【発明の詳細な説明】
5アルファレダクターゼの処理用ステロイド誘導体
発明の分野
本発明は、ある種の新規17αおよび17β置換芳香族A環ステロイド系化合
物、これらの化合物を含有する医薬組成物、およびステロイド5−α−レダクタ
ーゼを阻害するためのこれらの化合物の使用方法に関する。
関連技術の記述
アンドロゲンとして知られているステロイド系ホルモン類は、雄と雌を区別す
る身体的特徴の原因となる。アンドロゲンを生産するいくつかの器官のうち、精
巣は、これらのホルモンを最大量生産する。脳の中枢は、アンドロゲン生産レベ
ルの主な制御を行う。効果的ではない制御の結果、過剰のアンドロゲンホルモン
生産が生じると、多くの身体的発現および病状が生じる。例えば、尋常性坐瘡、
脂漏症、女性多毛症、男性型禿頭症および良性前立腺肥大症などの前立腺疾患は
、上昇したアンドロゲンレベルに関係している。さらに、アンドロゲンレベルの
低下は、前立腺癌に対する治療効果を有することを示した。
テストステロンは、精巣によって分泌される主要なアンドロゲンであり、雄の
血漿中の主要なアンドロゲンステロイドである。現在、5−α−還元アンドロゲ
ンは、前立腺および皮脂腺などのいくつかの組織における活性ホルモンであるこ
とが知られている。かくして、循環テストステロンは、筋肉および精巣などの他
の組織においてではなく、これらの組織においては、ジヒドロテストステロン(
DHT)、その5−α−還元類似体のプロホルモンとして役に立つ。ステロイド
5−α−レダクターゼは、テストステロンをDHTに転換するニコチンアミドア
デニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)依存性酵素である。雄性発生におけ
るこの酵素の重要性は、雄性偽半陰陽者における遺伝的ステロイド5−α−レダ
クターゼ欠損症の発見によって劇的に強調された。Imperato−McGinley,J.ら
,(1979),J.Steroid Biochem.11:637−648。
種々の病状における上昇したDHTレベルの重要さを認識することにより、こ
の酵素の阻害剤を合成するための多くの試みが刺激された。3−カルボキシ−エ
ストラ−1,3,5(10)トリエンステロイド系誘導体は、今日までに同定された
最も有効な阻害剤のうちの1つである。
多くの5−α−レダクターゼ阻害化合物が当該技術分野で知られている。例え
ば、以下のとおりである:
1.M.A.Levyらによる、J.Steroid Biochem.、第34巻、第1〜6号、
第571〜575頁(1989)には、ラット前立腺ステロイド5−アルファレ
ダクターゼおよび3−カルボキシ−17β−置換ステロイド類の間の相互作用メ
カニズムが開示されている。
2.D.A.Holtらによる、J.Med.Chem.(1990)第33巻、第937
〜942頁には、A環アリールカルボン酸の新規ステロイド類が開示されている
。
3.B.W.Metcalfらによる、TIPS(1989年12月)、第10巻、第4
91〜495頁には、良性前立腺肥大症、男性型禿頭症およびざ瘡におけるステ
ロイド5α−レダクターゼの阻害薬の効果が開示されている。
4.D.A.Holtら[スミスクライン・ビーチャム(SmithKline Beecham)]
のEPO公開第0 343 954 A3号には、有用な5−α−レダクターゼ阻
害薬としてのステロイド系3−カルボン酸誘導体が開示されている。
しかしながら、前記文献には本発明の新規ステロイド系17αまたは17β−
置換エストラ−1,3,5(10)−トリエン化合物が有効なテストステロン5−α
−レダクターゼ阻害薬としての有用性を有することは、詳細には示されていない
。
発明の概要
本発明は、式(I):
[式中、
R1は、水素原子;炭素原子1〜6個を有するアルキル基;または炭素原子1
〜6個を有し、以下に定義するアリール基および以下に定義する芳香族複素環式
基から選択される少なくとも1個の置換基を有する置換アルキル基を表し、
R2は、
炭素原子1〜6個を有し、以下に定義するアリール基および以下に定義する芳
香族複素環式基から選択される少なくとも1個の置換基を有する置換アルキル基
であって、該アルキル基が所望によりさらに単一のヒドロキシまたはカルボキシ
置換基を有していてもよい置換アルキル基;
アダマンチル;または
2つのアリール部分が同一または異なっており、各々、以下の定義と同じであ
るジアリールアミノ基
を表し、
R3は、カルボキシ基または式−CONHSO2R4(ここで、R4は、炭素原子
1〜6個を有するアルキル基を表す)で示される基を表し、
アリール基は、環炭素原子6〜14個を有し、非置換であるか、または、以下
に定義する置換基Aから選択される少なくとも1個の置換基によって置換されて
いる炭素環式芳香族基であり、
芳香族複素環式基は、環原子5または6個を有し(このうち1〜3個は、窒素
原子、酸素原子および硫黄原子から選択されるヘテロ原子であり、残りは、炭素
原子である)、非置換であるか、または、以下に定義する置換基Bから選択され
る少なくとも1個の置換基によって置換されており、
置換基Aは、炭素原子1〜6個を有するアルキル基;炭素原子1〜6個を有す
るアルコキシ基;炭素原子2〜7個を有するアルコキシカルボニル基;ヒドロキ
シ基;ハロゲン原子;アミノ基;炭素原子1〜6個を有するアルキルアミノ基;
各アルキル部分が炭素原子1〜6個を有するジアルキルアミノ基;炭素原子1〜
6個を有する脂肪族アシルアミノ基;芳香族部分が環炭素原子6〜10個を有し
、非置換であるか、または、以下に定義する置換基Cから選択される少なくとも
1
個の置換基によって置換されている炭素環式アリール基である芳香族アシルアミ
ノ基;シアノ基;ニトロ基;およびカルボキシ基から選択され、
置換基Bは、炭素原子1〜6個を有するアルキル基;炭素原子1〜6個を有す
るアルコキシ基;ヒドロキシ基;ハロゲン原子;環炭素原子6〜10個を有し、
非置換であるか、または、以下に定義する置換基Cから選択される少なくとも1
個の置換基によって置換されている炭素環式アリール基;アミノ基;炭素原子1
〜6個を有するアルキルアミノ基;各アルキル部分が炭素原子1〜6個を有する
ジアルキルアミノ基;炭素原子1〜6個を有する脂肪族アシルアミノ基;芳香族
部分が、環炭素原子6〜10個を有し、非置換であるか、または、以下に定義す
る置換基Cから選択される少なくとも1個の置換基によって置換されている炭素
環式アリール基である芳香族アシルアミノ基;ニトロ基;およびカルボキシ基か
ら選択され、
置換基Cは、炭素原子1〜6個を有するアルキル基;炭素原子1〜6個を有す
るアルコキシ基;ヒドロキシ基;ハロゲン原子;アミノ基;炭素原子1〜6個を
有するアルキルアミノ基;各アルキル部分が炭素原子1〜6個を有するジアルキ
ルアミノ基;炭素原子1〜6個を有する脂肪族アシルアミノ基;シアノ基;ニト
ロ基;およびカルボキシ基から選択される]
で示される化合物ならびにその医薬的に許容される塩およびエステルに関する。
17位置換基がα位にある化合物も本発明の範囲内に含まれる。
本発明は、対象体に本発明の5−α−レダクターゼ阻害性化合物の有効量を投
与することからなる、ヒトを含む哺乳動物における5−α−レダクターゼ活性の
阻害方法でもある。医薬的担体および本発明の方法に有用な化合物からなる医薬
組成物も本発明に含まれる。本発明の5−α−レダクターゼ阻害性化合物を別の
活性成分と共投与する方法も本発明に含まれる。
発明の詳細な説明
5−α−レダクターゼを阻害する本発明化合物は、下記式(I):
[式中、
R1は、水素原子;炭素原子1〜6個を有するアルキル基;または炭素原子1
〜6個を有し、以下に定義するアリール基および以下に定義する芳香族複素環式
基から選択される少なくとも1個の置換基を有する置換アルキル基を表し、
R2は、
炭素原子1〜6個を有し、以下に定義するアリール基および以下に定義する芳
香族複素環式基から選択される少なくとも1個の置換基を有する置換アルキル基
であって、該アルキル基が所望によりさらに単一のヒドロキシまたはカルボキシ
置換基を有していてもよい置換アルキル基;
アダマンチル;または
2つのアリール部分が同一または異なっており、各々、以下の定義と同じであ
るジアリールアミノ基
を表し、
R3は、カルボキシ基または式−CONHSO2R4(ここで、R4は、炭素原子
1〜6個を有するアルキル基を表す)で示される基を表し、
アリール基は、環炭素原子6〜14個を有し、非置換であるか、または、以下
に定義する置換基Aから選択される少なくとも1個の置換基によって置換されて
いる炭素環式芳香族基であり、
芳香族複素環式基は、環原子5または6個を有し(このうち1〜3個は、窒素
原子、酸素原子および硫黄原子から選択されるヘテロ原子であり、残りは、炭素
原子である)、非置換であるか、または、以下に定義する置換基Bから選択され
る少なくとも1個の置換基によって置換されており、
置換基Aは、炭素原子1〜6個を有するアルキル基;炭素原子1〜6個を有す
るアルコキシ基;炭素原子2〜7個を有するアルコキシカルボニル基;ヒドロキ
シ基;ハロゲン原子;アミノ基;炭素原子1〜6個を有するアルキルアミノ基;
各アルキル部分が炭素原子1〜6個を有するジアルキルアミノ基;炭素原子1〜
6個を有する脂肪族アシルアミノ基;芳香族部分が環炭素原子6〜10個を有し
、非置換であるか、または、以下に定義する置換基Cから選択される少なくとも
1個の置換基によって置換されている炭素環式アリール基である芳香族アシルア
ミノ基;シアノ基;ニトロ基;およびカルボキシ基から選択され、
置換基Bは、炭素原子1〜6個を有するアルキル基;炭素原子1〜6個を有す
るアルコキシ基;ヒドロキシ基;ハロゲン原子;環炭素原子6〜10個を有し、
非置換であるか、または、以下に定義する置換基Cから選択される少なくとも1
個の置換基によって置換されている炭素環式アリール基;アミノ基;炭素原子1
〜6個を有するアルキルアミノ基;各アルキル部分が炭素原子1〜6個を有する
ジアルキルアミノ基;炭素原子1〜6個を有する脂肪族アシルアミノ基;芳香族
部分が、環炭素原子6〜10個を有し、非置換であるか、または、以下に定義す
る置換基Cから選択される少なくとも1個の置換基によって置換されている炭素
環式アリール基である芳香族アシルアミノ基;ニトロ基;およびカルボキシ基か
ら選択され、
置換基Cは、炭素原子1〜6個を有するアルキル基;炭素原子1〜6個を有す
るアルコキシ基;ヒドロキシ基;ハロゲン原子;アミノ基;炭素原子1〜6個を
有するアルキルアミノ基;各アルキル部分が炭素原子1〜6個を有するジアルキ
ルアミノ基;炭素原子1〜6個を有する脂肪族アシルアミノ基;シアノ基;ニト
ロ基;およびカルボキシ基から選択される]
で示される化合物およびその医薬的に許容される塩およびエステルならびに哺乳
動物体内で式(I)で示される化合物への転換能力を有する式(I)で示される化合
物の他の生理学的機能性誘導体を有する。
本発明は、また、医薬的に許容される担体または希釈剤と混合した有効量の活
性化合物からなり、該活性化合物が前記定義の式(I)で示される化合物ならびに
その医薬的に許容される塩およびエステルから選択されることを特徴とする、高
レベルの5−α−レダクターゼにより生じる障害、特に、前立腺肥大症の治療用
または予防用医薬組成物を提供するものでもある。
本発明は、さらに、医薬としての、前記定義の式(I)で示される化合物または
その医薬的に許容される塩もしくはエステル使用を提供するものである。
本発明は、以下にさらに詳細に説明する本発明の化合物の製造方法を提供する
ものでもある。
R1が炭素原子1〜6個を有するアルキル基を表す本発明の化合物において、
該アルキル基は、炭素原子1〜6個、好ましくは、1〜4個を有する直鎖状また
は分枝鎖状基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソ
ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、4
−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチ
ルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−
ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,
3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、ヘキシル基およびイソヘキシル基
、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、ペンチル基およびヘキシル基が挙げられる。これらのうち、好ましくは
、炭素原子1〜4個、より好ましくは、炭素原子1〜3個を有するこれらのアル
キル基であり、メチル基、エチル基、イソプロピル基およびイソブチル基がより
好ましく、メチル基が最も好ましい。
R1およびR2が置換アルキル基を表す場合、これは、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基および1−メチルペンチル基などのR1
によって表される非置換アルキル基に関して前記で定義および例示したと同じ直
鎖状または分枝鎖状のアルキル基である。R1およびR2によって表される特に好
ましいアルキル基としては、炭素原子1〜4個を有するアルキル基、より好まし
くは、炭素原子1〜3個を有するアルキル基、最も好ましくは、メチル基、エチ
ル基およびイソプロピル基が挙げられる。
R1およびR2によって表される置換アルキル基の場合、前記で定義し、以下に
より詳細に例示するアリール基および芳香族複素環式基から選択される1個以上
の置換基があってもよい。R2の場合だけ、所望により、ヒドロキシ基およびカ
ルボキシ基から選択されるさらなる置換基があってもよい。置換可能な位置の数
によってまたは立体的拘束によって強要されるような場合以外は、かかる置換基
の数は特に限定されない。しかしながら、一般に、かかる置換基は、好ましくは
、1〜3個、より好ましくは、1または2個、最も好ましくは、1個である。2
個以上の置換基がある場合、これらは、お互いに同一であっても、お互いに異な
ってもよい。
R1およびR2によって表される置換アルキル基の置換基がアリール基である場
合、これは、環炭素原子6〜14個、好ましくは、炭素原子6〜10個、より好
ましくは、炭素原子6〜10個を有する炭素環式芳香族基(すなわち、全ての環
原子が炭素原子である1個以上の環を含む芳香族基)である。かかる基の例とし
ては、フェニル基、インデニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ビフェニ
レニル基、アセナフチレニル基、フルオレニル基、フェナントリル基およびアン
トリル基が挙げられ、このうち、フェニル基およびナフチル基が好ましく、フェ
ニル基が最も好ましい。かかるアリール基は、非置換であっても、または、前記
で定義し、以下に例示する1個以上の置換基Aによって置換されていてもよい。
置換された基の場合、置換可能な位置の数によってまたは立体的拘束によって強
要されるような場合以外は、かかる置換基Aの数は、特に限定されない。しかし
ながら、一般に、かかる置換基は、好ましくは、1〜4個、より好ましくは、1
〜3個、最も好ましくは、1または2個である。2個以上の置換基がある場合、
これらは、お互いに同一であっても、お互いに異なってもよい。かかる置換基A
の例としては、炭素原子1〜6個を有するアルキル基、例えば、R1によって表
される非置換の基に関して前記で例示したもの;
炭素原子1〜6個を有するアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキ
シ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチ
ルオキシ基、2−メトキシペンチルオキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、2,
2−ジメチルブトキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキ
シ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、2−エチルブ
トキシ基、ヘキシルオキシ基およびイソヘキシルオキシ基(このうち、メトキシ
基およびエトキシ基が好ましい);
アルコキシ部分が炭素原子1〜6個を有する、炭素原子2〜7個を有するアル
コキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、
プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基
、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボ
ニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、ネオ
ペンチルオキシカルボニル基、2−メチルブトキシカルボニル基、1−エチルプ
ロポキシカルボニル基、4−メトキシペンチルオキシカルボニル基、3−メトキ
シペンチルオキシカルボニル基、2−メトキシペンチルオキシカルボニル基、1
−メトキシペンチルオキシカルボニル基、3,3−ジメチルブトキシカルボニル
基、2,2−ジメチルブトキシカルボニル基、1,1−ジメチルブトキシカルボニ
ル基、1,2−ジメチルブトキシカルボニル基、1,2−ジメチルブトキシカルボ
ニル基、2,3−ジメチルブトキシカルボニル基、2−エチルブトキシカルボニ
ル基、ヘキシルオキシカルボニル基およびイソヘキシルオキシカルボニル基(こ
のうち、メトキシカルボニル基、2−エチルブトキシカルボニル基、ヘキシルオ
キシカルボニル基およびイソヘキシルオキシカルボニル基、このうち、メトキシ
カルボニル基およびエトキシカルボニル基が好ましい);
ヒドロキシ基;
ハロゲン原子、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子(
このうち、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が好ましく、フッ素原子および
塩素原子が最も好ましい);
アミノ基;
炭素原子1〜6個を有するアルキルアミノ基、例えば、メチルアミノ基、エチ
ルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、ペンチ
ルアミノ基およびヘキシルアミノ基(このうち、アルキル部分が、好ましくは、
炭素原子1〜4個、より好ましくは、1または2個を有する基が好ましい);
各アルキル部分が炭素原子1〜6個を有するジアルキルアミノ基、例えば、ジ
メチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジプロピルアミノ
基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキ
シルアミノ基、メチルブチルアミノ基およびエチルプロピルアミノ基(このうち
、各アルキル部分が、好ましくは、炭素原子1〜4個、より好ましくは1または
2個を有する基が好ましい);
炭素原子1〜6個を有する脂肪族アシルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基
、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基、バレリルアミ
ノ基、イソバレリルアミノ基、ピラロイルアミノ基およびヘキサノイルアミノ基
(このうち、炭素原子1〜5個を有するこれらの基が好ましく、炭素原子1〜3
個を有する基が最も好ましい);
芳香族部分が、環炭素原子6〜10個、好ましくは、6または10個を有して
おり(例えば、フェニル基またはナフチル基)、非置換であるか、または、前記
定義の置換基Cから選択される少なくとも1個の置換基によって置換されている
炭素環式アリール基、例えば、ベンゾイルまたはナフトイル基およびその置換誘
導体である芳香族アシルアミノ基;
シアノ基;ニトロ基およびカルボキシ基
が挙げられる。
置換基Cにおいて挙げられる基および原子の例は、置換基Aにおいて挙げられ
、前記した対応する基および原子と同一である。
これらの置換基Aのうち、好ましくは、炭素原子1〜4個を有するアルキル基
、炭素原子1〜4個を有するアルコキシ基、炭素原子2または3個を有するアル
コキシカルボニル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、炭素原子1〜4
個を有するアルキルアミノ基、各アルキル部分が炭素原子1〜4個を有するジア
ルキルアミノ基、および炭素原子1〜3個を有する脂肪族アシルアミノ基であり
、より好ましくは、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、メトキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、メチルアミノ基
、
エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基
、ホルミルアミノ基およびアセチルアミノ基、ならびにフッ素原子、塩素原子お
よび臭素原子であり、最も好ましくは、メチル基、メトキシ基、エトキシ基およ
びヒドロキシ基、ならびにフッ素原子および塩素原子である。
R1およびR2によって表される置換アルキル基の置換基が芳香族複素環式基で
ある場合、これは、芳香族環において環原子5または6個を有する複素環式基で
ある。該基は、また、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択されるヘテロ
原子1〜3個を有し、残りの環原子は、炭素原子である。一般に、ヘテロ原子が
3個である場合、1、2または3個、好ましくは、2または3個が窒素原子であ
り、これに応じて、2、1または0個、好ましくは、1または0個が酸素原子お
よび/または硫黄原子である。ヘテロ原子が1または2個である場合、それらは
、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から自由に選択される。かかる基の例とし
ては、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、イミダゾリル基、チア
ゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピラジニ
ル基、ピリミジニル基およびピリダジニル基が挙げられる。これらのうち、好ま
しくは、フリル基、チエニル基およびピリジル基、より好ましくは、フリル基お
よびチエニル基、最も好ましくは、チエニル基である。かかる芳香族複素環式基
は、非置換であっても、前記定義の1個以上の置換基Bによって置換されていて
もよい。置換された基の場合、置換可能な位置の数によってまたは立体的拘束に
よって強要されるような場合以外は、特に限定されない。しかしながら、一般に
、かかる置換基は、好ましくは、1〜3個、最も好ましくは、1または2個であ
る。2個以上の置換基がある場合、これらは、お互いに同一であっても、異なっ
てもよい。かかる置換基Bの例としては、置換基Aに関連して前記で例示した対
応する基および原子が挙げられ、アリール基は、前記で例示し、R1によって表
されるアリール基において挙げられたもののような環炭素原子6〜10個を有す
る。特に、好ましい置換基としては、炭素原子1〜6個を有するアルキル基(例
えば、R1に関して前記で例示したもの)およびハロゲン原子(例えば、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子)が挙げられる。より好ましい置換
基は、
炭素原子1〜4個を有するアルキル基、フッ素原子および塩素原子であり、より
好ましくは、メチル基またはエチル基であり、最も好ましくは、メチル基である
。
R3および可能性のある置換基A、BまたはCは、カルボキシ基を表してもよ
く、R2によって表される基としては、カルボキシ基が挙げられ、したがって、
本発明の化合物は、塩およびエステル、ならびに当該技術分野でよく知られてい
る他の誘導体、例えば、アミドを形成してもよい。かかる塩、エステルおよび他
の誘導体の性質について限定されないが、ただし、それらが治療目的に用いられ
る場合、それらは、医薬的に供与される、すなわち、親化合物よりも低い活性で
はない(または許容されないほど低い活性ではない)か、または、親化合物より
も毒性が高くはない(許容されないほど毒性が高くはない)。しかしながら、化
合物が他の目的のために、例えば、他の化合物の製造における中間体として用い
られるべき場合は、この制限は、適用されない。
好ましいエステル基は、in vivoでカルボキシ基に転換され得るものである。
かかるエステル基の例としては以下のものが挙げられる:
炭素原子1〜6個、好ましくは、1〜4個を有するアルキル基、例えば、R1
に関して前記で例示したもの;
炭素原子1〜6個、好ましくは、1〜4個を有するハロアルキル基、例えば、
卜リフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロ
ロエチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2−ヨードエチル基
、3−クロロプロピル基、4−フルオロブチル基および6−ヨードヘキシル基、
好ましくは、2,2,2−トリクロロエチル基および2−クロロエチル基;
炭素原子1〜6個、好ましくは、1〜4個を有するヒドロキシアルキル基、例
えば、2−ヒドロキシエチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、3−ヒドロ
キシプロピル基、3,4−ジヒドロブチル基および4−ヒドロキシブチル基、好
ましくは、2−ヒドロキシエチル基;
アルキル基およびアルコキシ基が、各々、炭素原子1〜6個、好ましくは、1
〜4個を有するアルコキシアルキル基およびアルコキシアルコキシアルキル基、
例えば、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基およ
び2−メトキシエトキシメチル基、好ましくは、メトキシメチル基;
フェナシル基;
アルキル基およびアルコキシ基が、各々、炭素原子1〜6個、好ましくは、1
〜4個を有するアルコキシカルボニルアルキル基、例えば、メトキシカルボニル
メチル基;
アルキル部分が炭素原子1〜6個、好ましくは、1〜4個を有するシアノアル
キル基、例えば、シアノメチル基および2−シアノエチル基;
アルキル部分が炭素原子1〜6個、好ましくは1〜4個を有するアルキルチオ
メチル基、例えば、メチルチオメチル基およびエチルチオメチル基;
アリール部分が6〜10個の環炭素原子を有し、非置換であるか、または、前
記定義および例示の置換基Cから選択される少なくとも1個の置換基によって置
換されているアリールチオメチル基、例えば、フェニルチオメチル基およびナフ
チルチオメチル基;
各アルキル部分が炭素原子1〜6個、好ましくは1〜4個を有し、アルキルス
ルホニル部分が非置換であるか、または少なくとも1個のハロゲン原子によって
置換されているアルキルスルホニルアルキル基、例えば、2−メタンスルホニル
エチル基および2−トリフルオロメタンスルホニルエチル基;
アリール部分が環炭素原子6〜10個を有し、非置換であるか、または、前記
定義および例示の置換基Cから選択される少なくとも1個の置換基によって置換
されており、アルキル部分が炭素原子1〜6個、好ましくは、1〜4個を有する
アリールスルホニルアルキル基、例えば、2−ベンゼンスルホニルエチル基およ
び2−トルエンスルホニルエチル基;
アリール部分が環炭素原子6〜10個を有し、非置換であるか、または、前記
定義および例示の置換基Cから選択される少なくとも1個の置換基によって置換
されており、アルキル部分が炭素原子1〜6個、好ましくは、1〜3個を有する
アラルキル基、例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、ジフェニルメチル基、
トリチル基、6−フェニルヘキシル基、4−メチルベンジル基、2,4,6−トリ
メチルベンジル基、3,4,5−トリメチルベンジル基、4−メトキシベンジル基
、
4−クロロベンジル基および4−ブロモベンジル基、好ましくは、アリール部分
がフェニル基であり、アルキル部分が炭素原子1〜6個、好ましくは、1〜3個
を有するアラルキル基、より好ましくは、ベンジル基、4−メチル−ベンジル基
、4−クロロベンジル基および4−ブロモベンジル基;
アリール基、例えば、R1およびR2によって表される置換アルキル基の置換基
であるアリール基に関する前記定義および例示のもの;
式−SiRaRbRcで示されるシリル基(ここで、お互いに同一であっても異
なってもよい1、2または3個のRa、RbおよびRcは、各々、炭素原子1〜6
個を有するアルキル基(例えば、R1に関して前記例示したもの)を表し、対応
して、2、1または0個のRa、RbおよびRCは、R1およびR2によって表され
る置換アルキル基の置換基であるアリール基に関して前記定義および例示したも
ののようなアリール基を表す)(かかるシリル基の例としては、トリメチルシリ
ル基、トリエチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、t−ブチルジメチ
ルシリル基、メチルジイソプロピルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、
トリイソプロピルシリル基、メチルジフェニルシリル基、イソプロピルジフェニ
ルシリル基、ブチルジフェニルシリル基およびフェニルジイソプロピルシリル基
、好ましくは、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基およびメチル
ジフェニルシリル基が挙げられる);
アルカノイル基およびアルキル基が、各々、炭素原子1〜6個、好ましくは、
アルキル基の場合は1〜4個またはアルカノイル基の場合は1〜5個を有するア
ルカノイルオキシアルキル基、例えば、ホルミルオキシメチル基、アセトキシメ
チル基、プロピオニルオキシメチル基、ブチリルオキシメチル基、ピバロイルオ
キシメチル基、バレリルオキシメチル基、イソバレリルオキシメチル基、ヘキサ
ノイルオキシメチル基、1−ホルミルオキシエチル基、1−アセトキシエチル基
、1−プロピオニルオキシエチル基、1−ブチリルオキシエチル基、1−ピバロ
イルオキシエチル基、1−バレリルオキシエチル基、1−イソバレリルオキシエ
チル基、1−ヘキサノイルオキシエチル基、2−ホルミルオキシエチル基、2−
アセトキシエチル基、2−プロピオニルオキシエチル基、2−ブチリルオキシエ
チ
ル基、2−ピバロイルオキシエチル基、2−バレリルオキシエチル基、2−イソ
バレリルオキシエチル基、2−ヘキサノイルオキシエチル基、1−ホルミルオキ
シプロピル基、1−アセトキシプロピル基、1−プロピオニルオキシプロピル基
、1−ブチリルオキシプロピル基、1−ピバロイルオキシプロピル基、1−バレ
リルオキシプロピル基、1−イソバレリルオキシプロピル基、1−ヘキサノイル
オキシプロピル基、1−アセトキシブチル基、1−プロピオニルオキシブチル基
、1−ブチリルオキシブチル基、1−ピバロイルオキシブチル基、1−アセトキ
シペンチル基、1−プロピオニルオキシペンチル基、1−ブチリルオキシペンチ
ル基、1−ピバロイルオキシペンチル基および1−ピバロイルオキシヘキシル基
、好ましくは、ホルミルオキシメチル基、アセトキシメチル基、プロピオニルオ
キシメチル基、ブチリルオキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、1−ホル
ミルオキシエチル基、1−アセトキシエチル基、1−プロピオニルオキシエチル
基、1−ブチリルオキシエチル基および1−ピバロイルオキシエチル基、より好
ましくは、アセトキシメチル基、プロピオニルオキシメチル基、ブチリルオキシ
メチル基、ピバロイルオキシメチル基、1−アセトキシエチル基、1−プロピオ
ニルオキシエチル基、1−ブチリルオキシエチル基および1−ピバロイルオキシ
エチル基、最も好ましくは、ピバロイルオキシメチル基および1−ピバロイルオ
キシエチル基;
シクロアルカン部分が炭素原子5〜7個、好ましくは、5または6個を有し、
アルキル部分が炭素原子1〜6個、好ましくは、1〜4個を有する(例えば、R1
に関して前記で例示したもの)シクロアルカンカルボニルオキシアルキル基、
例えば、シクロペンタンカルボニルオキシメチル基、シクロヘキサンカルボニル
オキシメチル基、1−(シクロペンタンカルボニルオキシ)エチル基、1−(シク
ロヘキサンカルボニルオキシ)エチル基、1−(シクロペンタンカルボニルオキシ
)プロピル基、1−(シクロヘキサンカルボニルオキシ)プロピル基、1−(シクロ
ペンタンカルボニルオキシ)ブチル基、1−(シクロヘキサンカルボニルオキシ)
ブチル基、シクロヘプタンカルボニルオキシメチル基、1−(シクロヘプタンカ
ルボニルオキシ)エチル基、1−(シクロヘプタンカルボニルオキシ)プロピル基
および(1−シクロヘプタンカルボニルオキシ)ブチル基、好ましくは、シクロペ
ンタンカルボニルオキシメチル基、シクロヘキサンカルボニルオキシメチル基、
1−(シクロペンタンカルボニルオキシ)エチル基および1−(シクロヘキサンカ
ルボニルオキシ)エチル基;
アルキル基およびアルコキシ基が、各々、炭素原子1〜6個、好ましくは、1
〜4個を有するアルコキシカルボニルオキシアルキル基、例えば、メトキシカル
ボニルオキシメチル基、エトキシカルボニルオキシメチル基、プロポキシカルボ
ニルオキシメチル基、イソプロポキシカルボニルオキシメチル基、ブトキシカル
ボニルオキシメチル基、イソブトキシカルボニルオキシメチル基、ペンチルオキ
シカルボニルオキシメチル基、ヘキシルオキシカルボニルオキシメチル基、1−
メトキシカルボニルオキシエチル基、1−エトキシカルボニルオキシエチル基、
1−プロポキシカルボニルオキシエチル基、1−イソプロポキシカルボニルオキ
シエチル基、1−ブトキシカルボニルオキシエチル基、1−イソブトキシカルボ
ニルオキシエチル基、1−エトキシカルボニルオキシプロピル基、1−プロポキ
シカルボニルオキシプロピル基、1−イソプロポキシカルボニルオキシプロピル
基、1−ブトキシカルボニルオキシプロピル基、1−イソブトキカルボニルオキ
シプロピル基、1−ペンチルオキシカルボニルオキシプロピル基、1−ヘキシル
オキシカルボニルオキシプロピル基、1−メトキシカルボニルオキシブチル基、
1−エトキシカルボニルオキシブチル基、1−プロポキシカルボニルオキシブチ
ル基、1−イソプロポキシカルボニルオキシブチル基、1−ブトキシカルボニル
オキシブチル基、1−イソブトキシカルボニルオキシブチル基、1−メトキシカ
ルボニルオキシペンチル基、1−エトキシカルボニルオキシペンチル基、1−メ
トキシカルボニルオキシヘキシル基および1−エトキシカルボニルオキシヘキシ
ル基、好ましくは、メトキシカルボニルオキシメチル基、エトキシカルボニルオ
キシメチル基、プロポキシカルボニルオキシメチル基、イソプロポキシカルボニ
ルオキシメチル基、ブトキシカルボニルオキシメチル基、イソブトキシカルボニ
ルオキシメチル基、1−メトキシカルボニルオキシエチル基、1−エトシカルボ
ニルオキシエチル基、1−プロポキシカルボニルオキシエチル基、1−イソプロ
ポキシカルボニルオキシエチル基、1−ブトキシカルボニルオキシブチル基、1
−ブトキシカルボニルオキシエチル基、1−メトキシカルボニルオキシプロピル
基、1−エトキシカルボニルオキシプロピル基、1−プロポキシカルボニルオキ
シプロピル基、1−イソプロポキシカルボニルオキシプロピル基、1−ブトキシ
カルボニルオキシプロピル基、1−イソブトキシカルボニルオキシプロピル基、
1−メトキシカルボニルオキシブチル基、1−エトキシカルボニルオキシブチル
基、1−プロポキシカルボニルオキシブチル基、1−イソプロポキシカルボニル
オキシブチル基、1−ブトキシカルボニルオキシブチル基および1−イソブトキ
シカルボニルオキシブチル基、より好ましくは、メトキシカルボニルオキシメチ
ル基、エトキシカルボニルオキシメチル基、プロポキシカルボニルオキシメチル
基、イソプロポキシカルボニルオキシメチル基、ブトキシカルボニルオキシメチ
ル基、イソブトキシカルボニルオキシメチル基、1−メトキシカルボニルオキシ
エチル基、1−エトシキシカルボニルオキシエチル基、1−プロポキシカルボニ
ルオキシエチル基、1−イソプロポキシカルボニルオキシエチル基、1−ブトキ
シカルボニルオキシエチル基および1−イソブトキシカルボニルオキシエチル基
、最も好ましくは、メトキシカルボニルオキシメチル基、エトキシカルボニルオ
