミック材の原料材料である複合酸化物に関し、より詳し くは、少ないエネルギーで容易に複合酸化物に変換できる微粉状の複合酸化物前 駆体及びその製造方法に関する。 関連技術の説明 最近の科学と産業の急速な発達に伴って、いろいろな機能を有する新素材が必 要とされ、これらは日常生活と産業に利用されている。特に、複合酸化物は、特 別な物理化学的な機能を有する一つ以上の金属酸化物を含む酸化物である。かか る複合酸化物は、高温使用の原料材料として、キャパシタ、バリスター、固体電 解質、蛍光材料、発熱体、圧電材料、構造的用途等のような機械、電気、電子、 光学のような種々の分野で広く使用されている。 複合酸化物の製造方法として、固相法、液相法、燃焼法が知られている。 固相法は、各成分酸化物や炭酸塩の形態を入れたボールミルで機械的に混合し 、その後焼結することによって、複合酸化物を製造する方法である。しかしなが ら、固相 法は、長時間の混合を必要とし、高温の場合でも比較的長時間の焼結を必要とす る。混合や焼結するための費用は製造の大きな比重を占めるので、エネルギー多 消費型であり、非効率的な方法といえる。また、均一に混合することが難しく、 低品質の製品が製品の発生を避けることができない。製品の品質管理の面では、 混合過程において不純物の混入の可能性が大きくなる。かかる固相法の問題を解 決するために、液相法が開発された。液相法は、可溶性の構成成分の均一な混合 溶液から固体状態の中間産物を得てこれを熱処理する方法である。このような液 相法として、熱分解法(thermal decomposition method)、共沈法(co-precipi tation method)、金属アルコキシド法(metal alkoxide method)などが知られ ている。 熱分解法では、所望の酸化物の各金属塩を混合した後、分解される温度まで徐 々に加熱することによって固体の分解産物が得られる。このような方法は、比較 的低温(約1000℃)でも合成が可能であるという長所を有する。しかしなが ら、製造工程が複雑であり、また、偏析を最小化すると共に完全な分解を得るた めには原料材料をゆっくりと加熱しなければならないので、長い時間を必要とす ると共に不純物の混入の可能性が高くなるという欠点がある。 共沈法は、不溶性の金属材料を製造するために、シュウ酸やアンモニア水等の 沈殿剤を含む塩酸、硝酸または 硫酸の塩溶液からイツトリウム、アルミニウムのような単一元素の酸化物を沈殿 させ、これを濾過し、乾燥し、か焼することによって複合酸化物を得る方法であ る。しかしながら、このような共沈法は、2つ以上の成分から構成される複合酸 化物を製造する場合に欠点を有する。各元素の溶解度や沈殿速度の差異により分 別沈殿の可能性が高いので、特殊な元素を除いては沈殿条件の設定が非常に難し い。また、汚染の可能性があり、大量生産や連続操業が困難であるという問題点 がある。アルコキシド法は、金属をアルコールと反応させてアルコキシドを作り 、加水分解過程を経てゲル状態の複合水酸化物を得た後、これを加熱することに よって、複合酸化物を得る方法である。しかしながら、このようなアルコキシド 法は、一定の金属に制限され、中間物質の製造工程が複雑で、原料費が占める原 価比重が大きいという経済的な面での不都合がある。 これ以外にも、ゾル−ゲル法、均一な沈殿がなされるコロイド状沈殿法、噴霧 乾燥法などがあるが、ゾル−ゲル法及び均一沈殿法は大量生産には適さず、また 、噴霧乾燥法は粉末内部の空孔により低品質となるという問題がある。 それゆえ、今日では、簡単でかつ比較的低い温度で粉末を製造するための方法 として、固相法と液相法の両者の長所を合わせ持つ方法が注目されている。 この中で燃焼法は、金属硝酸塩と尿素を混合した後、 比較的低い温度(約500℃)で反応炉内で混合物を加熱し、分解ガスを燃焼さ せることにより、速く簡単に複合酸化物の粉末を得る方法である。しかし、この 方法においては、混合物の加熱速度、原料の混合比、反応炉の形状や容積などに よって燃焼条件が変わることができるので、定量的な合成条件を得ることに問題 が残されている。また、均一な燃焼が常に維持されないので、製品の品質が一定 しないという問題がある。従って、工業化にはまだ問題が残されている。実験的 に小規模(10g)のバッチテストの結果のみが知られているだけである。大量 生産は行われておらず、連続的な生産方法も確立されていない。 発明の概要 以上説明したように、複合酸化物を製造する方法は、燃焼法を含めて種々のも のが知られているが、ただ固相法とアルコキシド法のみが工業的に利用されてい る。