キシメチル基、イソプロポキシカルボニルオキシメチル基、1−メトキシカルボ
ニルオキシエチル基、1−エトキシカルボニルオキシエチル基および1−イソプ
ロポキシカルボニルオキシエチル基;
シクロアルキル部分が炭素原子5〜7個、好ましくは、5または6個を有し、
アルキル部分が炭素原子1〜6個、好ましくは、1〜4個を有する(例えば、R1
に関して前記で例示したもの)シクロアルキルオキシカルボニルオキシアルキ
ル基、例えば、シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル基、シクロヘキシ
ルオキシカルボニルオキシメチル基、1−(シクロペンチルオキシカルボニルオ
キシ)エチル基、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル基、1−(
シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)プロピル基、1−(シクロヘキシルオキ
シカルボニルオキシ)プロピル基、1−(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ
)ブチル基、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)ブチル基、シク
ロヘプチルオキシカルボニルオキシメチル基、1−(シクロヘプチルオキシカル
ボニルオキシ)エチル基、1−(シクロヘプチルオキシカルボニルオキシ)プロピ
ル基および1−(シクロヘプチルオキシカルボニルオキシ)ブチル基、好ましくは
、シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル基、シクロヘキシルオキシカル
ボニルオキシメチル基、1−(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)エチル基
および1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル基;
アリール部分が環炭素原子6〜10個を有し、非置換であるか、または、前記
定義および例示の置換基Cから選択される少なくとも1個の置換基によって置換
されており、アルキル部分が炭素原子1〜6個、好ましくは、1〜4個を有する
(例えば、R1に関して前記で例示したもの)(5−アリール−または5−アルキ
ル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基、例えば、(5−フ
ェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基、[5−(4−メ
チルフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル基、[5−
(4−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル
基、[5−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イ
ル]メチル基、[5−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン
−4−イル]メチル基、[5−(4−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル
)メチル基、(5−エチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル
基、(5−プロピル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基、(
5−イソプロピル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基およ
び(5−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基、好ま
しくは、(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル
基、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基およ
び(5−エチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基、最も
好ましくは、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチ
ル基;ならびに
フタリジル基。
これらのうち、特に好ましくは、炭素原子1〜4個を有するアルキル基;ベンジ
ル基;メチル基、エチル基、メトキシ基およびエトキシ基ならびにフッ素原子お
よび塩素原子から選択される置換基1〜3個を有する置換ベンジル基;ジフェニ
ルメチル基;ナフチルメチル基;アルカノイル部分が炭素原子1〜5個を有し、
アルキル部分が炭素原子1〜4個を有するアルカノイルオキシアルキル基;シク
ロアルキル部分が5〜7個の環炭素原子を有し、アルキル部分が炭素原子1〜4
個を有するシクロアルカンカルボニルオキシアルキル基;アルコキシ部分および
アルキル部分が、各々、炭素原子1〜4個を有するアルコキシカルボニルオキシ
アルキル基;シクロアルキル部分が環炭素原子5〜7個を有し、アルキル部分が
炭素原子1〜4個を有するシクロアルキルオキシカルボニルオキシアルキル基;
アルキル部分が炭素原子1〜4個を有する(5−フェニル−または5−アルキル
−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基;およびフタリジル基
である。
より好ましいエステル基としては、炭素原子1〜4個を有するアルキル基;ベ
ンジル基;アルカノイル部分が炭素原子1〜5個を有し、アルキル部分が炭素原
子1または2個を有するアルカノイルオキシアルキル基;シクロアルキル部分が
環炭素原子5〜7個を有し、アルキル部分が炭素原子1または2個を有するシク
ロアルカンカルボニルオキシアルキル基;アルコキシ部分が炭素原子1〜4個を
有し、アルキル部分が炭素原子1または2個を有するアルコキシカルボニルオキ
シアルキル基;シクロアルキル部分が環炭素原子5〜7個を有し、アルキル部分
が炭素原子1または2個を有するシクロアルコキシカルボニルオキシアルキル基
;(5−フェニル−、5−メチル−または5−エチル−2−オキソ−1,3−ジオ
キソレン−4−イル)メチル基;およびフタリジル基が挙げられる。
最も好ましいエステル基としては、メチル基、エチル基、ピバロイルオキシメ
チル基、エトキシカルボニルオキシメチル基、1−(エトキシカルボニルオキシ)
エチル基、イソプロポキシカルボニルオキシメチル基、1−(イソプロポキシカ
ルボニルオキシ)エチル基、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−
4−イル)メチル基およびフタリジル基が挙げられる。
カルボキシ基を含有する本発明のこれらの化合物は、塩を形成することもでき
る。かかる塩の例としては、ナトリウム、カリウムまたはリチウムなどのアルカ
リ金属との塩;バリウムまたはカルシウムなどのアルカリ土類金属との塩;マグ
ネシウムまたはアルミニウムなどの他の金属との塩;アンモニウム塩;トリエチ
ルアミン、ジイソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルア
ミンおよびグアニジンとの塩などの有機塩基塩;ならびにリシンまたはアルギニ
ンなどの塩基性アミノ酸との塩が挙げられる。本発明の化合物がその分子中にア
ミノ基などの塩基性基を含有する場合、酸付加塩を形成することができる。かか
る酸付加塩の例としては、無機酸、特に、ハロゲン化水素酸(例えば、フッ化水
素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸または塩酸)、硝酸、炭酸、硫酸またはリン酸
との塩;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸またはエタンスルホ
ン酸などの低級アルキルスルホン酸との塩;ベンゼンスルホン酸またはp−トル
エンスルホン酸などのアリールスルホン酸との塩;酢酸、フマル酸、酒石酸、シ
ュウ酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、マンデリン酸、アスコル
ビン酸、乳酸、グルコン酸またはクエン酸などの有機カルボン酸との塩;および
グルタミン酸またはアスパラギン酸などのアミノ酸との塩が挙げられる。
R4によって表されるアルキル基の例としては、R1に関して前記で例示したア
ルキル基、特に、メチル基およびエチル基が挙げられる。
一般に、本発明の化合物において、R1が水素原子を表し、R2が前記定義と同
じであるものが好ましい。
式−NR1R2で示される好ましい基としては、以下の基が挙げられる:ベンジ
ルアミノ基、(2−、3−または4−メチルベンジル)アミノ基、(2−、3−ま
たは4−メトキシベンジル)アミノ基、(2−、3−または4−フルオロベンジル
)アミノ基、(2−、3−または4−クロロベンジル)アミノ基、フェネチルアミ
ノ基、(2−、3−または4−メチルフェネチル)アミノ基、(2−、3−または
4−メトキシフェネチル)アミノ基、(2−、3−または4−フルオロフェネチル
)アミノ基、(2−、3−または4−クロロフェネチル)アミノ基、(3−フェニル
プロピル)アミノ基、(1−メチル−1−フェニルエチル)アミノ基、[1−メチル
−1−(2−、3−または4−メチルフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−
1−(2−、3−または4−メトキシフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−
1−(2−、3−または4−フルオロフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−
1−(2−、3−または4−クロロフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1
−(2−、3−または4−ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−
1−(2−、3−または4−アミノフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1
−(2−、3−または4−メチルアミノフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル
−1−(2−、3−または4−エチルアミノフェニル)エチル]アミノ基、[1−メ
チル−1−(2−、3−または4−ジメチルアミノフェニル)エチル]アミノ基、[
1−メチル−1−(2−、3−または4−アセトアミドフェニル)エチル]アミノ
基、[1−メチル−1−(2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、3,5
−または3,6−ジメトキシフェニル)エチル]アミノ基、(1,1−ジメチル−2
−フェニルエチル)アミノ基、[1,1−ジメチル-2−(2−、3−または4−メチ
ルフェニル)エチル]アミノ基、[1,1−ジメチル−2−(2−、3−または4ー
メトキシフェニル)エチル]アミノ基、[1,1−ジメチル−2−(2−、3−また
は4−フルオロフェニル)エチル]アミノ基、[1,1−ジメチル−2−(2−、3
−または4−クロロフェニル)エチル]アミノ基、ベンズヒドリルアミノ基、[(2
−、3−または4−),(2'−、3'−または4'−)ジメチルベンズヒドリル]アミ
ノ基、[(2−、3−または4−),(2'−、3'−または4'−)ジメトキシベンズ
ヒドリル]アミノ基、[(2−、3−または4−),(2'−、3'−または4'−)ジフ
ルオロベンズヒドリル]アミノ基、[(2−、3−または4−),(2'−、3'−また
は4'−)ジヒドロキシベンズヒドリル]アミノ基、[(2−、3−または4−),(2
'−、3'−または4'−)ジアミノベンズヒドリル]アミノ基、[(2−、3−また
は4−),(2'−、3'−または4'−)ジ(ジメチルアミノ)ベンズヒドリル]アミノ
基、(2−、3−または4−メチルベンズヒドリル)アミノ基、(2−、3−また
は4−メトキシベンズヒドリル)アミノ基、(2−、3−または4−フルオロベン
ズヒドリル)アミノ基、(2−、3−または4−クロロベンズヒドリル)アミノ基
、(2−、3−または4−ヒドロキシベンズヒドリル)アミノ基、(2−、3−
または4−アミノベンズヒドリル)アミノ基、(2−、3−または4−ジメチルア
ミノベンズヒドリル)アミノ基、(1,1−ジフェニルエチル)アミノ基、(1,2−
ジフェニルエチル)アミノ基、[2−(2−、3−または4−メチルフェニル)−1
−フェニルエチル]アミノ基、[2−(2−、3−または4−メトキシフェニル)−
1−フェニルエチル]アミノ基、[2−(2−、3−または4−クロロフェニル)−
1−フェニルエチル]アミノ基、[1−(2−、3−または4−フルオロフェニル)
−2−(2−、3−または4−フルオロフェニル)エチル]アミノ基、[1−(2−
、3−または4−クロロフェニル)−2−(2−、3−または4−クロロフェニル
)エチル]アミノ基、[1−(2−、3−または4−クロロフェニル)−2−(2−、
3−または4−メトキシフェニル)エチル]アミノ基、[1−(2−、3−または4
−メチルフェニル)−2−(2−、3−または4−メチルフェニル)エチル]アミノ
基、[1−(2−、3−または4−メチルフェニル)エチル]アミノ基、[1−(2−
、3−または4−ヒドロキシフェニル)−2−(2−、3−または4−ヒドロキシ
フェニル)エチル]アミノ基、[1−(2−、3−または4−アミノフェニル)−2
−(2−、3−または4−アミノフェニル)エチル]アミノ基、[1−(2−、3−
または4−ジメチルアミノフェニル)−2−(2−、3−または4−ジメチルアミ
ノフェニル)エチル]アミノ基、[2−(2−、3−または4−フルオロフェニル)
−1−(2−、3−または4−メチルフェニル)エチル]アミノ基、[2−(2−、
3−または4−フルオロフェニル)−1−(2−、3−または4−メトキシフェニ
ル)エチル]アミノ基、[2−(2−、3−または4−ヒドロキシフェニル)−1−
フェニルエチル]アミノ基、[2−(2−、3−または4−アミノフェニル)−1−
フェニルエチル]アミノ基、[2−(2−、3−または4−ジメチルアミノフェニ
ル)−1−フェニルエチル]アミノ基、[1−(2−、3−または4−メトキシフェ
ニル)−2−フェニルエチル)アミノ基、(1−メチル−1,2−ジフェニルエチル
)アミノ基、(2,2−ジフェニルエチル)アミノ基、[2−(2−、3−または4−
メチルフェニル)−2−(2−、3−または4−メチルフェニル)エチル]アミノ基
、(1−ベンジル−4−フェニルブチル)アミノ基、(1,1−ジフェニルエチル)
アミノ基、[1−(2−、3−または4−フルオロフェニル)−1−(2−、3−ま
たは4
−フルオロフェニル)エチル]アミノ基、[1−(2−、3−または4−メチルフェ
ニル)−1−(2−、3−または4−メチルフェニル)エチル]アミノ基、[1−(2
−、3−または4−メトキシフェニル)−1−(2−、3−または4−メチルフェ
ニル)エチル]アミノ基、[1−(2−、3−または4−ヒドロキシフェニル)−1
−フェニエチル]アミノ基、[1−(2−、3−または4−アミノフェニル)−1−
フェニルエチル]アミノ基、[1−(2−、3−または4−ジメチルアミノフェニ
ル)−1−フェニルエチル]アミノ基、トリチルアミノ基、[(2−、3−または4
−),(2'−、3'−または4'−),(2"−、3"−または4"−)トリメチルトリチ
ル]アミノ基、[(2−、3−または4−),(2'−、3'−または4'−),(2"−、
3"−または4"−)トリフルオロトリチル]アミノ基、(1−ベンジル−2−フェ
ニルエチル)アミノ基、[1−(2−、3−または4−フルオロベンジル)−2−(
2−、3−または4−フルオロフェニル)エチル]アミノ基、(1−ベンジル−1
−メチル−2−フェニルエチル)アミノ基、[1−(2−、3−または4−クロロ
ベンジル)−2−(2−、3−または4−クロロフェニル)エチル]アミノ基、[1
−(2−、3−または4−フルオロベンジル)−2−(2−、3−または4−フル
オロフェニル)−1−メチルエチル]アミノ基、[1−メチル−2−(2−、3−ま
たは4−メチルフェニル)−3−(2−、3−または4−メチルフェニル)プロピ
ル]アミノ基、[2−,(2−、3−または4−フルオロフェニル)−3−(2−、3
−または4−フルオロフェニル)−1−メチルプロピル]アミノ基、(1,3−ジフ
ェニルプロピル)アミノ基、[1−(2−、3−または4−メチルフェニル)−3−
(2−、3−または4−メチルフェニル)プロピル]アミノ基、[1−(2−、3−
または4−メトキシフェニル)−3−(2−、3−または4−メトキシフェニル)
プロピル]アミノ基、(1,4−ジフェニルブチル)アミノ基、[1−(2−、3−ま
たは4−クロロフェニル)−4−(2−、3−または4−クロロフェニル)ブチル]
アミノ基、[1−(2−、3−または4−メトキシフェニル)−4−(2−、3−ま
たは4−メトキシフェニル)ブチル]アミノ基、(1−メチル−3,3−ジフェニル
プロピル)アミノ基、[3−(2−、3−または4−フルオロフェニル)−3−(2
−、3−または4−フルオロフェニル)−1−メチルプロピル]アミノ基、[1−
メチル−3−(2−、3−または4−メチルフェニル)−3−(2−、3−または
4−メチルフェニル)プロピル]アミノ基、N−ベンジル−N−メチルアミノ基、
N−ベンジル−N−エチルアミノ基、N−ベンジル−N−イソプロピルアミノ基
、N−ベンジル−N−イソブチルアミノ基、N−ベンジル−N−t−ブチルアミ
ノ基、N−(2−、3−または4−フルオロベンジル)−N−イソプロピルアミノ
基、N−(2−、3−または4−クロロベンジル)−N−イソプロピルアミノ基、
N−(2−、3−または4−メチルベンジル)−N−イソプロピルアミノ基、N−
(2−、3−または4−メトキシベンジル)−N−イソプロピルアミノ基、N−(
2−、3−または4−ヒドロキシベンジル)−N−イソプロピルアミノ基、N,N
−ジベンジルアミノ基、N−ベンジル−N−(2−、3−または4−メトキシベ