工業的な応用に当たっての重要な要因を考えてみるに、製造コストと製品の 品質に絞られる。言い換えれば、この2つの点が解決されれば、理想的な工業的 方法ということができる。即ち、製造コストの要因は、(1)材料の価格、(2 )エネルギーの費用、(3)処理工程費であって、これらを最小化しなければな らない。さらに、製品の品質が保証されなければならない。特に、品質保証の問 題は、最終製品の高い回収率を得ることができるのみならず、最終製品に対する 信頼度が確保されるので、 必ず考慮すべきである。 本発明の目的は、品質保証の下に製造コストを下げて製品の使用者に便宜を提 供すると共に、製造設備投資や工程運営費を減少させることにある。 本発明の他の目的は、少ないエネルギー費用で高品質の複合酸化物結晶化製品 を生産できる複合酸化物前駆体を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、経済的で効率的な方法で、複合酸化物前駆体を用 いて高品質の複合酸化物を製造する方法を提供することにある。 本発明の上記目的を達成するために、本発明は、金属塩溶液またはその結晶と 尿素またはカルボヒドラジドとを混合して混合物を製造し、前記混合物を着火し ない範囲内で加熱する工程を含む複合酸化物前駆体の製造方法を提供する。 前記混合物は金属塩化物をさらに含むことができる。 本発明によれば、加熱工程における昇温速度は1℃/分ないし100℃/分で あることが好ましい。前記昇温速度が1℃/分未満であれば、十分な加熱が行わ ず、複合酸化物前駆体は生成されない。また、100℃/分を超過する場合には 、燃焼作用により複合酸化物前駆体の形成が達成されない。 かつ、本発明の前記金属はAg、Al、Ba、Ca、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、K、Li、Mg、Na、Nb、Ni、 Pb、Si、Sn、Sr、Th、Ti、U、Zn、Zr及び希土類金属からなる群から選択される1つまた はそれ 以上の金属である。 さらに、本発明は、金属塩溶液またはその結晶と尿素またはカルボヒドラジド を混合して混合物を製造し、前記混合物を着火しない範囲内で加熱して複合酸化 物前駆体を製造し、前記複合酸化物前駆体を加熱することによって結晶質複合酸 化物を製造する複合酸化物の製造方法を提供する。 本発明によれば、金属硝酸塩と尿素との混合比は金属(金属原子の配位数)に 応じて異なり、多様な比率で混合することが可能である。しかしながら、好まし くは、金属に対する尿素またはカルボヒドラジドのモル比は1以上である。モル 比が1未満である場合には、2次電気伝導率上昇が発生しないかまたは均一な溶 液が形成されないため、保証できる複合酸化物前駆体が生成されない。さらに、 本発明は前述した方法により生成された複合酸化物前駆体を提供する。 加えて、本発明は、金属塩と尿素またはカルボヒドラジドを混合した後、これ を低い温度(約250℃)に加熱することにより、原子規模で混合された微粉末状 の完全に均一な複合酸化物を提供し、これを電子部品製造用の原料材料として用 いることができ、必要に応じて、これを高温でさらに加熱して複合酸化物結晶質 粉末状で提供することもできる。 前述した金属塩と尿素またはカルボヒドラジドの混合物は、脱水作用と共に溶 液に融解し、この溶液をさらに 加熱すると、融解液中の成分の化学的相互作用によりクリアな溶液に変わる。 このクリアな融解液を維持する温度区間では電気伝導性が大きいことから、イ オン性粒子となっていることが分かり、このとき成分の最も完璧な混合が達成さ れる。このように完全に均一な混合が行われた融液は、燃焼されない温度の上昇 により、可燃性気体成分が発生され、反応容器内に残る粉体が高純度で均一な微 粉状の複合酸化物となる。 図面の簡単な説明 本明細書の一部を構成すると共に本明細書と協同する添付の図面は、説明と共 に本発明の一実施例を図解し、本発明の内容を説明する役割をなす。 図1は、本発明による反応において生じる現象を観察するために研究に利用さ れた実験装置の概略図である。 図2Aは、硝酸亜鉛と尿素の比が1:1.67である場合における温度の関数 として電気伝導度と溶液重量減少を示すグラフである。 図2Bは、硝酸亜鉛と尿素の比が1:3.33である場合における電気伝導度 と重量減少を示すグラフである。 図3Aは、無水硝酸鉛と尿素の反応における時間の関数として温度による電気 伝導度を示すグラフである。 図3Bは、硝酸鉛溶液と尿素との反応における温度による電気伝導度を示すグ ラフである。 図4は、酸化亜鉛と酸化テルビウムを99:1のモル 比で混合したものの蛍光特性を示すスペクトルである。 図5は、図4で言及した混合比を有する酸化亜鉛と酸化テルビウムを硝酸に溶 かした後、硝酸塩と尿素の燃焼混合比で2当量の尿素を添加して、300℃で分 解反応させることによって得た分解産物の蛍光特性を示すスペクトルである。 図6は、Pr2.4重量%を添加して得たYAG組成の複合酸化物前駆体のE DAXパターンを示すグラフである。 図7は、亜鉛とプラセオジムの混合比を異にして得た分解産物のEDAXパタ ーンを示すグラフである。 図8は、塩化チタン水溶液と尿素の混合物を反応させて時間の関数として温度 による電気伝導度を示すグラフである。 図9は、塩化チタン水溶液、尿素、硝酸の混合物を反応させて温度による電気 伝導度を示すグラフである。 図10は、図8及び図9の混合物から得られた分解産物のX線回折パターンで ある。 図11は、複合酸化物前駆体の示差熱図を示すグラフである。 図12は、複合酸化物前駆体を種々の温度で加熱することにより得た産物のX 線回折パターンである。 図13は、複合酸化物前駆体を900℃まで加熱した後、この温度で産物を種 々の時間にわたって維持して得られた産物のX線回折パターンである。 実施例の詳細な説明 以下本発明の好ましい実施例を記載する。しかし、この実施例は本発明の理解 を手伝うための実施例に過ぎず、本発明が後述する実施例に限定されることでは ない。 I.材料の準備 1.試料の準備 複合酸化物の製造のための試料としては、硝酸亜鉛、硝酸鉛、硝酸チタン、硝 酸ジルコニウム、硝酸バリウム、硝酸銅、硝酸クロム、硝酸テルビウム、硝酸ニ ッケル、硝酸コバルト、硝酸セリウム、硝酸ランタン、硝酸ストロンチウム、硝 酸イットリウム、硝酸アルミニウム、硝酸カリウム、硝酸プラセオジム等を使用 した。これらは全て純度99.9%またはそれ以上の高純度のものを購入または 製造して使用した。製造のために、YAG(Yttrium Aluminum Garnet、化学式 Y3Al5O12、構成成分のモル比は、Y2O3が37.5%、Al2O3が62.5%)を使 用した。純度99.99%の酸化イットリウム(Y2O3)、純度98%またはそれ以 上の尿素(灰分は0.01%以下)及び純度99.99%のアルミニウム(イン ゴット)を試薬級の塩酸と硝酸に溶かして各々の硝酸塩(硝酸イットリウム、硝 酸アルミニウム)を作ることにより準備した。 これらの詳細な準備方法は次のようである。酸化イットリウム(Y2O3)を850 ℃にてか焼した後、厳格に秤量してこれを当量の硝酸と混合した。次にこの溶液 を熱板 の上で若干加熱(約120℃)し、完全に溶解した硝酸イットリウム溶液を得た 。また、化学秤でアルミニウム金属を正確に秤量し、これを先ず塩酸に溶かした 後、ここに過剰の硝酸を入れて沸騰させて塩素イオンを完全に除去した後、余分 の硝酸塩を除去するためこれを沸かし続けながら水を入れる過程を繰り返して硝 酸アルミニウム溶液を得た。前記で用意した成分原料溶液と固体状の尿素をY: Al:尿素=3:5:20になるよう混ぜて貯蔵溶液を作って以下の実験に使用 した。さらに、バリスター用の粉末材料を製造するために、純度99.9%の酸 化亜鉛(ZnO)、純度99.9%の硝酸カリウム、純度99.9%の金属コバルト 粉末、及び純度99.9%のクロム酸(CrO3)を使用し、純度99.9%の水和し た硝酸プラセオジム(Pr(NO3)35H2O)を使用した。これらのうち酸化物は試薬級硝 酸に溶かしてそれぞれの硝酸塩溶液とした。前記したその他の複合酸化物は前記 した方法とは実質的に同一な方法で製造したり製造されたものを購入して使用し た。 2.反応装置 本実験では反応過程に対する直接的な肉眼観察のために次のような小規模実験 装置を設計制作して使用した。その構造は図1に図示した。 すなわち、前駆体の合成反応過程を直接観察できるようにした反応炉(1)の 中で、透明な石英管(内径30mm、長さ300mm)にリボン型熱線(厚さ0 .16 mm、幅1.6mm、単位抵抗5.02Ω/mのニクロム線)を約7mm間隔で 巻いた後、周りへの熱損失を最大限減らすため、これをさらにこれより大きな石 英管(2)(内径40mm、長さ300mm)の中にいれた。また、透明な内径 20mm、長さ150mmのパイレックス管または同一な大きさの石英管を反応 容器(3)炉として用いた。