ンジル)アミノ基、N−(2−、3−または4−フルオロベンジル)−N−(2−、
3−または4−フルオロベンジル)アミノ基、N−(2−、3−または4−メチル
ベンジル)−N−(2−、3−または4−メチルベンジル)アミノ基、N−(2−、
3−または4−メトキシベンジル)−N−(2−、3−または4−メトキシベンジ
ル)アミノ基、N−(2−、3−または4−ヒドロキシベンジル)−N−(2−、3
−または4−ヒドロキシベンジル)アミノ基、N−(2−、3−または4−アミノ
ベンジル)−N−(2−、3−または4−アミノベンジル)アミノ基、N−(2−、
3−または4−ジメチルアミノベンジル)−N−(2−、3−または4−ジメチル
アミノベンジル)アミノ基、N−ベンジル−N−フェニルエチルアミノ基、N−
ベンジル−N−(1−フェニルエチル)アミノ基、N−ベンジル−N−(1−メチ
ル−1−フェニルエチル)アミノ基、N,N−ジフェニルエチルアミノ基、N,N
−ビス(1−フェニルエチル)アミノ基、N−ベンジル−N−(3−フェニルプロ
ピル)アミノ基、(2−または3−フリルメチル)アミノ基、(2−または3−チエ
ニルメチル)アミノ基、(2−、3−または4−ピリジルメチル)アミノ基、(2−
または5−メチル−2−または3−フリルメチル)アミノ基、(2−または5−メ
チル−2−または3−チエニルメチル)アミノ基、[2−(2−または3−フリル)
エチル]アミノ基、[2−(2−または3−チエニル)エチル]アミノ基、[3−(2
−または3−フリル)プロピル]アミノ基、[3−(2−または3−チエニル)プロ
ピル]
アミノ基、[ビス(2−または3−フリル)メチル]アミノ基、[ビス(2−または3
−チエニル)メチル]アミノ基、[1,1−ビス(2−または3−フリル)エチル]ア
ミノ基、[1,1−ビス(2−または3−チエニル)エチル]アミノ基、[(2−また
は5−メチル−2−または3−フリルメチル),(2−または5−メチル−2−ま
たは3−フリルメチル]アミノ基、[2−または5−メチル−2−または3−チエ
ニルメチル),(2−または5−メチル−2−または3−チエニルメチル]アミノ基
、[1−(2−または3−フリル)−1−メチルエチル]アミノ基、[1−(2−また
は3−チエニル)−1−メチルエチル]アミノ基、[1−(2−または5−メチル−
2−または3−チエニル)−1−メチルエチル]アミノ基、[1−(2−または3−
フリル)−2−(2−または3−フリル)エチル]アミノ基、[1−(2−または5−
メチル−2−または3−フリル)−1−メチルエチル]アミノ基、[1−(2−また
は3−チエニル)−2−(2−または3−チエニル)エチル]アミノ基、[1−(2−
または3−フリル)−2−フェニルエチル]アミノ基、[1−(2−または3−フリ
ル)−2−(2−、3−または4−メチルフェニル)エチル]アミノ基、[2−フェ
ニル−1−(2−または3−チエニル)エチル]アミノ基、[2−(2−、3−また
は4−メチルフェニル)−1−(2−または3−チエニル)エチル]アミノ基、[2
−(2−、3−または4−クロロフェニル)−1−(2−または3−チエニル)エチ
ル]アミノ基、[2−(2−、3−または4−フルオロフェニル)−1−(2−また
は3−チエニル)エチル]アミノ基、[2−(2−、3−または4−メトキシフェニ
ル)−1−(2−または3−チエニル)エチル]アミノ基、N−(2−または3−フ
リルメチル)−N−(2−または3−フリルメチル)アミノ基、N−(2−または3
−フリルメチル)アミノ基、N−(2−または3−チエニルメチル)−N−(2−ま
たは3−チエニルメチル)アミノ基、[1−(2−、3−または4−フルオロフェ
ニル)−2−(2−または3−チエニル)エチル]アミノ基、N−ベンジル−N−(
2−または3−フリルメチル)アミノ基、N−ベンジル−N−(2−または3−チ
エニルメチル)アミノ基、(2−ヒドロキシ−1,2−ジフェニルエチル)アミノ基
、N',N'−ジフェニルヒドラジノ基、N'−(2−、3−または4−メチルフェ
ニル)−N'−フェニルヒドラジノ基、N'−(2−、3−または4−メトキシフェ
ニル)−
N'−フェニルヒドラジノ基、N'−(2−、3−または4−クロロフェニル)−N
'−フェニルヒドラジノ基、N'−(2−、3−または4−フルオロフェニル)−N
'−フェニルヒドラジノ基、N'−(2−、3−または4−ヒドロキシフェニル)−
N'−フェニルヒドラジノ基、N'−(2−、3−または4−アミノフェニル)−N
'−フェニルヒドラジノ基、N'−(2−、3−または4−ジメチルアミノフェニ
ル)−N'−フェニルヒドラジノ基、N'−(2−、3−または4−アセトアミドフ
ェニル)−N'−フェニルヒドラジノ基、N'−(2−、3−または4−メチルフェ
ニル)−N'−(2−、3−または4−メチルフェニル)ヒドラジノ基およびN'−(
2−、3−または4−メトキシフェニル)−N'−(2−、3−または4−メトキ
シフェニル)ヒドラジノ基。
式−NR1R2で示されるより好ましい基としては、以下の基が挙げられる:
(1−メチル−1−フェニルエチル)アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−ま
たは4−メチルフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−また
は4−メトキシフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−また
は4−フルオロフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−また
は4−クロロフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−または
4−ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−また
は4−アミノフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−または
4−ジメチルアミノフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−
または4−アセトアミドフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2,3
−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、3,5−または3,6−ジメトキシフ
ェニル)エチル]アミノ基、(1,1−ジメチル−2−フェニルエチル)アミノ基、
ベンズヒドリルアミノ基、[(2−、3−または4−),(2'−、3'−または4'−
)ジメチルベンズヒドリル]アミノ基、[(2−、3−または4−),(2'一、3'−
または4'−)ジメトキシベンズヒドリル]アミノ基、[(2−、3−または4−),(
2'−、3'−または4'−)ジフルオロベンズヒドリル]アミノ基、[(2−、3−
または4−),(2'一、3'−または4'−)ジヒドロキシベンズヒドリル]アミノ基
、[(2−、3−または4−),(2'−、3'−または4'−)ジアミノベンズヒドリ
ル]
アミノ基、[(2−、3−または4−),(2'−、3'−または4'−)ジ(ジメチルア
ミノ)ベンズヒドリル]アミノ基、(2−、3−または4−メチルベンズヒドリル)
アミノ基、(2−、3−または4−メトキシベンズヒドリル)アミノ基、(2−、
3−または4−フルオロベンズヒドリル)アミノ基、(2−、3−または4−クロ
ロベンズヒドリル)アミノ基、(2−、3−または4−ヒドロキシベンズヒドリル
)アミノ基、(2−、3−または4−アミノベンズヒドリル)アミノ基、(2−、3
−または4−ジメチルアミノベンズヒドリル)アミノ基、(1,1−ジフェニルエ
チル)アミノ基、(1,2−ジフェニルエチル)アミノ基、[2−(2−、3−または
4−クロロフェニル)−1−フェニルエチル]アミノ基、[2−(2−、3−または
4−フルオロフェニル)−1−フェニルエチル]アミノ基、[2−(2−、3−また
は4−メチルフェニル)−1−フェニルエチル]アミノ基、[2−(2−、3−また
は4−メトキシフェニル)−1−フェニルエチル]アミノ基、[1−(2−、3−ま
たは4−フルオロフェニル)−2−(2−、3−または4−フルオロフェニル)エ
チル]アミノ基、[1−(2−、3−または4−クロロフェニル)−2−(2−、3
−または4−クロロフェニルエチル]アミノ基、[1−(2−、3−または4−ク
ロロフェニル)−2−(2−、3−または4−メトキシフェニル)エチル]アミノ基
、[1−(2−、3−または4−メチルフェニル)−2−(2−、3−または4−メ
チルフェニル)エチル]アミノ基、[1−(2−、3−または4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−(2−、3−または4−ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ基、[1−(
2−、3−または4−アミノフェニル)−2−(2−、3−または4−アミノフェ
ニル)エチル]アミノ基、[1−(2−、3−または4−ジメチルアミノフェニル)
−2−(2−、3−または4−ジメチルアミノフェニル)エチル]アミノ基、[2−
(2−、3−または4−フルオロフェニル)−1−(2−、3−または4−メチル
フェニル)エチル]アミノ基、[2−(2−、3−または4−フルオロフェニル)−
1−(2−、3−または4−メトキシフェニル)エチル]アミノ基、[2−(2−、
3−または4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエチル]アミノ基、[2−(2
−、3−または4−アミノフェニル)−フェニルエチル]アミノ基、[2−(2−、
3−または4−ジメチルアミノフェニル)−1−フェニルエチル]アミノ基、[1
−(2−、3−または4−メトキシフェニル)−2−フェニルエチル]アミノ基、(
1−メチル−1,2−ジフェニルエチル)アミノ基、(2,2−ジフェニルエチル)
アミノ基、(1,1−ジフェニルエチル)アミノ基、[1−(2−、3−または4−
フルオロフェニル)−1−(2−、3−または4−フルオロフェニル)エチル]アミ
ノ基、[1−(2−、3−または4−メチルフェニル)エチル]アミノ基、[1−(2
−、3−または4−メトキシフェニル)−1−(2−または4−メトキシフェニル
)アミノ基、[1−(2−、3−または4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエ
チル]アミノ基、[1−(2−、3−または4−アミノフェニル)−1−フェニルエ
チル]アミノ基、[1−(2−、3−または4−ジメチルアミノフェニル)−1−フ
ェニルエチル]アミノ基、トリチルアミノ基、(1−ベンジル−2−フェニルエチ
ル)アミノ基、(1−ベンジル−1−メチル−2−フェニルエチル)アミノ基、N
−ベンジル−N−メチルアミノ基、N−ベンジル−N−エチルアミノ基、N−ベ
ンジル−N−イソプロピルアミノ基、N−ベンジル−N−イソブチルアミノ基、
N−ベンジル−N−t−ブチルアミノ基、N−(2−、3−または4−フルオロベ
ンジル)−N−イソプロピルアミノ基、N−(2−、3−または4−クロロベンジ
ル)一N−イソプロピルアミノ基、N−(2−、3−または4−メチルベンジル)
−N−イソプロピルアミノ基、N−(2−、3−または4−メトキシベンジル)−
N−イソプロピルアミノ基、N−(2−、3−または4−ヒドロキシベンジル)−
N−イソプロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基、N−ベンジル−N−(
2−、3−または4−メトキシベンジル)アミノ基、N−(2−、3−または4−
フルオロベンジル)−N−(2−、3−または4−フルオロベンジル)アミノ基、
N−(2−、3−または4−メチルベンジル)−N−(2−、3−または4−メチ
ルベンジル)アミノ基、N−(2−、3−または4−メトキシベンジル)−N−(2
−、3−または4−メトキシベンジル)アミノ基、N−(2−、3−または4−ヒ
ドロキシベンジル)−N−(2−、3−または4−ヒドロキシベンジル)アミノ基
、N−(2−、3−または4−アミノベンジル)−N−(2−、3−または4−ア
ミノベンジル)アミノ基、N−(2−、3−または4−ジメチルアミノベンジル)
−N−(2−、3−または4−ジメチルアミノベンジル)アミノ基、[ビス(2−ま
たは3−フリ
ル)メチル]アミノ基、[ビス(2−または3−チエニル)メチル]アミノ基、[1,1
−ビス(2−または3−チエニル)エチル]アミノ基、[2−または5−メチル−2
−または3−チエニル),(2−または5−メチル−2−または3−チエニル)メチ
ル]アミノ基、[1−(2−または3−チエニル)−1−メチルエチル]アミノ基、[
1−(2−または5−メチル−2−または3−チエニル)−1−メチルエチル]ア
ミノ基、[1−(2−または3−フリル)−1−メチルエチル]アミノ基、[1−(2
−または5−メチル−2−または3−フリル)−1−メチルエチル]アミノ基、[
1−(2−または3−フリル)−2−(2−または3−フリル)エチル]アミノ基、[
1−(2−または3−フリル)−1−メチルエチル]アミノ基、[1−(2−または
3−チエニル)−2−(2−または3−チエニル)エチル]アミノ基、[1−(2−ま
たは3−フリル)−2−フェニルエチル]アミノ基、[2−フェニル−1−(2−ま
たは3−チエニル)エチル]アミノ基、[1−フェニル−2−(2−または3−チエ
ニル)エチル]アミノ基、[2−(2−、3−または4−メチルフェニル)−1−(2
−または3−チエニル)エチル]アミノ基、[2−(2−、3−または4−クロロフ
ェニル)−1−(2−または3−チエニル)エチル]アミノ基、[2−(2−、3−ま
たは4−フルオロフェニル)−1−(2−または3−チエニル)エチル]アミノ基、
[2−(2−、3−または4−メトキシフェニル)−1−(2−または3−チエニル
)エチル]アミノ基、N−(2−または3−チエニルメチル)−N−(2−または3
−チエニルメチル)アミノ基、[1−(2−、3−または4−フルオロフェニル)−
2−(2−または3−チエニル)エチル]アミノ基、N',N'−ジフェニルヒドラジ
ノ基、N'−(2−、3−または4−メチルフェニル)−N'−フェニルヒドラジノ
基、N'−(2−、3−または4−メトキシフェニル)−N'−フェニルヒドラジノ
基、N'−(2−、3−または4−クロロフェニル)−N'−フェニルヒドラジノ基
、N'−(2−、3−または4−フルオロフェニル)−N'−フェニルヒドラジノ基
、N'−(2−、3−または4−ヒドロキシフェニル)−N'−フェニルヒドラジノ
基、N'−(2−、3−または4−アミノフェニル)−N'−フェニルヒドラジノ、
N'−(2−、3−または4−ジメチルアミノフェニル)−N'−フェニルヒドラジ
ノ基、N'−(2−、3−または4−アセトアミドフェニル)−N'−フェニルヒド
ラ
ジノ基、N'−(2−、3−または4−メチルフェニル)−N'−(2−、3−また
は4−メチルフェニル)ヒドラジノおよびN'−(2−、3−または4−メトキシ
フェニル)−N'−(2−、3−または4−メトキシフェニル)ヒドラジノ基。
式−NR1R2で示されるさらに好ましい基としては、以下の基が挙げられる:
(1−メチル−1−フェニルエチル)アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−ま
たは4−メチルフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−また
は4−メトキシフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(3,4−または
3,5−ジメトキシフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−
または4−フルオロフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−
または4−クロロフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−ま
たは4−ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−
または4−ジメチルアミノフェニル)エチル]アミノ基、(1,1−ジメチル−2−
フェニルエチル)アミノ基、ベンズヒドリルアミノ基、[(2−、3−または4−)
,(2'−、3'−または4'−)ジメチルベンズヒドリル]アミノ基、[(2−、3−
または4−),(2'−、3'−または4'−)ジメトキシベンズヒドリル]アミノ基、
[(2−、3−または4−),(2'−、3'−または4'−)ジフルオロベンズヒドリ
ル]アミノ基、[(2−、3−または4−),(2'−、3'−または4'−)ジクロロベ
ンズヒドリル]アミノ基、[(2−、3−または4−),(2'−、3'−または4'−)
ジクロロベンズヒドリル]アミノ基、(2−、3−または4−メチルベンズヒドリ
ル)アミノ基、(2−、3−または4−メトキシベンズヒドリル)アミノ基、(2−
、3−または4−フルオロベンズヒドリル)アミノ基、(2−、3−または4−ク
ロロベンズヒドリル)アミノ基、(2−、3−または4−ヒドロキシベンズヒドリ
ル)アミノ基、(2−、3−または4−ジメチルアミノベンズヒドリル)アミノ基
、(1,1−ジフェニルエチル)アミノ基、(1,2−ジフェニルエチル)アミノ基、
[2−(2−、3−または4−クロロフェニル)−1−フェニルエチル]アミノ基、
[2−(2−、3−または4−フルオロフェニル)−1−フェニルエチル]アミノ基
、[2−(2−、3−または4−メチルフェニル)−1−フェニルエチル]アミノ基
、[2−(2−、3−または4−メトキシフェニル)−1−フェニルエチル]アミノ
基、
N,N−ジベンジルアミノ基、N−(2−、3−または4−フルオロベンジル)−
N−(2−、3−または4−フルオロベンジル)アミノ基、N−(2−、3−また
は4−メチルベンジル)−N−(2−、3−または4−メチルベンジル)アミノ基
、N−(2−、3−または4−メトキシベンジル)−N−(2−、3−または4−
メトキシベンジル)アミノ基、[1−(2−または3−チエニル)−1−(2−また
は3−チエニル)メチル]アミノ基、[2−フェニル−1−(2−または3−チエニ
ル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−または3−チエニル)エチル]アミ
ノ基、[1−メチル−1−(2−または5−メチル−2−または3−チエニル)エ
チル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−または3−フリルエチル]アミノ基、[
1−メチル−1−(2−または5−メチル−2−フリル)エチル]アミノ基、N',
N'−ジフェニルヒドラジノ基、N'−(2−、3−または4−メトキシフェニル)
−N−フェニルヒドラジノ基、N'−(2−、3−または4−フルオロフェニル)
−N'−フェニルヒドラジノ基およびN'−(2−、3−または4−メトキシフェ
ニル)−N'−(2−、3−または4−メトキシフェニル)ヒドラジノ基。
式−NR1R2で示される最も好ましい基としては、以下の基が挙げられる:
(1−メチル−1−フェニルエチル)アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−ま
たは4−メチルフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−また
は4−メトキシフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(3,4−または
3,5−ジメトキシフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−
または4−フルオロフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−
または4−クロロフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−ま
たは4−ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−、3−
または4−ジメチルアミノフェニル)エチル]アミノ基、(1,1−ジメチル−2−
フェニルエチル)アミノ基、ベンジルアミノ基、N−メチル−N−ベンジルアミ
ノ基、1,1−ジフェニルメチルアミノ基、N−アダマンチルアミノ基、ベンズ
ヒドリルアミノ基、[(2−、3−または4−),(2'−、3'−または4'−)ジメ
チルベンズヒドリル]アミノ基、[(2−、3−または4−),(2'−、3'−または
4'−)ジメトキシベンズヒドリル]アミノ基、[(2−、3−または4−),(2'−
、
3'−または4'−)ジフルオロベンズヒドリル]アミノ基、[(2−、3−または4
−),(2'−、3'一または4'−)ジクロロベンズヒドリル]アミノ基、(2−、3
−または4−メチルベンズヒドリル)アミノ基、(2−、3−または4−メトキシ
ベンズヒドリル)アミノ基、(2−、3−または4−ヒドロキシベンズヒドリル)
アミノ基、(1,1−ジフェニルエチル)アミノ基、[1−メチル−1−(2−また
は3−チエニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−または5−メチル−
2−または3−チエニル)エチル]アミノ基、[1−メチル−1−(2−または3−
フリルエチル]アミノおよび[1−メチル−1−(2−または5−メチル−2−ま
たは3−フリル)エチル]アミノ基。
本発明の化合物は、置換基の性質に依存して、それらの分子中に1個以上の不
斉炭素原子を含有し、この場合、光学異性体を形成することができる。本明細書
においては、これらは、全て、単一の分子式によって表されるが、本発明は、個
々の単離された異性体およびそのラセミ化合物を含む混合物の両方を含む。立体
特異的合成技術を用いるか、出発物質として光学活性化合物を用いる場合、個々
の異性体は、直接製造され;一方、異性体の混合物が製造される場合、個々の異
性体は、慣用の分割技術によって得られる。
17位の置換基がα位である化合物も本発明の範囲内に含まれる。
本発明の化合物の好ましいクラスは、
(A)R1が、
水素原子;
炭素原子3個を有するアルキル基;
ベンジル基;
炭素原子1〜4個を有するアルキル基、炭素原子1〜4個を有するアルコキシ
基、ハロゲン原子、アミノ基、炭素原子1〜4個を有するアルキルアミノ基、各
アルキル部分が炭素原子1〜4個を有するジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、
炭素原子2〜5個を有するアルコキシカルボニル基および炭素原子1〜5個を有
する脂肪族アシルアミノ基から選択される少なくとも1個の置換基を有する置換
ベンジル基;
フリルメチル基;または
チエニルメチル基
を表し、
(B)R2が
炭素原子1〜4個を有し、フェニル基、置換フェニル基、チエニル基、フリル
基、置換チエニル基および置換フリル基から選択される置換基1または2個によ
って置換されている置換アルキル基(ここで、フェニル基の置換基は、炭素原子
1〜4個を有するアルキル基、炭素原子1〜4個を有するアルコキシ基、ハロゲ
ン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、炭素原子1〜4個を有するアルキルアミノ基
、各アルキル部分が炭素原子1〜4個を有するジアルキルアミノ基、炭素原子2
〜5個を有するアルコキシカルボニル基および炭素原子1〜5個を有する脂肪族
アシルアミノ基から選択され、チエニルおよびフリル基の置換基は、炭素原子1
〜4個を有するアルキル基から選択される);または
アリール部分が、環炭素原子6〜10個を有し、非置換であるか、または炭素
原子1〜4個を有するアルキル基、炭素原子1〜4個を有するアルコキシ基、ハ
ロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、炭素原子1〜4個を有するアルキルアミ
ノ基、各アルキル部分が炭素原子1〜4個を有するジアルキルアミノ基、炭素原
子2〜5個を有するアルコキシカルボニル基および炭素原子1〜5個を有する脂
肪族アシルアミノ基から選択される少なくとも1個の置換基によって置換される
炭素環式芳香族基であるジアリールアミノ基
を表し、
(C)R3が、
カルボキシ基;
炭素原子2〜5個を有するアルコキシカルボニル基;
メチル基、エチル基、メトキシ基およびエトキシ基ならびにフッ素原子および
塩素原子から選択される少なくとも1個の置換基を有する置換ベンジルオキシカ
ルボニル;
ナフチルメトキシカルボニル基;
ジフェニルメトキシカルボニル基;
アルカノイル部分が炭素原子1〜5個を有し、アルコキシ部分が炭素原子1〜
4個を有するアルカノイルオキシアルコキシカルボニル基;
シクロアルカン部分が炭素原子5〜7個を有し、アルコキシ部分が炭素原子1
〜4個を有するシクロアルカンカルボニルオキシアルコキシカルボニル基;
各アルコキシ部分が炭素原子1〜4個を有するアルコキシカルボニルオキシア
ルコキシカルボニル基;
シクロアルキル部分が炭素原子5〜7個を有し、アルコキシ部分が炭素原子1
〜4個を有するシクロアルキルオキシカルボニルオキシアルコキシカルボニル基
;
アルキル部分が炭素原子1〜4個を有する(5−フェニル−または5−アルキ
ル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)−メトキシカルボニル基;
フタリジルオキシカルボニル基;または
式−CONHSO2R4で示される基(ここで、R4は、炭素原子1〜4個を有
するアルキル基を表す)
を表す式(I)で示される化合物ならびにその塩、エステルおよび他の機能的誘導
体である。
本発明のより好ましい化合物は、
(D)R1が
水素原子;
イソプロピル基;
ベンジル基;
メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシ基、エトキシカル
ボニル基、メトキシカルボニル基、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基
、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ホルムアミド基およびアセトアミド基
ならびにフッ素原子、塩素原子および臭素原子から選択される少なくとも1個の
置換基を有する置換ベンジル基;または
チエニルメチル基
を表し、
(E)R2が、
炭素原子1〜4個を有し、以下の置換基:
フェニル基;
メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシ基、メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミ
ノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ホルムアミド基およびアセトアミ
ド基ならびにフッ素原子、塩素原子および臭素原子から選択される少なくとも1
個の置換基を有する置換フェニル基;
フリル基;
メチル置換フリル基;
チエニル基
から選択される1または2個の置換基を有する置換アルキル基;
ジフェニルアミノ基;または
メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシ基、メトキシカル
ボニル基、エトキシカルボニル基、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基
、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ホルムアミド基およびアセトアミド基
ならびにフッ素原子、塩素原子および臭素原子から選択される少なくとも1個の
置換基を有する置換ジフェニルアミノ基を表し、
(F)R3が、
カルボキシ基;
炭素原子2〜5個を有するアルコキシカルボニル基;
ベンジルオキシカルボニル基;
アルカノイル部分が炭素原子1〜5個を有し、アルコキシ部分が炭素原子また
は2個を有するアルカノイルオキシアルコキシカルボニル基;
炭素原子2〜5個を有するアルコキシカルボニルオキシ基によって置換されて
いるメトキシカルボニル基またはエトキシカルボニル基;
シクロアルキル部分が炭素原子5〜7個を有し、アルコキシ部分が炭素原子1
また2個を有するシクロアルキルオキシカルボニルオキシアルコキシカルボニル
基;
(5−フェニル−、5−メチル−または5−エチル−2−オキソ−1,3−ジオ
キソレン−4−イル)メトキシカルボニル基;
フタリジルオキシカルボニル基;または
式−CONHSO2R4で示される基(ここで、R4は、メチル基またはエチル
基を表す)
を表す式(I)で示される化合物ならびにその塩、エステルおよび他の機能的誘導
体である。
本発明のさらに好ましい化合物は、
(G)R1およびR2が、独立して、ベンジル基ならびにメチル基、メトキシ基
、ビドロキシ基およびアセトアミド基およびフッ素原子および塩素原子から選択
される少なくとも1個の置換基を有する置換ベンジル基から選択されるか、また
は
(H)R1が水素原子を表し、R2が
炭素原子1〜4個を有し、以下の置換基:
フェニル基;
メチル基、メトキシ基、ヒドロキシ基、ジメチルアミノ基およびアセトア
ミド基およびフッ素原子および塩素原子から選択される少なくとも1個の置換基
を有する置換フェニル基;
フリル基およびチエニル基
から選択される1または2個の置換基を有する置換アルキル基;
ジフェニルアミノ基;または
メチル基、メトキシ基、ヒドロキシ基、ジメチルアミノ基およびアセトアミド
基およびフッ素原子および塩素原子から選択される少なくとも1個の置換基を有
する置換ジフェニルアミノ基
を表し、
(I)R3が、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基
、ピバロイルオキシメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、1−(エト
キシカルボニルオキシ)エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニルオキ
シ
メトキシカルボニル基、1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エトキシカルボ
ニル基、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシ
カルボニル基、フタリジルオキシカルボニル基または式−CONHSO2R4で示
される基(ここで、R4は、メチル基を表す)を表す式(I)で示される化合物な
らびにその塩、エステルおよび他の機能的誘導体である。
本発明の最も好ましい化合物は、
(J)R1が水素原子を表し、R2が、アダマンチル、または炭素原子1〜3個
を有し、以下の置換基:
フェニル基;ベンジル基;メチル基、メトキシ基およびヒドロキシ基なら
びにフッ素原子および塩素原子から選択される少なくとも1個の置換基を有する
置換フェニル基;
フリル基およびチエニル基
から選択される1または2個の置換基で置換されているアルキル基を表し、
(K)R3が、カルボキシ基、メトキシカルボニル基またはエトキシカルボニ
ル基を表し、
(L)R2が、前記定義のアリール基および前記定義の芳香族複素環式基から
選択される少なくとも1個の置換基を有する2−ヒドロキシイソプロピル基また
は1−カルボキシエチル基を表す式(I)で示される化合物ならびにその塩、エス
テルおよび他の機能的誘導体である。
本発明の化合物の特定の例としては、R1、R2およびR3が下記第1表に示さ
れるとおりである式(I)で示される化合物が挙げられる。表中、以下の略語を用
いる:
Ac アセチル
Bu ブチル
Bz ベンジル
Bzhy ベンズヒドリル
Et エチル
Fur フリル
Me メチル
Mod (5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル
Ph フェニル
Phth フタリジル
Piv ピバロイル
Pr プロピル
iPr イソプロピル
Thi チエニル
これらのうち、好ましい化合物は、化合物番号1、2、4、5、8、9、12
、14、17、19、22、27、28、29、31、33、45、48、50
、64、66、67、69、73、76、78、79、82、86、88、12
7、130、140、142、149、152、157、159、166、16
8、178、180、182、190、191、192、193、194、19
5、196、197、200、201、202、203、204および205で
あり、より好ましい化合物は、化合物番号1、2、4、5、12、14、22、
27、
28、31、64、66、67、76、78、127、142、145、149
、159、166、178、190、192、194、195、197、200
、201、202、203、204および205である。
最も好ましい化合物は、以下の化合物番号である。
1.17−[N−(1,2−ジフェニルエチル)カルバモイル]エストラ−1,3,
5(10)−トリエン−カルボン酸;
2.17−[N−(ジフェニルメチル)カルバモイル]エストラ−1,3,5(10)
−トリエン−カルボン酸;
14.17−[N−(4,4'−ジメトキシベンズヒドリル)カルバモイル]エスト
ラ−1,3,5(10)−トリエン−カルボン酸;
66.17−[N−(1−メチル−1−フェニルエチル)カルバモイル]エストラ
−1,3,5(10)−トリエン−カルボン酸;
67.17−{N−[1−メチル−1−(2−チエニル)エチル]カルバモイル}エ
ストラ−1,3,5(10)−トリエン−カルボン酸;
78.17−{N−[1−(4−フルオロフェニル)−1−メチルエチル]カルバ
モイル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−カルボン酸;
127.17β−[N−(4−ヒドロキシベンズヒドリル)カルバモイル]エスト
ラ−1,3,5(10)−トリエン−カルボン酸;
149.17−{N−[1−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]
カルバモイル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−カルボン酸;
159.17−[N−(ジフェニルアミノ)カルバモイル]エストラ−1,3,5(
10)−トリエン−カルボン酸;
166.17−{N−[1−(3−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]カル
バモイル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−カルボン酸;
168.17−{N−[1−(2−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]カル
バモイル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−カルボン酸;
178.17−[N−(α,α−ジメチルフルフリル)カルバモイル]エストラ−
1,3,5(10)−トリエン−カルボン酸;
190.17−{N−[1−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−1−メチ
ルエチル]カルバモイル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−カルボン酸;
192.17−{N−[1−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチル]
カルバモイル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−カルボン酸;
194.17−{N−[1−(4−エトキシフェニル)−1−メチルエチル]カル
バモイル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−カルボン酸;
200.17−{N−[1−メチル−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エ
チル]カルバモイル}エストラ−1,3,5(10)−トリエン−カルボン酸;
202.17β−(N−ベンジルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(10)−
トリエン−3−カルボン酸;
203.17β−(N−ジフェニルメチルカルバモイル)−エストラ−1,3,5