さらに、そして反応中の試料の温度変化を測定しよ うとする場合には、熱に敏感に反応するように反応容器の底面から上方に5mm の位置に温接点を露出させて、直径0.1mmのPt/Pt−13%Rh熱電対 を設置した。 反応炉の温度調節のために可変変圧器を使用し、制作された炉について予め加 熱特性を試験しておいた。 反応過程中の溶液の状態変化を予測する方法の1つとして、電気伝導度の変化 を測定する方法を確立した。電極を使って反応過程中の電気伝導度を測定する装 置は以下のようである。 まず、銀ソルダーを用いて直径0.5mmの白金線を銅線につなぎ、これを直 径5mmのガラス棒に差し込んだ。ガラス棒の外部へ白金線が約2mmほど出る ようにガラス棒の末を溶かして作った。露出した両側の白金電極の間隔は5mm にして制作した。 II.燃焼を伴わない分解産物の準備 1.YAG用の分解産物の準備 複合酸化物前駆体の生成は、Y(NO3)35H2O 2.19g の硝酸イットリウム溶液と、Al(NO3)39H2O 3.7513gの硝酸アルミニウム 溶液の混合溶液を尿素2.4042gと混合して、反応炉の温度を400℃にし て6分間、燃焼しない条件下で加熱して、1.178gの複合酸化物前駆体を製 造した。 2.バリスター用の分解産物の準備 バリスター用Zn−Pr系酸化物に微量添加元素としてCr、Co、Kの元素 を加えた。従って、次のようなモル比: ZnO : Pr6O11 : Cr2O3 : CoO : K2O = 97.2 : 2.0 : 0.25 : 0.25 : 0.3 で各々の酸化物を含む混合硝酸塩溶液(亜鉛 2M)5mlを尿素2.3842gに加えて、反応炉の温度を300℃に調節し 、約7分間燃焼しない条件下で加熱して、約1.582gの複合酸化物前駆体を 製造した。 III.硝酸亜鉛と尿素の分解産物の生成過程分析 本発明の複合酸化物前駆体の生成過程をみるため、図1に示した管状炉と電気 伝導度の測定装置を利用して、硝酸亜鉛と尿素の混合比が1:0.5、1:1、 1:1.67、及び1:3.33である混合物を直径2.0cm、長さ15cm のパイレックス試験管に入れて、400℃に維持した反応炉の中に入れた。反応 の進行とともに混合物の温度と電気伝導度を調査し、中間生成物に対して赤外分 光分析とDTAを用いて反応過程を追跡した。1:1.67以下の混合比では均 一融液が形成されなかった。従って以下では、均一融液が形成される1:1.6 7と1:3.33の混合比をもつ混合物の反応過程を図2Aと図2Bを参照しな がら順に説明する。図2Aは硝酸亜鉛と尿素の比率が1:1.67である場合の 電気伝導度と重さの減少を表わした図で、図2Bは硝酸亜鉛と尿素の比率が1: 3.33である場合の電気伝導度と重さの減少を表わした図である。 尚、下記した第3段階の反応の分析のため、硝酸鉛と尿素の混合比が1:1. 67でありながら、各々無水硝酸鉛と硝酸鉛溶液を使用した混合物に対して、前 記硝酸亜鉛と尿素の混合物の反応条件と同一の反応条件下でその分解反応を調査 した。結果は以下の通りである。 1.第1段階:加熱段階 第1段階は図2Aと図2Bにおいて“A”で示した区間であって、硝酸亜鉛と 尿素の混合物を加熱することにより硝酸亜鉛に水和していた水により混合物が溶 け、その後この溶液が沸騰する前までの段階である。これら図面でわかるように 加熱段階は温度が上がれば上がるほど電気伝導度は増加し、特別な重さの減少は 起こらない領域である。この領域で電気伝導度の増加に影響を及ぼす因子は大き く二つに分けられるが、その一つは温度上昇による溶液内イオンの活量の増加で あり、また一つは尿素分子による水構造の破壊による粘度の減少である。 2.第2段階:均一融液形成段階 第2段階は図2Aと図2で“B”区間であり、混合物の温度が100℃以上と なるので急激な水の蒸発による 重さの減少が起こり電気伝導度が減少する段階である。これは金属イオンに水和 されている水が落ち、その部分を水に溶けている尿素が占め、水の蒸発によるイ オン濃度の増加によりイオン会合が起こり電気伝導度を減少させるためである。 3.第3段階:均一融液維持段階 第3段階は図2Aと図2Bの“C”で示される区間であって、電気伝導度は大 きく増加し、重さの減少は起こらない段階である。これは単に温度の上昇に起因 するものである。 なお、前記第2段階の均一融液形成段階では必ず小量の水分が必要であるとい う事実を、均一融液が維持される第3段階の結果を示した図3Aと図3Bから確 かめることができた。図3Aは、無水硝酸鉛と尿素の混合物の温度による電気伝 導度の測定結果を示した図である。図3Bは、硝酸鉛と尿素の混合物の温度によ る電気伝導度の測定結果を示した図である。これらの図を比較して見ると、無水 硝酸鉛を使用した場合には均一融液が形成されるときに電気伝導度の増加が見ら れなかった。肉眼観察でも均一融液が見られなかった。しかし、硝酸鉛溶液を使 用した場合には均一融液と電気伝導度の上昇が観察できた。このような結果から 均一融液の形成には必ず小量の水分が必要ということが確認できた。 4.第4段階:均一融液の分解段階 第4段階は図2Aと図2Bで“D”で示される区間で あって、温度の上昇によって一定の成分比の化合物が激な発熱分解反応をするた め電気伝導度と重さが同時に大きく減少する段階であって、この時融液内のイオ ンの濃度は減少する。この第4段階の過程は事実上短時間(数分)のうちに行わ れるため、偏析される余裕なく融液状態の均一性がそのまま維持される。 IV.準備した試料の均一性分析 本発明の分解産物の、複合酸化物の前駆体としての適合性を判断するために、 得られた産物をか焼し、その構造をX線パターンによって解析した。結果は、複 合酸化物の単一相の結晶であることを示した。また、か焼温度はかなり低いこと も分かった。実用の目的のためには、1)構成成分の化学組成が一定でなければ ならず混合性が均一でなければならず、2)出来るだけ粒度が微細である必要が ある。本発明により得られた分解産物の混和性と、現在複合酸化物製造方法で一 番よく使われている粉末混合法により造られた粉末の混和性とを蛍光分析で比較 し、成分元素の混合比に関係なく均一な混和性を有することをEDAX分析によ る定量的な分析で確認した。 1.電気伝導度と混和性 二つ以上の元素が混合物を成す時、好適な混合は原子または分子レベルで各成 分原子が均一に混ぜられている状態で得られる。このように原子規模で成分元素 が混ぜられるためには、混合物の状態が液体状であるまたは気体状でなければな らない。混合物の状態が液体状態であ る時、構成物質は原子またはイオン状態であり、イオン状態である場合電気伝導 度は分子状態またはその他のコロイド状態よりは遥かに大きい。従って、電気伝 導度は混合度を間接的に表す尺度になり得る。前記硝酸亜鉛、硝酸鉛及び尿素の 分解反応に対する実験の所でも言及した通りに、原料溶液の分解反応過程中に1 30〜170℃間の温度で透明な均一融液を形成して一定時間特別な重さの減少 なく維持されており、またこの時溶液の電気伝導度は急激な増加を見せた。この ような現象は単一元素が分解されたときのみでなく、2元系以上の金属硝酸塩と 尿素の混合物の分解過程でも起きていることを考えるべきである。金属硝酸塩と 尿素が融液状態でイオン性化合物で存在していることを意味する。従って各成分 が原子またはイオン規模でよく混合されていることは確かである。 前記硝酸イットリウム、硝酸アルミニウム及び尿素の分解産物の形成過程中、 電気伝導度及び混和性を観察しても、分解の直前まで温度約170℃で試料が透 明な溶融状態が持続された。また、融液の期間、試料の分解も殆ど進行しなかっ た(重量減少が殆どない)。低い温度でYAGが合成できる理由は、それが非晶 質状であるもののよく混合されているからである。そのためこの過程を経て得ら れた分解産物は高い均一性を示す。 2.蛍光分析による混合度調査 酸化亜鉛及び酸化テルビウムは、次世代バリスターに 使用されている。本発明による生産物の混合度を従来の粉末混合方法による混合 度と比較調調査した。元々、プラセオジムはバリスターの材料として使用され及 び蛍光を持つ希土類系元素であることは知られているが、その強度が低いために 蛍光特性を評価できなかった。従って、プラセオジムの代わりにテルビウム(Tb) を使用した。 試料の準備は次のように行った。酸化亜鉛に1.0mol%の酸化テルビウムを添加 した。アルミナボールを使用したボールミルに水を溶媒として用い24時間よく混 合した。混合された試料は90℃に維持された乾燥機で水が全部蒸発されるまで乾 燥して、そしてめのう乳鉢で細かく挽いた。このように準備した試料の蛍光特性 を図4に示した。不均一混合である場合又は偏析がある酸化物である場合蛍光が 表われない。図4は、酸化亜鉛と酸化テルビウムをモル比99:1に混合した物の蛍 光スペクトル(吸収及び発光)を表わす図面である。図4に示すように、いかなる 波長の範囲でも吸収せず又蛍光が表れていない。これは、試料が緊密な混合状態 でないことを示している。