(10)−トリエン−3−カルボン酸;
204.17β−(N−アダマンチルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(1
0)−トリエン−3−カルボン酸;
205.17β−(N−メチル−N−ベンジルカルバモイル)−エストラ−1,
3,5(10)−トリエン−3−カルボン酸;
ならびに、その医薬的に許容される塩およびエステル。
本明細書で用いる場合、「α−レセプター拮抗薬」なる用語は、糖尿病、心臓
血管疾患、良性前立腺肥大症および高眼圧症などの血管障害の治療において用い
られる、LaffertyらのU.S.特許第4,963,547号に開示されているよう
なアルファ−アドレナリン作動性レセプター拮抗化合物の公知のクラスを表す。
本発明の組成物および方法において用いるための好ましいアルファ−アドレナ
リン作動性レセプター拮抗薬としては、アムスロシン(amsulosin)、テトラゾシ
ン(tetrazosin)、ドキサゾシン(doxazosin)、アルフゾシン(alfuzosin)、インド
ラミン(indoramin)、プラゾシン(prazosin)、7−クロロ−2−エチル−3,4,
5,6−テトラヒドロ−4−メチルチエノ[4,3,2−ef][3]−ベンゾアゼピ
ンおよび8−{3−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]−プロピ
ルカルバモイル}−3−メチル−4−オキソ−2−フェニル−4H−1−
ベンゾピランが挙げられる。
本明細書で用いる場合、「アムスロシン」なる用語は、構造式:
で示される化合物ならびにその塩、水和物および溶媒和物を意味する。
化学的には、アムスロシンは、(−)−(R)−5−[2−[[2−(O−エトキシフ
ェノキシ)エチル]アミノ]プロピル]−2−メトキシベンゼンスルホンアミドと称
される。
アムスロシンは、
U.S.特許第4,703,063号に開示されており、U.S.特許第4,987,1
52号において低い尿路機能不全を治療するのに有用であるとしてクレームに挙
げられている。
本明細書で用いる場合、「テラゾシン」なる用語は、構造式:
で示される化合物ならびにその塩、水和物および溶媒和物を意味する。
化学的には、テラゾシンは、1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−キナ
ゾリニル)−4−[(テトラヒドロ−2−フロイル)カルボニル]ピペラジンと称さ
れる。テラゾシンは、U.S.特許第4,251,532号に開示されている。
本明細書で用いる場合、「ドキサゾシン」なる用語は、構造式:
で示される化合物ならびにその塩、水和物および溶媒和物を意味する。
化学的には、「ドキサゾシン」は、1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2
−キナゾリニル)−4−[(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イ
ル)カルボニル]−ピペラジンと称される。
ドキサゾシンは、U.S.特許第4,188,390号に開示されている。
本明細書で用いる場合、「アルフゾシン」なる用語は、構造式:
で示される化合物ならびにその塩、水和物および溶媒和物を意味する。
化学的には、アルフゾシンは、N−[3−[(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−
2−キナゾリニル)メチルアミノ]プロピル]テトラヒドロ−2−フランカルボキ
シアミドと称される。
アルフゾシンは、U.S.特許第4,315,007号に開示されている。
本明細書で用いる場合、「インドラミン」なる用語は、構造式:
で示される化合物ならびにその塩、水和物および溶媒和物を意味する。
化学的には、N−[[1−[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−4−ピ
ペリジニル]ベンズアミンと称される。
インドラミンは、U.S.特許第3,527,761号に開示されている。
本明細書で用いる場合、「プラゾシン」なる用語は、構造式:
で示される化合物ならびにその塩、水和物および溶媒和物を意味する。
化学的には、1−(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリニル)−4
−(2−フラニルカルボニル)ピペラジンと称される。
プラゾシンは、U.S.特許第3,511,836号に開示されている。
本明細書で用いる場合、「7−クロロ−2−エチル−3,4,5,6−テトラヒ
ドロ−4−メチルチエノ[4,3,2−ef][3]ベンゾアゼピン」は、構造式:
で示される化合物ならびにその塩、水和物および溶媒和物を意味する。
7−クロロ−2−エチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−4−メチルチエノ[4
,3,2−ef][3]ベンゾアゼピンは、U.S.特許第5,006,521号に開示
されている。さらに、アルファ−アドレナリン作動性レセプター拮抗薬としてU
.S.特許第5,006,521号に開示されている全ての化合物は、本明細書で用
いる場合、好ましいアルファ−アドレナリン作動性レセプター拮抗薬である。
本明細書で用いる場合、「8−{3−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペ
ラジニル]−プロピルカルバモイル}−3−メチル−4−オキソ−2−フェニル−
4H−1−ベンゾピラン」は、構造式:
で示される化合物ならびにその塩、水和物および溶媒和物を意味する。
8−{3−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]−プロピルカル
バモイル}−3−メチル−4−オキソ−2−フェニル−4H−1−ベンゾピラン
は、Leonardiら(Recordati S.A.)のEPO公開第0558245A1号に開
示されている。
さらに、アルファ−アドレナリン作動性レセプター拮抗薬としてEPO公開第
0558245A1号に開示されている全ての化合物は、本明細書で用いる場合
、好ましいアルファ−アドレナリン作動性レセプター拮抗薬である。
当業者は、Lafferty Iに開示されているアッセイを用いることによって、本
明細書に特に記載されている化合物以外の化合物がアルファ−アドレナリン作動
性レセプター拮抗薬であるかを容易に決定することができる。かくして、かかる
化合物の全ては、本明細書において用いる場合の「アルファ−アドレナリン作動
性レセプター拮抗薬」なる用語の範囲内に含まれる。
本明細書で用いる場合、「ミノキシジル」なる用語は、構造式:
で示される化合物を意味し、化学的には、ミノキシジルは、2,4−ピリミジン
アジアミン,6−(1−ピペリジニル)−,3−オキシドと称される。ミノキシジル
は、ミシガン州カラマズーのジ・アップジョン・カンパニー(the Upjohn Com
pany)によって毛髪発育促進用局所用溶液として販売されているロゲイン
本明細書で用いる場合、「アロマターゼ阻害薬」なる用語は、Gormleyらの国
際公開WO92/18132に開示されているようなアンドロゲンのエストロゲ
ンへの転換を防止する、ステロイド系および非ステロイド系化合物の公知のクラ
スを表す。該Gormleyらの文献には、アロマターゼ阻害薬は、5−α−レダクタ
ーゼ阻害薬と組み合わせて用いると良性前立腺肥大症の治療において有用性を有
すると開示されている。
本発明の組成物および方法において用いるための好ましいアロマターゼ阻害薬
は、4−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ−[1,5−α]ピリジン−5−イ
ル)ベンゾニトリル(ファドラゾール(fadrazole))である。ファドラゾールは、
U.S.特許第4,728,645号に開示されている。さらに、アロマターゼ阻害
活性を有するとGormleyらの国際公開WO92/18132に開示されている全
ての化合物は、本明細書で用いる場合の好ましいアロマターゼ阻害薬である。
本明細書で用いる場合、本明細書に記載の5−α−レダクターゼ阻害薬および
さらなる活性成分を一緒に用いる場合、5−α−レダクターゼ阻害薬は、さらな
る活性成分と共投与することができる。
本明細書で用いる場合、「共投与」なる用語およびその派生語は、本明細書に
記載の5−α−レダクターゼ阻害性化合物と、尋常性坐瘡、脂漏症、女性多毛症
、男性型禿頭症、良性前立腺肥大症または前立腺癌の病状を治療するために知ら
れている他の化合物または5−α−レダクターゼ阻害薬と組み合わせて用いると
有用性を有することが知られている化合物などのさらなる活性成分とを同時に投
与する方法または個別に連続投与する方法を意味する。好ましくは、投与が同時
でない場合、該化合物は、お互いに極めて接近した時間に投与される。さらにま
た、該化合物が同一投与形態で投与されるかは、重要ではない。例えば、1つの
化合物が局所的に投与され、もう1つの化合物が経口投与されてもよい。
本発明の化合物は、このタイプの公知の化合物の製造についてよく知られてい
る種々の方法によって製造される。例えば、式(I)で示される化合物は、スキー
ムI〜IVに示すとおり製造することができる。本明細書で用いる場合、R8は、
NR1R2またはDerek BartonおよびU.D.Ollis,Comprehensive Organic
Chemistry: The Synthesis and Reactions of Organic Compounds.Perg
amon Press(1979)に開示されているような当業者に知られている化学反
応によってNR1R2に転換することができる部分である。ただし、R8は、スキ
ームI〜IVのプロセスを無効にする部分を含まない。以下の実施例に示すとおり
、R8をNR1R2に転換する反応は、スキームI〜IVの合成路の生成物に対して
、または、所望により、これらの合成路におけるある種の中間体に対して行われ
る。例えば、メチルチオ置換基は、酸化によってメチルスルホニルに転換するこ
とができる。メトキシ置換基は、三臭化ホウ素による処理によってヒドロキシに
転換することができる。ヒドロキシ置換基は、無水トリフルオロメタンスルホン
酸などの無水トリハロアルキルスルホン酸との反応、次いで、金属触媒カップリ
ング反応によってカルボキシに転換することができる。
本発明の式(I)で示される新規化合物は、式:
で示される公知の、容易に入手可能なエストロンから、または、公知の、容易に
入手可能なエストロンの17β−カルボン酸類似体から、以下のスキーム1〜4
および実施例に概略記載した方法によって製造することができる。
スキームIは、式Iで示される化合物の形成を概略示す。スキームIで用いら
れる場合、化合物(b)は、Baldwinら,J.Chem.Soc.(c),1968,228
3−2289の方法に従って、化合物(a)から製造される。
次いで、化合物(b)を、適切な有機溶媒、好ましくはメタノール中、塩基、好
ましくは、水酸化ナトリウムと一緒に撹拌し、次いで、酸性化して、化合物(c)
を得る。次いで、化合物(c)を、好ましくは還流温度で、適切な有機溶媒、好ま
しくは、テトラヒドロフランまたはジエチルエーテル溶媒中、以下に説明するグ
リニャール試薬で処理して、式(d)で示される化合物を得る。
適切な有機溶媒、好ましくは、ジクロロメタン中の式(d)で示される化合物お
よび塩基、好ましくは、2,5−ジ−t−ブチル−3−メチル−ピリジンを−20
℃〜20℃、好ましくは0℃に冷却し、無水トリハロアルキルスルホン酸、好ま
しくは、無水トリフルオロメタンスルホン酸と反応させて、化合物(e)を形成す
る。
金属触媒カップリング反応において式(e)で示される化合物を反応させること
によって、式(f)で示される化合物を製造する。好ましくは、式(e)で示される
化合物をジメチルホルムアミド(DMF)、有機塩基、好ましくは、トリエチル
アミン、ホスフィン、好ましくは、ビ(ジフェニルホスフィン)プロパン、パラジ
ウム(II)化合物、好ましくは、酢酸パラジウム(II)、およびC1-6アルキルアル
コール(C1-6alkOH)に溶解させ、次いで、一酸化炭素(CO)を添加する。
次いで、化合物(f)を好適な塩基、好ましくは、炭酸カリウムと反応させ、酸性
化して、化合物(g)を得る。
本明細書で用いる場合、スルホニルアミド化反応は、スキーム(I)〜(IV)の各
々における対応するカルボン酸、式(g)で示される化合物を活性エステル化剤と
反応させて、活性エステルを製造し、次いで、この活性エステルを式(IX):
MHNSO2R4 (IX)
[式中、R4は、アルキル部分が炭素1〜4個を有するアルキル基を表し、Mは
、ナトリウムまたはカリウムなどのアルカリ金属を表す]
で示される化合物と反応させることによって行われる。式(IX)で示される化合物
は、慣用的な方法によって、例えば、対応するスルホンアミドを、通常、活性エ
ステルおよび式(IX)で示される化合物間の反応について以下に示すもののうちの
1つのような不活性溶媒中、好適な温度で、例えば、ほぼ室温で、適切な時間、
例えば、10分〜3時間、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドまたは
カリウムt−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドと反応させるこによっ
て、製造される。
活性エステルおよび式(IX)で示される化合物間の反応は、性質は重要ではない
が、該反応に対する副反応を有しないこと、および、少なくともある程度まで試
薬を溶解できることを条件とする不活性溶媒中、これらの化合物を反応させるこ
とによって行われる。好適な溶媒の例としては、N,N−ジメチルホルムアミド
、N,N−ジメチルアセトアミドまたはヘキサメチルホスホン酸トリアミドなど
のアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;およびテトラヒドロフ
ランおよびジオキサンなどのエーテルが挙げられる。
該反応は、広い温度範囲にわたって行われるであろうし、選択された正確な反
応温度は、本発明にとって重要ではない。一般に、−20〜100℃、より好ま
しくは、0〜50℃の範囲の温度で反応を行うことが好都合であることを見いだ
した。反応に必要な時間は、同様に、多くの因子、特に、反応温度および試薬の
性質に依存して、広く変化する。しかしながら、ほとんどの場合、通常、5分〜
10時間、より好ましくは、10分〜3時間で充分である。
該反応を完了した後、慣用手段によって反応混合物から所望の化合物を回収す
ることができる。例えば、1つの好適な回収方法は、減圧下、蒸留することによ
って溶媒を除去し、残留物に水を添加し、得られた混合物を水−インミスファー
ト(immisphate)で抽出し、該溶媒を留去して、所望の化合物を得る。所望によ
り、得られた化合物を、さらに、再結晶または種々のクロマトグラフィー法、特
にカラムクロマトグラフィーなどの慣用手段によって精製することができる。
スキームIIは、式Iで示される化合物の形成を概略示す。スキームIIにおける
出発物質は、スキームIの記載に従って製造された式(d)で示される化合物であ
る。
スキームIIにおいて用いられる場合、適切な有機溶媒、好ましくは、ジクロロ
メタン中、式(d)で示される化合物および塩基、好ましくは、2,5−ジ−t−ブ
チル−3−メチル−ピリジンを、−20℃〜20℃、好ましくは、0℃に冷却し
、無水フルオロスルホン酸と反応させて、化合物(h)を形成する。金属触媒カッ
プリング反応において式(h)で示される化合物を反応させることによって式(f)
で示される化合物を製造する。好ましくは、式(h)で示される化合物をジメチル
ホルミド(DMF)、有機塩基、好ましくは、トリエチルアミン、ホスフィン、
好ましくは、ビス(ジフェニルホスフィン)プロパン、パラジウム(II)化合物、好
ましくは、酢酸パラジウム(II)、およびC1-6アルキルアルコール(C1-6alkO
H)に溶解させ、次いで、一酸化炭素(CO)を添加する。次いで、化合物(f
)を、好適な塩基、好ましくは、炭酸カリウムと反応させ、酸性化して、化合物
(g)を得る。
スキームIIIは、式Iで示される化合物の形成を概略示す。スキームIIIにおい
て用いる場合、R8は、前記と同じであり、R3は、CF3O2SO−またはFO2
SO−である。スキームIIIのアルキル化プロセス(工程C)において用いる場
合、ピリジルチオエステルをLi−R8またはXMgR8(X=Cl、Br)グリニャ
ール試薬(以下に説明する)と反応させる。
経路1では、約−20℃〜20℃、好ましくは、0℃で、好適な有機溶媒、好
ましくは、ジクロロメタン中、3−ヒドロキシル酸(i)を無水トリフルオロメチ
ルスルホニルまたは無水フルオロスルホン酸およびアミン塩基、例えば、ピリジ
ン、好ましくは、2,5−ジ−t−ブチル−3−メチル−ピリジンで処理すること
によって、(i)を3−トリフルオロメチルスルホニラートまたは3−トリフルオ
ロスルホニラート誘導体(j)に転換させる(工程A)。
室温で約8〜14時間、適切な有機溶媒溶液、好ましくは、テトラヒドロフラ
ン/トルエン中、(j)を2,2−ジチオピリジルおよびトリフェニルホスフィン
で処理することによって、活性化エステル(k)を製造する(工程B)。
−50〜−70℃の温度で、1〜16時間、テトラヒドロフランまたはジエチ
ルエーテル溶媒中、以下に記載のグリニャール試薬で(k)を処理することによっ
て、17−アシル誘導体(l)を製造する。
カルボニル化条件下で(l)を処理することによって、好ましくは、1〜16時
間、酢酸パラジウム触媒、トリフェニルホスフィンおよび第3級有機アミン、好
ましくは、トリエチルアミンを含有する、適切な有機溶媒、好ましくは、メタノ
ール中の(l)の溶液に一酸化炭素ガスを通気させることによって、3−アルキル
エステル(f)を製造する(工程D)。次いで、化合物(f)を、好適な塩基、好ま
しくは、炭酸カリウムと反応させ、酸性化して、化合物(g)を得る。
カルボキシル化条件下で(I)を処理することによって、好ましくは、適切な非
アルコール溶媒、好ましくは、パラジウム触媒、好ましくは、二酢酸パラジウム
(II)および1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(DPPF)ならび