図5は、硝酸と尿素の2当量の同じ比率による混合物 中に溶解して、そして300℃で分解反応させて得た上記と同じ混合比の酸化亜鉛 と酸化テルビウムの結果としてこの試料の蛍光特性を表わしている。 上記結果より、本発明によって得られた生産物の各成分元素が非常によい混合 性を持っていることが明かになった。 3.EDAX分析による混合性調査 本発明の方法の一番重要な部分は、均一な融体を形成し、最終生産物も均一な 混合体が得られるということである。 EDAX分析法を利用して各金属成分の含有量を定量的に決定することができる。 硝酸イットリウム、硝酸アルミニウム、尿素の混合物の生産物に対するEDAX分析 結果は次の通りである。まずPrを一部のYと代替した原料試料を作った後、これ を加熱分解してPr:YAG生産物を製造し、この粉末に対して多様な位置で各々の成 分(Y、Pr、Al)を定量分析した。もしある地点でもこれら成分の比が同じである としたらこれは均一混合を意味するためである。このような含有量分析から得ら れた結果を表1に整理して表わし、EDAXパタンも図6に表わした。 表1からわかるように、含有量は各地点でわずかな差異があるものの投入量に 対して非常に近いものであった。しかも、各元素の分布が分解生産物中で均一で あることが推定することができる。さらに、各地点でのEDAX分析時、大きさが約 50ミクロンの狭いビームの範囲で成分分析を実施したにもかかわらず各構成成分 の含有量に大きな差がないものから見てこれらは顕微鏡スケールの大変微細な領 域で均一混合が行われていることは確実である。 しかし、前記の場合のように定められた組成を基準とした上記分析の結果によ ってはそれらの全てが均一であるとは厳密には明言できない。従って、複合酸化 物の一様性を確認するために、二つの成分元素の組成比の効果を観察することが 好ましい。 従って、原子結合半径が1.33Å(Zn)と1.82Å(Pr)で差がある二つの金属を選択 して二つの元素の組成の変化に伴われる混合度を比較してみることとした。 濃度を検定した硝酸亜鉛溶液と硝酸プラセオジム溶液を4つの混合比(Zn:Pr =1:9、3:7、5:5、9:1)で混合した。ここに均一な溶液が形成することができるのに 適当な量の尿素を上記溶液に添加して、分解反応を400℃に維持された管状炉中 で行った。各溶液は加熱により均一溶液を形成し、そして分解産物として得るた めに分解を行った。このようにして得た分解産物をEDAX分析を通じて亜鉛とプラ セオジムの量を当初混合した量と比較した。図7は亜鉛とプラセオジムの混合比 を別にして得られた分解産 物を分析して得たEDAXパタンである。図7に示すように、プラセオジムのK殻を 示す信号の量がプラセオジムの量に比例して増加している。下記の表2は、4種 類の混合比による亜鉛とプラセオジムの混合物によって得られた分解生産物のED AX分析結果である。結果は定量的な値に補正してある。 前記表2の結果に従えば、許容誤差範囲を勘案すれば、複合酸化物を構成する 元素の混合比に関係なく本発明の新しい製造方法により得られた分解産物の混合 度は原子または分子規模で達成されていることがわかる。 従って前記結果から他の色々の複合酸化物の製造にも各元素の成分比に関係な く本方法が適用できることがわかる。 V. 金属硝酸塩と尿素の化合物 本発明の目的は金属硝酸塩と尿素の混合物を加熱することにより均一溶液を形 成させることにある。従って、均一溶液が形成されている状況を分析するのが重 要である。 金属硝酸塩と尿素の混合物を加熱する時金属硝酸塩は加熱とともに水和された 状態で溶液中で溶解し、更にそのとき、金属イオンと硝酸イオンに解離している 。尿素は温度が上がるに従ってその溶解度が大きくなる。 尿素は水よりも金属イオンと結合しようとする傾向が大きい、これは希薄溶液 中で尿素の双極子モーメントが水の双極枝モーメントより大きいためである。従 って尿素は金属の水和物にかわって希薄溶液中で金属と結合を形成することがで きる。このような上記性質は、水和化された金属硝酸塩の融点より水の代わりに 尿素で置換された尿素化合物の融点がより高いことから明かである。 表3は各種金属硝酸塩と尿素間に形成される複合化合物を金属別に整理したも のである。多くの種類の金属と尿素が複合化合物を形成できることを示している 。言い換えると少なくとも表3に掲載された金属は加熱により、優れた電気伝導 性を有する均一融体(硝酸塩と尿素の化合物)になり得ると予測することができる 。すなわち、金属−硝酸基−尿素−水の4元系混合物が適切な比率にある時錯イ オンを形成することができる。 