に塩基、好ましくは、酢酸カリウム含有するDMSO中の(l)の溶液に、好まし
くは、高温で、一酸化炭素ガスを通気することによって、化合物(g)を製造する
こともてきる(工程G)。
経路2は、前記工程Aによって出発ステロイド系酸(i)を3−トリフルオロメ
チルスルホニラートまたは3−トリフルオロスルホニラート誘導体(j)に転換し
、工程Dによって(j)を(m)に転換し、工程Bによって活性化2−ピリジルチオ
エステル(n)を形成し、工程Cによって17−アシル化合物(f)を形成し、工程
Fによって3−エステルから3−酸最終生成物(g)に加水分解することを含む。
経路3は、前記工程Bによって出発酸(i)を活性化エステル(o)に転換し、前
記工程Cによって(o)を反応させることによって17−アシル化合物を形成し、
前記工程Aによって(d)を2−トリフルオロメチルスルホニラートまたは3−フ
ルオロスルホニラート誘導体(l)に転換させ、前記工程Gまたは前記工程D、次
いで、前記工程Fによって、(l)を最終生成物(g)に転換させることを含む。
スキームIVは、式Iで示される化合物の形成を概略示す。
スキームIVのアルキル化プロセス(式(s)で示される化合物を製造するため)
において用いる場合、カルボキシアルデヒドをLi−R8またはXMgR8(X=C
l、Br)グリニャール試薬(以下に説明する)と反応させる。
スキームIVにおける出発物質は、スキームIの記載に従って製造した式(c)で
示される化合物である。
スキームIVにおいて用いる場合、適切な有機溶媒、好ましくは、ジクロロメタ
ン中の式(c)で示される化合物および塩基、好ましくは、2,5−ジ−t−ブチル
−3−メチル−ピリジンを−20℃〜20℃、好ましくは、0℃に冷却し、無水
トリハロアルキルスルホン酸、好ましくは、無水トリフルオロメタンスルホン酸
と反応させて、化合物(p)を形成する。
金属触媒カップリング反応で式(p)で示される化合物を反応させることによっ
て式(q)で示される化合物を製造する。好ましくは、式(p)で示される化合物を
、ジメチルホルムアミド(DMF)および有機塩基、好ましくは、トリエチルア
ミン、ホスフィン、好ましくは、ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、パラジ
ウ
ム(II)化合物、好ましくは、酢酸パラジウム(II)、およびC1−C6アルキルアル
コール(C1−C6alkOH)に溶解させ、次いて、一酸化炭素(CO)を添加す
る。式(q)で示される化合物を還元剤、好ましくは、水素化ジイソブチルアルミ
ニウムと反応させて、式(r)で示される化合物を得る。
約−50℃〜−70℃の温度で1〜16時間、テトラヒドロフランまたはジエ
チルエーテル溶媒中、式(r)で示される化合物をグリニャール試薬(スキームII
Iに示した)で処理することによって式(s)で示される化合物を製造する。
式(s)で示される化合物の酸化によって、式(g)で示される化合物を製造する
。好ましくは、該酸化は、ジョーンズ試薬またはテトラプロピルアンモニウムパ
ールテナート、次いで、塩化ナトリウムを用いる。
全ての種類についてXMgR8型のグリニャール試薬が利用可能であるか、また
は、当業者によって容易に本発明の範囲内に製造することができる。
17位置換基がα位である式Iで示される化合物は、以下の一般的な方法によ
って、対応するβ置換基を含有する化合物から製造される。
一般的な方法A
100℃以上の温度、好ましくは、還流温度で、適切な溶媒、好ましくは、エ
チレングリコールまたはジメチルスルホキシド中の、式(I)で示される置換基1
7βステロイド系5α−レダクターゼ阻害性化合物の撹拌溶液に、水酸化物また
はアルコキシド塩基などの塩基、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムまたはナトリウムメトキシドを添加し、単離および後処理した後、対応するα
エピマーを得る。
エピマー化を行うために適切な溶媒を決定するにおいて、出発17β5α−レ
ダクターゼ阻害性ステロイド系化合物が例えば求核攻撃される反応性置換基また
は反応性不飽和結合を含む場合、ジメチルスルホキシドまたは他の非反応性高沸
点溶媒が好ましく、出発17β5α−レダクターゼ阻害性ステロイド系化合物の
置換基または不飽和結合の反応性が重要なことではない場合、エチレングリコー
ルまたは他の反応性高沸点溶媒を用いることができる。
本明細書および請求の範囲で用いる場合、「溶媒」または「適切な溶媒」なる
用語は、塩化メチレン、塩化エチレン、クロロホルム、エチレングリコール、四
塩化炭素、テトラヒドロフラン(THF)、エチレンエーテル、トルエン、酢酸エ
チル、ヘキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N'−ジメチル−N,N'
−プロピレン尿素、N−メチル−2−ピロリジノン、メタノール、イソプロピル
アルコール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ピリジン、キノリンまたはエタノ
ールなどの溶媒を意味する。
所望により、当業者によく知られている方法によって、式(I)て示される化合
物の医薬的に許容される塩、水和物および溶媒物が形成される。
本発明の医薬的に許容される化合物は、ステロイド5−α−レダクターゼ活性
を阻害するために、それらは、DHT活性の低下が所望の治療効果を生じるよう
な疾患および病状を治療する際に治療的利用性を有する。かかる疾患および病状
としては、尋常性坐瘡、脂漏症、女性多毛症、男性型禿頭症、良性前立腺肥大症
または前立腺癌などの前立腺疾患が挙げられる。
ヒト5α−レダクターゼ酵素を阻害する効力を決定する際に、以下の方法が用
いられる:
組換えステロイド5αレダクターゼイソ酵素1の供給源として用いられる膜微 粒子の調製
ダンス型ガラス−ガラス手動式ホモジナイザー[ニュージャージー州ヴァイン
ランドのコンテス・グラス・カンパニー(Kontes Glass Co.)]を用いて、発
現した組換えヒトステロイド5α−レダクターゼイソ酵素1を含有するチャイニ
ーズハムスター卵巣(CHO)細胞[Andersson,S.、Berman,D.M.、Jenki
ns,E.P.およびRussell,D.W.(1991)Nature 354 159−161
]を0.33Mスクロース、1mMジチオトレイトールおよび50μM NADP
Hを含有する20mMリン酸カリウム(pH6.5)緩衝液(緩衝液A)中でホモ
ジナイズする。遠心分離(4℃で60分間、100,000×g)によって膜微
粒子を単離し、20%グリセロール、1mMジチオトレイトールおよび50μM
NADPHを含有する20mMリン酸カリウム(pH6.5)緩衝液(緩衝液B)
中に再懸濁させる。懸濁した微粒子溶液を−80℃で貯蔵する。
ステロイド5α−レダクターゼイソ酵素2の供給源として用いられる前立腺膜 微粒子の調製
冷凍したヒト前立腺を解凍し、小片に切り刻む[ニューヨーク州ウエストバリ
ーのブリンクマン・ポリトロン・サイブロン・コーポレイション(Brinkmann P
olytron Sybron Corp.)]。該溶液をソニファイヤー(Sonifier)[ブランソ
ン・ソニック・パワー・カンパニー(Branson Sonic Power Co.)]を用いて
3〜5分間音波処理し、次いで、ダンス型手動式ホモジナイザーで手動によりホ
モジナイズする。4℃で、600または1000×gで20分間および140,
000×gで60分間の差動遠心分離によって、前立腺粒子を得る。140,0
00×g遠心分離によって得られたペレットを前記緩衝液5〜10組織容量で洗
浄し、140,000×gで遠心分離した。得られたペレットを緩衝液Bに懸濁
させ、微粒子懸濁液を−80℃で貯蔵した。
組換えステロイド5−α−レダクターゼイソ酵素2の供給源として用いられる 膜微粒子の調製
ダンス型手動式ホモジナイザーを用いて、発現した組換えヒトステロイド5−
α−レダクターゼイソ酵素2を含有するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)
細胞を0.33Mスクロース、1mMジチオトレイトールおよび50μM NAD
PHを含有する20mMリン酸カリウム(pH6.5)緩衝液(緩衝液A)中でホ
モジナイズする。遠心分離(4℃で60分間、100,000×g)によって、
組換えヒト酵素を含有する膜微粒子を単離し、20%グリセロール、1mMジチ
オトレイトールおよび50μM NADPHを含有する20mMリン酸カリウム(
pH6.5)緩衝液(緩衝液B)中に再懸濁させる。懸濁した微粒子溶液を、使用
するまで−80℃で貯蔵する。
酵素活性および阻害薬効力についてのアッセイ
エタノール中一定量の[14C]テストステロン(50〜55mCi/mmol)および
エタノール中可変量の有効な阻害薬を試験管中に沈積させ、真空中、濃縮乾固さ
せる。各試験管に、緩衝液、10mM NADPH 10μL(組換えイソ酵素1
またはイソ酵素2)または20μL(ヒト前立腺組織からのイソ酵素2)および
ステロイド5α−レダクターゼ調製物のアリコットを、最終容量0.5mLまで添
加する。ヒトステロイド5α−レダクターゼイソ酵素1についてのアッセイは、
50mMリン酸緩衝液(pH7.5)中、CHO細胞において発現した組換えタン
ペクの試料を用いて行い、一方、イソ酵素2のアッセイは、50mMクエン酸緩
衝液(pH5.0)中、ヒト前立腺微粒子および/またはCHO細胞において発現
した組換えタンパクの懸濁液を用いて行う。
37℃で20または30分間、該溶液をインキュベートした後、酢酸エチル4
mLおよび担体として各0.25μmolのテストステロン、5α−ジヒドロテスト
ステロン、アンドロスタンジオールおよびアンドロスタンジオンを添加すること
によって該反応をクエンチする。有機層を第2試験管に取り出し、Speed Vac
中で蒸発乾固させる。残留物をクロロホルム40μLに溶解させ、プレチャネル
化処理した20×20cmのシリカゲルTLCプレート[Si 250F−PA、ベ
イカー・ケミカル(Baker Chemical)]の個々のレーンにスポットし、アセト
ン:クロロホルム(1:9)で2回展開させる。基質および生成物のバンドにお
ける放射化学含量を、BIOSCAN・イメージング・スキャナー(BIOSC
AN Imaging Scanner)[ワシントン・ディ・シーのバイオスキャン・インコ
ーポレイテッド(Bioscan Inc.)]を用いて測定する。生成物に転換された回
収した放射標識のパーセントを算出し、これにより、酵素活性を測定する。全て
のインキュベーションは、基質(テストステロン)の20%以下が消費されるよ
うに行う。
実験的に得られたデータは、種々の阻害薬濃度に対する酵素活性(1/速度)
の逆数をプロットすることによって一次関数にコンピューター適合する;見かけ
の阻害定数(Ki,app)は、ジキソン(Dixon)分析[Dixon,M.(1953)]
によって測定する。
阻害定数(Ki)についての値は、公知の方法[Levy,M.(1989)、Bioc
hemistry)、29:2815−2824]により算出される。
本発明の範囲内の全ての化合物は、ステロイド5−α−レダクターゼの阻害を
必要とするヒトを含む哺乳動物におけるステロイド5−α−レダクターゼの阻害
に有用である。
本発明の範囲内の化合物は、試験され、イソ酵素1に対して25−30Ki(n
M)〜400Ki(nM)の活性およびイソ酵素2に対して0.5Ki(nM)〜1
−2Ki(nM)の活性を示した。
本発明の化合物ならびに本発明の医薬組成物および本発明の方法において用い
られる化合物のうち特に好ましい化合物は、
17β−(N−ベンジルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン
−3−カルボン酸、
17β−(N−ジフェニルメチルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(10)−
トリエン−3−カルボン酸、
17β−(N−アダマンチルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(10)−トリ
エン−3−カルボン酸、
17β−(N−メチル−N−ベンジルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(1
0)−トリエン−3−カルボン酸である。
本発明の医薬的に活性化合物は、好ましくは、カプセル剤、錠剤または注射用
調製物などの好都合な投与形態に一体化される。固体または液体医薬担体が用い
られる。固体担体としては、デンプン、ラクトース、硫酸カルシウム・二水和物
、白土、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアガム、ステ
アリン酸マグネシウム、およびステアリン酸が挙げられる。液体担体としては、
シロップ、落花生油、オリーブ油、生理食塩水および水が挙げられる。同様に、
担体または希釈剤としては、単独またはワックスと一緒のモノステアリン酸グリ
セリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの持続放出型材料が挙げられる。固
体担体の量は、広く変化するが、好ましくは、投与単位当たり約25mg〜約1g
であろう。液体担体を用いる場合、該調製物は、シロップ、エリキシル、エマル
ジョン、ゼラチン軟カプセル、アンプルなどの無菌注射用液、または、水性もし
くは非水性液体懸濁液の形態であるのが好ましい。
医薬調製物は、錠剤形態について混合、顆粒化、および所望により圧縮を含む
薬化学者の慣用技術に従って調製される。あるいは、所望により、該成分を混合
し、充填させ、所望により溶解して、望ましい経口または非経口用生成物を得る
ことによって調製される。
前記したような医薬投与単位における本発明の試薬的に活性な化合物の量は、
好ましくは、活性化合物0.01〜1000mg/kg、好ましくは、0.1〜100
mg/kgの範囲から選択される有効な無毒性量である。ステロイド5−α−レダク
ターゼ阻害を必要とするヒト患者を処理する場合、選択された投与量は、好まし
くは、1日1〜6回、経口または非経口投与される。非経口投与の好ましい形態
としては、局所投与、直腸内投与、経皮投与、注射による投与および輸液による
連続投与が挙げられる。ヒト投与のための経口投与単位は、活性化合物0.1〜
500mgを含有するのが好ましい。低い投与量を用いる経口投与が好ましい。し
かしながら、高投与量での非経口投与も、患者に対して安全かつ便利である場合
には用いることができる。
ヒトを含む哺乳動物においてステロイド5−α−レダクターゼ活性を阻害する
本発明の方法は、かかる阻害を必要とする患者に、本発明の医薬的に活性な化合
物の有効なステロイド5−α−レダクターゼ阻害量を投与することからなる。
本発明は、また、ステロイド5−α−レダクターゼの阻害において用いるため
の医薬の製造における式(I)で示される化合物の使用を提供するものである。
本発明は、また、式Iで示される化合物および医薬的に許容される担体からな
る、良性前立腺肥大症の治療用医薬組成物を提供するものでもある。
本発明は、また、式Iで示される化合物および医薬的に許容される担体からな
る、前立腺癌の治療用医薬組成物を提供するものでもある。
本発明は、式Iで示される化合物を医薬的に許容される担体または希釈剤と混
合させることからなる、医薬的に許容される担体または希釈剤および式Iで示さ
れる化合物を含有する医薬組成物の調製方法を提供するものでもある。
本発明の化合物を本発明に従って投与する場合、許容されない毒物学的効果は
、全く予想れさない。
さらに、本発明の医薬的活性化合物は、尋常性坐瘡、脂漏症、女性多毛症、男
性型禿頭症、良性前立腺肥大症または前立腺癌の病状を治療するために知られて
いる他の化合物または5−α−レダクターゼ阻害薬と合わせて用いた場合に有用
性を有することが知られている化合物なとのさらなる活性成分と一緒に共投与す
ることができる。特に好ましくは、前記5−α−レダクターゼ阻害薬および男性
型禿頭症治療用ミノキシジルの共投与である。特に好ましくは、前記5−α−レ
ダクターゼ阻害薬および良性前立腺肥大症治療用α−レセプター拮抗薬の共投与
である。好ましくは、前記5−α−レダクターゼ阻害薬および良性前立腺肥大症
治療用アロマターゼ阻害薬の共投与である。好ましくは、前記5−α−レダクタ
ーゼ阻害薬および良性前立腺肥大症治療用のα−レセプター拮抗薬およびアロマ
ターゼ阻害薬の共投与である。
さらに説明せずに、当業者は、前記説明を用いて、本発明をその最も充分な程
度に利用することができると思われる。したがって、以下の実施例は、単なる説
明であり、如何なる場合も本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
17β−(クロロカルボキシル)−エストラ−1,3,5(10)−3−(アセトキ シメチル)トリエンの製造
a)17β−(ホルミル)−エストラ−1,3,5(10)−3−(アセトキシメチ
ル)トリエン
アルゴン下、室温で、17β−(ホルミル)−エストラ−1,3,5(10)−3−
(ヒドロキシメチル)トリエン(431.8mg、1.45mmol)のCH2Cl2(20m
L)中溶液に4−ジメチルアミノピリジン(8.8mg、0.072mmol)およびト
リエチルアミン(293mg、2.89mmol)を添加した。次いで、無水酢酸(2
95mg、2.89mmol)のCH2Cl2(5mL)中溶液を滴下し、該反応混合物を室
温で2.0時間撹拌した。反応混合物を5%HCl、H2O、食塩水で洗浄し、乾
燥させ(硫酸マグネシウム)、真空濃縮して、標記化合物をかすかに黄色の固体と
して得た(480mg、97%);1H NMR(CDCl3,400MHz):δ0.8(s
,3H)、2.1(s,3H)、5.05(s,2H)、7.1(s,1H)、7.16(d,2
H)、7.3(d,1H)、9.82(d,1H);MS(ES/NH3)m/e 358[
M+NH4]+。
b)17β−(カルボキシル)−エストラ−1,3,5(10)−3−(アセトキシ
メチル)トリエン
0℃で、17β−(ホルミル)−エストラ−1,3,5(10)−3−(アセトキシ
メチル)トリエン(474mg、1.39mmol)、tert−ブチルアルコール(15mL
)および2−メチル−2−ブテン(976mg、13.92mmol、2.0M溶液7.
0mL)の撹拌混合物に塩化ナトリウム(1.26g、13.9mmol)およびリン酸
水素二ナトリウム・一水和物(1.92g、13.92mmol)のH2O(5.0mL)
中溶液を添加した。該混合物を室温に加温し、5.0時間撹拌した。HOAc(1
.0mL)および飽和NaClを添加し、該混合物をEtOAc(2×50mL)で抽
出し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー
(シリカゲル、CHCl3/HOAc(99:1))に付して、標記化合物を白色
固体として得た(400mg、81%);1H NMR(CDCl3,400MHz):δ0
.78(s,3H)、2.1(s,3H)、5.05(s,2H)、7.1(s,1H)、7.1
5(d,1H)、7.32(d,1H);MS(ES)m/e 355[M+H]+。
c)17β−(クロロカルボキシル)−エストラ−1,3,5(10)−3−(アセ
トキシメチル)トリエン
0℃で、17β−(カルボキシル)−エストラ−1,3,5(10)−3−(アセト
キシメチル)トリエン(400mg、1.12mmol)のCH2Cl2中溶液に塩化オキ
サリル(1.42g、11.22mmol)を添加した。該反応物を1時間かけて室温
に加温し、真空濃縮して、標記化合物を黄色固体として得た(380.7mg、91
5);1H NMR(CDCl3,400MHz):δ0.83(s,3H)、2.1(s,3H
)、2.98(t,1H 17αH)、5.05(s,2H)、7.1(s,1H)、7.15(
d,1H)、7.3(d,1H);IR(薄膜)1790cm-1。
実施例2
17β−(N−アダマンチルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(10)−トリ エン−3−カルボン酸の製造
a)17β−(N−アダマンチルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(10)−
3−(アセトキシメチル)トリエン
アルゴン下、室温で、17β−(クロロカルボキシル)−エストラ−1,3,5(
10)−3−(アセトキシメチル)トリエン(189.7mg、0.5mmol)のCH2C
l2(15mL)中溶液に1−アミノアダマンタン・塩酸塩(93.9mg、0.5mmol
)、トリエチルアミン(101.2mg、1.0mL)および4−ジメチルアミノピリ
ジン(3mg、0.025mmol)を添加した。該反応物を室温で4.5時間撹拌した
。該混合物を5%HCl、H2O、食塩水で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)
、真空濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtO
Ac(2:1))に付して、標記化合物を白色泡状物として得た(153mg、6
3%);1H NMR(CDCl3,400MHz):δ0.72(s,3H)、2.1(s,
3H)、5.0(br s,1H,NH)、5.05(s,2H)、7.1(s,1H)、7.1
5(d,1H)、7.3(d,1H);MS(ES)m/e490[M+H]+。
b)17β−(N−アダマンチルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(10)−
トリエン−3−(ヒドロキシメチル)トリエン
17β−(N−アダマンチルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(10)−トリ
エン−3−(アセトキシメチル)トリエン(153mg、0.31mmol)のCH3OH
:H2O(9:1)10mL中懸濁液に1.0N NaOH(13.7mg、0.343m
mol、0.343mL)を添加し、該反応物を室温で2.0時間撹拌した。該反応物
を、1.0N HClを用いてpH3.0に酸性化し、溶媒を真空除去した。反応物
をCH2Cl2に溶解させ、H2Oで洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、真空濃
縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc(2:
1))に付して、標記化合物を白色固体として得た(65mg、46%)。1
H NMR(CDCl3,400MHz):δ0.72(s,3H)、4.63(d,2H)、
5.0(br s,1H,NH)、7.1(s,1H)、7.15(d,1H)、7.28(d,
1H);MS(ES)m/e 448[M+H]+。
c)17β−(N−アダマンチルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(10)−
トリエン−3−カルボン酸
0℃で、17β−(N−アダマンチルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(1
0)−トリエン−3−(ヒドロキシメチル)トリエン(65mg、0.145mmol)の
アセトン中溶液にジョーンズ試薬を、橙色を持続するまで添加し、該反応物を1
.5時間かけて室温に加温した。イソプロパノールを、緑色を持続するまで添加
した。該反応混合物をセライトを介して濾過し、真空濃縮し、フラッシュクロマ
トグラフィー(シリカゲル、HOAc/CH3OH/CHCl3(1:2:97))
に付して、標記化合物を白色固体として得た(46.5mg、70%)。1H NMR(
CDCl3,400MHz):δ0.75(s,3H)、5.0(br s,1H,NH)、7.
37(d,1H)、7.82(s,1H)、7.86(d,1H);MS(ES)m/e 4
62[M+H]+;融点:>260℃;元素分析(C30H30NO3):理論値:C,7
8.05;H,8.52;N,3.03、測定値:C,75.45;H,8.32;N,2
.76。
実施例3
17β−(N−ジフェニルメチルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(10)− トリエン−3−カルボン酸の製造
a)17β−(N−ジフェニルメチルカルバイモル)−エストラ−1,3,5(1
0)−3−(アセトキシメチル)トリエン
アミノジフェニルメタン・塩酸塩を代わりに用いる以外は、実施例2(a)の
方法に従って、標記化合物を白色固体として製造した(110mg、41%)。1
H NMR(CDCl3,400MHz):δ0.70(s,3H)、5.04(s,2H)、
5.95(d,1H)、6.31(d,1H);MS(ES)m/e 522[M+H]+。
b)17β−(N−ジフェニルメチルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(1
0)−3−(ヒドロキシメチル)トリエン
実施例2(b)の方法に従って、標記化合物を白色固体として製造した(61.
3mg、61.3%)。1H NMR(CDCl3,400MHz):δ0.70(s,3H)、
2.88(m,2H)、4.62(s,2H)、5.97(d,1H)、6.31(d,1H)、
7.09(s,1H);MS(ES)m/e 480[M+H]+。
c)17β−(N−ジフェニルメチルカルバイモル)−エストラ−1,3,5(1
0)−トリエン−3−カルボン酸
実施例2(c)の方法に従って、標記化合物を白色固体として製造した(15
mg、40%)。1H NMR(CDCl3,400MHz):δ0.71(s,3H)、5.9
6(d,1H)、6.31(d,1H)、7.27(m,5H)、7.34(m,5H)、7.3
7(d,1H)、7.82(s,1H)、7.86(d,1H);MS(ES)m/e 49
4[M+H]+;融点:170−172℃;元素分析(C33H35NO3):理論値:C
,80.29;H,7.15;N,2.84、測定値:C,77.11;H,6.93;N
,2.55。
実施例4
17β−(カルボキシル)−エストラ−1,3,5(10)−3−(tert−ブチルジ メチルシリルオキシメチル)トリエンの製造
a)17β−(ホルミル)−エストラ−1,3,5(10)−3−(tert−ブチルジ
メチルシリルオキシメチル)トリエン
アルゴン下、室温で、17β−(ホルミル)エストラ−1,3,5(10)−3−(
ヒドロキシメチル)トリエン(300mg、1.0mmol)のCH2Cl2(15mL)中
溶液にtert−ブチル−ジメチルシリルクロリド(167mg、1.1mmol)、トリエ
チルアミン(112mg、1.11mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(1
2.2mg、0.1mmol)を添加し、該混合物を24時間撹拌した。該反応物を真空
濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、100%CHCl3)に付
して、標記化合物を白色固体として得た(335mg、77%);1H NMR(CD
Cl3,400MHz):δ0.1(s,6H)、0.8(s,3H)、0.95(s,9H)、
4.69(s,2H)、7.03(s,1H)、7.1(d,1H)、7.25(d,1H)、9
.80(d,1H);MS(ES)m/e 411[M−H]+。
b)17β−(カルボキシル)−エストラ−1,3,5(10)−3−(tert−ブチ
ルジメチルシリルオキシメチル)トリエン
0℃で、17β−(ホルミル)−エストラ−1,3,5(10)−3−(tert−ブチ
ルジメチルシリルオキシメチル)トリエン(235.1mg、0.57mmol)、tert−
ブチルアルコール(9mL)および2−メチル−2−ブテン(400mg、0.57
mmol、2.0M溶液2.85mL)の撹拌混合物に塩化ナトリウム(516mg、5.
7mmol)およびリン酸水素二ナトリウム・一水和物(787mg、5.7mmol)の
H2O(3.0mL)中溶液を添加した。該混合物を室温に加温し、一晩、撹拌し
た。HOAc(1.0mL)および飽和NaClを添加し、該混合物をEtOAc(2
×30mL)で抽出し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空濃縮し、ヘキサンと一
緒に粉砕して、標記化合物を白色固体として得た(155mg、64%)。1H NM
R(CDCl3,400MHz):δ0.1(s,6H)、0.18(s,3H)、0.91(s
,9H)、4,67(s,2H)、7.03(s,1H)、7.1(d,1H)、7.25(d,
1H);MS(DCI/NH3)m/e 446[M+NH4]+。
実施例5
17β−(N−ベンジルカルバイモル)−エストラ−1,3,5(10)−トリエン −3−カルボン酸の製造
a)17β−(ベンジルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(10)−3−(ter
t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)トリエン
17β−(カルボキシル)−エストラ−1,3,5(10)−3−(tert−ブチルジ
メチルシリルオキシメチル)トリエン(39.3mg、0.029mmol)のCH2Cl2
(10mL)中に1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(20.9mg、0.1mmo
l)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(13.7mg、0.1mmol)およびベンジ
ルアミン(10.8mg、0.1mmol)を添加し、アルゴン下、室温で24時間撹拌
した。該反応物をガラスフリット漏斗を介して濾過し、真空濃縮し、フラッシュ
クロマトグラフィー(シリカゲル、100%CHCl3)に付して、標記化合物を
白色固体として得た(35.5mg、75%)。1H NMR(CDCl3,400MHz)
:δ0.1(s,6H)、0.77(s,3H)、0.95(s,9H)、4.4−4.55(
ddd,2H)、4.69(s,2H)、5.68(t,1H,NH)、7.05(s,1H)
、7.1(d,1H)、7.25(d,1H)、7.27−7.4(m,5H);MS(DC
I/NH3)m/e 518[M+H]+。
b)17β−(ベンジルカルバイモル)−エストラ−1,3,5(10)−3−(ヒ
ドロキシメチル)トリエン
THF(3.0mL)中の17β−(ベンジルカルバモイル)−エストラ−1,3,
5(10)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)トリエン(33.3
mg、0.064mmol)にテトラブチルアンモニウムフルオリド(8.4mg、0.3
2mmol、THF中1.0M溶液0.32mL)を添加した。該反応混合物を、アル
ゴン下、室温で5.0時間撹拌した。該反応物を真空濃縮し、残留物をEtOAc
に溶解させ、H2O、食塩水で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、真空濃縮
し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3/CH3OH(9:
1))に付して、標記化合物を白色固体として得た(18mg、70%);1H NM
R(CDCl3,400MHz):δ0.75(s,3H)、4.4−4.55(ddd,2H
)、4.62(s,2H)、5.67(t,1H)、7.1(d,1H)、7.12(d,1H)
、7.28−7.4(m,6H);MS(DCI/NH3)m/e 404[M+H]+。
c)17β−(N−ベンジルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(10)−トリ
エン−3−カルボン酸
実施例2(c)の方法に従って、標記化合物を白色固体として製造した(14.
5mg、84%)。1H NMR(CDCl3,400MHz):δ0.75(s,3H)、4.
4−4.55(ddd,2H)、5.67(t,1H)、7.28−7.4(m,6H)、7.
82(s,1H)、7.85(d,1H);MS(DCI/NH3)m/e 418[M+
H]+;融点123−125℃;元素分析(C27H31NO3):理論値:C,77.6
7;H,7.48;N,3.35、測定値:C,72.80;H,7.06;N,2.90
。
実施例6
17β−(n−ベンジルメチルカルバイモル)−エストラ−1,3,5(10)−ト リエン−3−カルボン酸の製造
a)17β−(N−ベンジルメチルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(10)
−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)トリエン
ベンジルアミンの代わりにN−ベンジルメチルアミンを用いる以外は、実施例
5a)の方法に従って、標記化合物を製造した(33.0mg、35%)。1H NM
R(CDCl3,400MHz):δ0.85(s,3H)、0.93(s,3H)、4.67(
s,2H)、7.03(d,1H)、7.09(d,1H)、7.15(d,1H)、7.27(
mm,3H)、7.35(mm,2H);MS(DCI/NH3)m/e 532[M+
H]+。
b)17β−(N−ベンジルメチルカルバモイル)−エストラ−1,3,5(10)
−3−(ヒドロキシメチル)トリエン
実施例5b)の方法に従って、標記化合物を白色固体として製造した(22.3
mg、88%)。1H NMR(CDCl3,400MHz):δ0.83(s,3H)、2.9
4(マイナーな回転異性体,s,3H,35%)、3.00(メジャーな回転異性体,s
,3H,65%)、4.32(d,d 1H)、4.62(s,2H)、5.00(d,d 1H
)、7.09(d,1H)、7.13(m,2H)、7.27(m,3H)、7.35(mm,2
H);MS(DCI/NH3)m/e 418[M+H]+。
c)17β−(N−ベンジルメチルカルバイモル)−エストラ−1,3,5(10)
−トリエン−3−カルボン酸
実施例2c)の方法に従って、標記化合物を白色固体として得た(6.9mg、全
収率32%);1H NMR(CDCl3,400MHz):δ0.87(s,3H)、2.9
5(N−CH3,マイナーな回転異性体,35%,s,3H)、3.02(N−CH3,メ
ジャーな回転異性体,65%,s,3H)、4.35(d,d,1H)、5.02(d,d,
1H)、7.28−7.4(m,5H)、7.86(m,2H);MS(DCI/NH3)
m/e 432[M+H]+;融点:127−129℃;
製剤化
活性物質250mgを含有する経口用錠剤を以下のとおり調製する:
活性物質をメチルセルロースの4%w/w水溶液と一緒に顆粒化する。
乾燥した顆粒に残りの成分の混合物を添加し、最終混合物を適正な重量の錠剤
に打錠する。
本発明の好ましい具体例は、前記で説明したが、本発明は、本明細書で前記し
た説明に限定されず、以下の請求の範囲内になる全ての変更に対する権利も確保
されると解されるべきである。