一応配合された金属が尿素との錯イオンを形成すると、 溶液状態でこれら金属はイオンの粒子の大きさだけ接近した均一配合が行われる 。このような均一混合状態で金属を除外した水素、窒素化合物が分解されて、同 時に急激に気体状態となり界外に排出されるとしたら、金属成分粒子は原子配列 を整える時間的余裕がないために非晶質状態でそのまま残存するようになると思 われる。このような非晶質固体は適切な結晶化温度で加熱して単結晶複合酸化物 に変化したら、この物質が複合酸化物前駆体に当たるものだと考える。 VII.金属塩化物と尿素との反応 前記の金属硝酸塩のうち、硝酸チタニウムや硝酸ジルコニウムなどの金属硝酸 塩はその製造及び保管が難しいので、金属塩化物を金属硝酸塩にかえ、本発明の 方法によって前記前駆体の調製に用いた。 1.チタン 塩化物を硝酸塩にかえるため、常温で四塩化チタン(TiCl4)に水を添加 して水溶液とした後、尿素を添加した。温度の変化による電気伝導度を測定し、 その結果を図8に示した。図8の通り、電気電導度は水の蒸発に比例して増加す るが、蒸発が終了したあとは、電気伝導度は溶液の分解に伴って急激に減少した 。この場合には、均一な溶融物は形成されなかった。チタンが硝酸塩になるよう に4当量比の硝酸を塩化チタン水溶液に添加し、次いで尿素を添加した。電気電 導度を測定してみると、上記の混合物と、従来の硝酸塩と尿素との混合物の電気 電導度との間にはあまり差がなかった。その結果を図9に示した。図9は塩化チ タン、硝酸および尿素との混合物の温度による分解性に対する電気電導度を表わ したものである。 そして、前記2つの場合に得られた分解生成物のXRDパターンを図10に示 した。図10のように、塩化チタンと尿素の混合物から得られた分解生成物には 特別な結晶相は表われないが、塩化チタン、尿素および硝酸の混合物から得られ た分解生成物はルチル(rutile)とア ナターゼ(anatase)型のTiO2結晶からなっていた。これは硝酸を添加する場 合に、硝酸と尿素との発熱反応により結晶性が向上するものと判断される。 2.ジルコニウム ジルコニウムの場合、オキシ塩化ジルコニウム(ZrOCl28H2O)を金属 塩化物として用い、分解過程を測定した。 オキシ塩化ジルコニウムと尿素との混合物、および4当量比の硝酸が添加され ているオキシ塩化ジルコニウムと尿素との混合物とを調製し、温度に対する混合 物の電気伝導度を測定した。結果はチタンの場合と同様であった。すなわち、硝 酸を添加した場合、電気伝導度の上昇を示し、硝酸を添加しない場合には電気伝 導度の上昇は示さなかった。 VII.結晶性複合酸化物の製造 1.YAGの製造 本発明のアモルファス複合酸化物前駆体を用いて結晶性複合酸化物を作る実験 を行った。前駆体を使用し、加熱に伴う相転移過程を観察した。まず、一定の昇 温速度(10℃/min)で示差熱分析曲線を得た。その結果を図11に示した 。図11の通り、生成物は三つの吸熱反応ピークと二つの発熱反応ピークを示し た。この結果に基づいて、他の試料を600℃(吸熱反応が殆ど終了する温度) 、800℃(発熱反応が始まる直前の温度)、1000℃(発熱反応が終了する 温度)および1200 ℃までの温度で個々に加熱し、その後各温度で10分間維持し、4つの生成物を 得た。4つの生成物の相分析(phase examination)を実施してその結果を図1 2に示した。図12の通り、1000℃に加熱した生成物はYAG相が得られ、 これは1000℃以下ではより長い時間加熱することなしにはYAG相が得られ ないことを意味している。この温度に20、40、60、80分間維持して得ら れた生成物に対する相分析を実施し、その結果を図13に示した。図13の通り 、900℃の温度ではYAG相以外に他の相も出現し、これは主にYAP相であ り、時間の経過に従ってYAP相のピークが減少している。しかしながら、比較 的長時間加熱した試料もやはり複合相であることから、900℃ではYAGの単 一の相が得られないと判断される。 YAGの結晶は1000℃で10分間維持する条件の下で容易に得られること がわかる。従って、このような分解生成物は複合酸化物の前駆体として適当であ る。また、本発明の方法は、本発明のプロセスが従来の液相法よりもずっと容易 であり、プロセス条件の制御も燃焼法の条件より簡単であるので、工業的プロセ スに有用であることが明らかである。 2.バリスター(varistor)の製造 1:2の比率の金属硝酸塩と尿素との溶液を300℃におよそ7分程度加熱し 、バリスター製造用に用いられる次世代素材であるプラセオジムをドープした酸 化亜鉛 粉末を製造した。分解生成物の構成元素の混合性が高いため、完全に均一となり 、バリスターとしての特徴的な性能は優れたものとなる。試験は次のようにして 行った。分解生成物を850℃で1時間焼成した後、結着剤(binder)を添加し 、次いで、240MPaの圧力を加えてペレット(Pellet)を作った。得られたペ レットを1200℃で1時間焼結させた後、組織構造を観察をした。結晶粒子の 平均のサイズはおよそ1.5μmであった。電気的な性質の試験を行い、最大降 伏電圧はおよそ1000V/nimが得られた。得られた結果は従来の方法によ り製造された他のバリスターの結果より優秀なことがわかった。 VIII.工業的プロセスのスキーム 大量生産と連続操業の方法は工業的な適用分野の拡大と製造コストの削減を図 るために重要である。ほとんどの最終セラミック製品は高温での焼結により製造 されている。もし物質が均一であり細かい結晶粒を有するような結晶の代わりに 出発物質として前駆体を用いれば、プロセスにおける熱エネルギーの総量を節約 することができる。本発明の前駆体はある種の中間生成物で、これはこの生成物 を製造する製造者およびこの生成物を使用する使用者の両者にとってこの目的に 沿うものである。 本発明のプロセスは2つの段階を備えている。すなわち、1)加熱して均一の 溶融物を形成し、2)さらに、加熱して溶融物を分解する。用いる温度は高くは なく、 時間もプロセスの装置や操作が上記の2つの部分にわけられないように短かすぎ るものでもない。すなわち、金属硝酸塩と尿素との出発混合物(個体もしくは溶 液の状態)を加熱して、150−250℃の範囲の一定な温度の容器のなかで均 一な溶融物を形成し、この容器中では混合物が連続的に一方の側から供給され、 他の側から溶融物として排出されている。溶融物は約300℃の第2の容器に導 かれ、ここで導入された溶融物は分解を受け、微粉末の形態の複合酸化物を生成 する。分解器からのガスは回収し燃料として使用するか、副生成物として分離す ることができる。プロセスは装置や操作が比較的簡単であり、工業用として容易 に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),CA,JP,US (72)発明者 ジョ、 ミン ヨウン 大韓民国 135−080 ソウル カンナム− ク ヨクサム−ドン 635−12

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 金属硝酸塩もしくはその溶液と、尿素もしくはカルボヒドラジドとを混合 し、混合物を製造する工程と、 前記混合物を着火しない条件下で加熱する工程と を備える複合酸化物前駆体の製造方法。 2. 前記混合物を二次電気伝導率上昇点の温度と等しいかまたはそれ以上の温 度で加熱する請求項1に記載の複合酸化物前駆体の製造方法。 3. 前記金属が、Ag、Al、Ba、Ca、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、 Ga、K、Li、Mg、Mn、Na、Nb、Ni、Pb、Si、Sn、Sr、T h、Ti、U、Zn、Zr及び希土類金属からなる群から選択される少なくとも 一つまたはそれ以上の金属である請求項1に記載の複合酸化物前駆体の製造方法 。 4. 前記金属の尿素もしくはカルボヒドラジドに対するモル比が1モルかまた は1モル以上である請求項1に記載の複合酸化物前駆体の製造方法。 5. 前記混合物が金属塩化物をさらに含む請求項1に記載の複合酸化物前駆体 の製造方法。 6. 金属塩もしくはその溶液と、尿素もしくはカルボヒドラジドとを混合し、 混合物を製造する工程と、 前記混合物を着火しない条件下で加熱し、複合酸化物前駆体を製造する工程と 、 前記複合酸化物前駆体を加熱する工程と を備える結晶性複合酸化物の製造方法。 7. 前記複合酸化物前駆体を300℃または300℃以上の温度で加熱する請 求項6に記載の結晶性複合酸化物の製造方法。 8. 請求項1に記載の方法により製造された複合酸化物前駆体。 9. 請求項6に記載の方法により製造された複合酸化物。 10. 金属塩もしくはその溶液と、尿素もしくはカルボヒドラジドとを混合し 、混合物を製造する工程と、 前記混合物を着火しない条件下で加熱する工程と を備える複合酸化物前駆体の製造方法。
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